JP6668039B2 - メラニン産生抑制剤 - Google Patents
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Description
<1> 下記一般式(1)に表される化合物及び/又はその幾何異性体からなる、メラニン産生抑制剤。
[但し、式中R1は、炭素数1〜15の直鎖又は分岐の、飽和又は不飽和炭化水素基を表す。]
<4> ゲファルナート(Gefarnate)及び/又はその幾何異性体からなるメラニン産生抑制剤を含有する、<3>に記載の美白用化粧料。
<5> <1>に記載のメラニン産生抑制剤を、美白用化粧料全量に対し0.0001質量%〜10質量%含有する、<3>又は<4>に記載の美白用化粧料。
<6> さらに、抗酸化剤を含有する、<3>〜<5>の何れかに記載の美白用化粧料。
<7> 前記抗酸化剤が、ビタミンE及び/又はその薬理学的に許容される塩である、<6>に記載の美白用化粧料。
<8> 美白用化粧料全量に対し、抗酸化剤を0.001質量%〜15質量%含有する、<6>又は<7>に記載の美白用化粧料。
<9> 前記一般式(1)に表される化合物及び/又はその幾何異性体と、ビタミンE及び/又はその薬理学的に許容される塩とを含有する、組成物。
<10> 美白のために用いる、<9>に記載の組成物。
<11> メラニン産生抑制剤としての使用のための上記一般式(1)に表される化合物及び/又はその幾何異性体。
<12> 美白剤としての使用のための上記一般式(1)に表される化合物及び/又はその幾何異性体。
<13> 上記一般式(1)に表される化合物及び/又はその幾何異性体を皮膚に投与することを含む、メラニンの産生を抑制する方法。
<14> 上記一般式(1)に表される化合物及び/又はその幾何異性体を皮膚に投与することを含む美白方法。
前記生理活性としては、粘膜抵抗性増強作用、粘液分泌亢進作用及び粘膜微小循環改善作用等の抗潰瘍作用;ドライアイ及び結膜炎等に対する角結膜疾患治療作用;肉芽増生及び痂皮形成促進作用による皮膚損傷治療作用;骨密度増加作用等による骨粗鬆症治療作用;脱毛予防、育毛作用などの養毛作用;シワ改善作用;美白作用が例示でき、特に好ましくは美白作用が例示できる。
本発明の組成物は、好ましくは美白のために用いる。本発明の組成物は、優れた美白効果を有する。
本発明の組成物の剤形は特に限定されず、例えば、カプセル剤、錠剤、顆粒剤、注射剤、坐剤、貼付剤、皮膚外用剤などの剤形とすることができる。製剤化においては、薬剤学的に許容される他の製剤素材、例えば、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、酸化防止剤、着色剤、凝集防止剤、吸収促進剤、溶解補助剤、安定化剤などを適宜添加して調製することができる。
本発明の組成物を皮膚外用剤とする場合には、医薬品又は化粧料の領域で知られているものであれば特段の限定はなく、軟膏剤、ローション製剤、水中油乳化製剤、油中水乳化製剤、複合エマルション乳化製剤等の剤形とすることができる。複合エマルジョン剤形では、水相を連続相とし、これに油中水乳化物が分散したW/O/W剤形、油相を連続相とし、これに水中油乳化物が分散したO/W/O乳化剤形、これらと油中水乳化剤形の混在系、これらと水中油乳化剤形の混在系などが存し、これらの何れもが適用可能である。
また、本発明は、美白剤としての使用のための上記一般式(1)に表される化合物及び/又はその幾何異性体である。
これらの発明の好ましい実施の形態は、上述の発明の実施の形態と同様である。
また、本発明は、上記一般式(1)に表される化合物及び/又はその幾何異性体を投与することを含む美白方法に関する。
これらの発明の好ましい実施の形態は、上述の発明の実施の形態と同様である。
細胞内のメラニン合成過程において特異的にメラニンに取り込まれる2−チオウラシル(本試験では、14Cラベルした2−チオウラシルを使用)を用い、本発明のメラニン産生抑制剤(ゲファルナート)と、ゲファルナートの加水分解物であるゲラニオールについてメラニン産生抑制作用を評価した。尚、本試験に用いたゲファルナートは、AK Scientific, Inc.より、ゲラニオールは、Sigma-Aldrich Co. LLC.より購入したものである。24ウェルのプレートを使用し、メラノサイト培養用完全培地(倉敷紡績株式会社)を用い、9ウェルにそれぞれ1.0×104cells/well/0.5mLの濃度でヒト正常メラノサイト(倉敷紡績株式会社)を播種した。5%二酸化炭素雰囲気下、37℃で24時間培養を行った。その後、全てのウェルについて、以下の条件で培地交換した。即ち、3ウェルは新しいメラノサイト培養用完全培地(コントロール群)に交換し、3ウェルずつ合計6ウェルは100μMの濃度でゲファルナート又はゲラニオールを含有するメラノサイト培養用完全培地に交換した。更に、これらの9ウェルに2−[2−14C]チオウラシル(第一クラリティ株式会社)を0.5μCi/well添加した。そして上記培養条件と同様の条件で更に6日間培養した。培養終了後、各ウェルから培養液を除去し、PBS(リン酸緩衝生理食塩水)で洗浄後、WST−8試薬(株式会社同仁化学研究所)を用い細胞数を測定した。WST−8試薬を除去し、PBSで洗浄後、100(w/v)%トリクロロ酢酸(和光純薬工業株式会社)を使用しウェルの底面より細胞を剥離後、トリクロロ酢酸濃度が10(w/v)%となるように水を加えて希釈し、冷蔵庫で30分間静置した。遠心分離にて細胞を回収した後、各ウェルから回収した細胞における14C−チオウラシル量を液体シンチレーションカウンター(アロカ株式会社)にて測定した。コントロールのウェルから回収した細胞の放射線量に対する、被検物質を含む培地で培養した細胞の放射線量の百分率をそれぞれ求め、メラニン量(%)とした。すなわち、各細胞内に取り込まれた放射線量性が小さい程、メラニン量が小さいと判断することができ、よって、添加された成分のメラニン抑制力価が大きいと判断することが出来る。また、コントロール群と各群間の統計処理は、ダネット検定により行った。結果を図1に示す。
この結果より、ゲファルナートのメラニン産生抑制作用は、その加水分解物によってもたらされるものではないことが明らかとなった。
以下の表1に示す処方に従い、本発明の美白用化粧料(乳化剤形)を作製した。即ち、イ及びロの成分を80℃に加熱し、溶解させた後、ロの成分に10質量%水酸化カリウム水溶液を適量加え、pHを6.5に調整した。その後、撹拌しながら、イの成分をロの成分に徐々に加え乳化し、ホモジナイザーで粒子を均一にした後、撹拌冷却し、本発明の美白用化粧料(化粧料1、乳化剤形)を作製した。また同時に、表1の処方成分中、「ゲファルナート」を「水」に置換した比較例1を作製した。
以下の表2に示す処方に従い、本発明の美白用化粧料(クリーム剤形)を作製した。即ち、ロの成分を80℃に加熱し、撹拌し、溶解させた後、10質量%水酸化カリウム水溶液を適量加え、pHを6.5に調整した。最後に水を追加し、総重量が524(g)となるようにした(混合物A)。また、イの成分を80℃に加熱し、撹拌し、溶解させた(混合物B)。80℃に加熱した混合物Aを、混合物Bに撹拌しながら徐々に加え、乳化し、ホモジナイザーで粒子を均一化した後、撹拌冷却し、本発明の美白用化粧料(化粧料2、クリーム剤形)を作製した。また同時に、表2の処方成分中、「ゲファルナート」を「水」に置換した比較例2を作製した。
実施例2及び3に記載の方法に従い製造された本発明の美白用化粧料(化粧料1及び2)、比較例1及び2に関し、以下の手順に従い色素沈着抑制作用を評価した。自由意思で参加したパネラーの上腕内側部に1.5cm×1.5cmの部位を合計5ケ所設けた。設けた部位に最少紅斑量(1MED)の紫外線照射を1日1回、3日連続して3回照射した。試験1日目の紫外線照射終了時(一回目照射終了後)より、1日2回35日連続して化粧料1及び2、比較例1及び2を50μL塗布した。5部位のうち1部位は無処置部位とした。35回の塗布終了24時間後に色彩色差計(CR-300、コニカミノルタ株式会社)にて各試験部位の皮膚明度(L*値)を測定し、処理部位のL*値と無処理部位L*値の差(ΔL*値=処理部位のL*値−無処理部位L*値)を算出した。L*値は、色素沈着の程度が強いほど低い値となる。従って、ΔL*値が大きいほど、色素沈着が改善されたと判断することが出来る。結果を表3に示す。表3の結果によれば、本発明の化粧料1は、比較例1と比べ高い値を示し、本発明の化粧料2は、比較例2と比べ高い値を示した。このことは、本発明の化粧料1及び2が、優れた美白効果(色素沈着改善効果)示すことが分かる。これは、本発明の化粧料1及び2に含有されるメラニン産生抑制剤(ゲファルナート)による美白効果である。
以下の手順に従い、本発明のメラニン産生抑制剤(ゲファルナート)の抗酸化剤(イーミックス−D)による製剤安定性(溶液安定性)試験を実施した。即ち、表4に記載の成分を含有する製剤(溶液)を調製し、60℃にて2週間保管し、その後、高速液体クロマトグラフィーにて製剤(溶液)中のゲファルナート濃度を測定した。測定条件を以下に示す。また、製剤(溶液)中のゲファルナートの残存率は、保管開始時のゲファルナート濃度を100%とし、保管開始時のゲファルナート濃度に対する保管2週間後のゲファルナート濃度の比率として算出した。尚、本試験の製剤(溶媒)としては、トリエチルヘキサノイン(日清オイリオグループ株式会社)、2−エチルヘキサン酸セチル(BASF株式会社)、スクワラン(株式会社岸本特殊肝油工業所)を用いた。また、ゲファルナートは、AK Scientific, Inc.より購入したもの、イーミックス−Dは、エーザイフード・ケミカル株式会社より購入したものを使用した。結果を表4に示す。
測定装置: ACQUITY UPLC(Waters)
カラム: ACQUITY UPLC BEH C18、1.7μm、2.1φ×100mm(Waters)
ガードカラム: Van Guard BEH C18、1.7μm(Waters)
カラム温度: 40℃
移動相: アセトニトリル(和光純薬工業株式会社)/メタノール(和光純薬工業株式会社)=45/55
流速: 0.35mL/min
注入量: 0.5μL
検出: 210nm
Claims (7)
- ゲファルナート(Gefarnate)及び/又はその幾何異性体からなる、メラニン産生抑制剤。
- 請求項1に記載のメラニン産生抑制剤を含有する、美白用化粧料。
- 請求項1に記載のメラニン産生抑制剤を、美白用化粧料全量に対し0.0001質量%〜10質量%含有する、請求項2に記載の美白用化粧料。
- さらに、抗酸化剤を含有する、請求項2又は3に記載の美白用化粧料。
- 前記抗酸化剤が、ビタミンE及び/又はその薬理学的に許容される塩である、請求項4に記載の美白用化粧料。
- 美白用化粧料全量に対し、抗酸化剤を0.001質量%〜15質量%含有する、請求項4又は5に記載の美白用化粧料。
- ゲファルナート(Gefarnate)及び/又はその幾何異性体と、ビタミンE及び/又はその薬理学的に許容される塩とを含有し、美白のために用いる、組成物。
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