JP2004193414A - 不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法 - Google Patents

不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低電圧で、高速な高効率ホットエレクトロン書き込みが可能で、高性能な不揮発性半導体記憶装置を得ることを課題とする。
【解決手段】シリコン系基板と第1の電極(浮遊ゲート)間の絶縁膜が、シリコン系基板側から、シリコン系基板を窒化することにより得られる下部シリコン窒化膜と、この上に化学気相成長法により形成された上部シリコン窒化膜又は上部シリコン酸化膜の少なくとも2層からなり、下部シリコン窒化膜が、少なくとも一部に1010cm-2以上の面密度の希ガス原子を含有することにより上記課題を解決する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、電気的に情報の書き換えが可能な不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気的に情報の書き換えが可能な不揮発性半導体記憶装置の内、代表的なフラッシュメモリーについて説明する。フラッシュメモリーは、例えば図4に示すように、シリコン基板(半導体基板)1上に、第1の絶縁膜12、浮遊ゲート5となる第1のポリシリコン電極、酸化膜/窒化膜/酸化膜の積層体からなる第2の絶縁層13、制御ゲート10となる第2のポリシリコン電極とをこの順で有する。なお、図4には示していないが、浮遊ゲートの両端に対応するシリコン基板1の表面層には、ソース/ドレインが形成されている。また、図5に図4のフラッシュメモリーの等価回路図を示す。
【0003】
このフラッシュメモリーでは、第1の絶縁膜12を介してトンネル現象を利用して情報の書き換えを電子の放出・注入により行うため、第1の絶縁膜12はトンネル絶縁膜とも呼ばれる。第1の絶縁膜12は、通常、8〜20nm程度の膜厚を有する。
書き込み動作は、ドレインに4〜6Vの電圧、制御ゲートに10〜12Vの電圧を1μ秒〜5m秒印加することで行われる。この条件の下で、半導体基板のチャネル内の電子はドレインとソース間の電界により加速され、ホットエレクトロン(熱電子)となり、第1の絶縁膜12の禁制帯を飛び越えて、浮遊ゲート5に注入される。これにより、浮遊ゲート5が負に帯電し、制御ゲート10の閾値電圧が、3.5〜5.5Vと高い値になる。このようにして、書き込まれたプログラムが実行される。
【0004】
一方、消去動作では、制御ゲートに−6〜−8Vの電圧、ソースに4〜6Vの電圧を印加し、ドレインをフローティングにすることでおこなわれる。この条件の下で、ソースと浮遊ゲート5のオーバーラップ部分の第1の絶縁膜12を経由したトンネリング現象が生じる。そのため、浮遊ゲート内の電子がソース領域に引き抜かれた結果、消去動作が実行されると共に、閾値電圧が、1〜3Vと低い値になる。
また、特開2001−160555号公報(特許文献1)では、上記と同じ構造を有し、第1の絶縁膜12がラジカル窒化種により形成されたシリコン窒化膜のみで形成された不揮発性半導体記憶装置が記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−160555号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記ホットエレクトロン注入方式による書き込み速度は、この方式により浮遊ゲートに注入される電子のゲート電流Igにより決まる。Igは、電子温度モデルにより以下の式で与えられる。
【0007】
【数1】
Figure 2004193414
【0008】
ここで、C(Eox)は、注入確率に比例し、ドレイン・ゲート間のゲート絶縁膜にかかる電界Eoxに依存する関数である。Idはドレイン電流、φbはゲート絶縁膜の障壁高さ、kはボルツマン定数、Teは電子温度である。
このように、書き込み速度はホットエレクトロンの注入確率C(Eox)、ドレイン電流Id、ゲート絶縁膜の障壁高さφbで決まる。また、注入確率C(Eox)は、書き込み時の電界Eoxによりゲート絶縁膜の信頼性が律速されるため、フラッシュメモリーのセルの構造でほぼ決定される。
書き込み時のドレイン電流Idは、下記のように表される。
【0009】
【数2】
Figure 2004193414
【0010】
ドレイン電流もゲート絶縁膜に熱酸化シリコン膜を用いる限り、セルの構造でほぼ決定される。すなわち、W/L項のチャネル長Lは加工技術の微細化限度により律速される。チャネル幅Wを大きくするには、セルサイズの拡大が必要となり、微細化、低コスト化が主眼のフラッシュメモリーの目的に反する。シリコン基板上にゲート絶縁膜として熱酸化によるシリコン酸化膜を形成する限り、移動度μnは大きくは変わらず、また、ゲート絶縁膜の障壁高さもシリコン酸化膜を用いる限り一定である。
【0011】
このように、ホットエレクトロン注入方式による書き込みで、フラッシュメモリーを形成する場合、セルの微細化と書き込み速度の高速化を同時に実現することが困難であった。
また、特開2001−160555号公報に開示されているラジカル窒化種により形成されたシリコン窒化膜では、ラジカル窒化種により形成された窒化膜のSi−Nの結合が緻密であるほど窒化膜自身の窒化種の拡散に対するバリア性が高くなるため窒化種の反応面への輸送が阻害され、該窒化膜の成長が飽和する。このため、必要十分な膜厚を得ることが困難であった。
【0012】
【課題を解決するための手段】
かくして本発明によれば、シリコン系基板上に設けられた第1の絶縁膜と、第1の絶縁膜上に設けられた浮遊ゲートとしての第1の電極と、第1の電極上に設けられた第2の絶縁膜と、第2の絶縁膜を挟んで形成された制御ゲートとしての第2の電極とを備えた不揮発性半導体記憶装置であって、第1の絶縁膜が、シリコン系基板側から、シリコン系基板を窒化することにより得られる下部シリコン窒化膜と、この上に化学気相成長法により形成された上部シリコン窒化膜又は上部シリコン酸化膜の少なくとも2層からなり、下部シリコン窒化膜が、少なくとも一部に1010cm-2以上の面密度の希ガス元素を含有することを特徴とする不揮発性半導体記憶装置が提供される。
【0013】
また、本発明によれば、シリコン系基板上に設けられた第1の絶縁膜と、第1の絶縁膜上に設けられた浮遊ゲートとしての第1の電極と、第1の電極上に設けられた第2の絶縁膜と、第2の絶縁膜を挟んで形成された制御ゲートとしての第2の電極とを備えた構造の不揮発性半導体記憶装置の製造方法であって、第1の絶縁膜が、少なくとも一部に1010cm-2以上の面密度の希ガス元素を含有する下部シリコン窒化膜と、上部シリコン窒化膜又は上部シリコン酸化膜との少なくとも2層からなり、下部シリコン窒化膜が、窒素ガス又は窒素原子含有化合物ガスと希ガスを含む雰囲気中で、マイクロ波を導入してシリコン系基板を窒化することにより形成され、上部シリコン窒化膜又は上部シリコン酸化膜が化学気相成長法により形成されることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置の製造方法が提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の不揮発性半導体記憶装置は、シリコン系基板上に設けられた第1の絶縁膜と、第1の絶縁膜上に設けられた浮遊ゲートとしての第1の電極と、第1の電極上に設けられた第2の絶縁膜と、第2の絶縁膜を挟んで形成された制御ゲートとしての第2の電極とを備える。
シリコン系基板としては、特に限定されないが、例えばシリコン基板、シリコンゲルマニウム基板等が挙げられる。シリコン系基板は、浮遊ゲートを埋め込むためのトレンチを有していてもよい。
【0015】
本発明ではシリコン系基板と浮遊ゲート間の第1の絶縁膜が、シリコン系基板側から、シリコン系基板を窒化することにより得られる下部シリコン窒化膜と、この上に化学気相成長法により形成された上部シリコン窒化膜又は上部シリコン酸化膜の少なくとも2層からなる。
更に、下部シリコン窒化膜は、少なくとも一部に1010cm-2以上の面密度の希ガス元素を含有する。また、希ガス元素は、下部シリコン窒化膜の少なくとも一部に含まれていればよく、全面に含まれていてもよい。ここで、希ガス元素は、酸窒化に寄与するラジカル生成効率の観点から、Kr又はArであることが好ましい。なお、希ガス元素の面密度が1010cm-2未満である場合、シリコン窒化膜の化学量論的組成が理想から大きく外れ、シリコン窒化膜の生成レートが大幅に低下し、所望の性能を発揮できないので好ましくない。より好ましい面密度は、1010cm-2以上である。なお、面密度は、2次イオン質量分析計(SIMS)により測定し、希ガスの流量、DCバイアス、RFパワー、真空度等の製造条件を調整することにより所定の値に設定することができる。
希ガス元素を含む下部シリコン窒化膜の形成方法は、例えば、窒素ガス又は窒素原子含有化合物ガス及び希ガスを含む雰囲気中で、第1の電極に含まれるシリコン原子を窒化する方法が挙げられる。特に、マイクロ波により雰囲気ガスのプラズマを励起しつつ窒化することが好ましい。
【0016】
マイクロ波によるプラズマの励起手段としては、マイクロ波を処理室内に導入することができさえすれば特に限定されず公知の方法が使用できる。例えば、ラジアルラインスロットアンテナを用いたプラズマ装置が挙げられる。
ここで、窒素原子含有化合物ガスとしては、NH3が挙げられる。また、雰囲気中に、H2を含ませてもよい。
例えば、希ガスがKr、窒素原子含有化合物ガスがNH3の場合、雰囲気中の各ガスの流量比が、90〜99.9%/0.1〜10%(Kr/NH3)であることが好ましい。
供給するマイクロ波の周波数は、900MHz以上、10GHz以下の範囲であることが好ましい。
【0017】
特に、基板温度550℃以下(例えば、200〜550℃)の低温でマイクロ波励起の高密度プラズマを用いて下部シリコン窒化膜を形成することが好ましい。すなわち、シリコン系基板上に原子状窒化水素NH*(NHラジカルともいう)、あるいは原子状窒素N*(Nラジカルともいう)又はN2 +ラジカルと原子状水素H*(Hラジカルともいう)との混合窒化種によりシリコンを直接窒化することにより、1000℃程度の高温で(100)面方位を持つ単結晶Si上に形成したシリコン酸化膜と同等もしくは優れた耐リーク電流特性と、より優れたCharge−to−Breakdown特性を有する薄いシリコン窒化膜を550℃以下(例えば、400〜500℃)という低温で形成することができる。この方法で高品質なシリコン窒化膜をシリコン系基板上に成膜することにより、前述のように、シリコン系基板とシリコン窒化膜間の界面におけるシリコン系基板表面の粗さが大きく改善され、シリコン系基板表面の電子移動度を大幅に向上することができる。
【0018】
この電子移動度の向上により、上式(2)におけるドレイン電流Idを大幅に向上でき、その結果、上式(1)におけるチャンネルホットエレクトロンによるゲート電流Igを改善することができる。
また、シリコン系基板と浮遊ゲート間のゲート絶縁膜をシリコン酸化膜から、シリコン窒化膜に変更することにより、ゲート絶縁膜の電子に対する障壁高さφbを下げることができる。従って、上式(1)おけるチャンネルホットエレクトロンの浮遊ゲートへの注入確率を増加させることができる。その結果、ゲート電流Igを改善することができる。
【0019】
なお、絶縁膜の形成中において、窒素ガスもしくは窒素原子含有化合物ガスの流量比を変えることで、絶縁膜中の窒素濃度ピークを深さ方向に変化させることも可能である。
更に、下部シリコン窒化膜は、形成後、窒素ガス又は窒素原子含有化合物ガスと希ガスを含む雰囲気中で、マイクロ波によりプラズマを励起して形成された原子状窒素水素NH*もしくは原子状窒素N*及び原子状水素H*に曝すことが好ましい。これにより、低温で高品質なシリコン窒化膜を形成することができる。また、水素ガスを含む雰囲気中に曝してもよい。
【0020】
また、下部シリコン酸化膜は、形成後、酸素ガス又は酸素原子含有化合物ガスと希ガスを含む雰囲気中で、マイクロ波によりプラズマを励起して形成された原子状酸素O*に曝すことが好ましい。これにより、シリコン窒化膜/シリコン基板界面から脱離した水素を、更に後の工程で水素ラジカルあるいは水素分子によるアニール処理で補填することで、高温処理によるシリコン窒化膜特性の劣化を防止することができる。また、酸素ガスを含む雰囲気中に曝してもよい。
上記工程において、雰囲気ガスは上記下部シリコン窒化膜又は下部シリコン酸化膜の形成に使用したのと同じガスを使用することができる。供給するマイクロ波の周波数は、900MHz以上、10GHz以下の範囲であることが好ましい。更に、基板温度550℃以下(例えば、200〜550℃)の低温で行うことが好ましい。
【0021】
次に、浮遊ゲートは、第1の絶縁膜上に形成される。浮遊ゲートは、特に限定されず、例えば、アルミニウム、銅等の金属層、ポリシリコン層、高融点金属(チタン、タングステン等)のシリサイド層、これらの積層体が挙げられる。これら導電層からなる浮遊ゲート以外に、電荷保持層として機能し、電子トラップにて電子を蓄積する窒化膜を用いてもよい。
シリコン系基板にトレンチを形成した場合、浮遊ゲートは、トレンチ表面に第1の絶縁膜を形成し、トレンチ中に浮遊ゲート材料を埋め込み、化学機械研磨法によって電極材料からなる層を平坦化する方法で形成してもよい。
浮遊ゲート上には第2の絶縁膜が形成されている。第2の絶縁膜は、例えば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、それら膜の積層体等が挙げられる。
次に、浮遊ゲート上には第2の絶縁膜を挟んで制御ゲートとしての第2の電極が形成されている。制御ゲートは、特に限定されず、例えば、アルミニウム、銅等の金属層、ポリシリコン層、高融点金属(チタン、タングステン等)のシリサイド層、これらの積層体が挙げられる。
【0022】
また、不揮発性半導体記憶装置が、最上層に最終パッシベーション層を有する場合、下部シリコン窒化膜及び上部シリコン窒化膜又は上部シリコン酸化膜を、最終パッシベーション層を形成する前に、500℃以下(具体的には300〜450℃)の水素ラジカル雰囲気に曝すことが好ましい。この処理により、化学気相反応により形成した上部シリコン窒化膜又は上部シリコン酸化膜の組成や電気的特性を理想的なシリコン窒化膜又はシリコン酸化膜に近づけることができる。また、この処理により、下部シリコン窒化膜及び上部シリコン窒化膜又は上部シリコン酸化膜や下部シリコン窒化膜/シリコン基板界面から脱離した水素を補填することで、高温処理によるシリコン窒化膜又はシリコン酸化膜特性の劣化を防止することができる。
このように、第1の絶縁膜が、原子状窒素含有種(NH又はNラジカル)によるシリコン系基板の直接窒化と化学気相反応によるシリコン窒化膜又はシリコン酸化膜の2層構造であることにより、優れた界面特性と、広い適用膜厚範囲、短い成膜スループットを実現することが可能になる。
【0023】
【実施例】
実施例1
まず、プラズマを用いた低温での下部シリコン窒化膜の形成について述べる。図1は、本発明の窒化方法を実現するための、ラジアルラインスロットアンテナを用いた装置の1例を示す概略断面図である。
本実施例においては、窒化膜形成のためにKrを希ガスとして使用する。真空容器(処理室)21内を真空にし、シャワープレート22から、Krガス、NH3ガスを導入し処理室内の圧力を1Torr程度に設定する。シリコンウェーハ等の円形状の基板23を、加熱機構をもつ試料台24にのせ、試料の温度が400℃程度になるように設定する。
【0024】
同軸導波管25から、ラジアルラインスロットアンテナ26、誘電体板27をとおして、処理室21内に2.45GHzのマイクロ波を供給し、処理室21内に高密度のプラズマを生成する。シャワープレート22と基板23の間隔は本実施例では60mmにしてある。この間隔は狭いほうがより高速な成膜が可能になる。上記条件で形成されたシリコン窒化膜は、1010cm-2以上の面密度のKrを含んでいる。
このように、1010cm-2以上の面密度のKrを含むことがシリコン窒化膜の電気的特性、信頼性の改善に寄与している。具体的には、以下の理由により改善されると考えられる。
【0025】
まず、KrとNH3の混合ガスの高密度励起プラズマ中では、中間励起状態にあるKrラジカルにより、NHラジカルが効率よく発生する。このNHラジカルにより基板表面は窒化される。本実施例のシリコン窒化膜によれば、シリコンの面方位を選ばず、(100)面でも(111)面でも(110)面でも低温で高品質なシリコン窒化膜を形成することが可能になる。
【0026】
本発明のシリコン窒化膜においては、プラズマ中に水素ラジカルが存在することが一つの重要な要件である。プラズマ中に水素ラジカルが存在することにより、シリコン窒化膜及び界面のダングリングボンドが、Si−H、N−H結合を形成して終端され、その結果シリコン窒化膜及び界面の電子トラップがなくなる。Si−H結合、N−H結合が本発明のシリコン窒化膜に存在することは、それぞれ赤外吸収スペクトル、X線光電子分光スペクトルを測定することで確認されている。水素が存在することで、CV特性のヒステリシスもなくなる。また、シリコン・シリコン窒化膜界面密度も基板温度を500℃以上にすれば3×1010cm-1と低く抑えられる。
【0027】
また、上記手法によりシリコン窒化膜が形成されたシリコン基板表面では、シリコン窒化膜の界面における粗さが飛躍的に改善される。この手法を用いて形成されたシリコン窒化膜をゲート絶縁膜としたMOSFETのチャネル表面の電子移動度を通常の高温酸化雰囲気による熱酸化により形成したMOSFETとの比較結果を図6に示す。
【0028】
図6から、特にチャネル表面での散乱が顕著になる高電界側で、本手法によるシリコン窒化膜をゲート絶縁膜とした場合、大きく移動度が向上していることが判る。このように、本発明の方法によれば、シリコン窒化膜とシリコン基板の界面の平坦度は非常に優れているために、チャネル表面の荒さによる散乱を受けにくくなる。その結果、高移動度の電子により、前述式(2)における移動度μnが増加する。従って、高効率なホットエレクトロン注入が可能になり、高いホットエレクトロンのゲート電流Igが得られる。これにより、高速の書き込み動作が可能になる。
【0029】
また、ゲート電流すなわち書き込み速度を維持するようにドレイン・ソース間電圧を低減することが可能になり、これにより、書き込み動作の低電圧化を実現することができる。書き込み時のドレイン・ソース間電圧の低減は、NOR型セルにおけるビットライン間あるいは、隣接セルにおけるドレイン・ソース間の分離幅の縮小を可能にする。これにより、セルの微細化、ビット容量の大容量化を行うことができる。
なお、KrとN2/H2の混合ガスを使用してシリコン窒化膜を形成する場合には、水素ガスの分圧を0.5%以上とすることで、膜中の電子や正孔のトラップを急激に減少させることができる。この効果は、絶縁膜中にSi−H結合、N−H結合が形成されること、及びKrが含有されることにより実現できる。また、窒化膜中やシリコン/窒化膜界面でのストレスが緩和され、シリコン窒化膜中の固定電荷や界面順位密度が低減されて、電気的特性、信頼性が大幅に改善される。
【0030】
実施例2
本発明をフラッシュメモリーへ適用した第1の実施例を図2(a)〜(f)を用いて説明する。
まず、シリコン基板1上にウエルと素子分離領域2を形成し、活性領域上の絶縁膜を除去した後、フラッシュメモリーのトンネル絶縁膜となる下部シリコン窒化膜3を形成した(図2(a))。この下部シリコン窒化膜3は次のようにして形成する。
【0031】
すなわち、真空容器(処理室)内を真空にし、シャワープレートから、Krガス、N2ガス、H2ガスを導入し、処理室内の圧力を100mTorr程度、シリコン基板の温度が500℃になるように設定する。そして、同軸導波管から、ラジアルラインスロットアンテナ、誘電体板を通して、処理室内に、2.45GHzのマイクロ波を供給して、処理室内に導入ガスの高密度のプラズマを生成する。生成されたプラズマにより、シリコン基板表面に下部シリコン窒化膜3を1〜7nm程度形成する。この下部シリコン窒化膜3には、1010cm-2以上の面密度のKrが含まれている。
【0032】
しかしながら、この製膜工程のみでは、前述のシリコン窒化膜の緻密性により7nmより厚いシリコン窒化膜を製造することは困難である。フラッシュメモリーとして、十分な絶縁特性を有する膜厚を得るため、次に、下部シリコン窒化膜3の上に上部シリコン窒化膜4を形成する(図2(b))。これは次のように形成する。
【0033】
すなわち、処理室内を1Torr以下の低圧にし、シリコン基板を700〜800℃に加熱し、SiClH2ガスとNH3ガスを導入する。これらのガスが上記雰囲気で反応して、Si34が下部シリコン窒化膜3上に上部シリコン窒化膜4が5nm〜20nm程度堆積される。これは、上部シリコン窒化膜の化学気相反応による堆積方法の一例であり、Siの還元ガスと窒素系ガスの反応によりシリコン窒化膜を堆積させうる反応であれば本実施例に含まれることは言うまでもない。
更に、浮遊ゲートとなる第1の電極として、ポリシリコン層5aを100nm程度堆積させる(図2(c))。
【0034】
次に、リソグラフィーによって、浮遊ゲートの領域を画定し、更に、ドライエッチングによって、ポリシリコン層5aをエッチングすることにより、浮遊ゲート5を形成する(図2(d))。
次に、下部酸化膜6、窒化膜7、上部酸化膜8の3層からなる複合絶縁膜で構成される第2の絶縁膜9を形成する(図2(e))。
その後、不揮発性半導体記憶装置の制御ゲートとなる第2の電極材料としてポリシリコン層100nm程度を堆積する。更に、リソグラフィーにより、制御ゲートの領域を画定し、ドライエッチングにより、この電極材料をパターニングして制御ゲート10を形成する(図2(f))。これが、周辺回路領域では、MOSFETのゲート電極になる。
【0035】
更に、断面図からは省略しているが、MOSFETのソース/ドレインを形成した後、第1の層間絶縁膜を形成、フォトリソグラフィーと異方性ドライエッチングにより、コンタクト孔を形成する。この後、水素ラジカル雰囲気にて300〜500℃の雰囲気にてシリコン基板をアニールする。
更に、配線の形成、層間絶縁膜の形成を繰り返し、最終のパッシベーション膜を形成した後、ワイヤーボンディングパッドの開口部を形成することでフラッシュメモリーを得る。
【0036】
実施例3
本発明の別の実施例を図2(a)〜(f)に示す。
まず、シリコン基板1上にウエルと素子分離領域2を形成し、活性領域上の絶縁膜を除去した後、フラッシュメモリーのトンネル絶縁膜となる下部シリコン窒化膜3を形成する(図2(a))。この下部シリコン窒化膜3は次のようにして形成する。
すなわち、真空容器(処理室)内を真空にし、シャワープレートから、Krガス、N2ガス、H2ガスを導入し、処理室内の圧力を100mTorr程度、シリコン基板の温度が500℃になるように設定する。そして、同軸導波管から、ラジアルラインスロットアンテナ、誘電体板を通して、処理室内に、2.45GHzのマイクロ波を供給して、処理室内に導入ガスの高密度のプラズマを生成する。生成したプラズマにより、シリコン基板表面に下部シリコン窒化膜3を1〜7nm程度形成する。この下部シリコン窒化膜3には、1010cm-2以上の面密度のKrが含まれている。
【0037】
しかしながら、この製膜工程のみでは、前述のシリコン窒化膜の緻密性により7nmより厚いシリコン窒化膜を製造することは困難である。フラッシュメモリーとして、十分な絶縁特性を有する膜厚を得るため、次に、下部シリコン窒化膜3の上に上部シリコン窒化膜4を形成する(図2(b))。これは次のように形成する。
【0038】
すなわち、処理室内を1Torr以下の低圧にし、シリコン基板を700〜900℃に加熱し、SiClH2ガスとNH3ガスを導入する。これらのガスが上記雰囲気で反応して、Si34が下部シリコン窒化膜3上に上部シリコン窒化膜4が5nm〜20nm程度堆積される。これは、上部シリコン窒化膜の化学気相反応による堆積方法の一例であり、Siの還元ガスと窒素系ガスの反応によりシリコン窒化膜を堆積させうる反応であれば本実施例に含まれることは言うまでもない。その後、CVD法により堆積した上部シリコン窒化膜4の化学的組成と電気的特性を改善するために、H2もしくはH*(ラジカル)による雰囲気に曝す工程を挿入してもかまわない。
更に、浮遊ゲートとなる第1の電極として、ポリシリコン層5aを100nm程度堆積させる(図2(c))。
【0039】
次に、リソグラフィーによって、浮遊ゲートの領域を画定し、更に、ドライエッチングによって、ポリシリコン層5aをエッチングすることにより、浮遊ゲート5を形成する(図2(d))。
次に、下部酸化膜6、窒化膜7、上部酸化膜8の3層からなる複合絶縁膜で構成される第2の絶縁膜9を形成する(図2(e))。
その後、不揮発性半導体記憶装置の制御ゲートとなる第2の電極材料としてポリシリコン層100nm程度を堆積する。更に、リソグラフィーにより、制御ゲートの領域を画定し、ドライエッチングにより、第2の電極材料をパターニングして制御ゲート10を形成する(図2(f))。これが、周辺回路領域では、MOSFETのゲート電極になる。
【0040】
更に、断面図からは省略しているが、MOSFETのソース/ドレイン領域を形成した後、第1の層間絶縁膜を形成、フォトリソグラフィーと異方性ドライエッチングにより、コンタクト孔を形成する。この後、水素ラジカル雰囲気にて300〜500℃の雰囲気にてウェーハをアニールする。
更に、配線の形成、層間絶縁膜の形成を繰り返し、最終のパッシベーション膜を形成した後、ワイヤーボンディングパッドの開口部を形成することでフラッシュメモリーを得る。
【0041】
実施例4
本発明の別の実施例を図3(a)〜(f)に示す。
まず、シリコン基板1上にウエルと素子分離領域2を形成し、活性領域上の絶縁膜を除去した後、フラッシュメモリーのトンネル絶縁膜となる下部シリコン窒化膜3を形成する(図3(a))。この下部シリコン窒化膜3は次のようにして形成する。
すなわち、真空容器(処理室)内を真空にし、シャワープレートから、Krガス、N2ガス、H2ガスを導入し、処理室内の圧力を100mTorr程度、シリコン基板の温度が500℃になるように設定する。そして、同軸導波管から、ラジアルラインスロットアンテナ、誘電体板を通して、処理室内に、2.45GHzのマイクロ波を供給して、処理室内に導入ガスの高密度のプラズマを生成する。生成したプラズマにより、シリコン基板表面に下部シリコン窒化膜3を1〜7nm程度形成する。この下部シリコン窒化膜3には、1010cm-2以上の面密度のKrが含まれている。
【0042】
しかしながら、この製膜工程のみでは、前述のシリコン窒化膜の緻密性により7nmより厚いシリコン窒化膜を製造することは困難である。フラッシュメモリーとして、十分な絶縁特性を有する膜厚を得るため、次に、下部シリコン窒化膜3の上に上部シリコン窒化膜4を形成する(図3(b))。これは次のように形成する。
すなわち、処理室内を1Torr以下の低圧にし、シリコン基板を700〜900℃に加熱し、SiH4ガスとN2Oガスを導入する。これらのガスが上記雰囲気で反応して、上部シリコン酸化膜11が下部シリコン窒化膜5上に5nm〜10nm程度堆積される。これは、化学気相反応によるSiO2堆積方法の一例であり、Siの還元ガスと酸素系ガスの反応によりSiO2を堆積させる反応であれば本実施例に含まれることは言うまでもない。その後、CVD法により堆積した上部シリコン酸化膜11の化学的組成と電気的特性を改善するために、O2もしくはO*(ラジカル)による酸化雰囲気に曝す工程を挿入してもかまわない。
【0043】
更に、浮遊ゲートとなる第1の電極として、ポリシリコン層5aを100nm程度堆積させる(図3(c))。
次に、リソグラフィーによって、浮遊ゲートの領域を画定し、更に、ドライエッチングによって、ポリシリコン層5aをエッチングすることにより、浮遊ゲート5を形成する(図3(d))。
次に、下部酸化膜6、窒化膜7、上部酸化膜8の3層からなる複合絶縁膜で構成される第2の絶縁膜9を形成する(図3(e))。
その後、不揮発性半導体記憶装置の制御ゲートとなる第2の電極材料としてポリシリコン層100nm程度を堆積する。更に、リソグラフィーにより、制御ゲートの領域を画定し、ドライエッチングにより、第2の電極材料をパターニングして制御ゲート10を形成する(図3(f))。これが、周辺回路領域では、MOSFETのゲート電極になる。
【0044】
更に、断面図からは省略しているが、MOSFETのソース/ドレイン領域を形成した後、第1の層間絶縁膜を形成、フォトリソグラフィーと異方性ドライエッチングにより、コンタクト孔を形成する。この後、水素ラジカル雰囲気にて300〜500℃の雰囲気にてウェーハをアニールする。
更に、配線の形成、層間絶縁膜の形成を繰り返し、最終のパッシベーション膜を形成した後、ワイヤーボンディングパッドの開口部を形成することでフラッシュメモリーを得る。
【0045】
上記実施例2〜4から次のことがわかる。
まず、実施例2では、電子移動度を向上させることができるので上式(2)でのドレイン電流Idを大幅に向上でき、その結果、上式(1)におけるチャネルホットエレクトロンによるゲート電流Igを増加することができる。
更に、シリコン基板側の絶縁膜をシリコン窒化膜とすることで、ゲート絶縁膜の電子に対する障壁高さφbを下げることができる。その結果、上式(1)におけるチャネルホットエレクトロンの浮遊ゲートへの注入確率が増加するので、ゲート電流Igを増加することができる。
これら2つの効果により、チャンネルホットエレクトロン注入によるゲート電流が大幅に増加するので、書き込み速度を向上させることができる。
【0046】
また、実施例3では、実施例2と同様にしてシリコン基板上に上部及び下部シリコン窒化膜(第1の絶縁膜)を形成し、その後、水素ラジカルを含んだ雰囲気で同窒化膜をアニールすることにより、化学気相反応により形成したシリコン窒化膜の組成や電気的特性を理想的なシリコン窒化膜に近づけることができる。また、シリコン窒化膜の形成後の高温雰囲気により、シリコン窒化膜やシリコン窒化膜/シリコン界面から脱離した水素を、更に後の工程で水素ラジカルあるいは水素分子によるアニール処理で補填することで、高温処理によるシリコン窒化膜特性の劣化を防止することができる。
【0047】
このように、原子状窒化種によりシリコン基板を直接窒化した膜と化学気相反応によるシリコン窒化膜の2層構造をとることにより、優れた界面特性と、より広い適用膜厚範囲、短い成膜スループットを実現することが可能になる。
更に、実施例4では、実施例2と同様の方法でシリコン基板上に下部シリコン窒化膜を成膜した上に、更に、化学気相反応によって、上部シリコン酸化膜を堆積させる。その後、酸素ラジカルあるいは酸素分子を含んだ雰囲気でシリコン酸化膜をアニールすることにより、化学気相反応により形成したシリコン酸化膜の組成や電気的特性を理想的なシリコン酸化膜に近づけることができる。また、下部シリコン窒化膜の形成後の製造工程において曝されてしまう高温雰囲気により、下部シリコン窒化膜や下部シリコン窒化膜/シリコン基板界面から脱離した水素を、更に後の工程で水素ラジカルあるいは水素分子によるアニール処理で補填することで、高温処理によるシリコン窒化膜特性の劣化を防止することができる。
【0048】
このように、原子状窒化種によるシリコン基板の直接窒化と化学気相反応によるシリコン酸化膜の2層構造をとることにより、優れたシリコン基板−シリコン窒化膜間界面特性と、より広い適用膜厚範囲、短い成膜スループットに加えて、浮遊ゲートからの記憶保持電荷(電子)がゲート絶縁膜を経由してシリコン基板への漏れる電荷ロスに対する障壁高さを維持しながら、高効率のホットエレクトロン注入を実現することが可能になる。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、シリコン系基板と第1の電極(浮遊ゲート)間の絶縁膜が、シリコン系基板側から、シリコン系基板を窒化することにより得られる下部シリコン窒化膜と、この上に化学気相成長法により形成された上部シリコン窒化膜又は上部シリコン酸化膜の少なくとも2層からなり、下部シリコン窒化膜が、少なくとも一部に1010cm-2以上の面密度の希ガス原子を含有することで、低電圧で、高速な高効率ホットエレクトロン書き込みが可能で、高性能な不揮発性半導体記憶装置を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ラジアルスロットアンテナを用いたプラズマ装置の概略概念図である。
【図2】本発明の第1の実施例及び第2の実施例における製造工程の概略断面図である。
【図3】本発明の第3の実施例における製造工程の概略断面図である。
【図4】従来例におけるフラッシュメモリーの概略断面図である。
【図5】浮遊ゲートを有する不揮発性メモリーの簡略化した等価回路図である。
【図6】従来技術と本発明の不揮発性半導体記憶装置の電子移動度と垂直方向電界との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 シリコン基板
2 素子分離領域
3 下部シリコン窒化膜
4 上部シリコン窒化膜
5a ポリシリコン層
5 浮遊ゲート
6 下部酸化膜
7 窒化膜
8 上部酸化膜
9 第2の絶縁膜
10 制御ゲート
11 上部シリコン酸化膜
12 第1の絶縁膜
13 第2の絶縁膜
21 真空容器(処理室)
22 シャワープレート
23 基板
24 試料台
25 同軸導波管
26 ラジアルラインスロットアンテナ
27 誘電体板

Claims (9)

  1. シリコン系基板上に設けられた第1の絶縁膜と、第1の絶縁膜上に設けられた浮遊ゲートとしての第1の電極と、第1の電極上に設けられた第2の絶縁膜と、第2の絶縁膜を挟んで形成された制御ゲートとしての第2の電極とを備えた不揮発性半導体記憶装置であって、第1の絶縁膜が、シリコン系基板側から、シリコン系基板を窒化することにより得られる下部シリコン窒化膜と、この上に化学気相成長法により形成された上部シリコン窒化膜又は上部シリコン酸化膜の少なくとも2層からなり、下部シリコン窒化膜が、少なくとも一部に1010cm-2以上の面密度の希ガス元素を含有することを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
  2. 下部シリコン窒化膜が、窒素ガス又は窒素原子含有化合物ガスと希ガスを含む雰囲気中で、マイクロ波を導入して形成された膜である請求項1に記載の装置。
  3. 希ガス元素が、Kr又はArである請求項1に記載の装置。
  4. 窒素原子含有化合物ガスが、NH3である請求項2に記載の装置。
  5. シリコン系基板上に設けられた第1の絶縁膜と、第1の絶縁膜上に設けられた浮遊ゲートとしての第1の電極と、第1の電極上に設けられた第2の絶縁膜と、第2の絶縁膜を挟んで形成された制御ゲートとしての第2の電極とを備えた構造の不揮発性半導体記憶装置の製造方法であって、第1の絶縁膜が、少なくとも一部に1010cm-2以上の面密度の希ガス元素を含有する下部シリコン窒化膜と、上部シリコン窒化膜又は上部シリコン酸化膜との少なくとも2層からなり、下部シリコン窒化膜が、窒素ガス又は窒素原子含有化合物ガスと希ガスを含む雰囲気中で、マイクロ波を導入してシリコン系基板を窒化することにより形成され、上部シリコン窒化膜又は上部シリコン酸化膜が化学気相成長法により形成されることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
  6. 下部シリコン窒化膜が、窒素ガス又は窒素原子含有化合物ガスと希ガスを含む雰囲気中で、マイクロ波によりプラズマを励起して形成された原子状窒素水素NH*もしくは原子状窒素N*及び原子状水素H*に曝される請求項5に記載の製造方法。
  7. 不揮発性半導体記憶装置が、最上層に最終パッシベーション層を有し、下部シリコン窒化膜及び上部シリコン窒化膜又は下部シリコン酸化膜が、最終パッシベーション層を形成する前に、500℃以下の原子状水素H*雰囲気に曝される請求項5に記載の製造方法。
  8. 下部シリコン窒化膜と上部シリコン窒化膜又は上部シリコン酸化膜が、連続して形成される請求項5に記載の製造方法。
  9. 下部シリコン酸化膜が、酸素ガス又は酸素原子含有化合物ガスと希ガスを含む雰囲気中で、マイクロ波によりプラズマを励起して形成された原子状酸素O*に曝される請求項5に記載の製造方法。
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