JP2004185857A - 異方性導電性部材を用いた接続方法、接続装置および異方性導電性部材を用いた半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】異方性導電性部材を用いて、2枚の基板間で接続するに際し、高歩留まりの接続を達成する。
【解決手段】樹脂6中の導電性粒子8を磁性成分を含有する複鎖状の単磁区構造体で構成し、実装熱圧着時に接続しようとする導体パターン3,4間に磁場を与えることで、導電性粒子を選択的に配向集中せしめ、狭ピッチ、狭スペースの電気的接続を達成することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】樹脂6中の導電性粒子8を磁性成分を含有する複鎖状の単磁区構造体で構成し、実装熱圧着時に接続しようとする導体パターン3,4間に磁場を与えることで、導電性粒子を選択的に配向集中せしめ、狭ピッチ、狭スペースの電気的接続を達成することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、異方性導電性部材を用いた接続方法、接続装置および異方性導電性部材を用いた半導体装置に係り、特に、半導体ベアチップ(以下半導体チップ)のフリップチップ実装における電極接続に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体チップとプリント配線基板とを実装する方法として、半導体チップの電極(パッド)と基板配線電極に異方性導電性フイルムまたは、異方性導電性ペーストを挟み込み、熱圧着するフリップチップ実装技術が知られている。
この実装技術では、半導体チップとプリント配線基板の電極同士が、導電性粒子を電極間に挟んだ状態でメカニカルにコンタクトし、導通する。隣接電極の絶縁保持や、半導体チップとプリント配線基板との接着には、通常熱硬化型の樹脂で設計された絶縁樹脂がその役割を果すという実装メカニズムになっている。
【0003】
ここで、電極間に挟まれる導電性粒子が、接続する電極高さのばらつきを吸収する役割を果しており、隣接電極間の絶縁は、導電性粒子の配合量や、粒子径を制御することで、導通・絶縁の電気的状態を保持している(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
また、異方性導電性フイルムの作成時に、磁場を与えることで、フイルム厚み方向に導電性粒子の配向性をもたせるようにし、接続抵抗値を低く、安定させるというものも提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
【0005】
図6は、従来の異方性導電性フイルムを用いたフリップチップ実装後の断面を示している。半導体チップ1のチップ電極3とプリント配線基板2の基板電極4が、異方性導電性樹脂6中の導電性粒子5を介して、メカニカルにコンタクトすることで、電気的に導通するという状態を作っている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−291431号公報
【特許文献2】
特開平11−260164号公報
【特許文献3】
特開平11−260518号公報
【特許文献4】
特開平11−283718号公報
【非特許文献1】
エレクトロニクス実装技術(技術調査会刊行雑誌)1997年7月号、46〜51頁
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、半導体集積回路の高集積化・微細化に伴い、半導体チップの電極は50μmと狭ピッチ化、微細化が進行しており、相対するプリント基板の電極配線も微細化していく傾向にある。
【0008】
また、高機能化に伴い接続端子数も増大する傾向にあり、多端子・微小接続が必要になっており、それを実現する手段として、半導体チップをベアチップ状態で、プリント基板上にフリップチップで実装する実装方法が増えている。
【0009】
この実装方法の主な方法として、異方性導電性の樹脂材料を用いた方法があり、
半導体チップと基板の両電極間に導電性粒子を挟んだ状態を、電極の周りの熱硬化性樹脂で固めることで、電気的導通を保持している。
【0010】
一方、電気的絶縁性を必要とする隣接電極間は、導電性粒子の影響で電気的にショートしないようにする必要がある。このため、異方性導電性の樹脂材料に配合する導電性粒子は、その形状・サイズ・配合量・分散性・粒子表面処理などにより、10μm程度の電極間スペースでも絶縁が万分の1〜億分の1の確率でしか、ショートすることのないレベルにまで、技術が確立されている。
【0011】
しかしながら、これ以下の電極間スペースに対応するためには、導電性粒子を更に小さくする提案がなされているが、小さくし過ぎると、導電性粒子本来の役割である、電極高さばらつきの吸収ができなくなる。
【0012】
また、粒子密度を低減することも提案されているが、粒子密度が低すぎると微小な電極間に導電性粒子が捕捉されなくなり、導通が困難となる。
【0013】
本発明は、前記実情に鑑みてなされたもので、異方性導電性の樹脂を用い、高密度ピッチの接続を高歩留まりで実現する接続方法、接続装置およびこれを用いた半導体装置を提供することを目的とする。
【0014】
特に、熱圧着方式で、半導体チップのフリップチップ実装を行う際、電極間に確実に導電性粒子を捕捉した状態で、電極同士のメカニカルコンタクトを実現することのできる、接続方法および接続装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明の方法では、異方性導電性部材を用いた熱圧着方式のフリップチップ実装であって、導電性粒子に磁性体成分を含有せしめることで、配線パターン間に印加される磁場により、その分散状態を制御するようにしている。
【0016】
すなわち、異方性導電性部材を用いた接続方法において、接続すべき導体パターンの形成された2枚の基板の間に、磁性体成分を含有する導電性粒子を含有する異方性導電性部材を挟み、この導電性粒子の分散状態を制御するように、磁場を印加し、2枚の基板を熱圧着するようにしたことを特徴とする。
【0017】
かかる方法によれば、通電により、接合しようとする2枚の基板間に磁場を生起せしめ、異方性導電性シートなどの、磁性体成分を含有した導電性粒子を含む異方性導電性部材に、磁場をシートの厚み方向に与えることで、導電性粒子の挙動を抑制し、熱圧着により硬化させることにより、その分散性を維持しながら固着することができる。
【0018】
これにより、バインダーに導電性粒子を均一に分散させた状態で、均一に塗布し、樹脂をBステージ状態にする時、磁場を異方性導電性部材の厚み方向に与えることで、導電性粒子の挙動が抑制され、樹脂分がBステージ状態になるまで、その分散性を維持することができる。
【0019】
このように、磁性体成分を含む導電性粒子を用いた異方性導電性部材を用いて熱圧着方式で、半導体のフリップチップ実装を行えば、従来材料よりも導電性粒子が少なくても確実に2枚の基板の導体パターン間に導電性粒子を介した状態で、電極同士のメカニカルコンタクトが実現できる。また、導電性粒子が少なくてもよいので、隣接電極間の絶縁を維持することが可能となる。
【0020】
望ましくは、異方性導電性部材が、単磁区構造を保持しうるように磁場が調整されており、加熱しつつ磁場を印加して導電性粒子の分散状態および異方性を制御しながら、熱圧着するようにすれば、異方性導電性部材の厚み方向に粒子が起立した状態を形成することができ、接続電極間の距離が比較的長い状態でも電気的導通を確保することができる。
【0021】
また、磁場の存在する領域すなわち相対向して導体パターンの存在する領域に選択的に導電性粒子を集中させるように導電性粒子の分散状態および異方性を制御するようにすれば、導体パターンのない領域すなわち、磁場の印加されない領域には導電性粒子は存在しないことになり、信頼性の向上をはかることが可能となる。
【0022】
また、磁場の存在する領域すなわち相対向して導体パターンの存在する領域に選択的に導電性粒子を集中させるように、導体パターン間に磁界を印加するようにすれば、導体パターンのない領域すなわち、磁場の印加されない領域には導電性粒子は存在しないことになり、信頼性の向上をはかることが可能となる。
【0023】
望ましくは、異方性導電性部材が、複鎖構造をもつ単磁区構造体で構成されるようにすれば、高さ方向の制御性が良好であり、大きな力をかけることなく、良好に変形しやすく、制御性よく高さ方向の差を吸収することができる。
また、導電性粒子の分散状態および異方性を制御するように磁場を印加すれば、異方性導電性部材の厚み方向に粒子が起立した状態を形成することができ、接続電極間の距離が比較的長い状態でも電気的導通を確保することができる。
【0024】
望ましくは、異方性導電性部材は、異方性導電性フィルムであることを特徴とする。
かかる構成によれば、熱圧着時も異方性導電性フイルムの初期の導電性粒子分散状態を、保持することができるので、導電性粒子の流動による隣接導体パターン間の電気的ショートを回避することができる。
【0025】
望ましくは、異方性導電性部材は、異方性導電性ペーストであることを特徴とする。
かかる構成によれば、接続が必要な領域に異方性導電性ペーストのパターンを形成しておくようにすれば、熱圧着時も異方性導電性フイルムの初期の導電性粒子分散状態を、保持することができるので、導電性粒子の流動による隣接導体パターン間の電気的ショートを回避することができる。
【0026】
また、この材料を用いて熱圧着方式で、半導体のフリップチップ実装を行えば、従来材料よりも導電性粒子が少なくても確実に電極間に導電性粒子を介した状態で、電極同士のメカニカルコンタクトが実現できる。さらに、導電性粒子が少ないため、隣接導体パターン極間の絶縁を確実に維持することが可能となる。更に、圧着時に電極間で、導電性粒子が起立しているので、粒子が電極間に入り込み易く、比較的低圧力でも、電極間の導通を確保することができる。
【0027】
また、本発明の接続装置は、異方性導電性部材を用いた接続に用いられる接続装置であって、接続すべき導体パターンの形成された2枚の基板の間に、磁性体成分を含有する導電性粒子を含有する異方性導電性部材を挟むように支持する支持手段と、導電性粒子の分散状態を制御するように、磁場を印加する磁場供給手段と、磁場の印加時に、2枚の基板を熱圧着する熱圧着手段とを具備したことを特徴とする。
【0028】
かかる構成によれば、通電により、磁場を生起せしめ、異方性導電性シートなどの、磁性体成分を含有した導電性粒子を含む異方性導電性部材に、磁場をシートの厚み方向に与えることで、導電性粒子の挙動を抑制し、磁場の存在する領域すなわち相対向して導体パターンの存在する領域に選択的に導電性粒子を集中させ、熱圧着により硬化させることにより、その分散性を維持しながら固着することができる装置を提供することが可能となる。
【0029】
また、前記磁場供給手段が、前記導体パターン間に前記導電性粒子を集中させるように、前記導体パターン間に磁場を印加するように構成されていることを特徴とする。
かかる構成によれば、導体パターン間に通電することにより、導体パターン間に選択的に磁場を生起せしめ、導電性粒子の挙動を抑制し、磁場の存在する領域すなわち相対向して導体パターンの存在する領域に選択的に導電性粒子を集中させ、熱圧着により硬化させることにより、その分散性を維持しながら固着することができる装置を提供することが可能となる。
【0030】
望ましくは、磁場供給手段を、異方性導電性部材が単磁区構造を保持しうるように磁場を供給するように構成すれば、より確実な電極間接続が可能となる。
【0031】
また本発明の半導体装置では、接続すべき導体パターンの形成された2枚の基板が、前記基板間に、磁性体成分を含有する導電性粒子を含有する異方性導電性部材を介して接続されており、前記異方性導電性部材は、前記導電性粒子が前記実装基板および前記半導体チップの接続すべき導体パターン間で配向せしめられていることを特徴とする。
【0032】
かかる構成によれば、異方性導電性部材の導電性粒子が接続すべき導体パターン間で配向せしめられているため、短絡不良を低減し、信頼性の高い接続を行うことが可能となる。
【0033】
例えば、実装基板と、前記実装基板上に、磁性体成分を含有する導電性粒子を含有する異方性導電性部材を介してフリップチップ実装された半導体チップとを含み、前記異方性導電性部材は、前記導電性粒子が前記実装基板および前記半導体チップの接続すべき導体パターン間で配向せしめられていることを特徴とする。
望ましくは、前記異方性導電性部材は、単磁区構造をなす導電性粒子で構成されている。
【0034】
また、前記導電性粒子は、複鎖構造をもつ単磁区構造体をなすようにすれば、導体パターンの高さのばらつきがある場合にも、低圧で高さを調整でき、また磁場によって球状粒子が互いに滑りながら微動するため、確実な接続を行うことが可能となる。
【0035】
さらに前記導電性粒子は、前記導体パターン間において他の領域よりも高密度となっているようにすればより確実な接続が可能となる。これは例えば、導体パターン間に磁界をかけて、単磁区構造をもつ導電性粒子からなる針状体または複鎖状体を導体パターン間に集中させつつ熱圧着することによって達成される。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ、詳細に説明する。なお、図6に示した従来例の装置における部材と同一の部材については同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0037】
図1(a)は、本発明の接続装置を用いてフリップチップ実装方式で半導体チップをプリント配線基板上に接続する方法を模式的に示す概略図である。この接続方法は、異方性導電性部材を用いた熱圧着方式のフリップチップ実装であって、導電性粒子に磁性体成分であるコバルトを含有せしめることで、配線パターン間に印加される磁場により、その分散状態を制御するものである。図1(b)は導電性粒子の拡大模式図である。
【0038】
すなわち、この装置は、導体パターンである、半導体チップ1の電極パッド3と、プリント配線基板2の配線パターン4との間に、磁性体成分を含有する導電性粒子8を含有する異方性導電性フィルム10を挟むように支持する支持手段14と、電極パッド3と配線パターン4との間に導電性粒子8を集中させるように、導電性粒子8の分散状態を制御するように、電極パッド3と配線パターン4との間に磁場を印加する磁場供給手段11と、磁場の印加時に、プリント配線基板4に対して半導体チップを熱圧着する加熱手段12および加圧手段13とを具備してなるものである。ここで電極サイズは25×100μmとし、電極間スペースは15μmとした。
【0039】
またここで用いられる異方性導電性フィルム10は、以下のようにして形成される。樹脂6中に磁性体成分を含有した複鎖構造の針状体をなす導電性粒子8を分散させ、厚さ方向に磁場をかけると、樹脂6中の磁性体成分を含有した複鎖構造の針状体をなす導電性粒子8が、磁場により厚さ方向に沿って配向せしめられ、樹脂6が、溶剤乾燥を経てBステージ化するまでの間の自重・表面張力等による樹脂流動中に、導電性粒子8が動かない状態を作ることができる。
【0040】
この状態で、樹脂6がBステージ状態になるまで、乾燥させれば、導電性粒子8は、初期の分散状態を保ったまま、フイルム状態になる。これが異方性導電性フィルム10として用いられるものである。ここで樹脂6は、主剤としてビスフェノール系樹脂、硬化剤としてアミン系またはイミダゾール系樹脂または酸無水物系樹脂を用いたエポキシ樹脂からなる熱硬化性樹脂で構成されている。ここでこの樹脂は反応開始温度80〜120℃とし、流動時粘度は0.01〜0.5Pa・sであった。
【0041】
また導電性粒子はコバルトなどの強磁性体からなり単磁区構造を有し、針状に連結した形状(針状体)であり、かつ単列(単針)あるいは複鎖構造の針状体をなすように形成されている。この導電性粒子は、コバルトイオンを含むイオン水からチタンレドレックス法により、50〜300nm径の球状に成長させ強磁場で粒子を付着させながら針状に成長せしめられる。
【0042】
このようにして形成された、異方性導電性フィルム10をプリント基板および半導体チップ間に挟む。そして、磁場供給手段11により磁場を印加すると、電極パッド3と配線パターン4との間に磁場9が生起せしめられ、図2に示すように、これらの間に挟持せしめられた異方性導電性フィルム10の樹脂6中の磁性体成分を含有した導電性粒子8の位置が、磁場により制御され、導電性粒子8が配向した状態を作ることができる。
【0043】
この状態で、熱圧着することにより、樹脂6がCステージ状態になるまで、加熱すれば、導電性粒子8は、初期の分散状態を保ったまま、フイルム状態になり硬化せしめられる。
【0044】
ここで導電性粒子8は図1(b)に示したように球状粒子が複鎖構造をなして針状体を形成するように構成されており、加熱しながら磁場が印加されているため、より小さな圧力で粒子間をすべりながら変位し、電極高さのばらつきを良好に吸収することができる。
【0045】
なお、上記方法を用いて複鎖構造の導電性粒子を配向させた異方性導電性フィルムを用いて、従来通りの熱圧着方式のフリップチップ実装を行っても、導電性粒子は、効率良く電極間に配向させ、異方性導電性をもつ接続を行うこともできる。
【0046】
なお前記実施の形態では、磁性体成分として、コバルトを用いたがコバルト化合物あるいはニッケル、ニッケル化合物など磁性体成分含有の導電性粒子8を含有する異方性導電性フィルムを用いることができる。
【0047】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
本実施の形態では、図4にこの製造工程を示すように、異方性導電性フィルムに代えて異方性導電性ペーストの形態で配線パターン上に異方性導電性ペースト10Pをパターン印刷するようにしてもよい。また全面に塗布するような形態をとるようにしてもよい。
【0048】
このようにして、磁界に沿って導電性粒子8の動きを抑制しつつ樹脂6が硬化せしめられ、図4に示すように、異方性導電性ペースト10Sによって半導体チップ1がプリント配線基板2上に高歩留まりで実装せしめられる。
【0049】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
本実施形態では、図5(a)に示すように、単磁区構造・単針状粒子である導電性粒子8Sを用いたことを特徴とするものである。他の構成については前記第1の実施の形態と同様である。この例では、図示しない磁場供給手段によって電極パッド3と配線パターン4との間に磁場9を印加し、磁場9の方向、つまり、電極接続方向に導電性粒子8Sが起立するように配向せしめられた状態で熱圧着せしめられる。
この方法によれば、異方性導電性フィルム10中の導電性粒子8Sの長さが長く、配向しているため、電極パッド3、配線パターン4間が離れていても、確実な導通が可能となる。
【0050】
この異方性導電性フィルム10は、熱可塑性樹脂中に単磁区構造を持った導電性粒子を配合し、フィルム状に成型してなるものである。この導電性粒子は、ニッケルなどの磁性を有する金属イオンから粒子成長させたナノオーダーの粒子を種とし、磁場中で、単針状に成長させることにより、作成したものである。このようにして形成された異方性導電性フィルムを用いて、磁場を印加しながら熱圧着方式のフリップチップ実装を行えば、図5(a)に示すように、電極パッド3、配線パターン4間では電極接続方向に対して、導電性粒子10が起立した状態で、マウントされるので、電極パッド3、配線パターン4間距離が広い状態でも導通が確保できることになる。
【0051】
これに対し、図5(b)に示すように、磁場を供給しないで従来の方法で実装した場合、導電性粒子8Sが転倒してしまい、電極3、4間は接近しなければ、導通が取れず、電極間ショートも発生しやすくなる。
【0052】
このようにして、磁場9を与えつつ熱圧着することにより、隣接電極間の導電性粒子8Sも起立した状態のまま、実装することができる。これにより、電極間スペースが小さくなっても導電性粒子による電気的短絡が起こり難く、確実な接続が可能となる。
【0053】
この例では、異方性導電性フィルムを用いた例について説明したが、異方性導電性ペーストを用いたフリップチップ実装で、熱圧着時に同様の磁場を与えるようにした場合も同様の効果を奏功しうる。これにより、導電性粒子が磁場方向に揃って、分散状態も維持できるため、粒子が隣接導体パターン間に溜まって、電気的短絡を起こすようなこともない。
また、前記各実施の形態では半導体チップとプリント基板との接続について説明したが、半導体チップ同士、プリント基板同士など、端子間接続のすべてに適用可能であることはいうまでもない。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の方法によれば、異方性導電性部材に含有する導電性粒子の分散状態が良好に制御され得、また導電性粒子が磁場により分散状態を保持されるため、粒子密度が小さい状態でも電極間導通を確実に行うことができる。従って、導電性粒子の密度を減少させることができるため、絶縁性確保にも有効となる。
【0055】
従って、本発明の接続装置によれば、より狭ピッチ、狭スペース電極の半導体チップのフリップチップ実装も高歩留まりで実現することが可能となる。
【0056】
また、本発明によれば、接続が確実で高歩留まりの半導体装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の接続装置を示す概念図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の接続工程を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の接続工程でえられたフリップチップ実装後のプリント配線基板を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態を示す図である。
【図5】図5(a)は本発明の第3の実施の形態を示す図、図5(b)は比較例を示す図である。
【図6】従来の異方性導電性フイルムによるフリップチップ実装断面図
【符号の説明】
1 半導体チップ
2 プリント配線基板
3 電極パッド
4 配線パターン
5 導電性粒子
6 異方性導電性フイルムの樹脂
8、8S 磁性体成分を含有した導電性粒子
9 磁場
10 異方性導電性フィルム
10S 異方性導電性ペースト
11 磁場供給手段
12 加熱手段
13 加圧手段
14 支持手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、異方性導電性部材を用いた接続方法、接続装置および異方性導電性部材を用いた半導体装置に係り、特に、半導体ベアチップ(以下半導体チップ)のフリップチップ実装における電極接続に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体チップとプリント配線基板とを実装する方法として、半導体チップの電極(パッド)と基板配線電極に異方性導電性フイルムまたは、異方性導電性ペーストを挟み込み、熱圧着するフリップチップ実装技術が知られている。
この実装技術では、半導体チップとプリント配線基板の電極同士が、導電性粒子を電極間に挟んだ状態でメカニカルにコンタクトし、導通する。隣接電極の絶縁保持や、半導体チップとプリント配線基板との接着には、通常熱硬化型の樹脂で設計された絶縁樹脂がその役割を果すという実装メカニズムになっている。
【0003】
ここで、電極間に挟まれる導電性粒子が、接続する電極高さのばらつきを吸収する役割を果しており、隣接電極間の絶縁は、導電性粒子の配合量や、粒子径を制御することで、導通・絶縁の電気的状態を保持している(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
また、異方性導電性フイルムの作成時に、磁場を与えることで、フイルム厚み方向に導電性粒子の配向性をもたせるようにし、接続抵抗値を低く、安定させるというものも提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
【0005】
図6は、従来の異方性導電性フイルムを用いたフリップチップ実装後の断面を示している。半導体チップ1のチップ電極3とプリント配線基板2の基板電極4が、異方性導電性樹脂6中の導電性粒子5を介して、メカニカルにコンタクトすることで、電気的に導通するという状態を作っている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−291431号公報
【特許文献2】
特開平11−260164号公報
【特許文献3】
特開平11−260518号公報
【特許文献4】
特開平11−283718号公報
【非特許文献1】
エレクトロニクス実装技術(技術調査会刊行雑誌)1997年7月号、46〜51頁
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、半導体集積回路の高集積化・微細化に伴い、半導体チップの電極は50μmと狭ピッチ化、微細化が進行しており、相対するプリント基板の電極配線も微細化していく傾向にある。
【0008】
また、高機能化に伴い接続端子数も増大する傾向にあり、多端子・微小接続が必要になっており、それを実現する手段として、半導体チップをベアチップ状態で、プリント基板上にフリップチップで実装する実装方法が増えている。
【0009】
この実装方法の主な方法として、異方性導電性の樹脂材料を用いた方法があり、
半導体チップと基板の両電極間に導電性粒子を挟んだ状態を、電極の周りの熱硬化性樹脂で固めることで、電気的導通を保持している。
【0010】
一方、電気的絶縁性を必要とする隣接電極間は、導電性粒子の影響で電気的にショートしないようにする必要がある。このため、異方性導電性の樹脂材料に配合する導電性粒子は、その形状・サイズ・配合量・分散性・粒子表面処理などにより、10μm程度の電極間スペースでも絶縁が万分の1〜億分の1の確率でしか、ショートすることのないレベルにまで、技術が確立されている。
【0011】
しかしながら、これ以下の電極間スペースに対応するためには、導電性粒子を更に小さくする提案がなされているが、小さくし過ぎると、導電性粒子本来の役割である、電極高さばらつきの吸収ができなくなる。
【0012】
また、粒子密度を低減することも提案されているが、粒子密度が低すぎると微小な電極間に導電性粒子が捕捉されなくなり、導通が困難となる。
【0013】
本発明は、前記実情に鑑みてなされたもので、異方性導電性の樹脂を用い、高密度ピッチの接続を高歩留まりで実現する接続方法、接続装置およびこれを用いた半導体装置を提供することを目的とする。
【0014】
特に、熱圧着方式で、半導体チップのフリップチップ実装を行う際、電極間に確実に導電性粒子を捕捉した状態で、電極同士のメカニカルコンタクトを実現することのできる、接続方法および接続装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明の方法では、異方性導電性部材を用いた熱圧着方式のフリップチップ実装であって、導電性粒子に磁性体成分を含有せしめることで、配線パターン間に印加される磁場により、その分散状態を制御するようにしている。
【0016】
すなわち、異方性導電性部材を用いた接続方法において、接続すべき導体パターンの形成された2枚の基板の間に、磁性体成分を含有する導電性粒子を含有する異方性導電性部材を挟み、この導電性粒子の分散状態を制御するように、磁場を印加し、2枚の基板を熱圧着するようにしたことを特徴とする。
【0017】
かかる方法によれば、通電により、接合しようとする2枚の基板間に磁場を生起せしめ、異方性導電性シートなどの、磁性体成分を含有した導電性粒子を含む異方性導電性部材に、磁場をシートの厚み方向に与えることで、導電性粒子の挙動を抑制し、熱圧着により硬化させることにより、その分散性を維持しながら固着することができる。
【0018】
これにより、バインダーに導電性粒子を均一に分散させた状態で、均一に塗布し、樹脂をBステージ状態にする時、磁場を異方性導電性部材の厚み方向に与えることで、導電性粒子の挙動が抑制され、樹脂分がBステージ状態になるまで、その分散性を維持することができる。
【0019】
このように、磁性体成分を含む導電性粒子を用いた異方性導電性部材を用いて熱圧着方式で、半導体のフリップチップ実装を行えば、従来材料よりも導電性粒子が少なくても確実に2枚の基板の導体パターン間に導電性粒子を介した状態で、電極同士のメカニカルコンタクトが実現できる。また、導電性粒子が少なくてもよいので、隣接電極間の絶縁を維持することが可能となる。
【0020】
望ましくは、異方性導電性部材が、単磁区構造を保持しうるように磁場が調整されており、加熱しつつ磁場を印加して導電性粒子の分散状態および異方性を制御しながら、熱圧着するようにすれば、異方性導電性部材の厚み方向に粒子が起立した状態を形成することができ、接続電極間の距離が比較的長い状態でも電気的導通を確保することができる。
【0021】
また、磁場の存在する領域すなわち相対向して導体パターンの存在する領域に選択的に導電性粒子を集中させるように導電性粒子の分散状態および異方性を制御するようにすれば、導体パターンのない領域すなわち、磁場の印加されない領域には導電性粒子は存在しないことになり、信頼性の向上をはかることが可能となる。
【0022】
また、磁場の存在する領域すなわち相対向して導体パターンの存在する領域に選択的に導電性粒子を集中させるように、導体パターン間に磁界を印加するようにすれば、導体パターンのない領域すなわち、磁場の印加されない領域には導電性粒子は存在しないことになり、信頼性の向上をはかることが可能となる。
【0023】
望ましくは、異方性導電性部材が、複鎖構造をもつ単磁区構造体で構成されるようにすれば、高さ方向の制御性が良好であり、大きな力をかけることなく、良好に変形しやすく、制御性よく高さ方向の差を吸収することができる。
また、導電性粒子の分散状態および異方性を制御するように磁場を印加すれば、異方性導電性部材の厚み方向に粒子が起立した状態を形成することができ、接続電極間の距離が比較的長い状態でも電気的導通を確保することができる。
【0024】
望ましくは、異方性導電性部材は、異方性導電性フィルムであることを特徴とする。
かかる構成によれば、熱圧着時も異方性導電性フイルムの初期の導電性粒子分散状態を、保持することができるので、導電性粒子の流動による隣接導体パターン間の電気的ショートを回避することができる。
【0025】
望ましくは、異方性導電性部材は、異方性導電性ペーストであることを特徴とする。
かかる構成によれば、接続が必要な領域に異方性導電性ペーストのパターンを形成しておくようにすれば、熱圧着時も異方性導電性フイルムの初期の導電性粒子分散状態を、保持することができるので、導電性粒子の流動による隣接導体パターン間の電気的ショートを回避することができる。
【0026】
また、この材料を用いて熱圧着方式で、半導体のフリップチップ実装を行えば、従来材料よりも導電性粒子が少なくても確実に電極間に導電性粒子を介した状態で、電極同士のメカニカルコンタクトが実現できる。さらに、導電性粒子が少ないため、隣接導体パターン極間の絶縁を確実に維持することが可能となる。更に、圧着時に電極間で、導電性粒子が起立しているので、粒子が電極間に入り込み易く、比較的低圧力でも、電極間の導通を確保することができる。
【0027】
また、本発明の接続装置は、異方性導電性部材を用いた接続に用いられる接続装置であって、接続すべき導体パターンの形成された2枚の基板の間に、磁性体成分を含有する導電性粒子を含有する異方性導電性部材を挟むように支持する支持手段と、導電性粒子の分散状態を制御するように、磁場を印加する磁場供給手段と、磁場の印加時に、2枚の基板を熱圧着する熱圧着手段とを具備したことを特徴とする。
【0028】
かかる構成によれば、通電により、磁場を生起せしめ、異方性導電性シートなどの、磁性体成分を含有した導電性粒子を含む異方性導電性部材に、磁場をシートの厚み方向に与えることで、導電性粒子の挙動を抑制し、磁場の存在する領域すなわち相対向して導体パターンの存在する領域に選択的に導電性粒子を集中させ、熱圧着により硬化させることにより、その分散性を維持しながら固着することができる装置を提供することが可能となる。
【0029】
また、前記磁場供給手段が、前記導体パターン間に前記導電性粒子を集中させるように、前記導体パターン間に磁場を印加するように構成されていることを特徴とする。
かかる構成によれば、導体パターン間に通電することにより、導体パターン間に選択的に磁場を生起せしめ、導電性粒子の挙動を抑制し、磁場の存在する領域すなわち相対向して導体パターンの存在する領域に選択的に導電性粒子を集中させ、熱圧着により硬化させることにより、その分散性を維持しながら固着することができる装置を提供することが可能となる。
【0030】
望ましくは、磁場供給手段を、異方性導電性部材が単磁区構造を保持しうるように磁場を供給するように構成すれば、より確実な電極間接続が可能となる。
【0031】
また本発明の半導体装置では、接続すべき導体パターンの形成された2枚の基板が、前記基板間に、磁性体成分を含有する導電性粒子を含有する異方性導電性部材を介して接続されており、前記異方性導電性部材は、前記導電性粒子が前記実装基板および前記半導体チップの接続すべき導体パターン間で配向せしめられていることを特徴とする。
【0032】
かかる構成によれば、異方性導電性部材の導電性粒子が接続すべき導体パターン間で配向せしめられているため、短絡不良を低減し、信頼性の高い接続を行うことが可能となる。
【0033】
例えば、実装基板と、前記実装基板上に、磁性体成分を含有する導電性粒子を含有する異方性導電性部材を介してフリップチップ実装された半導体チップとを含み、前記異方性導電性部材は、前記導電性粒子が前記実装基板および前記半導体チップの接続すべき導体パターン間で配向せしめられていることを特徴とする。
望ましくは、前記異方性導電性部材は、単磁区構造をなす導電性粒子で構成されている。
【0034】
また、前記導電性粒子は、複鎖構造をもつ単磁区構造体をなすようにすれば、導体パターンの高さのばらつきがある場合にも、低圧で高さを調整でき、また磁場によって球状粒子が互いに滑りながら微動するため、確実な接続を行うことが可能となる。
【0035】
さらに前記導電性粒子は、前記導体パターン間において他の領域よりも高密度となっているようにすればより確実な接続が可能となる。これは例えば、導体パターン間に磁界をかけて、単磁区構造をもつ導電性粒子からなる針状体または複鎖状体を導体パターン間に集中させつつ熱圧着することによって達成される。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ、詳細に説明する。なお、図6に示した従来例の装置における部材と同一の部材については同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0037】
図1(a)は、本発明の接続装置を用いてフリップチップ実装方式で半導体チップをプリント配線基板上に接続する方法を模式的に示す概略図である。この接続方法は、異方性導電性部材を用いた熱圧着方式のフリップチップ実装であって、導電性粒子に磁性体成分であるコバルトを含有せしめることで、配線パターン間に印加される磁場により、その分散状態を制御するものである。図1(b)は導電性粒子の拡大模式図である。
【0038】
すなわち、この装置は、導体パターンである、半導体チップ1の電極パッド3と、プリント配線基板2の配線パターン4との間に、磁性体成分を含有する導電性粒子8を含有する異方性導電性フィルム10を挟むように支持する支持手段14と、電極パッド3と配線パターン4との間に導電性粒子8を集中させるように、導電性粒子8の分散状態を制御するように、電極パッド3と配線パターン4との間に磁場を印加する磁場供給手段11と、磁場の印加時に、プリント配線基板4に対して半導体チップを熱圧着する加熱手段12および加圧手段13とを具備してなるものである。ここで電極サイズは25×100μmとし、電極間スペースは15μmとした。
【0039】
またここで用いられる異方性導電性フィルム10は、以下のようにして形成される。樹脂6中に磁性体成分を含有した複鎖構造の針状体をなす導電性粒子8を分散させ、厚さ方向に磁場をかけると、樹脂6中の磁性体成分を含有した複鎖構造の針状体をなす導電性粒子8が、磁場により厚さ方向に沿って配向せしめられ、樹脂6が、溶剤乾燥を経てBステージ化するまでの間の自重・表面張力等による樹脂流動中に、導電性粒子8が動かない状態を作ることができる。
【0040】
この状態で、樹脂6がBステージ状態になるまで、乾燥させれば、導電性粒子8は、初期の分散状態を保ったまま、フイルム状態になる。これが異方性導電性フィルム10として用いられるものである。ここで樹脂6は、主剤としてビスフェノール系樹脂、硬化剤としてアミン系またはイミダゾール系樹脂または酸無水物系樹脂を用いたエポキシ樹脂からなる熱硬化性樹脂で構成されている。ここでこの樹脂は反応開始温度80〜120℃とし、流動時粘度は0.01〜0.5Pa・sであった。
【0041】
また導電性粒子はコバルトなどの強磁性体からなり単磁区構造を有し、針状に連結した形状(針状体)であり、かつ単列(単針)あるいは複鎖構造の針状体をなすように形成されている。この導電性粒子は、コバルトイオンを含むイオン水からチタンレドレックス法により、50〜300nm径の球状に成長させ強磁場で粒子を付着させながら針状に成長せしめられる。
【0042】
このようにして形成された、異方性導電性フィルム10をプリント基板および半導体チップ間に挟む。そして、磁場供給手段11により磁場を印加すると、電極パッド3と配線パターン4との間に磁場9が生起せしめられ、図2に示すように、これらの間に挟持せしめられた異方性導電性フィルム10の樹脂6中の磁性体成分を含有した導電性粒子8の位置が、磁場により制御され、導電性粒子8が配向した状態を作ることができる。
【0043】
この状態で、熱圧着することにより、樹脂6がCステージ状態になるまで、加熱すれば、導電性粒子8は、初期の分散状態を保ったまま、フイルム状態になり硬化せしめられる。
【0044】
ここで導電性粒子8は図1(b)に示したように球状粒子が複鎖構造をなして針状体を形成するように構成されており、加熱しながら磁場が印加されているため、より小さな圧力で粒子間をすべりながら変位し、電極高さのばらつきを良好に吸収することができる。
【0045】
なお、上記方法を用いて複鎖構造の導電性粒子を配向させた異方性導電性フィルムを用いて、従来通りの熱圧着方式のフリップチップ実装を行っても、導電性粒子は、効率良く電極間に配向させ、異方性導電性をもつ接続を行うこともできる。
【0046】
なお前記実施の形態では、磁性体成分として、コバルトを用いたがコバルト化合物あるいはニッケル、ニッケル化合物など磁性体成分含有の導電性粒子8を含有する異方性導電性フィルムを用いることができる。
【0047】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
本実施の形態では、図4にこの製造工程を示すように、異方性導電性フィルムに代えて異方性導電性ペーストの形態で配線パターン上に異方性導電性ペースト10Pをパターン印刷するようにしてもよい。また全面に塗布するような形態をとるようにしてもよい。
【0048】
このようにして、磁界に沿って導電性粒子8の動きを抑制しつつ樹脂6が硬化せしめられ、図4に示すように、異方性導電性ペースト10Sによって半導体チップ1がプリント配線基板2上に高歩留まりで実装せしめられる。
【0049】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
本実施形態では、図5(a)に示すように、単磁区構造・単針状粒子である導電性粒子8Sを用いたことを特徴とするものである。他の構成については前記第1の実施の形態と同様である。この例では、図示しない磁場供給手段によって電極パッド3と配線パターン4との間に磁場9を印加し、磁場9の方向、つまり、電極接続方向に導電性粒子8Sが起立するように配向せしめられた状態で熱圧着せしめられる。
この方法によれば、異方性導電性フィルム10中の導電性粒子8Sの長さが長く、配向しているため、電極パッド3、配線パターン4間が離れていても、確実な導通が可能となる。
【0050】
この異方性導電性フィルム10は、熱可塑性樹脂中に単磁区構造を持った導電性粒子を配合し、フィルム状に成型してなるものである。この導電性粒子は、ニッケルなどの磁性を有する金属イオンから粒子成長させたナノオーダーの粒子を種とし、磁場中で、単針状に成長させることにより、作成したものである。このようにして形成された異方性導電性フィルムを用いて、磁場を印加しながら熱圧着方式のフリップチップ実装を行えば、図5(a)に示すように、電極パッド3、配線パターン4間では電極接続方向に対して、導電性粒子10が起立した状態で、マウントされるので、電極パッド3、配線パターン4間距離が広い状態でも導通が確保できることになる。
【0051】
これに対し、図5(b)に示すように、磁場を供給しないで従来の方法で実装した場合、導電性粒子8Sが転倒してしまい、電極3、4間は接近しなければ、導通が取れず、電極間ショートも発生しやすくなる。
【0052】
このようにして、磁場9を与えつつ熱圧着することにより、隣接電極間の導電性粒子8Sも起立した状態のまま、実装することができる。これにより、電極間スペースが小さくなっても導電性粒子による電気的短絡が起こり難く、確実な接続が可能となる。
【0053】
この例では、異方性導電性フィルムを用いた例について説明したが、異方性導電性ペーストを用いたフリップチップ実装で、熱圧着時に同様の磁場を与えるようにした場合も同様の効果を奏功しうる。これにより、導電性粒子が磁場方向に揃って、分散状態も維持できるため、粒子が隣接導体パターン間に溜まって、電気的短絡を起こすようなこともない。
また、前記各実施の形態では半導体チップとプリント基板との接続について説明したが、半導体チップ同士、プリント基板同士など、端子間接続のすべてに適用可能であることはいうまでもない。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の方法によれば、異方性導電性部材に含有する導電性粒子の分散状態が良好に制御され得、また導電性粒子が磁場により分散状態を保持されるため、粒子密度が小さい状態でも電極間導通を確実に行うことができる。従って、導電性粒子の密度を減少させることができるため、絶縁性確保にも有効となる。
【0055】
従って、本発明の接続装置によれば、より狭ピッチ、狭スペース電極の半導体チップのフリップチップ実装も高歩留まりで実現することが可能となる。
【0056】
また、本発明によれば、接続が確実で高歩留まりの半導体装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の接続装置を示す概念図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の接続工程を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の接続工程でえられたフリップチップ実装後のプリント配線基板を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態を示す図である。
【図5】図5(a)は本発明の第3の実施の形態を示す図、図5(b)は比較例を示す図である。
【図6】従来の異方性導電性フイルムによるフリップチップ実装断面図
【符号の説明】
1 半導体チップ
2 プリント配線基板
3 電極パッド
4 配線パターン
5 導電性粒子
6 異方性導電性フイルムの樹脂
8、8S 磁性体成分を含有した導電性粒子
9 磁場
10 異方性導電性フィルム
10S 異方性導電性ペースト
11 磁場供給手段
12 加熱手段
13 加圧手段
14 支持手段
Claims (16)
- 異方性導電性部材を用いた接続方法において、
接続すべき導体パターンの形成された2枚の基板の間に、磁性体成分を含有する導電性粒子を含有する異方性導電性部材を挟む工程と、
前記導電性粒子の配向状態を制御するように、磁場を印加する工程と、
前記2枚の基板を熱圧着する工程とを含むことを特徴とする接続方法。 - 前記異方性導電性部材は、単磁区構造を保持しうるように調整されており、
前記磁場を印加する工程は、前記熱圧着する工程中に、磁場を印加し、前記導電性粒子の分散状態および異方性を制御する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の接続方法。 - 前記磁場を印加する工程は、前記導体パターン間に前記導電性粒子を集中させるように、前記導電性粒子の分散状態および異方性を制御する工程を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の接続方法。
- 前記磁場を印加する工程は、前記導体パターン間に前記導電性粒子を集中させるように、前記導体パターン間に磁場を印加する工程であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の接続方法。
- 前記導電性粒子は、複鎖構造をもつ単磁区構造体で構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の接続方法。
- 前記異方性導電性部材は、異方性導電性フィルムであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の接続方法。
- 前記異方性導電性部材は、異方性導電性ペーストであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の接続方法。
- 前記2枚の基板は、半導体チップと、プリント配線基板であり、前記半導体チップをフリップチップ実装するようにしたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の接続方法。
- 異方性導電性部材を用いた接続に用いられる接続装置であって、
接続すべき導体パターンの形成された2枚の基板の間に、磁性体成分を含有する導電性粒子を含有する異方性導電性部材を挟むように支持する支持手段と、
前記導電性粒子の分散状態を制御するように、磁場を印加する磁場供給手段と、
前記磁場の印加時に、前記2枚の基板を熱圧着する熱圧着手段とを具備したことを特徴とする接続装置。 - 前記磁場供給手段は、前記導体パターン間に前記導電性粒子を集中させるように、前記導体パターン間に磁場を印加するように構成されていることを特徴とする請求項9に記載の接続装置。
- 前記磁場供給手段は、前記異方性導電性部材が単磁区構造を保持しうるように磁場を供給するように構成されたことを特徴とする請求項9または10に記載の接続装置。
- 接続すべき導体パターンの形成された2枚の基板が、前記基板間に、磁性体成分を含有する導電性粒子を含有する異方性導電性部材を介して接続されており、
前記異方性導電性部材は、前記導電性粒子が前記実装基板および前記半導体チップの接続すべき導体パターン間で配向せしめられていることを特徴とする半導体装置。 - 前記2枚の基板は、実装基板と、前記実装基板上に、磁性体成分を含有する導電性粒子を含有する異方性導電性部材を介してフリップチップ実装された半導体チップとで構成されていることを特徴とする請求項12に記載の半導体装置。
- 前記異方性導電性部材は、単磁区構造をなす導電性粒子で構成されていることを特徴とする請求項12または13に記載の半導体装置。
- 前記導電性粒子は、複鎖構造をもつ単磁区構造体をなすことを特徴とする請求項14に記載の半導体装置。
- 前記導電性粒子は、前記導体パターン間において他の領域よりも高密度となっていることを特徴とする請求項12乃至15のいずれかに記載の半導体装置。
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