JP6668039B2 - メラニン産生抑制剤 - Google Patents

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本発明は、新規なメラニン産生抑制剤、及び該メラニン産生抑制剤を含有する化粧料に関する。尚、本発明の説明において、化粧料との用語は、医薬部外品を含むものとする。
日焼けによる黒化のほか、しみ、くすみ、雀卵斑(そばかす)、肝斑等の色素沈着が関与する皮膚症状は、色素細胞(メラノサイト)のメラニン産生亢進が原因とされる。色素沈着が関与する皮膚症状は、他人による認識が容易であるため、見た目の印象に大きな影響を与える。このため、多くの人達が、肌の美観を維持することに関心を寄せている。この様な状況においては、色素沈着症状が関連する肌トラブル発生・悪化は、多くの人達にとっての大きな悩み事となり得る。
イタリアのDE ANGELI研究所により見出されたテルペン系抗潰瘍薬(例えば、特許文献1を参照)のゲファルナート(Gefarnate)には、消化管の粘膜抵抗性増強作用、粘液分泌亢進作用、粘膜微小循環改善作用等の薬理作用が確認され、抗潰瘍薬としての開発が進められた。ゲファルナートの抗潰瘍作用は、酸性ムコ多糖類の傷面への沈着の促進、胃粘膜中のヘキソサミン等の粘液の増量、内因性プロスタグランジンの増加等による粘膜の保護作用等により発揮される(例えば、非特許文献1を参照)。一方、ゲファルナートが有する抗潰瘍作用以外の薬理作用としては、ドライアイ、結膜炎等に対する角結膜疾患治療作用(例えば、特許文献2を参照)、肉芽増生及び痂皮形成促進作用による皮膚損傷治療作用(例えば、特許文献3を参照)、骨密度増加作用等による骨粗鬆症治療作用(例えば、特許文献4を参照)等の多様な薬理作用が報告されている。この様な薬理作用を基礎とし、抗潰瘍薬以外の用途拡大を目指した医薬品研究開発が進められている。一方、ゲファルナートの医薬品以外の用途としては、脱毛予防又は育毛効果が確認され、頭髪用化粧料(例えば、特許文献5を参照)への配合が知られている。さらに、ゲファルナートのエステル基部分を構造変換したファルネシル酢酸エステル誘導体に関しては、養毛作用(例えば、特許文献6を参照)、シワ改善作用(例えば、特許文献7を参照)等が報告されている。
特公昭39−028230号公報 特開平09−194363号公報 特開平07−118145号公報 特開2004−026715号公報 特開2001−192322号公報 特開2006−045086号公報 特開2005−179189号公報
Pharma Med.、4、45−48(1986)
本発明は、上記の様な状況を鑑みてなされたものであり、化粧料等の成分として好適な、新規なメラニン産生抑制剤、及び該メラニン産生抑制剤を含有する化粧料を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために新規なメラニン産生抑制剤を求めて、鋭意研究を重ねた結果、下記一般式(1)に表される化合物及び/又はその幾何異性体が、メラニン産生抑制作用を有することを見出した。また、前記一般式(1)に表される化合物及び/又はその幾何異性体は、化粧料に配合することにより優れた美白効果を発揮する。即ち、本発明は、以下に示す通りである。
<1> 下記一般式(1)に表される化合物及び/又はその幾何異性体からなる、メラニン産生抑制剤。
(1)
[但し、式中Rは、炭素数1〜15の直鎖又は分岐の、飽和又は不飽和炭化水素基を表す。]
<2> 前記一般式(1)に表される化合物及び/又はその幾何異性体が、ゲファルナート(Gefarnate)及び/又はその幾何異性体である、<1>に記載のメラニン産生抑制剤。
(ゲファルナート) (2)
<3> <1>に記載のメラニン産生抑制剤を含有する、美白用化粧料。
<4> ゲファルナート(Gefarnate)及び/又はその幾何異性体からなるメラニン産生抑制剤を含有する、<3>に記載の美白用化粧料。
<5> <1>に記載のメラニン産生抑制剤を、美白用化粧料全量に対し0.0001質量%〜10質量%含有する、<3>又は<4>に記載の美白用化粧料。
<6> さらに、抗酸化剤を含有する、<3>〜<5>の何れかに記載の美白用化粧料。
<7> 前記抗酸化剤が、ビタミンE及び/又はその薬理学的に許容される塩である、<6>に記載の美白用化粧料。
<8> 美白用化粧料全量に対し、抗酸化剤を0.001質量%〜15質量%含有する、<6>又は<7>に記載の美白用化粧料。
<9> 前記一般式(1)に表される化合物及び/又はその幾何異性体と、ビタミンE及び/又はその薬理学的に許容される塩とを含有する、組成物。
<10> 美白のために用いる、<9>に記載の組成物。
<11> メラニン産生抑制剤としての使用のための上記一般式(1)に表される化合物及び/又はその幾何異性体。
<12> 美白剤としての使用のための上記一般式(1)に表される化合物及び/又はその幾何異性体。
<13> 上記一般式(1)に表される化合物及び/又はその幾何異性体を皮膚に投与することを含む、メラニンの産生を抑制する方法。
<14> 上記一般式(1)に表される化合物及び/又はその幾何異性体を皮膚に投与することを含む美白方法。
本発明によれば、新規なメラニン産生抑制剤、並びに該メラニン産生抑制剤を含有する化粧料を提供することが出来る。
本発明のメラニン産生抑制剤(ゲファルナート)の培養ヒト正常メラノサイトを用いたメラニン産生抑制作用の評価結果を示した図である。
本発明は、医薬品、化粧料(但し、日本でいう医薬部外品を含む)に好適な、前記一般式(1)に表される化合物及び/又はその幾何異性体からなるメラニン産生抑制剤、並びに該メラニン産生抑制剤を含有する皮膚外用剤及び化粧料に関する。本発明の前記一般式(1)に表される化合物及び/又はその幾何異性体からなるメラニン産生抑制剤は、メラニン産生抑制作用を有する、前記一般式(1)に表される化合物及び/又はその幾何異性体であれば特段の限定なく適用することが出来る。
本明細書において美白効果とは、色素沈着の予防効果及び/又は改善効果を含む。色素沈着の改善効果としては、既に形成された色素沈着を元の状態に戻す又は緩和する効果を例示できる。また、色素沈着の予防効果としては、形成される過程又は今後形成される色素沈着に対する抑制効果を例示できる。
本発明の前記一般式(1)に表される化合物及び/又はその幾何異性体からなるメラニン産生抑制剤は、皮膚外用剤に含有させることにより優れた美白効果を発揮する。また、本発明のメラニン産生抑制剤を配合した皮膚外用剤が有する美白効果としては、メラニン産生亢進に起因する色素沈着症状の予防又は改善効果であれば特段の限定なく適用することが出来、例えば、既に形成された色素沈着を元の状態に戻す又は緩和する効果に加え、形成される過程又は今後形成される色素沈着に対する抑制効果等が好適に挙げられる。さらに、本発明の皮膚外用剤は、通常の日焼けによる色素沈着症状に対する予防又は改善効果に加え、しみ、くすみ、雀卵斑(そばかす)、肝斑等のメラニン産生亢進による色素沈着異常症状に対する予防、改善又は治療効果を発揮する。
本発明の前記一般式(1)に表される化合物及び/又はその幾何異性体からなるメラニン産生抑制剤は、化粧料に含有させることにより優れた美白効果を発揮する。また、本発明のメラニン産生抑制剤を配合した化粧料が有する美白効果としては、メラニン産生亢進に起因する色素沈着症状の予防又は改善効果であれば特段の限定なく適用することが出来、例えば、既に形成された色素沈着を元の状態に戻す又は緩和する効果に加え、形成される過程又は今後形成される色素沈着に対する抑制効果等が好適に挙げられる。さらに、本発明の化粧料は、通常の日焼けによる色素沈着症状に対する予防又は改善効果に加え、しみ、くすみ、雀卵斑(そばかす)、肝斑等のメラニン産生亢進による色素沈着異常症状に対する予防又は改善効果を発揮する。本発明の化粧料は美白のために使用する。
本発明の前記一般式(1)に表される化合物及び/又はその幾何異性体からなるメラニン産生抑制剤が有するメラニン産生抑制作用としては、メラニン産生を抑制する作用であれば特段の限定なく適用出来る。また、本発明のメラニン産生抑制作用を評価する方法としては、メラニン産生抑制作用が評価出来る方法であれば特段の限定なく適用することが出来、例えば、細胞内のメラニン合成過程において、特異的に細胞に取り込まれるチオウラシルを用い測定する方法が好適に例示出来る。かかる方法は、放射性同位元素で標識したチオウラシルを用い、放射活性を測定することにより細胞内に取り込まれたチオウラシル量を測定することで、メラニン産生量を測定することが出来る。この場合、放射活性が少ないほどメラニン産生量が少なく、メラニン産生抑制効果が大きいと判断することが出来る。本発明のメラニン産生抑制剤の内、好ましいものを具体的に挙げれば、後述する実施例1に記載の「培養ヒト正常メラノサイトを用いたメラニン産生抑制試験」においてメラニン産生抑制作用を示す成分が好適に例示出来る。また、本発明の「培養ヒト正常メラノサイトを用いたメラニン産生抑制試験」においてメラニン産生抑制作用を示す成分としては、被験物質が細胞毒性を示さない濃度においてメラニン産生抑制作用を示す成分、さらに好ましくは、前記濃度において統計的な有意差をもってメラニン産生抑制作用を示す成分が好適に例示出来る。
本発明の前記一般式(1)に表される化合物及び/又はその幾何異性体に関し述べる。式中、Rは、炭素数1〜15の直鎖又は分岐の、飽和又は不飽和炭化水素基を表す。前記Rに関し、好ましいものを挙げれば、炭素数1〜15の、より好ましくは、炭素数4〜10の直鎖又は分岐のアルキル基、炭素数1〜15の、より好ましくは、炭素数4〜10の直鎖又は分岐のモノ、ジ又はトリアルケニル基、炭素数3〜15の、より好ましくは、炭素数4〜8の脂環式炭化水素基、炭素数6〜15の芳香族基などが好適に例示出来る。前記Rに関し、好ましいものを具体的に挙げれば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、3−メチル−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、3,7−ジメチルオクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、3,7,11−トリメチルドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基、3−メチル−2−ブテニル基、2−ペンテニル基、3−メチル−2−ペンテニル基、2−ヘキセニル基、3−メチル−2−ヘキセニル基、2−ヘプテニル基、3−メチル−2−ヘプテニル基、2−オクテニル基、3−メチル−2−オクテニル基、3,7−ジメチル−2−オクテニル基、2,6−オクタジエニル基、3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル基、2−ノネニル基、3−メチル−2−ノネニル基、2,6−ノナジエニル基、3,7−ジメチル−2,6−ノナジエニル基、3−メチル−2−ノネニル基、3,7−ジメチル2,6−ノナジエニル基、2−デセニル基、3−メチル−2−デセニル基、2,6−デカジエニル基、3,7−ジメチル−2,6−デカジエニル基、2−ウンデセニル基、3−メチル−2−ウンデセニル基、2,6−ウンデカジエニル基、3,7−ジメチル−2,6−ウンデカジエニル基、2−ドデセニル基、3−メチル−2−ドデセニル基、2,6−ドデカジエニル基、3,7−ジメチル−2,6−ドデカジエニル基、2,6,10−ドデカトリエニル基、3−メチル−2,6,10−ドデカトリエニル基、3,7−ジメチル−2,6,10−ドデカトリエニル基、3,7,11−トリメチル−2,6,10−ドデカトリエニル基、2−トリデセニル基、3−メチル−2−トリデセニル基、3,7−ジメチル−2−トリデセニル基、2,6−トリデカジエニル基、3−メチル−2,6−トリデカジエニル基、3,7−ジメチル−2,6−トリデカジエニル基、2,6,10−トリデカトリエニル基、3−メチル−2,6,10−トリデカトリエニル基、3,7−ジメチル−2,6,10−トリデカトリエニル基、3,7,11−トリメチル−2,6,10−トリフェカトリエニル基、2−テトラデセニル基、3−メチル−2−テトラデセニル基、2,6−テトラデカジエニル基、3−メチル−2,6−テトラデカジエニル基、2,6,10−テトラデカトリエニル基、3−メチル−2,6,10−テトラデカトリエニル基、2−ペンタデセニル基、2,6−ペネタデカジエニル基、2,6,10−ペンタデカトリエニル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、シクロヘキシル基等が好適に例示出来、より好ましいものとしては、3−メチル−2−ブテニル基、3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル基、3,7,11−トリメチル−2,6,10−ドデカトエニル基が、さらに好ましいものとしては、3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル基が好適に例示出来る。かかる置換基を有する前記一般式(1)に表される化合物及び/又はその幾何異性体は、メラニン産生抑制作用を有し、化粧料に配合することにより優れた美白効果を発揮する。
本発明の前記一般式(1)に表される化合物及び/又はその幾何異性体は、ファルネシル酢酸(5,9,13−trimethyl−4,8,12−tetradecatrienoic acid)と、炭素数1〜15の直鎖又は分岐の、飽和又は不飽和アルコールがエステル結合した化学構造を有するファルネシル酢酸エステル誘導体である。本発明の前記一般式(1)に表される化合物及び/又はその幾何異性体の内、ゲファルナート(Gefarnate、3,7−dimethyl−2,6−octadienyl−5,9,13−trimethyl−4,8,12−tetradecatrienoate、CAS No 51−77−4)及びその幾何異性体は、市販の試薬を出発原料とし容易に合成することが出来る。ゲファルナート及びその幾何異性体の合成方法の内、好ましい方法を具体的に挙げれば、例えば、ファルネシル酢酸(5,9,13−trimethyl−4,8,12−tetradecatrienoic acid)及びゲラニオール(3,7−dimethyl−2,6−octadien−1−ol)を用い、エステル化反応により合成する方法が挙げられる。前記のエステル化反応においては、その反応条件の違いにより、ゲファルナート及びその幾何異性体の混合物等が生成するが、蒸留等の工程を経ることにより精製することが出来る。ゲファルナートは、淡黄色〜黄色の澄明な油状物質である。また、ゲファルナート及び/又はその幾何異性体以外の前記一般式(1)に表される化合物及び/又はその幾何異性体に関しては、通常市販されている化合物をそのまま、或いは蒸留等の常法に従い精製した後に使用することも可能である。かかる化合物は、ファルネシル酢酸と対応するアルコールから公知のエステル化反応により、或いは市販品のゲファルナートからエステル交換反応により容易に合成することが出来る。
本発明の化粧料は、本発明の前記一般式(1)に表される化合物及び/又はその幾何異性体からなるメラニン産生抑制剤を含有することを特徴とするが、その含有量やその他の構成については特に限定されない。また、本発明の化粧料には、前記一般式(1)に表される化合物及び/又はその幾何異性体からなるメラニン産生抑制剤より選択される1種又は2種以上を含有させることが出来る。さらに、本発明の化粧料の調製方法も特に限定されない。本発明の前記一般式(1)に表される化合物及び/又はその幾何異性体からなるメラニン産生抑制剤の化粧料における含有量には、特段の限定はないが、通常、化粧料全量に対し0.0001質量%以上、好ましくは、0.001質量%以上、より好ましくは、0.01質量%以上であり、通常、10質量%以下、好ましくは、5質量%以下、より好ましくは、3質量%以下である。これは、本発明の前記一般式(1)に表される化合物及び/又はその幾何異性体からなるメラニン産生抑制剤の化粧料全量に対する含有量が、少なすぎると、目的とする効果が低下する傾向があり、多すぎても効果が頭打ちになる傾向があり、この系の自由度を損なう場合があるためである。
本発明の前記一般式(1)に表される化合物及び/又はその幾何異性体からなるメラニン産生抑制剤は、美白効果以外の作用を奏することもある。その様な美白作用以外の作用の発現を目的として本発明の前記一般式(1)に表される化合物及び/又はその幾何異性体からなるメラニン産生抑制剤を含有する化粧料であっても、メラニン産生抑制作用、更には、美白作用が発揮されている場合には、本発明の効果を利用するものであるので、本発明の技術範囲に属する。
本発明の美白用化粧料においては、必須成分の前記一般式(1)に表される化合物及び/又はその幾何異性体からなるメラニン産生抑制剤のほかに、通常の化粧料製造で使用される任意の成分を含有することが出来る。この様な任意の成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボカド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類;流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類;オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類;セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等;イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン;アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類;脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類;塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類;イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類;ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類;ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類;ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類;表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類;表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類;表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類;レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類;ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類;パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸系紫外線吸収剤;桂皮酸系紫外線吸収剤;ベンゾフェノン系紫外線吸収剤;糖系紫外線吸収剤;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類;エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類;ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2又はその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類;α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類等;フェノキシエタノール等の抗菌剤などが好ましく例示出来る。
本発明の化粧料には、前記任意成分の内、特に、抗酸化作用を有する成分を配合することが好ましい。本発明の化粧料に配合する抗酸化作用を有する成分としては、ビタミンA類、その誘導体及びそれらの塩、ビタミンB類、その誘導体及びそれらの塩、ビタミンD類、その誘導体及びそれらの塩、ビタミンE類、その誘導体及びそれらの塩、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)とブチルヒドロキシアニソール及びそれらの塩、フェルラ酸とカフェー酸、その誘導体及びそれらの塩などが好適に例示出来る。かかる抗酸化作用を有する成分の内、好ましいものとしては、α−、β−、γ−、δ−トコフェロール等のビタミンE及び/又はその薬理学的に許容される塩が、さらに好ましくは、δ−トコフェロール及びそれら薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。また、前記の抗酸化作用を有する成分としては、エーザイフード・ケミカル株式会社より市販され、δ−d−トコフェロールを主要な成分とするイーミックス−Dが、特に好ましい。ここで、前記抗酸化作用を有する成分の生理的に許容される塩としては、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、トリエタノールアミンやトリエチルアミン等の有機アミン塩、アンモニウム塩、アルギニンやリジン等の塩基性アミノ酸塩等が好ましく例示出来る。かかる抗酸化作用を有する成分は、前記一般式(1)に表される化合物及び/又はその幾何異性体と共に化粧料等に含有することにより、前記一般式(1)に表される化合物及び/又はその幾何異性体の溶液又は製剤中の安定性を向上する。これにより、前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩を含有する化粧料は、長期間保存した後においても優れた美白効果を発揮することが出来る。この様な効果を奏するためには、前記抗酸化作用を有する成分から選択される1種乃至は2種以上を、総量で、0.001質量%〜15質量%含有することが好ましく、0.01質量%〜10質量%含有することがより好ましい。これは少なすぎると前記効果を奏しない場合が存し、多すぎても、効果が頭打ちになり、この系の自由度を損なう場合が存するためである。
また、本発明の化粧料における本発明のメラニン産生抑制剤の含有質量を1とした時に、前記抗酸化作用を有する成分の含有質量は、好ましくは0.001〜15、より好ましくは0.01〜10、さらに好ましくは0.02〜5である。
本発明の化粧料は、本発明の前記一般式(1)に表される化合物及び/又はその幾何異性体からなるメラニン産生抑制剤、及び前記の任意成分を常法に従って処理し、ローション、乳液、エッセンス、クリーム、パックなどの各種製剤に加工することにより、製造することが出来る。さらに、その剤形としては、化粧料の領域で知られているものであれば特段の限定はなく、ローション製剤、水中油乳化製剤、油中水乳化製剤、複合エマルション乳化製剤等に好ましく例示出来る。複合エマルジョン剤形では、水相を連続相とし、これに油中水乳化物が分散したW/O/W剤形、油相を連続相とし、これに水中油乳化物が分散したO/W/O乳化剤形、これらと油中水乳化剤形の混在系、これらと水中油乳化剤形の混在系などが存し、これらの何れもが適用可能である。
本発明の前記一般式(1)に表される化合物及び/又はその幾何異性体からなるメラニン産生抑制剤、及び前記の任意成分を含む乳化剤形の化粧料の製造は、発明のメラニン産生抑制剤を含む油溶性成分と、水溶性成分をそれぞれ均一に混合してから乳化することにより行うことが好ましい。
本発明は前記一般式(1)に表される化合物及び/又はその幾何異性体と、ビタミンE及び/又はその薬理学的に許容される塩とを含有する、組成物にも関する。本発明の組成物は、前記一般式(1)に表される化合物及び/又はその幾何異性体の安定性に優れ、長期間保存した後においても優れた生理活性を有する。
前記生理活性としては、粘膜抵抗性増強作用、粘液分泌亢進作用及び粘膜微小循環改善作用等の抗潰瘍作用;ドライアイ及び結膜炎等に対する角結膜疾患治療作用;肉芽増生及び痂皮形成促進作用による皮膚損傷治療作用;骨密度増加作用等による骨粗鬆症治療作用;脱毛予防、育毛作用などの養毛作用;シワ改善作用;美白作用が例示でき、特に好ましくは美白作用が例示できる。
本発明の組成物は、好ましくは美白のために用いる。本発明の組成物は、優れた美白効果を有する。
本発明においてビタミンE及び/又はその薬理学的に許容される塩としては、α−、β−、γ−、δ−トコフェロール及び/又はその薬理学的に許容される塩が、さらに好ましくは、δ−トコフェロール及びそれら薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。また、本発明においては、ビタミンE及び/又はその薬理学的に許容される塩として、エーザイフード・ケミカル株式会社より市販され、δ−d−トコフェロールを主要な成分とするイーミックス−Dを用いてもよい。ここで、ビタミンEの生理的に許容される塩としては、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、トリエタノールアミンやトリエチルアミン等の有機アミン塩、アンモニウム塩、アルギニンやリジン等の塩基性アミノ酸塩等が好ましく例示出来る。
本発明の組成物は、医薬品又は化粧料(但し、日本でいう医薬部外品を含む)として用いることが好ましい。
本発明の組成物の剤形は特に限定されず、例えば、カプセル剤、錠剤、顆粒剤、注射剤、坐剤、貼付剤、皮膚外用剤などの剤形とすることができる。製剤化においては、薬剤学的に許容される他の製剤素材、例えば、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、酸化防止剤、着色剤、凝集防止剤、吸収促進剤、溶解補助剤、安定化剤などを適宜添加して調製することができる。
本発明の組成物を皮膚外用剤とする場合には、医薬品又は化粧料の領域で知られているものであれば特段の限定はなく、軟膏剤、ローション製剤、水中油乳化製剤、油中水乳化製剤、複合エマルション乳化製剤等の剤形とすることができる。複合エマルジョン剤形では、水相を連続相とし、これに油中水乳化物が分散したW/O/W剤形、油相を連続相とし、これに水中油乳化物が分散したO/W/O乳化剤形、これらと油中水乳化剤形の混在系、これらと水中油乳化剤形の混在系などが存し、これらの何れもが適用可能である。
本発明は、メラニン産生抑制剤としての使用のための上記一般式(1)に表される化合物及び/又はその幾何異性体に関する。
また、本発明は、美白剤としての使用のための上記一般式(1)に表される化合物及び/又はその幾何異性体である。
これらの発明の好ましい実施の形態は、上述の発明の実施の形態と同様である。
本発明は、上記一般式(1)に表される化合物及び/又はその幾何異性体を投与することを含む、メラニンの産生を抑制する方法に関する。
また、本発明は、上記一般式(1)に表される化合物及び/又はその幾何異性体を投与することを含む美白方法に関する。
これらの発明の好ましい実施の形態は、上述の発明の実施の形態と同様である。
以下に、本発明に付いて、実施例を挙げて更に詳しく説明を加えるが、本発明がかかる実施例のみに限定されないことは言うまでもない。
<試験例1: 培養ヒト正常メラノサイトを用いたメラニン産生抑制試験>
細胞内のメラニン合成過程において特異的にメラニンに取り込まれる2−チオウラシル(本試験では、14Cラベルした2−チオウラシルを使用)を用い、本発明のメラニン産生抑制剤(ゲファルナート)と、ゲファルナートの加水分解物であるゲラニオールについてメラニン産生抑制作用を評価した。尚、本試験に用いたゲファルナートは、AK Scientific, Inc.より、ゲラニオールは、Sigma-Aldrich Co. LLC.より購入したものである。24ウェルのプレートを使用し、メラノサイト培養用完全培地(倉敷紡績株式会社)を用い、9ウェルにそれぞれ1.0×10cells/well/0.5mLの濃度でヒト正常メラノサイト(倉敷紡績株式会社)を播種した。5%二酸化炭素雰囲気下、37℃で24時間培養を行った。その後、全てのウェルについて、以下の条件で培地交換した。即ち、3ウェルは新しいメラノサイト培養用完全培地(コントロール群)に交換し、3ウェルずつ合計6ウェルは100μMの濃度でゲファルナート又はゲラニオールを含有するメラノサイト培養用完全培地に交換した。更に、これらの9ウェルに2−[2−14C]チオウラシル(第一クラリティ株式会社)を0.5μCi/well添加した。そして上記培養条件と同様の条件で更に6日間培養した。培養終了後、各ウェルから培養液を除去し、PBS(リン酸緩衝生理食塩水)で洗浄後、WST−8試薬(株式会社同仁化学研究所)を用い細胞数を測定した。WST−8試薬を除去し、PBSで洗浄後、100(w/v)%トリクロロ酢酸(和光純薬工業株式会社)を使用しウェルの底面より細胞を剥離後、トリクロロ酢酸濃度が10(w/v)%となるように水を加えて希釈し、冷蔵庫で30分間静置した。遠心分離にて細胞を回収した後、各ウェルから回収した細胞における14C−チオウラシル量を液体シンチレーションカウンター(アロカ株式会社)にて測定した。コントロールのウェルから回収した細胞の放射線量に対する、被検物質を含む培地で培養した細胞の放射線量の百分率をそれぞれ求め、メラニン量(%)とした。すなわち、各細胞内に取り込まれた放射線量性が小さい程、メラニン量が小さいと判断することができ、よって、添加された成分のメラニン抑制力価が大きいと判断することが出来る。また、コントロール群と各群間の統計処理は、ダネット検定により行った。結果を図1に示す。
図1に示すように、本発明のメラニン産生抑制剤(ゲファルナート)はメラニン産生抑制作用を示した。しかし、ゲファルナートの加水分解物であるゲラニオールは、メラニン産生抑制作用を示さなかった。
この結果より、ゲファルナートのメラニン産生抑制作用は、その加水分解物によってもたらされるものではないことが明らかとなった。
<製造例1: 本発明の美白用化粧料の製造方法1>
以下の表1に示す処方に従い、本発明の美白用化粧料(乳化剤形)を作製した。即ち、イ及びロの成分を80℃に加熱し、溶解させた後、ロの成分に10質量%水酸化カリウム水溶液を適量加え、pHを6.5に調整した。その後、撹拌しながら、イの成分をロの成分に徐々に加え乳化し、ホモジナイザーで粒子を均一にした後、撹拌冷却し、本発明の美白用化粧料(化粧料1、乳化剤形)を作製した。また同時に、表1の処方成分中、「ゲファルナート」を「水」に置換した比較例1を作製した。
<製造例2: 本発明の美白用化粧料の製造方法2>
以下の表2に示す処方に従い、本発明の美白用化粧料(クリーム剤形)を作製した。即ち、ロの成分を80℃に加熱し、撹拌し、溶解させた後、10質量%水酸化カリウム水溶液を適量加え、pHを6.5に調整した。最後に水を追加し、総重量が524(g)となるようにした(混合物A)。また、イの成分を80℃に加熱し、撹拌し、溶解させた(混合物B)。80℃に加熱した混合物Aを、混合物Bに撹拌しながら徐々に加え、乳化し、ホモジナイザーで粒子を均一化した後、撹拌冷却し、本発明の美白用化粧料(化粧料2、クリーム剤形)を作製した。また同時に、表2の処方成分中、「ゲファルナート」を「水」に置換した比較例2を作製した。
<試験例2: 本発明の美白用化粧料の色素沈着改善作用評価>
実施例2及び3に記載の方法に従い製造された本発明の美白用化粧料(化粧料1及び2)、比較例1及び2に関し、以下の手順に従い色素沈着抑制作用を評価した。自由意思で参加したパネラーの上腕内側部に1.5cm×1.5cmの部位を合計5ケ所設けた。設けた部位に最少紅斑量(1MED)の紫外線照射を1日1回、3日連続して3回照射した。試験1日目の紫外線照射終了時(一回目照射終了後)より、1日2回35日連続して化粧料1及び2、比較例1及び2を50μL塗布した。5部位のうち1部位は無処置部位とした。35回の塗布終了24時間後に色彩色差計(CR-300、コニカミノルタ株式会社)にて各試験部位の皮膚明度(L*値)を測定し、処理部位のL*値と無処理部位L*値の差(ΔL*値=処理部位のL*値−無処理部位L*値)を算出した。L*値は、色素沈着の程度が強いほど低い値となる。従って、ΔL*値が大きいほど、色素沈着が改善されたと判断することが出来る。結果を表3に示す。表3の結果によれば、本発明の化粧料1は、比較例1と比べ高い値を示し、本発明の化粧料2は、比較例2と比べ高い値を示した。このことは、本発明の化粧料1及び2が、優れた美白効果(色素沈着改善効果)示すことが分かる。これは、本発明の化粧料1及び2に含有されるメラニン産生抑制剤(ゲファルナート)による美白効果である。
図1に示すように本発明のメラニン産生抑制剤(ゲファルナート)の加水分解物についてはメラニン産生抑制作用が認められない。したがって、表3に示す本発明のメラニン産生抑制剤(ゲファルナート)による美白効果は、皮膚への塗布後に生成したゲファルナートの加水分解物による効果ではない。
<試験例3: 本発明のメラニン産生抑制剤(ゲファルナート)の安定性試験>
以下の手順に従い、本発明のメラニン産生抑制剤(ゲファルナート)の抗酸化剤(イーミックス−D)による製剤安定性(溶液安定性)試験を実施した。即ち、表4に記載の成分を含有する製剤(溶液)を調製し、60℃にて2週間保管し、その後、高速液体クロマトグラフィーにて製剤(溶液)中のゲファルナート濃度を測定した。測定条件を以下に示す。また、製剤(溶液)中のゲファルナートの残存率は、保管開始時のゲファルナート濃度を100%とし、保管開始時のゲファルナート濃度に対する保管2週間後のゲファルナート濃度の比率として算出した。尚、本試験の製剤(溶媒)としては、トリエチルヘキサノイン(日清オイリオグループ株式会社)、2−エチルヘキサン酸セチル(BASF株式会社)、スクワラン(株式会社岸本特殊肝油工業所)を用いた。また、ゲファルナートは、AK Scientific, Inc.より購入したもの、イーミックス−Dは、エーザイフード・ケミカル株式会社より購入したものを使用した。結果を表4に示す。
<測定条件>
測定装置: ACQUITY UPLC(Waters)
カラム: ACQUITY UPLC BEH C18、1.7μm、2.1φ×100mm(Waters)
ガードカラム: Van Guard BEH C18、1.7μm(Waters)
カラム温度: 40℃
移動相: アセトニトリル(和光純薬工業株式会社)/メタノール(和光純薬工業株式会社)=45/55
流速: 0.35mL/min
注入量: 0.5μL
検出: 210nm
表4の結果より、本発明のメラニン産生抑制剤のゲファルナートは、抗酸化剤と共に配合することにより製剤(溶液)中における分解又は異性化反応が抑制され、安定性が向上することが分かった。上記試験結果より、前記一般式(1)に表される化合物及び/又はその幾何異性体と、抗酸化剤を含有する化粧料は、製剤(溶液)中の安定性が向上し、長期間保存した後においても優れた美白効果を発揮する。
本発明は、美白用化粧料等に応用出来る。

Claims (7)

  1. ゲファルナート(Gefarnate)及び/又はその幾何異性体からなる、メラニン産生抑制剤。
    (ゲファルナート) (2)
  2. 請求項1に記載のメラニン産生抑制剤を含有する、美白用化粧料。
  3. 請求項1に記載のメラニン産生抑制剤を、美白用化粧料全量に対し0.0001質量%〜10質量%含有する、請求項2に記載の美白用化粧料。
  4. さらに、抗酸化剤を含有する、請求項2又は3に記載の美白用化粧料。
  5. 前記抗酸化剤が、ビタミンE及び/又はその薬理学的に許容される塩である、請求項に記載の美白用化粧料。
  6. 美白用化粧料全量に対し、抗酸化剤を0.001質量%〜15質量%含有する、請求項又はに記載の美白用化粧料。
  7. ゲファルナート(Gefarnate)及び/又はその幾何異性体と、ビタミンE及び/又はその薬理学的に許容される塩とを含有美白のために用いる、組成物。
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