JP3741962B2 - スイッチングアンプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パワーMOS FET(metal-oxide semiconductor field effect transistor :電界効果トランジスタ)等の高速スイッチング素子でブリッジ回路を構成し、定電圧をスイッチングして音声再生を行う音声再生装置に利用することができるスイッチングアンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複数のパワーMOS FET等の高速スイッチング素子で構成された定電圧印加をスイッチングしてパルス増幅したスイッチング信号を生成する電力増幅装置としては、基本的にハーフブリッジ回路およびフルブリッジ回路の2通りのブリッジ回路が用いられている。
【0003】
定電圧として±Vdが印加されたハーフブリッジ回路102と、スイッチング信号から高域成分を除去するローパスフィルタ(Low Pass Filter:L.P.F.)103とスピーカー104とを備えて構成されている音声再生装置を図6に示す。そして、ハーフブリッジ回路102のスイッチング素子Q1、Q2を制御してスイッチング動作を行った場合における、スイッチング動作とスイッチング信号(パルス増幅信号)との関係を示す波形図を図8に示す。
【0004】
定電圧として±Vd(+Vd、−Vd)が印加されたフルブリッジ回路112と、スイッチング信号から高域成分を除去するローパスフィルタ103とスピーカー104とを備えて構成されている音声再生装置を図7に示す。そして、フルブリッジ回路112のスイッチング素子Q1〜Q4を制御してスイッチング動作を行った場合における、スイッチング動作とスイッチング信号との関係を示す波形図を図9に示す。
【0005】
図8、図9に示した波形図より、単に量子化された1ビット信号をスイッチング素子の制御信号として用いて音声再生を行う場合、定電圧として印加された電圧が同じならば、フルブリッジ回路112により、ハーフブリッジ回路102よりも、スイッチング信号の波高値が大きくなることが分かる。すなわち、フルブリッジ回路112により、ハーフブリッジ回路102よりも大きな音声再生信号(パワー)が得られるため、アンプゲイン(電力増幅)が大きくなることが分かる。
【0006】
しかし、アンプゲインが大きいと、ブリッジ回路に印加された定電圧に含まれるリップル、重畳ノイズ、量子化ノイズ等により発生する背景ノイズの増幅も大きくなるため、該背景ノイズのレベルも大きくなるという問題点を招来する。すなわち、フルブリッジ回路112を用いることにより、アンプゲインを大きくすることができると同時に、上記背景ノイズのレベルも大きくなるという問題点を招来する。
【0007】
図10は、基本的なデルタシグマ変調回路を示すブロック図を示している。同図に示した、デルタシグマ変調回路130は、入力端子131と積分器132と量子化器133と遅延器136と差分器138と帰還ループ139とを備えて構成されている。
【0008】
デルタシグマ変調回路130は、入力端子131に入力されたオーディオ信号等の入力信号S31と、帰還ループ139によって負帰還された帰還信号S36とを差分器138に入力してこれら二信号の差分信号S38を求める。この差分信号S38を積分器132において積分して得られた積分信号S32を、量子化器133において所定のサンプリング周期毎に、その積分値が0以上であるか否かに対応して、「1」または「0」の1ビット信号である量子化出力信号S33(ディジタル信号)に変換して出力するものである。同時に、量子化器133から出力された量子化出力信号S33は遅延器136に入力され、1サンプリング周期以前の量子化出力信号S33に応答して、負帰還信号S36として、量子化出力信号S33が「1」のときには+Δ、「0」のときには−Δの波高値(振幅)の信号を差分器138に出力する。上記負帰還信号S36は、差分器138において入力信号S31から減算されることとなる。このように、デルタシグマ回路130は負帰還を行うループ139を形成する。
【0009】
図11に示すデルタシグマ変調回路140は、デルタシグマ変調回路130を構成する積分器132の代わりに積分器・加算器群142を備えているものである。該積分器・加算器群142は、積分器において差分信号S38を積分した後に、加算器において加算してノイズシェーピングを行うものである。すなわち、図11に示すデルタシグマ変調回路140は、デルタシグマ変調の次数を上げたデルタシグマ変調回路を示している。
【0010】
図12に示すデルタシグマ変調回路150は、差動入力形態の差動積分器を入力部とした高次の積分器・加算器群152を備えている高次のデルタシグマ変調回路である。
【0011】
図13、図14は、スイッチングアンプの一例を示しており、いずれも電力増幅部をデルタシグマ変調のループに取込んだ構成となっている。これは、電力増幅部に印加された定電圧に含まれるリップルや重畳ノイズ、量子化ノイズ等が原因となるノイズの影響を、負帰還によってキャンセルすることを目的とするものである。さらに、上記負帰還はデルタシグマ変調の負帰還をも兼ねるものである。
【0012】
図13は、差動形態の±入力信号が積分器・加算器群152と量子化器153とによりデルタシグマ変調され、量子化器153から出力された+1ビット/−1ビット信号である量子化出力信号S63a、S63bにより、ドライバ回路161を介してハーブリッジ回路102のスイッチングを行い、音声再生を行うスイッチングアンプ160を示す。
【0013】
ハーフブリッジ回路102に定電圧として±Vd(+Vd、−Vd)を印加し、量子化出力信号S63a(+1ビット)が「1」、量子化出力信号S63b(−1ビット)が「0」のとき、スイッチング素子Q1がON、スイッチング素子Q2がOFFとなり、量子化出力信号S63aが「0」、量子化出力信号S63bが「1」のとき、スイッチング素子Q1がOFF、スイッチング素子Q2がONとなるようにスイッチングを行うことにより、図8(b)に示したような波形のスイッチング信号が得られる。
【0014】
このとき負帰還のフィードバックにおいては、ブリッジ側から出力される増幅信号S64aの波高値が、減衰器163aで±Vdから±Δに減衰され、遅延器136aをとおり帰還信号S66aとして差分器168aに出力されて入力信号S1aから減算される。そして、GNDに接続されている他端からの増幅信号S64bも、減衰器163bにおいて減衰された後に、遅延器136bをとおり帰還信号S66bとして差分器168bに出力されて入力信号S1bから減算される。
【0015】
図14は、差動形態の±入力信号が積分器・加算器群152と量子化器153とによりデルタシグマ変調され、量子化器153から出力された+1ビット/−1ビット信号である量子化出力信号S63a、S63bにより、ドライバ回路171(171a、171b)を介してフルブリッジ回路112のスイッチングを行い、音声再生を行うスイッチングアンプ170を示す。
【0016】
フルブリッジ回路112に定電圧として±Vd(+Vd、−Vd)を印加し、量子化出力信号S63aが「1」、量子化出力信号S63bが「0」のとき、スイッチング素子Q1、Q4がON、スイッチング素子Q2、Q3がOFFとなり、量子化出力信号S63aが「0」、量子化出力信号S63bが「1」のとき、スイッチング素子Q1、Q4がOFF、スイッチング素子Q2、Q3がONとなるようスイッチングを行うことにより、図9(b)に示したような波形のスイッチング信号が得られる。
【0017】
このとき負帰還のフィードバックにおいては、スイッチング素子Q1、Q2のハーフブリッジ側から出力される増幅信号S74aの波高値が、減衰器163aで±Vdから±Δにまで減衰され、遅延器136aをとおり帰還信号S76aとして差分器168aに出力されて入力信号S1aから減算される。スイッチング素子Q3、Q4のハーフブリッジ側から出力される信号S74bも、同様に減衰器163bにおいて減衰された後に、遅延器136bをとおり帰還信号S76bとして差分器168bに出力されて入力信号S1bから減算される。
【0018】
ここで、図13に示したスイッチングアンプ160では、±Vd(+Vd、−Vd)の波高値のスイッチング信号を得て、±Δ(+Δ、−Δ)の負帰還量をかけるのに対し、図14のスイッチングアンプ170では、±2Vd(+2Vd、−2Vd)の波高値のスイッチング信号を得るものの、差動で負帰還されるため、±2Δ(+2Δ、−2Δ)の負帰還量をかけることとなる。よって、図13、図14のそれぞれに示したスイッチングアンプのアンプゲインは同じとなる。
【0019】
しかし、再生し得る最大の出力(パワー)を比較した場合、図14に示したフルブリッジ構成のスイッチングアンプ170のほうが、図13に示したハーフブリッジ構成のスイッチングアンプ160よりも大きい。これは、ハーフブリッジ構成はフルブリッジ構成よりも負帰還量が少ないために、出力を上げるために入力信号S1a、S1bのレベルを上げていくと、スイッチングアンプ160は、スイッチングアンプ160よりも積分器・加算器群152と量子化器153とからなるデルタシグマ回路の発振限界領域に、早く達してしまうからである。
【0020】
例えば、上記スイッチングアンプ160により再生しうる最大の出力とアンプゲインとを、上記スイッチングアンプ170と同じにするためには、スイッチングアンプ160のハーフブリッジ回路102への印加電圧を±2Vdとし、減衰器163aからの帰還信号S66aを±2Δとすること、すなわち±2Δの負帰還量をかけなくてはならない。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、ハーフブリッジ回路102(図6参照)と、フルブリッジ回路112(図7参照)とに印加する電圧を同じ±Vdにしてスイッチング動作を行った場合、ハーフブリッジ回路102では±Vdの波高値のスイッチング信号が得られ、フルブリッジ回路112では±2Vdの波高値のスイッチング信号が得られる。このように、ハーフブリッジ回路とフルブリッジ回路とに同じ電圧を印加した場合には、フルブリッジ回路のほうが波高値の大きなスイッチング信号を得ることができるため、大きな出力が得られる。
【0022】
しかし、スイッチングアンプでは、小音量再生時や再生音量(ボリューム)0のときにも、大音量再生時と同様のスイッチング動作が行われているため、大きなパワーが得られるフルブリッジ回路を用いる場合は、該回路に印加される定電圧に含まれるリップル、重畳ノイズ、量子化ノイズ等によって発生する背景ノイズが目立って再生されてしまう。ここで、小音量再生時や再生音量が0のときにおいて、背景ノイズが目立たないようにするためには、印加される定電圧を小さくすればよいが、定電圧の切替えには多大なコストがかかってしまうという問題点がある。
【0023】
そして、上記ハーフブリッジ構成のスイッチングアンプ160(図13参照)と上記フルブリッジ構成のスイッチングアンプ170(図14参照)とは、いずれも負帰還ループを有するものであるため、同じ電圧±Vdを印加しスイッチング動作を行った場合、両者のアンプゲインは同等となる。
【0024】
このため、両者の量子化ノイズ等により発生する上記背景ノイズは同等となる。しかし、ハーフブリッジ構成のスイッチングアンプ160の方が、スイッチング信号の波高値が小さい分、輻射ノイズや前段で扱う入力信号への影響が抑えられる。特に、扱う入力信号のレベルが小さい小音量再生時や再生音量が0のときには、上記輻射ノイズや前段で扱う入力信号への影響が抑えられる効果は大きい。しかし、ハーフブリッジ構成のスイッチングアンプ160は、フルブリッジ構成のスイッチングアンプ170に比べて、再生し得る最大の出力が小さいという問題点がある。
【0025】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、小音量再生時や再生音量が0のときにおいて、印加する定電圧を替えることなく背景ノイズが目立たなくすることができ、かつ、大きな再生出力を得ることができるスイッチングアンプを提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明のスイッチングアンプは、上記の課題を解決するために、入力信号を二値のオーディオ信号に変換する変換部と、該二値のオーディオ信号に基づいて定電圧印加を複数のスイッチング素子により構成されたブリッジ回路によりスイッチングすることによりパルス増幅したスイッチング信号を生成する電力増幅部とを有するスイッチングアンプにおいて、上記ブリッジ回路の構成をフルブリッジとハーフブリッジとに切替える切替手段が設けられており、上記スイッチング信号をデルタシグマ変調部へ帰還する帰還ループ上に、上記ブリッジ回路の構成に応じて該スイッチング信号の減衰量を変化させて帰還信号を生成する減衰部が設けられていることを特徴としている。
【0027】
上記の構成により、電力増幅部のブリッジ回路に印加する定電圧を変えることなく、音声再生の出力(パワー)を変えることができる。
【0028】
すなわち、電力増幅部を構成するブリッジ回路の構成をフルブリッジとハーフブリッジとに変化させることにより、該ブリッジ回路に印加する定電圧を変えることなく、スイッチング信号の波高値を変化させることができる。ここで、スイッチングアンプによる音声再生の出力は、スイッチング信号の波高値に応じて変化するものである。そして、スイッチング信号の波高値は、電力増幅部のブリッジ回路の構成に応じて変化させることができる。このため、印加する定電圧を変えることなくブリッジ回路の構成を変化させることにより、スイッチングアンプによる音声再生の出力を制御することが可能となる。
【0029】
電力増幅部のブリッジ回路の構成がフルブリッジのときのスイッチング信号の波高値は、ハーフブリッジのときの2倍となる。すなわち、電力増幅部のブリッジ回路が2つの構成に切替え可能であることにより、ブリッジ回路に印加する定電圧を変化させることなく、スイッチングアンプによる音声再生の出力を2段階に制御することができる。
【0030】
これにより、ブリッジ回路の構成の切替えによりスイッチング信号の波高値を変化させることができるため、多大なコストを要する定電圧の切替えをおこなうことなく音声再生の出力を切替えることができる。
【0031】
したがって、小音量再生時や再生音量0のときにはノイズを目立たなくすることができ、かつ大きな再生出力が得られるスイッチングアンプを低コストで提供することができる。
【0032】
本発明のスイッチングアンプは、上記の課題を解決するために、上記切替手段は再生音量に応じて上記ブリッジ回路の構成を切替えることを特徴としている。
【0033】
上記の構成により、再生音量に応じて上記ブリッジ回路の構成を切替えることができるため、たとえば、再生音量が大きいときにはスイッチング信号の波高値が大きくなる構成とし、再生音量が小さい時にはスイッチング信号の波高値が小さくなる構成とすることにより、再生音量に応じて適切な再生出力を得ることができる。
【0034】
本発明のスイッチングアンプは、上記の課題を解決するために、上記切替手段は再生音量が0のときの上記ブリッジ回路の構成をハーフブリッジとすることを特徴としている。
【0035】
上記の構成により、再生音量が0のときにおける背景ノイズをより確実に低減させることができる。
【0036】
すなわち、スイッチングアンプでは、再生音量が0のときにおいても大音量再生時と同様にスイッチング動作が行われているため、アンプゲインが大きい場合には、ブリッジ回路に印加される定電圧に含まれるリップル、重畳ノイズ、量子化ノイズ等によって発生する上記背景ノイズが目立つこととなる。該背景ノイズは、上記スイッチング信号の波高値により影響されるものであるため、該波高値を小さくすることにより、背景ノイズを低減させることができる。
【0037】
このため、再生音量が0のときの背景ノイズを、定電圧の切替を行うことなく、上記ブリッジ回路の切替により低減させることができる。したがって、再生音量が0のときにおける背景ノイズが小さいスイッチングアンプを低コストで提供することができる。
【0038】
本発明のスイッチングアンプは、上記の課題を解決するために、上記スイッチング信号を上記デルタシグマ変調部へ帰還する帰還ループ上に、上記ブリッジ回路の構成に応じて該スイッチング信号の減衰量を変化させて帰還信号を生成する減衰部が設けられていることを特徴としている。
【0039】
上記の構成により、帰還ループが設けられたスイッチングアンプのアンプゲインを変化させることができる。
【0040】
上記帰還ループが設けられたスイッチングアンプは、電力増幅部をデルタシグマ変調のループに取込んだ構成となっており、これにより、電力増幅部のブリッジ回路に印加された定電圧に含まれるリップルや重畳ノイズ、量子化ノイズ等が原因となるノイズの影響を、負帰還によってキャンセルすることができる。
【0041】
そして、上記減衰部における上記スイッチング信号の減衰量が同じであれば、スイッチング信号の波高値に応じて負帰還量も変化する。例えば、上記ブリッジ回路の構成をハーフブリッジからフルブリッジに切替えることにより、上記スイッチング信号の波高値は2倍になるが、同時に負帰還量も2倍となる。なお、本発明において、負帰還量とは負帰還信号の波高値をいう。
【0042】
ここで、上記帰還ループが設けられたスイッチングアンプのアンプゲインは、スイッチング信号の波高値と負帰還量との比によって大きく影響されるものである。このため、ブリッジ回路に印加される信号が同じ場合には、上記ブリッジ回路の構成を切替えてスイッチング信号の波高値を変えても、同時に負帰還量も変化するためアンプゲインは同じになる。
【0043】
したがって、帰還ループが設けられたスイッチングアンプのアンプゲインを変えるためには、負帰還量を変化させることが必要となる。たとえば、ブリッジ回路に印加する電圧の大きさが同じ場合には、帰還信号の波高値を2倍にして負帰還量を2倍にすることにより、アンプゲインを半分にすることができる。
【0044】
すなわち、帰還ループを設けたスイッチングアンプは、負帰還量を変化させることによりアンプゲインを変化させることができる。上記負帰還量は、負帰還信号の波高値により決まるものであるため、例えば、小音量再生や再生音量が0のときに、上記減衰量を小さくして上記帰還信号の波高値を大きくすることによりアンプゲインが小さくなり、上記背景ノイズのレベルを低くすることができる。
【0045】
したがって、小音量再生や再生音量が0のときにおいて、帰還ループが設けられたスイッチングアンプの上記背景ノイズのレベルを小さくすることができる。
【0046】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1ないし図3に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0047】
本発明の本実施の形態のスイッチングアンプ10は、ドライバ回路(電力増幅部)11a、11bと、ドライバ回路(切替手段)15と、ブリッジ回路(電力増幅部)12とを備えて構成されており、ローパスフィルタ(Low Pass Filter:L.P.F.)13を介してスピーカー14に接続されている。
【0048】
ブリッジ回路12はスイッチング素子(電力増幅部)Q1〜Q4により構成されており、定電圧として±Vd(+Vd、−Vd)が印加されている。なお、上記スイッチング素子としては、たとえば、パワーMOS FET(metal-oxide semiconductor field effect transistor :電界効果トランジスタ)等の高速スイッチング素子が用いられる。
【0049】
ドライバ回路11aは、図示しないデルタシグマ変調部からの+1ビット/−1ビット信号(量子化出力信号S3a、S3b)に応じてスイッチング素子Q1、Q2のON、OFFを制御するものである。ドライバ回路11bは、FB/HB切替え信号S5に応じて、スイッチング素子Q3、Q4のディスエイブル状態(OFF状態)を切替えるものであり、スイッチング素子Q3、Q4がディスエイブル状態でない場合は、上記デルタシグマ変調部からの+1ビット/−1ビット信号によりスイッチング素子Q3、Q4のON、OFFを制御する。
【0050】
ドライバ回路15は、FB/HB切替え信号S5により、スイッチング素子(切替手段)Q5のON、OFFを制御して、ブリッジ回路12の構成を切替えるものである。本実施の形態においては、スイッチング素子Q5をON状態とOFF状態とに切替えることにより、ブリッジ回路12の構成をハーフブリッジとフルブリッジとに切替えることができる。ローパスフィルタ13は、ブリッジ回路12からの増幅信号S4a、S4bから広域成分を除去するものであり、スピーカー14はローパスフィルタ13からの出力信号を音声出力するものである。
【0051】
次に、図1と図2とを用いて、本実施の形態のスイッチングアンプ10の基本動作について説明する。スイッチング素子Q5をOFF状態とすることによりブリッジ回路12の構成をフルブリッジとすることができる。この場合には、スイッチング素子Q1〜Q4を、それぞれ図2に示すようにON、OFF制御することにより、波高値が±2Vd(+2Vd、−2Vd)のスイッチング信号(出力信号)を得ることができる。
【0052】
そして、スイッチング素子Q5をON状態とし、かつスイッチング素子Q3およびQ4をディスエイブル状態とすることにより、スイッチング素子Q3、Q4の接続点がGNDレベルに固定されることでスイッチング素子Q1、Q2のみが動作可能となり、ブリッジ回路12の構成をハーフブリッジにすることができる。ブリッジ回路12をハーフブリッジとして動作させる場合には、スイッチング素子Q1、Q2を、それぞれ図2に示すようにON、OFF制御することにより、波高値が±Vdのスイッチング信号を得ることができる。
【0053】
つまり、本発明のブリッジ回路12は、図3に示すように、スイッチング素子Q3、Q4のハーフブリッジ側とローパスフィルタ13との接続線と、GNDとの間にスイッチング素子Q5を設けて、ドライバ回路15によりスイッチング素子15のON、OFF状態を切替えることにより、ブリッジ回路12の構成をハーフブリッジとフルブリッジとに切替えて動作させることができる。
【0054】
ブリッジ回路12の構成を切替えるタイミングとしては、スイッチング制御信号のデータが切替わるタイミングが好ましい。すなわち、例えば、フルブリッジからハーフブリッジに切替えるタイミングとしては、図2に示すように、スイッチング素子Q1、Q2が、それぞれ、ONからOFF、OFFからONとなる時点と、スイッチング素子Q3およびQ4がディスエイブル状態となる時点と、スイッチング素子Q5がOFFからONとなる時点とが同時であることが好ましい。
【0055】
なお、ブリッジ回路12の構成のフルブリッジとハーフブリッジとの切替は、上記FB/HB切替え信号S5により行われる。そして、該FB/HB切替え信号S5は、たとえば、図示しないFB/HB切替え信号制御手段により、再生音量が特定の値になったことに対応してドライバ回路11b、およびドライバ回路15に出力することができる。
【0056】
ブリッジ回路12の構成を、再生音量が0でないときにフルブリッジとし、再生音量が0のときにハーフブリッジとする場合には、上記FB/HB切替え信号S5を再生音量0検知信号(ボリューム0検知信号)に置替えることができる。すなわち、再生音量0検知信号をFB/HB切替え信号S5として用いることができる。
【0057】
この際、再生音量0検知信号を、入力信号(量子化出力信号S3a、3b)の立上りエッジ、あるいは立下りエッジで取込み、スイッチング素子Q3、Q4をディスエイブル状態とするディスエイブル信号、およびスイッチング素子Q5のON状態とOFF状態とを切替えるON/OFF信号として取扱う。
【0058】
このようにして、ブリッジ回路12の構成をフルブリッジとハーフブリッジとに切替える事により、図2(b)に示すように、スイッチング信号の出力波形を変化させることができる。すなわち、ブリッジ回路12の構成をフルブリッジからハーフブリッジへと切替えることにより、スイッチング信号の波高値を小さくすること、具体的には±2Vdから±Vdに変化させることができる。スイッチング信号の波高値が小さくなることに合わせてアンプゲインも小さくなるため、ブリッジ回路12に印加されている定電圧に含まれるリップル、重畳ノイズ、量子化ノイズ等によって発生する背景ノイズを減少させることができる。さらに、スイッチング信号の波高値を小さくすることで、輻射ノイズや前段で扱う入力信号への影響をも抑えることができる。
【0059】
上記のように、ブリッジ回路12の構成をハーフブリッジとフルブリッジとに切替えることを可能とすることにより、例えば、小音量再生時や再生音量が0のときにはハーフブリッジとし、それ以外のときにはフルブリッジとすることにより、小音量再生時や再生音量が0のときには背景ノイズ、輻射ノイズ等を小さくすることができ、かつ、より低い電圧により大きな出力で再生することが可能なスイッチングアンプとすることができる。
【0060】
また、同じ電圧でも、より大きなパワーを取り出すことができるフルブリッジ構成とすることができるとともに、ハーフブリッジ構成に切替えたときは、アンプゲインを下げることで、定電圧に含まれるリップル、重畳ノイズ、量子化ノイズ等によって発生する背景ノイズを減少させることができる。
【0061】
本発明のスイッチングアンプは、パワーMOS FET等の高速スイッチング可能な素子でブリッジ回路を構成し、定電圧をスイッチングして音声再生を行うアンプにおいて、スイッチングする電圧を変えずにブリッジ構成を変え、それによるスイッチング波高値の変化で、音声再生のパワーを制御するものとして構成されていてもよい。
【0062】
そして、上記スイッチングアンプは、再生ボリューム0時にブリッジ構成を変え、それによるスイッチング波高値の変化を利用して、ボリューム0時の背景ノイズの低減を行うものであってもよい。
【0063】
上記の構成により、より低い電圧でパワーを出せるとともに、小音量再生時や再生音量が0のときに背景ノイズを抑制することができる。
【0064】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について、図4および図5に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0065】
なお、説明の便宜上、実施の形態1において示した構成と同一の部材には同一の符号を付しその説明を省略する。
【0066】
図4に示すように、本実施の形態のスイッチングアンプ20は、ドライバ回路11a、11bと、ドライバ回路15と、ブリッジ回路12と、デルタシグマ変調部(変換部)21と、減衰器(減衰部)23a、23bと、遅延器26a、26bと、差分器28a、28bと、帰還ループ29a、29bとを備えて構成されており、ローパスフィルタ13を介してスピーカー14に接続されている。
【0067】
デルタシグマ変調部21は、図示しない積分器・加算器群と量子化器とからなるものである。上記積分器・加算器群は、差分器28a、28bからの差分信号S8a、S8bを積分した後、加算してノイズシェーピングを行った後、上記量子化器に出力するものである。該量子化器は、所定のサンプリング周期毎に、その積分値が0以上であるか否かに対応して、「1」または「0」の1ビット信号(量子化出力信号S3a)、−1ビット信号(量子化出力信号S3b)に変換して出力する。
【0068】
差分器28aは、ブリッジ回路12のスイッチング素子Q1、Q2のハーフブリッジ側から出力された増幅信号S4aが減衰器23aにおいて減衰され、遅延器26aを介して負帰還される帰還信号S6aと入力信号S1aとの二信号から差分信号S8aを求めるものである。差分器28bは、ブリッジ回路12のスイッチング素子Q3、Q4のハーフブリッジ側から出力された増幅信号S4bが、減衰器23bにおいて減衰され、遅延器26bを介して負帰還される帰還信号S6bと入力信号S1bとの二信号から差分信号S8bを求めるものである。
【0069】
減衰器23a、23bは、それぞれ帰還ループ29a、29b上に設けられ、ブリッジ回路12から出力された増幅信号S4a、S4bを減衰し、遅延器26a、26bを介して帰還信号S6a、S6bとして差分器28a、28bに負帰還するものである。減衰器23a、23bは、例えば、直列に接続された二つの抵抗から構成することができ、該二つの抵抗の抵抗値は、所望の減衰量に応じて適宜設定することができる。
【0070】
図5に、ブリッジ回路12の構成をフルブリッジとハーフブリッジとに切替えるタイミングを説明するタイミングチャートを示す。同図に示すように、上記ブリッジ回路12の構成の切替えにおいては、再生音量0検知信号を入力信号(量子化出力信号S3a、S3b)の立上りエッジ、あるいは立下りエッジで取込み、FB/HB切替え信号S5として用いている。FB/HB切替え信号S5が”L”の時、すなわちスイッチング素子Q5がOFFのときは、ブリッジ回路12はフルブリッジ動作を行う(フルブリッジ動作)。そして、FB/HB切替え信号S5が”H”のとき、すなわちスイッチング素子Q5がONのときは、ブリッジ回路12はハーフブリッジ動作を行う(ハーフブリッジ動作)。
【0071】
ブリッジ回路12の構成をフルブリッジとする場合には、デルタシグマ変調によって得られた+1ビット/−1ビット信号(量子化出力信号S3a、S3b)を制御信号としてスイッチング素子Ql〜Q4をスイッチングし、±2Vdの波高値のスイッチング信号(出力信号)を得る。該スイッチング信号は、図5(b)に示したフルブリッジ動作における波形となる。
【0072】
図4に示したスイッチングアンプ20のブリッジ回路12は、具体的には、量子化出力信号(二値のオーディオ信号)S3a(+1ビット信号)が「1」、量子化出力信号(二値のオーディオ信号)S3b(−1ビット信号)が「0」のとき、スイッチング素子Q1、Q4がON、スイッチング素子Q2、Q3がOFFとなり、量子化出力信号S3aが「0」、量子化出力信号S3bが「1」のとき、スイッチング素子Q1、Q4がOFF、スイッチング素子Q2、Q3がONとなるようスイッチングされる。
【0073】
このとき負帰還のフィードバックは、スイッチング素子Q1、Q2のハーフブリッジ側から出力される増幅信号S4aは、その波高値を減衰器23aにより±Vdから±Δにまで減衰された後、帰還信号(フィードバック信号)S6aとして遅延器26aを介して差分器28aに入力され、+入力信号である入力信号S1aから減算される。スイッチング素子Q3、Q4のハーフブリッジ側から出力される増幅信号S4bも同様に、その波高値を減衰器23bにより±Vdから±Δまで減衰された後に、帰還信号S6bとして遅延器26bを介して差分器28bに入力され、−入力信号である入力信号S1bから減算される。
【0074】
次に、ブリッジ回路12の構成をハーフブリッジとする場合について説明する。上記FB/HB切替え信号S5により、スイッチング素子Q5をON状態とし、ドライバ回路11bによりスイッチング素子Q3、Q4をディスエイブル状態(OFF状態)とすることによりブリッジ回路12の構成をハーフブリッジとすることができる。デルタシグマ変調によって得た+1ビット/−1ビット信号(量子化出力信号S3a、S3b)を制御信号として、スイッチング素子Q1、Q2をスイッチングし、±Vdの波高値のスイッチング信号、すなわち、図5(b)のハーフブリッジ動作における波形のスイッチング信号を得ることができる。
【0075】
具体的には、ブリッジ回路12は、量子化出力信号S3aが「1」、量子化出力信号S3bが「0」のとき、スイッチング素子Q1がON、スイッチング素子Q2がOFFとなり、量子化出力信号S3aが「0」、量子化出力信号S3bが「1」のとき、スイッチング素子Q1がOFF、スイッチング素子Q2がONとなるように、スイッチングされる。
【0076】
このときの負帰還のフィードバックにおいては、スイッチング素子Q1、Q2のハーフブリッジ側から出力された増幅信号S4aの波高値を減衰器23aにより減衰する際の減衰量を、上記フルブリッジ動作の場合よりも小さくする。
【0077】
すなわち、増幅信号S4aの波高値は、減衰器23aで±Vdから±2Δに減衰されて、遅延器26aを介して、帰還信号S6aとして差分器28aに入力されて+入力信号である入力信号S1aから減算される。そして、他端から負帰還される増幅信号S4bは、GND信号であるが、電源リップルや重畳ノイズをキャンセルするために、増幅信号S4aと同様に、減衰器23bで±Vdから±2Δに減衰されて、遅延器26bを介して、帰還信号S6bとして差分器28bに入力され、−入力信号である入力信号S1bから減算される。
【0078】
上記のように、ブリッジ回路12の構成をフルブリッジからハーフブリッジに切替えると同時に、減衰器23a、23bにおける増幅信号S4a、S4bの波高値の減衰量を1/2にし、差分器28a、28bへ負帰還させることにより、帰還信号S6a、S6bの波高値を2倍にすることができ、負帰還量のレベルを2倍にすることができる。
【0079】
これにより、アンプゲインを下げることができ、電力増幅部のブリッジ回路に印加されている定電圧に含まれるリップル、重畳ノイズ、量子化ノイズ等によって発生する背景ノイズを減少させることができる。また、スイッチング信号の波高値を小さくすることで、輻射ノイズや前段で扱う入力信号への影響を押さえることができる。
【0080】
上記のように、減衰器における減衰量を切替えて帰還信号の波高値を変えることにより、アンプゲインを変化させることができる。このため、アンプゲインを大きくすることにより大きな再生音量で出力することができるとともに、小音量再生時や音量0のときにアンプゲインを下げることにより、定電圧に含まれるリップル、重畳ノイズ、量子化ノイズ等によって発生する背景ノイズを、減少させることができる。さらに、再生音量が0のときには、減衰器の減衰量を小さくしてアンプゲインを小さくするとともに、電力増幅部のブリッジ回路をハーフブリッジ構成とすることにより、スイッチング信号の波高値を小さくすることができるため、前段で扱う入力信号が特に微小信号となるスイッチングの飛込みの影響によるノイズや、輻射ノイズを抑えることができる。
【0081】
なお、本発明のスイッチングアンプは、デルタシグマ変調で得られた1ビット信号を制御信号として、パワーMOS FET等の高速スイッチング素子で構成されたブリッジ回路に、印加された定電圧をスイッチングして音声再生を行うアンブ回路において、再生ボリューム0時にブリッジ構成を変えると同時に、フィードバックのレベルを変え、ボリューム0時の背景ノイズの低減を行うことを特徴としたスイッチングアンプとして構成されていてもよい。
【0082】
上記のようにしてスイッチング波高値を小さくすることで、前段で扱う入力信号が特に微小信号となる小音量再生時や、ボリューム0時に、スイッチングの飛込みの影響によるノイズを抑えることができ、また、輻射ノイズをも抑えることができる。
【0083】
【発明の効果】
本発明のスイッチングアンプは、以上のように、スイッチング信号の波高値を変化させるように上記ブリッジ回路の構成をフルブリッジとハーフブリッジとに切替える切替手段が設けられており、上記スイッチング信号をデルタシグマ変調部へ帰還する帰還ループ上に、上記ブリッジ回路の構成に応じて該スイッチング信号の減衰量を変化させて帰還信号を生成する減衰部が設けられている構成である。
【0084】
それゆえ、上記ブリッジ回路に印加する定電圧を変えることなく、音声再生の出力(パワー)を変えることができる。すなわち、多大なコストを要する定電圧の切替えをおこなうことなく、上記ブリッジ回路の構成の切替えによりスイッチング信号の波高値を変化させることにより音声再生の出力を制御することができる。
【0085】
これにより、小音量再生時や再生音量0のときはノイズが目立たず、かつ大きな再生出力を得ることができるスイッチングアンプを低コストで提供することができるという効果を奏する。
【0086】
本発明のスイッチングアンプは、以上のように、上記切替手段は再生音量に応じて上記ブリッジ回路の構成を切替える構成である。
【0087】
このため、再生音量に応じて適切なアンプゲインが得られるスイッチングアンプを低コストで提供することができるという効果を奏する。
【0088】
本発明のスイッチングアンプは、以上のように、上記の再生音量が0のときの上記ブリッジ回路の構成をハーフブリッジとする構成である。
【0089】
このため、再生音量が0のときに、スイッチング信号の波高値を小さくすることにより、ブリッジ回路に印加される定電圧に含まれるリップル、重畳ノイズ、量子化ノイズ等によって発生する背景ノイズを低減させることができる。これにより、再生音量が0のときの背景ノイズが小さいスイッチングアンプを低コストで提供することができるという効果を奏する。
【0090】
本発明のスイッチングアンプは、以上のように、上記スイッチング信号をデルタシグマ変調部へ帰還する帰還ループ上に、上記ブリッジ回路の構成に応じて該スイッチング信号の減衰量を変化させて帰還信号を生成する減衰部が設けられている構成である。
【0091】
すなわち、帰還ループが設けられたスイッチングアンプのアンプゲインを変化させることができる。例えば、小音量再生や再生音量が0のときに、上記減衰量を小さくしてアンプゲインを小さくすることにより、上記背景ノイズのレベルを低くすることができる。
【0092】
このため、小音量再生や再生音量が0のときにおいて、帰還ループが設けられたスイッチングアンプの背景ノイズのレベルを小さくすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のスイッチングアンプの構成の概略を示すブロック図である。
【図2】図1に示したスイッチングアンプにおける量子化出力信号とスイッチング信号との関係を示す説明図であり、同図(a)は量子化出力信号の波形図、同図(b)はスイッチング信号の波形図である。
【図3】本発明の実施の形態のスイッチングアンプのブリッジ回路の構成の概略を示す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態の帰還ループが設けられたスイッチングアンプの構成の概略を示すブロック図である。
【図5】図4に示した帰還ループの設けられたスイッチングアンプにおける量子化出力信号とスイッチング信号との関係を示す説明図であり、同図(a)は量子化出力信号の波形図、同図(b)はスイッチング信号の波形図、同図(c)は帰還信号の波形図である。
【図6】従来のスイッチングアンプの電力増幅部を構成するハーフブリッジ回路の構成の説明図である。
【図7】従来のスイッチングアンプの電力増幅部を構成するフルブリッジ回路の構成の説明図である。
【図8】図6に示したスイッチングアンプにおける量子化出力信号とスイッチング信号との関係を示す説明図であり、同図(a)は量子化出力信号の波形図、同図(b)はスイッチング信号の波形図である。
【図9】図7に示したスイッチングアンプにおける量子化出力信号とスイッチング信号との関係を示す説明図であり、同図(a)は量子化出力信号の波形図、同図(b)はスイッチング信号の波形図である。
【図10】従来のデルタシグマ変調回路の構成の概略を説明するブロック図である。
【図11】従来のデルタシグマ変調の次数を上げたデルタシグマ変調回路の構成の概略を説明するブロック図である。
【図12】従来のデルタシグマ変調の次数を上げ、+1ビット/−1ビットの差動出力として負帰還ループを形成したデルタシグマ変調回路の構成の概略を説明するブロック図である。
【図13】従来の帰還ループの設けられたハーフブリッジ構成のスイッチングアンプの構成の概略を示すブロック図である。
【図14】従来の帰還ループの設けられたフルブリッジ構成のスイッチングアンプの構成の概略を示すブロック図である。
【符号の説明】
10 スイッチングアンプ
11a、11b ドライバ回路(電力増幅部)
12 ブリッジ回路(電力増幅部)
15 ドライバ回路(切替手段)
21 デルタシグマ変調部(変換部)
23a、23b 減衰器(減衰部)
29a、29b 帰還ループ
S1a、S1b 入力信号
S3a、S3b 量子化出力信号(二値のオーディオ信号)
S5 FB/HB切替え信号
S4a、S4b 増幅信号(スイッチング信号)
S6a、S6b 帰還信号
Q1、Q2、Q3、Q4 スイッチング素子(電力増幅部)
Q5 スイッチング素子(切替手段)
+Vd、−Vd、+2Vd、−2Vd 定電圧
Claims (3)
- 入力信号を二値のオーディオ信号に変換する変換部と、該二値のオーディオ信号に基づいて定電圧印加を複数のスイッチング素子により構成されたブリッジ回路によりスイッチングすることによりパルス増幅したスイッチング信号を生成する電力増幅部とを有するスイッチングアンプにおいて、
上記ブリッジ回路の構成をフルブリッジとハーフブリッジとに切替える切替手段が設けられており、
上記スイッチング信号をデルタシグマ変調部へ帰還する帰還ループ上に、上記ブリッジ回路の構成に応じて該スイッチング信号の減衰量を変化させて帰還信号を生成する減衰部が設けられていることを特徴とするスイッチングアンプ。 - 上記切替手段は再生音量に応じて上記ブリッジ回路の構成を切替えることを特徴とする請求項1記載のスイッチングアンプ。
- 上記切替手段は再生音量が0のときの上記ブリッジ回路の構成をハーフブリッジとすることを特徴とする請求項1または2記載のスイッチングアンプ。
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