JPH11227227A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH11227227A
JPH11227227A JP3695198A JP3695198A JPH11227227A JP H11227227 A JPH11227227 A JP H11227227A JP 3695198 A JP3695198 A JP 3695198A JP 3695198 A JP3695198 A JP 3695198A JP H11227227 A JPH11227227 A JP H11227227A
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JP
Japan
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ink
electrode
cutting
electrodes
acceleration
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Withdrawn
Application number
JP3695198A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Takeyama
啓之 竹山
Masanori Ota
政典 太田
Masahiro Oda
将宏 織田
Yoshisuke Nakamura
善亮 中村
Tadao Yamamoto
忠夫 山本
Eiichi Takeuchi
榮一 竹内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単な構成で目詰まりが無く且つ1ドット毎に
フルカラーの多値面積階調が可能なラインヘッドを備え
たインクジェットプリンタを提供する。 【解決手段】印字ヘッド2の下部基板に積層された1ド
ットのインク滴を形成する一組の電極パターンにおい
て、隔壁25により仕切された親水領域の待機部17
(17a、17b、17c)にはCインク、Mインク及
びYインクが夫々保持される。これらに連接する夫々大
きさの異なる切断電極12−1(12−1y、・・、1
2−4y、・・、12−3m、・・、12−2c、12
−3c、・)は待機部17から夫々大きさの異なるイン
ク滴24−3m、24−2m、・・・を切り出す。混合
電極13は上記のインク滴を前方に寄せ集めながら混合
し、これにより集滴加速電極14に集滴されて1ドット
となったインク滴が3個の加速電極15a、15b、1
5cに加速されて吐出口8から記録紙に射出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1ドットのインク
滴のカラー化が容易なインクジェットプリンタに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータ等をホス
ト機器として、このホスト機器から出力される印字情報
にしたがって用紙に印字を行う画像形成装置として、イ
ンクジェット方式を採用したプリンタ装置が知られてい
る。
【0003】このインクジェット方式による印字方式に
は、気泡の発生する力でインク滴を飛ばすバブルジェッ
ト方式や、ピエゾ抵抗素子(圧電素子)の変形によって
インク滴を飛ばすピエゾ方式等がある。
【0004】これらは、色材たるインクをインク滴にし
て直接記録紙に向かって吐出するという工程により、粉
末状の印材であるトナーを用いる電子写真方式と比較し
た場合、印字エネルギーが低くて済み、インクの混合に
よってカラー化が容易であり、印字ドットを小さくでき
るので高画質であり、印字に使用されるインクの量に無
駄が無くコストパフォーマンスに優れており、このため
特にパーソナル用プリンタとして広く用いられている印
字方式である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
インクジェット方式では、いずれも印字ヘッドのインク
吐出口は1ドット毎に隔壁によって独立した孔として形
成されている。また、これらの吐出孔は、複数色につい
て独立して形成されている。そして、印字画像の高解像
度が追求されるに応じて、孔の小径化が進んでいる。
【0006】しかしながら、このように高解像度が要求
されることに応じてインク吐出孔を小さく形成していく
には、インクの目詰まり等の厄介な問題を解決しなけれ
ばならず、このためインクの構成にも印字ヘッドの構成
にも高度の技術が要求され、その実現にはかなりの困難
を伴うものである。
【0007】また、主走査方向に同時に複数個のインク
滴を射出することのできる所謂ラインヘッドを作製しよ
うとする場合、上記のように小径の吐出孔を得ることが
なかなか困難であるために、これら小径の吐出孔をライ
ン状に形成したとき良品のラインヘッドを得ることので
きる歩留りが悪く、採算上から見ても実現の困難な状況
に置かれていた。
【0008】また、高階調度を追求するにあたっては、
1画素の階調を複数ドットによって表現する面積階調法
では画素数が粗くなるため適切でなく、多値記録による
面積階調法を用いて高階調度を実現しなければならな
い。
【0009】そうなると、上記のバブルジェット方式や
ピエゾ方式では、それぞれの構成上からみて原理的にせ
いぜい2値から4値の面積階調しか得られないから、こ
れらを用いて高階調度を実現するのは殆ど絶望的と言わ
ざるを得ない。
【0010】このため、複数種類の低濃度のインクを用
いて行う濃度階調法も用いられているが、印字ヘッドの
構造が複雑になり過ぎて保守上の問題がある上に、製品
コスト的にも高価なものになって問題が多い。
【0011】本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、
ライン状の印字ヘッドであって目詰まりが生じ難く、各
ドット毎に射出するインク滴の径が可変であり、且つそ
のインク滴が多色化されるインクジェットプリンタを提
供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】以下に、本発明のインク
ジェットプリンタの構成を述べる。本発明のインクジェ
ットプリンタは、インクを収容しインクとの接触面が親
水性材料で構成され異なる色のインクを収納する複数の
インクタンクと、該複数の各インクタンクからインク吐
出ロヘ連通する単一のインク通路と、該インク通路の一
壁に設けられた共通電極と、上記インク通路の他壁にお
いて上記複数の各インクタンクに連接して設けられた複
数の切断電極と、該複数の切断電極の上記インク吐出口
側に隣接して設けられた単一のインク混合電極と、該イ
ンク混合電極から上記インク吐出口方向へ所定の距離を
隔てて設けられた複数の加速電極と、上記共通電極、上
記切断電極、上記インク混合電極及び上記加速電極の表
面に設けられた撥水性皮膜と、上記共通電極と上記切断
電極間、上記共通電極と上記インク混合電極間、及び上
記共通電極と上記加速電極間に制御電圧を印加する印加
手段と、を有し、該印加手段は、外部から送られる印字
信号に従って上記共通電極と特定の上記切断電極間に制
御電圧を印加した後、上記共通電極と上記インク混合電
極間に制御電圧を印加し、更に上記インク混合電極に近
い加速電極から上記インク吐出口に近い加速電極へと順
次に制御電圧を印加するように構成される。
【0013】上記複数の切断電極は、例えば請求項2記
載のように、複数一組として上記複数の各インクタンク
毎に設けられ、該インクタンク毎に対応する複数一組の
配列方向の幅がそれぞれ異なるように構成される。ま
た、例えば請求項3記載のように、上記共通電極との電
極間距離において上記インクタンク側よりも上記インク
吐出口側のほうが狭く形成される。また、例えば請求項
4記載のように、上記インク吐出口側の幅よりも上記イ
ンクタンク側の幅のほうが狭く形成される。
【0014】上記加速電極は、例えば請求項6記載のよ
うに、インク吐出口に近いものほど上記インク通路に沿
って長く形成される。上記印加手段は、例えば請求項5
記載のように、上記共通電極と上記加速電極間に印加す
る制御電圧の印加時間を上記インク吐出口に近い加速電
極ほど短く設定する。また、例えば請求項7記載のよう
に、上記共通電極と上記加速電極間に印加する制御電圧
の印加時間を各加速電極に対し同一に設定する。
【0015】上記インク通路は、例えば請求項8記載の
ように、上記共通電極と上記加速電極の電極間距離にお
いて上記インクタンク側よりも上記インク吐出口側のほ
うが広く形成される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。図1(a) は、一実施の形態に
おけるインクジェット方式による画像形成装置(インク
ジェットプリンタ)の概略断面図であり、同図(b) はそ
の印字ヘッド部の拡大斜視図である。同図(a) に示すよ
うに、インクジェットプリンタ1は、印字ヘッド2、イ
ンクを収容したインクタンク3、記録紙4の搬送機構
5、および不図示の印字ドライバ等で構成されている。
印字ヘッド2は、同図(b) に示すように、上部基板6と
下部基板7が対向して構成され、複数ドットのインク滴
を同時に射出可能な吐出口8を備えている。
【0017】このインクジェットプリンタ1の基本動作
を簡単に説明すると、先ず、記録紙4が、搬送機構5に
よって図の矢印Aで示すように装置内部の印字エリア9
に搬送される。この搬送に対応して印字ヘッド2がその
先端の吐出口8から、印字ドライバによって制御された
印字データに基づいて複数個のインク滴を記録紙4に対
し連続的に射出して、記録紙4の表面に印字画像を形成
する。表面に画像を形成された記録紙4は搬送機構5に
よって図の矢印Bで示すように機外に排出される。
【0018】図2(a) は、上記の印字ヘッド2の構成を
示す側断面図であり、同図(b) は、その切断電極の平面
図である。図2(a) に示すように、印字ヘッド2は、上
部基板(図示を省略)の絶縁層に積層された共通電極1
1と、下部基板(図示を省略)の絶縁層に並べて積層さ
れた切断電極12、混合電極13、集滴加速電極14及
び3個の加速電極15(15a、15b、15c)と
が、インク通路16を挟んで対向配置されている。上記
の切断電極12は、詳しくは後述するが、図の紙面垂直
方向に複数個を並べて配設されており、同図(b) の平面
図は、1個のみを代表的に示したものである。
【0019】図2(a) に示すように、インク通路16は
後方が待機部17を介してインクタンク3に連通し、前
方は開口して図1(b) に示した吐出口8を形成してい
る。このインク通路16に、インクタンク3に収容され
ているインク19が待機部17を介して供給される。
【0020】そのインクタンク3の内壁及び待機部17
の上下の内壁は、共に親水性を示す材料(例えば、ポリ
エチレンテレフタレートなどインク滴の接触角が90度
未満となる材料)からなる親水性皮膜によって覆われて
いる。
【0021】そして、インク通路16上方の共通電極1
1が形成する壁面と、これと対向する下方の切断電極1
2、混合電極13、集滴加速電極14及び加速電極15
が形成する壁面は、撥水性材料(例えば、PTFEなど
のフッ素系化合物などインク滴の接触角が90度より大
きくなる材料)からなる撥水性皮膜層によって覆われて
いる。
【0022】この構成において、上述したように、図2
(a),(b) に破線Cで示す境界からインクタンク3側とな
る左方の部分、つまり待機部17は、インク19と接す
る面が親水性であり、破線Cの境界から吐出口8に向か
う右方側は撥水性である。したがって、インク19は、
破線Cで示す境界の左方領域で保持され、この領域から
先(破線Cの境界から右方側)には自発的には進入しな
い。
【0023】その境界に接している切断電極12は、図
2(b) に示すように、吐出口8側の部分12bの幅より
も、インクタンク3側の部分12aの幅のほうが狭く形
成されている。
【0024】そして、このような共通電極11、切断電
極12、混合電極13、集滴加速電極14、加速電極1
5の図2(a) に示した配置において、電圧の印加によっ
て破線Cで示す境界の右方領域に引き出されたインク
が、複数の切断電極12により切断されて複数のインク
滴となり、この複数のインク滴が混合電極13によって
集滴加速電極14方向へ寄せ集められながら混合され、
集滴加速電極14上に、より大きな一塊のインク滴を形
成する。このインク滴は、加速電極15a〜15cによ
って図2(a) に矢印Xで示すように吐出口8に向けて加
速され、吐出口8から射出されて、記録紙4の紙面に1
ドットの画像を形成する。
【0025】ここで、インク19に、上記のように作用
する力の基本原理について説明する。一般に画像記録に
用いられるインク材としては、水性インクや油性インク
が知られている。両インクとも物理学的には誘電体であ
り、任意の誘電率に制御することが可能である。このよ
うな誘電体が電場内に置かれたとき、この誘電体に作用
する力は、電磁気学ではマックスウェルの応力として知
られている。この力は誘電体の界面に作用するベクトル
力であるが、説明を簡素化するために、以下の説明では
界面に平行な電場と垂直な電場に分けて考える。
【0026】図3(a) は、電場が誘電体界面に平行な場
合の説明図であり、同図(b) は、電場が誘電体界面に垂
直な場合の説明図である。同図(a) は接地電極21と、
これと対向して配設されて電圧Vを印加されている電極
22との間に、誘電率εi の誘電体19a(インク滴)
がある場合に相当する。この場合、誘電体19aの界面
の内側(右端面)と外側(左端面)の界面に平行な電場
をE0 とすると、誘電体19aの界面に単位面積あたり
作用する力fv はマックスウェルの応力から
【0027】
【数1】
【0028】と計算される。この力は電場の方向(電圧
Vの極性)に関係なく誘電率の大きい側から小さい側に
作用するため、図3(a) では、同図の矢印fv で示すよ
うに誘電体19aを両電極間内に引っ張り込む方向に働
く。
【0029】また、同図(b) は、同一面(通路23を形
成する上下の壁面の一方の壁面)に形成した接地電極2
1′と電圧Vを印加された電極22′との間に誘電率ε
i の誘電体19a′(インク滴)がある場合に相当す
る。この場合、誘電体19a′の界面を貫く界面に垂直
な電束密度をDとすると、誘電体19a′の界面に単位
面積あたり作用する力fh はマックスウェルの応力から
【0030】
【数2】
【0031】と計算される。この力も電場の方向(電圧
Vの極性)に関係なく誘電率の大きい側から小さい側に
作用するため、図3(b) では、同図の矢印fh で示すよ
うに誘電体19a′を通路20内に引っ張り込む方向に
働く。
【0032】以上が本発明のインク19に作用する力の
基本原理であるが、上記に説明したように電場が誘電体
界面に略平行になるような電極配置(図3(a) 参照)で
も、あるいは電場が誘電体界面に略垂直になる電極配置
(図3(b) 参照)でも、あるいは両電極配置を複合した
ものでも、本発明のインクジェットプリンタを構成する
ことは可能である。
【0033】続いて、上述した切断電極12によるイン
ク滴の切断のメカニズムについて説明する。尚、以下、
本実施の形態におけるインクジェットプリンタとして
は、図2(a)に示した電場が誘電体界面に略平行になる
電極配置で構成されたものを例として取り上げて説明す
る。また、以下の説明において、インク通路16の間隙
は、解像度を300dpi(ドット/インチ)で印字す
る場合の構成として、10μm〜50μm(マイクロ・
メータ)の間であり、好ましくはおよそ20μmとして
いる。そして、切断電極12に印加する電圧の波形はパ
ルス波形であり、その印加時間は5μsec〜20μs
ec(好ましくはおよそ10μsec)であり、印加電
圧は50V〜100V(好ましくはおよそ70V)であ
る。また、混合電極13、集滴加速電極14及び加速電
極15に印加する電圧も略同様である。
【0034】図4(a),(b) 及び図5(a),(b) は、前述の
図2(b) とともに、インク滴を切断する行程を時間と共
に順を追って示す図である。また、図5(c) は、同図
(a) のときのインクの表面積を近似して示す図である。
【0035】まず、インク19が切断電極12に引き込
まれる行程を説明する。先の図2(b) に示す状態は(図
2(a) も参照)、切断電極12に電圧が印加される前の
状態である。尚、吐出口8方向をX方向として以下説明
する。
【0036】図2(b) の状態で、切断電極12に電圧を
印加すると、インク19と空気の境界面(以下、単にイ
ンク19の界面という)のうち、切断電極12に対応し
た破線Cで示す境界のZ領域で電界が発生する。そし
て、図2(a) に示すように、マックスウェルの応力によ
り、Z領域にX方向に力fが働く。
【0037】これにより、Z領域に対応したインク19
の界面がX方向に引っ張られて電界の発生している方向
へ移動する。すなわち、図4(a) に示すように、待機部
17の領域aに保持されていたインク19が、切断電極
12のインクタンク側部分12aの領域b内に突出した
状態となって、その先端は切断電極12の吐出側部分1
2bの領域cへと達する。
【0038】電界の発生する範囲が領域bと異なる領域
cにおいては、領域c内に進入したインク19の界面全
体に力が働き、切断電極12の形状に沿って、図4(b)
に示すようにX方向以外にも広がった状態となる。
【0039】続いて、上記の図4(b) のように親水領域
(領域a)から撥水領域(領域b及び領域c)へ突出し
たインク19が、切断されてインク滴が形成される行程
を説明する。
【0040】図5(a) に示すように、親水領域αから撥
水領域βに突出した部分のインク19の表面エネルギー
をWとし、図5(b) のような切断後のインク滴24の表
面エネルギーをT、切断に必要なエネルギーをEとする
と、切断前の表面エネルギーWが切断エネルギーEと切
断後の表面エネルギーTを加えた値より大きくなるとこ
ろでインク19が切断される。
【0041】そこで、図5(a) と図5(b) とで表面エネ
ルギーW,T及び切断エネルギーEを計算して、それら
を比較すると、切断エネルギーEは切断面積とインク1
9の表面張力(エネルギー)γの積の2倍したものと、
切断後の運動エネルギーKであるから
【0042】
【数3】
【0043】である。ここで、表面エネルギーTと前述
の切断エネルギーEを合わせた値を合成エネルギーT′
として、図5(a) のときの表面積を図5(c) で近似する
と、
【0044】
【数4】
【0045】
【数5】
【0046】となる。上記の式において、r2 は切断電
極12のインクタンク側部分12aの幅で決るものであ
り、ほぼ一定である。また、切断後の運動エネルギーK
は、引き出されるインク19の領域bに対応する部分の
長さL及び領域cに対応する部分に近似されるインク滴
24′の半径r1 に対してほぼ一定である。一方、切断
時には長さL、半径r1 はどちらも大きくなるので、切
断前の表面エネルギーWは、長さLおよび半径r1 に比
例して増加する。
【0047】図6は、上記切断前の表面エネルギーW及
び合成エネルギーT′と、長さL及び半径r1 との関係
を示すグラフである。同図のグラフに示すように、長さ
L及び半径r1 の増加とともに切断前の表面エネルギー
Wは増加する。そして、合成エネルギーT′と比較した
とき、その合成エネルギーT′よりも大きくなるところ
がある。
【0048】上記のグラフにおいて、インク19の突出
部のエネルギーは、2つの直線W及び直線T′のエネル
ギーが低い方をとるから、長さL及び半径r1 の増加に
対して、同図の範囲、、の値をとらずに、範囲
、、の値をとる。これは、つまり図5(b) に示す
ような状態へ移行して、インク19が切断され、自身の
表面張力により液滴形状(インク滴24)になることを
意味している。尚、これによって、インク19の切断は
終了する。
【0049】上記のインク滴24は、X方向へ切断した
のであるから、インク滴24は切断直後にX方向への運
動量をもっている。インク滴24は、X方向へ移動しな
がら前述したように混合電極13によって集滴加速電極
14に寄せ集められる。
【0050】図7(a) は、印字ヘッド2の下部基板に積
層された一組の電極パターンの構成を示す平面図であ
り、同図(b) は、その混合電極13と集滴加速電極14
部分の側断面図及びエネルギー場の状態を示す図であ
る。
【0051】同図(a) に示すように、印字ヘッド2は、
外側2つと内部2つの合計4つの隔壁25によって仕切
られた3つの待機部17(17a、17b、17c)を
有している。これらの待機部17は、前述したように親
水領域を構成し、そこには図外のインクタンク3から供
給される誘電体としての性質を有するインク19が保持
されている(図1(a),(b) 及び図2(a) 参照)。
【0052】これらの待機部17に保持されるインク
は、それぞれ減法混色の三原色であるC(シアン:緑味
のある青色)、M(マゼンタ:赤色染料)、及びY(イ
エロー:黄色)からなる。これらのインクは、特には図
示しないが、インクタンク3の内部を隔壁により3つに
仕切った独立の空房に個別に収容されており、これらの
空房にそれぞれ連通する各待機部17(17a、17
b、17c)に供給されるようになっている。
【0053】そして、これらの待機部17に連接して、
インク滴形成部26が配置される。インク滴形成部26
には、各待機部17(17a、17b、17c)にそれ
ぞれ対応して、複数の(この例ではそれぞれ4個の)大
小異なる大きさの切断電極12−1(12−1c、12
−1m、12−1y)、12−2(12−2c、12−
2m、12−2y)、12−3(12−3c、12−3
m、12−3y)及び12−4(12−4c、12−4
m、12−4y)が横方向すなわちX方向(吐出口方
向)に直角な方向に並んで配置されている。
【0054】これら大きさの異なる切断電極12(12
−1、12−2、12−3、12−4)は、親水領域の
待機部17から、Cインク、Mインク及びYインク毎
に、それぞれ大きさの異なるインク滴を切り出すために
配置されている。このインク滴の切り出しについては、
図3〜図5で述べた通りであり、印字情報に基づいて、
電圧を印加すべき切断電極が選択され、これによりイン
ク滴の切り出しが行われて、Y、M、Cそれぞれのイン
クによる印字情報に対応する図5(b) に示したインク滴
24が形成される。
【0055】上記の切断電極12により形成される(切
り出される)インク滴の大きさは、この例では、一番小
さい切断電極12−1から一番大きな切断電極12−4
まで順に、インク滴の切り出し量を、階調値1に相当す
る量の切り出し、階調値4に相当する量の切り出し、階
調値16に相当する量の切り出し、階調値64に相当す
る量の切り出しとして設定されている。
【0056】これらの切断電極12(インク滴形成部2
6)に隣接して設けられる混合電極13は、先の図2
(a) では説明の便宜上、他の電極と同様の長さで示した
が、実際にはこの図7(a),(b) に示すように、最も長く
大きな電極である。上記の切断電極12によって切り出
されたインク滴24(図5(b) 参照)は、この混合電極
13上を、図7(b) に示すような静電場ポテンシャルエ
ネルギーの中でマックスウエルの応力を受けながら移動
して集滴加速電極14に向けて混合されながら寄せ集め
られる。
【0057】図8(a),(b) 及び図9(a),(b) は、インク
滴が切断電極で形成されて吐出口8から吐出(射出)さ
れるまでの行程を時間と共に順を追って示す図である。
図8(a) は、切断電極12−1yで階調値1に相当する
量のYインクが切り出され、切断電極12−4yで階調
値64に相当する量のYインクが切り出され、切断電極
12−3mで階調値16に相当する量のMインクが切り
出され、切断電極12−2cで階調値4に相当する量の
Cインクが切り出され、そして切断電極12−3cで階
調値16に相当する量のCインクが切り出された状態を
示している。
【0058】図8(b) は、上記切り出された階調値1の
Yインク滴24−1y、階調値64のYインク滴24−
4y、階調値16のMインク滴24−3m、階調値4の
Cインク滴24−2c、及び階調値16のCインク滴2
4−3cが、混合電極13上をそれぞれ図の矢印に示す
経路を描いて混合されながら集滴加速電極14に集合す
る状態を示している。
【0059】このとき、切断電極12への電圧印加は停
止されており、図7(b) に示すように、混合電極13と
集滴加速電極14に電圧が印加される。そして、混合電
極13に印加される電圧よりも、集滴加速電極14に印
加される電圧の方が高くなるように制御される。これに
よって、図7(b) に示すような静電場ポテンシャルエネ
ルギーが形成される。
【0060】そして、例えば、図7(b) における静電場
ポテンシャルエネルギーを示すグラフにおいて、位置P
0 にあるインク滴24は、それよりも高い静電場ポテン
シャルエネルギーを有する位置P3 から位置P4 の範囲
には進入できず、位置P0 から位置P4 の範囲内を移動
する(図の位置P1 は混合電極13の中心、位置P2は
混合電極13と集滴加速電極14との境界、位置P3 は
集滴加速電極14の中心である)。
【0061】図8(b) に示す各矢印の移動経路におい
て、混合電極13からインク滴24の一部が外部に突出
すると、その部分に作用する電界は極小になるので、突
出した側面の反対側の側面に働く力だけが残り、インク
滴24には混合電極13内に引き戻されるような力が働
く。よって混合電極13により電界が発生されている限
り、インク滴24が混合電極13から外側に飛び出すこ
となく、ひたすら静電場ポテンシャルエネルギーの低い
ほうへと移動し、最終的に静電場ポテンシャルエネルギ
ーの最も低い位置P3 、すなわち集滴加速電極14の中
心に移動して集滴され、混合される。
【0062】図9(a) は、上記のように混合されて集滴
加速電極14上に集滴されたインク滴27を示してい
る。このインク滴27は、加速電極15a、15b、1
5cによって順次加速されて、同図(b) に示すように、
吐出口8からX方向に射出され記録紙4(図1(a) 参
照)に印字される。
【0063】図10(a) 〜(d) は、上記インク滴27の
加速工程のメカニズムを説明する図であり、インク滴2
7の加速工程を時間とともに順を追って示している。同
図に示すように、集滴加速電極14から吐出口8の間
に、前述したように3個の加速電極15(15a、15
b、15c)が、所定の間隔で配置されている。インク
滴27への加速は、3個の加速電極15a、15b、及
び15cに順に電圧を印加することによって行われる。
【0064】先ず、図10(a) は、インク滴27が集滴
された時点の状態(以下、加速初期状態という)を示し
ている。この加速初期状態の時点で集滴加速電極14を
オフにし、加速電極15aをオンにする。すると、X方
向に対して、図10(c) に示すように、加速電極15a
の中心で最も低くその前後では高くなる静電場のポテン
シャルエネルギーがX方向に対して形成される。
【0065】インク滴27は、その接触するインク通路
16の壁面が撥水性のため、X方向への運動に対してほ
とんど抵抗を受けないから、加速電極15aから広がる
電界により、吐出口8方向へ力を受けて、同図(b) に示
すように、加速電極15aまで到達し、更に、そこから
加速電極15a内の強い電界によってインク滴27は加
速電極15a中央まで加速を続ける。
【0066】このように、集滴加速電極14から出たイ
ンク滴27は、加速電極15aの中心までは加速される
が、そのままの状態では、同図(c) に示す静電場のポテ
ンシャルエネルギーの対称性から、その先で逆方向に力
を受けることになって減速されてしまう。
【0067】そこで、同図(d) に示すようにインク滴2
7が加速電極15aの中心の位置まで到達したところ
で、その加速電極15aをオフすることにより、インク
滴27は効率よく加速される。
【0068】さらに、ここで、次の加速電極15bをオ
ンにすることにより、インク滴27と加速電極15a及
び加速電極15bとの状態配置が、上述した加速初期状
態のインク滴27と集滴加速電極14及び加速電極15
aとの状態配置と同じになり、これにより、ここまでの
加速行程を繰り返すことになって、連続してインク滴2
7を加速することができるようになる。
【0069】すなわち、インク滴27が加速電極15
a、15b及び15cそれぞれの中心に達した時点で、
そのインク滴27が到達した加速電極をオフにし、次の
加速電極をオンにすることによって、インク滴27を加
速し続けることが出来、必要な運動量を持たせることが
できる。
【0070】図11(a),(b) は、上記の加速電極15
a、15b及び15cへの電圧印加をオン・オフするタ
イミングを示す図である。本実施の形態においては、集
滴加速電極14に対して加速電極15a、15b及び1
5cは、同図(a) に示すように、 X方向に等しい間隔m
1、m2及びm3(m1=m2=m3)をもって配置さ
れている。このように、各電極の間隔(区間)m1、m
2及びm3が同じ距離であるので、インク滴27が加速
電極15a、15b及び15cで夫々加速されると、区
間m1を通過する時間よりも区間m2を通過する時間が
短くなり、さらに区間m2を通過する時間よりも区間m
3を通過する時間が短くなる。
【0071】したがって、そのように区間毎に順次短く
なる通過時間に対応して、加速電極15a、15b及び
15cの制御パルス幅を、同図(b) に示すように順次短
くする必要がある。こうして、加速電極15a、15b
及び15cの制御パルス幅を順次短くなるように電圧を
印加してインク滴27を加速して、同図(b) に示すよう
に、時刻T3で最後の加速電極15cをオフにすると、
インク滴27はそれまでに加速された運動量をもって印
字ヘッド2から記録紙4(図1参照)に向かって飛び出
し、記録紙4に着弾して1ドットを形成する。
【0072】尚、インク滴27を吐出口8から連続して
射出する場合は、先行するインク滴27の運動を妨げな
い領域で各電極に電圧を印加することが望ましい。すな
わち、図10(d) に示したインク滴27が加速電極15
aに到達した時点、つまり、加速電極15aをオフに
し、次の加速電極15bをオンにするとき(又はその後
の出来るだけ早い時期に)、集滴加速電極14がオンに
なって次のインク滴27が集滴された状態とし、その
後、前述した行程を繰り返すと、連続してインク滴27
を吐出口8から噴出することができる。尚、上記の制御
パルス幅は、後述する階調によって変化するインク滴の
大きさなどによっても変更される。すなわち画像情報に
応じて選択的に制御するようにする。
【0073】このように、本実施の形態によれば、色毎
に対応する複数の電極で、量的に階調性のある、すなわ
ち大小異なるインク滴を、色毎に作成し、これらを混合
・集滴してフルカラーの多値の面積階調を有する1ドッ
トに対応するインク滴を形成し、そのインク滴を、複数
の加速電極で加速して一つの吐出口から射出することが
できる。また、インク滴を切り出した後、吐出口までの
インク通路には、隔壁が全く無い構造となっている。
【0074】尚、上記のようにフルカラーのインク滴を
形成するには、Yインク、Mインク、及びCインクに対
応するそれぞれ複数の切断電極の大きさを、色毎に、1
個を階調値1に必要な量のインク滴を形成する大きさと
し、他は階調値22 に必要な量のインク滴を形成する大
きさに設定する。そして、これらの切断電極を画像情報
の階調値に応じてオン/オフ制御すればよい。
【0075】本実施の形態では、印字ヘッド2の1組の
電極パターンは、上述したように、Yインク、Mイン
ク、及びCインクに対し、1色につき4個の切断電極を
有している。そして、4個の切断電極は、それぞれ階調
値1、階調値4、階調値16及び階調値64に必要なイ
ンク滴を形成する大きさに設計されている。
【0076】図12は、上記構成の切断電極から切り出
されるインク滴の組み合わせとして得られる階調を示す
図表(長いので部分的に切り欠いて示す)である。同図
は、上段1行の欄に、上記の構成において1色につき2
56階調を出力する場合の階調値1、2、3、・・・、
24、25、26、・・・、141、142、143、
・・・、254、255、256を示しており、左端1
列の欄に、4個の切断電極12−1、12−2、12−
3及び12−4(同図では電極ア、電極イ、電極ウ、及
び電極エとしている)を示している。
【0077】そして、上段1行の欄に示す各階調値と、
左端1列の欄に示す各電極名とに対応する各行各列の升
目欄に示す数値は、対応する切断電極によるインク滴の
形成回数を示している。例えば、階調値1では電極アで
1滴を形成、階調値5では電極アで1滴及び電極イで1
滴を形成する。また、階調値25では電極アで1滴、電
極イで2滴、及び電極ウで1滴を形成する。そして、階
調値256では電極エのみで4滴を形成する。
【0078】これによって、1色で256階調の面積階
調が1ドットで得られる。したがって、Cインク、Mイ
ンク、及びYインクの3色では、256階調の3乗、す
なわち約1670万色の階調が得られる。尚、上記の図
表は制御部のメモリ内にテーブルとして記憶されてい
る。
【0079】図13(a) は、印字ヘッド2が一度に射出
する複数ドットに対応して複数組の図7(a) に示した電
極パターンが形成されている下部基板を示す図であり、
同図(b) は、その下部基板に対応する上部基板を示す
図、同図(c) は、印字ヘッドの外観を示す斜視図であ
る。いずれも、これまでの説明図で横向きに示してきた
ものを下向きにして示したものである。
【0080】同図(c) に示す印字ヘッド2(図1(b) と
同じ)の下部基板7には、同図(a)に示すように、複数
組の図7(a) に示した電極パターン29が、横方向(Y
方向)にピッチPの間隔で並んで積層されている。
【0081】親水性の領域αには、図7(a) にも示した
ように、色の異なるインクが混じり合わないように隔壁
25が配設されているが、電極パターン29が積層され
ている撥水性の領域βには、隔壁は存在しない。
【0082】ところで、図13(a) に示すように、電極
パターン29の配設幅(ピッチP)は当然ながら1ドッ
トの幅より大きい。したがって、このままではピッチP
の解像度しか得られない。つまり密な解像度は得られな
い。
【0083】図14(a),(b) は、そのような問題を解決
するための一例を示す図であり、同図(a) は印字ヘッド
の構成を示す正面図、同図(b) はその印字部の構成を記
録紙と対応させて示す図である。同図(a) に示すように
印字ヘッド31は、図13(a),(b),(c) に示した印字ヘ
ッド2を、横方向の位置をP/3だけずらせて3個重ね
て構成したものである。これによって、1個の印字ヘッ
ド2ではピッチPの広い間隔であった吐出口8が、これ
らが3個重なった印字ヘッド31では、これを横方向で
見ると、吐出口8がピッチP/3で並んでいることにな
る。この印字ヘッド31の横方向を、同図(b) の矢印F
で示す記録紙4の搬送方向に直角な方向(主走査方向)
に一致させて印字するようにすれば、解像度が3倍の印
字を行うことができる。このように、m個の印字ヘッド
2をピッチP/mづつ横にずらして配置すれば、m倍の
解像度の印字を容易に行うことができる。
【0084】図15は、密な解像度を得るための、他の
方法を示す図である。この場合は同図に示すように使用
される印字ヘッド2は1個のみである。この印字ヘッド
2を記録紙4の主走査方向に対して角度θだけ傾斜させ
て対向配置する。ただし、この配置角度θは「0°<θ
<90°」である。
【0085】このようにすると、印字ヘッド2を主走査
方向に並行に配置した場合に比較して、吐出口のピッチ
が、ピッチ「P」からピッチ「P/Cosθ」に変化す
る。すなわち角度θが大きくなるほどピッチ(解像度)
が細かくなる。
【0086】尚、上記の説明では、共通電極と下部基板
の各電極との間隔を一定として説明しているが、これに
限ることなく、例えばインクタンク側よりも吐出口側の
ほうが狭くなるように形成してもよい。
【0087】図16は、そのように共通電極との間隔が
インクタンク側よりも吐出口側のほうが狭くなるように
配置された混合電極の構成を示す図である。同図に示す
ように、混合電極13は、共通電極11との間隔が、イ
ンクタンク側(図の左方)よりも吐出口側(図の右方)
のほうが狭くなるように形成されている。
【0088】換言すれば、撥水性絶縁層32(これまで
の説明では図示を省略していたもの)の厚さが、吐出口
方向(集滴加速電極方向)にいくほど薄くなっている。
尚、同図では、図示するうえでの便宜上、インク滴24
とインク通路16との接触角を90度として示してあ
る。
【0089】ここで、混合電極13と共通電極11によ
り電界を発生させた場合を考え、インク滴24の右側端
面の電界E1とインク滴24の左側端面の電界E3を計
算してみると
【0090】
【数6】
【0091】
【数7】
【0092】となる。この電界よりインク滴24の右側
に働く力とインク滴24の左側に働く力の計算ができ
る。よって、いま右向きに働く力を正としてインク滴2
4に働く力を単位面積当たりで求めると
【0093】
【数8】
【0094】となる。括弧内の右項は左項より明らかに
小さいのでインク滴24に働く力は常に正となり右向き
の方向となる。インク滴24の位置は任意の場所である
ので、インク滴24の場所および切断面の方向に関係な
く、インク滴24には撥水性絶縁層32が薄いほう、す
なわち共通電極11と混合電極13との電極間隔が狭い
方へ、すなわち集滴加速電極方向へ力が働くことがわか
る。これにより、効率よくインク滴24を集滴加速電極
に寄せ集めることができる。
【0095】また、上述した実施の形態においては、図
11(a) に示したように各加速電極の吐出口方向の長さ
を同じ長さにしているが、加速電極の長さはこれに限る
ものではない。
【0096】図17(a) は、加速電極15a′、15
b′及び15c′の形状が吐出口8′側の電極ほど順次
X方向に長く形成されている例を示す図であり、同図
(b) は、それらの加速電極をオン・オフするタイミング
を示す図である。同図(a) に示すように、この印字ヘッ
ドは、共通電極11に対向してX方向に並んで配置され
る切断電極が、各電極間の区間n1、n2、n3が「n
1<n2<n3」の関係をもって順次長く形成されてい
る。この区間n1、n2、n3の各距離は、加速電極1
5a′、15b′、15c′により順次加速されていく
インク滴がいずれの区間をも等しい通過時間で通過する
距離として設定されている。
【0097】これにより、各加速電極15a′、15
b′及び15c′を制御する電圧のパルス幅を、図17
(b) に示すように、いずれも同じ幅にすることができ
る。したがって、加速電極への制御の負担を軽減するこ
とができ、また、吐出するまでのインク滴への加速時間
が、図11(b) に示した場合よりも長くなり、その分だ
け一つの加速電極で加速される速度が大きくなり、イン
ク滴への加速効率が向上する。
【0098】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、複数色のインクから複数種類の大きさで切り出し
たインク滴を混合・集滴して1ドット分のインク滴とす
ることの出来る電極パターンを基板上に複数組配置して
印字ヘッドを構成するので、1ドットで多値面積階調を
形成できる複数ドット構成のラインヘッドを容易に形成
でき、したがって、簡単な構成の印字ヘッドでフルカラ
ー印字を行うインクジェットプリンタを提供することが
可能となる。
【0099】また、各電極間に隔壁を持たないので、簡
単で目詰まりのない構成の印字ヘッドを容易に形成する
ことができ、したがって、安価で使い勝手のよいフルカ
ラー印字のインクジェットプリンタを提供することが可
能となる。
【0100】また、印字ヘッド内で複数色のインクを混
合するので、記録紙上で色を重ねてフルカラーを実現す
る方式に比較して色ずれが無く、したがって、良質のカ
ラー画像の出力が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) は一実施の形態におけるインクジェットプ
リンタの概略断面図、(b) はその印字ヘッド部の拡大斜
視図である。
【図2】(a) は印字ヘッドの構成を示す側断面図、(b)
は切断電極の平面図である。
【図3】マックスウェルの応力を説明する図であり、
(a) は電場が誘電体界面に平行な場合の説明図、(b) は
電場が誘電体界面に垂直な場合の説明図である。
【図4】(a),(b) はインク滴を切断する行程を時間と共
に順を追って示す図(その1)である。
【図5】(a),(b) はインク滴を切断する行程を時間と共
に順を追って示す図(その2)である。
【図6】インク滴の切断前の表面エネルギーW及び合成
エネルギーT′と長さL及び半径r1 との関係を示すグ
ラフである。
【図7】(a) は印字ヘッドの下部基板に積層された一組
の電極パターンの構成を示す平面図、(b) は混合電極と
混合加速電極部分の側断面図及びエネルギー場の状態を
示す図である。
【図8】(a),(b) はインク滴が形成されて吐出されるま
での行程を時間と共に順を追って示す図(その1)であ
る。
【図9】(a),(b) はインク滴が形成されて吐出されるま
での行程を時間と共に順を追って示す図(その2)であ
る。
【図10】(a) 〜(d) はインク滴の加速工程のメカニズ
ムを説明する図である。
【図11】(a),(b) は3個の加速電極への電圧印加をオ
ン・オフするタイミングを示す図である。
【図12】インク滴の組み合わせとして得られる階調を
部分的に切り欠いて示す図表である。
【図13】(a) は一度に複数ドットを射出するために複
数組の電極パターンが形成されている下部基板を示す
図、(b) はその下部基板に対応する上部基板を示す図、
(c)は印字ヘッドの外観を示す斜視図である。
【図14】(a),(b) は密な解像度を得るための一例を示
す図である。
【図15】密な解像度を得るための他の方法を示す図で
ある。
【図16】共通電極との間隔がインクタンク側よりも吐
出口側のほうが狭くなるように配置された切断電極(又
は混合電極)の構成を示す図である。
【図17】(a) は各加速電極の形状が吐出口側の電極ほ
ど順次X方向に長く形成されている例を示す図、(b) は
それらの加速電極をオン・オフするタイミングを示す図
である。
【符号の説明】
1 インクジェットプリンタ 2 印字ヘッド 3 インクタンク 4 記録紙 5 搬送機構 6 上部基板 7 下部基板 8、8′ 吐出口 9 印字エリア 11 共通電極 12(12−1y、12−2y、・・・、12−3m、
・・・、12−4c)切断電極 12a インクタンク側の部分 12b 吐出口側の部分 13 混合電極 14 集滴加速電極 15(15a、15b、15c、15a′、15b′、
15c′) 加速電極 16 インク通路 17(17a、17b、17c) 待機部 18 撥水性皮膜層 19 インク 19a 誘電体(インク滴) 21、21′ 接地電極 22、22′ 印加電極 εi 誘電率 23 通路 24(24−1y、24−4y、24−3m、24−2
c、24−3c)インク滴 25 隔壁 26 インク滴形成部 27 混合・集滴されたインク滴 28 電極パターン 31 印字ヘッド 32 撥水性絶縁層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 善亮 東京都羽村市栄町3丁目2番1号 カシオ 計算機株式会社羽村技術センター内 (72)発明者 山本 忠夫 東京都羽村市栄町3丁目2番1号 カシオ 計算機株式会社羽村技術センター内 (72)発明者 竹内 榮一 東京都羽村市栄町3丁目2番1号 カシオ 計算機株式会社羽村技術センター内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを収容しインクとの接触面が親水
    性材料で構成され異なる色のインクを収納する複数のイ
    ンクタンクと、 該複数の各インクタンクからインク吐出口ヘ連通する単
    一のインク通路と、 該インク通路の一壁に設けられた共通電極と、 前記インク通路の他壁において前記複数の各インクタン
    クに連接して設けられた複数の切断電極と、 該複数の切断電極の前記インク吐出口側に隣接して設け
    られた単一のインク混合電極と、 該インク混合電極から前記インク吐出口方向へ所定の距
    離を隔てて設けられた複数の加速電極と、 前記共通電極、前記切断電極、前記インク混合電極及び
    前記加速電極の表面に設けられた撥水性皮膜と、 前記共通電極と前記切断電極間、前記共通電極と前記イ
    ンク混合電極間、及び前記共通電極と前記加速電極間に
    制御電圧を印加する印加手段と、 を有し該印加手段は、外部から送られる印字信号に従っ
    て前記共通電極と特定の前記切断電極間に制御電圧を印
    加した後、前記共通電極と前記インク混合電極間に制御
    電圧を印加し、更に前記インク混合電極に近い加速電極
    から前記インク吐出口に近い加速電極へと順次に制御電
    圧を印加することを特徴とするインクジェットプリン
    タ。
  2. 【請求項2】 前記複数の切断電極は、複数一組として
    前記複数の各インクタンク毎に設けられ、該インクタン
    ク毎に対応する複数一組の配列方向の幅がそれぞれ異な
    ることを特徴とする請求項1記載のインクジェットプリ
    ンタ。
  3. 【請求項3】 前記複数の切断電極は、前記共通電極と
    の電極間距離において前記インクタンク側よりも前記イ
    ンク吐出口側のほうが狭く形成されることを特徴とする
    請求項1記載のインクジェットプリンタ。
  4. 【請求項4】 前記複数の切断電極は、前記インク吐出
    口側の幅よりも前記インクタンク側の幅のほうが狭く形
    成されていることを特徴とする請求項1記載のインクジ
    ェットプリンタ。
  5. 【請求項5】 前記印加手段は、前記共通電極と前記加
    速電極間に印加する制御電圧の印加時間を前記インク吐
    出口に近い加速電極ほど短く設定することを特徴とする
    請求項1記載のインクジェットプリンタ。
  6. 【請求項6】 前記加速電極は、前記インク吐出口に近
    いものほど前記インク通路に沿って長く形成されること
    を特徴とする請求項1記載のインクジェットプリンタ。
  7. 【請求項7】 前記印加手段は、前記共通電極と前記加
    速電極間に印加する制御電圧の印加時間を各加速電極に
    対し同一に設定することを特徴とする請求項6記載のイ
    ンクジェットプリンタ。
  8. 【請求項8】 前記インク通路は、前記共通電極と前記
    加速電極の電極間距離において前記インクタンク側より
    も前記インク吐出口側のほうが広く形成されることを特
    徴とする請求項1記載のインクジェットプリンタ。
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