JP2007117441A - 立ち上がり介助用のサイドレール - Google Patents

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忠 井浦
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Abstract

【課題】椅子状に姿勢変更可能なベッドにおいて使用するサイドレールであって、前方へ立ち上がる際にも把持しやすい位置に把持部を位置させることができるサイドレールを提供すること。
【解決手段】ベッドの床部が平坦な状態と椅子状の状態とに姿勢変更可能なベッドに使用するサイドレールにおいて、このサイドレールは固定柵部とテスリ部とから構成され、このテスリ部は固定柵部の前後方向を軸心として軸周りに回動自在な構成とし、垂下した状態と略々水平な状態とに姿勢変更可能に構成するとともに、固定柵部に対して上下方向にテスリ部を高さ調節自在に構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、ベッドの側部に取り付けて使用する立ち上がり介助用のサイドレールに関するものである。
従来、一般的な介護用ベッドとしては床部が3分割されており、それぞれが起伏可能に構成され、様々な体位で療養できるようになったものが一般的である。
しかし、この種のベッドでは、ベッドからの離床する際に身体の向きを90度換え、ベッドの側方で端座位の姿勢になってから立ち上がらなければならず、向きを換えることが困難な方にとっては必ずしも快適なものとはいえないものであった。
そこで、仰臥した状態から椅子に腰掛けた状態に姿勢変更可能なベッドが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
このベッドであれば、ベッド上で向きを換えることなくそのままの状態(腰掛状態)からベッドの前方へ立ち上がればよく、非常に快適なものとなっている。
なお、介護用のベッドには一般的にベッドフレームにサイドレールを差し込んで使用する。これは、使用者が落下するのを防ぐためであったり、あるいは、立ち上がる際の手掛かりとするためである。しかしながら、従来のサイドレールはベッドのサイドフレーム上に位置するように構成されている(例えば、特許文献2参照。)。
そのため、このようなものを使用した場合にはベッド幅と略々同じ幅となる把持部を持って立ち上がらなければならず、高齢者などにとっては力を入れ難く、使用上適しているとは言い難いものであった
また、把持部となる部位が上下方向を回動軸として水平旋回するよう構成されたサイドレールもある(例えば、特許文献3参照。)。このようなサイドレールでは、把持部を内側にセットして使用できるものであるが、この状態で不用意にベッドを姿勢変更した場合には、足などをベッドで挟み込む恐れがあり、危険な状態となってしまう。
特開2004−298372号公報 特開2005−152057号公報 特開2003−052765号公報
解決しようとする問題点は、椅子状に姿勢変更可能なベッドにおいて使用するサイドレールであって、前方へ立ち上がる際にも把持しやすい位置に把持部を位置させることができるとともに高さ調節可能な立ち上がり介助用のサイドレールを提供することである。
請求項1の発明は、ベッドの床部が平坦な状態と椅子状の状態とに姿勢変更可能なベッドに使用するサイドレールにおいて、このサイドレールは固定柵部とテスリ部とから構成され、このテスリ部は固定柵部の前後方向を軸心として軸周りに回動自在な構成とし、垂下した状態と略々水平な状態とに姿勢変更可能に構成するとともに、固定柵部に対して上下方向にテスリ部を高さ調節自在に構成したことを最も主要な特徴とする。
請求項1の発明は、ベッドの床部が平坦な状態と椅子状の状態とに姿勢変更可能なベッドに使用するサイドレールにおいて、このサイドレールは固定柵部とテスリ部とから構成されており、このテスリ部は固定柵部の前後方向を軸心として軸周りに回動自在な構成とされ、垂下した状態と略々水平な状態とに姿勢変更可能に構成するとともに、固定柵部に対して上下にテスリ部を摺動自在に構成されている。したがって、ベッドに取り付けた状態でテスリ部を垂下した状態としておくと一般的な介護ベッドに取り付けたサイドレールと同様に使用できる。また、ベッドを椅子状態とした後、テスリ部を回動させ略々水平な状態とすると、テスリ部の内側は使用者の身体の近くに位置するのでより把持しやすく、力を入れて立ち上がることが容易にできるようになっている。また、テスリ部は固定柵部に対して上下に適宜高さ調節可能となっているのでより力の入れやすい高さとして使用することもできる。
ベッドの床部が平坦な状態と椅子状の状態とに姿勢変更可能なベッドに使用する立ち上がり介助用のサイドレールにおいて、このサイドレールは固定柵部とテスリ部とから構成し、このテスリ部は固定柵部の前後方向を軸心として軸周りに回動自在な構成とするとともに、垂下した状態と略々水平な状態とに姿勢変更可能とし、さらに、固定柵部に対して上下高さ調節可能とする。
まず、最初に本発明にかかるサイドレール1を使用するベッドBについて説明する。
このベッドBは、第7図に示すように一般的な背上げ可能なベッドとは異なるものである。このベッドBは一般的な仰臥姿勢で使用する状態では床部を同一平面に位置するように配置可能となっている(第7図(a)参照。)。この状態から、図示しない操作スイッチを操作することによって背上げ操作を行うと、背上げ動作とともに、脚を受ける脚受部が腰受部の下方に収納されるものである(第7図(b)参照。)。使用者は操作スイッチの操作のみでベッドB上で椅子掛け姿勢を自動的にとることができるように構成されたものである。したがって、一般的な背上げ可能なベッドのように身体の向きを90度換えることなく端座位の姿勢になることができ、より立ち上がりし易いベッドとされたものである。
なお、このベッドBのサイドフレームBには、後述するサイドレール1が取付自在となるように筒状の部材が固着されたり、あるいは軸材が挿通可能となるように空孔部が設けられており、これをサイドレール1の取付部としている。
続いて、本発明にかかる立ち上がり介助用のサイドレール1の一実施例を図面に基づいて説明する。なお、このサイドレールは左右対称に構成されたものを一組として使用するものである。そのため、以下の説明では、片側のみについて説明する。
このサイドレール1は、主として固定柵部2と、テスリ部3とからなる。
まず、固定柵部2について説明する。この固定柵部2は、下端部に挿通軸4,4が固着された支持パイプ5,6を備えている。この支持パイプ5,6を一定間隔離間した状態で枠パイプ7を固着し、その中を補強パイプ8,8,・・・で固着して固定柵部2は構成されている。なお、一方の支持パイプ6上方にはすき間が設けられており、その内部にはナット部材6aが固着されている。さらに、この支持パイプ6の外周部には上下方向に適当な間隔をおいて空孔部6b,6b,・・・が複数穿設されている。
さらに、枠パイプ7上側端部には空孔部7aが穿設されている。
次に、テスリ部3について説明する。このテスリ部3は、略々矩形状に構成された枠パイプ9を備えている。この枠パイプ9の内部には、挟み込みを防止するために補助プレート10が固着されている。なお、この補助プレート10は適当な間隔をおいてパイプなどを固着したものでもよい。
そして、この枠パイプ9には回動軸受11が固着されている。この回動軸受11の内部には空孔部11aが穿たれるとともに、外周部からこの空孔部11aまで雌ネジ部11bが設けられている。そして、この回動軸受11の端部にはストッパー片11cが一体的に設けられている。
前記回動軸受11を取り付ける回動軸12について説明する。この回動軸12は、前記固定柵部2の支持パイプ6に挿通される摺動パイプ13に固着されている。なお、摺動パイプ13には空孔部13aが穿たれるとともにナット部材14が固着されている。このナット部材14にはボルト部材15が螺着されて、ボルト部材15が支持パイプ6の空孔部6b,6b,・・・の何れかに挿通されることによって適宜高さ調節可能に構成されたものである。
このように構成された摺動パイプ13には回動軸12が固着されている。この回動軸12は前記回動軸受11の外径と略々同径となる大径部12aと回動軸受11の空孔部11aの径と略々同径となる小径部12bとからなり、さらに大径部12aと一体的になるように小径部12bの外周部に円弧状のストッパー片12cが構成されている。
なお、小径部12bには前記回動軸受11に螺着するボルト部材16の先端が位置する部位に溝部12dが設けられており、回動軸受11をこの回動軸12に挿通後ボルト部材16により抜け止めされるようになっている。
17はカバー部材であり、前記ストッパー片11c,12cを覆うように取り付けるものであり、動作中に指などを挟まないためのものである。
そして、固定柵部2に取り付けられたテスリ部3が抜けないように、支持パイプ6上部には固定部材18が取り付けられている。
この固定部材18は、枠パイプ7内に挿通される軸部18aと支持パイプ6上部のナット部材6aにネジ止めされるプレート部18bとからなるものであり、軸部18aにプレート部18bが固着されてなる。なお、軸部18aには固定用の空孔部18cが穿たれている。そして、19はカバー部材であり、この固定部材18をカバーするためのものである。これは、前記固定部材18の軸部18aを枠パイプ7に挿通し、カバー19とともにピン20を挿通して、固定している。
上記のように構成された立ち上がり介助用のサイドレール1は、次のようにベッドBに取り付ける。まず、ベッドB側のサイドフレームBにはサイドレール挿通用の空孔部が設けられた取付部が配されている。この空孔部に固定柵部2の支持パイプ5,6下端部の挿通軸4,4をそれぞれ差し込む。なお、より確実に固定したい場合にはこの挿通軸に雌ねじ部を設けておき、下方からねじ止めすればよい。
このように取り付けられたサイドレール1は、次のように使用する。
まず、ベッドBの床部がフラットな状態の時には、テスリ部3を下方に垂下させた状態で使用する。この状態ではサイドレール1がベッドB上からの落下を防止するための柵として機能している。
そして、ベッドBの背を上げベッドBが椅子状の状態となり、使用者Mが立ち上がる際にテスリ部3を外側から内側へ回動させることによって第2図に示す状態とし、テスリ部3の把持可能な部位がベッドBの全幅よりも使用者Mの身体に非常に近い位置とすることができる。したがって、使用者Mは身体のすぐ近く位置する把持部を掴み、身体を支えながら立ち上がることができるので、より力が入れ易く、また、安全に立ち上がることができるようになる。
さらに、このサイドレール1はボルト部材15を緩め、摺動パイプ13の高さを変えることで使用者Mがより適した高さで把持できるように構成されている。
また、このテスリ部3は立ち上がる際に使用する状態では、下方向きの力に対してはストッパー片11c、12cによって拘束された状態にあるが、上方向きの力に対しては回動自在となっているので、ベッドBの動作などにより布団や身体がテスリ部3とベッドBに挟まれそうになった場合においても、テスリ部3が自然に上方に回動するので極めて安全な立ち上がり介助用のサイドレール1となっている。
このように、本発明の立ち上がり介助用のサイドレールは回動軸を前方に傾斜する状態で固着することによって、上記のように使用者が立ち上がりの際に把持しやすい位置に把持部を位置させることができるとともに、後方回動させることでベッドと平行な状態で邪魔にならないよう配置させることが可能となっている。
なお、本実施例については、使用状態及び下げた状態でのロック機構などは設けていないがこれは、使用状態でベッドが動作し始め際に何らかのものがサイドレールとの間にはさまれた場合でも上方への回動が自由にできることで怪我を防止できる効果があるものである。立ち上がる際には下方向きの負荷しかかからずその状態を維持することができればよいものである。
使用状態を示す側面図 使用状態を示す正面図 構成を示す説明図 要部側断面図 (a)作用を示す側面図 (b)その正面図 作用を示す全体斜視図 サイドレールを使用するベッドの一実施例を示す説明図
符号の説明
1 立ち上がり介助用サイドレール
2 固定柵部
3 テスリ部
B ベッド
サイドフレーム
M 使用者

Claims (1)

  1. ベッドの床部が平坦な状態と椅子状の状態とに姿勢変更可能なベッドに使用するサイドレールにおいて、このサイドレールは固定柵部とテスリ部とから構成され、このテスリ部は固定柵部の前後方向を軸心として軸周りに回動自在な構成とし、垂下した状態と略々水平な状態とに姿勢変更可能に構成するとともに、固定柵部に対して上下方向にテスリ部を高さ調節自在に構成したことを特徴とする立ち上がり介助用のサイドレール。
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