JP2004189639A - 乳化組成物 - Google Patents

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Masato Seto
匡人 瀬戸
Ayako Kiyono
綾子 清野
Kenkichi Matsubara
顕吉 松原
Mitsuo Kawai
充夫 河合
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Abstract

【課題】フラバン誘導体を、有効に、且つ、安全に経皮投与できる製剤を提供する。
【解決手段】架橋型シリコーンとフラバン誘導体とを含有することを特徴とする、乳化組成物。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化粧料に好適な乳化組成物に関し、更に詳しくは架橋型シリコーンとフラバン誘導体とを含有する、化粧料に好適な乳化組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
2’−ヒドロキシ−2,4,4,7,4’−ペンタメチルフラバン(化合物1)又は2’−ヒドロキシ−7,4’−ジエチル−2,4,4−トリメチルフラバン(化合物2)といったフラバン誘導体は、線維芽細胞の増殖に対する作用やメラニン産生に対する作用など、化粧料などの皮膚外用剤に有用な作用を有することが知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0003】
しかしながら、この様な化粧料などの皮膚外用剤にこれらのフラバン誘導体を経皮投与するに当たっては、真皮内に於ける貯留性の悪さが、その使用の制限となっている。即ち、かかる化合物自体が経皮吸収性が悪く、真皮内になかなか到達しないのに加えて、真皮内に到達する剤形にすると、速やかに血中移行してしまい、真皮内においてその効果を発現しにくいと言う欠点が存在する。この為、これらの化合物においては、in vivoでの効果よりin vitroでの効果の方が上回ってしまう。つまり、実際の使用場面においては、その化合物が潜在的に持っている生理活性を十分に発揮できない場合が多かった。又、経皮内の貯留性の良い製剤については、刺激発現性が高いと言う問題点もあった。
【0004】
そこで、フラバン誘導体を、有効に、且つ、安全に経皮投与できる製剤の開発が課題となっていた。
【0005】
一方、架橋型シリコーンは三次元の結合を含むシリコーン類であり、例えば架橋型メチルポリシロキサン((ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー)や架橋型メチルフェニルポリシロキサン((ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー)、架橋型ポリエーテル変性シリコーン(ジメチコンポリオールクロスポリマー)等が知られており、化粧料などの皮膚外用剤の分野で使用されている(例えば、特許文献4〜6参照)。
【0006】
この内、架橋型ポリエーテル変性シリコーン(ジメチコンポリオールクロスポリマー)は乳化性を有し、容易に油中水乳化物を形成することが知られている。
【0007】
しかしながら、これらの架橋型シリコーンがフラバン誘導体の皮膚内貯留性を高めるのに有効に作用することは知られておらず、架橋型シリコーンとフラバン誘導体とを含有させた乳化組成物は知られていない。
【0008】
【特許文献1】
特表2002−501914号公報
【特許文献2】
特願2002−68301号公報
【特許文献3】
特願2002−68302号公報
【特許文献4】
特開2002−338448号公報
【特許文献5】
特開2002−275028号公報
【特許文献6】
特開2002−275021号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、この様な状況下為されたものであり、フラバン誘導体を、有効に、且つ、安全に経皮投与できる製剤を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、この様な状況に鑑みて、効果的な経皮投与のためのフラバン誘導体を含有する製剤を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、1)架橋型シリコーンと2)以下に示す一般式(1)に表される化合物及び/又はその塩とを含有する乳化組成物が、その様な特性を有していることを見出し、発明を完成させるに至った。 すなわち、本発明は、以下のとおりである。
(1)1)架橋型シリコーンと2)次に示す一般式(1)に表される化合物及び/又はその塩とを含有することを特徴とする、乳化組成物。
【0011】
【化5】
Figure 2004189639
(但し、式中Rは水素原子、炭素数1〜4のアシル基又は糖残基を表し、R1〜R13はそれぞれ独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
(2)上記一般式(1)に表される化合物が、次に示す一般式(2)に表されるものであることを特徴とする、(1)に記載の乳化組成物。
【0012】
【化6】
Figure 2004189639
(但し、式中Rは水素原子、炭素数1〜4のアシル基又は糖残基を表し、R21〜R25はそれぞれ独立に水素原子、水酸基又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
(3)上記一般式(2)に表される化合物が、2’−ヒドロキシ−2,4,4,7,4’−ペンタメチルフラバン(化合物1)又は2’−ヒドロキシ−7,4’−ジエチル−2,4,4−トリメチルフラバン(化合物2)であることを特徴とする、(2)に記載の乳化組成物。
【0013】
【化7】
Figure 2004189639
【0014】
【化8】
Figure 2004189639
(4)上記架橋型シリコーンが、架橋型ポリエーテル変性シリコーン又は架橋型メチルポリシロキサンであることを特徴とする、(1)〜(3)の何れかに記載の乳化組成物。
(5)上記架橋型シリコーンとして、架橋型メチルポリシロキサンを含有する場合において、更にポリエーテル変性シリコーンを含有することを特徴とする、(4)に記載の乳化組成物。
(6)上記乳化組成物は、最外層が油相である油中水型の乳化形態をとることを特徴とする、(1)〜(5)の何れかに記載の乳化組成物。
(7)化粧料であることを特徴とする、(1)〜(6)の何れかに記載の乳化組成物。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】
本発明の乳化組成物は、架橋型シリコーンと上記一般式(1)に表される化合物及び/又はその塩を含有することを特徴とする。
【0017】
<1>本発明の乳化組成物の必須成分である架橋型シリコーンについて
本発明の乳化組成物は架橋型シリコーンを必須成分として含有する。
【0018】
架橋型シリコーンは三次元の結合を含むシリコーン類であり、例えば架橋型メチルポリシロキサンや架橋型ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられる。この架橋型メチルポリシロキサンや架橋型ポリエーテル変性シリコーンとして、架橋型メチルポリシロキサン((ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー)や架橋型メチルフェニルポリシロキサン((ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー)、架橋型ポリエーテル変性シリコーン(ジメチコンポリオールクロスポリマー)等が知られており、これらの何れもが本発明の乳化組成物では使用することができる。
【0019】
これらの架橋型シリコーンは既知の化合物であり、常法に従って製造することができる。例えば、架橋型メチルポリシロキサンであれば、ジメトキシジメチルシロキサンとビニルジメチルメトキシシロキサンを脱アルコール縮合させた後、アゾビスイソブチロニトリル等の重合開始剤を用いて、付加重合させることにより製造することができる。他の架橋型シリコーンについても、モノマーを対応するものに適宜変えて重合することにより、これに準じて製造することができる。
【0020】
又、この様な架橋型シリコーンについては、既に市販されているものがあり、この様な市販品を利用することもできる。好ましい市販品としては、架橋型メチルポリシロキサンのジメチコン溶液(約25質量%)である、シリコーンKSG−16(信越シリコーン株式会社製)、架橋型メチルフェニルポリシロキサンのフェニルトリメチコン溶液(約15質量%)である、シリコーンKSG−18(信越シリコーン株式会社製)、架橋型ポリエーテル変性シリコーンのジメチコン溶液(約27質量%)である、シリコーンKSG−21或いはシリコーンKSG−210(ともに信越シリコーン株式会社製)等が例示できる。このほか、架橋型アルキルポリエーテル変性シリコーンの溶液である、シリコーンKSG−31、シリコーンKSG−32、シリコーンKSG−33(何れも信越シリコーン株式会社製)なども使用することができる。
【0021】
かかる架橋型シリコーンは唯一種含有させることもできるし、二種以上を組み合わせて含有させることもできる。
【0022】
この様な組合せ使用の場合において、好ましい形態は、架橋型メチルポリシロキサンや架橋型メチルフェニルポリシロキサンを用いる場合に、ポリエーテル変性シリコーンを共存させる形態である。この場合、ポリエーテル変性シリコーンは架橋型であってもそうでなくてもよい。
【0023】
架橋型メチルポリシロキサン架橋型ポリエーテル変性シリコーンの割合は、質量比で、1:2〜2:1の範囲であるのが好ましい。また、架橋型メチルポリシロキサンのみを架橋型シリコーンとして用いる場合には、ポリエーテル変性シリコーンを架橋型メチルポリシロキサンに対して、1:2〜2:1(質量比)の範囲で含有させるとよい。
【0024】
本発明の乳化組成物に於ける架橋型シリコーンの好ましい含有量は、乳化組成物全量に対して、総量で0.1〜20質量%であり、更に好ましくは1〜10質量%である。また、特に好ましい態様としては、少なくとも架橋型ポリエーテル変性シリコーンを1〜8質量%を含有する。
【0025】
<2>本発明の乳化組成物の必須成分である一般式(1)に表される化合物及び/又はその塩について
本発明の乳化組成物は、架橋型シリコーン以外に、上記一般式(1)に表される化合物及び/又はその塩を必須成分として含有する。
【0026】
上記一般式(1)において、式中Rは水素原子、炭素数1〜4のアシル基又は糖残基を表し、R1〜R13はそれぞれ独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基を表す。
【0027】
Rにおける、炭素数1〜4のアシル基としては、アセチル基、プロピオノイル基などが好ましく例示でき、アシル基としてはアセチル基が特に好ましい。又、糖残基としては、グルコシル基、ラムノイル基、マルトシル基などが好ましく例示でき、グルコシル基が特に好ましい。
【0028】
1〜R13に表される基のうち、炭素数1〜4のアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、1−メチルエチル基、ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基などが好ましく例示でき、中でもメチル基とエチル基が特に好ましい。
【0029】
かかる一般式(1)に表される化合物のうち特に好ましい化合物として、上記一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
【0030】
一般式(2)において、式中Rは水素原子、炭素数1〜4のアシル基又は糖残基を表し、R21〜R25はそれぞれ独立に水素原子、水酸基又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。Rの好ましい例、及びR21〜R25の好ましい例は、上述した一般式(1)の場合と同様である。
【0031】
又、好ましい具体的化合物としては、2’−ヒドロキシ−2,4,4,7,4’−ペンタメチルフラバン(化合物1)又は2’−ヒドロキシ−7,4’−ジエチル−2,4,4−トリメチルフラバン(化合物2)が挙げられる。かかる化合物には不斉炭素を有するものがあり、光学異性体が存在する場合があるが、かかる化合物においては、その生理活性は光学異性によらないので、それぞれの光学活性体を使用することもできるし、ラセミ体を使用することもできる。
【0032】
これらの化合物は、何れも既知の化合物であり、その製造法については既に知られている。例えば、ポリフェノールと対応するアルデヒドとを酸触媒の存在下縮合させる様なものが好ましく例示できる(特開平08−12665号)。勿論、一般式(1)の化合物の中には植物体中に多量に存在するものもあり、植物抽出物を精製して得ることもできる。
【0033】
かくして得られた一般式(1)に表される化合物は、線維芽細胞の増殖に対する作用やメラニン産生に対する作用など、化粧料などの皮膚外用剤に有用な作用を有する。
【0034】
本発明の乳化組成物に於いては、かかるフラバン誘導体の皮膚内貯留性を著しく改善するため、この様な作用を皮膚外用剤などにおいて、遺憾なく発揮させることができる。
【0035】
また、かかる一般式(1)に表される化合物は、塩の形でも使用できる。このような塩としては、Rで表される基が水素原子の場合に於いて、ナトリウム塩やカリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、バリウム塩或いはマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩、トリエチルアミン塩やトリエタノールアミン塩などの有機アミン塩;リジン塩やアルギニン塩などの塩基性アミノ酸塩が好ましく例示できる。
【0036】
本発明の乳化組成物に於いて、一般式(1)に表される化合物及び/又はその塩は単独で含有させることもできるし、二種以上を組み合わせて含有させることもできる。
【0037】
本発明の乳化組成物に於ける、一般式(1)に表される化合物及び/又はその塩の好ましい含有量は、乳化組成物全量に対して、総量で0.01〜10質量%であり、更に好ましくは0.1〜5質量%である。これは少なすぎると効果を発揮しない場合があり、多すぎても効果が頭打ちになり、乳化に悪影響を及ぼす場合があるからである。
【0038】
<3>本発明の乳化組成物について
本発明の乳化組成物は、乳化形態で使用されるものであれば特段の限定無く応用することができるが、特に好ましい用途は皮膚外用剤である。
【0039】
さらに本発明の皮膚外用剤は、皮膚に外用で投与されるものであれば特段の限定無く使用することができ、化粧料や皮膚外用医薬組成物などの使用形態が好ましく例示できる。
【0040】
特に好ましい形態は、本発明の化合物の皮膚線維芽細胞に対する作用やメラニンに対する作用という特質から、化粧料に適用することである。
【0041】
この様な、本発明の皮膚外用剤の剤形としては、化粧料や皮膚外用医薬で通常知られているものであれば特段の限定は無く、例えば化粧水、ローション、乳液、クリーム、パック料、洗顔料などの基礎化粧料、アンダーメークアップ、コントロールカラーなどのメークアップ化粧料、日焼け止め化粧料、軟膏剤等が好ましく例示できる。メラニンに対する産生抑制作用が著しい点から、美白化粧料(医薬部外品を含む)に適用するのが特に好ましい。
【0042】
上記剤形化を行うには、本発明の一般式(1)で表される構造を有する化合物及び/又はその塩を、製剤化の為の任意成分とともに常法に従って処理すれば良い。
【0043】
任意成分としては、例えば、ワセリンやマイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類;ホホバ油やセチルイソオクタネート等のエステル類;オリーブ油等のトリグリセライド類;オクタデシルアルコールやオレイルアルコール等の高級アルコール類;グリセリンや1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、イソプレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール類;非イオン界面活性剤;アニオン界面活性剤;カチオン界面活性剤;両性界面活性剤;エタノール;カーボポール等の増粘剤;防腐剤;紫外線吸収剤;抗酸化剤類等が例示できる。
【0044】
これらの任意成分で、特に好ましい成分としては、一時刺激を高めずに、本発明の乳化組成物に於ける、皮膚内貯留性を改善する作用を有するアジピン酸のジエステル類、オレイン酸、とりわけ、純度が99%以上の精製オレイン酸、1,3−ブタンジオール等の多価アルコールなどが例示できる。
【0045】
アジピン酸のジエステルとしては、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピルなどが特に好ましく例示できる。これらは唯一種で使用することもできるし、二種以上を組み合わせて含有させることもできる。かかるアジピン酸のジエステルの好ましい含有量は、乳化組成物全量に対して、総量で1〜5質量%である。オレイン酸の好ましい含有量は0.01〜2質量%が好ましい。1,3−ブタンジオール等の多価アルコールは1〜10質量%が好ましく、4〜10質量%が更に好ましい。
【0046】
また、本発明の乳化組成物は、最外層が油相である油中水型の乳化形態をとることが好ましい。具体的には、油中水乳化形態や油中水乳化形態の水中にさらに油相が存在する油中水中油などの多相乳化形態などを例示することができる。尚、油中水乳化形態であって、内相量が50質量%を越す、高内相油中水乳化形態をとることが、皮膚内貯留性の観点から特に好ましい。
【0047】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を示す。
<参考例1>
上記一般式(1)に表される化合物である、化合物1(ラセミ体)について、従来の製剤について、評価を行った。
【0048】
表1に記載する従来品1は化合物1の貯留性を高めた製剤であり、表2に記載する従来品2は従来品1の一時刺激性を低下させた製剤である。
【0049】
この2種の製剤について、フランツセル(隔膜にHWY/Slcヘアレスラットの皮下組織を除去した背部皮膚を使用、レセプターに2%ツィーン80含有PBSを使用、温度37℃)を用いた投下実験に於ける、投与後48時間の皮膚内貯留率、20名のパネラーにおいて、ヒト上腕部の6cm2の部位に、紫外線を0.8MED照射し、しかる後0.05ml投与する作業を7回繰り返した後、最後の投与の24時間に観察した場合の有効率(検体非投与、照射部位に比して白い場合を有効とする)、パネラー40名を用いた24時間クローズドパッチテストにおける、本邦パッチテスト基準(++:浮腫を伴う反応、+:明らかな紅斑を伴う反応、±:疑わしい紅斑を伴う反応、−:無反応)での±以上の反応出現率を調べた。貯留量は、高速液体クロマトグラフィー(カラム:ODS150×4.6mm、移動相:60%アセトニトリルの10mMテトラブチルアンモニウムブロミド含有10mMリン酸緩衝液溶液(pH7)、流速:1ml/分、カラム温度:40℃、検知:紫外部220nm)でレセプター側の薬物量とクロロホルムで隔膜上を拭き取り、回収した薬物量とを定量し、総投与量から差し引いて求めた。結果を表3に示す。これより、従来の製剤においては、貯留性が高く、有効なものは一時刺激が高く、一時刺激が低いものは、貯留性も低く有効性も認められないことがわかる。
【0050】
【表1】
Figure 2004189639
【0051】
【表2】
Figure 2004189639
【0052】
【表3】
Figure 2004189639
【0053】
【実施例1】
以下の表4に示す処方に従って、本発明の乳化組成物を作成した。
【0054】
即ち、イ、ロを70℃に加温し、攪拌下イに徐々にロを加え乳化し、ホモジナイザーで粒子を均一化し、攪拌冷却し、本発明の乳化組成物1を得た。
【0055】
このものを化粧料としての評価を上記参考例1と同様に行った。皮膚内貯留率は、従来品1を100とした場合の値として算出した。有効率が50%であり、皮膚内貯留率は従来品1の98%であり、パッチテストにおける±以上出現率は5%であり、有効性も高く、安全性も高い製剤が得られたことがわかる。
【0056】
これより、本発明の乳化組成物は、皮膚外用剤として、とりわけ化粧料として有用であることがわかる。
【0057】
【表4】
Figure 2004189639
【0058】
【実施例2】
以下の表5に示す処方に従って、本発明の乳化組成物を作成した。
【0059】
即ち、イ、ロを70℃に加温し、攪拌下イに徐々にロを加え乳化し、ホモジナイザーで粒子を均一化し、攪拌冷却し、本発明の乳化組成物2を得た。
【0060】
このものを化粧料としての評価を上記参考例1と同様に行った。皮膚内貯留率は、従来品1を100とした場合の値として算出した。有効率が75%であり、皮膚内貯留率は従来品1の184%であり、パッチテストにおける±以上出現率は2.5%であり、有効性も高く、安全性も高い製剤が得られたことがわかる。
【0061】
これより、本発明の乳化組成物は、皮膚外用剤として、とりわけ化粧料として有用であることがわかる。又、1,3−ブタンジオールを4〜10質量%含有することが好ましいこともわかる。
【0062】
【表5】
Figure 2004189639
【0063】
【実施例3】
以下の表6に示す処方に従って、本発明の乳化組成物を作成した。即ち、イ、ロを70℃に加温し、攪拌下イに徐々にロを加え乳化し、ホモジナイザーで粒子を均一化し、攪拌冷却し、本発明の乳化組成物3を得た。
【0064】
このものを化粧料としての評価を上記参考例1と同様に行った。皮膚内貯留率は、従来品1を100とした場合の値として算出した。有効率が70%であり、皮膚内貯留率は従来品1の160%であり、パッチテストにおける±以上出現率は5%であり、有効性も高く、安全性も高い製剤が得られたことがわかる。
【0065】
これより、本発明の乳化組成物は、皮膚外用剤として、とりわけ化粧料として有用であることがわかる。オレイン酸、とりわけ精製オレイン酸を含有することが好ましいことがわかる。
【0066】
【表6】
Figure 2004189639
【0067】
【実施例4】
以下の表7に示す処方に従って、本発明の乳化組成物を作成した。即ち、イ、ロを70℃に加温し、攪拌下イに徐々にロを加え乳化し、ホモジナイザーで粒子を均一化し、攪拌冷却し、本発明の乳化組成物4を得た。
【0068】
このものを化粧料としての評価を上記参考例1と同様に行った。皮膚内貯留率は、従来品1を100とした場合の値として算出した。有効率が60%であり、皮膚内貯留率は従来品1の125%であり、パッチテストにおける±以上出現率は5%であり、有効性も高く、安全性も高い製剤が得られたことがわかる。
【0069】
これより、本発明の乳化組成物は、皮膚外用剤として、とりわけ化粧料として有用であることがわかる。
【0070】
【表7】
Figure 2004189639
【0071】
【実施例5】
以下の表8に示す処方に従って、本発明の乳化組成物を作成した。即ち、イ、ロを70℃に加温し、攪拌下イに徐々にロを加え乳化し、ホモジナイザーで粒子を均一化し、攪拌冷却し、本発明の乳化組成物5を得た。
【0072】
このものを化粧料としての評価を上記参考例1と同様に行った。皮膚内貯留率は、従来品1を100とした場合の値として算出した。有効率が60%であり、皮膚内貯留率は従来品1の125%であり、パッチテストにおける±以上出現率は5%であり、有効性も高く、安全性も高い製剤が得られたことがわかる。
【0073】
これより、本発明の乳化組成物は、皮膚外用剤として、とりわけ化粧料として有用であることがわかる。
【0074】
【表8】
Figure 2004189639
【0075】
【実施例6】
以下の表9に示す処方に従って、本発明の乳化組成物を作成した。即ち、イ、ロを70℃に加温し、攪拌下イに徐々にロを加え乳化し、ホモジナイザーで粒子を均一化し、攪拌冷却し、本発明の乳化組成物6を得た。
【0076】
このものを化粧料としての評価を上記参考例1と同様に行った。皮膚内貯留率は、従来品1を100とした場合の値として算出した。有効率が70%であり、皮膚内貯留率は従来品1の175%であり、パッチテストにおける±以上出現率は5%であり、有効性も高く、安全性も高い製剤が得られたことがわかる。
【0077】
これより、本発明の乳化組成物は、皮膚外用剤として、とりわけ化粧料として有用であることがわかる。
【0078】
【表9】
Figure 2004189639
【0079】
【実施例7】
以下の表10に示す処方に従って、本発明の乳化組成物を作成した。即ち、イ、ロを70℃に加温し、攪拌下イに徐々にロを加え乳化し、ホモジナイザーで粒子を均一化し、攪拌冷却し、本発明の乳化組成物6を得た。
【0080】
このものを化粧料としての評価を上記参考例1と同様に行った。皮膚内貯留率は、従来品1を100とした場合の値として算出した。有効率が65%であり、皮膚内貯留率は従来品1の134%であり、パッチテストにおける±以上出現率は5%であり、有効性も高く、安全性も高い製剤が得られたことがわかる。
【0081】
これより、本発明の乳化組成物は、皮膚外用剤として、とりわけ化粧料として有用であることがわかる。
【0082】
【表10】
Figure 2004189639
【0083】
【発明の効果】
本発明によれば、フラバン誘導体を、有効に、且つ、安全に経皮投与できる製剤を提供することができる。

Claims (7)

  1. 1)架橋型シリコーンと2)次に示す一般式(1)に表される化合物及び/又はその塩とを含有することを特徴とする、乳化組成物。
    Figure 2004189639
    (但し、式中Rは水素原子、炭素数1〜4のアシル基又は糖残基を表し、R1〜R13はそれぞれ独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
  2. 前記一般式(1)に表される化合物が、次に示す一般式(2)に表されるものであることを特徴とする、請求項1に記載の乳化組成物。
    Figure 2004189639
    (但し、式中Rは水素原子、炭素数1〜4のアシル基又は糖残基を表し、R21〜R25はそれぞれ独立に水素原子、水酸基又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
  3. 前記一般式(2)に表される化合物が、2’−ヒドロキシ−2,4,4,7,4’−ペンタメチルフラバン(化合物1)又は2’−ヒドロキシ−7,4’−ジエチル−2,4,4−トリメチルフラバン(化合物2)であることを特徴とする、請求項2に記載の乳化組成物。
    Figure 2004189639
    Figure 2004189639
  4. 前記架橋型シリコーンが、架橋型ポリエーテル変性シリコーン又は架橋型メチルポリシロキサンであることを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の乳化組成物。
  5. 前記架橋型シリコーンとして、架橋型メチルポリシロキサンを含有する場合において、更にポリエーテル変性シリコーンを含有することを特徴とする、請求項4に記載の乳化組成物。
  6. 前記乳化組成物は、最外層が油相である油中水型の乳化形態をとることを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の乳化組成物。
  7. 化粧料であることを特徴とする、請求項1〜6の何れか1項に記載の乳化組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008542423A (ja) * 2005-06-10 2008-11-27 ガルデルマ・ソシエテ・アノニム 皮膚を通しての薬物の制御放出方法
WO2013084590A1 (ja) * 2011-12-09 2013-06-13 Dic株式会社 造膜助剤ならびにそれを含有する水性樹脂組成物及び鋼板表面処理剤

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