JP2004195014A - トイレにおける身体サポータ - Google Patents
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Abstract
【課題】サポータ本体をトイレの壁面に沿って収納可能、かつ、水平位置に繰り出し可能で、しかも構造が簡単で、その構成部材及びトイレの壁面の強度が低くて済み省スペース化を図ることができるトイレにおける身体サポータを提供すること。
【解決手段】トイレの壁面Aに沿って水平に設けた手摺1と、支柱2を介して手摺1と連結したサポータ本体3と、サポータ本体3に回動可能に連結した補助支柱4とを有している。サポータ本体3は手摺1を支点として上下方向に回動することにより、トイレの壁面Aに沿った位置に収納可能、かつ、水平位置に繰り出し可能であり、この水平位置では、補助支柱4の先端4aがトイレの壁面A又は床面Bに当接することによってサポータ本体3を水平位置に固定可能である。
【選択図】 図1
【解決手段】トイレの壁面Aに沿って水平に設けた手摺1と、支柱2を介して手摺1と連結したサポータ本体3と、サポータ本体3に回動可能に連結した補助支柱4とを有している。サポータ本体3は手摺1を支点として上下方向に回動することにより、トイレの壁面Aに沿った位置に収納可能、かつ、水平位置に繰り出し可能であり、この水平位置では、補助支柱4の先端4aがトイレの壁面A又は床面Bに当接することによってサポータ本体3を水平位置に固定可能である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、身体障害者や高齢者などの身体を自分でサポートするのが困難になった人が、トイレを使用する際にその身体をサポートするための身体サポータに関する。
【0002】
【従来の技術】
身体障害者や高齢者のためのトイレには、その壁面に手摺や取っ手などの身体サポータが一般的に設けられており、例えば特許文献1には、サポータ本体である可動アームをトイレの壁面に対して回動可能に設け、不使用時はトイレの壁面に沿って収納し、使用時にこれを繰り出すようにしたものが開示されている。
【0003】
しかし、この特許文献1における可動アームの回動機構は、アームの回動を所定の位置で係止するために、穿孔型や噛合型のストッパ−を有しており、そのため、回動機構が複雑で高コストになるという問題がある。
【0004】
また、サポータ本体である可動アームは、壁面の支持点だけで支える構造になっている。これでは、使用時に身体を支える荷重(W)は、アームの長さ(L)倍の回転モーメントとなって支持点に掛かるので、壁面の支持点強度は強固なものでなければならない。したがって、身体サポータの取付部となる壁面の強度や取付ビスの強度、それにトイレの広さなどは、それに対応できるものでなければならず、一般の家庭などでは後から身体サポータを追加して取り付けるのは非常に困難であるという問題がある。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−38396号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、サポータ本体をトイレの壁面に沿って収納可能、かつ、水平位置に繰り出し可能で、しかも構造が簡単で、その構成部材及びトイレの壁面の強度が低くて済み省スペース化を図ることができるトイレにおける身体サポータを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係るトイレにおける身体サポータは、トイレの壁面に沿って水平に設けた手摺と、支柱を介して手摺と連結したサポータ本体と、サポータ本体又は支柱に回動可能に連結した補助支柱とを有している。そして、手摺をその軸線周りに回動可能に取り付けたり、支柱を手摺に対して上下方向に回動可能に取り付けたりすることによって、サポータ本体を、手摺を支点として上下方向に回動可能とし、トイレの壁面に沿った位置に収納可能、かつ、水平位置に繰り出し可能としている。また、この水平位置では、補助支柱の先端がトイレの壁面又は床面に当接することによってサポータ本体を水平位置に固定可能としている。
【0008】
このように本発明の身体サポータは、トイレの壁面に設けた手摺に支柱を介してサポータ本体を上下方向に回動可能に連結し、サポータ本体又は支柱に補助支柱を回動可能に連結するという簡単な構成であるのでコストを低減することができ、しかもトイレへの取付け・取外しも容易に行うことができる。
【0009】
また、使用時にサポータ本体にかかる荷重(W)は、支柱と補助支柱に分散され、先に説明した特許文献1のもののように1カ所に大きな回転モーメントとなって作用することがないので、個々の構成部材及び壁面における力点部分の強度を低減することが可能であり、省スペース化も可能である。
【0010】
本発明の身体サポータにおいて、手摺と支柱とは着脱可能とすることができる。これによって、異なった長さの支柱を複数用意しておくことで、トイレの壁面とトイレ本体との距離やトイレ使用者の体型に応じて、使用時のサポータ本体の位置を適切に設定することができる。また、支柱を二重管にするなどして長さを調節可能にすることによっても、トイレの壁面とトイレ本体との距離やトイレ使用者の体型に応じて、使用時のサポータ本体の位置を適切に設定することができる。
【0011】
また、補助支柱は鎖又は紐によってトイレの壁面と連結することもできる。鎖又は紐の長さは、サポータ本体の使用時に丁度伸張した状態になる程度とすることが好ましい。これによって、補助支柱の先端部(力点)を壁面と床面の境界位置に位置決めをして、サポーター本体を水平位置で強固に固定する役目をする。そして、この鎖又は紐は、サポーター本体をトイレの壁面に沿って収納したときにも丁度伸張した状態で、サポータ本体の収納時(不使用時)に補助支柱が振れるのを防止できる。
【0012】
さらに、補助支柱の先端近傍に、サポータ本体がトイレの壁面に沿った位置に収納されているときにトイレの壁面と当接する支持桿を設けることが好ましい。これによって、サポータ本体が収納されている状態で不意にサポータ本体に触れたとしても、補助支柱の先端近傍に設けた支持桿が壁面に当接して一種のストッパーの機能を果たすので、サポータ本体が繰り出されるのを防止できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に示す実施例に基づき説明する。
【0014】
実施例1
図1は本発明に係るトイレにおける身体サポータの実施例を示す側面図、図2はその正面図、図3はその平面図である。図1〜図3において実線は身体サポータの使用状態の位置を示し、破線は収納状態の位置を示す。
【0015】
図1〜図3に示すように、トイレの前壁Aに手摺1を支持するための2つの手摺支持部1a,1aが水平方向に間隔をおいて設けられており、この2つの手摺支持部1a,1a間に手摺1がその軸線周りに回動可能に取り付けられている。手摺支持部1a,1aは、トイレの前壁A中の柱のある場所に取り付ける。
【0016】
手摺1には、その長手方向に沿った2箇所にパイプ用ジョイント1b,1bが設けられ、それぞれのパイプ用ジョイント1b,1bに支柱2,2の基端が着脱可能に取り付けられている。そして、2本の支柱2,2の先端どうしの間にはサポータ本体3が架け渡されている。
【0017】
図4は、サポータ本体の縦断面図である。サポータ本体3の正面側及び上面側、すなわち使用時にトイレ使用者の身体と対向する側には、カット面3aが形成され、トイレ使用者の身体を支えやすい形状とされている。実施例では、取っ手兼用型として左右に把持部3b,3bを形成している。
【0018】
図1〜図3に戻って、サポータ本体3の長手方向中央部には、図示しない蝶番を介して補助支柱4の基端が回動可能に連結されている。また、補助支柱4は、鎖又は紐5によって前壁Aと連結されている。この鎖又は紐5は前壁A又は補助支柱4と着脱可能であり、その長さは、図1に示すように、身体サポータの使用時及び収納時において丁度伸張した状態になるように設定されている。さらに、補助支柱4の先端にはゴムパット4aが取り付けられており、その近傍には身体サポータの収納時に前壁Aに当接する支持桿6が設けられている。
【0019】
以上の構成において、手摺1はその軸線周りに回動可能であるため、手摺1に支柱2,2を介して連結されたサポータ本体3は上下方向に回動可能であり、図1に明確に示されているように、サポータ本体3は使用しないときにはトイレの前壁Aに沿った位置に収納可能であり、使用するときには水平位置に繰り出し可能である。この水平位置に繰り出された使用状態においては、鎖又は紐5の伸張によって補助支柱4が位置決めされ、その先端のゴムパット4aが前壁Aと床面Bとの境界位置(コーナー部)に当接し、これによって、サポータ本体3が水平位置に固定される。また、収納状態では、補助支柱4の先端近傍に設けた支持桿6が前壁Aに当接しているので、これが一種のストッパーの機能を果たし、サポータ本体3が収納されている状態で不意にサポータ本体3に触れたとしても、サポータ本体3が繰り出されるのを防止できる。
【0020】
図5は、本実施例の身体サポータの使用状態を示す概略斜視図である。同図に示すように使用時にはサポータ本体3は水平位置まで繰り出されて固定されており、トイレ使用者は、サポータ本体3に身体を預けたり、支柱2を握ったりすることにより、楽な姿勢でトイレを使用できる。また、サポータ本体3や支柱2は立ちかがみ時の補助とすることができるので、健常者にとっても有用である。このとき、サポータ本体3にかかる荷重(W)は、2本の支柱と補助支柱4に分散されるので、各構成部材や前壁Aにおける力点部分の強度を低減することが可能であり、結果として各構成部材を小さく簡単な構造にすることができるので低コスト・省スペース化も可能である。
【0021】
さらに、本実施例では、先に説明したように支柱2を手摺1に対して着脱可能に取り付けているので、異なった長さの支柱を用意しておくことで、トイレの前壁Aとトイレ本体との距離やトイレ使用者の体型に応じて、使用時のサポータ本体の位置を適切に設定することができる。なお、支柱2を手摺1に対して着脱可能に取り付ける代わりに、支柱を二重管にするなどして長さを調節可能にすることによっても、トイレの前壁Aとトイレ本体との距離やトイレ使用者の体型に応じて、使用時のサポータ本体の位置を適切に設定することができる。
【0022】
実施例2
図6は本発明に係るトイレにおける身体サポータの他の実施例を示す側面図、図7はその正面図、図8はその平面図である。図6〜図8において実線は身体サポータの使用状態の位置を示し、破線は収納状態の位置を示す。また、実施例1と同一の構成には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0023】
先の実施例1の身体サポータはトイレの前壁に取り付けるタイプのものであったが、本実施例の身体サポータはトイレの横壁に取り付けるタイプのものである。前壁がトイレのドアになっている場合など前壁に身体サポータを取り付けることができない場合は、本実施例の横壁取付タイプの身体サポータが有用である。
【0024】
図6〜図8に示すように、手摺1はトイレの横壁Cに手摺支持部1a,1aを介してその軸線周りに回動可能に取り付けられている。そして、サポータ本体3は、直線状の支柱2aとL字状の支柱2bの2本の支柱を介して手摺1に連結されている。これによって、サポータ本体3は実施例1と同様に手摺1を支点として上下方向に回動可能となっている。
【0025】
また、L字状の支柱2bの横壁Cと平行な辺には、図示しない蝶番を介して補助支柱4の基端が回動可能に連結されている。また、補助支柱4は、実施例1と同様に、鎖又は紐5によって横壁Cと連結されており、この鎖又は紐5の長さは、図7に示すように、身体サポータの使用時及び収納時において丁度伸張した状態になるように設定されている。また、補助支柱4の先端近傍には身体サポータの収納時に横壁Cに当接する支持桿6が設けられている。
【0026】
以上の構成において、本実施例の身体サポータは、図7に明確に示されているように、サポータ本体3は使用しないときにはトイレの横壁Cに沿った位置に収納可能であり、使用するときには水平位置に繰り出し可能である。
【0027】
図9は、本実施例の身体サポータの使用状態を示す概略斜視図である。実施例1と同様に、使用時にはサポータ本体3は水平位置まで繰り出されて固定されており、トイレ使用者は、サポータ本体3に身体を預けたり、支柱2bを握ったりすることにより、楽な姿勢でトイレを使用できる。本実施例においても、サポータ本体3にかかる荷重(W)は、2本の支柱2a,2bと補助支柱4に分散されるので、各構成部材や横壁Cにおける力点部分の強度を低減することが可能であり、結果として各構成部材を小さく簡単な構造にすることができるので省スペース化も可能である。
【0028】
また、本実施例でも支柱2a,2bを手摺1に対して着脱可能に取り付けているので、異なった長さの支柱を用意しておくことで、トイレの横壁Cとトイレ本体との距離やトイレ使用者の体型に応じて、使用時のサポータ本体の位置を適切に設定することができる。また、支柱を二重管にするなどして長さを調節可能にすることによっても、トイレの横壁Cとトイレ本体との距離やトイレ使用者の体型に応じて、使用時のサポータ本体の位置を適切に設定することができる。
【0029】
以上の各実施例では、手摺をその軸線周りに回動可能にすることによって、サポータ本体を上下方向に回動可能としたが、手摺とサポータ本体とを連結する支柱の基端を手摺に対して上下方向に回動可能に取り付けることによっても、サポータ本体を上下方向に回動可能とすることができる。また、実施例では、2本の支柱により手摺とサポータ本体を連結したが、3本以上の支柱で手摺とサポータ本体を連結したり、2本以上の補助支柱を取り付けてもよい。また、手摺支持部も2カ所以上としてもよい。
【0030】
【発明の効果】
本発明によって以下の効果を奏する。
【0031】
1. トイレの壁面に設けた手摺に支柱を介してサポータ本体を上下方向に回動可能に連結し、サポータ本体又は支柱に補助支柱を回動可能に連結するという簡単な構成であるのでコストを低減することができ、しかもトイレへの取付け・取外しも容易に行うことができる。
【0032】
2. サポーター本体にかかる荷重は、支柱と補助支柱に分散されるので、個々の構成部材及び壁面における力点部分の強度を低減することが可能で、コストを低減することができる。また、省スペース化も可能で、トイレの壁面強度は低くて済むので、一般の家庭でも容易に取付が可能である。
【0033】
3. 使用しないときにはトイレの壁面に沿った位置に収納可能であるので、使用しないときに邪魔になることがなく、トイレのスペースを有効に利用することができる。
【0034】
4. 手摺と支柱とを着脱可能にしたり、支柱の長さを調節可能とすることによって、トイレの壁面とトイレ本体との距離やトイレ使用者の体型に応じて、使用時のサポータ本体の位置を適切に設定することができる。
【0035】
5. 補助支柱を鎖又は紐によってトイレの壁面と連結することによって、サポータ本体の使用時には丁度伸張した状態で、補助支柱の先端部(力点)を壁面と床面の境界位置に位置決めすることができる。また、サポータ本体の収納時(不使用時)には補助支柱が振れるのを防止できる。
【0036】
6. 補助支柱の先端近傍に、サポータ本体がトイレの壁面に沿った位置に収納されているときにトイレの壁面と当接する支持桿を設けることによって、サポータ本体が収納されている状態で不意にサポータ本体に触れたとしてもサポータ本体が繰り出されるのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトイレにおける身体サポータの実施例を示す側面図である。
【図2】図1に示す身体サポータの正面図である。
【図3】図1に示す身体サポータの平面図である。
【図4】サポータ本体の縦断面図である。
【図5】図1に示す身体サポータの使用状態を示す概略斜視図である。
【図6】本発明に係るトイレにおける身体サポータの他の実施例を示す側面図である。
【図7】図6に示す身体サポータの正面図である。
【図8】図6に示す身体サポータの平面図である。
【図9】図6に示す身体サポータの使用状態を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1 手摺
1a 手摺支持部
1b パイプ用ジョイント
2,2a,2b 支柱
3 サポータ本体
3a カット面
3b 把持部
4 補助支柱
4a ゴムパット
5 鎖又は紐
6 支持桿
A トイレの前壁(壁面)
B トイレの床面
C トイレの横壁(壁面)
【発明の属する技術分野】
本発明は、身体障害者や高齢者などの身体を自分でサポートするのが困難になった人が、トイレを使用する際にその身体をサポートするための身体サポータに関する。
【0002】
【従来の技術】
身体障害者や高齢者のためのトイレには、その壁面に手摺や取っ手などの身体サポータが一般的に設けられており、例えば特許文献1には、サポータ本体である可動アームをトイレの壁面に対して回動可能に設け、不使用時はトイレの壁面に沿って収納し、使用時にこれを繰り出すようにしたものが開示されている。
【0003】
しかし、この特許文献1における可動アームの回動機構は、アームの回動を所定の位置で係止するために、穿孔型や噛合型のストッパ−を有しており、そのため、回動機構が複雑で高コストになるという問題がある。
【0004】
また、サポータ本体である可動アームは、壁面の支持点だけで支える構造になっている。これでは、使用時に身体を支える荷重(W)は、アームの長さ(L)倍の回転モーメントとなって支持点に掛かるので、壁面の支持点強度は強固なものでなければならない。したがって、身体サポータの取付部となる壁面の強度や取付ビスの強度、それにトイレの広さなどは、それに対応できるものでなければならず、一般の家庭などでは後から身体サポータを追加して取り付けるのは非常に困難であるという問題がある。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−38396号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、サポータ本体をトイレの壁面に沿って収納可能、かつ、水平位置に繰り出し可能で、しかも構造が簡単で、その構成部材及びトイレの壁面の強度が低くて済み省スペース化を図ることができるトイレにおける身体サポータを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係るトイレにおける身体サポータは、トイレの壁面に沿って水平に設けた手摺と、支柱を介して手摺と連結したサポータ本体と、サポータ本体又は支柱に回動可能に連結した補助支柱とを有している。そして、手摺をその軸線周りに回動可能に取り付けたり、支柱を手摺に対して上下方向に回動可能に取り付けたりすることによって、サポータ本体を、手摺を支点として上下方向に回動可能とし、トイレの壁面に沿った位置に収納可能、かつ、水平位置に繰り出し可能としている。また、この水平位置では、補助支柱の先端がトイレの壁面又は床面に当接することによってサポータ本体を水平位置に固定可能としている。
【0008】
このように本発明の身体サポータは、トイレの壁面に設けた手摺に支柱を介してサポータ本体を上下方向に回動可能に連結し、サポータ本体又は支柱に補助支柱を回動可能に連結するという簡単な構成であるのでコストを低減することができ、しかもトイレへの取付け・取外しも容易に行うことができる。
【0009】
また、使用時にサポータ本体にかかる荷重(W)は、支柱と補助支柱に分散され、先に説明した特許文献1のもののように1カ所に大きな回転モーメントとなって作用することがないので、個々の構成部材及び壁面における力点部分の強度を低減することが可能であり、省スペース化も可能である。
【0010】
本発明の身体サポータにおいて、手摺と支柱とは着脱可能とすることができる。これによって、異なった長さの支柱を複数用意しておくことで、トイレの壁面とトイレ本体との距離やトイレ使用者の体型に応じて、使用時のサポータ本体の位置を適切に設定することができる。また、支柱を二重管にするなどして長さを調節可能にすることによっても、トイレの壁面とトイレ本体との距離やトイレ使用者の体型に応じて、使用時のサポータ本体の位置を適切に設定することができる。
【0011】
また、補助支柱は鎖又は紐によってトイレの壁面と連結することもできる。鎖又は紐の長さは、サポータ本体の使用時に丁度伸張した状態になる程度とすることが好ましい。これによって、補助支柱の先端部(力点)を壁面と床面の境界位置に位置決めをして、サポーター本体を水平位置で強固に固定する役目をする。そして、この鎖又は紐は、サポーター本体をトイレの壁面に沿って収納したときにも丁度伸張した状態で、サポータ本体の収納時(不使用時)に補助支柱が振れるのを防止できる。
【0012】
さらに、補助支柱の先端近傍に、サポータ本体がトイレの壁面に沿った位置に収納されているときにトイレの壁面と当接する支持桿を設けることが好ましい。これによって、サポータ本体が収納されている状態で不意にサポータ本体に触れたとしても、補助支柱の先端近傍に設けた支持桿が壁面に当接して一種のストッパーの機能を果たすので、サポータ本体が繰り出されるのを防止できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に示す実施例に基づき説明する。
【0014】
実施例1
図1は本発明に係るトイレにおける身体サポータの実施例を示す側面図、図2はその正面図、図3はその平面図である。図1〜図3において実線は身体サポータの使用状態の位置を示し、破線は収納状態の位置を示す。
【0015】
図1〜図3に示すように、トイレの前壁Aに手摺1を支持するための2つの手摺支持部1a,1aが水平方向に間隔をおいて設けられており、この2つの手摺支持部1a,1a間に手摺1がその軸線周りに回動可能に取り付けられている。手摺支持部1a,1aは、トイレの前壁A中の柱のある場所に取り付ける。
【0016】
手摺1には、その長手方向に沿った2箇所にパイプ用ジョイント1b,1bが設けられ、それぞれのパイプ用ジョイント1b,1bに支柱2,2の基端が着脱可能に取り付けられている。そして、2本の支柱2,2の先端どうしの間にはサポータ本体3が架け渡されている。
【0017】
図4は、サポータ本体の縦断面図である。サポータ本体3の正面側及び上面側、すなわち使用時にトイレ使用者の身体と対向する側には、カット面3aが形成され、トイレ使用者の身体を支えやすい形状とされている。実施例では、取っ手兼用型として左右に把持部3b,3bを形成している。
【0018】
図1〜図3に戻って、サポータ本体3の長手方向中央部には、図示しない蝶番を介して補助支柱4の基端が回動可能に連結されている。また、補助支柱4は、鎖又は紐5によって前壁Aと連結されている。この鎖又は紐5は前壁A又は補助支柱4と着脱可能であり、その長さは、図1に示すように、身体サポータの使用時及び収納時において丁度伸張した状態になるように設定されている。さらに、補助支柱4の先端にはゴムパット4aが取り付けられており、その近傍には身体サポータの収納時に前壁Aに当接する支持桿6が設けられている。
【0019】
以上の構成において、手摺1はその軸線周りに回動可能であるため、手摺1に支柱2,2を介して連結されたサポータ本体3は上下方向に回動可能であり、図1に明確に示されているように、サポータ本体3は使用しないときにはトイレの前壁Aに沿った位置に収納可能であり、使用するときには水平位置に繰り出し可能である。この水平位置に繰り出された使用状態においては、鎖又は紐5の伸張によって補助支柱4が位置決めされ、その先端のゴムパット4aが前壁Aと床面Bとの境界位置(コーナー部)に当接し、これによって、サポータ本体3が水平位置に固定される。また、収納状態では、補助支柱4の先端近傍に設けた支持桿6が前壁Aに当接しているので、これが一種のストッパーの機能を果たし、サポータ本体3が収納されている状態で不意にサポータ本体3に触れたとしても、サポータ本体3が繰り出されるのを防止できる。
【0020】
図5は、本実施例の身体サポータの使用状態を示す概略斜視図である。同図に示すように使用時にはサポータ本体3は水平位置まで繰り出されて固定されており、トイレ使用者は、サポータ本体3に身体を預けたり、支柱2を握ったりすることにより、楽な姿勢でトイレを使用できる。また、サポータ本体3や支柱2は立ちかがみ時の補助とすることができるので、健常者にとっても有用である。このとき、サポータ本体3にかかる荷重(W)は、2本の支柱と補助支柱4に分散されるので、各構成部材や前壁Aにおける力点部分の強度を低減することが可能であり、結果として各構成部材を小さく簡単な構造にすることができるので低コスト・省スペース化も可能である。
【0021】
さらに、本実施例では、先に説明したように支柱2を手摺1に対して着脱可能に取り付けているので、異なった長さの支柱を用意しておくことで、トイレの前壁Aとトイレ本体との距離やトイレ使用者の体型に応じて、使用時のサポータ本体の位置を適切に設定することができる。なお、支柱2を手摺1に対して着脱可能に取り付ける代わりに、支柱を二重管にするなどして長さを調節可能にすることによっても、トイレの前壁Aとトイレ本体との距離やトイレ使用者の体型に応じて、使用時のサポータ本体の位置を適切に設定することができる。
【0022】
実施例2
図6は本発明に係るトイレにおける身体サポータの他の実施例を示す側面図、図7はその正面図、図8はその平面図である。図6〜図8において実線は身体サポータの使用状態の位置を示し、破線は収納状態の位置を示す。また、実施例1と同一の構成には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0023】
先の実施例1の身体サポータはトイレの前壁に取り付けるタイプのものであったが、本実施例の身体サポータはトイレの横壁に取り付けるタイプのものである。前壁がトイレのドアになっている場合など前壁に身体サポータを取り付けることができない場合は、本実施例の横壁取付タイプの身体サポータが有用である。
【0024】
図6〜図8に示すように、手摺1はトイレの横壁Cに手摺支持部1a,1aを介してその軸線周りに回動可能に取り付けられている。そして、サポータ本体3は、直線状の支柱2aとL字状の支柱2bの2本の支柱を介して手摺1に連結されている。これによって、サポータ本体3は実施例1と同様に手摺1を支点として上下方向に回動可能となっている。
【0025】
また、L字状の支柱2bの横壁Cと平行な辺には、図示しない蝶番を介して補助支柱4の基端が回動可能に連結されている。また、補助支柱4は、実施例1と同様に、鎖又は紐5によって横壁Cと連結されており、この鎖又は紐5の長さは、図7に示すように、身体サポータの使用時及び収納時において丁度伸張した状態になるように設定されている。また、補助支柱4の先端近傍には身体サポータの収納時に横壁Cに当接する支持桿6が設けられている。
【0026】
以上の構成において、本実施例の身体サポータは、図7に明確に示されているように、サポータ本体3は使用しないときにはトイレの横壁Cに沿った位置に収納可能であり、使用するときには水平位置に繰り出し可能である。
【0027】
図9は、本実施例の身体サポータの使用状態を示す概略斜視図である。実施例1と同様に、使用時にはサポータ本体3は水平位置まで繰り出されて固定されており、トイレ使用者は、サポータ本体3に身体を預けたり、支柱2bを握ったりすることにより、楽な姿勢でトイレを使用できる。本実施例においても、サポータ本体3にかかる荷重(W)は、2本の支柱2a,2bと補助支柱4に分散されるので、各構成部材や横壁Cにおける力点部分の強度を低減することが可能であり、結果として各構成部材を小さく簡単な構造にすることができるので省スペース化も可能である。
【0028】
また、本実施例でも支柱2a,2bを手摺1に対して着脱可能に取り付けているので、異なった長さの支柱を用意しておくことで、トイレの横壁Cとトイレ本体との距離やトイレ使用者の体型に応じて、使用時のサポータ本体の位置を適切に設定することができる。また、支柱を二重管にするなどして長さを調節可能にすることによっても、トイレの横壁Cとトイレ本体との距離やトイレ使用者の体型に応じて、使用時のサポータ本体の位置を適切に設定することができる。
【0029】
以上の各実施例では、手摺をその軸線周りに回動可能にすることによって、サポータ本体を上下方向に回動可能としたが、手摺とサポータ本体とを連結する支柱の基端を手摺に対して上下方向に回動可能に取り付けることによっても、サポータ本体を上下方向に回動可能とすることができる。また、実施例では、2本の支柱により手摺とサポータ本体を連結したが、3本以上の支柱で手摺とサポータ本体を連結したり、2本以上の補助支柱を取り付けてもよい。また、手摺支持部も2カ所以上としてもよい。
【0030】
【発明の効果】
本発明によって以下の効果を奏する。
【0031】
1. トイレの壁面に設けた手摺に支柱を介してサポータ本体を上下方向に回動可能に連結し、サポータ本体又は支柱に補助支柱を回動可能に連結するという簡単な構成であるのでコストを低減することができ、しかもトイレへの取付け・取外しも容易に行うことができる。
【0032】
2. サポーター本体にかかる荷重は、支柱と補助支柱に分散されるので、個々の構成部材及び壁面における力点部分の強度を低減することが可能で、コストを低減することができる。また、省スペース化も可能で、トイレの壁面強度は低くて済むので、一般の家庭でも容易に取付が可能である。
【0033】
3. 使用しないときにはトイレの壁面に沿った位置に収納可能であるので、使用しないときに邪魔になることがなく、トイレのスペースを有効に利用することができる。
【0034】
4. 手摺と支柱とを着脱可能にしたり、支柱の長さを調節可能とすることによって、トイレの壁面とトイレ本体との距離やトイレ使用者の体型に応じて、使用時のサポータ本体の位置を適切に設定することができる。
【0035】
5. 補助支柱を鎖又は紐によってトイレの壁面と連結することによって、サポータ本体の使用時には丁度伸張した状態で、補助支柱の先端部(力点)を壁面と床面の境界位置に位置決めすることができる。また、サポータ本体の収納時(不使用時)には補助支柱が振れるのを防止できる。
【0036】
6. 補助支柱の先端近傍に、サポータ本体がトイレの壁面に沿った位置に収納されているときにトイレの壁面と当接する支持桿を設けることによって、サポータ本体が収納されている状態で不意にサポータ本体に触れたとしてもサポータ本体が繰り出されるのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトイレにおける身体サポータの実施例を示す側面図である。
【図2】図1に示す身体サポータの正面図である。
【図3】図1に示す身体サポータの平面図である。
【図4】サポータ本体の縦断面図である。
【図5】図1に示す身体サポータの使用状態を示す概略斜視図である。
【図6】本発明に係るトイレにおける身体サポータの他の実施例を示す側面図である。
【図7】図6に示す身体サポータの正面図である。
【図8】図6に示す身体サポータの平面図である。
【図9】図6に示す身体サポータの使用状態を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1 手摺
1a 手摺支持部
1b パイプ用ジョイント
2,2a,2b 支柱
3 サポータ本体
3a カット面
3b 把持部
4 補助支柱
4a ゴムパット
5 鎖又は紐
6 支持桿
A トイレの前壁(壁面)
B トイレの床面
C トイレの横壁(壁面)
Claims (5)
- トイレの壁面に沿って水平に設けた手摺と、支柱を介して手摺と連結したサポータ本体と、サポータ本体又は支柱に回動可能に連結した補助支柱とを有し、
サポータ本体は手摺を支点として上下方向に回動することにより、トイレの壁面に沿った位置に収納可能、かつ、水平位置に繰り出し可能であり、この水平位置では、補助支柱の先端がトイレの壁面又は床面に当接することによってサポータ本体を水平位置に固定可能であるトイレにおける身体サポータ。 - 手摺と支柱とが着脱可能である請求項1に記載のトイレにおける身体サポータ。
- 手摺とサポータ本体とを連結する前記支柱の長さが調節可能である請求項1に記載のトイレにおける身体サポータ。
- 補助支柱が鎖又は紐によってトイレの壁面と連結されている請求項1〜3の何れか1項に記載のトイレにおける身体サポータ。
- 補助支柱の先端近傍に、サポータ本体がトイレの壁面に沿った位置に収納されているときにトイレの壁面と当接する支持桿を設けている請求項1〜4の何れか1項に記載のトイレにおける身体サポータ。
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JP2002368677A JP2004195014A (ja) | 2002-12-19 | 2002-12-19 | トイレにおける身体サポータ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002368677A JP2004195014A (ja) | 2002-12-19 | 2002-12-19 | トイレにおける身体サポータ |
Publications (1)
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JP2004195014A true JP2004195014A (ja) | 2004-07-15 |
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ID=32765184
Family Applications (1)
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004195014A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN113907980A (zh) * | 2021-09-30 | 2022-01-11 | 宫洪林 | 一种体位改变护理支架 |
-
2002
- 2002-12-19 JP JP2002368677A patent/JP2004195014A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN113907980A (zh) * | 2021-09-30 | 2022-01-11 | 宫洪林 | 一种体位改变护理支架 |
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