JP2004186517A - 強誘電体型不揮発性半導体メモリ及びその製造方法 - Google Patents

強誘電体型不揮発性半導体メモリ及びその製造方法 Download PDF

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Chiharu Isobe
千春 磯辺
Masatoshi Mitsuya
昌俊 三矢
Kouji Ichimori
高示 一森
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Oki Electric Industry Co Ltd
Sony Corp
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Abstract

【課題】リーク電流が上昇することを確実に防止し得る強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法を提供する。
【解決手段】下部電極、N層(但し、N≧2)の強誘電体材料薄膜から成る積層構造から構成された強誘電体層、及び、上部電極から成る強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法は、下部電極上に、第1層目の強誘電体材料薄膜を成膜した後、該第1層目の強誘電体材料薄膜に急速熱処理を施し;第n層目(但し、n=1,2・・・N−1)の強誘電体材料薄膜上に、第(n+1)層目の強誘電体材料薄膜を成膜した後、該第(n+1)層目の強誘電体材料薄膜に急速熱処理を施す工程を(N−1)回繰り返し、N層の強誘電体材料薄膜を得た後;N層の強誘電体材料薄膜にファーネスアニール処理を施す工程を含む。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、強誘電体型不揮発性半導体メモリ(所謂FERAM)及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、大容量の強誘電体型不揮発性半導体メモリに関する研究が盛んに行われている。強誘電体型不揮発性半導体メモリ(以下、不揮発性メモリと略称する場合がある)は、高速アクセスが可能で、しかも、不揮発性であり、また、小型で低消費電力であり、更には、衝撃にも強く、例えば、ファイルのストレージやレジューム機能を有する各種電子機器、例えば、携帯用コンピュータや携帯電話、ゲーム機の主記憶装置としての利用、あるいは、音声や映像を記録するための記録メディアとしての利用が期待されている。
【0003】
この不揮発性メモリの等価回路図を図8の(A)に示す。尚、図8の(A)においては、2つの不揮発性メモリを図示する。この不揮発性メモリFC,FCは、例えば、下部電極、上部電極、及び、これらの電極間に挟まれた強誘電体層から構成されている。そして、強誘電体層の高速分極反転とその残留分極を利用した蓄積電荷量の変化を検出する方式の、高速書き換えが可能な不揮発性メモリである。基本的には、不揮発性メモリFC,FCには、選択用トランジスタTR,TRが備えられている。選択用トランジスタTR,TRの一方のソース/ドレイン領域は不揮発性メモリFC,FCの一端に接続され、不揮発性メモリFC,FCの他端はプレート線PL,PLに接続されている。また、選択用トランジスタTR,TRの他方のソース/ドレイン領域はビット線BLに接続され、選択用トランジスタTR,TRのゲート電極はワード線WL,WLに接続されている。
【0004】
この不揮発性メモリにおけるデータの書き込みや読み出しは、図8の(B)に示す強誘電体のP−Eヒステリシスループを応用して行われる。即ち、強誘電体層に外部電界を加えた後、外部電界を除いたとき、強誘電体層は残留分極を示す。そして、強誘電体層の残留分極は、プラス方向の外部電界が印加されたとき+P、マイナス方向の外部電界が印加されたとき−Pとなる。ここで、残留分極が+Pの状態(図8の(B)の「D」参照)の場合を「0」とし、残留分極が−Pの状態(図8の(B)の「A」参照)の場合を「1」とする。
【0005】
「1」あるいは「0」の状態を判別するために、強誘電体層に例えばプラス方向の外部電界を印加する。これによって、強誘電体層の分極は図8の(B)の「C」の状態となる。このとき、データが「0」であれば、強誘電体層の分極状態は、「D」から「C」の状態に変化する。一方、データが「1」であれば、強誘電体層の分極状態は、「A」から「B」を経由して「C」の状態に変化する。データが「0」の場合には、強誘電体層の分極反転は生じない。一方、データが「1」の場合には、強誘電体層に分極反転が生じる。その結果、不揮発性メモリの蓄積電荷量に差が生じる。選択された選択用トランジスタをオンにすることで、この蓄積電荷を信号電流として検出する。データの読み出し後、外部電界を0にすると、データが「0」のときでも「1」のときでも、強誘電体層の分極状態は図8の(B)の「D」の状態となってしまう。即ち、読み出し時、データ「1」は、一旦、破壊されてしまう。それ故、データが「1」の場合、マイナス方向の外部電界を印加して、「D」、「E」という経路で「A」の状態とし、データ「1」を再度書き込む。
【0006】
ところで、強誘電体材料であるSrBiTa[SBT]あるいはSrBi(Ta,Nb)[SBTN]に基づき不揮発性メモリを作製する場合、上部電極及び下部電極に白金(Pt)を用いることが最も一般的である。SBTやSBTNの十分なる電気的特性を得るためには、700゜C以上の酸素ガス雰囲気中ので熱処理(結晶化熱処理と呼ぶ)による結晶化が必要であるが、その際、下部電極を構成する材料として、高温においても酸化されない材料を用いることが理想的である。実際、試作レベルでは、Pt/SBT/Pt若しくはPt/SBTN/Ptといった構造を有する不揮発性メモリを採用する場合が多い。
【0007】
一方、64メガビット〜256メガビットクラスの高集積不揮発性メモリを実現するためには、低容量メモリデバイスにて採用されているプレーナーキャパシタ構造からスタック型キャパシタ構造へと転換し、チップ面積を縮小することが必要とされる。このスタック型キャパシタ構造においては、半導体基板に設けられた選択用トランジスタを層間絶縁層で覆い、層間絶縁層上に下部電極、強誘電体層、上部電極から成る不揮発性メモリを作製する。選択用トランジスタの一方のソース/ドレイン領域と下部電極とは、層間絶縁層に設けられたコンタクトプラグによって電気的に接続されている。
【0008】
スタック型キャパシタ構造には、幾つかのバリエーションが提案されているが、いずれにしても、タングステンあるいはポリシリコンから構成されたコンタクトプラグの上に不揮発性メモリを形成し、不揮発性メモリの占有面積を小さくすることが基本概念である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
コンタクトプラグと下部電極との間のコンタクト抵抗値を低い値に保持することが重要である。ところが、下部電極を構成する材料として広く用いられている白金(Pt)にあっては、結晶化熱処理において下部電極中を酸素が拡散し、下部電極との境界近傍のコンタクトプラグの部分が酸化され、コンタクトプラグと下部電極との間のコンタクト抵抗値が増加、上昇したり、最悪の場合、導通不良が発生する。従って、高温・酸化雰囲気における結晶化熱処理においても酸素の透過を抑え、コンタクトプラグと下部電極との間のコンタクト抵抗値が増加、上昇しないような下部電極材料の選択が必要である。
【0010】
このような条件を満たす下部電極材料として、Ir、あるいは又、IrO(ここで、0<X≦2)、RuO、SrRuO、LaSrCoOといった導電性酸化物の採用が検討されている。尚、Irから下部電極を構成する場合、結晶化熱処理において、強誘電体薄膜との界面近傍のIrが酸化され、IrOとなる。即ち、Irから成る下部電極は、実際には、下からIr、IrOの2層構成となる。
【0011】
また、結晶化熱処理において、コンタクトプラグを構成する材料の原子と下部電極を構成する材料の原子との間で拡散、反応が生じると、不揮発性メモリの特性劣化を引き起こす。従って、このような原子の拡散、反応を防止するために、下部電極とコンタクトプラグとの間にTiNから成る拡散バリア層を設ける試みがなされている。更には、下部電極と層間絶縁層との間の密着性向上のため、下部電極の下に密着層を形成することが好ましい。即ち、不揮発性メモリを、例えば、TiNから成る拡散バリア層、密着層、Irから成る下部電極、強誘電体層、Ptから成る上部電極といった構造とすることが好ましい。
【0012】
ところが、Irから成る(より具体的には、IrO/Irから成る)下部電極上に強誘電体層を形成すると、Ptから成る下部電極上に強誘電体層を形成した場合と比較して、不揮発性メモリのリーク電流が増加、上昇するといった問題がある。リーク電流が下部電極から強誘電体層への電子の注入により決定されるとの前提に立てば、下部電極と強誘電体層によって形成される界面の性質に依存するところが大きい。ここで云う界面の性質とは、電気的な界面と形状的な界面との両側面を含む。前者は、2つの材料の界面に形成されるショットキー障壁であり、2つの材料の組み合わせによって決まる材料固有の物性値である。後者は、両者の膜質(凹凸、緻密性等)に依存する性質である。下部電極材料として用いるPtとIrとを比べると、Irの実質界面であるIrOと強誘電体層とが形成する界面の場合、そのショットキー障壁がPtのそれに比べて低いために、リーク電流が増加、上昇すると考えられる。
【0013】
例えば、特開2002−57297には、BiSrTaで表される強誘電体薄膜をパルスレーザアブレーション法、ゾル−ゲル法、あるいはRFスパッタ法にて全面に形成することもできると記載され、更には、ゾル−ゲル法によって厚い強誘電体薄膜を形成する場合、所望の回数、スピンコート及び乾燥、あるいはスピンコート及び焼成(又は、アニール処理)を繰り返せばよいと記載されている。しかしながら、この特許公開公報には、スピンコート及び焼成(又は、アニール処理)の具体的な方法や、得られた強誘電体薄膜の具体的な厚さについては、何ら開示されていない。
【0014】
従って、本発明の目的は、スタック型キャパシタ構造を有し、強誘電体薄膜の結晶化熱処理において、選択用トランジスタと下部電極とを電気的に接続するコンタクトプラグの酸化を防止することができ、しかも、リーク電流が増加、上昇するといった問題の発生を確実に防止し得る強誘電体型不揮発性半導体メモリ及びその製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明の強誘電体型不揮発性半導体メモリは、
(A)下部電極、
(B)該下部電極上に形成された強誘電体層、及び、
(C)該強誘電体層上に形成された上部電極、
から構成された強誘電体型不揮発性半導体メモリであって、
該強誘電体層は、下部電極側に位置し、少なくとも1層の強誘電体薄膜から成る第1の強誘電体薄膜群と、上部電極側に位置し、第1の強誘電体薄膜群上に積層された少なくとも1層の強誘電体薄膜から成る第2の強誘電体薄膜群とから構成されており、
第1の強誘電体薄膜群を構成する強誘電体薄膜の厚さは、第2の強誘電体薄膜群を構成する強誘電体薄膜の厚さよりも薄いことを特徴とする。
【0016】
上記の目的を達成するための本発明の強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法は、
(A)下部電極、
(B)該下部電極上に形成された強誘電体層、及び、
(C)該強誘電体層上に形成された上部電極、
から構成され、
該強誘電体層は、N層(但し、N≧2)の強誘電体薄膜から成る積層構造から構成された強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法であって、
(a)基体上に下部電極を形成する工程と、
(b)該下部電極上に、第1層目の強誘電体材料薄膜を成膜した後、該第1層目の強誘電体材料薄膜に急速熱処理を施し、第1層目の強誘電体薄膜を得る工程と、
(c)第n層目(但し、n=1,2・・・N−1)の強誘電体薄膜上に、第(n+1)層目の強誘電体材料薄膜を成膜した後、該第(n+1)層目の強誘電体材料薄膜に急速熱処理を施し、第(n+1)層目の強誘電体薄膜を得る工程を(N−1)回繰り返し、N層の強誘電体薄膜を得る工程と、
(d)N層の強誘電体薄膜にファーネスアニール処理を施し、N層の強誘電体薄膜から成る積層構造から構成された強誘電体層を得る工程と、
(e)強誘電体層上に上部電極を形成する工程、
から成ることを特徴とする。
【0017】
そして、本発明の第1の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリあるいはその製造方法にあっては、下部電極がIrから成ることを特徴とする。一方、本発明の第2の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリあるいはその製造方法にあっては、下部電極が導電性酸化物から成ることを特徴とする。
【0018】
本発明の第1の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリあるいはその製造方法においては、強誘電体層の形成時の結晶化熱処理において、強誘電体層との界面近傍の下部電極を構成するIrが酸化され、IrO(ここで、0<X≦2)となる場合がある。即ち、Irから成る下部電極は、実際には、下からIr、IrOの2層構成となる場合がある。このような場合も、本発明の第1の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリあるいはその製造方法に包含される。
【0019】
本発明の第1の態様若しくは第2の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリにおいて、強誘電体層は、4層乃至9層の強誘電体薄膜から構成されており、第1の強誘電体薄膜群は、1層乃至3層の強誘電体薄膜から構成されており、第1の強誘電体薄膜群を構成する強誘電体薄膜の厚さは、1×10−8m乃至2×10−8mであり、第2の強誘電体薄膜群を構成する強誘電体薄膜の厚さは、3×10−8m乃至6×10−8である構成とすることができる。尚、第1の強誘電体薄膜群を構成する強誘電体薄膜のそれぞれの厚さは同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、第2の強誘電体薄膜群を構成する強誘電体薄膜のそれぞれの厚さは同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0020】
本発明の第2の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリあるいはその製造方法においては、導電性酸化物を、IrO(但し、0<X≦2)、RuO、SrRuO、LaSrCoOから成る群から選択された少なくとも1種類の導電性酸化物から構成することが好ましい。即ち、下部電極を、これらの導電性酸化物から選択された1層にて構成することもできるし、これらの導電性酸化物から選択された2層以上の多層にて構成することもできる。
【0021】
本発明の第1の態様若しくは第2の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法においては、強誘電体層は、2≦N≦10であり、各強誘電体薄膜の厚さは、1×10−8m乃至6×10−8mである構成とすることができる。尚、強誘電体層を構成する強誘電体薄膜のそれぞれの厚さは同じであってもよいし、異なっていてもよい。あるいは又、4≦N≦9であり、強誘電体層は、下部電極側に位置し、m層(但し、m=1,2,3のいずれか)の強誘電体薄膜から成る第1の強誘電体薄膜群と、上部電極側に位置し、第1の強誘電体薄膜群上に積層された(N−m)層の強誘電体薄膜から成る第2の強誘電体薄膜群とから構成されており、第1の強誘電体薄膜群を構成する強誘電体薄膜の厚さは、1×10−8m乃至2×10−8mであり、第2の強誘電体薄膜群を構成する強誘電体薄膜の厚さは、3×10−8m乃至6×10−8mである構成とすることができる。尚、第1の強誘電体薄膜群を構成する強誘電体薄膜のそれぞれの厚さは同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、第2の強誘電体薄膜群を構成する強誘電体薄膜のそれぞれの厚さは同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0022】
本発明の第1の態様若しくは第2の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリあるいはその製造方法(以下、単に、本発明と呼ぶ場合がある)における強誘電体層、強誘電体薄膜を構成する材料として、ビスマス層状化合物、より具体的には、Bi系層状構造ペロブスカイト型の強誘電体材料を挙げることができる。
Bi系層状構造ペロブスカイト型の強誘電体材料は、所謂不定比化合物に属し、金属元素、アニオン(O等)元素の両サイトにおける組成ずれに対する寛容性がある。また、化学量論的組成からやや外れたところで最適な電気的特性を示すことも珍しくない。Bi系層状構造ペロブスカイト型の強誘電体材料は、例えば、一般式(Bi2+(Am−13m+12−で表すことができる。ここで、「A」は、Bi、Pb、Ba、Sr、Ca、Na、K、Cd等の金属から構成された群から選択された1種類の金属を表し、「B」は、Ti、Nb、Ta、W、Mo、Fe、Co、Crから成る群から選択された1種類、若しくは複数種の任意の比率による組み合わせを表す。また、mは1以上の整数である。
【0023】
あるいは又、強誘電体層、強誘電体薄膜を構成する材料は、
(Bi,Sr1−X(Sr,Bi1−Y)(Ta,Nb1−Z 式(1)
(但し、0.9≦X≦1.0、0.7≦Y≦1.0、0≦Z≦1.0、8.7≦d≦9.3)で表される結晶相を主たる結晶相として含んでいることが好ましい。あるいは又、強誘電体層、強誘電体薄膜を構成する材料は、
BiSrTa 式(2)
(但し、X+Y=3、0.7≦Y≦1.3、8.7≦d≦9.3)で表される結晶相を主たる結晶相として含んでいることが好ましい。これらの場合、式(1)若しくは式(2)で表される結晶相を主たる結晶相として85%以上含んでいることが一層好ましい。尚、式(1)中、(Bi,Sr1−X)の意味は、結晶構造における本来Biが占めるサイトをSrが占め、このときのBiとSrの割合がX:(1−X)であることを意味する。また、(Sr,Bi1−Y)の意味は、結晶構造における本来Srが占めるサイトをBiが占め、このときのSrとBiの割合がY:(1−Y)であることを意味する。式(1)若しくは式(2)で表される結晶相を主たる結晶相として含む強誘電体層、強誘電体薄膜を構成する材料には、Biの酸化物、TaやNbの酸化物、Bi、TaやNbの複合酸化物が若干含まれている場合もあり得る。
【0024】
あるいは又、強誘電体層、強誘電体薄膜を構成する材料は、
Bi(Sr,Ca,Ba)(Ta,Nb1−Z 式(3)
(但し、1.7≦X≦2.5、0.6≦Y≦1.2、0≦Z≦1.0、8.0≦d≦10.0)で表される結晶相を含んでいてもよい。尚、「(Sr,Ca,Ba)」は、Sr、Ca及びBaから構成された群から選択された1種類の元素を意味する。
【0025】
これらの各式で表される強誘電体層、強誘電体薄膜を構成する材料の組成を化学量論的組成で表せば、例えば、SrBiTa、SrBiNb、BaBiTa、SrBiTaNbO等を挙げることができる。あるいは又、強誘電体層、強誘電体薄膜を構成する材料として、(Bi,La)Ti12、SrBiTi15、BiTi12、PbBiTa等を例示することができるが、これらの場合においても、各金属元素の比率は、結晶構造が変化しない程度に変化させ得る。即ち、金属元素及び酸素元素の両サイトにおける組成ずれがあってもよい。
【0026】
あるいは又、強誘電体層、強誘電体薄膜を構成する材料として、PbTiO、ペロブスカイト型構造を有するPbZrOとPbTiOの固溶体であるチタン酸ジルコン酸鉛[PZT,Pb(Zr1−y,Ti)O(但し、0<y<1)]、PZTにLaを添加した金属酸化物であるPLZT、あるいはPZTにNbを添加した金属酸化物であるPNZTといったPZT系化合物を挙げることができる。
【0027】
強誘電体層を得るためには、強誘電体薄膜の積層構造を形成した後の工程において、強誘電体薄膜の積層構造をパターニングすればよい。場合によっては、強誘電体薄膜の積層構造のパターニングは不要である。強誘電体薄膜の形成は、例えば、MOCVD法、パルスレーザアブレーション法、スパッタリング法、ゾル−ゲル法、ビスマス−酸素結合を有するビスマス有機金属化合物(ビスマスアルコキシド化合物)を原料としたMOD(Metal Organic Decomposition)法、LSMCD(Liquid Source Mist Chemical Deposition)法といった強誘電体薄膜を構成する材料に適宜適した方法にて行うことができる。また、強誘電体薄膜の積層構造のパターニングは、例えば異方性イオンエッチング(RIE)法にて行うことができる。急速熱処理の条件、ファーネスアニール処理の条件は、強誘電体薄膜を構成する材料に依存して適宜決定すればよいが、急速熱処理の条件として、600゜C乃至800゜C、好ましくは650゜C乃至750゜C、30秒乃至120秒、好ましくは60秒乃至90秒の条件を例示することができる。また、ファーネスアニール処理の条件として、600゜C乃至800゜C、好ましくは650゜C乃至750゜C、0.5時間乃至3時間、好ましくは1時間乃至2時間の条件を例示することができる。
【0028】
本発明において、上部電極を構成する材料として、例えば、Ir、IrO2−X、Ir/IrO2−X、SrIrO、Ru、RuO2−X、SrRuO、Pt、Pt/IrO2−X、Pt/RuO2−X、Pd、Pt/Tiの積層構造、Pt/Taの積層構造、Pt/Ti/Taの積層構造、La0.5Sr0.5CoO(LSCO)、Pt/LSCOの積層構造、YBaCuを挙げることができる。ここで、Xの値は、0≦X<2である。尚、積層構造においては、「/」の前に記載された材料が下層を構成し、「/」の後ろに記載された材料が上層を構成する。
【0029】
下部電極と上部電極は、同じ材料から構成されていてもよいし、同種の材料から構成されていてもよいし、異種の材料から構成されていてもよい。下部電極あるいは上部電極を形成するためには、下部電極材料層あるいは上部電極材料層を形成した後の工程において、下部電極材料層あるいは上部電極材料層をパターニングすればよい。下部電極材料層あるいは上部電極材料層の形成は、例えばスパッタリング法、反応性スパッタリング法、電子ビーム蒸着法、MOCVD法、あるいはパルスレーザアブレーション法といった下部電極材料層や上部電極材料層を構成する材料に適宜適した方法にて行うことができる。また、下部電極材料層や上部電極材料層のパターニングは、例えばイオンミーリング法やRIE法にて行うことができる。
【0030】
強誘電体型不揮発性半導体メモリには選択用トランジスタ(スイッチング用トランジスタ)が備えられているが、係る選択用トランジスタは、例えば、周知のMIS型FETやMOS型FETから構成することができる。また、ビット線を構成する材料として、不純物がドーピングされたポリシリコンや高融点金属材料を挙げることができる。スタック型キャパシタ構造を有する強誘電体型不揮発性半導体メモリにおいては、選択用トランジスタと下部電極との電気的な接続は、下部電極と選択用トランジスタとの間に形成された層間絶縁層に設けられた接続孔(コンタクトホール)を介して、あるいは又、かかる層間絶縁層に設けられた接続孔(コンタクトホール)及び層間絶縁層上に形成された配線層を介して行うことができる。
【0031】
スタック型キャパシタ構造を有する強誘電体型不揮発性半導体メモリは、選択用トランジスタを覆う層間絶縁層(基体に相当する)上に形成されるが、この層間絶縁層(基体)を構成する材料として、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、SiON、SOG、NSG、BPSG、PSG、BSG及びLTOを例示することができる。
【0032】
本発明の第1の態様若しくは第2の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリあるいはその製造方法においては、強誘電体層は複数の強誘電体薄膜が積層された構造を有するが故にリーク電流を減少させることができる。リーク電流が下部電極から強誘電体層への電子の注入により決定されるとの前提に立てば、下部電極と強誘電体層によって形成される界面の性質に依存するところが大きい。ここで云う界面の性質とは、電気的な界面と形状的な界面との両側面を含む。前者は、2つの材料の界面に形成されるショットキー障壁であり、2つの材料の組み合わせによって決まる材料固有の物性値である。後者は、両者の膜質(凹凸、緻密性等)に依存する性質である。下部電極材料として用いるPtとIrとを比べると、Irの実質界面であるIrOと強誘電体層とが形成する界面の場合、そのショットキー障壁がPtのそれに比べて低いためにリーク電流が増加、上昇すると考えられる。本発明では、後者の理由、即ち、「界面の膜質」に依存する性質を、複数の強誘電体薄膜を形成することにより改善し、リーク電流を低減することを特徴としている。しかも、下部電極を構成する材料を規定することによって、強誘電体薄膜の結晶化熱処理において下部電極中を酸素が拡散することを防止できるが故に、選択用トランジスタと下部電極とを電気的に接続するコンタクトプラグの酸化を確実に防止することができる。
【0033】
また、本発明の第1の態様若しくは第2の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリにおいては、第1の強誘電体薄膜群における強誘電体薄膜の厚さよりも第2の強誘電体薄膜群における強誘電体薄膜の厚さを厚くすることによって、所望の厚さ、特性を有する強誘電体層を少ない工程で形成することができるし、強誘電体薄膜のそれぞれの厚さを同じとした場合と比較して、一層優れた特性を有する強誘電体層を得ることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、発明の実施の形態(以下、実施の形態と略称する)に基づき本発明を説明する。
【0035】
(実施の形態1)
実施の形態1は、本発明の第1の態様及び第2の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリ(以下、不揮発性メモリと略称する)及びその製造方法に関する。スタック型キャパシタ構造を有する実施の形態1の不揮発性メモリの模式的な一部断面図を図1の(A)に示し、強誘電体層等の一部分を拡大した模式的断面図を図1の(B)に示す。
【0036】
実施の形態1の不揮発性メモリは、下部電極31、下部電極31上に形成された強誘電体層32、及び、強誘電体層32上に形成された上部電極33から構成されている。そして、強誘電体層32は、下部電極側に位置し、少なくとも1層の強誘電体薄膜(実施の形態1においては、具体的には、3層の強誘電体薄膜32A,32A,32Aであり、これらを総称して強誘電体薄膜32Aと呼ぶ場合がある)から成る第1の強誘電体薄膜群132と、上部電極側に位置し、第1の強誘電体薄膜群上に積層された少なくとも1層の強誘電体薄膜(実施の形態1においては、具体的には3層の強誘電体薄膜32B,32B,32Bであり、これらを総称して強誘電体薄膜32Bと呼ぶ場合がある)から成る第2の強誘電体薄膜群232とから構成されている。そして、第1の強誘電体薄膜群132を構成する強誘電体薄膜32Aの厚さは、第2の強誘電体薄膜群232を構成する強誘電体薄膜32Bの厚さよりも薄い。
【0037】
具体的には、下部電極31は、Irから成り(本発明の第1の態様に係る不揮発性メモリに対応する)、あるいは又、導電性酸化物(本発明の第2の態様に係る不揮発性メモリに対応し、より具体的には、IrO(但し、0<X≦2)、RuO、SrRuO、LaSrCoOから成る群から選択された少なくとも1種類の導電性酸化物)から成る。また、強誘電体層32は、Bi系層状構造ペロブスカイト型の強誘電体材料、より具体的には、SrBiTa(SBT)から成り、上部電極33は白金(Pt)から成る。
【0038】
一方、強誘電体層32は、4層乃至9層(実施の形態1においては6層であり、N=6)の強誘電体薄膜32A,32Bから構成されている。第1の強誘電体薄膜群132は、3層の強誘電体薄膜32A,32A,32Aから構成されており、第1の強誘電体薄膜群132を構成する強誘電体薄膜32A,32A,32Aのそれぞれの厚さは、1×10−8m乃至2×10−8m(具体的には、実施の形態1においては10nm)である。また、第2の強誘電体薄膜群232を構成する3層の強誘電体薄膜32B,32B,32Bのそれぞれの厚さは、3×10−8m乃至6×10−8m(具体的には、実施の形態1においては30nm)である。
【0039】
以下、半導体基板等の模式的な一部断面図である図2の(A)、(B)及び図3、並びに、図7の流れ図を参照して、実施の形態1の不揮発性メモリの製造方法の概要を説明する。
【0040】
[工程−100]
先ず、選択用トランジスタとして機能するMOS型トランジスタをシリコン半導体基板から成る半導体基板10に形成する。そのために、例えばLOCOS構造を有する素子分離領域11を公知の方法に基づき形成する。尚、素子分離領域は、トレンチ構造を有していてもよいし、LOCOS構造とトレンチ構造の組合せとしてもよい。その後、半導体基板10の表面を例えばパイロジェニック法により酸化し、ゲート絶縁膜12を形成する。次いで、不純物がドーピングされたポリシリコン層をCVD法にて全面に形成した後、ポリシリコン層をパターニングし、ゲート電極13を形成する。このゲート電極13はワード線WLを兼ねている。尚、ゲート電極13をポリシリコン層から構成する代わりに、ポリサイドや金属シリサイドから構成することもできる。次に、半導体基板10にイオン注入を行い、LDD構造を形成する。その後、全面にCVD法にてSiO層を形成した後、このSiO層をエッチバックすることによって、ゲート電極13の側面にゲートサイドウオール14を形成する。次いで、半導体基板10にイオン注入を施した後、イオン注入された不純物の活性化アニール処理を行うことによって、ソース/ドレイン領域15A,15Bを形成する。
【0041】
[工程−110]
次いで、全面に層間絶縁層(基体に相当する)を形成する。具体的には、SiO及びSiNの積層構造を有する下層層間絶縁層(厚さ1μm)をCVD法にて形成した後、CMP法にて平坦化処理を行い、下層層間絶縁層の厚さを0.6μmとする。その後、他方のソース/ドレイン領域15Bの上方の下層層間絶縁層に開口部をRIE法にて形成する。そして、かかる開口部内を含む下層層間絶縁層上に不純物がドーピングされたポリシリコン層をCVD法にて形成する。次いで、850゜C、30分間の活性化アニール処理を行い、ポリシリコン層中の不純物の活性化を行う。次に、下層層間絶縁層上のポリシリコン層をパターニングすることによって、ビット線BLを形成する。その後、SiOから成る上層層間絶縁層(厚さ0.4μm)をCVD法にて全面に形成し、CMP法にて平坦化処理を行い、上層層間絶縁層の厚さを0.2μmとする。尚、下層層間絶縁層と上層層間絶縁層を纏めて、層間絶縁層16と呼ぶ。ここで、ビット線BLは、後の工程で形成するコンタクトプラグ18と短絡しないように形成されている。
【0042】
[工程−120]
その後、ソース/ドレイン領域15Aの上方の層間絶縁層16に開口部17をRIE法にて形成した後、選択用トランジスタの一方のソース/ドレイン領域15Aに接続されたコンタクトプラグ18を開口部17内に形成する。こうして、図2の(A)に示す構造を得ることができる。コンタクトプラグ18の頂面は層間絶縁層16の表面と略同じ平面に存在している。タングステンにて開口部17を埋め込み、コンタクトプラグ18を形成する条件を、以下の表1に例示する。
尚、タングステンにて開口部17を埋め込む前に、Ti層及びTiN層を順に例えばマグネトロンスパッタリング法にて開口部17内を含む層間絶縁層16の上に形成することが好ましい。ここで、Ti層及びTiN層を形成する理由は、オーミックな低コンタクト抵抗を得ること、ブランケットタングステンCVD法における半導体基板10の損傷発生の防止、タングステンの密着性向上のためである。図面においては、Ti層及びTiN層の図示は省略している。層間絶縁層16上のタングステン層、TiN層、Ti層は、化学的/機械的研磨法(CMP法)にて除去してもよい。また、タングステンの代わりに、不純物がドーピングされたポリシリコンを用いることもできる。
【0043】
[表1]
Ti層(厚さ:5nm)のスパッタリング条件
プロセスガス:Ar=35sccm
圧力 :0.52Pa
RFパワー :2kW
基板の加熱 :無し
TiN層(厚さ:50nm)のスパッタリング条件
プロセスガス:N/Ar=100/35sccm
圧力 :1.0Pa
RFパワー :6kW
基板の加熱 :無し
タングステンのCVD形成条件
使用ガス:WF/H/Ar=40/400/2250sccm
圧力 :10.7kPa
形成温度:450゜C
タングステン層及びTiN層、Ti層のエッチング条件
第1段階のエッチング:タングステン層のエッチング
使用ガス :SF/Ar/He=110:90:5sccm
圧力 :46Pa
RFパワー:275W
第2段階のエッチング:TiN層/Ti層のエッチング
使用ガス :Ar/Cl=75/5sccm
圧力 :6.5Pa
RFパワー:250W
【0044】
[工程−130]
次に、少なくともコンタクトプラグ18の頂面に下部電極31を形成する。より具体的には、コンタクトプラグ18の頂面から層間絶縁層16(基体に相当する)上に亙って、TiNから成る拡散バリア層20を形成し、更に、拡散バリア層20上に密着層21を形成し、更に、密着層21上に下部電極材料層を形成する。
【0045】
拡散バリア層20の形成方法として、例えば、DCマグネトロンスパッタリング法に基づき全面に厚さ30nmのTi層を成膜した後、RTA(Rapid Thermal Annealing)法によって750゜Cの窒素ガス雰囲気中で30秒間、このTi層に対して熱処理を施し、Ti層を窒化してTiN層とする方法を挙げることができるが、このような方法に限定するものではない。即ち、TiN層を、例えば反応性スパッタリング法やCVD法等によって成膜してもよい。更には、拡散バリア層20を構成する材料もTiNに限られず、TaNやTiAlN等、強誘電体層32を形成する温度での相互拡散バリア効果を有する材料であればよい。
【0046】
また、密着層21の形成方法として、Hfを15atom%添加したIr−Hf膜を20nm、形成する方法を挙げることができる。更には、下部電極31の形成方法のために、Irから成る厚さ0.2μmの下部電極材料層をDCマグネトロンスパッタリング法によって形成する方法を例示することができる。あるいは又、IrOから成る厚さ0.2μmの下部電極材料層を反応性スパッタリング法によって形成する方法を例示することができる。
【0047】
そして、拡散バリア層20、密着層21及び下部電極材料層を形成した後、これらをパターニングすることで、所望の平面形状を有する下部電極31、密着層21及び拡散バリア層20を得ることができる。尚、図1の(A)及び図2の(B)、図3においては、密着層21の図示を省略した。
【0048】
[工程−140]
次いで、必須ではないが、全面に絶縁膜22を形成する。具体的には、厚さ50nmのSiO膜をプラズマ−TEOS CVD法にて成膜し、その後、高密度プラズマCVD法(HDP−CVD法)にて厚さ約0.6μmのSiO膜を形成する。次に、CMP法及び/又はエッチバック法にて平坦化処理を行い、下部電極31上の絶縁膜22を除去し、図2の(B)に示す構造を得ることができる。尚、図面においては、絶縁膜22を1層にて表す。絶縁膜22を形成することによって、下部電極31及び絶縁膜22によって構成される平坦な下地上に強誘電体薄膜を形成することが可能となる。
【0049】
尚、下部電極31、密着層21及び拡散バリア層20は、所謂ダマシン構造を有していてもよい。即ち、先ず、層間絶縁層16上に絶縁膜22を形成し、下部電極31を形成すべき絶縁膜22の部分を除去した後、全面に拡散バリア層20、密着層21及び下部電極材料層を形成し、その後、絶縁膜22上の下部電極材料層、密着層21及び拡散バリア層20を除去する方法を採用してもよい。
【0050】
[工程−150]
次いで、全体として厚さ120nmのSBTから成る強誘電体層32をLSMCD法にて形成する。即ち、下部電極31上に、第1層目の強誘電体材料薄膜をLSMCD法にて成膜した後、第1層目の強誘電体材料薄膜に急速熱処理を施す。具体的には、以下の表2に示す原料を含む溶液をキャリアガスと共にアトマイザーと呼ばれる霧化器に導入し、ミストを生成させ、このミストを成膜チャンバへ移送する。そして、下部電極31とフィールドスクリーン(均一なミストフローを生成するためのシャワーノズル)との間に電界をかけることにより、ミストを荷電粒子にする。このようにして荷電されたミスト粒子が下部電極31に到達、吸着することによって、強誘電体材料薄膜が成膜される。次いで、150〜250゜Cの乾燥処理を行うことによって溶媒を蒸発、気化させた後、RTPチャンバにおいて、酸素ガス雰囲気中で650〜700゜C、60秒間の急速熱処理(Rapid Thermal Annealing)を施し、結晶核を生成させる。尚、実施の形態1においては、急速熱処理を施した後の第1層目の強誘電体薄膜32Aの膜厚を10nmとした。
【0051】
[表2]
Figure 2004186517
【0052】
[工程−160]
その後、第n層目(但し、n=1,2・・・N−1であり、実施の形態1においては、n=1,2,3,4,5)の強誘電体薄膜上に、第(n+1)層目の強誘電体材料薄膜を成膜した後、この第(n+1)層目の強誘電体材料薄膜に急速熱処理を施し、第(n+1)層目の強誘電体薄膜32A,32A,32B,32B,32Bを得る工程を(N−1)回繰り返し、N層の強誘電体薄膜を得る工程を(N−1)回繰り返し、N層(実施の形態1においては6層)の強誘電体薄膜32A,32A,32B,32B,32Bを得る。具体的には、[工程−150]を5回、繰り返す。但し、第1回目及び第2回目においては、急速熱処理を施した後の第2層目、第3層目の強誘電体薄膜32A,32Aの膜厚を10nmとし、第3回目〜第5回目においては、急速熱処理を施した後の第4層目〜第6層目の強誘電体薄膜32B,32B,32Bの膜厚を30nmとした。こうして、図1の(B)に示す構造を得ることができる。
【0053】
[工程−170]
その後、N層(実施の形態1においては、具体的には6層)の強誘電体薄膜32A,32Bにファーネスアニール処理を施し、強誘電体薄膜32A,32Bから成る積層構造(第1の強誘電体薄膜群132及び第2の強誘電体薄膜群232)から構成された強誘電体層32を得ることができる。ファーネスアニール処理の条件を、温度700゜Cの酸素ガス雰囲気中での1時間の処理とした。
【0054】
[工程−180]
次に、全面に、DCマグネトロンスパッタリング法により厚さ100nmのPtから成る上部電極材料層33Aを成膜する(図3参照)。そして、上部電極材料層33A、強誘電体層32を、順次、2段階のリソグラフィー技術及びドライエッチング技術に基づきパターニングすることで、パターニングされた強誘電体層32及び上部電極33を得る。尚、ハードマスク等を用いて、上部電極材料層33A及び強誘電体層32を一括してエッチングしてもよい。その後、パターニングによる強誘電体層32の特性劣化を回復するため、酸素ガス雰囲気中で700゜C、30分の熱処理を行うことが好ましい。
【0055】
[工程−190]
その後、厚さ約0.3μmのSiOから成る絶縁層34をプラズマ−TEOS CVD法にて全面に形成し、次いで、上部電極33の上方の絶縁層34に、リソグラフィー技術及びドライエッチング技術に基づき開口部を形成する。そして、開口部内を含む絶縁層34上に、配線層として、TiN(厚さ20nm)/Ti(厚さ20nm)の積層膜(図示せず)を、更に、その上に、Siを1atom%添加した厚さ約0.6μmのAl−Si層を、それぞれDCマグネトロンスパッタリング法により形成する。最後に、リソグラフィー技術及びドライエッチング技術に基づき配線層をパターニングして、上部電極33に接続されたプレート線PLを得ることができる。こうして、図1の(A)に示す構造を得ることができる。その後、全面にパッシベーション膜(図示せず)を形成して、不揮発性メモリを完成させる。
【0056】
こうして得られた不揮発性メモリ(下部電極31はIrから成る)のI−V特性を、図4に一点鎖線(3L+3L)にて示す。
【0057】
(実施の形態2)
実施の形態2は、実施の形態1の不揮発性メモリの製造方法の変形である。実施の形態2においては、2≦N≦10であり(具体的には、実施の形態2においてはN=6)、各強誘電体薄膜の厚さは、1×10−8m乃至6×10−8m(具体的には、実施の形態2においては20nm)である。
【0058】
実施の形態2の不揮発性メモリを製造する場合、実施の形態1の[工程−100]〜[工程−140]と同様の工程を実行した後、[工程−150]と同様の工程を実行する。但し、[工程−150]と同様の工程において、急速熱処理を施した後の第1層目の強誘電体薄膜の膜厚を20nmとした。その後、[工程−160]と同様の工程を実行する。但し、[工程−160]と同様の工程において、急速熱処理を施した後の第2層目〜第6層目の強誘電体薄膜のそれぞれの膜厚を20nmとした。次いで、実施の形態1の[工程−170]〜[工程−190]と同様の工程を実行する。
【0059】
こうして得られた不揮発性メモリ(下部電極31はIrから成る)のI−V特性を、図4に実線(6L)にて示す。
【0060】
(実施の形態3)
実施の形態3は、実施の形態2の不揮発性メモリの製造方法の変形である。実施の形態3においては、強誘電体層32は2層(N=2)の強誘電体薄膜から構成されており、各強誘電体薄膜の厚さは60nmである。
【0061】
実施の形態3の不揮発性メモリを製造する場合、実施の形態1の[工程−100]〜[工程−140]と同様の工程を実行した後、[工程−150]と同様の工程を実行する。但し、[工程−150]と同様の工程において、急速熱処理を施した後の第1層目の強誘電体薄膜の膜厚を60nmとした。その後、[工程−160]と同様の工程を実行する。但し、[工程−160]と同様の工程において、急速熱処理を施した後の第2層目の強誘電体薄膜の膜厚を60nmとした。次いで、実施の形態1の[工程−170]〜[工程−190]と同様の工程を実行する。
【0062】
こうして得られた不揮発性メモリ(下部電極31はIrから成る)のI−V特性を、図4に点線(2L)にて示す。
【0063】
(実施の形態4)
実施の形態4も、実施の形態2の不揮発性メモリの製造方法の変形である。実施の形態4においては、強誘電体層32は3層(N=3)の強誘電体薄膜から構成されており、各強誘電体薄膜の厚さは40nmである。
【0064】
実施の形態4の不揮発性メモリを製造する場合、実施の形態1の[工程−100]〜[工程−140]と同様の工程を実行した後、[工程−150]と同様の工程を実行する。但し、[工程−150]と同様の工程において、急速熱処理を施した後の第1層目の強誘電体薄膜の膜厚を40nmとした。その後、[工程−160]と同様の工程を実行する。但し、[工程−160]と同様の工程において、急速熱処理を施した後の第2層目及び第3層目の強誘電体薄膜のそれぞれの膜厚を40nmとした。次いで、実施の形態1の[工程−170]〜[工程−190]と同様の工程を実行する。
【0065】
こうして得られた不揮発性メモリ(下部電極31はIrから成る)のI−V特性を、図4に細かい点線(3L)にて示す。
【0066】
(比較例1)
比較例1においては、実施の形態2と同様の方法で不揮発性メモリを製造した。但し、[工程−150]と同様の工程において、強誘電体薄膜を成膜した後、150〜250゜Cの乾燥処理のみを行い、急速熱処理は行わなかった。更には、[工程−160]と同様の工程において、強誘電体薄膜を成膜した後、150〜250゜Cの乾燥処理のみを行い、急速熱処理は行わなかった。また、[工程−170]と同様の工程において、RTA処理を1回、実行した後、ファーネスアニール処理を施した。尚、RTA処理の条件を酸素ガス雰囲気中で650〜700゜C、60秒間とし、ファーネスアニール処理の条件を、温度700゜Cの酸素ガス雰囲気中での1時間の処理とした。
【0067】
こうして得られた不揮発性メモリのI−V特性を、図5に示す。
【0068】
(比較例2)
比較例2においては、実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4と同様の方法で不揮発性メモリを製造した。但し、下部電極31を白金(Pt)から構成した。更には、強誘電体層32を4層の強誘電体薄膜から構成し、各強誘電体薄膜の厚さを30nmとした不揮発性メモリ、強誘電体層32を5層の強誘電体薄膜から構成し、各強誘電体薄膜の厚さを24nmとした不揮発性メモリも作製した。
【0069】
こうして得られた不揮発性メモリのI−V特性を図6に示す。尚、図6において、点線(2L)、細かい点線(3L)、実線(4L)、一点鎖線(5L)、二点鎖線(6L)は、それぞれ、強誘電体層32を2層の強誘電体薄膜(厚さ:60nm)から構成した場合、強誘電体層32を3層の強誘電体薄膜(厚さ:40nm)から構成した場合、強誘電体層32を4層の強誘電体薄膜(厚さ:30nm)から構成した場合、強誘電体層32を5層の強誘電体薄膜(厚さ:24nm)から構成した場合、強誘電体層32を6層の強誘電体薄膜(厚さ:20nm)から構成した場合の、不揮発性メモリのI−V特性である。
【0070】
図4と図5の比較から、本発明により得られた不揮発性メモリは、比較例1にて得られた不揮発性メモリよりも格段にリーク電流が減少していることが判る。
また、本発明により得られた不揮発性メモリにおいては、強誘電体薄膜の膜厚が薄くなるほど、リーク電流が減少していることが判るし、強誘電体層全体の厚さが同じでも、実施の形態2に比較して、実施の形態1にて得られた不揮発性メモリの方がリーク電流が減少していることが判る。
【0071】
また、図4と図6の比較から、下部電極を白金(Pt)から構成すると、リーク電流を少なくすることができることが判る。然るに、下部電極31とコンタクトプラグ18との間のコンタクト抵抗値を公知のケルビン4端子法、及び、下部電極31とコンタクトプラグ18とを直列に数十個〜数千個並べたコンタクトチェーンにより測定したところ、実施の形態2にて得られた不揮発性メモリにあっては、線型なI−V特性を示し、直径0.25μmのコンタクトプラグ18のコンタクト抵抗値は約180Ωという値が得られたのに対して、比較例2(強誘電体層32を3層の強誘電体薄膜(厚さ:40nm)から構成した場合)にて得られた不揮発性メモリにあっては、線型なI−V特性を示さず、直径0.25μmのコンタクトプラグ18のコンタクト抵抗値は数キロΩという値しか得られなかった。即ち、実施の形態2にて得られた不揮発性メモリにあっては、コンタクトプラグ18は酸化されていなかったが、比較例2にて得られた不揮発性メモリにあっては、コンタクトプラグ18に酸化が生じていた。また、実施の形態2にて得られた不揮発性メモリにあっては、断面観察を行ったところ、コンタクトプラグ18に何ら異常は認められなかったが、比較例2にて得られた不揮発性メモリにあっては、コンタクトプラグ18に酸化に起因した膨張が認められた。
【0072】
以上、本発明を、発明の実施の形態に基づき説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施の形態にて説明した不揮発性メモリの構造、使用した材料、各種の形成条件等は例示であり、適宜変更することができる。
【0073】
例えば、SrBiTaから成る強誘電体薄膜の形成条件を以下の表3に例示する。尚、表3中、「thd」は、テトラメチルヘプタンジオネートの略である。また、表3に示したソース原料はテトラヒドロフラン(THF)を主成分とする溶媒中に溶解されている。
【0074】
[表3]
Figure 2004186517
【0075】
あるいは又、SrBiTaから成る強誘電体薄膜をパルスレーザアブレーション法、ゾル−ゲル法、あるいはRFスパッタリング法にて全面に形成することもできる。これらの場合の形成条件を以下に例示する。
【0076】
[表4]
パルスレーザアブレーション法による形成
ターゲット:SrBiTa
使用レーザ:KrFエキシマレーザ(波長248nm、パルス幅25n秒、5Hz)
形成温度 :400〜800゜C
酸素濃度 :3Pa
【0077】
[表5]
ゾル−ゲル法による形成
Figure 2004186517
【0078】
[表6]
RFスパッタリング法による形成
ターゲット:SrBiTaセラミックターゲット
RFパワー:1.2W〜2.0W/ターゲット1cm
雰囲気圧力:0.2〜1.3Pa
形成温度 :室温〜600゜C
プロセスガス:Ar/Oの流量比=2/1〜9/1
【0079】
強誘電体層を、PZTあるいはPLZTから構成するときの、マグネトロンスパッタリング法によるPZTあるいはPLZTの形成条件を以下の表7に例示する。あるいは又、PZTやPLZTを、反応性スパッタリング法、電子ビーム蒸着法、ゾル−ゲル法、又はMOCVD法にて形成することもできる。
【0080】
[表7]
ターゲット :PZTあるいはPLZT
プロセスガス:Ar/O=90体積%/10体積%
圧力 :4Pa
パワー :50W
形成温度 :500゜C
【0081】
更には、PZTやPLZTをパルスレーザアブレーション法にて形成することもできる。この場合の形成条件を以下の表8に例示する。
【0082】
[表8]
ターゲット:PZT又はPLZT
使用レーザ:KrFエキシマレーザ(波長248nm、パルス幅25n秒、3Hz)
出力エネルギー:400mJ(1.1J/cm
形成温度 :550〜600゜C
酸素濃度 :40〜120Pa
【0083】
【発明の効果】
本発明においては、下部電極をIrあるいは導電性酸化物から構成し、強誘電体層を強誘電体薄膜の積層構造とすることによって、リーク電流の減少、低減、コンタクトプラグの酸化防止を達成することができる。更には、下部電極近傍における強誘電体薄膜の膜厚を上部電極近傍における強誘電体薄膜の膜厚よりも薄くすることにより、リーク電流密度を一層低減することができる。しかも、従来、Ptから成る下部電極において達成されていたリーク電流密度と同等のレベルを実現できる。その結果、下部電極材料の選択肢が増え、高集積化のためのキャパシタ構造デザイン、セル構造デザインの幅を広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1の(A)及び(B)は、それぞれ、本発明の強誘電体型不揮発性半導体メモリの模式的な一部断面図、及び、強誘電体層等の一部分を拡大した模式的断面図である。
【図2】図2の(A)及び(B)は、発明の実施の形態1の強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法を説明するための半導体基板等の模式的な一部断面図である。
【図3】図3は、図2の(B)に引き続き、発明の実施の形態1の強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法を説明するための半導体基板等の模式的な一部断面図である。
【図4】発明の実施の形態1〜発明の実施の形態4にて得られた強誘電体型不揮発性半導体メモリのI−V特性を示すグラフである。
【図5】比較例1にて得られた強誘電体型不揮発性半導体メモリのI−V特性を示すグラフである。
【図6】比較例2にて得られた強誘電体型不揮発性半導体メモリのI−V特性を示すグラフである。
【図7】図7は、本発明の強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法の流れ図である。
【図8】図8の(A)及び(B)は、それぞれ、強誘電体型不揮発性半導体メモリの等価回路図、及び、強誘電体のP−Eヒステリシスループ図である。
【符号の説明】
10・・・半導体基板、11・・・素子分離領域、12・・・ゲート絶縁膜、13・・・ゲート電極、14・・・ゲートサイドウオール、15A,15B・・・ソース/ドレイン領域、16・・・層間絶縁層、17・・・開口部、18・・・コンタクトプラグ、20・・・拡散バリア層、21・・・密着層、22・・・絶縁膜、31・・・下部電極31、32・・・強誘電体層、32A,32B,32A,32A,32A,32B,32B,32B・・・強誘電体薄膜、132・・・第1の強誘電体薄膜群、232・・・第2の強誘電体薄膜群、33・・・上部電極、34・・・絶縁層、WL・・・ワード線、BL・・・ビット線、PL・・・プレート線

Claims (20)

  1. (A)Irから成る下部電極、
    (B)該下部電極上に形成された強誘電体層、及び、
    (C)該強誘電体層上に形成された上部電極、
    から構成された強誘電体型不揮発性半導体メモリであって、
    該強誘電体層は、下部電極側に位置し、少なくとも1層の強誘電体薄膜から成る第1の強誘電体薄膜群と、上部電極側に位置し、第1の強誘電体薄膜群上に積層された少なくとも1層の強誘電体薄膜から成る第2の強誘電体薄膜群とから構成されており、
    第1の強誘電体薄膜群を構成する強誘電体薄膜の厚さは、第2の強誘電体薄膜群を構成する強誘電体薄膜の厚さよりも薄いことを特徴とする強誘電体型不揮発性半導体メモリ。
  2. 強誘電体層は、4層乃至9層の強誘電体薄膜から構成されており、
    第1の強誘電体薄膜群は、1層乃至3層の強誘電体薄膜から構成されており、第1の強誘電体薄膜群を構成する強誘電体薄膜の厚さは、1×10−8m乃至2×10−8mであり、
    第2の強誘電体薄膜群を構成する強誘電体薄膜の厚さは、3×10−8m乃至6×10−8mであることを特徴とする請求項1に記載の強誘電体型不揮発性半導体メモリ。
  3. 強誘電体薄膜は、Bi系層状構造ペロブスカイト型の強誘電体材料から成ることを特徴とする請求項1に記載の強誘電体型不揮発性半導体メモリ。
  4. 強誘電体薄膜は、SrBiTa又はSrBi(Ta,Nb)から成ることを特徴とする請求項3に記載の強誘電体型不揮発性半導体メモリ。
  5. (A)導電性酸化物から成る下部電極、
    (B)該下部電極上に形成された強誘電体層、及び、
    (C)該強誘電体層上に形成された上部電極、
    から構成された強誘電体型不揮発性半導体メモリであって、
    該強誘電体層は、下部電極側に位置し、少なくとも1層の強誘電体薄膜から成る第1の強誘電体薄膜群と、上部電極側に位置し、第1の強誘電体薄膜群上に積層された少なくとも1層の強誘電体薄膜から成る第2の強誘電体薄膜群とから構成されており、
    第1の強誘電体薄膜群を構成する強誘電体薄膜の厚さは、第2の強誘電体薄膜群を構成する強誘電体薄膜の厚さよりも薄いことを特徴とする強誘電体型不揮発性半導体メモリ。
  6. 導電性酸化物は、IrO、RuO、SrRuO、LaSrCoOから成る群から選択された少なくとも1種類の導電性酸化物から成ることを特徴とする請求項5に記載の強誘電体型不揮発性半導体メモリ。
  7. 強誘電体層は、4層乃至9層の強誘電体薄膜から構成されており、
    第1の強誘電体薄膜群は、1層乃至3層の強誘電体薄膜から構成されており、第1の強誘電体薄膜群を構成する強誘電体薄膜の厚さは、1×10−8m乃至2×10−8mであり、
    第2の強誘電体薄膜群を構成する強誘電体薄膜の厚さは、3×10−8m乃至6×10−8mであることを特徴とする請求項5に記載の強誘電体型不揮発性半導体メモリ。
  8. 強誘電体薄膜は、Bi系層状構造ペロブスカイト型の強誘電体材料から成ることを特徴とする請求項5に記載の強誘電体型不揮発性半導体メモリ。
  9. 強誘電体薄膜は、SrBiTa又はSrBi(Ta,Nb)から成ることを特徴とする請求項8に記載の強誘電体型不揮発性半導体メモリ。
  10. (A)Irから成る下部電極、
    (B)該下部電極上に形成された強誘電体層、及び、
    (C)該強誘電体層上に形成された上部電極、
    から構成され、
    該強誘電体層は、N層(但し、N≧2)の強誘電体薄膜から成る積層構造から構成された強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法であって、
    (a)基体上に下部電極を形成する工程と、
    (b)該下部電極上に、第1層目の強誘電体材料薄膜を成膜した後、該第1層目の強誘電体材料薄膜に急速熱処理を施し、第1層目の強誘電体薄膜を得る工程と、
    (c)第n層目(但し、n=1,2・・・N−1)の強誘電体薄膜上に、第(n+1)層目の強誘電体材料薄膜を成膜した後、該第(n+1)層目の強誘電体材料薄膜に急速熱処理を施し、第(n+1)層目の強誘電体薄膜を得る工程を(N−1)回繰り返し、N層の強誘電体薄膜を得る工程と、
    (d)N層の強誘電体薄膜にファーネスアニール処理を施し、N層の強誘電体薄膜から成る積層構造から構成された強誘電体層を得る工程と、
    (e)強誘電体層上に上部電極を形成する工程、
    から成ることを特徴とする強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法。
  11. 2≦N≦10であり、
    各強誘電体薄膜の厚さは、1×10−8m乃至6×10−8mであることを特徴とする請求項10に記載の強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法。
  12. 4≦N≦9であり、
    強誘電体層は、下部電極側に位置し、m層(但し、m=1,2,3のいずれか)の強誘電体薄膜から成る第1の強誘電体薄膜群と、上部電極側に位置し、第1の強誘電体薄膜群上に積層された(N−m)層の強誘電体薄膜から成る第2の強誘電体薄膜群とから構成されており、
    第1の強誘電体薄膜群を構成する強誘電体薄膜の厚さは、1×10−8m乃至2×10−8mであり、
    第2の強誘電体薄膜群を構成する強誘電体薄膜の厚さは、3×10−8m乃至6×10−8mであることを特徴とする請求項10に記載の強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法。
  13. 強誘電体薄膜は、Bi系層状構造ペロブスカイト型の強誘電体材料から成ることを特徴とする請求項10に記載の強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法。
  14. 強誘電体薄膜は、SrBiTa又はSrBi(Ta,Nb)から成ることを特徴とする請求項13に記載の強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法。
  15. (A)導電性酸化物から成る下部電極、
    (B)該下部電極上に形成された強誘電体層、及び、
    (C)該強誘電体層上に形成された上部電極、
    から構成され、
    該強誘電体層は、N層(但し、N≧2)の強誘電体薄膜から成る積層構造から構成された強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法であって、
    (a)基体上に下部電極を形成する工程と、
    (b)該下部電極上に、第1層目の強誘電体材料薄膜を成膜した後、該第1層目の強誘電体材料薄膜に急速熱処理を施し、第1層目の強誘電体薄膜を得る工程と、
    (c)第n層目(但し、n=1,2・・・N−1)の強誘電体薄膜上に、第(n+1)層目の強誘電体材料薄膜を成膜した後、該第(n+1)層目の強誘電体材料薄膜に急速熱処理を施し、第(n+1)層目の強誘電体薄膜を得る工程を(N−1)回繰り返し、N層の強誘電体薄膜を得る工程と、
    (d)N層の強誘電体薄膜にファーネスアニール処理を施し、N層の強誘電体薄膜から成る積層構造から構成された強誘電体層を得る工程と、
    (e)強誘電体層上に上部電極を形成する工程、
    から成ることを特徴とする強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法。
  16. 導電性酸化物は、IrO、RuO、SrRuO、LaSrCoOから成る群から選択された少なくとも1種類の導電性酸化物から成ることを特徴とする請求項15に記載の強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法。
  17. 2≦N≦10であり、
    各強誘電体薄膜の厚さは、1×10−8m乃至6×10−8mであることを特徴とする請求項15に記載の強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法。
  18. 4≦N≦9であり、
    強誘電体層は、下部電極側に位置し、m層(但し、m=1,2,3のいずれか)の強誘電体薄膜から成る第1の強誘電体薄膜群と、上部電極側に位置し、第1の強誘電体薄膜群上に積層された(N−m)層の強誘電体薄膜から成る第2の強誘電体薄膜群とから構成されており、
    第1の強誘電体薄膜群を構成する強誘電体薄膜の厚さは、1×10−8m乃至2×10−8mであり、
    第2の強誘電体薄膜群を構成する強誘電体薄膜の厚さは、3×10−8m乃至6×10−8mであることを特徴とする請求項15に記載の強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法。
  19. 強誘電体薄膜は、Bi系層状構造ペロブスカイト型の強誘電体材料から成ることを特徴とする請求項15に記載の強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法。
  20. 強誘電体薄膜は、SrBiTa又はSrBi(Ta,Nb)から成ることを特徴とする請求項19に記載の強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法。
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