JPH10194953A - 抗菌性化粧料 - Google Patents

抗菌性化粧料

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JPH10194953A
JPH10194953A JP1584297A JP1584297A JPH10194953A JP H10194953 A JPH10194953 A JP H10194953A JP 1584297 A JP1584297 A JP 1584297A JP 1584297 A JP1584297 A JP 1584297A JP H10194953 A JPH10194953 A JP H10194953A
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JP
Japan
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antibacterial
cosmetics
cosmetic
powder
particles
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JP1584297A
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Masaaki Horino
政章 堀野
Yoshikazu Nishizawa
美和 西澤
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Miyoshi Kasei Inc
Original Assignee
Miyoshi Kasei Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】人体に対して悪影響がなく、使用量の制限を受
けることがなく、化粧料に配合した場合でも化粧料のp
H、化粧料の各種共存成分等により抗菌力を損なうこと
がなく、化粧料を変質させることもなく、使用感が良好
な化粧料用抗菌性顔料及び抗菌性化粧料を提供する。 【解決手段】水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、
酸化マグネシウム及び酸化カルシウムのうちの1種以上
から成る抗菌性粒子を含有する化粧料用抗菌性粉体顔
料、前記抗菌性粒子と化粧料用粉体粒子が固着して成る
抗菌性複合粉体粒子を含有する化粧料用抗菌性複合粉体
顔料及び、これらのうちの1種以上を含有する抗菌性化
粧料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化粧料用抗菌性顔
料(化粧料用抗菌性粉体顔料と化粧料用抗菌性複合粉体
顔料)及びこれらの顔料のうちの1種以上を配合した抗
菌性化粧料に関する。前記化粧料用抗菌性粉体顔料及び
前記化粧料用抗菌性複合粉体顔料は、水酸化マグネシウ
ム、水酸化カルシウム等の抗菌力を有する金属水酸化物
及び、酸化マグネシウム、酸化カルシウム等の抗菌力を
有する金属酸化物の1種以上を含有して成る。
【0002】
【従来の技術】微生物は酒類や醗酵食品の生産を姶めと
して、各種の生理活性物質や抗生物質、環境浄化等の分
野や様々な分野で利用されており、化粧品分野でもその
有効利用が図られている。一方、微生物のもつこの様々
な能力が、逆に我々にとって望ましくない侵害という形
で現れることもある。化粧品が、微生物により汚染され
た場合には、製品の変色、異臭、混濁、酸敗、沈殿物や
浮遊物の発生、スライム生成など、我々が認知できる形
で現れることもあるが、このような形では表面化せず、
汚染を知らずに使用し続けるということも起こりうる。
一般的に、化粧品は無菌性を要求される製品ではない
が、本来、使用者に清潔さと美しさを提供するものであ
り、「微生物汚染」というトラブルがあってはならない
ものである。
【0003】化粧品類はもともと微生物の増殖に好都合
な栄養分を含みまた、微生物汚染の高い天然物由来の原
料を使用する場合が多く、さらに安全性の問題から防腐
剤の種類や使用量に制限がある上に、多くの場合、最終
製品での滅菌も製品品質上ほとんど不可能に近く、より
厳密な無菌性を要求される医薬品や腐敗が起こりうるこ
とが一般的に認知されている食品とは異なった困難さを
抱えている。
【0004】製品の微生物汚染は製造段階で起こる一次
汚染と、消費者の使用中に起こる二次汚染とに大別でき
る。一次汚染は、衛生的な製造設備や管理により、二次
汚染は適切な防腐剤の配合や、容器の材質や形態などの
工夫により防ぐことが基本とされている。微生物汚染
は、原料そのものから製品の腐敗や、作業者、製造工
程、環境、包装、保存、さらにこれらに付随する詳細な
項目があるが、これらを完全にまっとうするのは不可能
に近い。こうしたことから、化粧品に防腐殺菌剤を添加
する目的は、原料から製造設備、製造管理からくる一次
汚染と消費者の使用中に発生する二次汚染をより抑制
し、微生物による変質、変色、カビの発生等を防止する
ことにある。
【0005】水銀性化合物は防腐殺菌効果をもっている
にもかかわらず、毒性が強いため、現在では厳格な法規
制により、化粧料における使用は禁止されている。一般
に細菌を含む微生物が増殖するためには水と栄養分と更
には増殖しやすい適度な温度、湿度を必要とする。化粧
品には、種々の原料が用いられているが、微生物はこの
ような原料の炭素源、あるいは窒素源を利用して増殖す
る。従って、水を含む製品ほど微生物の増殖が容易なた
め、そのリスクは大きく、非水系の製品ではそのリスク
は小さい。
【0006】粉体メークアップ製品は油剤、界面活性
剤、粉体原料などにより構成され、通常、水を配合する
ケースは少ない。このために細菌、酵母は増殖しにくい
という処方上の特徴をもっている。しかし、カビについ
ては、製品のおかれる環境によっては、製品の表面に菌
系が伸張し、胞子形成まで至る。消費者は、化粧品の保
存場所にあまり気を使わないこともある。従って使用中
断後再使用する際カビが表面に発生したというケースも
多々ある。こうしたことを鑑みた時、製造時の一次汚染
防止を行うと同時に二次汚染防止のための適切な防腐殺
菌力を付与する必要がある。
【0007】化粧品に用いられていた又は化粧品に用い
られている防腐殺菌剤としては、パラオキシ安息香酸エ
ステル、サルチル酸、ヒノキチオール、フェノキシエタ
ノール、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸とその塩、
アミノ酸化第二水銀、ホウ砂、3−トリフルオロメチル
−4,4’ジクロルカルバニリド、P−フェノールスル
フォン酸亜鉛、ビオサルファ−F(ポリソルベート80
と沈降イオウの混合物)、4−ヒドロキシ−2−オキシ
ベンゾキサチオール、ヘキサクロロフェン、アルキルジ
メチルベンジルアンモニウムクロライド(塩化ベンザル
コニウム)、塩化ベンゼトニウム、クロルヘキシジンジ
グルコネート20%水溶液、2,4,4’−トリクロロ
−2’ハイドロキシジフェニルエーテル、塩化セチルピ
リジウム、レゾルシン、DMDMビダントインイソチア
ゾリンオン、イミダゾリジニルウレア、等がある。
【0008】また、特開平7−10821号公報には、
特定の抗菌性組成物を配合した化粧料が開示されてお
り、特開平8−40830号公報には、特定の抗菌性化
粧料用顔料とその製造方法及び前記顔料を含有する化粧
料組成物が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の防腐殺
菌剤は、それ自身が人体に及ぼす悪影響があり、安全性
の問題のために配合限度を定めて、使用量を規制し、表
示成分として取り扱われている物質が多い。
【0010】例えば、サルチル酸は0.2%(重量%)
以下、パラオキシ安息香酸エステルは1.0%以下、デ
ヒドロ酢酸ナトリウムは0.5%以下、レゾルシンは
0.1%以下の規制がある。中には、3−トリフルオロ
メチル−4,4’ジクロルカルバニリドによるリール黒
皮症の原因物質の問題、p−フェニルスルフォン酸亜鉛
によるアレルギー性の問題、ヘキサルクロフエンによる
神経毒性の問題等のように問題点を有する防腐殺菌剤も
あり、また、レゾルシンの様に染毛料に限定するなど化
粧品メーカーにより自主規制している防腐殺菌剤も少な
くない。
【0011】ヒノキチオールは表示成分ではないが、光
安定性が悪いという欠点がある他、金属イオンと反応し
て錯イオンを形成し、例えば鉄イオンとの錯イオンは暗
赤色、マンガンとの錯イオンは淡褐色、銅イオンとの錯
イオンは緑色、アルミニウムイオンとの錯イオンは白色
に着色し、製品の外観を損なう欠点をもっている。
【0012】フェノキシエタノールは表示成分ではない
が通常配合される0.1〜0.2%程度の配合では防腐
殺菌効果が認められず、通常汎用される配合濃度ではそ
の効果が期待できず、好ましい防腐殺菌剤とは言い難
い。
【0013】一方、化粧料に配合された防腐殺菌剤の防
腐殺菌効果に影響を与える因子としては、化粧料のp
H、防腐殺菌剤の溶解度(分配係数)、化粧料において
共存するノニオン活性剤、粉体、保湿剤、水溶性高分子
の各々の種類や容器の材質等がある。
【0014】例えば、パラオキシ安息香酸エステル(パ
ラベン)は、pHがアルカリ側での加水分解安定性に課
題がある。通常のスキンケア商品は、pHが8前後の商
品が多い。パラベン類は、pH8以上では、防腐殺菌効
果が弱く、pH8でのその必要量はpH4の約2倍量必
要である。また、パラベン類は、低温での結晶の析出も
課題になっている。パラベン類は、多くの紫外線吸収剤
やイソプロピルミリステート、ひまし油、等の高極性油
に対しては、パラベンが取り込まれ防腐殺菌効果が低下
する。また、パラベン類は、高HLBの界面活性剤が共
存すると抗菌活性が著しく低下してしまうことがある。
これは、界面活性剤のミセルに可溶化され、界面活性剤
がパラベンとコンプレックスを形成し、不活性化すると
言われている。高分子化合物も、同様にパラベンと錯体
を形成し、防腐活性を著しく弱めるとされている。
【0015】粉体については有機樹脂粉末へのパラベン
の吸着により防腐殺菌効果が低下し、それら処方系への
有機樹脂粉末の配合は、微生物対策の面から配合量制限
を受けている。また、容器等の材質によっては、防腐剤
が吸着してしまい、期待した防腐効果が得られない場合
も多い。さらに化粧科において、有用物質としての生理
活性物質を配合する場合が多く、例えば、エリスリトー
ルやプラセンターエキスに見られるように、資化性のあ
る物質が多く、パラベンの防腐力の低下をまねく物質が
多く、抗菌力の低下の一翼になっている。
【0016】防腐殺菌剤は、それ自体に刺激性があるた
め、表示成分のものが非常に多く、化粧品メーカーによ
っては、自主規制、あるいは、統制物質あるいは使用禁
止物質として取り扱っているものが少なくない。198
0年に薬事法の改正があり、防腐剤を含む成分表示が義
務付けられ、国内商品は、圧倒的にパラベンの表示が多
く見受けられるが、上述のように化粧料組成物のpHの
影響、非イオン界面活性剤の使用や水溶性高分子による
ミセル内への可溶性あるいは、錯体の形成による防腐力
の低下、生理活性物質配合による資化性物質の配合、使
用感の向上からくる極性油剤の多様化等により、パラベ
ンのみでは防腐殺菌効果の保持が難しく、他の防腐殺菌
剤との併用が余儀なくされ、化粧料の安定性は、もちろ
んのこと、安全性の確保に課題を残している。
【0017】一方、特開平7−10821号公報には、
酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネ
シウム、酸化ケイ素、リン酸3カルシウム、ハイドロキ
シアパタイト、炭酸カルシウム、タルク、及び、ゼオラ
イトから選ばれた少なくとも一つのセラミックスに、
銀、銅及び亜鉛から選ばれた抗菌性金属を担持させた抗
菌性組成物を配合した化粧料が開示されている。また、
特開平8−40830号公報には、化粧品用無機顔料の
表面にガラス質の無定形コーティング層を形成し、抗菌
性金属として、銀、銅、亜鉛を用いた抗菌性金属をコー
ティング層の結合格子内に固溶化させて、製造する抗菌
性化粧料用顔料とその製造方法及びこれを含有する化粧
料組成物が開示されている。
【0018】しかし、このような抗菌性組成物及び抗菌
性化粧料顔料は、公知の銀、銅、亜鉛の金属あるいは、
それらのイオンによる抗菌を利用したものに過ぎない。
特に、銀や銅は、化粧料に関しては、安全性の課題か
ら、適用が禁止されている抗菌性金属であり、実用に供
しない。また、亜鉛に関しては、銀や銅と比較して抗菌
スペクトルが狭く、亜鉛を用いた抗菌剤のみでは防腐殺
菌剤としての強力な効果は望めない。
【0019】なお、これらの抗菌性金属を担持させるた
めにゼオライト中の金属とイオン交換をさせた抗菌性粉
体も化粧品分野以外の市場に上市されている。しかし、
特に銀を用いた銀ゼオライトは変色しやすい。また、抗
菌性金属を担持した抗菌性ゼオライトは粒子が粗い。従
って、前記抗菌性ゼオライトを化粧料に含有させた場合
は、使用感が悪いほか、化粧料用油剤への酸化促進作用
があり化粧料を変質させる欠点をもっている。
【0020】本発明の目的は、上記従来の技術の問題点
を解消し、人体に対して悪影響がなく、使用量の制限を
受けることがなく、化粧料に配合した場合でも化粧料の
pH、化粧料の各種共存成分等により抗菌力を損なうこ
とがなく、化粧料を変質させることもなく、使用感が良
好な化粧料用抗菌性顔料及び抗菌性化粧料を提供するこ
とにある。
【0021】また、本発明の他の目的は、微生物である
細菌やカビに対して抗菌力に優れた化粧料用抗菌性顔料
及び抗菌性化粧料を提供すること、化粧料に必要とされ
る防腐殺菌剤の配合量をより低濃度に抑えた低濃度防腐
殺菌剤配合化粧料や無防腐殺菌剤(防腐殺菌剤フリー)
の化粧料の開発を可能にする化粧料用抗菌性顔料を提供
すること、また、既存製品に配合されている防腐殺菌剤
による皮膚刺激がなく、長期間に亘り、安定な防腐殺菌
効果をもつ化粧料を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の様
な種々の従来の問題点を解決するために、細菌を始めと
する微生物に対して広範囲な抗菌力を収めるべき化粧料
を鋭意研究した結果、特定の金属水酸化物及び特定の金
属酸化物が良好な抗菌性を有するにもかかわらず、人体
に対して悪影響がなく、使用量の制限を受けることがな
く、化粧料に配合した場合でも化粧料のpH、化粧料の
各種共存成分等により抗菌力を損なうことがなく、化粧
料を変質させることもなく、使用感が良好であるという
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0023】即ち、本発明は、次の化粧料用抗菌性粉体
顔料、化粧料用抗菌性複合粉体顔料及び抗菌性化粧料に
より上記目的を達成することができる。 (1)水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、酸化マグ
ネシウム及び酸化カルシウムのうちの1種以上から成る
抗菌性粒子を含有する化粧料用抗菌性粉体顔料(請求項
1)。 (2)水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、酸化マグ
ネシウム及び酸化カルシウムのうちの1種以上から成る
抗菌性粒子と化粧料用粉体粒子が固着して成る抗菌性複
合粉体粒子を含有する化粧料用抗菌性複合粉体顔料(請
求項2)。
【0024】(3)上記化粧料用抗菌性粉体顔料及び上記
化粧料用抗菌性複合粉体顔料のうちの1種以上を含有す
る抗菌性化粧料(請求項3)。
【0025】なお、本発明において数値範囲の記載は、
両端値のみならず、その中に含まれる全ての任意の中間
値を含むものとする。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に説明する。本
発明の化粧料用抗菌性粉体顔料は、水酸化マグネシウ
ム、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム及び酸化カル
シウムのうちの1種以上から成る抗菌性粒子を1種以上
含有することができる。前記抗菌性粒子は、水酸化マグ
ネシウム粒子、水酸化カルシウム粒子、酸化マグネシウ
ム粒子、酸化カルシウム粒子及び、水酸化マグネシウ
ム、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム及び酸化カル
シウムのうちの2種以上から成る粒子にすることができ
る。また、本発明の化粧料用抗菌性粉体顔料は、その一
部ないし全部を前記抗菌性粒子にすることができる。即
ち、本発明の化粧料用抗菌性粉体顔料は、前記抗菌性粒
子以外の化粧料用顔料を含有することができる。
【0027】本発明の化粧料用抗菌性複合粉体顔料は、
前記抗菌性粒子のうちの1種以上と化粧料用粉体粒子が
固着して成る抗菌性複合粉体粒子を含有することができ
る。また、本発明の化粧料用抗菌性複合粉体顔料は、そ
の一部ないし全部を抗菌性複合粉体粒子にすることがで
きる。即ち、本発明の化粧料用抗菌性複合粉体顔料は、
前記抗菌性複合粉体粒子以外の化粧料用顔料を含有する
ことができる。
【0028】酸化マグネシウムは、(a)金属マグネシ
ウムを空気中で熱して得ることができ、また、(b)炭
酸マグネシウム、ヒドロオキシ炭酸マグネシウム、水酸
化マグネシウムのいずれか1種以上を熱分解して得るこ
とができ、通常市販されている。酸化カルシウムは、
(a)カルシウムの炭酸塩の他に硝酸塩、シュウ酸塩、
水酸化物のいずれか1種以上を焼いて得ることができ、
また、(b)純硝酸カルシウムを石英ルツボに入れて電
気炉等で完全に分解して得ることができる。
【0029】抗菌性複合粉体粒子における化粧料用粉体
粒子としては、無機質の粉体、有機粉体及び無機顔料の
それぞれの粉体粒子がある。
【0030】無機質の粉体としては、カオリナイト、デ
ッカイト、ナクライト、ハロイドサイト、アンチゴライ
ト、クリソタイル等のカオリン族、パイロフィライト、
モンモリロナイト、ノントロナイト、サポナイト、ヘク
トライト、ベントナイト等のスメクタイト族、セリサイ
ト白雲母、黒雲母、リチア雲母、合成雲母、合成セリサ
イト等のイライト族、ハイデライト、ケイ酸マグネシウ
ム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウ
ム等のケイ酸塩、珪線石、藍晶石等のカルシウム化合物
等のシリマナイト族、リン酸3カルシウム、ハイドロキ
シアパタイト、等のカルシウム化合物、タルク、蛇紋石
等のマグネシウムシリケート族、シリカ、アルミナ、等
の単一成分粉体、酸化チタン内包シリカ、酸化亜鉛内包
シリカ、酸化鉄内包シリカ、酸化チタン内包PMMA
(ポリメタクリル酸メチル)、酸化亜鉛内包PMMA、
酸化セリウム内包PMMA、等の硬質カプセル、チタン
マイカ、酸化チタン−硫酸バリウム、酸化チタン−タル
ク、オキシ塩化ビスマス、オキシ塩化ビスマス−マイカ
等のパール顔料がある。
【0031】有機粉体としては、ナイロンパウダー、ポ
リエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、酢酸ビ
ニルパウダー、ポリメタアクリル酸エステルパウダー、
ポリアクリルニトリルパウダー、ポリスチレンパウダ
ー、セルロースパウダー等がある。無機顔料としては、
酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウ
ム等の白色顔料と酸化鉄、水和酸化鉄、群青、紺青等の
有色顔料がある。
【0032】化粧料用粉体粒子に固着させない場合の抗
菌性粒子の平均粒子径は0.01〜15μmにすること
ができ、好ましい範囲は0.01〜10μmであり、よ
り好ましい範囲は0.01〜5.0μmであり、更に好
ましい範囲は0.01〜2.5μmである。本発明の抗
菌性化粧料は、抗菌性粒子に固着させていない化粧料用
粉体粒子を含有させることができ、このような化粧料用
粉体粒子の平均粒子径は好ましくは0.01〜50μm
にすることができ、より好ましい範囲は0.01〜20
μm、更に好ましい範囲は0.01〜5μmである。特
に、平均粒子径が50μm以下の場合は使用感上、肌に
異和感を感じないので好ましい。
【0033】抗菌性粒子と化粧料用粉体粒子が固着して
成る抗菌性複合粉体粒子の好ましい平均粒子径は、0.
03〜50μmであり、より好ましい範囲は0.1〜2
0μm、更に好ましくは0.2〜15μmの範囲であ
る。また、抗菌性複合粉体粒子において、抗菌性粒子の
粒子径は、好ましくは化粧料用粉体粒子の粒子径よりも
小さくし、好ましい平均粒子径の範囲は0.01〜15
μmであり、より好ましい範囲は0.01〜10μmで
あり、更に好ましい範囲は0.01〜5.0μmであ
り、最も好ましい範囲は0.01〜2.5μmである。
また、抗菌性複合粉体粒子における化粧料用粉体粒子の
粒子径は、好ましくは0.02〜50μmであり、より
好ましい範囲は0.02〜20μmであり、更に好まし
い範囲は0.02〜5.0μmである。特に、平均粒子
径が50μm以下の場合は使用感上、肌に異和感を感じ
ないので好ましい。抗菌性複合粉体粒子における抗菌性
粒子の粒径Aと化粧料用粉体粒子の粒径Bの関係につい
ては、A/B≦0.5にすることができ、好ましくはA
/B≦0.4にし、より好ましくは0.001≦A/B
≦0.3、更に好ましくは0.005≦A/B≦0.
2、最も好ましくは0.01≦A/B≦0.1にする。
【0034】前記抗菌性複合粉体粒子にする第1の意味
は、複合化する事により、特に、化粧料用粉体粒子が有
機粉体粒子の場合、パラオキシ安息香酸エステル(パラ
ベン類)の吸着を抑制し、パラベンの防腐効果を維持、
発揮させる事ができると共に、防腐殺菌効果を実際に有
するパラベン類と本発明における抗菌性粒子の併用を可
能にすることができる。即ち、化粧料に有機粉体粒子と
パラベン類を含有させる場合に、本発明における抗菌性
粒子を化粧料用粉体粒子と固着させることなくそのまま
化粧料に含有させても、有機粉体粒子はパラベン類を吸
着してしまう。これに対して、抗菌性粒子と化粧料用有
機粉体粒子が固着して成る抗菌性複合粉体粒子とするこ
とにより、化粧料用有機粉体粒子がパラベン類を吸着す
ることを防止することができる。
【0035】前記抗菌性複合粉体粒子にする第2の意味
は、複合化する事により、のびが軽く、肌に負担をかけ
ずに伸展性に優れ、肌へのつきの均一性に優れる利点が
発現するということであり、化粧料に配合する事は大変
有利に作用する特徴をもつ。
【0036】抗菌性粒子と化粧料用粉体粒子を固着させ
て抗菌性複合粉体粒子を得るための手段としては、ボー
ルミル等の機械的エネルギーを用いたメカノケミカル反
応による手段の他に、例えば硫酸マグネシウム6水和物
の溶液に化粧料用粉体を分散させ加温しながら水酸化ナ
トリウム水溶液を滴下し、水酸化マグネシウム粒子と化
粧料用粉体粒子とを固着させて抗菌性複合粉体粒子を得
る手段がある。さらに、得られたこの抗菌性複合粉体粒
子を350℃〜1200℃の温度で焼成する事により、
酸化マグネシウム粒子と化粧料用粉体粒子が固着した抗
菌性複合粉体粒子を得ることができる。この方法を用い
ると微粒子の抗菌性粒子を化粧料用粉体粒子の表面に均
一に固着させる事が出来る。
【0037】もう1つの方法は、通常の中和法で常温に
て塩化マグネシウム6水和物の水溶液に化粧料用粉体粒
子を分散させたのち、水酸化ナトリウム水溶液を滴下す
ることによって、化粧料用粉体粒子表面にかなり含水率
の高い水酸化マグネシウム粒子を固着させて抗菌性複合
粉体粒子を得る事が出来る。さらにこの抗菌性複合粉体
粒子を350〜1200℃の温度で焼成する事により酸
化マグネシウム粒子と化粧料用粉体粒子が固着した抗菌
性複合粉体粒子を得る事が出来る。
【0038】本発明による化粧料の形態は特に限定され
ない。例えば、パウダーファンデーション、コンパクト
パウダー、ツーウェイケーキ、フェースパウダー、制汗
パウダースプレー、の白粉類、アイシャドウ、パウダー
ブラッシャ、マスカラ、リップスティク、リップグロ
ス、アイブロウペンシル、アイライナー等のポイントメ
ーク化粧料、乳化型ファンデーション、メークアップベ
ース等の乳化型製品類、粉末パック、クレンジングパッ
ク、サンスクリ−ンクリーム、ローション化粧水等の1
部基礎化粧品類、ベビーパウダー、ボディパウダー、フ
レグランスパウダー等の全身用製品類がある。
【0039】本発明における抗菌性粒子及び抗菌性複合
粉体粒子の総量の化粧料への配合量は、0.1%(重量
%)程度であって抗菌効果を示す(抗菌性複合粉体粒子
の場合及び、抗菌性粒子と抗菌性複合粉体粒子の併用の
場合は、それぞれ抗菌性粒子の濃度に換算して)濃度が
望ましい。前記配合量の好ましい範囲は、0.05〜4
0重量%、更に、好ましい範囲は0.1〜10重量%、
最も好ましい範囲は、0.1〜5.0重量%程度であ
る。特に、白粉類では40重量%以上の配合は出来るが
この場合、抗菌効果を発揮する側面からは非経済的であ
る。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施例と比較例を挙げて詳細
に説明する。 [実施例(1)]抗菌性金属水酸化物の水酸化マグネシ
ウムと水酸化カルシウム、抗菌性金属酸化物の酸化マグ
ネシウムと酸化カルシウムの検体はいずれも和光純薬製
を使用した。対象品として無表示成分であるフェノキシ
エタノールと表示成分であるパラオキシ安息香酸メチル
(メチルパラベン)を使用した。その結果を表1に示
す。
【0041】
【表1】
【0042】試験概要;任意濃度に検体を添加した液体
培地に大腸菌、緑膿菌、黄色ぶどう球菌、カンジダ、黒
コウジカビの菌液をそれぞれの添加後、振とう培養し、
菌の発育の有無を確認した。
【0043】試験方法 (1)試験菌 細菌:Escherichia coli IFO 3972(大腸菌) Pseudomonas aeruginosa IFO 13275(緑膿菌) Staphylococcus aureus IFO 13276(黄色ブドウ球菌) 酵母:Candida albicans IFO 1594(カンジダ) カビ:Aspergillus niger IFO 4407(黒コウジカビ)
【0044】(2)試験用培養地 細菌:Mueller Hinton Broth(D
ifco) 酵母およびカビ:ブドウ糖ペプトン培地(日水製薬
(株))
【0045】(3)接種用菌液の調製 細菌:継代培養した各試験菌を試験用培地に接種し、3
5℃で18〜20時間培養後、菌数が104/mlにな
るように試験用培地で希釈し、接種用菌液とした。 酵母:継代培養した試験菌を各種試験用培地に接種し、
25℃で48時間培養後、菌数が約104/mlになる
ように試験用培地で希釈し、接種用菌液とした。 カビ:継代培養した試験菌をポテトデキストロース寒天
培地[栄研科学(株)]に接種し、25℃で7日間培養
後、形成された胞子(分生子)を、ポリソルベート80
を0.05%添加した滅菌生理食塩水に浮遊させ、胞子
数が約104/mlになるように調製し、接種用菌液と
した。
【0046】(4)感受性測定用培地の作成 検体を乾熱滅菌(121℃、30分)後、これを試験用
培地にそれぞれ0.1、0.2、0.5、2.5、5.
0、10、15%(重量%)添加し、感受性測定用培地
とした。 (5)培養 感受性測定用培地に接種用菌液0.1mlを添加し、細
菌は35℃で18〜24時間、酵母及びカビは25℃で
5日間振とう培養した。 (6)判定 培養後、肉眼観察又は顕微鏡及び、生菌数により試験菌
の発育の有無を判定した。
【0047】0.1%検体濃度で見た場合、3種類の菌
の細菌類に対して抗菌効果が認められなかった検体は、
メチルパラベン、フェノキシエタノール、水酸化カルシ
ウムに対して、酸化マグネシウムは、緑膿菌を除いて抗
菌効果が認められた。カンジダ、黒コウジカビに対して
は、メチルパラベンと酸化マグネシウムが抗菌効果があ
ったが水酸化カルシウムとフェノキシエタノール(表示
成分でない)はその効果はなかった。0.2%検体濃度
では、表示成分であるメチルパラベンは5つの菌種に対
して抗菌効果が認められた。しかし、無表示成分のフェ
ノキシエタノールは、逆に効果が認められなかった。こ
れに対して抗菌性粉体顔料の酸化マグネシウムと酸化カ
ルシウムは、メチルパラベンと同等の効果が認められ
た。水酸化マグネシウムは3種類の細菌を除いて抗菌効
果があり、水酸化カルシウムも緑膿菌を除いてその効果
が認められフェノキシエタノールとは抗菌効果に明らか
な差異がみとめられた。
【0048】メチルパラベンは、安全性面から表示成分
に指定され使用濃度制限を受けている。又、溶解度から
見た場合、0.2%が限度であり、特に、水系や乳化系
では抗菌効果をもたせるには、困難である。なお、パラ
ベン類は、前述の問題点を抱えている事を忘れてはいけ
ない。
【0049】酸化マグネシウムのMBC(最小殺菌濃
度)を測定した結果、細菌類の大腸菌と黄色ブドウ球菌
に対して0.5重量%で緑膿菌に対しては0.4重量%
で殺菌効果が認められた。メチルパラベンのMBC測定
は水に対する溶解度が0.2%以上では不溶になるため
に測定はできないが酸化マグネシウムのMIC(最小発
育阻止濃度)とMBCの関係からメチルバラペンのMI
Cの関係から推測するとパラベン類のMBCは酸化マグ
ネシウムより高い濃度になると思われる。
【0050】[実施例(2)]ポリメタクリル酸メチル
(略称、PMMA)(積水化成工業社製)200gに対
して酸化マグネシウム80gを均一に混合した後、ボー
ルミル処理を10時間処理した。その結果PMMAの表
面に均一に酸化マグネシウムが固着していた。そこでこ
のようにして得られたハイブリットパウダー(本発明の
化粧料用抗菌性複合粉体顔料)のPMMA−MgOにつ
いてパラベンの吸着量を次のようにして測定した。
【0051】セリサイト50gとPMMA50gに対し
てメチルパラベン0.2gを精秤し、高速混合機で5分
間混合した後、試料1gを正確に精秤し、精製水10g
中に分散させ、超音波で5分間処理する。その処理物を
2時間、20℃で静置後、上澄液をクロマト用フィルタ
ーを用いて濾過し、そのろ液を液クロ(液体クロマトグ
ラフィー)を用いて残留パラベン量を求めた。その結果
PMMAに対するメチルパラベンの吸着量は86.2%
であった。酸化マグネシウムが固着した前記ハイブリッ
トパウダーをセリサイトの代わりに用いて同様に測定し
た結果その吸着量は、0.9%であった。その結果PM
MAは、パラベンの大多数を吸着してしまい資化されて
しまい防腐殺菌効果が殆ど無いのに対して前記ハイブリ
ットパウダーはパラベンの吸着量が極めて少なく、パラ
ベンの資化性を防止し、パラベンの効果を維持出来る事
がわかった。
【0052】[実施例(3)]ナイロンパウダーSP5
00(東レ製)200gに対して酸化カルシウム(和光
純薬)80gを均一に混合した後、ボールミル処理を9
時間行った。その結果、ナイロンパウダーSP500の
表面に酸化カルシウムが均一に固着していた。
【0053】[実施例(4)]実施例(3)の酸化カル
シウム80gを酸化マグネシウム(和光純薬)40gと
水酸化カルシウム40gに変更して実施例(3)と同様
に実施した。
【0054】[実施例(5)]タルク99.0gに酸化
マグネシウム(和光純薬)0.4gと水酸化マグネシウ
ム0.1gを高速混合機を用いて3分間混合した後、更
に、粉砕機で混合粉砕してタルクと抗菌性粉体顔料を得
た。
【0055】実施例(2)、実施例(3)、実施例
(4)、実施例(5)で得た抗菌性粉体顔料の微生物に
対するMIC(最小発育阻止濃度)を調べ抗菌効果を測
定した。その結果を表2に示す。なお、表2における実
施(2)、実施(3)、実施(4)、実施(5)は、そ
れぞれ、実施例(2)、実施例(3)、実施例(4)、
実施例(5)を示す。
【0056】
【表2】
【0057】表2から判るように、本発明の抗菌性粉体
顔料は防腐、抗菌効果を示した。
【0058】[実施例(6)及び比較例(1)と比較例
(2)の評価]表3の組成にしたがって、80℃に加温
した油相を溶解し、減圧した後、80℃に加温した水相
を徐々に添加し、500rpmで10分間乳化し、冷却
した後取り出し、クリームを得た。
【0059】
【表3】
【0060】[実施例(7)及び比較例(3)と比較例
(4)の評価]表4の組成にしたがって85℃に加温
し、溶解、分散させた油相を減圧し、85℃に加温し、
分散させた油相を徐々に添加し、10分間乳化する。そ
の後30℃まで冷却した後取り出し、クリームファンデ
ーションを得た。
【0061】
【表4】
【0062】[実施例(8)及び比較例(5)と比較例
(6)の評価]表5の組成にしたがって、粉体をヘンジ
ェルミキサーで混合した後、粉砕機で粉砕、分散させ
る。この粉砕物に油剤を注入し、5分間攪拌混合した
後、取り出し、粉砕機で解砕し、中皿に充填してパウダ
ーファンデーションを得た。
【0063】
【表5】
【0064】[製品防腐試験]各製品50gを製品容器
に入れ、大腸菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌は寒天培地に
37℃で24時間培養した後、滅菌食塩水に懸濁させて
使用し、カンジタ、黒コウジカビはポテトデキストロー
ス寒天に30℃で各々48時間と4日間培養した後に、
滅菌食塩水に懸濁させたものを106 cells/g
に接種し、時間経過にともなう菌数を測定した。その結
果を表6に示す。
【0065】
【表6】
【0066】上記以外の化粧料にも本発明の抗菌性粉体
顔料及び複合粉体顔料は、カーマインローション、整肌
化粧水、ツーウェイケーキ、ケーキアイシャドウ、コン
パクトパウダー、制汗スプレー、フェイスパウダー、ボ
ディパウダー、フェースブラッシュ、ベビーパウダー、
クリームルージュ、リップスティック、リップグロス、
アイライナー、マスカラ、アイブロウペンシル、アンダ
ーメークアップベースに配合したときも、同様に優れた
抗菌効果を示した。
【0067】以上のように、本発明の化粧料用抗菌性粉
体顔料及び複合粉体顔料は、優れた抗菌効果を示し、こ
れを配合した化粧品業界で汎用されている表示成分であ
るパラベン類やフェノキシエタノールやヒノキチオール
等の無表示成分の防腐剤を配合した化粧料よりも接種し
た微生物に対する抗菌効果が優れているばかりでなく、
より低濃度で抗菌作用があり、持続的効果を有すると共
に優れた安定性を示した。従って、本発明の抗菌性素材
を配合した化粧料は、市場にある防腐剤を使用する事な
く、又、その配合量に法的規制もなく、更には防腐剤フ
リーとしての化粧料の開発に役立つ。
【0068】
【発明の効果】請求項1の化粧料用抗菌性粉体顔料及び
請求項2の化粧料用抗菌性複合粉体顔料は、水酸化マグ
ネシウム、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム及び酸
化カルシウムのうちの1種以上から成る抗菌性粒子を有
するので、次の効果を奏することができる。
【0069】微生物である細菌やカビに対して良好な抗
菌性を有するにもかかわらず、人体に対して悪影響がな
く、使用量の制限を受けることがなく、化粧料に配合し
た場合でも化粧料のpH、化粧料の各種共存成分等によ
り抗菌力を損なうことがなく、化粧料を変質させること
もなく、使用感が良好である。また、化粧料に必要とさ
れる防腐殺菌剤の配合量をより低濃度に抑えた低濃度防
腐殺菌剤配合化粧料や無防腐殺菌剤(防腐殺菌剤フリ
ー)の化粧料の開発を可能にすることができる。
【0070】前記抗菌性粒子又は、前記抗菌性粒子と化
粧料用粉体粒子が固着して成る抗菌性複合粉体粒子のい
ずれかを化粧料組成物に配合した場合、前記抗菌性粒子
と前記抗菌性複合粉体粒子は、いずれも、水や炭酸ガス
の影響、pHの影響や高極性油に対する影響を受けず、
又、非イオン活性剤とコンプレックスを形成せず、不活
性化することもなく、水溶性高分子への吸着或いは錯体
形成による防腐活性低下の問題も起こさずに、しかも安
全性が高いので、長期間安定で高い抗菌力を有する化粧
料を提供することができる。更に、前記抗菌性粒子と前
記抗菌性複合粉体粒子は、いずれも、製造段階で生じる
微生物の一次汚染や消費者の使用中に発生する微生物の
二次汚染に対しても優れた防腐効果を付与するので、既
存の化粧料組成物の微生物汚染に関する課題を解決する
ことができる。
【0071】請求項3の抗菌性化粧料は、請求項1の化
粧料用抗菌性粉体顔料及び請求項2の化粧料用抗菌性複
合粉体顔料のうちの1種以上を含有するので、次の効果
を奏することができる。
【0072】化粧品原料基準に収載されている防腐剤や
化粧品以外に使用されている銀化合物、銅化合物、亜鉛
化合物を含有しない場合でも、微生物である細菌やカビ
に対して良好な抗菌性を有することができる。また、微
生物である細菌やカビに対して良好な抗菌性を有するに
もかかわらず、化粧料に必要とされる防腐殺菌剤の配合
量をより低濃度に抑えたり、あるいは無防腐殺菌剤(防
腐殺菌剤フリー)にすることができる。従って、防腐殺
菌剤による皮膚刺激がなく、長期間に亘り、安定な防腐
殺菌効果を有することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、
    酸化マグネシウム及び酸化カルシウムのうちの1種以上
    から成る抗菌性粒子を含有することを特徴とする化粧料
    用抗菌性粉体顔料。
  2. 【請求項2】水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、
    酸化マグネシウム及び酸化カルシウムのうちの1種以上
    から成る抗菌性粒子と化粧料用粉体粒子が固着して成る
    抗菌性複合粉体粒子を含有することを特徴とする化粧料
    用抗菌性複合粉体顔料。
  3. 【請求項3】請求項1の化粧料用抗菌性粉体顔料及び請
    求項2の化粧料用抗菌性複合粉体顔料のうちの1種以上
    を含有することを特徴とする抗菌性化粧料。
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