JP2004189044A - 洗車機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】洗車機本体10に、高圧ノズル13,14を設けるとともに高圧ポンプ20を搭載した。高圧ポンプ20を、地上側の水供給手段5からの給水ホース21に接続するとともに、高圧ホース23を介して高圧ノズル13,14に接続し、高圧ポンプ20内に水Wを残した状態で水抜きを行う水抜き手段30を設けた。朝一番(初回)の洗浄を行うに高圧ポンプを運転したとき、高圧ポンプに水が残っていることで、高圧水の給水を迅速(直ぐに)に行え、1台目の高圧洗浄は、待ち時間を最小にできて、洗車時間は長くならない。高圧ポンプに水が残っていることで、呼び水など給水する必要がなく、多段式ポンプであったとしても破損を招くことを防止できる。水抜き手段によって、高圧ポンプ内に水を残した状態で、給水ホースや高圧ホースの水抜きを行える。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば給油所に設置され、洗車に使用される洗車機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の洗車機としては、次のような構成が提供されている。すなわち、地上側に、水道などの水源より供給される洗浄水を貯える給水装置が設けられ、ポンプの駆動に伴い給水ホースを介して洗車機本体に送水している。給水ホースにより送られてきた洗浄水は、本体各部に設けられた散布ノズルにより散布され、そして、その一部は分岐管路に分流されて、本体に搭載された高圧ポンプへ供給される。この高圧ポンプが駆動されると、分岐管路より送られる洗浄水を加圧して下部洗浄ノズルへ送り、下部洗浄ノズルからの高圧水によって高圧スプレーを行う。なお分岐管路には、高圧ポンプの駆動時に開路させる電磁弁が設けられている(たとえば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−105040号公報(第3頁、第2図)
【0004】
【特許文献2】
実願昭62−67509号(実開昭63−173592号)のマイクロフィルム(第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した従来構成によると、寒冷地用などの水抜きに使用するための特別な動作は組み込まれていない。そのため、高圧スプレーによる洗浄をするときに、高圧水が出るまでの間、待ち時間が発生し、洗車時間が長くなってしまう。また、分岐管路などにより形成される高圧回路の水抜きを行う場合、高圧回路の全体を水抜きするため、呼び水が必要な多段式ポンプの中も水抜きしてしまい、このとき多段式ポンプの破損を招くこともある。
【0006】
そこで本発明の請求項1記載の発明は、高圧回路における水抜きを、高圧ポンプ内に水を残した状態で行える洗車機を提供することを目的としたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明の請求項1記載の洗車機は、被洗浄車両と洗車機本体を相対移動させながら、前記被洗浄車両に対して洗車を行う洗車機であって、洗車機本体には、高圧ノズルが設けられるとともに高圧ポンプが搭載され、この高圧ポンプは、地上側の水供給手段からの給水ホースに接続されるとともに、高圧ホースを介して高圧ノズルに接続され、前記高圧ポンプ内に水を残した状態で水抜きを行う水抜き手段が設けられていることを特徴としたものである。
【0008】
したがって請求項1の発明によると、水供給手段によって地上側の水を、給水ホースを介して高圧ポンプ側へ給水し得る。そして、高圧ポンプに電源を入れて運転することにより、この高圧ポンプは、給水ホースからの水を吸い込んだのち高圧ホースへ高圧水を吐き出すことになり、この高圧水を、高圧ノズルから被洗浄車両へ噴射し得、以て高圧スプレーによる高圧洗浄を行える。たとえば朝一番(初回)の洗浄を行う前に、高圧ポンプ内の部分には水が残っており、そして給水ホースと高圧ホースとは水抜きを行っている。この状態で高圧ポンプに電源を入れて運転したとき、高圧ポンプに水が残っていることで、高圧水の給水を迅速(直ぐに)に行える。さらに、高圧ポンプに水が残っていることで、呼び水など給水する必要がない。そして、たとえば1日の洗車を終えたとき、水抜き手段によって、高圧ポンプ内に水を残した状態で、給水ホースや高圧ホースの水抜きを行える。
【0009】
また本発明の請求項2記載の洗車機は、上記した請求項1記載の構成において、水抜き手段は、少なくとも給水ホース中に設けられる開閉弁と、この開閉弁から高圧ポンプ内へ亘っての残水留まり部を除いてエアーの供給を行う水抜きエアー供給装置とからなることを特徴としたものである。
【0010】
したがって請求項2の発明によると、たとえば朝一番(初回)の洗浄を行う前に、開閉弁は常閉姿勢にあり、高圧ポンプへの通水を停止するとともに、高圧ポンプは運転停止、水抜き手段は作用停止にある。このとき、高圧ポンプ内から開閉弁に亘っての残水溜まり部に水が残っており、そして給水ホースにおける開閉弁から上手の部分と高圧ホースとは水抜きを行っている。そして、たとえば1日の洗車を終えたとき、開閉弁を閉動させたのち、エアー供給手段によって残水溜まり部を除いてエアーの供給を行うことで、そのエアー圧によって、残水溜まり部を除いた給水ホースや高圧ホースに残っている水を押し出して排出し得る。
【0011】
そして本発明の請求項3記載の洗車機は、上記した請求項1または2記載の構成において、洗車機本体に、少なくとも高圧ポンプの保温を行う加熱手段が設けられていることを特徴としたものである。
【0012】
したがって請求項3の発明によると、加熱手段によって高圧ポンプを保温することで、水の凍結などを防止し得る。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の第1の実施の形態を、移動式の洗車機に採用した状態として図1〜図4に基づいて説明する。
【0014】
図1、図2において、門形の洗車機本体10は複数個の車輪11を介してレール12上に載置されており、走行駆動装置(図示せず。)の作動により一定経路上で往復走行される。洗車機本体10には、被洗浄車両(普通乗用車など。)1の洗浄手段として、その前部に、上部高圧ノズル13と側部高圧ノズル14とが配設されるとともに、前部から後部に亘って、第1洗浄水アーチと、第1洗剤アーチと、第2洗浄水アーチと、撥水コート剤アーチ(コーティング剤アーチの一例)と、第2洗剤アーチと、ワックスアーチ(コーティング剤アーチの一例)とが、この順で配設されている(いずれも図示せず。)。これらアーチは、高圧ノズル13,14を除く水使用部を構成する。
【0015】
さらに洗車機本体10には、被洗浄車両1の乾燥手段として、トップノズル、左右一対のサイドノズル、ならびに両ノズルに同時に連通して風を供給する左右一対のブロワ装置が設けられるとともに、被洗浄車両1をブラッシングする手段として、サイドブラシやロッカーブラシやトップブラシが配設されている(いずれも図示せず。)。
【0016】
前記洗車機本体10には水分配手段(水パネル)15が設けられ、この水分配手段15は、弁群の制御などによって、前記高圧ノズル13,14を除く前述した水使用部へ分水供給するものである。前記水分配手段15は、地上側の水供給手段5に主給水ホース8を介して接続されている。前記水供給手段5は、貯水タンク6と、この貯水タンク6内に配設される水中ポンプ7などからなり、この水中ポンプ7に前記主給水ホース8の始端が接続されている。なお主給水ホース8は、洗車機本体10の移動に追従するようにガイド体9に支持案内され、そして終端が前記水分配手段15に接続されている。
【0017】
前記洗車機本体10に高圧ポンプ20が搭載され、この高圧ポンプ20は、前記主給水ホース8からの分岐給水ホース(給水ホースの一例)21に接続されるとともに、高圧ホース23を介して前記高圧ノズル13,14に接続されている。
【0018】
すなわち、主給水ホース8の中間部分に分岐体22が設けられ、この分岐体22に分岐給水ホース21の始端が接続されるとともに、分岐給水ホース21の終端が高圧ポンプ20の吸い込み口20aに接続されている。また、高圧ポンプ20の吐き出し口20bに高圧ホース23の始端が接続され、この高圧ホース23は分岐体24を介して分岐されたのち、それぞれの終端が高圧ノズル13,14に接続されている。
【0019】
前記高圧ポンプ20に接続される分岐給水ホース21と高圧ホース23との部分には、高圧ポンプ20内に水Wを残した状態で水抜きを行う水抜き手段30が設けられている。すなわち水抜き手段30は、分岐給水ホース21中に設けられる第1開閉弁31と、高圧ホース23中に設けられる第2開閉弁32と、これら開閉弁31,32から高圧ポンプ20内へ亘っての残水留まり部25を除いてエアーAの供給を行う水抜きエアー供給装置33とからなる。ここで開閉弁31,32は常閉形式が採用されている。
【0020】
前記水抜きエアー供給装置33は、第1開閉弁31の少し上手において分岐体34を介して分岐給水ホース21から分岐される排出ホース35と、第2開閉弁32の少し下手において合流体37を介して高圧ホース23に合流される給気ホース38とを有している。そして、排出ホース35中には常閉形式の第3開閉弁36が設けられ、また給気ホース38中には常閉形式の第4開閉弁39と逆止弁40とが設けられている。ここで逆止弁40は、第4開閉弁39の下手に位置され、給気ホース38側からの流入を阻止するように配置されている。
【0021】
なお、分岐給水ホース21の適所や給気ホース38の始端は、エアー供給手段(図示せず。)に接続されている。上記の34〜40などにより水抜きエアー供給装置33の一例が構成され、そして、上記の31〜40などにより水抜き手段30の一例が構成される。
【0022】
前記洗車機本体10には、高圧ポンプ20や弁31,32,36,39などを囲む状態で保温ボックス45が設けられている。そして、保温ボックス45内で高圧ポンプ20の近くには、少なくとも高圧ポンプ20の保温を行う加熱手段(ヒーターなど。)46が設けられている。
【0023】
以下に、上記した第1の実施の形態における作用を説明する。
図1、図2は、たとえば朝一番(初回)の洗浄を行う前を示している。すなわち、各開閉弁31,32,36,39は常閉姿勢にあり、高圧ポンプ20への通水を停止するとともに、高圧ポンプ20は運転停止、水抜き手段30は作用停止にある。このとき、高圧ポンプ20内から第1開閉弁31と第2開閉弁32とに亘っての残水溜まり部25には水Wが残っており、そして分岐給水ホース21における第1開閉弁31から上手の部分と、高圧ホース23における第2開閉弁32から下手の部分では水抜きを行っている(かかる状態への詳細は後述する。)。なお、たとえば寒冷地においては、加熱手段46によって保温ボックス45内を加熱しており、以て残水溜まり部25の水Wが凍結などされることを防止している。
【0024】
この状態で、水供給手段5の水中ポンプ7を運転させることにより、貯水タンク6内の水Wを、主給水ホース8を介して水分配手段15へ給水し得る。そして第3開閉弁36を開動させることで、主給水ホース8から分岐体22を介して分岐給水ホース21への給水を行え、以て分岐給水ホース21における第1開閉弁31から上手の部分にあったエアーを、排出ホース35を通して排出し得る。これにより分岐給水ホース21内の全長に亘って充水し得、そして第3開閉弁36を閉動させる。このような第3開閉弁36の開閉動による充水作用は予め設定されており、短時間で自動的に行われる。
【0025】
このように分岐給水ホース21内に充水した条件下において、図1、図2は高圧スプレーを行わない状態での洗浄を示している。すなわち、水中ポンプ7の運転により、貯水タンク6内の水を、主給水ホース8を介して水分配手段15へ給水しており、したがって洗浄工程に応じて弁群が制御されることで、高圧ノズル13,14を除く水使用部へ分水供給して、被洗浄車両1に対する洗浄を行える。
【0026】
そして、洗浄工程に応じて高圧スプレーを行うときには、図3に示すように、第1開閉弁31と第2開閉弁32とを開動させるとともに、高圧ポンプ20に電源を入れる。これにより高圧ポンプ20を運転し得、以て分岐給水ホース21の水Wを吸い込み口20aを通して吸い込んだのち、吐き出し口20bから高圧ホース23へ高圧水PWを吐き出すことになる。この高圧水PWは、高圧ノズル13,14から被洗浄車両1へ噴射され、以て高圧スプレーによる高圧洗浄を行える。
【0027】
その後、第1開閉弁31と第2開閉弁32とを閉動させるとともに、高圧ポンプ20への電源を断つことによって、高圧スプレーを行わない状態での洗浄に戻し得、そしてワックス掛けなどの洗浄工程が行われることで、所期の1台目の洗車を終える。なお2台目(2台目以降)の洗車は、充水作用を除いて同様にして行える。
【0028】
上述したような1台目の洗車においては、残水溜まり部25に水Wが残っていることで、高圧ポンプ20を運転したとき、高圧水PWの給水を迅速(直ぐに)に行え、以て1台目の高圧洗浄は、待ち時間は最小となり、洗車時間は長くならないことになる。さらに、残水溜まり部25に水Wが残っていることで呼び水など給水する必要がないことから、呼び水が必要な多段式ポンプであったとしても破損を招くことを防止し得る。
【0029】
たとえば1日の洗車を終えたとき、水抜き手段30によって、高圧ポンプ20内を含む残水留まり部25に水Wを残した状態で水抜きを行う。すなわち図4に示すように、第1開閉弁31と第2開閉弁32とを閉動させるとともに,第3開閉弁36と第4開閉弁39とを開動させたのち、エアー供給手段によって分岐給水ホース21の適所や給気ホース38の始端に対してエアーAの供給を行う。
【0030】
すると、分岐給水ホース21へ供給されるエアーAのエアー圧によって、第1開閉弁31よりも上手に残っている水Wを排出ホース35へと押し出すことになり、以て排出ホース35を通して水Wを排出し得る。また、給気ホース38へ供給されるエアーAが逆止弁40などを介して高圧ホース23へ流入し、そのエアー圧によって、第2開閉弁32よりも下手に残っている水Wを高圧ホース23内から押し出して排出し得る。
【0031】
これにより、高圧ポンプ20内から第1開閉弁31と第2開閉弁32とに亘っての残水溜まり部25には水Wが残り、そして分岐給水ホース21における第1開閉弁31から上手の部分と、高圧ホース23における第2開閉弁32から下手の部分では水抜きを行える。その後に第3開閉弁36と第4開閉弁39とを閉動させることで、図1、図2に示す最初の状態となる。
【0032】
このように、貯水タンク6を地上側に配設し、水分配手段15を介しての水分配による低圧の水洗浄と、高圧ポンプ20の運転による高圧の水洗浄との両方により洗車を行う洗車機において、洗車機本体10に高圧ポンプ20を予め搭載していることで、現地での高圧ポンプ20の設置工事を不要にし得るとともに、この高圧ポンプ20と高圧ノズル13,14とを接続する高圧ホース23の使用長さを最小長さにし得、以て全体のコストダウンを可能にし得る。
【0033】
次に、本発明の第2の実施の形態を、図5〜図8に基づいて説明する。
この第2の実施の形態は、前述した第1の実施の形態に対して水抜き手段の構成を異にしている。すなわち、高圧ポンプ20に接続される分岐給水ホース21と高圧ホース23との部分には、高圧ポンプ20内に水Wを残した状態で水抜きを行う水抜き手段50が設けられている。
【0034】
この水抜き手段50は、分岐給水ホース21中に設けられる第1開閉弁51と、この第1開閉弁51よりも上手の分岐給水ホース21の部分と高圧ホース23との間に分岐体52と接続体53とを介して設けられるバイパス配管54と、前記第1開閉弁51から高圧ポンプ20内へ亘っての残水留まり部25を除いてエアーAの供給を行う水抜きエアー供給装置56とからなる。ここでバイパス配管54には逆止弁55が設けられ、この逆止弁55は高圧ホース23側からの流入を阻止するように配置されている。なお、第1開閉弁51は常開形式が採用されている。
【0035】
前記水抜きエアー供給装置56は、前記バイパス配管54の接続部よりも上手において分岐給水ホース21中に設けられる第2開閉弁57と、この第2開閉弁57の少し上手において分岐体58を介して分岐給水ホース21から分岐される排出ホース59と、第2開閉弁57とバイパス配管54の接続部との間において合流体61を介して分岐給水ホース21に合流される給気ホース62とを有している。そして、排出ホース59中には常閉形式の第3開閉弁60が設けられ、また給気ホース62中には逆止弁63が設けられている。ここで逆止弁63は、分岐給水ホース21側からの流入を阻止するように配置されている。
【0036】
なお、給気ホース62の始端は、エアー供給手段(図示せず。)に接続されている。上記の57〜63などにより水抜きエアー供給装置56の一例が構成され、そして、上記の51〜63などにより水抜き手段50の一例が構成される。
【0037】
以下に、上記した第2の実施の形態における作用を説明する。
図5、図6は、たとえば朝一番(初回)の洗浄を行う前を示している。すなわち、第1開閉弁51は常開姿勢、第2、第3開閉弁57,60は常閉姿勢にあり、高圧ポンプ20への通水を停止するとともに、高圧ポンプ20は運転停止、水抜き手段50は作用停止にある。このとき、高圧ポンプ20内からバイパス配管54の接続部下方とに亘っての残水溜まり部25には水Wが残っており、そしてバイパス配管54と、分岐給水ホース21におけるバイパス配管54の接続部から上手の部分と、高圧ホース23におけるバイパス配管54の接続部から下手の部分では水抜きを行っている(かかる状態への詳細は後述する。)。なお、たとえば寒冷地においては、加熱手段46によって保温ボックス45内を加熱しており、以て残水溜まり部25の水Wが凍結などされることを防止している。
【0038】
この状態で、水供給手段5の水中ポンプ7を運転させることにより、貯水タンク6内の水Wを、主給水ホース8を介して水分配手段15へ給水し得る。そして第2開閉弁57を開動させることで、主給水ホース8から分岐体22を介して分岐給水ホース21への給水を行え、以て分岐給水ホース21からバイパス配管54を経て高圧ホース23に至る配管部分にあったエアーを、高圧ホース23を通して排出し得る。これにより分岐給水ホース21からバイパス配管54を経て高圧ホース23に至る配管部分の全長に亘って充水し得、そして第2開閉弁57を閉動させる。このような第2開閉弁57の開閉動による充水作用は予め設定されており、短時間で自動的に行われる。
【0039】
このように分岐給水ホース21からバイパス配管54を経て高圧ホース23に至る配管部分に充水した条件下において、図5、図6は高圧スプレーを行わない状態での洗浄を示している。すなわち、水中ポンプ7の運転により、貯水タンク6内の水を、主給水ホース8を介して水分配手段15へ給水しており、したがって洗浄工程に応じて弁群が制御されることで、高圧ノズル13,14を除く水使用部へ分水供給して、被洗浄車両1に対する洗浄を行える。
【0040】
そして、洗浄工程に応じて高圧スプレーを行うときには、図7に示すように、第2開閉弁57を開動させるとともに、高圧ポンプ20に電源を入れる。なお、第1開閉弁51は既に開動している。これにより高圧ポンプ20を運転し得、以て分岐給水ホース21の水Wを吸い込み口20aを通して吸い込んだのち、吐き出し口20bから高圧ホース23へ高圧水PWを吐き出すことになる。この高圧水PWは、高圧ノズル13,14から被洗浄車両1へ噴射され、以て高圧スプレーによる高圧洗浄を行える。
【0041】
その後、第2開閉弁57を閉動させるとともに、高圧ポンプ20への電源を断つことによって、高圧スプレーを行わない状態での洗浄に戻し得、そしてワックス掛けなどの洗浄工程が行われることで、所期の1台目の洗車を終える。なお2台目(2台目以降)の洗車は、充水作用を除いて同様にして行える。
【0042】
上述したような1台目の洗車においては、残水溜まり部25に水Wが残っていることで、高圧ポンプ20を運転したとき、高圧水PWの給水を迅速(直ぐに)に行え、以て1台目の高圧洗浄は、待ち時間は最小となり、洗車時間は長くならないことになる。さらに、残水溜まり部25に水Wが残っていることで呼び水など給水する必要がないことから、呼び水が必要な多段式ポンプであったとしても破損を招くことを防止し得る。
【0043】
たとえば1日の洗車を終えたとき、水抜き手段50によって、高圧ポンプ20内を含む残水留まり部25に水Wを残した状態で水抜きを行う。すなわち図8に示すように、第1開閉弁51と第2開閉弁57とを閉動させるとともに,第3開閉弁60を開動させたのち、エアー供給手段によって給気ホース62の始端に対してエアーAの供給を行う。
【0044】
すると、給気ホース62へ供給されるエアーAが逆止弁63などを介して分岐給水ホース21の両開閉弁51,57間へ流入し、そのエアー圧によって、分岐給水ホース21における両開閉弁51,57間からバイパス配管54に残っている水Wを高圧ホース23へと押し出すとともに、高圧ホース23内の水Wも押し出して排出し得る。また、分岐給水ホース21において第2開閉弁57よりも上手に残っている水Wは、自重によって、排出ホース59を通して排出し得る。
【0045】
これにより、高圧ポンプ20内から第1開閉弁51の近くのレベルに亘っての残水溜まり部25には水Wが残り、そしてバイパス配管54と、分岐給水ホース21におけるバイパス配管54の接続部から上手の部分と、高圧ホース23におけるバイパス配管54の接続部から下手の部分では水抜きを行える。その後に第1開閉弁51を開動させるとともに第3開閉弁60を閉動させることで、図5、図6に示す最初の状態となる。
【0046】
なお、第1開閉弁51として常開形式が採用されているが、これは常閉形式で、高圧ポンプ20の作動時のみ開となる構成であってもよい。
上記した実施の形態のように、被洗浄車両1と洗車機本体10を相対移動させながら、被洗浄車両1に対して洗車を行う洗車機であって、洗車機本体10に、水分配手段15と高圧ノズル13,14とを設け、水分配手段15は、高圧ノズル13,14を除く水使用部分へ分水供給するもので、地上側の水供給手段5に主給水ホース8を介して接続し、洗車機本体10に高圧ポンプ20を搭載し、この高圧ポンプ20を、主給水ホース8からの分岐給水ホース21に接続するとともに、高圧ホース23を介して高圧ノズル13,14に接続した構成によると、水供給手段5によって地上側の水を、主給水ホース8を介して水分配手段15へ給水でき、そして洗浄工程に応じて、高圧ノズル13,14を除く水使用部へ分水供給することで、被洗浄車両1に対して高圧スプレーを行わない洗浄を行うことができ、また洗浄工程に応じて、高圧ポンプ20に電源を入れて運転することにより、この高圧ポンプ20は、分岐給水ホース21からの水Wを吸い込んだのち高圧ホース23へ高圧水PWを吐き出すことになり、この高圧水PWを、高圧ノズル13,14から被洗浄車両1へ噴射でき、以て高圧スプレーによる高圧洗浄を行うことができ、このように、地上側の水Wを使用し、水分配手段15を介しての水分配による低圧の水洗浄と、高圧ポンプ20の運転による高圧の水洗浄との両方により洗車を行うことができる洗車機でありながら、洗車機本体10に高圧ポンプ20を予め搭載していることで、高圧ポンプ20の組み付けは全て工場で行うことができ、現地での高圧ポンプ20の設置工事を不要にできるとともに、この高圧ポンプ20と高圧ノズル13,14とを接続する高圧ホース23の使用長さを最小長さにでき、以て全体のコストダウンを可能にできる。
【0047】
上記した実施の形態では、洗車機本体10のみを移動させ、洗車機本体10と被洗浄車両1を相対移動させて、被洗浄車両1の洗車を行う形式が示されているが、これは洗車機本体10を固定状態とし、ローラコンベヤ(車両移動手段)を用いて被洗浄車両1を前後に移動させて、相対移動するようにするようにした形式などであってもよい。また、洗車機本体10を、洗浄手段を備えた前部本体と乾燥手段を備えた後部本体とに分離し、これら前部本体と後部本体とを各別に移動可能とした形式などであってもよい。
【0048】
上記した実施の形態では、1日の洗車を終えたとき、水抜き手段30,50によって、高圧ポンプ20内を含む残水留まり部25に水Wを残した状態で水抜きを行っているが、たとえば寒冷地で洗車回数の少ないときには、各回の洗車が終わる毎に水抜き手段30,50によって水抜きを行ってもよい。
【0049】
上記した実施の形態では、水抜き手段30,50として、残水留まり部25を除いてエアーAの供給を行う水抜きエアー供給装置33,56を有する形式を示しているが、これは手動または自動による弁操作によって、水Wを自重により自然に排出させる形式などであってもよい。
【0050】
上記した実施の形態では、洗車機本体10に高圧ポンプ20などを収納する保温ボックス45を設け、この保温ボックス45内を加熱手段46によって加熱する形式を示しているが、これは保温ボックス45を省略し、加熱手段46により高圧ポンプ20のみを加熱する形式などであってもよい。また、たとえば温暖地で水Wの凍結などが生じない地域においては、加熱手段46が省略された形式などであってもよい。
【0051】
上記した実施の形態において、分岐給水ホース21、高圧ホース23、排出ホース35,59、給気ホース38,62のそれぞれは、可撓性ホースまたは剛性ホース(配管)のいずれであってもよく、また両者を適宜に接続したものであってもよい。
【0052】
上記した実施の形態では、洗車機本体10の前部に上部高圧ノズル13と側部高圧ノズル14とが配設されているが、高圧ノズルの配設位置や数は任意に設定されるものである。
【0053】
上記した実施の形態では、水供給手段5に接続した主給水ホース8からの分岐給水ホース21を高圧ポンプ20に接続した形式を示しているが、これは水供給手段5からの別ルートの給水ホースを、水分配手段15と高圧ポンプ20とにそれぞれ接続した形式などであってもよい。
【0054】
上記した実施の形態では、たとえば朝一番(初回)の洗浄を行う際に、水供給手段5の水中ポンプ7を運転して、貯水タンク6内の水Wを、主給水ホース8を介して水分配手段15へ給水し、そして開閉弁36,57を開動させることで、主給水ホース8から分岐体22を介して分岐給水ホース21へ給水を行い、配管部分にあったエアーを、ホース35,23を通して排出して、配管部分の全長に亘って充水しいるが、このような開閉弁36,57の開閉操作などは、分岐給水ホース21内の水抜き時のみ行って、洗浄を行う際の充水時には行わない形式であってもよい。
【0055】
【発明の効果】
上記した本発明の請求項1によると、水供給手段によって地上側の水を、給水ホースを介して高圧ポンプ側へ給水できる。そして、高圧ポンプに電源を入れて運転することにより、この高圧ポンプは、給水ホースからの水を吸い込んだのち高圧ホースへ高圧水を吐き出すことになり、この高圧水を、高圧ノズルから被洗浄車両へ噴射でき、以て高圧スプレーによる高圧洗浄を行うことができる。たとえば朝一番(初回)の洗浄を行う前に、高圧ポンプ内の部分には水が残り、そして給水ホースと高圧ホースとは水抜きしている。この状態で高圧ポンプに電源を入れて運転したとき、高圧ポンプに水が残っていることで、高圧水の給水を迅速(直ぐに)に行うことができ、以て1台目の高圧洗浄は、待ち時間を最小にできて、洗車時間は長くならないことになる。さらに、高圧ポンプに水が残っていることで、呼び水など給水する必要がないことになり、呼び水が必要な多段式ポンプであったとしても破損を招くことを防止できる。そして、たとえば1日の洗車を終えたとき、水抜き手段によって、高圧ポンプ内に水を残した状態で、給水ホースや高圧ホースの水抜きを行うことができる。
【0056】
また上記した本発明の請求項2によると、たとえば朝一番(初回)の洗浄を行う前に、開閉弁は常閉姿勢にあり、高圧ポンプへの通水を停止するとともに、高圧ポンプは運転停止、水抜き手段は作用停止にあり、このとき、高圧ポンプ内から開閉弁に亘っての残水溜まり部に水が残り、そして給水ホースにおける開閉弁から上手の部分と高圧ホースとは水抜きしている。そして、たとえば1日の洗車を終えたとき、開閉弁を閉動させたのち、エアー供給手段によって残水溜まり部を除いてエアーの供給を行うことで、そのエアー圧によって、残水溜まり部を除いた給水ホースや高圧ホースに残っている水を押し出して排出できる。これにより、開閉弁から高圧ポンプ内へ亘っての残水溜まり部に水を残した状態で、給水ホースや高圧ホースの水抜きを容易に確実に行える。
【0057】
そして上記した本発明の請求項3によると、加熱手段によって高圧ポンプを保温することで、水の凍結などを防止でき、以て寒冷地などに容易に設置できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示し、洗車機における配管状態の概略側面図である。
【図2】同水抜き状態での要部の側面図である。
【図3】同高圧洗浄状態での要部の側面図である。
【図4】同水抜き作用時での要部の側面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態を示し、洗車機における配管状態の概略側面図である。
【図6】同水抜き状態での要部の側面図である。
【図7】同高圧洗浄状態での要部の側面図である。
【図8】同水抜き作用時での要部の側面図である。
【符号の説明】
1 被洗浄車両
5 水供給手段
6 貯水タンク
7 水中ポンプ
8 主給水ホース
10 洗車機本体
13 上部高圧ノズル
14 側部高圧ノズル
15 水分配手段
20 高圧ポンプ
21 分岐給水ホース(給水ホース)
23 高圧ホース
25 残水留まり部
30 水抜き手段
31 第1開閉弁
32 第2開閉弁
33 水抜きエアー供給装置
35 排出ホース
36 第3開閉弁
38 給気ホース
39 第4開閉弁
45 保温ボックス
46 加熱手段
50 水抜き手段
51 第1開閉弁
54 バイパス配管
56 水抜きエアー供給装置
57 第2開閉弁
59 排出ホース
62 給気ホース
A エアー
W 水
PW 高圧水
Claims (3)
- 被洗浄車両と洗車機本体を相対移動させながら、前記被洗浄車両に対して洗車を行う洗車機であって、
洗車機本体には、高圧ノズルが設けられるとともに高圧ポンプが搭載され、この高圧ポンプは、地上側の水供給手段からの給水ホースに接続されるとともに、高圧ホースを介して高圧ノズルに接続され、前記高圧ポンプ内に水を残した状態で水抜きを行う水抜き手段が設けられていることを特徴とする洗車機。 - 水抜き手段は、少なくとも給水ホース中に設けられる開閉弁と、この開閉弁から高圧ポンプ内へ亘っての残水留まり部を除いてエアーの供給を行う水抜きエアー供給装置とからなることを特徴とする請求項1記載の洗車機。
- 洗車機本体に、少なくとも高圧ポンプの保温を行う加熱手段が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の洗車機。
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