JP3369503B2 - ディジタルスイッチングアンプ - Google Patents

ディジタルスイッチングアンプ

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JP3369503B2
JP3369503B2 JP06385499A JP6385499A JP3369503B2 JP 3369503 B2 JP3369503 B2 JP 3369503B2 JP 06385499 A JP06385499 A JP 06385499A JP 6385499 A JP6385499 A JP 6385499A JP 3369503 B2 JP3369503 B2 JP 3369503B2
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    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F3/00Amplifiers with only discharge tubes or only semiconductor devices as amplifying elements
    • H03F3/20Power amplifiers, e.g. Class B amplifiers, Class C amplifiers
    • H03F3/21Power amplifiers, e.g. Class B amplifiers, Class C amplifiers with semiconductor devices only
    • H03F3/217Class D power amplifiers; Switching amplifiers

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オーディオ信号等
のアナログ信号を増幅するパルス増幅器に関するもので
あり、特にデルタシグマ変調によって得られる量子化出
力信号を、スイッチング制御信号としてパルス増幅する
回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、デルタシグマ変調によって得られ
る量子化出力信号を、スイッチング制御信号としてパル
ス増幅を行う場合、図13に示す構成のディジタルスイ
ッチングアンプが一般的であった。
【0003】図13に示すように、ディジタルスイッチ
ングアンプ111では、入力端子1に入力されたオーデ
ィオ信号などの入力信号(入力オーディオ信号)S1
と、帰還ループ13によって負帰還された帰還信号(量
子化出力信号S3)とを入力として、差分器8でこれら
二信号の差分信号S8を求める。積分器・加算器群2
で、この差分信号S8を積分した後、加算して、ノイズ
シェーピングし、量子化器3で加算された差分積分信号
の極性を判定して“1”または“0”の量子化出力信号
S3(ディジタル信号)に変換する。つづいて、定電圧
電源5よって定電圧Vのかかったパルス増幅器4で、積
分器・加算器群2および量子化器3によってデルタシグ
マ変調して得られた量子化出力信号S3をスイッチング
制御信号として電力増幅し、得られたパルス増幅信号S
4を出力端子10へ出力する。
【0004】これにより、本発明の説明図である図2に
示すように、上記従来のディジタルスイッチングアンプ
111によれば、波形p1の1ビット信号の量子化出力
信号(図2(a))が、波形p2のパルス増幅信号(図
2(b))にパルス増幅される。ここで、図2(a)に
示すように、波形p1は1サンプル周期に“1”が一つ
立った後、1サンプル周期に“1”が二つ連続して立っ
たパルス波形である。そして、図2(b)に示すよう
に、この波形p1がパルス増幅された波形p2では、2
つのパルスの面積比が1:2となる。すなわち、忠実な
音声出力を達成するにはパルス増幅器4の動作中、パル
ス増幅器4に供給される電力の定電圧Vが一定電圧に強
固に維持される必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のディジタルスイッチングアンプ111には、パルス
増幅器4に供給される定電圧Vに、ノイズ成分の原因と
なるリプルや外来ノイズが含まれている。
【0006】そして、例えば、定電圧電源5からリプル
を含む定電圧Va(波形p3)が加えられた場合(図1
4(a))、リプルの影響を受けて1ビット信号の電力
成分が正確に増幅できず、波高値が乱れ、電力成分が不
正確な波形p4のようなパルス増幅信号S4aが出力さ
れる(図14(b))。ここで、図14(b)に示すよ
うに、パルス増幅信号S4aの波形p4では、1:2と
なるはずの二つのパルスの面積比が、0.9:1.9と
なっている。すなわち、定電圧Vaにリプルが加わった
ため、1ビット信号が持つ電力成分の情報に狂いが生じ
ている。
【0007】また、定電圧電源5から外来ノイズが混入
した定電圧Vb(波形p5)が加えられた場合(図14
(c))、外来ノイズの影響を受けて1ビット信号の電
力成分が正確に増幅できず、波高値が乱れた波形p6の
ようなパルス増幅信号S4bが出力される(図14
(d))。
【0008】このように、デルタシグマ変調によって得
られる量子化出力信号を、スイッチング制御信号として
パルス増幅を行うと、パルス増幅器に供給される定電圧
Vに含まれるリプルや外来ノイズにより、パルス増幅さ
れたパルス増幅信号にS/N劣化を生じる。そして、こ
れを回避するためには、高精度な定電圧電源が必要とな
る。
【0009】さらに、パルス増幅信号S4は、パルス増
幅器4で、量子化出力信号S3をスイッチング制御信号
として電力増幅されるため、パルス増幅信号S4c(波
形p7)のような波形なまり(図14(e))が生じる
ことは不可避である。
【0010】加えて、上記従来のディジタルスイッチン
グアンプ111は、 大音量のオーディオ信号が入力さ
れた時、パルス増幅器4に電力を供給する定電圧電源5
の負荷が大きくなり、電源回路(図示しない)のトラン
スレギュレーションによって定電圧Vつまり波高値その
ものが変動する。
【0011】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、パルス増幅器にかかる定
電圧に含まれるリプルや外来ノイズなどによるS/N劣
化を抑制するとともに、定電圧の電圧値変化に対しても
安定して、量子化出力信号をスイッチング制御信号とし
てパルス増幅を行うことができるディジタルスイッチン
グアンプを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1のディジタルス
イッチングアンプは、上記の課題を解決するために、入
力オーディオ信号をデルタシグマ変調して量子化出力信
号を生成するデルタシグマ変調部と、該量子化出力信号
に基づいて定電圧印加をスイッチングすることにより
記量子化出力信号をパルス増幅したスイッチング信号を
生成する電力増幅部とを有するディジタルスイッチング
アンプにおいて、上記スイッチング信号を上記デルタシ
グマ変調部へ帰還する帰還ループ上に、該スイッチング
信号を抵抗分割により減圧して帰還信号を生成する減圧
部が設けられていることを特徴としている。
【0013】上記の構成により、S/Nを確保すべきス
イッチング信号を、抵抗分割によって減圧して帰還信号
とし、帰還ループによりデルタシグマ変調部の入力側へ
負帰還する。なお、量子化出力信号およびスイッチング
信号は、2値でもよく、多値であってもよい。
【0014】これにより、スイッチング信号は、単に抵
抗分割によって減圧されるだけであるため、電力増幅部
に加えられる定電圧に含まれるリプルや外来ノイズなど
に起因するスイッチング信号の波形の変形を、そのまま
の形で帰還させることができる。よって、スイッチング
信号の波形の変形を、波形なまりも含めて打ち消すよう
にノイズシェーピングを行うことができる。
【0015】したがって、1ビット信号の量子化出力信
号をスイッチング制御信号として、スイッチング信号を
正確に電力増幅することができる。その結果、スイッチ
ング信号は、ノイズ成分の少ないS/Nの確保されたも
のとなる。また、そのために要する部材は単なる抵抗分
割で十分であるため、簡易な回路構成にすることができ
る。
【0016】請求項2のディジタルスイッチングアンプ
は、上記の課題を解決するために、請求項1の構成に加
えて、上記減圧部の減圧比は、可変であるとともに、上
記電力増幅部に加えられる定電圧の電圧値変化に応じて
上記帰還信号の波高値を一定に維持するように制御され
ることを特徴としている。
【0017】上記の構成により、請求項1の構成による
作用に加えて、上記電力増幅部に加えられる定電圧の電
圧値変化に応じて、上記帰還信号の波高値を一定に維持
するように、デルタシグマ変調の発振限界に影響を及ぼ
さない範囲で上記減圧部の減圧比を変更する。
【0018】これにより、帰還信号の波高値が下がる
と、入力信号に対する発振限界が低くなり、安定したデ
ルタシグマ変調が不可能になるという状況を回避するこ
とができる。
【0019】したがって、上記電力増幅部に加えられる
定電圧の電圧値が多少変化しても、帰還信号の波高値を
高く一定に維持して、安定したデルタシグマ変調を行う
ことができるため、高精度な定電圧電源を必要とするこ
となく、単なる電源トランスのような非安定化電源でも
電力増幅器に定電圧を加えることができる。
【0020】請求項3のディジタルスイッチングアンプ
は、上記の課題を解決するために、請求項2の構成に加
えて、上記定電圧の電圧値変化を検出する電源特性検出
部が設けられていることを特徴としている。
【0021】上記の構成により、請求項2の構成による
作用に加えて、上記電源特性検出部によって検出された
上記定電圧の電圧値変化に基づいて、上記帰還信号の波
高値を高く一定に維持するように、デルタシグマ変調の
発振限界に影響を及ぼさない範囲で上記減圧部の減圧比
を変更することができる。
【0022】請求項4のディジタルスイッチングアンプ
は、上記の課題を解決するために、請求項3の構成に加
えて、上記電源特性検出部は、上記電圧値、あるいは上
記電力増幅器を介して負荷へ供給される電流値に基づい
て、上記定電圧の電圧値変化を検出することを特徴とし
ている。
【0023】上記の構成により、請求項3の構成による
作用に加えて、上記定電圧の電圧値変化を検出する上記
電源特性検出部として、電圧値を検出する電圧検出器、
あるいは電力増幅器を介して負荷へ供給される電流値を
検出する電流検出器のどちらかを設けることができる。
【0024】よって、電圧検出器と電流検出器とから、
上記電源特性検出部としてより適当なものを適宜選択す
ることができる。
【0025】請求項5のディジタルスイッチングアンプ
は、上記の課題を解決するために、請求項2の構成に加
えて、上記定電圧は電圧値が可変の定電圧電源により印
加され、該電圧値は上記減圧部の減圧比とともに電圧値
制御部によって制御されることを特徴としている。
【0026】上記の構成により、請求項2の構成による
作用に加えて、上記電圧値制御部は、上記定電圧の電圧
値を制御すると同時に、帰還信号の波高値を高く一定に
維持するように、上記減圧部の減圧比を制御することが
できる。
【0027】これにより、上記電力増幅部に加える定電
圧の電圧値を変化させても、安定したデルタシグマ変調
を行うことができる。
【0028】したがって、電力増幅部に加える定電圧の
電圧値を変化させて、ディジタルスイッチングアンプの
再生音量を変化させることができる。
【0029】請求項6のディジタルスイッチングアンプ
は、上記の課題を解決するために、入力オーディオ信号
をデルタシグマ変調して量子化出力信号を生成するデル
タシグマ変調部と、該量子化出力信号に基づいて定電圧
印加をスイッチングすることによりパルス増幅したスイ
ッチング信号を生成する電力増幅部とを有するディジタ
ルスイッチングアンプにおいて、上記電力増幅部に加え
られる定電圧中のノイズ成分を上記デルタシグマ変調部
へ帰還する帰還ループ上に、該ノイズ成分のみを抽出
し、抵抗分割により減圧して帰還信号を生成する減圧部
が設けられていることを特徴としている。
【0030】上記の構成により、電力増幅器に供給され
る定電圧のノイズ成分のみを抽出し、抵抗分割により減
圧して帰還信号とし、帰還ループによりデルタシグマ変
調部の入力側へ負帰還する。なお、量子化出力信号およ
びスイッチング信号は、2値でもよく、多値であっても
よい。
【0031】これにより、S/Nを確保すべきスイッチ
ング信号の波形の変形の原因である電力増幅部に加えら
れる定電圧に含まれるリプルや外来ノイズなどを、その
ままの形で抽出し、帰還させることができる。よって、
スイッチング信号の波形の変形を、波形なまりも含めて
打ち消すようにノイズシェーピングを行うことができ
る。
【0032】したがって、1ビット信号の量子化出力信
号をスイッチング制御信号として、スイッチング信号を
正確に電力増幅することができる。その結果、スイッチ
ング信号は、ノイズ成分の少ないS/Nの確保されたも
のとなる。また、そのために要する部材は単なる抵抗分
割とコンデンサで十分であるため、簡易な回路構成にす
ることができる。
【0033】請求項7のディジタルスイッチングアンプ
は、上記の課題を解決するために、入力オーディオ信号
をデルタシグマ変調して量子化出力信号を生成するデル
タシグマ変調部と、該量子化出力信号に基づいて定電圧
印加をスイッチングすることによりパルス増幅したスイ
ッチング信号を生成する電力増幅部とを有するディジタ
ルスイッチングアンプにおいて、上記入力オーディオ信
号の振幅を制御する入力信号可変部と、上記定電圧の電
圧レベルを設定する電圧値制御部と、上記スイッチング
信号を上記デルタシグマ変調部へ帰還する帰還ループ上
に設けられ該スイッチング信号の振幅を減圧して帰還信
号を生成する減圧部とを備えるとともに、これら入力信
号可変部、電圧値制御部、減圧部を連動して制御する制
御部を備えていることを特徴としている。
【0034】上記の構成により、入力オーディオ信号の
変化に連動して、電力増幅部に供給する定電圧の電圧レ
ベルを設定すると同時に、デルタシグマ変調部への帰還
信号の波高値を一定に維持するように適切に制御するこ
とができる。したがって、出力電圧を増減させても、常
に、電力効率に優れノイズレベルを低減した設定におい
て、電力増幅を行うことができる。
【0035】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕 本発明の一実施の形態について図1および図2に基づい
て説明すれば、以下のとおりである。
【0036】図1に示すように、本実施の形態にかかる
デルタシグマ変調を応用したディジタルスイッチングア
ンプ101は、差分器8と、積分器・加算器群2と、量
子化器3と、パルス増幅器(電力増幅部)4と、定電圧
電源5と、減衰器(減圧部)6とを備えて構成されてい
る。なお、積分器・加算器群2と、量子化器3とからデ
ルタシグマ変調部AD1が構成されている。
【0037】上記ディジタルスイッチングアンプ101
は、パルス増幅器4の出力信号から高域成分を除去する
ローパスフィルタ(図示しない)と、ローパスフィルタ
の出力信号を音声出力するスピーカ等の音声信号出力部
(図示しない)とをさらに備えたオーディオ信号再生装
置に適用することができる。
【0038】上記差分器8は、入力端子1に入力された
オーディオ信号などの入力信号(入力オーディオ信号)
S1と、帰還ループ12によってパルス増幅器4から減
衰器6を経て負帰還する帰還信号S6とを入力信号とし
て、これら二信号の差分値を求めて、差分信号S8を積
分器・加算器群2へ出力する。なお、上記の入力信号S
1は、アナログオーディオ信号であっても、ディジタル
オーディオ信号であってもよい。さらに、上記の入力信
号S1は、1ビットのディジタルオーディオ信号であっ
てもよい。
【0039】上記積分器・加算器群2は、高次の積分器
であり、差分器8で得られた差分信号S8を積分して、
加算し、差分積分加算信号S2を量子化器3へ出力す
る。
【0040】上記量子化器3は、積分器・加算器群2で
生成された差分積分加算信号S2の極性を判定して、2
値(1ビット)の量子化出力信号S3(ディジタル信
号)に変換する。ここで、量子化器3の量子化閾値は、
想定されるサンプリング周波数に対して最適に設定され
ている。また、量子化器3はクロック信号に対応して作
動する。
【0041】上記パルス増幅器4は、量子化出力信号S
3をスイッチング制御信号として高速にスイッチングす
ることにより、定電圧電源5から加えられる定電圧Vに
よって、電力増幅する高速スイッチングパルス増幅器で
ある。上記パルス増幅器4は、量子化出力信号S3をス
イッチング制御信号として電力増幅し、パルス増幅信号
(スイッチング信号)S41を出力端子10および帰還
ループ12へ出力する。
【0042】上記定電圧電源5は、パルス増幅器4に一
定の電圧を加える電源である。この電圧により、パルス
増幅器4における増幅の量が決定される。
【0043】上記減衰器6は、直列に接続された二つの
抵抗6p,6sからなっており、帰還ループ12上に設
けられている。上記抵抗6pは、一端が帰還ループ12
の入力側(パルス増幅器4の出力端)に導通しており、
他端が抵抗6sと接続されている。上記抵抗6sは、抵
抗6pと接続された一端の反対端が接地されている。そ
して、抵抗6pおよび抵抗6sの連結部位が帰還ループ
12の出力側(差分器8の入力端)に導通されている。
【0044】これにより、上記減衰器6は、帰還ループ
12上に設けられ、パルス増幅器4から出力されたパル
ス増幅信号S41を減衰して、帰還信号S6を差分器8
へ負帰還する。ここで、抵抗6p,6sの抵抗値は、パ
ルス増幅器4における増幅の量すなわち定電圧Vに応じ
た減圧比となるように適宜設定される。なお、減衰器6
および帰還ループ12の詳細については後述する。
【0045】以上のように構成されたディジタルスイッ
チングアンプ101の動作を説明すると、つぎのとおり
である。
【0046】上記ディジタルスイッチングアンプ101
では、入力端子1に入力されたオーディオ信号などの入
力信号S1と、帰還ループ12によって減衰器6を経て
負帰還された帰還信号S6とを入力して、差分器8でこ
れら二信号の差分信号S8を求める。積分器・加算器群
2で、この差分信号S8を積分した後、加算して、ノイ
ズシェーピングし、量子化器3で加算された差分積分信
号の極性を判定して“1”または“0”の量子化出力信
号S3に変換する。つづいて、デルタシグマ変調して得
られた量子化出力信号S3をスイッチング制御信号とし
て、定電圧電源5によって定電圧Vが加えられたパルス
増幅器4で電力増幅し、得られたパルス増幅信号S41
を出力端子10へ出力する。
【0047】なお、スイッチング周波数すなわち1ビッ
ト信号のサンプリング周波数は、所望の周波数特性、ダ
イナミックレンジを得るために、例えば、16×44.1kHz
=0.7056MHz 、32×44.1kHz =1.4112MHz 、64×44.1kH
z =2.8224MHz に設定することができる。
【0048】ここで、上記の減衰器6の動作を説明する
と、つぎのとおりである。
【0049】上記パルス増幅器4は、定電圧電源5から
定電圧Vとして、リプルを含む定電圧Va(図14
(a)波形p3)が供給されることがある。この場合、
リプルの影響を受けて1ビット信号の波高値が乱れて、
パルスの面積に狂いが生じるため、電力成分が不正確な
パルス増幅信号(図14(b)波形p4)S4aが、パ
ルス増幅信号S41として出力される。
【0050】また、上記パルス増幅器4は、定電圧電源
5からの定電圧Vに外来ノイズが混入した定電圧Vb
(図14(c)波形p5)が供給されることがある。こ
の場合、外来ノイズの影響を受けて1ビット信号の電力
成分が正確に増幅できず、パルス増幅信号S41とし
て、波高値が乱れたパルス増幅信号S4b(図14
(d)波形p6)が出力される。
【0051】さらに、上記パルス増幅器4により電力増
幅されたパルス増幅信号S41には、パルス増幅信号S
4c(図14(e)波形p7)のような波形なまりが生
じる。
【0052】そこで、ディジタルスイッチングアンプ1
01では、上記のようなスイッチング波形に含まれるノ
イズ成分を打ち消すために、デルタシグマ変調部AD1
とパルス増幅器4を含む帰還ループ12を設けている。
【0053】そして、S/Nを確保すべきパルス増幅器
4から出力されたパルス増幅信号S41を、減衰器6で
二つの抵抗6p,6sの抵抗分割によって減圧した帰還
信号S6を、帰還ループ12によりデルタシグマ変調部
AD1の入力側へ負帰還する。
【0054】このように、減衰器6は、単に抵抗分割に
よって減圧するため、パルス増幅器4で受けるリプルや
外来ノイズなどによる、パルス増幅信号S41の変形
を、そのままの形で帰還させることができる。
【0055】よって、パルス増幅器4でパルス増幅され
た1ビット信号に含まれるノイズ成分を、波形なまりも
含めて打ち消すようにノイズシェーピングを行うことが
できる。すなわち、1ビット信号の量子化出力信号S3
(図2(a)波形p1)をスイッチング制御信号とし
て、パルス増幅信号S41(図2(b)波形p2)を正
確に電力増幅することができる。
【0056】以上のように、本実施の形態にかかるディ
ジタルスイッチングアンプ101では、デルタシグマ変
調部AD1およびパルス増幅器4を含む帰還ループ12
が設けられているとともに、抵抗分割によりパルス増幅
信号S41を減圧する減衰器6が設けられている。
【0057】これにより、パルス増幅器4で受けるリプ
ルや外来ノイズなどによるパルス増幅信号S41の波形
の変形を、そのままの形で帰還させることができる。よ
って、パルス増幅器4でパルス増幅された1ビット信号
に含まれるノイズ成分を、波形なまりも含めて打ち消す
ようにノイズシェーピングを行うことができる。したが
って、パルス増幅器4から出力されるパルス増幅信号S
41は、ノイズ成分を減らすことができ、S/Nの確保
されたものとなる。
【0058】また、減衰器6は単なる抵抗分割で十分で
あるため、簡易な回路構成にすることができる。
【0059】なお、もし、帰還信号S6をオペアンプな
どを使った減衰器で生成すると、オペアンプ出力にノイ
ズキャンセルが働くため、パルス増幅器4の出力信号が
そのままの形で帰還されず、再生される音声信号にはノ
イズが残ることになる。 〔実施の形態2〕 本発明の他の実施の形態について図3から図6に基づい
て説明すれば、以下のとおりである。なお、本実施の形
態は、量子化出力信号が3値信号である場合である。
【0060】なお、説明の便宜上、実施の形態1におい
て示した構成と同一の部材には、同一の符号を付記し、
その説明を省略する。
【0061】図3に示すように、本実施の形態にかかる
デルタシグマ変調を応用したディジタルスイッチングア
ンプ102は、積分器・加算器群22と、3値量子化器
32と、3値パルス増幅器(電力増幅部)42と、定電
圧電源5と、減衰器(減圧部)6aおよび6bとを備え
て構成されている。なお、積分器・加算器群22と、3
値量子化器32とからデルタシグマ変調部AD2が構成
されている。
【0062】上記ディジタルスイッチングアンプ102
は、3値パルス増幅器42の出力信号から高域成分を除
去するローパスフィルタ(図示しない)と、ローパスフ
ィルタの出力信号を音声出力するスピーカ等の音声信号
出力部(図示しない)とをさらに備えたオーディオ信号
再生装置に適用することができる。
【0063】上記積分器・加算器群22は、差動入力形
態の差動積分器を入力部とした高次の積分器である。上
記積分器・加算器群22は、入力端子1(1a,1b)
に入力されたオーディオ信号などの入力信号(入力オー
ディオ信号)S1a,S1bと、帰還ループ12a,1
2bによって3値パルス増幅器42から減衰器6a,6
bを経てそれぞれ負帰還される帰還信号S62a,S6
2bとを差動入力信号として、これら四信号を差動積分
し、差動積分信号S22を3値量子化器32へ出力す
る。なお、入力信号S1aおよび帰還信号S62aは積
分器・加算器群22の差動積分器の反転入力側に入力さ
れ、入力信号S1bおよび帰還信号S62bは積分器・
加算器群22の差動積分器の非反転入力側に入力され
る。
【0064】上記3値量子化器32は、積分器・加算器
群22で生成された差動積分信号S22の極性を判定し
て、3値(2ビット)の3値量子化出力信号S32(S
32a,S32b)(ディジタル信号)に変換する。3
値量子化器32からは、3値量子化出力信号S32とし
て“+1”,“0”,“−1”が出力される。3値量子
化出力信号S32が“+1”のとき量子化出力信号S3
2aに“1”がたち、“−1”のとき量子化出力信号S
32bに“1”がたち、“0”のときは量子化出力信号
S32a,S32bともビットはたたず“0”となる。
なお、3値量子化器32の量子化閾値は、サンプリング
周波数に対して最適に設定されている。また、3値量子
化器32はクロック信号に対応して作動する。
【0065】上記3値パルス増幅器42は、3値量子化
出力信号S32をスイッチング制御信号として高速にス
イッチングすることにより、定電圧電源5から加えられ
る定電圧Vによって、電力増幅する高速スイッチングパ
ルス増幅器である。そして、得られた3値パルス増幅信
号(スイッチング信号)S42(S42a,S42b)
を出力端子10(10a,10b)および帰還ループ1
2(12a,12b)へ出力する。
【0066】例えば、図4に示すように、上記3値パル
ス増幅器42を、フルブリッジ回路で構成し、3値量子
化器32から得られる+1ビット信号(S32a)およ
び−1ビット信号(S32b)をそのままパルス増幅し
て、3値パルス増幅信号S42(S42a,S42b)
に変換することができる。
【0067】上記フルブリッジ回路は、四つのn形FE
T(field effect transistor :電界効果トランジス
タ)42a,42b,42c,42dと、二つのインバ
ータ42e,42fよりなっている。
【0068】上記n形FET42aは、ドレインが定電
圧電源5に接続されており、ソースがn形FET42b
のドレインに接続されている。n形FET42bは、ソ
ースが接地されている。3値量子化出力信号S32の+
1ビット信号(S32a)が、n形FET42aのゲー
トに入力されるとともに、インバータ42eで反転され
てn形FET42bのゲートに入力される。
【0069】これにより、図5(a),(c)に示すよ
うに、量子化出力信号S32aによってn形FET42
a,42bをスイッチングすることにより、量子化出力
信号S32aが“1”のときにはパルス増幅器S42a
を“V”に増幅し、量子化出力信号S32aが“0”の
ときにはパルス増幅器S42aを“0”にすることがで
きる。
【0070】同様に、上記n形FET42cは、ドレイ
ンが定電圧電源5に接続されており、ソースがn形FE
T42dのドレインに接続されている。n形FET42
dは、ソースが接地されている。3値量子化出力信号S
32の−1ビット信号(S32b)が、n形FET42
cのゲートに入力されるとともに、インバータ42fで
反転されてn形FET42dのゲートに入力される。
【0071】これにより、図5(b),(d)に示すよ
うに、量子化出力信号S32bによってn形FET42
c,42dをスイッチングすることにより、量子化出力
信号S32bが“1”のときにはパルス増幅器S42b
を“V”に増幅し、量子化出力信号S32bが“0”の
ときにはパルス増幅器S42bが“0”にすることがで
きる。
【0072】上記定電圧電源5は、3値パルス増幅器4
2に一定の電圧を供給する電源である。この定電圧電源
5が加える電圧値により、3値パルス増幅器42におけ
る増幅の量が決定される。
【0073】上記減衰器6a,6bは、それぞれ直列に
接続された二つの抵抗からなっており、帰還ループ12
a,12b上に設けられている。
【0074】上記減衰器6aの抵抗6apは、一端が帰
還ループ12aの入力側(3値パルス増幅器42の出力
端)に導通しており、他端が抵抗6asと接続されてい
る。上記抵抗6asは、抵抗6apと接続された一端の
反対端が接地されている。そして、抵抗6apおよび抵
抗6asの連結部位が帰還ループ12aの出力側(積分
器・加算器群22の入力端)に導通されている。
【0075】これにより、上記減衰器6aは、帰還ルー
プ12a上に設けられ、3値パルス増幅器42から出力
されたパルス増幅信号S42を減衰して、+1ビット側
の帰還信号S62aを積分器・加算器群22の差動積分
器の反転入力側へ負帰還することができる。
【0076】同様に、上記減衰器6bの抵抗6bpは、
一端が帰還ループ12bの入力側(3値パルス増幅器4
2の出力端)に導通しており、他端が抵抗6bsと接続
されている。上記抵抗6bsは、抵抗6bpと接続され
た一端の反対端が接地されている。そして、抵抗6bp
および抵抗6bsの連結部が帰還ループ12bの出力側
(積分器・加算器群22の入力端)に導通されている。
【0077】これにより、上記減衰器6bは、帰還ルー
プ12b上に設けられ、3値パルス増幅器42から出力
されたパルス増幅信号S42を減衰して、−1ビット側
の帰還信号S62bを積分器・加算器群22の差動積分
器の非反転入力側へ負帰還することができる。
【0078】なお、上記の各抵抗6ap,6as,6b
p,6bsの抵抗値は、パルス増幅器42における増幅
の量すなわち定電圧Vに応じた減圧比となるように適宜
設定される。
【0079】以上のように構成されたディジタルスイッ
チングアンプ102の動作を説明すると、つぎのとおり
である。
【0080】上記ディジタルスイッチングアンプ102
では、入力端子1(1a,1b)に入力されたオーディ
オ信号などの入力信号S1(S1a,S1b)と、帰還
ループ12a,12bによって減衰器6a,6bを経て
負帰還された帰還信号S62a,S62bとを入力とし
て、積分器・加算器群22でこれら4信号をノイズシェ
ーピングして差動積分信号S22を求める。量子化器3
で差動積分信号S22の極性を判定して、“1”,
“0”,“−1”の3値量子化出力信号S32(S32
a,S32b)に変換する。つづいて、定電圧電源5に
よって定電圧Vの加えられた3値パルス増幅器42で、
積分器・加算器群22および3値量子化器32によって
デルタシグマ変調して得られた3値量子化出力信号S3
2をスイッチング制御信号として電力増幅し、得られた
3値パルス増幅信号S42を出力端子10(10a,1
0b)へ出力する。
【0081】ここで、上記の減衰器6a,6bの動作を
説明すると、つぎのとおりである。
【0082】上記3値パルス増幅器42は、定電圧電源
5から定電圧Vとして、リプルや外来ノイズを含む定電
圧が供給されることがある。この場合、3値パルス増幅
器42は、1ビット信号の電力成分が正確に増幅でき
ず、波高値が乱れてパルスの面積に狂いが生じるため、
電力成分が不正確な波形が3値パルス増幅信号S42
(S42a,S42b)として出力される。また、上記
3値パルス増幅器42により電力増幅された3値パルス
増幅信号S42には、波形なまりが生じる。
【0083】そこで、ディジタルスイッチングアンプ1
02では、上記のようなスイッチング波形に含まれるノ
イズ成分を打ち消すために、デルタシグマ変調部AD2
と3値パルス増幅器42とを含む帰還ループ12を設け
ている。
【0084】そして、S/Nを確保すべき3値パルス増
幅器42から出力された3値パルス増幅信号S42を、
減衰器6a,6bで抵抗分割により減圧した帰還信号S
62a,S62bを、帰還ループ12a,12bにより
デルタシグマ変調部AD2の入力側へ負帰還する。
【0085】このように、減衰器6a,6bは、単に抵
抗分割によって減圧するため、3値パルス増幅器42で
受けるリプルや外来ノイズなどによる、パルス増幅信号
の変形を、そのままの形で帰還させることができる。
【0086】これによって、3値パルス増幅信号S42
に生じた波形の変形を、打ち消すようにノイズシェーピ
ングを行うことができるため、3値パルス増幅器42か
ら出力されるスイッチング信号は、リプルや外来ノイズ
の影響を受けずS/Nの確保されたものとなる。
【0087】以上のように、本実施の形態にかかるディ
ジタルスイッチングアンプ102では、デルタシグマ変
調部AD2および3値パルス増幅器42を含む帰還ルー
プ12が設けられているとともに、抵抗分割により3値
パルス増幅信号S42を減圧する減衰器6a,6bが設
けられている。
【0088】これにより、3値パルス増幅器42で受け
るリプルや外来ノイズなどによる3値パルス増幅信号S
42の波形の変形を、そのままの形で帰還させることが
できる。
【0089】よって、3値パルス増幅器42で電力増幅
された1ビット信号に含まれるノイズ成分を、波形なま
りも含めてキャンセルすることができるため、1ビット
信号の3値の量子化出力信号S32a,S32b(図5
(a),(b))をスイッチング制御信号として、3値
のパルス増幅信号S42a,S42b(図5(c),
(d))を正確に電力増幅することができる。ゆえに、
可聴帯域を含むノイズ成分を減らすことができる。
【0090】また、減衰器6a,6bは単なる抵抗分割
で十分であるため、簡易な回路構成にすることができ
る。
【0091】なお、上記の3値パルス増幅信号S42
は、図6に示すような波形であっても、単なる抵抗分割
で減圧し帰還することができる。 〔実施の形態3〕 本発明のさらに他の実施の形態について図7および図8
に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、本
実施の形態は、定電圧Vのノイズ成分のみを抽出し、減
圧して負帰還する場合である。
【0092】なお、説明の便宜上、実施の形態1および
2において示した構成と同一の部材には、同一の符号を
付記し、その説明を省略する。
【0093】図7に示すように、本実施の形態にかかる
デルタシグマ変調を応用したディジタルスイッチングア
ンプ103は、差分器83と、積分器・加算器群2と、
量子化器3と、パルス増幅器(電力増幅部)4と、減衰
器(減圧部)63a,63bと、アナログスイッチ(切
替器)73とを備えて構成されている。なお、積分器・
加算器群2と、量子化器3とからデルタシグマ変調部A
D1が構成されている。
【0094】上記ディジタルスイッチングアンプ103
は、パルス増幅器4の出力信号から高域成分を除去する
ローパスフィルタ(図示しない)と、ローパスフィルタ
の出力信号を音声出力するスピーカ等の音声信号出力部
(図示しない)とをさらに備えたオーディオ信号再生装
置に適用することができる。
【0095】上記差分器83は、入力端子1に入力され
たオーディオ信号などの入力信号S1と、帰還ループ1
2によってパルス増幅器4から減衰器63a,63bお
よびアナログスイッチ73を経て負帰還する帰還信号S
73と、デルタシグマ変調部AD1から帰還ループ13
によって負帰還する量子化出力信号S3とを入力信号と
して、これら三信号の差分値を求めて、差分信号S83
を積分器・加算器群2へ出力する。
【0096】上記の積分器・加算器群2および量子化器
3は、上述したとおりである。
【0097】上記パルス増幅器4は、量子化出力信号S
3をスイッチング制御信号として高速にスイッチングす
ることにより、電源端子Tdに供給される定電圧Vdあ
るいは電源端子Tsに供給される定電圧Vsによって、
電力増幅する高速スイッチングパルス増幅器である。そ
して、得られたパルス増幅信号(スイッチング信号)S
43を出力端子10へ出力する。ここで、パルス増幅器
4は、量子化出力信号S3が“1”のときには、電源端
子Tdより加えられる定電圧Vdによって電力増幅す
る。逆に、量子化出力信号S3が“0”のときには、電
源端子Tsより加えられる定電圧Vsによって電力増幅
する。
【0098】上記減衰器63a,63bは、それぞれ直
列に接続された二つの抵抗と、一つのコンデンサとから
なっており、帰還ループ12a,12b上にそれぞれ設
けられている。
【0099】上記減衰器63aのコンデンサ63ac
は、一端が電源端子Tdに導通されており、他端が抵抗
63apと接続されている。抵抗63apは、コンデン
サ63acと接続された一端の反対端が抵抗63asと
接続されている。抵抗63asは、抵抗63apと接続
された一端の反対端が接地されている。そして、抵抗6
3apと抵抗63asとの連結部位がアナログスイッチ
73の接点73aに導通されている。
【0100】これにより、上記減衰器63aは、アナロ
グスイッチ73を介して帰還ループ12に導通する帰還
ループ12a上に設けられ、コンデンサ63acにより
定電圧VdのDC成分を除去して、ノイズ成分だけを抽
出し、抵抗63ap,63asの抵抗分割により、減圧
してアナログスイッチ73へ出力する。
【0101】同様に、上記減衰器63bのコンデンサ6
3bcは、一端が電源端子Tsに導通されており、他端
が抵抗63bpと接続されている。抵抗63bpは、コ
ンデンサ63bcと接続された一端の反対端が抵抗63
bsと接続されている。抵抗63bsは、抵抗63bp
と接続された一端の反対端が接地されている。そして、
抵抗63bpと抵抗63bsとの連結部位がアナログス
イッチ73の接点73bに導通されている。
【0102】これにより、上記減衰器63bは、アナロ
グスイッチ73を介して帰還ループ12に導通する帰還
ループ12b上に設けられ、コンデンサ63bcにより
定電圧VsのDC成分を除去して、ノイズ成分だけを抽
出し、抵抗63bp,63bsの抵抗分割により、減圧
してアナログスイッチ73へ出力する。
【0103】なお、上記の各抵抗63ap,63as,
63bp,63bsの抵抗値、および上記の各コンデン
サ63ac,63bcの容量は、パルス増幅器4におけ
る増幅の量すなわち定電圧Vdあるいは定電圧Vsに応
じた減圧比となるように適宜設定される。
【0104】上記アナログスイッチ73は、二つの接点
73a,73bを備えたアナログスイッチである。上記
接点73aは、減衰器63aに導通されている。同様
に、上記接点73bは、減衰器63bに導通されてい
る。すなわち、定電圧Vd側が接点73aに、定電圧V
s側が接点73bにそれぞれ接続されている。
【0105】そして、上記アナログスイッチ73は、量
子化出力信号S3の“1”,“0”に基づいて、接点7
3a,73bのスイッチングが制御される。具体的に
は、量子化出力信号S3が“1”のときに接点73aが
接続され、“0”のときに接点73bが接続される。
【0106】なお、量子化出力信号S3はアナログスイ
ッチ73を制御するとともに、帰還ループ12により差
分器83に負帰還される。また、アナログスイッチ73
としては、ディジタル信号の“1”,“0”でスイッチ
の切り替え制御可能なアナログスイッチ、例えば『TC
74HC4051((株)東芝製)』などを使用するこ
とができる。減衰器63a,63bおよびアナログスイ
ッチ73の詳細については後述する。
【0107】以上のように構成されたディジタルスイッ
チングアンプ103の動作を説明すると、つぎのとおり
である。
【0108】上記ディジタルスイッチングアンプ103
では、入力端子1に入力されたオーディオ信号などの入
力信号S1と、帰還ループ12によってパルス増幅器4
から減衰器63a,63bおよびアナログスイッチ73
を経て負帰還する帰還信号S73と、デルタシグマ変調
部AD1から帰還ループ13によって負帰還する量子化
出力信号S3とを入力信号として、差分器83でこれら
三つの信号の差分信号S83を求める。積分器・加算器
群2で、この差分信号S83を積分した後、加算して、
ノイズシェーピングし、量子化器3で加算された差分積
分信号の極性を判定して“1”または“0”の量子化出
力信号S3(ディジタル信号)に変換する。つづいて、
パルス増幅器4で、量子化出力信号S3に応じた定電圧
(VdあるいはVs)によって、量子化出力信号S3を
電力増幅し、パルス増幅信号S43を出力端子10へ出
力する。
【0109】ここで、上記の減衰器63a,63bおよ
びアナログスイッチ73の動作を説明すると、つぎのと
おりである。
【0110】上記パルス増幅器4は、定電圧(Vdある
いはVs)として、リプルや外来ノイズを含む定電圧が
供給されることがある。この場合、パルス増幅器4は、
1ビット信号の電力成分が正確に増幅できず、波高値が
乱れてパルスの面積に狂いが生じるため、電力成分が不
正確な波形がパルス増幅信号S43として出力される。
【0111】例えば、図8に示すように、パルス増幅器
4にかかる定電圧Vd,Vsにはノイズ成分が含まれて
いるとする(図8(b),(c))。この場合、パルス
増幅器4に入力された1ビット信号の量子化出力信号S
3(図8(a))によって、定電圧をスイッチングする
と、定電圧に含まれるノイズ成分が重畳したパルス増幅
信号S43となってしまう(図8(d))。なお、図8
(d)は、図8(a)の量子化出力信号S3を、図8
(b)の定電圧Vdによって電力増幅したパルス増幅信
号S43の波形である。
【0112】また、上記パルス増幅器4により電力増幅
されたパルス増幅信号S43には、波形なまりが生じ
る。
【0113】そこで、ディジタルスイッチングアンプ1
03では、上記のようなスイッチング波形に含まれるノ
イズ成分を打ち消すために、デルタシグマ変調部AD1
を含む帰還ループ13と、デルタシグマ変調部AD1と
パルス増幅器4とを含む帰還ループ12を設けている。
【0114】そして、減衰器63a,63bで定電圧の
ノイズ成分のみを抽出、減圧した帰還信号S63a,S
63bを、アナログスイッチ73で量子化出力信号S3
に基づいて選択的に差分器83に帰還ループ12で負帰
還させる。同時に、量子化出力信号S3を、帰還ループ
13で負帰還させる。
【0115】具体的には、量子化出力信号S3が“1”
のときには、量子化出力信号S3がパルス増幅器4で定
電圧Vdによって電力増幅されるとともに、減衰器63
aで定電圧Vdのノイズ成分が抽出、減圧された帰還信
号S63aが、アナログスイッチ73の接点73aに入
力されている。ここで、量子化出力信号S3が“1”で
あることから、アナログスイッチ73は接点73aが接
続されるように制御されて、帰還信号S63aが帰還信
号S73として差分器83に負帰還される。
【0116】同様に、量子化出力信号S3が“0”のと
きには、量子化出力信号S3がパルス増幅器4で定電圧
Vsによって電力増幅されるとともに、減衰器63bで
定電圧Vsのノイズ成分が抽出、減圧された帰還信号S
63bが、アナログスイッチ73の接点73bに入力さ
れている。ここで、量子化出力信号S3が“0”である
ことから、アナログスイッチ73は接点73bが接続さ
れるように制御されて、帰還信号S63bが帰還信号S
73として差分器83に負帰還される。
【0117】このように、減衰器63a,63bは、ノ
イズ成分を抽出後、単に抵抗分割によって減圧するた
め、パルス増幅器4で受けるリプルや外来ノイズなどに
よるパルス増幅信号の変形を、そのままの形で帰還させ
ることができる。
【0118】これによって、パルス増幅信号S43に生
じた波形の変形を、打ち消すようにノイズシェーピング
を行うことができるため、パルス増幅器4から出力され
るスイッチング信号は、リプルや外来ノイズの影響を受
けずS/Nの確保されたものとなる。
【0119】以上のように、本実施の形態にかかるディ
ジタルスイッチングアンプ103では、パルス増幅器4
に供給される定電圧のノイズ成分のみを抽出し、抵抗分
割により減圧して負帰還するとともに、量子化出力信号
S3が負帰還される。
【0120】これにより、パルス増幅器4で受けるリプ
ルや外来ノイズの原因となるノイズ成分をそのままの形
で帰還させることができる。
【0121】よって、パルス増幅器4で電力増幅された
1ビット信号に含まれるノイズ成分を、波形なまりも含
めてキャンセルすることができるため、1ビット信号の
量子化出力信号S3をスイッチング制御信号として、パ
ルス増幅信号S43を正確に電力増幅することができ
る。ゆえに、可聴帯域を含むノイズ成分を減らすことが
できる。
【0122】また、減衰器63a,63bは単なる抵抗
分割で十分であるため、簡易な回路構成にすることがで
きる。 〔実施の形態4〕 本発明のさらに他の実施の形態について図9に基づいて
説明すれば、以下のとおりである。なお、本実施の形態
は、実施の形態3において量子化出力信号が3値信号で
ある場合である。
【0123】なお、説明の便宜上、実施の形態1から3
において示した構成と同一の部材には、同一の符号を付
記し、その説明を省略する。
【0124】図9に示すように、本実施の形態にかかる
デルタシグマ変調を応用したディジタルスイッチングア
ンプ104は、積分器・加算器群24と、3値量子化器
32と、3値パルス増幅器(電力増幅部)42と、減衰
器(減圧部)63a,63bと、アナログスイッチ(切
替器)74とを備えて構成されている。なお、積分器・
加算器群24と、3値量子化器32とからデルタシグマ
変調部AD3が構成されている。
【0125】上記ディジタルスイッチングアンプ104
は、3値パルス増幅器42の出力信号から高域成分を除
去するローパスフィルタ(図示しない)と、ローパスフ
ィルタの出力信号を音声出力するスピーカ等の音声信号
出力部(図示しない)とをさらに備えたオーディオ信号
再生装置に適用することができる。
【0126】上記積分器・加算器群24は、差動入力形
態の差動積分器を入力部とした高次の積分器である。上
記積分器・加算器群24は、入力端子1(1a,1b)
に入力されたオーディオ信号などの入力信号S1a,S
1bと、帰還ループ12c,12dによって3値パルス
増幅器42から減衰器63a,63bおよびアナログス
イッチ74を経て負帰還する帰還信号S74a,S74
bと、帰還ループ13a,13bによってデルタシグマ
変調部AD3から負帰還する量子化出力信号S32a,
S32bとを入力信号として、これら六つの信号を差動
積分し、差動積分信号S24を3値量子化器32へ出力
する。なお、入力信号S1a、帰還信号S74aおよび
量子化出力信号S32aは、積分器・加算器群24の差
動積分器の反転入力側に入力され、入力信号S1b、帰
還信号S74bおよび量子化出力信号S32bは、積分
器・加算器群24の差動積分器の非反転入力側に入力さ
れる。
【0127】上記3値量子化器32は、上述したとおり
である。
【0128】上記3値パルス増幅器42は、3値量子化
出力信号S32をスイッチング制御信号として高速にス
イッチングすることにより、電源端子Tdに加えられる
定電圧Vdあるいは電源端子Tsに加えられる定電圧V
sによって、電力増幅する高速スイッチングパルス増幅
器である。例えば、図4に示したフルブリッジ回路を用
いることができる。そして、得られた3値パルス増幅信
号(スイッチング信号)S44(S44a,S44b)
を出力端子10(10a,10b)へ出力する。
【0129】ここで、3値パルス増幅器42は、3値量
子化出力信号S32が“+1”のとき、すなわち量子化
出力信号S32aが“1”かつ量子化出力信号S32b
が“0”のときは、パルス増幅信号S44aとして“V
d”を、パルス増幅信号S44bとして“Vs”を出力
する。3値量子化出力信号S32が“0”のとき、すな
わち量子化出力信号S32aと量子化出力信号S32b
とがともに“0”のときは、パルス増幅信号S44aと
パルス増幅信号S44bとにともに“Vs”を出力す
る。3値量子化出力信号S32が“−1”のとき、すな
わち量子化出力信号S32aが“0”かつ量子化出力信
号S32bが“1”のときは、パルス増幅信号S44a
として“Vs”を、パルス増幅信号S44bとして“V
d”を出力する。
【0130】上記減衰器63a,63bは、直列に接続
された二つの抵抗と、一つのコンデンサとからなってお
り、帰還ループ12a,12b上にそれぞれ設けられて
いる。
【0131】上記減衰器63aのコンデンサ63ac
は、一端が電源端子Tdに導通されており、他端が抵抗
63apと接続されている。抵抗63apは、コンデン
サ63acと接続された一端の反対端が抵抗63asと
接続されている。抵抗63asは、抵抗63apと接続
された一端の反対端が接地されている。そして、抵抗6
3apと抵抗63asとの連結部位がアナログスイッチ
74の接点74c,74dに導通されている。
【0132】これにより、上記減衰器63aは、アナロ
グスイッチ74を介して帰還ループ12c,12dに導
通する帰還ループ12a上に設けられ、コンデンサ63
acにより定電圧VdのDC成分を除去して、ノイズ成
分だけを抽出し、抵抗63ap,63asの抵抗分割に
より、減圧してアナログスイッチ74へ出力する。
【0133】同様に、上記減衰器63bのコンデンサ6
3bcは、一端が電源端子Tsに導通されており、他端
が抵抗63bpと接続されている。抵抗63bpは、コ
ンデンサ63bcと接続された一端の反対端が抵抗63
bsと接続されている。抵抗63bsは、抵抗63bp
と接続された一端の反対端が接地されている。そして、
抵抗63bpと抵抗63bsとの連結部位がアナログス
イッチ74の接点74a,74b,74e,74fに導
通されている。
【0134】これにより、上記減衰器63bは、アナロ
グスイッチ74を介して帰還ループ12c,12dに導
通する帰還ループ12b上に設けられ、コンデンサ63
bcにより定電圧VsのDC成分を除去して、ノイズ成
分だけを抽出し、抵抗63bp,63bsの抵抗分割に
より、減圧してアナログスイッチ74へ出力する。
【0135】なお、上記の各抵抗63ap,63as,
63bp,63bsの抵抗値、および上記の各コンデン
サ63ac,63bcの容量は、3値パルス増幅器42
における増幅の量すなわち定電圧Vdあるいは定電圧V
sに応じた減圧比となるように適宜設定される。
【0136】上記アナログスイッチ74は、入力側に六
つの接点74a,74b,74c,74d,74e,7
4f、出力側に二つの接点74g,74hを備えたアナ
ログスイッチである。上記接点74a,74b,74
e,74fは、減衰器63bに導通されている。上記接
点74c,74dは、減衰器63aに導通されている。
また、上記接点74gは、積分器・加算器群24の差動
積分器の非反転入力側に導通されている。上記接点74
hは、積分器・加算器群24の差動積分器の反転入力側
に導通されている。
【0137】そして、上記アナログスイッチ74は、3
値量子化出力信号S32の“+1”,“0”,“−1”
に基づいて、入力側の接点と出力側の接点とのスイッチ
ングが制御される。具体的には、3値量子化出力信号S
32が“+1”のときに接点74aと接点74g、接点
74dと接点74hが接続され、“0”のときに接点7
4bと接点74g、接点74eと接点74hが接続さ
れ、“−1”のときに接点74cと接点74g、接点7
4fと接点74hが接続される。
【0138】なお、3値量子化出力信号S32はアナロ
グスイッチ74を制御するとともに、帰還ループ13
a,13bにより積分器・加算器群24に負帰還され
る。また、アナログスイッチ74としては、ディジタル
信号の“+1”,“0”,“−1”でスイッチの切り替
え制御が可能なアナログスイッチ、例えば『TC74H
C4051((株)東芝製)』などを使用することがで
きる。減衰器63a,63bおよびアナログスイッチ7
4の詳細については後述する。
【0139】以上のように構成されたディジタルスイッ
チングアンプ104の動作を説明すると、つぎのとおり
である。
【0140】上記ディジタルスイッチングアンプ104
では、入力端子1(1a,1b)に入力されたオーディ
オ信号などの入力信号S1a,S1bと、帰還ループ1
2c,12dによって3値パルス増幅器42から減衰器
63a,63bおよびアナログスイッチ74を経て負帰
還する帰還信号S74a,S74bと、帰還ループ13
a,13bによってデルタシグマ変調部AD3から負帰
還する量子化出力信号S32a,S32bとを入力信号
として、これら六つの信号を差動積分し、ノイズシェー
ピングして差動積分信号S24を生成する。量子化器3
で差動積分信号S24の極性を判定して、“1”,
“0”,“−1”の3値量子化出力信号S32(S32
a,S32b)に変換する。つづいて、3値パルス増幅
器42で、量子化出力信号S32a,S32bをその値
に対応した定電圧Vd,Vsによって、電力増幅し、3
値パルス増幅信号S44(S44a,S44b)を出力
端子10(10a,10b)へ出力する。
【0141】ここで、上記の減衰器63a,63bおよ
びアナログスイッチ74の動作を説明すると、つぎのと
おりである。
【0142】上記3値パルス増幅器42は、定電圧V
d,Vsとして、リプルや外来ノイズを含む定電圧が供
給されることがある。この場合、3値パルス増幅器42
は、1ビット信号の電力成分が正確に増幅できず、波高
値が乱れてパルスの面積に狂いが生じるため、電力成分
が不正確な波形がパルス増幅信号S44a,S44bと
して出力される。
【0143】例えば、図8に示すように実施の形態3と
同様、3値パルス増幅器42にかかる定電圧Vd,Vs
にはノイズ成分が含まれているとする(図8(b),
(c))。この場合、3値パルス増幅器42に入力され
た1ビット信号の量子化出力信号S32a,S32b
(図8(a))によって、定電圧をスイッチングする
と、定電圧に含まれるノイズ成分が重畳したパルス増幅
信号S44a,S44bとなってしまう(図8
(d))。なお、図8(d)は、図8(a)の量子化出
力信号S32a,S32bを、図8(b)の定電圧Vd
によって電力増幅したパルス増幅信号S44a,S44
bの波形である。
【0144】また、上記3値パルス増幅器42により電
力増幅されたパルス増幅信号S44a,S44bには、
波形なまりが生じる。
【0145】そこで、ディジタルスイッチングアンプ1
04では、上記のようなスイッチング波形にのったノイ
ズ成分をキャンセルするために、デルタシグマ変調部A
D3を含む帰還ループ13(13a,13b)と、デル
タシグマ変調部AD3と3値パルス増幅器42とを含む
帰還ループ12(12a,12b,12c,12d)を
設けている。
【0146】そして、減衰器63a,63bで定電圧V
d,Vsのノイズ成分のみを抽出し、減圧した帰還信号
S63a,S63bを、アナログスイッチ74で3値量
子化出力信号S32に基づいて帰還ループ12c,12
dで選択的に積分器・加算器群24へ負帰還させる。同
時に、3値量子化出力信号S32を、帰還ループ13で
負帰還させる。
【0147】具体的には、3値量子化出力信号S32が
“+1”のときには、量子化出力信号S32a
(“1”)が3値パルス増幅器42で定電圧Vdによっ
て電力増幅されるとともに、減衰器63aで定電圧Vd
のノイズ成分が抽出、減圧された帰還信号S63aが、
アナログスイッチ74の接点74c,74dに入力され
る。また、量子化出力信号S32b(“0”)が3値パ
ルス増幅器42で定電圧Vsによって電力増幅されると
ともに、減衰器63bで定電圧Vsのノイズ成分が抽
出、減圧された帰還信号S63bが、アナログスイッチ
74の接点74a,74b,74e,74fに入力され
る。ここで、3値量子化出力信号S32が“+1”であ
ることから、アナログスイッチ74は接点74aと接点
74g、接点74dと接点74hが接続されるように制
御される。その結果、帰還信号S63aが帰還信号S7
4aとして積分器・加算器群24の差動積分器の反転入
力側に、帰還信号S63bが帰還信号S74bとして積
分器・加算器群24の差動積分器の非反転入力側に、そ
れぞれ負帰還される。
【0148】また、3値量子化出力信号S32が“0”
のときには、量子化出力信号S32a(“0”)と量子
化出力信号S32b(“0”)とが、3値パルス増幅器
42でともに定電圧Vsによって電力増幅されるととも
に、減衰器63bで定電圧Vsのノイズ成分が抽出、減
圧された帰還信号S63bが、アナログスイッチ74の
接点74a,74b,74e,74fに入力される。こ
こで、3値量子化出力信号S32が“0”であることか
ら、アナログスイッチ74は接点74bと接点74g、
接点74eと接点74hが接続されるように制御され
る。その結果、帰還信号S63bが帰還信号S74a,
S74bとして積分器・加算器群24の差動積分器の反
転入力側と非反転入力側とに負帰還される。
【0149】さらに、3値量子化出力信号S32が“−
1”のときには、量子化出力信号S32a(“0”)が
3値パルス増幅器42で定電圧Vsによって電力増幅さ
れるとともに、減衰器63bで定電圧Vsのノイズ成分
が抽出、減圧された帰還信号S63bが、アナログスイ
ッチ74の接点74a,74b,74e,74fに入力
される。また、量子化出力信号S32b(“1”)が3
値パルス増幅器42で定電圧Vdによって電力増幅され
るとともに、減衰器63aで定電圧Vdのノイズ成分が
抽出、減圧された帰還信号S63aが、アナログスイッ
チ74の接点74c,74dに入力される。ここで、3
値量子化出力信号S32が“−1”であることから、ア
ナログスイッチ74は接点74cと接点74g、接点7
4fと接点74hが接続されるように制御される。その
結果、帰還信号S63bが帰還信号S74aとして積分
器・加算器群24の差動積分器の反転入力側に、帰還信
号S63aが帰還信号S74bとして積分器・加算器群
24の差動積分器の非反転入力側に、それぞれ負帰還さ
れる。
【0150】このように、3値パルス増幅器42におい
て電力増幅に使用された定電圧Vd,Vsのノイズ成分
を、減衰器63a,63bによって抽出し、単に抵抗分
割によって減圧後、負帰還させるため、3値パルス増幅
器42で受けるリプルや外来ノイズなどによる、3値パ
ルス増幅信号S44(S44a,S44b)の変形を、
そのままの形で負帰還させることができる。
【0151】これによって、3値パルス増幅信号S44
に生じた波形の変形を、打ち消すようにノイズシェーピ
ングを行うことができる。
【0152】以上のように、本実施の形態にかかるディ
ジタルスイッチングアンプ104では、3値パルス増幅
器42に供給される定電圧Vd,Vsのノイズ成分のみ
を抽出し、抵抗分割により減圧して負帰還するととも
に、量子化出力信号S32が負帰還される。
【0153】これにより、3値パルス増幅器42で受け
るリプルや外来ノイズの原因となるノイズ成分をそのま
まの形で帰還させることができる。
【0154】よって、3値パルス増幅器42で電力増幅
された1ビット信号に含まれるノイズ成分を、リプルお
よび外来ノイズの影響を、波形なまりも含めてキャンセ
ルすることができるため、1ビット信号の量子化出力信
号S3をスイッチング制御信号として、3値パルス増幅
信号S44を正確に電力増幅することができる。ゆえ
に、可聴帯域を含むノイズ成分を減らすことができる。
【0155】また、減衰器63a,63bは単なる抵抗
分割で十分であるため、簡易な回路構成にすることがで
きる。 〔実施の形態5〕 本発明のさらに他の実施の形態について図10および図
11に基づいて説明すれば、以下のとおりである。な
お、本実施の形態は、電源の電圧値が安定でない場合で
ある。
【0156】なお、説明の便宜上、実施の形態1から4
において示した構成と同一の部材には、同一の符号を付
記し、その説明を省略する。
【0157】図10に示すように、本実施の形態にかか
るデルタシグマ変調を応用したディジタルスイッチング
アンプ105は、差分器8と、積分器・加算器群2と、
量子化器3と、パルス増幅器(電力増幅部)4と、非安
定電源(定電圧電源)55と、減衰器(減圧部)65
と、電源特性検出部95とを備えて構成されている。な
お、積分器・加算器群2と、量子化器3とからデルタシ
グマ変調部AD1が構成されている。
【0158】上記ディジタルスイッチングアンプ105
は、パルス増幅器4の出力信号から高域成分を除去する
ローパスフィルタ(図示しない)と、ローパスフィルタ
の出力信号を音声出力するスピーカ等の音声信号出力部
(図示しない)とをさらに備えたオーディオ信号再生装
置に適用することができる。
【0159】上記差分器8は、入力端子1に入力された
オーディオ信号などの入力信号S1と、帰還ループ12
によってパルス増幅器4から減衰器65を経て負帰還す
る帰還信号S65とを入力信号として、これら二つの信
号の差分値を求めて、差分信号S8を積分器・加算器群
2へ出力する。
【0160】上記の積分器・加算器群2および量子化器
3は、上述したとおりである。
【0161】上記パルス増幅器4は、量子化出力信号S
3をスイッチング制御信号として高速にスイッチングす
ることにより、非安定電源55から供給される非安定電
圧(定電圧)V′によって、電力増幅する高速スイッチ
ングパルス増幅器である。そして、得られたパルス増幅
信号(スイッチング信号)S41を出力端子10へ出力
する。ここで、パルス増幅器4は、量子化出力信号S3
が“1”のときに、非安定電源55から供給される非安
定電圧V′によって電力増幅する。
【0162】上記減衰器65は、直列に接続された抵抗
65pと可変抵抗65vとからなっており、帰還ループ
12上に設けられている。上記抵抗65pは、一端が帰
還ループ12の入力側(パルス増幅器4の出力端側)に
導通しており、他端が可変抵抗65vと接続されてい
る。上記可変抵抗65vは、抵抗値が電源特性検出部9
5からの検出信号S95に基づいて変更可能な可変抵抗
であり、抵抗65pと接続された一端の反対端が接地さ
れている。そして、抵抗65pと可変抵抗65vとの連
結部位が、帰還ループ12の出力側(差分器8の入力端
側)に導通されている。
【0163】これにより、上記減衰器65は、帰還ルー
プ12上に設けられ、パルス増幅器4から出力されたパ
ルス増幅信号S41を抵抗65pおよび可変抵抗65v
の抵抗分割により減圧して、帰還信号S65を差分器8
へ負帰還する。
【0164】なお、上記の抵抗65pの抵抗値、および
可変抵抗65vの可変抵抗値は、パルス増幅器4におけ
る増幅の量すなわち非安定電圧V′に応じた減圧比に変
更可能に適宜設定される。
【0165】上記非安定電源55は、負荷や電力消費量
により電圧値(非安定電圧V′)が変化する電源トラン
スなどの電源である。
【0166】上記電源特性検出部95は、非安定電源5
5からパルス増幅器4に供給される非安定電圧V′を検
出する電圧検出器あるいは電流検出器である。検出した
非安定電圧V′は、検出信号S95として減衰器65へ
出力される。
【0167】以上のように構成されたディジタルスイッ
チングアンプ105の動作を説明すると、つぎのとおり
である。
【0168】上記ディジタルスイッチングアンプ105
では、入力端子1に入力されたオーディオ信号などの入
力信号S1と、帰還ループ12によってパルス増幅器4
から減衰器65を経て負帰還する帰還信号S65とを入
力信号として、差分器8でこれら二つの信号の差分信号
S8を生成する。積分器・加算器群2で、この差分信号
S8を積分した後、加算して、ノイズシェーピングし、
量子化器3で加算された差分積分信号の極性を判定して
“1”または“0”の量子化出力信号S3(ディジタル
信号)に変換する。つづいて、デルタシグマ変調して得
られた量子化出力信号S3をスイッチング制御信号とし
て、非安定電源55によって非安定電圧V′が加えられ
たパルス増幅器4で電力増幅し、得られたパルス増幅信
号S41を出力端子10へ出力する。
【0169】ここで、上記の減衰器65および電源特性
検出部95の動作を説明すると、つぎのとおりである。
【0170】上記非安定電源55は、負荷や電力消費量
により電圧値が変化するため、大出力時と小出力時で
は、パルス増幅器4に定電圧として加えられる非安定電
圧V′の値が変化する。
【0171】例えば、図11に示すように、量子化出力
信号S3(図11(a))を再生する場合の非安定電圧
V′を、小出力時と大出力時とで比較する。小出力時に
は、非安定電圧V′の波高値がVL となり、ほぼ定電圧
と同じとなる(図11(b))。これに対して、大出力
時には、非安定電圧V′の波高値がVH (VH <VL)
に下がっている(図11(c))。
【0172】このように、非安定電圧V′の波高値は、
小出力時に比べて、大出力時には下がりがちである。パ
ルス増幅器4において、波高値の下がった非安定電圧
V′によって電力増幅された場合、パルス増幅信号S4
1の波高値も下がる。そして、当然帰還ループ12によ
って負帰還される帰還信号S65の波高値も低くなって
しまう。帰還信号S65の波高値は、デルタシグマ変調
部AD1の発信限界に関係しており、波高値が低いほど
入力信号S1に対する発信限界が低くなる。
【0173】そこで、ディジタルスイッチングアンプ1
05では、上記のようにパルス増幅器4に加えられる非
安定電圧V′の電圧値が変化しても、発信限界を高く維
持し安定したデルタシグマ変調を行えるように、帰還ル
ープ12に加えて、減衰器65と電源特性検出部95を
設けている。
【0174】そして、非安定電源55からパルス増幅器
4に供給される非安定電圧V′の電圧値を、電源特性検
出部95によって検出し、検出信号S95として減衰器
65に出力する。減衰器65は、検出信号S95に基づ
いて可変抵抗65vの抵抗値を変えることにより、非安
定電圧V′の変化に合わせて帰還信号S65の波高値が
一定に保たれるように、デルタシグマ変調の発信限界に
影響を及ぼさない範囲で、パルス増幅信号S41の減圧
比を制御する。
【0175】上記電源特性検出部95として、電圧検出
器あるいは電流検出部を設けることができる。上記電源
特性検出部95として電圧検出器を設ける場合は、パル
ス増幅器4に加えられる非安定電圧V′の電圧値を検出
する。この電圧検出器は、変化する電圧値内で数ポイン
トほどに分けて検知できればよい。また、上記電源特性
検出部95として電流検出器を設ける場合は、パルス増
幅器4を介して負荷へ供給される電流値を検出し、パル
ス増幅器4に加えられる非安定電圧V′の電圧値に変換
する。この電流検出部は、電流値によって変化する電圧
値を割り出すため、上記電圧検出部と同様、数ポイント
程度に分けて検知できればよい。なお、電圧検出器と電
流検出部とは、どちらを設けてもよい。
【0176】このように、パルス増幅器4に加えられる
非安定電圧V′の電圧値の変化を、電源特性検出部95
によって検出し、帰還信号S65の波高値が一定に保た
れるように、非安定電圧V′の変化に合わせて可変抵抗
65vの抵抗値を変えて、減衰器65でのパルス増幅信
号S41の減圧比を変更する。
【0177】これによって、定電圧が変化しても、帰還
信号S65の波高値を高く維持することができ、発信限
界を保ち安定したデルタシグマ変調を行うことができ
る。
【0178】なお、帰還信号S65の波高値は、デルタ
シグマ変調部AD1の積分器などを構成しているオペア
ンプの電源電圧値に基づいて、決めることができる。例
えば、デルタシグマ変調部AD1を±5Vで動作させる
ときは、±2.5V程度の帰還信号であれば十分であ
る。
【0179】よって、高精度な定電圧電源を必要とする
ことなく、単なる電源トランスのような非安定電源でも
パルス増幅器に電圧を供給することができ、なおかつ安
定したデルタシグマ変調を行うことができる。 〔実施の形態6〕 本発明のさらに他の実施の形態について図12に基づい
て説明すれば、以下のとおりである。なお、本実施の形
態は、電源電圧を制御し、パルス増幅器の増幅度を変化
させる場合である。
【0180】なお、説明の便宜上、実施の形態1から5
において示した構成と同一の部材には、同一の符号を付
記し、その説明を省略する。
【0181】図12に示すように、本実施の形態にかか
るデルタシグマ変調を応用したディジタルスイッチング
アンプ106は、差分器8と、積分器・加算器群2と、
量子化器3と、パルス増幅器(電力増幅部)4と、可変
電圧電源(定電圧電源)56と、減衰器(減圧部)66
と、電圧値制御部14とを備えて構成されている。な
お、積分器・加算器群2と、量子化器3とからデルタシ
グマ変調部AD1が構成されている。
【0182】上記ディジタルスイッチングアンプ106
は、パルス増幅器4の出力信号から高域成分を除去する
ローパスフィルタ(図示しない)と、ローパスフィルタ
の出力信号を音声出力するスピーカ等の音声信号出力部
(図示しない)とをさらに備えたオーディオ信号再生装
置に適用することができる。
【0183】上記差分器8は、入力端子1に入力された
オーディオ信号などの入力信号S1と、パルス増幅器4
から減衰器66を経て帰還ループ12によって負帰還す
る帰還信号S66とを入力信号として、これら二つの信
号の差分値を求めて、差分信号S8を積分器・加算器群
2へ出力する。
【0184】上記の積分器・加算器群2および量子化器
3は、上述したとおりである。
【0185】上記パルス増幅器4は、量子化出力信号S
3をスイッチング制御信号として高速にスイッチングす
ることにより、可変電圧電源56から供給される定電圧
V″によって、電力増幅する高速スイッチングパルス増
幅器である。そして、得られたパルス増幅信号(スイッ
チング信号)S41を出力端子10へ出力する。ここ
で、パルス増幅器4は、量子化出力信号S3が“1”の
ときに、可変電圧電源56から供給される定電圧V″に
よって電力増幅する。
【0186】上記減衰器66は、直列に接続された抵抗
66pと可変抵抗66vとからなっており、帰還ループ
12上に設けられている。上記抵抗66pは、一端が帰
還ループ12の入力側(パルス増幅器の出力端)に導通
しており、他端が可変抵抗66vと接続されている。上
記可変抵抗66vは、電圧値制御部14からの制御信号
S14に基づいて抵抗値が変更可能な可変抵抗であり、
抵抗66pと接続された一端の反対端が接地されてい
る。そして、抵抗66pと可変抵抗66vとの連結部位
が帰還ループ12の出力側(差分器8の入力端)に導通
されている。
【0187】これにより、上記減衰器66は、帰還ルー
プ12上に設けられ、パルス増幅器4から出力されたパ
ルス増幅信号S41を抵抗66pおよび可変抵抗66v
の抵抗分割により減圧して、帰還信号S66を差分器8
へ負帰還する。
【0188】なお、上記の抵抗66pの抵抗値、および
可変抵抗66vの可変抵抗値は、パルス増幅器4におけ
る増幅の量すなわち定電圧V″に応じた減圧比に変更可
能に適宜設定される。
【0189】上記可変電圧電源56は、パルス増幅器4
に加える定電圧V″の電圧値を変化させることのできる
電源である。そして、上記可変電圧電源56の電圧値
は、可変抵抗66vの抵抗値とともに、電圧値制御部1
4からの制御信号S14に基づいて制御される。
【0190】上記電圧値制御部14は、制御信号S14
を可変電圧電源56と減衰器66とに出力し、可変電圧
電源56の電圧値と、減衰器66の可変抵抗66vの抵
抗値を外部から同時に制御することができる。
【0191】以上のように構成されたディジタルスイッ
チングアンプ106の動作を説明すると、つぎのとおり
である。
【0192】上記ディジタルスイッチングアンプ106
では、入力端子1に入力されたオーディオ信号などの入
力信号S1と、帰還ループ12によってパルス増幅器4
から減衰器66を経て負帰還する帰還信号S66とを入
力信号として、差分器8でこれら二つの信号の差分信号
S8を生成する。積分器・加算器群2で、この差分信号
S8を積分した後、加算して、ノイズシェーピングし、
量子化器3で加算された差分積分信号の極性を判定して
“1”または“0”の量子化出力信号S3に変換する。
つづいて、デルタシグマ変調して得られた量子化出力信
号S3をスイッチング制御信号として、可変電圧電源5
6によって定電圧V″が加えられたパルス増幅器4で電
力増幅し、得られたパルス増幅信号S41を出力端子1
0へ出力する。
【0193】ここで、上記の可変電圧電源56、減衰器
66および電圧値制御部14の動作を説明すると、つぎ
のとおりである。
【0194】可変電圧電源56を電圧値制御部14によ
って制御することにより、パルス増幅器4に供給する定
電圧V″の電圧値を変化させることができる。これは、
パルス増幅器4において、スイッチングによってパルス
増幅された1ビット信号であるパルス増幅信号S41の
波高値を変化させることとなり、その結果、再生音量を
制御することができる。すなわち、定電圧V″の電圧値
を高くしてパルス増幅信号S41の波高値を上げて大出
力とし、定電圧V″の電圧値を低くしてパルス増幅信号
S41の波高値を下げて小出力とすることができる。こ
のとき、帰還信号S66はパルス増幅信号S41が減衰
器66において抵抗分割で減圧されて生成されるため、
帰還信号S66の波高値も当然変化する。
【0195】しかし、実施の形態5において説明したよ
うに、帰還ループ12によって負帰還される帰還信号S
66の波高値は、デルタシグマ変調部AD1の発信限界
に関係しており、波高値が低いほど入力信号S1に対す
る発信限界が低くなる。
【0196】そこで、ディジタルスイッチングアンプ1
06では、上記のようにパルス増幅器4に加えられる定
電圧V″の電圧値が変化しても、発信限界を保ち安定し
たデルタシグマ変調を行えるように、帰還ループ12に
加えて、減衰器66が設けられている。
【0197】そして、可変電圧電源56からパルス増幅
器4に供給される定電圧V″の電圧値を制御する電圧値
制御部14からの制御信号S14に基づいて、減衰器6
6の可変抵抗66vの抵抗値を設定制御する。これによ
り、減衰器66は、定電圧V″の変化に合わせて帰還信
号S66の波高値が一定に保たれるように、デルタシグ
マ変調の発信限界に影響を及ぼさない範囲で、パルス増
幅信号S41の減圧比を制御することができる。
【0198】これによって、再生音量を制御するために
定電圧V″の電圧値が変化しても、帰還信号S66の波
高値を高く一定に維持することができ、発信限界を保ち
安定したデルタシグマ変調を行うことができる。したが
って、パルス増幅器4に加える定電圧V″の電圧値を変
化させて、ディジタルスイッチングアンプ106の再生
音量を変化させることができる。 〔実施の形態7〕 本発明のさらに他の実施の形態について図15および図
16に基づいて説明すれば、以下のとおりである。な
お、本実施の形態は、デルタシグマ変調を応用してパル
ス増幅を行う回路であり、特に出力電圧を増減させるた
めに変化する入力信号の振幅に応じて、パルス増幅を行
う定電圧ならびに帰還信号の振幅レベルを制御する増幅
回路である。
【0199】なお、説明の便宜上、実施の形態1から6
において示した構成と同一の部材には、同一の符号を付
記し、その説明を省略する。
【0200】図15に示すように、本実施の形態にかか
るデルタシグマ変調を応用したディジタルスイッチング
アンプ107は、入力信号可変部15と、差分器87
と、積分器・加算器群2と、量子化器3と、パルス増幅
器(電力増幅部)4と、電圧値制御部16、減衰器(減
圧部)67と、ローパスフィルタ17とを備えて構成さ
れている。さらに、上記ディジタルスイッチングアンプ
107には、入力信号可変部15、電圧値制御部16、
減衰器67を連動して制御する制御部18が設けられて
いる。
【0201】そして、上記パルス増幅器4から出力され
たパルス増幅信号S41を上記積分器・加算器群2の入
力信号として負帰還させる帰還ループ12が構成されて
おり、この帰還ループ12上に上記減衰器67が設けら
れている。なお、上記の積分器・加算器群2および量子
化器3とが、帰還ループ12を備えることによってデル
タシグマ変調部AD1が構成されている。
【0202】上記ディジタルスイッチングアンプ107
は、ローパスフィルタ17の出力信号S17を音声出力
するスピーカ等の音声信号出力部(図示しない)とをさ
らに備えたオーディオ信号再生装置に適用することがで
きる。
【0203】上記入力信号可変部15は、入力端子1に
入力された入力信号(入力アナログ信号)S1の振幅レ
ベルを制御して得られた信号S15aを積分器・加算器
群2へ出力する。また同時に、入力信号S1の振幅レベ
ルを制御したレベル制御信号S15bを電圧値制御部1
6および減衰器67へ出力する。なお、レベル制御信号
S15bは電気的な信号に限らず機械的な信号であって
もかまわない。
【0204】このように、上記入力信号可変部15にお
いて、入力信号S1の振幅レベルを変更することによ
り、入力ボリュームを変更することができる。
【0205】上記差分器87は、入力信号可変部15か
ら出力された信号S15aと、パルス増幅器4から帰還
ループ12によって減衰器67を経て負帰還される帰還
信号S67とを入力信号として、これら二つの信号の差
分値を求めて、差分信号S87を積分器・加算器群2へ
出力する。
【0206】上記の積分器・加算器群2および量子化器
3は、上述したとおりである。すなわち、上記積分器・
加算器群2は、高次の積分器群であり、上記差分器87
から出力された差分信号S87を積分して、加算し、差
分積分加算信号S2を量子化器3へ出力する。上記量子
化器3は、積分器・加算器群2から入力された差分積分
加算信号S2の極性を判定して、2値(1ビット)の量
子化出力信号S3(ディジタル信号)に変換し、デルタ
シグマ変調部AD1の出力信号としてパルス増幅器4へ
出力する。なお、本実施の形態にかかるディジタルスイ
ッチングアンプ107は、量子化器3の代わりに3値量
子化器32(図3)を設けて、3値量子化を行うように
構成することも可能である。また、量子化出力信号S3
の量子化閾値は、最適に設定されている。
【0207】上記パルス増幅器4は、デルタシグマ変調
部AD1から出力された量子化出力信号S3をスイッチ
ング制御信号として高速にスイッチングすることによ
り、電圧値制御部16から供給される定電圧Vによって
電力増幅する高速スイッチングパルス増幅器である。そ
して、得られたパルス増幅信号(スイッチング信号)S
41は、上記ローパスフィルタ17に入力されるととも
に、帰還ループ12上の減衰器67にも入力される。な
お、上記定電圧Vは、電圧値制御部16によって電圧レ
ベルが設定され、定電圧信号S16として供給される。
【0208】上記ローパスフィルタ17は、パルス増幅
器4より出力されたパルス増幅信号S41から不要な信
号成分を除去し、得られた出力信号S17を出力端子1
0へ出力するフィルタである。なお、ローパスフィルタ
17は、例えばコイルやコンデンサ等から構成されてい
る。
【0209】上記電圧値制御部16は、入力信号可変部
15から入力されたレベル制御信号S15bに基づい
て、パルス増幅器4に供給する定電圧Vの電圧レベルを
設定して、定電圧信号S16としてパルス増幅器4へ出
力する。
【0210】上記減衰器67は、帰還ループ12上に設
けられ、パルス増幅器4から出力されたパルス増幅信号
S41の振幅を減衰して帰還信号S67を生成する。そ
して、帰還信号S67は帰還ループ12によって積分器
・加算器群2の入力信号として差分器87へ負帰還され
る。
【0211】ここで、図16に示すように、上記減衰器
67は、例えば直列に接続された2つの抵抗67p,6
7sからなっており、帰還ループ12上に設けられてい
る。上記抵抗67pは、一端が帰還ループ12の入力側
(パルス増幅器4の出力端側)に導通しており、他端が
抵抗67sと接続されている。上記抵抗67sは、抵抗
67pと接続されていない端部が接地されている。そし
て、抵抗67pと抵抗67sとの接続点が、帰還ループ
12の出力側(積分器・加算器群2の入力端側)に導通
されている。
【0212】これにより、上記減衰器67は帰還ループ
12上に設けられ、パルス増幅器4から出力されたパル
ス増幅信号S41を減衰して、帰還信号S67を積分器
・加算器群2に入力する。ここで、抵抗67p,67s
の抵抗値は、パルス増幅器4における増幅の量、すなわ
ち定電圧Vに応じた減衰比となるように適宜設計され
る。
【0213】また、抵抗67p,67sの何れか一方も
しくは両方を可変抵抗とすることにより、パルス増幅信
号S41の減衰器67における減衰量をレベル制御信号
S15bに基づいて調整することができる。
【0214】以上のように構成されたディジタルスイッ
チングアンプ107の動作を説明すると、つぎのとおり
である。
【0215】上記ディジタルスイッチングアンプ107
では、入力信号可変部15によって、入力端子1に入力
された入力信号S1の振幅を制御して、信号S15aを
生成する。そして、差分器87によって、信号S15a
と、帰還ループ12により減衰器67を経て負帰還され
た帰還信号S67との差分信号S87を生成する。つぎ
に、積分器・加算器群2によって差分信号S87を積分
して差分積分加算信号S2を生成し、量子化器3によっ
て差分積分加算信号S2をディジタル信号である量子化
出力信号S3に変換する。さらに、パルス増幅器4によ
って、量子化出力信号S3を定電圧V(定電圧信号S1
6)を用いてパルス増幅してパルス増幅信号S41を生
成する。最後に、ローパスフィルタ17によって、パル
ス増幅信号S41から不要な信号成分を除去して、出力
信号S17を出力端子10へ出力する。
【0216】また、入力信号可変部15は、入力信号S
1の振幅を制御して信号S15aを生成すると同時に、
レベル制御信号S15bを生成して電圧値制御部16お
よび減衰器67に出力する。そして、電圧値制御部16
は、レベル制御信号S15bに基づいて、パルス増幅器
4に供給する定電圧Vの電圧レベルを設定して定電圧信
号S16を出力する。一方、減衰器67は、レベル制御
信号S15bに基づいて、帰還ループ12によりパルス
増幅器4から入力されているパルス増幅信号S41の振
幅を制御して、フィードバック信号である帰還信号S6
7を生成し、差分器87へ出力する。
【0217】ここで、上記の制御部18による入力信号
可変部15、電圧値制御部16、減衰器67の連動制御
について説明する。
【0218】デルタシグマ変調部AD1から出力される
量子化出力信号S3は2値量子化あるいは3値量子化の
何れの場合でも1ビット出力であるため、入力信号S1
(入力オーディオ信号)の大小にかかわらず、量子化出
力信号S3の振幅は一定である。その結果、パルス増幅
器4で増幅されて出力されるパルス増幅信号S41の出
力レベルは定電圧Vにのみ依存することになり、入力信
号S1の大小にかかわらず一定となる。逆に、入力信号
S1の入力レベルが一定であっても、パルス増幅器4に
供給する定電圧Vの電圧値を変えることによって、パル
ス増幅信号S41の出力レベルを変化させることができ
る。
【0219】一方、フィードバックされる帰還信号S6
7の振幅は入力信号S1との関係で決定されるため、帰
還信号S67の振幅が変化すると発振限界値が変化す
る。ゆえに、パルス増幅4に供給する定電圧Vを変化さ
せる場合には、同時に帰還信号S67の振幅が一定にな
るように調整する必要がある。
【0220】よって、これらの変化量をあらかじめ設定
しておくことで、最も電力効率が良くS/N比のとれる
値に制御することができる。
【0221】さらに具体的に説明すると以下のとおりで
ある。パルス増幅器4に電圧制御を行わずに定電圧信号
S16を与えると、入力信号S1の大小にかかわらず常
に一定の定電圧Vをスイッチングすることになる。この
場合、入力信号S1が微小信号あるいは無信号状態であ
っても、通常レベルの入力信号S1を増幅するために設
定されている定電圧Vをスイッチングすることとなり、
電力の無駄であるとともに、雑音を増幅することになる
ため好ましくない。
【0222】そこで、例えば、入力信号可変部15の入
力信号レベル検出器(図示しない)によって入力信号S
1のレベルを検出してレベル制御信号S15bを生成
し、レベル制御信号S15bに基づき、入力信号S1の
レベルに応じて定電圧Vを下げることで、効率のよいス
イッチングが可能になる。ただし、デルタシグマ変調部
AD1に帰還する帰還信号S67のレベルは一定である
必要があるので、定電圧Vの変化に応じて、減衰器67
の減衰量を制御しなければならない。
【0223】例えば、通常時には定電圧Vを50Vにし
てスイッチングを行い、無信号時には定電圧Vを20V
に下げるように設定する場合を考える。この場合、入力
信号可変部15の入力信号レベル検出器によって、入力
信号S1が無信号か否かが検出され、レベル制御信号S
15bとして出力される。なお、レベル制御信号S15
bは、実際の入力信号S1のレベルを所定の閾値を比較
することによって判断してもよいし、ボリュームの設定
位置から機械的に検出してもよい。
【0224】そして、このレベル制御信号S15bに基
づいて設定された定電圧V(50Vあるいは20V)
を、パルス増幅器4がスイッチングしてパルス増幅信号
S41を出力する。これと同時に、減衰器67は帰還信
号S67のレベルを常に一定(この場合は5V)に制御
にするために、レベル制御信号S15bに基づいて、定
電圧50Vでスイッチングされたパルス増幅信号S41
を1/10に減衰するとともに、定電圧20Vでスイッ
チングされたパルス増幅信号S41を1/4に減衰す
る。
【0225】なお、上記の説明では、通常時および無信
号時の2段階に定電圧Vを設定したが、このような2段
階の設定でも十分に効率の良いスイッチングが可能とな
る。もっとも、定電圧Vにさらに多くの段階を設定し
て、より効率の良いスイッチングを実現することも可能
である。
【0226】また、上記の説明で使用した数値は一例に
すぎず、これにより本願発明が制限されるものではな
い。そして、電圧制御部16や減衰器67の設定値、お
よびレベル制御信号S15b等は、ディジタルスイッチ
ングアンプ107の状況に応じて最適に選択される決定
方法によって決定される。
【0227】以上のように、本実施の形態にかかるディ
ジタルスイッチングアンプ107は、オーディオ信号を
デルタシグマ変調して得られた2値もしくは3値信号を
制御信号として、定電圧スイッチングを行う増幅回路に
おいて、スイッチング定電圧、入力信号の振幅、帰還信
号の振幅を連動させることで出力電圧を増減させる増幅
回路である。
【0228】このような構成により、入力信号S1の変
化に連動して、パルス増幅器4に供給する定電圧Vの電
圧レベルを制御すると同時に、デルタシグマ変調の帰還
信号S67の振幅を適切な値に制御することができる。
【0229】そして、制御量の最適値をあらかじめ設定
しておくことにより、入力信号可変部15に対して入力
信号S1の振幅を制御する操作のみで、パルス増幅器で
スイッチングを行う定電圧V、デルタシグマ変調の帰還
信号S67の振幅を、最適値すなわち電力効率が最も良
くノイズレベルが最も低い振幅に制御可能な値に設定す
ることができる。
【0230】以上のように、本発明にかかるディジタル
スイッチングアンプでは、帰還信号を減圧するために、
抵抗分割を用いた減衰器を用いる。これにより、ノイズ
成分をそのままの形状で負帰還することができるため、
パルス増幅器にかかる定電圧に含まれるリプルや外来ノ
イズに起因するS/N劣化なしに、量子化出力信号をス
イッチング制御信号としてパルス増幅を行うことができ
る。
【0231】さらに、パルス増幅器に供給される電圧が
変化する場合は、減衰器の減圧比を制御して、帰還信号
の波高値を一定に維持する。これにより、パルス増幅器
に供給される電圧が変化しても、発信限界を保ち安定し
たデルタシグマ変調を行うことができる。
【0232】加えて、入力信号の振幅を制御する入力信
号振幅制御部の操作のみで、スイッチングを行う定電圧
およびデルタシグマ変調の帰還信号の振幅を、電力効率
が最も良く、ノイズレベルが最も低い振幅に制御可能な
最適値に設定することができる。
【0233】なお、以上の各実施の形態は本発明の範囲
を限定するものではなく、本発明の範囲内で種々の変更
が可能であり、例えば、以下のように構成することもで
きる。
【0234】本発明にかかるディジタルスイッチングア
ンプは、複数の積分器を含みオーディオ信号を入力信号
とする積分器群と、クロック信号に応じて作動して積分
器群の出力信号を量子化する量子化器と、定電圧電源か
ら供給されるほぼ一定の電圧をスイッチングして量子化
器の出力信号を増幅する電力増幅部と、電力増幅部の出
力信号から高域成分を除去するローパスフィルタと、電
力増幅部の出力信号を積分器群の入力部へ差信号として
帰還させる帰還手段とを備えている構成であってもよ
い。
【0235】そして、上記の構成のディジタルスイッチ
ングアンプは、ローパスフィルタの出力信号を音声出力
するスピーカ等の音声信号出力部をさらに備えたオーデ
ィオ信号再生装置に適用することができる。
【0236】すなわち、上記オーディオ信号再生装置
は、入力オーディオ信号と帰還信号との合成信号を積分
器群によって積分し、積分信号をクロック信号に対応し
て作動する量子化器によって量子化して、1ビット信号
すなわちパルス密度変調信号(PDM信号)を生成し、
パルス密度変調信号を定電圧電源に接続された電力増幅
部によって増幅して、増幅信号をローパスフィルタを介
して音声信号出力部から音声出力するとともに、帰還手
段によって積分器群に差信号として帰還する構成であ
る。
【0237】したがって、上記ディジタルスイッチング
アンプは、量子化器から出力されるパルス密度変調信号
を帰還させず、帰還手段により電力増幅部からの増幅信
号を差信号として帰還することによって、電力増幅部で
発生する不具合をフィードバックする。つまり、上記デ
ィジタルスイッチングアンプは、電力増幅部が積分器群
および量子化器を備えたデルタシグマ変調部(デルタシ
グマ変調回路)の一部としてとりこまれた構成となって
いる。
【0238】上記の構成によって、上記ディジタルスイ
ッチングアンプは、以下のような効果を奏することがで
きる。
【0239】第一に、上記ディジタルスイッチングアン
プでは、電力増幅部によって生じた波形なまりは高周波
的なものが多く、デルタシグマ変調部のノイズシェーピ
ング作用によってノイズシェープされて、波形なまりが
消滅する。
【0240】第二に、電力増幅部への供給電圧が小さく
なるとフィードバック量も小さくなるため、パルス密度
変調信号のパルス数は増大する。逆に、供給電圧が大き
くなるとフィードバック量は大きくなるため、パルス数
は減少する。つまり、上記ディジタルスイッチングアン
プは、電力増幅部に供給する電源部のトランスレギュレ
ーション特性による波高値の変動に対して、この変動を
打ち消すように作動する。ゆえに、上記ディジタルスイ
ッチングアンプでは、定電圧を強固に維持するために、
電源電圧部に余分なコストをかける必要がなくなる。
【0241】第三に、上記ディジタルスイッチングアン
プでは、量子化器がクロックによって動作するため、電
力増幅部によって生じた波形なまりの時系列方向の成分
つまりジッター的なものは、波形なまりがクロック範囲
内にあれば吸収される。
【0242】なお、最近のデルタシグマ変調回路では、
量子化器の前段に設けられる積分器群の積分器の多くは
スイッチドキャパシタによって作動されるものが多い。
そして、それらの多くは量子化器のクロックと積分器の
クロックとを共有して動作している。よって、この場
合、上記ディジタルスイッチングアンプは、積分器の作
動時に波形なまりを吸収することになるが、本発明の範
囲からはずれるものではない。
【0243】以上のように、上記ディジタルスイッチン
グアンプは、デルタシグマ変調回路が帰還回路を必要と
するが、帰還回路の出力位置を量子化器から電力増幅部
に切り替えることによって、つまり、電力増幅部をデル
タシグマ変調回路の一部にとりこむことによって、電力
増幅部で発生する不具合を、デルタシグマ変調回路の特
性によって、一挙に同時に解決することができる。
【0244】ゆえに、1ビットアンプを含めて、上記デ
ィジタルスイッチングアンプによれば、デルタシグマ変
調信号を電力増幅部で増幅し、増幅信号をデルタシグマ
変調回路の入力部に帰還させることにより、強固な安定
化電源が不要となる。
【0245】
【発明の効果】請求項1の発明のディジタルスイッチン
グアンプは、以上のように、入力オーディオ信号をデル
タシグマ変調して量子化出力信号を生成するデルタシグ
マ変調部と、該量子化出力信号に基づいて定電圧印加を
スイッチングすることにより上記量子化出力信号をパル
ス増幅したスイッチング信号を生成する電力増幅部とを
有するディジタルスイッチングアンプにおいて、上記ス
イッチング信号を上記デルタシグマ変調部へ帰還する帰
還ループ上に、該スイッチング信号を抵抗分割により減
圧して帰還信号を生成する減圧部が設けられている構成
である。
【0246】それゆえ、スイッチング信号は、単に抵抗
分割によって減圧されるだけであるため、電力増幅部に
加えられる定電圧に含まれるリプルや外来ノイズなどに
起因するスイッチング信号の波形の変形を、そのままの
形で帰還させることができる。よって、スイッチング信
号の波形の変形を、波形なまりも含めて打ち消すように
ノイズシェーピングを行うことができる。
【0247】したがって、1ビット信号の量子化出力信
号をスイッチング制御信号として、スイッチング信号を
正確に電力増幅することができる。その結果、スイッチ
ング信号は、ノイズ成分の少ないS/Nの確保されたも
のとなるという効果を奏する。また、そのために要する
部材は単なる抵抗分割で十分であるため、簡易な回路構
成にすることができるという効果を奏する。
【0248】請求項2の発明のディジタルスイッチング
アンプは、以上のように、請求項1の構成に加えて、上
記減圧部の減圧比は、可変であるとともに、上記電力増
幅部に加えられる定電圧の電圧値変化に応じて上記帰還
信号の波高値を一定に維持するように制御される構成で
ある。
【0249】それゆえ、請求項1の構成による効果に加
えて、帰還信号の波高値が下がると、入力信号に対する
発振限界が低くなり、安定したデルタシグマ変調が不可
能になるという状況を回避することができる。
【0250】したがって、上記電力増幅部に加えられる
定電圧の電圧値が多少変化しても、帰還信号の波高値を
高く一定に維持して、安定したデルタシグマ変調を行う
ことができるため、高精度な定電圧電源を必要とするこ
となく、単なる電源トランスのような非安定化電源でも
電力増幅器に定電圧を加えることができるという効果を
奏する。
【0251】請求項3の発明のディジタルスイッチング
アンプは、以上のように、請求項2の構成に加えて、上
記定電圧の電圧値変化を検出する電源特性検出部が設け
られている構成である。
【0252】それゆえ、請求項2の構成による効果に加
えて、上記電源特性検出部によって検出された上記定電
圧の電圧値変化に基づいて、上記帰還信号の波高値を高
く一定に維持するように、デルタシグマ変調の発振限界
に影響を及ぼさない範囲で上記減圧部の減圧比を変更す
ることができるという効果を奏する。
【0253】請求項4の発明のディジタルスイッチング
アンプは、以上のように、請求項3の構成に加えて、上
記電源特性検出部は、上記電圧値、あるいは上記電力増
幅器を介して負荷へ供給される電流値に基づいて、上記
定電圧の電圧値変化を検出する構成である。
【0254】それゆえ、請求項3の構成による効果に加
えて、上記定電圧の電圧値変化を検出する上記電源特性
検出部として、電圧値を検出する電圧検出器、あるいは
電力増幅器を介して負荷へ供給される電流値を検出する
電流検出器のどちらかを設けることができる。
【0255】よって、電圧検出器と電流検出器とから、
上記電源特性検出部としてより適当なものを適宜選択す
ることができるという効果を奏する。
【0256】請求項5の発明のディジタルスイッチング
アンプは、以上のように、請求項2の構成に加えて、上
記定電圧は電圧値が可変の定電圧電源により印加され、
該電圧値は上記減圧部の減圧比とともに電圧値制御部に
よって制御される構成である。
【0257】それゆえ、請求項2の構成による効果に加
えて、上記電力増幅部に加える定電圧の電圧値を変化さ
せても、安定したデルタシグマ変調を行うことができ
る。
【0258】したがって、電力増幅部に加える定電圧の
電圧値を変化させて、ディジタルスイッチングアンプの
再生音量を変化させることができるという効果を奏す
る。
【0259】請求項6の発明のディジタルスイッチング
アンプは、以上のように、入力オーディオ信号をデルタ
シグマ変調して量子化出力信号を生成するデルタシグマ
変調部と、該量子化出力信号に基づいて定電圧印加をス
イッチングすることによりパルス増幅したスイッチング
信号を生成する電力増幅部とを有するディジタルスイッ
チングアンプにおいて、上記電力増幅部に加えられる定
電圧中のノイズ成分を上記デルタシグマ変調部へ帰還す
る帰還ループ上に、該ノイズ成分のみを抽出し、抵抗分
割により減圧して帰還信号を生成する減圧部が設けられ
ている構成である。
【0260】それゆえ、S/Nを確保すべきスイッチン
グ信号の波形の変形の原因である電力増幅部に加えられ
る定電圧に含まれるリプルや外来ノイズなどを、そのま
まの形で抽出し、帰還させることができる。よって、ス
イッチング信号の波形の変形を、波形なまりも含めて打
ち消すようにノイズシェーピングを行うことができる。
【0261】したがって、1ビット信号の量子化出力信
号をスイッチング制御信号として、スイッチング信号を
正確に電力増幅することができる。その結果、スイッチ
ング信号は、ノイズ成分の少ないS/Nの確保されたも
のとなるという効果を奏する。また、そのために要する
部材は単なる抵抗分割とコンデンサで十分であるため、
簡易な回路構成にすることができるという効果を奏す
る。
【0262】請求項7のディジタルスイッチングアンプ
は、以上のように、入力オーディオ信号をデルタシグマ
変調して量子化出力信号を生成するデルタシグマ変調部
と、該量子化出力信号に基づいて定電圧印加をスイッチ
ングすることによりパルス増幅したスイッチング信号を
生成する電力増幅部とを有するディジタルスイッチング
アンプにおいて、上記入力オーディオ信号の振幅を制御
する入力信号可変部と、上記定電圧の電圧レベルを設定
する電圧値制御部と、上記スイッチング信号を上記デル
タシグマ変調部へ帰還する帰還ループ上に設けられ該ス
イッチング信号の振幅を減圧して帰還信号を生成する減
圧部とを備えるとともに、これら入力信号可変部、電圧
値制御部、減圧部を連動して制御する制御部を備えてい
る構成である。
【0263】それゆえ、入力オーディオ信号の変化に連
動して、電力増幅部に供給する定電圧の電圧レベルを設
定すると同時に、デルタシグマ変調部への帰還信号の波
高値を一定に維持するように適切に制御することができ
る。したがって、出力電圧を増減させても、常に、電力
効率に優れノイズレベルを低減した設定において、電力
増幅を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかるディジタルスイ
ッチングアンプの構成の概略を示すブロック図である。
【図2】図1に示したディジタルスイッチングアンプに
おける量子化出力信号とパルス増幅信号との関係を示す
説明図であり、同図(a)は量子化出力信号の波形図、
同図(b)はパルス増幅信号の波形図である。
【図3】本発明の他の実施の形態にかかるディジタルス
イッチングアンプの構成の概略を示すブロック図であ
る。
【図4】図3に示したディジタルスイッチングアンプの
3値パルス増幅器の回路構成図である。
【図5】図3に示したディジタルスイッチングアンプに
おける量子化出力信号とパルス増幅信号との関係を示す
説明図であり、同図(a)および同図(b)は量子化出
力信号の波形図、同図(c)および同図(d)はパルス
増幅信号の波形図である。
【図6】図3に示したディジタルスイッチングアンプに
おけるパルス増幅信号の他の波形の例を示す説明図であ
る。
【図7】本発明のさらに他の実施の形態にかかるディジ
タルスイッチングアンプの構成の概略を示すブロック図
である。
【図8】図7に示したディジタルスイッチングアンプに
おけるノイズ成分の混入を示す説明図であり、同図
(a)は量子化出力信号の波形図、同図(b)および同
図(c)はノイズが混入した定電圧の波形図、同図
(d)は量子化出力信号をノイズが混入した定電圧によ
りパルス増幅したパルス増幅信号の波形図である。
【図9】本発明のさらに他の実施の形態にかかるディジ
タルスイッチングアンプの構成の概略を示すブロック図
である。
【図10】本発明のさらに他の実施の形態にかかるディ
ジタルスイッチングアンプの構成の概略を示すブロック
図である。
【図11】図10に示したディジタルスイッチングアン
プにおける定電圧の出力変化とパルス増幅信号の関係を
示す説明図であり、同図(a)は量子化出力信号の波形
図、同図(b)は小出力時のパルス増幅信号の波形図、
同図(c)は大出力時のパルス増幅信号の波形図であ
る。
【図12】本発明のさらに他の実施の形態にかかるディ
ジタルスイッチングアンプの構成の概略を示すブロック
図である。
【図13】従来の技術にかかるディジタルスイッチング
アンプの構成の概略を示すブロック図である。
【図14】図13に示したディジタルスイッチングアン
プにおけるパルス増幅信号の変形を示す説明図であり、
同図(a)はリプルが混入した定電圧の波形図、同図
(b)は量子化出力信号をリプルが混入した定電圧によ
りパルス増幅したパルス増幅信号の波形図、同図(c)
はノイズが混入した定電圧の波形図、同図(d)は量子
化出力信号をノイズが混入した定電圧によりパルス増幅
したパルス増幅信号の波形図、同図(e)は波形なまり
を生じたパルス増幅信号の波形図である。
【図15】本発明のさらに他の実施の形態にかかるディ
ジタルスイッチングアンプの構成の概略を示すブロック
図である。
【図16】図15に示したディジタルスイッチングアン
プのフィードバック振幅減衰器の一例を示す回路構成図
である。
【符号の説明】
AD1,AD2,AD3 デルタシグマ変調部 4,42 パルス増幅器(電力増幅部) 5 定電圧電源 55 非安定電源(定電圧電源) 56 可変電圧電源(定電圧電源) 6,6a,6b,63a,63b,65,66,67
減衰器(減圧部) 12,12a,12b,12c,12d 帰還ループ 73,74 アナログスイッチ(切替部) 95 電源特性検出部 14 電圧値制御部 15 入力信号可変部 16 電圧値制御部 18 制御部 101,102,103,104,105,106,1
07 ディジタルスイッチングアンプ S1,S1a,S1b 入力信号(入力オーディオ信
号) S3,S32a,S32b 量子化出力信号 S41,S42a,S42b,S43,S44a,S4
4b パルス増幅信号(スイッチング信号) S6,S62a,S62b,S63a,S63b,S6
5,S66,S67, S73,S74a,S74b 帰還信号 V,Vs,Vd,V″ 定電圧 V′ 非安定電圧(定電圧)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03F 3/217 H03M 7/32

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力オーディオ信号をデルタシグマ変調し
    て量子化出力信号を生成するデルタシグマ変調部と、該
    量子化出力信号に基づいて定電圧印加をスイッチングす
    ることにより前記量子化出力信号をパルス増幅したスイ
    ッチング信号を生成する電力増幅部とを有するディジタ
    ルスイッチングアンプにおいて、 上記スイッチング信号を上記デルタシグマ変調部へ帰還
    する帰還ループ上に、該スイッチング信号を抵抗分割に
    より減圧して帰還信号を生成する減圧部が設けられてい
    ることを特徴とするディジタルスイッチングアンプ。
  2. 【請求項2】上記減圧部の減圧比は、可変であるととも
    に、上記電力増幅部に加えられる定電圧の電圧値変化に
    応じて上記帰還信号の波高値を一定に維持するように制
    御されることを特徴とする請求項1記載のディジタルス
    イッチングアンプ。
  3. 【請求項3】上記定電圧の電圧値変化を検出する電源特
    性検出部が設けられていることを特徴とする請求項2記
    載のディジタルスイッチングアンプ。
  4. 【請求項4】上記電源特性検出部は、上記電圧値、ある
    いは上記電力増幅器を介して負荷へ供給される電流値に
    基づいて、上記定電圧の電圧値変化を検出することを特
    徴とする請求項3記載のディジタルスイッチングアン
    プ。
  5. 【請求項5】上記定電圧は電圧値が可変の定電圧電源に
    より印加され、該電圧値は上記減圧部の減圧比とともに
    電圧値制御部によって制御されることを特徴とする請求
    項2記載のディジタルスイッチングアンプ。
  6. 【請求項6】入力オーディオ信号をデルタシグマ変調し
    て量子化出力信号を生成するデルタシグマ変調部と、該
    量子化出力信号に基づいて定電圧印加をスイッチングす
    ることによりパルス増幅したスイッチング信号を生成す
    る電力増幅部とを有するディジタルスイッチングアンプ
    において、 上記電力増幅部に加えられる定電圧中のノイズ成分を上
    記デルタシグマ変調部へ帰還する帰還ループ上に、該ノ
    イズ成分のみを抽出し、抵抗分割により減圧して帰還信
    号を生成する減圧部が設けられていることを特徴とする
    ディジタルスイッチングアンプ。
  7. 【請求項7】入力オーディオ信号をデルタシグマ変調し
    て量子化出力信号を生成するデルタシグマ変調部と、該
    量子化出力信号に基づいて定電圧印加をスイッチングす
    ることによりパルス増幅したスイッチング信号を生成す
    る電力増幅部とを有するディジタルスイッチングアンプ
    において、 上記入力オーディオ信号の振幅を制御する入力信号可変
    部と、 上記定電圧の電圧レベルを設定する電圧値制御部と、 上記スイッチング信号を上記デルタシグマ変調部へ帰還
    する帰還ループ上に設けられ該スイッチング信号の振幅
    を減圧して帰還信号を生成する減圧部とを備えるととも
    に、 これら入力信号可変部、電圧値制御部、減圧部を連動し
    て制御する制御部を備えていることを特徴とするディジ
    タルスイッチングアンプ。
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