JP2004237473A - 生分解性ポリエステル積層フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】分子鎖が、下記一般式(1)〜(3)で示される繰返し単位:−CO−R1−CO− (1)(式中、R1は炭素数1〜12の二価脂肪族基を表す。)−O−R2−O− (2)(式中、R2は炭素数2〜12の二価脂肪族基を表す。)下記一般式(3)で示される繰返し単位:−CO−R3−O− (3)(式中、R3は炭素数1〜10の二価脂肪族基を表す。)
からなり、一般式(3)で示される繰返し単位が1〜25モル%で、重量平均分子量が40,000以上である脂肪族ポリエステル共重合体(a)からなる基材層(I)の少なくとも片面に、融点が45〜80℃の生分解性樹脂(c)と上記脂肪族ポリエステル共重合体(a)との樹脂組成物(d)からなる熱融着層(II)が積層されている生分解性ポリエステル積層フィルム。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生分解性を有する脂肪族ポリエステル共重合体からなる基材層の少なくとも片面に、低融点の生分解性樹脂組成物層からなる熱融着層が積層されてなる、生分解性ポリエステル積層フィルム、特に低温ヒートシール性を有し、柔軟なピロー包装等の自動充填包装用フィルムとして好適な生分解性ポリエステル積層フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
自然環境中で生分解可能なプラスチックとして、汎用性の高い脂肪族ポリエステルが注目されており、ポリ乳酸(PLA)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリエチレンサクシネート(PES)、ポリカプロラクトン(PCL)などが上市されており、その用途として包装用フィルムなどがある。
【0003】
上記脂肪族ポリエステルの中で、PLAは、延伸あるいは高結晶化させたフィルムあるいは成形品は、高いものでは170℃付近に融点を持ち高耐熱性であるが、硬くあるいは脆いために成形品の伸度は低く、無延伸の薄いフィルムは包装用として実用性はない。また、PLA単独のフィルムは生分解性が遅い。PBSおよびPESは融点が100℃付近で十分な耐熱性を有するが、生分解速度が小さく、実用的には不充分であり、また機械的性質では柔軟性に欠ける。PCLは柔軟性に優れるものの、融点60℃と耐熱性が低いために用途が限定されているが、生分解速度は非常に速い。
【0004】
このように、脂肪族ポリエステルのホモポリマーではフィルムとして利用するには種々の限界があるが、例えば特許2997756号記載のポリブチレンサクシネート−ポリカプロラクトン共重合体のように、脂肪族ポリエステル共重合体中にカプロラクトンユニットを導入することにより、実用的な柔軟性と適度な生分解性を実現することができ、また、カプロラクトンユニットの含有量を制御することにより、融点を80℃以上として十分な耐熱性を保持することと、生分解性を制御することが可能であることが見出されている(特許文献1)。
【0005】
WO 02−44249号公報には、脂肪族ジオール、脂肪族ジカルボン酸、及び脂肪族ヒドロキシカルボン酸またはその無水環状化合物(ラクトン類)の3成分からなる混合物の重縮合反応により合成した重量平均分子量40,000以上の高分子量脂肪族ポリエステル共重合体と他の生分解性樹脂を使用することにより、フィルム等の成形時の分子量安定性が良く、成形が良好であることが開示されている(特許文献2)。また特開2002−294048号公報にも同様の高分子量脂肪族ポリエステル共重合体と他の生分解性樹脂とからなる樹脂組成物を成形してなる成形物が記載され、積層体(積層フィルム)についても開示されている(特許文献3)。
【0006】
また、包装用の積層フィルムとして、特開2001−219522公報には、ポリ乳酸系重合体を主成分とする少なくとも2層からなる積層フィルムであって、上記積層フィルム中の1つの層を構成するポリ乳酸系重合体のD−乳酸の含有割合Da(%)と、上記積層フィルムの他の1つの層を構成するポリ乳酸系重合体のD−乳酸の含有割合Db(%)の関係が、Da≦7かつDb−Da>3であり、上記他の1つの層は、上記積層フィルムの少なくとも一方の最外層を構成するポリ乳酸系積層2軸延伸フィルムが開示されている(特許文献4参照)。
しかし、このフィルムもヒートシール温度が80℃以上と高く、また二軸延伸フィルムであるので、包装物を加熱下に保存するとフィルムが収縮する。
【0007】
【特許文献1】
特許2997756号(請求項1〜3、実施例1〜5)
【特許文献2】
WO 02−44249号公報(請求項、発明の開示の項の最終段落、表VII−1)
【特許文献3】
特開2002−294048号公報(請求項1、同25、段落0044、同0045、同0057、同0062の(4.2)、同0070、表1)
【特許文献4】
特開2001−219522公報(請求項1、段落0024、実施例1〜4)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、透明性の良好な生分解性ポリエステル積層フィルム、特に低温ヒートシール性、柔軟性に優れたピロー包装用等の自動充填包装用に適した生分解性ポリエステル積層フィルムを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討した結果、例えば、基材層(I)に脂肪族ジオール、脂肪族ジカルボン酸、及びラクトンからなる3成分系脂肪族ポリエステル共重合体を使用し、熱融着層(II)に上記3成分系脂肪族ポリエステル共重合体と低融点の生分解性樹脂との組成物を使用することにより、上記問題点を解決し得ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち本発明の第1は、分子鎖が、下記一般式(1)〜(3)で示される繰返し単位:
−CO−R1−CO− (1)
(式中、R1は炭素数1〜12の二価脂肪族基を表す。)
−O−R2−O− (2)
(式中、R2は炭素数2〜12の二価脂肪族基を表す。)
下記一般式(3)で示される繰返し単位:
−CO−R3−O− (3)
(式中、R3は炭素数1〜10の二価脂肪族基を表す。)
からなり、
一般式(3)で示される繰返し単位が1〜25モル%(一般式(1)〜(3)で、繰返し単位(1)と(2)の量は実質的に等しく、(1)、(2)及び(3)の量の合計は100モル%である。)であり、重量平均分子量が40,000以上である脂肪族ポリエステル共重合体(a)からなる基材層(I)の少なくとも片面に、融点が45〜80℃の生分解性樹脂(c)と上記脂肪族ポリエステル共重合体(a)との樹脂組成物(d)からなる熱融着層(II)が積層されてなることを特徴とする生分解性ポリエステル積層フィルムを提供する。
本発明の第2は、脂肪族ポリエステル共重合体(a)の融点が、85〜120℃の範囲にある本発明の第1記載の生分解性ポリエステル積層フィルムを提供する。
本発明の第3は、脂肪族ポリエステル共重合体(a)が、該脂肪族ポリエステル共重合体(a)の重合中間体である重量平均分子量5,000以上の低分子量脂肪族ポリエステル共重合体(a’)100重量部に対し、0.1〜5重量部のジイソシアネート化合物を反応させて高分子量化されたものである本発明の第1記載の生分解性ポリエステル積層フィルムを提供する。
本発明の第4は、一般式(1)が、コハク酸残基及び/又はアジピン酸残基である本発明の第1記載の生分解性ポリエステル積層フィルムを提供する。
本発明の第5は、一般式(2)が、エチレングリコール残基及び/又は1,4−ブタンジオール残基である本発明の第1記載の生分解性ポリエステル積層フィルムを提供する。
本発明の第6は、一般式(3)が、ε−カプロラクトンに基づく基である本発明の第1記載の生分解性ポリエステル積層フィルムを提供する。
本発明の第7は、樹脂組成物(d)が、生分解性樹脂(c)20〜90重量%と脂肪族ポリエステル共重合体(a)80〜10重量%との樹脂組成物である本発明の第1記載の生分解性ポリエステル積層フィルムを提供する。
本発明の第8は、基材層(I)を形成する脂肪族ポリエステル共重合体(a)に、他の生分解性樹脂(b)が添加されてなる本発明の第1記載の生分解性ポリエステル積層フィルムを提供する。
本発明の第9は、脂肪族ポリエステル共重合体(a)に対する他の生分解性樹脂(b)の添加量が、脂肪族ポリエステル共重合体(a)100重量部に対して、50重量部以下である本発明の第8記載の生分解性ポリエステル積層フィルムを提供する。
本発明の第10は、他の生分解性樹脂(b)がポリ乳酸である本発明の第8若しくは9に記載の生分解性ポリエステル積層フィルムを提供する。
本発明の第11は、生分解性樹脂(c)が、ポリラクトンである本発明の第1記載の生分解性ポリエステル積層フィルムを提供する。
本発明の第12は、生分解性ポリエステル積層フィルムが、包装用である本発明の第1〜11のいずれか1に記載の生分解性ポリエステル積層フィルムを提供する。
本発明の第13は、生分解性ポリエステル積層フィルムが、ピロー包装用である本発明の第1〜11のいずれか1に記載の生分解性ポリエステル積層フィルムを提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
基材層(I)
本発明に係る基材層(I)は、脂肪族ポリエステル共重合体(a)からなる。
【0013】
脂肪族ポリエステル共重合体(a)
基材層(I)に用いられる脂肪族ポリエステル共重合体(a)は、分子鎖が、下記一般式(1)、(2)及び(3)で示される繰返し単位:
−CO−R1−CO− (1)
(式中、R1は炭素数1〜12の二価脂肪族基を表す。)
−O−R2−O− (2)
(式中、R2は炭素数2〜12の二価脂肪族基を表す。)
−CO−R3−O− (3)
(式中、R3は炭素数1〜10の二価脂肪族基を表す。)
からなり、一般式(3)で示される繰返し単位が1〜25モル%(一般式(1)〜(3)で、繰返し単位(1)と(2)の量は実質的に等しく、(1)、(2)及び(3)の量の合計は100モル%である。)であり、重量平均分子量が40,000以上、通常、100,000〜350,000、好ましくは70,000〜250,000の範囲である。
基材層(I)では、繰返し単位(3)の量は、好ましくは1〜15
モル%、さらに好ましくは1〜12モル%である。
基材層(I)では、二種以上の脂肪族ポリエステル共重合体(a)を混合使用してもよい。
【0014】
上記のような高分子量の脂肪族ポリエステル共重合体(a)は、また、上記組成からなり、重量平均分子量5,000以上の低分子量脂肪族ポリエステル共重合体(a’)が、該共重合体(a’)100重量部に対し、0.1〜5重量部のジイソシアネート化合物により連結されて、重量平均分子量が40,000以上となるようにしたものであってもよい。
【0015】
(A)成分
式(1)の脂肪族ジカルボン酸残基を与える(A)成分としては、脂肪族ジカルボン酸、その無水物、又はそのモノまたはジエステル体が挙げられ、下記一般式(4)で表される。
R4−OCO−R1−COO−R5 (4)
(式中、R1は炭素数1〜12の二価脂肪族基、R4およびR5は水素原子、又は炭素数1〜6の脂肪族基もしくは芳香族基を表す。R4およびR5は同一でも異なっていてもよい。)
R1で示される二価脂肪族基としては、好ましくは2〜8の鎖状又は環状のアルキレン基であり、−(CH2)2−、−(CH2)4−、−(CH2)6−等の炭素数2〜6の直鎖状低級アルキレン基が挙げられる。
【0016】
R4およびR5が水素原子であるときには脂肪族ジカルボン酸を表わす。脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、スベリン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、セバシン酸、ジグリコール酸、ケトピメリン酸、マロン酸、メチルマロン酸などが挙げられる。
R4およびR5で示される脂肪族基としては、炭素数1〜6、好ましくは1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基の他、シクロヘキシル基等の炭素数5〜12のシクロアルキル基が挙げられる。
R4およびR5で示される芳香族基としては、フェニル基、ベンジル基等が挙げられる。
中でも、R4およびR5は炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜3の低級アルキル基である。このようなジアルキルエステルとしては、例えば、コハク酸ジメチル、コハク酸ジエチル、グルタル酸ジメチル、グルタル酸ジエチル、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、ピメリン酸ジメチル、アゼライン酸ジメチル、スベリン酸ジメチル、スベリン酸ジエチル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、デカンジカルボン酸ジメチル、ドデカンジカルボン酸ジメチル、ジグリコール酸ジメチル、ケトピメリン酸ジメチル、マロン酸ジメチル、メチルマロン酸ジメチル等が挙げられる。これらのものは単独で用いてもよいし2種以上組合わせて用いてもよい。
【0017】
(B)成分
式(2)の脂肪族ジオール残基を与える(B)成分としては、脂肪族ジオールが挙げられる。
脂肪族ジオールは下記一般式(4’)で表わされる。
HO−R2−OH (4’)
(式中、R2は炭素数2〜12の二価脂肪族基を表す。)
二価の脂肪族基としては、炭素数2〜12、好ましくは2〜8の鎖状又は環状のアルキレン基が挙げられる。好ましいアルキレン基は、−(CH2)2−、−(CH2)3−、−(CH2)4−等の炭素数2〜6の直鎖状低級アルキレン基である。
脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3‐プロパンジオール、1,2‐プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタメチレングリコール、へキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、デカメチレングリコール、ドデカメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、分子量1000以下のポリエチレングリコール等を用いることができる。これらのものは単独でも、2種以上組合せて用いてもよい。
【0018】
(C)成分
式(3)の脂肪族ヒドロキシカルボン酸残基を与える(C)成分としては、下記一般式(5)で表されるヒドロキシカルボン酸もしくはヒドロキシカルボン酸エステル、又は下記一般式(6)で表されるラクトン類が挙げられる。
R6OCO−R3−OH (5)
(式中、R3は炭素数1〜10の二価脂肪族基、R6は水素原子または炭素数1〜6の脂肪族基又は芳香族基を表す。)
【0019】
【化1】
【0020】
(式中、R3は炭素数1〜10の二価脂肪族基を表す。)
式(5)で、二価脂肪族基R3としては、炭素数2〜10、好ましくは2〜8の鎖状又は環状のアルキレン基が挙げられる。
式(5)で、R6は水素、又は脂肪族基もしくは芳香族基である。脂肪族基としては、炭素数1〜6、好ましくは1〜4の直鎖状又は分岐鎖状の低級アルキル基や、シクロヘキシル基等の炭素数5〜12のシクロアルキル基、芳香族基としては、フェニル基、ベンジル基等が挙げられる。
【0021】
ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、グリコール酸、L−乳酸、D−乳酸、D,L−乳酸、2−メチル乳酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−2−メチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、ヒドロキシピバリン酸、ヒドロキシイソカプロン酸、ヒドロキシカプロン酸等を挙げることができる。
前記ヒドロキシカルボン酸はその2分子が結合した環状二量体エステル(ラクチド)であることができる。その具体例としては、グリコール酸から得られるグリコリドや、乳酸から得られるもの等が挙げられる。
ヒドロキシカルボン酸エステルとしては、例えば、上記ヒドロキシカルボン酸のメチルエステル、エチルエステル等や、酢酸エステル等が挙げられる。
【0022】
ラクトン類としては、前記一般式(6)で表されるものを挙げることができる。
式(6)で、二価脂肪族基R3としては、炭素数4〜10、好ましくは4〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基が挙げられる。
ラクトン類の具体例としては、例えば、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、β−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、δ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、4−メチルカプロラクトン、3,5,5−トリメチルカプロラクトン、3,3,5−トリメチルカプロラクトンなどの各種メチル化カプロラクトン;β−メチル−δ−バレロラクトン、エナントラクトン、ラウロラクトン等のヒドロキシカルボン酸の環状1量体エステル;グリコリド、L−ラクチド、D−ラクチド等の上記ヒドロキシカルボン酸の環状2量体エステル等を挙げることができる。中でも、ε−カプロラクトンが好ましい。これらは2種以上のモノマーを混合して使用してもよい。
【0023】
上記(A)、(B)および(C)の3成分の重合反応によって低分子量脂肪族ポリエステル共重合体(a’)を合成する場合には、合成工程は、使用する原料の種類によって、例えば、前半の脱水反応が主に進行するエステル化工程と、後半のエステル交換反応が主に進行する重縮合工程とに分けることができる。
エステル化工程は80℃〜250℃、好ましくは100℃〜240℃、さらに好ましくは145℃〜230℃の反応温度で、0.5〜5時間、好ましくは1〜4時間、760〜100Torrの条件下で行うことが望ましい。触媒は、必ずしも必要としないが、原料として用いられる脂肪族ジカルボン酸又はジエステル1モルに対して、10−7〜10−3モル、好ましくは10−6〜5×10−4モルの量で用いてもよい。
後半の重縮合工程は、反応系を減圧しながら反応温度を高めて2〜10時間、好ましくは3〜6時間で終了することが望ましく、最終的には180℃〜270℃、好ましくは190℃〜240℃の反応温度で減圧度3Torr以下、好ましくは1Torr以下とすることが望ましい。この工程では、一般的なエステル交換反応触媒を用いる方が好ましく、原料として用いられる脂肪族ジカルボン酸又はジエステル1モルに対して、10−7〜10−3モル、好ましくは10−6〜5×10−4モルの量で用いる。この範囲より触媒量が少なくなると反応がうまく進行せず、反応に長時間を要するようになる。一方、この範囲より多くなると重合時のポリマーの熱分解、架橋、着色等の原因となり、また、ポリマーの成形加工において熱分解等の原因となり好ましくない。
合成工程において、脱水反応が主に進行するエステル化工程と、後半のエステル交換反応が主に進行する重縮合工程との両者において用いることのできる触媒としては、以下のような具体例を挙げることができるが、これらの触媒は単独で用いても、2種以上組合せて用いてもよい。
触媒としては、WO 02−44249号公報に記載のものが使用可能である。
【0024】
基材層(I)に用いられる脂肪族ポリエステル共重合体(a)又は(a’)を合成する工程において、原料(A)成分および(B)成分の仕込み比は、以下の条件式(i)に合致するように選択することが望ましい。
1.0≦[B]/[A]≦2.0 (i)
(式中、[A]は(A)成分のモル数、[B]は(B)成分のモル数を表す。)[B]/[A]の値が1より小さいと、所望の分子量の脂肪族ポリエステル共重合体を得ることが難しいだけでなく、生成する脂肪族ポリエステル共重合体のカルボン酸末端の割合が高くなるため加水分解反応を受けやすくなる。また[B]/[A]の値が2より大きくなるにつれて、生成する脂肪族ポリエステル共重合体のカルボン酸末端の割合が小さくなるため、耐加水分解性に優れたものが得られるが、一方、高分子量体を得るために除去すべき(B)成分の量が多くなるために、長時間の反応が必要となる。
本発明では、最終的に実用的なフィルム強度を有する脂肪族ポリエステル共重合体(a)を得るために、溶融状態の低分子量脂肪族ポリエステル共重合体(a’)にジイソシアネート化合物を加えて重量平均分子量を40,000以上に高めるようにしてもよい。
【0025】
上記ジイソシアネート化合物としては、好ましくは脂肪族ジイソシアネート化合物であり、具体的にはヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートメチルエステル{OCN−(CH2)4−CH(−NCO)(−COOCH3)}、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が例示されるが、中でもヘキサメチレンジイソシアネートが好ましい。またウレタン結合を含む脂肪族ポリエステル共重合体は、重量平均分子量が前記共重合体(a)の範囲と同じであるが、40,000以上、通常10万〜25万、好ましくは12万〜20万の範囲のものである。
【0026】
上記において、原料(A)成分、(B)成分および(C)成分の仕込み比は以下の条件式(ii’)に合致するように選択することが好ましい。
0.01≦[C]/([A]+[B]+[C])≦0.25 (ii’)
(式中、[A]、[B]、[C]は、それぞれ(A)成分、(B)成分、(C)成分の使用モル数を示す。)
上記式中の[C]/([A]+[B]+[C])は、脂肪族ポリエステル共重合体(a)又は(a’)中に含まれる成分(C)のモル分率を表し、この値が0.01より小さい場合は、得られるポリマーは結晶性が高く柔軟性のない硬いものとなり、さらに生分解性の点でも速度が遅く不十分のものとなる。また、0.25より大きい場合は、得られるポリマーの融点が低く、さらに結晶性が極端に低下するために耐熱性が無く実用に不向きである。
成分(C)のモル分率は、好ましくは0.015〜0.15、より好ましくは0.025〜0.12、特に好ましくは0.025〜0.10である。
【0027】
基材層(I)に用いられる脂肪族ポリエステル共重合体(a)は、重量平均分子量が40,000以上、通常、100,000〜350,000、好ましくは70,000〜250,000の範囲である。また、融点は、通常80℃以上と高く、しかもその融点と分解温度との差は100℃以上と大きく、熱成形も容易である。
基材層(I)に用いられる脂肪族ポリエステル共重合体(a)の融点は、好ましくは85〜120℃、さらに好ましくは90〜110℃である。上記脂肪族ポリエステル共重合体において、特に、前記一般式(1)におけるR1およびR2が(CH2)2または(CH2)4で、R3が(CH2)5であるものは、融点が高くかつ結晶性の高いものである。
【0028】
他の生分解性樹脂(b)
基材層(I)に用いられる前記脂肪族ポリエステル共重合体(a)に、必要に応じて、他の生分解性樹脂(b)、例えば、ポリ乳酸、あるいはコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、シクロペンタンジカルボン酸およびシクロヘキサンジカルボン酸等の通常、炭素数が4〜12の二塩基性カルボン酸とエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ペンタメチレングリコール、1,8−オクチレングリコール、ナノメチレングリコール、デカメチレングリコール等の通常、炭素数が2〜10のグリコールから任意に選ばれた1種あるいは2種以上のジカルボン酸とグリコールの脱水縮合あるいはそれに続く脱グリコール反応により得られる生分解性を有する脂肪族ポリエステル、あるいは芳香族ジカルボン酸、脂肪族グリコール、およびスルホン酸金属塩基を核置換基として有する芳香族ジカルボン酸からなる生分解性を有する芳香族系ポリエステル等を添加してもよい。かかる他の生分解性樹脂を添加することにより、基材層(II)がシールバーの熱と圧力によって、薄くならず、又シールバーへの融着が防げるという、利点がある。
これら、他の生分解性樹脂(b)の中でも、ポリ乳酸(PLA)は、基材層(II)の透明性が改良されるので、より好ましい。かかるポリ乳酸(PLA)は、乳酸の構造単位がL−乳酸であるポリ(L−乳酸)、構造単位がD−乳酸であるポリ(D−乳酸)、更にはL−乳酸とD−乳酸の混合物(ラセミ体)であるポリ(DL−乳酸)等の乳酸重合体、及び乳酸を主成分とし、乳酸以外の共重合可能なコモノマーを少割合、例えばグリコール酸50重量%未満、好ましくは30重量%以下、より好ましくは10重量%以下の割合で共重合したコポリマー、あるいはこれらの混合物等の乳酸を主成分とする重合体である。乳酸と共重合可能なコモノマーとしては、例えば3−ヒドロキシブチレート、カプロラクトン、グリコール酸などを挙げることができる。
かかるポリ乳酸の重合法としては、縮重合法、開環重合法など公知のいずれの方法を採用することができる。例えば、縮重合法ではL−乳酸またはD−乳酸あるいはこれらの混合物を直接脱水縮重合して任意の組成を持ったポリ乳酸を得ることができる。
【0029】
これらポリ乳酸の中でも、D−乳酸の含有量が5重量%未満、好ましくは3重量%未満で、融点が150〜170℃、好ましくは160〜170℃の範囲のものが、得られる生分解性ポリエステル積層フィルムの透明性、剛性等が優れるので、包装用フィルムとして使用する際に、基材層がシールバーの熱と圧力によって、薄くならず、又シールバーへの融着が防げるので、より好ましい。
ポリ乳酸の脂肪族ポリエステル共重合体(a)に対する添加量は、脂肪族ポリエステル共重合体(a)100重量部に対して、50重量部以下、更に好ましくは10〜30重量部の範囲にある。ポリ乳酸の重量比率が50重量部を超えると脂肪族ポリエステル共重合体(a)本来の特徴である柔軟性が失われ、脆いフィルムとなるおそれがある。
上記ポリ乳酸としては、MFR(ASTM D−1238による。荷重2160g、温度190℃)が0.1〜100g/10分、好ましくは1〜50g/10分、特に好ましくは2〜10g/10分のものが使用される。
【0030】
添加剤
基材層(I)に用いられる添加剤としては種々公知の添加剤、例えば耐熱安定剤、滑剤、ブロッキング防止剤、核剤、光分解剤、生分解促進剤、酸化防止剤、紫外線安定剤、帯電防止剤、抗菌剤、防臭剤、着色剤等を本発明の目的を損なわない範囲で添加しておいてもよい。かかる添加剤としては、具体的には以下のものを例示できる。
【0031】
滑剤としては、具体的には、炭化水素系、脂肪酸系、高級アルコール系、多価アルコール系、脂肪族アミド系、金属石鹸系、エステル系等、種々公知の滑剤を、基材層に用いる脂肪族ポリエステル共重合体(a)あるいは脂肪族ポリエステル共重合体(a)と他の生分解性樹脂(b)との組成物に、0.01〜1重量%添加しておくと、更にスリップ性が改良されたフィルムが得られるので好ましい。これらの中でもエルカ酸アミドとポリエチレングリコールとの併用系にするとフィルム成形時直後とその後の裁断加工時、更には印刷、ラミネート、製袋加工時等の作業性をバランス良く改善することができる。
ブロッキング防止剤としては、具体的には、シリカ、タルク、雲母、ゼオライトや更には金属アルコキシドを焼成する等して得た金属酸化物等の無機化合物粒子、ポリメタクリル酸メチル、メラミンホルマリン樹脂、メラミン尿素樹脂、ポリエステル樹脂等の有機化合物粒子等を例示できる。かかる公知のブロッキング防止剤を基材層に用いる脂肪族ポリエステル共重合体(a)あるいは脂肪族ポリエステル共重合体(a)と他の生分解性樹脂(b)との組成物に、0.01〜1重量%添加しておくと、更に耐ブロッキング性が改良された生分解性ポリエステル積層フィルムが得られるので好ましい。これらの中でも、シリカ、ポリメタクリル酸メチルが耐ブロッキング性、透明性の面から特に好ましい。
かかるブロッキング防止剤の粒子径は0.1〜7μmのものが好ましい。
【0032】
脂肪族ポリエステル共重合体(a)と他の生分解性樹脂(b)及び/又は添加剤との混練方法は、一般的な方法が好ましく使用でき、具体的には原料樹脂ペレットや粉体、固体の細片等をヘンシェルミキサーやリボンミキサーで乾式混合し、単軸や2軸の押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ミキシングロールなどの公知の溶融混合機に供給して溶融混練することができる。
【0033】
基材層(I)は、上記で得られた混練物をT−ダイフィルム成形方法、インフレーションフィルム成形方法、カレンダーフィルム成形方法等により単独でフィルムあるいはシート状に成形してもよいし、後述する熱融着層(II)と共押出して生分解性ポリエステル積層フィルムを直接成形してもよい。
基材層(I)の厚さは用途に応じて種々決め得るが、通常、6〜200μm、好ましくは10〜50μmである。
【0034】
熱融着層(II)
本発明に係る熱融着層(II)は、融点が45〜80℃の生分解性樹脂(c)と前記脂肪族ポリエステル共重合体(a)とからなる。
【0035】
熱融着層(II)に用いられる脂肪族ポリエステル共重合体(a)は、前記基材層(I)で使用されるものとは、同じであっても異なっていてもよい。
熱融着層(II)では、二種以上の脂肪族ポリエステル共重合体(a)を混合使用してもよい。
【0036】
生分解性樹脂(c)
本発明の生分解性ポリエステル積層フィルムの熱融着層(II)に用いる生分解性樹脂(c)は、融点が45〜80℃、好ましくは55〜75℃の範囲のものであり、具体的には、ポリラクトン、ポリブチレンアジペート,ポリエチレンアジペート,ポリヘキサメチレンオキザレート,ポリエチレンスベレート,ポリヘキサメチレンサクシネート等が挙げられる。
【0037】
ポリラクトン
生分解性樹脂(c)に用いられるポリラクトンとしては、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン等のラクトンの1種類若しくは2種以上を重合して得られるポリラクトン及びラクトンと他の脂肪族ヒドロキシカルボン酸とのコポリマーが例示できる。かかるポリラクトンの重量平均分子量30,000〜200,000、好ましくは50,000〜150,000、特に好ましくは70,000〜100,000の範囲にある。かかるポリラクトンの具体例としては、例えば、ε−カプロラクトンの開環重合によって得られたもの、6−ヒドロキシカプロン酸の脱水重縮合によって得られたもの、あるいは両者を重合させて得られるポリε−カプロラクトン、ポリδ−バレロラクトン等が挙げられる。又、ラクトンと共重合される他の脂肪族ヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、グリコライド、乳酸、ラクタイド、各種ヒドロキシ酪酸、各種ヒドロキシ吉草酸、各種ヒドロキシカプロン酸またはそれらの環状無水物等が挙げられる。これらポリラクトンの中でも、好ましくは該ラクトン類のみからなる重合体であり、特に好ましくはポリカプロラクトン(PCL)である。
熱融着層(II)では、二種以上の生分解性樹脂(c)を混合使用してもよい。
【0038】
熱融着層(II)を形成する樹脂組成物(d)における生分解性樹脂(c)と前記脂肪族ポリエステル共重合体(a)との割合は、好ましくは、生分解性樹脂(c)が、20〜90重量%、更に好ましくは40〜85重量%、好ましくは、脂肪族ポリエステル共重合体(a)が80〜10重量%、更に好ましくは60〜15重量%である(ここで、生分解性樹脂(c)と前記脂肪族ポリエステル共重合体(a)との割合の合計は100重量%である。)。生分解性樹脂(c)が20重量%未満では、生分解性ポリエステル積層フィルムの熱融着層に用いた場合に、得られる生分解性ポリエステル積層フィルムのヒートシール性(熱融着性)が不十分となりヒートシールが完了する前に基材層(I)が融解してシール加熱部と生分解性ポリエステル積層フィルムが融着するおそれがある。一方、90重量%を超えると生分解性ポリエステル積層フィルムの成形時に熱融着層がチルロールへ貼りつくおそれがあり、また生分解性樹脂(c)の融点が低いため通常のチルロール温度(5〜30℃)で固化が完了せず、ニップロールの押し跡が熱融着層に転写したり、チルロールから剥がれる過程で剥離ムラを生じるおそれがあり、また得られる生分解性ポリエステル積層フィルムも熱融着層がブロッキングを起こすおそれもある。
【0039】
添加剤
熱融着層(II)に用いられる添加剤としては、基材層(I)に述べた種々公知の添加剤、例えば耐熱安定剤、滑剤、ブロッキング防止剤、核剤、光分解剤、生分解促進剤、酸化防止剤、紫外線安定剤、帯電防止剤、抗菌剤、防臭剤、着色剤等を本発明の目的を損なわない範囲で添加しておいてもよい。かかる添加剤としては、具体的には以下のものを例示できる。
【0040】
滑剤としては、具体的には、炭化水素系、脂肪酸系、高級アルコール系、多価アルコール系、脂肪族アミド系、金属石鹸系、エステル系等、種々公知の滑剤を樹脂組成物(d)に0.01〜1重量%添加しておくと、更にスリップ性が改良されたフィルムが得られるので好ましい。これらの中でもステアリン酸等の高級脂肪酸と後述の帯電防止剤、特にステアリルジエタノールアミン等のポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリンモノオレート等の、多価アルコールの高級脂肪酸部分エステル等の非イオン系界面活性剤と併用することにより、帯電防止性とスリップ性に優れた生分解性ポリエステル積層フィルムが得られる。
【0041】
帯電防止剤としては、種々公知のもの、例えば、第四級アンモニウム化合物に代表されるカチオン系界面活性剤、アルキルスルホン酸塩に代表されるアニオン系界面活性剤、多価アルコールの部分脂肪酸エステル、脂肪アミンまたは脂肪アミドのエチレンオキサイド付加物等に代表される非イオン系界面活性剤等が挙げられる。更に、具体的には、多価アルコールの部分脂肪酸エステルとしては、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノオレート、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノパルミテート等のグリセリンモノ脂肪酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンパルミテート、ソルビタンステアレート、ソルビタントリオレート等のソルビタン脂肪酸エステル、脂肪アミンまたは脂肪アミドのエチレンオキサイド付加物としては、ポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレン牛脂アミン、ステアリルジエタノールアミン等が挙げられる。かかる帯電防止剤の樹脂組成物に対する添加量は、通常、0.01〜1重量%の範囲にある。
【0042】
熱融着層(II)は、上記で得られた混練物を、前記基材層(I)の項で述べた成形方法により単独で成形してもよいし、基材層(I)と共押出して生分解性ポリエステル積層フィルムを直接成形してもよい。
【0043】
熱融着層(II)の厚さは用途に応じて種々決め得るが、通常、2〜100μm、好ましくは3〜30μmである。
【0044】
生分解性ポリエステル積層フィルムの成形
上記基材層(I)及び熱融着層(II)からなる生分解性ポリエステル積層フィルムは、通常の成形方法により成形される。例えば複数の押出機からフィードブロック式あるいはマルチマニホールド式にひとつの口金に連結する共押出方法、前記それぞれ単独に成形した基材層(I)のフィルムと熱融着層(II)のフィルムをロールやプレスにより加熱圧着する方法等が挙げられる。押出方法としては、Tダイ、Iダイ、丸ダイ等から押出ししたフィルムを冷却キャストロールや水、圧空等により急冷して固化させることにより得られる。
【0045】
本発明の生分解性ポリエステル積層フィルムは、基材層(I)の少なくとも片側または両側に熱融着層(II)が直接積層されてなるものが、基材層(I)と熱融着層(II)との層間接着強度(ラミネート強度)に優れるので好ましいが、基材層(I)と熱融着層(II)との間に例えば、バリア性に優れた樹脂層を挟んでもよい。ピロー包装等には片側にヒートシール層として熱融着層(II)が設けられたものが使用される。
なお、熱融着層(II)は、基材層(I)の全面に設けられても、所望の部分に設けられてもよい。
【0046】
本発明の生分解性ポリエステル積層フィルムは、基材層(I)に、他のプラスチックフィルム、紙、アルミ箔等を積層してもよい。
【0047】
生分解性ポリエステル積層フィルムの特徴
基材層(I)及び熱融着層(II)からなる本発明の生分解性ポリエステル積層フィルムは次のような特徴を有する。
ヘーズ(HZ):厚さが30μmの積層フィルムで、通常50%以下、好ましくは10〜40%の範囲にある。
平行光線透過率(PLT):厚さが30μmの積層フィルムで、通常50%以上、好ましくは60〜80%の範囲にある。
表面固有抵抗:表面固有抵抗は、帯電防止剤を添加しない場合は、1016Ω以上、帯電防止剤を添加することにより、1011〜1014Ωの範囲にある。
ヒートシール特性:ヒートシール開始温度が60℃以上で、ヒートシール強度が5N/15mm以上、好ましくは8N/15mm以上ある。
【0048】
本発明の生分解性ポリエステル積層フィルムの用途としては、熱融着層(II)が片面のみ積層された積層フィルムでは、合掌貼りタイプの縦、横型ピロー包装、三方シール包装又は四方シール包装による個包装が挙げられ、とくにピロー包装による個包装が好ましく、熱融着層(II)が両面に積層された積層フィルムではオーバーラップ包装による個包装に好適に用い得る。
包装される中身(被包装体)としては、;繊維、紙、織布、不織布;化粧品、トイレタリー用品(これらには、水、アルコールなどの液体が含まれていてもよい);野菜、果実などの青果物;チョコレート、キャラメル、キャンディー等の菓子類;醤油、ソース、ラー油のような液体調味料;塩、胡椒、粉末スープのような粉末調味料;写真フィルム、オーディオテープ、オーディオディスク等の記録媒体を含む電子製品、電子部品;等が挙げられる。
本発明の生分解性ポリエステル積層フィルムは、前記包装用に限らず、電子基板、ディスプレイ、化粧ガラス等の保護膜としても使用し得る。
本発明の生分解性ポリエステル積層フィルムを使用すれば、ピロー包装で、合掌貼り部分や折込み部分や上下シール部等を生分解性樹脂の耐熱温度である60〜100℃の低い温度でヒートシールしても、充分なヒートシール強度を有している。また、フィルムをヒートシールして製袋後、中身を入れて開口部をヒートシールする場合、特にヒートシール温度が低温であることが好ましい中身のものでも十分なヒートシール強度が得られる。
【0049】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0050】
使用した樹脂を下記に示す。
(a)脂肪族ポリエステル共重合体
PCLBS−1:ダイセル化学(株)社製(ブタンジオール−コハク酸−カプロラクトン三元共重合体、カプロラクトン:3.98モル%,Mw122,000、MFR(190℃)0.9、Tm104℃、生分解性良好)
PCLBS−2:ダイセル化学(株)社製(ブタンジオール−コハク酸−カプロラクトン三元共重合体、カプロラクトン:9.77モル%、Mw143,000、MFR(190℃)0.9、Tm101℃、生分解性良好)
(b)他の生分解性樹脂
PLAC−1(ポリ乳酸):D乳酸含有量:1.6重量%、融点;167℃、比重:1.3、Tg:57.8℃、MFR(190℃)2.6g/10分
(c)生分解性樹脂
PCL:ダイセル化学工業(株)社製ポリカプロラクトン、商品名PH7(Mn7万、MFR(190℃)2.0g/10分、融点60℃)
【0051】
使用した樹脂添加剤を下記に示す。
シリカ(SI):富士シリシア社製、商品名サイシリア730(粒径4μm)
EA(エルカ酸アミド):チバスペシャルティケミカルズ社製、商品名ATMER SA1753
PEG:ポリエチレングリコール(融点39〜43℃)
GMO:グリセリンモノオレート
GMS:グリセリンモノステアレート
St酸:ステアリン酸
StDEA:ステアリルジエタノールアミン
【0052】
本発明における各種測定方法は以下の通りである。
(1)重量平均分子量等の分子量:GPCにより測定し、汎用較正曲線にて換算して求めた。
(2)表面固有抵抗(Ω)(表1で表面抵抗と略記):シシド静電気株式会社製スタチックオネストメータ タイプH−0110を用いて測定した。
(3)ブリード:フィルム表面を指先でこすることで、表面の性状の変化からブリードあり/なしを求めた。ありを×、なしを○で評価した。
(4)ヘーズ(HZ)及び平行光線透過率(PLT):日本電色工業社製ヘイズメーター300Aを用いて、ヘイズ(HZ:%)及び平行光線透過率(PT:%)を測定した。測定値は5回の平均値である。
(5)ヒートシール強度:積層フィルムの熱融着層(II)面同士を重ね合わせた後に、テスター産業株式会社製 TP−701−B HEAT SEAL TESTERを用いて、所定の温度で、シール面圧1kg/cm2、時間1秒の条件下で熱融着した。尚、加熱はフィルムの上側のみとした。次いで、熱融着したフィルムを、オリエンテック社製テンシロン万能試験機 RTC−1225を用いて幅15mmの熱融着したサンプルを300mm/分の引張り速度で剥離し、その最大強度をヒートシール強度(熱融着強度)とした。
【0053】
[実施例1〜6および比較例1]
<組成物の製造>
組成物として表1に示す組成の比で計量し、40mmφの1軸押出機を用いて180℃で溶融混練して各組成物を得た。
<無延伸2層フィルムの製造>
先端にT−ダイを具備した40mmφの多層ダイを備えた1軸押出機を用い所定の厚み構成で、基材層(I)及び熱融着層(II)を共押出し、無延伸二層フィルムを得た。
得られた生分解性ポリエステル積層フィルムの評価結果を表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】
表1から明らかなように、脂肪族ポリエステル(a)とポリ乳酸の混合体からなる単層の比較例1に対して実施例1〜6はヒートシール性を有している。
また帯電防止剤と滑剤を添加した実施例1〜4は、滑剤を添加していない実施例5〜6及び比較例1に比べて表面固有抵抗が低い積層フィルムが得られる。特に実施例1〜3(同一の処方)は帯電防止の効果が大きい上に帯電防止剤等のブリードがないという特徴を有している。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、透明性、柔軟性に優れた生分解性ポリエステル積層フィルムが得られ、合掌貼りタイプのピロー、2方シール、3方シール包装機に、あるいはオーバーラップ包装機に単体フィルムで自動充填包装できる。さらに本フィルムは内面の静電防止性能に優れ電子部品等を問題なく包装し保護できる。
Claims (13)
- 分子鎖が、下記一般式(1)〜(3)で示される繰返し単位:
−CO−R1−CO− (1)
(式中、R1は炭素数1〜12の二価脂肪族基を表す。)
−O−R2−O− (2)
(式中、R2は炭素数2〜12の二価脂肪族基を表す。)
下記一般式(3)で示される繰返し単位:
−CO−R3−O− (3)
(式中、R3は炭素数1〜10の二価脂肪族基を表す。)
からなり、
一般式(3)で示される繰返し単位が1〜25モル%(一般式(1)〜(3)で、繰返し単位(1)と(2)の量は実質的に等しく、(1)、(2)及び(3)の量の合計は100モル%である。)であり、重量平均分子量が40,000以上である脂肪族ポリエステル共重合体(a)からなる基材層(I)の少なくとも片面に、融点が45〜80℃の生分解性樹脂(c)と上記脂肪族ポリエステル共重合体(a)との樹脂組成物(d)からなる熱融着層(II)が積層されてなることを特徴とする生分解性ポリエステル積層フィルム。 - 脂肪族ポリエステル共重合体(a)の融点が、85〜120℃の範囲にある請求項1記載の生分解性ポリエステル積層フィルム。
- 脂肪族ポリエステル共重合体(a)が、該脂肪族ポリエステル共重合体(a)の重合中間体である重量平均分子量5,000以上の低分子量脂肪族ポリエステル共重合体(a’)100重量部に対し、0.1〜5重量部のジイソシアネート化合物を反応させて高分子量化されたものである請求項1記載の生分解性ポリエステル積層フィルム。
- 一般式(1)が、コハク酸残基及び/又はアジピン酸残基である請求項1記載の生分解性ポリエステル積層フィルム。
- 一般式(2)が、エチレングリコール残基及び/又は1,4−ブタンジオール残基である請求項1記載の生分解性ポリエステル積層フィルム。
- 一般式(3)が、ε−カプロラクトンに基づく基である請求項1記載の生分解性ポリエステル積層フィルム。
- 樹脂組成物(d)が、生分解性樹脂(c)20〜90重量%と脂肪族ポリエステル共重合体(a)80〜10重量%との樹脂組成物である請求項1記載の生分解性ポリエステル積層フィルム。
- 基材層(I)を形成する脂肪族ポリエステル共重合体(a)に、他の生分解性樹脂(b)が添加されてなる請求項1記載の生分解性ポリエステル積層フィルム。
- 脂肪族ポリエステル共重合体(a)に対する他の生分解性樹脂(b)の添加量が、脂肪族ポリエステル共重合体(a)100重量部に対して、50重量部以下である請求項8記載の生分解性ポリエステル積層フィルム。
- 他の生分解性樹脂(b)がポリ乳酸である請求項8若しくは9に記載の生分解性ポリエステル積層フィルム。
- 生分解性樹脂(c)が、ポリラクトンである請求項1記載の生分解性ポリエステル積層フィルム。
- 生分解性ポリエステル積層フィルムが、包装用である請求項1〜11項のいずれか1項に記載の生分解性ポリエステル積層フィルム。
- 生分解性ポリエステル積層フィルムが、ピロー包装用である請求項1〜11項のいずれか1項に記載の生分解性ポリエステル積層フィルム。
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