JP2004195073A - 加熱調理器具 - Google Patents

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Kazuhiro Tanaka
和博 田中
Tatsuo Morimoto
達夫 森本
Kazuya Miyake
一也 三宅
Toshio Udagawa
俊夫 宇田川
Satoru Kitazawa
悟 北澤
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Abstract

【課題】簡単な形状でプレートの変形を少なくできると共に、プレートの裏面形状を簡素化して低価格を実現する。
【解決手段】プレート2の裏面中央部に面状に突出する肉厚部9を設ける。プレート2が矩形状であっても、プレート2周辺部の収縮が小さくなり、調理時の急激な温度変化に伴うよじれ変形を防止できる。また、他の部位に補強リブ10を細かく設ける必要がなく、プレート2の裏面を凹凸の少ない形状に簡素化できる。さらに、肉厚部9以外の部分では、プレート2の薄肉化も可能であるため、プレート2の全体重量が軽くなる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレート上にある被調理物を加熱して調理を行うホットプレートなどの加熱調理器具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の加熱調理器具としてのホットプレートは、シーズヒータなどの熱源によりプレート上にある被調理物を加熱して調理を行うようにしている。また近年では、ホットプレートにおける調理の多様性が求められ、用途の異なる数種のプレートから、調理に最も適したプレートを選択して調理を行えるように、複数枚の調理用プレートをセットしたタイプのものが提案されている。その場合は例えば、焼肉用に余分な油を落とす孔つきのプレートや、磯焼き用に網だけで構成されたプレートが、本体外郭をなす枠体に着脱可能に設けられる。
【0003】
ところで、通常のプレートは、熱伝導性を高めるためアルミニウム合金等で構成され、発熱体であるシーズヒータの加熱によりプレートのほぼ中央が最も高温になる。また、被調理物である食材をプレートに載せる場合は、一般にプレートの中央部、つまり最も温度が高い部分に載せることが多く、その際に高温のプレート中央部が急冷され、膨張率の違いによりプレートが縮んで、プレートの変形が発生する。
【0004】
これをより具体的に説明すると、図7に示すような外形が角形の平板状プレート50では、プレート50の中央部50Aに食材を載せたときに、中央部50A以外の高温部50Bの収縮する範囲の長さが、放射方向によって大きく異なり(図7の最大長L1と最小長L2を参照)、プレート50の変形が顕著になる。一方、図8に示すような外形が丸形の平板状プレート51では、プレート51の中央部51Aに食材を載せたときに、中央部51A以外の高温部51Bの収縮する範囲の長さが、どの放射方向でも殆ど変わらず(図8の放射方向長さL3を参照)、結果的にプレート51の変形が生じにくい。すなわち、図9に示すような角形のプレート50では、最大長L1に対応する対角線方向において、一方の対角線の両端部50Cは持ち上がり(矢印A1参照)、他方の対角線上の両端部が下がって(矢印A2参照)、プレート50全体がよじれてしまう。特に、焼きそばなどの調理において、麺をほぐすために水を追加したときに、急激な温度変化に伴うよじれ変形が著しい。
【0005】
こうした問題に対応するため、特許文献1には、略長方形の外周形状で形成されたプレートの裏面に、レール状またはロの字状の補強リブを設けたものが提案されている。これは図10に示すように、プレート2の裏面のほぼ全域に渡って、熱源であるシーズヒータ3から逃げる位置に補強リブ10を追加したり、さもなければプレート2の板厚全体を厚くして構成される。この場合の補強リブ10は、ほぼ平坦なプレート2の裏面より線状に突出しており、プレート2のよじれ変形をより効果的に防止するために、補強リブ10はプレート2の中心を原点として点対称に、且つ極力多数形成されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−275847号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、プレート2の裏面のほぼ全域に補強リブ10を設けると、この補強リブ10により形成された凹凸によりプレート2の形状が複雑化し、プレート2の製造コストが高くなる他、プレート2を枠体から外して掃除を行なう際に、多数の補強リブ10が邪魔をして清掃が困難になる不具合があった。さらに、シーズヒータ3の配置上、プレート2の裏面全域に補強リブ10を構成することが困難である場合は、プレート2のよじれ変形を十分防止できない。
【0008】
また、別なホットプレートの例として、図11に示すように、プレート2の裏側半面にのみ設けたハーフヒータ3Aと、プレート2の裏側全面にわたって設けたオールヒータ3Bとにより、熱源である二本のシーズヒータ3を構成し、図示しない切替スイッチによりハーフヒータ3Aとオールヒータ3Bのいずれか一方を通電制御することで、プレート2の全面または半面を加熱するH&A(ハーフアンドオール)機能付きのものも知られている。しかし、こうした構造になると、プレート2の底面により多くのシーズヒータ3が引き回される上に、プレート2の装着方向を左右共通化するためには、補強リブ10を形成できる位置は僅かなスペースに限られてしまう。また、プレート2全体の厚みを大きくすればプレート2の変形量は小さくなるが、プレート2の全体重量が増加して、コスト高になり、取外しや清掃の際の使い勝手が悪いものとなる。
【0009】
一方、調理に適した複数種のプレートを選択的に交換可能なホットプレートでは、プレートから落ちる油や水分などを受けるための受け皿を、プレートの下部にシーズヒータを介して設置するのが一般的である。しかし、プレートが大型化している昨今では、調理内容に合わせて専用プレートを取り付けるだけでも大変であり、さらに受け皿を清掃する際には、プレートのみならず大型のシーズヒータを着脱し、その上で大型の受け皿を取り外して溜まった油や調理カスなどを取り除かなければならず、特に力のない女性などには、清掃がしにくいという点で負担であるという不満があった。さらに、取り外したシーズヒータの一時的な置き場を確保するのも困難であった。
【0010】
本発明は上記問題点を解決しようとするものであり、本発明の第1の目的は、プレートの裏側で熱源が複雑に引き回されていても、簡単な形状でプレートの変形を少なくできると共に、プレートの裏面形状を簡素化して低価格を実現できる加熱調理器具を提供することにある。
【0011】
本発明の第2の目的は、発熱体をわざわざ取外さなくても、発熱体の下側にある箇所を簡単に清掃できる加熱調理器具を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明における請求項1の加熱調理器具では、プレートに面状に突出する肉厚部が設けられているので、プレートが矩形状のものであっても、プレート周辺部における収縮が小さくなり、調理時の急激な温度変化に伴うよじれ変形を防止できる。また、他の部位に補強リブを細かく設ける必要がなく、プレート裏面を凹凸の少ない形状に簡素化できるので、プレートの清掃性並びに使い勝手が向上すると共に、プレート製造時における型代の低減を図ることもできる。さらに、肉厚部以外の部分では、プレートの薄肉化も可能であるため、プレートの全体重量が軽くなって、この点でも使い勝手が向上すると共に、プレートとしての材料費の低減を図ることができる。しかも、プレートの蓄熱性が肉厚部によって向上するため、比較的被調理物が投入されやすい部分に肉厚部があれば、プレートの温度低下を小さくできる。そのため、被調理物を素早く加熱することが可能になり、調理性も向上する。
【0013】
本発明における請求項2記載の加熱調理器具では、枠体からプレートを取外し、固定部材を回動することにより、固定部材に支持された発熱体が回動して起立する。そのため、大きな労力を要せず、発熱体に邪魔されずに、枠体の底面部に手を差し入れて簡単に掃除を行なうことができる。また、掃除を行なう際に、発熱体を取外さなくてもよいので、従来のように発熱体の置き場を確保する必要もない。
【0014】
本発明における請求項3記載の加熱調理器具では、プレートに設けられた孔を利用して、例えばたこ焼用,焼き肉用,焼き物用などの種々の調理に応じた最適な別プレートを任意に交換することができる。このように、調理時にはプレートの一部である軽量な別プレートのみを交換すれば良いので、女性などでも容易に取り扱うことができる。
【0015】
本発明における請求項4記載の加熱調理器具では、発熱体を起立させたときに、別プレートから落ちる油分や調理カスを受ける受け部を、容易に取り出すことができるので、受け部を単独で清掃することが可能になる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明における加熱調理器具の各実施例について、添付図面を参照しながら説明する。なお、本実施例における加熱調理器具は、被調理物を加熱して焼き上げるホットプレートである。
【0017】
図1〜図3は本発明の第1実施例を示すもので、ホットプレートの正面断面図を示す図1において、11はホットプレートの外郭を構成する有底状の枠体であって、この枠体11内に例えば熱伝導性の良好なアルミニウムからなる平板状のプレート2が着脱自在に載置される。また、3はプレート2を加熱する熱源としてのシーズヒータ3で、これは図2にも示すように、単独の線状体により構成され、プレート2の裏面側のほぼ全体にわたって引回されている。
【0018】
一方、5は電源のオン・オフスイッチを兼用する加熱温度調節用のダイヤル4を備え、枠体11の一側にある差込孔12に着脱可能に設けられる温度調節器としてのヒートマスタである。このヒートマスタ5は、プレート2の温度を検出するための棒状に突出する感熱部6をその先端に備えている。そして、ヒートマスタ5を枠体11に装着すると、プレート2の裏面に感熱部6が接触してプレート2の温度を検出し、この感熱部6からの温度情報に基づいて、プレート2がダイヤル4で設定した温度に近づくように、ヒートマスタ5でシーズヒータ3を通断電制御するようになっている。
【0019】
枠体11の内底部には、スペーサ(図示せず)を介して薄板状の遮熱板7が固定される。前記シーズヒータ3は、この遮熱板7の内底面上に立設するヒータ押え8の上部に支持されていて、プレート2を枠体11内に装着すると、プレート2の裏面にシーズヒータ3が接触若しくは近接するようになっている。
【0020】
前記プレート2の裏面には、急激な温度変化に伴うよじれ変形を防止するために、前述の補強リブ10の他に、本実施例の特徴となる肉厚部9が、いずれもシーズヒータ3を避けるように一体的に形成される。肉厚部9は、とりわけ調理時に被調理物が最も投入されやすいプレート2の裏面中央部に設けられており、高さ5〜10mm程度のダボ肉状に形成される。より具体的には、プレート2の裏面側から見ると、このプレート2の長手方向に沿って平行に配置されるシーズヒータ3の中央折返し部13間を占有するように、肉厚部9が楕円状に配置される。なおー、シーズヒータ3の引回し位置を考慮して、肉厚部9を楕円以外の二次元(多角形若しくは円形)形状に形成してもよい。このように肉厚部9は、プレート2の裏面中央部の蓄熱部としても作用する。
【0021】
一方、補強リブ10は、シーズヒータ3の外方に位置して、プレート2の長手方向に沿って設けられている。この補強リブ10は、プレート2の裏面より突出しているものの、肉厚部9とは異なり線状(一次元形状)で、蓄熱部としての作用はない。本実施例においては、前記肉厚部9で急激な温度変化に伴うよじれ変形を十分に防止できるので、補強リブ10を必要以上に設けることはない。
【0022】
次に、上記構成についてその作用を説明すると、ヒートマスタ5を枠体11の一側にある差込孔12に嵌入し、このヒートマスタ5に接続する電源プラグ(図示せず)を適当なコンセントに差込む。そして、ダイヤル4を回転させてプレート2の設定温度を定めると、ヒートマスタ5は感熱部6から拾ったプレート2の温度が設定温度に近づくように、シーズヒータ3を通断電してプレート2に投入した被調理物を加熱する。
【0023】
調理中は、プレート2の表面中央部に比較的多く被調理物が随時投入される。その場合、プレート2の裏面にある肉厚部9によって、プレート2の中央部の蓄熱量は他の箇所である周辺部に比べて大きくなっているので、食材を載せた時の温度低下を抑えることができる。またここでの肉厚部9は、補強リブ10のような線状ではなく、プレート2の裏側から見て二次元的なダボ肉形状であり、プレート2の急激な温度変化に伴う収縮を効果的に抑えることができる。すなわち、プレート2の表面はその中央部が最も高温になるので、その部位に肉厚部9を設けて蓄熱量を大きく確保し、かつ補強を行なうことが、調理性の向上並びに急激な温度変化に伴うよじれ変形を防止する上で最も効果がある。
【0024】
また、肉厚部9は楕円形や矩形など単純な二次元形状でよく、しかも補強リブ10の本数も少なくできるので、調理プレート2の裏面を従来よりも単純な形状にできる。それに伴い、ヒータ3を複雑な形状に屈曲配置する必要がなく、ホットプレートとしての生産性を向上し、低価格を実現することができる。
【0025】
さらに、肉厚部9をシーズヒータ3の中央折返し部13に沿って近接させると、このシーズヒータ3からの熱を肉厚部9が直接的に受けて、プレート2の中央部の蓄熱量がさらに増加する。よって、プレート2の中央部に多量の被調理物が投入された場合でも、温度低下を防止して調理性をさらに向上することができる。
【0026】
以上のように本実施例によれば、枠体11に着脱自在に設置されるプレート2と、プレート2を加熱する熱源としてのシーズヒータ3とを備えた加熱調理器具において、プレート2の裏面中央部に、二次元的なダボ肉形状からなる肉厚部9を設けている。
【0027】
この場合、プレート2の裏面中央部に面状に突出する肉厚部9が設けられているので、プレート2の外形が矩形状であっても、プレート2の周辺部における収縮が小さくなり、調理時の急激な温度変化に伴うよじれ変形を防止できる。また、他の部位に補強リブ10を細かく設ける必要がなく、プレート2の裏面を凹凸の少ない形状に簡素化できるので、プレート2の清掃性並びに使い勝手が向上すると共に、プレート2の製造時における型代の低減を図ることもできる。さらに、肉厚部9以外の部分では、プレート2の薄肉化も可能であるため、プレート2の全体重量が軽くなって、この点でも使い勝手が向上すると共に、プレート2としての材料費の低減を図ることができる。しかも、プレート2中央部の蓄熱性が肉厚部9によって向上するため、比較的被調理物が投入されやすいプレート2中央部の温度低下を小さくできる。そのため、被調理物を素早く加熱することが可能になり、調理性も向上する。
【0028】
なお、本実施例における肉厚部9は、図3に示すような2本のシーズヒータ3A,3BからなるH&A機能付きのホットプレートにおいても、同様に適用できる。この場合も、プレート2の裏面中央部に、二次元的なダボ肉形状からなる肉厚部9を設ければよい。
【0029】
次に、本発明の第2実施例について図4〜6に基づき説明する。なお、上記第1実施例と同一箇所には同一符号を付し、その共通する部分の説明は重複するため省略する。
【0030】
これらの各図において、プレート2は枠体11に囲まれるように着脱自在に載置されると共に、プレート2の一部には孔としての嵌合孔21が切欠き形成され、この嵌合孔21に小形の別プレートである専用プレート22が着脱自在に嵌合される。プレート2の表面側は、調理に併せて専用プレート22が交換される専用プレート部2A(例えば焼肉用)と、専用プレート2Aを支えている調理プレート部2Bとにより構成される。プレート2の裏面下方には、プレート2の半面である専用プレート部2Aのみを加熱して、残りの調理プレート部2Bを保温部とする第1のシーズヒータ3Aと、この第1のシーズヒータ3Aに並ぶようにして、プレート2の全面すなわち専用プレート部2Aと調理プレート部2Bを共に加熱する第2のシーズヒータ3Bとからなる発熱体としてのシーズヒータ3が設けられる。
【0031】
前記各シーズヒータ3A,3Bの末端部20近傍には、その両方を包み込むように位置させたプロテクタ24が設けられると共に、プロテクタ24の後側に取付けられた固定金具27に、シーズヒータ3A,3Bの末端部20が取付け固定される。これらのプロテクタ24および固定金具27は、シーズヒータ3A,3Bの末端部20を固定する固定部材に相当する。
【0032】
プロテクタ24の左右両側面には一対の回転軸25が突出して設けられており、この回転軸25を枠体11の一側にある切欠き部26に軸支させることで、回転軸25を中心にプロテクタ24および各シーズヒータ3A,3Bが、枠11の一側で回動自在に支持される。また、プロテクタ24の左右両側面には、回転軸25の他に突起状のストッパ26が一体的に設けられており、プロテクタ24を回転させたときに枠体11にストッパ26が嵌まり込んで、ストッパ26に弾性力が作用することで、シーズヒータ3A,3Bが起立した状態のまま保持され、かつプロテクタ24の回転角度α(図6参照)範囲が規制される。すなわち本実施例では、ストッパ26によりプロテクタ24が枠体11に対し100°未満、例えばα=95°の範囲で回動するようになっている。
【0033】
プロテクタ24には、第1のシーズヒータ3Aによるプレート2の半面加熱と、第2のシーズヒータ3Bによるプレート2の全面加熱のいずれかに通電入力を切替える操作体としての切替スイッチ28が設けられる。また、前記温度調節器としてのヒートマスタ5は、プロテクタ24のガイド孔30に着脱自在に設けられ、このガイド孔30にヒートマスタ5を差し込むと、先端側に突出する感熱部6がプレート2の裏面に当接するようになっている。
【0034】
図5に示すように、シーズヒータ3A,3Bの下方には、前記専用プレート22に臨んで、調理時の余分な油や調理カスを受ける受け皿32が、遮熱板7の底面凹部33に位置して着脱自在に設けられる。この受け皿32は、必要に応じて水を入れて使用することもできるが、調理カスのこぼれ落ちを防止するために、専用プレート22よりもひと回り大きな形状のものを用いるのが好ましい。
【0035】
次に上記構成の作用について説明する。調理を始めるにはまず調理内容に併せた専用プレート22を選定し、これをプレート2の専用プレート部2Aにある嵌合孔21に嵌合させる。図5では、専用プレート22として焼肉プレート35を選定したときの状態を示しているが、嵌合孔21に嵌合した焼肉プレート35はプレート2の半面を占有するハーフサイズなので、切替スイッチ26を操作してシーズヒータ3Aを発熱させ焼肉プレート35のみを加熱すると、調理プレート部2Bは焼肉プレート35からの熱伝導で約80℃位に温められるので、ここを被調理物を保温する保温ゾーンとして使用する。一方、焼肉プレート35には縦長の孔36があいており、そこから余分な油や焼きカスが受け皿32に落ちて溜められる。このため焼肉プレート35には大量の調理カスや、油が溜まらない。
【0036】
調理が終わると後始末のため清掃する必要があるが、このときは図6に示すように、枠11からプレート2を取り外すと共に、プロテクタ24のガイド孔30からヒートマスタ5を取り外して、略水平状態にあるシーズヒータ3A,3Bが見える状態にする。ここで、枠体11の一側に位置する回転軸25を中心にプロテクタ24を回転させると、プロテクタ24のみならず固定金具27に固着されたシーズヒータ3A,3Bも回転し、枠体11の底面部にある受け皿32を、シーズヒータ3A,3Bに邪魔されない状態で取り出すことができる。これにより、受け皿32を単独で清掃できる他に、遮熱板7の底面部も簡単に清掃することができる。
【0037】
なお、シーズヒータ3A,3Bを所定角度α(例えば約95°)抱け回転させると、プロテクタ24と一体的に設けたストッパ26が枠体11に嵌まり込んで、弾性部材(図示せず)による弾性力が作用する。これにより、シーズヒータ3A,3Bが起立した状態のまま保持されるため、清掃の途中などでシーズヒータ3A,3Bが元の水平位置に自然に戻ることはない。シーズヒータ3A,3Bを元の水平位置に戻すには、前記弾性力に抗してプロテクタ24に少し力を加え、ストッパ26の嵌合を外せばよい。
【0038】
以上のように本実施例では、枠体11に着脱自在に設置されるプレート2と、プレート2を加熱する発熱体としてのシーズヒータ3A,3Bと、このシーズヒータ3A,3Bの末端部20を固定する固定部材(プロテクタ24および固定金具27)とを備えた加熱調理器具において、プロテクタ24および固定金具27が枠体11に対し100°未満の範囲で回動自在に支持されるようになっている。
【0039】
こうすれば、枠体11からプレート2を取外し、固定部材であるプロテクタ24および固定金具27を回動することにより、プロテクタ24および固定金具27に支持されたシーズヒータ3A,3Bが回動して起立する。そのため、大きな労力を要せず、シーズヒータ3A,3Bに邪魔されずに、枠体11の底面部に手を差し入れて簡単に掃除を行なうことができる。また、掃除を行なう際に、シーズヒータ3A,3Bを取外さなくてもよいので、従来のように発熱体の置き場を確保する必要もない。
【0040】
また本実施例では、用途の異なる小形プレートである専用プレート22を着脱するための嵌合孔21をプレート2に設けている。
【0041】
このようにすると、プレート2に設けられた嵌合孔20を利用して、例えばたこ焼用,焼き肉用,焼き物用などの種々の調理に応じた最適な専用プレート22を任意に交換することができる。このように、調理時にはプレート2の一部である軽量な専用プレート22のみを交換すれば良いので、女性などでも容易に取り扱うことができる。
【0042】
さらに本実施例では、専用プレート22の下部に、シーズヒータ3A,3Bを介して臨む着脱自在な受け部としての受け皿32を設けている。
【0043】
この場合、シーズヒータ3A,3Bを起立させたときに、専用プレート22から落ちる油分や調理カスを受ける受け皿32を、容易に取り出すことができるので、受け皿32を単独で清掃することが可能になる。
【0044】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば第2実施例では、H&A機能付きのホットプレートについて説明したが、発熱体が単独のものであってもよい。
【0045】
【発明の効果】
本発明の請求項1の加熱調理器具によれば、簡単な形状でプレートの変形を少なくできると共に、プレートの裏面形状を簡素化して低価格を実現できる。また、プレート製造時における型代および材料費の低減を図ると共に、被調理物を素早く加熱して調理性を向上することができる。
【0046】
本発明の請求項2の加熱調理器具によれば、発熱体をわざわざ取外さなくても、発熱体の下側にある箇所を簡単に清掃できる。
【0047】
本発明の請求項3の加熱調理器具よれば、種々の調理に際して軽量な別プレートのみを交換すれば良く、取り扱いを容易にすることができる。
【0048】
本発明の請求項4の加熱調理器具では、受け部を容易に取り出すことができ、受け部単独での清掃が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における加熱調理器具の縦断面図である。
【図2】同上、プレートと発熱体との位置関係を示す平面図と、そのA−A線断面図である。
【図3】同上、別な変形例におけるプレートと発熱体との位置関係を示す平面図である。
【図4】本発明の第2実施例における加熱調理器具の全体の構成を示す横断面図である。
【図5】同上、プレートを装着した状態の縦断面図である。
【図6】同上、発熱体を回転させた状態の縦断面図である。
【図7】本発明の従来例における角形プレートを示す平面図である。
【図8】本発明の別の従来例における丸形プレートを示す平面図である。
【図9】図7における角形プレートの変形した状態を示す斜視図である。
【図10】図7におけるプレートと発熱体との位置関係を示す底面図と、そのA−A断面図である。
【図11】図10とは別の従来例を示すプレートと発熱体(2本式)との位置関係を示す平面図である。
【符号の説明】
2 プレート
3 シーズヒータ(熱源)
3A 第1のシーズヒータ(発熱体)
3B 第2のシーズヒータ(発熱体)
9 肉厚部
11 枠体
24 プロテクタ(固定部材)
27 固定金具(固定部材)
21 嵌合孔(孔)
22 専用プレート(別プレート)
32 受け皿(受け部)

Claims (4)

  1. 枠体に設置されるプレートと、加熱する熱源とを備えた加熱調理器具において、前記プレートに肉厚部を設けたことを特徴とする加熱調理器具。
  2. 枠体に設置されるプレートと、前記プレートを加熱する発熱体と、固定する固定部材とを備えた加熱調理器具において、前記固定部材が前記枠体に回動自在に支持されることを特徴とする加熱調理器具。
  3. 前記プレートに、別プレートを着脱する孔を設けたことを特徴とする請求項2記載の加熱調理器具。
  4. 前記別プレートの下部に臨む受け部を設けたことを特徴とする請求項3記載の加熱調理器具。
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