JP2004186398A - ウエハ加工用粘着テープ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材層の少なくとも片面に実質的に反応性成分を含まない粘着層を強固に一体化したウエハ加工用粘着テープであって、該ウエハ加工用粘着テープを拡張する力を剥離する力に変換することを特徴ととし、20〜80℃の温度範囲において、JIS Z0237に準拠して測定される180度引き剥がし粘着力が、0.1〜10N/25mmの範囲にあり、23℃におけるせん断剥離強度が、0.5〜3MPaの範囲にあり、23℃における当該粘着層のヤング率E′が、2〜12MPaの範囲にあることを特徴とする粘着テープを用いることにより、チップの剥離回収性、さらに薬品処理や保管及び輸送安定性に優れ、環境への負荷を低減させたウエハ加工方法を提供する。
【選択図】図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウエハ加工用粘着テープ及びその使用方法に関し、より詳細には、主に半導体ウエハやセラミックウエハ等のウエハ加工工程において、ウエハをチップに切断加工する際ウエハを固定保持するために用いるウエハ加工用粘着テープに関する。
【0002】
【従来の技術】
シリコン、ガリウムヒ素、ゲルマニウムケイ素などの半導体ウエハは、大きな径を有するウエハの状態で電子回路パターンを形成させた後、ウエハの裏面を研削して、この半導体ウエハをチップに切断加工し剥離回収する工程(ダイシング工程)を経て、マウント及びモールド工程に移され実装される。このダンシング工程においては、半導体ウエハを固定保持してチップに切断加工するために、ウエハ加工用粘着テープが用いられている。また、石英ガラスや光通信用の光学素子に使用されるセラミックスなどのウエハを、チップに切断加工する際にもウエハ加工用粘着テープが用いられる。
【0003】
このウエハ加工用粘着テープには、粘着力を低くできない感圧型のウエハ加工用粘着テープのほか、粘着力をエネルギー線(紫外線)により低くできるエネルギー線(紫外線)硬化型ウエハ加工用粘着テープが使用されている。
【0004】
粘着力を低くできない感圧型のウエハ加工用粘着テープの場合、チップを剥離回収する(ピックアップ)するには、通常チップの裏面を直接針で突き上げることによりピックアップする方式が採用されているが、チップ裏面に針先による打撃痕が発生し、薄く脆いチップの場合は割れてしまう問題がある。
【0005】
そこで、厚さが150μm以下の半導体チップや非常に脆く傷つけたくない材料や用途のチップには、チップを針先で触れない方式(非貫通方式)でも剥離回収できるエネルギー線硬化型ウエハ加工用粘着テープや加熱発泡型ウエハ加工用粘着テープが提案され使われている。まず、エネルギー線硬化型ウエハ加工用粘着テープの場合は、エネルギー(紫外)線により粘着層内に含まれる反応性成分を架橋硬化させて、非貫通方式に対応できる剥離回収性を達成している。この場合、粘着層内の反応により収縮する力が、チップとの粘着面積を減少させ剥離する力になっている。一方、加熱発泡型ウエハ加工用粘着テープの場合は、熱エネルギーなどにより粘着層内に含まれる反応性成分を発泡膨張させて、非貫通方式に対応できる剥離回収性を達成している。この場合、粘着層内の反応により膨張する力が、チップとの粘着面積を減少させ剥離する力になっている。
【0006】
いずれも、外部からのエネルギー(紫外線や熱)を粘着層内の化学反応に変換することで、剥離する力として収縮力あるいは膨張力を生み出すことを基にして、考案された従来の技術である。
【0007】
しかしながら、エネルギー線硬化型や加熱発泡型のウエハ加工用粘着テープは、長期保存安定性に劣るため、温度、湿度、光などを厳しく管理したウエハ加工設備や、同様に管理された保管および輸送環境を必要とし、さらに厳しい管理下でも使用可能な期限が短いという問題があった。また、このタイプのウエハ加工用粘着テープでは、エネルギー線源(ランプ等)の劣化や温度、湿度、光などの加工や保存環境の何らかの変動により粘着力を制御できなくなると、不良品が大量に発生することもある。
【0008】
長期保存安定性や粘着力の安定性に優れる粘着テープとして、特開平7−233354号公報(特許文献1)、特開平10−298514号公報(特許文献2)、特開平11−43655号公報(特許文献3)、特開平11−21519号公報(特許文献4)、特開平11−106716号公報(特許文献5)、特開2002−212523号公報(特許文献6)には、いずれも粘着層に特定のα−オレフィン共重合体を含む表面保護フィルムが開示されている。しかし、性能要求の厳しいウエハ加工用途に適した粘着テープに関する記載はない。
【0009】
欠けや亀裂の拡大によるチップの損壊を防ぐウエハ加工用粘着テープとして、特開2002−155249号公報(特許文献7)には、粘着層に特性の粘弾性を有するウエハ加工用粘着テープ及びその製造方法並びに使用方法が開示されている。しかし、エネルギー線硬化型ウエハ加工用粘着テープと同じレベルの易剥離性に関すること、特に、薄く脆いチップにダメージを与えない方式で剥離回収することに関する記載はない。
【0010】
【特許文献1】特開平7−233354号公報
【特許文献2】特開平10−298514号公報
【特許文献3】特開平11−43655号公報
【特許文献4】特開平11−21519号公報
【特許文献5】特開平11−106716号公報
【特許文献6】特開2002−212523号公報
【特許文献7】特開2002−155249号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述した従来のウエハ加工粘着テープでは達成できなかった、ウエハを加工する際十分な粘着力を有すると共に、チップの欠けの発生を極小化し、糊残り等の汚染を無くし、エネルギー線照射装置や加熱装置等の特殊な装置を用いないで薄く脆いチップにダメージを与えない方式で剥離回収でき、長期保存環境や輸送環境での安定性に優れ、さらに薬品処理も可能にする安定性を有し、取り扱う際の安全性に優れ、廃棄処理する際に環境への負荷が少ない材料からなるウエハ加工用粘着テープを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、実質的に反応性成分を含まない粘着層と基材層を強固に一体化して、粘着テープを外部から加えられる拡張する力をチップと粘着層を剥離する力に変換することにより、ウエハ加工する際に必要な粘着力を確保してその粘着力を低減させること無しに、チップにダメージを与えない非貫通方式で剥離回収できることを見出し、また、その様な特定のウエハ加工用粘着テープを用いることにより、従来のウエハ加工用粘着テープでは達成し得なかったウエハ加工時の固定保持力と易剥離性の両立に加え、薬品処理に対する安定性、さらに長期保管あるいは船便輸送を想定した環境での安定性を併せ持つことを見出して本発明に至った。
【0013】
即ち、本発明においては、基材層の少なくとも片面に実質的に反応性成分を含まない粘着層を強固に一体化したウエハ加工用粘着テープであって、該ウエハ加工用粘着テープに外部から加えられる拡張する力を剥離する力に変換することを特徴とするウエハ加工用粘着テープが提供される。
【0014】
また、本発明においては、基材層の少なくとも片面に粘着層を強固に一体化したウエハ加工用粘着テープであって、
(1)23℃におけるせん断剥離強度が、0.5〜3MPaの範囲にあり、
(2)23℃における粘着層のヤング率E′が、2〜12MPaの範囲にあり
(3)20〜80℃の温度範囲において、JIS Z0237に準拠して測定される180度引き剥がし粘着力が、0.1〜10N/25mmの範囲にあることを特徴とするウエハ加工用粘着テープが提供される。
【0015】
本発明においては、さらに、前記粘着層が、オレフィン系重合体を主成分として含有することが好ましい。
【0016】
さらにまた、前記粘着層が、炭素原子数2〜12のα−オレフィンから選ばれる少なくとも2種のα−オレフィンを主な単位成分とするα−オレフィン共重合体の、1種または2種以上の混合物を主成分として含有するものであることが、より好ましい。
【0017】
また、本発明においては、前記基材層が、1層または複数の層からなり、オレフィン系重合体を主成分として含有することであることが、より好ましい。
【0018】
前記基材層が、表面層と中間層とからなり、粘着層、中間層、表面層の順に3層積層されてなることが、より好ましい。
【0019】
また、本発明に係わるウエハ加工用粘着テープは、共押出成形法によって成形されてなるものであることが、より好ましい。
【0020】
また、本発明に係わるウエハ加工用粘着テープを、(1)前記粘着層を介してウエハの一方の面に貼り付ける工程と、(2)ウエハをチップに切断加工する工程と、(3)そのままの状態でチップを薬品処理する工程と、(4)そのままの状態で保管及び輸送する工程と、(5)該ウエハ加工用粘着テープを拡張してチップを剥離回収する工程と、をから選ばれる単独或いは複数のウエハ加工工程に渡って使用してウエハからチップを製造することが、より好ましい。
【0021】
さらに、前記チップを剥離回収する工程が、針先を丸めた突き上げ針が該ウエハ加工用粘着テープを貫通せずに押し上げることで該ウエハ加工用粘着テープを実質的に拡張させ、チップと該粘着層の間を剥離させてチップを回収することであると好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のウエハ加工用粘着テープ(以下「本発明の粘着テープ」という)及びその使用方法(以下「本発明の使用方法」という)について、添付図面を参照して具体的に説明する。
なお、全図において同一又は相当部分については、同一の符号を付すこととする。
【0023】
図1は、本発明の粘着テープの一実施形態を示す断面図である。同図に示されるように、本発明の粘着テープ10は、基材層1と、基材層1の片面に積層された粘着層2とからなる。
【0024】
本発明の粘着層2は、実質的に反応性成分を含まない粘着層であり、例えば、紫外線等のエネルギー線照射処理や加熱処理では、架橋反応や分解反応などの化学反応が実質的におこらず、処理前後で粘着力等の特性が変化しない粘着層であることが望ましい。
【0025】
また、本発明の粘着層2は、被着体であるウエハに対しても、実質的に反応性成分を含まない粘着層であり、この反応性成分として、例えば、腐蝕性イオンとして、ナトリウムイオン、カリウムイオン、塩素イオン、弗素イオン、亜硝酸イオン、硝酸イオン、燐酸イオン、硫酸イオン等や、金属イオンとして、鉄イオン、ニッケルイオン、銅イオン、アルミニウムイオン、クロムイオン等を含まない粘着層であることが望ましい。例えば、ウエハが電子回路を有する場合、腐蝕性イオンは回路が断線したり、金属イオンは回路を短絡する不具合を発生し易くなるため、回路に影響を与えないレベルまで腐食性イオンと金属イオンを低減しなければならない。さらに、本発明の基材層1は、粘着層2に比べて反応性成分を含まないことが好ましく、腐蝕性イオンや金属イオンも粘着層2比べてより低いレベルであることが好ましい。
【0026】
本発明の粘着テープ10は、実質的に反応性成分を含まない粘着層2と基材層1とから構成されるので、保管及び輸送環境を管理維持するためのエネルギーを殆ど必要としないことと、回路に悪影響のある反応性成分を含まず且つエネルギー線(紫外線)など装置も必要としないので、取り扱い作業者が作業し易い環境と安全安心を提供できることなどが、反応性成分を含む従来からのウエハ加工用粘着テープに比べて非常に有用である。
【0027】
本発明の粘着テープ10は、基材層や粘着層の原料及び粘着テープの製造工程から反応性成分である腐食性イオンと金属イオンを排除することにより、イオン分析値として1ppm未満にすることが好ましい。
【0028】
本発明の粘着テープ10は、基材層1と粘着層2は強固に一体化したものであり、例えば、碁盤目状にナイフで切れこみを入れた後粘着層2と基材層1の界面を粘着テープで剥離状況を観察する(碁盤目剥離)テストで全面に剥離が発生しないレベルにすることが、該粘着テープ10に外部から加えられる拡張する力を剥離する力に変換する効率が高くなるので、好ましい。
【0029】
図2は、本発明が使用されるウエハ加工工程でチップを剥離回収する工程における拡張剥離モデル(以下「本発明の拡張剥離モデル」という)を示す。
【0030】
図2を基に、本発明の粘着テープ10に外部から加えられる拡張する力を剥離する力に変換することについて、本発明の拡張剥離モデルより説明する。
【0031】
切断加工後の剥離回収する工程で、粘着テープ10を外部から加えられる拡張する力として、チップ間隔を広げるために拡張する力とチップ裏面側を突き上げ針によりテープが実質的に伸ばされ拡張する力が、図2の最下段の断面拡大図に示した矢印の方向に働く。この拡張する力を効率よく変換すれば、図2上部に示したチップ裏面図のように、チップと粘着層との間に剥離が進行する力が働いて密着部分の面積が低減しゼロになり剥離するモデルが、拡張剥離モデルである。
【0032】
図3は、図2に示した本発明の拡張剥離モデルについて、有限要素法を適用するための解析モデルの全体図と、その計算手法から得られる結果を示す断面積概念図である。図3では、拡張による強制変位Mからチップと粘着層の界面に発生する最大せん断応力の位置を有限要素法により剥離長さLが求められることを示している。
【0033】
本発明の拡張する力を剥離する力に変換するとは、拡張による強制変位Mからチップと粘着層界面に発生する最大せん断応力が、せん断剥離強度を超える時剥離が進行するとした全く新しい考えを基にして考案されたものであり、図3の断面概念図に示す。
【0034】
図3を基にして、拡張による強制変位Mからチップと粘着層の界面に発生する最大せん断応力の位置から剥離長さLが求められることを説明する。
【0035】
そこで、有限要素法の計算に広く使われているHibbitt,Karlsson & Sorensen,Inc.製の解析ソフト:ABAQUS(Version5.8)へ、図3の解析モデルと材料の定義を組み立ててから計算することにより、剥離長さLを大きくする因子(すなわち、外部から加えられる拡張する力を剥離する力に変換するための因子)が求められる。
【0036】
まず、ABAQUSへ解析モデルの組み立て方を示す。
《解析モデル》
・解析モデルは、左右対称のため1/2モデルとする。
・縦方向要素分割を粘着層は6分割にして、基材層は10分割として、解析モデルの要素数は8032個に設定する。
・ABAQUSへの入力ファイルでは、要素は平面ひずみ要素を用いる。粘着層と中間層の要素タイプは、TYPE=CPE4Hとして、大ひずみ解析に強いタイプとし、表面層の要素タイプは、TYPE=CPE4Iとして、1層でも曲げが表現できるタイプとする。
・切断加工(ダイシング)後は、チップ間距離が通常0.03mmとなることから、解析モデルでは半分の0.015mmにする。拡張による強制変位Mは、約0.08〜約1mmの範囲を取りうる。拡張すると強制変位Mは、最小に近いM=0.085mmを用いる。なお、強制変位Mが0.1mmを超え大きくすると、剥離長さLがより長くなる関係である。
次に、本発明の粘着テープに関する材料の定義と、ABAQUSへの入力例を示す。
【0037】
次に、ABAQUSへの材料の定義を最適化する方法を示す
《材料の定義》
・基材層は弾性材料としてヤング率E′,ポアソン比のみを入力する。
・粘着層は「ほぼ非圧縮性であるエラストマー(ポアソン比がほぼ0.5である材料)の弾性特性」として定義する。本発明の粘着テープに適用できる粘着層及び基材層からなる実測値のSSカーブより読み取った応力・歪みの値を入力する。
さらに、ABAQUSへの入力例の一部を示す。
《ABAQUSへの入力例》
:
*SURFACE DEFINITION, NAME=ELI (接触面定義)
ELIN, s3
*RIGID SURFACE, NAME=RIGID, REFNODE=20000, TYPE=SEGMENTS (剛体壁定義)
STRAT, 5.1, 0.105
LINE, 0.015, 0.105
LINE, 0.015, 0.2
*SURFACE INTERACTION, NAME=haku (接触面の組み合わせ)
*CONTACT PAIR, INTERACTION=haku (接触面の組み合わせ)
ELI, RIGID
*INITIAL CONDITIONS, TYPE=CONTACT (接着された接着対の指定)
ELI, RIGID, TOP(スレーブ面、マスター面、スレーブ面上にある節点集合名)
:
*DEBOND,SLAVE=ELI,MASTER=RIGID,TIMEINCREMENT=0.001,FREQ=9999,OUTPUT=BOTH
0.0 , 1.0
0.005, 0.0
*FRACTURE CRITERION, TYPE=CRITICAL STRESS, DISTANCE=0.01, TOLERANCE=0.1
0.015, 1.8 (垂直方向剥離強度、せん断剥離強度)
*CONTACT PRINT
CSTRESS, CDISP
DBT, DBSF, DBS
*PRINT, CONTACT=YES
**
*NODE PRINT, FREQ=100
*EL PRINT, FREQ=100
*END STEP
このようにして、有限要素法の解析ソフト:ABAQUSに本発明の拡張剥離モデルを組み入れ、材料の定義を最適化してから、剥離長さLを大きく出来る因子を計算した。その主因子であるせん断剥離強度と粘着層のヤング率E′と剥離長さLの関係を示す計算結果を、図4と図5に示す。
【0038】
図4は、せん断剥離強度を2.4〜0.7MPaに変化させた場合の最大せん断応力発生位置(剥離長さL)を計算した結果例である。
【0039】
本発明の粘着テープにおいて、23℃におけるせん断剥離強度が、0.5〜3MPaの範囲にあることが好ましい。せん断剥離強度が、0.5MPa未満であると、例えば切断加工する際の衝撃によるチップが飛びや剥がれを防止することが困難になり好ましくない。せん断剥離強度が、3MPaを越えて大きくなり過ぎると、剥離回収が悪化することがあり好ましくなく、図4からも剥離回収が悪化する傾向を示している。
【0040】
図5は、粘着層のヤング率E′を2.8〜11.4MPaに変化させた場合の最大せん断応力発生位置(剥離長さL)を計算した結果例である。
【0041】
本発明の粘着テープにおいて、23℃粘着層2のヤング率E′が、2〜12MPaの範囲にあることが、拡張する力を剥離する力に変換する効率を高めて拡張剥離性を発現できることから、好ましい。粘着層のヤング率E′が、2MPa未満であると、剥離回収が悪化するので好ましくなく、図5からも、粘着層のヤング率E′が小さくなると剥離長さLが短くなる傾向を示している。粘着層のヤング率E′が、12MPaを越えて大きくなり過ぎると、粘着層が硬くなり過ぎるため被着体であるウエハに密着することが難しくなり、貼り付け不良が発生し易くなり、切断加工する際の衝撃によりチップが飛びや剥がれが発生し易くなるので、好ましくない。
【0042】
また、本発明の粘着テープにおいて、23℃粘着層2のヤング率E′が、2〜12MPaの範囲にあるは、ウエハに接する粘着層が十分に硬いことを示し、切断加工する際に回転刃によってウエハに発生する内部応力を抑えられ、チップ欠けの発生を防止できる。ウエハを切断加工する際にチップ欠けを防止する方法としてワックス固定方法が知られているが、この方法に使用されるワックスのヤング率E′が約10MPa程度であり、ウエハの内部応力の発生を抑える同じ原理からチップ欠けの発生を抑制している。
【0043】
ウエハ加工用粘着テープでは、加工時はウエハを固定できる粘着力があり、加工後は易しく剥離できることが重要な品質である。
【0044】
本発明の粘着テープについては、ウエハ加工、薬品処理、保管及び輸送の際に曝される20〜80℃の温度範囲において、JIS Z0237に準拠して測定される180度引き剥がし粘着力が、0.1〜10N/25mmの範囲にあることが好ましく、さらに、20℃での180度引き剥がし粘着力が、0.1〜5N/25mmの範囲にあると、針先を丸めた突き上げ針が該ウエハ加工用粘着テープを貫通せずに押し上げる方式でもチップを剥離回収することが容易になるので、より好ましい。180度引き剥がし粘着力が、0.1N/25mm未満であると、例えば、切断加工する際にチップ飛びが発生したり薬品処理、或いは輸送の際に剥がれ易くなるので、好ましくない。180度引き剥がし粘着力が、10N/25mmを越えて大きくなり過ぎると、剥離回収が悪化することがあり好ましくない。
【0045】
本発明の粘着テープにおいて、粘着層2の厚さは、1〜50μm程度の範囲にあることが好ましい。本発明の拡張剥離モデルの計算から、粘着層2の厚さが薄いほうがより剥離回収性に優れるが、粘着力の均一性や安定性から、5〜30μm程度の範囲にあることが、より好ましい。
【0046】
本発明の粘着テープにおいて、基材層1のヤング率E′は、100〜1000MPaの範囲にあることが好ましい。基材層1のヤング率E′が、100MPa未満であると、拡張しても剥離が進行しなくなり易剥離性が悪化し好ましくない。本発明の拡張剥離モデルの計算から、基材層1のヤング率E′が大きい程剥離回収性に優れるが、基材層1のヤング率E′が、1000MPaを越えてしまうと、通常の装置では拡張でき難くなるため、好ましくない。
【0047】
本発明の粘着テープにおいて、基材層1の厚さは、50〜500μm程度の範囲にあることが好ましい。本発明の拡張剥離モデルの計算から、基材層1の厚さが厚いほうがより剥離回収性に優れるが、500μmを越えてしまうと、テープとして取り扱い性が悪化し好ましくない。また、基材層1の厚さが、50μm未満であると、切断加工時に破れる恐れがあり好ましくない。
【0048】
本発明の粘着層2は、前記基材層1の片面に積層され、その主成分として、オレフィン系重合体を含有するものがウエハ加工に対して安定であり好ましく、特に、極性基を含まないオレフィン系重合体を主成分として含有するするものが好ましい。被着体であるウエハに対して化学的に影響を与えて変色等の不良を発生させる可能性を完全に無くせる点で、腐蝕性イオンや金属イオンを含まないオレフィン系重合体が望ましい。
【0049】
さらに、本発明の粘着層2は、炭素原子数2〜12のα−オレフィンから選ばれる少なくとも2種のα−オレフィンを主な単位成分とするα−オレフィン共重合体を主成分とすることが好ましく、2種以上のα−オレフィン共重合体がブレンドされていても良い。また、前記α−オレフィン共重合体と、熱可塑性エラストマー、エチレンと他のα−オレフィンとのコオリゴマーからなり、α−オレフィン共重合体が連続相を形成し、熱可塑性エラストマーが分散相を形成しているものが好ましい。
【0050】
本発明の粘着層においては、α−オレフィン共重合体が連続相を形成し、熱可塑性エラストマーが分散相を形成しているとにより、ウエハ面への凹凸追従性を確保する柔らかさとチップを剥離回収するために必要な粘着層のヤング率E′の両方を満足させることが可能になり易い。加工、薬品処理や保管あるいは輸送される温度域約20〜80℃においてウエハ及びチップとの密着性が保持でき、且つ粘着層のガラス転移温度が低下するので、本発明の粘着テープと被着体であるウエハ面に隙間なく密着させることができ、180度引き剥がし粘着力試験で代表される粘着力を適正な範囲に調整することができる。
【0051】
本発明の粘着層を構成する炭素原子数2〜12のα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等が挙げられる。これらのα−オレフィンから選ばれる少なくとも2種の単量体からなる共重合体を、粘着層2の主成分とする場合、粘着層2中に占めるこのα−オレフィン共重合体の総含有割合は、通常、30重量%以上、なかでも特に50重量%以上とすることが好ましい。
【0052】
これらのα−オレフィン共重合体の中でも、プロピレン、1−ブテンおよび炭素原子数5〜12のα−オレフィンの3成分を共重合してなる共重合体を含有する粘着層が好ましい。特に、プロピレン10〜85モル%、1−ブテン3〜60モル%および炭素原子数5〜12のα−オレフィン10〜85モル%の構造単位組成を有する共重合体を含有する粘着層は、常温付近からウエハ加工温度域すなわち約20℃〜約80℃の温度範囲でウエハを固定保持するための粘着特性に優れる点で好ましく、さらに、プロピレン15〜70モル%、1−ブテン5〜50モル%およびα−オレフィン15〜70モル%の構造単位組成の割合で含む共重合体を含有する粘着層が好ましい。炭素原子数5〜12のα−オレフィンとしては、4−メチル−1−ペンテンが好ましい。
【0053】
また、このプロピレン、1−ブテンおよび炭素原子数5〜12のα−オレフィンの3成分を共重合してなる共重合体を粘着層に含有する場合、粘着層中に占めるこの共重合体の含有割合は、通常、30重量%以上、好ましくは40重量%以上である。
【0054】
前記の熱可塑性エラストマーの具体例としては、ポリスチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマーなどが挙げられる。
【0055】
この熱可塑性エラストマーの好ましい構造としては、構造要素であるブロック共重合体が、一般式A−B−AまたはA−Bで表されるものである。ここで、Aは芳香族ビニル重合体ブロックまたは結晶性を示すオレフィン重合体ブロックを示し、Bはジエン重合体ブロック、またはこれを水素添加してなるオレフィン重合体ブロックを示す。
【0056】
ポリスチレン系エラストマーとしては、硬質部(結晶部)となるポリスチレンブロックと、軟質部となるジエン系モノマー重合体ブロックとのブロック共重合体またはその水素添加重合体が挙げられ、より具体的には、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)などを例示することができる。これらは、1種単独でも2種以上を組み合わせても用いられる。
【0057】
例えばスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体は、スチレン系重合体ブロックを平均分子量に換算して12000〜100000程度、イソプレン重合体ブロックを平均分子量に換算して10000〜300000程度含むものである。このSISにおけるスチレン重合体ブロック/イソプレン重合体ブロックの含有割合は、通常、重量比で5〜50/50〜95であり、好ましくは10〜30/70〜90である。
【0058】
スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体は、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体を水素添加してなるものである。
【0059】
このSISの具体例としては、JSR株式会社から商品名:JSR SIS(登録商標)として、またはシェル化学株式会社から商品名:クレイトンD(登録商標)として市販されているものなどが挙げられる。また、SEPSの具体例としては、株式会社クラレから商品名:セプトン(登録商標)として市販されているものなどが挙げられる。
【0060】
前記ポリオレフィン系エラストマーとして、硬質部となるポリプロピレン等の結晶性の高いポリマーを形成するポリオレフィンブロックと、軟質部となる非晶性を示すモノマー共重合体ブロックとのブロック共重合体が挙げられ、具体的には、オレフィン(結晶性)・エチレン・ブチレン・オレフィン(結晶性)ブロック共重合体、ポリプロピレン・ポリエチレンオキシド・ポリプロピレンブロック共重合体、ポリプロピレン・ポリオレフィン(非晶性)・ポリプロピレンブロック共重合体等を例示することができる。具体例としては、JSR株式会社から商品名:DYNARONとして市販されているものが挙げられる。
【0061】
前記ポリエステル系エラストマーとして具体的には、ポリブチレンテレフタレート・ポリエーテル・ポリブチレンテレフタレートブロック共重合体等を例示することができる。
【0062】
本発明の粘着テープの、粘着層の成分として、前記熱可塑性エラストマーを用いる場合、粘着層に占める熱可塑性エラストマーの含有割合は、通常、0〜60重量%で、好ましくは、5〜40重量%である。
【0063】
本発明の粘着テープにおいて、粘着層2の粘着力で示される粘着性能を向上させるため、前記炭素原子数2〜12のα−オレフィンの3成分を共重合してなるα−オレフィン共重合体に加えて、他のα−オレフィン共重合体を含有させた粘着層とすることができる。このとき、前記のプロピレン、1−ブテンおよび炭素原子数5〜12のα−オレフィンの3成分からなる共重合体と、他のα−オレフィン共重合体の粘着層中に占める合計の含有量は、少なくとも50重量%以上であることが好ましい。
【0064】
前記他のα−オレフィン共重合体としては、エチレン、プロピレン、1−ブテンおよび1−ヘキセンから選ばれる少なくとも2種のα−オレフィンからなる共重合体が好ましい。このα−オレフィン共重合体としては、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・1−ヘキセン共重合体、1−ブテン・1−ヘキセン共重合体等を例示できる。この共重合体の具体例としては、三井化学株式会社から商品名:タフマーA、タフマーP等(「タフマー」は登録商標)で市販されているものなどを挙げることができる。
【0065】
また、前記のエチレンと他のα−オレフィンとのコオリゴマーは、エチレンと他のα−オレフィンとの低分子量共重合体であって、常温で液体状のものである。α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、4−メチル−1−ペンテン等の炭素数3〜20のα−オレフィンが挙げられる。これらの中でも、炭素数3〜14のα−オレフィンが好ましい。
【0066】
このコオリゴマーは、通常、数平均分子量が100〜10000の範囲のものであり、好ましくは数平均分子量が200〜5000の範囲のものである。また、このコオリゴマー中のエチレン単位含有量は、通常、30〜70モル%、好ましくは40〜60モル%である。
【0067】
本発明の粘着テープの、粘着層の構成成分中に、前記コオリゴマーを用いる場合、このコオリゴマーの粘着層に占める含有割合は、通常0〜20重量%、好ましくは0〜10重量%である。
【0068】
本発明の粘着テープにおいて、粘着層の構成成分として、前記炭素原子数2〜12のα−オレフィンの3成分を共重合してなるα−オレフィン共重合体に加えて、前記の他のα−オレフィン共重合体を用いると、ガラス転移温度が低下し、180度引き剥がし粘着力とせん断剥離強度とヤング率E′を適正な範囲に調整できるとともに、低温粘着特性を改善できる点で有利である。
【0069】
また、粘着層の構成成分として、前記α−オレフィン系共重合体とエチレンと他のα−オレフィンとのコオリゴマーの組み合わせからなる混合樹脂を用いると、ガラス転移温度が低下し、180度引き剥がし粘着力とせん断剥離強度とヤング率E′を適正な範囲に調整することができるとともに、粘度を適正な範囲に調整できる点で有利である。
【0070】
また、粘着層の構成成分として、前記α−オレフィン系共重合体と熱可塑性エラストマーとからなる混合樹脂を用いると、ガラス転移温度とせん断剥離強度とヤング率E′とを適正な範囲に調整することができるとともに、室温(20℃程度)から高温(80℃程度)の温度範囲に渡って必要とする180度引き剥がし粘着力を改善できる点で有利である。
【0071】
本発明の粘着テープの粘着層には、前記α−オレフィン系共重合体、熱可塑性エラストマー、およびエチレンと他のα−オレフィンとのコオリゴマー以外に、さらに各種+の副成分を、本発明の目的を損ねない範囲で含んでいてもよい。例えば、液状ブチルゴム等の可塑剤、ポリテルペン等のタッキファイヤーなどを含んでいてもよい。本発明において、これらの副成分の内接着性を示す官能基、不飽和結合を有するものは、貼り付けた後での粘着強度の経時変化(加温、加圧、湿度、紫外線等による)や被着体へ悪影響を起こさせないように、その種類を選択し、配合量も最小限にすることが好ましい。
【0072】
また、本発明の粘着テープの粘着層には、この種の粘着層の素材に一般的に配合される各種添加剤を含有していてもよい。例えば、無機系或いは有機ポリマー系の充填剤、顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、滑剤等を含有していてもよい。
【0073】
また、前記したα−オレフィン系共重合体、熱可塑性エラストマー、各種添加剤およびエチレンと他のα−オレフィンとのコオリゴマー、各種の副成分、さらに各種添加剤の中から、被着体であるウエハに対して悪影響を与えないもので本発明の粘着層が構成されることが、ウエハ加工後のチップの信頼性をより高めるには、より好ましい。
【0074】
基材層1は、単層あるいは2層以上の薄層品からなり、その構成成分として、合成樹脂、天然樹脂などの伸長性と強さを併せ持つ材料であるならば限定されずに自由に選択できる。 基材層1のヤング率E′を100〜1000MPaの範囲に調整し易い点と、耐水性、耐熱性、耐メッキ液性、耐エッチング液性、廃棄処理性等から、基材層1は、非ハロゲン系合成樹脂を主成分とするものが好ましく、具体例としては、オレフィン系重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリウレタンなどが挙げられる。
【0075】
本発明の基材層1としては、ウエハ加工に対する安定性に優れる点と、使用後に焼却処理する場合にダイオキシンに代表されるハロゲン化合物等の有毒ガスが発生しない点と、粘着層と強固な接着を形成し易い点とから、その構成成分としては、とりわけ、オレフィン系重合体を主成分とするものが好ましい。
【0076】
オレフィン系重合体としては、具体的には、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、また、エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィン、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、アイオノマー等の各種ビニル化合物との共重合体等ポリエチレン系重合体が挙げられ、共重合体はランダム共重合体でもブロック共重合体でも良く、炭素数4以上のα−オレフィン共重合体を挙げることができる。本発明において主成分とは、それ以外の含まれている構成成分に比べて、相対的に最も大きな割合で含まれる構成成分を言う。前記基材層1における前記α−オレフィンを含む重合体の含有量は、通常、50〜100重量%程度であり、好ましくは70〜100重量%程度である。
【0077】
また、基材層1のヤング率E′を100〜1000MPaの範囲に調整する方法として、ヤング率E′が1000MPaより高いオレフィン系重合体場合、ヤング率E′が100MPaより低い熱可塑性エラストマーと複合化する方法が知られており、そのアロイ構造としては、オレフィン系重合体が連続相を形成し、熱可塑性エラストマーが分散相を形成しているものであることが、好ましい。
【0078】
前記熱可塑性エラストマーとしては、本発明の粘着性で用いたのと同様のポリマーを用いることが出来る。
【0079】
図6は、本発明の粘着テープの、別の実施形態を示す断面図である。同図に示されるように、本発明の粘着テープ10は、中間層3と表面層4からなる基材層1と、中間層3の片面に積層された粘着層2とからなる。
【0080】
基材層が2層以上の複数層から構成される場合には、複数の層を単層と見なして基材層1のヤング率E′として、そのヤング率E′が100〜1000MPaの範囲にあるものであることが好ましい。各層に粘着テープとして要求される各種の特性を分担して受け持たせるように構成することができる。
【0081】
例えば、基材層1の中間層3には、拡張剥離性を高めるために最適なヤング率E′と加工時の伸び特性や、引き裂き耐性を付与し、また、耐候安定剤を添加して耐候性をより高めることができる。基材層1の最外層には表面疵の耐性を付与し、また、拡張時の滑り性を付与し巻き上げた保護フィルムが簡単に巻戻せるように粘着層との剥離性を付与した態様が挙げられる。また、隣合う層は、その構成成分が、溶融共押出しによって強固に接着できるものであれば、いずれのものからなる層であってもよい。
【0082】
また、基材層1のうち、粘着層2に接する側の中間層3は、前記のα−オレフィンを含む重合体の1種単独または2種以上の混合物を主成分として含有していると、粘着層2と基材層1の一部中間層3を強固に一体化できるので好ましい。
【0083】
前記粘着層2に接する中間層3における前記α−オレフィンを含む重合体の含有量は、通常、50〜100重量%程度であり、好ましくは70〜100重量%程度である。
【0084】
本発明の粘着テープにおいて、基材層1の最外層である表面層4の主成分は、エチレン系重合体であることが好ましい。なかでも、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体が好適である。この場合、基材層1の最外層となる表面層4における前記エチレン系共重合体の含有量は、通常、50〜100重量%程度であり、好ましくは70〜100重量%程度であり、他のα−オレフィン(共)重合体などが含まれていても良い。
【0085】
また、基材層1が中間層3と表面層4からなる場合、中間層3の厚さは、好ましくは40〜400μm程度であり、表面層は、好ましくは5〜50μm程度である。
【0086】
基材層1は、この種の粘着テープの基材層に一般に用いられる各種添加剤を含有していてもよい。例えば、各種の充填剤、顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、滑剤等を被着体であるウエハに対して影響を与えない程度に含有していてもよい。
【0087】
図7は、本発明の粘着テープの、他の実施形態を示す断面図である。同図に示すように、本発明の粘着テープ10は、基材層1と、基材層1の表面に積層された粘着層2と、粘着層2側にセパレータ5が設けられる。
【0088】
図8は、本発明の粘着テープの、他の実施形態を示す断面図である。同図に示すように、本発明の粘着テープ10は、中間層3と表面層4からなる基材層1と、中間層3の表面に積層された粘着層2とからなり、その粘着層2側に、セパレータ5が設けられる。
【0089】
セパレータ3の構成成分として、焼却処理する場合にダイオキシンに代表されるハロゲン化合物等の有毒ガスが発生しない合成樹脂や合成樹脂をコートした紙などが好ましい。中でも、本発明のセパレータ3として、ポリエステル樹脂に離型層を成形させた加工フィルム等が好ましい。セパレータには、例えば、各種の充填剤、顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、滑剤等を、被着体のウエハに対して影響を与えない程度に含有していてもよいが、特にシリコーン系オイル等の剥離剤は含まないことが、より好ましい。セパレータ3の厚さとして、例えば10〜300μmであり、好ましくは30〜150μmである。
【0090】
本発明の粘着テープ10を、コア材に巻きつけてロール状に保管でき、必要な量だけ引き出して使用できる。また、本発明の粘着テープ10の粘着層側にセパレータ3を貼り付けて、コア材に巻きつけてロール状に保管でき、セパレータを剥がしながら必要な量だけ引き出して使用できる。さらにまた、あらかじめセパレータ10に保持した本発明の粘着テープ10を所望の形に打ち抜いてロール状に保管し、必要に応じて引き出して使用できる。
【0091】
また、本発明の粘着テープは、基材層および粘着層を構成する素材を、それぞれ溶融加熱して共押出し成形し所定の厚さを有する多層構造の積層フィルムを製造する方法、即ち共押出成形法によって成形されてなるものが、基材層と粘着層を強固に一体化できる点と、高効率でしかも省エネルギーため安価に製造できる点で、好ましい。また、2層以上の多層ダイを用いた共押出成形法によって、1層以上の基材層と粘着層を有する粘着テープを同時に成形できる。多層ダイを用いた共押出成形法として、例えば、各層の溶融物をあらかじめ層状に組み合わせて一体としたものをフラットダイに送り込みダイ内で接着させる方法(フィードブロック法)、各層の溶融物をフラットダイ内の別のマニホールドに送り込み、ダイ内の共通の場所(一般にはダイリップ入り口前)にて、各層を層状に接合して一体としたものをフラットダイに送り込みダイ内で接着させる方法(多数マニホールド法)、さらにフィードブロック法と多数マニホールド法の組み合わせた方法等が挙げられる。
【0092】
以上のようにして得られた本発明に粘着テープ10を、(1)前記粘着層を介してウエハの一方の面に貼り付ける工程と、(2)ウエハをチップに切断加工する工程と、(3)そのままの状態でチップを薬品処理する工程と、(4)そのままの状態で保管及び輸送する工程と、(5)該ウエハ加工用粘着テープを拡張してチップを剥離回収する工程と、をから選ばれる単独或いは複数のウエハ加工工程に渡って使用して、特に薄く脆いウエハからチップを製造することが、好ましい。
【0093】
図9は、本発明の粘着テープ10を用いた製造方法の一例を示している。すなわち、(1)本発明の粘着テープ10の粘着層2を介してウエハ20の一方の面と固定し、同時に本発明の粘着テープ10の周辺部に当たる粘着層2を介して、リングフレーム21に固定する貼り付ける工程と、(2)ウエハ20をチップに切断加工する工程と、(3)該ウエハ加工用粘着テープを拡張してチップを剥離回収する工程と、を含むダイシング工程で使われる。
【0094】
ウエハとしては、一般的な固体のものであればいずれのものでもよく、例えば絶縁体としては、ガラス、セラミック、硬質プラスチックなど、半導体としては、シリコン、ゲルマニウム、セレン、テルル等の元素半導体;GaAs、GaP、InSb等の2元系化合物半導体;AlGaAs等の3元系化合物半導体;AlGaInAs等の4元系化合物半導体;SnO2、ZnO、TiO2、Y2O5等の金属酸化物半導体など、その他の金属酸化物からなるものなどが挙げられる。ウエハの厚さは数10μm〜数mm、ウエハの面積は、数10mm2〜数10000mm2であるものが使用でき、形状は円形、正方形、長方形などのいずれでもよい。
【0095】
また、ウエハをチップに切断加工する工程としては、ダイヤモンド切削刃を高速に回転させながら切断する方法が一般的に知られている。他に、高圧水、レーザー光等で切断加工する方法もある。
【0096】
本発明の粘着テープ10に関する別の製造方法として、(1)本発明の粘着テープ10の粘着層2を介してウエハ20の一方の面と固定し、同時に本発明の粘着テープ10の周辺部に当たる粘着層2を介して、リングフレーム21に固定する貼り付ける工程と、(2)ウエハをチップに切断加工する工程と、(3)そのままの状態でチップを薬品処理する工程と、(4)該ウエハ加工用粘着テープを拡張してチップを剥離回収する工程と、を含むダイシング・薬品処理工程で使われる。
【0097】
また、薬品処理する工程は、酸やアルカリからなる薬品液による処理が行われる。一般に、薬品処理とは、薬品により洗浄する場合と、薬品によりメッキ膜等の加工をする場合がある。
【0098】
まず、薬品により洗浄する場合は、複数枚のウエハをウエハキャリアーに入れて、洗浄液に浸漬するか、洗浄液をスプレーして、一括して洗浄する方法が採用されている。通常、超音波など、物理力を併用して洗浄効率を上げている。除去すべき汚染物は、微粒子、金属、有機物、自然酸化膜である。
【0099】
微粒子の除去には、例えば、NH4OH/H2O2/H2O(APM)、コリン溶液(CH3)3N(OH)CH2CH2OH/H2O2洗浄液などが使用され、金属の除去には、H2SO4/H2O2(SPM)洗浄液、HCl/H2O2/H2O(HPM)、HF/H2O(DHF)洗浄液、HF/NH4F/H2O(BHF)洗浄液、HF/HNO3/CH3COOH(弗硝酢酸)、HCl/HNO3(王水)、HNO3などが使用され、有機物の除去には、SPM洗浄液、APM洗浄液、水酸化アンモニウム液、水酸化ナトリウム液等が使用され、自然酸化膜の除去には、DHF洗浄液、BHF洗浄液等が使用される。
【0100】
次に、薬品により加工する場合は、例えば、メッキ液で処理加工することにより新たな膜を成膜できる。その代表例として無電解メッキは、金属塩を含む溶液中に、可溶性の還元剤,pH調整剤、メッキ液の安定化剤等からなり、メッキする物を浸漬すると、還元剤の酸化によって、放出される電子が金属イオンに転移し、金属皮膜が得られるもので化学還元作用を利用した方法である。通常、約40〜80℃に加温された酸性〜アルカリ性を示すメッキ液が使用される。
【0101】
本発明の粘着テープ10に関する別の製造方法として、(1)本発明の粘着テープ10の粘着層2を介してウエハ20の一方の面と固定し、同時に本発明の粘着テープ10の周辺部に当たる粘着層2を介して、リングフレーム21に固定する貼り付ける工程と、(2)ウエハをチップに切断加工する工程と、(3)そのままの状態で保管及び輸送する工程と、(4)該ウエハ加工用粘着テープを拡張してチップを剥離回収する工程と、を含むダイシング・保管輸送工程で使われる。
【0102】
また、保管及び輸送する工程は、例えば室内蛍光灯下に曝される状況や船便に使用される一般コンテナや倉庫での1年以上の長期間である。本発明の粘着テープは、反応性成分を含まないので、前記保管及び輸送する工程では何ら特性が変化しないため、特別に管理された環境以外でも使用するできる。
【0103】
本発明の粘着テープ10に関する別の製造方法として、(1)本発明の粘着テープ10の粘着層2を介してウエハ20の一方の面と固定し、同時に本発明の粘着テープ10の周辺部に当たる粘着層2を介して、リングフレーム21に固定する貼り付ける工程と、(2)ウエハをチップに切断加工する工程と、(3)そのままの状態でチップを薬品処理する工程と、(4)そのままの状態で保管及び輸送する工程と、(5)該ウエハ加工用粘着テープを拡張してチップを剥離回収する工程と、を含むダイシング・薬品処理・保管輸送工程で使われる。
【0104】
図10は、前記チップを剥離回収する工程が、針先を丸めた突き上げ針が該ウエハ加工用粘着テープを貫通せずに押し上げること(非貫通方式)で該ウエハ加工用粘着テープを実質的に拡張し、チップと該粘着層の間を剥離させてチップを回収する方法が、好ましい。チップに対して針先による打撃痕や衝撃を与えずに好ましい。突き上げ針先の半径rが、50〜300μmの範囲が好ましく、チップ裏面側に貼り付けた本発明の粘着テープに入り込まないように針先を丸めることが、針先でチップ裏面を突き上げながら同時に本発明の粘着テープが針先を滑るように拡張されるので、剥離回収性がより高まり好ましい。
【0105】
また、電子回路パターンが形成された半導体ウエハの表面からウエハ厚みよりも浅い切り込み深さの溝を形成し、その後半導体ウエハの裏面研削をすることで、ウエハの厚みを薄くするとともに最終的に個々のチップへ分割するウエハ裏面研削によりチップに切断加工する工程にも、本発明の粘着テープは応用が可能であり、使用方法として有用である。
【0106】
また、本発明の粘着テープは、上記以外にも、薬品処理する工程や保管及び輸送する工程などの工程だけに使用しても、十分に有用である。
【0107】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでない。
なお、以下の実施例において、ヤング率E′、粘着力、せん断剥離強度、イオン分析、耐薬品性、チップ飛び、チップ欠け、汚染性、拡張性、ピックアップ性、安定性を下記に示す測定方法により試験し、評価した。
【0108】
(1)ヤング率E′
粘着層だけを厚さ1〜2mmに成形して得られたシートからJIS K7162−1994に準拠して試験片を作成し、JIS K7161−1994に記載のプラスチック引張特性の試験方法に準拠して、23℃の温度下で引張試験を実施した。この引張試験より得られた応力−ひずみ曲線から、23℃における粘着層のヤング率E′を算出した。
【0109】
(2)粘着力
JIS Z0237−2000に記載の180度引き剥がし粘着力に準拠して、23℃、50%RHにおいて試験片である粘着テープをSUS−BA板に貼り付けて、20℃、50℃、80℃の温度に設定した恒温槽内に30分間放置した後、180度引きはがし粘着力(単位:N/25mm)を測定した。
【0110】
(3)せん断剥離強度
島津製作所製引張り試験装置を用いて、温度23℃、湿度50%(RH)下、2mm厚のSUS304−BA板に幅10mm試験片を貼りつけ長さ10mmで貼りつけた後、垂直方向に300mm/min引張り速度で剥離し、そのとき要する力(単位:N/10mm×1mm)を測定した。なお、剥離が進行する幅が1mmとして、せん断剥離強度(MPa)に換算した。
【0111】
(4)イオン分析
約2.5cm角に切り取った試験片である粘着テープ5gと純水150gを200mlのテフロン(登録商標)容器に入れ、容器に入れ、オートクレーブを用いて100℃に加温下60分間抽出した後、サンプルを取り出し、ホットプレート上で抽出液を25gまで濃縮したものをイオン分析した。腐蝕性イオンであるNa+、K+、Cl−、F−、NO2 −、NO3 −、PO4 3−、SO4 2−は、イオンクロマト分析により、また金属イオンであるFe2+、Cu2+、Cr2+、Al3+、Zn2+、Ni2+は、原子吸光分析により定量分析した。
定量分析値を次式代入して、イオン分析値を算出した。
イオン分析値(ppm)=定量分析値×抽出液量(25g)÷サンプル量(5g)
なお、抽出液を濃縮したことでイオン分析値の検出限界を、0.01ppmまで高められた。
【0112】
(5)耐薬品性
pH試験紙を置いた4インチシリコンウエハ上から試験片である粘着テープを貼り付け、HF/HNO3/CH3COOH=1/9/3(弗硝酢酸)、HCl/HNO3=1/3(王水)、10%NH4OH(アンモニア水)の3種類の薬品液に、室温(23℃)下30分間浸漬した。
pH試験紙がpH7の色を保持し、且つウエハに糊残り等の汚染が無い場合を合格(○で示す)し、PH試験紙が変化する場合、或いはウエハに糊残り等の汚染が発生する場合を不合格(×で示す)した。
【0113】
(6)チップ飛び
マウンター(ヒューグル・エレクトロニクス製 HS−7800)を用いて、貼り付け温度23℃において、試験片である粘着テープを介してシリコンウエハ(P型、厚さ100μm、直径6インチ)のミラー面をフレーム(ディスコ製 MDFTF−2−6−1−H)に張りつけ固定した後、ダイサー(ディスコ製 DAD320)にセットし、ブレード(NBC−ZH−2050、サイズ:27HEDD)の回転速度30000回転/min、切断速度70mm/min、切り込み量はフルカットでフィルムを30μm深さまで切り込む様にし、切削水量(20℃の恒温水使用)はウエハ面へのノズルから1.5L/min、回転ブレード落射ノズルから1.0L/minとし、1mm角サイズのチップにダイシング加工した。
【0114】
6インチのウエハ1枚当たり、チップサイズ1mm角の飛散数が1個未満の場合を合格(○で示す)とし、チップサイズ1mm角の飛散数が1個以上の場合を不合格(×で示す)とした。
【0115】
(7)チップ欠け
マウンター(ヒューグル・エレクトロニクス製 HS−7800)を用いチップフライが発生しない貼り付け温度にて、試験片である粘着テープの粘着層をシリコンウエハ(P型、厚さ100μm、直径6インチ)のミラー面に貼付け、粘着テープを介してシリコンウエハをフレーム(ディスコ製 MDFTF−2−6−1−H)に張りつけ固定した後、ダイサー(ディスコ製 DAD320)にセットし、ブレード(NBC−ZH−2050、サイズ:27HEDD)の回転速度30000回転/min、切断速度70mm/min、切り込み量はフルカットでフィルムを30μm深さまで切り込む様にし、切削水量(20℃の恒温水使用)はウエハ面へのノズルから1.5L/min、回転ブレード落射ノズルから1.0L/minとし、3mm角サイズのチップにダイシング加工した。
【0116】
次いで、6インチウエハからダイシング加工される全ての3mm角サイズのチップについて、光学顕微鏡(倍率100倍)によりチップの切削加工面から発生したチップ欠けの最大長さ(μm)を測定した。1枚のウエハからランダムに選んだ100個のチップにおいて、チップ欠けが全て10μm以内の場合を合格(○で示す)とし、10μm越えるチップ欠けが1個でも発生した場合を不合格(×で示す)とした。
【0117】
(8)汚染性
マウンター(ヒューグル エレクトロニクス製 HS−7800)を用いチップフライが発生しない貼り付け温度にて、試験片である粘着テープを介してシリコンウエハ(P型、厚さ100μm、直径6インチ)のミラー面をフレーム(ディスコ製MDFTF−2−6−1−H)に張りつけ固定した後、ダイサー(ディスコ製 DAD320)にセットし、ブレード(NBC−ZH−2050、サイズ:27HEDD)の回転速度30000回転/min、切断速度70mm/min、切り込み量はフルカットでフィルムを30μm深さまで切り込む様にし、切削水量(20℃の恒温水使用)はウエハ面へのノズルから1.5L/min、回転ブレード落射ノズルから1.0L/minとし、3mm角サイズのチップにダイシング加工した。
【0118】
次いで、6インチウエハからダイシング加工される全ての3mm角サイズのチップについて、光学顕微鏡(倍率100倍)により切削屑の有無を観察した。1枚のウエハからランダムに選んだ100個のチップにおいて、切削屑や切削液が付着しているチップが無いを合格(○で示す)とし、切削屑や切削液が付着しているチップが1個でも発生した場合を不合格(×で示す)とした。
【0119】
(9)拡張性
マウンター(ヒューグル・エレクトロニクス製 HS−7800)を用いチップフライが発生しない貼り付け温度にて、試験片である粘着テープを介してシリコンウエハ(P型、厚さ100μm、直径6インチ)のミラー面をフレーム(ディスコ製MDFTF−2−6−1−H)に張りつけ固定した後、ダイサー(ディスコ製 DAD320)にセットし、ブレード(NBC−ZH−2050、サイズ:27HEDD)の回転速度30000回転/min、切断速度70mm/min、切り込み量はフルカットでフィルムを30μm深さまで切り込む様にし、切削水量(20℃の恒温水使用)はウエハ面へのノズルから1.5L/min、回転ブレード落射ノズルから1.0L/minとし、3mm角サイズのチップにダイシング加工した。
【0120】
次に、ウエハ拡張機(ヒューグル エレクトロニクス製 HS−1800)を用いて、ダイシング加工後の粘着テープを23℃にて、そのウエハの貼着された粘着テープ部分を直径180mmの円柱状の押圧具で上方にストローク10mmまで押し上げることで、粘着テープ上に貼着されたチップ間隔を拡張した。拡張性の評価は、次の3項目の基準(a)〜(c)を全て満たす場合を合格(○で示す)として、何れか一項目でも達成できない場合を不合格(×で示す)とした。
【0121】
基準(a):前記押圧具の端部部分に接触した粘着テープ厚さが、非接触部の厚さに対して90%以上であること。即ち、ネッキングしないこと。
基準(b):拡張されたチップ間隔が、100μm以上であること。
基準(c):チップ間隔の縦方向と横方向の比が、0.7以上1.3以下であること。
【0122】
(10)ピックアップ性
マウンター(ヒューグル・エレクトロニクス製 HS−7800)を用いチップフライが発生しない貼り付け温度と圧力にて、試験片である粘着テープを介してシリコンウエハ(P型、厚さ100μm、直径6インチ)のミラー面をフレーム(ディスコ製 MDFTF−2−6−1−H)に張りつけ固定した後、ダイサー(ディスコ製 DAD320)にセットし、ブレード(NBC−ZH−2050、サイズ:27HEDD)の回転速度30000回転/min、切断速度70mm/min、切り込み量はフルカットでフィルムを30μm深さまで切り込む様にし、切削水量(20℃の恒温水使用)はウエハ面へのノズルから1.5L/min、回転ブレード落射ノズルから1.0L/minとし、5mm角サイズのチップにダイシング加工した。
【0123】
さらに、ピックアンドプレース装置(ヒューグル・エレクトロニクス製 DE35)を用いて、ダイシング加工後の粘着テープを、室温(23℃)で引き下げ量5mmにしてチップの間隔を拡張した後、針先をr=250μmに丸めた突き上げ針を0.8mm高さにして、ピックアップ間隔を0.8秒後にピックアップする条件における捕獲率(%)を調査し、次に基準によりピックアップ性を評価した。チップ49個(1トレー)のピックアップを3回実施して、全てピックアップできる場合は合格(○で示す)とし、1個でもピックアップできない場合は不合格(×で示す)とした。
【0124】
(11)安定性
上記(6)チップ飛び、(7)チップ欠け、(8)汚染性、(9)拡張性、(10)ピックアップ性の試験について、(A)23℃50%RHの室内に蛍光灯が常時当たる所にで1ヶ月曝す条件(室内保管条件)、(B)60℃80%RHの恒温恒湿槽内に1ヶ月曝す条件(船便輸送条件)の2条件で安定性の評価を同様に行った。
【0125】
(A)室内保管条件と(B)船便輸送条件について、それぞれ、チップ飛び、チップ欠け、汚染性、拡張性、ピックアップ性の5種類の試験評価を全て合格した場合を安定性合格(◎で示す)とし、前記5種類の試験評価を1つでも不合格となった場合を安定性不合格(▲で示す)とした。
【0126】
(実施例1)
粘着テープ10を構成する各層の材料として、以下の材料を用いた。すなわち、基材層1を構成する成分として低密度ポリエチレン(LDPE;密度0.92kg/m3)60重量部と、エチレン・メタアクリル酸共重合体(EMAA;三井・デュポンポリケミカル(株)製ニュクレルTMAN4213C)40重量部を用い、粘着層2を構成する成分としフロピレン・1−ブテン・4−メチル−1−ペンテン共重合体(PB(4−MP);プロピレン成分46モル%、1−ブテン成分24モル%、4−メチル−1−ペンテン成分30モル%)60重量部と、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS;JSR(株)製SIS5229N)8重量部と、エチレンとα−オレフィンのコオリゴマー(LEO;三井化学(株)製ルーカントTMHC−20)4重量部と、オレフィン結晶・エチレン・ブチレン・オレフィン結晶ブロック共重合体(CEBC:JSR(株)製DYNARONTM6200P)8重量部と、プロピレン重合体(h−PP;密度0.91kg/m3)16重量部と、基材層に用いたLDPE 4重量部とを用いた。前記ヤング率E′の測定方法に従って測定し、粘着層2のヤング率E′は、11.4MPa(23℃)の結果を示した。
【0127】
次いで、各層の材料をフルルライト型のスクリューを備えた押し出し機により溶融した。成形条件(溶融温度)は、粘着層:230℃、基材層:240℃であり、この2層の溶融樹脂を多層ダイ内で積層させた(共押出温度:230℃)。押し出された粘着テープを冷却し、スリットして巻き取った。
【0128】
このようにして得られた粘着テープは、1層からなる基材層と粘着層が積層されたものであり、各層の厚さは、粘着層:25μm、基材層:125μmで、合計厚さ150μmであった。
【0129】
前記粘着力の測定方法に従って測定し、180度引きはがし粘着力は、0.2N/25mm(20℃)、0.5N/25mm(50℃)、0.4N/25mm(80℃)であった。
【0130】
前記せん断剥離強度の測定方法に従って測定し、せん断剥離強度は、0.6MPa(23℃)であった。
【0131】
さらに、前記イオン分析試験に従って、得られた粘着テープのイオン分析を試験し、腐食性イオンであるNa+、K+、Cl−、F−、NO2 −、NO3 −、PO4 3−、SO4 2−、及び金属イオンであるFe2+、Cu2+、Cr2+、Al3+、Zn2+、Ni2+の分析値を表2に示す。得られた粘着テープは、腐食性イオン及び金属イオンを実質的に含まないことを実証した。
【0132】
さらに、前記耐薬品性試験に従って、得られた粘着テープの耐薬品性を試験し、弗硝酢酸、王水、アンモニア水への浸漬試験に全て合格した評価結果を表2に示す。得られた粘着テープは、腐蝕性の強い酸及びアルカリの薬品にでも十分に耐性があり、薬品処理する工程に最適な粘着テープであることを実証した。
【0133】
次に、ダイシング工程に関する試験として、前記チップ飛び試験、前記チップ欠け試験、前記汚染性試験、前記拡張性試験、前記ピックアップ性試験に従って、得られた粘着テープについて試験し、この5種類に試験に全て合格した結果を表2に示す。得られた粘着テープは、ダイシング工程での加工性と非貫通方式のピックアップ装置に対応できる剥離回収性に優れており、ダイシング工程に最適な粘着テープであることを実証した。
【0134】
さらに、前記安定性試験に従って、得られた粘着テープの安定性を試験し、室内保管条件と船便輸送条件の両方に合格した評価結果を表2に示す。得られた粘着テープは、保管及び輸送工程に最適な粘着テープであること実証した。
【0135】
(実施例2)
粘着テープ10を構成する各層の材料として、基材層1の成分として、実施例1と同じLDPE 60重量部と、エチレン・ブテン共重合体(EB−A;密度0.87kg/m3)40重量部を用い、粘着層2の成分として、実施例1と同じPB(4−MP) 68重量部と、SIS 8重量部と、LEO 4重量部と、CEBC 8重量部と、h−PP 12重量部とを用いた。前記粘着層2のヤング率E′の測定結果を表2に示す。
【0136】
表1に示される条件により、実施例1と同様にして粘着テープを成形し、セパレータ(東セロ(株)製、トーセロセパレータTMSP T−18、厚さ31μm)を粘着層面に設けた後、スリットして巻き取った。
得られたウエハ加工用粘着テープの測定・評価結果を表2に示す。
【0137】
(実施例3)
粘着テープ10を構成する各層の材料として、基材層1のうち表面層4の成分として、高密度ポリエチレン(HDPE;密度0.96g/cm3)を用い、基材層1の中間層3の成分として、プロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体(r−PP;エチレン成分5モル%、1−ブテン成分5モル%)70重量部と、実勢例2と同じEB−A 28重量部と、表面層に用いたHDPE 2重量部を用い、粘着層2の成分として、実施例1と同じPB(4−MP) 72重量部と、SIS 8重量部と、LEO 4重量部と、CEBC 8重量部と、h−PP 8重量部とを用いた。前記粘着層2のヤング率E′の測定結果を表2に示す。
【0138】
表1に示される条件により、実施例1と同様にして粘着テープを成形し、セパレータ(東セロ(株)製、トーセロセパレータTMSP T−18、厚さ31μm)を粘着層面に設けた後、スリットして巻き取った。
得られたウエハ加工用粘着テープの測定・評価結果を表2に示す。
【0139】
(実施例4)
粘着テープ10を構成する各層の材料として、基材層1のうち表面層4の成分として、実施例3と同じHDPEを用い、基材層1の中間層3の成分として、実施例3と同じr−PP 70重量部と、実勢例2と同じEB−A 28重量部と、実施例3と同じHDPE 2重量部を用い、粘着層2の成分として、実施例1と同じPB(4−MP) 76重量部と、SIS 8重量部と、LEO 4重量部と、CEBC 8重量部と、h−PP 4重量部とを用いた。前記粘着層2のヤング率E′の測定結果を表2に示す。
【0140】
表1に示される条件により、実施例1と同様にして粘着テープを成形し、セパレータ(東セロ(株)製、トーセロセパレータTMSP T−18、厚さ31μm)を粘着層面に設けた後、スリットして巻き取った。
得られたウエハ加工用粘着テープの測定・評価結果を表2に示す。
【0141】
(実施例5)
粘着テープ10を構成する各層の材料として、基材層1のうち表面層4の成分として、実施例3と同じHDPEを用い、基材層1の中間層3の成分として、実施例3と同じr−PP 70重量部と、実勢例2と同じEB−A 28重量部と、実施例3と同じHDPE 2重量部を用い、粘着層2の成分として、実施例1と同じPB(4−MP) 70重量部と、SIS 10重量部と、LEO 5重量部と、CEBC 10重量部と、h−PP 5重量部とを用いた。前記粘着層2のヤング率E′の測定結果を表2に示す。
【0142】
表1に示される条件により、実施例1と同様にして粘着テープを成形し、セパレータ(東セロ(株)製、トーセロセパレータTMSP T−18、厚さ31μm)を粘着層面に設けた後、スリットして巻き取った。
得られたウエハ加工用粘着テープの測定・評価結果を表2に示す。
【0143】
(実施例6)
粘着テープ10を構成する各層の材料として、基材層1のうち表面層4の成分として、実施例1と同じLDPE 40重量部と、EMAA 20重量部と、実施例3と同じHDPE 40重量部とを用い、基材層1の中間層3の成分として、実施例3と同じr−PP 90重量部と、実勢例2と同じEB−A 8重量部と、実施例3と同じHDPE 2重量部を用い、粘着層2の成分として、実施例1と同じPB(4−MP) 60重量部と、SIS 20重量部と、LEO 5重量部と、CEBC 10重量部と、実施例3と同じHDPE 5重量部とを用いた。前記粘着層2のヤング率E′の測定結果を表2に示す。
【0144】
表1に示される条件により、実施例1と同様にして粘着テープを成形し、スリットして巻き取った。
得られたウエハ加工用粘着テープの測定・評価結果を表2に示す。
【0145】
【表1】
【0146】
【表2】
【0147】
【発明の効果】
従来のウエハ加工用粘着テープでは、『エネルギー線照射装置や加熱装置等の特殊な装置を用いるUV硬化型粘着テープ或いは加熱発泡型粘着テープなどの反応型の粘着テープでなければ、薄く脆いチップを剥離し回収することができないとすること』が、常識であった。
【0148】
本発明の粘着テープは、非反応型の粘着テープであっても薄く脆いチップを剥離回収できることを初めて示し、さらに、チップを剥離回収する工程が、針先を丸めた突き上げ針が該ウエハ加工用粘着テープを貫通せずに押し上げることで該ウエハ加工用粘着テープを実質的に拡張し、チップと該粘着層の間を剥離させてチップを回収することることを実証した。
【0149】
また、従来から使用されているエネルギー線硬化型や加熱発泡型のウエハ加工用粘着テープでは、長期に渡り保管する場合や輸送する場合に温度・湿度・光を管理した環境が必要であり、その管理と維持のために多くのエネルギーを必要とし、使用期限を過ぎると粘着層に含まれる反応性成分が劣化し、品質が不安定になるため使用されずに廃棄され、さらに、酸やアルカリ等の薬品で処理する場合、粘着層が薬品と反応して糊残りや変色等の不良発生も避けられなかった。その上、反応性成分がアレルギー発症原因物質や発ガン性物質である場合や使用されるエネルギー線(例えば紫外線)は、取り扱い作業者の作業環境を悪化させ、さらに健康に悪影響がでる恐れがあった。
【0150】
本発明の粘着テープは、反応性成分を実質的にふくまないので、前記従来品では必須であった保管及び輸送環境を管理維持するためのエネルギーを殆ど必要としない省エネルギーの点と、取り扱い作業者へ優しい作業環境と安全安心を提供できる点から効果が大きい。
【0151】
さらに、本発明の粘着テープは、使用期限が実質的に無いため、使用期限切れで廃棄することもないので環境負荷低減とコスト低減での効果が高い。
【0152】
本発明の粘着テープの使用方法によれば、20〜80℃の温度範囲に曝されるダイシング工程、薬品処理工程、保管及び輸送工程を単独あるいは複数組み合わせたウエハ加工工程において、高品質なウエハ加工や状態を長期に渡って保持できることを初めて可能にした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の粘着テープの一実施形態を示す断面図である。
【図2】ウエハ加工工程でチップを剥離回収する工程における拡張剥離モデルを示す概念図である
【図3】本発明の拡張剥離モデルについて、計算科学の手法を用いるための解析モデルの全体図とその計算結果を示す断面概念図である。
【図4】本発明の拡張剥離モデルの計算結果を示す断面図である。
【図5】本発明の拡張剥離モデルの計算結果を示す別の断面図である。
【図6】本発明の粘着テープについて、別の実施形態を示す断面図である。
【図7】本発明の粘着テープについて、他の実施形態を示す断面図である。
【図8】本発明の粘着テープについて、他の実施形態を示す断面図である。
【図9】本発明の使用方法例を示す斜視模式図である。
【図10】非貫通方式のピックアップ装置を示す断面模式図である。
【符号の説明】
1 基材層
2 粘着層
3 中間層
4 表面層
5 セパレータ
6 ロール
10 粘着テープ
20 ウエハ
21 リングフレーム
Claims (3)
- 基材層の少なくとも片面に実質的に反応性成分を含まない粘着層を強固に一体化したウエハ加工用粘着テープであって、該ウエハ加工用粘着テープに外部から加えられる拡張する力を剥離する力に変換することを特徴とするウエハ加工用粘着テープ。
- 基材層の少なくとも片面に粘着層を強固に一体化したウエハ加工用粘着テープであって、
(1)23℃におけるせん断剥離強度が、0.5〜3MPaの範囲にあり、
(2)23℃における粘着層のヤング率E′が、2〜12MPaの範囲にあり、
(3)20〜80℃の温度範囲において、JIS Z0237に準拠して測定される180度引き剥がし粘着力が、0.1〜10N/25mmの範囲にあることを特徴とするウエハ加工用粘着テープ。 - 前記粘着層が、オレフィン系重合体を主成分として含有することを特徴とする請求項1ないし2項に記載のウエハ加工用粘着テープ。
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