JP2004195478A - 加熱炉装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】炉体11は、ワークWを搬入する入口スロート13と、ワークWを搬出する中間スロート14を有し、入口スロート13より搬入したワークWを加熱して中間スロート14より搬出する。炉体11の入口スロート13および中間スロート14に対し直角に交差する方向に、バッファ室22,29を拡大形成する。これらのバッファ室22,29に、入口スロート13および中間スロート14から炉体11外へ流出しようとする炉体11内の雰囲気を吸引して、雰囲気中に混入しているガス化したフラックスを回収する回収手段35,36を設ける。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、雰囲気中に混入されている冷却時液化物質を回収する回収手段を有する加熱炉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ワークをリフロー加熱してはんだ付けをする炉体は、ワークを炉体内に搬入するワーク搬入口部と、ワークを炉体より搬出するワーク搬出口部とが、炉体の内外での雰囲気移動を抑えるために、開口面積が小さくなるように絞り形成されている。
【0003】
炉体内では、リフロー時の高熱によりワークのソルダペーストからフラックスガスが発生し、このフラックスガスが、ワーク搬入口部およびワーク搬出口部で冷やされて液化し、さらに固化されたフラックス成分がワーク搬入口部およびワーク搬出口部の内壁に付着する。
【0004】
このフラックスを除去するために、従来のリフロー装置は、ワーク搬入口部およびワーク搬出口部の上側に、固化されたフラックスを溶融するための電熱ヒータを配置するとともに、下側にフラックス溜りを配置し、そして、リフロー運転後に、電熱ヒータで溶融されたフラックスをフラックス溜りに滴下して回収するようにしている。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−173333号公報(第3頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、ワーク搬入口部およびワーク搬出口部で液化して、それらの内壁に付着固化した冷却時液化物質すなわちフラックスを、リフロー運転後に上側の電熱ヒータにより溶融して下側のフラックス溜りに回収するフラックス回収技術は、リフロー運転中のフラックス回収が不可能であり、回収効率が悪いとともに、リフロー運転中に液化したフラックスまたは固化したフラックスがワーク上に落下して、ワークの品質を損なうおそれがある。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、リフロー運転中でも冷却時液化物質を効率良く回収して、冷却時液化物質によるワークの品質低下を確実に防止できる加熱炉装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された発明は、ワークを搬入するワーク搬入口部およびワークを搬出するワーク搬出口部を有し、ワーク搬入口部より搬入されたワークを加熱してワーク搬出口部より搬出する炉体と、炉体のワーク搬入口部およびワーク搬出口部から炉体外へ流出しようとする炉体内の雰囲気を吸引して雰囲気中に混入されているガス化された冷却時液化物質を回収する回収手段とを具備した加熱炉装置であり、回収手段により、炉体内でガス化された冷却時液化物質が液化しやすいワーク搬入口部およびワーク搬出口部から、液化する前のガス化された冷却時液化物質を含有する雰囲気を外部へ吸引して冷却時液化物質を回収するので、装置運転中でも、炉体内でガス化された冷却時液化物質を効率良く回収できるとともに、ワーク搬入口部およびワーク搬出口部での液化または固化された冷却時液化物質の付着を防止できるので、冷却時液化物質の落下などによるワークの品質低下を防止できる。
【0009】
請求項2に記載された発明は、請求項1記載の加熱炉装置における回収手段が、炉体のワーク搬入口部およびワーク搬出口部に対し交差する方向に拡大形成されたバッファ室と、バッファ室の一部に開口され炉体内の雰囲気を外部へ吸引する吸引口と、外部に吸引された雰囲気中から冷却時液化物質を分離して除去する除去ユニットと、バッファ室の一部に開口され除去ユニットにより冷却時液化物質を除去された雰囲気をバッファ室に吹込む吹込口とを具備したものであり、吹込口からバッファ室内に吹込まれた雰囲気は、バッファ室内で拡大されて低速で吸引口まで移動するので、バッファ室内での局部的な高速気流による乱流の発生を防止して、乱流が炉体内の加熱能力に悪影響を与えることを防止でき、すなわち炉体内の加熱能力の安定化を図ることができ、また、バッファ室、吸引口、除去ユニットおよび吹込口によって閉ループの循環系を形成したので、炉体の外部への冷却時液化物質の拡散を防止できる。
【0010】
請求項3に記載された発明は、請求項2記載の加熱炉装置における吸引口が、バッファ室にてワークの搬送高さに位置する一側部に設けられたものであり、ワークの搬送高さに位置する吸引口は、炉体内の高熱によりガス化された冷却時液化物質を含有する雰囲気を最も効率良く吸引できる場所にあるので、炉体内の冷却時液化物質を効率良く回収できるとともに、ワーク搬入口部から炉体内へ侵入しようとする外気を吸引して、炉体内への外気の混入を抑制でき、また、ワークの搬送高さに位置する吸引口で冷却時液化物質の液化が発生した場合であっても、その冷却時液化物質が同一レベルにあるワーク上に落下することはあり得ず、冷却時液化物質の落下によるワークの品質低下を確実に防止できる。
【0011】
請求項4に記載された発明は、請求項2または3記載の加熱炉装置において、炉体のワーク搬出口部にバッファ室を介して設けられワークを冷却する冷却ゾーンを具備したものであり、炉体のワーク搬出口部と冷却ゾーンとの間にバッファ室を介在させることで、このバッファ室により炉体と冷却ゾーンとの間の熱移動を遮断したので、炉体内の加熱された高温雰囲気と冷却ゾーン内の冷却された低温雰囲気とが、相互に影響し合うおそれを防止でき、炉体内での加熱効率および冷却ゾーン内での冷却効率を向上できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図1に示された一実施の形態、図2および図3に示された他の実施の形態を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
図1に示されるように、11は炉体であり、この炉体11を貫通して、部品実装基板などのワークWを搬送するワーク搬送手段としてのコンベア12が配設されている。炉体11は、内部に窒素ガスなどの不活性ガスの加圧供給を受ける。コンベア12は、平行に配置された左右1対の案内フレーム12aに搬送チェン12bがそれぞれ無端状に組込まれたものである。
【0014】
炉体11の一端部には、ワークWを搬入するワーク搬入口部としての入口スロート13が設けられ、また、炉体11の他端部には、ワーク搬出するワーク搬出口部としての中間スロート14が設けられ、この炉体11の中間スロート14には、ワークWを冷却するワーク冷却部15が接続され、このワーク冷却部15の出口側には、出口スロート16が設けられている。
【0015】
これらの入口スロート13、中間スロート14および出口スロート16は、コンベア12の案内フレーム12aを挿通するための最小限の開口を有するが、炉体11内の雰囲気またはワーク冷却部15内の雰囲気が、他領域に流出することを防止できるように、ワークWを搬送できる範囲で可能な限り咽喉状に絞られている。
【0016】
例えば、入口スロート13は、ワーク搬入側に最小限の開口を有する端板13aが設けられているとともに、反対側にも最小限の開口を有する端板13bが設けられている。
【0017】
炉体11の内部には、入口スロート13の内端側に、隔壁21により入口側のバッファ室22が形成され、このバッファ室22のワーク進行側に、ワークWを予加熱するプリヒートゾーン23が形成され、このプリヒートゾーン23のワーク進行側に1対の隔壁24,25により中間のバッファ室26が形成され、このバッファ室26のワーク進行側に、ワークWをリフロー加熱するリフローゾーン27が形成されている。
【0018】
ワーク冷却部15の内部には、中間スロート14側に、隔壁28によりバッファ室29が形成されている。このバッファ室29の隔壁28は、ワーク進行側に開放された開口部30を有する。
【0019】
これらのバッファ室22,26,29は、ワークWの搬送方向すなわちコンベア12に対し直角に交差する方向に拡大形成されている。
【0020】
プリヒートゾーン23およびリフローゾーン27には、ヒータ31およびファン32などで構成された熱風による加熱手段がそれぞれ配設され、また、ワーク冷却部15には、冷却ファン33が配設された冷却ゾーン34が設けられている。
【0021】
また、炉体11のワーク搬入側には、入口スロート13から炉体11の外部へ流出しようとする炉体11内の雰囲気を吸引して、この雰囲気中に混入されているガス化された冷却時液化物質としてのフラックスを回収する回収手段35が設けられている。フラックスは、ワークWに塗布されたソルダペーストが炉体11内のヒータ31による加熱で溶融されたときに、一部がガス化して、炉体11内の不活性雰囲気中に含有される。
【0022】
同様に、炉体11のワーク搬出側には、中間スロート14からワーク冷却部15の冷却ゾーン34へ流出しようとする炉体11内のガス化されたフラックスを含有する雰囲気を吸引して、フラックスを回収する回収手段36が設けられている。
【0023】
これらの回収手段35,36は、炉体11の入口スロート13および中間スロート14に対し交差する方向に、前記バッファ室22,29がそれぞれ拡大形成され、これらのバッファ室22,29の一部に、炉体11内のガス化されたフラックスを含有する雰囲気を外部へ吸引する吸引口37,38がそれぞれ開口され、これらの吸引口37,38に、管路41,42を介し、ガス化されたフラックスを含有する雰囲気中からフラックス成分を分離して除去する除去ユニット43,44がそれぞれ接続され、また、これらの除去ユニット43,44によりフラックス成分を除去された雰囲気を管路45,46を経て前記各バッファ室22,29に吹込む吹込口47,48が、これらのバッファ室22,29の一部に、特に前記吸引口37,38と対向する位置にそれぞれ開口されている。
【0024】
各回収手段35,36の除去ユニット43,44は、箱形のユニット本体51に、前記吸引口37,38に連通された吸込口52と、前記吹込口47,48に連通された吐出口53とを有し、このユニット本体51内に、冷却水管およびフィンなどで構成されたラジエータなどの冷却手段54をそれぞれ有する。
【0025】
これらの冷却手段54は、炉体11内の高熱でガス化されたフラックスを含有する雰囲気を冷却することで、この雰囲気中のフラックスをユニット本体51の内壁面または冷却手段54の表面で液化させたり、またはミスト化させてこれらを素通りさせる働きがある。
【0026】
各冷却手段54の下側には、液化されたフラックスを収容するフラックス溜め容器55がそれぞれ配置されている。これらのフラックス溜め容器55は、ユニット本体51内から取出し可能に設けられている。
【0027】
さらに、各冷却ユニット43,44のユニット本体51内には、各冷却手54の下流側に、ミスト化されたフラックスを捕捉除去するための比較的目の粗い第1フィルタ56がそれぞれ配置され、さらに、これらの第1フィルタ56の下流側に、微粒子状のフラックスを捕捉除去するための比較的目の細かい第2フィルタ57がそれぞれ配置され、さらに、これらの第2フィルタ57の下流側に設けられた室58には、ファン59および温度計60がそれぞれ配置されている。
【0028】
各ファン59は、各バッファ室22,29から雰囲気を吸引するとともに冷却手段54、第1フィルタ56および第2フィルタ57によりフラックス成分を除去された雰囲気を各バッファ室22,29に吹込むためのものである。
【0029】
また、炉体11の中間部のバッファ室26には、除去ユニット43,44内で冷却固化されたフラックスを溶解除去するための炉体内高温雰囲気を取出すための取出口61と、このフラックス溶解用の雰囲気を炉体11内に戻すための戻し口62とが、それぞれ設けられている。
【0030】
次に、この図1に示された実施の形態の作用効果を説明する。
【0031】
ワークWは、コンベア12により入口スロート13およびバッファ室22を経てプリヒートゾーン23に搬入され、このプリヒートゾーン23でワークWが予加熱され、さらに、バッファ室26を経てリフローゾーン27に搬送され、このリフローゾーン27の高温加熱によりワークWの基板と搭載部品との間のソルダペーストが溶融され、さらに、ワークWは、中間スロート14を経て炉体11内から搬出されるとともにワーク冷却部15のバッファ室29を経て冷却ゾーン34に搬入され、この冷却ゾーン34内での強制冷却により、はんだ継手部の強度が確保される。
【0032】
入口スロート13および中間スロート14の近傍に設けられた各バッファ室22,29に対する各回収手段35,36は、各除去ユニット43,44のファン59の吸込力により、炉体11内の高熱によりガス化されたフラックスを含有する雰囲気を強制的に吸引して回収する。
【0033】
すなわち、炉体内雰囲気が、入口スロート13から大気中へ、または中間スロート14からワーク冷却部15の冷却ゾーン34内へ流出する場合は、低温の入口スロート13内または冷却ゾーン34内でフラックスが冷却されて液化しやすいので、液化する前のガス化されたままのフラックスを、各バッファ室22,29から各除去ユニット43,44へ強制的に吸引して回収する。
【0034】
その際に、各除去ユニット43,44は、冷却手段54により、炉体11内の高熱でガス化されたフラックスを含有する雰囲気を冷却することで、この雰囲気中のフラックスをユニット本体51の内壁面または冷却手段54の表面で液化させたり、またはミスト化させてこれらを素通りさせ、液化されたフラックスは、フラックス溜め容器55で回収し、ミスト化されたフラックスは、第1フィルタ56で捕捉除去し、第1フィルタ56を素通りした微粒子状のフラックスは、より目の細かい第2フィルタ57で捕捉除去する。このようにして、冷却作用およびフィルタリング作用によりフラックス成分を除去された雰囲気は、ファン59の送風作用によりバッファ室22,29に循環される。
【0035】
このとき、吹込口47,48からバッファ室22,29内に吹込まれた雰囲気は、バッファ室22,29内で拡大されて低速で吸引口37,38まで移動するので、バッファ室22,29内での局部的な高速気流による乱流の発生を防止して、乱流が炉体11内の加熱能力に悪影響を与えることを防止できる。すなわち、炉体11内の加熱能力の安定化を図ることができる。
【0036】
また、炉体11内は、加圧供給された窒素ガスなどの不活性ガスにより、大気よりもやや高圧の状態にあるので、入口スロート13および中間スロート14から炉体11内に低温雰囲気が流入するおそれを防止でき、これによっても、炉体11内の加熱能力の安定化を図ることができる。
【0037】
さらに、バッファ室22,29、吸引口37,38、管路41,42、除去ユニット43,44、管路45,46および吹込口47,48によって閉ループの循環系を形成し、炉体11内の高熱によりガス化されたフラックスを含有する雰囲気を外部へ吸引して、除去ユニット43,44によりフラックス成分を分離除去した後、雰囲気を炉体11内に戻すので、炉体11の外部へのガス化されたフラックスの拡散を確実に防止できる。
【0038】
このように、回収手段35,36により、炉体11内でガス化されたフラックスが液化しやすい入口スロート13および冷却ゾーン34より前段階で、液化する前のガス化されたフラックスを含有する雰囲気を外部へ強制的に吸引してフラックスを回収するので、リフロー運転中でも、炉体11内でガス化されたフラックスを効率良く吸引して回収できるとともに、入口スロート13および冷却ゾーン34での液化または固化されたフラックスの付着を防止でき、付着フラックスの落下などによるワークWの品質低下を防止できる。
【0039】
また、各バッファ室22,26,29により、炉体11内のプリヒートゾーン23とリフローゾーン27とワーク冷却部15の冷却ゾーン34とを明確に形成でき、各ゾーンにおける雰囲気温度を容易に保つことができる。
【0040】
特に、炉体11のリフローゾーン27とワーク冷却部15の冷却ゾーン34との間に、中間スロート14およびバッファ室29を介在させることで、このバッファ室29などによりリフローゾーン27と冷却ゾーン34との間の熱移動を遮断したので、炉体11内の加熱された高温雰囲気と冷却ゾーン34内の冷却された低温雰囲気とが、相互に影響し合うおそれを防止でき、炉体11内での加熱効率および冷却ゾーン34内での冷却効率を向上できる。
【0041】
次に、図2および図3は、他の実施の形態を示し、炉体11内の雰囲気を外部へ吸引する吸引口37が、バッファ室22にてワークWの搬送高さに位置する一側部に設けられ、また、フラックスを除去された雰囲気をバッファ室22に吹込む吹込口47が、ワークWの搬送高さに位置するバッファ室の他側部に設けられたものである。なお、炉体11、ワーク冷却部15、除去ユニット43,44などの他の構造は、図1に示されたものと同様であるから、その説明を省略する。
【0042】
そして、ワークWの搬送高さに位置する吸引口37は、炉体11内の高熱によりガス化されたフラックスを含有する雰囲気を最も効率良く吸引できる場所にあるので、炉体11内のフラックス含有雰囲気を効率良く吸引して回収できるとともに、ワーク搬入口部としての入口スロート13から炉体11内へ侵入しようとする外気を吸引して、炉体11内への外気の混入を抑制できる。
【0043】
また、ワークWの搬送高さに位置する吸引口37でフラックスの液化が発生した場合であっても、そのフラックスが同一レベルにあるワークW上に落下することはあり得ず、フラックスの落下によるワークWの品質低下を確実に防止できる。
【0044】
この図2および図3に示された実施の形態は、ワーク搬出側のバッファ室29に設けられた吸引口38および吹込口48にも適用できる。
【0045】
なお、本発明は、はんだ付け用のリフロー装置だけでなく、例えばソルダレジストの印刷炉のような加熱炉装置にも適用できる。
【0046】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、回収手段により、炉体内でガス化された冷却時液化物質が液化しやすいワーク搬入口部およびワーク搬出口部から、液化する前のガス化された冷却時液化物質を含有する雰囲気を外部へ吸引して冷却時液化物質を回収するので、装置運転中でも炉体内でガス化された冷却時液化物質を効率良く回収できるとともに、ワーク搬入口部およびワーク搬出口部での液化または固化された冷却時液化物質の付着を防止できるので、冷却時液化物質の落下などによるワークの品質低下を防止できる。
【0047】
請求項2記載の発明によれば、吹込口からバッファ室内に吹込まれた雰囲気は、バッファ室内で拡大されて低速で吸引口まで移動するので、バッファ室内での局部的な高速気流による乱流の発生を防止して、乱流が炉体内の加熱能力に悪影響を与えることを防止でき、すなわち炉体内の加熱能力の安定化を図ることができ、また、バッファ室、吸引口、除去ユニットおよび吹込口によって閉ループの循環系を形成したので、炉体の外部への冷却時液化物質の拡散を防止できる。
【0048】
請求項3記載の発明によれば、ワークの搬送高さに位置する吸引口は、炉体内の高熱によりガス化された冷却時液化物質を含有する雰囲気を最も効率良く吸引できる場所にあるので、炉体内の冷却時液化物質を効率良く回収できるとともに、ワーク搬入口部から炉体内へ侵入しようとする外気を吸引して、炉体内への外気の混入を抑制でき、また、ワークの搬送高さに位置する吸引口で冷却時液化物質の液化が発生した場合であっても、その冷却時液化物質が同一レベルにあるワーク上に落下することはあり得ず、冷却時液化物質の落下によるワークの品質低下を確実に防止できる。
【0049】
請求項4記載の発明によれば、炉体のワーク搬出口部と冷却ゾーンとの間にバッファ室を介在させることで、このバッファ室により炉体と冷却ゾーンとの間の熱移動を遮断したので、炉体内の加熱された高温雰囲気と冷却ゾーン内の冷却された低温雰囲気とが、相互に影響し合うおそれを防止でき、炉体内での加熱効率および冷却ゾーン内での冷却効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る加熱炉装置の一実施の形態を示す側面的な断面図である。
【図2】本発明に係る加熱炉装置の他の実施の形態を示す炉体入口側の側面的な断面図である。
【図3】同上炉体入口側の平面的な断面図である。
【符号の説明】
W ワーク
11 炉体
13 ワーク搬入口部としての入口スロート
14 ワーク搬出口部としての中間スロート
22,29 バッファ室
34 冷却ゾーン
35,36 回収手段
37,38 吸引口
43,44 除去ユニット
47,48 吹込口
Claims (4)
- ワークを搬入するワーク搬入口部およびワークを搬出するワーク搬出口部を有し、ワーク搬入口部より搬入されたワークを加熱してワーク搬出口部より搬出する炉体と、
炉体のワーク搬入口部およびワーク搬出口部から炉体外へ流出しようとする炉体内の雰囲気を吸引して雰囲気中に混入されているガス化された冷却時液化物質を回収する回収手段とを具備したことを特徴とする加熱炉装置。 - 回収手段は、
炉体のワーク搬入口部およびワーク搬出口部に対し交差する方向に拡大形成されたバッファ室と、
バッファ室の一部に開口され炉体内の雰囲気を外部へ吸引する吸引口と、
外部へ吸引された雰囲気中から冷却時液化物質を分離して除去する除去ユニットと、
バッファ室の一部に開口され除去ユニットにより冷却時液化物質を除去された雰囲気をバッファ室に吹込む吹込口とを具備したことを特徴とする請求項1記載の加熱炉装置。 - 吸引口は、バッファ室にてワークの搬送高さに位置する一側部に設けられたことを特徴とする請求項2記載の加熱炉装置。
- 炉体のワーク搬出口部にバッファ室を介して設けられワークを冷却する冷却ゾーンを具備したことを特徴とする請求項2または3記載の加熱炉装置。
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JP2016007642A (ja) * | 2014-06-26 | 2016-01-18 | 有限会社ヨコタテクニカ | フラックスレス半田付け装置 |
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- 2002-12-16 JP JP2002363879A patent/JP4326212B2/ja not_active Expired - Lifetime
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