JPH11227175A - インクジェットプリンタ - Google Patents
インクジェットプリンタInfo
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- JPH11227175A JPH11227175A JP3695098A JP3695098A JPH11227175A JP H11227175 A JPH11227175 A JP H11227175A JP 3695098 A JP3695098 A JP 3695098A JP 3695098 A JP3695098 A JP 3695098A JP H11227175 A JPH11227175 A JP H11227175A
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- Japan
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- electrode
- ink
- droplet
- cutting
- electrodes
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- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】ドット径変調による多値化又は濃度変調による
多値化が容易なインクジェットプリンタを提供する。 【解決手段】印字ヘッド2は撥水領域に共通電極7と対
向して配設された異なる大きさの4個の切断電極8a〜
8d、これらに隣接する集滴電極9、この集滴地点Jに
隣接する加速電極11(11a、11b、11c)を備
えている。切断電極8a〜8dはインクを供給する親水
領域の待機部13から、夫々異なる大きさのインク滴
(例えば21a)を切り出す。集滴電極9と共通電極7
を隔てる絶縁層15の厚さは、吐出口方向(図の下方
向)にいくほど薄くなると共に集滴地点J側方向にいく
ほど薄く形成され、これにより上記切り出されたインク
滴を地点Jに集滴する。加速電極11は上記様々の大き
さに切り出されたインク滴の集滴(組み合わせ)によっ
て更に様々な大きさの1ドットとなったインク滴を同一
吐出口から用紙に付着させる。
多値化が容易なインクジェットプリンタを提供する。 【解決手段】印字ヘッド2は撥水領域に共通電極7と対
向して配設された異なる大きさの4個の切断電極8a〜
8d、これらに隣接する集滴電極9、この集滴地点Jに
隣接する加速電極11(11a、11b、11c)を備
えている。切断電極8a〜8dはインクを供給する親水
領域の待機部13から、夫々異なる大きさのインク滴
(例えば21a)を切り出す。集滴電極9と共通電極7
を隔てる絶縁層15の厚さは、吐出口方向(図の下方
向)にいくほど薄くなると共に集滴地点J側方向にいく
ほど薄く形成され、これにより上記切り出されたインク
滴を地点Jに集滴する。加速電極11は上記様々の大き
さに切り出されたインク滴の集滴(組み合わせ)によっ
て更に様々な大きさの1ドットとなったインク滴を同一
吐出口から用紙に付着させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、階調の多値化が容
易なインクジェットプリンタに関する。
易なインクジェットプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】近年におけるパーソナルコンピュータの
急速な普及に伴い、その周辺機器であるプリンタにおい
ても、その印字方式等においては大きな変化を見せてい
る。中でも印字に必要なだけのインクをインク滴として
射出するインクジェット方式が印字方式の現在の主流と
なっている。
急速な普及に伴い、その周辺機器であるプリンタにおい
ても、その印字方式等においては大きな変化を見せてい
る。中でも印字に必要なだけのインクをインク滴として
射出するインクジェット方式が印字方式の現在の主流と
なっている。
【0003】このインクジェット方式による印字方式に
は、気泡の発生する力でインク滴を飛ばす方式や、ピエ
ゾ抵抗素子(圧電素子)の変形によってインク滴を飛ば
すピエゾ方式等がある。
は、気泡の発生する力でインク滴を飛ばす方式や、ピエ
ゾ抵抗素子(圧電素子)の変形によってインク滴を飛ば
すピエゾ方式等がある。
【0004】このようなインクジェット方式のプリンタ
において階調を表現する場合、基本的に用いられる方法
は、2値記録によって階調をだす面積階調法が用いら
れ、代表的なものとしてはディザ法や濃度パターン法な
どがある。
において階調を表現する場合、基本的に用いられる方法
は、2値記録によって階調をだす面積階調法が用いら
れ、代表的なものとしてはディザ法や濃度パターン法な
どがある。
【0005】また、これらに加えて多値記録による面積
階調法も実現されている。この面積階調法は、1ドット
の径を変化させるものであり上記の2値記録による面積
階調よりも小さいマトリクスで同一の階調数が得られる
という利点を持っている。
階調法も実現されている。この面積階調法は、1ドット
の径を変化させるものであり上記の2値記録による面積
階調よりも小さいマトリクスで同一の階調数が得られる
という利点を持っている。
【0006】さらに低濃度インクを使用した濃度階調法
も実現されている。これは既存の印字ヘッドを用いて行
うことができるという利点を有している。
も実現されている。これは既存の印字ヘッドを用いて行
うことができるという利点を有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の2値
記録による面積階調は、これを用いた場合、階調を表現
するには1画素に複数のドットが必要になり、その分だ
け画素の密度が粗くなる。すなわち階調を表わすために
解像度が犠牲になる。
記録による面積階調は、これを用いた場合、階調を表現
するには1画素に複数のドットが必要になり、その分だ
け画素の密度が粗くなる。すなわち階調を表わすために
解像度が犠牲になる。
【0008】この問題を解消するにはインク滴を小型化
することが必要になるが、このようなインク滴の小型化
は極めて高度な技術が要求され、従来のインクジェット
方式の形態のままでは、射出するインク滴の信頼性及び
安定性を考慮すると、実現は困難を極めるものである。
することが必要になるが、このようなインク滴の小型化
は極めて高度な技術が要求され、従来のインクジェット
方式の形態のままでは、射出するインク滴の信頼性及び
安定性を考慮すると、実現は困難を極めるものである。
【0009】また多値記録による面積階調では、バブル
ジェット方式の場合はその原理からみて単一のヒータで
面積変調を制御することが難しく、したがって実際に
は、バブルを発生させるのに二つのヒータを用いる2ヒ
ータ方式によって4値を実現している。しかし、これは
印字へツドの構成が複雑になるという問題を有してい
る。
ジェット方式の場合はその原理からみて単一のヒータで
面積変調を制御することが難しく、したがって実際に
は、バブルを発生させるのに二つのヒータを用いる2ヒ
ータ方式によって4値を実現している。しかし、これは
印字へツドの構成が複雑になるという問題を有してい
る。
【0010】また、ピエゾ方式においてもDPE方式を
用いて3値を実現しているが、このDPE方式あるいは
上記の2ヒータ方式のいずれにしても、信頼性に難があ
り且つ処理速度が低下するなどの問題があって、これ以
上の多値化は難しい技術であるといえる。
用いて3値を実現しているが、このDPE方式あるいは
上記の2ヒータ方式のいずれにしても、信頼性に難があ
り且つ処理速度が低下するなどの問題があって、これ以
上の多値化は難しい技術であるといえる。
【0011】また、低濃度インクを用いた濃度階調は、
濃淡2色のインクを用いて行われているが、この方法
も、階調数を増やそうとすると、その分だけ印字ヘッド
の複雑化、大型化を招くという問題を有している。ま
た、低濃度インクの重ね打ちによる濃度階調も行われて
いるが、この方法は1個所に大量のインクを付着させる
ため、にじみなどの問題が生じて不満が残るものであっ
た。
濃淡2色のインクを用いて行われているが、この方法
も、階調数を増やそうとすると、その分だけ印字ヘッド
の複雑化、大型化を招くという問題を有している。ま
た、低濃度インクの重ね打ちによる濃度階調も行われて
いるが、この方法は1個所に大量のインクを付着させる
ため、にじみなどの問題が生じて不満が残るものであっ
た。
【0012】本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、
ドット径変調による多値化又は濃度変調による多値化が
容易なインクジェットプリンタを提供することである。
ドット径変調による多値化又は濃度変調による多値化が
容易なインクジェットプリンタを提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】以下に、本発明のインク
ジェットプリンタの構成を述べる。本発明のインクジェ
ットプリンタは、インクを収容しインクとの接触面が親
水性材料で構成されるインクタンクと、該インクタンク
からインク吐出口へ連通するインク通路と、該インク通
路の一壁に設けられた共通電極と、上記インク通路の他
壁に上記インクタンクに連接して設けられた複数の切断
電極と、該複数の切断電極のインク吐出口側に隣接して
設けられた集滴電極と、該集滴電極からインク吐出口方
向へ所定の距離を隔てて設けられた複数の加速電極と、
上記インク通路の一壁に上記共通電極を覆って設けられ
た撥水性皮膜と、上記インク通路の他壁に上記切断電
極、上記集滴電極及び上記加速電極を覆って設けられた
撥水性皮膜と、上記共通電極と上記切断電極間、上記共
通電極と上記集滴電極間及び上記共通電極と上記加速電
極間に制御電圧を印加する印加手段と、を有し、該印加
手段は、外部から送られる印字信号に従って上記共通電
極と上記複数の切断電極の中の特定の切断電極間に制御
電圧を印加した後、上記共通電極と上記集滴電極間に制
御電圧を印加し、更に上記共通電極と上記加速電極間へ
の制御電圧を上記集滴電極に近い加速電極から上記イン
ク吐出口に近い加速電極へと順次印加するように構成さ
れる。
ジェットプリンタの構成を述べる。本発明のインクジェ
ットプリンタは、インクを収容しインクとの接触面が親
水性材料で構成されるインクタンクと、該インクタンク
からインク吐出口へ連通するインク通路と、該インク通
路の一壁に設けられた共通電極と、上記インク通路の他
壁に上記インクタンクに連接して設けられた複数の切断
電極と、該複数の切断電極のインク吐出口側に隣接して
設けられた集滴電極と、該集滴電極からインク吐出口方
向へ所定の距離を隔てて設けられた複数の加速電極と、
上記インク通路の一壁に上記共通電極を覆って設けられ
た撥水性皮膜と、上記インク通路の他壁に上記切断電
極、上記集滴電極及び上記加速電極を覆って設けられた
撥水性皮膜と、上記共通電極と上記切断電極間、上記共
通電極と上記集滴電極間及び上記共通電極と上記加速電
極間に制御電圧を印加する印加手段と、を有し、該印加
手段は、外部から送られる印字信号に従って上記共通電
極と上記複数の切断電極の中の特定の切断電極間に制御
電圧を印加した後、上記共通電極と上記集滴電極間に制
御電圧を印加し、更に上記共通電極と上記加速電極間へ
の制御電圧を上記集滴電極に近い加速電極から上記イン
ク吐出口に近い加速電極へと順次印加するように構成さ
れる。
【0014】上記複数の切断電極は、例えば請求項2記
載のように、配列方向の幅が夫々異なるように構成さ
れ、また、例えば請求項3記載のように、上記共通電極
との電極間距離において上記切断電極の幅が広い箇所ほ
ど距離が狭くなるように配置され、また、例えば請求項
5記載のように、上記共通電極との電極間距離において
上記インクタンク側よりも上記インク吐出口側のほうが
狭く形成され、また、請求項6記載のように、上記イン
ク吐出口側の幅よりも上記インクタンク側の幅のほうが
狭く形成される。
載のように、配列方向の幅が夫々異なるように構成さ
れ、また、例えば請求項3記載のように、上記共通電極
との電極間距離において上記切断電極の幅が広い箇所ほ
ど距離が狭くなるように配置され、また、例えば請求項
5記載のように、上記共通電極との電極間距離において
上記インクタンク側よりも上記インク吐出口側のほうが
狭く形成され、また、請求項6記載のように、上記イン
ク吐出口側の幅よりも上記インクタンク側の幅のほうが
狭く形成される。
【0015】上記集滴電極は、例えば請求項4記載のよ
うに、上記共通電極との電極間距離において上記幅が広
い切断電極に対応する箇所ほど距離が狭くなるように配
置される。
うに、上記共通電極との電極間距離において上記幅が広
い切断電極に対応する箇所ほど距離が狭くなるように配
置される。
【0016】上記印加手段は、例えば請求項7記載のよ
うに、上記共通電極と上記加速電極間に印加する制御電
圧の印加時間を上記インク吐出口に近い加速電極ほど短
く設定し、また、例えば請求項9記載のように、上記共
通電極と上記加速電極間に印加する制御電圧の印加時間
を各加速電極に対し同一に設定する。
うに、上記共通電極と上記加速電極間に印加する制御電
圧の印加時間を上記インク吐出口に近い加速電極ほど短
く設定し、また、例えば請求項9記載のように、上記共
通電極と上記加速電極間に印加する制御電圧の印加時間
を各加速電極に対し同一に設定する。
【0017】そして、上記加速電極は、例えば請求項8
記載のように、上記インク吐出口に近いものほど上記イ
ンク通路に沿って長く形成される。また、上記インク通
路は、例えば請求項10記載のように、上記共通電極と
上記加速電極の電極間距離において上記インクタンク側
よりも上記インク吐出口側のほうが広く形成される。
記載のように、上記インク吐出口に近いものほど上記イ
ンク通路に沿って長く形成される。また、上記インク通
路は、例えば請求項10記載のように、上記共通電極と
上記加速電極の電極間距離において上記インクタンク側
よりも上記インク吐出口側のほうが広く形成される。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。図1は、第1の実施の形態に
おけるインクジェット方式による画像形成装置(インク
ジェットプリンタ)の概略断面図である。同図に示すよ
うに、インクジェットプリンタ1は、印字ヘッド2、イ
ンクを収容したインクタンク3、記録紙4の搬送機構
5、および不図示の印字ドライバ等で構成されている。
を参照しながら説明する。図1は、第1の実施の形態に
おけるインクジェット方式による画像形成装置(インク
ジェットプリンタ)の概略断面図である。同図に示すよ
うに、インクジェットプリンタ1は、印字ヘッド2、イ
ンクを収容したインクタンク3、記録紙4の搬送機構
5、および不図示の印字ドライバ等で構成されている。
【0019】この基本動作を簡単に説明すると、先ず、
記録紙4が、搬送機構5によって図の矢印Aで示すよう
に装置内部の印字エリア6に搬送される。この搬送に対
応して印字ヘッド2がその先端から、印字ドライバによ
って制御された印字データに基づいてインク滴を記録紙
4に対し連続的に射出して、記録紙4の表面に印字画像
を形成する。表面に画像を形成された記録紙4は搬送機
構5によって図の矢印Bで示すように機外に排出され
る。
記録紙4が、搬送機構5によって図の矢印Aで示すよう
に装置内部の印字エリア6に搬送される。この搬送に対
応して印字ヘッド2がその先端から、印字ドライバによ
って制御された印字データに基づいてインク滴を記録紙
4に対し連続的に射出して、記録紙4の表面に印字画像
を形成する。表面に画像を形成された記録紙4は搬送機
構5によって図の矢印Bで示すように機外に排出され
る。
【0020】図2(a) は、上記の印字ヘッド2の全体構
成を示す側断面図である。また、同図(b) は、同図(a)
の破線Cの近傍の構成を拡大した図、同図(c) はその平
面図(但し共通電極を除いて示している)、同図(d) は
同図(b) のD−D′矢視図である。
成を示す側断面図である。また、同図(b) は、同図(a)
の破線Cの近傍の構成を拡大した図、同図(c) はその平
面図(但し共通電極を除いて示している)、同図(d) は
同図(b) のD−D′矢視図である。
【0021】図2(a) において、印字ヘッド2は、上部
基板(図示を省略)の絶縁層に積層された共通電極7
と、下部基板(図示を省略)の絶縁層に並べて積層され
た切断電極8、集滴電極9及び3個の加速電極11(1
1a、11b、11c)とが、インク通路12を挟んで
対向配置されている。インク通路12は、後方が待機部
13を介してインクタンク3に連通し、前方は開口して
吐出口14を形成している。
基板(図示を省略)の絶縁層に積層された共通電極7
と、下部基板(図示を省略)の絶縁層に並べて積層され
た切断電極8、集滴電極9及び3個の加速電極11(1
1a、11b、11c)とが、インク通路12を挟んで
対向配置されている。インク通路12は、後方が待機部
13を介してインクタンク3に連通し、前方は開口して
吐出口14を形成している。
【0022】上記の下部基板に配置された切断電極8、
集滴電極9及び3個の加速電極11の上方には更に他の
絶縁層15が形成されている。この絶縁層15は、一方
で、上部基板の面つまり共通電極7に対しては並行する
面を形成され、これにより、共通電極7と共に間隙の一
定なインク通路12を形成している。また、他方では、
切断電極8に対応する部分が厚く形成され、加速電極1
1に対応する部分が薄く形成され、これら両部分を連絡
する傾斜面が形成されている。
集滴電極9及び3個の加速電極11の上方には更に他の
絶縁層15が形成されている。この絶縁層15は、一方
で、上部基板の面つまり共通電極7に対しては並行する
面を形成され、これにより、共通電極7と共に間隙の一
定なインク通路12を形成している。また、他方では、
切断電極8に対応する部分が厚く形成され、加速電極1
1に対応する部分が薄く形成され、これら両部分を連絡
する傾斜面が形成されている。
【0023】この傾斜面に形成された部分に集滴電極9
が配設されている。すなわち、集滴電極9は共通電極7
に対してインクタンク3側が遠く吐出口14が近く、傾
斜して対向している。インクタンク3に収容されている
インク16は、上部基板及び下部基板がインクタンク3
に接合する端部の待機部13を介して、インク通路12
に供給される。
が配設されている。すなわち、集滴電極9は共通電極7
に対してインクタンク3側が遠く吐出口14が近く、傾
斜して対向している。インクタンク3に収容されている
インク16は、上部基板及び下部基板がインクタンク3
に接合する端部の待機部13を介して、インク通路12
に供給される。
【0024】インクタンク3の内壁及び待機部13の上
下の内壁は、共に親水性材料(例えば、ポリエチレンテ
レフタレートなどインク滴の接触角が90度未満となる
材料)からなる親水性皮膜によって覆われている。
下の内壁は、共に親水性材料(例えば、ポリエチレンテ
レフタレートなどインク滴の接触角が90度未満となる
材料)からなる親水性皮膜によって覆われている。
【0025】そして、インク通路12の、共通電極7と
切断電極8、集滴電極9及び加速電極11とが対向する
上下の壁面は、撥水性材料(例えば、PTFEなどのフ
ッ素系化合物などインク滴の接触角が90度より大きく
なる材料)からなる撥水性皮膜によって覆われている。
切断電極8、集滴電極9及び加速電極11とが対向する
上下の壁面は、撥水性材料(例えば、PTFEなどのフ
ッ素系化合物などインク滴の接触角が90度より大きく
なる材料)からなる撥水性皮膜によって覆われている。
【0026】上記の構成において、図2(a) に破線Cで
示す境界からインクタンク3側となる左方の部分、つま
り待機部13はインク16と接する面が親水性であり、
破線Cの境界から吐出口14に向かう右方側は撥水性で
ある。したがって、インク16は、破線Cで示す境界の
左方領域で保持され、この領域から先(破線Cの境界か
ら右方側)には自発的には進入しない。
示す境界からインクタンク3側となる左方の部分、つま
り待機部13はインク16と接する面が親水性であり、
破線Cの境界から吐出口14に向かう右方側は撥水性で
ある。したがって、インク16は、破線Cで示す境界の
左方領域で保持され、この領域から先(破線Cの境界か
ら右方側)には自発的には進入しない。
【0027】その境界に接している切断電極8は、図2
(c),(d) に示すように、吐出口14側の部分8−2の幅
よりも、インクタンク3側の部分8−1の幅のほうが狭
く形成されている。
(c),(d) に示すように、吐出口14側の部分8−2の幅
よりも、インクタンク3側の部分8−1の幅のほうが狭
く形成されている。
【0028】そして、このような共通電極7、切断電極
8、集滴電極9、加速電極11の図2(a) に示した配置
において、電圧の印加によって破線Cで示す境界の右方
領域に引き出されたインクが、切断電極8により切断さ
れてインク滴となり、このインク滴が集滴電極9によっ
て加速電極11a側に寄せ集められ(これについては後
述する)、加速電極11a〜11cによって図2(a) に
矢印Xで示すように吐出口14に向けて加速され、吐出
口14から射出されて、記録紙4の紙面に1ドットの画
像を形成する。
8、集滴電極9、加速電極11の図2(a) に示した配置
において、電圧の印加によって破線Cで示す境界の右方
領域に引き出されたインクが、切断電極8により切断さ
れてインク滴となり、このインク滴が集滴電極9によっ
て加速電極11a側に寄せ集められ(これについては後
述する)、加速電極11a〜11cによって図2(a) に
矢印Xで示すように吐出口14に向けて加速され、吐出
口14から射出されて、記録紙4の紙面に1ドットの画
像を形成する。
【0029】ここで、インク16に、上記のように作用
する力の基本原理について説明する。一般に画像記録に
用いられるインク材としては、水性インクや油性インク
が知られている。両インクとも物理学的には誘電体であ
り、任意の誘電率に制御することが可能である。このよ
うな誘電体が電場内に置かれたとき、この誘電体に作用
する力は、電磁気学ではマックスウェルの応力として知
られている。この力は誘電体の界面に作用するベクトル
力であるが、説明を簡素化するために、以下の説明では
界面に平行な電場と垂直な電場に分けて考える。
する力の基本原理について説明する。一般に画像記録に
用いられるインク材としては、水性インクや油性インク
が知られている。両インクとも物理学的には誘電体であ
り、任意の誘電率に制御することが可能である。このよ
うな誘電体が電場内に置かれたとき、この誘電体に作用
する力は、電磁気学ではマックスウェルの応力として知
られている。この力は誘電体の界面に作用するベクトル
力であるが、説明を簡素化するために、以下の説明では
界面に平行な電場と垂直な電場に分けて考える。
【0030】図3(a) は、電場が誘電体界面に平行な場
合の説明図であり、同図(b) は、電場が誘電体界面に垂
直な場合の説明図である。同図(a) は接地電極17と、
これと対向して配設されて電圧Vを印加されている電極
18との間に、誘電率εi の誘電体19(インク16)
がある場合に相当する。この場合、誘電体19の界面の
内側(右端面)と外側(左端面)の界面に平行な電場を
E0 とすると、誘電体19の界面に単位面積あたり作用
する力fv はマックスウェルの応力から
合の説明図であり、同図(b) は、電場が誘電体界面に垂
直な場合の説明図である。同図(a) は接地電極17と、
これと対向して配設されて電圧Vを印加されている電極
18との間に、誘電率εi の誘電体19(インク16)
がある場合に相当する。この場合、誘電体19の界面の
内側(右端面)と外側(左端面)の界面に平行な電場を
E0 とすると、誘電体19の界面に単位面積あたり作用
する力fv はマックスウェルの応力から
【0031】
【数1】
【0032】と計算される。この力は電場の方向(電圧
Vの極性)に関係なく誘電率の大きい側から小さい側に
作用するため、図3(a) では、同図の矢印fv で示すよ
うに誘電体19を両電極間内に引っ張り込む方向に働
く。
Vの極性)に関係なく誘電率の大きい側から小さい側に
作用するため、図3(a) では、同図の矢印fv で示すよ
うに誘電体19を両電極間内に引っ張り込む方向に働
く。
【0033】また、同図(b) は、同一面(通路20を形
成する上下の壁面の一方の壁面)に形成した接地電極1
7′と電圧Vを印加された電極18′との間に、誘電率
εiの誘電体19′(インク16)がある場合に相当す
る。この場合、誘電体19′の界面を貫く界面に垂直な
電束密度をDとすると、誘電体19′の界面に単位面積
あたり作用する力fh はマックスウェルの応力から
成する上下の壁面の一方の壁面)に形成した接地電極1
7′と電圧Vを印加された電極18′との間に、誘電率
εiの誘電体19′(インク16)がある場合に相当す
る。この場合、誘電体19′の界面を貫く界面に垂直な
電束密度をDとすると、誘電体19′の界面に単位面積
あたり作用する力fh はマックスウェルの応力から
【0034】
【数2】
【0035】と計算される。この力も電場の方向(電圧
Vの極性)に関係なく誘電率の大きい側から小さい側に
作用するため、図3(b) では、同図の矢印fh で示すよ
うに誘電体19′を通路20内に引っ張り込む方向に働
く。
Vの極性)に関係なく誘電率の大きい側から小さい側に
作用するため、図3(b) では、同図の矢印fh で示すよ
うに誘電体19′を通路20内に引っ張り込む方向に働
く。
【0036】以上が本発明のインク16に作用する力の
基本原理であるが、上記に説明したように電場が誘電体
界面に略平行になるような電極配置(図3(a) 参照)で
も、あるいは電場が誘電体界面に略垂直になる電極配置
(図3(b) 参照)でも、あるいは両電極配置を複合した
ものでも、本発明のインクジェットプリンタを構成する
ことは可能である。
基本原理であるが、上記に説明したように電場が誘電体
界面に略平行になるような電極配置(図3(a) 参照)で
も、あるいは電場が誘電体界面に略垂直になる電極配置
(図3(b) 参照)でも、あるいは両電極配置を複合した
ものでも、本発明のインクジェットプリンタを構成する
ことは可能である。
【0037】続いて、上述した切断電極8によるインク
滴の切断のメカニズムについて説明する。尚、以下、本
実施の形態におけるインクジェットプリンタとしては、
電場が誘電体界面に略平行になる電極配置で構成された
もの(図2(a) に示した構成を基本構成とするもの)を
取り上げて説明する。また、以下の説明において、イン
ク通路12の間隙は、解像度を300dpi(ドット/
インチ)で印字する場合の構成として、10μm〜50
μm(マイクロ・メータ)の間であり、好ましくはおよ
そ20μmとしている。そして、切断電極8に印加する
電圧の波形はパルス波形であり、その印加時間は5μs
ec〜20μsec(好ましくはおよそ10μsec)
であり、印加電圧は50V〜100V(好ましくはおよ
そ70V)である。また、集滴電極9及び加速電極11
に印加する電圧も略同様である。
滴の切断のメカニズムについて説明する。尚、以下、本
実施の形態におけるインクジェットプリンタとしては、
電場が誘電体界面に略平行になる電極配置で構成された
もの(図2(a) に示した構成を基本構成とするもの)を
取り上げて説明する。また、以下の説明において、イン
ク通路12の間隙は、解像度を300dpi(ドット/
インチ)で印字する場合の構成として、10μm〜50
μm(マイクロ・メータ)の間であり、好ましくはおよ
そ20μmとしている。そして、切断電極8に印加する
電圧の波形はパルス波形であり、その印加時間は5μs
ec〜20μsec(好ましくはおよそ10μsec)
であり、印加電圧は50V〜100V(好ましくはおよ
そ70V)である。また、集滴電極9及び加速電極11
に印加する電圧も略同様である。
【0038】図4(a),(b) 及び図5(a),(b) は、前述の
図2(c) とともに、インク滴を切断する行程を時間と共
に順を追って示す図である。また、図5(c) は、同図
(a) のときのインクの表面積を近似して示す図である。
図2(c) とともに、インク滴を切断する行程を時間と共
に順を追って示す図である。また、図5(c) は、同図
(a) のときのインクの表面積を近似して示す図である。
【0039】まず、インク16が切断電極8に引き込ま
れる行程を説明する。先の図2(c)に示す状態(図2
(a),(b),(d) も参照)は、切断電極8に電圧が印加され
る前の状態である。尚、吐出口14方向をX方向として
以下説明する。
れる行程を説明する。先の図2(c)に示す状態(図2
(a),(b),(d) も参照)は、切断電極8に電圧が印加され
る前の状態である。尚、吐出口14方向をX方向として
以下説明する。
【0040】図2(c) の状態で、切断電極8に電圧を印
加すると、インク16と空気の境界面(以下、単にイン
ク16の界面という)のうち、切断電極8に対応した破
線Cで示す境界のZ領域で電界が発生する。そして、図
2(b) に示すように、マックスウェルの応力により、Z
領域にX方向に力fが働く。これにより、Z領域に対応
したインク16の界面がX方向に引っ張られて電界の発
生している方向へ移動する。
加すると、インク16と空気の境界面(以下、単にイン
ク16の界面という)のうち、切断電極8に対応した破
線Cで示す境界のZ領域で電界が発生する。そして、図
2(b) に示すように、マックスウェルの応力により、Z
領域にX方向に力fが働く。これにより、Z領域に対応
したインク16の界面がX方向に引っ張られて電界の発
生している方向へ移動する。
【0041】すなわち、図4(a) に示すように、待機部
13の領域aに保持されていたインク16が、切断電極
8のインクタンク側部分8−1の領域b内に突出した状
態となって、その先端は切断電極8の吐出側部分8−2
の領域cへと達する。
13の領域aに保持されていたインク16が、切断電極
8のインクタンク側部分8−1の領域b内に突出した状
態となって、その先端は切断電極8の吐出側部分8−2
の領域cへと達する。
【0042】電界の発生する範囲が領域bと異なる領域
cにおいては、領域c内に進入したインク16の界面全
体に力が働き、切断電極8の形状に沿って、図4(b) に
示すようにX方向以外にも広がった状態となる。
cにおいては、領域c内に進入したインク16の界面全
体に力が働き、切断電極8の形状に沿って、図4(b) に
示すようにX方向以外にも広がった状態となる。
【0043】続いて、上記の図4(b) のように親水領域
(領域a)から撥水領域(領域b及び領域c)へ突出し
たインク16が、切断されてインク滴が形成される行程
を説明する。
(領域a)から撥水領域(領域b及び領域c)へ突出し
たインク16が、切断されてインク滴が形成される行程
を説明する。
【0044】図5(a) に示すように、親水領域αから撥
水領域βに突出した部分のインク16の表面エネルギー
をWとし、図5(b) のような切断後のインク滴21の表
面エネルギーをT、切断に必要なエネルギーをEとする
と、切断前の表面エネルギーWが切断エネルギーEと切
断後の表面エネルギーTを加えた値より大きくなるとこ
ろでインク16が切断される。
水領域βに突出した部分のインク16の表面エネルギー
をWとし、図5(b) のような切断後のインク滴21の表
面エネルギーをT、切断に必要なエネルギーをEとする
と、切断前の表面エネルギーWが切断エネルギーEと切
断後の表面エネルギーTを加えた値より大きくなるとこ
ろでインク16が切断される。
【0045】そこで、図5(a) と図5(b) とで表面エネ
ルギーW,T及び切断エネルギーEを計算して、それら
を比較すると、切断エネルギーEは切断面積とインク1
6の表面張力(エネルギー)γの積の2倍したものと、
切断後の運動エネルギーKであるから
ルギーW,T及び切断エネルギーEを計算して、それら
を比較すると、切断エネルギーEは切断面積とインク1
6の表面張力(エネルギー)γの積の2倍したものと、
切断後の運動エネルギーKであるから
【0046】
【数3】
【0047】である。ここで、表面エネルギーTと前述
の切断エネルギーEを合わせた値を合成エネルギーT′
として、図5(a) のときの表面積を図5(c) で近似する
と、
の切断エネルギーEを合わせた値を合成エネルギーT′
として、図5(a) のときの表面積を図5(c) で近似する
と、
【0048】
【数4】
【0049】
【数5】
【0050】となる。上記の式において、r2 は切断電
極8のインクタンク側部分8−1の幅で決るものであ
り、ほぼ一定である。また、切断後の運動エネルギーK
は、引き出されるインク16の領域bに対応する部分の
長さL及び領域cに対応する部分に近似されるインク滴
21′の半径r1 に対してほぼ一定である。一方、切断
時には長さL、半径r1 はどちらも大きくなるので、切
断前の表面エネルギーWは、長さLおよび半径r1 に比
例して増加する。
極8のインクタンク側部分8−1の幅で決るものであ
り、ほぼ一定である。また、切断後の運動エネルギーK
は、引き出されるインク16の領域bに対応する部分の
長さL及び領域cに対応する部分に近似されるインク滴
21′の半径r1 に対してほぼ一定である。一方、切断
時には長さL、半径r1 はどちらも大きくなるので、切
断前の表面エネルギーWは、長さLおよび半径r1 に比
例して増加する。
【0051】図6は、上記切断前の表面エネルギーW及
び合成エネルギーT′と、長さL及び半径r1 との関係
を示すグラフである。同図のグラフに示すように、長さ
L及び半径r1 の増加とともに切断前の表面エネルギー
Wは増加する。そして、合成エネルギーT′と比較した
とき、その合成エネルギーT′よりも大きくなるところ
がある。
び合成エネルギーT′と、長さL及び半径r1 との関係
を示すグラフである。同図のグラフに示すように、長さ
L及び半径r1 の増加とともに切断前の表面エネルギー
Wは増加する。そして、合成エネルギーT′と比較した
とき、その合成エネルギーT′よりも大きくなるところ
がある。
【0052】上記のグラフにおいて、インク16の突出
部のエネルギーは、2つの直線W及び直線T′のエネル
ギーが低い方をとるから、長さL及び半径r1 の増加に
対して、同図の範囲、、の値をとらずに、範囲
、、の値をとる。これは、つまり図5(b) に示す
ような状態へ移行して、インク16が切断され、自身の
表面張力により液滴形状(インク滴21)になることを
意味している。尚、これによって、インク16の切断は
終了する。
部のエネルギーは、2つの直線W及び直線T′のエネル
ギーが低い方をとるから、長さL及び半径r1 の増加に
対して、同図の範囲、、の値をとらずに、範囲
、、の値をとる。これは、つまり図5(b) に示す
ような状態へ移行して、インク16が切断され、自身の
表面張力により液滴形状(インク滴21)になることを
意味している。尚、これによって、インク16の切断は
終了する。
【0053】上記のインク滴21は、X方向へ切断した
のであるから、インク滴21は切断直後にX方向への運
動量をもっている。インク滴21は、X方向へ移動しな
がら前述したように集滴電極9によって加速電極11a
側に寄せ集められる。ここで、集滴電極9の動作原理に
ついて説明する前に、その集滴電極9の近傍の構成を更
に説明する。
のであるから、インク滴21は切断直後にX方向への運
動量をもっている。インク滴21は、X方向へ移動しな
がら前述したように集滴電極9によって加速電極11a
側に寄せ集められる。ここで、集滴電極9の動作原理に
ついて説明する前に、その集滴電極9の近傍の構成を更
に説明する。
【0054】図7(a) は、集滴電極9を中心にその近傍
の構成を示す平面図であり、同図(b) は同図(a) のF−
F′矢視図、同図(c) は同図(a) のG−G′矢視図、同
図(d) は同図(a) のH−H′矢視図である。
の構成を示す平面図であり、同図(b) は同図(a) のF−
F′矢視図、同図(c) は同図(a) のG−G′矢視図、同
図(d) は同図(a) のH−H′矢視図である。
【0055】同図(a) に示すように、待機部13は、平
面方向には斜めに形成されていて、親水領域を構成し、
図外のインクタンク3(図1及び図2(a) 参照)から供
給された誘電体としての性質を有するインク16を保持
している。尚、同図(a) 〜(d) において、少なくとも電
極部分はすべて撥水性皮膜で覆われており、上記の親水
領域以外はすべて撥水領域である。
面方向には斜めに形成されていて、親水領域を構成し、
図外のインクタンク3(図1及び図2(a) 参照)から供
給された誘電体としての性質を有するインク16を保持
している。尚、同図(a) 〜(d) において、少なくとも電
極部分はすべて撥水性皮膜で覆われており、上記の親水
領域以外はすべて撥水領域である。
【0056】図7(a) 〜(d) に示すように、印字ヘッド
2は、前述したように、上部基板22には共通電極7が
配設され、下部基板23には4個の切断電極8(8a〜
8d)、これらに対応する1個の集滴電極9、及び加速
電極11(同図(a),(c),(d)には集滴電極9に隣接する
加速電極11aのみを示している)が配設され、これら
の上に絶縁層15が積層されている。
2は、前述したように、上部基板22には共通電極7が
配設され、下部基板23には4個の切断電極8(8a〜
8d)、これらに対応する1個の集滴電極9、及び加速
電極11(同図(a),(c),(d)には集滴電極9に隣接する
加速電極11aのみを示している)が配設され、これら
の上に絶縁層15が積層されている。
【0057】切断電極8は、大小異なる大きさの4個の
電極(8a〜8d)が横方向に並んで配置されている。
これらは、親水領域である待機部13から、大きさの異
なる液滴(インク滴又は後述する希釈液滴)を切り出す
ために配置されている。
電極(8a〜8d)が横方向に並んで配置されている。
これらは、親水領域である待機部13から、大きさの異
なる液滴(インク滴又は後述する希釈液滴)を切り出す
ために配置されている。
【0058】これらの切断電極8及びこれらの切断電極
8に続いて設けられた集滴電極9は、図7(c) 及び同図
(d) に示すように、同図(a) の平面図で左端に示すサイ
ズの一番小さな切断電極8a側では共通電極7から比較
的離れて配置され、平面図の右端に示すサイズの一番大
きな切断電極8d方向へ順次共通電極7に比較的近く配
置されている。
8に続いて設けられた集滴電極9は、図7(c) 及び同図
(d) に示すように、同図(a) の平面図で左端に示すサイ
ズの一番小さな切断電極8a側では共通電極7から比較
的離れて配置され、平面図の右端に示すサイズの一番大
きな切断電極8d方向へ順次共通電極7に比較的近く配
置されている。
【0059】これにより、これに対応する集滴電極9
も、同図(b) に示すよに、左端から右端側へ角度θの傾
斜をもって配置される。すなわち、集滴電極9は、前述
したように共通電極7に対してインクタンク3側(図の
上方)が比較的離れ、吐出口14側(図の下方)が比較
的近くなるように前後に傾斜して対向しているばかりで
なく、上記のように左右にも傾斜して対向している。
も、同図(b) に示すよに、左端から右端側へ角度θの傾
斜をもって配置される。すなわち、集滴電極9は、前述
したように共通電極7に対してインクタンク3側(図の
上方)が比較的離れ、吐出口14側(図の下方)が比較
的近くなるように前後に傾斜して対向しているばかりで
なく、上記のように左右にも傾斜して対向している。
【0060】換言すれば、集滴電極9の部分では、絶縁
層15の厚さが、前方向(加速電極11a方向)にいく
ほど薄くなると共に右方(同じく加速電極11a方向)
にいくほど薄くなっている。このように絶縁層15の厚
さが各々の場所で異なるのは、集滴電極9からインク滴
21(21a、21b、21c)に作用する電界を、加
速電極11a方向にインク滴21を集滴するよう制御す
ることを目的としている。次に、この集滴電極9の動作
原理について説明する。
層15の厚さが、前方向(加速電極11a方向)にいく
ほど薄くなると共に右方(同じく加速電極11a方向)
にいくほど薄くなっている。このように絶縁層15の厚
さが各々の場所で異なるのは、集滴電極9からインク滴
21(21a、21b、21c)に作用する電界を、加
速電極11a方向にインク滴21を集滴するよう制御す
ることを目的としている。次に、この集滴電極9の動作
原理について説明する。
【0061】図8は、集滴電極9上のインク滴21部分
の断面図である。尚、同図に示す左から右への方向は、
集滴電極9部分をインクタンク3側から吐出口14方向
へ見たものとしてもよく、また、小さな切断電極8aか
ら大きな切断電極8d方向へ見たものとすることもでき
る。また、インク滴21の集滴電極9上の位置、インク
滴21の切断場所は任意の場所であり、インク滴21の
インク通路12との接触角は90度としてある。
の断面図である。尚、同図に示す左から右への方向は、
集滴電極9部分をインクタンク3側から吐出口14方向
へ見たものとしてもよく、また、小さな切断電極8aか
ら大きな切断電極8d方向へ見たものとすることもでき
る。また、インク滴21の集滴電極9上の位置、インク
滴21の切断場所は任意の場所であり、インク滴21の
インク通路12との接触角は90度としてある。
【0062】ここで、集滴電極9と共通電極7により電
界を発生させた場合を考え、インク滴21の右側端面の
電界E1とインク滴21の左側端面の電界E3を計算し
てみると
界を発生させた場合を考え、インク滴21の右側端面の
電界E1とインク滴21の左側端面の電界E3を計算し
てみると
【0063】
【数6】
【0064】
【数7】
【0065】となる。この電界よりインク滴21の右側
に働く力とインク滴21の左側に働く力の計算ができ
る。よって、いま右向きに働く力を正としてインク滴2
1に働く力を単位面積当たりで求めると
に働く力とインク滴21の左側に働く力の計算ができ
る。よって、いま右向きに働く力を正としてインク滴2
1に働く力を単位面積当たりで求めると
【0066】
【数8】
【0067】となる。括弧内の右項は左項より明らかに
小さいのでインク滴21に働く力は常に正となり右向き
の方向となる。インク滴21の位置は任意の場所である
ので、インク滴21の場所および切断面の方向に関係な
く、インク滴21には絶縁層15が薄いほう、すなわち
共通電極7と集滴電極9との電極間隔が狭い方へと、力
が働くことがわかる。
小さいのでインク滴21に働く力は常に正となり右向き
の方向となる。インク滴21の位置は任意の場所である
ので、インク滴21の場所および切断面の方向に関係な
く、インク滴21には絶縁層15が薄いほう、すなわち
共通電極7と集滴電極9との電極間隔が狭い方へと、力
が働くことがわかる。
【0068】よって、図7(a) 〜(d) に立ち戻って見る
と、集滴電極9において共通電極7との電極間隔が最も
狭い地点Jに、すべてのインク滴21が集滴することに
なる。また、集滴電極9からインク滴21の一部が突出
すると、その部分に作用する電界は極小になるので、突
出した側面の反対側の側面に働く力だけが残り、インク
滴21には集滴電極9内に引き戻されるような力が働
く。よって集滴電極9により電界が発生されている限
り、インク滴21が外側に飛び出すことなく地点Jに留
まり続けることになる。
と、集滴電極9において共通電極7との電極間隔が最も
狭い地点Jに、すべてのインク滴21が集滴することに
なる。また、集滴電極9からインク滴21の一部が突出
すると、その部分に作用する電界は極小になるので、突
出した側面の反対側の側面に働く力だけが残り、インク
滴21には集滴電極9内に引き戻されるような力が働
く。よって集滴電極9により電界が発生されている限
り、インク滴21が外側に飛び出すことなく地点Jに留
まり続けることになる。
【0069】尚、上記の図7(a) 〜(d) に示した集滴電
極9上のインク滴21a、21b、21dは、例として
切断電極8aによって待機部13から切り出されたイン
ク滴の移動の状態を時系列に示したものである。
極9上のインク滴21a、21b、21dは、例として
切断電極8aによって待機部13から切り出されたイン
ク滴の移動の状態を時系列に示したものである。
【0070】続いて、上記インク滴21の加速工程のメ
カニズムを説明する。図9(a) 〜(d) は、インク滴21
の加速工程を時間とともに順を追って示す図である。同
図に示すように、集滴電極9から吐出口14の間に、3
個の加速電極11(11a、11b、11c)が、所定
の間隔で配置されている。インク滴21への加速は、3
個の加速電極11a、11b、及び11cに順に電圧を
印加することによって行われる。
カニズムを説明する。図9(a) 〜(d) は、インク滴21
の加速工程を時間とともに順を追って示す図である。同
図に示すように、集滴電極9から吐出口14の間に、3
個の加速電極11(11a、11b、11c)が、所定
の間隔で配置されている。インク滴21への加速は、3
個の加速電極11a、11b、及び11cに順に電圧を
印加することによって行われる。
【0071】先ず、図9(a) は、インク滴21が集滴さ
れた時点の状態(以下、加速初期状態という)を示して
いる。この加速初期状態の時点で集滴電極9をオフに
し、加速電極11aをオンにする。すると、X方向に対
して、図9(c) に示すように、加速電極11aの中心で
最も低くその前後では高くなる静電場のポテンシャルエ
ネルギーがX方向に対して形成される。
れた時点の状態(以下、加速初期状態という)を示して
いる。この加速初期状態の時点で集滴電極9をオフに
し、加速電極11aをオンにする。すると、X方向に対
して、図9(c) に示すように、加速電極11aの中心で
最も低くその前後では高くなる静電場のポテンシャルエ
ネルギーがX方向に対して形成される。
【0072】インク滴21は、その接触するインク通路
12の壁面が撥水性のため、X方向への運動に対してほ
とんど抵抗を受けないから、加速電極11aから広がる
電界により、吐出口14方向へわずかな力を受けて、同
図(b) に示すように、加速電極11aまで到達し、更
に、そこから加速電極11a内の強い電界によってイン
ク滴21は加速電極11a中央まで加速を続ける。
12の壁面が撥水性のため、X方向への運動に対してほ
とんど抵抗を受けないから、加速電極11aから広がる
電界により、吐出口14方向へわずかな力を受けて、同
図(b) に示すように、加速電極11aまで到達し、更
に、そこから加速電極11a内の強い電界によってイン
ク滴21は加速電極11a中央まで加速を続ける。
【0073】このように、集滴電極9から出たインク滴
21は、加速電極11aの中心までは加速されるが、そ
のままの状態では、同図(c) に示した静電場のポテンシ
ャルエネルギーの対称性から、その先で逆方向に力を受
けるのことになって減速されてしまう。
21は、加速電極11aの中心までは加速されるが、そ
のままの状態では、同図(c) に示した静電場のポテンシ
ャルエネルギーの対称性から、その先で逆方向に力を受
けるのことになって減速されてしまう。
【0074】そこで、同図(d) に示すようにインク滴2
1が加速電極11aの中心の位置まで到達したところ
で、その加速電極11aをオフすることにより、インク
滴21は効率よく加速される。
1が加速電極11aの中心の位置まで到達したところ
で、その加速電極11aをオフすることにより、インク
滴21は効率よく加速される。
【0075】さらに、ここで、次の加速電極11bをオ
ンにすることにより、インク滴21と加速電極11a及
び加速電極11bとの状態配置が、上述した加速初期状
態のインク滴21と集滴電極9及び加速電極11aとの
状態配置と同じになり、これにより、ここまでの加速行
程を繰り返すことになって、連続してインク滴21を加
速することができるようになる。
ンにすることにより、インク滴21と加速電極11a及
び加速電極11bとの状態配置が、上述した加速初期状
態のインク滴21と集滴電極9及び加速電極11aとの
状態配置と同じになり、これにより、ここまでの加速行
程を繰り返すことになって、連続してインク滴21を加
速することができるようになる。
【0076】すなわち、インク滴21が加速電極11
a、11b及び11cそれぞれの中心に達した時点で、
そのインク滴21が到達した加速電極をオフにし、次の
加速電極をオンにすることによって、インク滴21を加
速し続けることが出来、必要な運動量を持たせることが
できる。
a、11b及び11cそれぞれの中心に達した時点で、
そのインク滴21が到達した加速電極をオフにし、次の
加速電極をオンにすることによって、インク滴21を加
速し続けることが出来、必要な運動量を持たせることが
できる。
【0077】図10(a),(b) は、上記の加速電極11
a、11b及び11cをオン・オフするタイミングを示
す図である。本実施の形態においては、集滴電極9に対
して加速電極11a、11b及び11cは、同図(a) に
示すように、X方向に等しい間隔m1、m2及びm3
(m1=m2=m3)をもって配置されている。このよ
うに、各電極の間隔(区間)m1、m2及びm3が同じ
距離であるので、インク滴21が加速電極11a、11
b及び11cで夫々加速されると、区間m1を通過する
時間よりも区間m2を通過する時間が短くなり、さらに
区間m2を通過する時間よりも区間m3を通過する時間
が短くなる。
a、11b及び11cをオン・オフするタイミングを示
す図である。本実施の形態においては、集滴電極9に対
して加速電極11a、11b及び11cは、同図(a) に
示すように、X方向に等しい間隔m1、m2及びm3
(m1=m2=m3)をもって配置されている。このよ
うに、各電極の間隔(区間)m1、m2及びm3が同じ
距離であるので、インク滴21が加速電極11a、11
b及び11cで夫々加速されると、区間m1を通過する
時間よりも区間m2を通過する時間が短くなり、さらに
区間m2を通過する時間よりも区間m3を通過する時間
が短くなる。
【0078】したがって、そのように区間毎に順次短く
なる通過時間に対応して、加速電極11a、11b及び
11cの制御パルス幅を、同図(b) に示すように順次短
くする必要がある。こうして、加速電極11a、11b
及び11cの制御パルス幅を順位短くなるように電圧を
印加してインク滴21を加速して、同図(b) に示すよぅ
に、時刻T3で最後の加速電極11cをオフにすると、
インク滴21はそれまでに加速された運動量をもって印
字ヘッド2から記録紙4(図1参照)に向かって飛び出
し、記録紙4に着弾して1ドットを形成する。
なる通過時間に対応して、加速電極11a、11b及び
11cの制御パルス幅を、同図(b) に示すように順次短
くする必要がある。こうして、加速電極11a、11b
及び11cの制御パルス幅を順位短くなるように電圧を
印加してインク滴21を加速して、同図(b) に示すよぅ
に、時刻T3で最後の加速電極11cをオフにすると、
インク滴21はそれまでに加速された運動量をもって印
字ヘッド2から記録紙4(図1参照)に向かって飛び出
し、記録紙4に着弾して1ドットを形成する。
【0079】尚、図10(a) に示す加速電極11a、1
1b及び11cの形状は、X方向の長さが夫々等しく、
配置間隔が「m1=m2=m3」となるように形成され
て配置されているが、これに限ることなく、例えば、吐
出口14側の電極ほどX方向に順次長く、つまり「m1
<m2<m3」となるように形成してもよい。この場合
は、配置間隔m1、m2及びm3の各距離は、加速電極
11a、11b及び11cにより順次加速されていくイ
ンク滴がいずれの区間をも等しい通過時間で通過する距
離として設定するとよい。そうすれば、図10(b) に示
した各加速電極11a、11b及び11cを制御する電
圧のパルス幅を、いずれも同じ幅にすることができる。
したがって、加速電極への制御の負担を軽減することが
でき、また、吐出するまでのインク滴への加速時間が、
図10(b) に示した場合よりも長くなり、その分だけ一
つの加速電極で加速される速度が大きくなり、インク滴
への加速効率が向上する。また、インク滴21を吐出口
14から連続して射出する場合は、先行するインク滴2
1の運動を妨げない領域で各電極に電圧を印加すること
が望ましい。すなわち、図9(d) に示したインク滴21
が加速電極11aに到達した時点、つまり、加速電極1
1aをオフにし、次の加速電極11bをオンにするとき
に、集滴電極9をオンにして、その後、前述した行程を
繰り返すと、連続してインク滴21を吐出口14から噴
出することができる。また、上記の制御パルス幅は、後
述するインク滴の大きさなどによっても変更することが
必要になるので、画像情報に応じて選択的に制御するよ
うにする。
1b及び11cの形状は、X方向の長さが夫々等しく、
配置間隔が「m1=m2=m3」となるように形成され
て配置されているが、これに限ることなく、例えば、吐
出口14側の電極ほどX方向に順次長く、つまり「m1
<m2<m3」となるように形成してもよい。この場合
は、配置間隔m1、m2及びm3の各距離は、加速電極
11a、11b及び11cにより順次加速されていくイ
ンク滴がいずれの区間をも等しい通過時間で通過する距
離として設定するとよい。そうすれば、図10(b) に示
した各加速電極11a、11b及び11cを制御する電
圧のパルス幅を、いずれも同じ幅にすることができる。
したがって、加速電極への制御の負担を軽減することが
でき、また、吐出するまでのインク滴への加速時間が、
図10(b) に示した場合よりも長くなり、その分だけ一
つの加速電極で加速される速度が大きくなり、インク滴
への加速効率が向上する。また、インク滴21を吐出口
14から連続して射出する場合は、先行するインク滴2
1の運動を妨げない領域で各電極に電圧を印加すること
が望ましい。すなわち、図9(d) に示したインク滴21
が加速電極11aに到達した時点、つまり、加速電極1
1aをオフにし、次の加速電極11bをオンにするとき
に、集滴電極9をオンにして、その後、前述した行程を
繰り返すと、連続してインク滴21を吐出口14から噴
出することができる。また、上記の制御パルス幅は、後
述するインク滴の大きさなどによっても変更することが
必要になるので、画像情報に応じて選択的に制御するよ
うにする。
【0080】また、説明が前後したが、前述の切断電極
8から集滴電極9へのインク滴21の移動も上記の図9
に述べた原理によって行われている。図11(a),(b),
(c),(d) は、その原理を示す図である。ただしこの場合
は、集滴電極9によって形成される静電場のポテンシャ
ルエネルギーは、同図(c) に示すように、電極の右側先
端部(図7(a) の地点J参照)よりも後方(図7(a) で
は上方)及び左方ではなだらかに上昇し、電極の右側先
端部の地点Jで最も低く、それより前方及び右方は急峻
に立上がっている。
8から集滴電極9へのインク滴21の移動も上記の図9
に述べた原理によって行われている。図11(a),(b),
(c),(d) は、その原理を示す図である。ただしこの場合
は、集滴電極9によって形成される静電場のポテンシャ
ルエネルギーは、同図(c) に示すように、電極の右側先
端部(図7(a) の地点J参照)よりも後方(図7(a) で
は上方)及び左方ではなだらかに上昇し、電極の右側先
端部の地点Jで最も低く、それより前方及び右方は急峻
に立上がっている。
【0081】これにより、図8の集滴原理で説明したよ
うに集滴電極9上をインク滴21が移動して、図7(a)
の地点Jに集まってからは、それ以上は印加電圧の変化
による電場の状態に変化が無い限り、他へ移動すること
も外部へ飛び出すこともなく、その場に留まっている。
そして、ここから先の加速電極による加速は、上述した
通りである。
うに集滴電極9上をインク滴21が移動して、図7(a)
の地点Jに集まってからは、それ以上は印加電圧の変化
による電場の状態に変化が無い限り、他へ移動すること
も外部へ飛び出すこともなく、その場に留まっている。
そして、ここから先の加速電極による加速は、上述した
通りである。
【0082】図12(a) 〜(h) は、上述した動作原理に
基づいて印字ヘッドのインク通路内を移動するインク滴
の動作状態を示す図である。同図(a) は、切断電極8b
により親水領域の待機部13からインク滴21が切り出
された状態である。この状態で電界を発生させているの
は切断電極8bだけである。
基づいて印字ヘッドのインク通路内を移動するインク滴
の動作状態を示す図である。同図(a) は、切断電極8b
により親水領域の待機部13からインク滴21が切り出
された状態である。この状態で電界を発生させているの
は切断電極8bだけである。
【0083】同図(b) は、集滴電極9により電界を発生
させ、これにより、インク滴21が切断電極8b上から
集滴電極9上に移動させられた状態である。この状態か
ら次のインク滴切り出しまでは、切断電極8bは電界を
発生させない状態に維持される。
させ、これにより、インク滴21が切断電極8b上から
集滴電極9上に移動させられた状態である。この状態か
ら次のインク滴切り出しまでは、切断電極8bは電界を
発生させない状態に維持される。
【0084】同図(c) は、インク滴21が集滴電極9上
を移動している様子を示している。この間、集滴電極9
は電界を発生させたままである。同図(d) は、集滴電極
9の右下隅の地点Jにインク滴21が到達した状態を示
している。ここで集滴電極9によるインク滴集滴の役目
は終了し、すなわち集滴電極9による電界は消滅させら
れ、同時に加速電極によるインク滴の加速が実行され
る。
を移動している様子を示している。この間、集滴電極9
は電界を発生させたままである。同図(d) は、集滴電極
9の右下隅の地点Jにインク滴21が到達した状態を示
している。ここで集滴電極9によるインク滴集滴の役目
は終了し、すなわち集滴電極9による電界は消滅させら
れ、同時に加速電極によるインク滴の加速が実行され
る。
【0085】同図(e) 〜(h) は、加速電極11a、11
b、11cにより、インク滴21が吐出口14方向へ順
次加速されて、インク滴21が吐出口14から印字ヘッ
ド2の外へ射出される様子を示している。
b、11cにより、インク滴21が吐出口14方向へ順
次加速されて、インク滴21が吐出口14から印字ヘッ
ド2の外へ射出される様子を示している。
【0086】尚、上記の例では、インク滴21を切り出
した切断電極8bは、図7(a) で示した切断電極8aよ
りもサイズが大きく、したがって、図12のように切り
出されるインク滴21の大きさは、図7の場合よりも大
きなインク滴21が切り出されている。
した切断電極8bは、図7(a) で示した切断電極8aよ
りもサイズが大きく、したがって、図12のように切り
出されるインク滴21の大きさは、図7の場合よりも大
きなインク滴21が切り出されている。
【0087】図13(a) 〜(h) は、上記の動作原理に基
づいて、大小異なるインク滴を組み合わせて新たな大き
さのインク滴を集滴電極9上で作る場合の一連の動作状
態を示す図である。
づいて、大小異なるインク滴を組み合わせて新たな大き
さのインク滴を集滴電極9上で作る場合の一連の動作状
態を示す図である。
【0088】同図(a) は、一番小さな切断電極8aが電
界を発生させて、これにより一番小さなインク滴21−
1が親水領域の待機部13から切り出された状態を示し
ている。
界を発生させて、これにより一番小さなインク滴21−
1が親水領域の待機部13から切り出された状態を示し
ている。
【0089】同図(b) は、切り出された小さなインク滴
21−1が集滴電極9に移動した状態を示している。同
図(c) は、小さなインク滴21−1が集滴電極9上を移
動している途上の時点で、一番大きな切断電極8dによ
って一番大きなインク滴21−4が切り出された状態を
示している。
21−1が集滴電極9に移動した状態を示している。同
図(c) は、小さなインク滴21−1が集滴電極9上を移
動している途上の時点で、一番大きな切断電極8dによ
って一番大きなインク滴21−4が切り出された状態を
示している。
【0090】同図(d) は、大きなインク滴21−4が集
滴電極9に移動され、集滴電極9上を移動してきた小さ
なインク滴21−1と混合される状態を示している。同
図(e) 〜(h) は、上記混合されて新たな大きさとなった
インク滴21′が、加速電極11a、11b、11cに
より加速され、吐出口14から印字ヘッド2の外へ射出
される状態を示している。
滴電極9に移動され、集滴電極9上を移動してきた小さ
なインク滴21−1と混合される状態を示している。同
図(e) 〜(h) は、上記混合されて新たな大きさとなった
インク滴21′が、加速電極11a、11b、11cに
より加速され、吐出口14から印字ヘッド2の外へ射出
される状態を示している。
【0091】このように、本実施の形態によれば、大小
異なるインク滴を集積・混合して、そのインク滴を、一
組の加速電極で加速して一つの吐出口から射出すること
ができる。すなわち、ドット径の可変なインク滴を同一
位置から射出することができる。
異なるインク滴を集積・混合して、そのインク滴を、一
組の加速電極で加速して一つの吐出口から射出すること
ができる。すなわち、ドット径の可変なインク滴を同一
位置から射出することができる。
【0092】そして、上記のように大小4個の切断電極
により切り出される各種の径(量)のインク滴を混合し
て最終的に吐出口から射出されるインク滴の可変なドッ
ト径すなわち1インク滴の量は、例えば一番小さい切断
電極8aから一番大きな切断電極8dまで順に、インク
滴の切り出し量を、階調値1に相当する量の切り出し、
階調値2に相当する量の切り出し、階調値4に相当する
量の切り出し、階調値8に相当する量の切り出しとして
設定すると、それらの切り出し量の組み合わせとして得
られる。
により切り出される各種の径(量)のインク滴を混合し
て最終的に吐出口から射出されるインク滴の可変なドッ
ト径すなわち1インク滴の量は、例えば一番小さい切断
電極8aから一番大きな切断電極8dまで順に、インク
滴の切り出し量を、階調値1に相当する量の切り出し、
階調値2に相当する量の切り出し、階調値4に相当する
量の切り出し、階調値8に相当する量の切り出しとして
設定すると、それらの切り出し量の組み合わせとして得
られる。
【0093】つまり、上記の例では4個から任意の数を
取り出す組み合わせとして、24 =16、すなわちイン
ク滴の量「0」の階調からインク滴の量「15」の階調
まで、16階調分の組み合わせが得られる。このよう
に、16階調に変化するインク滴を同一の吐出口から射
出させることができる。これによって、インク滴のドッ
ト径の変調による多値面積階調が可能となる。
取り出す組み合わせとして、24 =16、すなわちイン
ク滴の量「0」の階調からインク滴の量「15」の階調
まで、16階調分の組み合わせが得られる。このよう
に、16階調に変化するインク滴を同一の吐出口から射
出させることができる。これによって、インク滴のドッ
ト径の変調による多値面積階調が可能となる。
【0094】尚、上記の例では、切断電極の数を4個で
説明しているが、これに限ること無く、切断電極の数を
増やすことによって、更に多くの階調のインク滴を作り
出すことができる。すなわち、切断電極の数をn個とす
れば、2n 階調分の多値面積階調が行えることになる。
説明しているが、これに限ること無く、切断電極の数を
増やすことによって、更に多くの階調のインク滴を作り
出すことができる。すなわち、切断電極の数をn個とす
れば、2n 階調分の多値面積階調が行えることになる。
【0095】図14(a) 〜(d) は、第2の実施の形態に
おける集滴電極の集滴動作をより円滑に行うための印字
ヘッドの構成を示す図であり、同図(a) は、集滴電極を
中心にその近傍の構成を示す平面図であり、同図(b) は
同図(a) のK−K′矢視図、同図(c) は同図(a) のL−
L′矢視図、同図(d) は同図(a) のM−M′矢視図であ
る。
おける集滴電極の集滴動作をより円滑に行うための印字
ヘッドの構成を示す図であり、同図(a) は、集滴電極を
中心にその近傍の構成を示す平面図であり、同図(b) は
同図(a) のK−K′矢視図、同図(c) は同図(a) のL−
L′矢視図、同図(d) は同図(a) のM−M′矢視図であ
る。
【0096】尚、同図(a) 〜(d) に示す印字ヘッド24
の構成は、図7(a) 〜(d) に示した印字ヘッド2の構成
と絶縁層の形状及び集滴電極の形状のみが異なり、その
他の部分の構成は同一であるので、同一部分への番号の
付与は省略している。
の構成は、図7(a) 〜(d) に示した印字ヘッド2の構成
と絶縁層の形状及び集滴電極の形状のみが異なり、その
他の部分の構成は同一であるので、同一部分への番号の
付与は省略している。
【0097】この印字ヘッド24は、図14(a) 〜(d)
に示すように、絶縁層15′は、その厚さが小さい(薄
い)ときは傾斜角の値も図の角度θ1 に示すように小さ
く、その厚さが大きくなるほど傾斜角の値が図の角度θ
2 に示すように大きくなるような曲面をもって形成され
ている。これによって、絶縁層15′の厚さが大きい場
所と小さい場所とでインク滴に働く力の差が少なく(場
所によって大きく変化せず)、どこでも均等な力が働く
ようになる。
に示すように、絶縁層15′は、その厚さが小さい(薄
い)ときは傾斜角の値も図の角度θ1 に示すように小さ
く、その厚さが大きくなるほど傾斜角の値が図の角度θ
2 に示すように大きくなるような曲面をもって形成され
ている。これによって、絶縁層15′の厚さが大きい場
所と小さい場所とでインク滴に働く力の差が少なく(場
所によって大きく変化せず)、どこでも均等な力が働く
ようになる。
【0098】つまり上記の絶縁層及び集滴電極の形状
は、一般に、誘電体(インク滴)の境界面に働く力は電
界の強さの2乗に比例し、電界の強さは電極間の距離に
逆比例することから生じる不都合を解消するために形成
されている。すなわち、電極の間隔が狭く電界が強い場
所では、インク滴の右側の電界と左側の電界が僅かしか
違わなくても、インク滴の左右から働く力の差は大きな
差となって現れ、したがってインク滴の移動する力が強
いが、電極の間隔が広く電界が弱い場所では、電極間距
離がより狭いところに比較して左右に働く力が急激に小
さくなり、したがって、右側と左側に働く力の差が小さ
くなる、つまり移動する力が小さくなってしまうことの
不都合を解消するためのものである。
は、一般に、誘電体(インク滴)の境界面に働く力は電
界の強さの2乗に比例し、電界の強さは電極間の距離に
逆比例することから生じる不都合を解消するために形成
されている。すなわち、電極の間隔が狭く電界が強い場
所では、インク滴の右側の電界と左側の電界が僅かしか
違わなくても、インク滴の左右から働く力の差は大きな
差となって現れ、したがってインク滴の移動する力が強
いが、電極の間隔が広く電界が弱い場所では、電極間距
離がより狭いところに比較して左右に働く力が急激に小
さくなり、したがって、右側と左側に働く力の差が小さ
くなる、つまり移動する力が小さくなってしまうことの
不都合を解消するためのものである。
【0099】このことを考慮して、第2の実施の形態に
おける集滴電極9′の構成は、インク滴が待機部から切
り出されて切断電極から集滴電極上に移動した直後の場
所となる絶縁層が厚いところほど右側と左側の電界に大
きな差ができるように傾斜角θの値を大きくし、インク
滴が移動していく途上の絶縁層が薄いところほど右側と
左側の電界の差が小さくなるよう傾斜角θの値を小さく
すべく、全体の傾斜面を曲面で形成し、これにより、集
滴電極上のどの場所でもインク滴に均等な力が働くよう
に構成したものである。
おける集滴電極9′の構成は、インク滴が待機部から切
り出されて切断電極から集滴電極上に移動した直後の場
所となる絶縁層が厚いところほど右側と左側の電界に大
きな差ができるように傾斜角θの値を大きくし、インク
滴が移動していく途上の絶縁層が薄いところほど右側と
左側の電界の差が小さくなるよう傾斜角θの値を小さく
すべく、全体の傾斜面を曲面で形成し、これにより、集
滴電極上のどの場所でもインク滴に均等な力が働くよう
に構成したものである。
【0100】以上、多値面積階調について説明したが、
続いて、多値濃度階調について以下に説明する。図15
(a) 〜(e) は、第3の実施の形態における多値の濃度階
調を有するインク滴を射出する印字ヘッドの構成を示す
図であり、同図(a) は、集滴電極を中心にその近傍の構
成を示す平面図、同図(b) は同図(a) のP−P′矢視
図、同図(c) は同図(a) のQ−Q′矢視図、同図(d) は
同図(a) のR−R′矢視図、そして、同図(e) は同図
(a) のS矢視図である。
続いて、多値濃度階調について以下に説明する。図15
(a) 〜(e) は、第3の実施の形態における多値の濃度階
調を有するインク滴を射出する印字ヘッドの構成を示す
図であり、同図(a) は、集滴電極を中心にその近傍の構
成を示す平面図、同図(b) は同図(a) のP−P′矢視
図、同図(c) は同図(a) のQ−Q′矢視図、同図(d) は
同図(a) のR−R′矢視図、そして、同図(e) は同図
(a) のS矢視図である。
【0101】同図(a) に示す印字ヘッド25は、図の左
半分の構成が、同図(b) の左半分と同図(c) 及び同図
(d) に示すように、図7(a) 〜(d) に示した印字ヘッド
2の構成と同一である。そして、この場合は、待機部1
3の右端に、この印字ヘッド25における唯一の隔壁2
6が設けられており、この隔壁26の延長線を境界とし
て、その右方に、上記印字ヘッド2と同一な構成部分を
左右反転した(上記の延長線を境界として対称な)構成
が配設されている。この反転部分の構成の待機部27
(親水領域)には、誘電的性質を持つ例えば透明液体ま
たは白色液体からなる濃度変調液(希釈液)28が不図
示のタンクから供給される。
半分の構成が、同図(b) の左半分と同図(c) 及び同図
(d) に示すように、図7(a) 〜(d) に示した印字ヘッド
2の構成と同一である。そして、この場合は、待機部1
3の右端に、この印字ヘッド25における唯一の隔壁2
6が設けられており、この隔壁26の延長線を境界とし
て、その右方に、上記印字ヘッド2と同一な構成部分を
左右反転した(上記の延長線を境界として対称な)構成
が配設されている。この反転部分の構成の待機部27
(親水領域)には、誘電的性質を持つ例えば透明液体ま
たは白色液体からなる濃度変調液(希釈液)28が不図
示のタンクから供給される。
【0102】同図(a),(b),(c) は、左方の一番小さな切
断電極8aによって切り出されて集滴電極9上に移動し
たばかりのインク滴21−1と、右方の一番大きな切断
電極29dによって待機部27から切り出されたばかり
の濃度変調液滴31−4が示されている。これらのイン
クインク滴21−1と濃度変調液滴31−4は、2つの
集滴電極9及び集滴電極32による上述したと同様の電
界の働きによって、地点J″に集滴し、混合される。
断電極8aによって切り出されて集滴電極9上に移動し
たばかりのインク滴21−1と、右方の一番大きな切断
電極29dによって待機部27から切り出されたばかり
の濃度変調液滴31−4が示されている。これらのイン
クインク滴21−1と濃度変調液滴31−4は、2つの
集滴電極9及び集滴電極32による上述したと同様の電
界の働きによって、地点J″に集滴し、混合される。
【0103】尚、このインク滴21−1と濃度変調液滴
31−4との集滴・混合後の射出用インク滴の径(量)
は、常に同量になるように、上記切り出されるインク滴
の切り出し量と濃度変調液滴の切り出し量との組み合わ
せが決定される。これを以下に説明する。
31−4との集滴・混合後の射出用インク滴の径(量)
は、常に同量になるように、上記切り出されるインク滴
の切り出し量と濃度変調液滴の切り出し量との組み合わ
せが決定される。これを以下に説明する。
【0104】図16は、上記のような組み合わせによっ
て切り出された2液が混合され、最終的に吐出口から射
出されるインク滴の濃度の組み合わせの例を示す図表で
ある。先ず、同図左方の上段横欄に示すインク滴21側
の面積階調(液量の階調)は、例えば一番小さい切断電
極8aから一番大きな切断電極8dまで順に、インク滴
の切り出し量を、階調値1に相当する量の切り出し、階
調値2に相当する量の切り出し、階調値4に相当する量
の切り出し、階調値8に相当する量の切り出しと設定す
ると、それらの下方の横欄に○印で示すように、階調値
1〜階調値15まで15階調の組み合わせが得られる
(同図のインク滴21側に示す階調には、切り出し量
「0」の場合、すなわち面積階調値0の場合、つまり白
印字の場合は、そもそもインク滴と濃度変調液滴との混
合は無用であるので上記の組み合わせの説明から省いて
いる)。
て切り出された2液が混合され、最終的に吐出口から射
出されるインク滴の濃度の組み合わせの例を示す図表で
ある。先ず、同図左方の上段横欄に示すインク滴21側
の面積階調(液量の階調)は、例えば一番小さい切断電
極8aから一番大きな切断電極8dまで順に、インク滴
の切り出し量を、階調値1に相当する量の切り出し、階
調値2に相当する量の切り出し、階調値4に相当する量
の切り出し、階調値8に相当する量の切り出しと設定す
ると、それらの下方の横欄に○印で示すように、階調値
1〜階調値15まで15階調の組み合わせが得られる
(同図のインク滴21側に示す階調には、切り出し量
「0」の場合、すなわち面積階調値0の場合、つまり白
印字の場合は、そもそもインク滴と濃度変調液滴との混
合は無用であるので上記の組み合わせの説明から省いて
いる)。
【0105】次に、同図右方の上段横欄に示す濃度変調
液滴31側の階調(液量の階調)は、この場合も、一番
小さい切断電極29aから一番大きな切断電極29dま
で順に、濃度変調液滴の切り出し量を、階調値1に相当
する量の切り出し、階調値2に相当する量の切り出し、
階調値4に相当する量の切り出し、階調値8に相当する
量の切り出しと設定すると、それらの下方の横欄に○印
で示すように、階調値1〜階調値15まで15階調の組
み合わせが得られる。
液滴31側の階調(液量の階調)は、この場合も、一番
小さい切断電極29aから一番大きな切断電極29dま
で順に、濃度変調液滴の切り出し量を、階調値1に相当
する量の切り出し、階調値2に相当する量の切り出し、
階調値4に相当する量の切り出し、階調値8に相当する
量の切り出しと設定すると、それらの下方の横欄に○印
で示すように、階調値1〜階調値15まで15階調の組
み合わせが得られる。
【0106】この同図左方の上段横欄に示すインク滴2
1側の面積階調と同図右方の上段横欄に示す濃度変調液
滴31側の階調とを組み合わせて、インク滴21と濃度
変調液滴31との集滴・混合後の射出用インク滴の径
(量)が常に同量になるように組み合わせが決定され
る。
1側の面積階調と同図右方の上段横欄に示す濃度変調液
滴31側の階調とを組み合わせて、インク滴21と濃度
変調液滴31との集滴・混合後の射出用インク滴の径
(量)が常に同量になるように組み合わせが決定され
る。
【0107】この場合の例では、階調値1のインク滴又
は濃度変調液滴、階調値2のインク滴又は濃度変調液
滴、階調値4のインク滴又は濃度変調液滴、及び階調値
8のインク滴又は濃度変調液滴とが常に組み合わされ、
射出用インク滴の液量として常に同一の液量(15階調
分の液量)となるように設定される。
は濃度変調液滴、階調値2のインク滴又は濃度変調液
滴、階調値4のインク滴又は濃度変調液滴、及び階調値
8のインク滴又は濃度変調液滴とが常に組み合わされ、
射出用インク滴の液量として常に同一の液量(15階調
分の液量)となるように設定される。
【0108】したがって、この場合、上述したように、
混合後の射出用インク滴の径(量)が常に同量になるよ
うにするために、インク滴21側の最高階調(階調1
5)の階調表現に対応すべく濃度変調液滴31側には階
調0(濃度変調液滴31の混合量「0」、同図の最下段
参照)の設定が用意される。
混合後の射出用インク滴の径(量)が常に同量になるよ
うにするために、インク滴21側の最高階調(階調1
5)の階調表現に対応すべく濃度変調液滴31側には階
調0(濃度変調液滴31の混合量「0」、同図の最下段
参照)の設定が用意される。
【0109】また、同様に混合後の射出用インク滴の径
(量)が常に同量になるような設定では、濃度変調液滴
31のみによる15階調は不要であるので組み合わせ対
称から除外される。
(量)が常に同量になるような設定では、濃度変調液滴
31のみによる15階調は不要であるので組み合わせ対
称から除外される。
【0110】このように、ドット径が常に一定な射出イ
ンク滴の濃度を変調して、多値濃度階調が可能となる。
尚、上記の例では、インク滴側と濃度変調液滴側で、そ
れぞれ切断電極の数を4個で説明しているが、これに限
ること無く、切断電極の数を増やすことによって、更に
多くの濃度階調の射出インク滴を作り出すことができ
る。すなわち、切断電極の数を夫々n個とすれば、2n
階調分の多値濃度階調が行えることになる。
ンク滴の濃度を変調して、多値濃度階調が可能となる。
尚、上記の例では、インク滴側と濃度変調液滴側で、そ
れぞれ切断電極の数を4個で説明しているが、これに限
ること無く、切断電極の数を増やすことによって、更に
多くの濃度階調の射出インク滴を作り出すことができ
る。すなわち、切断電極の数を夫々n個とすれば、2n
階調分の多値濃度階調が行えることになる。
【0111】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、電界により発生する力を利用して、様々の大きさ
の液滴を切り出しこの液滴を所定の場所に集滴しこの集
滴した液滴を1ドットの液滴として加速しこの加速した
1ドットの液滴を用紙に射出して付着させるので、様々
の大きさに切り出したインク滴を組み合わせた更に様々
な大きさの1ドットのインク滴を同一吐出口から用紙に
付着させることができ、これにより、1ドットで多値の
面積階調を有するインクジェットプリンタを提供するこ
とが可能となる。
れば、電界により発生する力を利用して、様々の大きさ
の液滴を切り出しこの液滴を所定の場所に集滴しこの集
滴した液滴を1ドットの液滴として加速しこの加速した
1ドットの液滴を用紙に射出して付着させるので、様々
の大きさに切り出したインク滴を組み合わせた更に様々
な大きさの1ドットのインク滴を同一吐出口から用紙に
付着させることができ、これにより、1ドットで多値の
面積階調を有するインクジェットプリンタを提供するこ
とが可能となる。
【0112】また、様々の大きさに切り出す液滴をイン
ク滴と希釈液にするので、これらのインク滴と希釈液と
を集滴して様々な濃度の1ドットのインク滴として加速
して同一吐出口から用紙に付着させることができ、した
がって、1ドットで多値の濃度階調を有するインクジェ
ットプリンタを提供することが可能となる。
ク滴と希釈液にするので、これらのインク滴と希釈液と
を集滴して様々な濃度の1ドットのインク滴として加速
して同一吐出口から用紙に付着させることができ、した
がって、1ドットで多値の濃度階調を有するインクジェ
ットプリンタを提供することが可能となる。
【図1】第1の実施の形態におけるインクジェット方式
による画像形成装置(インクジェットプリンタ)の概略
断面図である。
による画像形成装置(インクジェットプリンタ)の概略
断面図である。
【図2】(a) はインクジェットプリンタの印字ヘッドの
全体構成を示す側断面図、(b)は(a) の破線Cの近傍の
構成を拡大した図、(c) はその平面図を共通電極を除い
て示す図、(d) は(b) のD−D′矢視図である。
全体構成を示す側断面図、(b)は(a) の破線Cの近傍の
構成を拡大した図、(c) はその平面図を共通電極を除い
て示す図、(d) は(b) のD−D′矢視図である。
【図3】マックスウェルの応力を説明する図であり、
(a) は電場が誘電体界面に平行な場合の説明図、(b) は
電場が誘電体界面に垂直な場合の説明図である。
(a) は電場が誘電体界面に平行な場合の説明図、(b) は
電場が誘電体界面に垂直な場合の説明図である。
【図4】(a),(b) はインク滴を切断する行程を時間と共
に順を追って示す図(その1)である。
に順を追って示す図(その1)である。
【図5】(a),(b) はインク滴を切断する行程を時間と共
に順を追って示す図(その2)であり、(c) は(a) の表
面積を近似する図である。
に順を追って示す図(その2)であり、(c) は(a) の表
面積を近似する図である。
【図6】切断前の表面エネルギーW及び合成エネルギー
T′と長さL及び半径r1 との関係を示すグラフであ
る。
T′と長さL及び半径r1 との関係を示すグラフであ
る。
【図7】(a) は集滴電極を中心にその近傍の構成を示す
平面図、(b) は(a) のF−F′矢視図、(c) は(a) のG
−G′矢視図、(d) は(a) のH−H′矢視図である。
平面図、(b) は(a) のF−F′矢視図、(c) は(a) のG
−G′矢視図、(d) は(a) のH−H′矢視図である。
【図8】集滴電極の動作原理について説明する図であ
る。
る。
【図9】(a),(b),(c),(d) はインク滴の加速工程を時間
とともに順を追って示す図である。
とともに順を追って示す図である。
【図10】(a),(b) は複数の加速電極をオン・オフする
タイミングを示す図である。
タイミングを示す図である。
【図11】(a),(b),(c),(d) は集滴電極の動作原理も加
速電極の動作原理と同様に説明できることを示す図であ
る。
速電極の動作原理と同様に説明できることを示す図であ
る。
【図12】(a) 〜(h) は印字ヘッドのインク通路内にお
けるインク滴の移動動作の状態を示す図である。
けるインク滴の移動動作の状態を示す図である。
【図13】(a) 〜(h) は大小異なるインク滴を組み合わ
せて新たな大きさのインク滴を集滴電極上で作る場合の
一連の動作状態を示す図である。
せて新たな大きさのインク滴を集滴電極上で作る場合の
一連の動作状態を示す図である。
【図14】(a),(b),(c),(d) は第2の実施の形態におけ
る印字ヘッドの集滴動作をより円滑に行う集滴電極の構
成を示す図である。
る印字ヘッドの集滴動作をより円滑に行う集滴電極の構
成を示す図である。
【図15】(a),(b),(c),(d),(e) は第3の実施の形態に
おける多値の濃度階調を有するインク滴を射出する印字
ヘッドの構成を示す図である。
おける多値の濃度階調を有するインク滴を射出する印字
ヘッドの構成を示す図である。
【図16】様々な大きさに切り出されるインク滴と濃度
変調液滴の組み合わせにより最終的に吐出口から射出さ
れるインク滴の濃度の例を示す図表である。
変調液滴の組み合わせにより最終的に吐出口から射出さ
れるインク滴の濃度の例を示す図表である。
1 インクジェットプリンタ 2 第1の実施の形態における印字ヘッド 3 インクタンク 4 記録紙 5 搬送機構 6 印字エリア 7 共通電極 8(8a、8b、8c,8d) 切断電極 9、9′ 集滴電極 11(11a、11b、11c) 加速電極 12 インク通路 13 待機部 14 吐出口 15、15′ 絶縁層 16 インク 17、17′ 接地電極 18、18′ 印加電極 19、19′ 誘電体 20 通路 21(21a、21b、21c、21−1、21−2、
21−3、21′)インク滴 22 上部基板 23 下部基板 24 第2の実施の形態における印字ヘッド 25 第2の実施の形態における印字ヘッド 26 隔壁 27 待機部 28 濃度変調液 29a、29b、29c、29d 切断電極 31−4 濃度変調液滴 32 集滴電極 J、J′、J″ 最終集滴地点
21−3、21′)インク滴 22 上部基板 23 下部基板 24 第2の実施の形態における印字ヘッド 25 第2の実施の形態における印字ヘッド 26 隔壁 27 待機部 28 濃度変調液 29a、29b、29c、29d 切断電極 31−4 濃度変調液滴 32 集滴電極 J、J′、J″ 最終集滴地点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 政典 東京都羽村市栄町3丁目2番1号 カシオ 計算機株式会社羽村技術センター内 (72)発明者 山本 忠夫 東京都羽村市栄町3丁目2番1号 カシオ 計算機株式会社羽村技術センター内 (72)発明者 竹内 榮一 東京都羽村市栄町3丁目2番1号 カシオ 計算機株式会社羽村技術センター内
Claims (10)
- 【請求項1】 インクを収容しインクとの接触面が親水
性材料で構成されるインクタンクと、 該インクタンクからインク吐出口へ連通するインク通路
と、 該インク通路の一壁に設けられた共通電極と、 前記インク通路の他壁に前記インクタンクに連接して設
けられた複数の切断電極と、 該複数の切断電極のインク吐出口側に隣接して設けられ
た集滴電極と、 該集滴電極からインク吐出口方向へ所定の距離を隔てて
設けられた複数の加速電極と、 前記インク通路の一壁に前記共通電極を覆って設けられ
た撥水性皮膜と、 前記インク通路の他壁に前記切断電極、前記集滴電極及
び前記加速電極を覆って設けられた撥水性皮膜と、 前記共通電極と前記切断電極間、前記共通電極と前記集
滴電極間及び前記共通電極と前記加速電極間に制御電圧
を印加する印加手段と、 を有し該印加手段は、外部から送られる印字信号に従っ
て前記共通電極と前記複数の切断電極の中の特定の切断
電極間に制御電圧を印加した後、前記共通電極と前記集
滴電極間に制御電圧を印加し、更に前記共通電極と前記
加速電極間への制御電圧を前記集滴電極に近い加速電極
から前記インク吐出口に近い加速電極へと順次印加する
ことを特徴とするインクジェットプリンタ。 - 【請求項2】 前記複数の切断電極は、配列方向の幅が
夫々異なることを特徴とする請求項1記載のインクジェ
ットプリンタ。 - 【請求項3】 前記複数の切断電極は、前記共通電極と
の電極間距離において前記切断電極の幅が広い箇所ほど
距離が狭くなるように配置されることを特徴とする請求
項2記載のインクジェットプリンタ。 - 【請求項4】 前記集滴電極は、前記共通電極との電極
間距離において前記幅が広い切断電極に対応する箇所ほ
ど距離が狭くなるように配置されることを特徴とする請
求項2記載のインクジェットプリンタ。 - 【請求項5】 前記複数の切断電極は、前記共通電極と
の電極間距離において前記インクタンク側よりも前記イ
ンク吐出口側のほうが狭く形成されることを特徴とする
請求項1記載のインクジェットプリンタ。 - 【請求項6】 前記複数の切断電極は、前記インク吐出
口側の幅よりも前記インクタンク側の幅のほうが狭く形
成されていることを特徴とする請求項1記載のインクジ
ェットプリンタ。 - 【請求項7】 前記印加手段は、前記共通電極と前記加
速電極間に印加する制御電圧の印加時間を前記インク吐
出口に近い加速電極ほど短く設定することを特徴とする
請求項1記載のインクジェットプリンタ。 - 【請求項8】 前記加速電極は、前記インク吐出口に近
いものほど前記インク通路に沿って長く形成されること
を特徴とする請求項1記載のインクジェットプリンタ。 - 【請求項9】 前記印加手段は、前記共通電極と前記加
速電極間に印加する制御電圧の印加時間を各加速電極に
対し同一に設定することを特徴とする請求項8記載のイ
ンクジェットプリンタ。 - 【請求項10】 前記インク通路は、前記共通電極と前
記加速電極の電極間距離において前記インクタンク側よ
りも前記インク吐出口側のほうが広く形成されることを
特徴とする請求項1記載のインクジェットプリンタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3695098A JPH11227175A (ja) | 1998-02-19 | 1998-02-19 | インクジェットプリンタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3695098A JPH11227175A (ja) | 1998-02-19 | 1998-02-19 | インクジェットプリンタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11227175A true JPH11227175A (ja) | 1999-08-24 |
Family
ID=12484035
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3695098A Withdrawn JPH11227175A (ja) | 1998-02-19 | 1998-02-19 | インクジェットプリンタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11227175A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006035640A (ja) * | 2004-07-27 | 2006-02-09 | Brother Ind Ltd | 液体移送装置 |
JP2007090282A (ja) * | 2005-09-29 | 2007-04-12 | Dainippon Printing Co Ltd | 微粒子含有インク用インクジェットヘッド |
-
1998
- 1998-02-19 JP JP3695098A patent/JPH11227175A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006035640A (ja) * | 2004-07-27 | 2006-02-09 | Brother Ind Ltd | 液体移送装置 |
JP4539213B2 (ja) * | 2004-07-27 | 2010-09-08 | ブラザー工業株式会社 | 液体移送装置 |
JP2007090282A (ja) * | 2005-09-29 | 2007-04-12 | Dainippon Printing Co Ltd | 微粒子含有インク用インクジェットヘッド |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20050510 |