JP3003985U - 便器用安全手摺り - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 便器までの歩行用の手摺り機能を有する便器
用安全手摺りを提供する。 【構成】 便器Ａを載置する台板１に、便器の左右、背
面の３方を囲む固定手摺り体２が付いている。固定手摺
り体２と、別体の可動手摺り体３とは、伸縮連結機構１
０を介して連結している。伸縮連結機構１０は、固定手
摺り体２の中桟１２に抜き差し自在に嵌合したロッド１
１と、ロッド１１の先端に付いた回動支持体１４とを有
する。回動支持体１４には可動手摺り体３の足４が回動
自在に嵌合している。可動手摺り体３の２本の足４、６
には、キャスター５とゴム足７が付いている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、病人や老人の為の、簡易便器用の安全手摺りの改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

簡易便器用の安全手摺りは、従来から既に市販されていて、その構造は、簡易 便器を載置する台板に、金属パイプ製の手摺りを、便器の左右と背面との３方に 立設した形式である。この安全手摺りを用いれば、用便中や用便前後の腰かけ動 作時に、手摺りに手をかけたり、もたれたりできるので、病人や老人など体力の 低下した人にとって、便利である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、従来の安全手摺りは、左右と背面との３方にだけしか手摺りが設け られておらず、前面には手摺りがない。この為、用便中などに前方にもたれるこ とができず、手摺りの機能として不充分である。その上、従来のものでは、便器 の近くには手摺りがあるが、便器の位置までの歩行の為には手摺りがない。従っ て、老人などにとっては、ベッドから便器までの移動に大きな困難を伴い、１人 での移動ができず、この移動の為に介護者の手をかりねばならなかった。

【０００４】 本考案はこのような点に鑑み、便器の前面に手摺りを設けることができ、かつ 、便器の位置までの歩行用にも手摺りを設けることのできる安全手摺りを提供せ んとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案の安全手摺りの技術的手段は、便器が載置される台板に固定設置された 固定手摺り体と、この固定手摺り体とは別体の可動手摺り体とからなり、可動手 摺り体は伸縮連結機構によって固定手摺り体に連結されていることにある。

【０００６】 また、伸縮連結機構として、固定手摺り体の中桟にロッドを抜き差し自在に嵌 合させ、このロッドの先端に取付けた回動支持体に、可動手摺り体の１本の足を 回動自在に嵌合させ、更にロッドと回動支持体とにそれぞれ固定用の止め具を設 けたものを用いることができる。

【０００７】 更に、可動手摺り体の２本の足に、それぞれキャスターとゴム足とを取付けて もよい。

【０００８】

【作用】

本考案の安全手摺りは、便器を載置する台板に固定設置された固定手摺り体の 他に、可動手摺り体を有し、この可動手摺り体は、そのセット位置を自由に移動 させることができるので、便器の前面位置にセットして、便器の前面用手摺りと して利用できる上に、引き延し状態にセットして、ベッドから便器までの歩行用 手摺りとしても利用できる。

【０００９】 また、伸縮連結機構として、抜き差し自在なロッドと、回動支持体とを用いた ものでは、ロッドの長さ分だけの引出しが自在であり、かつ、回動支持体に嵌合 された足を軸にして可動手摺り体はどの向きにでも自由に位置決めできるので、 可動手摺り体のセット可能位置の範囲が広くて、利便性に富む他、可動手摺り体 の位置移動が容易である。更に、ロッドと回動支持体に止め具が付いていて、希 望位置での固定保持ができるので、可動手摺り体のセット状態での安定がよい。

【００１０】 可動手摺りの２本の足に、キャスターとゴム足とを取付けたものでは、可動手 摺り体の移動が極めて楽で、その上、セット時の安定性が高い。

【００１１】

【実施例】

本考案の安全手摺りを図面の実施例について説明する。１は台板で、この上に 簡易便器Ａが載置される。この台板１上には、固定手摺り体２が立設されている 。固定手摺り体２は便器Ａの左右、背面の３方を囲むように設けられている。固 定手摺り体２はスチールやアルミニウムなどの金属製パイプを組み合わせて構成 されており、その下端は台板１にネジ止め固定されている。

【００１２】 ３は可動手摺り体で、台板１とは別体になっている。この可動手摺り体３は２ 本の足を有し、一方の基軸となる足４にはキャスター５が取付けられ、他方の自 由側の足６にはゴム足７が取付けられている。

【００１３】 この可動手摺り体３は、伸縮連結機構１０によって固定手摺り体２と連結され ている。即ち、抜き差しロッド１１は、固定手摺り体２の左又は右側のパイプ製 中桟１２に嵌合していて、前面方向に抜き出し自在であり、かつ、止めネジ１３ によって適当な位置で固定できる。また、抜き差しロッド１１の先端には回動支 持体１４が付いていて、この回動支持体１４には可動手摺り体３の基軸足４が嵌 入している。そして、足４は回動支持体１４に対して回動自在であり、かつ、適 当な回動位置で止めネジ１５によって固定できるようになっている。

【００１４】 以上の構成により、可動手摺り体３は、抜き差しロッド１１の長さの範囲内で 、前方に自由に引き出すことができ、かつ、手摺り体３の向きは、足４を軸にし てどの方向にも自由に設定できる。従って、可動手摺り体３を、前面手摺りとし て利用する場合には、抜き差しロッド１１を押し込み、手摺り体３を、足４を軸 にして回動させて、手摺り体３が便器Ａの前面に位置するようにセットすればよ い。止めネジ１３、１５を締め付けると、キャスター５の付いた基軸足４は固定 保持される。また、他方の自由足６はゴム足７で滑りがない。従って、セット状 態での可動手摺り体３の安定性は充分である。また、使用者の出入りの際には止 めネジ１５を緩めれば、手摺り体３は開閉自在となる。

【００１５】 また、歩行用手摺りとして利用する為、可動手摺り体３を引き出す場合は、自 由足６を少し持ち上げて、前方に引っ張ればよい。基軸足４にはキャスター５が 付いているので、軽く引き出すことができる。手摺り体３のセットの向きは、足 ４を軸とする回動によって自由に定めることができ、位置決め後に止めネジ１３ 、１５を締め付ければ、安定性は充分である。

【００１６】 なお、本考案の安全手摺りは前記実施例に限定されるものではなく、実用新案 登録請求の範囲の記載の範囲内で自由に変形実施可能である。特に、固定、可動 の両手摺り体の形状、伸縮連結機構の構造などは全く自由である。

【００１７】

【考案の効果】

本考案の安全手摺りは、固定手摺り体の他に可動手摺り体を有し、この可動手 摺り体は自由な位置にセットできるので、便器の前面用手摺りとしての他、ベッ ドから便器までの歩行用手摺りとしても利用でき、極めて便利である。

【００１８】 請求項２のものでは、可動手摺り体のセット可能位置の範囲が広くて、利便性 に富む上に、可動手摺り体の位置の移動や固定セットが楽で、老人や病人などで も容易に行うことができる。また、構造が簡単で、廉価に製造でき、故障が少な いなどの利点を有する。

【００１９】 請求項３のものでは、可動手摺り体の２本の足が、キャスターとゴム足とにな っているので、移動が容易で、固定セット時の安定性もよいという効果を有する 。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の安全手摺りの斜視図。

【図２】側面図。

【符号の説明】

１ 台板 ２ 固定手摺り体 ３ 可動手摺り体 ４ 基軸側の足 ５ キャスター ６ 自由側の足 ７ ゴム足 １０ 伸縮連結機構 １１ 抜き差しロッド １２ 中桟 １３ 止めネジ １４ 回動支持体 １５ 止めネジ

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 便器が載置される台板に固定設置された
   固定手摺り体と、この固定手摺り体とは別体の可動手摺
   り体とからなり、可動手摺り体は伸縮連結機構によって
   固定手摺り体に連結されている便器用安全手摺り。
2. 【請求項２】 伸縮連結機構として、固定手摺り体の中
   桟にロッドが抜き差し自在に嵌合し、このロッドの先端
   に取付けられた回動支持体に、可動手摺り体の１本の足
   が回動自在に嵌合しており、更にロッドと回動支持体と
   にはそれぞれ固定用の止め具が付いているものを用いた
   請求項１記載の便器用安全手摺り。
3. 【請求項３】 可動手摺り体は２本の足を有し、一方の
   足にはキャスターが、他方の足にはゴム足が付いている
   請求項１記載の便器用安全手摺り。