JP2512761Y2 - パタ―ヘッド - Google Patents

パタ―ヘッド

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JP2512761Y2
JP2512761Y2 JP1993023007U JP2300793U JP2512761Y2 JP 2512761 Y2 JP2512761 Y2 JP 2512761Y2 JP 1993023007 U JP1993023007 U JP 1993023007U JP 2300793 U JP2300793 U JP 2300793U JP 2512761 Y2 JP2512761 Y2 JP 2512761Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、ゴルフ競技用クラブに
含まれるパターのヘッドの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本文中のゴルフ競技、ゴルフ・クラブに
関する用語、名称については、ゴルフ規則の文中に記載
されているもの、並びに、ゴルファーが習慣的に使用し
ているものを、ゴルフ規則の意図に従って使用してい
る。
【0003】パターは、ゴルフを競技する時に使用する
ゴルフ・クラブに含まれる打球用具の一つである。他の
クラブが主として、ゴルフ・ボール、(以下ボールと称
する)を空中に浮上させて所定の飛距離を得ることを目
的としているのに対して、パターは、主としてグリーン
(ボールを転がす目的のために、芝を短く刈っている場
所)上に埋設されたカップ(内径約108mm)にボー
ル(外径約42.6mm)を転がし入れる目的でデザイ
ンされたクラブである。パターによるショットは、各ホ
ール(原則として全部で18ホールズ)のファイナル・
ショットであるため、最もメンタルな影響を強く受ける
ショットである、と言われ、微妙なフィーリングと力加
減が大きな要素を占めるショットであり、アドレス(ボ
ールを打つため、クラブをボールに接触しないでボール
の側にセットする構え)とスウィングの些細なミスがボ
ールの転がりに大きく影響を与えるショットである。
【0004】図11は、最も単純な構造にデザインされ
た伝統的なパターヘッドの概略を表す斜視図、図12
は、図11の平面図、並びに図13は、図11の正面図
を示している。この型式のパターは、フェース部材Fと
ネックNとシャフトS及びシャフトSの先端のグリップ
GR(図面上では省略、図5参照)により構成され、フ
ェース部材FとネックNで構成される部分をパターヘッ
ドと称している。規則上では、ネックNはパターヘッド
を構成する必要条件ではなく、パターヘッドはフェース
部材Fだけでも構成し得る。又、フェース部材Fは、略
滑かなフェース1(規則上の必要条件)を持ち、フェー
ス部材Fの背面3(フェース1の反対側)には、この型
式のパターヘッドでは他の部材の接続もなく、単純な形
状をしている。又、フェース部材Fの最下部、即ち、ア
ドレスの時に、芝面TFに接触するか、又は芝面TFに
最も近い位置にある部分は、ソール2を形成している。
フェース部材Fの厚みは、規則上では、インパクト(ボ
ールBをフェース1で打つ瞬間)の時点でボールBの動
きに不当な影響(スプリング効果等)を与えない範囲の
強度があれば任意である。
【0005】フェース1の面上にスィート・スポットS
S(以下SSと称する)が存在する。SSは、インパク
トの時点で、フェース1面上のSSの位置でボールを打
った場合に、最も効果的にエネルギーをボールBに伝達
することが可能な点であり、いわゆる撃心点と言える。
SSの位置は略、フェース部材の左右、上下の長さと質
量の配分によって決められる、と考えられる。
【0006】図11のフェース1の面上のSSより、d
だけ外してボールBを打った場合、インパクト時点でS
Sを通る垂直軸Cを中心として、ボールBによってフェ
ース1を回転させようとする力bが働く。dが大きくな
ると、フェース1を回転させようとする力bも強くな
り、その分ボールBを弾くエネルギーが無駄に消費さ
れ、ボールBの転がる距離は低下する。しかし、実際に
はフェース1のSSで常に正確にボールを打つことは、
プロゴルファーでも至難なことである。
【0007】図14は、最近多く使用されているパター
のパターヘッドの概略を示す斜視図、図15は、図14
の平面図、図16は、図14の正面図を示している。最
近では、図14、図15、図16で示すように、厚みの
薄いフェース部材Fの背面3のトオーTとヒールH方向
に沿って、フランジ部材FLを接続させ、ソール2の巾
をスウィング方向に大きくし、重心Gの深度(フェース
1からパターヘッドの重心までの距離)を大きくし、パ
ターヘッドの慣性モーメントを大きくして、フェース1
の面上のSSの効果範囲をトオーTとヒールH方向に広
くする。即ち、SSを点としてでなく、エリアーSSA
として、SSの効果範囲を広げるように工夫されるよう
になった。上記の工夫により、現在使用されているパタ
ーの多くはインパクトの時点で、SSをトオーT)又は
ヒールH側に少しぐらい外しても、ボールBの転がり距
離に与える影響を少なくするようにデザインされるよう
になっている。
【0008】しかも、この方式のパターヘッドは、フラ
ンジ部材FL、特にソール2を形成するスウィング方向
の巾が大きく厚くなるので、この部分に質量の配分が集
中し、又、パターヘッドの重心Gが深く低く(図16
照)なるので、スウィングのバランスがよく、バック・
スウィングやダウン・スウィングがスムーズになり、重
心Gが低いと、アッパー方向(上向きの方向)にボール
を打ちやすく、ボールにトップスピンを与えて、ボール
の回転をスムーズにする効果もある。しかし反面、結果
として、フランジ部材FLを低く接続することにより、
フェース1の面上のSS(SSA)の位置が低くなり過
ぎる欠点が生ずる。即ち、トオーとヒール方向にSSの
効果を拡大することは可能になっても、反面垂直方向の
SSの位置が低くなり過ぎる問題が発生する。
【0009】図17は、パターによるショットの時の、
アドレス時点におけるボールBとフェース1のSSの位
置との関係を、ボールBに対するパターヘッドのSSの
中心部の垂直断面で示している。
【0010】ボールBの外径Dは、規定により約42.
6mm(以上であれば可)であり、ボールBが水平な芝
面TF上に静止している場合、ボールBの水平赤道Eの
芝面TFからの高さh−eは、42.6mm×1/2=
21.3mmと、計算される。
【0011】しかし、実際にはボールBはBLで芝面T
Fに点接触して、接触点BLでボールBの全重量約46
gを負担しているので、ボールBは柔らかな芝面TFの
表面より沈んでいる、と考えるべきである。芝芽の長さ
h−tは、グリーン・コンディションにもよるが、通常
は3〜5mmの範囲内と考えられる。
【0012】従って、実際にグリーン上でパターのショ
ットを実施する場合、芝面TFに対するボールBの沈み
深さ3.5mm(平均値)としたときの、ボールBの水
平赤道Eの芝面TFからの実際の高さh−eは、42.
6mm×1/2−3.5mm→約18mm)と推定され
る。即ち、パターのフェース1が芝面TFに対して垂直
に維持され、パターのソール2が芝面TFをすれすれに
接触しながらインパクトを迎えた場合、フェース1の面
上の、ソール2の最下端(即ち、通常はパターヘッドの
最下端)より垂直に計測して18mmの高さを通過する
水平面とフェース1との交線(=h−e)で、ボールB
の水平赤道Eが打たれる。
【0013】現在多くのゴルファーに使用されている拡
大SS型のパターのSSの高さh−sは、パターヘッド
の最下端より垂直距離で10mm前後であるので、上記
の芝面からボールBの水平赤道Eまでの高さh−eとの
差が8mm前後生ずることになる。即ち、現在のパター
の多くは、パターのソールを芝面に滑らせながら、イン
パクトの時点でフェースを垂直にしてボールを打つと、
ボールはフェースのSSの上の方に当たり、SSには当
たらない。図19、図20、図21は、前記フェース部
材Fに対するフランジ部材FLの取付け位置を上下に変
化させてSSの高さ位置を変えて、SSの位置によるイ
ンパクト時点に於けるパターショットの変化を、ボール
に対するパターヘッドの正面図で示している。現在、ゴ
ルファーの多くが使用している図20に示すようにフラ
ンジ部材FLが低い位置に備えられてトオーとヒール方
向にSSが拡大されたパターで、ボールをフェースのS
Sで打つためには、フェース部材Fのソール2を芝面T
Fより8mm前後浮かせて打つか、又は、図20中矢印
で示されているように、ボールBの水平赤道Eの下の面
をフェース1で、アッパーブローの方向10に打たなけ
ればならない。即ち、フェース1は、インパクトの時点
で既に上向きにボールBの水平赤道Eの下に当たるの
で、フェース1の面上のSSの位置が低くても、SSで
打つことは可能である。従って、「現在のパターの多く
は、アッパーブローに打つようにできている」と、言わ
れているのも、過言ではない。
【0014】図20のように、インパクトの時点でアッ
パーブローの方向10に打つことは、ボールBにトップ
スピン11が与えられ、ボールBの前進方向の回転がイ
ンパクト直後に開始されるのでボールBの前進に対して
芝の抵抗を受けにくい。しかし、インパクトの時点で、
フェース1の位置が、ボールBの水平赤道Eの下に入り
過ぎたり、打つ力が強すぎると、インパクト直後にボー
ルBは空中に浮上し、芝面に落下後に、芝面に接触して
いる部分が芝面の抵抗を受けてから、前進方向の回転
(トップスピン11)が開始されるので、アッパーブロ
ーの程度、ボールを打つ力加減に熟練を要し、ゴルフを
職業としているプロ・ゴルファーでも、この技術の習得
に多くの時間を費やす程である。
【0015】インパクト直後からボールにトップスピン
を与える最も確実な打ち方の基本は、図19に示されて
いるように、パターのフェース1をアドレスで垂直に構
え、インパクトの時点でもフェース1を垂直の状態でボ
ールBの水平赤道Eを打ち、フェース1がインパクト後
にアッパーブローの方向10に振り抜ける打ち方であ
る、と言われている。即ち、アドレス、インパクトにお
けるフェースの状態の基準が明確であり、ショットの練
習のときでも、フィーリングに依存する要素が少ない。
しかし、現在使用されているパターの多くは、上記の打
ち方では、前述したようにフェースSSの位置でボール
を打つことは、不可能である。
【0016】上記の打ち方を実施し、フェースのSS
で、ボールの水平赤道を適確にヒットするには、フェー
ス上のSSの位置の設定がパターのデザイン上重要な課
題となる。前述し、図17に示されたように、インパク
トの時点でフェース1が芝面TFに対して垂直に維持さ
れて、ソール2を芝面TFすれすれに接触させながら、
ボールBの水平赤道Eを打った場合、フェース1の面上
にボールBが接触する位置は、前述したように、パター
ヘッドのソール2の最下端より垂直に計測して、18m
mの高さを越えない、と理解される。実際には、メンタ
ルで微妙な力加減を必要とするパターのショットで、ダ
ウンスウィングの途中で意図的にソールを芝面に接触さ
せることは、ダフリ(ソールが芝面をかんだり、芝面を
バウンドする)のリスクもあるので、極めて熟練を要す
る。
【0017】通常は、図18で示すように、スウィング
中は芝面TFとパターのソール2との間h−2には、個
人差はあるが通常は平均で3mm程度の間隔(芝面に対
するソールの浮せ高さ)がある、と考えられる。従っ
て、インパクトの時点でフェースを芝面TFに垂直に維
持してボールBを打った場合、パターヘッドの最下端よ
り垂直に計測して15mmの高さを通過する水平面SF
(以下SS基準面SFと称する)とフェース1との交線
を中心として15mm(SFの高さ)±3mmのフェー
ス1上の高さの範囲内(以下SSエリア−SSAと称す
る)でボールに当たる、と推定できる。このSSエリア
−SSAの位置は、実際にパターヘッドのフェース上に
マーク・シートを張り、テストを行った結果と略完全に
一致する。
【0018】即ち、パターのフェースを芝面に垂直にし
てインパクトを迎える場合、フェース上のSSの位置
は、SS基準面SFとフェース1の交線くらいの高さが
必要であり、現在多く使用されているトオーとヒール方
向にSSが拡大されている型のパターでは、上記の打ち
かたをするためには、SSの位置が低すぎることが解
る。
【0019】SSの位置を、現在多く使用されているS
Sの効果がトオーとヒール方向に拡大されているパター
ヘッドより高くするには、パターヘッドを大きくし、フ
ェース部材の高さを高くするか、又は、フェース部材の
背面にフランジ部材を接続させて、フェース部材の質量
の配分を高い位置に集中させれば可能である。パターヘ
ッドを大きくしたパターが一時流行したこともあった
が、パターヘッド全体の重量が増えるので、材質上の問
題とフィーリング上の問題が発生し、現在使用者は希で
ある。
【0020】フェース部材の背面の高い位置にフランジ
部材を接続させると、フェース上のSSの位置を少なく
とも、フランジ部材の接続位置近くに高くすることがで
きる。フランジ部材の接続位置によって、パターヘッド
のSSの位置の高低を調節する考え方は、パターのデザ
イン上効果的な手段であるが、高すぎると図21で示さ
れているように、ダウン・ブローの方向13にフェース
1が抜け易く、ボールBにバックスピン12がかかり、
ボールBの転がり距離のコントロールが難しい。
【0021】以上のように、一般のゴルファーが使用し
ている従来のパターのパターヘッドの多くは、フェース
上のSSの効果の範囲がトオーとヒールの方向に拡大さ
れているので、インパクトの時点での、トオーとヒール
の方向の多少のミスは、パターヘッドの構造によりカバ
ーできるように工夫されている。
【0022】しかし、一方では、トオーとヒール方向の
ミスをカバーすることを重視しているため、垂直方向の
SSの効果範囲が低くなり易く、従来のパターがアッパ
ーブローに打つようにできている、と言われているよう
に、フェースのSSの効果範囲で打つためには、インパ
クトの寸前に、フェースの向きを意図的にアッパ一方向
にコントロールするようにスウィングしなければならな
いのは、概に説明した通りであるが、このような打ち方
は感覚と熟練に依存する要素が多く、その技術的なKn
ow・Howの習得のため、プロ・ゴルファーが、練習
に費やす時間の大部分をグリーン上で過ごす、と言われ
るほどである。
【0023】このように、従来のパターによるショット
は、ゴルフを職業としているプロゴルファーでさえ、常
時フェースのSSの効果範囲内で適確にボールを打ち、
距離に応じた一定のトップスピンをかけてボールの転が
りをコントロールするには熟練を要し、ましてストロー
ク技術が下手で、練習量の少ないアマチュア・ゴルファ
ーにとっては至難な技であり、SSの効果範囲を外すと
手ごたえが悪くショートしやすいことをゴルファーなら
誰でも実感している。
【0024】そのために、フェース部材の背面にフラン
ジ部材を接続させて、質量の配分をフランジ部材との接
続面に集中させて、該接続面の反対面のフェース上にS
Sエリア−SSAを設定する考え方は効果がある。図
は、SS基準面SFとフェース1との交線SXとSS
エリア−SSAの中心とを一致させるように工夫したパ
ターヘッドの概略を示す斜視図である。
【0025】フェース部材Fの背面3における、フラン
ジ部材FLの接続面の上下方向中心とSS基準面SFを
一致させると、フランジ部材FLが延長されるほど、フ
ェース部材Fに対するフランジ部材FL(FL−L)の
質量差が大きくなり、SSエリア−SSAの中心はSS
基準面SFとフェース1との交線SXの位置に接近する
か、又は、略一致する。従って、フェース部材Fの形
状、質量の分布によって多少の差はあるが、少なくとも
フランジ部材FLの接続面の一部乃至全面が、インパク
ト時点でボールBに当たる範囲である、SS基準面SF
±3mmの範囲内に位置する必要がある。
【0026】図22で示されているようにフェース部材
Fの背面3に接続されたフランジ部材FLがさらに延長
(FL−L)されると、パターヘッドの重心の位置も後
方に深くなり、フェース1でボールBを打つと言うよ
り、むしろフランジ部材FLの先端でボールBを打つ感
覚になる。即ち、所詮金槌の釘を打つ面でボールをとら
える感じになる。
【0027】
【考案が解決しようとする課題】前記金槌型のパター
は、カップ・インの確率が高く、理想のパターと言われ
ているが「クラブヘッドのヒールからトオーまでの間隔
は、フェースから背面までの間隔より長くなければなら
ない(L<W)。クラブは伝統および習慣に本質的に反
する形状又は構造のものであってはならない。」という
規則上の問題もあり、フランジ部材FLの長さには限度
がある。又、図22で示されるパターのフランジ部材F
Lの長さをL<Wの限度以内に設定しても、従来のパタ
ーに比較して違和感をゴルファーに与える可能性があ
る。メンタルなショットだけに、このことはかなり重要
な問題である。又、薄いフェース部材Fの最下端で形成
されるソールF−2も薄いので、アドレス時の不安定感
と、スウィング途中のダフリ現象に対する不安感をゴル
ファーに与える。
【0028】本考案は、前述の実情に鑑み、メンタルで
且つ、微妙な感覚に基づく技術が要求されるパターによ
るショットから、感覚に依存する要素を出来るだけ排除
し、定められた基準に従った練習を行えば、誰でも容易
にフェースのSSの効果範囲でボールを打ち、ボールに
トップスピンをかけて、インパクト直後からボールが前
進回転を開始する打ち方が可能な構造を持ったパターを
ゴルファーに提供する事を目的としている。
【0029】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、フェースを芝面に垂直に維持してインパクトを迎
えた場合に、ボールの水平赤道にフェースが当たる位置
(上・下の位置)、即ちSS基準面とフェースの交線が
SSエリア−SSAの略中心になるようにデザインし、
又、パターヘッドの重心の位置を可能な限り深く、低
く、デザインする必要がある。
【0030】即ち、本考案は下端部にソールを形成して
いるフェース部材と、該フェース部材の背面に前記ソー
ルの位置から垂直上方に所要の距離を隔てた位置から背
面方向に延設されたフランジ部材と、該フランジ部材に
一体に形成された前記ソールとは別のソールとを備え、
前記フェース部材の背面に接続するフランジ部材の接続
面が、フェース部材のソールの下端から15mm±3m
mを含む高さ位置にあることを特徴とするパターヘッ
ド、に係るものである。
【0031】
【作用】考案によれば、パターヘッドは、フランジ部
材を更に延長したような効果を維持し、又、ソール部材
によりソール(FL−2)を形成することにより、アド
レス時及びスウィング途中のダフリ現象に対する不安感
を一掃し、又、ソール部材を下垂して形成したソール
(FL−2)は、フェース部材によって形成されている
ソール(F−2)、及びフェース部材の背面とも接続さ
れないので、SSエリア−SSAは高い位置(概ね中心
がSS基準交線SXの位置)にあるのに拘らず、重心の
位置は深く、低い位置に設定することが可能であり、
又、ネックを中心として回転しようとする力が常に働い
ているので、インパクト以降は意図することなく、容易
にアッパー方向にフェースを打ち抜くことが可能であ
り、本考案の目的を達成することができる。
【0032】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0033】図1は本考案のパターヘッドの基本構成の
概略を示す斜視図である。フェースを持ち、下端部がソ
ールF−2を形成するフェース部材Fの背面3にフラン
ジ部材FLが接続される。フランジ部材FLにおける接
続面の上下方向位置は、その接続面の一部乃至全面が、
パターヘッドの最下端より垂直に計測して、ボールの直
径×1/2−(芝面に対するボールの沈み深さ十芝面に
対するソールの浮かせ高さ)の範囲(SS基準面SFの
位置)に略在るようにする。更に、具体的には、前記接
続面の一部乃至全面が、パターヘッドの最下端より垂直
に計測して、15mm±3mmの範囲内に在るように位
置される。又、フランジ部材FLの打球方向aに対する
垂直な断面の一部乃至全面が前記接続面と同一位置乃至
それより下に在るように、フランジ部材FLが略後方
(打球方向aの反対方向)に延長されている。
【0034】延長されたフランジ部材FLの任意の位置
よりソール部材FLSが下垂される。下垂される位置は
フランジ部材FLの間隔W−1の間に一箇所でも複数箇
所でも機能に関係しない。図2及び図3では1個のフラ
ンジ部材FLを形成した場合を示している。
【0035】フランジ部材FLの間隔W−1は、フェー
ス部材Fのトオ−TからヒールHまでの間隔Wを越えな
い。ソール部材FLSの下垂位置の数、フランジ部材F
Lの間隔W−1の長さは、パターヘッドを構成する部材
の材質、総重量を配慮して決定されるべきである。
【0036】図1乃至図4に示すように、下垂されたソ
ール部材FLSはフェース部材Fによって形成されたソ
ールF−2とは別のソールFL−2を形成する。ソール
FL−2と、フェース部材Fによって形成されるソール
F−2並びにフェース部材Fの背面3とを接続せず、そ
の間に間隔を形成させることにより、フランジ部材FL
とソール部材FLSの全重量をフェース部材Fの背面3
のフランジ部材FLとの接続面で保持することになり、
フェース部材Fの重量のバランスが該接続面に集中し、
従って、SSエリア−SSAも該接続面内に存在する。
即ち、前述したような、金槌型パターの効果を発揮し、
フェース1でボールBを打つというよりフランジ部材F
Lの先端、接続面でボールBを打つイメージが強くな
り、的確にSSエリア−SSAでボールBを打ちやすく
なる。
【0037】又、図4に示されているように、重心Gの
位置も深く、低く設定できるので、ネックNを支点とし
てフランジ部材FLの延長末端が回転14しようとする
力が働くので、バックスウィングでフェース1をアドレ
スの状態に対して平行に引きやすく、従ってインパクト
の時点でアドレスの再現が容易になり、インパクト以降
にフェース1をアッパーブローの方向10に打ち抜きや
すい。
【0038】図5は、本考案によるパターヘッドのイン
パクト時点の前後の概略を示す平面図であり、図6は図
5の平面図を示す。本考案によるパターヘッドでショッ
トを行う場合、アドレスの位置は、スウィング時にパタ
ーヘッドの通過する最下点AD)即ち通常は身体の正面
の中心である。この最下点ADに芝面TFに対してフェ
ース1が垂直になるようにアドレスを行う。
【0039】バックスウィング17、ダウンスウィング
18の後にインパクトを抑えるが、インパクトはアドレ
スの再現を忠実に実施すれば、インパクト時、フランジ
部材FLの接続位置を上側に設置したことにより、フェ
ース1のSSエリア−SSAでボールBに適確に当り、
インパクト以降は自然にフェース1はアッパーブローの
方向10に抜け、ボールBはインパクト直後よりトップ
スピン11が開始され、ボールBの前進に対する芝芽の
抵抗が最少の条件でショットすることが可能となる。
【0040】フェース部材Fの背面3に接続されるフラ
ンジ部材FLの接続位置は一ヶ所でも、トオーTとヒー
ルH方向に複数ヶ所でも可能である。図7はフランジ部
材が二ヶ所に接続されたパターヘッドの概略を表す斜視
図であり、図8は図7のパターヘッドの平面図、図9は
図8のA−A断面図、図10は図8のB−B断面図を示
している。
【0041】このパターヘッドの特徴は、フェース1の
SSの位置を中心として、トオーT側とヒールH側に各
一ヶ所、フェース部材Fの背面3に独立した複数のフラ
ンジ部材FLを接続し、各フランジ部材FLより、共通
のソール部材FLSを下垂している。
【0042】このようなフランジ部材FLのレイアウト
の場合、図9のSSの部分の断面図に示されたように、
両フランジ部材FLの中央のSSの部分のフェース部材
Fの背面3を薄くすることにより、SSエリア−SSA
内の効果を平均化する働きをさせる。即ち、反発力の強
く働くSSの位置のフェース部材Fの背面3の肉厚を薄
く形成することにより、両フランジ部材FLの間のSS
効果範囲内の反発力の差を少なくして、SSエリア−S
SA内の効果を均一化することが可能である。
【0043】又、パターヘッドのトオーTとヒールHの
間隔Wは任意であって規則上の制約はない。従って、こ
の間隔Wはゴルファーの好みにより、現在でも多様であ
る。もし、この間隔の比較的に大きいパターヘッドに本
考案をデザインする場合、通常の方法ではパターヘッド
の総重量が大きくなり、スウィングのバランスの限度を
超えるときには軽量化の工夫が必要である。
【0044】フェース部材Fは打球という本来の目的が
あるので、規則上、又実際の構造上でも軽量化は限度が
ある。従って、フランジ部材FLとソール部材FLSの
重量が大きな比率を占めるので、この部材を軽量化しな
ければならない。フランジ部材FLはソール部材FLS
を懸垂支持しているので強度的に軽量化は難しいので結
局ソール部材FLSを軽量化し、ソールFL−2の厚さ
を薄くすることが軽量化に効果があるその他、本考案
の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得る
ことは勿論である。
【0045】
【考案の効果】本考案のパターヘッドによれば下記のよ
うな優れた効果を奏し得る。
【0046】I)通常のスウィングを行うのみでインパ
クト時適確にフェースのSSの効果範囲内でボールをと
らえ、ボールの水平赤道を打つことができ、インパクト
以降はフェースをアッパー方向に自然に打ち抜くことが
でき、よって従来のパッティングのように、インパクト
の寸前で意図的にフェースの向きをアッパー方向に調整
する必要がない。
【0047】II)ボールはインパクト後、ただちにト
ップスピンがかかり、ボールの回転により前進が開始さ
れるので、芝芽の抵抗による影響を最少に止めることが
可能である。
【0048】III)パッティングの一連のスウィング
中に従来のパッティングの主流となっている感覚的なK
now・Howに依存する要素を排除した、具体的なマ
ニュアルに従ったスウィングが可能である。
【0049】IV)従来より、パッティングは才能、と
言われてきたが、上記I)乃至III)により、具体的
なマニュアルに従った練習を行えば、その成否は、他の
クラブのショットと同様に練習量と努力に比例した公平
な結果となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】考案の概略を示す斜視図である。
【図2】1個のフランジ部材を有した本考案のパターヘ
ッドの一例を示す斜視図である。
【図3】図2のパターヘッドの平面図である。
【図4】図2のパターヘッドの正面図である。
【図5】本考案のパターヘッドによるインパクト前後の
概略を示す正面図である。
【図6】図5のパターヘッドの平面図である。
【図7】2個のフランジ部材を有した本考案のパターヘ
ッドの一例を示す斜視図である。
【図8】図7のパターヘッドの平面図である。
【図9】図8のA−A断面図である。
【図10】図8のB−B断面図である。
【図11】従来のパターヘッドの概略を示す斜視図であ
る。
【図12】図11のパターヘッドの平面図である
【図13】図11のパターヘッドの正面図である。
【図14】最近のパターヘッドの概略を示す斜視図であ
る。
【図15】図14のパターヘッドの平面図である。
【図16】図14のパターヘッドの正面図である。
【図17】芝面上のボールと芝面上の図16のパターヘ
ッドの断面との関係図である。
【図18】芝面上のボールとSS基準面SFとの関係図
である。
【図19】フランジ部材がフェース部材の上下中間に在
る場合のインパクト時点と以降のフェースの向きとボー
ルの回転を示す図で フェースの向きがスクエアーでイ
ンパクトを迎えた図である。
【図20】フランジ部材がフェース部材の下部に在る場
合のインパクト時点と以降のフェースの向きとボールの
回転を示す図で フェースの向きがアッパーブローでイ
ンパクトを迎えた図である。
【図21】フランジ部材がフェース部材の上部に在る場
合のインパクト時点と以降のフェースの向きとボールの
回転を示す図で、フェースの向きがダウンブローでイン
パクトを迎えた図である。
【図22】フランジ部材を後方に延長して設けたパター
ヘッドの説明図である。
【符号の説明】
3 フェース部材背面 F フェース部材 FL フランジ部材 F−2 フェース部材の形成するソール FL−2 フランジ部材の形成するソール

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下端部にソールを形成しているフェース
    部材と、該フェース部材の背面に前記ソールの位置から
    垂直上方に所要の距離を隔てた位置から背面方向に延設
    されたフランジ部材と、該フランジ部材に一体に形成さ
    れた前記ソールとは別のソールとを備え、前記フェース
    部材の背面に接続するフランジ部材の接続面が、フェー
    ス部材のソールの下端から15mm±3mmを含む高さ
    位置にあることを特徴とするパターヘッド。
JP1993023007U 1993-04-30 1993-04-30 パタ―ヘッド Expired - Lifetime JP2512761Y2 (ja)

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