JP2009123537A - プラズマディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents

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Masafumi Okawa
政文 大河
Katsuki Nishinaka
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Abstract

【課題】プラズマディスプレイパネルの封着および排気工程での保護膜と不純物ガスとの反応を抑制して、放電特性の優れた保護膜を有するパネルの製造方法を提供する。
【解決手段】前面基板21と背面基板31とを、間に空間を形成するように隔壁を挟んで対向配置し、その後、画像表示領域外部に形成した封着材料41によって貼り合わせる封着工程を備えるプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、前面基板21は、酸化マグネシウムを含むとともに、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウムの少なくとも1つを含む保護膜を有し、封着工程のあいだ中、空間に乾燥ガスを供給し続ける。
【選択図】図5

Description

本発明は、プラズマディスプレイパネルの製造方法に関する。
プラズマディスプレイパネル(以下、パネルと略記する)として代表的な交流面放電型パネルは、対向配置された前面基板と背面基板との間に多数の放電セルが形成されている。
前面基板は、1対の走査電極と維持電極とからなる表示電極対がガラス基板上に互いに平行に複数対形成され、それら表示電極対を覆うように誘電体層および保護膜が形成されている。
ここで保護膜は、例えば酸化マグネシウム(以下、「MgO」と略記する)の薄膜であり、誘電体層をイオンスパッタから保護するとともに放電開始電圧等の放電特性を安定させるために設けられている。
背面基板は、ガラス基板上に複数の平行なデータ電極と、それらを覆うように誘電体層と、さらにその上にデータ電極と平行に複数の隔壁とがそれぞれ形成され、誘電体層の表面と隔壁の側面とに蛍光体層が形成されている。
そして、表示電極対とデータ電極とが立体交差するように前面基板と背面基板とが対向配置されて密封され、内部の放電空間には放電ガスが封入されている。ここで表示電極対とデータ電極とが対向する部分に放電セルが形成される。
このような構成のパネルの各放電セル内でガス放電により紫外線を発生させ、この紫外線で赤色、緑色および青色の各色の蛍光体を励起発光させてカラー表示を行っている。
パネルを駆動する方法としてはサブフィールド法、すなわち、1フィールド期間を複数のサブフィールドに分割した上で、発光させるサブフィールドの組み合わせによって階調表示を行う方法が一般的である。
サブフィールドは、初期化期間、書込み期間および維持期間を有する。初期化期間では各放電セルで初期化放電を発生させて、それに続く書込み放電に必要な壁電荷を形成する。書込み期間では、表示を行うべき放電セルで選択的に書込み放電を発生させて、それに続く維持放電に必要な壁電荷を形成する。そして維持期間では、走査電極および維持電極に交互に維持パルスを印加して、書込み放電を起こした放電セルで維持放電を発生させ、対応する放電セルの蛍光体層を発光させることにより画像表示を行う。
近年、消費電力削減や輝度向上の要望に応えるために、パネルの構造やパネル材料等に対する検討が活発になされている。例えば、パネルに封入されている放電ガスのキセノン分圧を増加させることによりパネルの発光効率が向上することが一般に知られている。
しかしながら、単純にキセノン分圧を増加させると放電開始電圧が上昇する、放電遅れが大きくなる等、放電特性が不安定になるという課題があった。
そこで、酸化ストロンチウム、酸化カルシウム、酸化バリウム(以下、それぞれ「SrO」、「CaO」、「BaO」と略記する)等を主成分とする複合酸化膜を保護膜として用いることにより、パネルの放電開始電圧を低下させ、放電遅れを小さくして放電を安定させる検討が行われている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながらこれらの材料は、水、炭酸ガス等の不純物ガスとの反応性が高く、特に水、二酸化炭素と反応して放電特性が劣化するという課題を有する。
このような課題を解決するために、例えば特許文献2には、SrOとCaOとを主成分とする保護膜を真空蒸着により作成する際に、真空処理槽内に酸素ガスを供給してその分圧が所定の範囲となるように制御するとともに、真空処理槽内の残留不純物ガスの分圧を所定の値以下となるように制御する方法が開示されている。
特開平5−211031号公報 特開2007−119833号公報
しかしながら、特許文献2に記載の方法によれば、パネルの封着および排気工程を真空処理槽内で一貫して行う必要がある。そしてそのためには大掛かりな設備が必要となり、またその設備のランニングコストも膨大となる。加えて、真空中では平均自由行程(mean free path)が大きく、不純ガスが高速で飛来することとなるためその反応性は高くなり、僅かに存在する不純ガスであっても保護膜と反応し、放電特性を劣化させるという課題がある。
本発明は、これらの課題に鑑みなされたものであり、パネルの製造工程中での保護膜と不純物ガスとの反応を抑制することで、放電特性の優れた保護膜を有するパネルの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を実現するために本発明のプラズマディスプレイパネルの製造方法は、前面基板と背面基板とを、間に空間を形成するように隔壁を挟んで対向配置し、その後、画像表示領域外部に形成した封着材料によって貼り合わせる封着工程を備えるプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、前記前面基板は、酸化マグネシウムを含むとともに、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウムの少なくとも1つを含む保護膜を有し、前記封着工程のあいだ中、前記空間に乾燥ガスを供給し続けることを特徴とするものである。
本発明によれば、パネルの製造工程中での保護膜と不純物ガスとの反応が抑制された、放電特性の優れた保護膜を有するパネルを製造することが可能となる。
以下、本発明のいくつかの実施の形態によるパネルの製造方法について、図面を用いて説明する。
以下、本発明の一実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施の形態により製造されるパネルの概略構造を示す部分断面斜視図である。
パネル10は、ガラス製の前面基板21と背面基板31とを貼り合わせて構成されている。
前面基板21上には、走査電極22と維持電極23とからなる表示電極対24が複数形成されている。そして表示電極対24を覆うように誘電体層25が形成され、その誘電体層25上に保護膜26が形成されている。
背面基板31上にはデータ電極32が複数形成され、データ電極32を覆うように誘電体層33が形成され、さらにその上に井桁状の隔壁34が形成されている。
そして、隔壁34の側面および誘電体層33上には赤色、緑色および青色の各色に発光する蛍光体層35が設けられている。
なお、背面基板31の画像表示領域外には、排気およびガス供給のための貫通孔(図示せず)が設けられている。本実施の形態においては2つの貫通孔が設けられ、それらは背面基板31の対角に位置している。
前面基板21と背面基板31とは、微小な放電空間を挟んで表示電極対24とデータ電極32とが交差するように対向配置され、その外周部をガラスフリット等の封着材料によって貼り合わせて封着されている。
そして放電空間には、例えばキセノン等を含む放電ガスが封入されている。放電空間は隔壁34によって複数の区画に仕切られており、表示電極対24とデータ電極32とが交差する部分に放電セルが形成されている。そしてこれらの放電セルが放電、発光することにより画像が表示される。
なお、パネル10の構造は上述したものに限られるわけではなく、例えば誘電体層33を省略してもよく、また隔壁34の形状がストライプ状であってもよい。
次に、パネル10の材料について説明する。
走査電極22は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)等の導電性金属酸化物からなる幅の広い透明電極22aの上に、導電性を高めるために銀等の金属を含む幅の狭いバス電極22bを積層して形成されている。
維持電極23も同様に、幅の広い透明電極23aの上に幅の狭いバス電極23bを積層して形成されている。
誘電体層25は、酸化ビスマス系低融点ガラスまたは酸化亜鉛系低融点ガラスで形成されている。
保護膜26は、CaO、SrO、BaOのうち少なくとも1つと、MgOとからなる薄膜層である。
データ電極32は、銀等の金属を含む導電性の高い材料で形成されている。
誘電体層33は、誘電体層25と同様の材料であってもよいが、可視光反射層としての働きも兼ねるように酸化チタン(TiO)粒子を混合した材料であってもよい。
隔壁34は、例えば低融点ガラス材料を用いて形成されている。
蛍光体層35は、青色蛍光体材料としてBaMgAl1017:Euを、緑色蛍光体材料としてZnSiO:Mnを、赤色蛍光体材料として(Y、Gd)BO:Euをそれぞれ用いることができるが、もちろん上記蛍光体に限定されるものではない。
なお、誘電体層25の膜厚は、例えば40μm、保護膜26の膜厚は、例えば0.8μmである。また、隔壁34の高さは、例えば0.1〜0.15mm、蛍光体層35の膜厚は、例えば5〜50μmである。放電ガスは、例えばネオン(Ne)およびキセノン(Xe)の混合ガスであり、放電ガスのガス圧は、例えば1×10〜9×10Paであり、Xeの含有量は、例えば5体積%以上である。
次に、パネルの製造方法について説明する。図2は、本発明の実施の形態1におけるパネルの製造方法を示すフローチャートである。以下、このフローチャートに沿って詳細に説明する。
(前面基板作製工程)
前面基板作製工程は、前面基板21上に表示電極対24を形成し、その上に誘電体層25を形成し、さらにその上に保護膜26を形成する工程である。
まず前面基板21上に、例えばITOの薄膜を真空蒸着等により形成し、その後エッチングして透明電極22a、23aを形成する。
そしてその上にバス電極22b、23b用のペーストをスクリーン印刷等により印刷し、その後焼成して走査電極22および維持電極23を形成する。
次に、例えば、Bi:60重量%、B:15重量%、SiO:10重量%、ZnO:15重量%の組成を持つ酸化ビスマス系のガラス材料を含むペーストをダイコート等により塗布し、その後焼成して誘電体層25を形成する。
次に、CaO、SrO、BaOのうち少なくとも1つと、MgOとからなるペレットを誘電体層25の表面に蒸着またはスパッタして保護膜26を形成する。
(背面基板作製工程)
背面基板作製工程は、背面基板31上に、データ電極32を形成し、その上に誘電体層33を形成し、その上に隔壁34を形成し、誘電体層33および隔壁34の側面に蛍光体層35を形成する工程である。
まず背面基板31上に銀電極用のペーストをスクリーン印刷し、その後焼成してデータ電極32を形成する。
次にTiO粒子と誘電体ガラス粒子とを含むペーストをスクリーン印刷等により塗布し、その後焼成して誘電体層33を形成する。
次に酸化ビスマス系のガラス粒子とフィラーと感光性樹脂とを含むペーストをスクリーン印刷等により塗布し乾燥した後、露光、現像し、焼成して隔壁34を形成する。
次に赤色、緑色、青色の各色蛍光体ペーストを隔壁34の間隙にラインジェット印刷等により印刷し、その後焼成して各色の蛍光体層35を形成する。
(フリット塗布工程)
フリット塗布工程は、前面基板、背面基板の少なくとも一方の画像表示領域外部に、封着材料を塗布し、その後、封着材料の樹脂成分等を除去するために350℃程度の温度で仮焼成する工程である。
ここで、保護膜26に含まれる、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウムのうちの少なくとも1つの材料が、封着材料の仮焼成で劣化してしまうということを避けるために、封着材料の塗布・形成は、保護膜26を備える前面基板21側にではなく、背面基板31側に行うことが好ましい。また、ここで用いる封着材料およびガラス管固着フリットとしては、後述する理由により、酸化ビスマスや酸化バナジウムを主成分としたフリットが望ましい。
なお、酸化ビスマスを主成分とするフリットとしては、例えば、Bi−B−RO−MO系(ここでRは、Ba、Sr、Ca、Mgのいずれかであり、Mは、Cu、Sb、Feのいずれかである。)のガラス材料に、Al、SiO、コージライト等酸化物からなるフィラーを加えたものを用いることができる。
また、酸化バナジウムを主成分とするフリットとしては、例えば、V−BaO−TeO−WO系のガラス材料に、Al、SiO、コージライト等酸化物からなるフィラーを加えたものを用いることができる。
(封着工程)
封着工程は、前面基板作製工程で作成した前面基板21とフリット塗布工程で作成した背面基板31とを貼り付けて封着する工程である。
まず封着工程で用いる封着・排気用加熱炉について説明する。
図3は、本発明の実施の形態におけるパネルおよびそれを製造する封着・排気用加熱炉100の概要を示す模式図である。
封着・排気用加熱炉100は、内部にヒータ51を有する加熱炉52を備えている。
図3の加熱炉52の内部には、前面基板21の上に、仮焼成された封着フリット41およびガラス管43、44を有する背面基板31が重ね合わされている様子を示している。
また背面基板31に設けられた貫通孔のそれぞれには、ガラス管固着フリット(図示せず)が置かれ、その上にガラス管43、44が置かれている。
以上の状況においては、前面基板21と背面基板31、および背面基板31とガラス管43、44とはそれぞれ、例えばクリップなどの固定手段(図示せず)によって固定された状態となっている。
また、ガラス管43には配管53が接続され、配管53は、加熱炉52の外部に設けられた乾燥ガス供給装置71にバルブ61を介して接続されている。乾燥ガス供給装置71とバルブ61との間にはガス逃がし弁62が設けられている。ガラス管44には配管54が接続され、配管54は、加熱炉52の外部に設けられた排気装置72にバルブ63を介して接続されている。また、配管54は、加熱炉52の外部に設けられた放電ガス供給装置73にバルブ64を介して接続されている。さらに配管54は、バルブ65を介して乾燥ガス供給装置71にも接続されている。加えて配管54には圧力計66が設けられている。
図4は、本発明の実施の形態に用いる封着・排気用加熱炉100の温度プロファイルの一例を示す図である。
封着工程およびそれに続く排気工程、放電ガス供給工程のプロファイルの詳細は、順を追って以下に説明するが、説明の便宜上、封着工程と、それに続く排気工程、放電ガス供給工程とを、温度の観点から次の5つの期間に分割する。
すなわち、室温から軟化点まで上昇させる期間(期間1)、軟化点から封着温度まで上昇させる期間(期間2)、封着温度以上の温度で一定時間保持した後軟化点まで低下させる期間(期間3)(以上、封着工程)、軟化点温度付近またはそれよりやや低い温度で一定時間保持した後室温まで低下させる期間(期間4:排気工程)、および、室温まで低下した後の期間(期間5:放電ガス供給工程)である。
ここで、軟化点とは、フリットが軟化する温度を指し、本実施の形態におけるフリットの軟化点温度は、例えば430℃程度である。
また封着温度とは、前面基板21と背面基板31とが封着フリット41により、また、背面基板31とガラス管43、44とがガラス管固着フリット(図示せず)により、密閉される状態となる温度を指すものである。本実施の形態における封着温度は、例えば490℃程度である。なお、上記の封着温度は以下のようにしてあらかじめ確認することができる。
すなわち、前面基板21と背面基板31とを重ね合わせ、バルブ61、64、65を閉じ、バルブ63のみを開いて、排気装置72によってガラス管44からパネルの内部を排気しながら、ヒータ51をオンにして加熱炉52内部の温度を上昇させる。すると、ある温度で圧力計66で確認されるパネル内部の圧力がステップ状に減少し、かつバルブ63を閉じてもパネル内部の圧力が大きく上昇しなくなる。このときの温度がパネルが密封される封着温度である。
図5は、本発明の実施の形態におけるパネルの製造方法を模式的に示す図であり、図5(a)〜図5(e)はそれぞれ上述の期間1〜期間5におけるパネル内部のガスおよびその流れを示す図である。
ここで、図5を用いて封着工程の詳細について説明する。
まず、表示電極対24とデータ電極32とが直交して対向するように前面基板21と背面基板31とを位置決めして重ね合わせる。
そして、前面基板21と背面基板31とを重ね合わせた後、図5(a)に示すように、バルブ61とバルブ64とを開いて、乾燥ガスをガラス管43およびガラス管44の両方からパネルの内部に吹き込みながら、ヒータ51をオンにして加熱炉52内部の温度を封着用フリットの軟化点温度まで上昇させる。
この時、パネルの内部に吹き込まれた乾燥ガスは、符号200にて示すように、前面基板21と背面基板31上に形成された封着材料41との隙間からパネルの外部へ漏れ出る状態となる。
なお本実施の形態においては乾燥ガスとして、露点が−45℃以下の乾燥窒素ガスを用い、その流量は5L/minである(期間1)。
次に、加熱炉52内部の温度が封着用フリットの軟化点温度以上になると、図5(b)に示すように、バルブ64を閉じるとともにバルブ61を調節して乾燥窒素ガスの流量を期間1の半分以下、本実施の形態においては2L/minにする。
そしてガス逃がし弁62を開いて、パネル内部の圧力が、封排用加熱炉52内部の圧力よりも僅かに揚圧となるようにする。そして加熱炉52内部の温度を封着温度まで上昇させる(期間2)。
次に、加熱炉52内部の温度が封着温度以上の温度に到達し、封着材料およびガラス管固着フリットが溶融し、前面基板21と背面基板31との封着、および背面基板31とガラス管43、44との接合が行われると、図5(c)に示すように、排気装置72を動作させバルブ63を調整して、パネル内部の圧力を僅かに陰圧、例えば8.0×10Paにする。
このようにしてガラス管43からは乾燥窒素ガスを供給するとともにガラス管44から乾燥窒素ガスを排気することによって、パネル内部の圧力を僅かに陰圧に保ちつつパネル10内部に乾燥窒素ガスを流し続ける。
そしてヒータ51を制御して加熱炉52内部の温度を封着温度以上の温度に約30分保持する。この間に溶融した封着材料およびガラス管固着フリットが僅かに流動し、パネル内部の圧力が僅かに陰圧に保たれていることから、前面基板21と背面基板31との封着、および背面基板31とガラス管43、44とが精度良く接合される。
その後、ヒータ51をオフにして加熱炉52の温度を軟化点以下の温度まで下げる(期間3)。
ここで、期間2および期間3において、パネル内の圧力を上述のように設定する理由について説明する。
まず、期間2および期間3においては封着材料は軟化もしくは溶融しているため、期間1での状態のような、前面基板21と背面基板31上に形成された封着材料41との隙間からパネルの外部へ乾燥ガスが漏れ出すような圧力状態であると、封着材料の形状が漏れ出る乾燥ガスにより影響を受けてしまい、封着の信頼性に悪影響を与えてしまう場合がある。そこで、期間2および期間3においては、パネル内外での圧力差は、極力、小さく設定することが好ましい。
その上で、期間2においては、封着材料は軟化はしているが溶融にまでは至っておらず、封着の過程が進行することはないので、パネル内への不純ガスの混入を防ぐということを第1の目的として、僅かに揚圧としている。
これに対し期間3では、封着材料は溶融しており、この期間で前面基板と背面基板との封着の過程が進行する。ここで、この期間3においても期間2と同様、若干の揚圧と設定すると、前面基板と背面基板とは若干、膨らんだ状態、すなわち、前面基板と背面基板上に形成された隔壁とは隙間を持った状態で封着されてしまい、パネルの画像表示への品質に悪影響を与えてしまう場合がある。
そこで、このようなパネルの封着状態を避けつつ、パネル内への不純ガスの混入を防ぐという目的を達成するために、期間3においては、僅かに陰圧となるように設定している。
(排気工程)
排気工程は、パネル内部のガスを排気する工程である。加熱炉52内部の温度が軟化点温度以下になると、図5(d)に示すように、バルブ61を閉じバルブ63を開いて、パネルの内部を排気する。そしてヒータ51を制御して加熱炉52内部の温度を所定の時間保持しながら、排気を継続して行う。その後、ヒータ51をオフにして加熱炉52内部の温度を室温まで低下させる。この間も排気を継続して行う(期間4)。
(放電ガス供給工程)
放電ガス供給工程は、真空排気されたパネル内部にNeおよびXeを主成分とする放電ガスを供給する工程である。加熱炉52内部の温度が室温まで低下した後、図5(e)に示すように、バルブ63を閉じバルブ64を開いて放電ガスを所定の圧力となるように供給する。
本実施の形態においては、放電ガスは、例えば、Xe:10%、Ne:90%の混合ガスであり、所定の気圧は6×10Paである。しかし、放電ガスはこれに限定されるものではなく、例えば、Xe:100%のガスであってもよい。
その後、ガラス管43、44を加熱封止する(期間5)。
以上のようにして、前面基板と背面基板とを貼り合わせ、その間に放電ガスを充填したパネルが完成する。
本実施の形態におけるパネルの保護膜26は、MgOを主成分とし、CaO、SrO、BaOのうちの少なくとも1つを含む、放電特性に優れた保護膜である。
しかしながらCaO、SrO、BaOは、水、炭酸ガス等の不純物ガスとの反応性が高く、従来の製造方法では優れた放電特性を発揮することができなかった。
しかしながら本実施の形態によれば、高温の環境下で不純ガスが発生する封着工程において、前面基板と背面基板との間の空間に乾燥ガスを供給し続けることにより、保護膜26に含まれる、CaO、SrO、BaOのうちの少なくとも1つの材料と不純ガスとの反応を抑えることができ、もって優れた放電特性を持つパネルを製造することができる。
また、パネルの封着の信頼性も高めることができるという有利な効果を得ることもできる。
なお、上述した本発明の一実施の形態においては、封着材料として、酸化ビスマスや酸化バナジウムを主成分としたガラス成分をもつフリットを用いることが好ましい。これは以下の理由によるものである。
すなわち、上述した本発明の一実施の形態においては、封着工程において前面基板と背面基板との間の空間に乾燥ガスを供給する。したがって封着用フリットは酸素や水が遮断された状態で長時間高温に曝されることになる。このような還元雰囲気中で、仮に酸化鉛を主成分とするフリットを用いたと仮定すると、酸化鉛の一部が還元されて、導電性の金属鉛が封着フリット表面に析出し、走査電極22と維持電極23との間、あるいはデータ電極32間で絶縁不良を生じさせてしまう可能性がある。そこで、還元されにくい酸化ビスマスや酸化バナジウムを主成分とするフリットを用いることにより、電極間で絶縁不良を生じる恐れを無くすことが可能となる。
また、前面基板と背面基板との間の空間に供給する乾燥ガスとしては、露点が−45℃以下の、二酸化炭素などの炭酸ガスを含まないものであれば、窒素ガスに限定するものではなく、また、露点についても−50℃以下であればさらに望ましい。
また、以上の説明においては、背面基板が貫通孔を2箇所備え、それぞれに配置したガラス管を通じて外部の装置に接続し、乾燥ガスを供給、排気する形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限るものではなく、例えば、背面基板が貫通孔を3箇所以上備えるという形態であっても、同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態において用いた具体的な数値等は、単に一例を挙げたに過ぎず、パネルの仕様やパネル材料の仕様等に合わせて、適宜最適な値に設定することが望ましい。
以上のように本発明は、放電特性の優れたプラズマディスプレイ装置を提供する上で有用な発明である。
本発明の一実施の形態により製造されるパネルの概略構造を示す部分断面斜視図 同パネルの製造方法を示すフローチャート 同パネルおよびそれを製造する封着・排気用加熱炉の概要を示す模式図 同封着・排気用加熱炉の温度プロファイルの一例を示す図 本発明の実施の形態におけるパネルの製造方法を模式的に示す図
符号の説明
10 パネル
21 前面基板
22 走査電極
23 維持電極
24 表示電極対
25 誘電体層
26 保護膜
31 背面基板
32 データ電極
33 誘電体層
34 隔壁
41 封着フリット(封着材料)
43,44 ガラス管
51 ヒータ
52 加熱炉
53,54 配管
61,63,64,65 バルブ
62 ガス逃がし弁
66 圧力計
71 乾燥ガス供給装置
72 排気装置
73 放電ガス供給装置
100 封着・排気用加熱炉

Claims (8)

  1. 前面基板と背面基板とを、間に空間を形成するように隔壁を挟んで対向配置し、その後、画像表示領域外部に形成した封着材料によって貼り合わせる封着工程を備えるプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
    前記前面基板は、酸化マグネシウムを含むとともに、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウムの少なくとも1つを含む保護膜を有し、
    前記封着工程のあいだ中、
    前記空間に乾燥ガスを供給し続ける
    ことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  2. 前記封着工程において、
    前記封着材料の軟化点未満では、重ね合わせた前記前面基板と前記背面基板との間から乾燥ガスが漏れ出る程度に、前記空間が揚圧となるように前記乾燥ガスを供給することを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  3. 前記封着工程において、
    前記封着材料の軟化点以上、封着温度未満では、前記空間が僅かに揚圧となるように乾燥ガスを供給することを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  4. 前記封着工程において、
    封着温度以上では、前記空間が僅かに陰圧となるように乾燥ガスを供給することを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  5. 前記封着材料は、酸化ビスマスを主成分としたガラス成分を含むフリットであることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  6. 前記封着材料は、酸化バナジウムを主成分としたガラス成分を含むフリットであることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  7. 前記封着材料は、背面基板の画像表示領域外部に形成されることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  8. 前記乾燥ガスは、露点が−45℃以下の、炭酸ガスを含まないガスであることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
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JP2011146191A (ja) * 2010-01-13 2011-07-28 Panasonic Corp プラズマディスプレイパネルの製造方法

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