JP2005317989A - 半導体レーザ駆動回路 - Google Patents

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和弘 崎野
Tsuneo Sawasumi
庸生 澤住
Atsushi Oishi
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Abstract

【課題】 光量0付近の極低光量でも高速で安定した変調応答性を実現可能な半導体レーザ駆動回路を提供すること。
【解決手段】 半導体レーザの発光量の検出信号を負帰還し光量指令信号と比較することにより前記半導体レーザLDを駆動制御する半導体レーザ駆動回路において、前記発光量の検出信号と光量指令信号との差信号を入力して半導体レーザLDに線形な駆動電流を出力する線形回路2と非線形な駆動電流を出力する非線形回路3、4との2重の負帰還ループを構成すると共に、前記光量指令信号を所定値でクリップし、その信号を前記非線形回路3、4の信号線路の途中に加算することを特徴とする。
【選択図】 図4

Description

本発明は、光走査記録装置や光通信装置に用いられる半導体レーザを駆動する駆動回路、特に半導体レーザの発光量を負帰還し光量指令信号と比較することにより該発光量を制御するようにした半導体レーザ駆動回路に関する。
従来より、例えば、光走査記録装置において、半導体レーザから発生する光ビームを感光性記録材料上で走査し、該記録材料にデータの記録を行う装置等が実用化されており、また、光通信装置においても、半導体レーザの光出力を変調した光信号を光ファイバーを介して伝送する装置等が広く使用されている。
これら光走査記録装置や光通信装置等で使用される半導体レーザは、駆動電流を変化させることによって、半導体レーザから発生する光出力を直接変調することが可能である。この駆動電流を制御する回路は、通常、光量指令信号によって設定される所望の光出力が半導体レーザから正確に発生するように、APC(Automatic Power Control)回路を設けて光出力を安定にするような制御を行うことが多い。従来のAPC回路は、半導体レーザの前方出射光若しくは後方出射光の一部を分岐させたモニタ光の光量を検出し、該発光量と前記光量指令信号が示す設定光量との差を解消する方向に半導体レーザの駆動電流を負帰還制御するように構成されている。
ところで、図13は、半導体レーザの駆動電流として直流電流を流した時の電流レベルと光出力との関係を示す図である。駆動電流のレベルがIthよりも小さいと、駆動電流量の増加に対して光出力のパワーは非線形に緩やかに増加し、駆動電流のレベルがIthを越えると駆動電流量の増加に対して光出力のパワーは略線形に比例して増加する。半導体レーザの注入電流量と光出力はレーザー発光領域では略線形な関係で、自然発光領域では非線形な関係であり、電流量Ithが閾値となる。
また、図14は半導体レーザの駆動電流と微分量子効率の関係を示す図である。半導体レーザの駆動電流と光出力の関係は、駆動電流がIthを越えるとリニアな関係であり、つまり駆動電流がIthを越えると微分量子効率は半導体レーザの駆動電流のレベルに関わらずに一定値をとる。一方、駆動電流がIthを下回るときは、微分量子効率は駆動電流の増加に従って増加する。
このように半導体レーザは、閾値以下の自然発光領域と閾値以上のレーザ発光領域とで駆動電流量に対する光出力の増加率が異なる。広範囲に光出力を変化させて半導体レーザを用いるためには、駆動電流に対する光出力特性が線形であるレーザ発光領域だけでなく、自然発光領域でも半導体レーザを使用する必要があるが、自然発光領域では駆動電流の変化に対する光出力変化が小さく、そのためこの領域での光変調応答性が悪くなり、例えば半導体レーザによって感光材料に画像形成する場合には、その画像鮮鋭性が劣化する問題がある。
かかる問題に対処するため、所定値以上の信号を抑える信号制限回路及び信号の高周波成分を抽出するハイパスフィルタに光量指令信号を入力して補償信号を作成し、該補償信号を光量指令信号に加えることによって、低光量領域での変調応答性の向上を図るようにした技術(例えば、特許文献1参照)や、APC回路における閉ループ回路のループゲインを光量指令信号に基づいて一定に制御することによって、低光量領域での変調応答性の向上を図るようにした技術(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
しかし、前者にあっては、補償信号をAPC回路のループ外から光量指令信号に重畳して付加するため、オープンループでの補正となり、半導体レーザの温度による特性変化で変調応答性が変動する問題があった。これは半導体レーザによって感光材料に画像形成する場合には、画像鮮鋭性の変動となって現れる。
一方、後者にあっては、光量指令信号に自然発光領域の信号成分とレーザ発光領域の信号成分が同時に含まれる場合、例えばステップ状光量指令信号が入力された場合、ループゲインが実際の発光量に適正なゲインに制御されず、発振若しくは応答性劣化が生じる可能性があった。
このため本発明者は、自然発光領域からレーザ発光領域までの全領域に亘って高速且つ安定な光変調を実現するために、図15に示すように、半導体レーザLDの発光領域を線形なレーザ発光領域と非線形な自然発光領域とに分け、レーザ発光領域に対応する微分量子効率の逆特性を得るための線形ゲインフィッティング回路101と、自然発光領域に対応する微分量子効率の逆特性を得るための非線形ゲインフィッティング回路102とで構成したゲインフィッティング回路100をAPC回路の閉ループ内に有することにより、半導体レーザLDから出射するレーザ光の一部をフォトダイオードPDで受光し、電流/電圧変換回路200により電圧変換して発光量検出信号として誤差演算部300に入力し、該誤差演算部300において光量指令信号と前記発光量検出信号との差信号を、上記線形ゲインフィッティング回路101と上記非線形ゲインフィッティング回路102によりそれぞれ処理し、それを電圧/電流変換回路111、112を介して加算した駆動電流として半導体レーザLDに供給するという2重の負帰還ループで形成した駆動回路を提案し、これにより全領域に亘って応答特性を向上させるように努めている(特許文献3参照)。なお、図中、400は半導体レーザLDの温度特性を補償するための温度補償信号を作成し、ゲインフィッティング回路100へ出力するための温度補償回路である。
特開平2−211683号公報 特開昭63−204522号公報 特開平10−200179号公報
しかし、上記のように半導体レーザLDの駆動回路に2重の負帰還ループを形成しても、かなりの低光量では、非線形ゲインフィッティング回路102のゲイン特性と半導体レーザのゲイン特性が合致しにくくなり、やはり変調応答性が劣化してくる問題が見られることがわかった。
また、半導体レーザLDはその種類毎に微分量子効率の特性が異なるため、ゲインフィッティング回路100を半導体レーザLDの種類毎にそれぞれ対応する回路構成に変更したり、回路定数を調整してやる必要がある。また、新規の半導体レーザLDの特性を実現するために非常に手間がかかる上に、半導体レーザLDの微分量子効率の特性によっては非常に合わせ難いものもある。半導体レーザLDの微分量子効率の逆特性が一致しないと、光変調応答性が悪くなり、変調性能の劣化を生じる結果となる。
一方、かかる半導体レーザは過大発光等が原因となってレーザ出射端面破壊(劣化)が発生し故障を起こすことが知られている。このため、従来では半導体レーザの駆動電流をモニターすることにより、過大電流発生時に異常判定を行い、過大電流の流入を制限して故障防止を図るようにしたり、半導体レーザを定電流駆動した状態で出射光をモニターし、規格値(初期値)以上の発光量が得られているかどうかをチェックすることにより半導体レーザの故障発生を検知するようにしている。
しかし、この端面破壊は半導体レーザの前方端面及び後方端面のいずれでも発生するため、APC回路による制御時に該APC回路により発光量を検出している半導体レーザの出射端面と相対する逆側の端面が劣化すると、出射光量はAPC回路により一定値に制御されても、それと相対する端面の劣化は検出できずに故障状態が進行してしまう。この状況下でAPC回路により発光量を検出している半導体レーザの出射端面が劣化すると、該APC回路の作動により出射光が低下しないように制御が働き、過大電流が流れて急激に半導体レーザの故障が進行する事態を招く。
本発明は、叙上の半導体レーザ駆動回路に見られる諸事情に鑑みなされたもので、本発明の第一の課題は、光量0付近の極低光量でも高速で安定した変調応答性を実現可能な半導体レーザ駆動回路を提供することにある。
また、本発明の第二の課題は、半導体レーザの自然発光領域からレーザ発光領域までの全領域に亘って光量安定性・変調応答性に優れる半導体レーザ駆動回路を提供することにある。
更に、本発明の第三の課題は、簡易な構成により早期且つ確実に半導体レーザの故障を検知することのできる半導体レーザ駆動回路を提供することにある。
上記第一の課題を解決するための発明は、半導体レーザの発光量の検出信号を負帰還し光量指令信号と比較することにより前記半導体レーザを駆動制御する半導体レーザ駆動回路において、前記発光量の検出信号と光量指令信号との差信号を入力して半導体レーザに線形な駆動電流を出力する線形回路と非線形な駆動電流を出力する非線形回路との2重の負帰還ループを構成すると共に、前記光量指令信号を所定値でクリップし、その信号を前記非線形回路の信号線路の途中に加算することを特徴とする半導体レーザ駆動回路である。
前記所定値は、使用最低温度での半導体レーザの閾値に相当する光量レベルであることを特徴とする半導体レーザ駆動回路である。
更に、上記第一の課題を解決するための発明は、半導体レーザの発光量の検出信号を負帰還し、光量指令信号と比較することにより前記半導体レーザを駆動制御する半導体レーザ駆動回路において、前記発光量の検出信号と光量指令信号との差信号を入力して半導体レーザに線形な駆動電流を出力する線形回路と非線形な駆動電流を出力する非線形回路との2重の負帰還ループを構成すると共に、前記光量指令信号を所定値でクリップし、その信号を前記非線形回路の信号線路の途中に加算すると共に、前記所定値までは負帰還が働かないように光量指令信号に補償電圧を加算することを特徴とする半導体レーザ駆動回路である。
前記負帰還ループ内の線形回路及び非線形回路は非負であることを特徴とする半導体レーザ駆動回路である。
前記所定値は、使用最低温度での半導体レーザの閾値に相当する光量レベルであることを特徴とする半導体レーザ駆動回路である。
上記第二の課題を解決するための請求項1記載の発明は、半導体レーザの発光量の検出信号を負帰還し光量指令信号と比較することにより前記半導体レーザを駆動制御する半導体レーザ駆動回路において、前記半導体レーザの発光量と光量指令信号との差信号を形成すると共に、ルックアップテーブルを用いて構成してなる半導体レーザの微分量子効率の逆特性を持つ回路に前記差信号を入力することにより半導体レーザを駆動する信号を得ることを特徴とする半導体レーザ駆動回路である。
請求項2記載の発明は、前記微分量子効率の逆特性のうち、線形な領域を線形ゲインフィッティング回路を用い、非線形な領域をルックアップテーブルを用いて構成することを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ駆動回路である。
請求項3記載の発明は、前記光量指令信号としてデジタル信号を入力することを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ駆動回路である。
請求項4記載の発明は、半導体レーザの温度特性を補償するための半導体レーザの温度を測定する手段と、前記手段により測定された温度に応じて半導体レーザの温度特性を補償する温度補償信号を作成する手段と、を有し、前記温度補償信号により半導体レーザの温度補償を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の半導体レーザ駆動回路である。
更に、上記第二の課題を解決するための請求項5記載の発明は、半導体レーザの発光量の検出信号を負帰還し、光量指令信号と比較することにより前記半導体レーザを駆動制御する半導体レーザ駆動回路において、前記半導体レーザの発光量と光量指令信号との差信号を形成すると共に、前記半導体レーザと同型の半導体チップ及び除算回路により構成してなる半導体レーザの微分量子効率の逆特性を持つ回路に前記差信号を入力することにより半導体レーザを駆動する信号を得ることを特徴とする半導体レーザ駆動回路である。
上記第三の課題を解決するための請求項6記載の発明は、半導体レーザの発光量の検出信号を負帰還し、光量指令信号と比較することにより前記半導体レーザを駆動制御する半導体レーザ駆動回路において、前記半導体レーザの発光量を検出するための半導体レーザの出射端面と相対する端面から出射する出射光の発光量を検出し、前記半導体レーザの両端面の発光量検出信号の差若しくは比を算出し、その結果が設定範囲外の場合に異常判定信号を出力することを特徴とする半導体レーザ駆動回路である。
請求項7記載の発明は、前記異常判定信号の出力により半導体レーザへの駆動電流を一定値以上流さないように制限する回路を付加したことを特徴とする請求項6記載の半導体レーザ駆動回路である。
更に、上記第三の課題を解決するための請求項8記載の発明は、半導体レーザの発光量の検出信号を負帰還し光量指令信号と比較することにより前記半導体レーザを駆動制御する半導体レーザ駆動回路において、前記半導体レーザの発光量を検出するための半導体レーザの出射端面と相対する端面から出射する出射光の発光量を検出し、前記半導体レーザの両端面の発光量検出信号のそれぞれと半導体レーザの駆動電流とを比較し、その結果が設定範囲外の場合に異常判定信号を出力することを特徴とする半導体レーザ駆動回路である。
請求項9記載の発明は、前記異常判定信号の出力により半導体レーザへの駆動電流を一定値以上流さないように制限する回路を付加したことを特徴とする請求項8記載の半導体レーザ駆動回路である。
請求項1〜5の発明により、半導体レーザの自然発光領域からレーザ発光領域までの全領域に亘って光量安定性・変調応答性に優れる半導体レーザ駆動回路を提供することができる。
請求項6〜9記載の発明により、簡易な構成により早期且つ確実に半導体レーザの故障を検知することのできる半導体レーザ駆動回路を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
図1は、半導体レーザ駆動回路の実施の形態の一例を示す構成ブロック図である。
同図に示すように、半導体レーザLDから出射したレーザ光の一部は、発光量を検出するためのフォトダイオードPDによって受光され、電流/電圧変換回路1を経て電圧変換されて発光量検出信号として誤差演算部2に入力される。誤差演算部2では、上記半導体レーザLDの規格値に基づいて予め設定された光量指令信号との差信号が取り出され、ゲインフィッティング回路を構成している線形回路3及び非線形回路4に入力される。
線形回路3は、図13の半導体レーザの電流レベルと光出力との関係に示す半導体レーザLDの閾値(電流量Ithでの値)以上の領域の駆動を受け持ち、上記差信号の入力に対応して線形な駆動電流を出力する回路であり、線形アンプ3aと電圧/電流変換回路3bとを有して構成されている。
非線形回路4は、図13の半導体レーザの電流レベルと光出力との関係に示す閾値(電流量Ithでの値)以下の領域の駆動を主として受け持ち、上記差信号の入力に対応して非線形な駆動電流を出力する回路であり、第一の非線形アンプ4aと、該第一の非線形アンプ4aの出力側に第二の非線形アンプ4bと、該第二の非線形アンプ4bの出力側に電圧/電流変換回路4cとを有して構成されている。
第一の非線形アンプ4aは、上記閾値よりも低い領域の半導体レーザLDの微分ゲイン(図14)の変化に対応し、その逆特性を得るものであり、比較的緩やかにゲインを減少させるように機能する。
また、第二の非線形アンプ4bは、上記閾値付近(但し、閾値を越えない)の半導体レーザLDの微分ゲイン(図14)の逆特性を得るものである。この閾値以上の領域の駆動は上記線形アンプ3が受け持つため、この第二の非線形アンプ4bでは、閾値に向けてゲインを急峻に減少させ、ゲイン0に落ち込むように機能する。
非線形回路4は、これら第一及び第二の非線形アンプ4a、4bにより、半導体レーザLDの閾値以下の領域において、微分ゲインの逆特性を持った回路で最大駆動電流が半導体レーザLDの閾値電流にクリップされる動作を行う。
温度補償回路5は、半導体レーザLDの温度特性を補償するため、該半導体レーザLDの温度を測定する手段(図示せず)を有し、その測定温度に応じて半導体レーザLDの温度特性を補償する信号を作成し、上記第一の非線形アンプ4a及び第二の非線形アンプ4bに出力する。半導体レーザLDは温度により閾値の電流量が変化するのに対応して、非線形回路4の閾値に対応する最大駆動電流量を変化させるように機能する。これにより、非線形回路4の出力は、上記誤差演算部2からの差信号と半導体レーザLDの温度に応じてコントロールされる。
図中、6はクリップ回路であり、光量指令信号が誤差演算部2に入力される前に、アンプ7を介してクリップ回路6にも入力されるようになっている。一般に半導体レーザLDは、図2に示すように、温度状態により電流−光量特性(IP特性)が変化するが、該IP特性は、レーザ発光領域においては温度状態の変化に応じて特性が大きく変動する(領域B)のに比べ、光量が低い自然発光領域においては温度状態が変化してもほぼ同じ特性(領域A)であり、多くは線形な特性を維持するため、電流と光量との関係はほぼ一対一の関係にある。従って、かかる領域Aのような低光量領域は、光量指令信号を上記線形回路3及び非線形回路4からなる負帰還ループにかけて半導体レーザLDの駆動電流を制御するよりも、オープンループで駆動電流を制御する方が高速な応答性が実現できる。
このため、上記クリップ回路6は、所定値、具体的には使用最低温度での半導体レーザLDの自然発光領域とレーザ発光領域との閾値に相当する光量レベル(領域Aの最大光量の等しいレベル)でクリップし、その信号を非線形回路4の信号線路の途中に加算するようにしている。このクリップ回路6によりクリップされた信号は、オープンループから非線形回路4に加えられることで、負帰還ループ内の信号と並列駆動するが、該負帰還ループ内の信号に対して支配的に働き、電圧/電流変換回路4cを経て半導体レーザLDの駆動電流を制御する。
これにより、上記線形回路3及び非線形回路4からなる2重の負帰還ループを有する半導体レーザ駆動回路にあって、かなりの低光量、例えば0光量付近においても応答性の劣化を生じることなく、変調応答性を向上させることが可能となる。また、前記閾値よりも大きなレーザ発光領域に関しては、従来と同様に負帰還制御するため、安定で高速な駆動制御が可能である。
上記クリップ回路6の出力は、上記の通り非線形回路4の信号線路の途中に加算する。非線形回路4の信号線路の途中に加算する態様としては、第一の非線形アンプ4aの入力側に加算する態様、第一の非線形アンプ4aと第二の非線形アンプ4bとの間に加算する態様及び第二の非線形アンプ4bの出力側に加算する態様があるが、第二の非線形アンプ4bの出力側に加算する場合、非線形回路4から閾値以上の電流が発生する可能性も考えられるため、第一の非線形アンプ4aの入力側に加算する態様、又は第一の非線形アンプ4aと第二の非線形アンプ4bとの間に加算する態様が好ましい。これら両態様のうちでは、第一の非線形アンプ4aのゲインが非常に大きいため、S/N比を稼ぐ観点から、第一の非線形アンプ4aの入力側に加算する態様よりも、図示するように第一の非線形アンプ4aと第二の非線形アンプ4bとの間に加算する態様の方がより高精度な制御が実現できるために最も好ましい。
図3は、半導体レーザ駆動回路の実施の形態の一例を示す構成ブロック図である。図1に示す構成ブロック図と同一符号は同一構成を示す。
この実施の形態では、上記領域Aにおいてはクリップ回路7によって上記所定値でクリップされた信号のみで半導体レーザLDが駆動制御されるようにするために、上記所定値よりも小さい低光量では負帰還が働かないように、低光量で負帰還を無効にする補償電圧を光量指令信号に加算するようにしている。
この実施の形態によれば、前記図1の構成に比べ、簡単な回路調整で光量0近辺の極微小光量でも安定した高速応答特性が得られるようになる。
なお、このとき負帰還ループ内の線形回路及び非線形回路は非負処理するようにしている。これにより領域Aにおいては負帰還ループが無効のときに0となり、オープンで加わった出力で半導体レーザLDが駆動制御されるようになる。従って、マイナス側に信号がふれないので高速な立ち上がりが可能となる。
図4は、請求項1記載の発明に係る半導体レーザ駆動回路の実施の形態の一例を示す構成ブロック図である。なお、以下の説明において図15に示す構成ブロック図と同一符号は同一構成を示す。
この実施の形態では、図15に示す半導体レーザ駆動回路のゲインフィッティング回路100を、A/D変換回路10とLUT(ルックアップテーブル)11及びD/A変換回路12と電圧/電流変換回路13とで構成することを特徴としている。
A/D変換回路10は、誤差演算部300から入力される差信号をデジタル変換してLUT11に出力する。
LUT11には、使用する半導体レーザLDの微分量子効率の逆特性を持つ入出力特性のデータが書き込まれており、上記A/D変換回路10によりデジタル変換された差信号をアドレス信号として入力し、該アドレス信号に一対一に対応する出力特性のデジタル信号を出力する。
D/A変換回路12は、上記LUT11から出力された出力特性のデジタル信号をアナログ変換し、電圧/電流変換回路13へ出力する。電圧/電流変換回路13はD/A変換回路12からの信号を電流変換し、半導体レーザLDへ駆動電流を供給する。
この実施の形態によれば、LUT11を用いて半導体レーザLDの微分量子効率の逆特性を持つ入出力特性のデータを高精度に、しかもデジタルで簡単に書き込むことが可能である。これにより、負帰還ループ内の開ループゲイン特性を容易に線形にすることができ、半導体レーザLDの自然発光領域からレーザ発光領域の全領域に亘って光量安定性、光変調応答特性に優れる半導体レーザ駆動回路とすることができるようになる。また、半導体レーザLD毎に特性が異なっていても、回路構成を変える必要もないという利点もある。
図5は、請求項2に係る半導体レーザ駆動回路の実施の形態の一例を示す構成ブロック図である。
この実施の形態は、図15に示す半導体レーザ駆動回路のゲインフィッティング回路100において、半導体レーザLDのレーザ発光領域においてはアナログ回路そのままの線形ゲインフィッティング回路101を用いて構成し、自然発光領域においては上記同様にA/D変換回路14とLUT15及びD/A変換回路16とで構成している。
従って、誤差演算部300から出力される光量指令信号と発光量検出信号との差信号を、線形なレーザ発光領域ではアナログ回路からなる上記線形ゲインフィッティング回路101により処理して電圧/電流変換回路111へ出力し、半導体レーザLDを駆動させ、また非線形な自然発光領域では、A/D変換回路14によりデジタル変換してLUT15に出力する。このLUT15には使用する半導体レーザLDの非線形領域における微分量子効率の逆特性を持つ入出力特性のデータが書き込まれており、上記A/D変換回路14によりデジタル変換された差信号をアドレス信号として入力し、該アドレス信号に一対一に対応する出力特性のデジタル信号を出力し、D/A変換回路16によってアナログ変換して、電圧/電流変換回路112へ出力する。電圧/電流変換回路111及び112から出力された電流は加算され、半導体レーザLDに供給される。
この実施の形態によれば、特に従来のアナログ回路では合わせられない領域が存在する非線形領域の出力特性を高精度に設定することができるようになり、全体として半導体レーザLDの自然発光領域からレーザ発光領域の全領域に亘って光量安定性、光変調応答特性に優れる半導体レーザ駆動回路とすることができるようになる。しかも、線形領域のみをアナログ回路で構成することで、レーザ発光領域での変調速度の高速化を図ることが可能である。
図6は、請求項3に係る半導体レーザ駆動回路の実施の形態の一例を示す構成ブロック図である。
この実施の形態は、図15に示す半導体レーザ駆動回路における誤差演算部300に代えてデジタル加減算器17を用いると共に、ゲインフィッティング回路100にLUT18、D/A変換回路19及び電圧/電流変換回路20を用いて構成している。
従って、光量指令信号は上記デジタル加減算器17に対してデジタル信号として入力されると共に、フォトダイオードPDの受光信号を電流/電圧変換回路20により電圧変換した発光量検出信号も、A/D変換器21によりデジタル変換されてデジタル信号として上記デジタル加減算器17に入力される。デジタル加減算器17では、上記発光量検出信号と光量指令信号との差信号のデジタル信号をLUT18に出力するようになっている。
LUT18には使用する半導体レーザLDの微分量子効率の逆特性を持つ入出力特性のデータが書き込まれており、上記デジタル加減算器17から出力されるデジタル信号をアドレス信号として、該アドレス信号に一対一に対応する出力特性のデジタル信号を出力し、D/A変換回路19によってアナログ変換して、電圧/電流変換回路22へ出力し、半導体レーザLDを駆動制御する。
この実施の形態によれば、LUT18を用いて半導体レーザLDの微分量子効率の逆特性を持つ入出力特性のデータを高精度に、しかもデジタルで簡単に書き込むことが可能であり、負帰還ループ内の開ループゲイン特性を容易に線形にすることができ、半導体レーザLDの自然発光領域からレーザ発光領域の全領域に亘って光量安定性、光変調応答特性に優れる半導体レーザ駆動回路とすることができると共に、半導体レーザLD毎に特性が異なっていても、回路構成を変える必要もないという効果に加え、光量指令信号としてデジタル信号を用いて直接変調することができるという利点がある。
図7は、図6に示す半導体レーザ駆動回路において、デジタル加減算器17を省き、LUT18a上にデジタル加減算器17と同等の機能のマトリクスを作成したことを特徴としている。
従って、LUT18aにはA/D変換回路21によってデジタル変換された発光量検出信号と光量指令信号のデジタル信号との2つのデジタル信号が直接入力される。このLUT18aでは、発光量検出信号の入力をアドレス信号として、例えば使用する半導体レーザLDの微分量子効率の逆特性を持つ入出力特性のデータが書き込まれた表のうちどの表を用いるかを決定し、次いで光量指令信号をアドレス信号として、上記決定された表から該光量指令信号に応じた一対一の出力特性を決定して出力するようにする。
この実施の形態によれば、図6に示す半導体レーザ駆動回路に比べ、より構成を簡略化できるようになる。
図8は、請求項4に係る半導体レーザ駆動回路の実施の形態の一例を示す構成ブロック図であり、図4に示す半導体レーザ駆動回路のゲインフィッティング回路100に、温度補償回路を付加した構成を示している。
温度補償回路30は、半導体レーザLDの温度特性を補償するため、室温及び半導体レーザLDの温度を測定する手段(図示せず)を有し、該測定温度に応じて半導体レーザLDの温度特性を補償する温度補償信号を作成し、該温度補償信号をアナログ電圧信号として出力する。
上記温度補償信号は、D/A変換器12から出力された半導体レーザLDの駆動制御信号に対して加減算され、半導体レーザLDの駆動制御信号を温度補償する。
この実施の形態によれば、半導体レーザLDの温度変化に伴う光量安定性及び変調応答性の劣化を防ぐことが可能である。
図9は、図4に示す半導体レーザ駆動回路に、温度補償回路を付加した構成の別の形態を示している。
この実施の形態に示す温度補償回路30aは、室温及び半導体レーザLDの温度を測定する手段(図示せず)を有し、該測定温度に応じて半導体レーザLDの温度特性を補償する温度補償信号を作成し、該温度補償信号をA/D変換してデジタル信号として出力する。
上記デジタル信号である温度補償信号はLUT11aに入力される。このLUT11aには、デジタル上で加減算するのと同等の機能をマトリクス構成しておき、上記温度補償信号をアドレス信号として温度補償がなされた出力特性のデジタル信号を出力する。
この実施の形態によれば、構成が簡略化できると共に、温度補償精度の向上を図ることも可能である。
なお、この温度補償回路30、30aは、図4に示す半導体レーザ駆動回路に限らず、図5、図6、図7に示す半導体レーザ駆動回路にもそれぞれ同様に適用し得ることはもちろんである。
図10は、請求項5に係る半導体レーザ駆動回路の実施の形態の一例を示す構成ブロック図である。
この実施の形態では、半導体レーザLDの微分量子効率の逆特性を得るために、図15に示す従来の半導体レーザ駆動回路のゲインフィッティング回路100に代えて、上記半導体レーザLDと同型の半導体レーザLDaを使用し、該半導体レーザLDaの微分量子効率の特性である電流−光量特性を得て、この電流−光量特性の逆特性を作成することにより、半導体レーザLDの微分量子効率の逆特性を得るようにしている。
なお、ここでいう同型とは、同一メーカー且つ同一型番の半導体レーザLDチップをいう。
この駆動回路について更に説明すれば、誤差演算部300から出力された半導体レーザLDの発光量検出信号と光量指令信号との差信号を電圧/電流変換回路40で電流変換し、半導体レーザLDaを駆動させる。該半導体レーザLDaからの出射光はフォトダイオードPDaによって受光され、電流/電圧変換回路41によってその検出信号(電流−光量特性)を電圧変換する。電圧変換された検出信号は除算器42に入力され、該除算器42において半導体レーザLDaの電流−光量特性の逆特性を作成し、これを電圧/電流変換回路43を経て半導体レーザLDの駆動制御信号として該半導体レーザLDに供給する。
従って、半導体レーザLDは、自身と同型の半導体レーザLDaによって作成された微分量子効率の逆特性により駆動制御されるため、簡易な構成によって半導体レーザLDの微分量子効率の逆特性を精度良く実現できるようになり、これを負帰還ループ内に構成することで開ループゲイン特性を線形にでき、優れた光量変調性能を実現することが可能である。
図11は、請求項6及び7記載の発明に係る半導体レーザ駆動回路の実施の形態の一例を示す構成ブロック図である。
半導体レーザLDの前方出射端面から図示右方向に出射される前方光は、その一部がサンプリングミラーMを介して分岐されて前方光受光用のフォトダイオードPD1に入射し、該フォトダイオードPD1においてその受光信号を電流信号に変換して前方光受光回路50に出力する。
前方光受光回路50は、上記フォトダイオードPD1から出力される電流信号を受けて半導体レーザLDの前方光の発光量を検出し、その発光量検出信号を出力する。
51はAPC制御回路であり、上記前方光受光回路50において検出された発光量検出信号が入力される。このAPC制御回路51は、例えば上記半導体レーザLDの規格値に基づいて予め設定された光量設定値に応じた光量指令信号が入力され、上記前方光受光回路1から入力される前方光の発光量検出信号と該光量指令信号との差を算出し、両者を比較するようになっている。
52は電流駆動回路であり、上記APC制御回路51において算出された前方光の発光量検出信号と光量指令信号との差に基づき、両者の差がなくなるように、即ち前方光の発光量検出信号の値が光量指令信号の値に等しくなるように半導体レーザLDへ駆動電流を供給し、該半導体レーザLDの発光量を制御する。
そして、これらフォトダイオードPD1、前方光受光回路50、APC制御回路51及び電流駆動回路52によって、半導体レーザLDからの出射光の発光量を検出して負帰還し、該半導体レーザLDの発光量を制御する負帰還ループを構成している。
本実施の形態に示す半導体レーザ駆動回路では、上記半導体レーザLDの発光量を制御する負帰還ループの構成に加え、該半導体レーザLDにおける上記前方光の出射端面と相対する後方側にフォトダイオードPD2が配設されており、半導体レーザLDの後方側の端面から出射した後方光をも同時に受光することができるように構成されている。
フォトダイオードPD2は、上記半導体レーザLDの後方側の端面から出射した後方光を受光し、その電流信号を後方光受光回路53に出力する。
後方光受光回路53は、上記フォトダイオードPD2より入力された電流信号から半導体レーザLDの後方光の発光量を検出し、その発光量検出信号を出力するようになっている。従って、半導体レーザLDからの出射光は、前方側の出射端面から出射される前方光と、それと相対する後方側の出射端面から出射される後方光とをそれぞれフォトダイオードPD1及びPD2によって受光し、前方光受光回路50及び後方光受光回路53によって半導体レーザLDの両出射端面からの出射光の発光量をそれぞれ検出するようになっている。
上記前方光受光回路50及び後方光受光回路53によってそれぞれ検出された発光量検出信号は、ともに算出回路54に入力される。
算出回路54は、上記前方光受光回路50及び後方光受光回路53によってそれぞれ検出された発光量検出信号を受けて、両検出信号の差若しくは比を算出処理し、その算出値を異常判定回路55に出力する。
異常判定回路55は、上記算出値に基づいて半導体レーザLDの異常を判定するための基準値の範囲が予め設定されており、上記算出回路54によって算出された両検出信号の差若しくは比を監視し、上記設定範囲との比較を行う。仮に、半導体レーザLDの前方又は後方のいずれかの出射端面に端面破壊による故障が発生していると、上記前方光受光回路50及び後方光受光回路53によってそれぞれ検出される半導体レーザLDの前方光と後方光のそれぞれの発光量の関係が初期値(基準値)から逸脱する。従って、この発光量の相違を上記算出回路54によって差又は比として算出し、異常判定回路55において予め設定された設定範囲と比較することで、半導体レーザLDの端面破壊による故障を検知することができる。
このように半導体レーザLDに端面破壊による故障が発生していると判定されると、異常判定回路55は異常判定信号を出力し、アラーム、警報ランプ等の警報手段により半導体レーザLDの異常を警報する。
よって、この実施の形態によれば、半導体レーザLDの前方側の出射端面及び後方側の出射端面のいずれに端面破壊による故障が発生しても、早期且つ確実に該半導体レーザLDの故障を検知することが可能である。
また、異常判定の際には、例えば前方光発光量/後方光発光量>設定範囲となる場合、後方光異常であると判定し、前方光発光量/後方光発光量<設定範囲となる場合、前方光異常であると判定することにより、半導体レーザLDのいずれの出射端面が異常状態にあるかを分別して検出することができる。例えば、前方光のみが異常であり、後方光は正常である判定がなされた場合、前方光の異常としては半導体レーザLDの端面破壊だけではなく、前方光をサンプリングするための光学系の光軸ズレ、部品劣化等の事態も想定される。このような場合には装置のサンプリング光学系のメンテナンスにより正常状態に復帰することが可能である。
なお、この実施の形態では、異常判定回路55において半導体レーザLDが異常状態であると判定された場合、上記異常判定信号を更に前記電流駆動回路52にも出力するようにしている。電流駆動回路52では、この異常判定信号を受けて、半導体レーザLDへ一定値以上の駆動電流が流れないように半導体レーザLDへの駆動電流の供給量を制御する。従って、電流駆動回路52には、異常判定回路55からの異常判定信号を受けて半導体レーザLDへの駆動電流の供給を制限する回路が付加されている。このように半導体レーザLDの異常状態が検知された場合に、該半導体レーザLDへの駆動電流を制限する回路を付加することにより、半導体レーザLDに故障が発生した場合にその故障状態を進行させることなく発光させることができるようになり、半導体レーザLDの長寿命化を図ることが可能である。
図12は、請求項8及び9に係る半導体レーザ駆動回路の実施の形態の一例を示す構成ブロック図である。図11に示す構成ブロック図と同一符号は同一構成を示し、詳細な説明については省略する。
この実施の形態においては、図11に示す算出回路54に代えて、前方光異常検出回路56及び後方光異常検出回路57をそれぞれ備えている。
前方光異常検出回路56は、前方光受光回路50から出力される半導体レーザLDの前方側出射端面から出射した前方光の発光量検出信号と、電流駆動回路52から出力される半導体レーザLDへ供給される駆動電流とを入力することにより、駆動電流と規定の発光量との比較を行う。例えば、前方光発光量/駆動電流<定数(式1)の判定を行うことにより、電流を流しているにも関わらず前方光の規定の発光量が得られていない状態を検知することができる。
また、後方光異常検出回路57は、後方光受光回路53から出力される半導体レーザLDの後方側出射端面から出射した後方光の発光量検出信号と、電流駆動回路52から出力される半導体レーザLDへ供給される駆動電流とを入力することにより、同様に駆動電流と規定の発光量との比較を行う。例えば、後方光発光量/駆動電流<定数(式2)の判定を行うことにより、電流を流しているにも関わらず後方光の規定の発光量が得られていない状態を検知する。
これら前方光異常検出回路56及び後方光異常検出回路57における検出結果はそれぞれ異常判定回路58に入力される。異常判定回路58では上記前方光異常検出回路56及び後方光異常検出回路57のそれぞれの検出結果のうち、少なくともいずれか一方の式が真である場合に、半導体レーザLDの異常を判定するようになっている。従って、仮に半導体レーザLDの前方側出射端面に端面破壊による故障が発生していると、駆動電流に対して規定の発光量が得られていない状態が検出され、前方光異常検出回路56において判定する上記式1の結果が真となり、異常判定回路58において半導体レーザLDが故障状態にあることを判定することができる。
なお、この異常判定の際には、上記式1が真であり且つ上記式2が偽である場合、前方光異常であると判定し、上記式1が偽であり且つ上記式2が真である場合、後方光異常であること判定し、更に、上記式1が真であり且つ上記式2も真である場合、半導体レーザLDが完全に故障状態にあることを判定することにより、半導体レーザLDの前方及び後方のいずれの出射端面が異常状態にあるかを分別することができる。従って、この場合においても、例えば、前方光のみが異常であり、後方光は正常である判定がなされた場合、前方光をサンプリングするための光学系の光軸ズレ、部品劣化等の事態も想定され、装置のサンプリング光学系のメンテナンスにより正常状態に復帰することが可能である。
よって、この実施の形態によっても、同様に半導体レーザLDの前方側の出射端面及び後方側の出射端面のいずれに端面破壊による故障が発生しても、早期且つ確実に該半導体レーザLDの故障を検知することが可能である。
このように半導体レーザLDの異常が判定されると、異常判定回路58は異常判定信号を出力し、アラーム、警報ランプ等の警報手段により半導体レーザLDの異常を警報する。
また、異常判定回路58において半導体レーザLDが異常状態であると判定された場合、上記異常判定信号を更に前記電流駆動回路52にも出力するようにしている。電流駆動回路52ではこの異常判定信号を受けて、半導体レーザLDへ一定値以上の駆動電流が流れないように半導体レーザLDへの駆動電流の供給量を制御する。従って、この場合、電流駆動回路52は、異常判定回路58からの異常判定信号を受けて半導体レーザLDへの駆動電流の供給を制限する回路を有している。このように半導体レーザLDの異常状態が検知された場合に、該半導体レーザLDへの駆動電流を制限する回路を付加することにより、半導体レーザLDに故障が発生した場合にその故障状態を進行させることなく発光させることができるようになり、半導体レーザLDの長寿命化を図ることが可能である。
半導体レーザ駆動回路の実施の形態を示す構成ブロック図 半導体レーザ駆動回路の電流−光量特性図 半導体レーザ駆動回路の他の実施の形態を示す構成ブロック図 半導体レーザ駆動回路の実施の形態におけるゲインフィッティング回路を示す構成ブロック図 半導体レーザ駆動回路の他の実施の形態におけるゲインフィッティング回路を示す構成ブロック図 半導体レーザ駆動回路の更に他の実施の形態におけるゲインフィッティング回路を示す構成ブロック図 半導体レーザ駆動回路の更に他の実施の形態におけるゲインフィッティング回路を示す構成ブロック図 図4に示すゲインフィッティング回路に室温補償回路を付加した場合を示す構成ブロック図 図4に示すゲインフィッティング回路に室温補償回路を付加した場合の他の例を示す構成ブロック図 半導体レーザ駆動回路の更に他の実施の形態におけるゲインフィッティング回路を示す構成ブロック図 半導体レーザの異常判定を行う半導体レーザ駆動回路の実施の形態を示す構成ブロック図 半導体レーザの異常判定を行う半導体レーザ駆動回路の他の実施の形態を示す構成ブロック図 半導体レーザの電流と光量の関係を示す特性図 半導体レーザの電流と微分量子効率の関係を示す特性図 従来の半導体レーザ駆動回路の構成ブロック図
符号の説明
LD、LDa 半導体レーザ
PD、PD1、PD2、PDa フォトダイオード
M サンプリングミラー
1、20、41 電流/電圧変換回路
2 誤差演算部
3 線形回路
3a 線形アンプ
3b 電圧/電流変換回路
4 非線形回路
4a 第一の非線形アンプ
4b 第二の非線形アンプ
4c 電圧/電流変換回路
5 温度補償回路
6 クリップ回路
7 アンプ
10、14、21 A/D変換回路
11、11a、15、18、18a LUT
12、16、19 D/A変換回路
13、22、40、43、111、112 電圧/電流変換回路
17 デジタル加算器
30、30a 温度補償回路
42 除算器
50 前方光受光回路
51 APC制御回路
52 電流駆動回路
53 後方光受光回路
54 算出回路
55、58 異常判定回路
56 前方光異常検出回路
57 後方光異常検出回路
100 ゲインフィッティング回路
101 線形ゲインフィッティング回路
102 非線形ゲインフィッティング回路
300 誤差演算部
400 温度補償回路

Claims (9)

  1. 半導体レーザの発光量の検出信号を負帰還し光量指令信号と比較することにより前記半導体レーザを駆動制御する半導体レーザ駆動回路において、前記半導体レーザの発光量と光量指令信号との差信号を形成すると共に、ルックアップテーブルを用いて構成してなる半導体レーザの微分量子効率の逆特性を持つ回路に前記差信号を入力することにより半導体レーザを駆動する信号を得ることを特徴とする半導体レーザ駆動回路。
  2. 前記微分量子効率の逆特性のうち、線形な領域を線形ゲインフィッティング回路を用い、非線形な領域をルックアップテーブルを用いて構成することを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ駆動回路。
  3. 前記光量指令信号としてデジタル信号を入力することを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ駆動回路。
  4. 半導体レーザの温度特性を補償するための半導体レーザの温度を測定する手段と、前記手段により測定された温度に応じて半導体レーザの温度特性を補償する温度補償信号を作成する手段と、を有し、前記温度補償信号により半導体レーザの温度補償を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の半導体レーザ駆動回路。
  5. 半導体レーザの発光量の検出信号を負帰還し、光量指令信号と比較することにより前記半導体レーザを駆動制御する半導体レーザ駆動回路において、前記半導体レーザの発光量と光量指令信号との差信号を形成すると共に、前記半導体レーザと同型の半導体チップ及び除算回路により構成してなる半導体レーザの微分量子効率の逆特性を持つ回路に前記差信号を入力することにより半導体レーザを駆動する信号を得ることを特徴とする半導体レーザ駆動回路。
  6. 半導体レーザの発光量の検出信号を負帰還し、光量指令信号と比較することにより前記半導体レーザを駆動制御する半導体レーザ駆動回路において、前記半導体レーザの発光量を検出するための半導体レーザの出射端面と相対する端面から出射する出射光の発光量を検出し、前記半導体レーザの両端面の発光量検出信号の差若しくは比を算出し、その結果が設定範囲外の場合に異常判定信号を出力することを特徴とする半導体レーザ駆動回路。
  7. 前記異常判定信号の出力により半導体レーザへの駆動電流を一定値以上流さないように制限する回路を付加したことを特徴とする請求項6記載の半導体レーザ駆動回路。
  8. 半導体レーザの発光量の検出信号を負帰還し光量指令信号と比較することにより前記半導体レーザを駆動制御する半導体レーザ駆動回路において、前記半導体レーザの発光量を検出するための半導体レーザの出射端面と相対する端面から出射する出射光の発光量を検出し、前記半導体レーザの両端面の発光量検出信号のそれぞれと半導体レーザの駆動電流とを比較し、その結果が設定範囲外の場合に異常判定信号を出力することを特徴とする半導体レーザ駆動回路。
  9. 前記異常判定信号の出力により半導体レーザへの駆動電流を一定値以上流さないように制限する回路を付加したことを特徴とする請求項8記載の半導体レーザ駆動回路。
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