JP2004187995A - ゴルフパタークラブ - Google Patents
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Abstract
【課題】ゴルフ球に順スピンをかけることができ、ゴルフ球を素直な玉筋で前方に転がし出すことができるオーバーロフトゴルフパタークラブを提供する。
【解決手段】グリップを手にしたゴルファーが、地面に対してシャフト軸が目前を通る垂直面内に来るようアドレスし、肩の付近に設定したスイング軸の回りにスイングし、前記シャフト下端に備えたヘッド前方に置かれた球を前記ヘッドのフェース面で叩いてカップ方向に投球するのに用いられるゴルフパタークラブにおいて、前記ヘッドの前記フェース面を、前記シャフト軸の前方に設け、
前記フェース面の下端位置がその上端位置より後方に来るよう、一定角度傾斜させたことを特徴とするゴルフパタークラブ。
【選択図】 図1
【解決手段】グリップを手にしたゴルファーが、地面に対してシャフト軸が目前を通る垂直面内に来るようアドレスし、肩の付近に設定したスイング軸の回りにスイングし、前記シャフト下端に備えたヘッド前方に置かれた球を前記ヘッドのフェース面で叩いてカップ方向に投球するのに用いられるゴルフパタークラブにおいて、前記ヘッドの前記フェース面を、前記シャフト軸の前方に設け、
前記フェース面の下端位置がその上端位置より後方に来るよう、一定角度傾斜させたことを特徴とするゴルフパタークラブ。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴルフパタークラブに関し、詳しくはゴルフ球に順スピンをかけることができ、ゴルフ球を素直な玉筋で前方に転がし出すことができるゴルフパタークラブに関する。
【0002】
【従来の技術】
ゴルフパタークラブとしてはPタイプのものと、マレットタイプのものが知られており、各ゴルファーの好みに応じて使い分けられている。各ゴルフパタークラブは直線的なシャフトの下端にヘッドを有し、後端にグリップを有する。各ゴルファーは、グリップを手にし、一般には、地面に対してシャフト軸を目前を通る垂直面内に来るようアドレスを取り、肩の付近に設定したスイング軸の回りにスイングし、ヘッド前方に置かれた球を前記ヘッドのフェース面で叩いてカップ方向に投球する。
【0003】
ところが、前記ヘッドで叩かれたゴルフ球は、素直に直進するとは限らない。1つには、ゴルフ球に逆スピン、即ち、転がり方向と逆方向のスピンがかかるという問題である。また1つには、飛球角度が高く、投球強度(速度)が大きいと、ゴルフ球が高く飛び上り、着地地点で逆スピンを受けつつ跳ね、ゴルファーの思い通りの動きをしなくなるという問題点である。ゴルフパタークラブは、グリーン上での繊細なプレーを行うものであり、プレーとしては正確性が重要であり、ゴルフパタークラブとしては、素直な球を打てることが最も重要なファクターである。
【0004】
従来の正確性向上を目的としたゴルフパタークラブの例としては、例えば特開2001−120695号公報(ゴルフパター)の例がある。このゴルフパタークラブは、フェース面とクラブ軸たるシャフト部の交差角度を0〜12°程度に設定し、前記シャフト部へのヘッド取付点をゴルファー側から見て前後均等とすると共に、ヘッド重心を飛球方向に対し前記取付けより後方位置としたものである。これにより、競技者が片手で、かつ自然体で楽にパッティング動作を行うことができ、しかもスイートスポットエリアが広く全体のバランスも良く、パッティングの正確性向上を図ることができるとされている。しかし、このパタークラブは、あくまで競技者が片手操作することを目的として、片手操作による自然体、即ちシャフトが0〜12°曲った状態においてフェース面が垂直となる様にしたものである。即ち、正確性向上のためには投球時のフェース面が垂直であることと説明されている。
【0005】
しかしながら、通常ゴルフにおいて、投球時にフェース面が垂直であると、比較的素直に前方に飛び出すが、ゴルフ球にスピンがかからないので、飛球は僅か飛び跳ねた後の落下地点で回転開始し、そのときの摩擦状態、ひねりの状態にて曲り、減速して素直に飛ばず、不満足な結果となる。
【0006】
これに対し、フェース面の下端を上端に対し7°近く前方に傾斜させた例があるが、この場合には、ゴルフ球の赤道下部を投球して、球を上方に持ち上げ、前方に飛ばすことができるが、大きな逆スピンがかかり、投球の前方への転がりが悪く、かつ方向性が悪くなる。
【0007】
ゴルフパターでは、グリーン上での1〜10mの投球において、軽く、又は強く投球し、狙いを正確にしてカップ方向に投球しなければならない。そのために、いかなる強さで投球するも、順スピンを使っての素直な玉筋で前方に叩き出せることが理想的である。
【0008】
また、従来の順スピンをかけることのできるゴルフパタークラブとしては、実用新案登録第3057456号公報(オーバースピンパター)がある。これは、フェース面の縦幅を通常のもの25mmに対し、その2倍程度に広くし、かつ0〜5°の逆のロフトをつけ、球の中心をヘッド重心で打つことにより、順スピンをかけやすくするというものである。
【0009】
しかしながら、このオーバースピンパターは、順スピンをかけやすくすることはできるが、必ず順スピンがかけられるとは限らない。また、必要十分なスピンがかけられるとも限らない。実験によれば、ロフト角度が0°〜1°の場合は、ほとんど順スピンがかからず、パタータイプ及びアドレス状態によって異なる。さらに、ロフト角度4〜5°では、投球が打った直後、地面から跳ね上る傾向も見られ、素直な投球が得られない。加えて、フェース面の縦幅を通常のパターより広くすると、通常ゴルファーにとっては、その弊害が生じ、アドレスし難く返ってプレーし難くなるという問題点が有る。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−120695号公報、第1頁、図1
【0011】
【特許文献2】
実用新案登録第3057456号公報、第1頁、図1
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術に鑑みて本発明は、グリーン上での通常ゴルフにおいて、順スピンを伴っての素直な玉筋でゴルフ球を投球することができる理想的なゴルフパタークラブを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明のゴルフパタークラブは、グリップを手にしたゴルファーが、地面に対してシャフト軸を目前を通る垂直面内としてアドレスし、肩の付近に設定したスイング軸の回りにスイングし、ヘッド前方に置かれた球を前記ヘッドのフェース面で叩いてカップ方向に投球するのに用いられるゴルフパタークラブにおいて、
前記ヘッドの前記フェース面を、前記クラブ軸の前方に設け、
前記フェース面の下端位置がその上端位置より後方に来るよう、一定角度傾斜させたことを特徴とする。
【0014】
前記傾斜の角度は、3±1℃が好ましく、丁度3°が最適である。丁度3°と定めた場合にも、製作上の誤差1°を含めて3±1°となる。
【0015】
本発明のゴルフパタークラブでは、目前を通る垂直面内でシャフト軸を構えてスタンスをとるとき、フェース面は、その下端が上端より後方に来る傾斜面とされているので、投球時のフェース面は、正規のアドレスでは、必ずゴルフ球の赤道上部で接触し、かつフェース面がシャフト軸より前方に位置するので、フェース面がゴルフ球に接触したとき、フェース面がゴルフ球を押し上げる方向の力が発生し、投球に順スピンをかけることができる。
【0016】
赤道上部での接触位置と、スピンの量は、フェース面の傾斜角度の関数であり、この値を3±1°とするので、共に好ましい。
【0017】
表1、表2、表3に平面グリーン、上りグリーン、下りグリーンにおける夫々の転がり実験結果を示す。表4には、各グリーンについての方向性の実験結果を示す。表中、θは、フェース面の下端が上端より後方にくるときの傾斜角度を示す。Nは、実験回数を示す。スイング角度は、一様に15°に設定した。
【0018】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
表1に示されるように、平面グリーン、上りグリーン、下りグリーン共に、θ=5°までにおいて、傾斜角度θが大となるほど、順スピン量が大となって、転がり量が大となる。その程度は、1〜2°においては小さいが、3°以上で漸次増大する。この限りにおいて、傾斜角度θは3°以上が好ましいと言える。一方で、表4に示されるように、傾斜角度θが4°以上となると平面グリーンにあってはやや跳ね上りの現象が発生し、上りグリーンにあっては、跳ね上り現象が発生する。即ち、傾斜角度θ=4°以上では、ゴルフ球を地面に押し下げる力の発生によって打球直後の跳ね上り現象の傾向が出始めるので、玉筋に素直さが出なくなる恐れがある。
【0019】
以上の実験結果より、傾斜角度が2°未満の場合にはスピンの量が微小で効果が小さい。また、傾斜角度を4°以上とする場合には、投球を地面に向かって押し下げる作用が発生し、投球の跳ね上り現象が発生する。
【0020】
そこで本発明のゴルフパタークラブでは、傾斜角度θを3±1℃(4°を除く)とし、順スピンをかけつつ、素直に前方に転がし出すことができるようにした。
【0021】
従って、本発明のゴルフパタークラブによれば、シャフト軸を目前を通る垂直面内に位置させるアドレスを取ることを条件として、ゴルフ球に順スピンをかけることができ、ゴルフ球を素直な玉筋で前方に転がし出すことができる。上りグリーンであっても下りグリーンであっても同様である。
【0022】
3°±1°の傾斜角度は、微妙であるが、この微妙さに加えてアドレス角度の調節を加えれば、プロの技にて更に妙味の有るプレーが可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の一実施の形態を説明する。図1及び図2は、本発明の一実施形態に係る、ゴルフパタークラブの側面図を示す。
【0024】
図1に示すように、本発明の一実施形態に係るゴルフパタークラブ1は、シャフト2の下端にヘッド3を有すると共に、手元にグリップ4を備えている。ヘッド3の縦幅は、ゴルフ球5の直径42mmに対し例えば25mmとされる。この点、通常市販のゴルフパタークラブと異なるところがない。
【0025】
図1において、ゴルファー(図示せず)は、紙面前方で芝6上に立ち、グリップ4を両手に取り、肩の高さで定まるスイング軸7を基準として、シャフト2を目前でスイングする。ここでは、シャフト2の直線部分を通る線をシャフト軸8と呼び、スイング角度をαとする。本発明では、アドレスにおいて、シャフト軸8を地面9に対し垂直面内にとるものとする。これは、通常、当然のスタンスである。
【0026】
本発明の一実施形態に係るゴルフパタークラブ1では、ヘッド3の前方のフェース面3Fの下端を上端より後方に3°傾斜させている。また、フェース面3Fの少なくとも中心、実際には全体をシャフト2の中心軸より前方に位置させている。シャフト2の中心軸は、即ちシャフト軸8であるので、フェース面3Fは、アドレス時において、スイングされる垂直なシャフト軸8より、前方に位置することとなる。フェース面3Fは、NCミルド等で平滑に仕上る。正確なプレーを行うためには、ゴルファーのフェース面3Fの制御が必要であり、通常通りの簡素さが必要だからである。
【0027】
以上の構成のゴルフパタークラブ1の作用を図2を用いて示す。まず、フェース面3Fは傾斜角3°とされ、フェース面3Fはアドレス時に垂直なシャフト軸8の前方に位置するよう構成されている。従って、ゴルフパタークラブ1を、図1に示したスイング軸7の回りでスイングすると、フェース面3Fは、3°の角度をもってゴルフ球と接触する。接触位置は、計算上、ゴルフ球の直径を42mmとしてゴルフ球5の中心5Cを通る赤道5Eの1.09mm上方位置となる。
【0028】
ゴルフ球5へのフェース面3Fの接触点PSが赤道5Eの僅か上方位置であるので、ゴルフ球5の飛方向5Rはほぼ水平となる。点PSは接触寸前の点を、点PEは、離反時の点を示す。離反点PEは、接触点PSより、僅かに上方となる。スイング軸7と各点PS、PEを通る線を10、11で示す。点PS及び点PEは、共にスイング軸7の回りの円弧12上に位置するので、ゴルフ球5に順方向13のスピンがかかる。
【0029】
以上により、本発明のゴルフパタークラブ1でパッティングをすると、正規のアドレススタンスを取ること、即ちシャフト軸8を地面9に垂直にすることを条件として、3°の傾斜角をもつフェース面3Fでゴルフ球5を前方に飛ばすことができる。このとき、ゴルフ球5には順方向13のスピンがかかり、素直に前方に転がる。
【0030】
以上示したゴルフパタークラブにおいて、傾斜角を3°とする点は重要である。既に示したように、1〜2°の角度では、十分なスピンが得られない。また、4°以上ではゴルフ球5を下方に押し下げる作用が強く跳ね上り現象を示すからである。
【0031】
図3に示すように、スイング速度を大とすると、スピンの量も大となる。傾斜の角度が2°以上の場合、所望のスピンが得られる。この限りにおいて傾斜の角度はより大きくとも良い。しかし、図4に示すように、傾斜の角度を4°以上とすると、ゴルフ球5を下に押し下げ跳ねより現象が発生する。これらの点から本発明の傾斜角度は2°以上、4°未満で、3°が丁度良い値となる。
【0032】
平面グリーン、上りグリーン、下りグリーンであっても同様である。ただし、上りグリーンにあっては、他に対し、より大きなスイング力を必要とする。このため、表4に示すように、跳ね上り現象が大となる傾向が見られる。しかるに本発明では、傾斜の角度を4°未満とするので、全ての場合に対応して、跳ね上りのない素直な玉筋の得られるゴルフパタークラブと為すことができる。アドレス角度で微調整が効くのも妙味のある事項である。
【0033】
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変形することができ、各種態様で実施できる。
【0034】
【発明の効果】
以上の通り、本発明のゴルフパタークラブは、フェース面をシャフト軸の前方に位置させると共に、フェース面の下端を上端に対し後方に位置させたオーバロフト型のゴルフパタークラブであるので、通常アドレスによるスタンスで順スピンをかけて投球することができる。また、オーバロフトの傾斜角度を3°とするので、十分な順スピンを得て、かつ跳ね上りがなく、素直でよく転がる投球をすることができる。アドレス角度で、微妙な調節ができるのも、プロ級の技の有る者にとっては、妙味のある事項である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るゴルフパタークラブの使用状況を示す側面図である。
【図2】図1に示すゴルフ球及びヘッド部分を拡大して示す部分拡大側面説明図である。
【図3】スイング速度に対するスピン量の実施例を比較例と共に示す線図である。
【図4】ロフト傾斜角度に対する飛行方向角度の実施例を比較例と共に示す線図である。
【符号の説明】
1 ゴルフパタークラブ
2 シャフト
3 ヘッド
3F フェース面
4 グリップ
5 ゴルフ球
5C ゴルフ球の中心
5E ゴルフ球の赤道
5R 飛方向
6 芝
7 スイング軸
8 シャフト軸
9 地面
10 スイング軸と接触点を通る線
11 スイング軸と離反点を通る線
12 スイング軸の回りの円弧
13 順方向
α スイング角度
θ 傾斜角
PS 接触点
PE 離反点
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴルフパタークラブに関し、詳しくはゴルフ球に順スピンをかけることができ、ゴルフ球を素直な玉筋で前方に転がし出すことができるゴルフパタークラブに関する。
【0002】
【従来の技術】
ゴルフパタークラブとしてはPタイプのものと、マレットタイプのものが知られており、各ゴルファーの好みに応じて使い分けられている。各ゴルフパタークラブは直線的なシャフトの下端にヘッドを有し、後端にグリップを有する。各ゴルファーは、グリップを手にし、一般には、地面に対してシャフト軸を目前を通る垂直面内に来るようアドレスを取り、肩の付近に設定したスイング軸の回りにスイングし、ヘッド前方に置かれた球を前記ヘッドのフェース面で叩いてカップ方向に投球する。
【0003】
ところが、前記ヘッドで叩かれたゴルフ球は、素直に直進するとは限らない。1つには、ゴルフ球に逆スピン、即ち、転がり方向と逆方向のスピンがかかるという問題である。また1つには、飛球角度が高く、投球強度(速度)が大きいと、ゴルフ球が高く飛び上り、着地地点で逆スピンを受けつつ跳ね、ゴルファーの思い通りの動きをしなくなるという問題点である。ゴルフパタークラブは、グリーン上での繊細なプレーを行うものであり、プレーとしては正確性が重要であり、ゴルフパタークラブとしては、素直な球を打てることが最も重要なファクターである。
【0004】
従来の正確性向上を目的としたゴルフパタークラブの例としては、例えば特開2001−120695号公報(ゴルフパター)の例がある。このゴルフパタークラブは、フェース面とクラブ軸たるシャフト部の交差角度を0〜12°程度に設定し、前記シャフト部へのヘッド取付点をゴルファー側から見て前後均等とすると共に、ヘッド重心を飛球方向に対し前記取付けより後方位置としたものである。これにより、競技者が片手で、かつ自然体で楽にパッティング動作を行うことができ、しかもスイートスポットエリアが広く全体のバランスも良く、パッティングの正確性向上を図ることができるとされている。しかし、このパタークラブは、あくまで競技者が片手操作することを目的として、片手操作による自然体、即ちシャフトが0〜12°曲った状態においてフェース面が垂直となる様にしたものである。即ち、正確性向上のためには投球時のフェース面が垂直であることと説明されている。
【0005】
しかしながら、通常ゴルフにおいて、投球時にフェース面が垂直であると、比較的素直に前方に飛び出すが、ゴルフ球にスピンがかからないので、飛球は僅か飛び跳ねた後の落下地点で回転開始し、そのときの摩擦状態、ひねりの状態にて曲り、減速して素直に飛ばず、不満足な結果となる。
【0006】
これに対し、フェース面の下端を上端に対し7°近く前方に傾斜させた例があるが、この場合には、ゴルフ球の赤道下部を投球して、球を上方に持ち上げ、前方に飛ばすことができるが、大きな逆スピンがかかり、投球の前方への転がりが悪く、かつ方向性が悪くなる。
【0007】
ゴルフパターでは、グリーン上での1〜10mの投球において、軽く、又は強く投球し、狙いを正確にしてカップ方向に投球しなければならない。そのために、いかなる強さで投球するも、順スピンを使っての素直な玉筋で前方に叩き出せることが理想的である。
【0008】
また、従来の順スピンをかけることのできるゴルフパタークラブとしては、実用新案登録第3057456号公報(オーバースピンパター)がある。これは、フェース面の縦幅を通常のもの25mmに対し、その2倍程度に広くし、かつ0〜5°の逆のロフトをつけ、球の中心をヘッド重心で打つことにより、順スピンをかけやすくするというものである。
【0009】
しかしながら、このオーバースピンパターは、順スピンをかけやすくすることはできるが、必ず順スピンがかけられるとは限らない。また、必要十分なスピンがかけられるとも限らない。実験によれば、ロフト角度が0°〜1°の場合は、ほとんど順スピンがかからず、パタータイプ及びアドレス状態によって異なる。さらに、ロフト角度4〜5°では、投球が打った直後、地面から跳ね上る傾向も見られ、素直な投球が得られない。加えて、フェース面の縦幅を通常のパターより広くすると、通常ゴルファーにとっては、その弊害が生じ、アドレスし難く返ってプレーし難くなるという問題点が有る。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−120695号公報、第1頁、図1
【0011】
【特許文献2】
実用新案登録第3057456号公報、第1頁、図1
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術に鑑みて本発明は、グリーン上での通常ゴルフにおいて、順スピンを伴っての素直な玉筋でゴルフ球を投球することができる理想的なゴルフパタークラブを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明のゴルフパタークラブは、グリップを手にしたゴルファーが、地面に対してシャフト軸を目前を通る垂直面内としてアドレスし、肩の付近に設定したスイング軸の回りにスイングし、ヘッド前方に置かれた球を前記ヘッドのフェース面で叩いてカップ方向に投球するのに用いられるゴルフパタークラブにおいて、
前記ヘッドの前記フェース面を、前記クラブ軸の前方に設け、
前記フェース面の下端位置がその上端位置より後方に来るよう、一定角度傾斜させたことを特徴とする。
【0014】
前記傾斜の角度は、3±1℃が好ましく、丁度3°が最適である。丁度3°と定めた場合にも、製作上の誤差1°を含めて3±1°となる。
【0015】
本発明のゴルフパタークラブでは、目前を通る垂直面内でシャフト軸を構えてスタンスをとるとき、フェース面は、その下端が上端より後方に来る傾斜面とされているので、投球時のフェース面は、正規のアドレスでは、必ずゴルフ球の赤道上部で接触し、かつフェース面がシャフト軸より前方に位置するので、フェース面がゴルフ球に接触したとき、フェース面がゴルフ球を押し上げる方向の力が発生し、投球に順スピンをかけることができる。
【0016】
赤道上部での接触位置と、スピンの量は、フェース面の傾斜角度の関数であり、この値を3±1°とするので、共に好ましい。
【0017】
表1、表2、表3に平面グリーン、上りグリーン、下りグリーンにおける夫々の転がり実験結果を示す。表4には、各グリーンについての方向性の実験結果を示す。表中、θは、フェース面の下端が上端より後方にくるときの傾斜角度を示す。Nは、実験回数を示す。スイング角度は、一様に15°に設定した。
【0018】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
表1に示されるように、平面グリーン、上りグリーン、下りグリーン共に、θ=5°までにおいて、傾斜角度θが大となるほど、順スピン量が大となって、転がり量が大となる。その程度は、1〜2°においては小さいが、3°以上で漸次増大する。この限りにおいて、傾斜角度θは3°以上が好ましいと言える。一方で、表4に示されるように、傾斜角度θが4°以上となると平面グリーンにあってはやや跳ね上りの現象が発生し、上りグリーンにあっては、跳ね上り現象が発生する。即ち、傾斜角度θ=4°以上では、ゴルフ球を地面に押し下げる力の発生によって打球直後の跳ね上り現象の傾向が出始めるので、玉筋に素直さが出なくなる恐れがある。
【0019】
以上の実験結果より、傾斜角度が2°未満の場合にはスピンの量が微小で効果が小さい。また、傾斜角度を4°以上とする場合には、投球を地面に向かって押し下げる作用が発生し、投球の跳ね上り現象が発生する。
【0020】
そこで本発明のゴルフパタークラブでは、傾斜角度θを3±1℃(4°を除く)とし、順スピンをかけつつ、素直に前方に転がし出すことができるようにした。
【0021】
従って、本発明のゴルフパタークラブによれば、シャフト軸を目前を通る垂直面内に位置させるアドレスを取ることを条件として、ゴルフ球に順スピンをかけることができ、ゴルフ球を素直な玉筋で前方に転がし出すことができる。上りグリーンであっても下りグリーンであっても同様である。
【0022】
3°±1°の傾斜角度は、微妙であるが、この微妙さに加えてアドレス角度の調節を加えれば、プロの技にて更に妙味の有るプレーが可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の一実施の形態を説明する。図1及び図2は、本発明の一実施形態に係る、ゴルフパタークラブの側面図を示す。
【0024】
図1に示すように、本発明の一実施形態に係るゴルフパタークラブ1は、シャフト2の下端にヘッド3を有すると共に、手元にグリップ4を備えている。ヘッド3の縦幅は、ゴルフ球5の直径42mmに対し例えば25mmとされる。この点、通常市販のゴルフパタークラブと異なるところがない。
【0025】
図1において、ゴルファー(図示せず)は、紙面前方で芝6上に立ち、グリップ4を両手に取り、肩の高さで定まるスイング軸7を基準として、シャフト2を目前でスイングする。ここでは、シャフト2の直線部分を通る線をシャフト軸8と呼び、スイング角度をαとする。本発明では、アドレスにおいて、シャフト軸8を地面9に対し垂直面内にとるものとする。これは、通常、当然のスタンスである。
【0026】
本発明の一実施形態に係るゴルフパタークラブ1では、ヘッド3の前方のフェース面3Fの下端を上端より後方に3°傾斜させている。また、フェース面3Fの少なくとも中心、実際には全体をシャフト2の中心軸より前方に位置させている。シャフト2の中心軸は、即ちシャフト軸8であるので、フェース面3Fは、アドレス時において、スイングされる垂直なシャフト軸8より、前方に位置することとなる。フェース面3Fは、NCミルド等で平滑に仕上る。正確なプレーを行うためには、ゴルファーのフェース面3Fの制御が必要であり、通常通りの簡素さが必要だからである。
【0027】
以上の構成のゴルフパタークラブ1の作用を図2を用いて示す。まず、フェース面3Fは傾斜角3°とされ、フェース面3Fはアドレス時に垂直なシャフト軸8の前方に位置するよう構成されている。従って、ゴルフパタークラブ1を、図1に示したスイング軸7の回りでスイングすると、フェース面3Fは、3°の角度をもってゴルフ球と接触する。接触位置は、計算上、ゴルフ球の直径を42mmとしてゴルフ球5の中心5Cを通る赤道5Eの1.09mm上方位置となる。
【0028】
ゴルフ球5へのフェース面3Fの接触点PSが赤道5Eの僅か上方位置であるので、ゴルフ球5の飛方向5Rはほぼ水平となる。点PSは接触寸前の点を、点PEは、離反時の点を示す。離反点PEは、接触点PSより、僅かに上方となる。スイング軸7と各点PS、PEを通る線を10、11で示す。点PS及び点PEは、共にスイング軸7の回りの円弧12上に位置するので、ゴルフ球5に順方向13のスピンがかかる。
【0029】
以上により、本発明のゴルフパタークラブ1でパッティングをすると、正規のアドレススタンスを取ること、即ちシャフト軸8を地面9に垂直にすることを条件として、3°の傾斜角をもつフェース面3Fでゴルフ球5を前方に飛ばすことができる。このとき、ゴルフ球5には順方向13のスピンがかかり、素直に前方に転がる。
【0030】
以上示したゴルフパタークラブにおいて、傾斜角を3°とする点は重要である。既に示したように、1〜2°の角度では、十分なスピンが得られない。また、4°以上ではゴルフ球5を下方に押し下げる作用が強く跳ね上り現象を示すからである。
【0031】
図3に示すように、スイング速度を大とすると、スピンの量も大となる。傾斜の角度が2°以上の場合、所望のスピンが得られる。この限りにおいて傾斜の角度はより大きくとも良い。しかし、図4に示すように、傾斜の角度を4°以上とすると、ゴルフ球5を下に押し下げ跳ねより現象が発生する。これらの点から本発明の傾斜角度は2°以上、4°未満で、3°が丁度良い値となる。
【0032】
平面グリーン、上りグリーン、下りグリーンであっても同様である。ただし、上りグリーンにあっては、他に対し、より大きなスイング力を必要とする。このため、表4に示すように、跳ね上り現象が大となる傾向が見られる。しかるに本発明では、傾斜の角度を4°未満とするので、全ての場合に対応して、跳ね上りのない素直な玉筋の得られるゴルフパタークラブと為すことができる。アドレス角度で微調整が効くのも妙味のある事項である。
【0033】
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変形することができ、各種態様で実施できる。
【0034】
【発明の効果】
以上の通り、本発明のゴルフパタークラブは、フェース面をシャフト軸の前方に位置させると共に、フェース面の下端を上端に対し後方に位置させたオーバロフト型のゴルフパタークラブであるので、通常アドレスによるスタンスで順スピンをかけて投球することができる。また、オーバロフトの傾斜角度を3°とするので、十分な順スピンを得て、かつ跳ね上りがなく、素直でよく転がる投球をすることができる。アドレス角度で、微妙な調節ができるのも、プロ級の技の有る者にとっては、妙味のある事項である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るゴルフパタークラブの使用状況を示す側面図である。
【図2】図1に示すゴルフ球及びヘッド部分を拡大して示す部分拡大側面説明図である。
【図3】スイング速度に対するスピン量の実施例を比較例と共に示す線図である。
【図4】ロフト傾斜角度に対する飛行方向角度の実施例を比較例と共に示す線図である。
【符号の説明】
1 ゴルフパタークラブ
2 シャフト
3 ヘッド
3F フェース面
4 グリップ
5 ゴルフ球
5C ゴルフ球の中心
5E ゴルフ球の赤道
5R 飛方向
6 芝
7 スイング軸
8 シャフト軸
9 地面
10 スイング軸と接触点を通る線
11 スイング軸と離反点を通る線
12 スイング軸の回りの円弧
13 順方向
α スイング角度
θ 傾斜角
PS 接触点
PE 離反点
Claims (2)
- グリップを手にしたゴルファーが、地面に対してシャフト軸が目前を通る垂直面内に来るようアドレスし、肩の付近に設定したスイング軸の回りにスイングし、前記シャフト下端に備えたヘッド前方に置かれた球を前記ヘッドのフェース面で叩いてカップ方向に投球するのに用いられるゴルフパタークラブにおいて、
前記ヘッドの前記フェース面を、前記シャフト軸の前方に設け、
前記フェース面の下端位置がその上端位置より後方に来るよう、一定角度傾斜させたことを特徴とするゴルフパタークラブ。 - 請求項1に記載のゴルフパタークラブにおいて、前記傾斜の角度は、3°であることを特徴とするゴルフパタークラブ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002360785A JP2004187995A (ja) | 2002-12-12 | 2002-12-12 | ゴルフパタークラブ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002360785A JP2004187995A (ja) | 2002-12-12 | 2002-12-12 | ゴルフパタークラブ |
Publications (1)
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JP2004187995A true JP2004187995A (ja) | 2004-07-08 |
Family
ID=32759767
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002360785A Pending JP2004187995A (ja) | 2002-12-12 | 2002-12-12 | ゴルフパタークラブ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004187995A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017501012A (ja) * | 2014-01-21 | 2017-01-12 | カン−ヨン・パク | 見続けながらパッティングする測面スイングパター |
-
2002
- 2002-12-12 JP JP2002360785A patent/JP2004187995A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017501012A (ja) * | 2014-01-21 | 2017-01-12 | カン−ヨン・パク | 見続けながらパッティングする測面スイングパター |
US10022596B2 (en) | 2014-01-21 | 2018-07-17 | Kwang-Young Park | Side swing putter |
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