JP2004193087A - ガラスパネルの製造方法、及び該製造方法により製造されたガラスパネル - Google Patents
ガラスパネルの製造方法、及び該製造方法により製造されたガラスパネル Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004193087A JP2004193087A JP2002363124A JP2002363124A JP2004193087A JP 2004193087 A JP2004193087 A JP 2004193087A JP 2002363124 A JP2002363124 A JP 2002363124A JP 2002363124 A JP2002363124 A JP 2002363124A JP 2004193087 A JP2004193087 A JP 2004193087A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- glass
- float
- manufacturing
- glass panel
- plate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J9/00—Apparatus or processes specially adapted for the manufacture, installation, removal, maintenance of electric discharge tubes, discharge lamps, or parts thereof; Recovery of material from discharge tubes or lamps
- H01J9/24—Manufacture or joining of vessels, leading-in conductors or bases
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J11/00—Gas-filled discharge tubes with alternating current induction of the discharge, e.g. alternating current plasma display panels [AC-PDP]; Gas-filled discharge tubes without any main electrode inside the vessel; Gas-filled discharge tubes with at least one main electrode outside the vessel
- H01J11/20—Constructional details
- H01J11/34—Vessels, containers or parts thereof, e.g. substrates
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J9/00—Apparatus or processes specially adapted for the manufacture, installation, removal, maintenance of electric discharge tubes, discharge lamps, or parts thereof; Recovery of material from discharge tubes or lamps
- H01J9/24—Manufacture or joining of vessels, leading-in conductors or bases
- H01J9/26—Sealing together parts of vessels
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)
- Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
- Joining Of Glass To Other Materials (AREA)
- Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)
Abstract
【課題】ガラスパネルの製造が容易なガラスパネルの製造方法、及び該製造方法により製造されたガラスパネルを提供する。
【解決手段】フロートガラス200から、前面板ガラス111及び背面板ガラス112を、各長辺が、フロートガラス200の短辺と平行になるように、夫々切り出し、背面板ガラス112の長辺と前面板ガラス111の長辺とが互いに平行になるように、背面板ガラス112の内面側に前面板ガラス111を配置し、低融点ガラスペーストを焼成することにより、前面板ガラス111と背面板ガラス112とを封着する。
【選択図】 図3
【解決手段】フロートガラス200から、前面板ガラス111及び背面板ガラス112を、各長辺が、フロートガラス200の短辺と平行になるように、夫々切り出し、背面板ガラス112の長辺と前面板ガラス111の長辺とが互いに平行になるように、背面板ガラス112の内面側に前面板ガラス111を配置し、低融点ガラスペーストを焼成することにより、前面板ガラス111と背面板ガラス112とを封着する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラスパネルの製造方法、及び該製造方法により製造されたガラスパネルに関し、特にプラズマディスプレイパネル用のガラスパネルの製造方法、及び該製造方法により製造されたガラスパネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
ガラスパネルは、中空部を介して対向する略長方形の前面板ガラス及び背面板ガラスと、前面板ガラス及び背面板ガラスの周縁部において中空部を気密に密閉する外周密閉部とから成り、プラズマディスプレイパネル(PDP)等に使用されている。
【0003】
このPDPは、前面板ガラスの内面に表示電極等が形成されると共に、背面板ガラスの内面に蛍光体が塗布され、中空部に封入された希ガスの電離により発生した紫外線によって蛍光体が発光し、その結果任意の画像を表示するものである(例えば、特許文献1)。
【0004】
上記ガラスパネルの前面板ガラス及び背面板ガラスとしては、大型化が容易であると共に、平坦性・均質性に優れるフロートガラスが用いられる。フロートガラスは、熔融スズ(Sn)の上で略長方形の熔融ガラスを浮上搬送しながら板状に成形されたガラスである。フロートガラスは、その裏面が、浮上搬送時に熔融スズと接触するため、フロートガラスの裏面にはスズが付着する。一枚のフロートガラスから、複数枚の前面板ガラス及び背面板ガラスが得られる。
【0005】
ガラスパネルにおいて、前面板ガラスと背面板ガラスとの密閉は、前面板ガラスと背面板ガラスの間にガラスペースト等を塗布し、これを加熱して、外周密閉部を焼成することにより行われる。加熱焼成時に、前面板ガラス及び背面板ガラスは、収縮(熱収縮)する。
【0006】
また、ガラスパネルにおいて、前面板ガラスは、フロートガラスの裏面をその内面とし、内面上に表示電極等が形成される。このため、前面板ガラスの製造においては、フロートガラスの表裏面の判別が必要となる。
【0007】
フロートガラスの表裏面の判別は、一般的に、フロートガラスの表裏面に紫外線を照射し、この紫外線の照射に対する蛍光の発光量の違いを判別することにより行う。スズの濃度が高いと、紫外線照射に対する蛍光の発光量が多くなり、上述のように、フロートガラスの裏面は、浮上搬送時にスズが付着するため、スズの濃度が高く、紫外線照射に対する蛍光の発光量が表面より多くなる。このため、フロートガラスの表裏の判別ができる。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−134037号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前面板ガラス及び背面板ガラスの密閉時に生じる長辺及び短辺の各熱収縮量は、フロートガラスからの前面板ガラス及び背面板ガラスの取り方、すなわち、フロートガラスの浮上搬送方向に対する前面板ガラス及び背面板ガラスの長辺及び短辺の方向で異なるため、密閉時に背面板ガラスに対して前面板ガラスの位置がずれたり、ガラスパネルに歪が生じ、前面板ガラスと背面板ガラスとの密閉が困難であり、ガラスパネルの製造は困難であった。
【0010】
また、フロートガラスの組成によっては、紫外線照射に対する蛍光の発光量がその表裏面でほぼ等しく、フロートガラスの表裏面の判別が困難であり、ガラスパネルの製造は困難であった。
【0011】
本発明の目的は、ガラスパネルの製造が容易なガラスパネルの製造方法、及び該製造方法により製造されたガラスパネルを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載のガラスパネルの製造方法は、間に中空部を形成するように、前面板ガラスと、貫通孔が形成された背面板ガラスとを所定の間隔を隔てて配設する配設ステップと、前記前面板ガラス及び前記背面板ガラスの周縁部を気密に密閉する密閉ステップと、前記貫通孔を封止すべく封止部を形成する封止部形成ステップとを備えるガラスパネルの製造方法において、前記前面板ガラス及び前記背面板ガラスをフロート法により製造されたフロートガラスから夫々切り出す切り出しステップを備え、前記配設ステップは、前記切り出された前面板ガラスの前記フロート法における浮上搬送方向と、前記切り出された背面板ガラスの前記フロート法における浮上搬送方向とが一致するように、前記前面板ガラスと前記背面板ガラスを配設することを特徴とする。
【0013】
請求項2記載のガラスパネルの製造方法は、請求項1記載のガラスパネルの製造方法において、前記切り出しステップは、前記フロート法における浮上搬送時に熔融スズと接していた前記フロートガラスの裏面を判別する判別ステップを備え、該判別ステップは、前記フロートガラスに紫外線を照射して前記裏面を判別することを特徴とする。
【0014】
請求項3記載のガラスパネルの製造方法は、請求項2記載のガラスパネルの製造方法において、前記フロートガラスは、その組成に、酸化バリウムを実質的に含まないことを特徴とする。
【0015】
請求項4記載のガラスパネルの製造方法は、請求項2又は3記載のガラスパネルの製造方法において、前記フロートガラスは、その組成に、酸化マグネシウムを0〜15重量%含むことを特徴とする。
【0016】
請求項5記載のガラスパネルの製造方法は、請求項2乃至4のいずれか1項に記載のガラスパネルの製造方法において、前記フロートガラスは、その組成に、酸化ストロンチウムを0〜15重量%含むことを特徴とする。
【0017】
請求項6記載のガラスパネルは、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のガラスパネルの製造方法により製造されたことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係るガラスパネルを図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態に係るガラスパネルを備えるPDPの要部の概略構造を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は部分断面図である。
【0020】
図1において、PDP100は、本発明の実施の形態に係るガラスパネル101を備える。ガラスパネル101は、厚さが、例えば2.8mm、長辺が、例えば1000mm、且つ短辺が、例えば590mmの長方形の前面板ガラス111と、前面板ガラス111との間に中空部104を形成すべく前面板ガラス111から、例えば0.1〜0.2mmの間隔を隔てて配設され、厚さが、例えば2.8mm、長辺が、例えば970mm、且つ短辺が、例えば620mmの長方形の背面板ガラス112と、透明電極113a及び金属電極113bとから成り前面板ガラス111の内面上にパターン形成された表示電極113(図1(b))と、背面板ガラス112の各内面上に形成された各部材(図1(b))に、可視光の発生を制御する制御データを図示しない駆動回路から送信すべく背面板ガラス112の内面上に形成されたデータ電極102とを備える。前面板ガラス111と背面板ガラス112とは、中空部104に希ガスを封止すべく、その外周縁において低融点ガラスペーストから成る封着部103(外周密閉部)により封着されている。
【0021】
ガラスパネル101において、前面板ガラス111と背面板ガラス112は、各長辺が、互いに平行になるように配設されている。
【0022】
PDP100において、前面板ガラス111の内面上には、表示電極113を覆うように誘電体ガラス層114が積層され、誘電体ガラス層114上には、酸化マグネシウム(MgO)製の誘電体保護層115が積層されている。
【0023】
また、PDP100は、背面板ガラス112の内面上に、前面板ガラス111との間に空間を保持すべく等間隔に複数のチャンネル状放電空間117を画成する複数のガラス製リブ116と、各放電空間117において背面板ガラス112の内面上に設けられた銀(Ag)製のアドレス電極118とを備え、放電空間117には、カラー表示をすべく赤色の蛍光体(R)119、緑色の蛍光体(G)120、及び青色の蛍光体(B)121が順に連続して形成されている。蛍光体119〜121は、放電によって発生する波長の短い紫外線により励起発光する。
【0024】
リブ116は、その高さが、例えば0.1mmであり、前面板ガラス111と背面板ガラス112との間隔を約0.1mmに保持する。
【0025】
背面板ガラス112は、中空部104に希ガスを封入するための後述する封入部を有する。この封入部は、図1(b)におけるリブ116が形成される範囲の外側且つ封着部103の内側に形成されている。放電空間117には、封入部を介して希ガスが封入されている。希ガスは、例えばネオン(Ne)とキセノン(Xe)を組成とする混合ガス系が用いられており、その封入圧力は約40〜70kPaの範囲に設定されている。
【0026】
図2は、図1(a)のPDP100の封入部近傍の部分断面図である。
【0027】
図2において、背面板ガラス112は、リブ116が形成される範囲の外側且つ封着部103の内側に、封入部122を備える。
【0028】
封入部122は、背面板ガラス112に形成された貫通孔123と、低融点ガラス製のガラス管124とから成る。貫通孔123は、内径が、例えば2mmであり、ガラス管124は、外径が、例えば4mm、内径が、例えば2mm、長さが、例えば30mmの管部124aと、管部124aの内側端に形成された円板状のフランジ部124bとから成る。ガラス管124は、管部124aと貫通孔123とが同軸になるようにフランジ部124bの底部が低融点ガラス等の接合部125により、背面板ガラス112の外面に気密に接合されている。また、ガラス管124は、管部124aの外側端において、後述する方法(図4)により封止されている。
【0029】
以下、図1(a)のPDP100の製造方法について説明する。
【0030】
まず、フロート法により、長辺が2.7m、短辺が1.1mの略長方形のフロートガラス200(図3)を製造する。フロートガラス200は、その長辺方向がフロート法における熔融ガラスの浮上搬送方向と一致する。フロートガラス200は、その組成として、酸化ストロンチウム(Sr)を12重量%、酸化マグネシウム(Mg)を7重量%含み、酸化バリウム(Ba)を含まない。酸化バリウムは、工業的にはアルカリ土類金属原料中に不純物として存在する。本発明の実施の形態において、「酸化バリウムを含まない」とは、酸化バリウムの含有量が1重量%以下のことである。
【0031】
次いで、フロートガラス200の表裏面に、公知の方法により紫外線を照射して、この紫外線の照射に対する蛍光の発光量を測定し、フロートガラス200の表裏面の判別をする。蛍光の発光量が多い面が、フロート法における浮上搬送時に熔融スズと接していたフロートガラス200の裏面であり、蛍光の発光量が少ない面がフロートガラス200の表面である。
【0032】
フロートガラス200は、上述のように、その組成として、酸化ストロンチウムを12重量%、酸化マグネシウムを7重量%含み、酸化バリウムを含まないので、スズ以外に紫外線の照射に対する蛍光の発光量の多い元素を含んでおらず、スズの濃度が高いフロートガラス200の裏面が、フロートガラス200の表面に対して紫外線の照射に対する蛍光の発光量が多く、フロートガラス200の裏面の判別を容易に行うことができる。
【0033】
次いで、図3に示すように、フロートガラス200から、前面板ガラス111及び背面板ガラス112を各2枚切り出す。前面板ガラス111及び背面板ガラス112は、各長辺が、フロートガラス200の短辺と平行になるように、夫々切り出される。前面板ガラス111及び背面板ガラス112のフロートガラス200からの切り出しの際に、前面板ガラス111及び背面板ガラス112の所定の一隅角部に切欠き等を形成することにより、前面板ガラス111及び背面板ガラス112のフロートガラス200の裏面に対応する面を容易に判別できるようにする。
【0034】
次いで、フロートガラス200から切り出された背面板ガラス112に貫通孔123を形成し、背面板ガラス112の内面上にアドレス電極118を所定のピッチで形成し、背面板ガラス112の内面上で互いに隣り合うアドレス電極118の間に所定のピッチでリブ116を形成する。
【0035】
次いで、リブ116により画成されたチャンネル状の放電空間117内に、蛍光体(R)119、蛍光体(G)120、及び蛍光体(B)121を形成すべく、各色の蛍光体ペーストを夫々塗布し、約500℃で各蛍光体ペーストを焼成してペースト内の樹脂成分等を除去することにより、蛍光体119〜121を形成する。
【0036】
さらに、PDP100において背面板ガラス112が前面板ガラス111と重なる範囲の周縁部に、前面板ガラス111との封着用シール材として低融点ガラスペーストを塗布して350℃程度で仮焼し、低融点ガラスペースト内の樹脂成分等を除去する。
【0037】
一方、フロートガラス200から切り出された前面板ガラス111の、フロートガラス200の裏面に対応する内面上に、表示電極113をパターン形成し、この表示電極113を覆うべく前面板ガラス111の内面上に誘電体ガラス層114、及び誘電体保護層115を順次積層する。
【0038】
次いで、上記背面板ガラス112の内面側に、表示電極113とアドレス電極118とが直交するように前面板ガラス111を対向配置する。すなわち、背面板ガラス112の長辺と前面板ガラス111の長辺とが互いに平行になるように、背面板ガラス112の内面側に前面板ガラス111を配置する。次いで、仮焼された低融点ガラスペーストを450℃程度で焼成することにより封着部103を形成して、前面板ガラス111と背面板ガラス112とを封着する。
【0039】
一方、ガラス管124を、管部124aと貫通孔123とが同軸になるように、フランジ部124bの底部を低融点ガラスペースト等を介して背面板ガラス112の外面上に配置し、前面板ガラス111と背面板ガラス112との封着時に、低融点ガラスペースト等を焼成させて接合部125を形成して、ガラス管124と背面板ガラス112とを気密に接合させる。
【0040】
前面板ガラス111と背面板ガラス112との封着時の加熱により発生する水蒸気により、蛍光体119〜121は劣化するため、前面板ガラス111と背面板ガラス112との封止時には、ガラス管124を介して放電空間117へ乾燥空気を導入する。
【0041】
次いで、ガラスパネル101を約350℃に加熱し、中空部104をガラス管124を介して排気した後、中空部104が所定の圧力になるまで希ガスを導入し、ガラス管124の管部124aの外側端を局部加熱することによりガラス管124を封止する。
【0042】
ガラス管124の管部124aの外側端の封止は、ガラス管124を覆うように背面板ガラス112の外面上に封止カップ130を取り付けて(図4)、中空部104を排気した後、中空部104が所定の圧力になるまで希ガスを導入し、次いで、封止カップ130の備えるヒーター131に電流を流し、管部124aを高温に加熱して管部124aの外側端を溶接して封じ切ることによりなされる。
【0043】
本発明の実施の形態に係るガラスパネル101によれば、前面板ガラス111及び背面板ガラス112は、各々の長辺が、フロートガラス200の短辺と平行になるように、フロートガラス200から夫々切り出されるので、前面板ガラス111と背面板ガラス112の封着時に、前面板ガラス111のフロート法における浮上搬送方向と、背面板ガラス112のフロート法における浮上搬送方向とが互いに一致し、前面板ガラス111及び背面板ガラス112の各長辺及び短辺の熱収縮量が等しくなり、背面板ガラスに対する前面板ガラスの位置ずれや、ガラスパネル101に生じる歪を抑制することができる。
【0044】
本発明の実施の形態に係るガラスパネル101よれば、フロートガラス200は、その組成として、酸化ストロンチウムを12重量%、酸化マグネシウムを7重量%含み、酸化バリウムを含まないので、フロートガラス200の表裏面への紫外線の照射に対する蛍光の発光量の差が大きくなり、フロートガラス200の裏面の判別を容易に行うことができる。
【0045】
本発明の実施の形態に係るガラスパネル101において、前面板ガラス111及び背面板ガラス112は、フロートガラス200から、前面板ガラス111及び背面板ガラス112の各長辺が、フロートガラス200の短辺と平行になるように、夫々2枚切り出されるが、前面板ガラス111及び背面板ガラス112のフロートガラス200からの切り出し方は、これに限るものではない。
【0046】
本発明の実施の形態に係るガラスパネル101において、フロートガラス200は、その組成として、酸化ストロンチウムを12重量%、酸化マグネシウムを7重量%含むが、フロートガラス200の組成は、これに限るものではなく、その組成として、酸化ストロンチウムを0〜15重量%、酸化マグネシウムを0〜15重量%含んでもよい。
【0047】
酸化バリウム、酸化ストロンチウム、及び酸化マグネシウムは、アルカリ土類金属酸化物であり、ガラスの歪み点を高くし、ガラスの耐久性を向上させると共に、ガラスの成形時の失透温度及び粘度を調整するのに用いられる。また、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、及び酸化マグネシウムは、粘度を下げる効果も大きいので、ガラスの組成として適量含有させることができる。しかし、酸化マグネシウムの含有量が15重量%を超えると、失透温度が上昇し、酸化ストロンチウムの含有量が15重量%を超える場合も、同様に失透温度が上昇する。このため、上述のように、フロートガラス200は、その組成として、酸化ストロンチウムの含有量を0〜15重量%、酸化マグネシウムの含有量を0〜15重量%とする。
【0048】
本発明の実施の形態に係るガラスパネル101において、前面板ガラス111は、厚さが2.8mm、長辺が1000mm、短辺が590mmの長方形としたが、前面板ガラス111の形状は、これに限るものではない。
【0049】
本発明の実施の形態に係るガラスパネル101において、背面板ガラス111は、厚さが2.8mm、長辺が970mm、短辺が620mmの長方形としたが、背面板板ガラス112の形状は、これに限るものではない。
【0050】
本発明の実施の形態に係るガラスパネル101において、フロートガラス200は、長辺が2.7m、短辺が1.1mの略長方形としたが、フロートガラス200の形状は、これに限るものではない。
【0051】
本発明の実施の形態に係るガラスパネル101は、上記のものに限るものではなく、また、本発明の実施の形態に係るガラスパネル101を備えるPDP100は上記のものに限るものではない。
【0052】
本発明の実施の形態に係るガラスパネル101は、PDP100に用いられるものとしたが、これに限るものではなく、真空複層ガラス等のガラス製品に用いられてもよい。
【0053】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、請求項1記載のガラスパネルの製造方法によれば、フロート法により製造されたフロートガラスから、前面板ガラス及び背面板ガラスを切り出し、この切り出された前面板ガラスのフロート法における浮上搬送方向と、切り出された背面板ガラスのフロート法における浮上搬送方向とが一致するように、前面板ガラスと背面板ガラスとを配設するので、前面板ガラスと背面板ガラスとの密閉の際に、前面板ガラスと背面板ガラスとの熱収縮量の差を減少させることができ、もって、ガラスパネルの製造を容易に行うことができる。
【0054】
請求項2記載のガラスパネルの製造方法によれば、フロートガラスの浮上搬送時に熔融スズと接していたフロートガラスの裏面を、フロートガラスに紫外線を照射して判別するので、紫外線の照射に対する蛍光の発光量の差から容易にフロートガラスの裏面を判別することができる。
【0055】
請求項3記載のガラスパネルの製造方法によれば、フロートガラスは、その組成に、酸化バリウムを実質的に含まないので、紫外線の照射に対する蛍光の発光量の差を大きくすることができる。
【0056】
請求項4記載のガラスパネルの製造方法によれば、フロートガラスは、その組成に、酸化マグネシウムを0〜15重量%含むので、紫外線の照射に対する蛍光の発光量の差をより大きくすることができる。
【0057】
請求項5記載のガラスパネルの製造方法によれば、フロートガラスは、その組成に、酸化ストロンチウムを0〜15重量%含むので、紫外線の照射に対する蛍光の発光量の差をさらに大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るガラスパネルを備えるPDPの要部の概略構造を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は部分断面図である。
【図2】図1(a)のPDP100の封止部近傍の部分断面図である。
【図3】図1における前面板ガラス111及び背面板ガラス112のフロートガラス200からの切り出し方を説明するための図である。
【図4】図2におけるガラス管124の封止処理方法を説明するための図である。
【符号の説明】
100 PDP
101 ガラスパネル
111 前面板ガラス
112 背面板ガラス
200 フロートガラス
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラスパネルの製造方法、及び該製造方法により製造されたガラスパネルに関し、特にプラズマディスプレイパネル用のガラスパネルの製造方法、及び該製造方法により製造されたガラスパネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
ガラスパネルは、中空部を介して対向する略長方形の前面板ガラス及び背面板ガラスと、前面板ガラス及び背面板ガラスの周縁部において中空部を気密に密閉する外周密閉部とから成り、プラズマディスプレイパネル(PDP)等に使用されている。
【0003】
このPDPは、前面板ガラスの内面に表示電極等が形成されると共に、背面板ガラスの内面に蛍光体が塗布され、中空部に封入された希ガスの電離により発生した紫外線によって蛍光体が発光し、その結果任意の画像を表示するものである(例えば、特許文献1)。
【0004】
上記ガラスパネルの前面板ガラス及び背面板ガラスとしては、大型化が容易であると共に、平坦性・均質性に優れるフロートガラスが用いられる。フロートガラスは、熔融スズ(Sn)の上で略長方形の熔融ガラスを浮上搬送しながら板状に成形されたガラスである。フロートガラスは、その裏面が、浮上搬送時に熔融スズと接触するため、フロートガラスの裏面にはスズが付着する。一枚のフロートガラスから、複数枚の前面板ガラス及び背面板ガラスが得られる。
【0005】
ガラスパネルにおいて、前面板ガラスと背面板ガラスとの密閉は、前面板ガラスと背面板ガラスの間にガラスペースト等を塗布し、これを加熱して、外周密閉部を焼成することにより行われる。加熱焼成時に、前面板ガラス及び背面板ガラスは、収縮(熱収縮)する。
【0006】
また、ガラスパネルにおいて、前面板ガラスは、フロートガラスの裏面をその内面とし、内面上に表示電極等が形成される。このため、前面板ガラスの製造においては、フロートガラスの表裏面の判別が必要となる。
【0007】
フロートガラスの表裏面の判別は、一般的に、フロートガラスの表裏面に紫外線を照射し、この紫外線の照射に対する蛍光の発光量の違いを判別することにより行う。スズの濃度が高いと、紫外線照射に対する蛍光の発光量が多くなり、上述のように、フロートガラスの裏面は、浮上搬送時にスズが付着するため、スズの濃度が高く、紫外線照射に対する蛍光の発光量が表面より多くなる。このため、フロートガラスの表裏の判別ができる。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−134037号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前面板ガラス及び背面板ガラスの密閉時に生じる長辺及び短辺の各熱収縮量は、フロートガラスからの前面板ガラス及び背面板ガラスの取り方、すなわち、フロートガラスの浮上搬送方向に対する前面板ガラス及び背面板ガラスの長辺及び短辺の方向で異なるため、密閉時に背面板ガラスに対して前面板ガラスの位置がずれたり、ガラスパネルに歪が生じ、前面板ガラスと背面板ガラスとの密閉が困難であり、ガラスパネルの製造は困難であった。
【0010】
また、フロートガラスの組成によっては、紫外線照射に対する蛍光の発光量がその表裏面でほぼ等しく、フロートガラスの表裏面の判別が困難であり、ガラスパネルの製造は困難であった。
【0011】
本発明の目的は、ガラスパネルの製造が容易なガラスパネルの製造方法、及び該製造方法により製造されたガラスパネルを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載のガラスパネルの製造方法は、間に中空部を形成するように、前面板ガラスと、貫通孔が形成された背面板ガラスとを所定の間隔を隔てて配設する配設ステップと、前記前面板ガラス及び前記背面板ガラスの周縁部を気密に密閉する密閉ステップと、前記貫通孔を封止すべく封止部を形成する封止部形成ステップとを備えるガラスパネルの製造方法において、前記前面板ガラス及び前記背面板ガラスをフロート法により製造されたフロートガラスから夫々切り出す切り出しステップを備え、前記配設ステップは、前記切り出された前面板ガラスの前記フロート法における浮上搬送方向と、前記切り出された背面板ガラスの前記フロート法における浮上搬送方向とが一致するように、前記前面板ガラスと前記背面板ガラスを配設することを特徴とする。
【0013】
請求項2記載のガラスパネルの製造方法は、請求項1記載のガラスパネルの製造方法において、前記切り出しステップは、前記フロート法における浮上搬送時に熔融スズと接していた前記フロートガラスの裏面を判別する判別ステップを備え、該判別ステップは、前記フロートガラスに紫外線を照射して前記裏面を判別することを特徴とする。
【0014】
請求項3記載のガラスパネルの製造方法は、請求項2記載のガラスパネルの製造方法において、前記フロートガラスは、その組成に、酸化バリウムを実質的に含まないことを特徴とする。
【0015】
請求項4記載のガラスパネルの製造方法は、請求項2又は3記載のガラスパネルの製造方法において、前記フロートガラスは、その組成に、酸化マグネシウムを0〜15重量%含むことを特徴とする。
【0016】
請求項5記載のガラスパネルの製造方法は、請求項2乃至4のいずれか1項に記載のガラスパネルの製造方法において、前記フロートガラスは、その組成に、酸化ストロンチウムを0〜15重量%含むことを特徴とする。
【0017】
請求項6記載のガラスパネルは、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のガラスパネルの製造方法により製造されたことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係るガラスパネルを図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態に係るガラスパネルを備えるPDPの要部の概略構造を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は部分断面図である。
【0020】
図1において、PDP100は、本発明の実施の形態に係るガラスパネル101を備える。ガラスパネル101は、厚さが、例えば2.8mm、長辺が、例えば1000mm、且つ短辺が、例えば590mmの長方形の前面板ガラス111と、前面板ガラス111との間に中空部104を形成すべく前面板ガラス111から、例えば0.1〜0.2mmの間隔を隔てて配設され、厚さが、例えば2.8mm、長辺が、例えば970mm、且つ短辺が、例えば620mmの長方形の背面板ガラス112と、透明電極113a及び金属電極113bとから成り前面板ガラス111の内面上にパターン形成された表示電極113(図1(b))と、背面板ガラス112の各内面上に形成された各部材(図1(b))に、可視光の発生を制御する制御データを図示しない駆動回路から送信すべく背面板ガラス112の内面上に形成されたデータ電極102とを備える。前面板ガラス111と背面板ガラス112とは、中空部104に希ガスを封止すべく、その外周縁において低融点ガラスペーストから成る封着部103(外周密閉部)により封着されている。
【0021】
ガラスパネル101において、前面板ガラス111と背面板ガラス112は、各長辺が、互いに平行になるように配設されている。
【0022】
PDP100において、前面板ガラス111の内面上には、表示電極113を覆うように誘電体ガラス層114が積層され、誘電体ガラス層114上には、酸化マグネシウム(MgO)製の誘電体保護層115が積層されている。
【0023】
また、PDP100は、背面板ガラス112の内面上に、前面板ガラス111との間に空間を保持すべく等間隔に複数のチャンネル状放電空間117を画成する複数のガラス製リブ116と、各放電空間117において背面板ガラス112の内面上に設けられた銀(Ag)製のアドレス電極118とを備え、放電空間117には、カラー表示をすべく赤色の蛍光体(R)119、緑色の蛍光体(G)120、及び青色の蛍光体(B)121が順に連続して形成されている。蛍光体119〜121は、放電によって発生する波長の短い紫外線により励起発光する。
【0024】
リブ116は、その高さが、例えば0.1mmであり、前面板ガラス111と背面板ガラス112との間隔を約0.1mmに保持する。
【0025】
背面板ガラス112は、中空部104に希ガスを封入するための後述する封入部を有する。この封入部は、図1(b)におけるリブ116が形成される範囲の外側且つ封着部103の内側に形成されている。放電空間117には、封入部を介して希ガスが封入されている。希ガスは、例えばネオン(Ne)とキセノン(Xe)を組成とする混合ガス系が用いられており、その封入圧力は約40〜70kPaの範囲に設定されている。
【0026】
図2は、図1(a)のPDP100の封入部近傍の部分断面図である。
【0027】
図2において、背面板ガラス112は、リブ116が形成される範囲の外側且つ封着部103の内側に、封入部122を備える。
【0028】
封入部122は、背面板ガラス112に形成された貫通孔123と、低融点ガラス製のガラス管124とから成る。貫通孔123は、内径が、例えば2mmであり、ガラス管124は、外径が、例えば4mm、内径が、例えば2mm、長さが、例えば30mmの管部124aと、管部124aの内側端に形成された円板状のフランジ部124bとから成る。ガラス管124は、管部124aと貫通孔123とが同軸になるようにフランジ部124bの底部が低融点ガラス等の接合部125により、背面板ガラス112の外面に気密に接合されている。また、ガラス管124は、管部124aの外側端において、後述する方法(図4)により封止されている。
【0029】
以下、図1(a)のPDP100の製造方法について説明する。
【0030】
まず、フロート法により、長辺が2.7m、短辺が1.1mの略長方形のフロートガラス200(図3)を製造する。フロートガラス200は、その長辺方向がフロート法における熔融ガラスの浮上搬送方向と一致する。フロートガラス200は、その組成として、酸化ストロンチウム(Sr)を12重量%、酸化マグネシウム(Mg)を7重量%含み、酸化バリウム(Ba)を含まない。酸化バリウムは、工業的にはアルカリ土類金属原料中に不純物として存在する。本発明の実施の形態において、「酸化バリウムを含まない」とは、酸化バリウムの含有量が1重量%以下のことである。
【0031】
次いで、フロートガラス200の表裏面に、公知の方法により紫外線を照射して、この紫外線の照射に対する蛍光の発光量を測定し、フロートガラス200の表裏面の判別をする。蛍光の発光量が多い面が、フロート法における浮上搬送時に熔融スズと接していたフロートガラス200の裏面であり、蛍光の発光量が少ない面がフロートガラス200の表面である。
【0032】
フロートガラス200は、上述のように、その組成として、酸化ストロンチウムを12重量%、酸化マグネシウムを7重量%含み、酸化バリウムを含まないので、スズ以外に紫外線の照射に対する蛍光の発光量の多い元素を含んでおらず、スズの濃度が高いフロートガラス200の裏面が、フロートガラス200の表面に対して紫外線の照射に対する蛍光の発光量が多く、フロートガラス200の裏面の判別を容易に行うことができる。
【0033】
次いで、図3に示すように、フロートガラス200から、前面板ガラス111及び背面板ガラス112を各2枚切り出す。前面板ガラス111及び背面板ガラス112は、各長辺が、フロートガラス200の短辺と平行になるように、夫々切り出される。前面板ガラス111及び背面板ガラス112のフロートガラス200からの切り出しの際に、前面板ガラス111及び背面板ガラス112の所定の一隅角部に切欠き等を形成することにより、前面板ガラス111及び背面板ガラス112のフロートガラス200の裏面に対応する面を容易に判別できるようにする。
【0034】
次いで、フロートガラス200から切り出された背面板ガラス112に貫通孔123を形成し、背面板ガラス112の内面上にアドレス電極118を所定のピッチで形成し、背面板ガラス112の内面上で互いに隣り合うアドレス電極118の間に所定のピッチでリブ116を形成する。
【0035】
次いで、リブ116により画成されたチャンネル状の放電空間117内に、蛍光体(R)119、蛍光体(G)120、及び蛍光体(B)121を形成すべく、各色の蛍光体ペーストを夫々塗布し、約500℃で各蛍光体ペーストを焼成してペースト内の樹脂成分等を除去することにより、蛍光体119〜121を形成する。
【0036】
さらに、PDP100において背面板ガラス112が前面板ガラス111と重なる範囲の周縁部に、前面板ガラス111との封着用シール材として低融点ガラスペーストを塗布して350℃程度で仮焼し、低融点ガラスペースト内の樹脂成分等を除去する。
【0037】
一方、フロートガラス200から切り出された前面板ガラス111の、フロートガラス200の裏面に対応する内面上に、表示電極113をパターン形成し、この表示電極113を覆うべく前面板ガラス111の内面上に誘電体ガラス層114、及び誘電体保護層115を順次積層する。
【0038】
次いで、上記背面板ガラス112の内面側に、表示電極113とアドレス電極118とが直交するように前面板ガラス111を対向配置する。すなわち、背面板ガラス112の長辺と前面板ガラス111の長辺とが互いに平行になるように、背面板ガラス112の内面側に前面板ガラス111を配置する。次いで、仮焼された低融点ガラスペーストを450℃程度で焼成することにより封着部103を形成して、前面板ガラス111と背面板ガラス112とを封着する。
【0039】
一方、ガラス管124を、管部124aと貫通孔123とが同軸になるように、フランジ部124bの底部を低融点ガラスペースト等を介して背面板ガラス112の外面上に配置し、前面板ガラス111と背面板ガラス112との封着時に、低融点ガラスペースト等を焼成させて接合部125を形成して、ガラス管124と背面板ガラス112とを気密に接合させる。
【0040】
前面板ガラス111と背面板ガラス112との封着時の加熱により発生する水蒸気により、蛍光体119〜121は劣化するため、前面板ガラス111と背面板ガラス112との封止時には、ガラス管124を介して放電空間117へ乾燥空気を導入する。
【0041】
次いで、ガラスパネル101を約350℃に加熱し、中空部104をガラス管124を介して排気した後、中空部104が所定の圧力になるまで希ガスを導入し、ガラス管124の管部124aの外側端を局部加熱することによりガラス管124を封止する。
【0042】
ガラス管124の管部124aの外側端の封止は、ガラス管124を覆うように背面板ガラス112の外面上に封止カップ130を取り付けて(図4)、中空部104を排気した後、中空部104が所定の圧力になるまで希ガスを導入し、次いで、封止カップ130の備えるヒーター131に電流を流し、管部124aを高温に加熱して管部124aの外側端を溶接して封じ切ることによりなされる。
【0043】
本発明の実施の形態に係るガラスパネル101によれば、前面板ガラス111及び背面板ガラス112は、各々の長辺が、フロートガラス200の短辺と平行になるように、フロートガラス200から夫々切り出されるので、前面板ガラス111と背面板ガラス112の封着時に、前面板ガラス111のフロート法における浮上搬送方向と、背面板ガラス112のフロート法における浮上搬送方向とが互いに一致し、前面板ガラス111及び背面板ガラス112の各長辺及び短辺の熱収縮量が等しくなり、背面板ガラスに対する前面板ガラスの位置ずれや、ガラスパネル101に生じる歪を抑制することができる。
【0044】
本発明の実施の形態に係るガラスパネル101よれば、フロートガラス200は、その組成として、酸化ストロンチウムを12重量%、酸化マグネシウムを7重量%含み、酸化バリウムを含まないので、フロートガラス200の表裏面への紫外線の照射に対する蛍光の発光量の差が大きくなり、フロートガラス200の裏面の判別を容易に行うことができる。
【0045】
本発明の実施の形態に係るガラスパネル101において、前面板ガラス111及び背面板ガラス112は、フロートガラス200から、前面板ガラス111及び背面板ガラス112の各長辺が、フロートガラス200の短辺と平行になるように、夫々2枚切り出されるが、前面板ガラス111及び背面板ガラス112のフロートガラス200からの切り出し方は、これに限るものではない。
【0046】
本発明の実施の形態に係るガラスパネル101において、フロートガラス200は、その組成として、酸化ストロンチウムを12重量%、酸化マグネシウムを7重量%含むが、フロートガラス200の組成は、これに限るものではなく、その組成として、酸化ストロンチウムを0〜15重量%、酸化マグネシウムを0〜15重量%含んでもよい。
【0047】
酸化バリウム、酸化ストロンチウム、及び酸化マグネシウムは、アルカリ土類金属酸化物であり、ガラスの歪み点を高くし、ガラスの耐久性を向上させると共に、ガラスの成形時の失透温度及び粘度を調整するのに用いられる。また、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、及び酸化マグネシウムは、粘度を下げる効果も大きいので、ガラスの組成として適量含有させることができる。しかし、酸化マグネシウムの含有量が15重量%を超えると、失透温度が上昇し、酸化ストロンチウムの含有量が15重量%を超える場合も、同様に失透温度が上昇する。このため、上述のように、フロートガラス200は、その組成として、酸化ストロンチウムの含有量を0〜15重量%、酸化マグネシウムの含有量を0〜15重量%とする。
【0048】
本発明の実施の形態に係るガラスパネル101において、前面板ガラス111は、厚さが2.8mm、長辺が1000mm、短辺が590mmの長方形としたが、前面板ガラス111の形状は、これに限るものではない。
【0049】
本発明の実施の形態に係るガラスパネル101において、背面板ガラス111は、厚さが2.8mm、長辺が970mm、短辺が620mmの長方形としたが、背面板板ガラス112の形状は、これに限るものではない。
【0050】
本発明の実施の形態に係るガラスパネル101において、フロートガラス200は、長辺が2.7m、短辺が1.1mの略長方形としたが、フロートガラス200の形状は、これに限るものではない。
【0051】
本発明の実施の形態に係るガラスパネル101は、上記のものに限るものではなく、また、本発明の実施の形態に係るガラスパネル101を備えるPDP100は上記のものに限るものではない。
【0052】
本発明の実施の形態に係るガラスパネル101は、PDP100に用いられるものとしたが、これに限るものではなく、真空複層ガラス等のガラス製品に用いられてもよい。
【0053】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、請求項1記載のガラスパネルの製造方法によれば、フロート法により製造されたフロートガラスから、前面板ガラス及び背面板ガラスを切り出し、この切り出された前面板ガラスのフロート法における浮上搬送方向と、切り出された背面板ガラスのフロート法における浮上搬送方向とが一致するように、前面板ガラスと背面板ガラスとを配設するので、前面板ガラスと背面板ガラスとの密閉の際に、前面板ガラスと背面板ガラスとの熱収縮量の差を減少させることができ、もって、ガラスパネルの製造を容易に行うことができる。
【0054】
請求項2記載のガラスパネルの製造方法によれば、フロートガラスの浮上搬送時に熔融スズと接していたフロートガラスの裏面を、フロートガラスに紫外線を照射して判別するので、紫外線の照射に対する蛍光の発光量の差から容易にフロートガラスの裏面を判別することができる。
【0055】
請求項3記載のガラスパネルの製造方法によれば、フロートガラスは、その組成に、酸化バリウムを実質的に含まないので、紫外線の照射に対する蛍光の発光量の差を大きくすることができる。
【0056】
請求項4記載のガラスパネルの製造方法によれば、フロートガラスは、その組成に、酸化マグネシウムを0〜15重量%含むので、紫外線の照射に対する蛍光の発光量の差をより大きくすることができる。
【0057】
請求項5記載のガラスパネルの製造方法によれば、フロートガラスは、その組成に、酸化ストロンチウムを0〜15重量%含むので、紫外線の照射に対する蛍光の発光量の差をさらに大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るガラスパネルを備えるPDPの要部の概略構造を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は部分断面図である。
【図2】図1(a)のPDP100の封止部近傍の部分断面図である。
【図3】図1における前面板ガラス111及び背面板ガラス112のフロートガラス200からの切り出し方を説明するための図である。
【図4】図2におけるガラス管124の封止処理方法を説明するための図である。
【符号の説明】
100 PDP
101 ガラスパネル
111 前面板ガラス
112 背面板ガラス
200 フロートガラス
Claims (6)
- 間に中空部を形成するように、前面板ガラスと、貫通孔が形成された背面板ガラスとを所定の間隔を隔てて配設する配設ステップと、前記前面板ガラス及び前記背面板ガラスの周縁部を気密に密閉する密閉ステップと、前記貫通孔を封止すべく封止部を形成する封止部形成ステップとを備えるガラスパネルの製造方法において、
前記前面板ガラス及び前記背面板ガラスをフロート法により製造されたフロートガラスから夫々切り出す切り出しステップを備え、前記配設ステップは、前記切り出された前面板ガラスの前記フロート法における浮上搬送方向と、前記切り出された背面板ガラスの前記フロート法における浮上搬送方向とが一致するように、前記前面板ガラスと前記背面板ガラスを配設することを特徴とするガラスパネルの製造方法。 - 前記切り出しステップは、前記フロート法における浮上搬送時に熔融スズと接していた前記フロートガラスの裏面を判別する判別ステップを備え、該判別ステップは、前記フロートガラスに紫外線を照射して前記裏面を判別することを特徴とする請求項1記載のガラスパネルの製造方法。
- 前記フロートガラスは、その組成に、酸化バリウムを実質的に含まないことを特徴とする請求項2記載のガラスパネルの製造方法。
- 前記フロートガラスは、その組成に、酸化マグネシウムを0〜15重量%含むことを特徴とする請求項2又は3記載のガラスパネルの製造方法。
- 前記フロートガラスは、その組成に、酸化ストロンチウムを0〜15重量%含むことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載のガラスパネルの製造方法。
- 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のガラスパネルの製造方法により製造されたことを特徴とするガラスパネル。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002363124A JP2004193087A (ja) | 2002-12-13 | 2002-12-13 | ガラスパネルの製造方法、及び該製造方法により製造されたガラスパネル |
TW092134196A TW200500316A (en) | 2002-12-13 | 2003-12-04 | Method for manufacturing glass panel and glass panel manufactured by the method |
KR1020030089704A KR20040053798A (ko) | 2002-12-13 | 2003-12-10 | 유리 패널의 제조 방법, 및 상기 제조 방법에 의해 제조된유리 패널 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002363124A JP2004193087A (ja) | 2002-12-13 | 2002-12-13 | ガラスパネルの製造方法、及び該製造方法により製造されたガラスパネル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004193087A true JP2004193087A (ja) | 2004-07-08 |
Family
ID=32761358
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002363124A Pending JP2004193087A (ja) | 2002-12-13 | 2002-12-13 | ガラスパネルの製造方法、及び該製造方法により製造されたガラスパネル |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004193087A (ja) |
KR (1) | KR20040053798A (ja) |
TW (1) | TW200500316A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110491908A (zh) * | 2019-07-26 | 2019-11-22 | 武汉华星光电半导体显示技术有限公司 | 显示面板及其切割方法 |
-
2002
- 2002-12-13 JP JP2002363124A patent/JP2004193087A/ja active Pending
-
2003
- 2003-12-04 TW TW092134196A patent/TW200500316A/zh unknown
- 2003-12-10 KR KR1020030089704A patent/KR20040053798A/ko not_active Application Discontinuation
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
KR20040053798A (ko) | 2004-06-24 |
TW200500316A (en) | 2005-01-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2002231129A (ja) | プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法 | |
JPH11162358A (ja) | 画像表示装置及びその製造方法 | |
KR100723752B1 (ko) | 발광특성이 뛰어난 플라즈마 디스플레이 패널의 제조방법 | |
KR100723751B1 (ko) | 가스방전 발광장치 및 그 제조방법 | |
JP2004193087A (ja) | ガラスパネルの製造方法、及び該製造方法により製造されたガラスパネル | |
JP2001035372A (ja) | プラズマディスプレイパネル、その製造方法及び製造装置 | |
JP4592423B2 (ja) | 画像表示装置 | |
JP3898383B2 (ja) | プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法 | |
JP3553903B2 (ja) | プラズマディスプレイパネルの製造方法 | |
JP2004193024A (ja) | ガラスパネル | |
JP2001126623A (ja) | プラズマディスプレイパネル | |
JP2004193086A (ja) | ガラスパネル、及びガラスパネルの製造方法 | |
JP3199069B1 (ja) | プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法 | |
JP2004288401A (ja) | 平板型表示装置 | |
JP2004193085A (ja) | ガラスパネル | |
JP2002358897A (ja) | プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法 | |
JP3564418B2 (ja) | プラズマディスプレイパネルの製造方法及び製造装置 | |
JP2001155648A (ja) | プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法 | |
JP4374932B2 (ja) | プラズマディスプレイパネルの製造方法 | |
JP2004273328A (ja) | Ac型ガス放電表示装置 | |
JP2009123537A (ja) | プラズマディスプレイパネルの製造方法 | |
JP2001351524A (ja) | プラズマディスプレイパネルの製造方法 | |
JP3553902B2 (ja) | プラズマディスプレイパネルの製造方法及び製造装置 | |
JP3540764B2 (ja) | プラズマディスプレイパネル | |
JP2004273355A (ja) | プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法 |