JP2004186820A - 1ビット信号処理装置およびそれを備えるディスク再生装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】もう1つのスイッチング部36およびボリウム部37ならびにΔΣ変調部38を設ける。したがって、小信号時には、ΔΣ変調部38にてΔΣ変調されて前記スイッチング部32に入力される1ビット信号は、データ自体が前記小信号に対応したパルス密度の少ない信号となっている。これによって、前記スイッチング部32やボリウム部33にオフセットがあり、そのオフセットによって振幅値の減衰量に制限があっても、デジタルアンプ1からの出力に充分な減衰量を得ることができ、オフセットの対策が不要になり、コストを削減できる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ΔΣ変調して得られる1ビット信号を処理するための装置およびそれを備えるディスク再生装置に関し、特に前記1ビット信号のアナログ的な信号レベルを所望とする値に調整するボリウム調整のための構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
前記ボリウム調整を実現する手法として、各ビットデータの重みが異なるPCM(パルス符号変調)信号では、データ自体を変更する必要があるのに対して、PDM(パルス密度変調)やPWM(パルス幅変調)で得られる前記1ビット信号では、各ビットデータの重みが等しく、パルス密度やパルス幅によってアナログ的な信号レベルが表わされるので、”1”,”0”のパルスの振幅と幅とのどちらを調整しても、ローパスフィルタを介して出力されるアナログ信号の振幅値を変化することができる。
【0003】
一方、最終の出力段に前記1ビット信号に応じて、電源電圧をスイッチングし、ローパスフィルタで平滑化することによって、前記スイッチングをFETなどのスイッチング素子の飽和域を使用し、高効率に電力増幅を行うデジタルアンプが、高速スイッチング可能な素子の登場によって、広く使用されるようになってきている。
【0004】
図4に、一般的なデジタルアンプ1の構成を示す。デジタルアンプ1は、アナログ信号と1ビット信号との何れの信号も入力可能となっており、先ず入力された信号をΔΣ変調部2においてΔΣ変調することで、入力信号のアナログ的な信号レベルに対応した1ビット信号を作成する。得られた1ビット信号は、ドライバ回路3に入力され、その1ビット信号に応じてスイッチング部4内の前記FETなどがスイッチング駆動され、電源電圧のパルス列が出力される。前記パルス列は、ローパスフィルタ5において平滑化され、アナログ信号に復調されて、スピーカ6などの出力手段から出力される。
【0005】
ここで、このデジタルアンプ1の増幅度は、約(スイッチング部4に供給する電源電圧値)/(入力信号の振幅値)の比となることから、出力されるアナログ信号のボリウム調整を行うには、大別すると、前記スイッチング回路4に供給する前記電源電圧を変化する方法と、前記電源電圧は一定(該デジタルアンプ1の増幅度は一定)で、該デジタルアンプ1への入力を変化する方法とがある。
【0006】
前記電源電圧を変化するのは、大掛かりで電源の構成が複雑になり、また電源での損失も大きく、したがって入力信号の振幅値を変化することでボリウム調整が行われることが多い。そして、その入力信号の振幅値を変化する手法をさらに細かく述べると、以下のとおりである。
1.図5で示すように、アナログ入力信号を一般の音量用ボリウム11で可変する方法。
2.図6で示すように、入力信号をデジタル化し、その振幅値を前記一般の音量用ボリウム11で可変する方法。
3.図7で示すように、入力信号をデジタル化し、その振幅値を電子ボリウム21で可変する方法。
4.入力信号をデジタル化し、演算によってデータ自体を変化する方法。
【0007】
ところで、前記図5および図6で示すように、一般の音量用ボリウム11を用いる構成では、機械的な調整が必要であり、リモコンによる遠隔操作などのマイコン制御への適性が低い。また、他の回路の集積回路化が進んでも、集積化することができず、コストおよび実装の両面で不利である。一方、前記データ自体を変化する方法では、演算処理が大変である。したがって、前記電子ボリウム21を用いる方法が、手軽にボリウム調整を行うのに好適である。
【0008】
そこで、図7の電子ボリウム21の構成を詳述すると、入力された1ビット信号はスイッチング部22に入力され、その1ビット信号に応じてボリウム部23からの電圧をスイッチングすることで、前記1ビット信号の振幅値は前記ボリウム部23からの電圧に変換され、前記デジタルアンプ1において、再びΔΣ変調され、1ビット信号(一定振幅値)が再構築されると、その1ビット信号はアナログ的な信号レベルが所望とする値に調整されたものとなる。前記ボリウム部23の出力電圧は、ボリウム指令部24への設定値に応じて、マイクロコンピュータなどで実現される制御部25からの制御信号に応じて変化される。
【0009】
図8は、前記スイッチング部22およびボリウム部23の構成を具体的に示し、前記1ビット信号の振幅値の増加減原理の一例を表す図である。前記スイッチング部22は、2つの個別接点22a,22bと、1つの共通接点22cとを備えるスイッチから成り、一方の個別接点22aにはボリウム部23からの電圧Vbが与えられ、他方の個別接点22bは接地される。入力された1ビット信号に応じて接点22dが切換わることで、共通接点22cからは、入力された1ビット信号に同期して、振幅値の変換された1ビット信号が出力される。
【0010】
また、前記ボリウム部23は、可変抵抗素子26およびバッファアンプ27から成り、図示しない電源から入力される電圧Vaが前記可変抵抗素子26において、前記制御部25からの制御信号に応じた電圧Vbに減衰制御され、その電圧Vbがバッファアンプ27を介して前記スイッチング部22の一方の個別接点22aに与えられる。このようにして、入力された1ビット信号が、前記ボリウム指令部24への設定値に応じた振幅値に変換される1ビット電子ボリウム装置が構成される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような電子ボリウム装置では、ボリウム値を最小に設定しようとする時、可変抵抗素子26および/またはバッファアンプ27等の変換素子のDCオフセット出力特性によって、ボリウム部23の出力電圧Vbの最小値が決定されてしまい、該出力電圧Vbを限りなく0にしようとしても、前記最小値より小さくならないという問題がある。このため、変換された1ビット信号の振幅値もそれ以上小さくなりえず、電子ボリウムとしての減衰量が限定されることになる。
【0012】
上記の点について詳しく説明すると、たとえば前記変換素子のオフセットが10mVよりも小さくならないものとすると、出力される1ビット信号の振幅値も該10mVよりも下がらなくなる。これに対して、可変前の1ビット信号の振幅値を5Vとすると,5/0.01で,約54dBの減衰量しか得られなくなる。また、前記オフセットが1mVとしても、74dBの減衰量しか取り得ない。
【0013】
したがって、100dB以上のCD(Compact Disk)やSACD(Super Audio Compact Disk)などの広ダイナミックレンジの信号を、忠実に再生できなくなってしまう。一方、オフセットを前記の値以上小さい領域で管理しようとすると、オフセット特性の優れた素子や調整回路等の付加が必要となり、装置や素子等にコスト的負担がかかるという問題がある。
【0014】
本発明の目的は、1ビット信号のアナログ的な信号レベルを所望とする値に調整するにあたって、装置や素子等のコストを削減することができる1ビット信号処理装置およびそれを備えるディスク再生装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の1ビット信号処理装置は、信号レベル変換部で1ビット信号の振幅値を変換することで、該1ビット信号のアナログ的な信号レベルを所望とする値に調整するようにした1ビット信号処理装置において、入力されたアナログ信号または1ビット信号が与えられ、該信号の振幅値を変換することでアナログ的な信号レベルを前記所望とする値に調整するもう1つの信号レベル変換部と、前記もう1つの信号レベル変換部からの出力をΔΣ変調して、前記信号レベル変換部に与えるΔΣ変調部とを含むことを特徴とする。
【0016】
上記の構成によれば、パルス密度やパルス幅によってアナログ的な信号レベルを表す1ビット信号に対して、電子ボリウム等の信号レベル変換部でその信号レベルを調整することで、後段の増幅部でΔΣ変調、振幅増幅および低域成分を抽出することによって得られるアナログ信号の信号レベルを所望とする値に調整するようにした1ビット信号処理装置において、もう1つの信号レベル変換部およびΔΣ変調部を設ける。前記ΔΣ変調部を設けることで、入力信号として、1ビット信号だけでなく、アナログ信号も可能になる。
【0017】
そして、前記もう1つの信号レベル変換部でも、前記信号レベル変換部と同様に、入力信号の振幅値を変換してアナログ的な信号レベルを前記所望とする値に調整することで、小信号時には、ΔΣ変調部にてΔΣ変調されて前記信号レベル変換部に入力される1ビット信号は、データ自体が前記小信号に対応した前記パルス密度の少ない信号となっている。
【0018】
したがって、この1ビット信号を前記信号レベル変換部において、再びアナログ的な信号レベルを前記所望とする値に調整することで、前記信号レベル変換部の変換素子にオフセットがあり、そのオフセットによって振幅値の減衰量に制限があっても、1ビット信号の前記データ自体による減衰と、振幅値の減衰とを組合わせることで、前記後段の増幅部から出力されるアナログ信号に充分な減衰量を得ることができる。これによって、前記オフセットの対策が不要になり、装置や素子等のコストを削減することができる。
【0019】
また、本発明の1ビット信号処理装置では、前記信号レベル変換部およびもう1つの信号レベル変換部は、前記所望とする値の電圧を供給するボリウム手段と、入力された1ビット信号に応じて前記ボリウム手段からの電圧をスイッチングすることで、該1ビット信号の振幅値を変換するスイッチング手段と、前記ボリウム手段の出力電圧を前記所望とする値に変化させる制御信号を出力する制御手段とを含んで構成される電子ボリウム装置で実現されることを特徴とする。
【0020】
上記の構成によれば、前記信号レベル変換部およびもう1つの信号レベル変換部を、1ビット信号用の電子ボリウム装置で具体的に実現することができ、また入力信号が1ビット信号の場合は、制御手段を共用して、2つの信号レベル変換部のボリウム手段およびスイッチング手段を同じ構成で実現することができる。
【0021】
さらにまた、本発明の1ビット信号処理装置では、前記信号レベル変換部は、前記所望とする値の電圧を供給するボリウム手段と、入力された1ビット信号に応じて前記ボリウム手段からの電圧をスイッチングすることで、該1ビット信号の振幅値を変換するスイッチング手段と、前記ボリウム手段の出力電圧を前記所望とする値に変化させる制御信号を出力する制御手段とを含んで構成され、前記もう1つの信号レベル変換部およびΔΣ変調部を1ビット信号のディスク再生装置におけるアッテネータ機能で代用し、前記制御手段は、前記ディスク再生装置における1ビット信号生成およびアッテネート処理部へも前記制御信号を出力して、前記ボリウム手段ならびに1ビット信号生成およびアッテネート処理部の信号を、振幅値制御ではなく、データ的に変換することで前記所望とする値に連動して制御することを特徴とする。
【0022】
上記の構成によれば、外部に設けられ、前記CDやSACDなどを再生し、1ビット信号で出力するディスク再生装置におけるアッテネータ機能を流用して、前記のようなデータ自体の小信号データへの変換を行い、前記もう1つの信号レベル変換部およびΔΣ変調部の機能を実現する。したがって、構成を簡略化することができるとともに、1ビット信号処理装置の負担を軽くすることができる。
【0023】
また、本発明のディスク再生装置は、上記の1ビット信号処理装置を備えるディスク再生装置であって、前記信号レベル変換部は、前記所望とする値の電圧を供給するボリウム手段と、再生された1ビット信号に応じて前記ボリウム手段からの電圧をスイッチングすることで、該1ビット信号の振幅値を変換するスイッチング手段と、前記ボリウム手段の出力電圧を前記所望とする値に変化させる制御信号を出力する制御手段とを含んで構成され、前記もう1つの信号レベル変換部およびΔΣ変調部を1ビット信号生成およびアッテネート処理部におけるアッテネータ機能で代用し、前記制御手段は、前記1ビット信号生成およびアッテネート処理部へも前記制御信号を出力して、前記ボリウム手段ならびに1ビット信号生成およびアッテネート処理部の信号を、振幅値制御ではなく、データ的に変換することで前記所望とする値に連動して制御することを特徴とする。
【0024】
上記の構成によれば、前記CDやSACDなどを再生し、1ビット信号で出力するディスク再生装置において、該ディスク再生装置に内蔵される1ビット信号生成およびアッテネート処理部のアッテネータ機能を流用して、前記のようなデータ自体の小信号データへの変換を行い、前記もう1つの信号レベル変換部およびΔΣ変調部の機能を実現する。これによって、構成を簡略化することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について、図1および前記図8に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0026】
図1は、本発明の実施の一形態の1ビット信号処理装置である電子ボリウム31の電気的構成を示すブロック図である。この電子ボリウム31は、大略的に、入力された1ビット信号をボリウム調整された1ビット信号に変換し、前記デジタルアンプ1からスピーカ6などへ出力する。
【0027】
この電子ボリウム31では、前記図7で示す電子ボリウム21のスイッチング部22、ボリウム部23、ボリウム指令部24および制御部25とそれぞれ同様に構成されるスイッチング部32、ボリウム部33、ボリウム指令部34および制御部35を備えるとともに、注目すべきは、もう1つのスイッチング部36およびボリウム部37ならびにΔΣ変調部38をさらに備えていることである。
【0028】
前記スイッチング部36およびボリウム部37は、前記スイッチング部32およびボリウム部33とそれぞれ同様に構成される。入力された1ビット信号は第1のスイッチング部36に入力され、その1ビット信号に応じて第1のボリウム部37からの電圧をスイッチングすることで、前記1ビット信号の振幅値は前記ボリウム部37からの電圧に変換され、ΔΣ変調部38において、再びΔΣ変調されることで、データ自体が所望とするボリウム値に対応したものとなる。そのΔΣ変調部38からの1ビット信号(一定振幅値)は、第2のスイッチング部32に入力され、その1ビット信号に応じて第2のボリウム部33からの電圧をスイッチングすることで、前記1ビット信号の振幅値は前記ボリウム部33からの電圧に変換され、前記デジタルアンプ1において、再びΔΣ変調される。前記ボリウム部37,33の出力電圧は、ボリウム指令部34への設定値に応じて、マイクロコンピュータなどで実現される制御部35からの制御信号に応じてそれぞれ変化される。
【0029】
こうして、1ビット信号(一定振幅値)が再々度構築されると、その1ビット信号はアナログ的な信号レベルが所望とする値に調整されたものになるとともに、該1ビット信号の信号レベルを変換する変換素子であるスイッチング部36,32およびボリウム部37,33が前記図8で示すような構成でオフセットを有していても、小信号時には、ΔΣ変調部38にてΔΣ変調されることで、デジタルアンプ1へ出力される1ビット信号は、データ自体が前記小信号に対応した前記パルス密度の少ない信号となっている。
【0030】
このようにして、前記スイッチング部36,32およびボリウム部37,33にオフセットがあり、そのオフセットによって振幅値の減衰量に制限があっても、1ビット信号の前記データ自体による減衰と、振幅値の減衰とを組合わせることで、後段のデジタルアンプ1から出力されるアナログ信号に充分な減衰量を得ることができる。これによって、前記オフセットの対策が不要になり、装置や素子等のコストを削減することができる。
【0031】
前記ボリウム部37,33は、前記スイッチング部36,32が、ボリウム指令部34の操作に対して同じ電圧出力でよいなら、それらを共通化することができる。
【0032】
また、前記ボリウム指令部34の操作から、前記スイッチング部36,32およびボリウム部37,33による減衰が開始されるけれども、減衰量の時間的比率は、種々の搭載商品の事情に応じて、任意に選択される。すなわち、上述のような組合わせ減衰を実現するにあたって、たとえばどちらか一方を先に減衰すべきか、または両方同時に減衰すべきかなどの減衰配分は、任意に選択されればよい。
【0033】
なお、前記スイッチング部36およびボリウム部37をアナログ入力信号の振幅レベルを調整する電子ボリウムで構成することによって、入力信号をアナログ信号としても、同様に充分な減衰量を得ることができる。
【0034】
本発明の実施の他の形態について、図2および図3に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0035】
図2は、本発明の実施の他の形態の1ビット信号処理装置である電子ボリウム41の電気的構成を示すブロック図である。この電子ボリウム41において、上述の電子ボリウム31に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。注目すべきは、この電子ボリウム41は、ディスク再生装置42に搭載されており、該電子ボリウム41は、前記第2のスイッチング部32、第2のボリウム部33、ボリウム指令部34および制御部35から構成されており、前記第1のスイッチング部36、第1のボリウム部37およびΔΣ変調部38が、1ビット信号生成およびアッテネート処理部43におけるアッテネータ機能で代用されていることである。
【0036】
前記1ビット信号生成およびアッテネート処理部43は、CD,SACD再生ユニット44において再生された信号から、SACDデコーダ45でデコードされて得られた1ビット信号と、マルチビットD/Aコンバータ46でデコードされて得られたマルチビット信号を変換素子47で変換して得られた1ビット信号との何れか一方を、切換えスイッチ48から前記第2のスイッチング部32へ出力する。前記1ビット信号生成およびアッテネート処理部43には、前記制御部35からの制御信号が入力され、該1ビット信号生成およびアッテネート処理部43から出力される1ビット信号の振幅値と前記第2のスイッチング部32から出力される1ビット信号の振幅値とが、前記所望とする値に連動して制御される。
【0037】
上述のように構成される1ビット信号生成およびアッテネート処理部43において、第2のスイッチング部32の入力となる1ビット信号を減衰する工程を、前記SACDデコーダ45のアッテネータ機能、マルチビットD/Aコンバータ46のアッテネータ機能および/または変換素子47のアッテネータ機能で実現するので、前記第2のスイッチング部32および第2のボリウム部33しか備えていない該電子ボリウム41においても、前記電子ボリウム31と同様の充分な減衰量を確保することができるとともに、既存の1ビット信号生成およびアッテネート処理部43の機能を利用して、該電子ボリウム41の構成を簡略化することができる。
【0038】
また図3は、前記電子ボリウム41の他の適用例の電気的構成を示すブロック図である。注目すべきは、この例では、前記電子ボリウム41は、デジタルアンプ1およびスピーカ6を備えて構成されるアンプシステム51に搭載され、これに対して前記第1のスイッチング部36、第1のボリウム部37およびΔΣ変調部38によるアッテネータ機能を代わって実現する前記1ビット信号生成およびアッテネート処理部43が、筐体の異なるディスク再生装置52に搭載されていることである。
【0039】
このため、前記制御部35は、ボリウム指令部34の操作で音量のボリウム増減を行う際に、電子ボリウム41での振幅調整とともに、通信制御線53を介してディスク再生装置52側の制御部53と通信を行い、前記1ビット信号生成およびアッテネート処理部43へ制御信号を出力させ、振幅調整を行わせる。
【0040】
このような構成では、実質的に前記図7で示す電子ボリウム21と同様の構成の電子ボリウム41であっても、制御部35,53間を通信制御線53を介して連動させることで、アッテネータ機能を有するディスク再生装置52を用いて、前述のような充分な減衰量を確保することができるようになり、構成を簡略化することができるとともに、電子ボリウム41の負担を軽くすることができる。
【0041】
【発明の効果】
本発明の1ビット信号処理装置は、以上のように、パルス密度やパルス幅によってアナログ的な信号レベルを表す1ビット信号に対して、電子ボリウム等の信号レベル変換部でその信号レベルを調整することで、後段の増幅部でΔΣ変調、振幅増幅および低域成分を抽出することによって得られるアナログ信号の信号レベルを所望とする値に調整するようにした1ビット信号処理装置において、もう1つの信号レベル変換部およびΔΣ変調部を設け、前記もう1つの信号レベル変換部でも、前記信号レベル変換部と同様に、入力信号の振幅値を変換してアナログ的な信号レベルを前記所望とする値に調整し、ΔΣ変調部にてΔΣ変調されて前記信号レベル変換部に入力される1ビット信号のデータ自体を前記所望とする値に対応したものとする。
【0042】
それゆえ、小信号時には前記1ビット信号はパルス密度の少ない信号となっており、この1ビット信号を前記信号レベル変換部において、再びアナログ的な信号レベルを前記所望とする値に調整することで、前記信号レベル変換部の変換素子にオフセットがあり、そのオフセットによって振幅値の減衰量に制限があっても、1ビット信号の前記データ自体による減衰と、振幅値の減衰とを組合わせることで、前記後段の増幅部から出力されるアナログ信号に充分な減衰量を得ることができる。これによって、前記オフセットの対策が不要になり、装置や素子等のコストを削減することができる。
【0043】
また、本発明の1ビット信号処理装置は、以上のように、前記信号レベル変換部およびもう1つの信号レベル変換部を、前記所望とする値の電圧を供給するボリウム手段と、入力された1ビット信号に応じて前記ボリウム手段からの電圧をスイッチングすることで、該1ビット信号の振幅値を変換するスイッチング手段と、前記ボリウム手段の出力電圧を前記所望とする値に変化させる制御信号を出力する制御手段とを含んで構成する。
【0044】
それゆえ、前記信号レベル変換部およびもう1つの信号レベル変換部を、1ビット信号用の電子ボリウム装置で具体的に実現することができ、また入力信号が1ビット信号の場合は、制御手段を共用して、2つの信号レベル変換部のボリウム手段およびスイッチング手段を同じ構成で実現することができる。
【0045】
さらにまた、本発明の1ビット信号処理装置は、以上のように、前記信号レベル変換部を、前記所望とする値の電圧を供給するボリウム手段と、入力された1ビット信号に応じて前記ボリウム手段からの電圧をスイッチングすることで、該1ビット信号の振幅値を変換するスイッチング手段と、前記ボリウム手段の出力電圧を前記所望とする値に変化させる制御信号を出力する制御手段とを含んで構成し、前記もう1つの信号レベル変換部およびΔΣ変調部を1ビット信号のディスク再生装置におけるアッテネータ機能で代用し、前記制御手段は、前記ディスク再生装置における1ビット信号生成およびアッテネート処理部へも前記制御信号を出力して、前記ボリウム手段ならびに1ビット信号生成およびアッテネート処理部の信号を、振幅値制御ではなく、データ的に変換することで前記所望とする値に連動して制御する。
【0046】
それゆえ、外部に設けられ、前記CDやSACDなどを再生し、1ビット信号で出力するディスク再生装置におけるアッテネータ機能を流用して、前記のようなデータ自体の小信号データへの変換を行い、前記もう1つの信号レベル変換部およびΔΣ変調部の機能を実現するので、構成を簡略化することができるとともに、1ビット信号処理装置の負担を軽くすることができる。
【0047】
また、本発明のディスク再生装置は、以上のように、上記の1ビット信号処理装置を備えるディスク再生装置であって、前記信号レベル変換部を、前記所望とする値の電圧を供給するボリウム手段と、再生された1ビット信号に応じて前記ボリウム手段からの電圧をスイッチングすることで、該1ビット信号の振幅値を変換するスイッチング手段と、前記ボリウム手段の出力電圧を前記所望とする値に変化させる制御信号を出力する制御手段とを含んで構成し、前記もう1つの信号レベル変換部およびΔΣ変調部を1ビット信号生成およびアッテネート処理部におけるアッテネータ機能で代用し、前記制御手段は、前記1ビット信号生成およびアッテネート処理部へも前記制御信号を出力して、前記ボリウム手段ならびに1ビット信号生成およびアッテネート処理部の信号を、振幅値制御ではなく、データ的に変換することで前記所望とする値に連動して制御する。
【0048】
それゆえ、前記CDやSACDなどを再生し、1ビット信号で出力するディスク再生装置において、該ディスク再生装置に内蔵される1ビット信号生成およびアッテネート処理部のアッテネータ機能を流用して、前記のようなデータ自体の小信号データへの変換を行い、前記もう1つの信号レベル変換部およびΔΣ変調部の機能を実現するので、構成を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の1ビット信号処理装置である電子ボリウムの電気的構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の他の形態の1ビット信号処理装置である電子ボリウムの電気的構成を示すブロック図である。
【図3】前記図2で示す電子ボリウムの他の適用例の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】一般的なデジタルアンプの構成を示すブロック図である。
【図5】アナログ入力信号を一般の音量用ボリウムで可変する方法を示すブロック図である。
【図6】入力信号をデジタル化し、その振幅値を前記一般の音量用ボリウムで可変する方法を示すブロック図である。
【図7】典型的な従来技術の電子ボリウムの電気的構成を示すブロック図である。
【図8】電子ボリウムにおけるスイッチング部およびボリウム部の構成を具体的に示す図である。
【符号の説明】
1 デジタルアンプ(後段の増幅部)
2 ΔΣ変調部
3 ドライバ回路
4 スイッチング部
5 ローパスフィルタ
6 スピーカ
31,41 電子ボリウム(1ビット信号処理装置)
32 第2のスイッチング部(信号レベル変換部、スイッチング手段)
33 第2のボリウム部(信号レベル変換部、ボリウム手段)
34 ボリウム指令部(制御手段)
35 制御部(制御手段)
36 第1のスイッチング部(もう1つの信号レベル変換部、スイッチング手段)
37 第1のボリウム部(もう1つの信号レベル変換部、ボリウム手段)
38 ΔΣ変調部
42,52 ディスク再生装置
43 1ビット信号生成およびアッテネート処理部
44 CD,SACD再生ユニット
45 SACDデコーダ
46 マルチビットD/Aコンバータ
47 変換素子
48 切換えスイッチ
Claims (4)
- 信号レベル変換部で1ビット信号の振幅値を変換することで、該1ビット信号のアナログ的な信号レベルを所望とする値に調整するようにした1ビット信号処理装置において、
入力されたアナログ信号または1ビット信号が与えられ、該信号の振幅値を変換することでアナログ的な信号レベルを前記所望とする値に調整するもう1つの信号レベル変換部と、
前記もう1つの信号レベル変換部からの出力をΔΣ変調して、前記信号レベル変換部に与えるΔΣ変調部とを含むことを特徴とする1ビット信号処理装置。 - 前記信号レベル変換部およびもう1つの信号レベル変換部は、
前記所望とする値の電圧を供給するボリウム手段と、
入力された1ビット信号に応じて前記ボリウム手段からの電圧をスイッチングすることで、該1ビット信号の振幅値を変換するスイッチング手段と、
前記ボリウム手段の出力電圧を前記所望とする値に変化させる制御信号を出力する制御手段とを含んで構成される電子ボリウム装置で実現されることを特徴とする請求項1記載の1ビット信号処理装置。 - 前記信号レベル変換部は、
前記所望とする値の電圧を供給するボリウム手段と、
入力された1ビット信号に応じて前記ボリウム手段からの電圧をスイッチングすることで、該1ビット信号の振幅値を変換するスイッチング手段と、
前記ボリウム手段の出力電圧を前記所望とする値に変化させる制御信号を出力する制御手段とを含んで構成され、
前記もう1つの信号レベル変換部およびΔΣ変調部を1ビット信号のディスク再生装置におけるアッテネータ機能で代用し、
前記制御手段は、前記ディスク再生装置における1ビット信号生成およびアッテネート処理部へも前記制御信号を出力して、前記ボリウム手段ならびに1ビット信号生成およびアッテネート処理部の信号を、振幅値制御ではなく、データ的に変換することで前記所望とする値に連動して制御することを特徴とする請求項1記載の1ビット信号処理装置。 - 前記請求項1記載の1ビット信号処理装置を備えるディスク再生装置であって、
前記信号レベル変換部は、
前記所望とする値の電圧を供給するボリウム手段と、
再生された1ビット信号に応じて前記ボリウム手段からの電圧をスイッチングすることで、該1ビット信号の振幅値を変換するスイッチング手段と、
前記ボリウム手段の出力電圧を前記所望とする値に変化させる制御信号を出力する制御手段とを含んで構成され、
前記もう1つの信号レベル変換部およびΔΣ変調部を1ビット信号生成およびアッテネート処理部におけるアッテネータ機能で代用し、
前記制御手段は、前記1ビット信号生成およびアッテネート処理部へも前記制御信号を出力して、前記ボリウム手段ならびに1ビット信号生成およびアッテネート処理部の信号を、振幅値制御ではなく、データ的に変換することで前記所望とする値に連動して制御することを特徴とするディスク再生装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002348832A JP2004186820A (ja) | 2002-11-29 | 2002-11-29 | 1ビット信号処理装置およびそれを備えるディスク再生装置 |
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JP2002348832A JP2004186820A (ja) | 2002-11-29 | 2002-11-29 | 1ビット信号処理装置およびそれを備えるディスク再生装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007150743A (ja) * | 2005-11-28 | 2007-06-14 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 送話装置 |
JP2010087939A (ja) * | 2008-10-01 | 2010-04-15 | Renesas Technology Corp | デジタルアンプシステム |
-
2002
- 2002-11-29 JP JP2002348832A patent/JP2004186820A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP4512028B2 (ja) * | 2005-11-28 | 2010-07-28 | 日本電信電話株式会社 | 送話装置 |
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