JP2004193539A - 半導体素子の接合方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体素子の接合工程の生産効率の短縮
【解決手段】光素子とサブマウントの接合部に不活性ガスを吹き付けるパージノズル8を電磁弁を介して不活性ガス供給管6.7により加熱冷却手段14に連結するとともに、サブマウント12を加熱するセラミックヒータ11に不活性ガス供給管10を配置し,光素子の接合時には加熱された不活性ガスの接合部への吹き付けとともに,冷却時には冷却された不活性ガスの接合部への吹きつけとセラミックヒータへ冷却する構成とした。
【選択図】図1
【解決手段】光素子とサブマウントの接合部に不活性ガスを吹き付けるパージノズル8を電磁弁を介して不活性ガス供給管6.7により加熱冷却手段14に連結するとともに、サブマウント12を加熱するセラミックヒータ11に不活性ガス供給管10を配置し,光素子の接合時には加熱された不活性ガスの接合部への吹き付けとともに,冷却時には冷却された不活性ガスの接合部への吹きつけとセラミックヒータへ冷却する構成とした。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体チップを基台としてのサブマウント上にボンディングするための半導体素子の接合方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルオーディオディスク等の光学的読取り装置に使用される半導体レーザーやフォトダイオード等の半導体素子をサブマウント(基台)上に接合するためのダイボンディング方法として、従来より特公平5−54260号の従来例に示すものが知られている。
【0003】
これに記載のダイボンディング装置は、図4に示すように電熱線が内臓されたプレヒータ1上で、例えば窒化アルミ又はシリコンからなるサブマウント2を吸着する。ついで、サブマウント2上方にてキャピラリ3先端に真空吸着された半導体レーザチップ4をサブマウント2上に位置決めすると共に加圧する。その後プレヒータ1により半導体レーザチップ4とサブマウントの接合部近傍を電熱過熱して、半導体レザーチップ4とサブマウント2との間の上記ボンディング部に介在させたAu−Sn系(金―錫系)ろう材、Au−Si系(金−ケイ素系)ろう材、半田材等のボンディング・インサート材を溶融させてダイボンディングしていた。
【0004】
しかしながら、この技術では、加熱はプレヒータ1に内蔵された電熱線により行なっているので、ボンディング部をボンディング温度まで上昇させるのに長時間(例えば30秒〜60秒)が必要であった。
【0005】
また、一旦サブマウント2の温度が上昇すると、それが冷却するまでの時間も遅くなり、ボンディング・インサート材が溶融後凝固するのにも長時間を要し、完全に凝固が完了するまで精密に位置決めを行なう必要上、高精度位置で半導体レーザチップを保持しなければならなかった。
【0006】
このため、従来のダイボンディング方法では、ボンディング時間が長くなりすぎ(120秒以上)、生産効率を著しく低下させるばかりか、半導体レーザチップ等の熱を発する光素子は、熱歪によって発光特性が変化するためボンディング時間が長くなると熱歪が残留し、半導体レーザなどの光素子の信頼性低下の一因となっていた。
【0007】
そこで、特公平5―54260号では、キャピラリに保持された半導体レーザチップを載置台上に載置されたサブマウントへダイボンディングする方法において、上記キャピラリとこのキャピラリに保持された上記半導体レーザチップとこの保持された半導体チップが載置されるサブマウントに加熱された不活性ガスを吹き付けて予熱する予熱工程と、サブマウントを加熱する加熱体を設けこの加熱体に給電することによりサブマウントを瞬間的に加熱する加熱工程と、上記予熱工程の後に加熱工程を行なうことによりボンディングインサート部材を溶融させ半導体レザーチップとサブマウントをダイボンディングする工程と、上記加熱体への給電の停止及び上記予熱の停止と同時に上記キャピラリを上昇させる工程よりなる方法が記載され、これによって、ダイボンディングのための所要温度への加熱を、加熱体への大電流の給電により短時間で行なうと共に加熱体および予熱の停止によりボンデイング部を常温にまで急冷する事ができるのでダイボンディング時間を従来の電熱法によった場合の1/10に短縮することができ生産効率が向上すると共に、加熱時間が短くてすむので半導体レザーチップに有害な熱歪が残留することがなくなり半導体レザーの品質及び信頼性が高くなる。
【0008】
しかしながら、冷却のための加熱体への給電の停止及び予熱の停止と同時にキャピラリを上昇させるため、周辺温度や制御装置のばらつきなどにより、加熱体の冷却の程度に差異が発生した場合、半導体チップとサブマウントが完全に固着する前にキャピラリが上昇してしまい、半導体チップとサブマウントの相対位置がずれるおそれがあり、最悪の場合には、半導体チップがサブマウントから剥離してしまうという問題点があった。
【特許文献1】
特公平5−54260号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、サブマウント等の予熱及びボンディングインサート材等いわゆる半田材の予熱と酸化防止のための不活性ガスを半導体チップ、LEDチップ等の半導体素子の接合時の冷却にも使用するようにしたことによりボンディング時間を短縮化による生産効率の向上を図る共に半導体素子に有害な熱歪が残留することなく良好な品質の半導体素子を得ることを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、
請求項1記載の発明は、
キャピラリに保持された半導体素子を基台(サブマウント)へ接合する接合方法において、半導体素子が載置されるサブマウントに予め加熱された不活性ガスを吹き付けて予熱すると共に、上記キャピラリとサブマウントの少なくとも一方を加熱する加熱体を設け、この加熱体に給電することにより上記キャピラリとサブマウントの少なくとも一方を予め設定された温度まで予熱する予熱工程と、予熱工程の後に上記加熱体への給電量を変化させ予熱工程における加熱体の温度よりも更に加熱体を昇温して上記半導体素子とサブマウントの間に介在している半田材を溶融させ、半導体素子とサブマウントを接合する接合工程と、
上記加熱体への給電と不活性ガスの供給を停止するとともにキャピラリと半導体素子とサブマウントに予め冷却された不活性ガスを吹き付けルト共に加熱体を冷却する冷却工程と、を有する半導体素子接合方法を解決手段としている。
【0011】
請求項1の方法によれば、不活性ガスで予熱工程を構成すると共にその後の工程に冷却工程を設け、この冷却工程においても前記不活性ガスを利用し冷却して、キャピラリ、半導体素子及びサブマウントを冷却すると共に加熱体を冷却する方法なので、半田材の固着時間が短縮され生産効率が向上する。
請求項2記載の発明は
キャピラリに保持された半導体素子をサブマウントへ接合する半導体素子接合装置において、
半導体素子とサブマウントの接合部に不活性ガスを吹き付けるパージノズルとパージノズルに第1切換え部を介して連結された第1不活性ガス供給管と、パージノズルに前記第1切換え部を介して連結された第2不活性ガス供給管とサブマウントを載置し加熱する加熱体とヒータ部に第2切換え部を介して連結された第3不活性ガス供給管と加熱面と冷却面を有する加熱冷却手段とよりなり、第1不活性ガス供給管を加熱冷却手段の加熱面に設けると共に、第2、第3不活性ガス供給管を加熱冷却手段の冷却面に設けたことを解決手段としている。
尚、加熱冷却手段として,電子冷却素子、例えばペルチェ素子或いは,加熱面を給電によって加熱するヒーターと、冷却面を圧縮式の冷凍機の組み合わせ構成からなる手段を用いることができる。
【0012】
請求項2の半導体素子の接合装置によれば、第1不活性ガス供給管を加熱冷却手段の加熱面に設けた構成により予熱を行なうと共に、第2、第3不活性ガス供給管を加熱冷却冷却手段の冷却面に設けた構成によりキャピラリ、半導体素子のみならずサブマウントの冷却を行なう構成なので、半田材の固着時間が短縮され生産効率が向上する。
又、不活性ガスを加熱冷却手段で予熱と冷却に使用すると共に,加熱体を冷却している構成なので、高い効率で電気エネルギーを活用することができ、装置の省エネルギー化が図れる。
【0013】
請求項3記載の発明は、キャピラリに保持された半導体素子を基台(サブマウント)へ接合する半導体素子接合装置において、半導体素子とサブマウントの接合部に不活性ガスを吹き付けるパージノズルと
パージノズルに第1切換え部を介して連結された第5不活性ガス供給管と、
サブマウントを載置し加熱する加熱体と、
加熱体に第2切換え部を介して配置した第6不活性ガス供給管と、
加熱面と冷却面を有する電子冷却素子とよりなり、
第5、第6不活性ガス供給管を電子冷却素子の一方の面側に設けると共に、電子冷却素子の他方の面側には空冷手段を配置したこと解決手段としている。
請求項3記載の発明によれば、上記効果に加えて1つの電子冷却素子で加熱と冷却とを行なう構成のため、高い効率で電気エネルギーを活用することができ装置の省エネルギー化が図れると共に、電子冷却素子の面に空冷手段を設けたので電子冷却素子の加熱効率を高めることができる
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項2記載の半導体素子の接合装置において、第2加熱冷却手段を加熱体を支持する装置筐体に配置し、装置筐体に設けた温度センサにより装置筐体が一定の温度となるように第2冷却手段を制御したことを解決手段としている。
請求項4の半導体素子の接合装置によれば、装置筐体の温度変化がなくなり、装置筐体の変形、あるいは、装置筐体に取り付けられる装置の温度による特性変化や、装置性能の低減を防止することができるという効果を奏する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明に係る実施の形態について説明する。
図1は、この発明の半導体素子の接合法に使用される接合装置の第1実施形態の概略説明図である。
図1において、5は乾燥された窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガス供給源(不図示)と接続される不活性ガス供給管である。
6は不活性ガス供給管5から分岐した第1不活性ガス供給管、7は不活性ガス供給管5から分岐した第2不活性ガス供給管である。
【0016】
8は不活性ガスを電子部品接合部周辺に供給するパージノズルで、 前記第1不活性ガス供給管6、第2不活性ガス供給管7とは第1切換え部としての第1電磁弁9を介して連結されている。
【0017】
この第1電磁弁9は周知の3ポート切換え弁からなり、ポート9Aにおいては第1不活性ガス供給管6とパージノズル8を連通し、ポート9Bにおいては第1、第2不活性ガス供給管6、7とパージノズル8の連通を遮断し、ポート9Cにおいては、第2不活性ガス供給管7とパージノズル8を連通するように制御する構成となっている。
【0018】
10は不活性ガス供給管5から分岐した第3供給管としての第3不活性ガス供給管であり、一部は前記第2不活性ガス供給管7と管路を共用している。
【0019】
11はシリコン又はセラミック等からなる基台としてのサブマウン12を載置し、加熱する加熱体としてのセラミックヒータで、このセラミックヒータ11の内部或いは底面には第2切換え部としての第2電磁弁13を介して前記第3不活性ガス供給管10を蛇行させた蛇行部10Aが配置されている。
【0020】
また、図示しないが、サブマウント12を吸着保持するための吸引孔がセラミックヒータ11に設けられている。
【0021】
尚,このセラミックヒータ等の加熱体をキャピラリ15の周囲に配置し,このキャピラリ15を特公平5―54260号に示すように加熱する構成としてもよい。
【0022】
この第2電磁弁13は2ポート切換え弁からなり、ポート13Aにおいて不活性ガスをセラミックヒータ11に供給し、ポート13Bにおいて不活性ガスのセラミックヒータ11への供給を遮断するように制御する。
【0023】
14は加熱冷却手段としての電子冷却素子で、周知のペルチェ素子を利用している。この電子冷却素子14はN型・P型が対になった半導体素子により構成され、直流電流を流すことによって一方の面から他方の面に熱が移動する構成となっている。
【0024】
このため、例えば上面14Aが加熱されると、下面14Bは冷却されるようになっている。また、電源の極性を逆にすることにより,熱の移動方向も逆になるので上面14Aを冷却面、下面14Bを加熱面に制御することも可能である。この実施例においては,上面14Aを加熱面、下面14Bを冷却面に構成している。
【0025】
この電子冷却素子14の上面14Aには第1不活性ガス供給管6を熱効率を向上するため蛇行させて設けてあり、第1不活性ガス供給管6内の不活性ガスが電子冷却素子14の加熱面14Aにより予熱されるように構成されている。
【0026】
また、電子冷却素子14の下面14Bには、第2,第3不活性ガス供給管7,10の共有管部分Kを熱効率を向上するため蛇行させて設けてあり,第2,第3不活性ガス供給管7,10内の不活性ガスが電子冷却素子14の冷却面14Bにより冷却されるように構成されている。
【0027】
15はX−Y方向及び昇降自在な周知の構造のキャピラリで光素子を真空吸着保持可能になっている。
【0028】
この第1の実施形態の装置の作用について説明する。
予め半田材12Aが上面に形成されたサブマウント12が、予め予熱されたセラミックヒータ11の所定位置に不図示のキャリアにより位置決め載置される。
【0029】
次に第1電磁弁9がポート9Bからポート9Aに切り換わり第1不活性ガス供給管6とパージノズル8とが連通し、電子冷却素子14の上面14Aで予熱された第1不活性ガス供給管6を通じて予熱された不活性ガスがパージノズル8から噴出され,サブマウント12及び半田材12Aを予熱する。この予熱温度は半田材12Aが溶融しない範囲で予熱される。又、この時、併せてセラミックヒータ11に通電されセラミックヒータ11によりサブマウント12及び半田材12Aが予熱される。
【0030】
次にキャピラリ15が作動し光素子16、例えばGaAlAs系の半導体レーザチップ16を真空吸着すると共に、半導体レザーチップ16をサブマウント12に対して当接させ位置決め配置する。
必要に応じキャピラリ15によりレーザチップ16を加圧する。
その後セラミックヒータ11への給電量が変化し,セラミックヒータ12の予熱温度よりもさらにセラミックヒータ11を昇温して半田材を溶融させる。
【0031】
この半田材12Aの溶融によりサブマウント12と半導体レーザチップ16の接合が完了する。
次いで、セラミックヒータ11の給電が停止すると共に、第1電磁弁9がポート9Aからポート9Cに切り換わり、第1不活性ガス供給管6からの不活性ガスの供給が停止し、第2不活性ガス供給管7とパージノズル8が連通し、電子冷却素子14の冷却面14Bによって冷却された不活性ガスがパージノズル8から吐出する。
【0032】
これと同時に、第2電磁弁13がポート13Bからポート13Aに切り換わりこれにより第3不活性ガス供給管10の蛇行間部分10Aが連通し、電子冷却素子14の冷却面14Bによって冷却された不活性ガスが第3不活性ガス供給管10の蛇行部分10Aに流れ,セラミックヒータ11を冷却する。
従って,接合部分は不活性ガスの直接冷却とセラミックヒータへの冷却による間接冷却の双方により冷却されることになる。
【0033】
そして、所定の時間が経過した後若しくはセラミックヒータが所定の温度に冷却された後、接合が完了し一体となった半導体レーザーチップ及びサブマウントは、キャピラリによって吸着保持されセラミックヒータから格納場所へ移載される。
【0034】
次にこの第1の実施形態の装置を用いた接合方法について説明する。
【0035】
先ず半田材12Aが上面に形成されたサブマウント12が予め予熱されているセラミックヒータ11の所定位置に不図示のキャリアにより位置決め載置される。
【0036】
その後第1電磁弁9がポート9Bからポート9Aに切り換わり第1不活性ガス供給管6とパージノズル8とが連通し、電子冷却素子14の上面14Aで加熱された第1不活性ガス供給管6を通じて予熱された不活性ガスが吹き出され、サブマウント12及び半田材12Aを予熱する。
この予熱温度は半田材12Aが溶融しない範囲で予熱される。
又、併せてセラミックヒータ11に通電され、セラミックヒータ11によりサブマウント及び半田材12Aが予熱される。
以上が予熱工程である。
次に,キャピラリ15が駆動して半導体素子としての光素子16、例えばGaAlAs系の半導体レーザチップ16を真空吸着すると共に、半導体レーザチップ16をサブマウント12に対して当接させ位置決め配置する。
【0037】
必要に応じてキャピラリ15によりレーザチップ16を加圧する。以上が配置工程である。
この配置工程の後にセラミックヒータ11への給電量を変化させ、セラミックヒータ11の予熱温度よりもさらにセラミックヒータを11を昇温して半田材12Aを溶融させる。
【0038】
この半田材12Aの溶融によりサブマウント12と半導体レーザチップ16の接合が完了する。
【0039】
以上が接合工程である。
次いで,セラミックヒータ11の給電が停止すると共に、第1電磁弁9がポート9Aからポート9Cに切り換わり、第1不活性ガス供給管6からの不活性ガスの供給が停止し、第2不活性ガス供給管7とパージノズル8が連通し、電子冷却素子14の冷却面14Bによって冷却された不活性ガスがパージノズル8から吐出する。
【0040】
これと同時に、第2電磁弁13がポート13Bからポート13Aに切り換わりこれにより第3不活性ガス供給管10の蛇行間部分が連通し、電子冷却素子14の冷却面14Bによって冷却された不活性ガスが第3不活性ガス供給管10の蛇行部分に流れ,セラミックヒータ11を冷却する。
【0041】
従って、接合部分は不活性ガスの直接冷却とセラミックヒータへの冷却による間接冷却の双方により冷却されることになる。
以上の工程が冷却工程を構成する。
【0042】
そして、所定の時間が経過した後若しくはセラミックヒータが所定の温度に冷却された後、接合が完了し一体となった半導体レーザーチップ及びサブマウントは、キャピラリによって吸着保持されセラミックヒータから格納場所へ移載される。
図2はこの発明の第2の実施形態の接合装置を示すものである。
図1に示す実施形態と異なる構成は第3不活性ガス供給管10に代えてコンプレッサーや圧縮空気用タンクに接続される第3供給管としての圧縮空気用供給管17を使用し、媒体として圧縮空気を使用した点にあり、従って、第3供給管17は第1の実施形態のように第2不活性ガス供給管7から分岐することなく、単独で電子冷却素子14の下面に配置した構成である。18は圧縮空気用供給管に設けたドレンであり、圧縮空気を冷却することにより発生する結露を除去するためのものである。
【0043】
この実施形態の作用は図1に示す実施形態とほぼ同様なので省略する。
又,第1の実施形態と同じ構成は同一符号を用いた。
【0044】
この実施形態によれば、セラミックヒータ11の冷却時に用いる媒体は不活性ガスではなく圧縮空気でよいので,高価な不活性ガス,例えば窒素ガスなどの使用量を軽減することができるという効果がある。
【0045】
図3は、請求項3記載の発明の実施形態を示すものである。
図3において23は電子冷却素子14の下面側に形成された放熱フィン、24は放熱フィン23の放熱効率を高めるために放熱フィン23に対向配置した送風ファンである。放熱フィン23と送風ファン24とにより空冷手段を構成する。
尚,送風ファンはエアを吹き付ける構成のものでもよい。
25は電子冷却素子14の上面14Aに配置した第5不活性ガス供給管で、第1切換え部としての2ポート電磁弁26を介してパージノズル20と連結している。
【0046】
27は電子冷却素子14の上面に配置した第6不活性ガス供給管で,第2切換え部としての2ポート電磁弁28を介してセラミックヒータ11の下面に配置されている。
この実施形態によれば、予め半田材12Aが上面に形成されたサブマウント12が、予め予熱されたセラミックヒータ11の所定位置に不図示のキャリアにより位置決め載置される。
【0047】
次に電気冷却素子14の上面14Aが加熱される方向に電子冷却素子14に電流が流れ、2ポート電磁弁26がポート26Bからポート26Aに切り換わり第5不活性ガス供給管25とパージノズル20とが連通し、電子冷却素子14の上面14Aで予熱された不活性ガスが第5不活性ガス供給管25を通じてパージノズル20から噴出され、サブマウント12及び半田材12Aを予熱する。又、セラミックヒータ11に通電され、セラミックヒータ11によりサブマウント12及び半田材12Aが予熱される。
この予熱温度は半田材12Aが溶融しない範囲で予熱される。
これと同時に電子冷却素子14の下面14Bが冷却されるので、これを更に放熱フィン23と送風ファン24で空冷し、電子冷却素子の上面14Aの加熱効率を高める。
【0048】
次にキャピラリ15が作動し光素子16、例えばGaAlAs系の半導体レーザチップ16を真空吸着すると共に,半導体レザーチップ16をサブマウント12に対して当接させ位置決め配置する。
必要に応じキャピラリ15によりレーザチップ16を加圧する。
その後セラミックヒータ11への給電量が変化し,セラミックヒータ11の予熱温度よりもさらにセラミックヒータ11を昇温して半田材12Aを溶融させる。
【0049】
この半田材の溶融によりサブマウント12と半導体レーザチップ16の接合が完了する。
次いで、セラミックヒータ11の給電が停止すると共に、電子冷却素子14の上面14Aが冷却される方向に電流が流れ、電子冷却素子14の上面14Aによって冷却された不活性ガスがパージノズル20から吐出する。
【0050】
これと同時に、電子冷却素子14の下面14Bは加熱されるので,これを放熱フィン23及び送風ファン24により熱交換を促がし、電子冷却素子14の冷却効率を高める。また、2ポート電磁弁28がポート28Bからポート28Aに切り換わりこれにより第3不活性ガス供給管27の蛇行間部分が連通し、電子冷却素子14によって冷却された不活性ガスが第3不活性ガス供給管27の蛇行部分27Aに流れ,セラミックヒータ11を冷却する。
【0051】
従って,接合部分は不活性ガスの直接冷却とセラミックヒータ11への冷却による間接冷却の双方により冷却されることになる。
【0052】
そして、所定の時間が経過した後若しくはセラミックヒータ11が所定の温度に冷却された後、接合が完了し一体となった半導体レーザーチップ16及びサブマウント12は、キャピラリによって吸着保持されセラミックヒータ11から格納場所へ移載される。
【0053】
図5は、請求項4記載の発明の実施形態を示すものであり、この実施形態においては図1に示した第1実施形態の装置のセラミックヒータ11が設置される装置筐体29に第8不活性ガス供給管30を配置すると共に、第8不活性ガス供給管30を第3切換え部としての3ポート筐体側電磁弁31を介して連結し、この3ポート筐体側電磁弁31を第1不活性ガス供給管6と連通する第9不活性ガス供給管33及び第3不活性ガス供給管10と連通する第10不活性ガス供給管34に連結したものであり、装置筐体29に設けた温度センサ32により、3ポート筐体側電磁弁31を制御して、装置筐体29の温度を一定に制御するように構成したものである。
そして、上記第8不活性ガス供給管30、第3ポート筐体側電磁弁31、第9不活性ガス供給管33及び第10不活性ガス供給管34とにより第2加熱冷却手段を構成している。
そして、この実施例において、電子冷却素子14の上面14Aを加熱面、仮面14Bを冷却面に構成している。
その他の構成は図1に示した実施形態の構成と同一構成は同一符号とする。
【0054】
次にこの実施形態の作用を説明する。
キャピラリ15(図1参照)が作動し、電子部品としての半導体レーザチップ16を真空吸着すると共に、半導体レーザチップ16をセラミックヒータ11上に移載されたサブマウント12に対して当接させ位置決め配置する。その後、サブマウント12上の半田材12Aの加熱による酸化を防止するため、不活性ガス供給源から、不活性ガスのパージを開始する。
不活性ガスのパージは、第1電磁弁9を駆動し、ポート9Cと第1不活性ガス供給管6を連通し、電子冷却素子14の通電による加熱面14Aによって加熱された不活性ガスをパージノズル8から吐出して行う。
【0055】
この時、3ポート筐体側電磁弁31が駆動し、第8不活性ガス供給管30と第3不活性ガス供給管10が連通し、電子冷却素子14の冷却面14Bによって冷却された不活性ガスが第3不活性ガス供給管10から、第8不活性ガス供給管30に供給され装置筐体29を冷却する。
この3ポート筐体側電磁弁31の冷却ガスの供給のON/OFF制御は装置筐体29に設けた温度センサ32により装置筐体29の温度が一定となるように制御される。
【0056】
上記不活性ガスのパージ条件下において、セラミックヒータ11が更に加熱され、半田材12Aが溶融する温度まで上昇する。この時においても、温度センサ32により装置筐体29の温度が一定となるように3ポート筐体側電磁弁31のON/OFF制御が行われ、第8不活性ガス供給管30への冷却ガスの供給がなされ、装置筐体29の温度を一定に保つように制御される。
次いで、必要に応じキャピラリ15によりレーザチップ16を加圧する。
半田材12Aの加熱によるサブマウント12と半導体レーザチップ16との接合が完了した後、第1電磁弁9を再び駆動して、第2不活性ガス供給管7とパージノズル8を連通させ、電子冷却素子14の冷却面14Bによって冷却された不活性ガスをパージノズル8から吐出し、接合が完了している半導体レーザチップ16、半田材12A、及びサブマウント12の冷却を行う。
【0057】
このパージノズル8による冷却と共に、第2電磁弁13が駆動して、第3不活性ガス10に電子冷却素子14の冷却面14Bによって冷却された不活性ガスを第3不活性ガス供給管10の蛇行部分に供給し、セラミックヒータ11の冷却を行う。
この時も3ポート筐体側電磁弁31のON/OFF制御が行われ、電子冷却素子14の加熱面14Aによって加熱された不活性ガスを第1不活性ガス供給管6を通じ、3ポート筐体側電磁弁31を装置筐体に供給する。
この3ポート筐体側電磁弁31の制御は、装置筐体の温度が一定となるように温度センサーによって3ポート筐体側電磁弁31を制御することにより行われる。
その後、所定の時間が経過した後(若しくはセラミックヒータ11が所定温度に冷却された後)、接合が完了し一体となった半導体レーザチップ16及びサブマウント12は、特に図示されない部品移載装置によりセラミックヒータ11上から格納場所へ移載させる。
【0058】
この実施形態によれば、装置筐体の温度を温度センサにより検知すると共に加熱冷却手段からの不活性ガスを装置筐体に供給し、温度センサにより筐体の温度を一定に保持するように不活性ガスを制御するようにしたので、装置筐体の温度変化がなくなり、装置筐体の変形、あるいは、装置筐体に取り付けられる装置の温度による特性変化や、装置性能の低減を防止することができるという効果を奏する。
尚、第2加熱冷却手段としては、上記構成のほかに、加熱を筐体に設けた電熱線によるヒータ加熱方式とし、冷却を筐体に配置した配管内に不凍液を通して冷却を行う液冷式の冷却装置で構成し、これらのヒータ、冷却装置を温度センサにより、筐体が一定温度となるように制御する構成とすることもできる。
【0059】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、パージガスとしての不活性ガスを予熱工程と冷却工程で使用すると共に、加熱体も冷却する冷却工程を設けたので、半導体素子,基台(サブマウント),半田材を速やかに冷却すると共に,加熱体を冷却する方法なので,半導体素子に有害な熱歪が残留することがなく,良好な接合品質を得ることができる。
また、接合完了した半導体素子を搬出するまでの時間を短縮することができ、生産性を向上することができる。
【0060】
請求項2記載の発明によれば、パージガスとしての不活性ガスを予熱と加熱に使用すると共に、加熱体も冷却する構成なので、半導体素子、基台(サブマウント),半田材を速やかに冷却すると同時に加熱体も冷却でき,光素子に有害な熱歪が残留することがなく,良好な接合品質を得ることができる。
また、接合完了した半導体素子を搬出するまでの時間を短縮することができ、生産性を向上することができる。
【0061】
請求項3記載の発明によれば、上記効果に加えて1つの電子冷却素子で加熱と冷却とを行なう構成のため、高い効率で電気エネルギーを活用することができ装置の省エネルギー化が図れると共に,電子冷却素子の面に空冷手段を設けたので電子冷却素子の加熱効率を高めることができる。
【0062】
請求項4記載の発明によれば、装置筐体の温度変化がなくなり、装置筐体の変形、あるいは、装置筐体に取り付けられる装置の温度による特性変化や、装置性能の低減を防止することができるという効果を奏する。
【0063】
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に記載の発明の実施形態に係る接合装置の概略正面図
【図2】請求項1に記載の発明の実施形態に係る接合装置の概略正面図
【図3】請求項3に記載の発明の実施形態に係る接合装置の概略正面図
【図4】従来の接合装置の要部説明図
【図5】請求項4に記載の発明の実施形態に係る装置の概略正面図
【0064】
【符号の説明】
6、第1不活性ガス供給管
7、第2不活性ガス供給管
8、パージノズル
9、第1切換え部
10、17、第3供給管
11、加熱体
12、基台としてのサブマウント
14、加熱冷却手段
15、キャピラリ
16、半導体素子
25.第5不活性ガス供給管
27、第6不活性ガス供給管
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体チップを基台としてのサブマウント上にボンディングするための半導体素子の接合方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルオーディオディスク等の光学的読取り装置に使用される半導体レーザーやフォトダイオード等の半導体素子をサブマウント(基台)上に接合するためのダイボンディング方法として、従来より特公平5−54260号の従来例に示すものが知られている。
【0003】
これに記載のダイボンディング装置は、図4に示すように電熱線が内臓されたプレヒータ1上で、例えば窒化アルミ又はシリコンからなるサブマウント2を吸着する。ついで、サブマウント2上方にてキャピラリ3先端に真空吸着された半導体レーザチップ4をサブマウント2上に位置決めすると共に加圧する。その後プレヒータ1により半導体レーザチップ4とサブマウントの接合部近傍を電熱過熱して、半導体レザーチップ4とサブマウント2との間の上記ボンディング部に介在させたAu−Sn系(金―錫系)ろう材、Au−Si系(金−ケイ素系)ろう材、半田材等のボンディング・インサート材を溶融させてダイボンディングしていた。
【0004】
しかしながら、この技術では、加熱はプレヒータ1に内蔵された電熱線により行なっているので、ボンディング部をボンディング温度まで上昇させるのに長時間(例えば30秒〜60秒)が必要であった。
【0005】
また、一旦サブマウント2の温度が上昇すると、それが冷却するまでの時間も遅くなり、ボンディング・インサート材が溶融後凝固するのにも長時間を要し、完全に凝固が完了するまで精密に位置決めを行なう必要上、高精度位置で半導体レーザチップを保持しなければならなかった。
【0006】
このため、従来のダイボンディング方法では、ボンディング時間が長くなりすぎ(120秒以上)、生産効率を著しく低下させるばかりか、半導体レーザチップ等の熱を発する光素子は、熱歪によって発光特性が変化するためボンディング時間が長くなると熱歪が残留し、半導体レーザなどの光素子の信頼性低下の一因となっていた。
【0007】
そこで、特公平5―54260号では、キャピラリに保持された半導体レーザチップを載置台上に載置されたサブマウントへダイボンディングする方法において、上記キャピラリとこのキャピラリに保持された上記半導体レーザチップとこの保持された半導体チップが載置されるサブマウントに加熱された不活性ガスを吹き付けて予熱する予熱工程と、サブマウントを加熱する加熱体を設けこの加熱体に給電することによりサブマウントを瞬間的に加熱する加熱工程と、上記予熱工程の後に加熱工程を行なうことによりボンディングインサート部材を溶融させ半導体レザーチップとサブマウントをダイボンディングする工程と、上記加熱体への給電の停止及び上記予熱の停止と同時に上記キャピラリを上昇させる工程よりなる方法が記載され、これによって、ダイボンディングのための所要温度への加熱を、加熱体への大電流の給電により短時間で行なうと共に加熱体および予熱の停止によりボンデイング部を常温にまで急冷する事ができるのでダイボンディング時間を従来の電熱法によった場合の1/10に短縮することができ生産効率が向上すると共に、加熱時間が短くてすむので半導体レザーチップに有害な熱歪が残留することがなくなり半導体レザーの品質及び信頼性が高くなる。
【0008】
しかしながら、冷却のための加熱体への給電の停止及び予熱の停止と同時にキャピラリを上昇させるため、周辺温度や制御装置のばらつきなどにより、加熱体の冷却の程度に差異が発生した場合、半導体チップとサブマウントが完全に固着する前にキャピラリが上昇してしまい、半導体チップとサブマウントの相対位置がずれるおそれがあり、最悪の場合には、半導体チップがサブマウントから剥離してしまうという問題点があった。
【特許文献1】
特公平5−54260号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、サブマウント等の予熱及びボンディングインサート材等いわゆる半田材の予熱と酸化防止のための不活性ガスを半導体チップ、LEDチップ等の半導体素子の接合時の冷却にも使用するようにしたことによりボンディング時間を短縮化による生産効率の向上を図る共に半導体素子に有害な熱歪が残留することなく良好な品質の半導体素子を得ることを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、
請求項1記載の発明は、
キャピラリに保持された半導体素子を基台(サブマウント)へ接合する接合方法において、半導体素子が載置されるサブマウントに予め加熱された不活性ガスを吹き付けて予熱すると共に、上記キャピラリとサブマウントの少なくとも一方を加熱する加熱体を設け、この加熱体に給電することにより上記キャピラリとサブマウントの少なくとも一方を予め設定された温度まで予熱する予熱工程と、予熱工程の後に上記加熱体への給電量を変化させ予熱工程における加熱体の温度よりも更に加熱体を昇温して上記半導体素子とサブマウントの間に介在している半田材を溶融させ、半導体素子とサブマウントを接合する接合工程と、
上記加熱体への給電と不活性ガスの供給を停止するとともにキャピラリと半導体素子とサブマウントに予め冷却された不活性ガスを吹き付けルト共に加熱体を冷却する冷却工程と、を有する半導体素子接合方法を解決手段としている。
【0011】
請求項1の方法によれば、不活性ガスで予熱工程を構成すると共にその後の工程に冷却工程を設け、この冷却工程においても前記不活性ガスを利用し冷却して、キャピラリ、半導体素子及びサブマウントを冷却すると共に加熱体を冷却する方法なので、半田材の固着時間が短縮され生産効率が向上する。
請求項2記載の発明は
キャピラリに保持された半導体素子をサブマウントへ接合する半導体素子接合装置において、
半導体素子とサブマウントの接合部に不活性ガスを吹き付けるパージノズルとパージノズルに第1切換え部を介して連結された第1不活性ガス供給管と、パージノズルに前記第1切換え部を介して連結された第2不活性ガス供給管とサブマウントを載置し加熱する加熱体とヒータ部に第2切換え部を介して連結された第3不活性ガス供給管と加熱面と冷却面を有する加熱冷却手段とよりなり、第1不活性ガス供給管を加熱冷却手段の加熱面に設けると共に、第2、第3不活性ガス供給管を加熱冷却手段の冷却面に設けたことを解決手段としている。
尚、加熱冷却手段として,電子冷却素子、例えばペルチェ素子或いは,加熱面を給電によって加熱するヒーターと、冷却面を圧縮式の冷凍機の組み合わせ構成からなる手段を用いることができる。
【0012】
請求項2の半導体素子の接合装置によれば、第1不活性ガス供給管を加熱冷却手段の加熱面に設けた構成により予熱を行なうと共に、第2、第3不活性ガス供給管を加熱冷却冷却手段の冷却面に設けた構成によりキャピラリ、半導体素子のみならずサブマウントの冷却を行なう構成なので、半田材の固着時間が短縮され生産効率が向上する。
又、不活性ガスを加熱冷却手段で予熱と冷却に使用すると共に,加熱体を冷却している構成なので、高い効率で電気エネルギーを活用することができ、装置の省エネルギー化が図れる。
【0013】
請求項3記載の発明は、キャピラリに保持された半導体素子を基台(サブマウント)へ接合する半導体素子接合装置において、半導体素子とサブマウントの接合部に不活性ガスを吹き付けるパージノズルと
パージノズルに第1切換え部を介して連結された第5不活性ガス供給管と、
サブマウントを載置し加熱する加熱体と、
加熱体に第2切換え部を介して配置した第6不活性ガス供給管と、
加熱面と冷却面を有する電子冷却素子とよりなり、
第5、第6不活性ガス供給管を電子冷却素子の一方の面側に設けると共に、電子冷却素子の他方の面側には空冷手段を配置したこと解決手段としている。
請求項3記載の発明によれば、上記効果に加えて1つの電子冷却素子で加熱と冷却とを行なう構成のため、高い効率で電気エネルギーを活用することができ装置の省エネルギー化が図れると共に、電子冷却素子の面に空冷手段を設けたので電子冷却素子の加熱効率を高めることができる
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項2記載の半導体素子の接合装置において、第2加熱冷却手段を加熱体を支持する装置筐体に配置し、装置筐体に設けた温度センサにより装置筐体が一定の温度となるように第2冷却手段を制御したことを解決手段としている。
請求項4の半導体素子の接合装置によれば、装置筐体の温度変化がなくなり、装置筐体の変形、あるいは、装置筐体に取り付けられる装置の温度による特性変化や、装置性能の低減を防止することができるという効果を奏する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明に係る実施の形態について説明する。
図1は、この発明の半導体素子の接合法に使用される接合装置の第1実施形態の概略説明図である。
図1において、5は乾燥された窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガス供給源(不図示)と接続される不活性ガス供給管である。
6は不活性ガス供給管5から分岐した第1不活性ガス供給管、7は不活性ガス供給管5から分岐した第2不活性ガス供給管である。
【0016】
8は不活性ガスを電子部品接合部周辺に供給するパージノズルで、 前記第1不活性ガス供給管6、第2不活性ガス供給管7とは第1切換え部としての第1電磁弁9を介して連結されている。
【0017】
この第1電磁弁9は周知の3ポート切換え弁からなり、ポート9Aにおいては第1不活性ガス供給管6とパージノズル8を連通し、ポート9Bにおいては第1、第2不活性ガス供給管6、7とパージノズル8の連通を遮断し、ポート9Cにおいては、第2不活性ガス供給管7とパージノズル8を連通するように制御する構成となっている。
【0018】
10は不活性ガス供給管5から分岐した第3供給管としての第3不活性ガス供給管であり、一部は前記第2不活性ガス供給管7と管路を共用している。
【0019】
11はシリコン又はセラミック等からなる基台としてのサブマウン12を載置し、加熱する加熱体としてのセラミックヒータで、このセラミックヒータ11の内部或いは底面には第2切換え部としての第2電磁弁13を介して前記第3不活性ガス供給管10を蛇行させた蛇行部10Aが配置されている。
【0020】
また、図示しないが、サブマウント12を吸着保持するための吸引孔がセラミックヒータ11に設けられている。
【0021】
尚,このセラミックヒータ等の加熱体をキャピラリ15の周囲に配置し,このキャピラリ15を特公平5―54260号に示すように加熱する構成としてもよい。
【0022】
この第2電磁弁13は2ポート切換え弁からなり、ポート13Aにおいて不活性ガスをセラミックヒータ11に供給し、ポート13Bにおいて不活性ガスのセラミックヒータ11への供給を遮断するように制御する。
【0023】
14は加熱冷却手段としての電子冷却素子で、周知のペルチェ素子を利用している。この電子冷却素子14はN型・P型が対になった半導体素子により構成され、直流電流を流すことによって一方の面から他方の面に熱が移動する構成となっている。
【0024】
このため、例えば上面14Aが加熱されると、下面14Bは冷却されるようになっている。また、電源の極性を逆にすることにより,熱の移動方向も逆になるので上面14Aを冷却面、下面14Bを加熱面に制御することも可能である。この実施例においては,上面14Aを加熱面、下面14Bを冷却面に構成している。
【0025】
この電子冷却素子14の上面14Aには第1不活性ガス供給管6を熱効率を向上するため蛇行させて設けてあり、第1不活性ガス供給管6内の不活性ガスが電子冷却素子14の加熱面14Aにより予熱されるように構成されている。
【0026】
また、電子冷却素子14の下面14Bには、第2,第3不活性ガス供給管7,10の共有管部分Kを熱効率を向上するため蛇行させて設けてあり,第2,第3不活性ガス供給管7,10内の不活性ガスが電子冷却素子14の冷却面14Bにより冷却されるように構成されている。
【0027】
15はX−Y方向及び昇降自在な周知の構造のキャピラリで光素子を真空吸着保持可能になっている。
【0028】
この第1の実施形態の装置の作用について説明する。
予め半田材12Aが上面に形成されたサブマウント12が、予め予熱されたセラミックヒータ11の所定位置に不図示のキャリアにより位置決め載置される。
【0029】
次に第1電磁弁9がポート9Bからポート9Aに切り換わり第1不活性ガス供給管6とパージノズル8とが連通し、電子冷却素子14の上面14Aで予熱された第1不活性ガス供給管6を通じて予熱された不活性ガスがパージノズル8から噴出され,サブマウント12及び半田材12Aを予熱する。この予熱温度は半田材12Aが溶融しない範囲で予熱される。又、この時、併せてセラミックヒータ11に通電されセラミックヒータ11によりサブマウント12及び半田材12Aが予熱される。
【0030】
次にキャピラリ15が作動し光素子16、例えばGaAlAs系の半導体レーザチップ16を真空吸着すると共に、半導体レザーチップ16をサブマウント12に対して当接させ位置決め配置する。
必要に応じキャピラリ15によりレーザチップ16を加圧する。
その後セラミックヒータ11への給電量が変化し,セラミックヒータ12の予熱温度よりもさらにセラミックヒータ11を昇温して半田材を溶融させる。
【0031】
この半田材12Aの溶融によりサブマウント12と半導体レーザチップ16の接合が完了する。
次いで、セラミックヒータ11の給電が停止すると共に、第1電磁弁9がポート9Aからポート9Cに切り換わり、第1不活性ガス供給管6からの不活性ガスの供給が停止し、第2不活性ガス供給管7とパージノズル8が連通し、電子冷却素子14の冷却面14Bによって冷却された不活性ガスがパージノズル8から吐出する。
【0032】
これと同時に、第2電磁弁13がポート13Bからポート13Aに切り換わりこれにより第3不活性ガス供給管10の蛇行間部分10Aが連通し、電子冷却素子14の冷却面14Bによって冷却された不活性ガスが第3不活性ガス供給管10の蛇行部分10Aに流れ,セラミックヒータ11を冷却する。
従って,接合部分は不活性ガスの直接冷却とセラミックヒータへの冷却による間接冷却の双方により冷却されることになる。
【0033】
そして、所定の時間が経過した後若しくはセラミックヒータが所定の温度に冷却された後、接合が完了し一体となった半導体レーザーチップ及びサブマウントは、キャピラリによって吸着保持されセラミックヒータから格納場所へ移載される。
【0034】
次にこの第1の実施形態の装置を用いた接合方法について説明する。
【0035】
先ず半田材12Aが上面に形成されたサブマウント12が予め予熱されているセラミックヒータ11の所定位置に不図示のキャリアにより位置決め載置される。
【0036】
その後第1電磁弁9がポート9Bからポート9Aに切り換わり第1不活性ガス供給管6とパージノズル8とが連通し、電子冷却素子14の上面14Aで加熱された第1不活性ガス供給管6を通じて予熱された不活性ガスが吹き出され、サブマウント12及び半田材12Aを予熱する。
この予熱温度は半田材12Aが溶融しない範囲で予熱される。
又、併せてセラミックヒータ11に通電され、セラミックヒータ11によりサブマウント及び半田材12Aが予熱される。
以上が予熱工程である。
次に,キャピラリ15が駆動して半導体素子としての光素子16、例えばGaAlAs系の半導体レーザチップ16を真空吸着すると共に、半導体レーザチップ16をサブマウント12に対して当接させ位置決め配置する。
【0037】
必要に応じてキャピラリ15によりレーザチップ16を加圧する。以上が配置工程である。
この配置工程の後にセラミックヒータ11への給電量を変化させ、セラミックヒータ11の予熱温度よりもさらにセラミックヒータを11を昇温して半田材12Aを溶融させる。
【0038】
この半田材12Aの溶融によりサブマウント12と半導体レーザチップ16の接合が完了する。
【0039】
以上が接合工程である。
次いで,セラミックヒータ11の給電が停止すると共に、第1電磁弁9がポート9Aからポート9Cに切り換わり、第1不活性ガス供給管6からの不活性ガスの供給が停止し、第2不活性ガス供給管7とパージノズル8が連通し、電子冷却素子14の冷却面14Bによって冷却された不活性ガスがパージノズル8から吐出する。
【0040】
これと同時に、第2電磁弁13がポート13Bからポート13Aに切り換わりこれにより第3不活性ガス供給管10の蛇行間部分が連通し、電子冷却素子14の冷却面14Bによって冷却された不活性ガスが第3不活性ガス供給管10の蛇行部分に流れ,セラミックヒータ11を冷却する。
【0041】
従って、接合部分は不活性ガスの直接冷却とセラミックヒータへの冷却による間接冷却の双方により冷却されることになる。
以上の工程が冷却工程を構成する。
【0042】
そして、所定の時間が経過した後若しくはセラミックヒータが所定の温度に冷却された後、接合が完了し一体となった半導体レーザーチップ及びサブマウントは、キャピラリによって吸着保持されセラミックヒータから格納場所へ移載される。
図2はこの発明の第2の実施形態の接合装置を示すものである。
図1に示す実施形態と異なる構成は第3不活性ガス供給管10に代えてコンプレッサーや圧縮空気用タンクに接続される第3供給管としての圧縮空気用供給管17を使用し、媒体として圧縮空気を使用した点にあり、従って、第3供給管17は第1の実施形態のように第2不活性ガス供給管7から分岐することなく、単独で電子冷却素子14の下面に配置した構成である。18は圧縮空気用供給管に設けたドレンであり、圧縮空気を冷却することにより発生する結露を除去するためのものである。
【0043】
この実施形態の作用は図1に示す実施形態とほぼ同様なので省略する。
又,第1の実施形態と同じ構成は同一符号を用いた。
【0044】
この実施形態によれば、セラミックヒータ11の冷却時に用いる媒体は不活性ガスではなく圧縮空気でよいので,高価な不活性ガス,例えば窒素ガスなどの使用量を軽減することができるという効果がある。
【0045】
図3は、請求項3記載の発明の実施形態を示すものである。
図3において23は電子冷却素子14の下面側に形成された放熱フィン、24は放熱フィン23の放熱効率を高めるために放熱フィン23に対向配置した送風ファンである。放熱フィン23と送風ファン24とにより空冷手段を構成する。
尚,送風ファンはエアを吹き付ける構成のものでもよい。
25は電子冷却素子14の上面14Aに配置した第5不活性ガス供給管で、第1切換え部としての2ポート電磁弁26を介してパージノズル20と連結している。
【0046】
27は電子冷却素子14の上面に配置した第6不活性ガス供給管で,第2切換え部としての2ポート電磁弁28を介してセラミックヒータ11の下面に配置されている。
この実施形態によれば、予め半田材12Aが上面に形成されたサブマウント12が、予め予熱されたセラミックヒータ11の所定位置に不図示のキャリアにより位置決め載置される。
【0047】
次に電気冷却素子14の上面14Aが加熱される方向に電子冷却素子14に電流が流れ、2ポート電磁弁26がポート26Bからポート26Aに切り換わり第5不活性ガス供給管25とパージノズル20とが連通し、電子冷却素子14の上面14Aで予熱された不活性ガスが第5不活性ガス供給管25を通じてパージノズル20から噴出され、サブマウント12及び半田材12Aを予熱する。又、セラミックヒータ11に通電され、セラミックヒータ11によりサブマウント12及び半田材12Aが予熱される。
この予熱温度は半田材12Aが溶融しない範囲で予熱される。
これと同時に電子冷却素子14の下面14Bが冷却されるので、これを更に放熱フィン23と送風ファン24で空冷し、電子冷却素子の上面14Aの加熱効率を高める。
【0048】
次にキャピラリ15が作動し光素子16、例えばGaAlAs系の半導体レーザチップ16を真空吸着すると共に,半導体レザーチップ16をサブマウント12に対して当接させ位置決め配置する。
必要に応じキャピラリ15によりレーザチップ16を加圧する。
その後セラミックヒータ11への給電量が変化し,セラミックヒータ11の予熱温度よりもさらにセラミックヒータ11を昇温して半田材12Aを溶融させる。
【0049】
この半田材の溶融によりサブマウント12と半導体レーザチップ16の接合が完了する。
次いで、セラミックヒータ11の給電が停止すると共に、電子冷却素子14の上面14Aが冷却される方向に電流が流れ、電子冷却素子14の上面14Aによって冷却された不活性ガスがパージノズル20から吐出する。
【0050】
これと同時に、電子冷却素子14の下面14Bは加熱されるので,これを放熱フィン23及び送風ファン24により熱交換を促がし、電子冷却素子14の冷却効率を高める。また、2ポート電磁弁28がポート28Bからポート28Aに切り換わりこれにより第3不活性ガス供給管27の蛇行間部分が連通し、電子冷却素子14によって冷却された不活性ガスが第3不活性ガス供給管27の蛇行部分27Aに流れ,セラミックヒータ11を冷却する。
【0051】
従って,接合部分は不活性ガスの直接冷却とセラミックヒータ11への冷却による間接冷却の双方により冷却されることになる。
【0052】
そして、所定の時間が経過した後若しくはセラミックヒータ11が所定の温度に冷却された後、接合が完了し一体となった半導体レーザーチップ16及びサブマウント12は、キャピラリによって吸着保持されセラミックヒータ11から格納場所へ移載される。
【0053】
図5は、請求項4記載の発明の実施形態を示すものであり、この実施形態においては図1に示した第1実施形態の装置のセラミックヒータ11が設置される装置筐体29に第8不活性ガス供給管30を配置すると共に、第8不活性ガス供給管30を第3切換え部としての3ポート筐体側電磁弁31を介して連結し、この3ポート筐体側電磁弁31を第1不活性ガス供給管6と連通する第9不活性ガス供給管33及び第3不活性ガス供給管10と連通する第10不活性ガス供給管34に連結したものであり、装置筐体29に設けた温度センサ32により、3ポート筐体側電磁弁31を制御して、装置筐体29の温度を一定に制御するように構成したものである。
そして、上記第8不活性ガス供給管30、第3ポート筐体側電磁弁31、第9不活性ガス供給管33及び第10不活性ガス供給管34とにより第2加熱冷却手段を構成している。
そして、この実施例において、電子冷却素子14の上面14Aを加熱面、仮面14Bを冷却面に構成している。
その他の構成は図1に示した実施形態の構成と同一構成は同一符号とする。
【0054】
次にこの実施形態の作用を説明する。
キャピラリ15(図1参照)が作動し、電子部品としての半導体レーザチップ16を真空吸着すると共に、半導体レーザチップ16をセラミックヒータ11上に移載されたサブマウント12に対して当接させ位置決め配置する。その後、サブマウント12上の半田材12Aの加熱による酸化を防止するため、不活性ガス供給源から、不活性ガスのパージを開始する。
不活性ガスのパージは、第1電磁弁9を駆動し、ポート9Cと第1不活性ガス供給管6を連通し、電子冷却素子14の通電による加熱面14Aによって加熱された不活性ガスをパージノズル8から吐出して行う。
【0055】
この時、3ポート筐体側電磁弁31が駆動し、第8不活性ガス供給管30と第3不活性ガス供給管10が連通し、電子冷却素子14の冷却面14Bによって冷却された不活性ガスが第3不活性ガス供給管10から、第8不活性ガス供給管30に供給され装置筐体29を冷却する。
この3ポート筐体側電磁弁31の冷却ガスの供給のON/OFF制御は装置筐体29に設けた温度センサ32により装置筐体29の温度が一定となるように制御される。
【0056】
上記不活性ガスのパージ条件下において、セラミックヒータ11が更に加熱され、半田材12Aが溶融する温度まで上昇する。この時においても、温度センサ32により装置筐体29の温度が一定となるように3ポート筐体側電磁弁31のON/OFF制御が行われ、第8不活性ガス供給管30への冷却ガスの供給がなされ、装置筐体29の温度を一定に保つように制御される。
次いで、必要に応じキャピラリ15によりレーザチップ16を加圧する。
半田材12Aの加熱によるサブマウント12と半導体レーザチップ16との接合が完了した後、第1電磁弁9を再び駆動して、第2不活性ガス供給管7とパージノズル8を連通させ、電子冷却素子14の冷却面14Bによって冷却された不活性ガスをパージノズル8から吐出し、接合が完了している半導体レーザチップ16、半田材12A、及びサブマウント12の冷却を行う。
【0057】
このパージノズル8による冷却と共に、第2電磁弁13が駆動して、第3不活性ガス10に電子冷却素子14の冷却面14Bによって冷却された不活性ガスを第3不活性ガス供給管10の蛇行部分に供給し、セラミックヒータ11の冷却を行う。
この時も3ポート筐体側電磁弁31のON/OFF制御が行われ、電子冷却素子14の加熱面14Aによって加熱された不活性ガスを第1不活性ガス供給管6を通じ、3ポート筐体側電磁弁31を装置筐体に供給する。
この3ポート筐体側電磁弁31の制御は、装置筐体の温度が一定となるように温度センサーによって3ポート筐体側電磁弁31を制御することにより行われる。
その後、所定の時間が経過した後(若しくはセラミックヒータ11が所定温度に冷却された後)、接合が完了し一体となった半導体レーザチップ16及びサブマウント12は、特に図示されない部品移載装置によりセラミックヒータ11上から格納場所へ移載させる。
【0058】
この実施形態によれば、装置筐体の温度を温度センサにより検知すると共に加熱冷却手段からの不活性ガスを装置筐体に供給し、温度センサにより筐体の温度を一定に保持するように不活性ガスを制御するようにしたので、装置筐体の温度変化がなくなり、装置筐体の変形、あるいは、装置筐体に取り付けられる装置の温度による特性変化や、装置性能の低減を防止することができるという効果を奏する。
尚、第2加熱冷却手段としては、上記構成のほかに、加熱を筐体に設けた電熱線によるヒータ加熱方式とし、冷却を筐体に配置した配管内に不凍液を通して冷却を行う液冷式の冷却装置で構成し、これらのヒータ、冷却装置を温度センサにより、筐体が一定温度となるように制御する構成とすることもできる。
【0059】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、パージガスとしての不活性ガスを予熱工程と冷却工程で使用すると共に、加熱体も冷却する冷却工程を設けたので、半導体素子,基台(サブマウント),半田材を速やかに冷却すると共に,加熱体を冷却する方法なので,半導体素子に有害な熱歪が残留することがなく,良好な接合品質を得ることができる。
また、接合完了した半導体素子を搬出するまでの時間を短縮することができ、生産性を向上することができる。
【0060】
請求項2記載の発明によれば、パージガスとしての不活性ガスを予熱と加熱に使用すると共に、加熱体も冷却する構成なので、半導体素子、基台(サブマウント),半田材を速やかに冷却すると同時に加熱体も冷却でき,光素子に有害な熱歪が残留することがなく,良好な接合品質を得ることができる。
また、接合完了した半導体素子を搬出するまでの時間を短縮することができ、生産性を向上することができる。
【0061】
請求項3記載の発明によれば、上記効果に加えて1つの電子冷却素子で加熱と冷却とを行なう構成のため、高い効率で電気エネルギーを活用することができ装置の省エネルギー化が図れると共に,電子冷却素子の面に空冷手段を設けたので電子冷却素子の加熱効率を高めることができる。
【0062】
請求項4記載の発明によれば、装置筐体の温度変化がなくなり、装置筐体の変形、あるいは、装置筐体に取り付けられる装置の温度による特性変化や、装置性能の低減を防止することができるという効果を奏する。
【0063】
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に記載の発明の実施形態に係る接合装置の概略正面図
【図2】請求項1に記載の発明の実施形態に係る接合装置の概略正面図
【図3】請求項3に記載の発明の実施形態に係る接合装置の概略正面図
【図4】従来の接合装置の要部説明図
【図5】請求項4に記載の発明の実施形態に係る装置の概略正面図
【0064】
【符号の説明】
6、第1不活性ガス供給管
7、第2不活性ガス供給管
8、パージノズル
9、第1切換え部
10、17、第3供給管
11、加熱体
12、基台としてのサブマウント
14、加熱冷却手段
15、キャピラリ
16、半導体素子
25.第5不活性ガス供給管
27、第6不活性ガス供給管
Claims (4)
- キャピラリに保持された半導体素子を基台へ接合する接合方法において、半導体素子が載置される基台に予め加熱された不活性ガスを吹き付けて予熱すると共に、上記キャピラリと基台の少なくとも一方を加熱する加熱体を設け、この加熱体に給電することにより上記キャピラリと基台の少なくとも一方を予め設定された温度まで予熱する予熱工程と、
予熱工程の後に上記加熱体への給電量を変化させ予熱工程における加熱体の温度よりも更に加熱体を昇温して上記半導体素子と基台の間に介在している半田材を溶融させ、半導体素子と基台を接合する接合工程と、
上記加熱体への給電と不活性ガスの供給を停止すると共に半導体素子と基台に予め冷却された不活性ガスを吹き付けると共に加熱体を冷却する冷却工程と、を有する半導体素子の接合方法。 - キャピラリに保持された半導体素子を基台へ接合する半導体接合装置において、半導体素子と基台の接合部に不活性ガスを吹き付けるパージノズルと、
パージノズルに第1切換え部を介して連結された第1不活性ガス供給管と、
パージノズルに前記第1切換え部を介して連結された第2不活性ガス供給管と、基台を載置し加熱する加熱体と、
加熱体に第2切換え部を介して配置した第3供給管と、加熱面と冷却面を有する加熱冷却手段とよりなり、
第1不活性ガス供給管を加熱冷却手段の加熱面に設けると共に、第2、第3供給管を加熱冷却手段の冷却面に設けたことを特徴とする半導体素子の接合装置。 - キャピラリに保持された半導体素子を基台へ接合する半導体素子接合装置において、
半導体素子と基台の接合部に不活性ガスを吹き付けるパージノズルと
パージノズルに第1切換え部を介して連結された第5不活性ガス供給管と、
基台を載置し加熱する加熱体と、
加熱体に第2切換え部を介して配置した第6不活性ガス供給管と、加熱面と冷却面を有する電子冷却素子とよりなり、
第5、第6不活性ガス供給管を電子冷却素子の一方の面側に設けると共に、電子冷却素子の他方の面側には空冷手段を配置したことを特徴とする半導体素子の接合装置。 - 請求項2記載の半導体素子の接合装置において、第2加熱冷却手段を加熱体を支持する装置筐体に配置し、装置筐体に設けた温度センサにより装置筐体が一定の温度となるように第2加熱冷却手段を制御したことを特徴とする請求項2記載の半導体の接合装置。
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-
2003
- 2003-03-04 JP JP2003057052A patent/JP2004193539A/ja active Pending
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