JP2004190020A - 生分解性樹脂フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 分子鎖が、下記一般式(1)と(2)で示される繰返し単位:
−CO−R1−CO− (1)(R1は炭素数1〜12の二価脂肪族基を表す。)
−O−R2−O− (2)(R2は炭素数2〜12の二価脂肪族基を表す。)
及び必要に応じて加えられる(3)で示される繰返し単位:
−CO−R3−O− (3)(R3は炭素数1〜10の二価脂肪族基を表す。)
からなり、重量平均分子量が40,000以上であり、分子量500以下のオリゴマー含有率が1,000〜20,000ppmである脂肪族ポリエステル共重合体(a)と他の生分解性樹脂(b)とからなる脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂組成物を成形してなる生分解性樹脂フィルム。
【選択図】 なし
Description
これら生分解性脂肪族ポリエステルの用途の一つとして包装用、農業用、食品用などのフィルム分野があり、用途に応じた高強度、耐熱性および生分解性が、基本性能として要求されている。
このように、脂肪族ポリエステルのホモポリマーでは上記課題を解決するのは困難であるが、例えば特許2997756号公報記載のポリブチレンサクシネート−ポリカプロラクトン共重合体(PBSC)のように、脂肪族ポリエステル共重合体中にカプロラクトンユニットを導入することにより、実用的な柔軟性と適度な生分解性を実現することができ、また、カプロラクトンユニットの含有量を制御することにより、融点を80℃以上として十分な耐熱性を保持することと、生分解性を制御することが可能であることが見出されている(特許文献1)。
特開平9−272789号公報には、脂肪族ジオール、脂肪族ジカルボン酸、及び脂肪族ヒドロキシカルボン酸を共重合して数平均分子量が1〜30万である脂肪族ポリエステルと、数平均分子量が3万以上のポリ乳酸を溶融ブレンドした樹脂組成物が開示されている(特許文献3)。
しかしながら、上記各技術では、フィルム成形後のオリゴマー成分のブリードアウトによる表面への粉吹きやそれに伴うヘーズや光線透過率の悪化等の問題は解決されていない。
通常、脂肪族ジオール、脂肪族ジカルボン酸、及び脂肪族ヒドロキシカルボン酸またはその無水環状化合物(ラクトン類)の3成分からなる高分子量脂肪族ポリエステル共重合体に含まれるオリゴマーを減少させるには、後処理が必要であるが、このような後処理は製品の経済性を著しく低下させる。
−CO−R1−CO− (1)
(式中、R1は炭素数1〜12の二価脂肪族基を表す。)
−O−R2−O− (2)
(式中、R2は炭素数2〜12の二価脂肪族基を表す。)
及び必要に応じて加えられる(3)で示される繰返し単位:
−CO−R3−O− (3)
(式中、R3は炭素数1〜10の二価脂肪族基を表す。)
からなり、重量平均分子量が40,000以上であり、分子量500以下のオリゴマー含有率が1,000〜20,000ppmである脂肪族ポリエステル共重合体(a)と
他の生分解性樹脂(b)との
脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂組成物を成形してなる生分解性樹脂フィルムを提供する。
本発明の第2は、脂肪族ポリエステル共重合体(a)が、該脂肪族ポリエステル共重合体(a)の重合中間体である重量平均分子量5,000以上の低分子量脂肪族ポリエステル共重合体(a’)100重量部に対し、0.1〜5重量部の一般式(7):
X1−R7−X2 (7)
(式中、X1、X2は水酸基またはカルボキシル基と作用して共有結合を形成可能な反応基、R7は単結合、炭素数1〜20の脂肪族基又は芳香族基を表し、X1、X2は同一の化学構造であってもよいし、異なってもよい)
で表される2官能性の連結剤(e)を反応させて高分子量化されたものである本発明の第1に記載の生分解性樹脂フィルムを提供する。
本発明の第3は、一般式(1)が、コハク酸残基及び/又はアジピン酸残基である本発明の第1又は2に記載の生分解性樹脂フィルムを提供する。
本発明の第4は、一般式(2)が、エチレングリコール残基及び/又は1,4−ブタンジオール残基である本発明の第1〜3のいずれか1項に記載の生分解性樹脂フィルムを提供する。
本発明の第5は、一般式(3)が、ε−カプロラクトン、4−メチルカプロラクトン、3,5,5−トリメチルカプロラクトン、3,3,5−トリメチルカプロラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、エナントラクトンからなる群から選ばれた少なくとも1種に基づく基である本発明の第1〜4のいずれか1項に記載の生分解性樹脂フィルムを提供する。
本発明の第6は、一般式(7)で表される2官能性の連結剤(e)の反応基がイソシアネート基、イソチオシアネート基、エポキシ基、オキサゾリン基、オキサゾロン基もしくはオキサジノン基、アジリジン基、又はこれらの混合基であることを特徴とする本発明の第2に記載の生分解性樹脂フィルムを提供する。
本発明の第7は、脂肪族ポリエステル共重合体(a)又は低分子量脂肪族ポリエステル共重合体(a’)中に含まれる繰返し単位(3)のモル分率が、0.25以下である本発明の第1〜6のいずれか1項に記載の生分解性樹脂フィルムを提供する。
本発明の第8は、脂肪族ポリエステル共重合体(a)と他の生分解性樹脂(b)の重量組成比が99.9/0.1〜70/30である本発明の第1〜7のいずれか1項に記載の生分解性樹脂フィルムを提供する。
本発明の第9は、他の生分解性樹脂(b)が脂肪族ポリエステル(b1)である本発明の第1〜8のいずれか1項に記載の生分解性樹脂フィルムを提供する。
本発明の第10は、脂肪族ポリエステル(b1)が、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(ε−カプロラクトン)(PCL)、又はこれらの混合物である本発明の第9に記載の生分解性樹脂フィルムを提供する。
本発明の第11は、ポリ乳酸(PLA)が、D体を5〜50%含むポリ乳酸共重合体である本発明の第10に記載の生分解性樹脂フィルムを提供する。
本発明の第12は、30〜60℃で10時間以上アニール処理された本発明の第1〜11のいずれか1項に記載の生分解性樹脂フィルムを提供する。
本発明の第13は、製膜60日後のフィルムをヘキサン中で60秒間浸漬撹拌した場合に、分子量500以下のオリゴマーの抽出量が10mg/2500cm2以下である本発明の第1〜12のいずれか1項に記載の生分解性樹脂フィルムを提供する。
本発明の第14は、ヘーズが1〜30%である本発明の第1〜13のいずれか1項に記載の生分解性樹脂フィルムを提供する。
本発明の第15は、平行光線透過率が99〜60%である本発明の第1〜14のいずれか1項に記載の生分解性樹脂フィルムを提供する。
本発明に係る高分子量脂肪族ポリエステル共重合体(a)は、分子鎖が、下記一般式(1)と(2)で示される繰返し単位:
−CO−R1−CO− (1)
(式中、R1は炭素数1〜12の二価脂肪族基を表す。)
−O−R2−O− (2)
(式中、R2は炭素数2〜12の二価脂肪族基を表す。)
及び必要に応じて加えられる(3)で示される繰返し単位:
−CO−R3−O− (3)
(式中、R3は炭素数1〜10の二価脂肪族基を表す。)
からなり、重量平均分子量が40,000以上であり、分子量500以下のオリゴマー含有率が1000〜20000ppmであることを特徴とする。
X1−R7−X2 (7)
(式中、X1、X2は水酸基またはカルボキシル基と作用して共有結合を形成可能な反応基、R7は単結合、炭素数1〜20の脂肪族基又は芳香族基を表し、X1、X2は同一の化学構造であってもよいし、異なってもよい)
で表される2官能性の連結剤(e)により連結されて、重量平均分子量が40,000以上となるようにしたものであってもよい。
式(1)の脂肪族ジカルボン酸残基を与える(A)成分としては、脂肪族ジカルボン酸、その無水物、又はそのモノまたはジエステル体が挙げられ、下記一般式(4)で表される。
R4−OCO−R1−COO−R5 (4)
(式中、R1は炭素数1〜12の二価脂肪族基、R4およびR5は水素原子、又は炭素数1〜6の脂肪族基もしくは芳香族基を表す。R4およびR5は同一でも異なっていてもよい。)
R1で示される二価脂肪族基としては、好ましくは2〜8の鎖状又は環状のアルキレン基であり、−(CH2)2−、−(CH2)4−、−(CH2)6−等の炭素数2〜6の直鎖状低級アルキレン基が挙げられる。また、R1は反応に不活性な置換基、例えば、アルコキシ基やケト基等を有することができるし、R1は酸素やイオウ等のヘテロ原子を主鎖に含有することができ、例えばエーテル結合、チオエーテル結合等で隔てられた構造を含有することもできる。
R4およびR5で示される脂肪族基としては、炭素数1〜6、好ましくは1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基の他、シクロヘキシル基等の炭素数5〜12のシクロアルキル基が挙げられる。
R4およびR5で示される芳香族基としては、フェニル基、ベンジル基等が挙げられる。
中でも、R4およびR5は炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜3の低級アルキル基である。このようなジアルキルエステルとしては、例えば、コハク酸ジメチル、コハク酸ジエチル、グルタル酸ジメチル、グルタル酸ジエチル、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、ピメリン酸ジメチル、アゼライン酸ジメチル、スベリン酸ジメチル、スベリン酸ジエチル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、デカンジカルボン酸ジメチル、ドデカンジカルボン酸ジメチル、ジグリコール酸ジメチル、ケトピメリン酸ジメチル、マロン酸ジメチル、メチルマロン酸ジメチル等が挙げられる。これらのものは単独で用いてもよいし2種以上組合わせて用いてもよい。
式(2)の脂肪族ジオール残基を与える(B)成分としては、脂肪族ジオールが挙げられる。
脂肪族ジオールは下記一般式(4’)で表わされる。
HO−R2−OH (4’)
(式中、R2は炭素数2〜12の二価脂肪族基を表す。)
二価の脂肪族基としては、炭素数2〜12、好ましくは2〜8の鎖状又は環状のアルキレン基が挙げられる。好ましいアルキレン基は、−(CH2)2−、−(CH2)3−、−(CH2)4−等の炭素数2〜6の直鎖状低級アルキレン基である。また、二価脂肪族基R2は反応に不活性な置換基、例えば、アルコキシ基やケト基等を有することができる。R2は酸素やイオウ等のヘテロ原子を主鎖に含有することができ、例えばエーテル結合、チオエーテル結合等で隔てられた構造を含有することもできる。
脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3‐プロパンジオール、1,2‐プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタメチレングリコール、へキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、デカメチレングリコール、ドデカメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、分子量1000以下のポリエチレングリコール等を用いることができる。これらのものは単独でも、2種以上組合せて用いてもよい。さらに1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)プロパン等の三官能アルコールを少量併用してもよい。
式(3)の脂肪族ヒドロキシカルボン酸残基を与える(C)成分としては、下記一般式(5)で表されるヒドロキシカルボン酸もしくはヒドロキシカルボン酸エステル、又は下記一般式(6)で表されるラクトン類が挙げられる。
R6OCO−R3−OH (5)
(式中、R3は炭素数1〜10の二価脂肪族基、R6は水素原子または炭素数1〜6の脂肪族基又は芳香族基を表す。)
式(5)で、二価脂肪族基R3としては、炭素数2〜10、好ましくは2〜8の鎖状又は環状のアルキレン基が挙げられる。また、R3は反応に不活性な置換基、例えば、アルコキシ基やケト基等を有することができる。R3は酸素やイオウ等のヘテロ原子を主鎖に含有することができ、例えばエーテル結合、チオエーテル結合等で隔てられた構造を含有することもできる。
式(5)で、R6は水素、又は脂肪族基もしくは芳香族基である。脂肪族基としては、炭素数1〜6、好ましくは1〜4の直鎖状又は分岐鎖状の低級アルキル基や、シクロヘキシル基等の炭素数5〜12のシクロアルキル基、芳香族基としては、フェニル基、ベンジル基等が挙げられる。
前記ヒドロキシカルボン酸はその2分子が結合した環状二量体エステル(ラクチド)であることができる。その具体例としては、グリコール酸から得られるグリコリドや、乳酸から得られるもの等が挙げられる。
ヒドロキシカルボン酸エステルとしては、例えば、上記ヒドロキシカルボン酸のメチルエステル、エチルエステル等や、酢酸エステル等が挙げられる。
式(6)で、二価脂肪族基R3としては、炭素数4〜10、好ましくは4〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基が挙げられる。また、R3は反応に不活性な置換基、例えば、アルコキシ基やケト基等を有することができる。また、R3は酸素やイオウ等のヘテロ原子を主鎖に含有することができ、例えばエーテル結合、チオエーテル結合等で隔てられた構造を含有することもできる。
ラクトン類の具体例としては、例えば、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、β−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、δ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、4−メチルカプロラクトン、3,5,5−トリメチルカプロラクトン、3,3,5−トリメチルカプロラクトンなどの各種メチル化カプロラクトン;β−メチル−δ−バレロラクトン、エナントラクトン、ラウロラクトン等のヒドロキシカルボン酸の環状1量体エステル;グリコリド、L−ラクチド、D−ラクチド等の上記ヒドロキシカルボン酸の環状2量体エステル;その他、1,3−ジオキソラン−4−オン、1,4−ジオキサン−3−オン、1,5−ジオキセパン−2−オン等の環状エステル−エーテル等を挙げることができる。これらは2種以上のモノマーを混合して使用してもよい。
本発明における上記(A)成分、(B)成分、及び必要に応じて加えられる(C)成分の重合反応によって得られる脂肪族ポリエステル共重合体(a)又は後述する低分子量の脂肪族ポリエステル共重合体(a’)は、ランダムであっても、ブロックであってよい。上記モノマーの仕込は、一括仕込み(ランダム)、分割仕込み(ブロック)、あるいは、ジカルボン酸−ジオールのポリマーにラクトン類を重合させたり、あるいは、ポリラクトンにジカルボン酸とジオールを重合させてもよい。
エステル化工程は80℃〜250℃、好ましくは100℃〜240℃、さらに好ましくは145℃〜230℃の反応温度で、0.5〜5時間、好ましくは1〜4時間、760〜100Torrの条件下で行うことが望ましい。触媒は、必ずしも必要としないが、原料として用いられる脂肪族ジカルボン酸又はジエステル1モルに対して、10-7〜10-3モル、好ましくは10-6〜5×10-4モルの量で用いてもよい。
後半の重縮合工程は、反応系を減圧しながら反応温度を高めて2〜10時間、好ましくは3〜6時間で終了することが望ましく、最終的には180℃〜270℃、好ましくは190℃〜240℃の反応温度で減圧度3Torr以下、好ましくは1Torr以下とすることが望ましい。この工程では、一般的なエステル交換反応触媒を用いる方が好ましく、原料として用いられる脂肪族ジカルボン酸又はジエステル1モルに対して、10-7〜10-3モル、好ましくは10-6〜5×10-4モルの量で用いる。この範囲より触媒量が少なくなると反応がうまく進行せず、反応に長時間を要するようになる。一方、この範囲より多くなると重合時のポリマーの熱分解、架橋、着色等の原因となり、また、ポリマーの成形加工において熱分解等の原因となり好ましくない。
合成工程において、脱水反応が主に進行するエステル化工程と、後半のエステル交換反応が主に進行する重縮合工程との両者において用いることのできる触媒としては、以下のような具体例を挙げることができるが、これらの触媒は単独で用いても、2種以上組合せて用いてもよい。
触媒としては、金属類の各種化合物、例えば、カルボン酸塩、炭酸塩、ホウ酸塩、酸化物、水酸化物、水素化合物、アルコラート、アセチルアセトネートキレート等が挙げられる。上記金属類としては、リチウム、カリウムなどのアルカリ金属;マグネシウム、カルシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属;スズ、アンチモン、ゲルマニウム等の典型金属;鉛、亜鉛、カドミウム、マンガン、コバルト、ニッケル、ジルコニウム、チタン、鉄等の遷移金属;ビスマス、ニオブ、ランタン、サマリウム、ユウロピウム、エルビウム、イッテルビウム等のランタノイド金属等が挙げられる。触媒としては、また、含窒素塩基性化合物や、ホウ酸、またはホウ酸エステルなども用いられる。
具体的には、アルカリ金属化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、フェニル化ホウ素ナトリウム、安息香酸リチウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素リチウムなどが挙げられる。
アルカリ土類金属化合物としては、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ストロンチウムなどが挙げられる。
典型金属化合物としては、ジブチルスズヒドロキシド、ジブチルスズジラウレート、三酸化アンチモン、酸化ゲルマニウム、炭酸ビスマスヒドロキシド、酢酸ビスマスヒドロキシドなどが挙げられる。
遷移金属化合物としては、酢酸鉛、酢酸亜鉛、アセチルアセトネート亜鉛、酢酸カドミウム、酢酸マンガン、マンガンアセチルアセトネート、酢酸コバルト、コバルトアセチルアセトネート、酢酸ニッケル、ニッケルアセチルアセトネート、酢酸ジルコニウム、ジルコニウムアセチルアセトネート、酢酸チタン、テトラブトキシチタネート、テトライソプロポキシチタネート、チタニウムヒドロキシアセチルアセトネート、酢酸鉄、アセチルアセトネート鉄、酢酸ニオブなどが挙げられる。
希土類化合物としては、酢酸ランタン、酢酸サマリウム、酢酸ユウロピウム、酢酸エルビウム、酢酸イッテルビウムなどが挙げられる。
含窒素塩基性化合物としては、具体的には、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシドなどの脂肪族アミンや芳香族アミンから誘導された有機アンモニウムヒドロキシド類;トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン、トリフェニルアミンなどの三級アミン類;R2NH(式中Rはメチル、エチルなどのアルキル、フェニル、トルイルなどのアリール基などである)示される二級アミン類、RNH2(式中Rは上記と同じである)で示される一級アミン類;アンモニア、テトラメチルアンモニウムボロハイドライド、テトラブチルアンモニウムボロハイドライド、テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレート、テトラメチルアンモニウムテトラフェニルボレートなどの塩基性化合物などが挙げられる。これらの内、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類が特に好ましい。
ホウ酸エステルとしては、具体的には、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリヘキシル、ホウ酸トリヘプチル、ホウ酸トリフェニル、ホウ酸トリトリル、ホウ酸トリナフチルなどが挙げられる。
1.0≦[B]/[A]≦2.0 (i)
(式中、[A]は(A)成分のモル数、[B]は(B)成分のモル数を表す。)
[B]/[A]の値が1より小さいと、過剰の酸の存在によって加水分解反応が進行し、所望の分子量の脂肪族ポリエステル共重合体(a)又は(a’)を得ることが難しく、また[B]/[A]の値が2より大きい場合は前半のエステル化工程終了時点での分子量が過度に小さく、後半の重縮合工程に長時間の反応時間が必要となる。
本発明では、最終的に実用的な強度を有する脂肪族ポリエステル共重合体(a)を得るために、溶融状態の低分子量脂肪族ポリエステル共重合体(a’)に前記式(7)で表される2官能性の連結剤(e)を加えて重量平均分子量を40,000以上に高めるようにしてもよい。
重合工程で得られる共重合体(a’)は、重量平均分子量が5,000以上、好ましくは10,000以上であり、酸価と水酸基価の値の合計が1.0から45の間であり、さらに酸価が30以下であることが望ましい。
共重合体(a’)の酸価と水酸基価の値の合計は、共重合体(a’)の末端基の濃度に比例しており、分子量は重量平均分子量が5,000以上の場合、実質上酸価と水酸基価の値の合計は45以下である。酸価と水酸基価の値の合計が45より大きい場合、共重合体(a’)の分子量が低く、連結剤の添加によって所望の分子量まで高めようとするのに、多量の連結剤が必要となる。連結剤の使用量が多い場合には、ゲル化などの問題が生じやすい。酸価と水酸基価の値の合計が1.0以下の場合には、該共重合体(a’)の分子量が高いために溶融状態の粘度が高くなる。この場合は、連結剤の使用量も極少量となるために均一に反応させることが困難で、やはりゲル化などの問題が生じやすい。また、均一に反応させることを目的として溶融温度を上げるとポリマーの熱分解、架橋、着色等の問題が生じる。
本発明に用いる連結剤(e)は前記式(7)によって表される。連結剤(e)の反応基X1、及びX2としては、実質上水酸基とのみ反応して共有結合を形成可能な式(9)〜(11):
連結剤(e)としては、一連のジイソシアネート化合物のような、WO 02−44249号公報に記載の各種の連結剤が使用可能である。
連結剤(e)の反応基X1とX2を、実質上水酸基とのみ反応して共有結合を形成可能な前記式(9)〜(11)で表される反応基群から選ぶ場合、前駆体となる低分子量脂肪族ポリエステル共重合体(a’)の酸価は2.0以下、好ましくは1.0以下である。酸価が2.0より大きい場合は、共重合体(a’)の水酸基末端濃度が小さく、連結反応が効率的に行えなかったり、連結反応後、すなわち最終生成物の酸価が大きく、成形加工時の分子量低下が起こり易いなどの問題が生じる。
連結剤(e)の反応基X1とX2を、実質上カルボキシル基とのみ反応して共有結合を形成可能な前記式(12)〜(15)で表される3〜8員環の環状反応基群から選ぶ場合、共重合体(a’)の酸価は0.5以上30以下であることが好ましい。酸価が0.5より小さい場合は、連結剤の使用量も極少量となるために均一に反応させることが困難となる。酸価が30より大きいと、最終生成物の酸価を低くすることがで出来なかったり、多量の連結剤を用いてゲル化が生じる危険があるなどの問題が生じる。
上記ジイソシアネート化合物としては、好ましくは脂肪族ジイソシアネート化合物であり、具体的にはヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートメチルエステル{OCN-(CH2)4-CH(-NCO)(-COOCH3)}、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が例示されるが、中でもヘキサメチレンジイソシアネートが好ましい。またウレタン結合を含む脂肪族ポリエステル樹脂は、重量平均分子量40,000以上、通常、70,000〜350,000、好ましくは70,000〜250,000の範囲のものである。
連結剤(e)と低分子量脂肪族ポリエステル共重合体(a’)の反応は、該共重合体(a’)が均一な溶融状態又は少量の溶剤を含有した状態で、容易に攪拌可能な条件下で行われることが望ましい。用いる連結剤(e)の量は、該共重合体(a’)100重量部に対し、0.1〜5重量部であることが望ましい。これより連結剤(e)の量が少ないと、所望の分子量の最終生成物を得ることが困難であり、多いと、ゲル化などの問題が生じやすい。
連結剤(e)を用いて高分子量化する反応は、共重合体(a’)の融点以上で行い、270℃以下、好ましくは250℃以下、さらに好ましくは、230℃以下で行うことができる。この反応は、低分子量脂肪族ポリエステルを製造した反応器に連結剤(e)を添加することにより、重縮合反応と同じ反応器内で実施することができる。また、低分子量脂肪族ポリエステルと連結剤を、通常の押出機あるいはスタティックミキサー等を用いて混合することにより実施することもできる。
−(−CO−R1−COO−R2−O−)−
(式中、R1は炭素数1〜12の二価脂肪族基、R2は炭素数2〜12の二価脂肪族基を表す。)
で表される繰り返し単位(P)、及び下記一般式:
−(−CO−R3−O−)−
(式中、R3は炭素数1〜10の二価脂肪族基を表す。)
で表される繰り返し単位(Q)から構成される場合も含めて、原料(A)成分および(C)成分の仕込み比は以下の条件式(ii)に合致するように選択することが好ましい。
0.0002≦[C]/([A]+[C])≦0.40 (ii)
(式中、[A]は(A)成分の使用モル数、[C]は(C)成分の使用モル数を示す。)
上記式中の[C]/([A]+[C])は、脂肪族ポリエステル共重合体(a)又は(a’)中に含まれる成分(C)のモル分率を表し、繰り返し単位(P)および繰り返し単位(Q)から構成される場合には、繰り返し単位Qのモル分率を表している。上記範囲は、好ましくは0.0002〜0.30、更に好ましくは0.0002〜0.20、より好ましくは0.0002〜0.18の範囲である。この値が0.0002より小さい場合は、得られるポリマーは結晶性が高く柔軟性のない硬いものとなり、さらに生分解性の点でも速度が遅く不十分のものとなる。また、0.40より大きい場合は、得られるポリマーの融点が低く、さらに結晶性が極端に低下するために耐熱性が無く実用に不向きである。
本発明において、原料(A)成分、(B)成分および(C)成分の仕込み比は以下の条件式(ii’)に合致するように選択することが好ましい。
0.0002≦[C]/([A]+[B]+[C])≦0.25 (ii')
(式中、[A]、[B]、[C]は、それぞれ(A)成分、(B)成分、(C)成分の使用モル数を示す。)
上記式中の[C]/([A]+[B]+[C])は、脂肪族ポリエステル共重合体(a)又は(a’)中に含まれる成分(C)のモル分率を表し、この値が0.0002より小さい場合は、得られるポリマーは結晶性が高く柔軟性のない硬いものとなり、さらに生分解性の点でも速度が遅く不十分のものとなる場合が、成分(C)の種類等によってはある。また、0.25より大きい場合は、得られるポリマーの融点が低く、さらに結晶性が極端に低下するために耐熱性が無く実用に不向きである場合が、成分(C)の種類等によってはある。
成分(C)のモル分率は、0.25以下、好ましくは0.0002〜0.14、特に好ましくは0.0002〜0.18である。
本発明に係る脂肪族ポリエステル共重合体において、特に、前記一般式(1)におけるR1およびR2が(CH2)2または(CH2)4で、R3が(CH2)5であるものは、融点が高くかつ結晶性の高いものである。
前記本発明に使用される脂肪族ポリエステル共重合体において、特に、前記一般式(1)におけるR1およびR2が(CH2)2または(CH2)4で、R3が(CH2)5であるものは、融点が高くかつ結晶性の高いものである。
このため、フィルムを製造した場合に、オリゴマーのフィルム表面へのブリードアウト、特に経時的なブリードアウトによる、フィルム表面への粉吹きやそれに伴うヘーズの増加、平行光線透過率の減少などのフィルム性能の悪化が問題になる。
本発明では、上記ブリードアウトを抑制するために、脂肪族ポリエステル共重合体(a)に他の生分解性樹脂(b)が添加される。他の生分解性樹脂(b)としては、合成及び/又は天然高分子が使用される。
合成高分子としては、脂肪族ポリエステル、ポリアミド、ポリアミドエステル、生分解性セルロースエステル、ポリペプチド、ポリビニルアルコール、又はこれらの混合物が挙げられる。
以下、合成脂肪族ポリエステル樹脂を、単に、脂肪族ポリエステル樹脂と略称し、天然に産出されるものの場合にはその旨明記する。
他の生分解性樹脂(b)として脂肪族ポリエステル樹脂、好ましくはポリ(ヒドロキシアルキレン(炭素数1〜10)カルボン酸)、特にポリ乳酸(PLA)を使用する場合は、ブリードアウトの抑制の他に、生分解性速度を制御したり物性を調節する目的でも使用されるが、本発明では脂肪族ポリエステル共重合体(a)とポリ乳酸との重量比は99.9/0.1〜70/30であり、好ましくは95/5〜80/20、さらに好ましくは90/10〜80/20である。ポリ乳酸の重量比率が0.1より少なすぎるとブリードアウト抑制や生分解遅延効果が認められず、30を超えると脂肪族ポリエステル共重合体(a)本来の特徴である柔軟性が失われ、脆いフィルムとなるおそれがある。
また、ポリ乳酸の種類としては、D,L−ポリ乳酸共重合体であり、好ましくはD体含有率が5〜50%、特に好ましくは10〜20%の範囲にあるポリ乳酸共重合体である。ポリ乳酸としてかかる範囲の共重合体を用いることにより、脂肪族ポリエステル共重合体(a)との組成物から得られるT−ダイフィルム(無延伸フィルム)やインフレーションフィルムで横方向(TD)の伸びが50%以上ある靭性に富んだフィルムが得られる。
ポリ乳酸(共重合体)の融点は160℃以下、好ましくは非晶質のものである。
他の生分解性樹脂(b)として、ポリ(ヒドロキシアルキレン(炭素数1〜10)カルボン酸)、更に好ましくはポリラクトン、特に好ましくはポリカプロラクトン(PCL)を使用する場合は、ブリードアウトの抑制の他に、生分解性速度を制御したり物性を調節する目的でも使用されるが、本発明では脂肪族ポリエステル共重合体(a)とポリカプロラクトンとの重量比は99.9/0.1〜70/30であり、好ましくは95/5〜80/20、さらに好ましくは90/10〜80/20である。ポリカプロラクトンの重量比率が上記範囲より少なすぎるとブリードアウト抑制や生分解遅延効果が認められず、上記範囲より多すぎると耐熱性が損なわれるおそれがある。
上記ポリカプロラクトンとしては、重量平均分子量60,000〜400,000、好ましくは100,000〜300,000、特に好ましくは140,000〜200,000のものが使用される。
また、ポリカプロラクトンとしては、水;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどの2価以上のグリコール類;シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、ブタンテトラカルボン酸などの2価以上のジカルボン酸類;グリコール酸、乳酸、リンゴ酸などの2価以上のヒドロキシカルボン酸類を開始剤としたポリカプロラクトンが使用可能である。
ポリ乳酸とポリカプロラクトンの重量比率は、ポリ乳酸:ポリカプロラクトンが、100:0〜0:100、好ましくは90:10〜50:50、更に好ましくは80:20〜60:40である。
また、ポリペプチドとしては、ポリメチルグルタミン酸等のポリアミノ酸及びポリアミドエステル等が例示できる。
ポリアミドエステルとしては、ε−カプロラクトンとε−カプロラクタムより合成される樹脂等が挙げられる。
天然高分子としては、澱粉、セルロース、紙、パルプ、綿、麻、毛、絹、皮革、カラギーナン、キチン・キトサン質、天然直鎖状ポリエステル系樹脂、又はこれらの混合物が挙げられる。
上記澱粉としては、天然物由来の澱粉、加工(変性)澱粉又は両者の混合物が使用できる。具体的には、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、甘藷澱粉、小麦澱粉、米澱粉、タピオカ澱粉、サゴ澱粉、キャッサバ澱粉、マメ澱粉、クズ澱粉、ワラビ澱粉、ハス澱粉、ヒシ澱粉等の天然澱粉及びこれらの分解物、アミロース分解澱粉及びアミロペクチン分解澱粉等が挙げられる。
澱粉は必要により可溶化して使用することができる。例えば、澱粉に水を加えて加温し、粘稠な液状にして使用することができる。更には水の代りにエチレングリコールやグリセリンなどで可塑化され液状になったものも使用することができる。
加工澱粉としては、天然澱粉に種々の物理的変性を行ったもの、例えば、α−澱粉、分別アミロース、湿熱処理澱粉等、天然澱粉に種々の酵素変性を行った澱粉、例えば、加水分解デキストリン、酵素分解デキストリン、アミロース分解澱粉、アミロペクチン分解澱粉等、天然澱粉に種々の化学処理をしたもの、例えば、酸処理澱粉、次亜塩素酸酸化澱粉、酸化処理を行ったジカルボン酸澱粉、アシル化を行ったアセチル澱粉、その他の化学変性澱粉誘導体、例えば、エステル化処理を行ったエステル澱粉、エーテル化処理を行ったエーテル化澱粉、架橋剤で処理した架橋澱粉、2−ジメチルアミノエチルクロライドでアミノ化したようなカチオン化澱粉などが挙げられる。
好ましい澱粉は、粒状澱粉、水及び/又は可塑剤により可塑化された可塑化澱粉、粒状澱粉と、水及び/又は可塑剤により可塑化された可塑化澱粉の混合物である。
脂肪族ポリエステル共重合体(a)と澱粉の重量組成比は、95/5〜20/80であり、好ましくは90/10〜40/60である。
樹脂添加剤としては可塑剤、熱安定剤、滑剤、ブロッキング防止剤、核剤、光分解剤、生分解促進剤、酸化防止剤、紫外線安定剤、帯電防止剤、難燃剤、流滴剤、抗菌剤、防臭剤、充填材、着色剤、又はこれらの混合物が挙げられる。
可塑剤としては、脂肪族二塩基酸エステル、フタル酸エステル、ヒドロキシ多価カルボン酸エステル、ポリエステル系可塑剤、脂肪酸エステル、エポキシ系可塑剤、又はこれらの混合物が例示される。具体的には、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DOP)、フタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ジイソデシル(DIDP)等のフタル酸エステル、アジピン酸−ジ−2−エチルヘキシル(DOA)、アジピン酸ジイソデシル(DIDA)等のアジピン酸エステル、アゼライン酸−ジ−2−エチルヘキシル(DOZ)等のアゼライン酸エステル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエン酸トリブチル等のヒドロキシ多価カルボン酸エステル、ポリプロピレングリコールアジピン酸エステル等のポリエステル系可塑剤であり、これらは一種または二種以上の混合物で用いられる。
これら可塑剤の添加量としては、用途によって異なるが、一般には脂肪族ポリエステル共重合体(a)100重量部に対して、3〜30重量部の範囲が好ましい。フィルムであると、5〜15重量部の範囲が好ましい。3重量部未満であると、破断伸びや衝撃強度が低くなり、また30重量部を超えると、破断強度や衝撃強度の低下を招く場合がある。
熱安定剤としては、脂肪族カルボン酸塩がある。脂肪族カルボン酸としては、特に脂肪族ヒドロキシカルボン酸が好ましい。脂肪族ヒドロキシカルボン酸としては、乳酸、ヒドロキシ酪酸等の天然に存在するものが好ましい。
塩としては、ナトリウム、カルシウム、アルミニウム、バリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、亜鉛、鉛、銀、銅等の塩が挙げられる。これらは、一種または二種以上の混合物として用いることができる。
添加量としては、共重合体100重量部に対して、0.5〜10重量部の範囲である。上記範囲で熱安定剤を用いると、衝撃強度(アイゾット衝撃値)が向上し、破断伸び、破断強度、衝撃強度のばらつきが小さくなる効果がある。
滑剤としては、内部滑剤、外部滑剤として一般に用いられるものが使用可能である。例えば、脂肪酸エステル、炭化水素樹脂、パラフィン、高級脂肪酸、オキシ脂肪酸、脂肪酸アミド、アルキレンビス脂肪酸アミド、脂肪族ケトン、脂肪酸低級アルコールエステル、脂肪酸多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステル、脂肪族アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、ポリクリセロール、金属石鹸、変性シリコーンまたはこれらの混合物が挙げられる。好ましくは、脂肪酸エステル、炭化水素樹脂等が挙げられる。
滑剤を選択する場合には、ラクトン樹脂やその他の生分解性樹脂の融点に応じて、その融点以下の滑剤を選択する必要がある。例えば、脂肪族ポリエステル樹脂の融点を考慮して、脂肪酸アミドとしては160℃以下の脂肪酸アミドが選ばれる。
配合量は、フィルムを例にとると、樹脂100重量部に対し、滑剤を0.05〜5重量部を添加する。0.05重量部未満であると効果が充分でなく、5重量部を超えるとロールに巻きつかなくなり、物性も低下する。
フィルム用としては、環境汚染を防止する観点から、安全性が高く、且つFDA(米国食品医薬品局)に登録されているエチレンビスステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミドが好ましい。
上記光分解促進剤としては、例えば、ベンゾイン類、ベンゾインアルキルエーテル類、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンなどのベンゾフェノンとその誘導体;アセトフェノン、α,α−ジエトキシアセトフェノンなどのアセトフェノンとその誘導体;キノン類;チオキサントン類;フタロシアニンなどの光励起材、アナターゼ型酸化チタン、エチレン−ー酸化炭素共重合体、芳香族ケトンと金属塩との増感剤などが例示される。これらの光分解促進剤は、1種又は2種以上併用できる。
上記生分解促進剤には、例えば、オキソ酸(例えば、グリコール酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸などの炭素数2〜6程度のオキソ酸)、飽和ジカルボン酸(例えば、修酸、マロン酸、コハク酸、無水コハク酸、グルタル酸などの炭素数2〜6程度の低級飽和ジカルボン酸など)などの有機酸;これらの有機酸と炭素数1〜4程度のアルコールとの低級アルキルエステルが含まれる。好ましい生分解促進剤には、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸などの炭素数2〜6程度の有機酸、及び椰子殻活性炭等が含まれる。これらの生分解促進剤は1種又は2種以上併用できる。
上記充填剤(増量剤、ブロッキング防止剤を含む)としては、種々の充填剤、例えば前記の炭酸カルシウムやタルクの他に、マイカ、珪酸カルシウム、微粉末シリカ(無水物)、ホワイトカーボン(含水物)、石綿、陶土(焼成)、麦飯石、各種の酸化チタン、ガラス繊維等の無機充填剤や、天然素材の粒子等の有機充填剤を挙げることができる。
ブロッキングを防止する場合には、粒子径は0.1〜7μmのものが好ましい。
無機充填剤としての微粉末シリカは、湿式法でつくられたシリカや、四塩化ケイ素の酸水素焔中での高温加水分解により製造されたシリカでもよい。
無機充填材を添加することにより生分解性が更に向上すると共に溶融強度(粘度)が大きくなるので、溶融成形時のドローダウンが防がれ、真空成形、ブロー成形、インフレーション成形等の成形性が向上する。
充填剤の添加量は特に限定するものではないが、脂肪族ポリエステル共重合体(a)に対して、充填剤/共重合体(a)の重量比が5〜50/95〜50、好ましくは10〜45/90〜55、更に好ましくは20〜40/80〜60、特に好ましくは25〜35/75〜65である。
充填剤の量が過大では、樹脂が粉を吹き、過小では成形時にドローダウン、ネッキング、厚みむら、目やに発生が著しい。
有機充填剤としては、直径が50ミクロン以下の、紙より製造した微粉末粒子が挙げられる。有機充填剤の添加量や粒径は上記無機充填剤の場合と同じである。
増量剤としては、木粉、ガラスバルーン等が挙げられる。増量剤の添加量は無機充填剤の場合と同じである。
上記で得られたフィルムは、アニール処理を行うことにより、更にオリゴマーのブリードアウトを効果的に抑制することができる。
アニール処理温度としては、組成比にもよるが、通常、30〜60℃、好ましくは35〜50℃、さらに好ましくは35〜45℃の範囲にある。アニール処理温度が30℃未満では、オリゴマーのブリードアウトの更なる抑制効果は認められない場合があり、60℃より高すぎるとフィルムが軟かくなりすぎてブロッキングするおそれがある。
アニール処理時間としては、温度にもよるが、通常、10時間以上、好ましくは24〜480時間、さらに好ましくは72〜360時間である。アニール処理時間が10時間未満では、オリゴマーの更なるブリードアウトの抑制効果が発現しないおそれがある。上限は特には限定されないが、480時間を超えると抑制効果の発現が飽和する。
本発明のフィルムは、光学特性として、ヘーズ(HZ)が30%以下、好ましくは25%以下のものであり、平行光線透過率(PLT)が60%以上、好ましくは65%以上のものである。
本発明のフィルムは、特にTD方向の破断点伸度が20%以上、好ましくは30%以上、さらに好ましくは50%以上のものである。
本発明のフィルムは透明性に優れており、2次成形して宅配物及び郵便物搬送用のラッピング包装体、精密部品、パソコン、家電製品、車シート等の保護フィルム、食品用、特に野菜や乾物、菓子類とくにスナック菓子類、衣料、医薬品、カセットやビデオテープ等の各種包装用、及び分解性ゴミ袋、水切り袋、孔あきフィルム、農業用マルチ(防草)フィルム、植生フィルム、ベタ掛けフィルム、根巻きシート、排水シート、養生シート、緩衝シート、緩衝材、カード等に加工することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
脂肪族ポリエステル共重合体(a)
ダイセル化学工業(株)社製ブタンジオール−コハク酸−カプロラクトン三元共重合体、CBS-051(ポリスチレン換算Mw20.8万、MFR(190℃)1.8、Tm108℃、オリゴマー含有率5600ppm)、
同CBS-071(Mw22万、MFR(190℃)0.9、Tm104℃、オリゴマー含有率6900ppm)、
同CBS-101(Mw22万、MFR(190℃)0.9、Tm102℃、オリゴマー含有率6800ppm)
ポリ乳酸(PLA)
ポリ乳酸共重合体(D2):D−乳酸含有量2.2%、MFR(190℃)9.4g/10分、融点164℃
ポリ乳酸共重合体(D13):D−乳酸含有量12.6%、MFR(190℃)2.6g/10分、非晶質
ポリ乳酸共重合体(D3):D−乳酸含有量1.6%、MFR(190℃)2.6g/10分、融点168℃
ポリカプロラクトン(PCL):ダイセル化学工業(株)社製、商品名PH7(Mw210,000、MFR(190℃)2.0、融点60℃)
エルカ酸アミド(EA):チバスペシャルティケミカルズ社製、商品名ATMER SA1753
シリカ(SI):富士シリシア社製、商品名サイシリア730(粒径4μm)
上記を樹脂組成物中にそれぞれ1000重量ppm添加した。
(1)重量平均分子量:GPCにより測定し、標準ポリスチレン換算で求めた。
(2)オリゴマー含有率(ppm):上記ポリマーのGPC測定において、標準ポリスチレン換算分子量500以下のものの、全体に対する面積比率で求めた。
(3)ブリードアウト量(mg):フィルム(大きさA4版のもの2枚、合計面積2500cm2)をヘキサン溶媒500mlに浸漬、60秒撹拌後、フィルムを取り出し、ヘキサン溶媒を濃縮、乾固し、固形分を80℃、400Torr、12時間減圧乾燥して、秤量して求めた。
なお、上記抽出物中の添加剤エルカ酸アミドの量は、必要によりガスクロマトグラフにより分析した。
なお、この試験方法で留意する点は、フィルム内部からの抽出が若干生じていることであり、樹脂添加剤無添加の場合は4〜5ppmがフィルム内部からの抽出によるものと推定され、エルカ酸アミド1000ppm添加の場合は7〜8ppmがフィルム内部からの抽出によるものと推定される。従って、表面のみのブリードアウト量は、上記秤量して求めた値からそれらを差し引いた値であると推定される。
(4)ブリードアウトの官能評価:フィルムを指先でこすり、指への付着の程度で評価した。付着が殆どないものを○、付着が微少あるものを△、付着が多く明らかに通常の用途に使用不可のものを×で表した。
(5)ヘーズ(HZ):日本電色工業製NDH-300Aを使用して、フィルムのくもり度を測定した。測定値は5回の平均値である。
(6)平行光線透過率(PLT):日本電色工業製NDH-300Aを使用して、フィルムの平行光線透過率を測定した。測定値は5回の平均値である。
(7)機械的物性:試験片として、フィルムからMD方向又はTD方向の短冊状フィルム片(長さ150mm、巾15mm)を採取して、チャック間距離100mmで、引張試験を行い、降伏点及び破断点における強度(MPa)、伸度(%)、ヤング率(MPa)を求めた。なお、伸度(%)はチャック間距離の変化とした。
なお、測定条件は以下の通りである。
使用機器:オリエンテック社製テンシロン万能試験機RTC-1225
クロスヘッドスピード:300mm/分(但し、ヤング率の測定は5mm/分で行った。)
測定値は5回の平均値である。
(8)フィルムのアニール処理
製膜後、40℃の恒温槽内でアニールを行った。表示は以下の例に従う。
製膜20日後、アニールなし:製膜後のフィルムを室温で20日間放置。
製膜20日後、3日間アニール:製膜後3日間アニールしたフィルムを室温で17日間放置し、製膜後20日となったもの。
製膜20日後、10日間アニール:製膜後10日間アニールしたフィルムを室温で 10日間放置し、製膜後20日となったもの。
なお、単に製膜0日後、製膜3日後、製膜12日後、製膜60日後等とあるのは、アニール処理を行っていないものを示す。
上記脂肪族ポリエステル共重合体(a)及び他の脂肪族ポリエステル(b)を表1に示す割合で、予め溶融混練して混練組成物を得た。
上記で得た混練組成物を用い、T−ダイフィルム成形機を使用して厚さ30μmのフィルムを得た。
なお、経過日数の基点は、製膜日を0日とした(以下、同じ)。
結果を表1に示す。比較例1および2では、脂肪族ポリエステル共重合体(a)単独であり経時的にオリゴマーのブリードアウトを生じ、ヘーズおよび平行光線透過率が悪化する。これに対して、他の脂肪族ポリエステル(b)としてポリ乳酸共重合体を添加したものではブリードアウトが抑制され、ヘーズおよび平行光線透過率の悪化が抑制される。
上記脂肪族ポリエステル共重合体(a)、他の脂肪族ポリエステル(b)、及び樹脂添加剤を表2に示す割合で添加し、実施例1と同様にして、混練組成物を得、混練組成物を用い、T−ダイフィルム成形機を使用して厚さ30μmのフィルムを得た。
結果を表2に示す。この結果から判るように、比較例3では、脂肪族ポリエステル共重合体(a)単独であり経時的にオリゴマーのブリードアウト量が多いが、実施例5〜8から判るようにポリ乳酸の添加率と共にブリードアウトが抑制される。なお、ポリ乳酸共重合体の添加により、樹脂組成物中のオリゴマー含有率は希釈されて低くなるが、ブリードアウト量はその希釈による低下を明らかに上回るものであることが判る。
脂肪族ポリエステル共重合体(a)としてCBS101の代りにCBS051を用いた以外は実施例5と同様にして、フィルムを得た。ポリ乳酸共重合体を添加しない場合を比較例4とした。
この結果、実施例5〜8及び比較例3と同様に、ポリ乳酸共重合体の添加率と共にブリードアウトが抑制されることが判った。
上記脂肪族ポリエステル共重合体(a)、他の脂肪族ポリエステル(b)、及び樹脂添加剤を表3〜4に示す割合で添加し、実施例1と同様にして、混練組成物を得、混練組成物を用い、T−ダイフィルム成形機を使用して厚さ30μmのフィルムを得た。
結果を表3〜4に示す。この結果から判るように、比較例5では、脂肪族ポリエステル共重合体(a)単独であり経時的にオリゴマーのブリードアウト量が多く、光学特性も悪い。さらに、製膜後、アニール処理をしても、ブリードアウトや光学特性の改善は小さい。
これに対して、他の脂肪族ポリエステル(b)としてポリ乳酸共重合体を添加したもの(実施例13〜17)、および、ポリカプロラクトンを添加したもの(実施例18〜19)では、ブリードアウトが抑制され、ヘーズおよび平行光線透過率が改善される。
特に、製膜後フィルムをアニール処理することにより、更にブリードアウトが抑制され、抑制するために必要な他の脂肪族ポリエステル(b)の添加量を少なくすることが可能である。
ブリード抑制効果については、ポリ乳酸共重合体のD−乳酸含有量が異なっても、又、分子量が異なっても、ポリ乳酸共重合体の配合量が同じである限り同程度の抑制効果がある。
一方、得られるフィルムの物性の変化に着眼すると、D−乳酸含有量が多いD13(D−乳酸含有量12.6%)を混合した組成物から得られるフィルムは、その混合量を15重量%にしてもTDの伸度が大きい。他方、D−乳酸含有量が少ないD2(D−乳酸含有量2.2%)又はD3(D−乳酸含有量1.6%)を混合した組成物から得られるフィルムは、その混合量を15重量%とすると、TDの伸度が小さいフィルムが得られる。
従って、ブリード抑制効果を有し、且つ、より強靭なフィルムを得るにはD−乳酸含有量が多いポリ乳酸共重合体を用いることが好ましいことが明らかである。
なお、比較例6および7では、他の脂肪族ポリエステル(b)としてポリ乳酸共重合体単独であり、フィルムはMD、TD共に伸びが著しく小さい。
上記脂肪族ポリエステル共重合体(a)、他の脂肪族ポリエステル(b)、及び樹脂添加剤を表5に示す割合で添加し、実施例1と同様にして混練組成物を得た。
上記で得た混練組成物をインフレーションフィルム成形機を用いて、厚さ30μmと40μmのフィルムを得た。得られたフィルムを、40℃で10日間アニール処理を行い、その後室温に10日間放置した後測定に供した。
Claims (15)
- 分子鎖が、下記一般式(1)と(2)で示される繰返し単位:
−CO−R1−CO− (1)
(式中、R1は炭素数1〜12の二価脂肪族基を表す。)
−O−R2−O− (2)
(式中、R2は炭素数2〜12の二価脂肪族基を表す。)
及び必要に応じて加えられる(3)で示される繰返し単位:
−CO−R3−O− (3)
(式中、R3は炭素数1〜10の二価脂肪族基を表す。)
からなり、重量平均分子量が40,000以上であり、分子量500以下のオリゴマー含有率が1,000〜20,000ppmである脂肪族ポリエステル共重合体(a)と
他の生分解性樹脂(b)との
脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂組成物を成形してなる生分解性樹脂フィルム。 - 脂肪族ポリエステル共重合体(a)が、該脂肪族ポリエステル共重合体(a)の重合中間体である重量平均分子量5,000以上の低分子量脂肪族ポリエステル共重合体(a’)100重量部に対し、0.1〜5重量部の一般式(7):
X1−R7−X2 (7)
(式中、X1、X2は水酸基またはカルボキシル基と作用して共有結合を形成可能な反応基、R7は単結合、炭素数1〜20の脂肪族基又は芳香族基を表し、X1、X2は同一の化学構造であってもよいし、異なってもよい)
で表される2官能性の連結剤(e)を反応させて高分子量化されたものである請求項1に記載の生分解性樹脂フィルム。 - 一般式(1)が、コハク酸残基及び/又はアジピン酸残基である請求項1又は2に記載の生分解性樹脂フィルム。
- 一般式(2)が、エチレングリコール残基及び/又は1,4−ブタンジオール残基である請求項1〜3のいずれか1項に記載の生分解性樹脂フィルム。
- 一般式(3)が、ε−カプロラクトン、4−メチルカプロラクトン、3,5,5−トリメチルカプロラクトン、3,3,5−トリメチルカプロラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、エナントラクトンからなる群から選ばれた少なくとも1種に基づく基である請求項1〜4のいずれか1項に記載の生分解性樹脂フィルム。
- 一般式(7)で表される2官能性の連結剤(e)の反応基がイソシアネート基、イソチオシアネート基、エポキシ基、オキサゾリン基、オキサゾロン基もしくはオキサジノン基、アジリジン基、又はこれらの混合基であることを特徴とする請求項2に記載の生分解性樹脂フィルム。
- 脂肪族ポリエステル共重合体(a)又は低分子量脂肪族ポリエステル共重合体(a’)中に含まれる繰返し単位(3)のモル分率が、0.25以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の生分解性樹脂フィルム。
- 脂肪族ポリエステル共重合体(a)と他の生分解性樹脂(b)の重量組成比が99.9/0.1〜70/30である請求項1〜7のいずれか1項に記載の生分解性樹脂フィルム。
- 他の生分解性樹脂(b)が脂肪族ポリエステル(b1)である請求項1〜8のいずれか1項に記載の生分解性樹脂フィルム。
- 脂肪族ポリエステル(b1)が、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(ε−カプロラクトン)(PCL)、又はこれらの混合物である請求項9に記載の生分解性樹脂フィルム。
- ポリ乳酸(PLA)が、D体を5〜50%含むポリ乳酸共重合体である請求項10に記載の生分解性樹脂フィルム。
- 30〜60℃で10時間以上アニール処理された請求項1〜11のいずれか1項に記載の生分解性樹脂フィルム。
- 製膜60日後のフィルムをヘキサン中で60秒間浸漬撹拌した場合に、分子量500以下のオリゴマーの抽出量が10mg/2500cm2以下である請求項1〜12のいずれか1項に記載の生分解性樹脂フィルム。
- ヘーズが1〜30%である請求項1〜13のいずれか1項に記載の生分解性樹脂フィルム。
- 平行光線透過率が99〜60%である請求項1〜14のいずれか1項に記載の生分解性樹脂フィルム。
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