JP2004193348A - レーザダイオード制御装置、制御用閾値決定方法及びレーザダイオード制御方法 - Google Patents

レーザダイオード制御装置、制御用閾値決定方法及びレーザダイオード制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】APC制御が発振することを防止できるレーザダイオード制御装置、制御用閾値決定方法及びレーザダイオード制御方法を提供すること。
【解決手段】本発明は、レーザダイオード16に供給するべき電流の値を所定の1ステップ調整することを停止するための閾値THlを、レーザダイオードに供給するべき電流の値を所定の1ステップ調整した場合のモニタ結果の変化量である特性変化量ΔIPDの半分より大きい値に決定し、モニタ結果とモニタ目標値IPD0との差Dの絶対値Dabが閾値より大きい場合にモニタ結果とモニタ目標値との差に応じてレーザダイオードに供給するべき電流の値を決定することを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザダイオード制御装置、制御用閾値決定方法及びレーザダイオード制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
レーザダイオード(以下、「LD」という)の光出力パワー及び消光比は温度によって変動するので、光出力パワー及び消光比を一定にするには制御が必要である。通常、LDはレーザ駆動回路から電流が供給されて発光する。そして、そのLDに供給される電流によりLDの光出力パワー及び消光比が決まる。従って、光出力パワー及び消光比を一定にするには、LDに供給するべき電流を制御すれば良い。このような制御は、Auto Power Control(以下、「APC制御」という)として知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
APC制御では、LDの後端面から出力される光の強度を受光素子でモニタし、そのモニタ結果とモニタ目標値との差に応じてLDに供給するべき電流の値を調整する。ここで、モニタ目標値とは、LDが前端面から目標とする強度の光を出力している場合にそのLDの後端面から出力されている光の強度を受光素子でモニタしたときのモニタ結果である。
【0004】
通常、APC制御では、モニタ結果がモニタ目標値に完全に一致しなくてもある一定の幅を許容しており、モニタ結果とモニタ目標値との差の絶対値が閾値より小さくなった場合に停止するようになっている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−196185号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、LD、レーザ駆動回路及び受光素子を含んで構成されるレーザモジュールによってはAPC制御が停止せずに発振する状態が生じる場合があった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、APC制御が発振することを防止できるレーザダイオード制御装置、制御用閾値決定方法及びレーザダイオード制御方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明者はAPC制御に関し鋭意研究を重ねて以下のことを見出した。
【0009】
通常、APC制御を停止するための閾値は、レーザダイオード、レーザ駆動回路及び受光素子を含んで構成される全てのレーザモジュールで一律に設定されていた。また、APC制御においてレーザダイオードに供給するべき電流の値を所定の1ステップ調整した場合のモニタ結果の変化量である特性変化量は、レーザモジュール毎に異なっていた。特性変化量がレーザモジュール毎に異なるのに対して閾値が全てのレーザモジュールで一律に設定されていると、特性変化量が閾値の2倍よりも大きくなる場合があった。そして、特性変化量が閾値の2倍よりも大きくなると、APC制御において供給するべき電流の値を所定の1ステップ調整した場合に、モニタ結果とモニタ目標値との差の絶対値が閾値より小さくならずに発振する。即ち、APC制御の発振は、レーザモジュール固有の特性変化量が、全てのレーザモジュールで一律に設定されている閾値の2倍よりも大きくなった場合に生じていた。
【0010】
そこで、上記課題を解決するために本発明に係るレーザダイオード制御装置は、レーザダイオードの光量のモニタ結果とモニタ目標値との差に応じてレーザダイオードに供給するべき電流の値を所定の1ステップずつ調整することでレーザダイオードの発光を制御するレーザダイオード制御装置であって、レーザダイオードに供給するべき電流の値を所定の1ステップ調整することを停止するための閾値を、レーザダイオードに供給するべき電流の値を所定の1ステップ調整した場合のモニタ結果の変化量である特性変化量の半分より大きい値に決定する閾値決定手段と、モニタ結果とモニタ目標値との差の絶対値が閾値より大きい場合には、モニタ結果とモニタ目標値との差に応じてレーザダイオードに供給するべき電流の値を決定する供給電流決定手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明のレーザダイオード制御方法は、レーザダイオードの光量のモニタ結果とモニタ目標値との差に応じてレーザダイオードに供給するべき電流の値を所定の1ステップずつ調整することでレーザダイオードの発光を制御する方法であって、レーザダイオードに供給するべき電流の値を所定の1ステップ調整することを停止するための閾値を、レーザダイオードに供給するべき電流の値を所定の1ステップ調整した場合のモニタ結果の変化量である特性変化量の半分より大きい値に決定し、モニタ結果とモニタ目標値との差の絶対値が閾値より大きい場合にモニタ結果とモニタ目標値との差に応じてレーザダイオードに供給するべき電流の値を決定することを特徴とする。
【0012】
上記の本発明に係るレーザダイオード制御装置及びレーザダイオード制御方法によれば、レーザダイオードに供給するべき電流の値を所定の1ステップ調整することを停止するための閾値が特性変化量の半分より大きい値に決定される。そして、モニタ結果とモニタ目標値との差の絶対値が閾値より大きい場合にモニタ結果とモニタ目標値との差に応じてレーザダイオードに供給するべき電流の値が決定される。閾値を特性変化量の半分より大きい値に決定しているので、供給するべき電流の値を所定の1ステップずつ調整することでモニタ結果とモニタ目標値との差の絶対値を閾値より小さくすることができる。
【0013】
また、本発明に係るレーザダイオード制御装置において、特性変化量を、基準レーザダイオードにおけるモニタ目標値と基準レーザダイオードにおける特性変化量とレーザダイオードのモニタ目標値とから算出することが好適である。
【0014】
また、本発明に係るレーザダイオード制御方法において、特性変化量を、基準レーザダイオードにおけるモニタ目標値と基準レーザダイオードにおける特性変化量とレーザダイオードにおけるモニタ目標値とから算出することが好適である。
【0015】
尚、基準レーザダイオードとは、特性変化量の測定を実施したレーザダイオードのことをいう。
【0016】
上記のような構成によれば、制御すべきレーザダイオード毎に特性変化量を基準レーザダイオードにおけるモニタ目標値と基準レーザダイオードにおける特性変化量とレーザダイオードにおけるモニタ目標値とから算出することができる。
【0017】
また、本発明に係る制御用閾値決定方法は、レーザダイオードの光量のモニタ結果とモニタ目標値との差に応じてレーザダイオードに供給するべき電流の値を所定の1ステップずつ調整することでレーザダイオードの発光を制御する方法に用いられる閾値を決定する方法であって、レーザダイオードに供給するべき電流の値を所定の1ステップ調整することを停止するための閾値を、レーザダイオードに供給するべき電流の値を所定の1ステップ調整した場合のモニタ結果の変化量である特性変化量の半分より大きい値に決定することを特徴とする。
【0018】
上記構成によれば、閾値は特性変化量の半分より大きい値に決定される。このように決定された閾値を用いてレーザダイオードを制御することで、モニタ結果とモニタ目標値との差の絶対値を閾値より小さくすることができる。
【0019】
また、本発明に係る制御用閾値決定方法において、特性変化量を、基準レーザダイオードにおけるモニタ目標値と基準レーザダイオードにおける特性変化量とレーザダイオードにおけるモニタ目標値とから算出することが好適である。
【0020】
このような構成により、制御すべきレーザダイオード毎に基準レーザダイオードにおけるモニタ目標値と基準レーザダイオードにおける特性変化量とレーザダイオードにおけるモニタ目標値とから算出することができる
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0022】
図1は、本実施形態に係るレーザダイオード制御装置10を含むレーザダイオード制御システム12の概略構成図である。レーザダイオード制御システム12は、レーザモジュール14とレーザダイオード制御装置10とから構成される。
【0023】
レーザモジュール14は、レーザダイオード(以下、「LD」という)16、LD16を駆動するレーザ駆動回路18及びLD16の光量をモニタするモニタ手段20を有する。
【0024】
LD16は、レーザ駆動回路18から供給電流Iが供給されて発光する。そして、その光量はモニタ手段20によりモニタされ、そのモニタ結果はLD16の光量に相当する光電流値IPDとして出力されるようになっている。モニタ手段20としては、例えば、フォトダイオード等が考えられる。
【0025】
図2は、LD16への供給電流IとLD16の光出力パワーPとの関係であるI−L特性及びその温度依存性の傾向を示すものである。図2において、横軸は電流Iの値を示し、縦軸はLD16の光出力パワーPの値を示す。I−L特性が示すように、供給電流Iが閾値電流ITHを越えるとLD16は発光するようになっている。光出力パワーの値がP1である光及び光出力パワーの値がP2である光のうちの一方をLD16が出力する場合を考える。尚、図2に示すようにP1はP2よりも大きいものとする。LD16の光出力パワーの値がP2である場合にLD16に供給する電流は、閾値電流ITHの値にマージンを加えたバイアス電流IBである。LD16の光出力パワーがP1である場合にLD16に供給する電流は、バイアス電流IBの値に変調電流IMの値を加えた電流である。また、P1とP2との差をΔPとすれば、消光比は、10×log10(ΔP/P2)である。尚、図2の曲線TMは常温でのI―L特性線、曲線TLは低温でのI−L特性線、曲線THは高温でのI−L特性線を夫々示すものである。
【0026】
図2から理解されるように、光出力パワー及び消光比を温度によらず一定にするには、温度変化に応じてバイアス電流IB及び変調電流IMを制御する必要がある。
【0027】
このようにバイアス電流IB及び変調電流IMを制御して、温度が変化してもLD16の光出力パワー及び消光比を一定に保つ制御がAPC制御である。
【0028】
次に図1を参照してレーザダイオード制御装置10について説明する。
【0029】
レーザダイオード制御装置10は、上述したAPC制御を行うものであり、A/Dコンバータ22、変数格納部24、格納部26、演算処理部28及びD/Aコンバータ30を有している。
【0030】
A/Dコンバータ22は、モニタ手段20から出力されたLD16の光量に相当する光電流値IPDをA/D変換して出力するものである。
【0031】
変数格納部24は、A/Dコンバータ22から出力された光電流値IPDを一時的に格納するものである。
【0032】
格納部26は、バイアス電流IBの値と変調電流IMの値との関係を示す関数fを特定するパラメータを格納するものである。パラメータは、関数fがn次関数の場合には、n+1個のパラメータX1〜Xn+1である。本実施形態では、関数fは、LD16の光出力パワー及び消光比を一定にするバイアス電流IBの値と変調電流IMの値との関係を示すものであり、変調電流IMの値をバイアス電流IBの値の関数とする。格納部26は、例えば、不揮発性メモリ等が考えられる。
【0033】
演算処理部28は、モニタ手段20によりモニタされたLD16の光量の光電流値IPDと関数fとに基づいて、LD16に供給するべきバイアス電流IBの値と変調電流IMの値とを算出することで決定する。即ち、演算処理部28は、供給電流決定手段として機能する。
【0034】
演算処理部28は、光電流値IPDとLD16のモニタ目標値IPD0との差Dの絶対値Dabが上側閾値THuより大きい場合にバイアス電流IBの値と変調電流IMの値との算出を開始する。また、演算処理部28は絶対値Dabが下側閾値THl以下になった場合にバイアス電流IBの値と変調電流IMの値とを算出することを停止する。
【0035】
また、演算処理部28は上記上側閾値THu及び下側閾値THlを決定する閾値決定手段としての機能も有する。演算処理部28は、上側閾値THu及び下側閾値THlを、
【0036】
ΔIPD/2<THl<THu<2ΔIPD・・・(式1)
の関係を満たす値に決定する。ここで、ΔIPDは、バイアス電流IBの値を1ステップ調整するために予め設定されている変化量ΔIB(所定の1ステップ)だけ変化させた場合の光電流値IPDの変化量である特性変化量である。本実施形態では、下側閾値THlが特性変化量ΔIPDに一致するように決定される。
【0037】
また、演算処理部28は、上側閾値THu及び下側閾値THlを決定するための上記特性変化量ΔIPDを算出する変化量算出手段としての機能も有する。即ち、演算処理部28は、特性変化量ΔIPDを次式から算出する。
【0038】
ΔIPD=ΔIPDS×IPD0/IPD0S・・・(式2)
【0039】
式2において、ΔIPDSは、LD16とは別のLDに対してバイアス電流IBの値を上述したΔIBだけ変化させて予め測定された特性変化量である。尚、特性変化量ΔIPDSの測定を実施したLDを基準LDという。IPD0Sは、基準LDのモニタ目標値である。上記のように特性変化量を算出できるのは、特性変化量がモニタ目標値に比例するからである。
【0040】
D/Aコンバータ30は、演算処理部28により算出されたバイアス電流IBの値と変調電流IMの値とをD/A変換して出力するものである。D/Aコンバータ30から出力されたバイアス電流IBの値と変調電流IMの値とは、レーザ駆動回路18に入力される。
【0041】
以下に、LD16の発光を制御する手順とともに、上側閾値THu及び下側閾値THlの決定方法及びLD16の発光の制御方法について図3を用いて説明する。尚、以下の説明において、LD16を最初に発光させる場合には、APC制御の状態を示すフラグは0にセットされているものとする。
【0042】
まず、演算処理部28は、特性変化量ΔIPDを基準LDの特性変化量ΔIPDSと基準LDのモニタ目標値IPD0SとLD16のモニタ目標値IPD0とから式2に基づいて算出する。(S100)。
【0043】
次に、演算処理部28は、S100で算出した特性変化量ΔIPDに応じて上側閾値THu及び下側閾値THlを、上述した式1の関係を満たす値に決定する。(S102)
【0044】
上記のようにして上側閾値THu及び下側閾値THlを決定した状態において、レーザ駆動回路18から供給電流として或るバイアス電流IBと変調電流IMとをLD16に供給してLD16を発光させる(S104)。
【0045】
LD16が発光すると、モニタ手段20はLD16の光量をモニタし、その光量に相当する光電流値IPDを出力する(S106)。モニタ手段20から出力された光電流値IPDは、A/Dコンバータ22でA/D変換されて変数格納部24に格納される(S108)。
【0046】
次に、演算処理部28が、変数格納部24に格納されている光電流値IPDを読み込む(S110)。そして、演算処理部28は、S110で読み込んだLD16の光量に相当する光電流値IPDと関数fとに基づいてLD16に供給するべきバイアス電流IBの値と変調電流IMの値とを算出する。
【0047】
以下、演算処理部28におけるバイアス電流IBの値及び変調電流IMの値の算出手順について説明する。
【0048】
まず、モニタ目標値IPD0と光電流値IPDとの差Dの絶対値Dabを算出する(S112)。そして、絶対値Dabが上側閾値THuよりも大きいか否かを判定する(S114)。
【0049】
ここで、絶対値Dabが上側閾値THuよりも大きい場合(S114で「Y」)について説明する。
【0050】
この場合、フラグを1に変更する(S116)。そして、光電流値IPDがモニタ目標値IPD0よりも大きいか否かを判定する(S118)。光電流値IPDがモニタ目標値IPD0よりも大きい場合(S118で「Y」)には、バイアス電流IBの値をΔIBだけ減少させる(S120)。一方、光電流値IPDがモニタ目標値IPD0よりも小さい場合(S118で「N」)には、バイアス電流IBの値をΔIBだけ増加させる(S122)。ここでは、ΔIBは正の値であるとする。そして、S120又はS122で算出されたバイアス電流IBの値と関数fとに基づいて、LD16に供給するべき変調電流IMの値を算出する(S124)。
【0051】
このようにして演算処理部28で算出されたバイアス電流IBの値及び変調電流IMの値はD/Aコンバータ30でD/A変換されレーザ駆動回路18に入力される。そして、レーザ駆動回路18は、D/Aコンバータ30から入力された値のバイアス電流IB及び変調電流IMをLD16に供給する(S126)。
【0052】
次に、絶対値Dabが上側閾値THuよりも大きくない、即ち、絶対値Dabが上側閾値THu以下である場合(S114で「N」)について説明する。
【0053】
この場合、まず、フラグが1か否かを判定する(S128)。フラグが1の場合(S128で「Y」)には、絶対値DabがAPC制御を停止するための下側閾値THlよりも大きいか否かを判定する(S130)。絶対値Dabが下側閾値THlよりも大きい場合(S130で「Y」)には、S118に移行する。絶対値Dabが下側閾値THl以下である場合(S130で「N」)には、フラグを0に変更し(S132)、S126に移行する。この場合、バイアス電流IB及び変調電流IMは調整されずにLD16に供給されることになる。
【0054】
上述のように本実施形態では、LD16の制御に用いる上側閾値THu及び下側閾値THlを特性変化量ΔIPDに応じて決定しているが、従来のレーザダイオード制御システムにおいては、全てのレーザモジュールに対して一律の上側閾値THu及び下側閾値THlが設定されていた。一般に特性変化量ΔIPDはレーザモジュール毎に異なるのでレーザモジュールによっては特性変化量ΔIPDが下側閾値THlの2倍より大きくなり、APC制御が発振する場合があった。
【0055】
図4は、特性変化量ΔIPDが下側閾値THlの2倍より大きいことでAPC制御が発振する場合の光電流値IPDとモニタ目標値IPD0との差Dが遷移する過程を模式的に示したものである。図4の縦軸は、光電流値IPDとモニタ目標値IPD0との差Dを示す。横軸は、APC制御における制御ステップの回数を示す。また、領域A1及び領域A2は光電流値IPDとモニタ目標値IPD0との差Dの絶対値Dabが上側閾値THuより大きい領域である。また、領域B1及び領域B2は差Dの絶対値Dabが下側閾値THlより大きく上側閾値THu以下の領域である。更に、領域C1及び領域C2は差Dの絶対値Dabが下側閾値THl以下の領域である。
【0056】
図4に示すように、APC制御によりバイアス電流IBの値を1回調整した場合、光電流値IPDとモニタ目標値IPD0との差Dは領域A1のD0から領域A1のD1に遷移する。このD0とD1との差が特性変化量ΔIPDに相当する。そして、バイアス電流IBの値を更に調整すると、差Dは領域B1のD2に遷移する。領域B1ではAPC制御は停止しないので、再度バイアス電流IBの値が調整される。この際、特性変化量ΔIPDが下側閾値THlの2倍よりも大きいので光電流値IPDとモニタ目標値IPD0との差Dは領域B2のD3に遷移する。特性変化量ΔIPDはLD16のAPC制御過程において一定であるから、これ以降バイアス電流IBの値を更に調整しても光電流値IPDとモニタ目標値IPD0との差Dは、図4に示すD3からD4及びD4からD5の遷移のように領域B1と領域B2との間を遷移する。このように光電流値IPDとモニタ目標値IPD0との差Dが制御ステップを重ねても領域C1又は領域C2に遷移しないので、APC制御は停止しない。
【0057】
本実施形態のレーザダイオード制御システム12における光電流値IPDとモニタ目標値IPD0との差Dの遷移過程の一例を図5に示す。本実施形態では、上述したように特性変化量ΔIPDは、LD16のモニタ目標値IPD0と基準LDの特性変化量ΔIPDSと基準LDのモニタ目標値IPD0Sとから算出されており、下側閾値THlは特性変化量ΔIPDに一致し且つ上側閾値THuは式1の関係を満たす値に決定されている。
【0058】
図5に示すように、APC制御によりバイアス電流IBの値を1回調整した場合、光電流値IPDとモニタ目標値IPD0との差Dは領域A1のD0から領域B1のD1に遷移する。そして、バイアス電流IBの値を更に調整すると、下側閾値THlが特性変化量ΔIPDの半分より大きいので、光電流値IPDとモニタ目標値IPD0との差Dは領域B1のD1から領域C2のD2に遷移する。光電流値IPDとモニタ目標値IPD0との差Dが領域C2に遷移するとAPC制御は停止する。従って、APC制御は発振しない。
【0059】
APC制御開始時に光電流値IPDとモニタ目標値IPD0との差Dが領域A1にある場合、APC制御によりバイアス電流IBが調整される。上側閾値THuは式1の関係を満たしており且つ下側閾値THlが特性変化量ΔIPDに等しいことから、差Dは図5の領域A1から領域A2、領域B2又は領域C2への遷移は生じない。従って、バイアス電流IBの調整により、差Dは領域A1から領域A1、領域B1又は領域C1に遷移する。領域A1から領域A1へ遷移している場合は、APC制御の制御ステップが繰り返されて、差Dは領域A1中で領域B1側に遷移する。そして、領域A1から領域B1又は領域C1への遷移が生じる。
【0060】
差Dが領域A1から領域B1に遷移した場合、領域B1ではAPC制御は停止しないので、更にバイアス電流IBが調整される。下側閾値THlは特性変化量ΔIPDに等しく上側閾値THuは下側閾値THlよりも大きいことから、領域B1からは常に領域C1に遷移する。従って、APC制御は停止する。
【0061】
また、差Dが領域A1から領域C1に遷移すると、APC制御は停止する。
【0062】
上記考察はAPC制御開始時の光電流値IPDとモニタ目標値IPD0との差Dが領域A1にある場合であるが、APC制御開始時の差Dが領域B1にある場合は、上記の考察において差Dが領域B1に遷移した後の遷移過程と同様である。即ち、バイアス電流IBが調整されると差Dは領域C1に遷移する。更に、APC制御開始時に差Dが領域A2又は領域B2にある場合も差Dが領域A1又は領域B1にある場合と同様であって、制御ステップを重ねることで領域C2に遷移する。即ちAPC制御は発振することなく確実に停止する。
【0063】
本実施形態では、上述したように下側閾値THlが特性変化量ΔIPDに一致しており、上側閾値THuが特性変化量ΔIPDの2倍より小さい値に設定されているので、少ない制御ステップ回数で下側閾値THl以下になる可能性が高く、早くLD16の光量を安定させることができる。
【0064】
また、演算処理部28で、特性変化量ΔIPDをLD16のモニタ目標値IPD0と基準LDのモニタ目標値IPD0Sと基準LDの特性変化量ΔIPDSとから算出しているので特性変化量ΔIPDをレーザモジュール毎に測定する必要や別途入力する必要がない。
【0065】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。例えば、上記実施形態では、バイアス電流IBの値及び変調電流IMの値を調整するために関数fを用いているが、あるLDに対して光電流値IPDが下側閾値THl以下となるバイアス電流IBの値及び変調電流IMの値を予め数種類の温度で測定し、その結果を用いても良い。この場合、その測定結果をルックアップテーブルとして格納部に格納しておき、光電流値IPDとモニタ目標値IPD0との差Dの絶対値Dabに応じてルックアップテーブルからバイアス電流IBの値及び変調電流IMの値を読み出せば良い。このようにルックアップテーブルを用いる場合には、所定の1ステップとしては、ルックアップテーブルの読み出す位置を1つずらすことにすれば良い。
【0066】
また、上記実施形態では、下側閾値THlを特性変化量ΔIPDに一致するように決定しているが、式1の関係を満たす値に決定されていれば良い。尚、下側閾値THlが特性変化量ΔIPDに一致しない場合、上記実施形態における光電流値IPDとモニタ目標値IPD0との差Dの遷移過程の考察において、領域A1及び領域B1からの遷移先として領域C2が更に考えられる。ただし領域C2ではAPC制御は停止する。従って、下側閾値THlが特性変化量ΔIPDに一致しない場合であっても式1の関係を満たしていれば確実にAPC制御は停止する。
【0067】
更に、上側閾値THuの上限を特性変化量ΔIPDの2倍としているが必ずしも特性変化量ΔIPDの2倍に限らなくても良い。例えば、上側閾値THuの上限をモニタ目標値における許容可能な最大値とモニタ目標値との差の絶対値に設定しても良い。
【0068】
更にまた、上記実施形態では、下側閾値THlと上側閾値THuとの2つの閾値を用いているが、例えば下側閾値だけであっても良い。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、レーザダイオードに供給するべき電流の値を所定の1ステップ調整することを停止するための閾値が、特性変化量の半分より大きい値に決定される。そして、モニタ結果とモニタ目標値との差の絶対値が上記閾値より大きい場合に供給するべき電流の値を所定の1ステップずつ調整して、その供給するべき電流の値を決定することでモニタ結果とモニタ目標値との差の絶対値を閾値より小さくすることができ、APC制御が発振することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るレーザダイオード制御装置を適用したレーザダイオード制御システムの概略構成図である。
【図2】レーザダイオードのI−L特性及び温度依存性を示す図である。
【図3】レーザダイオードの発光の制御に係る手順を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図4】従来のレーザダイオード制御システムにおけるAPC制御の発振過程の一例を示す図である。
【図5】本実施形態のレーザダイオード制御システムにおけるAPC制御の一例を示す図である。
【符号の説明】
10…レーザダイオード制御装置、12…レーザダイオード制御システム、14…レーザモジュール、16…レーザダイオード、18…レーザ駆動回路、20…モニタ手段、22…A/Dコンバータ、24…変数格納部、26…格納部、28…演算処理部(供給電流決定手段、閾値決定手段、変化量算出手段)、30…D/Aコンバータ

Claims (6)

  1. レーザダイオードの光量のモニタ結果とモニタ目標値との差に応じて前記レーザダイオードに供給するべき電流の値を所定の1ステップずつ調整することで前記レーザダイオードの発光を制御するレーザダイオード制御装置において、
    前記レーザダイオードに供給するべき電流の値を前記所定の1ステップ調整することを停止するための閾値を、前記レーザダイオードに供給するべき電流の値を前記所定の1ステップ調整した場合の前記モニタ結果の変化量である特性変化量の半分より大きい値に決定する閾値決定手段と、
    前記モニタ結果と前記モニタ目標値との差の絶対値が前記閾値より大きい場合には、前記モニタ結果と前記モニタ目標値との差に応じて前記レーザダイオードに供給するべき電流の値を決定する供給電流決定手段と
    を備えることを特徴とするレーザダイオード制御装置。
  2. 前記特性変化量を、基準レーザダイオードにおけるモニタ目標値と前記基準レーザダイオードにおける特性変化量と前記レーザダイオードにおける前記モニタ目標値とから算出することを特徴とする請求項1記載のレーザダイオード制御装置。
  3. レーザダイオードの光量のモニタ結果とモニタ目標値との差に応じて前記レーザダイオードに供給するべき電流の値を所定の1ステップずつ調整することで前記レーザダイオードの発光を制御する方法に用いられる閾値を決定する方法であって、
    前記レーザダイオードに供給するべき電流の値を前記所定の1ステップ調整することを停止するための閾値を、前記レーザダイオードに供給するべき電流の値を前記所定の1ステップ調整した場合の前記モニタ結果の変化量である特性変化量の半分より大きい値に決定することを特徴とする制御用閾値決定方法。
  4. 前記特性変化量を、基準レーザダイオードにおけるモニタ目標値と前記基準レーザダイオードにおける特性変化量と前記レーザダイオードにおける前記モニタ目標値とから算出することを特徴とする請求項3記載の制御用閾値決定方法。
  5. レーザダイオードの光量のモニタ結果とモニタ目標値との差に応じて前記レーザダイオードに供給するべき電流の値を所定の1ステップずつ調整することで前記レーザダイオードの発光を制御する方法において、
    前記レーザダイオードに供給するべき電流の値を前記所定の1ステップ調整することを停止するための閾値を、前記レーザダイオードに供給するべき電流の値を前記所定の1ステップ調整した場合の前記モニタ結果の変化量である特性変化量の半分より大きい値に決定し、前記モニタ結果と前記モニタ目標値との差の絶対値が前記閾値より大きい場合に前記モニタ結果と前記モニタ目標値との差に応じて前記レーザダイオードに供給するべき電流の値を決定することを特徴とするレーザダイオード制御方法。
  6. 前記特性変化量を、基準レーザダイオードにおけるモニタ目標値と前記基準レーザダイオードにおける特性変化量と前記レーザダイオードにおける前記モニタ目標値とから算出することを特徴とする請求項5記載のレーザダイオード制御方法。
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JP2009513031A (ja) * 2005-11-21 2009-03-26 インテル・コーポレーション 半導体レーザの光パワーおよび消光比の制御

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