JP2004186112A - 防水コネクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】無理のない成形手段によって、リセプタクル外包体及びプラグ外包体を精度よく成形することを可能にするとともに、十分な防水性能と耐久性能を備えた防水コネクタを提供する。
【解決手段】防水コネクタ1aのリセプタクル外包体22及びプラグ外包体32の先端に、互いに嵌合可能な嵌合凸部23及び嵌合凹部33がそれぞれ設ける。嵌合凸部23の外周面には、複数本の突条25を断面鋸歯状に連続するように形成する。そして、嵌合凹部33の内周面には、各突条25の頂部に嵌装される部分を、複数の円筒部34が連続する形状とし、かつ、この円筒部34の内径を奥部よりも先端部の方が大きくなるように形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】防水コネクタ1aのリセプタクル外包体22及びプラグ外包体32の先端に、互いに嵌合可能な嵌合凸部23及び嵌合凹部33がそれぞれ設ける。嵌合凸部23の外周面には、複数本の突条25を断面鋸歯状に連続するように形成する。そして、嵌合凹部33の内周面には、各突条25の頂部に嵌装される部分を、複数の円筒部34が連続する形状とし、かつ、この円筒部34の内径を奥部よりも先端部の方が大きくなるように形成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば太陽電池モジュールの配線をはじめとする屋外配線の接続に利用される防水コネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、一般住宅用或いは業務用のソーラーシステムが種々開発されている。ソーラーシステムは、建物の屋上等に設置した複数個の太陽電池モジュールをケーブル接続して構築されるが、このケーブル接続には防水性を備えたコネクタが使用されている。
【0003】
防水性を備えたコネクタとして、従来は、図10に示すように、ケーブル12,13の一端に接続された雌端子21又は雄端子31を覆って装着された、リセプタクル側コネクタ20とプラグ側コネクタ30とが対になる構造が採用されていた。そして、リセプタクル側コネクタ20の挿入孔部20a内に、プラグ側コネクタ30の挿入突部30aを押込挿入することによって、雄端子31と雌端子21とが接続されるとともに、挿入孔部20aのテーパシール面20bと挿入突部30aのテーパシール面30bとでシールされるように構成されていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
しかし、前記コネクタにおいては、リセプタクル側コネクタ20に挿入したプラグ側コネクタ30が抜けてしまいやすいため、使用中に抜け方向の荷重がかかるとコネクタ同士が完全に嵌り合っていない状態となり、十分な防水性能が発揮されなくなる。そこで、コネクタ同士が容易には抜けないようにした防水コネクタが提案された(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
図11及び図12は、その防水コネクタの一例を示す断面図である。この防水コネクタ101は、雄端子31が設けられたプラグ103と、その雄端子31が挿し込まれる雌端子21が設けられたリセプタクル102との対からなる。
【0006】
プラグ103は、ケーブル13の導体(より線)13aに接合された雄端子31をプラグ外包体132により被覆した構造を有している。このプラグ外包体132は、その外周部が雄端子31を囲むように先端方向に延出して、延出端の内側にはリセプタクル102の先端部(下記の嵌合凸部123)が嵌め込まれる嵌合凹部133が形成されている。
【0007】
同様にリセプタクル102も、ケーブル12の導体12aに接合された雌端子21をリセプタクル外包体122により被覆した構造を有している。リセプタクル外包体122は、その先端部がプラグ103の嵌合凹部133に嵌め込まれる嵌合凸部123となっている。
【0008】
そして、例えば図12に示すように、これらの嵌合凸部123及び嵌合凹部133には、互いに嵌合密着しうる複数本の突条125,138が断面鋸歯状に形成されている。これにより、リセプタクル102の嵌合凸部123をプラグ103の嵌合凹部133に嵌め込む操作で、雌端子21と雄端子31とが電気的に接続されるとともに、嵌合凸部123の外周面と嵌合凹部133の内周面が水密的に密着する。加えて、それぞれの突条125,138とが嵌合密着しているので、嵌め込まれたリセプタクル102の抜け出しを防いで、雌端子21と雄端子31との防水性が確保されている。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−121083号公報(第2−3頁、第1図)
【特許文献2】
特開2001−283970号公報(第2頁、第6図)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
図11及び図12に示した構造の防水コネクタ101のプラグ外包体132は、ゴム系材料を使用して成形加工により製造されるが、これらの成形金型において嵌合凹部133の突条138部分はアンダーカットとなる。したがって、金型からプラグ外包体132を取り出すには、材料の弾性を利用して無理抜きせざるを得ない。この結果、取り出されたプラグ外包体132は、変形して設計寸法どおりに成形されないことがあり、嵌合凸部123と嵌合凹部133とが十分に密着しないおそれがあった。
【0011】
また、十分な密着性を確保するため、リセプタクル外包体122とプラグ外包体132とは嵌合の度合いを強めに設定しているので、その挿入抵抗が大きい。したがって、リセプタクル外包体122とプラグ外包体132との嵌脱作業により、各突条125,138が擦れ合って削り取られてしまうおそれもある。突条125,138が削り取られると両者の間に隙間ができ、この場合も、嵌合凸部123と嵌合凹部133との十分な密着状態が得られないことになる。
【0012】
本発明は以上のような事情にかんがみてなされたものであり、無理のない成形手段によって精度よく成形することができるとともに、十分な防水性能と耐久性能を備えた防水コネクタを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、本発明は、雌端子をゴム系材料からなるリセプタクル外包体によって被覆したリセプタクルと、雄端子をゴム系材料からなるプラグ外包体によって被覆したプラグとの対からなり、前記リセプタクル外包体及びプラグ外包体の先端部には互いに嵌合可能な嵌合凸部及び嵌合凹部がそれぞれ設けられた防水コネクタにおいて、嵌合凸部の外周面は複数本の突条が断面鋸歯状に連続するように形成されるとともに、嵌合凹部の内周面は前記各突条の頂部に嵌装される部分が直円筒状に形成されたことを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、直円筒状に形成された嵌合凹部の内周面が、嵌合凸部の突条の頂部の全周を軸芯側に圧迫することによって、リセプタクル外包体とプラグ外包体との水密性が確保される。加えて、直円筒状の嵌合凹部は、成形の際にアンダーカットとならず、設計寸法通りに安定して製造することができる。
【0015】
この発明においては、プラグ外包体の嵌合凹部の内周面は、複数の円筒部が連続する形状であって、かつ、円筒部の内径が奥部よりも先端部の方が大きくなるように形成されてもよい。
【0016】
これによれば、嵌合凸部に連続して形成された各突条において、嵌合凸部の先端側より基端側に形成されたものほど、頂部の外径が大きく形成されて、嵌合凸部が全体としてテーパ状に形成されるような場合においても、複数本の各突条に対して嵌合凹部の円筒部が個々に密着し、より水密性を高めることができる。
【0017】
また、本発明の防水コネクタにおいて、リセプタクル外包体の嵌合凸部の各突条は、頂部の軸方向断面が丸みを帯びた形状に形成されるのが好ましい。これによれば、プラグ外包体とリセプタクル外包体との嵌脱作業の際、各突条の頂部が嵌合凹部の内周面に擦れて削り取られるのを防ぐことができる。
【0018】
さらに、本発明に係る防水コネクタにおいて、リセプタクル外包体及びプラグ外包体は、それぞれ外周面につまみ部が凹設されるのが好ましい。これによれば、作業者がリセプタクル外包体及びプラグ外包体を持ちやすくなり、これらを容易に嵌合させることができる。
【0019】
また、プラグ外包体の嵌合凹部の内周面には、環状の係合部が内側に向かって突設されてもよい。この係合部は、嵌合凸部が嵌合凹部に嵌め込まれたとき、嵌合凸部の先端部の段部又は断面鋸歯状の突条と、嵌合凹部の内周面との隙間に納まるように形成されることが好ましい。これにより、嵌合凸部の先端部が所定の位置まで嵌め込まれると、この係合部が嵌合凸部の外周面に係合して明確な手応えが得られる。したがって、作業者は、この手応えを目安にして嵌合作業を行うだけで、リセプタクル外包体とプラグ外包体とを良好な嵌合状態に接続することができる。
【0020】
なお、前記環状の係合部が嵌合凹部に設けられる場合、成形時には係合部の部分がアンダーカットとなるが、係合部は嵌合状態の目安とするものにすぎないので、離型時に多少変形してもリセプタクル外包体とプラグ外包体との水密性が損なわれるおそれがない。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る防水コネクタの実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0022】
なお、前記従来の技術において説明した防水コネクタと同一の構成要素には同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0023】
<第1の実施の形態>
図1から図3は本発明の第1の実施の形態を示し、図1はリセプタクル及びプラグの側面図、図2(a)はリセプタクルの先端部の側面図、同図(b)はプラグの先端部の断面図、図3はリセプタクル外包体とプラグ外包体との嵌合状態を示す部分断面図である。
【0024】
図1に示されるように、防水コネクタ1aは、互いに嵌合可能なリセプタクル2とプラグ3とによって構成される。リセプタクル2及びプラグ3は、別々のケーブル12,13の一端にそれぞれ設けられている。
【0025】
例示の形態において、リセプタクル2は、ケーブル12に接合された図示しない雌端子が、ゴム系材料製のリセプタクル外包体22によって被覆されてなる。このリセプタクル外包体22の先端側は、プラグ3の嵌合凹部33に嵌め込まれる嵌合凸部23となっている。この嵌合凸部23の先端部24には、図示しない開口が形成されて、後述するプラグ3の雄端子31が挿入される。
【0026】
嵌合凸部23の外周面には、プラグ3の嵌合凹部33からの抜け出しを防ぐため、先端部24から基端側にかけて3本の突条25が環状に形成され、軸方向の断面が鋸歯状となるように連続している。すなわち、各突条25において、外周面は嵌合凸部23の基端側方向ほど外部に膨出し、最大径部を経て軸芯側に集束する形状とされている。
【0027】
また、各突条25の最大径部となる頂部の外径は、突条25が連続した状態において、嵌合凸部23の基端側に形成された突条25ほど僅かに大きく形成されている。つまり、図2において、先端部24から段部を介して連続する最も右側の突条25aよりも、3本の真ん中に位置する突条25bの方が僅かに頂部の外径が大きく、さらに、それよりも最も左側に位置する突条25cの方が僅かに頂部の外径が大きく形成されている。また、かかる突条25の頂部は、軸方向断面が丸みを帯びた形状に形成されている。
【0028】
一方、プラグ3は、ゴム系材料製のプラグ外包体32によって雄端子31が被覆されてなる。プラグ外包体32の先端側は、雄端子31を囲むようにして雄端子31の先端よりもさらに先端方向に延出し、その内側にはリセプタクル外包体22の嵌合凸部23が嵌め込まれる嵌合凹部33が形成されている。
【0029】
この嵌合凹部33の内周面は、前記リセプタクル外包体22の嵌合凸部23に形成された突条25の頂部に嵌装される部分が直円筒状に形成されている。さらに、例示の形態において、嵌合凹部33の内周面は、三つの円筒部34a,34b,34cが連続して形成されている。そして、奥部の円筒部34aよりも、真ん中に位置する円筒部34bの方が僅かに内径が大きく、さらに、それよりも先端部に位置する円筒部34cの方が僅かに内径が大きくなるように形成されている。
【0030】
具体的には、円筒部34aの内径は嵌合凸部23の突条25aの頂部を、円筒部34bの内径は突条25bの頂部を、円筒部34cの内径は突条25cの頂部をそれぞれ圧迫しうる程度の大きさで形成されることが好ましい。これにより、嵌合凸部23と嵌合凹部33との嵌合状態において、かかる円筒部34は、各突条25それぞれの頂部の全周を圧迫する。
【0031】
つまり、図3に示すように、嵌合凹部33に嵌合された嵌合凸部23の突条25aには嵌合凹部33の円筒部34aが、突条25bには円筒部34bが当接し、さらに突条25cには円筒部34cが当接して、各頂部の全周を軸芯側に圧迫している。これによって、嵌合凸部23と嵌合凹部33とが突条25の頂部を介して密着し、リセプタクル外包体22とプラグ外包体32との水密性が確保されることになる。
【0032】
また、例示の嵌合凹部33には、円筒部34同士の間に環状の係合部36が内側に向かって突設されている。この係合部36は、嵌合凸部23が嵌合凹部33に嵌め込まれたとき、嵌合凸部23の先端部24の段部及び各突条25の段部に引っ掛かるように形成されている。これにより、嵌合凸部23の先端部24が所定の位置まで嵌め込まれるとき、先端部24及び各突条25のそれぞれの段部に、嵌合凹部33の各係合部36が当接して明確な手応えが得られる。したがって、作業者は、この手応えを目安にして嵌合作業を行うだけで、リセプタクル外包体22とプラグ外包体32とを良好な嵌合状態に接続することができる。
【0033】
さらに、かかるリセプタクル外包体22及びプラグ外包体32の外周面には、つまみ部27,37が設けられている。図1に示すように、このつまみ部27,37は、各外包体22,32の外周面を環状に凹設して段部となすことにより形成されている。これにより、作業者はリセプタクル外包体22とプラグ外包体32とを嵌合させるとき、つまみ部27,37に指先が引っ掛かるので滑ることがなく、各外包体22,32を持ちやすくなり、容易に嵌合させることができる。
【0034】
図4は、プラグ外包体における成形時の離型部分を示す部分断面図であり、斜線部が成形時に離型される部分である。
【0035】
図示するように、本実施の形態の防水コネクタ1aでは、嵌合凹部33が、複数の円筒部34a,34b,34cの連続した形状であるので、これを成形するときには、各係合部36を除いてアンダーカットとなる箇所がなく、無理なく離型することができる。したがって、プラグ外包体32を成形するとき、嵌合凹部33の各部が変形することはなく、設計寸法通りに安定して製造することができる。また、嵌合凹部33に設けられた環状の係合部36は成形時にアンダーカットとなるが、嵌合状態の目安とするものにすぎないので、離型時に多少変形してもリセプタクル外包体22とプラグ外包体32との水密性が損なわれるおそれがない。
【0036】
<第2の実施の形態>
図5から図8は本発明の第2の実施の形態を示し、図5はリセプタクル及びプラグの側面図、図6(a)はリセプタクルの先端部の側面図、同図(b)はプラグの先端部の断面図、図7はリセプタクル外包体とプラグ外包体との嵌合状態を示す部分断面図、図8はプラグ外包体における成形時の離型部分を示す部分断面図である。
【0037】
本実施の形態に係る防水コネクタ1bは、図1から図4に示した第1の実施の形態と基本構成においてほぼ同様であるが、プラグ外包体の嵌合凹部の内周面の構成が異なっている。そこで、前記第1の実施の形態と共通する部分については同一の符号を付して説明を省略し、プラグ外包体の嵌合凹部について詳述する。
【0038】
この実施の形態に係る防水コネクタ1bは、嵌合凹部33の内周面が、段部35を介して二つの円筒部34d,34eが連続するように形成されている。そして、奥部の円筒部34dよりも先端部の円筒部34eの方が内径が大きくなるように形成されている。
【0039】
具体的には、円筒部34dの内径は、嵌合凸部23の突条25a,25bの頂部をともに圧迫しうる程度の大きさで形成され、円筒部34eの内径は、嵌合凸部23の突条25cの頂部を圧迫しうる程度の大きさで形成されることが好ましい。これにより、嵌合凸部23と嵌合凹部33との嵌合状態において、かかる円筒部34は、各突条25それぞれの頂部の全周を圧迫する。そして、段部35は突条25cのテーパ面に食い込んで係止するものとなる。
【0040】
つまり、図7に示すように、嵌合凹部33に嵌合された嵌合凸部23の突条25a,25bには、嵌合凹部33の円筒部34dが当接するとともに、嵌合凸部23の突条25cには、嵌合凹部33の円筒部34eが当接して頂部の全周を軸芯側に圧迫している。これによって、嵌合凸部23と嵌合凹部33とが突条25の頂部を介して密着し、リセプタクル外包体22とプラグ外包体32との水密性が確保されることになる。
【0041】
また、嵌合凹部33の円筒部34dには、環状の係合部36が内側に向かって突設されている。この係合部36は、嵌合凸部23が嵌合凹部33に嵌め込まれたとき、嵌合凸部23の先端部24の段部と突条25aとの間に納まるように形成されている。これにより、嵌合凸部23の先端部24が所定の位置まで嵌め込まれると、先端部24の段部に嵌合凹部33の係合部36が当接して明確な手応えが得られ、作業者はこの手応えを目安にして嵌合作業を行うことで、リセプタクル外包体22とプラグ外包体32とを良好な嵌合状態に接続することができる。
【0042】
また、本実施の形態において、嵌合凹部33は段部35を介して複数の円筒部34d,34eの連続した形状であるので、図8の斜線部で示すように、嵌合凹部33の成形に際して離型される部分は、係合部36を除いてアンダーカットとなる箇所がなく、これを無理なく成形することができる。このため、嵌合凹部33の各部が変形することはなく、設計寸法通りに安定して製造することができる。また、嵌合凹部33に設けられた環状の係合部36は成形時にアンダーカットとなるが、嵌合状態の目安とするものにすぎないので、離型時に多少変形してもリセプタクル外包体22とプラグ外包体32との水密性が損なわれるおそれがない。
【0043】
<第3の実施の形態>
また、図9は本発明に係る防水コネクタの第3の実施の形態を示し、同図(a)はリセプタクルの先端部の側面図、同図(b)はプラグの先端部の断面図である。
【0044】
本実施の形態に係る防水コネクタ1cは、前記第1の実施の形態と基本構成においてほぼ同様であるが、リセプタクル外包体の嵌合凸部及びプラグ外包体の嵌合凹部の径寸法が若干異なっている。よって、前記第1の実施の形態と共通する部分については同一の符号を付して説明を省略し、リセプタクル外包体の嵌合凸部及びプラグ外包体の嵌合凹部の径寸法について詳述する。
【0045】
この実施の形態に係る防水コネクタ1cは、リセプタクル2の嵌合凸部23に設けられた3本の突条25が、頂部の外径をそれぞれ同一の大きさとして形成されている。そして、かかるリセプタクル2に対応して、プラグ3側においても、嵌合凹部33に設けられた複数の円筒部34の内径がそれぞれ同一の大きさで形成されている。そして、突条25の頂部における直径Aよりも、円筒部34の直径Bの方が微少寸法だけ小さく形成されている。また、円筒部34同士の間には、環状の係合部36が同一の内径となるように設けられている。
【0046】
この場合も前記実施の形態と同様に、係合部36を除いて直円筒状に形成された嵌合凹部33の内周面が、嵌合凸部23の各突条25の頂部の全周を軸芯側に圧迫することによって、リセプタクル外包体22とプラグ外包体32との水密性が確保される。また、嵌合凹部33は、各係合部36を除いて成形時にアンダーカットとなる箇所がなく、設計寸法通りに安定して製造することができる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る防水コネクタは、直円筒状に形成された嵌合凹部の内周面が、嵌合凸部の突条の頂部の全周を軸芯側に圧迫することによってプラグ外包体とリセプタクル外包体との水密性が確保される。そして、水密性を発揮すべき嵌合凹部の内周面が、成形の際にアンダーカットとならないので、安定した製品供給が可能となり、金型も容易に製作することができる。
【0048】
また、本発明において、嵌合凹部の内周面が複数の円筒部が連続する形状となし、円筒部の内径を奥部よりも先端部の方が大きくなるように形成した場合には、嵌合凸部に設けられた頂部外径の異なる複数本の各突条に対しても、嵌合凹部の円筒部が個々に密着して、より水密性を高めることができる。
【0049】
また、本発明において、嵌合凸部の各突条の頂部を軸方向に丸みを帯びた断面形状とすることにより、プラグ外包体とリセプタクル外包体との嵌脱作業の際、各突条の頂部が嵌合凹部の内周面に擦れて削り取られるのを防いで、耐久性を向上させることができる。
【0050】
さらに、本発明において、プラグ外包体の嵌合凹部の内周面に、環状の係合部を内側に向かって突設することによって、嵌合凸部を嵌合凹部に嵌め込む際、作業者は明確な手応えを得ることができる。したがって、作業者は、この手応えを目安にして嵌合作業を行うだけで、リセプタクル外包体とプラグ外包体とを良好な嵌合状態に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る防水コネクタの第1の実施の形態におけるリセプタクル及びプラグを一部破断して示す側面図である。
【図2】図1の防水コネクタを示し、(a)はリセプタクルの先端部の側面図、(b)はプラグの先端部の断面図である。
【図3】図1の防水コネクタのリセプタクル外包体とプラグ外包体との嵌合状態を示す部分断面図である。
【図4】図1の防水コネクタのプラグ外包体における成形時の離型部分を示す部分断面図である。
【図5】本発明に係る防水コネクタの第2の実施の形態におけるリセプタクル及びプラグを一部破断して示す側面図である。
【図6】図5の防水コネクタを示し、(a)はリセプタクルの先端部の側面図、(b)はプラグの先端部の断面図である。
【図7】図5の防水コネクタのリセプタクル外包体とプラグ外包体との嵌合状態を示す部分断面図である。
【図8】図5の防水コネクタのプラグ外包体における成形時の離型部分を示す部分断面図である。
【図9】本発明に係る防水コネクタの第3の実施の形態を示し、(a)はリセプタクルの先端部の側面図、(b)はプラグの先端部の断面図である。
【図10】従来の防水コネクタを示す断面図である。
【図11】従来の防水コネクタを示す断面図である。
【図12】従来の防水コネクタを示し、(a)はリセプタクルの先端部の側面図、(b)はプラグの先端部の断面図である。
【符号の説明】
1a,1b,1c 防水コネクタ
12 ケーブル
13 ケーブル
2 リセプタクル
22 リセプタクル外包体
23 嵌合凸部
25 突条
27 つまみ部
3 プラグ
31 雄端子
32 プラグ外包体
33 嵌合凹部
34 円筒部
36 係合部
37 つまみ部
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば太陽電池モジュールの配線をはじめとする屋外配線の接続に利用される防水コネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、一般住宅用或いは業務用のソーラーシステムが種々開発されている。ソーラーシステムは、建物の屋上等に設置した複数個の太陽電池モジュールをケーブル接続して構築されるが、このケーブル接続には防水性を備えたコネクタが使用されている。
【0003】
防水性を備えたコネクタとして、従来は、図10に示すように、ケーブル12,13の一端に接続された雌端子21又は雄端子31を覆って装着された、リセプタクル側コネクタ20とプラグ側コネクタ30とが対になる構造が採用されていた。そして、リセプタクル側コネクタ20の挿入孔部20a内に、プラグ側コネクタ30の挿入突部30aを押込挿入することによって、雄端子31と雌端子21とが接続されるとともに、挿入孔部20aのテーパシール面20bと挿入突部30aのテーパシール面30bとでシールされるように構成されていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
しかし、前記コネクタにおいては、リセプタクル側コネクタ20に挿入したプラグ側コネクタ30が抜けてしまいやすいため、使用中に抜け方向の荷重がかかるとコネクタ同士が完全に嵌り合っていない状態となり、十分な防水性能が発揮されなくなる。そこで、コネクタ同士が容易には抜けないようにした防水コネクタが提案された(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
図11及び図12は、その防水コネクタの一例を示す断面図である。この防水コネクタ101は、雄端子31が設けられたプラグ103と、その雄端子31が挿し込まれる雌端子21が設けられたリセプタクル102との対からなる。
【0006】
プラグ103は、ケーブル13の導体(より線)13aに接合された雄端子31をプラグ外包体132により被覆した構造を有している。このプラグ外包体132は、その外周部が雄端子31を囲むように先端方向に延出して、延出端の内側にはリセプタクル102の先端部(下記の嵌合凸部123)が嵌め込まれる嵌合凹部133が形成されている。
【0007】
同様にリセプタクル102も、ケーブル12の導体12aに接合された雌端子21をリセプタクル外包体122により被覆した構造を有している。リセプタクル外包体122は、その先端部がプラグ103の嵌合凹部133に嵌め込まれる嵌合凸部123となっている。
【0008】
そして、例えば図12に示すように、これらの嵌合凸部123及び嵌合凹部133には、互いに嵌合密着しうる複数本の突条125,138が断面鋸歯状に形成されている。これにより、リセプタクル102の嵌合凸部123をプラグ103の嵌合凹部133に嵌め込む操作で、雌端子21と雄端子31とが電気的に接続されるとともに、嵌合凸部123の外周面と嵌合凹部133の内周面が水密的に密着する。加えて、それぞれの突条125,138とが嵌合密着しているので、嵌め込まれたリセプタクル102の抜け出しを防いで、雌端子21と雄端子31との防水性が確保されている。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−121083号公報(第2−3頁、第1図)
【特許文献2】
特開2001−283970号公報(第2頁、第6図)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
図11及び図12に示した構造の防水コネクタ101のプラグ外包体132は、ゴム系材料を使用して成形加工により製造されるが、これらの成形金型において嵌合凹部133の突条138部分はアンダーカットとなる。したがって、金型からプラグ外包体132を取り出すには、材料の弾性を利用して無理抜きせざるを得ない。この結果、取り出されたプラグ外包体132は、変形して設計寸法どおりに成形されないことがあり、嵌合凸部123と嵌合凹部133とが十分に密着しないおそれがあった。
【0011】
また、十分な密着性を確保するため、リセプタクル外包体122とプラグ外包体132とは嵌合の度合いを強めに設定しているので、その挿入抵抗が大きい。したがって、リセプタクル外包体122とプラグ外包体132との嵌脱作業により、各突条125,138が擦れ合って削り取られてしまうおそれもある。突条125,138が削り取られると両者の間に隙間ができ、この場合も、嵌合凸部123と嵌合凹部133との十分な密着状態が得られないことになる。
【0012】
本発明は以上のような事情にかんがみてなされたものであり、無理のない成形手段によって精度よく成形することができるとともに、十分な防水性能と耐久性能を備えた防水コネクタを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、本発明は、雌端子をゴム系材料からなるリセプタクル外包体によって被覆したリセプタクルと、雄端子をゴム系材料からなるプラグ外包体によって被覆したプラグとの対からなり、前記リセプタクル外包体及びプラグ外包体の先端部には互いに嵌合可能な嵌合凸部及び嵌合凹部がそれぞれ設けられた防水コネクタにおいて、嵌合凸部の外周面は複数本の突条が断面鋸歯状に連続するように形成されるとともに、嵌合凹部の内周面は前記各突条の頂部に嵌装される部分が直円筒状に形成されたことを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、直円筒状に形成された嵌合凹部の内周面が、嵌合凸部の突条の頂部の全周を軸芯側に圧迫することによって、リセプタクル外包体とプラグ外包体との水密性が確保される。加えて、直円筒状の嵌合凹部は、成形の際にアンダーカットとならず、設計寸法通りに安定して製造することができる。
【0015】
この発明においては、プラグ外包体の嵌合凹部の内周面は、複数の円筒部が連続する形状であって、かつ、円筒部の内径が奥部よりも先端部の方が大きくなるように形成されてもよい。
【0016】
これによれば、嵌合凸部に連続して形成された各突条において、嵌合凸部の先端側より基端側に形成されたものほど、頂部の外径が大きく形成されて、嵌合凸部が全体としてテーパ状に形成されるような場合においても、複数本の各突条に対して嵌合凹部の円筒部が個々に密着し、より水密性を高めることができる。
【0017】
また、本発明の防水コネクタにおいて、リセプタクル外包体の嵌合凸部の各突条は、頂部の軸方向断面が丸みを帯びた形状に形成されるのが好ましい。これによれば、プラグ外包体とリセプタクル外包体との嵌脱作業の際、各突条の頂部が嵌合凹部の内周面に擦れて削り取られるのを防ぐことができる。
【0018】
さらに、本発明に係る防水コネクタにおいて、リセプタクル外包体及びプラグ外包体は、それぞれ外周面につまみ部が凹設されるのが好ましい。これによれば、作業者がリセプタクル外包体及びプラグ外包体を持ちやすくなり、これらを容易に嵌合させることができる。
【0019】
また、プラグ外包体の嵌合凹部の内周面には、環状の係合部が内側に向かって突設されてもよい。この係合部は、嵌合凸部が嵌合凹部に嵌め込まれたとき、嵌合凸部の先端部の段部又は断面鋸歯状の突条と、嵌合凹部の内周面との隙間に納まるように形成されることが好ましい。これにより、嵌合凸部の先端部が所定の位置まで嵌め込まれると、この係合部が嵌合凸部の外周面に係合して明確な手応えが得られる。したがって、作業者は、この手応えを目安にして嵌合作業を行うだけで、リセプタクル外包体とプラグ外包体とを良好な嵌合状態に接続することができる。
【0020】
なお、前記環状の係合部が嵌合凹部に設けられる場合、成形時には係合部の部分がアンダーカットとなるが、係合部は嵌合状態の目安とするものにすぎないので、離型時に多少変形してもリセプタクル外包体とプラグ外包体との水密性が損なわれるおそれがない。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る防水コネクタの実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0022】
なお、前記従来の技術において説明した防水コネクタと同一の構成要素には同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0023】
<第1の実施の形態>
図1から図3は本発明の第1の実施の形態を示し、図1はリセプタクル及びプラグの側面図、図2(a)はリセプタクルの先端部の側面図、同図(b)はプラグの先端部の断面図、図3はリセプタクル外包体とプラグ外包体との嵌合状態を示す部分断面図である。
【0024】
図1に示されるように、防水コネクタ1aは、互いに嵌合可能なリセプタクル2とプラグ3とによって構成される。リセプタクル2及びプラグ3は、別々のケーブル12,13の一端にそれぞれ設けられている。
【0025】
例示の形態において、リセプタクル2は、ケーブル12に接合された図示しない雌端子が、ゴム系材料製のリセプタクル外包体22によって被覆されてなる。このリセプタクル外包体22の先端側は、プラグ3の嵌合凹部33に嵌め込まれる嵌合凸部23となっている。この嵌合凸部23の先端部24には、図示しない開口が形成されて、後述するプラグ3の雄端子31が挿入される。
【0026】
嵌合凸部23の外周面には、プラグ3の嵌合凹部33からの抜け出しを防ぐため、先端部24から基端側にかけて3本の突条25が環状に形成され、軸方向の断面が鋸歯状となるように連続している。すなわち、各突条25において、外周面は嵌合凸部23の基端側方向ほど外部に膨出し、最大径部を経て軸芯側に集束する形状とされている。
【0027】
また、各突条25の最大径部となる頂部の外径は、突条25が連続した状態において、嵌合凸部23の基端側に形成された突条25ほど僅かに大きく形成されている。つまり、図2において、先端部24から段部を介して連続する最も右側の突条25aよりも、3本の真ん中に位置する突条25bの方が僅かに頂部の外径が大きく、さらに、それよりも最も左側に位置する突条25cの方が僅かに頂部の外径が大きく形成されている。また、かかる突条25の頂部は、軸方向断面が丸みを帯びた形状に形成されている。
【0028】
一方、プラグ3は、ゴム系材料製のプラグ外包体32によって雄端子31が被覆されてなる。プラグ外包体32の先端側は、雄端子31を囲むようにして雄端子31の先端よりもさらに先端方向に延出し、その内側にはリセプタクル外包体22の嵌合凸部23が嵌め込まれる嵌合凹部33が形成されている。
【0029】
この嵌合凹部33の内周面は、前記リセプタクル外包体22の嵌合凸部23に形成された突条25の頂部に嵌装される部分が直円筒状に形成されている。さらに、例示の形態において、嵌合凹部33の内周面は、三つの円筒部34a,34b,34cが連続して形成されている。そして、奥部の円筒部34aよりも、真ん中に位置する円筒部34bの方が僅かに内径が大きく、さらに、それよりも先端部に位置する円筒部34cの方が僅かに内径が大きくなるように形成されている。
【0030】
具体的には、円筒部34aの内径は嵌合凸部23の突条25aの頂部を、円筒部34bの内径は突条25bの頂部を、円筒部34cの内径は突条25cの頂部をそれぞれ圧迫しうる程度の大きさで形成されることが好ましい。これにより、嵌合凸部23と嵌合凹部33との嵌合状態において、かかる円筒部34は、各突条25それぞれの頂部の全周を圧迫する。
【0031】
つまり、図3に示すように、嵌合凹部33に嵌合された嵌合凸部23の突条25aには嵌合凹部33の円筒部34aが、突条25bには円筒部34bが当接し、さらに突条25cには円筒部34cが当接して、各頂部の全周を軸芯側に圧迫している。これによって、嵌合凸部23と嵌合凹部33とが突条25の頂部を介して密着し、リセプタクル外包体22とプラグ外包体32との水密性が確保されることになる。
【0032】
また、例示の嵌合凹部33には、円筒部34同士の間に環状の係合部36が内側に向かって突設されている。この係合部36は、嵌合凸部23が嵌合凹部33に嵌め込まれたとき、嵌合凸部23の先端部24の段部及び各突条25の段部に引っ掛かるように形成されている。これにより、嵌合凸部23の先端部24が所定の位置まで嵌め込まれるとき、先端部24及び各突条25のそれぞれの段部に、嵌合凹部33の各係合部36が当接して明確な手応えが得られる。したがって、作業者は、この手応えを目安にして嵌合作業を行うだけで、リセプタクル外包体22とプラグ外包体32とを良好な嵌合状態に接続することができる。
【0033】
さらに、かかるリセプタクル外包体22及びプラグ外包体32の外周面には、つまみ部27,37が設けられている。図1に示すように、このつまみ部27,37は、各外包体22,32の外周面を環状に凹設して段部となすことにより形成されている。これにより、作業者はリセプタクル外包体22とプラグ外包体32とを嵌合させるとき、つまみ部27,37に指先が引っ掛かるので滑ることがなく、各外包体22,32を持ちやすくなり、容易に嵌合させることができる。
【0034】
図4は、プラグ外包体における成形時の離型部分を示す部分断面図であり、斜線部が成形時に離型される部分である。
【0035】
図示するように、本実施の形態の防水コネクタ1aでは、嵌合凹部33が、複数の円筒部34a,34b,34cの連続した形状であるので、これを成形するときには、各係合部36を除いてアンダーカットとなる箇所がなく、無理なく離型することができる。したがって、プラグ外包体32を成形するとき、嵌合凹部33の各部が変形することはなく、設計寸法通りに安定して製造することができる。また、嵌合凹部33に設けられた環状の係合部36は成形時にアンダーカットとなるが、嵌合状態の目安とするものにすぎないので、離型時に多少変形してもリセプタクル外包体22とプラグ外包体32との水密性が損なわれるおそれがない。
【0036】
<第2の実施の形態>
図5から図8は本発明の第2の実施の形態を示し、図5はリセプタクル及びプラグの側面図、図6(a)はリセプタクルの先端部の側面図、同図(b)はプラグの先端部の断面図、図7はリセプタクル外包体とプラグ外包体との嵌合状態を示す部分断面図、図8はプラグ外包体における成形時の離型部分を示す部分断面図である。
【0037】
本実施の形態に係る防水コネクタ1bは、図1から図4に示した第1の実施の形態と基本構成においてほぼ同様であるが、プラグ外包体の嵌合凹部の内周面の構成が異なっている。そこで、前記第1の実施の形態と共通する部分については同一の符号を付して説明を省略し、プラグ外包体の嵌合凹部について詳述する。
【0038】
この実施の形態に係る防水コネクタ1bは、嵌合凹部33の内周面が、段部35を介して二つの円筒部34d,34eが連続するように形成されている。そして、奥部の円筒部34dよりも先端部の円筒部34eの方が内径が大きくなるように形成されている。
【0039】
具体的には、円筒部34dの内径は、嵌合凸部23の突条25a,25bの頂部をともに圧迫しうる程度の大きさで形成され、円筒部34eの内径は、嵌合凸部23の突条25cの頂部を圧迫しうる程度の大きさで形成されることが好ましい。これにより、嵌合凸部23と嵌合凹部33との嵌合状態において、かかる円筒部34は、各突条25それぞれの頂部の全周を圧迫する。そして、段部35は突条25cのテーパ面に食い込んで係止するものとなる。
【0040】
つまり、図7に示すように、嵌合凹部33に嵌合された嵌合凸部23の突条25a,25bには、嵌合凹部33の円筒部34dが当接するとともに、嵌合凸部23の突条25cには、嵌合凹部33の円筒部34eが当接して頂部の全周を軸芯側に圧迫している。これによって、嵌合凸部23と嵌合凹部33とが突条25の頂部を介して密着し、リセプタクル外包体22とプラグ外包体32との水密性が確保されることになる。
【0041】
また、嵌合凹部33の円筒部34dには、環状の係合部36が内側に向かって突設されている。この係合部36は、嵌合凸部23が嵌合凹部33に嵌め込まれたとき、嵌合凸部23の先端部24の段部と突条25aとの間に納まるように形成されている。これにより、嵌合凸部23の先端部24が所定の位置まで嵌め込まれると、先端部24の段部に嵌合凹部33の係合部36が当接して明確な手応えが得られ、作業者はこの手応えを目安にして嵌合作業を行うことで、リセプタクル外包体22とプラグ外包体32とを良好な嵌合状態に接続することができる。
【0042】
また、本実施の形態において、嵌合凹部33は段部35を介して複数の円筒部34d,34eの連続した形状であるので、図8の斜線部で示すように、嵌合凹部33の成形に際して離型される部分は、係合部36を除いてアンダーカットとなる箇所がなく、これを無理なく成形することができる。このため、嵌合凹部33の各部が変形することはなく、設計寸法通りに安定して製造することができる。また、嵌合凹部33に設けられた環状の係合部36は成形時にアンダーカットとなるが、嵌合状態の目安とするものにすぎないので、離型時に多少変形してもリセプタクル外包体22とプラグ外包体32との水密性が損なわれるおそれがない。
【0043】
<第3の実施の形態>
また、図9は本発明に係る防水コネクタの第3の実施の形態を示し、同図(a)はリセプタクルの先端部の側面図、同図(b)はプラグの先端部の断面図である。
【0044】
本実施の形態に係る防水コネクタ1cは、前記第1の実施の形態と基本構成においてほぼ同様であるが、リセプタクル外包体の嵌合凸部及びプラグ外包体の嵌合凹部の径寸法が若干異なっている。よって、前記第1の実施の形態と共通する部分については同一の符号を付して説明を省略し、リセプタクル外包体の嵌合凸部及びプラグ外包体の嵌合凹部の径寸法について詳述する。
【0045】
この実施の形態に係る防水コネクタ1cは、リセプタクル2の嵌合凸部23に設けられた3本の突条25が、頂部の外径をそれぞれ同一の大きさとして形成されている。そして、かかるリセプタクル2に対応して、プラグ3側においても、嵌合凹部33に設けられた複数の円筒部34の内径がそれぞれ同一の大きさで形成されている。そして、突条25の頂部における直径Aよりも、円筒部34の直径Bの方が微少寸法だけ小さく形成されている。また、円筒部34同士の間には、環状の係合部36が同一の内径となるように設けられている。
【0046】
この場合も前記実施の形態と同様に、係合部36を除いて直円筒状に形成された嵌合凹部33の内周面が、嵌合凸部23の各突条25の頂部の全周を軸芯側に圧迫することによって、リセプタクル外包体22とプラグ外包体32との水密性が確保される。また、嵌合凹部33は、各係合部36を除いて成形時にアンダーカットとなる箇所がなく、設計寸法通りに安定して製造することができる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る防水コネクタは、直円筒状に形成された嵌合凹部の内周面が、嵌合凸部の突条の頂部の全周を軸芯側に圧迫することによってプラグ外包体とリセプタクル外包体との水密性が確保される。そして、水密性を発揮すべき嵌合凹部の内周面が、成形の際にアンダーカットとならないので、安定した製品供給が可能となり、金型も容易に製作することができる。
【0048】
また、本発明において、嵌合凹部の内周面が複数の円筒部が連続する形状となし、円筒部の内径を奥部よりも先端部の方が大きくなるように形成した場合には、嵌合凸部に設けられた頂部外径の異なる複数本の各突条に対しても、嵌合凹部の円筒部が個々に密着して、より水密性を高めることができる。
【0049】
また、本発明において、嵌合凸部の各突条の頂部を軸方向に丸みを帯びた断面形状とすることにより、プラグ外包体とリセプタクル外包体との嵌脱作業の際、各突条の頂部が嵌合凹部の内周面に擦れて削り取られるのを防いで、耐久性を向上させることができる。
【0050】
さらに、本発明において、プラグ外包体の嵌合凹部の内周面に、環状の係合部を内側に向かって突設することによって、嵌合凸部を嵌合凹部に嵌め込む際、作業者は明確な手応えを得ることができる。したがって、作業者は、この手応えを目安にして嵌合作業を行うだけで、リセプタクル外包体とプラグ外包体とを良好な嵌合状態に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る防水コネクタの第1の実施の形態におけるリセプタクル及びプラグを一部破断して示す側面図である。
【図2】図1の防水コネクタを示し、(a)はリセプタクルの先端部の側面図、(b)はプラグの先端部の断面図である。
【図3】図1の防水コネクタのリセプタクル外包体とプラグ外包体との嵌合状態を示す部分断面図である。
【図4】図1の防水コネクタのプラグ外包体における成形時の離型部分を示す部分断面図である。
【図5】本発明に係る防水コネクタの第2の実施の形態におけるリセプタクル及びプラグを一部破断して示す側面図である。
【図6】図5の防水コネクタを示し、(a)はリセプタクルの先端部の側面図、(b)はプラグの先端部の断面図である。
【図7】図5の防水コネクタのリセプタクル外包体とプラグ外包体との嵌合状態を示す部分断面図である。
【図8】図5の防水コネクタのプラグ外包体における成形時の離型部分を示す部分断面図である。
【図9】本発明に係る防水コネクタの第3の実施の形態を示し、(a)はリセプタクルの先端部の側面図、(b)はプラグの先端部の断面図である。
【図10】従来の防水コネクタを示す断面図である。
【図11】従来の防水コネクタを示す断面図である。
【図12】従来の防水コネクタを示し、(a)はリセプタクルの先端部の側面図、(b)はプラグの先端部の断面図である。
【符号の説明】
1a,1b,1c 防水コネクタ
12 ケーブル
13 ケーブル
2 リセプタクル
22 リセプタクル外包体
23 嵌合凸部
25 突条
27 つまみ部
3 プラグ
31 雄端子
32 プラグ外包体
33 嵌合凹部
34 円筒部
36 係合部
37 つまみ部
Claims (5)
- 雌端子をゴム系材料からなるリセプタクル外包体によって被覆したリセプタクルと、雄端子をゴム系材料からなるプラグ外包体によって被覆したプラグとの対からなり、
前記リセプタクル外包体及びプラグ外包体の先端部には互いに嵌合可能な嵌合凸部及び嵌合凹部がそれぞれ設けられた防水コネクタにおいて、
嵌合凸部の外周面は複数本の突条が断面鋸歯状に連続するように形成されるとともに、嵌合凹部の内周面は前記各突条の頂部に嵌装される部分が直円筒状に形成されたことを特徴とする防水コネクタ。 - プラグ外包体の嵌合凹部の内周面は、複数の円筒部が連続する形状であって、かつ、この円筒部の内径が奥部よりも先端部の方が大きくなるように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の防水コネクタ。
- リセプタクル外包体の嵌合凸部の各突条は、頂部の軸方向断面が丸みを帯びた形状に形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の防水コネクタ。
- リセプタクル外包体及びプラグ外包体は、それぞれ外周面につまみ部が凹設されたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の防水コネクタ。
- プラグ外包体の嵌合凹部の内周面には、環状の係合部が内側に向かって突設されたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の防水コネクタ。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20041126 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20041207 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050510 |