JP2001358455A - 電子部品の熱圧着装置及び熱圧着方法 - Google Patents

電子部品の熱圧着装置及び熱圧着方法

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 良好な断熱性能を備え、降温時の応答性に優
れサイクルタイムを短縮することができる電子部品の熱
圧着装置及び熱圧着方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 電子部品10をワークに熱圧着する電子
部品の熱圧着装置において、電子部品10をワークに熱
圧着する熱圧着ツール14をセラミックヒータ13に接
触させて取付け、セラミックヒータ13を昇降ブロック
7に通気性を有する多孔質部材12を介して装着する。
熱圧着後の降温時には、多孔質部材12に設けられた貫
通孔12cを介してエア供給源23から冷却用のエアを
セラミックヒータ13の上面に送給して直接冷却する。
これにより、良好な断熱性能を確保しながら降温時の温
度応答性を改善してサイクルタイムを短縮することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品や基板な
どのワークを熱圧着する電子部品の熱圧着装置及び熱圧
着方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子部品を基板などのワークに接合する
方法として、熱圧着による方法が知られている。この方
法は、電子部品をワークの被接合面に対して所定の荷重
で押圧しながら電子部品を加熱することにより、電子部
品を半田付けもしくは熱硬化性接着剤により接合するも
のである。電子部品の加熱は電子部品に当接して加圧す
る熱圧着ツールをセラミックヒータなどの発熱手段によ
って加熱して行われるが、熱圧着装置の機構部が発熱手
段から伝達される熱によって昇温すると機構部の熱変形
により圧着位置精度に悪影響を及ぼすため、熱圧着装置
には発熱手段と機構部との間に断熱材を介在させるなど
の方法による断熱手段が設けられている。
【0003】また熱圧着過程では、接合品質を確保する
ため接合部の加熱温度を所定の温度パターン、すなわち
加熱プロファイルに従って精度良く制御することが求め
られる。このため熱圧着装置は、従来より発熱手段を制
御する温調機能を備えている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年は、実装技術の高
度化・多様化により、急激な昇温・降温を伴う加熱パタ
ーンで行う場合が増加しており、熱圧着装置には昇温・
降温時の良好な応答性が求められる。しかしながら、昇
温時には温調機能によって発熱手段を制御することによ
って短時間の昇温が達成されるが、前述のように発熱手
段は機構部などの他の部分から断熱されていることか
ら、温調機能のみでは急速な降温は困難であった。この
ように従来の熱圧着装置は、断熱性能を満足しつつ良好
な温度応答性を確保することが困難で、高品質の接合を
短いサイクルタイムで効率よく行うことが困難であると
いう問題点があった。
【0005】そこで本発明は、良好な断熱性能を備え、
降温時の応答性に優れサイクルタイムを短縮することが
できる電子部品の熱圧着装置及び熱圧着方法を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の電子部品
の熱圧着装置は、電子部品をワークに対して押圧しなが
ら加熱することにより電子部品を前記ワークに熱圧着す
る電子部品の熱圧着装置であって、ワークに対して昇降
する昇降ブロックと、この昇降ブロックに通気性を有す
る多孔質部材を介して装着された発熱手段と、この発熱
手段に接触して取付けられ前記電子部品に当接してこの
電子部品を前記ワークに熱圧着する熱圧着ツールと、前
記多孔質部材を貫通して形成された通気孔を介して気体
を送給することにより発熱手段を気体により冷却する空
冷手段とを備えた。
【0007】請求項2記載の電子部品の熱圧着方法は、
電子部品をワークに対して押圧しながら加熱することに
より電子部品を前記ワークに熱圧着する電子部品の熱圧
着方法であって、ワークに対して昇降する昇降ブロック
に通気性を有する多孔質部材を介して装着された発熱手
段によって前記電子部品に当接する熱圧着ツールを加熱
する工程と、前記多孔質部材を貫通して形成された通気
孔を介して気体を送給することにより発熱手段を気体に
より冷却する工程とを含む。
【0008】本発明によれば、昇降ブロックに通気性を
有する多孔質部材を介して装着された発熱手段を、多孔
質部材を貫通して形成された通気孔を介して気体を送給
して冷却することにより、良好な断熱性能を確保しなが
ら降温時の温度応答性を改善してサイクルタイムを短縮
することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面を
参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態の電子
部品の熱圧着装置の正面図、図2、図3は本発明の一実
施の形態の電子部品の熱圧着装置の熱圧着ヘッドの断面
図、図4は本発明の一実施の形態の電子部品の熱圧着装
置の熱圧着ヘッドの分解斜視図である。
【0010】まず図1を参照してワークの熱圧着装置の
構造を説明する。図1において、可動テーブル1上には
ステージ2が設けられている。ステージ2には第1のワ
ークである基板4の保持部3が載置されている。可動テ
ーブル1を駆動することにより、保持部3に保持された
基板4は水平移動する。
【0011】可動テーブル1の上方には、Z軸テーブル
6が配設されており、Z軸テーブル6には昇降ブロック
7が結合されている。昇降ブロック7の下端部には熱圧
着ヘッド8が装着されており、熱圧着ヘッド8の下面に
は電子部品10が真空吸着されている。Z軸テーブル6
を駆動することにより、昇降ブロック7は基板4に対し
昇降し、熱圧着ヘッド8に真空吸着された電子部品10
は、保持部3上の基板4に対して下降する。そして電子
部品10を基板4に対して所定の荷重で押圧しながら電
子部品10を加熱することにより、電子部品10の半田
バンプ10aは基板4の電極4aに熱圧着により半田接
合される。
【0012】次に図2、図3および図4を参照して熱圧
着ヘッド8の構造を説明する。図2は、熱圧着ヘッド8
の中心を幅方向(図4に示すX方向)に横断する垂直断
面を示しており、また図3は図2に示す断面に直交する
方向(図4に示すY方向)の熱圧着ヘッド8の垂直断面
を示すものである。図2において、昇降ブロック7の下
面には、断熱材よりなるスペーサ11を介して、多孔質
部材12および発熱手段であるセラミックヒータ13
が、重ね合わされた状態でボルト15により固着されて
いる(図4も参照)。ボルト15はスペーサ11、多孔
質部材12およびセラミックヒータ13のそれぞれに設
けられた取り付け孔11c,12e,13cを挿通して
昇降ブロック7のボルト孔7cに螺合する。
【0013】昇降ブロック7の下面(転置状態を示す図
4において上面)には、吸引孔7a,7bが開口してお
り、吸引孔7aは、昇降ブロック7の内部に設けられた
内孔25に、吸引孔7bは内孔26にそれぞれ連通して
いる。内孔25,26は図2、図3に示すようにそれぞ
れバルブ21a,21bを介して真空吸引部21と接続
されている。
【0014】昇降ブロック7の下面に当接するスペーサ
11には、開口部11aおよび貫通孔11bが設けられ
ている。開口部11aは、昇降ブロック7と多孔質部材
12に挟まれた状態で内部空間Sを形成する。貫通孔1
1bは、昇降ブロック7の吸引孔7bと連通する。
【0015】多孔質部材12は、セラミック焼結体など
微細な気孔を含み通気性を有する材質よりなり、3種類
の貫通孔12a,12b,12cが上下方向に設けられ
ている。中心に位置する貫通孔12a、貫通孔12aの
Y方向の両側に位置する貫通孔12b内には、それぞれ
管部材16,17が挿通している。管部材16,17は
それぞれ昇降ブロック7の吸引孔7a,7bと連通す
る。貫通孔12cは貫通孔12aのX方向の両側に位置
し、多孔質部材12のセラミックヒータ13との接触面
には、貫通孔12cから多孔質部材12の側端面に開口
する溝部12dが形成されている。
【0016】セラミックヒータ13は、供給される電力
にほぼ比例した熱を発生し、制御手段(図示せず)によ
り設定された加熱パターンに従って給電することによ
り、昇温・降温を繰り返す。セラミックヒータ13の下
面(図4において上面)には、吸引孔13aおよび吸引
溝13bが設けられており、吸引孔13aは多孔質部材
12の貫通孔12a内を挿通する管部材16と連通す
る。また吸引溝13bは管通孔12b内を挿通する管部
材17と連通する。
【0017】セラミックヒータ13の下面に接触して、
熱圧着ツール14が着脱自在に装着されている。熱圧着
ツール14には吸着孔14aが設けられており、熱圧着
ツール14をセラミックヒータ13に装着した状態で
は、吸着孔14aは吸引孔13aと連通する。
【0018】図3に示すバルブ21bを開にして真空吸
引部21を駆動することにより、内孔26、管部材17
を介して吸引溝13bから真空吸引し、熱圧着ツール1
4をセラミックヒータ13の下面に吸着保持することが
できる。このとき熱圧着ツール14は、位置決めピンな
どの図示しない位置合わせ手段によってセラミックヒー
タに対して位置合わせされる。
【0019】また図2に示すバルブ21aを開にして真
空吸引部21を駆動して真空吸引を行うことにより、内
孔25、管部材16、吸引孔13aを介して吸着孔14
aから真空吸引し、電子部品10を真空吸着して熱圧着
ツール14の下面に保持する。なお、本実施の形態では
熱圧着ツール14をセラミックヒータ13と別個に設け
ているが、セラミックヒータ13に熱圧着ツール14を
兼務させ、一体物として製作してもよい。
【0020】図2において、昇降ブロック7に設けられ
た給気孔20の下端は、昇降ブロック7の下面の、スペ
ーサ11の開口部11aと多孔質部材12との間の空間
Sに開口している。給気孔20にはバルブ22を介して
エア供給源23が接続されている。バルブ22を介して
エアを給気孔20に供給すると、エアは空間S内に充満
した後に、多孔質部材12に設けられた貫通孔12cを
介してセラミックヒータ13の上面に到達し、溝部12
dを介して多孔質部材12の側端部から放出される。ま
た空間S内に到達したエアの一部は多孔質部材12の微
細孔内に入り込み、多孔質部材12内を横方向に透過し
て放散される。
【0021】このとき、溝部12dから外部に放出され
るエアはセラミックヒータ13の上面から直接熱を奪
い、セラミックヒータ13を冷却する。また多孔質部材
12内を透過するエアは多孔質部材12から熱を奪い、
多孔質部材12と接触状態にあるセラミックヒータ13
を冷却する。したがってエア供給源23および溝部12
dは、多孔質部材12を貫通して形成された通気孔であ
る貫通孔12bを介して気体を送給することによりセラ
ミックヒータ13を気体により冷却する空冷手段となっ
ている。なお、冷却用の気体としては、窒素などのエア
以外の気体を用いてもよい。
【0022】このように、多孔質部材12内を貫通して
供給されるエアによってセラミックヒータ13が冷却さ
れることにより、セラミックヒータ13の通電を停止ま
たは給電量を少なくすると、セラミックヒータ13の温
度は応答性よく降温する。すなわち、多孔質部材12に
セラミックヒータ13を取り付け、多孔質部材12を貫
通して冷却用のエアを直接セラミックヒータ13に供給
する構造を採用することにより、従来では困難であった
降温時の応答性向上を実現することができる。
【0023】また、多孔質部材12は内部を透過するエ
アによって冷却されると共に、溝部12dの存在により
セラミックヒータ13との接触面積が小さくなっている
ことから、セラミックヒータ13から昇降ブロック7に
伝達される熱量はわずかで断熱性に優れており、昇降ブ
ロック7を介して熱が伝達されることによる機構部の昇
温を防止することができる。これにより、機構部の熱変
形による実装位置精度の低下を防止して、高精度の実装
が行える。
【0024】このワークの熱圧着装置は上記のように構
成され、以下動作について説明する。まず図1におい
て、熱圧着ヘッド8により図外の電子部品の供給部から
電子部品10をピックアップするとともに、基板4を保
持部3に載置する。このとき、真空吸引部21を駆動す
ることにより、電子部品10は熱圧着ツール14に真空
吸着されている。次に可動テーブル1を駆動して基板4
を水平移動させ、基板4と電子部品10とを位置合せす
る。
【0025】次いでZ軸テーブル6を駆動して熱圧着ヘ
ッド8を下降させて電子部品10を基板4に当接させ、
電子部品10を所定荷重にて基板4に押圧する。この押
圧動作とともに、セラミックヒータ13に通電し発熱さ
せて熱圧着ツール14を介して電子部品10を加熱す
る。これにより、電子部品10と基板4の電極4aの接
合部は加熱パターンに従って昇温し、所定温度に到達す
ることにより半田バンプ10aが溶融して熱圧着による
半田接合が行われる。その後所定の温度プロファイルに
従って冷却され、電子部品10の基板4への熱圧着が完
了する。
【0026】この冷却過程においては、バルブ22を開
状態にしエア供給源23を駆動して内孔20より空間S
内にエアが送給される。これによりエアが多孔質部材1
2に設けられた貫通孔12bを介してセラミックヒータ
13の上面に到達し、溝部12dから外部へ放出され
る。これにより、セラミックヒータ13はエアの空冷効
果により冷却される。
【0027】また熱圧着動作を反復する過程において、
セラミックヒータ13から発生する熱によって多孔質部
材12の温度は次第に上昇するが、上述の空間Sへのエ
アの送給によりエアが多孔質部材12の気孔内へ進入し
外部へ透過することにより、多孔質部材12を冷却す
る。これにより多孔質部材12の温度上昇が防止され、
この熱が昇降ブロック7に伝わることによる機構部の熱
変形が発生しない。
【0028】上記説明したように、多孔質部材12にセ
ラミックヒータ13を取り付け、多孔質部材12を貫通
して冷却用のエアを直接セラミックヒータ13に供給す
る構造を採用することにより、セラミックヒータ13か
ら昇降ブロック7への熱伝達を遮断することができると
ともに、従来では困難であった降温時の温度応答性向上
を実現することができる。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、昇降ブロックに通気性
を有する多孔質部材を介して装着された発熱手段を、多
孔質部材を貫通して形成された通気孔を介して気体を送
給して冷却するようにしたので、良好な断熱性能を確保
しながら降温時の温度応答性を改善してサイクルタイム
を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の電子部品の熱圧着装置
の正面図
【図2】本発明の一実施の形態の電子部品の熱圧着装置
の熱圧着ヘッドの断面図
【図3】本発明の一実施の形態の電子部品の熱圧着装置
の熱圧着ヘッドの断面図
【図4】本発明の一実施の形態の電子部品の熱圧着装置
の熱圧着ヘッドの分解斜視図
【符号の説明】
3 保持部 4 基板 7 昇降ブロック 8 熱圧着ヘッド 10 電子部品 11 スペーサ 12 多孔質部材 12b 貫通孔 12d 溝部 13 セラミックヒータ 14 熱圧着ツール 22 バルブ 23 エア供給源

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子部品をワークに対して押圧しながら加
    熱することにより電子部品を前記ワークに熱圧着する電
    子部品の熱圧着装置であって、ワークに対して昇降する
    昇降ブロックと、この昇降ブロックに通気性を有する多
    孔質部材を介して装着された発熱手段と、この発熱手段
    に接触して取付けられ前記電子部品に当接してこの電子
    部品を前記ワークに熱圧着する熱圧着ツールと、前記多
    孔質部材を貫通して形成された通気孔を介して気体を送
    給することにより発熱手段を気体により冷却する空冷手
    段とを備えたことを特徴とする電子部品の熱圧着装置。
  2. 【請求項2】電子部品をワークに対して押圧しながら加
    熱することにより電子部品を前記ワークに熱圧着する電
    子部品の熱圧着方法であって、ワークに対して昇降する
    昇降ブロックに通気性を有する多孔質部材を介して装着
    された発熱手段によって前記電子部品に当接する熱圧着
    ツールを加熱する工程と、前記多孔質部材を貫通して形
    成された通気孔を介して気体を送給することにより発熱
    手段を気体により冷却する工程とを含むことを特徴とす
    る電子部品の熱圧着方法。
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