JP2004189654A - 化粧料 - Google Patents
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Abstract
【目的】銀被覆粉体の抗菌力を損なわず、防腐効果に優れ、防腐剤を配合しない又は減量化した、低刺激で安全性の高い化粧料を提供する。
【構成】化粧料は、(a)母粉体表面に銀を被覆した銀被覆粉体と、(b)金属塩及び/又は金属酸化物とを含有することを特徴とする。
【構成】化粧料は、(a)母粉体表面に銀を被覆した銀被覆粉体と、(b)金属塩及び/又は金属酸化物とを含有することを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化粧料、さらに詳しくは、銀被覆粉体の抗菌力を損なわず、防腐効果に優れ、防腐剤を配合しない又は減量化した、低刺激で安全性の高い化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
化粧料の製造時及び使用時における微生物による汚染は、変臭、変敗、変色等の品質上の劣化を招き、商品価値を低下させるのみならず、人体に害を及ぼす恐れもあるため、化粧料へのパラベン、ソルビン酸等の防腐剤の配合は欠かせないものであった。
【0003】
しかし、これらの防腐剤は皮膚刺激に関して大きな要因を占めており、また近年、低刺激性・低アレルギー性の化粧料への関心と需要が高まっていることから、防腐剤を配合しない又は減量化した安全性の高い防腐方法及び化粧料の開発が長年望まれていた。
【0004】
一方、母粉体表面に銀を被覆した銀被覆粉体としては、合成樹脂フィルムに銀を蒸着させた粉体(特許文献1)、雲母表面に銀を被覆した粉体(特許文献2)、ガラス粒子に銀を被覆した粉体(特許文献3)が開示されているが、これらの銀被覆粉体の化粧料への配合は金属光沢による光輝性の付与が目的であり、化粧料の防腐効果を向上させ、防腐剤を配合しない又は減量化するという認識をもってなされたものではない。
【0005】
【特許文献1】
特開昭61−30511号
【特許文献2】
特開昭62−108805号
【特許文献3】
特開平13−89324号
【0006】
また、銀をガラス質で担持した抗菌性の粉体としては特許文献4があるが、水がない場合はガラス質が溶解しないため、銀が溶出せず抗菌力が発揮されない欠点がある。さらに、銀が溶出する場合でも、化粧料に配合される粘土鉱物やキレート剤等の金属イオンを交換する又は封鎖する物質が共存すると、銀本来の抗菌力が低下するという問題点があった。
【0007】
【特許文献4】
特開平8−40830号
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の目的は、銀被覆粉体の抗菌力を損なわず、防腐効果に優れ、防腐剤を配合しない又は減量化した、低刺激で安全性の高い化粧料を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはこのような事情に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、母粉体表面に銀を被覆した銀被覆粉体と、金属塩及び/又は金属酸化物とを含有することにより、銀被覆粉体の抗菌力を損なわず、防腐効果に優れ、防腐剤を配合しない又は減量化した、低刺激で安全性の高い化粧料が、上記目的を達成するものであることを知見するに至ったものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の化粧料について詳細に説明する。
【0011】
本発明は、(a)母粉体表面に銀を被覆した銀被覆粉体と、(b)金属塩及び/又は金属酸化物とを含有することを特徴とする化粧料である。本発明で用いられる(a)成分の銀被覆粉体の母粉体としては、通常、化粧料に用いられる化粧料粉体で水及び油に不溶な物質であれば特に限定されず、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、酸化鉄、酸化クロム、グンジョウ、コンジョウ、タルク、雲母、マイカ、セリサイト、カオリン、ガラス末、ステアリン酸亜鉛、無水ケイ酸、雲母チタン、結晶セルロース、シリコン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等の粉体が挙げられる。
【0012】
また、上記母粉体を銀で被覆する方法としては、特に限定されず、通常用いられる種々の方法により行うことができる。例えば、上記被覆は、蒸着(特許文献1)、スパッタリング、化学めっき(特許文献2)、電気めっき、銀塩化合物の加水分解および熱処理(特許文献5)等の開示されている方法を用いることができる。なお、上記被覆処理に際しては、母粉体を同時に2種類以上混合しても行うことができる。
【0013】
【特許文献5】
特開平1−208324号
【0014】
上記銀被覆粉体としては、例えば、日本板硝子(株)製のメタシャインME2040PS、メタシャインMC2080PS(銀被覆ガラス末)や、サンヨー化成(株)製のサンカラー#2.000本銀(銀被覆ポリエチレンテレフタレート)等の市販品を用いることができる。
【0015】
本発明の化粧料は、上記銀被覆粉体を1種類又は2種類以上組み合わせて含有するものであり、その含有量は目的とする化粧料の種類に応じて適宜決定できるが、通常、0.1重量%(以下、単に%で示す)以上、特に1.0%以上が望ましい。含有量が0.1%未満では十分な防腐効果が得られない。
【0016】
本発明に用いられる(b)成分の金属塩及び/又は金属酸化物は、化粧料に配合される粘土鉱物やキレート剤等による銀被覆粉体の抗菌力の低下を防ぐ。ここでいう粘土鉱物としては、タルク、カオリン、セリサイト、マイカ、合成マイカ、雲母チタン、ヘクトライト、サポナイト、スチブンサイト、バイデライト、モンモリロナイト、ノントロナイト、ベントナイト等の天然及び合成したもの、又はこれらの置換体、誘導体、表面処理品等が挙げられる。また、キレート剤としては、エデト酸、エデト酸塩、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、グルコン酸、酒石酸等が挙げられる。
【0017】
上記金属塩及び/又は金属酸化物としては、通常、化粧料に用いられる物質であれば特に限定されず、例えば、金属塩では、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、硫酸アルミニウムカリウム等、塩化ナトリウムが挙げられ、また、金属酸化物としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化クロム等が挙げられる。
【0018】
本発明の化粧料は、上記金属塩及び/又は金属酸化物を1種類又は2種類以上組み合わせて含有するものであり、その含有量は目的とする化粧料の種類に応じて適宜決定できるが、通常、0.1%以上が望ましい。
【0019】
本発明の化粧料の上記銀被覆粉体及び金属塩及び/又は金属酸化物以外の成分としては、目的とする化粧料の種類に応じて、通常化粧料に用いられる成分から、適宜選択した成分を配合しうる。これらの成分としては、液状油、固形・半固形油、無機及び有機顔料、界面活性剤、酸化防止剤、増粘剤、色素、香料、紫外線吸収剤、保湿剤、キレート剤、精製水等が挙げられ、本発明の効果を損なわない範囲内で配合することができる。
【0020】
本発明の化粧料は、常法に従って製造することができ、アイシャドー、口紅、マスカラ、ネイルエナメル、ほほ紅、ファンデーション、クリーム、乳液、化粧水、化粧下地等の化粧料に適用することができる。
【0021】
【実施例】
以下、本発明の化粧料について実施例を比較例と共に挙げて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0022】
実施例1、2及び比較例1〜4(リクイドアイシャドー)
下記表1に示す組成(重量%)の実施例1、2及び比較例1〜4を下記製法により製造した。
【0023】
(製法)成分1〜7をホモミキサーで混合し、これに成分8〜13を添加し、パルセーターで撹拌して、リクイドアイシャドーを得た。
【0024】
【表1】
【0025】
*:メタシャインME2040PS(日本板硝子(株)製)
【0026】
得られた実施例1、2及び比較例1〜4のリクイドアイシャドーについて防腐力試験を行い、防腐効果を下記評価方法により評価した。その評価を表2に示す。
(防腐効果の評価方法)各化粧料に大腸菌、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、黒コウジカビ(Aspergillus niger)、モニリア菌の各105個/gを接種し、経時に伴う菌数の変化を観察する。21日後に全ての菌株の菌数が300個/g以下に減少するものについて、その防腐効果は優れていると評価した。
【0027】
++++:104〜105個/g
+++ :103〜104個/g
++ :300〜103個/g
+ :1〜300個/g
0 :0個/g
【0028】
【表2】
【0029】
表2よりキレート剤を配合した化粧料では、銀被覆粉体と炭酸カルシウムを併用した本発明の化粧料である実施例1、2のリクイドアイシャドーが、銀被覆粉体の抗菌力を損なわず、防腐効果に優れ、防腐剤を配合する必要のないものであった。
【0030】
実施例3 パウダーアイシャドー
成分 重量%
1.シリコーン処理セリサイト 残量
2.シリコーン処理タルク 15
3.シリコーン処理マイカ 10
4.ナイロン末 5
5.シリコーン処理有色顔料 3
6.シリコーン処理雲母チタン 20
7.銀被覆粉体* 1
8.硫酸マグネシウム 0.5
9.コハク酸ジ2−エチルヘキシル 8
10.メリルポリシロキサン 4
11.スクワラン 2
*:メタシャインMC2080PS(日本板硝子(株)製)
[製造方法]
成分1〜8を混合しミキサーにて撹拌する。これに成分9〜11を加熱溶解して添加し、さらにミキサーにて撹拌し、金皿に圧縮成型して目的のパウダーアイシャドーを得た。
【0031】
実施例4 口紅
成分 重量%
1.カルナウバロウ 3
2.セレシン 5
3.パラフィン 10
4.トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン 5
5.トリイソステアリン酸ポリグリセリル 残量
6.顔料 1
7.酸化亜鉛 0.5
8.雲母チタン 5
9.銀被覆粉体* 0.5
*:メタシャインMC2080PS(日本板硝子(株)製)
[製造方法]
成分1〜4を加熱溶解する。成分6と7を成分5に三本ローラーにて分散して加え、さらに成分8と9を混合撹拌する。脱泡し、金型に成型して目的の口紅を得た。
【0032】
実施例5 ネイルエナメル
成分 重量%
1.ニトロセルロース 13
2.イソフタル酸系アルキッド樹脂 13
3.dl−カンフル 1
4.クエン酸アセチルトリブチル 10
5.酢酸ブチル 残量
6.酢酸エチル 25
7.イソプロパノール 5
8.顔料 5
9.雲母チタン 10
10.硫酸マグネシウム 1
11.銀被覆粉体* 0.5
*:サンカラー#2.000本銀(サンヨー化成(株)製)
[製造方法]
成分1〜11を混合撹拌し、目的のネイルエナメルを得た。
【0033】
得られた実施例3〜5について、防腐効果を評価したところ、実施例3〜5の本発明の化粧料は、いずれも防腐効果に優れたものであった。
【0034】
【発明の効果】
以上述べたように、母粉体表面に銀を被覆した銀被覆粉体と、金属塩及び/又は金属酸化物とを含有する本発明の化粧料は、銀被覆粉体の抗菌力を損なわず、防腐効果に優れ、防腐剤を配合する必要のない、低刺激で安全性の高い化粧料である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、化粧料、さらに詳しくは、銀被覆粉体の抗菌力を損なわず、防腐効果に優れ、防腐剤を配合しない又は減量化した、低刺激で安全性の高い化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
化粧料の製造時及び使用時における微生物による汚染は、変臭、変敗、変色等の品質上の劣化を招き、商品価値を低下させるのみならず、人体に害を及ぼす恐れもあるため、化粧料へのパラベン、ソルビン酸等の防腐剤の配合は欠かせないものであった。
【0003】
しかし、これらの防腐剤は皮膚刺激に関して大きな要因を占めており、また近年、低刺激性・低アレルギー性の化粧料への関心と需要が高まっていることから、防腐剤を配合しない又は減量化した安全性の高い防腐方法及び化粧料の開発が長年望まれていた。
【0004】
一方、母粉体表面に銀を被覆した銀被覆粉体としては、合成樹脂フィルムに銀を蒸着させた粉体(特許文献1)、雲母表面に銀を被覆した粉体(特許文献2)、ガラス粒子に銀を被覆した粉体(特許文献3)が開示されているが、これらの銀被覆粉体の化粧料への配合は金属光沢による光輝性の付与が目的であり、化粧料の防腐効果を向上させ、防腐剤を配合しない又は減量化するという認識をもってなされたものではない。
【0005】
【特許文献1】
特開昭61−30511号
【特許文献2】
特開昭62−108805号
【特許文献3】
特開平13−89324号
【0006】
また、銀をガラス質で担持した抗菌性の粉体としては特許文献4があるが、水がない場合はガラス質が溶解しないため、銀が溶出せず抗菌力が発揮されない欠点がある。さらに、銀が溶出する場合でも、化粧料に配合される粘土鉱物やキレート剤等の金属イオンを交換する又は封鎖する物質が共存すると、銀本来の抗菌力が低下するという問題点があった。
【0007】
【特許文献4】
特開平8−40830号
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の目的は、銀被覆粉体の抗菌力を損なわず、防腐効果に優れ、防腐剤を配合しない又は減量化した、低刺激で安全性の高い化粧料を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはこのような事情に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、母粉体表面に銀を被覆した銀被覆粉体と、金属塩及び/又は金属酸化物とを含有することにより、銀被覆粉体の抗菌力を損なわず、防腐効果に優れ、防腐剤を配合しない又は減量化した、低刺激で安全性の高い化粧料が、上記目的を達成するものであることを知見するに至ったものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の化粧料について詳細に説明する。
【0011】
本発明は、(a)母粉体表面に銀を被覆した銀被覆粉体と、(b)金属塩及び/又は金属酸化物とを含有することを特徴とする化粧料である。本発明で用いられる(a)成分の銀被覆粉体の母粉体としては、通常、化粧料に用いられる化粧料粉体で水及び油に不溶な物質であれば特に限定されず、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、酸化鉄、酸化クロム、グンジョウ、コンジョウ、タルク、雲母、マイカ、セリサイト、カオリン、ガラス末、ステアリン酸亜鉛、無水ケイ酸、雲母チタン、結晶セルロース、シリコン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等の粉体が挙げられる。
【0012】
また、上記母粉体を銀で被覆する方法としては、特に限定されず、通常用いられる種々の方法により行うことができる。例えば、上記被覆は、蒸着(特許文献1)、スパッタリング、化学めっき(特許文献2)、電気めっき、銀塩化合物の加水分解および熱処理(特許文献5)等の開示されている方法を用いることができる。なお、上記被覆処理に際しては、母粉体を同時に2種類以上混合しても行うことができる。
【0013】
【特許文献5】
特開平1−208324号
【0014】
上記銀被覆粉体としては、例えば、日本板硝子(株)製のメタシャインME2040PS、メタシャインMC2080PS(銀被覆ガラス末)や、サンヨー化成(株)製のサンカラー#2.000本銀(銀被覆ポリエチレンテレフタレート)等の市販品を用いることができる。
【0015】
本発明の化粧料は、上記銀被覆粉体を1種類又は2種類以上組み合わせて含有するものであり、その含有量は目的とする化粧料の種類に応じて適宜決定できるが、通常、0.1重量%(以下、単に%で示す)以上、特に1.0%以上が望ましい。含有量が0.1%未満では十分な防腐効果が得られない。
【0016】
本発明に用いられる(b)成分の金属塩及び/又は金属酸化物は、化粧料に配合される粘土鉱物やキレート剤等による銀被覆粉体の抗菌力の低下を防ぐ。ここでいう粘土鉱物としては、タルク、カオリン、セリサイト、マイカ、合成マイカ、雲母チタン、ヘクトライト、サポナイト、スチブンサイト、バイデライト、モンモリロナイト、ノントロナイト、ベントナイト等の天然及び合成したもの、又はこれらの置換体、誘導体、表面処理品等が挙げられる。また、キレート剤としては、エデト酸、エデト酸塩、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、グルコン酸、酒石酸等が挙げられる。
【0017】
上記金属塩及び/又は金属酸化物としては、通常、化粧料に用いられる物質であれば特に限定されず、例えば、金属塩では、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、硫酸アルミニウムカリウム等、塩化ナトリウムが挙げられ、また、金属酸化物としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化クロム等が挙げられる。
【0018】
本発明の化粧料は、上記金属塩及び/又は金属酸化物を1種類又は2種類以上組み合わせて含有するものであり、その含有量は目的とする化粧料の種類に応じて適宜決定できるが、通常、0.1%以上が望ましい。
【0019】
本発明の化粧料の上記銀被覆粉体及び金属塩及び/又は金属酸化物以外の成分としては、目的とする化粧料の種類に応じて、通常化粧料に用いられる成分から、適宜選択した成分を配合しうる。これらの成分としては、液状油、固形・半固形油、無機及び有機顔料、界面活性剤、酸化防止剤、増粘剤、色素、香料、紫外線吸収剤、保湿剤、キレート剤、精製水等が挙げられ、本発明の効果を損なわない範囲内で配合することができる。
【0020】
本発明の化粧料は、常法に従って製造することができ、アイシャドー、口紅、マスカラ、ネイルエナメル、ほほ紅、ファンデーション、クリーム、乳液、化粧水、化粧下地等の化粧料に適用することができる。
【0021】
【実施例】
以下、本発明の化粧料について実施例を比較例と共に挙げて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0022】
実施例1、2及び比較例1〜4(リクイドアイシャドー)
下記表1に示す組成(重量%)の実施例1、2及び比較例1〜4を下記製法により製造した。
【0023】
(製法)成分1〜7をホモミキサーで混合し、これに成分8〜13を添加し、パルセーターで撹拌して、リクイドアイシャドーを得た。
【0024】
【表1】
【0025】
*:メタシャインME2040PS(日本板硝子(株)製)
【0026】
得られた実施例1、2及び比較例1〜4のリクイドアイシャドーについて防腐力試験を行い、防腐効果を下記評価方法により評価した。その評価を表2に示す。
(防腐効果の評価方法)各化粧料に大腸菌、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、黒コウジカビ(Aspergillus niger)、モニリア菌の各105個/gを接種し、経時に伴う菌数の変化を観察する。21日後に全ての菌株の菌数が300個/g以下に減少するものについて、その防腐効果は優れていると評価した。
【0027】
++++:104〜105個/g
+++ :103〜104個/g
++ :300〜103個/g
+ :1〜300個/g
0 :0個/g
【0028】
【表2】
【0029】
表2よりキレート剤を配合した化粧料では、銀被覆粉体と炭酸カルシウムを併用した本発明の化粧料である実施例1、2のリクイドアイシャドーが、銀被覆粉体の抗菌力を損なわず、防腐効果に優れ、防腐剤を配合する必要のないものであった。
【0030】
実施例3 パウダーアイシャドー
成分 重量%
1.シリコーン処理セリサイト 残量
2.シリコーン処理タルク 15
3.シリコーン処理マイカ 10
4.ナイロン末 5
5.シリコーン処理有色顔料 3
6.シリコーン処理雲母チタン 20
7.銀被覆粉体* 1
8.硫酸マグネシウム 0.5
9.コハク酸ジ2−エチルヘキシル 8
10.メリルポリシロキサン 4
11.スクワラン 2
*:メタシャインMC2080PS(日本板硝子(株)製)
[製造方法]
成分1〜8を混合しミキサーにて撹拌する。これに成分9〜11を加熱溶解して添加し、さらにミキサーにて撹拌し、金皿に圧縮成型して目的のパウダーアイシャドーを得た。
【0031】
実施例4 口紅
成分 重量%
1.カルナウバロウ 3
2.セレシン 5
3.パラフィン 10
4.トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン 5
5.トリイソステアリン酸ポリグリセリル 残量
6.顔料 1
7.酸化亜鉛 0.5
8.雲母チタン 5
9.銀被覆粉体* 0.5
*:メタシャインMC2080PS(日本板硝子(株)製)
[製造方法]
成分1〜4を加熱溶解する。成分6と7を成分5に三本ローラーにて分散して加え、さらに成分8と9を混合撹拌する。脱泡し、金型に成型して目的の口紅を得た。
【0032】
実施例5 ネイルエナメル
成分 重量%
1.ニトロセルロース 13
2.イソフタル酸系アルキッド樹脂 13
3.dl−カンフル 1
4.クエン酸アセチルトリブチル 10
5.酢酸ブチル 残量
6.酢酸エチル 25
7.イソプロパノール 5
8.顔料 5
9.雲母チタン 10
10.硫酸マグネシウム 1
11.銀被覆粉体* 0.5
*:サンカラー#2.000本銀(サンヨー化成(株)製)
[製造方法]
成分1〜11を混合撹拌し、目的のネイルエナメルを得た。
【0033】
得られた実施例3〜5について、防腐効果を評価したところ、実施例3〜5の本発明の化粧料は、いずれも防腐効果に優れたものであった。
【0034】
【発明の効果】
以上述べたように、母粉体表面に銀を被覆した銀被覆粉体と、金属塩及び/又は金属酸化物とを含有する本発明の化粧料は、銀被覆粉体の抗菌力を損なわず、防腐効果に優れ、防腐剤を配合する必要のない、低刺激で安全性の高い化粧料である。
Claims (5)
- (a)母粉体表面に銀を被覆した銀被覆粉体と、(b)金属塩及び/又は金属酸化物とを含有することを特徴とする化粧料。
- 粘土鉱物及び/又はキレート剤を含有する請求項1記載の化粧料。
- 防腐剤を含有しないことを特徴とする請求項1又は2記載の化粧料。
- 銀被覆粉体の配合量が化粧料全中0.1重量%以上である請求項1〜3記載の化粧料。
- 金属塩及び/又は金属酸化物の配合量が化粧料全中0.1重量%以上である請求項1〜4記載の化粧料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002358212A JP2004189654A (ja) | 2002-12-10 | 2002-12-10 | 化粧料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002358212A JP2004189654A (ja) | 2002-12-10 | 2002-12-10 | 化粧料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004189654A true JP2004189654A (ja) | 2004-07-08 |
Family
ID=32757990
Family Applications (1)
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JP2002358212A Pending JP2004189654A (ja) | 2002-12-10 | 2002-12-10 | 化粧料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004189654A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008150330A (ja) * | 2006-12-19 | 2008-07-03 | Pola Chem Ind Inc | 油中水乳化剤形の皮膚外用剤 |
US11111390B2 (en) | 2016-04-15 | 2021-09-07 | Eckart Gmbh | Surface-modified effect pigment and nail varnish composition |
US11617707B2 (en) | 2017-10-18 | 2023-04-04 | Eckart Gmbh | Nail varnish composition containing embossed effect pigments and surface-modified embossed effect pigments |
-
2002
- 2002-12-10 JP JP2002358212A patent/JP2004189654A/ja active Pending
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