JP2004190914A - 液体燃料燃焼装置 - Google Patents

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Hiroshi Ishikawa
石川  浩
Koji Koseki
浩司 小関
Takashi Kuwako
高志 桑子
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Abstract

【課題】送風筒から噴出される空気の偏流と、気化筒回りに設けられた複数の送気通路から噴出する空気量のばらつきを抑制すること。
【解決手段】燃焼室11が内部に形成される燃焼盤16と、燃焼室11内に配置される気化筒39と、この気化筒39内に位置して当該気化筒39内に送られる空気を案内する送風筒41と、この送風筒41の軸線に対して交わる方向に位置する空気供給路17を介して送風筒41内に空気を供給する送風機14と、燃焼室11と空気室13Aとの間に設けられて気化筒39回りに空気を供給するための複数の送気管49とを備えてバーナー10が構成されている。空気室13Aには整流部材55が配置され、その面内に設けられた穴60,70の数若しくは大きさを、上流領域A1、中流領域A3及び下流領域A2毎に変えて上昇する空気の量が横方向において略均等となるように設けられている。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液体燃料燃焼装置に係り、更に詳しくは、送風筒内に供給される空気の偏流と、気化筒回りの各送気通路に供給される空気量のばらつきを抑制することのできる液体燃料燃焼装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、給湯機等に用いられる液体燃料燃焼装置として、例えば、図7に示されるようなバーナー100が知られている。このバーナー100は、灯油等の燃料が燃焼する平面視略方形状の燃焼室101が内部に形成された燃焼盤102と、この燃焼盤102内の略中央に設けられた下向き開放型の気化筒103と、当該気化筒103の下方に微細な隙間S1を隔てて設けられた飛散リング104と、燃焼盤102の外側に設けられて当該燃焼盤102との間にガス室105を形成する燃焼室外筒106と、この燃焼室外筒106を下方から支持するとともに、上部が開放する有底容器状をなす平面視略方形状のケース107と、このケース107の図7中右端側から外側に向かって略水平方向に延びる空気供給路108と、この空気供給路108を介してケース107内の空気室107Aに空気を供給する送風機110と、空気室107Aに供給された空気を気化筒103内に案内する送風筒111と、この送風筒111の上部内側に位置して気化筒103と共に回転する燃料拡散体112と、前記ガス室105を貫通して気化筒103回りに空気を供給する送気通路をなす送気管113とを備えて構成されている。
【0003】
このバーナー100は、前記隙間S1から燃焼室101内に飛散された液体燃料を着火して噴霧燃焼を行い、この噴霧燃焼の燃焼熱で気化筒103を加熱することで当該気化筒103内の液体燃料を気化する。この気化した燃料は、送風筒111の上端側と燃料拡散体112の下端側との間に形成された空気噴出通路115から気化筒103の内部に噴出された空気と混合される。当該混合気はガス室105を経て燃焼盤102の側壁に形成された炎孔116から噴出され、この噴出された混合気が着火されて炎孔116の出口から燃焼盤102の内方に向かう火炎を形成することで気化燃焼が行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなバーナー100にあっては、前記送風筒111の軸線に対して交差する方向、すなわち、図7中右側から送風筒111内に空気が供給される構造となっているため、同図中矢印で模式的に示すように、送風筒111内での空気の流れが空気供給路108から離れた領域(同図中左端側領域)に偏ってしまう傾向がある。この結果、空気噴出通路115から気化筒103の内部に噴出する空気の流量が気化筒103の周方向でばらつき、前記炎孔116から噴出する混合気の量もばらつくことになる。そのため、前記気化燃焼時の火炎の大きさが大小様々、すなわち、場所によって火炎の大きさが異なって火炎の安定性を低下させる要因になるという不都合がある。また、同様に、空気室107Aから送気管113及び隙間S1を通って燃焼室101内に供給される空気も、気化筒103の周方向でばらつく傾向をもち、送気量が少ない領域(図7中右側の送気管の上方領域)において、火炎が気化筒103に接近し過ぎるため、気化筒103の過加熱を惹起して燃焼不良を生じさせるという不都合を招来する。
【0005】
【発明の目的】
本発明は、このような不都合に着目して案出されたものであり、その目的は、送風筒に送られる空気の偏流と、各送気通路に送られる空気量のばらつきを抑制することができる液体燃料燃焼装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、有底のケース内に配置されて当該ケースの底部側に空気室を形成する一方、上部に燃焼室を形成する燃焼盤と、この燃焼盤の外側に設けられてガス室を形成する燃焼室外筒と、前記燃焼室内に回転可能に配置されて前記空気室側に開放する気化筒と、この気化筒内に位置して前記空気室から空気を気化筒内に導入する送風筒と、前記気化筒の下部に位置して液体燃料を燃焼室内に飛散させる飛散リングと、前記ガス室を貫通して前記空気室から燃焼室に空気を供給する複数の送気通路と、前記送風筒の軸線に対して交差する方向から前記空気室に空気を供給する送風機とを備え、前記気化筒と飛散リングとの間の隙間から燃焼室に飛散された液体燃料を着火して噴霧燃焼を行い、この噴霧燃焼の燃焼熱で気化筒を加熱することで当該気化筒内に供給される液体燃料を気化し、当該気化した燃料を気化筒内に供給された空気と混合し、当該混合気を前記燃焼盤に形成された炎孔から燃焼室内に噴出させて気化燃焼を行う液体燃料燃焼装置において、
前記送風機から空気室を経て前記送風筒に送られる空気の偏流と、前記各送気通路に送られる空気量のばらつきを抑制する整流部材が前記空気室に設けられる、という構成を採っている。このような構成によれば、送風筒の軸線に対して交差する方向から空気室に空気が供給される構造としても、整流部材によって各送気通路の開口を含む平面と略平行な仮想平面を通過する空気の面内分布を略均等にするようになり、整流部材を通過して上昇する空気が偏流を伴うことなく送風筒の内周に沿って流れるようになる。従って、燃焼盤の炎孔出口より燃焼室内に形成される火炎の安定性を高めることができる。また、気化筒回りの送気通路に供給される空気の量も、各送気通路毎にばらつくことがなくなり、気化筒下部の送気間隙から気化筒回りに送気される空気も周方向に略等しく流れ、これにより、気化筒の過加熱が防止される。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明において、前記整流部材は板状部材により構成されているとともに、その面内に相互に略同一内径となる多数の穴が形成され、前記送風機との距離が離れている側の穴の数は、送風機との距離が近い側の穴の数よりも少なく設けられる、という構成を採ることができる。このような構成によれば、板状部材、例えば、一枚の金属板材を適宜パンチングプレスするだけで足りるため、構造を複雑にすることがなく、整流部材を設けることによるコスト的な負担も軽減することができる。
【0008】
また、前記整流部材は板状部材により構成されているとともに、その面内に複数の穴が形成され、これらの穴は、整流部材を通じて上昇する空気が、当該整流部材の面内で略均等に分散して上昇する分布若しくは形状に設けられる、という構成としてもよい。
【0009】
なお、本明細書において、「噴霧燃焼」とは、液体燃料を着火することによって行われる燃焼を意味し、「気化燃焼」とは、気化した液体燃料を空気と混合することにより得られる混合気を燃焼させる燃焼を意味する。
【0010】
また、「空気の偏流」とは、特に明示しない限り、送風筒の内面に沿って流れる空気が、周方向において特定の領域に集中して流れる状態となり、送風筒から放射方向に流れる空気の流量が周方向において不均一となることを意味する。また、各送気通路からの空気のばらつきとは、各送気通路を通る空気の量が、送気通路毎に異なることを意味する。
【0011】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【0012】
図1には、本実施例に係る液体燃料燃焼装置としてのバーナーの概略平面図が示され、図2には、図1に対して部品を一部取り外した状態のバーナーの一部拡大平面図が示されている。また、図3には、図1のX−X線矢視概略端面図が示され、図4には、図3の一部拡大図が示されている。これらの図において、バーナー10は、平面視で略方形となる燃焼室11を含む上部構成体12と、この上部構成体12を下方から支持するとともに、上部が開放する有底容器状をなす平面視略方形状のケース13(図3,図4参照)と、このケース13の一側部における延出方向略中央(図1中上下方向略中央)から外側に向かって略水平方向に延びる空気供給路17と、この空気供給路17を介してケース13内の空気室13Aに空気を供給する送風機14とを備えて構成されている。
【0013】
前記上部構成体12は、図4に示されるように、外側に位置する有底略角筒状の燃焼室外筒15と、この燃焼室外筒15の内側に設けられた有底略角筒状の燃焼盤16と、当該燃焼盤16の内側略中央に位置するとともに、灯油等の液体燃料を気化して空気との混合気を形成する混合気形成手段18と、当該混合気形成手段18の下部側に設けられるとともに、燃焼室11内に空気室13Aからの空気を導入する空気導入部19とを備えて構成されている。なお、本実施例では、燃焼盤16と混合気形成手段18との間に形成される空間が前記燃焼室11となっている。
【0014】
前記燃焼室外筒15は、平面視で略正方形の外形を有する底壁15Aと、この底壁15Aの外周から上方に起立する四辺の側壁15Bとからなる。底壁15Aには、略中央領域に第1中央貫通穴21が形成されているとともに、この第1中央貫通穴21の周方向に沿う複数箇所、本実施例では周方向略90度間隔位置に第1中央貫通穴21よりも小径の第1外側貫通穴22が形成されている。
【0015】
前記燃焼盤16は、燃焼室外筒15の内方に隙間を隔てて配置されており、当該隙間によって前記混合気形成手段18で形成された混合気を通過させるガス室24が形成されている。また、燃焼盤16は、平面視で略方形状の外形を有する底壁16Aと、この底壁16Aの外周から上方に起立する四辺の側壁16Bとにより構成されている。底壁16Aの中央部には、前記第1中央貫通穴21と第1外側貫通穴22の各上方に、第2中央貫通穴26と第2外側貫通穴27とがそれぞれ形成されている。また、側壁16Bには、前記ガス室24からの混合気を燃焼室11内に噴出可能とする多数の炎孔29が形成されているとともに、当該側壁16Bの上部に筒状部材33が設けられている。この筒状部材33は、内外二重壁構造とされ、その間がチャンバ35として構成されている。このチャンバ35は、空気供給路17(図3参照)を通る空気を一部分岐させる連通路34の一端(上端)が連通されており、チャンバ35の上部に形成された送気孔37から空気を上方に噴出することで、筒状部材33の上方に設けられる図示しない熱交換器の壁面の結露等を防止するようになっている。
【0016】
前記混合気形成手段18は、図4に示されるように、下部が開放する釣鐘型の気化筒39と、この気化筒39の下端との間に微細な隙間S1を隔てて配置される飛散リング40と、前記第1中央貫通穴21の形成縁領域に支持されるとともに、上端側が気化筒39内で開放する一方で下端側が空気室13A側に開放する略円筒状の送風筒41と、この送風筒41の上方に位置する燃料拡散体42と、この燃料拡散体42に液体燃料を供給する燃料供給管44とにより構成されている。
【0017】
前記送風筒41は両端が開放する略円筒形状をなし、その一端側すなわち図3中下端側に形成されたフランジ部52が燃焼室外筒15の第1中央貫通穴21回りに固定されている。この送風筒41を構成する周壁51は、内部上端側で燃料拡散体42の下端側を囲むことのできる起立高さ及び内径に設けられ、周壁51の上端側と燃料拡散体42との間に空気室13Aから上昇した空気の出口となる空気噴出通路54が形成されている。従って、送風筒41は、その軸線が空気供給路17の延出方向に交わる配置となり、空気供給路17から噴出された空気は送風筒41の軸線に対して交差する方向に流れることとなる。
【0018】
前記燃料拡散体42は、図4に示されるように、上下両側が開放する略円筒状の側部42Aと、この側部42Aの上端に連なる外向きのフランジ部42Bと、側部42Aの下端側に連なるとともに、反転フック状に設けられて燃料供給管44からの液体燃料を受け取り可能な受け部42Cと、フランジ部42Bの上面側に微小な隙間S2を隔てて固定される頂部42Dとからなる。気化筒39及び燃料拡散体42は、その中央部に位置する共通の回転軸46によって支持されており、当該回転軸46を出力軸とするモータ47の駆動によって一体回転可能に設けられている。この際、燃料拡散体42の受け部42Cに供給された液体燃料は、回転に伴う遠心力によって、前記隙間S2から気化筒39の内壁39B上部に向かって噴出するようになっている。
【0019】
前記燃焼室11内に空気を送り込むための空気導入部19は、前記第1及び第2外側貫通穴22,27間を連結する送気通路としての四つの送気筒49と、これら送気筒49の上端開放側と飛散リング40との間に設けられて当該飛散リング40との間に送気間隙Pを形成可能な送気案内リング50とにより構成されている。この空気導入部19は、前記送風機14から空気室13Aを通過した空気が送気筒49内を通って送気間隙Pから燃焼室11内に供給可能となっている。
【0020】
前記送風機14は、ファンF(図3参照)が回転し、ケース13の内部に形成された空気室13Aに送り込めるようになっている。なお、送風機14としては、軸流式、遠心式、斜流式、或いは横流式のもの等を採用することができる。また、本実施例においては、ファンF及び気化筒39を別個のモータで回転させる構造となっているが、共通のモータによってファンF及び気化筒39を回転させてもよい。
【0021】
前記ケース13は、燃焼室外筒15の底壁15Aとの間に空気室13Aを形成するものであり、当該ケース13は、底部中央が略反転凹状となる隆起底壁52を備えた形状に設けられ、この隆起底壁52の下面側領域に前記モータ47が受容されている。ケース13の周壁内周面には、隆起底壁52と略同一平面上に位置する支持部53が突設されており、隆起底壁52の外周側上面と支持部53の上面とを支持面として整流部材55が空気室13内に配置されている。
【0022】
前記整流部材55は、空気室13内に横方向から送り込まれて上昇する空気を上部構成体12に向かわせる際に、各送気筒49の開口を含む平面と略平行な仮想平面を通過する空気の面内分布を略均等に保つための部材である。この整流部材55は、図5にも示されるように、平面視略方形をなす一枚の金属からなる板状部材によって構成され、各コーナーに設けられた取付穴57位置で前記支持部53にねじ58により固定されるようになっている。また、整流部材55は、その中央部に回転軸46を逃げるための円形の中央穴59を備えているとともに、この中央穴59回りに、相互に略等大の内径で略等間隔を隔てた送気用の穴60が設けられている。ここで、図5中右側は、送風機14側に位置して当該送風機14に近い上流領域A1となる一方、左側は送風機14から最も離れている下流領域A2となり、これらの間が中流領域A3となる。上流領域A1は、下流領域A2に対して穴60の数が相対的に多く、中流領域A3は、下流領域A2よりも穴60の数が多く、且つ、上流領域A1よりも少なく設けられている。但し、中流領域A3の穴60は、上流領域A1と単位面積あたりの数を同一としてもよい。また、中流領域A3は、穴60の数を、上流領域A1側に多めに設ける一方、下流領域A2側に向かって漸減するようにしてもよい。
【0023】
次に、前記バーナー10の燃焼動作について図3を参照しながら説明する。
【0024】
先ず、図示しないスイッチを投入すると、送風機14とモータ47が同時に作動する。送風機14が作動することにより、当該送風機14から空気供給路17を介して空気室13Aを経由した空気が、送風筒41の内部を通って空気噴出通路54から噴出され、気化筒39の内壁39B側に供給されるとともに、前記送気筒49及び送気間隙Pを通って燃焼室11内に供給される。この際、空気供給路17を経てケース13内の空気室13Aに送られた空気は、空気供給路17の延出方向延長線上に沿って流れる勢いを有しているので、ケース13の隆起底壁52を形成する円筒状の隆起面52Aを回り込むようにして整流部材55の下流領域A2の直下に集中する。従って、整流部材55における穴60が全体的に略等大内径で等ピッチに配置されていると仮定した場合には、下流領域A2から上部構成体12側に向かって上昇する空気量が上流領域A1に対して増大してしまう傾向となるが、本実施例では、下流領域A2の穴60の数が上流領域A1よりも少なく設定されているため、下流領域A2から上昇する空気量が抑制される一方、上流領域A1から上昇する空気量を十分に確保でき、また、中流領域A3の穴60の数も前述した条件としていることで、上流領域A1、下流領域A2及び中流領域A3における整流部材55からの上昇空気量をできるだけ均衡に保つことが可能となる。従って、整流部材55を通じて上昇する空気は、各送気筒49の開口を含む平面と略平行な仮想平面を通過する空気の面内分布を略均等に保つようになり、送風筒41の内周における空気の偏流を防止するとともに、各送気管49内に流れる空気量のばらつきも防止することとなる。
【0025】
なお、モータ47が作動することにより、気化筒39及び燃料拡散体42が同時に回転する。そして、燃料供給管44から燃料拡散体42の受け部42Cに灯油等の液体燃料が供給される。この液体燃料は、燃料拡散体42の回転によって燃料拡散体42に形成された微細な隙間S2から気化筒39の内壁39Bに向かって噴出され、更に、気化筒39と飛散リング40との間に形成された隙間S1から燃焼室11内に飛散される。この飛散された液体燃料は、燃焼室11内に延びるイグナイター等の点火装置(図示省略)の火花によって着火され、噴霧燃焼が開始する。
【0026】
噴霧燃焼が開始されると、その燃焼熱によって気化筒39が加熱され、気化筒39の内壁39Bに噴出された液体燃料が気化する。そして、当該気化した燃料は、空気噴出通路54から噴出された空気と混合して混合気となり、当該混合気がガス室24を通って燃焼盤16の各炎孔29から燃焼室11内に噴出され、既に発生している噴霧燃焼の火炎によって気化燃焼が行われる。また、各送気管49から送気される空気は、送気間隙Pから気化筒39回りに略等しく噴出し、気化筒39の部分的な過加熱が防止される。
【0027】
従って、このような実施例によれば、一枚の板状板材に多数の穴60を設けるとともに、領域A1〜A3に設ける穴60の数を調整するだけの構成によって整流部材55が設けられているから、複雑な構造とすることなく送風筒41及び送気管49に対する空気の偏流及び空気量のばらつきを防止でき、安定した燃焼を実現することができる、という効果を得る。しかも、整流部材55によって、送風筒41の軸線と交わる方向から空気が供給される位置に送風機14を配置してもよいものとなるから、整流部材55がバーナー全体の高さ抑制に寄与することとなる。
【0028】
本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明は、主に特定の実施の形態に関して特に図示し、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上に述べた実施の形態に対し、形状、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
例えば、整流部材55としては、多数の穴60を上流領域A1、中流領域A3及び下流領域A2に設けた場合を図示、説明したが、図6に示されるように、各領域において、大きな穴70を設けて集約的に形成することでもよい。要するに、本発明は、送風筒41の軸線と交差する方向から空気が供給される場合の既述の不都合を防止することができる限りにおいて設計変更を行うことができる。従って、空気室13Aにおいて、例えば、上下二段型として二枚の整流部材を配置すること等も妨げない。更に、整流部材55は、中央穴59の形成縁領域が隆起底壁52の上面外周側に載置されるように配置した場合を示したが、整流部材55は、隆起底壁52の上面に対して離間した位置に配置することもできる。
【0029】
また、送気通路を構成する送気筒49は4本の場合に限らず、必要に応じて増加、減少させることができる。
【0030】
更に、前記実施例では、平面視で略方形状をなす燃焼室11を備えたバーナー10について説明したが、本発明はこれに限らず、平面視で略円形状をなす燃焼室等、他の形状の燃焼室を備えたバーナーについても適用可能である。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、整流部材によって各送気通路の開口を含む平面と略平行な仮想平面を通過する空気の面内分布を略均等にするようになり、整流部材を通過して上昇する空気が偏流を伴うことなく送風筒の内周に沿って流れるようになる。これにより、燃焼盤の炎孔出口より燃焼室内に形成される火炎の大きさが一定となって燃焼状態を安定的に保つことが可能となる。しかも、気化筒回りの送気通路に供給される空気の量も、各送気通路毎に略均等になり、気化筒の過加熱も防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係るバーナーの概略平面図。
【図2】図1に対して気化筒及び飛散リングを外した状態のバーナーの一部拡大平面図。
【図3】図1のX−X線矢視概略端面図。
【図4】図3の一部拡大図。
【図5】整流部材の概略平面図。
【図6】整流部材の変形例を示す概略平面図。
【図7】従来例におけるバーナーの矢視概略端面図。
【符号の説明】
10…バーナー(液体燃料燃焼装置)、11…燃焼室、13…ケース、14…送風機、16…燃焼盤、24…ガス室、29…炎孔、39…気化筒、40…飛散リング、41…送風筒、49…送風筒(送気通路)、55…整流部材、60…穴、70…穴

Claims (3)

  1. 有底のケース内に配置されて当該ケースの底部側に空気室を形成する一方、上部に燃焼室を形成する燃焼盤と、この燃焼盤の外側に設けられてガス室を形成する燃焼室外筒と、前記燃焼室内に回転可能に配置されて前記空気室側に開放する気化筒と、この気化筒内に位置して前記空気室から空気を気化筒内に導入する送風筒と、前記気化筒の下部に位置して液体燃料を燃焼室内に飛散させる飛散リングと、前記ガス室を貫通して前記空気室から燃焼室に空気を供給する複数の送気通路と、前記送風筒の軸線に対して交差する方向から前記空気室に空気を供給する送風機とを備え、前記気化筒と飛散リングとの間の隙間から燃焼室に飛散された液体燃料を着火して噴霧燃焼を行い、この噴霧燃焼の燃焼熱で気化筒を加熱することで当該気化筒内に供給される液体燃料を気化し、当該気化した燃料を気化筒内に供給された空気と混合し、当該混合気を前記燃焼盤に形成された炎孔から燃焼室内に噴出させて気化燃焼を行う液体燃料燃焼装置において、
    前記送風機から空気室を経て前記送風筒に送られる空気の偏流と、前記各送気通路に送られる空気量のばらつきを抑制する整流部材が前記空気室に設けられていることを特徴とする液体燃料燃焼装置。
  2. 前記整流部材は板状部材により構成されているとともに、その面内に相互に略同一内径となる多数の穴が形成され、前記送風機との距離が離れている側の穴の数は、送風機との距離が近い側の穴の数よりも少なく設けられていることを特徴とする請求項1記載の液体燃料燃焼装置。
  3. 前記整流部材は板状部材により構成されているとともに、その面内に複数の穴が形成され、これらの穴は、整流部材を通じて上昇する空気が、当該整流部材の面内で略均等に分散して上昇する分布若しくは形状に設けられていることを特徴とする請求項1記載の液体燃料燃焼装置。
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