JP2004076952A - 液体燃料燃焼装置 - Google Patents

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重住 司
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Abstract

【課題】送風筒の下流側端部から噴出する空気の流量を減らすことなく、当該空気の偏流を抑制する。
【解決手段】燃焼室11が内部に形成される燃焼盤16と、燃焼室11内に配置される気化筒39と、この気化筒39の下部に設けられて液体燃料を燃焼室11内に飛散させる飛散リング40と、気化筒39内に位置して当該気化筒39内に送られる空気を案内する送風筒41と、この送風筒41の軸線に対して交わる方向に位置する空気供給路17を介して当該送風筒41内に空気を供給する送風機14とを備えてバーナー10が構成されている。送風筒41の周壁51には、平面視で空気供給路17から最も離れた部分Mを含む遠隔領域A1を除く領域A2に、空気噴出通路54の拡大部Tが形成されている。
【選択図】     図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液体燃料燃焼装置に係り、更に詳しくは、クリーンな燃焼に必要な空気の流量を確保しつつ、送風筒の下流側端部から放射方向に噴出する空気を略全周で均一化することのできる液体燃料燃焼装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、給湯機等に用いられる液体燃料燃焼装置としては、例えば、図9及び図10に示される液体燃料燃焼装置が知られている。これらの図において、液体燃料燃焼装置90は、灯油等の燃料が燃焼する平面視略方形状の燃焼室91Aが内部に形成される燃焼盤91と、この燃焼盤91内の略中央に設けられた下向き開放型の気化筒92と、当該気化筒92の下方に微細な隙間S1を隔てて設けられた飛散リング93と、燃焼盤91を下方から支持するとともに、上部が開放する有底容器状をなす平面視略方形状の燃焼用空気箱94と、この燃料用空気箱94の一側部における延出方向略中央(図9中上下方向略中央)から外側に向かって略水平方向に延びる空気供給路96と、この空気供給路96を介して燃焼用空気箱94内部の燃焼用空気室94Aに空気を供給する送風機98と、燃焼用空気室94Aに供給された空気を気化筒92内に案内するとともに、当該気化筒92内に空気を案内する送風筒100と、この送風筒100の上部内側に位置して気化筒92と共に回転する燃料拡散体102とを備えて構成されている。
【0003】
この液体燃焼燃料装置90は、前記隙間S1から燃焼室91A内に飛散された液体燃料を着火して噴霧燃焼を行い、この噴霧燃焼の燃焼熱で気化筒92を加熱することで当該気化筒92内の液体燃料を気化する。この気化した燃料は、送風筒100の上端側と燃料拡散体102の下端側との間に形成された空気噴出通路104から気化筒92の内部に噴出された空気と混合される。当該混合気は、燃焼盤91の外側に設けられたガス室97を経て燃焼盤91の炎孔99から噴出され、気化燃焼が行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記液体燃料燃焼装置90にあっては、送風筒100の図10中右方から当該送風筒100内に空気が供給される構造となっており、空気供給路96からの空気は、送風筒100を構成する周壁部分のうち、平面視で空気供給路96から最も離れた部分を含む遠隔領域A1に流れ易くなる(同図中太線矢印参照)。従って、前記空気噴出通路104の通路面積が送風筒100の周方向で略均一となっていることから、空気噴出通路104から噴出される空気の流量が送風筒100の周方向に均一になり難く、空気噴出通路104から噴出される空気の偏流が生じ易く、当該偏流によって、各炎孔99から噴出される混合気の濃度が不均一となり、空気不足や空気過多となる火炎が部分的に発生して燃焼室91Aの全周で安定燃焼が行えなくなるという不都合を招来する。
【0005】
ところで、空気噴出通路104から噴出される空気の偏流を抑制するためには、空気噴出通路104を全体的に狭くして噴出空気を流れ難くすることにより対応可能となる。
【0006】
しかしながら、空気噴出通路104から上方に噴出した空気は、送風筒100の上端を通って下方にUターンするようになっており、それに伴って噴出空気の圧力損失も大きく、更に、空気噴出通路104が前述したように狭小化されると、空気噴出通路104から噴出する空気の流量が大幅に減少する。従って、空気噴出通路104を全体的に狭小化したときには、気化燃焼時におけるNOxの低減やススの発生防止に必要な空気流量が確保されないという別異の不都合を招来する虞がある。
【0007】
【発明の目的】
本発明は、このような不都合に着目して案出されたものであり、その目的は、送風筒の下流側端部から噴出する空気の流量を減らすことなく、当該空気の偏流を抑制することができる液体燃料燃焼装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、燃焼室が内部に形成される燃焼盤と、前記燃焼室内に配置される気化筒と、この気化筒の下部に設けられて液体燃料を燃焼室内に飛散させる飛散リングと、前記気化筒内に位置して当該気化筒内に送られる空気を案内する送風筒と、この送風筒の軸線に対して交わる方向に位置する空気供給路を介して当該送風筒内に空気を供給する送風機とを備え、
前記気化筒と飛散リングとの間の隙間から燃焼室に飛散された液体燃料を着火して噴霧燃焼を行い、この噴霧燃焼の燃焼熱で気化筒を加熱することで当該気化筒内に供給される液体燃料を気化し、当該気化した燃料を前記送風筒の下流側端部に形成された空気噴出通路から噴出された空気と混合し、その混合気を前記燃焼盤に形成された炎孔から噴出させて気化燃焼を行う液体燃料燃焼装置において、
前記送風筒の周壁には、平面視で前記空気供給路から最も離れた部分を含む所定の遠隔領域を除く領域に、前記空気噴出通路の拡大部が形成される、という構成を採っている。このような構成によれば、空気供給路からの空気が前記遠隔領域よりも流れ難い領域に拡大部が形成されるため、当該拡大部により、送風筒の端部から噴出する空気を当該送風筒の周方向で略均一にすることができる。従って、従来構造のように空気噴出通路を全体的に狭めなくても、当該空気噴出通路から噴出する空気の偏流を抑制することができる。これによって、気化燃焼時に、燃焼室の全域で安定した燃焼状態を確保することができるとともに、NOxの低減化やススの発生防止が期待できる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明における空気噴出通路は前記送風筒の上端側に形成され、前記拡大部は、前記送風筒の上端と当該上端から送風筒の長さの40%程度下方に離れた位置との間の領域内に設けられる、という構成を採ることが好ましい。ここで、送風筒の上端から40%程度離れた位置よりも下方に拡大部を設けると、当該拡大部から噴出される空気によって、その上方からの混合気が冷却され、当該混合気中の気化燃料が再液化され易くなる。また、拡大部から噴出される空気がその外側に位置する気化筒の内壁に沿って移動する際に、その移動距離が短くなり気化筒からの受熱が不十分となって、液体燃料の気化不足や再液化を招来し易くなり、これらは、不安定燃焼やススの発生要因となる。
【0010】
また、前記拡大部は複数箇所に形成され、それらの拡大量は、前記遠隔領域から周方向に沿って離れるに従って大きく設定される、という構成を採用することが好ましい。これにより、送風筒の端部から噴出する空気の偏流を一層抑制することができる。
【0011】
更に、前記拡大部は、前記下流側端部に開放する切欠によって形成される、という構成を採ることができる。
【0012】
また、前記送風筒の下流側端部は、前記遠隔領域から周方向に沿って離れるに従って拡大量が大きくなる形状に設けられ、前記拡大部は、前記送風筒の下流側端部よりも上方に形成される、という構成によっても、前記空気の偏流を効果的に防止することができる。
【0013】
なお、本明細書において、「噴霧燃焼」とは、液体燃料を着火することによって行われる燃焼を意味し、「気化燃焼」とは、気化した液体燃焼を空気と混合することにより得られる混合気を着火することによって行われる燃焼を意味する。
【0014】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【0015】
図1には、本実施例に係る液体燃料燃焼装置としてのバーナーの概略平面図が示され、図2には、図1に対して部品を一部取り外した状態のバーナーの一部拡大平面図が示されている。また、図3には、図1のX−X線矢視概略端面図が示され、図4には、図3の一部拡大図が示されている。これらの図において、バーナー10は、平面視で略正方形となる燃焼室11を含む上部構成体12と、この上部構成体12を下方から支持するとともに、上部が開放する有底容器状をなす平面視略方形状の燃焼用空気箱13(図3,図4参照)と、この燃料用空気箱13の一側部における延出方向略中央(図1中上下方向略中央)から外側に向かって略水平方向に延びる空気供給路17と、この空気供給路17を介して燃焼用空気箱13内の燃焼用空気室13Aに空気を供給する送風機14とを備えて構成されている。
【0016】
前記上部構成体12は、図4に示されるように、外側に位置する有底略角筒状の燃焼室外筒15と、この燃焼室外筒15の内側に設けられた有底略角筒状の燃焼盤16と、当該燃焼盤16の内側略中央に位置するとともに、灯油等の液体燃料を気化して空気との混合気を形成する混合気形成手段18と、当該混合気形成手段18の下部側に設けられるとともに、燃焼室11内に前記燃焼用空気室13Aからの空気を導入する空気導入部19とを備えて構成されている。なお、本実施例では、燃焼盤16と混合気形成手段18との間に形成される空間が前記燃焼室11となっている。
【0017】
前記燃焼室外筒15は、平面視で略正方形の外形を有する底壁15Aと、この底壁15Aの外周から上方に起立する四辺の側壁15Bとからなる。底壁15Aには、略中央領域に第1中央貫通孔21が形成されているとともに、この第1中央貫通孔21の周方向に沿う複数箇所、本実施例では周方向略60度間隔位置に第1中央貫通孔21よりも小径の第1外側貫通孔22が形成されている。
【0018】
前記燃焼盤16は、燃焼室外筒15の内方に隙間を隔てて配置されており、当該隙間によって前記混合気形成手段18で形成された混合気を通過させるガス室24が形成されている。また、燃焼盤16は、平面視で略正方形の外形を有する底壁16Aと、この底壁16Aの外周から上方に起立する四辺の側壁16Bとにより構成されている。底壁16Aの中央部には、前記第1中央貫通孔21と第1外側貫通孔22の各上方に、第2中央貫通孔26と第2外側貫通孔27とがそれぞれ形成されている。また、側壁16Bには、前記ガス室24からの混合気を燃焼室11内に噴出可能とする多数の炎孔29が形成されているとともに、当該側壁16Bの上部に筒状部材33が設けられている。この筒状部材33は、内外二重壁構造とされ、その間が空気室35として構成されている。この空気室35は、空気供給路17(図3参照)を通る空気を一部分岐させる空気連通路34の一端(上端)が連通されており、空気室35の上部に形成された送気孔37から空気を上方に噴出することで、筒状部材33の上方に設けられる図示しない熱交換体の壁面の結露等を防止するようになっている。
【0019】
前記混合気形成手段18は、図4に示されるように、下部が開放する釣鐘型の気化筒39と、この気化筒39の下端との間に微細な隙間S1を隔てて配置される飛散リング40と、前記第1中央貫通孔21の形成縁領域に支持されるとともに、上端側が気化筒39内で開放する一方、下端側が燃焼用空気室13A側に開放する略円筒状の送風筒41と、この送風筒41の上方に位置する燃料拡散体42と、この燃焼拡散体42に液体燃料を供給する燃料供給管44とにより構成されている。
【0020】
前記送風筒41は、燃焼用空気室13Aからの空気が上昇する内部空間を形成する周壁51により構成されており、その軸線が前記空気供給路17の延出方向に交わるように起立配置されている。周壁51は、その内部上端側で前記燃料拡散体42の下端側を囲むことのできる起立高さ及び内径に設けられ、周壁51の上端側と燃焼拡散体42の下端側との間に、燃焼用空気室13Aから上昇した空気の出口となる空気噴出通路54が形成されるようになっている。また、周壁51には、図2及び図4に示されるように、空気供給路17から平面視で最も離れた部分Mを含む遠隔領域A1を除く領域A2に、空気噴出通路54の拡大部Tが設けられている。ここで、本実施例における遠隔領域Aは、前記最も離れた部分Mから外周方向両外側に向かって各約30度の範囲内となっている。拡大部Tは、図5に示されるように、周壁51の上端側に開放する略矩形状の切欠66によって形成されている。この切欠66は、周壁51の周方向五箇所に設けられており、周壁51の上端と当該上端から送風筒41の長さの40%程度下方に離れた位置との間の上部領域A3内に設けられる。本実施例では、送風筒41の起立高さが50mm〜60mm程度に対し、切欠66の深さが周壁51の上端から20mm程度以下に設けられている。
【0021】
前記燃料拡散体42は、上下両側が開放する略円筒状の側部42Aと、この側部42Aの上端に連なる外向きのフランジ部42Bと、側部42Aの下端側に連なるとともに、反転フック状に設けられて燃料供給管44からの液体燃料を受け取り可能な受け部42Cと、フランジ部42Bの上面側に微小な隙間S2を隔てて固定される頂部42Dとからなる。気化筒39及び燃料拡散体42は、その中央部に位置する共通の回転軸46によって支持されており、当該回転軸46を出力軸とするモータ47の駆動によって一体回転可能に設けられている。この際、燃料拡散体42の受け部42Cに供給された液体燃料は、回転に伴う遠心力によって、前記隙間S2から気化筒39の内壁39B上部に向かって噴出するようになっている。
【0022】
前記燃焼室11内に空気を送り込むための空気導入部19は、前記第1及び第2外側貫通孔22,27間を連結する送気筒49と、この送気筒49の上端開放側と飛散リング40との間に設けられて当該飛散リング40との間に送気間隙Pを形成可能な送気案内リング50とにより構成されている。この空気導入部19は、前記送風機14から燃焼用空気室13Aを通過した空気が送気筒49によって形成される送風通路49Aを通って送気間隙Pから燃焼室11内に供給可能となっている。
【0023】
前記送風機14は、ここでは詳細構造を省略するが、図示しないモータの駆動によってファンF(図3参照)が回転し、燃焼用空気箱13の内部に形成された燃焼用空気室13Aに送り込めるようになっている。なお、送風機14としては、軸流式、遠心式、斜流式、或いは横流式のもの等を採用することができる。また、本実施例においては、ファンF及び気化筒39を別個のモータで回転させる構造となっているが、共通のモータによってファンF及び気化筒39を回転させてもよい。
【0024】
次に、前記バーナー10の燃焼動作について図4を参照しながら説明する。
【0025】
先ず、図示しないスイッチを投入すると、送風機14とモータ47が同時に作動する。送風機14が作動することにより、当該送風機14から空気供給路17を介して燃焼用空気室13Aを経由した空気が、送風筒41の内部を通って空気噴出通路54から噴出され、気化筒39の内壁39B側に供給されるとともに、前記送風通路49A及び送気間隙Pを通って燃焼室11内に供給される。一方、モータ47が作動することにより、気化筒39及び燃料拡散体42が同時に回転する。そして、燃料供給管44から燃料拡散体42の受け部42Cに灯油等の液体燃料が供給される。この液体燃料は、燃料拡散体42の回転によって燃料拡散体42に形成された微細な隙間S2から気化筒39の内壁39Bに向かって噴出され、更に、気化筒39と飛散リング40との間に形成された隙間S1から燃焼室11内に飛散される。この飛散された液体燃料は、燃焼室11内に延びるイグナイター等の点火装置(図示省略)の火花によって着火され、噴霧燃焼が開始する。
【0026】
噴霧燃焼が開始されると、その燃焼熱によって気化筒39が加熱され、気化筒39の内壁39Bに噴出された液体燃料が気化する。そして、当該気化した燃料は、空気噴出通路54から噴出された空気と混合して混合気となり、当該混合気がガス室24を通って燃焼盤16の各炎孔29から燃焼室11内に噴出され、既に発生している噴霧燃焼の火炎によって気化燃焼が行われる。
【0027】
この際、従来構造では空気が流れ難くなる前記領域A2では、拡大部Tによって空気噴出通路54の通路面積が拡大され、送風機14からの空気の供給方向に起因する噴出空気の偏流が抑制される。
【0028】
従って、このような実施例によれば、従来構造のように空気噴出通路54を全体的に狭小化しなくても、気化した燃料と混合される空気の流量が送風筒41の周方向に略均一化されることになる。このため、気化燃焼時において、燃焼室11内の全周で安定した燃焼を得ることができるとともに、NOxの低減やススの発生防止が期待できるという効果を得る。
【0029】
なお、前記切欠66の数及びピッチは、図示例に限定されず、前述した効果が得られる限りにおいて任意に設定可能である。
【0030】
また、前記拡大部Tとしては、図6〜図8に示される他の構成を採用することできる。
【0031】
すなわち、図6に示される拡大部Tは、前記領域A2における前記上部領域A3内に形成された複数の貫通孔67によって形成されている。なお、貫通孔67の形状は、図示例に限定されず、角孔、長孔、楕円状孔等の他の形状にすることもでき、また、貫通孔67の数やピッチも任意に設定可能である。
【0032】
図7に示される拡大部Tは、切欠深さが異なる複数の切欠66によって形成されており、切欠66の開口面積となる拡大部Tの拡大量は、遠隔領域A1から周方向に沿って離れるに従って大きく設定されている。これによって、空気が噴出され難くなる方向に拡大部Tの拡大量が次第に増大することになり、前述した効果を一層高めることができる。
【0033】
図8に示される拡大部Tは、送風筒41を遠隔領域A1から周方向に沿って離れるに従って拡大量が大きくなる上端部形状にすることで形成される。すなわち、ここでの送風筒41は、その上端縁が、遠隔領域A1から周方向に沿って離れるに従い次第に高さが減少する形状に設けられて、遠隔領域A1を除く領域A2における送風筒41の上端縁の上方に拡大部Tが形成されることになる。なお、送風筒41の上端縁の最下端位置は、遠隔領域A1側に存在する最上端位置から20mm程度下方に離れた位置となっている。
【0034】
また、前記切欠66及び貫通孔67の形成縁の外側近傍に、噴出空気の流れを所定方向に変える案内板を設けることもできる。なお、前記図示例では、遠隔領域A1として、最も離れた部分Mから外周方向両外側に向かって各約30度の範囲内としたが、本発明はこれに限定されず、送風筒41の上部から噴出される空気の偏流を抑制できる限りにおいて、前記範囲を縮小することも可能である。
【0035】
更に、前記実施例では、平面視で略正方形状をなす燃焼室11を備えたバーナー10について説明したが、本発明はこれに限らず、平面視において略長方形状に例示されるように他の形状の燃焼室を備えたバーナーについても適用可能である。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、送風筒の周壁領域のうち、平面視で空気供給路から最も離れた部分を含む所定の遠隔領域を除く領域に、前記空気噴出通路の拡大部を形成したから、送風筒の下流側端部から噴出する空気の流量を減らすことなく、当該空気の偏流を抑制することができ、気化燃焼時において安定且つクリーンな燃焼状態とすることができる。
【0037】
また、前記送風筒の上端と当該上端から送風筒の長さの40%程度下方に離れた位置との間の領域内に前記拡大部を設けたから、噴出空気の気化筒からの受熱を十分にし、また、混合気の冷却を防止することができ、液体燃料の気化不足や再液化を防止することができる。
【0038】
更に、複数の拡大部の拡大量を前記遠隔領域から周方向に沿って離れるに従って大きく設定したから、送風筒の下流側端部から噴出する空気の偏流を一層抑制することができる。
【0039】
また、前記送風筒の下流側端部を、前記遠隔領域から周方向に沿って離れるに従って拡大量が大きくなる形状に設け、前記送風筒の下流側端部よりも上方に前記拡大部を形成した場合であっても、前記空気の偏流を効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係るバーナーの概略平面図。
【図2】図1に対して気化筒及び飛散リングを外した状態のバーナーの一部拡大平面図。
【図3】図1のX−X線矢視概略端面図。
【図4】図3の一部拡大図。
【図5】送風筒の概略斜視図。
【図6】変形例に係る送風筒の概略斜視図。
【図7】他の変形例に係る送風筒の概略斜視図。
【図8】更に他の変形例に係る送風筒の概略斜視図。
【図9】従来例におけるバーナーの概略平面図。
【図10】図9のX−X線矢視概略端面図。
【符号の説明】
10・・・バーナー(液体燃料燃焼装置)、11・・・燃焼室、14・・・送風機、16・・・燃焼盤、17・・・空気供給路、29・・・炎孔、39・・・気化筒、40・・・飛散リング、51・・・周壁、54・・・空気噴出通路、66・・・切欠、A1・・・遠隔領域、A2・・・領域、A3・・・上部領域、S1・・・隙間,T・・・拡大部

Claims (5)

  1. 燃焼室が内部に形成される燃焼盤と、前記燃焼室内に配置される気化筒と、この気化筒の下部に設けられて液体燃料を燃焼室内に飛散させる飛散リングと、前記気化筒内に位置して当該気化筒内に送られる空気を案内する送風筒と、この送風筒の軸線に対して交わる方向に位置する空気供給路を介して当該送風筒内に空気を供給する送風機とを備え、
    前記気化筒と飛散リングとの間の隙間から燃焼室に飛散された液体燃料を着火して噴霧燃焼を行い、この噴霧燃焼の燃焼熱で気化筒を加熱することで当該気化筒内に供給される液体燃料を気化し、当該気化した燃料を前記送風筒の下流側端部に形成された空気噴出通路から噴出された空気と混合し、その混合気を前記燃焼盤に形成された炎孔から噴出させて気化燃焼を行う液体燃料燃焼装置において、
    前記送風筒の周壁には、平面視で前記空気供給路から最も離れた部分を含む所定の遠隔領域を除く領域に、前記空気噴出通路の拡大部が形成されることを特徴とする液体燃料燃焼装置。
  2. 前記空気噴出通路は前記送風筒の上端側に形成され、前記拡大部は、前記送風筒の上端と当該上端から送風筒の長さの40%程度下方に離れた位置との間の領域内に設けられることを特徴とする請求項1記載の液体燃料燃焼装置。
  3. 前記拡大部は複数箇所に形成され、それらの拡大量は、前記遠隔領域から周方向に沿って離れるに従って大きく設定されていることを特徴とする請求項1又は2記載の液体燃料燃焼装置。
  4. 前記拡大部は、前記下流側端部に開放する切欠によって形成されることを特徴とする請求項1、2又は3記載の液体燃料燃焼装置。
  5. 前記送風筒の下流側端部は、前記遠隔領域から周方向に沿って離れるに従って拡大量が大きくなる形状に設けられ、前記拡大部は、前記送風筒の下流側端部よりも上方に形成されることを特徴とする請求項1記載の液体燃料燃焼装置。
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