JP2004185190A - 建設機械の情報処理システム及び建設機械の情報処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】稼働現場が遠隔の辺境等であっても顧客側に対し十分なサービスを行うことができる建設機械の情報処理システム及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】中間サーバ6は、業者パソコン62に対し、建設機械の稼働位置又はこの稼働位置に係わる所定の範囲領域を表示するとともに、建設機械の所定の部位に係わる部品の修理交換作業の受注に応募するかどうかの入力を促し、受信した応募情報に基づいてデータベース6Aに予め記憶した所定の資格要件をデータベース6Aから抽出し地元業者がその資格要件を満たすかどうかを判定するための審査シートを生成し、この生成手順により生成した審査シートを通信網を介して業者パソコン62に送信し審査シートの所定箇所への入力を促す。
【選択図】 図7
【解決手段】中間サーバ6は、業者パソコン62に対し、建設機械の稼働位置又はこの稼働位置に係わる所定の範囲領域を表示するとともに、建設機械の所定の部位に係わる部品の修理交換作業の受注に応募するかどうかの入力を促し、受信した応募情報に基づいてデータベース6Aに予め記憶した所定の資格要件をデータベース6Aから抽出し地元業者がその資格要件を満たすかどうかを判定するための審査シートを生成し、この生成手順により生成した審査シートを通信網を介して業者パソコン62に送信し審査シートの所定箇所への入力を促す。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建設機械の情報処理システムに係わり、さらに詳しくは、稼働現場が遠隔の辺境等であっても顧客側に対し十分なサービスを行うことができる建設機械の情報処理システム及び建設機械の情報処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
油圧ショベル等の建設機械においては、元来、サービス担当者が定期的に巡回して当該建設機械やこれを構成する各部品の稼働データ等を測定し、設計データや経験を基にして部品の寿命を推定し、故障発生を未然に防止するべくメンテナンスすべき時期等を各担当者ごとに管理していた。
【0003】
これに対し、近年の情報通信技術を利用し、全世界の建設機械の稼働データ等の情報を一カ所に送信させ、これを基に全建設機械の情報を集約し一元管理する建設機械の情報処理システムが既に知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この従来技術では、各建設機械において、その稼働状態を稼働センサによって稼働データとして検出し、この稼働データを稼働データ通信装置によって定期的に1カ所のサポートセンタに送信する。サポートセンタでは、送信されてきた稼働データを受信してメインデータベースに記録し、この稼働データに基づいて各建設機械ごとの故障発生有無を予測してレポートを自動出力するようになっている。このようなシステム構成とすることにより、故障予測にサービス担当者の熟練の必要がなくなり、常に一定の精度を持った故障予測を可能としている。
【特許文献1】
特開2000−259729号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
建設機械は、その性質上、屋外の過酷な環境で使用されるため、製造販売後の部品の修理交換、メンテナンス等の顧客へのサービス業務が特に重要であり、通常は、例えば各地方・地区ごとに分散配置された販売会社(いわゆるディーラー)・支社等がこの業務を行う。この販売会社等は常日頃から実際に顧客と接し、地域ごとや顧客ごとの固有の事情・環境等(自然環境、経済的環境、法的事情、文化背景、労働環境等)を熟知しており、これによって顧客側に十分満足のいくきめ細かい配慮での的確なサービスが可能となっている。
【0006】
ここで、建設機械の従事する工事によっては、その稼働現場が上記販売会社等の存在する場所から遠く離れた山奥の山村、辺境等の遠隔地となる場合がある。特に、新規な高速道路や鉄道の建設作業、鉱山での作業等においてそのような場合が生じやすい。上記従来技術においては、このような場合でもサポートセンタにおいてその建設機械の稼働状況を一元管理し、故障発生予測等を行うことはできる。しかしながら、上述したようにそのようなデータを基に実際にサービスを行うのは販売会社等であり、上記のような場合稼働現場に最も近い販売会社等であっても稼働現場まで大きな距離があるため、実際には顧客側に対し十分なサービスを行うのは困難となる。
【0007】
本発明は、上記の事柄に基づいてなされたものであり、その目的は、稼働現場が遠隔の辺境等であっても顧客側に対し十分なサービスを行うことができる建設機械の情報処理システム及び建設機械の情報処理方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、建設機械を所有する顧客にそのサービス情報を提供する建設機械の情報処理システムにおいて、建設機械の部品の修理交換に必要な作業能力及び機器・設備に関する所定の資格要件を記憶するデータベースと、建設機械の修理交換業者募集情報の受給者側の端末に、通信網で接続した建設機械の修理交換業者募集情報の提供側のサービスサーバとを有し、前記サービスサーバは、前記情報受給者側の端末に対し、前記建設機械の稼働位置又はこの稼働位置に係わる所定の範囲領域を表示するとともに、前記建設機械の所定の部位に係わる部品の修理交換作業の受注に応募するかどうかの入力を促す手順と、前記情報受給者側の端末からの応募情報を確認する手順と、この確認手順により受信した応募情報に基づいて、前記データベースに予め記憶した前記所定の資格要件を前記データベースから抽出する手順と、この抽出手順により抽出した前記資格要件に基づいて、前記情報受給者がその資格要件を満たすかどうかを判定するための審査シートを生成する手順と、この生成手順により生成した前記審査シートを前記通信網を介して前記情報受給者側の端末に送信し審査シートの所定箇所への入力を促す手順とを行う。
【0009】
本発明においては、顧客の建設機械の稼働現場が例えば販売会社等の存在する場所から遠く離れた山奥の山村、辺境等の遠隔地である場合には、その顧客に対するサービス(部品提供又は修理交換作業)を行える近在の業者を公募する。すなわち、例えば販売会社等のホームページに、上記建設機械の稼働位置又はこの稼働位置に係わる所定の範囲領域を表示するとともに建設機械のサービス対象部品の提供又はその部品の修理交換作業の受注に応募するかどうかを入力させる募集画面を表示する。そして、受注希望の入力を行う受注希望業者の応募があった場合、提供できる部品が所定のスペックを満たしているかどうか又は当該業者が部品の修理交換に必要な作業能力及び機器・設備等を有しているかどうか等、所定の資格要件を抽出して審査シートを生成しこれを業者側に送信して表示させ、シートの所定箇所へ入力させる。これにより、販売会社等は、応募業者が上記顧客へのサービスを行う者として適任であるかどうかの判断を行うことができるので、例えば最も適任であると判断した業者に対しその旨の認定証明を行うことで、販売会社等に代わって当該顧客へのサービスを委託することができる。このようにして、稼働現場が販売会社等から遠い遠隔の地となる場合であっても、その稼働現場から近い範囲内においてサービスを行うに適当な業者を募集して選任することにより、顧客側に対し十分なサービスを確保することができる。
【0010】
(2)上記目的を達成するために、また本発明は、建設機械を所有する顧客にそのサービス情報を提供する建設機械の情報処理システムにおいて、建設機械の修理交換の必要な部品に関する所定の資格要件を記憶するデータベースと、建設機械の部品納入業者募集情報の受給者側の端末に、通信網で接続した建設機械の部品納入業者募集情報の提供側のサービスサーバとを有し、前記サービスサーバは、前記情報受給者側の端末に対し、前記建設機械の稼働位置又はこの稼働位置に係わる所定の範囲領域を表示するとともに、前記建設機械の所定の部位に係わる修理交換の必要な部品の納入の受注に応募するかどうかの入力を促す手順と、前記情報受給者側の端末からの応募情報を確認する手順と、この確認手順により受信した応募情報に基づいて、前記データベースに予め記憶した前記所定の資格要件を前記データベースから抽出する手順と、この抽出手順により抽出した前記資格要件に基づいて、前記情報受給者がその資格要件を満たすかどうかを判定するための審査シートを生成する手順と、この生成手順により生成した前記審査シートを前記通信網を介して前記情報受給者側の端末に送信し審査シートの所定箇所への入力を促す手順とを行う。
【0011】
(3)上記目的を達成するために、また本発明は、建設機械を所有する顧客にそのサービス情報を提供する建設機械の情報処理システムにおいて、建設機械の修理交換の必要な部品とその修理交換に必要な作業能力及び機器・設備とに関する所定の資格要件を記憶するデータベースと、建設機械の部品納入・修理交換業者募集情報の受給者側の端末に、通信網で接続した建設機械の部品納入・修理交換業者募集情報の提供側のサービスサーバとを有し、前記サービスサーバは、前記情報受給者側の端末に対し、前記建設機械の稼働位置又はこの稼働位置に係わる所定の範囲領域を表示するとともに、前記建設機械の所定の部位に係わる修理交換の必要な部品の納入及びその修理交換作業の受注に応募するかどうかの入力を促す手順と、前記情報受給者側の端末からの応募情報を確認する手順と、この確認手順により受信した応募情報に基づいて、前記データベースに予め記憶した前記所定の資格要件を前記データベースから抽出する手順と、この抽出手順により抽出した前記資格要件に基づいて、前記情報受給者がその資格要件を満たすかどうかを判定するための審査シートを生成する手順と、この生成手順により生成した前記審査シートを前記通信網を介して前記情報受給者側の端末に送信し審査シートの所定箇所への入力を促す手順とを行う。
【0012】
(4)上記(1)乃至(3)のいずれかにおいて、前記サービスサーバは、前記情報受給者側の端末から送信された前記審査シートの所定箇所への入力情報を受信する手順と、この受信手順で受信した入力情報に基づいて、前記情報受給者が前記資格要件を満たすかどうかを判定する手順と、この判定手順で判定が満たされた場合には、前記修理交換作業を行う者、若しくは前記部品納入を行う者、若しくは前記部品納入及び前記修理交換作業を行う者として認定した旨の証明表示を生成する手順と、この生成手順で生成した前記証明表示を前記通信網を介して対応する前記情報受給者側の端末に送信する手順とを行う。
【0013】
(5)上記目的を達成するために、本発明は、建設機械の修理交換業者募集情報の受給者側の端末と、建設機械の修理交換業者募集情報の提供側のサービスサーバとを通信網で接続した建設機械の情報処理方法において、前記サービスサーバは、前記情報受給者側の端末に対し、前記建設機械の稼働位置又はこの稼働位置に係わる所定の範囲領域を表示するとともに、前記建設機械の所定の部位に係わる部品の修理交換作業の受注に応募するかどうかの入力を促す手順と、前記情報受給者側の端末からの応募情報を確認する手順と、この確認手順により受信した応募情報に基づいて、データベースに予め記憶した建設機械の部品の修理交換に必要な作業能力及び機器・設備に関する所定の資格要件を前記データベースから抽出する手順と、この抽出手順により抽出した前記資格要件に基づいて、前記情報受給者がその資格要件を満たすかどうかを判定するための審査シートを生成する手順と、この生成手順により生成した前記審査シートを前記通信網を介して前記情報受給者側の端末に送信し審査シートの所定箇所への入力を促す手順とを行う。
【0014】
(6)上記目的を達成するために、また本発明は、建設機械の修理交換業者募集情報の受給者側の端末と、建設機械の修理交換業者募集情報の提供側のサービスサーバとを通信網で接続した建設機械の情報処理方法において、前記サービスサーバは、前記情報受給者側の端末に対し、前記建設機械の稼働位置又はこの稼働位置に係わる所定の範囲領域を表示するとともに、前記建設機械の所定の部位に係わる修理交換の必要な部品の納入の受注に応募するかどうかの入力を促す手順と、前記情報受給者側の端末からの応募情報を確認する手順と、この確認手順により受信した応募情報に基づいて、データベースに予め記憶した建設機械の修理交換の必要な部品に関する所定の資格要件を前記データベースから抽出する手順と、この抽出手順により抽出した前記資格要件に基づいて、前記情報受給者がその資格要件を満たすかどうかを判定するための審査シートを生成する手順と、この生成手順により生成した前記審査シートを前記通信網を介して前記情報受給者側の端末に送信し審査シートの所定箇所への入力を促す手順とを行う。
【0015】
(7)上記目的を達成するために、また本発明は、建設機械の修理交換業者募集情報の受給者側の端末と、建設機械の修理交換業者募集情報の提供側のサービスサーバとを通信網で接続した建設機械の情報処理方法において、前記サービスサーバは、前記情報受給者側の端末に対し、前記建設機械の稼働位置又はこの稼働位置に係わる所定の範囲領域を表示するとともに、前記建設機械の所定の部位に係わる修理交換の必要な部品の納入及びその修理交換作業の受注に応募するかどうかの入力を促す手順と、前記情報受給者側の端末からの応募情報を確認する手順と、この確認手順により受信した応募情報に基づいて、データベースに予め記憶した建設機械の修理交換の必要な部品とその修理交換に必要な作業能力及び機器・設備とに関する所定の資格要件を前記データベースから抽出する手順と、この抽出手順により抽出した前記資格要件に基づいて、前記情報受給者がその資格要件を満たすかどうかを判定するための審査シートを生成する手順と、この生成手順により生成した前記審査シートを前記通信網を介して前記情報受給者側の端末に送信し審査シートの所定箇所への入力を促す手順とを行う。
【0016】
(8)上記(5)乃至(7)のいずれかにおいて、前記サービスサーバは、前記情報受給者側の端末から送信された前記審査シートの所定箇所への入力情報を受信する手順と、この受信手順で受信した入力情報に基づいて、前記情報受給者が前記資格要件を満たすかどうかを判定する手順と、この判定手順で判定が満たされた場合には、前記修理交換作業を行う者、若しくは前記部品納入を行う者、若しくは前記部品納入及び前記修理交換作業を行う者として認定した旨の証明表示を生成する手順と、この生成手順で生成した前記証明表示を前記通信網を介して対応する前記情報受給者側の端末に送信する手順とを行う。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の建設機械の情報処理システムの一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0018】
本実施形態は、一例として、多数の建設機械の稼働データ等を、携帯端末→稼働現場近くのユーザ側パソコン→主サーバで収集蓄積して一元管理するとともに、主サーバで各種分析を行って得た各種情報をディーラ等(後述)の中間サーバを介し適宜ユーザ側パソコンへ出力するという階層的な建設機械の管理システムが構築されていることを前提としている(後述の図3参照)。このとき、実際の各機械ごとのサービスについては、各地方・地区ごとに分散配置されたディーラ等のサービス担当者が各ユーザ側へ出向き、上記のようにして各ユーザ側パソコンへ出力されたデータやそのユーザ側現場で新たに得たデータに基づき、各種メンテナンスや技術説明等のサービスを行う。
【0019】
そして、本実施形態の要部は、上記の前提のもと、建設機械の稼働現場が上記ディーラ等の存在する場所から遠く離れた山奥の山村、辺境等の遠隔地で、既存のディーラ等から大きな距離がありそのままでは十分なメンテナンス等のサービスを行うのが困難である場合に、比較的近距離で十分な技術能力を有しあるいは十分な品質の部品を供給可能な工場等を新たに上記システムの構成員として認定し、上記ディーラ等に代わって当該機械に対するサービスを行うことにある。
【0020】
(1)建設機械の管理システム
まず、本実施形態の前提となる上記建設機械の管理システムについて以下に説明する。
図1は、上記建設機械の管理システムの全体概要図であり、この管理システムは、市場で稼動している複数の油圧ショベル(図1では代表として1つのみを図示)1に搭載された機体側コントローラ2と、このコントローラ2に例えばケーブル3aを介して接続(無線方式でもよい)可能な携帯端末3と、例えば上記油圧ショベル1の稼働現場近くの事務所等内に配置され、前記携帯端末3にケーブル3aを介して接続(無線方式でもよい)可能な情報端末(パソコン、以下、ユーザ側パソコンという)4と、例えば油圧ショベル1の製造メーカ(又はこのメーカの委託を受けた情報管理会社等)に設置される主サーバ5と、例えば中小規模の領域(一国、一地方、一都道府県等)ごとに設けられ、各ユーザ(顧客)に対し直接メンテナンス等のサービス業務を行っている販売会社(ディーラ)、支社、代理店等(以下、ディーラ等という)に設置される中間サーバ6とを備えており、上記ユーザ側パソコン4、主サーバ5、及び中間サーバ6は、互いに通信回線(例えば公衆回線を用いたインターネット等)を用いた情報通信により接続されている。
【0021】
油圧ショベル1は、走行体12と、走行体12上に旋回可能に設けれられた旋回体13と、旋回体13の前部左側に設けられた運転室14と、旋回体13の前部中央に俯仰動可能に設けられたフロント作業機(掘削作業装置)15とを備えている。フロント作業機15は、旋回体13に回動可能に設けられたブーム16と、このブーム16の先端に回動可能に設けられたアーム17と、このアーム17の先端に回動可能に設けられたバケット18とで構成されている。
【0022】
なお、図1においては、油圧ショベル1は、機体重量数百トンクラスで例えば海外の鉱山等において用いられることの多いいわゆる超大型ショベルや大型ショベルを例にとって図示しているが、本発明の適用対象としてはこれに限られるものではない。すなわち、日本国内において各種建設工事現場等において最も活躍する機体重量数十トンクラスのいわゆる中型ショベル(後述の図2や図3の図示参照)や、小規模工事現場で活躍するそれよりさらに小型のいわゆるミニショベル等に適用してもよい。
【0023】
図2は、図1に示した本発明の建設機械の情報処理システムの一実施形態の適用対象である油圧ショベル1に搭載された油圧システムの一例の概略構成をセンサ類とともに表す図である。
【0024】
この図2において、油圧ショベル1に搭載された油圧システム20は、例えば、油圧ポンプ21a,21bと、ブーム用コントロールバルブ22a,22b、アーム用コントロールバルブ23、バケット用コントロールバルブ24、旋回用コントロールバルブ25、走行用コントロールバルブ26a,26bと、ブームシリンダ27、アームシリンダ28、バケットシリンダ29、旋回モータ30、走行モータ31a,31bとを備えている。
【0025】
油圧ポンプ21a,21bはいわゆる電子ガバナタイプの燃料噴射装置(図示せず)を備えたディーゼルエンジン(以下、単にエンジンという)32により回転駆動されて圧油を吐出し、コントロールバルブ(制御弁)22a,22b〜26a,26bは油圧ポンプ21a,21bから油圧アクチュエータ27〜31a,31bに供給される圧油の流れ(流量及び流れ方向)を制御し、油圧アクチュエータ27〜31a,31bはブーム16、アーム17、バケット18、旋回体13、走行体12の駆動を行う。これら油圧ポンプ21a,21b、コントロールバルブ22a,22b〜26a,26b及びエンジン32は旋回体13の後部の収納室(エンジン室)に設置されている。
【0026】
コントロールバルブ22a,22b〜26a,26bに対して操作レバー装置33,34,35,36が設けられている。操作レバー装置33の操作レバーを十字の一方向X1に操作するとアームクラウドのパイロット圧又はアームダンプのパイロット圧が生成されてアーム用コントロールバルブ23に印加され、操作レバー装置33の操作レバーを十字の他方向X2に操作すると右旋回のパイロット圧又は左旋回のパイロット圧が生成され、旋回用コントロールバルブ25に印加される。
【0027】
操作レバー装置34の操作レバーを十字の一方向X3に操作するとブーム上げのパイロット圧又はブーム下げのパイロット圧が生成されてブーム用コントロールバルブ22a,22bに印加され、操作レバー装置34の操作レバーを十字の他方向X4に操作するとバケットクラウドのパイロット圧又はバケットダンプのパイロット圧が生成され、バケット用コントロールバルブ24に印加される。また、操作レバー装置35,36の操作レバーを操作すると、左走行のパイロット圧及び右走行のパイロット圧が生成され、走行用コントロールバルブ26a,26bに印加される。なお、操作レバー装置33〜36はコントローラ2とともに運転室14内に配置されている。
【0028】
以上のような油圧システム20にセンサ40〜49が設けられている。センサ40は、フロント作業機15の操作信号としてこの例ではアームクラウドのパイロット圧を検出する圧力センサであり、センサ41は旋回操作信号としてシャトル弁41aを介し取り出された旋回パイロット圧を検出する圧力センサであり、センサ42は走行操作信号としてシャトル弁42a,42b,42cを介して取り出された走行のパイロット圧を検出する圧力センサである。
【0029】
センサ43はエンジン32のキースイッチのON・OFFを検出するセンサであり、センサ44はシャトル弁44aを介して取り出された油圧ポンプ21a,21bの吐出圧力、即ちポンプ圧を検出する圧力センサであり、センサ45は油圧システム20の作動油の温度(油温)を検出する油温センサである。センサ46は、エンジン32の回転数を検出する回転数センサである。センサ47aは、エンジン32の燃料噴射装置によって噴射される噴射量(いいかえれば燃料消費量)を検出する燃料センサであり、センサ47bは、エンジン32のシリンダのブローバイ圧を検出する圧力センサであり、センサ47cはエンジン32を冷却する冷却水(ラジエータ水)の温度を検出する温度センサである。センサ48は、フロント作業機15による掘削圧力としてこの例ではバケットシリンダ29(若しくはアームシリンダ28でもよい)のボトム側の圧力を検出する圧力センサであり、センサ49aは走行圧力すなわわち走行モータ31a,31bの圧力(例えば図示しないシャトル弁を介し2つのうちの最高圧を求めてもよい)を検出する圧力センサであり、センサ49bは旋回圧力すなわち旋回モータ30の圧力を検出する圧力センサである。これらセンサ40〜49の検出信号は、いずれもコントローラ2に送られ収集される。
【0030】
コントローラ2は、各油圧ショベル1の部位ごとの機械稼働に係わるデータ(以下、単に稼働データという)を収集する(詳細は後述)ためのものである。
【0031】
図3は、図1に示した建設機械の管理システムにおける情報の流れを概念的に示した図である。
【0032】
図3において、各油圧ショベル1の機体側コントローラ2は、詳細な図示を省略するが、上述したセンサ40〜49より、フロント作業機15、旋回、走行のパイロット圧の検出信号、エンジン32のキースイッチONの検出信号、ポンプ21a,21bのポンプ圧の検出信号、油温の検出信号、エンジン32の回転数検出信号、冷却水温度検出信号、掘削圧力検出信号、走行圧力検出信号、燃料消費量検出信号、ブローバイ圧力検出信号、旋回圧力検出信号をそれぞれ入力し、これらを基に、油圧ショベルの部位毎の稼動時間(例えば、フロント操作時間、旋回操作時間、走行レバー操作時間と、平均ポンプ吐出圧、平均油温、平均エンジン回転数、平均燃料消費量、平均エンジンブローバイ圧、平均冷却水温、平均掘削圧力、平均走行圧力と、平均エンジン稼働時間)を算出し、稼働データとして図示しないメモリに格納する。
【0033】
上記のようにして各油圧ショベル1のコントローラ2のメモリに格納された稼働データは、携帯端末3(図1参照)を持参して油圧ショベル1のコントローラ2にケーブル3aを介し接続し、携帯端末3(又はコントローラ2)側で所定の操作をすることにより、ケーブル3aを介し機体データ(機種、号機番号等)とともに携帯端末3にダウンロードされる。
【0034】
携帯端末3へダウンロードされた稼働データは、その後コントローラ2へのケーブル3aを取り外し、携帯端末3を持ち運びケーブル3aを介しユーザ側パソコン4へ接続して携帯端末3(又はユーザ側パソコン4)で所定の操作をすることにより、さらにユーザ側パソコン4にダウンロードされる。
【0035】
ユーザ側パソコン4へダウンロードされた上記稼働データ及び機体データは、まず、ユーザ側パソコン4において、予め組み込まれた(あるいはディーラ等側より適宜配布されインストールされた)アプリケーションプログラムによって加工処理され、自車の稼働状況を表すサービス情報として所定の態様にて表示される。
【0036】
一方、ユーザ側パソコン4へダウンロードされた稼働データ及び機体データはまた、例えばディーラ等のホームページにアクセスしたときにユーザ側パソコンに新しいデータが格納されているかどうかが中間サーバ6を介し主サーバ5側から自動検索され、新データが見つかったら、ユーザ側の了解を得てその都度ユーザ側パソコン4から主サーバ5へと未加工の状態で吸い上げる。なおこのとき、油圧ショベル1の稼働データ・機体データに加え、定期点検時の点検データや修理データ等をディーラ等のサービス担当者(サービスマン)が手入力し収集することもでき、そのデータも主サーバ5に取り込んでもよい。
【0037】
この主サーバ5は、入出力インターフェース5a,5bと、CPU5cと、データベース5Aを形成する記憶装置5dとを備えている。入出力インターフェース5aは、全油圧ショベル1に対応する全ユーザ側パソコン4からの稼働データ・機体データを入力する。このとき併せて、製造メーカ側の社内コンピュータ(図示せず)やディーラ等の中間サーバ6より別途各油圧ショベル1の部品の修理交換データも入力する。
【0038】
CPU5cはそれらの入力データを記憶装置5dのデータベース5Aに格納、蓄積すると共に、データベース5Aに格納した情報を加工して主として部品の修理交換等メンテナンスに関する各種分析(詳細は後述)を行う。そして、その分析に基づき、油圧ショベル1の特定の部品について、予定販売価格等(詳細は後述)を決定しこれらを入出力インターフェース5bを介して中間サーバ6に送信する。
【0039】
なお、図示しないが、主サーバ5はまた、キーボード部5B及びマウス5Cの操作に基づき、全油圧ショベル1について、上記ユーザ側パソコン4と同様の表示画面を表示部5Dに表示させることができるようになっている。
【0040】
図4は、主サーバ5の主たる機能を表す機能ブロック図である。主サーバ5は、機体・稼働データ処理部50、製品入れ替え・部品修理交換データ処理部51、販売計画策定部53の各処理機能を有している。
【0041】
機体・稼働データ処理部50は、まず一の機能として、前述の稼働データ・機体データそのものを未加工のまま中間サーバ6へ送信する。各油圧ショベル1の稼働データは、対応する(当該油圧ショベル1の使用者へのサービスを行うディーラ等の)中間サーバ6から、さらに対応する(当該油圧ショベル1の使用者の)ユーザ側パソコン4へ送信される。具体的には、例えば、主サーバ5にて収集された全油圧ショベル1の稼働データ・機体データのうち、少なくとも自己で保有・使用・管理する等の自己に係わる油圧ショベル1のデータに関しては、ユーザ側パソコン4で所定の操作をする(例えばディーラ等のホームページにアクセスし所定の画面にてダウンロードボタンをクリックする)ことにより、ユーザ側パソコン4(中間サーバ6も同様)へとダウンロードされる。
【0042】
また機体・稼働データ処理部50は、他の機能として、ユーザ側パソコン4から入力した稼働データを用いて、稼動時間に対する稼動台数の分布データを油圧ショベルの機種毎、部品毎に算出し、この分布データに基づいて稼動台数の分布図を作成する。そして、このように作成した分布図を表示部5D(又は社内コンピュータでもよい)に表示する。
【0043】
製品入れ替え・部品修理交換データ処理部51は、中間サーバ6又は社内コンピュータ等から入力した製品入れ替え・部品修理交換データを用いて、稼動時間に対する入れ替え台数の分布データを算出し、このデータに基づいて入れ替え台数の分布図を作成する。また稼動時間に対する過去の部品修理交換個数の分布データを算出し、この分布データに基づいて部品修理交換個数の分布図を作成する。
【0044】
販売計画策定部53は、上記のようにして機体・稼働データ処理部50、製品入れ替え・部品修理交換データ処理部51で作成した油圧ショベルの稼働時間別台数分布図、各部品ごとの稼働時間別台数分布図、油圧ショベル入れ替え台数の稼働時間別分布図、部品修理交換個数の部位稼働時間別分布図を参考にして、現状のまま推移した場合に修理交換対象となる例えばフロント作業機や走行体に係わる部品の個数を予測し(需要予測)、これに基づき油圧ショベルの特定の部品の販売計画を策定する。
【0045】
さらに、販売計画策定部53は、上記機体・稼働データ処理部50、製品入れ替え・部品修理交換データ処理部51で作成された情報に基づき、修理交換時期が複数の油圧ショベル1で互いに略同一となる特定の部品を認定し、この認定した部品についてその数量に応じ予定販売価格を決定する。そして、上記認定した部品のうちの少なくとも一部のものについて、各顧客の保有する機械ごとの今後の機械管理費用の推移と今後の機械価値の推移とに基づき上記修理交換時期以前の割引販売(キャンペーン)期間とこの割引販売期間における割引販売価格(キャンペーン価格)とを決定する。そして、それら予定販売価格、割引販売期間、割引販売価格等を、対応する油圧ショベル1の顧客に対するディーラ等のサービスのための基礎情報として、中間サーバ6に出力する。
【0046】
図3に戻り、各中間サーバ6は、主サーバ5と同様、入出力インターフェース6a,6bと、CPU6cと、データベース6Aを形成する記憶装置6dとを備えている。なおデータベース6Aは外部記憶装置としても良い。
【0047】
入出力インターフェース6aは、そして、油圧ショベル1の特定の部品についてサーバ5にて決定された前述の予定販売価格、キャンペーン価格(割引販売価格)、キャンペーン期間(割引販売期間)等の各種情報を主サーバ5から入力する。また、前述の稼働データ・機体データそのものについても未加工のまま主サーバ5から入力する。
【0048】
CPU6cはそれらの入力データを記憶装置6dのデータベース6Aに格納、蓄積すると共に、上記予定販売価格、キャンペーン価格(割引販売価格)、キャンペーン期間(割引販売期間)等の各種情報に基づき、各顧客へのサービス情報としての部品販売の案内状を作成し、これらを入出力インターフェース5bを介して各顧客のユーザ側パソコン4に例えば電子メールで送信する(ユーザ側パソコン4から中間サーバ6のホームページ(ディーラ等ホームページ)にアクセスし、ユーザ側パソコン4からの操作でダウンロードする等でも良い)。
【0049】
また、前述の稼働データ・機体データそのものについても未加工のままユーザ側パソコン4へ送信する(例えば上記同様、ユーザ側パソコン4から中間サーバ6のホームページにアクセスして自己使用号機についてのデータをダウンロードする等)機能も併せ持っている。なおこのとき、全く未加工でなく、例えば予めディーラ等ホームページに稼働データ・機体データを自国の言語の説明つきで表示させるためのテンプレートやフォームを設けておき、主サーバ5からの上記稼働データ・機体データをそのテンプレート等にはめ込む等の若干の加工をしてユーザ側パソコン4に提供するようにしてもよい。あるいは主サーバ5からの上記稼働データ・機体データ中に含まれる言語部分のみを中間サーバ6で翻訳してユーザ側パソコン4に提供することも考えられる。
【0050】
なお、中間サーバ6はまた、例えばキーボード部6B及びマウス6Cの操作に基づき、全油圧ショベル1のうち当該ディーラ等がサービスを直接又は間接に担当する油圧ショベル1について、上記ユーザ側パソコン4と同様の表示画面を表示部6Dに表示させることができるようになっている。
【0051】
また、この中間サーバ6は、主サーバ5とユーザ側パソコン4との間に1つだけ介在するのでなく複数設け、さらに階層的にデータが流れるようにしてもよい。この場合、例えば、主サーバ5から複数の上記ディーラ等を統括管理する者(販売会社総本店、総代理店等)に設置される中間サーバ6にデータが出力され、この中間サーバ6から上記ディーラ等の中間サーバ6にデータが出力される。
【0052】
以上のようにして、ユーザ側パソコン4では、電子メールを介した中間サーバ6からの案内状や、未加工の稼働データ・機体データそのものがユーザ側パソコン4で受信される結果、対応する油圧ショベル1(1つとは限らない。複数所有又は使用する場合にはそれら全部)に関する案内状や、前述した油圧ショベル1に係わる各表示画面を表示部4Dに表示させることができる。顧客(使用者等)側は、この表示部4Dの各種表示を見て、必要に応じその情報内容、表示態様等に関し説明・分析等をディーラ等側に求め、ディーラ等はこれに応じて説明・分析のために顧客側に赴き、質問・要望等に対応する。
【0053】
以上のように、この管理システムでは、ディーラ等は主サーバ5からの情報を基に自己の判断で、前述したように、例えばディーラ等のホームページにアクセスし所定の画面にてダウンロードボタンをクリックすることによりユーザ側パソコン4等側において最終的なサービス情報を所定の態様で表示されるようにしたり、あるいは、上記情報を送信するユーザを取捨選択して制限し一部のユーザには上記ダウンロードができないようにロックするようにしたり、ダウンロード用の画面自体が表示されないようにもする。すなわち、主サーバ5側(製造メーカ側)の機能は、多数の油圧ショベル1側からのデータ受信及び収集とこれを配信することのみにとどめ、これを基に最終的に顧客(ユーザ)に対し例えばどのようなサービス内容を提供するか等については、顧客に最も近いサービス従事者である中間サーバ6側(ディーラ等側)に任せる体制とすることで、顧客側に対し細かい配慮で十分満足のゆく的確なサービスを行う。
【0054】
具体的には、ディーラ等のサービス担当者は定期的にあるいはユーザ側からの求めに応じて稼動現場に赴き、常日頃から顧客(使用者等)側に接してその状況・要請等を把握する。そしてそれらに応じ自己の能力及び判断で各油圧ショベル1について的確な部品修理・部品交換等を行うとともに、油圧ショベル1に関するデータ処理、ユーザ側パソコン4に最終的に表示したサービス情報の情報内容・表示態様等に関する説明・分析、質問・要望等への対応を行う。
【0055】
また、多数の油圧ショベル1の修理交換時期予測が可能であるというスケールメリットを生かし、特定部品の修理・交換を多数の油圧ショベル1分一括してまとめて行うことで生産性・流通効率等を向上させ、各油圧ショベル1ごとでみた修理・交換コストを著しく低減し、顧客側の負担を大きく低減する。このとき、特定の部品については、割引販売期間(キャンペーン期間)と割引販売価格(キャンペーン価格)とを決定してユーザ側パソコン4へ表示させることにより、ディーラ等にとっては先行予約による確実な収益確保及び販売促進を図り、顧客側にとってはキャンペーン価格設定によるさらなるコスト負担低減を図る。
【0056】
なお、図3中の油圧ショベル1′はディーラ等の存在する場所から遠く離れた遠隔地にて稼働しているものであり、従来はそのためにディーラ等によるサービス担当者派遣が困難であったが、本実施形態の情報処理システムによって認定工場等(詳細は後述)が設定された結果、その認定工場等からのサービス担当者派遣が可能となるものである(詳細は後述)。
【0057】
(2)工場等の認定による管理システムの拡充・補完
上記のような管理システムにおいて、前述の油圧ショベル1′のように、稼働現場が上記ディーラ等の存在する場所から遠く離れた山奥の山村、辺境等の遠隔地で、既存のディーラ等から大きな距離がある場合には、上記の各種情報収集・出力機能を備えたコントローラ2を搭載していても、ディーラ等のサービス担当者がその現場まで日常的に訪問することが困難であるため、この油圧ショベル1′についての稼働データ等を収集すること及びこれに基づき管理することは困難である。
【0058】
本実施形態では、このような油圧ショベル1′について、比較的近距離で十分な技術能力を有しあるいは十分な品質の部品を供給可能な工場等を認定し、上記ディーラ等に代わってサービスを行うことにより、この油圧ショベル1′についても、その認定工場等を介して上記管理システムに組み入れ、当該機械に対する十分なサービスを行えるようにする。本実施形態の要部は、当該その油圧ショベル1′の比較的近い範囲にある地元の各種工場、修理業者等(以下、地元業者等という)の中から、そのサービスを担当する工場を公募し、その資格要件の審査に合格したものを担当工場として認定するための情報処理システムにある。
【0059】
図5は、本実施形態の情報処理システムの全体概要図であり、油圧ショベル1′を本来であれば担当すべき事情にあるディーラ等に設けられた上記中間サーバ(サービスサーバ)6と、この中間サーバ6にLAN、経路制御装置61、及び電話回線等を介したインターネットにより接続される地元業者等のパソコン(各種端末)62a,62b,62c,62d,…等により構成される。各パソコン62は、特に詳細な図示を行わないが、それぞれCRTやLCD等の表示部やキーボード、マウス等の入力部を備えている。
【0060】
前述したように、中間サーバ6は、各部の制御や、データの転送、種々の演算等を行うCPU6aと、データの一時的な格納等を行なうRAM(図示せず)と、制御プログラム等を格納したROM(図示せず)、LAN及びインターネットを介しパソコン (以下、業者パソコン)62とのデータ入出力を制御する入出力インターフェース(I/O)6a,6bと、記憶装置6dとを備えている(図3参照)。
【0061】
図6は、上記記憶装置6dに格納、記憶されたデータベース6Aのファイルデータの一例を示すものである。この図6に示すように、データベース6Aには、審査シートファイル71、地図ファイル72、画像ファイル73、応募者答案ファイル74、資格概要ファイル75、応募者情報ファイル76が備えられている。なお、これらデータの詳細については、後述する。
【0062】
以下、その情報提供方法の詳細を、業者パソコン62における表示画面の流れを表す図7を用いて、順次説明する。
【0063】
図7において、業者パソコン62が中間サーバ6のホームページへアクセスすると、そのメイン画面100が表示される(正確には、中間サーバ6から業者パソコン62に表示情報信号を出力し、業者パソコン62がその信号を受信し情報に基づき表示を行う。以下すべて同様)。この画面100における各種お知らせ・ボタン等の表示中に、「公認工場募集のお知らせ」ボタン101が例えば文章・記事形式で表示されており、業者パソコン62を操作する者がこのボタン101を画面上で手動操作(例えばクリック、以下同様)すると、稼働地表示画面110に移る。
【0064】
稼働地表示画面110では、今回募集する工場のサービス(部品供給又は部品の修理交換)対象となる油圧ショベル1′が稼働している、山奥の山村、辺境等の遠隔地の位置(稼働位置)を含むその周辺の地図を、データベース6Aの上記地図ファイル72を用いて地図上に一覧表示し、油圧ショベル1′の所定の部位(後述)に係わる所定の部品の納入の受注、あるいは所定の部品の修理交換の受注に応募するどうかの入力を促す。
【0065】
図7の例では、画面110中に稼働位置周辺の地形図を表示するとともに画面中央に稼働位置を×印で表している。
【0066】
このとき、例えば募集にあたっての稼働位置からの距離条件をディーラ等で決定しているときは、これを併せて表示するようにしてもよい。例えば直線距離で○○km以内という条件なら、その直線距離を半径とする円を境界線として併せて表示する、地形図のうちその円内部分のみを表示する、その円内のみを色分け表示する、等が考えられる。あるいは、予め稼働位置周辺における指定領域を定めて表示するようにしてもよい。例えば対象とする行政区分(あるいはこれに準ずる区分)のみを表示する、その領域のみを色分け表示する:等が考えられる。なお、このとき、図示のように地図表示するのに限られず、所在地条件を文字情報やリスト形式で画面上に表示する(××地から半径○○km以内、対象エリアは○○村、□□村、△△村、等)等でもよい。
【0067】
また、この募集時においては特にディーラ等側からは地元業者等の所在地に対する条件を提示せず、油圧ショベル1′の稼働位置のみを示し(地図表示、文字等表示)、当該機体がサービス可能な距離にあるかどうか等の判断は各地元業者等にゆだねる形でもよい。
【0068】
上記表示を見て、地元業者等が受注応募を意図する場合には、画面110に設けた応募ボタン111をクリックすると、技術分野入力画面120に移る。
【0069】
技術分野入力画面120では、データベース6Aの上記画像ファイル73を用いて、油圧ショベルのイメージ図を表示すると共に、併せて今回募集する部品又は部品修理交換に係わる技術分野の名称をそのイメージ図に重ねるようにして表示し、地元業者等側に応募情報の1つとしての技術分野の選択入力を促す。この例では、「油圧機器」「溶接構造物」「エンジン」「電子機器」の4つの分野を表示している。
【0070】
「油圧機器」分野は、例えば、ブーム用油圧シリンダ、アーム用油圧シリンダ、バケット用油圧シリンダ、旋回用油圧モータ、走行用油圧モータ等の油圧アクチュエータ、これらの油圧源となる油圧ポンプ、この油圧ポンプから上記油圧アクチュエータまでの圧油の流れを制御するコントロールバルブ、これらの間を接続する配管、シール等を含む油圧回路全般を取り扱う(部品自体の納入、補修、修理交換等)内容である。
【0071】
「溶接構造物」分野は、例えば、上部旋回体のカバーや旋回フレーム、下部走行体のトラックフレーム、ブーム・アーム等の作業腕、バケット等の掘削作業具といった各種溶接構造物を取り扱う(部品自体の納入、溶接作業による補修、修理交換等)内容である。
【0072】
「エンジン」分野は、例えば、上記油圧ポンプを駆動するエンジン全般に係わるものであり、詳細には、シリンダブロックを備えた燃焼関係と、それ以外にも吸気系、燃料供給系、冷却系、潤滑系等の周辺部を含みエンジン全体を取り扱う(部品自体の納入、補修、修理交換等)内容である。
【0073】
「電子機器」分野は、例えば、運転室内の各種制御機器・表示機器、あるいは上記油圧機器やエンジンの制御系・電装品を含み、電子機器全般を取り扱う(部品自体の納入、補修、修理交換等)内容である。
【0074】
地元業者等が上記画面120内の「油圧機器」「溶接構造物」「エンジン」「電子機器」の技術分野選択ボタン121a〜dのいずれかをクリックすると、受注態様入力画面130に移る。
【0075】
受注態様入力画面130は、地元業者等が、メンテナンス用部品の納入のみを希望するのか、修理交換作業のみを希望するのか、その両方を希望するのかを、応募情報の1つとして選択入力を促す画面であり、これに対応して「部品納入」ボタン131a、「修理・交換」ボタン131b、「部品納入・修理交換」ボタン131cが設けられている。地元業者等がこれらボタン131a〜cのいずれか1つをクリックすると、資格概要表示画面140に移る。
【0076】
なお、以上は、稼働地表示画面110での表示→技術分野入力画面120における入力→受注態様入力画面130という手順としたが、これに限られず、例えば技術分野入力画面120における入力→受注態様入力画面130おける入力を先に行った後、上記稼働地表示画面110を行って所在地条件等を明示するようにしても良い。この順序とすると、特に、ひとつの油圧ショベル1′に対しその技術分野(後述)や受注態様(後述)によって上記ディーラ等側から地元業者等側に要求する所在地条件が変わる(例えばある技術分野若しくは受注態様では半径○○km以内でも構わないが、別の技術分野若しくは受注態様では半径××km以内としたい、等)場合に、有効である。
【0077】
資格概要表示画面140では、上記技術分野入力画面120及び受注態様入力画面130の入力結果が確認された後、当該技術分野の当該受注態様においてどのような技術的作業能力が要求されるか、部品についてどの程度の技術的水準・精度が要求されるか、どのような機器・設備が必要か、等(=資格要件)の概略要求データがデータベース6Aの上記資格概要ファイル75を用いて抽出され、表示される。
【0078】
図7では、技術分野入力画面120で「電子機器」を受注態様入力画面130で「修理交換」を選択した場合の例を示しており、この場合には、例えば、「電気工学又は電子工学関係の大学卒業者」「電気又は電子関係の有資格者」「電気・電子メーカ勤務経験○年以上」「ハンダ付け作業の経験○年以上」「電気回路製造に関する作業経験△年以上」「コンピュータプログラム作成能力の有無」といった地元業者等に希望する事項を表示する。あるいは、「断線・短絡発生時の回路接続作業」「ヒューズ交換作業」「制御プログラムバージョンアップ時のインストール作業」「稼働データ等のダウンロード作業」等、実際にどのような作業をやってもらうかをある程度具体的に表示することも考えられる。
【0079】
なお、詳細な説明を省略するが、他の技術分野や受注態様でも同様である。
【0080】
上記表示を見た上で、さらに地元業者等が受注応募を意図する場合には、画面140に設けた応募ボタン141をクリックすると、応募者情報入力画面150に移る。
【0081】
応募者情報入力画面150では、応募者(すなわち地元業者等)の業者名(または個人名、団体名、機関名等)、業種(電気工事業、油圧機器製造業、自動車修理業、溶接工事業、等)、所在地、連絡先(電話番号、電子メールアドレス等を含む)などからなる応募者情報の入力を促す。地元業者等がこれらの情報を入力した後、例えば「確定」ボタン151をクリックすると、確定された各情報の内容が中間サーバ6へ送信され、応募者番号を付され上記応募者情報ファイル76として直ちにデータベース6A内に格納記憶される(図6参照)。
【0082】
なおこのとき、上記画面150にて地元業者等が入力した所在地情報が、データベース6A内の地図ファイル72に記憶された地図情報を用いて地図データ上の座標値情報(位置データ)として認識設定され、応募者情報ファイル76にはその位置データも併せて書き込まれ、記憶されるようにしてもよい。
【0083】
以上の手順が終了すると、審査シート画面160に移る。
【0084】
審査シート画面160では、データベース6Aの上記審査シートファイル71を用いて、上記技術分野入力画面120及び受注態様入力画面130の入力結果に応じ、当該技術分野の当該受注態様において当該応募者が資格要件を満たしているかどうかを審査するための審査シート(テスト形式)が生成されて表示され(所定箇所への入力を促す形で)る。この審査シートの詳細について、図8〜図11を用いて説明する。
【0085】
(3)審査シート
図8〜図11は、技術分野入力画面120で「電子機器」を受注態様入力画面130で「修理交換」を選択した場合の審査シート(問題用紙)の一例を示すものであり、図8、図9、図10、図11がそれぞれ大きな1つの設問となっており、このテストは合計で4つの設問で構成されている。
【0086】
図8に示す第1の設問は、空所に該当する正答の選択肢を選ぶ形式の設問である。電熱線の電圧−電流特性が図中に示された上で、(1)20Vの電圧を加えたときに流れる電流値はいくらか、(2)電圧と電流の関係はどのような関係にあるか及びこの法則を何というか、が問われている。選択肢は下部の囲みの中に「A;0.15A」「B;1.5A」「C;15A」「D;比例関係(proportion)」「E;反比例関係(inverse proportion)」「F;オーム」「G;フレミング」の合計7つが設けられている。
【0087】
図9に示す第2の設問は、空所に該当する数値を入力する形式の設問である。13.2Vの電源、10Ωの抵抗2個、20Ωの抵抗2個、スイッチS1,S2、及び電流計を備えた簡単な回路が図中に示された上で、(1)スイッチS1のみを閉じた場合に電流計は何アンペアをさすか、(2)スイッチS2のみを閉じた場合に電流計は何アンペアをさすか、(3)スイッチS1,S3を閉じた場合に電流計が0.6アンペアをさした場合に位置Aと位置Bとの間の電圧は何ボルトか、及び位置Pを流れる電流は何アンペアとなるか、が問われている。
【0088】
図10に示す第3の設問も、空所に該当する数値を入力する形式の設問である。電源、8Ωの3個の抵抗R1,R2,R3、抵抗値不明の抵抗R4、及び2個の電流計を備えた回路が図中に示された上で、電流計1が5アンペア、電流計2が2Aをさしたとした場合に、(1)同一電流値が流れる抵抗はどれとどれか、(2)抵抗R3を流れる電流値は何アンペアか、(3)抵抗R4に印加される電圧は何ボルトか、(4)抵抗R4の抵抗値は何オームか、(5)図中の電源の両端部間の電圧は何ボルトであるか、が問われている。
【0089】
図11に示す第4の設問は、空所に該当する正答の選択肢を選ぶ形式の設問である。直流電源、同一材質で断面積のみが異なる抵抗H1,H2、スイッチ、電圧計、及び電流計を備えた回路が図1に示された上で、スイッチをオンしたときに電圧計が6ボルト、電流計は500mAの端子に接続して図2に示す表示状態であり、抵抗H1とH2の抵抗比が1:4であるとした場合に、(1)図2に示す電流値は何アンペアの表示であると読めるか、(2)抵抗H1とH2の断面積比はいくらか、(3)抵抗H1の抵抗値は何オームか、及び直流電源の電圧は何ボルトか、が問われている。選択肢は下部の囲みの中に「▲1▼10.5」「▲2▼150」「▲3▼4:1」「▲4▼1:4」「▲5▼16:1」「▲6▼1:16」「▲7▼10」「▲8▼7.5」の合計8つが設けられている。
【0090】
なお、以上は、地元業者等がディーラ等のホームページにアクセスしてそのまま審査シートを入手して回答する場合を例にとって説明したが、これに限られず、例えば、地元業者が入力した応募者情報に基づき、後日(後刻)電子メールで送付するようにしても良い。
【0091】
審査シートにおいて地元業者等が各設問に答案を入力(あるいは選択入力)した後、例えば「回答終了」ボタン(図示せず)をクリックすると、確定された各回答の内容が中間サーバ6へ送信され、応募者番号を付され上記応募者答案ファイル74として直ちにデータベース6A内に格納記憶される。なお、このとき別途上記応募者情報ファイル76と関連づけた形で格納しても良い。
【0092】
このようにして各応募者の回答情報を得たディーラ等の中間サーバ6では、その内容を採点し、サービスを任せるに足る合格基準(例えば正答率、若しくはそれに加えて回答時間の短さ等)を勘案し、全応募者の中から当該技術分野及び受注態様を発注するのに最適な一の者を選択する。そして、対応する所定の修理交換を行うもの又は部品納入を行うもの、あるいはその両方を行うものとして認定した旨の認定証を生成し、当該地元業者等の業者パソコン62に例えば電子メールで送付する。それ以外の応募者の業者パソコン62には、今回は残念ながら認定工場等としての選から漏れた旨のお知らせを合わせて電子メール等により送付することが好ましい。
【0093】
なお、上記採点行為、選択行為、認定証送付行為等は中間サーバ6の担当操作者が手動操作で行っても良いし、あるいは、自動プログラムを中間サーバ6に予め組み込んでおき、所定期間内における審査シート回答受付→採点→合格者選択まで、さらには認定証送付までをすべて自動的に行うようにしても良い。また、認定証送付は必ずしも行わず、単に認定した(取引を依頼する)旨の連絡を何らかの形で行うにとどめる(事実上の認定にとどめる)ようにしてもよい。
【0094】
以上のようにして油圧ショベル1′のサービス業者として認定された地元業者等(以下、認定業者という)のパソコン62は、ユーザIDの認証等所定の手続を経た後、図3を用いて説明した前述の管理システムにおいて、ディーラ等に代わり、当該油圧ショベル1′のサービス担当者として業務を遂行する。
【0095】
すなわち、遠隔地にある油圧ショベル1′のコントローラ2からの稼働データは、この油圧ショベル1′のユーザ又は上記認定業者が携帯端末3を持参することで機体データと共に携帯端末3にダウンロードされ、さらにユーザ側パソコン4′にダウンロードされる。これらダウンロードされた稼働データ及び機体データは、ユーザ側パソコン4′において、予め組み込まれた(あるいはディーラ等又は認定業者側より適宜配布されインストールされた)アプリケーションプログラムによって加工処理され、自車の稼働状況を表すサービス情報として所定の態様にて表示される。
【0096】
一方、前述した他の油圧ショベル1のデータと同様に、例えばユーザ側パソコン4′からディーラ等(又は認定業者)のホームページにアクセスしたときにユーザ側パソコン4′に新しいデータが格納されているかどうかが中間サーバ6(又は業者パソコン62)を介し主サーバ5側から自動検索され、新データが見つかったら、ユーザ側の了解を得てその都度ユーザ側パソコン4′から主サーバ5へと未加工の状態で吸い上げる。なおこのとき、油圧ショベル1′の稼働データ・機体データに加え、定期点検時の点検データや修理データ等を認定業者が手入力し収集することもでき、そのデータも主サーバ5に取り込んでもよい。
【0097】
主サーバ5へと送信された油圧ショベル1′の稼働データ・機体データは、まず、未加工のまま中間サーバ6、認定業者パソコン62を介し、さらに当該油圧ショベル1′の使用者のユーザ側パソコン4′へ送信される。具体的には、例えば、ユーザ側パソコン4′で所定の操作をする(例えばディーラ等又は認定業者のホームページにアクセスし所定の画面にてダウンロードボタンをクリックする)ことにより、ユーザ側パソコン4′へとダウンロードされる。
【0098】
主サーバ5へと送信された油圧ショベル1′の稼働データ・機体データはまた、他の多数の油圧ショベル1の稼働データ・機体データとともに主サーバ5に蓄積されて機体・稼働データ処理部50や製品入れ替え・部品修理交換データ処理部51において前述の各種分析収集が施され、上記油圧ショベル1′の稼働データ・機体データも、稼動台数の分布図、入れ替え台数の分布図、部品修理交換個数の分布図の作成時のデータの1つとして寄与する。この結果、販売計画策定部53における需要予測、部品販売計画の策定、予定販売価格・キャンペーン価格・キャンペーン期間の設定においてもデータの1つとして寄与する。これら予定販売価格、割引販売期間、割引販売価格等は、油圧ショベル1′の顧客に対するサービスのための基礎情報として、主サーバ5から中間サーバ6を介し認定業者パソコン62に出力される。
【0099】
認定業者パソコン62では、上記入力した情報に基づき、中間サーバ6に代わって、各顧客へのサービス情報としての部品販売の案内状を作成し、これらをユーザ側パソコン4′に例えば電子メールで送信する(ユーザ側パソコン4′から認定業者のホームページにアクセスし、ユーザ側パソコン4′からの操作でダウンロードする等でも良い)。
【0100】
以上のようにして、ユーザ側パソコン4′では、電子メールを介した認定業者62からの案内状や、未加工の稼働データ・機体データそのものが受信される結果、対応する油圧ショベル1′に関する案内状や、前述した油圧ショベル1′に係わる各表示画面を表示させることができる。顧客(使用者等)側は、この各種表示を見て、必要に応じその情報内容、表示態様等に関し説明・分析等を認定業者側に求め、認定業者はディーラ等に代わってこの要請に応じて説明・分析のために顧客側に赴き、質問・要望等に対応する。
【0101】
以上説明したように、本実施形態の情報処理システムにおいては、以下のような効果を得る。
【0102】
稼働現場がディーラ等から遠い遠隔の地である油圧ショベル1′に関し、その稼働現場から近い範囲内においてサービスを行うに適当な業者をホームページ上で募集して認定し、サービス業務を委託して遂行させることにより、当該油圧ショベル1′の顧客に対しても十分なサービスを確保することができる。
【0103】
具体的には、油圧ショベル1′のサービス従事者である認定業者は、定期的にあるいはユーザ側からの求めに応じて稼動現場に赴き、常日頃から顧客(使用者等)側に接してその状況・要請等を把握する。そしてそれらに応じ自己の能力及び判断で当該油圧ショベル1′について的確な部品修理・部品交換等を行うとともに、油圧ショベル1′に関するデータ処理、ユーザ側パソコン4′に最終的に表示したサービス情報の情報内容・表示態様等に関する説明・分析、質問・要望等への対応を行うことができる。
【0104】
また、前述したように、ディーラ等の中間サーバ5を介し主サーバ5から入力した情報を基に、その情報をユーザ側パソコン4′へとダウンロードして最終的なサービス情報として所定の態様で表示されるようにしたり、あるいはまた、上記情報を取捨選択して制限し一部の情報はダウンロードができないようにロックするようにしたり、ダウンロード用の画面自体が表示されないようにすることも可能である。
【0105】
なお、以上においては、建設機械の例として油圧ショベルを例にとって説明したが、これに限られず、他の建設機械、例えばクローラクレーン、ホイールローダ等に対しても適用でき、この場合も同様の効果を得る。
【0106】
さらに、建設機械への適用にも限られず、鉱山現場で稼働する掘削及び積み込み機械全般(例えばスクレーパ、削岩機(ドリルマシン)、及び鉱山で使用される大型の油圧ショベル、ホイールローダ、モータグレーダ等)に適用可能であり、これらの場合も同様の効果を得る。
【0107】
【発明の効果】
本発明によれば、販売会社等は、応募業者が上記顧客へのサービスを行う者として適任であるかどうかの判断を行うことができるので、例えば最も適任であると判断した業者に対しその旨の認定証明を行うことで、販売会社等に代わって当該顧客へのサービスを委託することができる。このようにして、稼働現場が販売会社等から遠い遠隔の地となる場合であっても、その稼働現場から近い範囲内においてサービスを行うに適当な業者を募集して選任することにより、顧客側に対し十分なサービスを確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の建設機械の情報処理システムの一実施の形態の前提となる建設機械の管理システムの全体概要図である。
【図2】本発明の建設機械の情報処理システムの一実施形態の適用対象である油圧ショベルに搭載された油圧システムの一例の概略構成をセンサ類とともに表す図である。
【図3】本発明の建設機械の情報処理システムの一実施の形態の前提となる建設機械の管理システムにおける情報の流れを概念的に示した図である。
【図4】本発明の建設機械の情報処理システムの一実施の形態の前提となる建設機械の管理システムを構成する主サーバの主たる機能を表す機能ブロック図である。
【図5】本発明の建設機械の情報処理システムの一実施の形態の全体概要図である。
【図6】本発明の建設機械の情報処理システムの一実施の形態を構成する中間サーバの記憶装置に格納、記憶されたデータベースのファイルデータの一例を示す図である。
【図7】本発明の建設機械の情報処理システムの一実施の形態を構成する業者パソコンにおける表示画面の流れを表す図である。
【図8】本発明の建設機械の情報処理システムの一実施の形態を構成する業者パソコンに表示された審査シートの一例を表す図である。
【図9】本発明の建設機械の情報処理システムの一実施の形態を構成する業者パソコンに表示された審査シートの一例を表す図である。
【図10】本発明の建設機械の情報処理システムの一実施の形態を構成する業者パソコンに表示された審査シートの一例を表す図である。
【図11】本発明の建設機械の情報処理システムの一実施の形態を構成する業者パソコンに表示された審査シートの一例を表す図である。
【符号の説明】
6 中間サーバ(サービスサーバ)
6A データベース
62 業者パソコン
62a〜d 業者パソコン
110 稼働地表示画面
120 技術分野入力画面
130 受注態様入力画面
140 資格概要表示画面
150 応募者情報入力画面
160 審査シート画面
【発明の属する技術分野】
本発明は、建設機械の情報処理システムに係わり、さらに詳しくは、稼働現場が遠隔の辺境等であっても顧客側に対し十分なサービスを行うことができる建設機械の情報処理システム及び建設機械の情報処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
油圧ショベル等の建設機械においては、元来、サービス担当者が定期的に巡回して当該建設機械やこれを構成する各部品の稼働データ等を測定し、設計データや経験を基にして部品の寿命を推定し、故障発生を未然に防止するべくメンテナンスすべき時期等を各担当者ごとに管理していた。
【0003】
これに対し、近年の情報通信技術を利用し、全世界の建設機械の稼働データ等の情報を一カ所に送信させ、これを基に全建設機械の情報を集約し一元管理する建設機械の情報処理システムが既に知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この従来技術では、各建設機械において、その稼働状態を稼働センサによって稼働データとして検出し、この稼働データを稼働データ通信装置によって定期的に1カ所のサポートセンタに送信する。サポートセンタでは、送信されてきた稼働データを受信してメインデータベースに記録し、この稼働データに基づいて各建設機械ごとの故障発生有無を予測してレポートを自動出力するようになっている。このようなシステム構成とすることにより、故障予測にサービス担当者の熟練の必要がなくなり、常に一定の精度を持った故障予測を可能としている。
【特許文献1】
特開2000−259729号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
建設機械は、その性質上、屋外の過酷な環境で使用されるため、製造販売後の部品の修理交換、メンテナンス等の顧客へのサービス業務が特に重要であり、通常は、例えば各地方・地区ごとに分散配置された販売会社(いわゆるディーラー)・支社等がこの業務を行う。この販売会社等は常日頃から実際に顧客と接し、地域ごとや顧客ごとの固有の事情・環境等(自然環境、経済的環境、法的事情、文化背景、労働環境等)を熟知しており、これによって顧客側に十分満足のいくきめ細かい配慮での的確なサービスが可能となっている。
【0006】
ここで、建設機械の従事する工事によっては、その稼働現場が上記販売会社等の存在する場所から遠く離れた山奥の山村、辺境等の遠隔地となる場合がある。特に、新規な高速道路や鉄道の建設作業、鉱山での作業等においてそのような場合が生じやすい。上記従来技術においては、このような場合でもサポートセンタにおいてその建設機械の稼働状況を一元管理し、故障発生予測等を行うことはできる。しかしながら、上述したようにそのようなデータを基に実際にサービスを行うのは販売会社等であり、上記のような場合稼働現場に最も近い販売会社等であっても稼働現場まで大きな距離があるため、実際には顧客側に対し十分なサービスを行うのは困難となる。
【0007】
本発明は、上記の事柄に基づいてなされたものであり、その目的は、稼働現場が遠隔の辺境等であっても顧客側に対し十分なサービスを行うことができる建設機械の情報処理システム及び建設機械の情報処理方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、建設機械を所有する顧客にそのサービス情報を提供する建設機械の情報処理システムにおいて、建設機械の部品の修理交換に必要な作業能力及び機器・設備に関する所定の資格要件を記憶するデータベースと、建設機械の修理交換業者募集情報の受給者側の端末に、通信網で接続した建設機械の修理交換業者募集情報の提供側のサービスサーバとを有し、前記サービスサーバは、前記情報受給者側の端末に対し、前記建設機械の稼働位置又はこの稼働位置に係わる所定の範囲領域を表示するとともに、前記建設機械の所定の部位に係わる部品の修理交換作業の受注に応募するかどうかの入力を促す手順と、前記情報受給者側の端末からの応募情報を確認する手順と、この確認手順により受信した応募情報に基づいて、前記データベースに予め記憶した前記所定の資格要件を前記データベースから抽出する手順と、この抽出手順により抽出した前記資格要件に基づいて、前記情報受給者がその資格要件を満たすかどうかを判定するための審査シートを生成する手順と、この生成手順により生成した前記審査シートを前記通信網を介して前記情報受給者側の端末に送信し審査シートの所定箇所への入力を促す手順とを行う。
【0009】
本発明においては、顧客の建設機械の稼働現場が例えば販売会社等の存在する場所から遠く離れた山奥の山村、辺境等の遠隔地である場合には、その顧客に対するサービス(部品提供又は修理交換作業)を行える近在の業者を公募する。すなわち、例えば販売会社等のホームページに、上記建設機械の稼働位置又はこの稼働位置に係わる所定の範囲領域を表示するとともに建設機械のサービス対象部品の提供又はその部品の修理交換作業の受注に応募するかどうかを入力させる募集画面を表示する。そして、受注希望の入力を行う受注希望業者の応募があった場合、提供できる部品が所定のスペックを満たしているかどうか又は当該業者が部品の修理交換に必要な作業能力及び機器・設備等を有しているかどうか等、所定の資格要件を抽出して審査シートを生成しこれを業者側に送信して表示させ、シートの所定箇所へ入力させる。これにより、販売会社等は、応募業者が上記顧客へのサービスを行う者として適任であるかどうかの判断を行うことができるので、例えば最も適任であると判断した業者に対しその旨の認定証明を行うことで、販売会社等に代わって当該顧客へのサービスを委託することができる。このようにして、稼働現場が販売会社等から遠い遠隔の地となる場合であっても、その稼働現場から近い範囲内においてサービスを行うに適当な業者を募集して選任することにより、顧客側に対し十分なサービスを確保することができる。
【0010】
(2)上記目的を達成するために、また本発明は、建設機械を所有する顧客にそのサービス情報を提供する建設機械の情報処理システムにおいて、建設機械の修理交換の必要な部品に関する所定の資格要件を記憶するデータベースと、建設機械の部品納入業者募集情報の受給者側の端末に、通信網で接続した建設機械の部品納入業者募集情報の提供側のサービスサーバとを有し、前記サービスサーバは、前記情報受給者側の端末に対し、前記建設機械の稼働位置又はこの稼働位置に係わる所定の範囲領域を表示するとともに、前記建設機械の所定の部位に係わる修理交換の必要な部品の納入の受注に応募するかどうかの入力を促す手順と、前記情報受給者側の端末からの応募情報を確認する手順と、この確認手順により受信した応募情報に基づいて、前記データベースに予め記憶した前記所定の資格要件を前記データベースから抽出する手順と、この抽出手順により抽出した前記資格要件に基づいて、前記情報受給者がその資格要件を満たすかどうかを判定するための審査シートを生成する手順と、この生成手順により生成した前記審査シートを前記通信網を介して前記情報受給者側の端末に送信し審査シートの所定箇所への入力を促す手順とを行う。
【0011】
(3)上記目的を達成するために、また本発明は、建設機械を所有する顧客にそのサービス情報を提供する建設機械の情報処理システムにおいて、建設機械の修理交換の必要な部品とその修理交換に必要な作業能力及び機器・設備とに関する所定の資格要件を記憶するデータベースと、建設機械の部品納入・修理交換業者募集情報の受給者側の端末に、通信網で接続した建設機械の部品納入・修理交換業者募集情報の提供側のサービスサーバとを有し、前記サービスサーバは、前記情報受給者側の端末に対し、前記建設機械の稼働位置又はこの稼働位置に係わる所定の範囲領域を表示するとともに、前記建設機械の所定の部位に係わる修理交換の必要な部品の納入及びその修理交換作業の受注に応募するかどうかの入力を促す手順と、前記情報受給者側の端末からの応募情報を確認する手順と、この確認手順により受信した応募情報に基づいて、前記データベースに予め記憶した前記所定の資格要件を前記データベースから抽出する手順と、この抽出手順により抽出した前記資格要件に基づいて、前記情報受給者がその資格要件を満たすかどうかを判定するための審査シートを生成する手順と、この生成手順により生成した前記審査シートを前記通信網を介して前記情報受給者側の端末に送信し審査シートの所定箇所への入力を促す手順とを行う。
【0012】
(4)上記(1)乃至(3)のいずれかにおいて、前記サービスサーバは、前記情報受給者側の端末から送信された前記審査シートの所定箇所への入力情報を受信する手順と、この受信手順で受信した入力情報に基づいて、前記情報受給者が前記資格要件を満たすかどうかを判定する手順と、この判定手順で判定が満たされた場合には、前記修理交換作業を行う者、若しくは前記部品納入を行う者、若しくは前記部品納入及び前記修理交換作業を行う者として認定した旨の証明表示を生成する手順と、この生成手順で生成した前記証明表示を前記通信網を介して対応する前記情報受給者側の端末に送信する手順とを行う。
【0013】
(5)上記目的を達成するために、本発明は、建設機械の修理交換業者募集情報の受給者側の端末と、建設機械の修理交換業者募集情報の提供側のサービスサーバとを通信網で接続した建設機械の情報処理方法において、前記サービスサーバは、前記情報受給者側の端末に対し、前記建設機械の稼働位置又はこの稼働位置に係わる所定の範囲領域を表示するとともに、前記建設機械の所定の部位に係わる部品の修理交換作業の受注に応募するかどうかの入力を促す手順と、前記情報受給者側の端末からの応募情報を確認する手順と、この確認手順により受信した応募情報に基づいて、データベースに予め記憶した建設機械の部品の修理交換に必要な作業能力及び機器・設備に関する所定の資格要件を前記データベースから抽出する手順と、この抽出手順により抽出した前記資格要件に基づいて、前記情報受給者がその資格要件を満たすかどうかを判定するための審査シートを生成する手順と、この生成手順により生成した前記審査シートを前記通信網を介して前記情報受給者側の端末に送信し審査シートの所定箇所への入力を促す手順とを行う。
【0014】
(6)上記目的を達成するために、また本発明は、建設機械の修理交換業者募集情報の受給者側の端末と、建設機械の修理交換業者募集情報の提供側のサービスサーバとを通信網で接続した建設機械の情報処理方法において、前記サービスサーバは、前記情報受給者側の端末に対し、前記建設機械の稼働位置又はこの稼働位置に係わる所定の範囲領域を表示するとともに、前記建設機械の所定の部位に係わる修理交換の必要な部品の納入の受注に応募するかどうかの入力を促す手順と、前記情報受給者側の端末からの応募情報を確認する手順と、この確認手順により受信した応募情報に基づいて、データベースに予め記憶した建設機械の修理交換の必要な部品に関する所定の資格要件を前記データベースから抽出する手順と、この抽出手順により抽出した前記資格要件に基づいて、前記情報受給者がその資格要件を満たすかどうかを判定するための審査シートを生成する手順と、この生成手順により生成した前記審査シートを前記通信網を介して前記情報受給者側の端末に送信し審査シートの所定箇所への入力を促す手順とを行う。
【0015】
(7)上記目的を達成するために、また本発明は、建設機械の修理交換業者募集情報の受給者側の端末と、建設機械の修理交換業者募集情報の提供側のサービスサーバとを通信網で接続した建設機械の情報処理方法において、前記サービスサーバは、前記情報受給者側の端末に対し、前記建設機械の稼働位置又はこの稼働位置に係わる所定の範囲領域を表示するとともに、前記建設機械の所定の部位に係わる修理交換の必要な部品の納入及びその修理交換作業の受注に応募するかどうかの入力を促す手順と、前記情報受給者側の端末からの応募情報を確認する手順と、この確認手順により受信した応募情報に基づいて、データベースに予め記憶した建設機械の修理交換の必要な部品とその修理交換に必要な作業能力及び機器・設備とに関する所定の資格要件を前記データベースから抽出する手順と、この抽出手順により抽出した前記資格要件に基づいて、前記情報受給者がその資格要件を満たすかどうかを判定するための審査シートを生成する手順と、この生成手順により生成した前記審査シートを前記通信網を介して前記情報受給者側の端末に送信し審査シートの所定箇所への入力を促す手順とを行う。
【0016】
(8)上記(5)乃至(7)のいずれかにおいて、前記サービスサーバは、前記情報受給者側の端末から送信された前記審査シートの所定箇所への入力情報を受信する手順と、この受信手順で受信した入力情報に基づいて、前記情報受給者が前記資格要件を満たすかどうかを判定する手順と、この判定手順で判定が満たされた場合には、前記修理交換作業を行う者、若しくは前記部品納入を行う者、若しくは前記部品納入及び前記修理交換作業を行う者として認定した旨の証明表示を生成する手順と、この生成手順で生成した前記証明表示を前記通信網を介して対応する前記情報受給者側の端末に送信する手順とを行う。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の建設機械の情報処理システムの一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0018】
本実施形態は、一例として、多数の建設機械の稼働データ等を、携帯端末→稼働現場近くのユーザ側パソコン→主サーバで収集蓄積して一元管理するとともに、主サーバで各種分析を行って得た各種情報をディーラ等(後述)の中間サーバを介し適宜ユーザ側パソコンへ出力するという階層的な建設機械の管理システムが構築されていることを前提としている(後述の図3参照)。このとき、実際の各機械ごとのサービスについては、各地方・地区ごとに分散配置されたディーラ等のサービス担当者が各ユーザ側へ出向き、上記のようにして各ユーザ側パソコンへ出力されたデータやそのユーザ側現場で新たに得たデータに基づき、各種メンテナンスや技術説明等のサービスを行う。
【0019】
そして、本実施形態の要部は、上記の前提のもと、建設機械の稼働現場が上記ディーラ等の存在する場所から遠く離れた山奥の山村、辺境等の遠隔地で、既存のディーラ等から大きな距離がありそのままでは十分なメンテナンス等のサービスを行うのが困難である場合に、比較的近距離で十分な技術能力を有しあるいは十分な品質の部品を供給可能な工場等を新たに上記システムの構成員として認定し、上記ディーラ等に代わって当該機械に対するサービスを行うことにある。
【0020】
(1)建設機械の管理システム
まず、本実施形態の前提となる上記建設機械の管理システムについて以下に説明する。
図1は、上記建設機械の管理システムの全体概要図であり、この管理システムは、市場で稼動している複数の油圧ショベル(図1では代表として1つのみを図示)1に搭載された機体側コントローラ2と、このコントローラ2に例えばケーブル3aを介して接続(無線方式でもよい)可能な携帯端末3と、例えば上記油圧ショベル1の稼働現場近くの事務所等内に配置され、前記携帯端末3にケーブル3aを介して接続(無線方式でもよい)可能な情報端末(パソコン、以下、ユーザ側パソコンという)4と、例えば油圧ショベル1の製造メーカ(又はこのメーカの委託を受けた情報管理会社等)に設置される主サーバ5と、例えば中小規模の領域(一国、一地方、一都道府県等)ごとに設けられ、各ユーザ(顧客)に対し直接メンテナンス等のサービス業務を行っている販売会社(ディーラ)、支社、代理店等(以下、ディーラ等という)に設置される中間サーバ6とを備えており、上記ユーザ側パソコン4、主サーバ5、及び中間サーバ6は、互いに通信回線(例えば公衆回線を用いたインターネット等)を用いた情報通信により接続されている。
【0021】
油圧ショベル1は、走行体12と、走行体12上に旋回可能に設けれられた旋回体13と、旋回体13の前部左側に設けられた運転室14と、旋回体13の前部中央に俯仰動可能に設けられたフロント作業機(掘削作業装置)15とを備えている。フロント作業機15は、旋回体13に回動可能に設けられたブーム16と、このブーム16の先端に回動可能に設けられたアーム17と、このアーム17の先端に回動可能に設けられたバケット18とで構成されている。
【0022】
なお、図1においては、油圧ショベル1は、機体重量数百トンクラスで例えば海外の鉱山等において用いられることの多いいわゆる超大型ショベルや大型ショベルを例にとって図示しているが、本発明の適用対象としてはこれに限られるものではない。すなわち、日本国内において各種建設工事現場等において最も活躍する機体重量数十トンクラスのいわゆる中型ショベル(後述の図2や図3の図示参照)や、小規模工事現場で活躍するそれよりさらに小型のいわゆるミニショベル等に適用してもよい。
【0023】
図2は、図1に示した本発明の建設機械の情報処理システムの一実施形態の適用対象である油圧ショベル1に搭載された油圧システムの一例の概略構成をセンサ類とともに表す図である。
【0024】
この図2において、油圧ショベル1に搭載された油圧システム20は、例えば、油圧ポンプ21a,21bと、ブーム用コントロールバルブ22a,22b、アーム用コントロールバルブ23、バケット用コントロールバルブ24、旋回用コントロールバルブ25、走行用コントロールバルブ26a,26bと、ブームシリンダ27、アームシリンダ28、バケットシリンダ29、旋回モータ30、走行モータ31a,31bとを備えている。
【0025】
油圧ポンプ21a,21bはいわゆる電子ガバナタイプの燃料噴射装置(図示せず)を備えたディーゼルエンジン(以下、単にエンジンという)32により回転駆動されて圧油を吐出し、コントロールバルブ(制御弁)22a,22b〜26a,26bは油圧ポンプ21a,21bから油圧アクチュエータ27〜31a,31bに供給される圧油の流れ(流量及び流れ方向)を制御し、油圧アクチュエータ27〜31a,31bはブーム16、アーム17、バケット18、旋回体13、走行体12の駆動を行う。これら油圧ポンプ21a,21b、コントロールバルブ22a,22b〜26a,26b及びエンジン32は旋回体13の後部の収納室(エンジン室)に設置されている。
【0026】
コントロールバルブ22a,22b〜26a,26bに対して操作レバー装置33,34,35,36が設けられている。操作レバー装置33の操作レバーを十字の一方向X1に操作するとアームクラウドのパイロット圧又はアームダンプのパイロット圧が生成されてアーム用コントロールバルブ23に印加され、操作レバー装置33の操作レバーを十字の他方向X2に操作すると右旋回のパイロット圧又は左旋回のパイロット圧が生成され、旋回用コントロールバルブ25に印加される。
【0027】
操作レバー装置34の操作レバーを十字の一方向X3に操作するとブーム上げのパイロット圧又はブーム下げのパイロット圧が生成されてブーム用コントロールバルブ22a,22bに印加され、操作レバー装置34の操作レバーを十字の他方向X4に操作するとバケットクラウドのパイロット圧又はバケットダンプのパイロット圧が生成され、バケット用コントロールバルブ24に印加される。また、操作レバー装置35,36の操作レバーを操作すると、左走行のパイロット圧及び右走行のパイロット圧が生成され、走行用コントロールバルブ26a,26bに印加される。なお、操作レバー装置33〜36はコントローラ2とともに運転室14内に配置されている。
【0028】
以上のような油圧システム20にセンサ40〜49が設けられている。センサ40は、フロント作業機15の操作信号としてこの例ではアームクラウドのパイロット圧を検出する圧力センサであり、センサ41は旋回操作信号としてシャトル弁41aを介し取り出された旋回パイロット圧を検出する圧力センサであり、センサ42は走行操作信号としてシャトル弁42a,42b,42cを介して取り出された走行のパイロット圧を検出する圧力センサである。
【0029】
センサ43はエンジン32のキースイッチのON・OFFを検出するセンサであり、センサ44はシャトル弁44aを介して取り出された油圧ポンプ21a,21bの吐出圧力、即ちポンプ圧を検出する圧力センサであり、センサ45は油圧システム20の作動油の温度(油温)を検出する油温センサである。センサ46は、エンジン32の回転数を検出する回転数センサである。センサ47aは、エンジン32の燃料噴射装置によって噴射される噴射量(いいかえれば燃料消費量)を検出する燃料センサであり、センサ47bは、エンジン32のシリンダのブローバイ圧を検出する圧力センサであり、センサ47cはエンジン32を冷却する冷却水(ラジエータ水)の温度を検出する温度センサである。センサ48は、フロント作業機15による掘削圧力としてこの例ではバケットシリンダ29(若しくはアームシリンダ28でもよい)のボトム側の圧力を検出する圧力センサであり、センサ49aは走行圧力すなわわち走行モータ31a,31bの圧力(例えば図示しないシャトル弁を介し2つのうちの最高圧を求めてもよい)を検出する圧力センサであり、センサ49bは旋回圧力すなわち旋回モータ30の圧力を検出する圧力センサである。これらセンサ40〜49の検出信号は、いずれもコントローラ2に送られ収集される。
【0030】
コントローラ2は、各油圧ショベル1の部位ごとの機械稼働に係わるデータ(以下、単に稼働データという)を収集する(詳細は後述)ためのものである。
【0031】
図3は、図1に示した建設機械の管理システムにおける情報の流れを概念的に示した図である。
【0032】
図3において、各油圧ショベル1の機体側コントローラ2は、詳細な図示を省略するが、上述したセンサ40〜49より、フロント作業機15、旋回、走行のパイロット圧の検出信号、エンジン32のキースイッチONの検出信号、ポンプ21a,21bのポンプ圧の検出信号、油温の検出信号、エンジン32の回転数検出信号、冷却水温度検出信号、掘削圧力検出信号、走行圧力検出信号、燃料消費量検出信号、ブローバイ圧力検出信号、旋回圧力検出信号をそれぞれ入力し、これらを基に、油圧ショベルの部位毎の稼動時間(例えば、フロント操作時間、旋回操作時間、走行レバー操作時間と、平均ポンプ吐出圧、平均油温、平均エンジン回転数、平均燃料消費量、平均エンジンブローバイ圧、平均冷却水温、平均掘削圧力、平均走行圧力と、平均エンジン稼働時間)を算出し、稼働データとして図示しないメモリに格納する。
【0033】
上記のようにして各油圧ショベル1のコントローラ2のメモリに格納された稼働データは、携帯端末3(図1参照)を持参して油圧ショベル1のコントローラ2にケーブル3aを介し接続し、携帯端末3(又はコントローラ2)側で所定の操作をすることにより、ケーブル3aを介し機体データ(機種、号機番号等)とともに携帯端末3にダウンロードされる。
【0034】
携帯端末3へダウンロードされた稼働データは、その後コントローラ2へのケーブル3aを取り外し、携帯端末3を持ち運びケーブル3aを介しユーザ側パソコン4へ接続して携帯端末3(又はユーザ側パソコン4)で所定の操作をすることにより、さらにユーザ側パソコン4にダウンロードされる。
【0035】
ユーザ側パソコン4へダウンロードされた上記稼働データ及び機体データは、まず、ユーザ側パソコン4において、予め組み込まれた(あるいはディーラ等側より適宜配布されインストールされた)アプリケーションプログラムによって加工処理され、自車の稼働状況を表すサービス情報として所定の態様にて表示される。
【0036】
一方、ユーザ側パソコン4へダウンロードされた稼働データ及び機体データはまた、例えばディーラ等のホームページにアクセスしたときにユーザ側パソコンに新しいデータが格納されているかどうかが中間サーバ6を介し主サーバ5側から自動検索され、新データが見つかったら、ユーザ側の了解を得てその都度ユーザ側パソコン4から主サーバ5へと未加工の状態で吸い上げる。なおこのとき、油圧ショベル1の稼働データ・機体データに加え、定期点検時の点検データや修理データ等をディーラ等のサービス担当者(サービスマン)が手入力し収集することもでき、そのデータも主サーバ5に取り込んでもよい。
【0037】
この主サーバ5は、入出力インターフェース5a,5bと、CPU5cと、データベース5Aを形成する記憶装置5dとを備えている。入出力インターフェース5aは、全油圧ショベル1に対応する全ユーザ側パソコン4からの稼働データ・機体データを入力する。このとき併せて、製造メーカ側の社内コンピュータ(図示せず)やディーラ等の中間サーバ6より別途各油圧ショベル1の部品の修理交換データも入力する。
【0038】
CPU5cはそれらの入力データを記憶装置5dのデータベース5Aに格納、蓄積すると共に、データベース5Aに格納した情報を加工して主として部品の修理交換等メンテナンスに関する各種分析(詳細は後述)を行う。そして、その分析に基づき、油圧ショベル1の特定の部品について、予定販売価格等(詳細は後述)を決定しこれらを入出力インターフェース5bを介して中間サーバ6に送信する。
【0039】
なお、図示しないが、主サーバ5はまた、キーボード部5B及びマウス5Cの操作に基づき、全油圧ショベル1について、上記ユーザ側パソコン4と同様の表示画面を表示部5Dに表示させることができるようになっている。
【0040】
図4は、主サーバ5の主たる機能を表す機能ブロック図である。主サーバ5は、機体・稼働データ処理部50、製品入れ替え・部品修理交換データ処理部51、販売計画策定部53の各処理機能を有している。
【0041】
機体・稼働データ処理部50は、まず一の機能として、前述の稼働データ・機体データそのものを未加工のまま中間サーバ6へ送信する。各油圧ショベル1の稼働データは、対応する(当該油圧ショベル1の使用者へのサービスを行うディーラ等の)中間サーバ6から、さらに対応する(当該油圧ショベル1の使用者の)ユーザ側パソコン4へ送信される。具体的には、例えば、主サーバ5にて収集された全油圧ショベル1の稼働データ・機体データのうち、少なくとも自己で保有・使用・管理する等の自己に係わる油圧ショベル1のデータに関しては、ユーザ側パソコン4で所定の操作をする(例えばディーラ等のホームページにアクセスし所定の画面にてダウンロードボタンをクリックする)ことにより、ユーザ側パソコン4(中間サーバ6も同様)へとダウンロードされる。
【0042】
また機体・稼働データ処理部50は、他の機能として、ユーザ側パソコン4から入力した稼働データを用いて、稼動時間に対する稼動台数の分布データを油圧ショベルの機種毎、部品毎に算出し、この分布データに基づいて稼動台数の分布図を作成する。そして、このように作成した分布図を表示部5D(又は社内コンピュータでもよい)に表示する。
【0043】
製品入れ替え・部品修理交換データ処理部51は、中間サーバ6又は社内コンピュータ等から入力した製品入れ替え・部品修理交換データを用いて、稼動時間に対する入れ替え台数の分布データを算出し、このデータに基づいて入れ替え台数の分布図を作成する。また稼動時間に対する過去の部品修理交換個数の分布データを算出し、この分布データに基づいて部品修理交換個数の分布図を作成する。
【0044】
販売計画策定部53は、上記のようにして機体・稼働データ処理部50、製品入れ替え・部品修理交換データ処理部51で作成した油圧ショベルの稼働時間別台数分布図、各部品ごとの稼働時間別台数分布図、油圧ショベル入れ替え台数の稼働時間別分布図、部品修理交換個数の部位稼働時間別分布図を参考にして、現状のまま推移した場合に修理交換対象となる例えばフロント作業機や走行体に係わる部品の個数を予測し(需要予測)、これに基づき油圧ショベルの特定の部品の販売計画を策定する。
【0045】
さらに、販売計画策定部53は、上記機体・稼働データ処理部50、製品入れ替え・部品修理交換データ処理部51で作成された情報に基づき、修理交換時期が複数の油圧ショベル1で互いに略同一となる特定の部品を認定し、この認定した部品についてその数量に応じ予定販売価格を決定する。そして、上記認定した部品のうちの少なくとも一部のものについて、各顧客の保有する機械ごとの今後の機械管理費用の推移と今後の機械価値の推移とに基づき上記修理交換時期以前の割引販売(キャンペーン)期間とこの割引販売期間における割引販売価格(キャンペーン価格)とを決定する。そして、それら予定販売価格、割引販売期間、割引販売価格等を、対応する油圧ショベル1の顧客に対するディーラ等のサービスのための基礎情報として、中間サーバ6に出力する。
【0046】
図3に戻り、各中間サーバ6は、主サーバ5と同様、入出力インターフェース6a,6bと、CPU6cと、データベース6Aを形成する記憶装置6dとを備えている。なおデータベース6Aは外部記憶装置としても良い。
【0047】
入出力インターフェース6aは、そして、油圧ショベル1の特定の部品についてサーバ5にて決定された前述の予定販売価格、キャンペーン価格(割引販売価格)、キャンペーン期間(割引販売期間)等の各種情報を主サーバ5から入力する。また、前述の稼働データ・機体データそのものについても未加工のまま主サーバ5から入力する。
【0048】
CPU6cはそれらの入力データを記憶装置6dのデータベース6Aに格納、蓄積すると共に、上記予定販売価格、キャンペーン価格(割引販売価格)、キャンペーン期間(割引販売期間)等の各種情報に基づき、各顧客へのサービス情報としての部品販売の案内状を作成し、これらを入出力インターフェース5bを介して各顧客のユーザ側パソコン4に例えば電子メールで送信する(ユーザ側パソコン4から中間サーバ6のホームページ(ディーラ等ホームページ)にアクセスし、ユーザ側パソコン4からの操作でダウンロードする等でも良い)。
【0049】
また、前述の稼働データ・機体データそのものについても未加工のままユーザ側パソコン4へ送信する(例えば上記同様、ユーザ側パソコン4から中間サーバ6のホームページにアクセスして自己使用号機についてのデータをダウンロードする等)機能も併せ持っている。なおこのとき、全く未加工でなく、例えば予めディーラ等ホームページに稼働データ・機体データを自国の言語の説明つきで表示させるためのテンプレートやフォームを設けておき、主サーバ5からの上記稼働データ・機体データをそのテンプレート等にはめ込む等の若干の加工をしてユーザ側パソコン4に提供するようにしてもよい。あるいは主サーバ5からの上記稼働データ・機体データ中に含まれる言語部分のみを中間サーバ6で翻訳してユーザ側パソコン4に提供することも考えられる。
【0050】
なお、中間サーバ6はまた、例えばキーボード部6B及びマウス6Cの操作に基づき、全油圧ショベル1のうち当該ディーラ等がサービスを直接又は間接に担当する油圧ショベル1について、上記ユーザ側パソコン4と同様の表示画面を表示部6Dに表示させることができるようになっている。
【0051】
また、この中間サーバ6は、主サーバ5とユーザ側パソコン4との間に1つだけ介在するのでなく複数設け、さらに階層的にデータが流れるようにしてもよい。この場合、例えば、主サーバ5から複数の上記ディーラ等を統括管理する者(販売会社総本店、総代理店等)に設置される中間サーバ6にデータが出力され、この中間サーバ6から上記ディーラ等の中間サーバ6にデータが出力される。
【0052】
以上のようにして、ユーザ側パソコン4では、電子メールを介した中間サーバ6からの案内状や、未加工の稼働データ・機体データそのものがユーザ側パソコン4で受信される結果、対応する油圧ショベル1(1つとは限らない。複数所有又は使用する場合にはそれら全部)に関する案内状や、前述した油圧ショベル1に係わる各表示画面を表示部4Dに表示させることができる。顧客(使用者等)側は、この表示部4Dの各種表示を見て、必要に応じその情報内容、表示態様等に関し説明・分析等をディーラ等側に求め、ディーラ等はこれに応じて説明・分析のために顧客側に赴き、質問・要望等に対応する。
【0053】
以上のように、この管理システムでは、ディーラ等は主サーバ5からの情報を基に自己の判断で、前述したように、例えばディーラ等のホームページにアクセスし所定の画面にてダウンロードボタンをクリックすることによりユーザ側パソコン4等側において最終的なサービス情報を所定の態様で表示されるようにしたり、あるいは、上記情報を送信するユーザを取捨選択して制限し一部のユーザには上記ダウンロードができないようにロックするようにしたり、ダウンロード用の画面自体が表示されないようにもする。すなわち、主サーバ5側(製造メーカ側)の機能は、多数の油圧ショベル1側からのデータ受信及び収集とこれを配信することのみにとどめ、これを基に最終的に顧客(ユーザ)に対し例えばどのようなサービス内容を提供するか等については、顧客に最も近いサービス従事者である中間サーバ6側(ディーラ等側)に任せる体制とすることで、顧客側に対し細かい配慮で十分満足のゆく的確なサービスを行う。
【0054】
具体的には、ディーラ等のサービス担当者は定期的にあるいはユーザ側からの求めに応じて稼動現場に赴き、常日頃から顧客(使用者等)側に接してその状況・要請等を把握する。そしてそれらに応じ自己の能力及び判断で各油圧ショベル1について的確な部品修理・部品交換等を行うとともに、油圧ショベル1に関するデータ処理、ユーザ側パソコン4に最終的に表示したサービス情報の情報内容・表示態様等に関する説明・分析、質問・要望等への対応を行う。
【0055】
また、多数の油圧ショベル1の修理交換時期予測が可能であるというスケールメリットを生かし、特定部品の修理・交換を多数の油圧ショベル1分一括してまとめて行うことで生産性・流通効率等を向上させ、各油圧ショベル1ごとでみた修理・交換コストを著しく低減し、顧客側の負担を大きく低減する。このとき、特定の部品については、割引販売期間(キャンペーン期間)と割引販売価格(キャンペーン価格)とを決定してユーザ側パソコン4へ表示させることにより、ディーラ等にとっては先行予約による確実な収益確保及び販売促進を図り、顧客側にとってはキャンペーン価格設定によるさらなるコスト負担低減を図る。
【0056】
なお、図3中の油圧ショベル1′はディーラ等の存在する場所から遠く離れた遠隔地にて稼働しているものであり、従来はそのためにディーラ等によるサービス担当者派遣が困難であったが、本実施形態の情報処理システムによって認定工場等(詳細は後述)が設定された結果、その認定工場等からのサービス担当者派遣が可能となるものである(詳細は後述)。
【0057】
(2)工場等の認定による管理システムの拡充・補完
上記のような管理システムにおいて、前述の油圧ショベル1′のように、稼働現場が上記ディーラ等の存在する場所から遠く離れた山奥の山村、辺境等の遠隔地で、既存のディーラ等から大きな距離がある場合には、上記の各種情報収集・出力機能を備えたコントローラ2を搭載していても、ディーラ等のサービス担当者がその現場まで日常的に訪問することが困難であるため、この油圧ショベル1′についての稼働データ等を収集すること及びこれに基づき管理することは困難である。
【0058】
本実施形態では、このような油圧ショベル1′について、比較的近距離で十分な技術能力を有しあるいは十分な品質の部品を供給可能な工場等を認定し、上記ディーラ等に代わってサービスを行うことにより、この油圧ショベル1′についても、その認定工場等を介して上記管理システムに組み入れ、当該機械に対する十分なサービスを行えるようにする。本実施形態の要部は、当該その油圧ショベル1′の比較的近い範囲にある地元の各種工場、修理業者等(以下、地元業者等という)の中から、そのサービスを担当する工場を公募し、その資格要件の審査に合格したものを担当工場として認定するための情報処理システムにある。
【0059】
図5は、本実施形態の情報処理システムの全体概要図であり、油圧ショベル1′を本来であれば担当すべき事情にあるディーラ等に設けられた上記中間サーバ(サービスサーバ)6と、この中間サーバ6にLAN、経路制御装置61、及び電話回線等を介したインターネットにより接続される地元業者等のパソコン(各種端末)62a,62b,62c,62d,…等により構成される。各パソコン62は、特に詳細な図示を行わないが、それぞれCRTやLCD等の表示部やキーボード、マウス等の入力部を備えている。
【0060】
前述したように、中間サーバ6は、各部の制御や、データの転送、種々の演算等を行うCPU6aと、データの一時的な格納等を行なうRAM(図示せず)と、制御プログラム等を格納したROM(図示せず)、LAN及びインターネットを介しパソコン (以下、業者パソコン)62とのデータ入出力を制御する入出力インターフェース(I/O)6a,6bと、記憶装置6dとを備えている(図3参照)。
【0061】
図6は、上記記憶装置6dに格納、記憶されたデータベース6Aのファイルデータの一例を示すものである。この図6に示すように、データベース6Aには、審査シートファイル71、地図ファイル72、画像ファイル73、応募者答案ファイル74、資格概要ファイル75、応募者情報ファイル76が備えられている。なお、これらデータの詳細については、後述する。
【0062】
以下、その情報提供方法の詳細を、業者パソコン62における表示画面の流れを表す図7を用いて、順次説明する。
【0063】
図7において、業者パソコン62が中間サーバ6のホームページへアクセスすると、そのメイン画面100が表示される(正確には、中間サーバ6から業者パソコン62に表示情報信号を出力し、業者パソコン62がその信号を受信し情報に基づき表示を行う。以下すべて同様)。この画面100における各種お知らせ・ボタン等の表示中に、「公認工場募集のお知らせ」ボタン101が例えば文章・記事形式で表示されており、業者パソコン62を操作する者がこのボタン101を画面上で手動操作(例えばクリック、以下同様)すると、稼働地表示画面110に移る。
【0064】
稼働地表示画面110では、今回募集する工場のサービス(部品供給又は部品の修理交換)対象となる油圧ショベル1′が稼働している、山奥の山村、辺境等の遠隔地の位置(稼働位置)を含むその周辺の地図を、データベース6Aの上記地図ファイル72を用いて地図上に一覧表示し、油圧ショベル1′の所定の部位(後述)に係わる所定の部品の納入の受注、あるいは所定の部品の修理交換の受注に応募するどうかの入力を促す。
【0065】
図7の例では、画面110中に稼働位置周辺の地形図を表示するとともに画面中央に稼働位置を×印で表している。
【0066】
このとき、例えば募集にあたっての稼働位置からの距離条件をディーラ等で決定しているときは、これを併せて表示するようにしてもよい。例えば直線距離で○○km以内という条件なら、その直線距離を半径とする円を境界線として併せて表示する、地形図のうちその円内部分のみを表示する、その円内のみを色分け表示する、等が考えられる。あるいは、予め稼働位置周辺における指定領域を定めて表示するようにしてもよい。例えば対象とする行政区分(あるいはこれに準ずる区分)のみを表示する、その領域のみを色分け表示する:等が考えられる。なお、このとき、図示のように地図表示するのに限られず、所在地条件を文字情報やリスト形式で画面上に表示する(××地から半径○○km以内、対象エリアは○○村、□□村、△△村、等)等でもよい。
【0067】
また、この募集時においては特にディーラ等側からは地元業者等の所在地に対する条件を提示せず、油圧ショベル1′の稼働位置のみを示し(地図表示、文字等表示)、当該機体がサービス可能な距離にあるかどうか等の判断は各地元業者等にゆだねる形でもよい。
【0068】
上記表示を見て、地元業者等が受注応募を意図する場合には、画面110に設けた応募ボタン111をクリックすると、技術分野入力画面120に移る。
【0069】
技術分野入力画面120では、データベース6Aの上記画像ファイル73を用いて、油圧ショベルのイメージ図を表示すると共に、併せて今回募集する部品又は部品修理交換に係わる技術分野の名称をそのイメージ図に重ねるようにして表示し、地元業者等側に応募情報の1つとしての技術分野の選択入力を促す。この例では、「油圧機器」「溶接構造物」「エンジン」「電子機器」の4つの分野を表示している。
【0070】
「油圧機器」分野は、例えば、ブーム用油圧シリンダ、アーム用油圧シリンダ、バケット用油圧シリンダ、旋回用油圧モータ、走行用油圧モータ等の油圧アクチュエータ、これらの油圧源となる油圧ポンプ、この油圧ポンプから上記油圧アクチュエータまでの圧油の流れを制御するコントロールバルブ、これらの間を接続する配管、シール等を含む油圧回路全般を取り扱う(部品自体の納入、補修、修理交換等)内容である。
【0071】
「溶接構造物」分野は、例えば、上部旋回体のカバーや旋回フレーム、下部走行体のトラックフレーム、ブーム・アーム等の作業腕、バケット等の掘削作業具といった各種溶接構造物を取り扱う(部品自体の納入、溶接作業による補修、修理交換等)内容である。
【0072】
「エンジン」分野は、例えば、上記油圧ポンプを駆動するエンジン全般に係わるものであり、詳細には、シリンダブロックを備えた燃焼関係と、それ以外にも吸気系、燃料供給系、冷却系、潤滑系等の周辺部を含みエンジン全体を取り扱う(部品自体の納入、補修、修理交換等)内容である。
【0073】
「電子機器」分野は、例えば、運転室内の各種制御機器・表示機器、あるいは上記油圧機器やエンジンの制御系・電装品を含み、電子機器全般を取り扱う(部品自体の納入、補修、修理交換等)内容である。
【0074】
地元業者等が上記画面120内の「油圧機器」「溶接構造物」「エンジン」「電子機器」の技術分野選択ボタン121a〜dのいずれかをクリックすると、受注態様入力画面130に移る。
【0075】
受注態様入力画面130は、地元業者等が、メンテナンス用部品の納入のみを希望するのか、修理交換作業のみを希望するのか、その両方を希望するのかを、応募情報の1つとして選択入力を促す画面であり、これに対応して「部品納入」ボタン131a、「修理・交換」ボタン131b、「部品納入・修理交換」ボタン131cが設けられている。地元業者等がこれらボタン131a〜cのいずれか1つをクリックすると、資格概要表示画面140に移る。
【0076】
なお、以上は、稼働地表示画面110での表示→技術分野入力画面120における入力→受注態様入力画面130という手順としたが、これに限られず、例えば技術分野入力画面120における入力→受注態様入力画面130おける入力を先に行った後、上記稼働地表示画面110を行って所在地条件等を明示するようにしても良い。この順序とすると、特に、ひとつの油圧ショベル1′に対しその技術分野(後述)や受注態様(後述)によって上記ディーラ等側から地元業者等側に要求する所在地条件が変わる(例えばある技術分野若しくは受注態様では半径○○km以内でも構わないが、別の技術分野若しくは受注態様では半径××km以内としたい、等)場合に、有効である。
【0077】
資格概要表示画面140では、上記技術分野入力画面120及び受注態様入力画面130の入力結果が確認された後、当該技術分野の当該受注態様においてどのような技術的作業能力が要求されるか、部品についてどの程度の技術的水準・精度が要求されるか、どのような機器・設備が必要か、等(=資格要件)の概略要求データがデータベース6Aの上記資格概要ファイル75を用いて抽出され、表示される。
【0078】
図7では、技術分野入力画面120で「電子機器」を受注態様入力画面130で「修理交換」を選択した場合の例を示しており、この場合には、例えば、「電気工学又は電子工学関係の大学卒業者」「電気又は電子関係の有資格者」「電気・電子メーカ勤務経験○年以上」「ハンダ付け作業の経験○年以上」「電気回路製造に関する作業経験△年以上」「コンピュータプログラム作成能力の有無」といった地元業者等に希望する事項を表示する。あるいは、「断線・短絡発生時の回路接続作業」「ヒューズ交換作業」「制御プログラムバージョンアップ時のインストール作業」「稼働データ等のダウンロード作業」等、実際にどのような作業をやってもらうかをある程度具体的に表示することも考えられる。
【0079】
なお、詳細な説明を省略するが、他の技術分野や受注態様でも同様である。
【0080】
上記表示を見た上で、さらに地元業者等が受注応募を意図する場合には、画面140に設けた応募ボタン141をクリックすると、応募者情報入力画面150に移る。
【0081】
応募者情報入力画面150では、応募者(すなわち地元業者等)の業者名(または個人名、団体名、機関名等)、業種(電気工事業、油圧機器製造業、自動車修理業、溶接工事業、等)、所在地、連絡先(電話番号、電子メールアドレス等を含む)などからなる応募者情報の入力を促す。地元業者等がこれらの情報を入力した後、例えば「確定」ボタン151をクリックすると、確定された各情報の内容が中間サーバ6へ送信され、応募者番号を付され上記応募者情報ファイル76として直ちにデータベース6A内に格納記憶される(図6参照)。
【0082】
なおこのとき、上記画面150にて地元業者等が入力した所在地情報が、データベース6A内の地図ファイル72に記憶された地図情報を用いて地図データ上の座標値情報(位置データ)として認識設定され、応募者情報ファイル76にはその位置データも併せて書き込まれ、記憶されるようにしてもよい。
【0083】
以上の手順が終了すると、審査シート画面160に移る。
【0084】
審査シート画面160では、データベース6Aの上記審査シートファイル71を用いて、上記技術分野入力画面120及び受注態様入力画面130の入力結果に応じ、当該技術分野の当該受注態様において当該応募者が資格要件を満たしているかどうかを審査するための審査シート(テスト形式)が生成されて表示され(所定箇所への入力を促す形で)る。この審査シートの詳細について、図8〜図11を用いて説明する。
【0085】
(3)審査シート
図8〜図11は、技術分野入力画面120で「電子機器」を受注態様入力画面130で「修理交換」を選択した場合の審査シート(問題用紙)の一例を示すものであり、図8、図9、図10、図11がそれぞれ大きな1つの設問となっており、このテストは合計で4つの設問で構成されている。
【0086】
図8に示す第1の設問は、空所に該当する正答の選択肢を選ぶ形式の設問である。電熱線の電圧−電流特性が図中に示された上で、(1)20Vの電圧を加えたときに流れる電流値はいくらか、(2)電圧と電流の関係はどのような関係にあるか及びこの法則を何というか、が問われている。選択肢は下部の囲みの中に「A;0.15A」「B;1.5A」「C;15A」「D;比例関係(proportion)」「E;反比例関係(inverse proportion)」「F;オーム」「G;フレミング」の合計7つが設けられている。
【0087】
図9に示す第2の設問は、空所に該当する数値を入力する形式の設問である。13.2Vの電源、10Ωの抵抗2個、20Ωの抵抗2個、スイッチS1,S2、及び電流計を備えた簡単な回路が図中に示された上で、(1)スイッチS1のみを閉じた場合に電流計は何アンペアをさすか、(2)スイッチS2のみを閉じた場合に電流計は何アンペアをさすか、(3)スイッチS1,S3を閉じた場合に電流計が0.6アンペアをさした場合に位置Aと位置Bとの間の電圧は何ボルトか、及び位置Pを流れる電流は何アンペアとなるか、が問われている。
【0088】
図10に示す第3の設問も、空所に該当する数値を入力する形式の設問である。電源、8Ωの3個の抵抗R1,R2,R3、抵抗値不明の抵抗R4、及び2個の電流計を備えた回路が図中に示された上で、電流計1が5アンペア、電流計2が2Aをさしたとした場合に、(1)同一電流値が流れる抵抗はどれとどれか、(2)抵抗R3を流れる電流値は何アンペアか、(3)抵抗R4に印加される電圧は何ボルトか、(4)抵抗R4の抵抗値は何オームか、(5)図中の電源の両端部間の電圧は何ボルトであるか、が問われている。
【0089】
図11に示す第4の設問は、空所に該当する正答の選択肢を選ぶ形式の設問である。直流電源、同一材質で断面積のみが異なる抵抗H1,H2、スイッチ、電圧計、及び電流計を備えた回路が図1に示された上で、スイッチをオンしたときに電圧計が6ボルト、電流計は500mAの端子に接続して図2に示す表示状態であり、抵抗H1とH2の抵抗比が1:4であるとした場合に、(1)図2に示す電流値は何アンペアの表示であると読めるか、(2)抵抗H1とH2の断面積比はいくらか、(3)抵抗H1の抵抗値は何オームか、及び直流電源の電圧は何ボルトか、が問われている。選択肢は下部の囲みの中に「▲1▼10.5」「▲2▼150」「▲3▼4:1」「▲4▼1:4」「▲5▼16:1」「▲6▼1:16」「▲7▼10」「▲8▼7.5」の合計8つが設けられている。
【0090】
なお、以上は、地元業者等がディーラ等のホームページにアクセスしてそのまま審査シートを入手して回答する場合を例にとって説明したが、これに限られず、例えば、地元業者が入力した応募者情報に基づき、後日(後刻)電子メールで送付するようにしても良い。
【0091】
審査シートにおいて地元業者等が各設問に答案を入力(あるいは選択入力)した後、例えば「回答終了」ボタン(図示せず)をクリックすると、確定された各回答の内容が中間サーバ6へ送信され、応募者番号を付され上記応募者答案ファイル74として直ちにデータベース6A内に格納記憶される。なお、このとき別途上記応募者情報ファイル76と関連づけた形で格納しても良い。
【0092】
このようにして各応募者の回答情報を得たディーラ等の中間サーバ6では、その内容を採点し、サービスを任せるに足る合格基準(例えば正答率、若しくはそれに加えて回答時間の短さ等)を勘案し、全応募者の中から当該技術分野及び受注態様を発注するのに最適な一の者を選択する。そして、対応する所定の修理交換を行うもの又は部品納入を行うもの、あるいはその両方を行うものとして認定した旨の認定証を生成し、当該地元業者等の業者パソコン62に例えば電子メールで送付する。それ以外の応募者の業者パソコン62には、今回は残念ながら認定工場等としての選から漏れた旨のお知らせを合わせて電子メール等により送付することが好ましい。
【0093】
なお、上記採点行為、選択行為、認定証送付行為等は中間サーバ6の担当操作者が手動操作で行っても良いし、あるいは、自動プログラムを中間サーバ6に予め組み込んでおき、所定期間内における審査シート回答受付→採点→合格者選択まで、さらには認定証送付までをすべて自動的に行うようにしても良い。また、認定証送付は必ずしも行わず、単に認定した(取引を依頼する)旨の連絡を何らかの形で行うにとどめる(事実上の認定にとどめる)ようにしてもよい。
【0094】
以上のようにして油圧ショベル1′のサービス業者として認定された地元業者等(以下、認定業者という)のパソコン62は、ユーザIDの認証等所定の手続を経た後、図3を用いて説明した前述の管理システムにおいて、ディーラ等に代わり、当該油圧ショベル1′のサービス担当者として業務を遂行する。
【0095】
すなわち、遠隔地にある油圧ショベル1′のコントローラ2からの稼働データは、この油圧ショベル1′のユーザ又は上記認定業者が携帯端末3を持参することで機体データと共に携帯端末3にダウンロードされ、さらにユーザ側パソコン4′にダウンロードされる。これらダウンロードされた稼働データ及び機体データは、ユーザ側パソコン4′において、予め組み込まれた(あるいはディーラ等又は認定業者側より適宜配布されインストールされた)アプリケーションプログラムによって加工処理され、自車の稼働状況を表すサービス情報として所定の態様にて表示される。
【0096】
一方、前述した他の油圧ショベル1のデータと同様に、例えばユーザ側パソコン4′からディーラ等(又は認定業者)のホームページにアクセスしたときにユーザ側パソコン4′に新しいデータが格納されているかどうかが中間サーバ6(又は業者パソコン62)を介し主サーバ5側から自動検索され、新データが見つかったら、ユーザ側の了解を得てその都度ユーザ側パソコン4′から主サーバ5へと未加工の状態で吸い上げる。なおこのとき、油圧ショベル1′の稼働データ・機体データに加え、定期点検時の点検データや修理データ等を認定業者が手入力し収集することもでき、そのデータも主サーバ5に取り込んでもよい。
【0097】
主サーバ5へと送信された油圧ショベル1′の稼働データ・機体データは、まず、未加工のまま中間サーバ6、認定業者パソコン62を介し、さらに当該油圧ショベル1′の使用者のユーザ側パソコン4′へ送信される。具体的には、例えば、ユーザ側パソコン4′で所定の操作をする(例えばディーラ等又は認定業者のホームページにアクセスし所定の画面にてダウンロードボタンをクリックする)ことにより、ユーザ側パソコン4′へとダウンロードされる。
【0098】
主サーバ5へと送信された油圧ショベル1′の稼働データ・機体データはまた、他の多数の油圧ショベル1の稼働データ・機体データとともに主サーバ5に蓄積されて機体・稼働データ処理部50や製品入れ替え・部品修理交換データ処理部51において前述の各種分析収集が施され、上記油圧ショベル1′の稼働データ・機体データも、稼動台数の分布図、入れ替え台数の分布図、部品修理交換個数の分布図の作成時のデータの1つとして寄与する。この結果、販売計画策定部53における需要予測、部品販売計画の策定、予定販売価格・キャンペーン価格・キャンペーン期間の設定においてもデータの1つとして寄与する。これら予定販売価格、割引販売期間、割引販売価格等は、油圧ショベル1′の顧客に対するサービスのための基礎情報として、主サーバ5から中間サーバ6を介し認定業者パソコン62に出力される。
【0099】
認定業者パソコン62では、上記入力した情報に基づき、中間サーバ6に代わって、各顧客へのサービス情報としての部品販売の案内状を作成し、これらをユーザ側パソコン4′に例えば電子メールで送信する(ユーザ側パソコン4′から認定業者のホームページにアクセスし、ユーザ側パソコン4′からの操作でダウンロードする等でも良い)。
【0100】
以上のようにして、ユーザ側パソコン4′では、電子メールを介した認定業者62からの案内状や、未加工の稼働データ・機体データそのものが受信される結果、対応する油圧ショベル1′に関する案内状や、前述した油圧ショベル1′に係わる各表示画面を表示させることができる。顧客(使用者等)側は、この各種表示を見て、必要に応じその情報内容、表示態様等に関し説明・分析等を認定業者側に求め、認定業者はディーラ等に代わってこの要請に応じて説明・分析のために顧客側に赴き、質問・要望等に対応する。
【0101】
以上説明したように、本実施形態の情報処理システムにおいては、以下のような効果を得る。
【0102】
稼働現場がディーラ等から遠い遠隔の地である油圧ショベル1′に関し、その稼働現場から近い範囲内においてサービスを行うに適当な業者をホームページ上で募集して認定し、サービス業務を委託して遂行させることにより、当該油圧ショベル1′の顧客に対しても十分なサービスを確保することができる。
【0103】
具体的には、油圧ショベル1′のサービス従事者である認定業者は、定期的にあるいはユーザ側からの求めに応じて稼動現場に赴き、常日頃から顧客(使用者等)側に接してその状況・要請等を把握する。そしてそれらに応じ自己の能力及び判断で当該油圧ショベル1′について的確な部品修理・部品交換等を行うとともに、油圧ショベル1′に関するデータ処理、ユーザ側パソコン4′に最終的に表示したサービス情報の情報内容・表示態様等に関する説明・分析、質問・要望等への対応を行うことができる。
【0104】
また、前述したように、ディーラ等の中間サーバ5を介し主サーバ5から入力した情報を基に、その情報をユーザ側パソコン4′へとダウンロードして最終的なサービス情報として所定の態様で表示されるようにしたり、あるいはまた、上記情報を取捨選択して制限し一部の情報はダウンロードができないようにロックするようにしたり、ダウンロード用の画面自体が表示されないようにすることも可能である。
【0105】
なお、以上においては、建設機械の例として油圧ショベルを例にとって説明したが、これに限られず、他の建設機械、例えばクローラクレーン、ホイールローダ等に対しても適用でき、この場合も同様の効果を得る。
【0106】
さらに、建設機械への適用にも限られず、鉱山現場で稼働する掘削及び積み込み機械全般(例えばスクレーパ、削岩機(ドリルマシン)、及び鉱山で使用される大型の油圧ショベル、ホイールローダ、モータグレーダ等)に適用可能であり、これらの場合も同様の効果を得る。
【0107】
【発明の効果】
本発明によれば、販売会社等は、応募業者が上記顧客へのサービスを行う者として適任であるかどうかの判断を行うことができるので、例えば最も適任であると判断した業者に対しその旨の認定証明を行うことで、販売会社等に代わって当該顧客へのサービスを委託することができる。このようにして、稼働現場が販売会社等から遠い遠隔の地となる場合であっても、その稼働現場から近い範囲内においてサービスを行うに適当な業者を募集して選任することにより、顧客側に対し十分なサービスを確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の建設機械の情報処理システムの一実施の形態の前提となる建設機械の管理システムの全体概要図である。
【図2】本発明の建設機械の情報処理システムの一実施形態の適用対象である油圧ショベルに搭載された油圧システムの一例の概略構成をセンサ類とともに表す図である。
【図3】本発明の建設機械の情報処理システムの一実施の形態の前提となる建設機械の管理システムにおける情報の流れを概念的に示した図である。
【図4】本発明の建設機械の情報処理システムの一実施の形態の前提となる建設機械の管理システムを構成する主サーバの主たる機能を表す機能ブロック図である。
【図5】本発明の建設機械の情報処理システムの一実施の形態の全体概要図である。
【図6】本発明の建設機械の情報処理システムの一実施の形態を構成する中間サーバの記憶装置に格納、記憶されたデータベースのファイルデータの一例を示す図である。
【図7】本発明の建設機械の情報処理システムの一実施の形態を構成する業者パソコンにおける表示画面の流れを表す図である。
【図8】本発明の建設機械の情報処理システムの一実施の形態を構成する業者パソコンに表示された審査シートの一例を表す図である。
【図9】本発明の建設機械の情報処理システムの一実施の形態を構成する業者パソコンに表示された審査シートの一例を表す図である。
【図10】本発明の建設機械の情報処理システムの一実施の形態を構成する業者パソコンに表示された審査シートの一例を表す図である。
【図11】本発明の建設機械の情報処理システムの一実施の形態を構成する業者パソコンに表示された審査シートの一例を表す図である。
【符号の説明】
6 中間サーバ(サービスサーバ)
6A データベース
62 業者パソコン
62a〜d 業者パソコン
110 稼働地表示画面
120 技術分野入力画面
130 受注態様入力画面
140 資格概要表示画面
150 応募者情報入力画面
160 審査シート画面
Claims (8)
- 建設機械を所有する顧客にそのサービス情報を提供する建設機械の情報処理システムにおいて、
建設機械の部品の修理交換に必要な作業能力及び機器・設備に関する所定の資格要件を記憶するデータベースと、
建設機械の修理交換業者募集情報の受給者側の端末に、通信網で接続した建設機械の修理交換業者募集情報の提供側のサービスサーバとを有し、
前記サービスサーバは、
前記情報受給者側の端末に対し、前記建設機械の稼働位置又はこの稼働位置に係わる所定の範囲領域を表示するとともに、前記建設機械の所定の部位に係わる部品の修理交換作業の受注に応募するかどうかの入力を促す手順と、
前記情報受給者側の端末からの応募情報を確認する手順と、
この確認手順により受信した応募情報に基づいて、前記データベースに予め記憶した前記所定の資格要件を前記データベースから抽出する手順と、
この抽出手順により抽出した前記資格要件に基づいて、前記情報受給者がその資格要件を満たすかどうかを判定するための審査シートを生成する手順と、
この生成手順により生成した前記審査シートを前記通信網を介して前記情報受給者側の端末に送信し審査シートの所定箇所への入力を促す手順とを行うことを特徴とする建設機械の情報処理システム。 - 建設機械を所有する顧客にそのサービス情報を提供する建設機械の情報処理システムにおいて、
建設機械の修理交換の必要な部品に関する所定の資格要件を記憶するデータベースと、
建設機械の部品納入業者募集情報の受給者側の端末に、通信網で接続した建設機械の部品納入業者募集情報の提供側のサービスサーバとを有し、
前記サービスサーバは、
前記情報受給者側の端末に対し、前記建設機械の稼働位置又はこの稼働位置に係わる所定の範囲領域を表示するとともに、前記建設機械の所定の部位に係わる修理交換の必要な部品の納入の受注に応募するかどうかの入力を促す手順と、
前記情報受給者側の端末からの応募情報を確認する手順と、
この確認手順により受信した応募情報に基づいて、前記データベースに予め記憶した前記所定の資格要件を前記データベースから抽出する手順と、
この抽出手順により抽出した前記資格要件に基づいて、前記情報受給者がその資格要件を満たすかどうかを判定するための審査シートを生成する手順と、
この生成手順により生成した前記審査シートを前記通信網を介して前記情報受給者側の端末に送信し審査シートの所定箇所への入力を促す手順とを行うことを特徴とする建設機械の情報処理システム。 - 建設機械を所有する顧客にそのサービス情報を提供する建設機械の情報処理システムにおいて、
建設機械の修理交換の必要な部品とその修理交換に必要な作業能力及び機器・設備とに関する所定の資格要件を記憶するデータベースと、
建設機械の部品納入・修理交換業者募集情報の受給者側の端末に、通信網で接続した建設機械の部品納入・修理交換業者募集情報の提供側のサービスサーバとを有し、
前記サービスサーバは、
前記情報受給者側の端末に対し、前記建設機械の稼働位置又はこの稼働位置に係わる所定の範囲領域を表示するとともに、前記建設機械の所定の部位に係わる修理交換の必要な部品の納入及びその修理交換作業の受注に応募するかどうかの入力を促す手順と、
前記情報受給者側の端末からの応募情報を確認する手順と、
この確認手順により受信した応募情報に基づいて、前記データベースに予め記憶した前記所定の資格要件を前記データベースから抽出する手順と、
この抽出手順により抽出した前記資格要件に基づいて、前記情報受給者がその資格要件を満たすかどうかを判定するための審査シートを生成する手順と、
この生成手順により生成した前記審査シートを前記通信網を介して前記情報受給者側の端末に送信し審査シートの所定箇所への入力を促す手順とを行うことを特徴とする建設機械の情報処理システム。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載の建設機械の情報処理システムにおいて、
前記サービスサーバは、
前記情報受給者側の端末から送信された前記審査シートの所定箇所への入力情報を受信する手順と、
この受信手順で受信した入力情報に基づいて、前記情報受給者が前記資格要件を満たすかどうかを判定する手順と、
この判定手順で判定が満たされた場合には、前記修理交換作業を行う者、若しくは前記部品納入を行う者、若しくは前記部品納入及び前記修理交換作業を行う者として認定した旨の証明表示を生成する手順と、
この生成手順で生成した前記証明表示を前記通信網を介して対応する前記情報受給者側の端末に送信する手順とを行うことを特徴とする建設機械の情報処理システム。 - 建設機械の修理交換業者募集情報の受給者側の端末と、建設機械の修理交換業者募集情報の提供側のサービスサーバとを通信網で接続した建設機械の情報処理方法において、
前記サービスサーバは、
前記情報受給者側の端末に対し、前記建設機械の稼働位置又はこの稼働位置に係わる所定の範囲領域を表示するとともに、前記建設機械の所定の部位に係わる部品の修理交換作業の受注に応募するかどうかの入力を促す手順と、
前記情報受給者側の端末からの応募情報を確認する手順と、
この確認手順により受信した応募情報に基づいて、データベースに予め記憶した建設機械の部品の修理交換に必要な作業能力及び機器・設備に関する所定の資格要件を前記データベースから抽出する手順と、
この抽出手順により抽出した前記資格要件に基づいて、前記情報受給者がその資格要件を満たすかどうかを判定するための審査シートを生成する手順と、
この生成手順により生成した前記審査シートを前記通信網を介して前記情報受給者側の端末に送信し審査シートの所定箇所への入力を促す手順とを行うことを特徴とする建設機械の情報処理方法。 - 建設機械の修理交換業者募集情報の受給者側の端末と、建設機械の修理交換業者募集情報の提供側のサービスサーバとを通信網で接続した建設機械の情報処理方法において、
前記サービスサーバは、
前記情報受給者側の端末に対し、前記建設機械の稼働位置又はこの稼働位置に係わる所定の範囲領域を表示するとともに、前記建設機械の所定の部位に係わる修理交換の必要な部品の納入の受注に応募するかどうかの入力を促す手順と、
前記情報受給者側の端末からの応募情報を確認する手順と、
この確認手順により受信した応募情報に基づいて、データベースに予め記憶した建設機械の修理交換の必要な部品に関する所定の資格要件を前記データベースから抽出する手順と、
この抽出手順により抽出した前記資格要件に基づいて、前記情報受給者がその資格要件を満たすかどうかを判定するための審査シートを生成する手順と、
この生成手順により生成した前記審査シートを前記通信網を介して前記情報受給者側の端末に送信し審査シートの所定箇所への入力を促す手順とを行うことを特徴とする建設機械の情報処理方法。 - 建設機械の修理交換業者募集情報の受給者側の端末と、建設機械の修理交換業者募集情報の提供側のサービスサーバとを通信網で接続した建設機械の情報処理方法において、
前記サービスサーバは、
前記情報受給者側の端末に対し、前記建設機械の稼働位置又はこの稼働位置に係わる所定の範囲領域を表示するとともに、前記建設機械の所定の部位に係わる修理交換の必要な部品の納入及びその修理交換作業の受注に応募するかどうかの入力を促す手順と、
前記情報受給者側の端末からの応募情報を確認する手順と、
この確認手順により受信した応募情報に基づいて、データベースに予め記憶した建設機械の修理交換の必要な部品とその修理交換に必要な作業能力及び機器・設備とに関する所定の資格要件を前記データベースから抽出する手順と、
この抽出手順により抽出した前記資格要件に基づいて、前記情報受給者がその資格要件を満たすかどうかを判定するための審査シートを生成する手順と、
この生成手順により生成した前記審査シートを前記通信網を介して前記情報受給者側の端末に送信し審査シートの所定箇所への入力を促す手順とを行うことを特徴とする建設機械の情報処理方法。 - 請求項5乃至7のいずれかに記載の建設機械の情報処理方法において、
前記サービスサーバは、
前記情報受給者側の端末から送信された前記審査シートの所定箇所への入力情報を受信する手順と、
この受信手順で受信した入力情報に基づいて、前記情報受給者が前記資格要件を満たすかどうかを判定する手順と、
この判定手順で判定が満たされた場合には、前記修理交換作業を行う者、若しくは前記部品納入を行う者、若しくは前記部品納入及び前記修理交換作業を行う者として認定した旨の証明表示を生成する手順と、
この生成手順で生成した前記証明表示を前記通信網を介して対応する前記情報受給者側の端末に送信する手順とを行うことを特徴とする建設機械の情報処理方法。
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