JP2004184390A - 放射性物質容器の状態検出装置及び方法 - Google Patents

放射性物質容器の状態検出装置及び方法 Download PDF

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慎一郎 堀
Hiroyuki Iba
博之 射場
Kazuo Asada
和雄 浅田
Kazuo Murakami
和夫 村上
Yuichi Saito
雄一 齋藤
Iwaji Abe
岩司 阿部
Kenichi Matsunaga
健一 松永
Mitsuhiro Irino
光博 入野
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Abstract

【課題】放射性廃棄物貯蔵容器の状態検出装置において、簡単な構成で密封状態の異常を適正に検出可能とする。
【解決手段】キャニスタ11の表面温度T(温度絶対値Ta)の一定期間における平均値ATaと標準偏差σTaを算出し、この平均値ATaと標準偏差σTaに基づいて正常温度領域ATa±nσTaを設定し、温度絶対値Taと正常温度領域ATa±nσTaとを比較してキャニスタ11における密封状態の異常を判定すると共に、表面温度Tの温度変化率T’から一定期間における平均値AT’と標準偏差σT’を算出し、この平均値AT’と標準偏差σT’に基づいて正常温度変化率領域AT’±nσT’を設定し、温度変化率T’と正常温度変化率領域AT’±nσT’とを比較してキャニスタ11における密封状態の異常を判定する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃焼を終えた使用済燃料集合体や放射性廃棄物などの放射性物質をを収容するキャニスタやキャスク等の放射性物質容器の状態を、輸送時や保管時に検出する放射性物質容器の状態検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
核燃料サイクルの終期にあって、燃焼を終えて使用できなくなった核燃料集合体を使用済燃料集合体と称するが、この使用済燃料集合体はFPなどの高放射能物質を含んでおり、熱的に冷却する必要があることから、キャニスタ及び貯蔵用キャスクに収容され、原子力発電所の冷却ピットで約60年間冷却状態で貯蔵される。その後、この使用済燃料集合体は、貯蔵用キャスクから輸送用キャスクに移され、トラック等で再処理施設に搬送貯蔵される。この場合、キャスク内には、高放射能物質を収容することとなるため、このキャスクの密封には高い信頼性が要求される。
【0003】
そのため、使用済燃料集合体がキャニスタや貯蔵用キャスクに収容されて貯蔵状態にあるとき、その密封性をモニタリングするモニタリング装置が設けられており、このモニタリング装置としては、例えば、特開2002−48898号公報に開示されたものがある。この公報に開示された「キャスク用モニタリング装置」は、キャスクの周辺に光ファイバと圧力センサと接着テープとを設け、圧力及び温度を求めて測定個所の分布を特定することで、モニタリングを可能としている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−48898号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の「キャスク用モニタリング装置」にあっては、キャスクの圧力と温度から測定個所の分布を特定してモニタリングをしているが、このモニタリングしたデータからどうようにしてキャスクの状態を検出するか、具体的な構成がなく、キャスクの状態の異常を適正に検出することができない。
【0006】
本発明はこのような問題を解決するものであり、簡単な構成で放射性物質やその容器の状態の異常を適正に検出可能とした放射性物質容器の状態検出装置と方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するための請求項1の発明の放射性物質容器の状態検出装置は、放射性物質を収容する容器の状態を検出する放射性物質容器の状態検出装置において、前記放射性物質容器の状態情報を計測する状態計測手段と、該状態計測手段が計測した一定期間における状態情報の平均値を算出する状態平均値算出手段と、前記状態計測手段が計測した一定期間における状態情報の標準偏差を算出する状態標準偏差算出手段と、前記状態平均値算出手段及び前記状態標準偏差算出手段の算出結果に基づいて正常状態領域を設定する正常状態領域設定手段と、前記状態計測手段が計測した状態情報と前記正常状態領域設定手段が設定した正常状態領域とを比較して前記放射性物質容器における状態の異常を判定する異常判定手段とを具えたことを特徴とするものである。
なお、ここで放射性物質としては、使用済み核燃料や放射性廃棄物があり、その容器とは通常、遮蔽層のあるキャスク、遮蔽層のないキャニスタ、あるいは国よってはフラスコなど呼ばれている容器がある。また、状態情報としては、容器の表面温度あるいは蓋間圧力など容器の状態若しくは放射線量など放射性物質の状態を示す情報がある。
【0008】
また、請求項2の発明の放射性物質容器の状態検出装置は、放射性物質を収容する容器の状態を検出する放射性物質容器の状態検出装置において、近接配置された複数の放射性物質容器の状態情報を計測する状態計測手段と、該状態計測手段が計測した前記複数の放射性物質容器の状態情報の平均値を算出する状態平均値算出手段と、前記状態計測手段が計測した前記複数の放射性物質容器の状態情報の標準偏差を算出する状態標準偏差算出手段と、前記状態平均値算出手段及び前記状態標準偏差算出手段の算出結果に基づいて正常状態領域を設定する正常状態領域設定手段と、前記状態計測手段が計測した状態情報と前記正常状態領域設定手段が設定した正常状態領域とを比較して前記放射性物質容器における状態の異常を判定する異常判定手段とを具えたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項3の発明の放射性物質容器の状態検出装置では、前記異常判定手段は、前記状態情報が前記正常状態領域から所定回数連続して外れたときに前記異常を判定することを特徴としている。
【0010】
請求項4の発明の放射性物質容器の状態検出装置では、前記状態計測手段は、前記放射性物質容器の複数個所の状態情報を計測し、該複数個所の計測値ごとに前記状態情報の平均値、前記標準偏差、前記正常状態領域を求め、前記異常判定手段は、前記複数個所ごとに異常判定を行うと共に、該異常判定結果に基づいて前記状態計測手段の異常判定を行うことを特徴としている。
【0011】
請求項5の発明の放射性物質容器の状態検出装置では、前記状態計測手段としての状態情報計測手段は、前記放射性物質容器における異なる複数個所の状態情報を計測することを特徴としている。
【0012】
また、請求項6の発明の放射性物質容器の状態検出装置は、放射性物質を収容する容器の状態を検出する放射性物質容器の状態検出装置において、前記放射性物質容器の状態情報を計測する状態計測手段と、該状態計測手段が計測した一定期間における状態情報の状態変化率の平均値を算出する状態変化率平均値算出手段と、前記状態計測手段が計測した一定期間における状態情報の状態変化率の標準偏差を算出する状態変化率標準偏差算出手段と、前記状態変化率平均値算出手段及び前記状態変化率標準偏差算出手段の算出結果に基づいて正常状態変化率領域を設定する正常状態変化率領域設定手段と、前記状態計測手段が計測した状態情報の状態変化率と前記正常状態変化率領域設定手段が設定した正常状態変化率領域とを比較して前記放射性物質容器における状態の異常を判定する異常判定手段とを具えたことを特徴とするものである。
【0013】
また、請求項7の発明の放射性物質容器の状態検出装置は、放射性物質を収容する容器の状態を検出する放射性物質容器の状態検出装置において、近接配置された複数の放射性物質容器の状態情報を計測する状態計測手段と、該状態計測手段が計測した前記複数の放射性物質容器の状態情報の状態変化率の平均値を算出する状態変化率平均値算出手段と、前記状態計測手段が計測した前記複数の放射性物質容器の状態情報の状態変化率の標準偏差を算出する状態変化率標準偏差算出手段と、前記状態変化率平均値算出手段及び前記状態変化率標準偏差算出手段の算出結果に基づいて正常状態変化率領域を設定する正常状態変化率領域設定手段と、前記状態計測手段が計測した状態情報の状態変化率と前記正常状態変化率領域設定手段が設定した正常状態変化率領域とを比較して前記放射性物質容器における状態の異常を判定する異常判定手段とを具えたことを特徴とするものである。
【0014】
請求項8の発明の放射性物質容器の状態検出装置では、前記異常判定手段は、前記状態変化率が前記正常状態変化率領域から所定回数連続して外れたときに前記異常を判定することを特徴としている。
【0015】
請求項9の発明の放射性物質容器の状態検出装置では、前記状態計測手段は、前記放射性物質容器の複数個所の状態情報を計測し、該複数個所の計測値ごとに前記状態情報の状態変化率の平均値、前記標準偏差、前記正常状態領域を求め、前記異常判定手段は、前記複数個所ごとに異常判定を行うと共に、該異常判定結果に基づいて前記状態計測手段の異常判定を行うことを特徴としている。
【0016】
請求項10の発明の放射性物質容器の状態検出装置では、前記状態計測手段としての状態情報計測手段は、前記放射性物質容器における異なる複数個所の状態情報を計測することを特徴としている。
【0017】
請求項11の発明の放射性物質容器の状態検出方法は、放射性物質を収容する容器の状態を検出する放射性物質容器の状態検出方法において、前記放射性物質容器の状態情報を、時間的若しくは空間的な領域内の異なる複数点で計測する状態計測工程と、該状態計測工程にて計測した複数点の状態情報の平均値もしくは該状態情報の状態変化率の平均値を算出する状態平均値算出工程と、前記状態計測工程にて計測した複数点の状態情報もしくは前記状態変化率の標準偏差を算出する状態標準偏差算出工程と、前記状態平均値算出工程及び前記状態標準偏差算出工程の算出結果に基づいて正常状態領域を設定する正常状態領域設定工程と、前記状態計測工程にて計測した状態情報もしくは前記状態変化率と前記正常状態領域設定工程にて設定した正常状態領域とを比較して前記放射性物質容器における状態の異常を判定する異常判定工程とを具えたことを特徴とする。なお、ここでの「状態情報を、時間的若しくは空間的な領域内の異なる複数点で計測する」とは、例えば一定期間内に複数回、もしくは特定部位近傍の一定の領域で複数回もしくは複数の計測手段により計測するなど、要するに複数の異なる計測データを入手する事である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0019】
図1に本発明の第1実施形態に係る放射性物質容器の状態検出装置の概略構成、図2に第1実施形態の放射性物質容器の状態検出装置による状態検出制御のフローチャート、図3にキャニスタの表面温度の変化による異常判定結果を表すグラフ、図4にキャニスタの温度変化率の変化による異常判定結果を表すグラフを示す。
【0020】
第1実施形態の放射性物質容器の状態検出装置において、図1に示すように、放射性物質容器としてのキャニスタ11はステンレス製あるいは炭素鋼製であって、内部にキャビティ12が形成され、このキャビティ12には使用済燃料集合体13を収容するバスケット14が配設され、上部開口に一次蓋15及び二次蓋16が固定されて密封状態が維持されている。
【0021】
キャスク21はコンクリート製であって、支持体22と側壁23と蓋体24とから構成され、内部にキャニスタ11を収容している。そして、側壁23の上部及び下部には空気流通孔25が形成され、キャスク21内とこのキャスク21の保管施設の建屋の内部空間とが流通されている。
【0022】
また、キャスク21の側壁23及び蓋体24にはこれを貫通する検査孔26,27が形成されており、各検査孔26,27には熱電対を利用した棒状の温度センサ(状態計測手段、表面温度計測手段)28,29が挿入されている。この温度センサ28,29は先端部に取付けられた検出素子が電気的特性を温度に依存して変化する性質を利用して、キャニスタ11の表面温度を計測することができる。また、温度センサ28はアクチュエータ30により上下方向に移動可能であり、温度センサ29はアクチュエータ31により水平方向に移動可能である。そして、各温度センサ28,29はそれぞれ複数設けられており、各温度センサ28はキャニスタ11の上部の表面温度を計測し、各温度センサ29はキャニスタ11の中央部の表面温度を計測する。なお、温度センサ28,29に代えて、ペルチェ効果を利用した熱電対、温度に依存して電気抵抗が変化する測温抵抗体、2種の赤外線を利用した温度計、放熱温度計などを用いてもよい。
【0023】
そして、キャニスタ11内にはヘリウム等のガスが充填されて対流することで、使用済燃料集合体13からの局所的な発熱を吸収してキャビティ12内の全体を循環している。従って、キャニスタ11のキャビティ12では、このヘリウムガスの循環により所定の温度分布が形成されており、この温度分布の特性を検出することでヘリウムガスの漏洩、即ち、密封状態の異常を検出することができる。本実施形態では、キャニスタ11の表面温度を継続的に計測し、ヘリウムガスの漏洩による内部圧力変動をこの表面温度変化として検出し、キャニスタ11における密封状態の異常を判定するようにしている。
【0024】
なお、保管施設の建屋内には、内部にキャニスタ11を収容したキャスク21が多数隣接して配置されている。
【0025】
本実施形態の放射性物質容器の状態検出装置にて、異常判定を実行する制御装置40は並列に設けられた2つの制御ブロック41,51から構成されており、前述した温度センサ28,29の計測結果、並びに気温センサ32の計測結果が入力される。
【0026】
第1制御ブロック41は、温度センサ28,29が計測したキャニスタ11の表面温度から温度絶対値を算出する温度絶対値算出手段42と、温度絶対値算出手段42が算出した一定期間における温度絶対値の平均値を算出する温度平均値算出手段(状態平均値算出手段)43と、温度絶対値算出手段42が算出した一定期間における温度絶対値の標準偏差を算出する温度標準偏差算出手段(状態標準偏差算出手段)44と、温度平均値算出手段43が算出した温度絶対値の平均値と温度標準偏差算出手段44が算出した温度絶対値の標準偏差に基づいて正常温度領域を設定する正常温度領域設定手段(正常状態領域設定手段)45と、温度絶対値算出手段42が算出した温度絶対値と正常温度領域設定手段45が設定した正常温度領域とを比較してキャニスタ11における密封状態の異常を判定する異常判定手段46とを有している。
【0027】
第2制御ブロック51は、温度センサ28,29が計測したキャニスタ11の表面温度の温度変化率を算出する温度変化率算出手段52と、温度変化率算出手段52が算出した一定期間における温度変化率の平均値を算出する温度変化率平均値算出手段53と、温度変化率算出手段(状態変化率算出手段)53がが算出した一定期間における温度変化率の標準偏差を算出する温度変化率標準偏差算出手段(状態標準偏差算出手段)54と、温度変化率平均値算出手段53が算出した温度変化率の平均値と温度変化率標準偏差算出手段54が算出した温度変化率の標準偏差に基づいて正常温度変化率領域を設定する正常温度変化率領域設定手段(正常状態領域設定手段)55と、温度変化率算出手段52が算出した温度変化率と正常温度変化率領域設定手段55が設定した正常温度変化率領域とを比較してキャニスタ11における密封状態の異常を判定する異常判定手段56とを有している。
【0028】
そして、制御装置40(制御ブロック41,51)には、キャニスタ11の正常あるいは異常を知らせる表示手段60が接続されている。
【0029】
ここで、第1実施形態の放射性物質容器の状態検出装置によるキャニスタ11の状態判定方法について詳細に説明する。
【0030】
ステップS1において、温度センサ28,29がキャニスタ11の表面温度Tを計測すると共に、気温センサ32が保管施設の建屋内の気温T0を計測し、制御装置40に出力する。すると、ステップS2〜S6にて、前述した第1制御ブロック41の処理と、ステップS7〜S11にて、前述した第2制御ブロック51の処理を平行して行う。
【0031】
即ち、ステップS2では、温度絶対値算出手段42が温度センサ28,29が計測したキャニスタ11の表面温度Tに基づいて温度絶対値Taを算出(本実施形態では、表面温度T=温度絶対値Taとする。)し、これを時系列情報として出力する。この場合、温度センサ28はキャニスタ11の上部の表面温度を複数個所計測して出力し、温度センサ29はキャニスタ11の下部の表面温度を複数個所計測して出力している。すると、ステップS3にて、温度平均値算出手段43が温度絶対値Taの時系列情報に基づいて一定期間におけるキャニスタ11の上部及び下部の各平均値ATaを算出する。また、ステップS4にて、温度標準偏差算出手段44が温度絶対値Taの時系列情報に基づいて一定期間における標準偏差σTaを算出する。ステップS5では、正常温度領域設定手段45が温度絶対値Taの平均値ATaと温度絶対値Taの標準偏差σTaに基づいて正常温度領域ATa±nσTa(例えば、n=3)を設定する。そして、ステップS6にて、異常判定手段46は、温度センサ28,29が計測した表面温度Tとしての温度絶対値Taが、正常温度領域ATa±nσTa内にあるかどうかをによりキャニスタ11における密封状態の異常を判定する。
【0032】
一方、ステップS7では、温度センサ28,29が計測したキャニスタ11の表面温度Tから温度変化率算出手段52がその温度変化率T’を算出し、これを時系列情報として出力する。すると、ステップS8にて、温度変化率平均値算出手段53が温度変化率T’の時系列情報に基づいて一定期間における平均値AT’を算出する。また、ステップS9にて、温度変化率標準偏差算出手段54が温度変化率T’の時系列情報に基づいて一定期間における標準偏差σT’を算出する。ステップS10では、正常温度変化率領域設定手段55が温度変化率T’の平均値AT’と温度変化率T’の標準偏差σT’に基づいて正常温度変化率領域AT’±nσT’(例えば、n=3)を設定する。そして、ステップS11にて、異常判定手段56は、温度センサ28,29が計測した表面温度Tから求めた温度変化率T’が、正常温度変化率領域AT’±nσT’内にあるかどうかをによりキャニスタ11における密封状態の異常を判定する。
【0033】
即ち、ステップS6にて、温度絶対値Ta(時系列情報)が正常温度領域ATa±nσTaから外れた回数が、連続してm回外れたかどうかを判定し、温度絶対値Taが正常温度領域ATa±nσTaからm回連続して外れたら、ステップS16に移行して異常判定を継続する。一方、温度絶対値Taが正常温度領域ATa±nσTaからm回連続して外れなければ、ステップS12に移行して正常と判定とし、ステップS13にて、表示手段60はキャニスタ11の正常を表示する。また、ステップS11にて、温度変化率T’(時系列情報)が正常温度変化率領域AT’±nσT’から外れた回数が、連続してm回外れたかどうかを判定し、温度変化率T’が正常温度領域AT’±nσT’からm回連続して外れたら、ステップS16に移行して異常判定を継続する。一方、温度変化率T’が正常温度領域AT’±nσT’からm回連続して外れなければ、ステップS14に移行して正常と判定とし、ステップS15にて、表示手段60はキャニスタ11の正常を表示する。
【0034】
ステップS6及びステップS11で異常判定を継続すると判定されたら、ステップS16にて別の判定方法でキャニスタ11の異常を判定する。まず、同一のキャニスタ11にて、温度センサ28,29が計測した異なる計測点での各表面温度ごとにその変化傾向を比較して異常判定を行う。具体的には、前述したステップS2〜S6と同様に、キャニスタ11の上部にて、温度センサ28が計測した各表面温度から温度絶対値をそれぞれ算出し、ある時点(時間)における各温度絶対値の平均値と標準偏差を算出する。そして、平均値と標準偏差とから正常温度領域を設定し、温度センサ28が計測した各計測位置での温度絶対値と正常温度領域とを比較してキャニスタ11における密封状態の異常を判定する。なお、温度センサ29が計測した複数の下部表面温度についても同様に異常判定の処理を行う。
【0035】
また、前述したステップS7〜S11と同様に、キャニスタ11の上部にて、温度センサ28が計測した各表面温度からその温度変化率をそれぞれ算出し、ある時点(時間)における各温度変化率の平均値と標準偏差を算出する。そして、平均値と標準偏差とから正常温度変化率領域を設定し、温度センサ28が計測した各計測位置での温度変化率と正常温度変化率領域とを比較してキャニスタ11における密封状態の異常を判定する。なお、温度センサ29が計測した複数の下部表面温度についても同様に異常判定の処理を行う。
【0036】
次に、保管施設の建屋内に配置された周辺の各キャニスタ11ごとに、各温度センサ28,29が計測した表面温度の変化傾向を比較して異常判定を行う。なお、具体的な演算方法並びに判定方法は、前述と同様であるため省略する。
【0037】
そして、このステップS16にて、同一のキャニスタ11及び周辺の各キャニスタ11において、他計測点と異なる変化傾向があれば、ステップS17に移行し、ステップS6,S11で異常判定として原因は気温による変動の可能性が大きいとし、ステップS15にて、キャニスタ11の正常を表示し、監視を継続する。なお、ステップS17では、気温センサ32が計測した気温T0に基づいて実際に気温に大きな変化があったかどうか確認する。
【0038】
一方、ステップS16にて、同一のキャニスタ11及び周辺の各キャニスタ11において、異なる変化傾向が発生していれば、ステップS18で、周辺の各キャニスタ11にて他計測点は異常変動がないかどうかを確認し、異常変動がなければ、ステップS19で、同一のキャニスタ11にて他計測点で異常変動がないかどうかを確認し、異常変動があれば、ステップS20でキャニスタ11の異常を判定する。そして、ステップS21でキャニスタ11の上部が温度低下する一方、中央部が温度上昇する傾向が確認されたら、ステップS22で、キャニスタ11の破損によるリーク異常の可能性が大きいと判定し、ステップS23で表示手段60がキャニスタ11の異常を表示する。
【0039】
また、ステップS18で、周辺の各キャニスタ11にて他計測点は異常変動があると確認されたり、ステップS19で、同一のキャニスタ11にて他計測点で異常変動があると確認されたら、ステップS24で温度センサ28,29の異常を判定する。更に、ステップS21でキャニスタ11の上部が温度低下する一方、中央部が温度上昇する傾向が確認されなければ、ステップS25で、温度センサ28,29を含む計測系の異常と判定し、ステップS23で表示手段60が温度センサ28,29あるいは計測系の異常を表示する。
【0040】
このように第1実施形態の放射性物質容器の状態検出装置にあっては、キャニスタ11の表面温度Tを計測する温度センサ28,29を設け、キャニスタ11の表面温度Tを温度絶対値Taとし、一定期間における温度絶対値Taの平均値ATaを算出すると共に、一定期間における温度絶対値Taの標準偏差σTaを算出し、温度絶対値の平均値ATaと標準偏差σTaをに基づいて正常温度領域ATa±nσTaを設定し、温度絶対値Taと正常温度領域ATa±nσTaとを比較してキャニスタ11における密封状態の異常を判定している。
【0041】
従って、キャニスタ11の表面温度Tを継続的に計測し、表面温度T(温度絶対値Ta)の平均値ATaと標準偏差σTaから正常温度領域ATa±nσTaを設定し、表面温度T(温度絶対値Ta)がこの正常温度領域ATa±nσTaにあるかどうかによりキャニスタ11の密封状態が適正かどうかを判定することができ、簡単な構成で密封状態の異常を早期に、且つ、確実に検出することができ、モニタリング精度を向上することができる。
【0042】
即ち、図3のグラフに示すように、表面温度Tを継続的に計測し、その平均値ATaに対して上限値ATa+nσTaと下限値ATa−nσTaが設定(正常温度領域ATa±nσTa)されている状態で、時間t1でキャニスタ11が破損し、内部ガスが漏洩して圧力が低下すると、時間t2で表面温度T(温度絶対値Ta)が下限値ATa−nσTaを外れるため、このときにキャニスタ11の異常を検出することができる。
【0043】
また、温度センサ28,29が計測した一定期間におけるキャニスタ11の表面温度Tの温度変化率T’の平均値AT’を算出すると共に、キャニスタ11の表面温度Tの温度変化率T’の標準偏差σT’を算出し、温度変化率T’の平均値AT’と標準偏差σT’に基づいて正常温度変化率領域AT’±nσT’を設定し、表面温度Tの温度変化率T’と正常温度変化率領域AT’±nσT’とを比較してキャニスタ11における密封状態の異常を判定している。
【0044】
従って、キャニスタ11の表面温度Tを継続的に計測し、この表面温度Tの温度変化率T’の平均値AT’と標準偏差σT’から正常温度変化率領域AT’±nσT’を設定し、温度変化率T’がこの正常温度変化率領域AT’±nσT’にあるかどうかによりキャニスタ11の密封状態が適正かどうかを判定することができ、簡単な構成で密封状態の異常を早期に、且つ、確実に検出することができ、モニタリング精度を向上することができる。
【0045】
即ち、図4のグラフに示すように、表面温度Tを継続的に計測し、その温度変化率T’の平均値AT’に対して上限値AT’+nσT’と下限値AT’−nσT’が設定(正常温度領域AT’±nσT’)されている状態で、時間t3で温度変化率T’が下限値ATa−nσTaを外れるため、このときにキャニスタ11の異常を検出することができる。
【0046】
更に、その後、同一のキャニスタ11の異なる計測点での表面温度や温度変化率ごとにその変化傾向を比較して異常判定を行ったり、保管施設の建屋内に配置された周辺の各キャニスタ11ごとにその表面温度や温度変化率ごとにその変化傾向を比較して異常判定を行っている。そのため、キャニスタ11の異常判定の信頼性が向上すると共に、キャニスタ11の異常判定の原因を特定することができる。
【0047】
なお、上述した第1実施形態では、第1制御ブロック41にて、温度センサ28,29が計測したキャニスタ11の表面温度を温度絶対値とし、この温度絶対値を用いてその平均値及び標準偏差を算出して正常温度領域を設定し、異常判定を行ったが、温度センサ28,29が計測したキャニスタ11の表面温度を用いてその平均値及び標準偏差を算出して正常温度領域を設定し、異常判定を行ってもよい。
【0048】
また、キャニスタ11の表面温度T(温度絶対値Ta)を判定基準とした第1制御ブロック41による処理(ステップS2〜S6)と、キャニスタ11の表面温度Tの温度変化率T’を判定基準とした第2制御ブロック51による処理(ステップS7〜S11)とを並行して行ったが、一方だけの処理でキャニスタ11の異常判定を行ってもよい。
【0049】
更に、表面温度T(温度絶対値Ta)と温度変化率T’を判定基準とした処理でキャニスタ11の異常を判定した後、同一のキャニスタ11の異なる計測点での表面温度や温度変化率ごとの異常判定と、周辺の各キャニスタ11の表面温度や温度変化率ごとの異常判定を行ったが、表面温度T(温度絶対値Ta)と温度変化率T’による異常判定だけとしたり、同一のキャニスタ11の異なる計測点での異常判定だけ、また、周辺の各キャニスタ11の表面温度や温度変化率の異常判定だけとしてもよい。
【0050】
また、上述のステップS16では、同一のキャニスタ11及び周辺の各キャニスタ11の他計測点と異なる変化傾向の有無に判定し、判定結果によりステップS17,S18に移行するようにしたが、同一のキャニスタ11及び周辺の各キャニスタ11の全計測点の各時点ごとの温度変化率データについての平均値と標準偏差を算出(同一計測点での時系列データの平均値ではなく、同一時点の異なる計測点を母集団とした統計量)し、この計測点の変化率が正常温度領域にあるかどうかにより判定し、正常温度領域にあれば異なる変化傾向なしとしてステップS17に移行し、正常温度領域になければ異なる変化傾向ありとしてS18に移行するようにしてもよい。
【0051】
図5に本発明の第2実施形態に係る放射性物質容器の状態検出装置の概略構成、図6に第2実施形態の放射性物質容器の状態検出装置による状態検出制御のフローチャートを示す。
【0052】
第2実施形態の放射性物質容器の状態検出装置において、図5に示すように、放射性物質容器としてのキャスク61はステンレス製あるいは炭素鋼製であって、内部にキャビティ62が形成され、このキャビティ62には使用済燃料集合体63を収容するバスケット64が配設され、上部開口にガスケットを介して一次蓋65及び二次蓋66が固定された密封状態が維持されている。
【0053】
また、一次蓋65と二次蓋66との間にはヘリウムガスが充填されて圧力障壁(空間部)67を形成しており、二次蓋66にはこれを貫通する検査孔が形成されており、各検査孔に圧力センサ(状態計測手段、蓋間圧力計測手段)68,69がシール機能を有して装着されている。この温度センサ68,69は、一次蓋65と二次蓋66との間の圧力障壁67の圧力を計測することができる。そして、キャスク61内にはヘリウム等のガスが充填されて対流することで、使用済燃料集合体63からの局所的な発熱を吸収してキャビティ62内の全体を循環しており、圧力障壁67によりキャスク61と一次蓋65との密閉を確保している。
従って、キャスク61のキャビティ62では、この圧力障壁67の圧力分布の特性を検出することでヘリウムガスの漏洩、即ち、密封状態の異常を検出することができる。本実施形態では、圧力障壁67の圧力を継続的に計測し、ヘリウムガスの漏洩による内部圧力変動をこの圧力変化として検出し、キャスク71における密封状態の異常を判定するようにしている。
【0054】
本実施形態の放射性物質容器の状態検出装置にて、異常判定を実行する制御装置70は並列に設けられた2つの制御ブロック71,81から構成されており、前述した圧力センサ68,69の計測結果、並びに気温センサ32の計測結果が入力される。
【0055】
第1制御ブロック71は、圧力センサ68,69が計測したキャスク61における圧力障壁67の圧力から圧力絶対値を算出する圧力絶対値算出手段72と、圧力絶対値算出手段72が算出した一定期間における圧力絶対値の平均値を算出する圧力平均値算出手段(状態平均値算出手段)73と、圧力絶対値算出手段72が算出した一定期間における圧力絶対値の標準偏差を算出する圧力標準偏差算出手段(状態標準偏差算出手段)74と、圧力平均値算出手段73が算出した圧力絶対値の平均値と圧力標準偏差算出手段74が算出した圧力絶対値の標準偏差に基づいて正常圧力領域を設定する正常圧力領域設定手段(正常状態領域設定手段)75と、圧力絶対値算出手段72が算出した圧力絶対値と正常圧力領域設定手段75が設定した正常圧力領域とを比較してキャスク61における密封状態の異常を判定する異常判定手段76とを有している。
【0056】
第2制御ブロック81は、圧力センサ68,69が計測したキャスク61における圧力障壁67の圧力の圧力変化率を算出する圧力変化率算出手段82と、圧力変化率算出手段82が算出した一定期間における圧力変化率の平均値を算出する圧力変化率平均値算出手段83と、圧力変化率算出手段(状態変化率算出手段)83がが算出した一定期間における圧力変化率の標準偏差を算出する圧力変化率標準偏差算出手段(状態標準偏差算出手段)84と、圧力変化率平均値算出手段83が算出した圧力変化率の平均値と圧力変化率標準偏差算出手段84が算出した圧力変化率の標準偏差に基づいて正常圧力変化率領域を設定する正常圧力変化率領域設定手段(正常状態領域設定手段)85と、圧力変化率算出手段82が算出した圧力変化率と正常圧力変化率領域設定手段85が設定した正常圧力変化率領域とを比較してキャスク61における密封状態の異常を判定する異常判定手段86とを有している。
【0057】
そして、制御装置70(制御ブロック71,81)には、キャスク61の正常あるいは異常を知らせる表示手段90が接続されている。
【0058】
ここで、第2実施形態の放射性物質容器の状態検出装置によるキャスク61の状態判定方法について詳細に説明する。
【0059】
ステップT1において、圧力センサ68,69がキャスク61における圧力障壁67の圧力Pを計測すると共に、気温センサ32が保管施設の建屋内の気温T0を計測し、制御装置70に出力する。すると、ステップT2〜T6にて、前述した第1制御ブロック71の処理と、ステップT7〜T11にて、前述した第2制御ブロック81の処理を平行して行う。
【0060】
即ち、ステップT2では、圧力絶対値算出手段72が圧力センサ68,69が計測したキャスク61の圧力Pに基づいて圧力絶対値Paを算出(本実施形態では、計測圧力P=圧力絶対値Paとする。)し、これを時系列情報として出力する。この場合、圧力センサ68,69はキャスク61の圧力障壁67の圧力を複数個所計測して出力している。すると、ステップT3にて、圧力平均値算出手段73が圧力絶対値Paの時系列情報に基づいて一定期間におけるキャスク61の圧力平均値APaを算出する。また、ステップT4にて、圧力標準偏差算出手段74が圧力絶対値Paの時系列情報に基づいて一定期間における標準偏差σPaを算出する。ステップT5では、正常圧力領域設定手段75が圧力絶対値Paの平均値ATaと圧力絶対値Paの標準偏差σPaに基づいて正常圧力領域APa±nσPa(例えば、n=3)を設定する。そして、ステップT6にて、異常判定手段76は、圧力センサ68,69が計測した圧力Pとしての圧力絶対値Paが、正常圧力領域APa±nσPa内にあるかどうかをによりキャスク61における密封状態の異常を判定する。
【0061】
一方、ステップT7では、圧力センサ68,69が計測したキャスク61における圧力障壁67の圧力Pから圧力変化率算出手段82がその圧力変化率P’を算出し、これを時系列情報として出力する。すると、ステップT8にて、圧力変化率平均値算出手段83が圧力変化率P’の時系列情報に基づいて一定期間における平均値AP’を算出する。また、ステップT9にて、圧力変化率標準偏差算出手段84が圧力変化率P’の時系列情報に基づいて一定期間における標準偏差σP’を算出する。ステップT10では、正常圧力変化率領域設定手段85が圧力変化率P’の平均値AP’と圧力変化率P’の標準偏差σP’に基づいて正常圧力変化率領域AP’±nσP’(例えば、n=3)を設定する。そして、ステップT11にて、異常判定手段86は、圧力センサ68,69が計測した表面圧力Pから求めた圧力変化率P’が、正常圧力変化率領域AP’±nσP’内にあるかどうかをによりキャスク61における密封状態の異常を判定する。
【0062】
即ち、ステップT6にて、圧力絶対値Pa(時系列情報)が正常圧力領域APa±nσTaから外れた回数が、連続してm回外れたかどうかを判定し、圧力絶対値Paが正常圧力領域APa±nσPaからm回連続して外れたら、ステップT16に移行して異常判定を継続する。一方、圧力絶対値Paが正常圧力領域APa±nσPaからm回連続して外れなければ、ステップT12に移行して正常と判定とし、ステップT13にて、表示手段60はキャスク61の正常を表示する。また、ステップT11にて、圧力変化率P’(時系列情報)が正常圧力変化率領域AP’±nσP’から外れた回数が、連続してm回外れたかどうかを判定し、圧力変化率P’が正常圧力領域AP’±nσP’からm回連続して外れたら、ステップT16に移行して異常判定を継続する。一方、圧力変化率P’が正常圧力領域AP’±nσP’からm回連続して外れなければ、ステップT14に移行して正常と判定とし、ステップT15にて、表示手段60はキャスク61の正常を表示する。
【0063】
ステップT6及びステップT11で異常判定を継続すると判定されたら、ステップT16にて別の判定方法でキャスク61の異常を判定する。まず、同一のキャスク61にて、圧力センサ68,69が計測した異なる計測点での各表面圧力ごとにその変化傾向を比較して異常判定を行う。具体的には、前述したステップT2〜T6と同様に、キャスク61の上部にて、圧力センサ68,69が計測した圧力から圧力絶対値をそれぞれ算出し、ある時点(時間)における圧力絶対値の平均値と標準偏差を算出する。そして、平均値と標準偏差とから正常圧力領域を設定し、圧力センサ28,69が計測した各計測位置での圧力絶対値と正常圧力領域とを比較してキャスク61における密封状態の異常を判定する。
【0064】
また、前述したステップT7〜T11と同様に、圧力センサ68,69が計測した各圧力からその圧力変化率をそれぞれ算出し、ある時点(時間)における各圧力変化率の平均値と標準偏差を算出する。そして、平均値と標準偏差とから正常圧力変化率領域を設定し、圧力センサ68,69が計測した各計測位置での圧力変化率と正常圧力変化率領域とを比較してキャスク61における密封状態の異常を判定する。
【0065】
次に、保管施設の建屋内に配置された周辺の各キャスク61ごとに、各圧力センサ68,69が計測した表面圧力の変化傾向を比較して異常判定を行う。なお、具体的な演算方法並びに判定方法は、前述と同様であるため省略する。
【0066】
そして、このステップT16にて、同一のキャスク61及び周辺の各キャスク61において、他計測点と異なる変化傾向があれば、ステップT17に移行し、ステップT6,T11で異常判定として原因は気温による変動の可能性が大きいとし、ステップT15にて、キャスク61の正常を表示し、監視を継続する。なお、ステップT17では、気温センサ32が計測した気温T0に基づいて実際に気温に大きな変化があったかどうか確認する。
【0067】
一方、ステップT16にて、同一のキャスク61及び周辺の各キャスク61において、異なる変化傾向が発生していれば、ステップT18で、周辺の各キャスク61にて他計測点は異常変動がないかどうかを確認し、異常変動がなければ、ステップT19で、同一のキャスク61にて他計測点で異常変動がないかどうかを確認し、異常変動があれば、ステップT21で、キャスク61の破損によるリーク異常の可能性が大きいと判定し、ステップT22で表示手段90がキャスク61の異常を表示する。
【0068】
また、ステップT18で、周辺の各キャスク61にて他計測点は異常変動があると確認されたり、ステップT19で、同一のキャスク61にて他計測点で異常変動があると確認されたら、ステップT23で圧力センサ68,69の異常を判定し、更に、ステップT24で圧力センサ68,69を含む計測系の異常と判定し、ステップT22で表示手段90が圧力センサ68,69あるいは計測系の異常を表示する。
【0069】
このように第2実施形態の放射性物質容器の状態検出装置にあっては、キャスク61における圧力障壁67の圧力Pを計測する圧力センサ68,69を設け、キャスク61の圧力pを圧力絶対値Paとし、一定期間における圧力絶対値Paの平均値APaを算出すると共に、一定期間における圧力絶対値Paの標準偏差σPaを算出し、圧力絶対値の平均値APaと標準偏差σPaをに基づいて正常圧力領域APa±nσPaを設定し、圧力絶対値Pa と正常圧力領域APa±nσPaとを比較してキャスク61における密封状態の異常を判定している。
【0070】
従って、キャスク61の蓋間圧力Pを継続的に計測し、この圧力P(圧力絶対値Pa)の平均値APaと標準偏差σPaから正常圧力領域APa±nσPaを設定し、表面圧力P(圧力絶対値Pa)がこの正常圧力領域APa±nσPaにあるかどうかによりキャスク61の密封状態が適正かどうかを判定することができ、簡単な構成で密封状態の異常を早期に、且つ、確実に検出することができ、モニタリング精度を向上することができる。即ち、圧力Pを継続的に計測し、その平均値APaに対して上限値APa+nσPaと下限値APa−nσPaが設定(正常圧力領域APa±nσPa)されている状態で、キャスク61が破損して内部ガスが漏洩して圧力が低下すると、蓋間圧力P(圧力絶対値Pa)が下限値APa−nσPaを外れるため、このときにキャスク61の異常を検出することができる。
【0071】
また、圧力センサ68,69が計測した一定期間におけるキャスク61の蓋間圧力Pの圧力変化率P’の平均値AP’を算出すると共に、キャスク61の圧力Pの圧力変化率P’の標準偏差σP’を算出し、圧力変化率P’の平均値AP’と標準偏差σP’に基づいて正常圧力変化率領域AP’±nσP’を設定し、表面圧力Pの圧力変化率P’と正常圧力変化率領域AP’±nσP’とを比較してキャスク61における密封状態の異常を判定している。
【0072】
従って、キャスク61の表面圧力Pを継続的に計測し、この表面圧力Pの圧力変化率P’の平均値AP’と標準偏差σP’から正常圧力変化率領域AP’±nσP’を設定し、圧力変化率P’がこの正常圧力変化率領域AP’±nσP’にあるかどうかによりキャスク61の密封状態が適正かどうかを判定することができ、簡単な構成で密封状態の異常を早期に、且つ、確実に検出することができ、モニタリング精度を向上することができる。即ち、蓋間圧力Pを継続的に計測し、その圧力変化率P’の平均値AP’に対して上限値AP’+nσP’と下限値AP’−nσP’が設定(正常圧力領域AP’±nσP’)されている状態で、圧力変化率P’が下限値APa−nσPaを外れるため、このときにキャスク61の異常を検出することができる。
【0073】
更に、その後、同一のキャスク61の異なる計測点での蓋間圧力や圧力変化率ごとにその変化傾向を比較して異常判定を行ったり、保管施設の建屋内に配置された周辺の各キャスク61ごとにその蓋間圧力や圧力変化率ごとにその変化傾向を比較して異常判定を行っている。そのため、キャスク61の異常判定の信頼性が向上すると共に、キャスク61の異常判定の原因を特定することができる。
【0074】
なお、上述した第2実施形態では、第1制御ブロック71にて、圧力センサ68,69が計測したキャスク61の蓋間圧力を圧力絶対値としたが、計測圧力を用いて処理を行ってもよい。また、キャスク61の蓋間圧力P(圧力絶対値Pa)を判定基準とした第1制御ブロック71による処理(ステップT2〜T6)と、キャスク61の圧力Tの圧力変化率T’を判定基準とした第2制御ブロック81による処理(ステップT7〜T11)とを並行して行ったが、一方だけの処理でキャスク61の異常判定を行ってもよい。
【0075】
更に、蓋間圧力P(圧力絶対値Pa)と圧力変化率P’を判定基準とした処理でキャスク61の異常を判定した後、同一のキャスク61の異なる計測点での表面圧力や圧力変化率ごとの異常判定と、周辺の各キャスク61の表面圧力や圧力変化率ごとの異常判定を行ったが、蓋間圧力P(圧力絶対値Pa)と圧力変化率P’による異常判定だけとしたり、同一のキャスク61の異なる計測点での異常判定だけ、また、周辺の各キャスク61の表面圧力や圧力変化率の異常判定だけとしてもよい。
【0076】
また、第2実施形態では、圧力センサ68,69がキャスク61における一次蓋64と二次蓋65との間の空間部としての圧力障壁67の圧力、つまり、蓋間圧力Pを計測し、この蓋間圧力Pを用いて各種の処理を行ったが、前述した第1実施形態と同様に、二次蓋65に温度センサを設け、二次蓋65の表面温度を用いて各種の処理を行ってもよい。
【0077】
【発明の効果】
以上、実施形態において詳細に説明したように請求項1の発明の放射性物質容器の状態検出装置によれば、放射性物質容器の状態情報を計測する状態計測手段と、一定期間における状態情報の平均値を算出する状態平均値算出手段と、一定期間における状態情報の標準偏差を算出する状態標準偏差算出手段と、状態情報の平均値及び標準偏差に基づいて正常状態領域を設定する正常状態領域設定手段と、状態情報と正常状態領域とを比較して放射性物質容器における状態の異常を判定する異常判定手段とを設けたので、放射性物質容器の状態情報を継続的に計測する簡単な構成で、放射性物質容器の状態の異常を早期に、且つ、確実に検出することができ、容器の保管時や容器の輸送時等のモニタリング精度を向上することができる。
【0078】
また、請求項2の発明の放射性物質容器の状態検出装置は、配置された複数の放射性物質容器の状態情報を計測する状態計測手段と、複数の放射性物質容器の状態情報の平均値を算出する状態平均値算出手段と、複数の放射性物質容器の状態情報の標準偏差を算出する状態標準偏差算出手段と、表面温度または蓋間圧力と正常状態領域とを比較して放射性物質容器における密封状態の異常を判定する異常判定手段とを設けたので、放射性物質容器の表面温度または蓋間圧力を継続的に計測する簡単な構成で、放射性物質容器の密封状態の異常を早期に、且つ、確実に検出することができ、モニタリング精度を向上することができる。
【0079】
請求項3の発明の放射性物質容器の状態検出装置では、異常判定手段は状態情報が正常状態領域から所定回数連続して外れたときに異常を判定するので、状態計測手段による単なる計測ミスによる誤判定を防止して異常判定の信頼性を向上することができる。
【0080】
請求項4の発明の放射性物質容器の状態検出装置によれば、状態計測手段は放射性物質容器の複数個所の状態情報を計測し、複数個所の計測値ごとに状態情報の平均値、標準偏差、正常状態領域を求め、異常判定手段は複数個所ごとに異常判定を行うと共に、異常判定結果に基づいて状態計測手段の異常判定を行うので、放射性物質容器の異常判定の信頼性を向上することができると共に、放射性物質容器の異常判定の原因を特定することができる。
【0081】
請求項5の発明の放射性物質容器の状態検出装置によれば、状態計測手段としての状態情報計測手段は放射性物質容器における異なる複数個所の状態情報を計測するので、異常の特徴的な現象を早期に且つ確実に検出することができ、モニタリング精度を向上することができると共に、放射性物質容器の異常及び計測系の異常を確実に判定することができる。
【0082】
また、請求項6の発明の放射性物質容器の状態検出装置によれば、放射性物質容器の状態情報を計測する状態計測手段と、一定期間における状態情報の状態変化率の平均値を算出する状態変化率平均値算出手段と、一定期間における状態情報の状態変化率の標準偏差を算出する状態変化率標準偏差算出手段と、状態情報の状態変化率の平均値及び標準偏差に基づいて正常状態変化率領域を設定する正常状態変化率領域設定手段と、状態情報の状態変化率と正常状態変化率領域とを比較して放射性物質容器における状態の異常を判定する異常判定手段とを設けたので、放射性物質容器の状態情報を継続的に計測する簡単な構成で、放射性物質容器の状態の異常を早期に、且つ、確実に検出することができ、モニタリング精度を向上することができる。
【0083】
また、請求項7の発明の放射性物質容器の状態検出装置によれば、配置された複数の放射性物質容器の状態情報を計測する状態計測手段と、複数の放射性物質容器の状態情報の状態変化率の平均値を算出する状態変化率平均値算出手段と、複数の放射性物質容器の状態情報の状態変化率の標準偏差を算出する状態変化率標準偏差算出手段と、状態情報の状態変化率の平均値及び標準偏差に基づいて正常状態変化率領域を設定する正常状態変化率領域設定手段と、状態情報の状態変化率と正常状態変化率領域とを比較して放射性物質容器における状態の異常を判定する異常判定手段とを設けたので、放射性物質容器の状態情報を継続的に計測する簡単な構成で、放射性物質容器の状態の異常を早期に、且つ、確実に検出することができ、モニタリング精度を向上することができる。
【0084】
請求項8の発明の放射性物質容器の状態検出装置によれば、異常判定手段は状態変化率が正常状態変化率領域から所定回数連続して外れたときに異常を判定するので、状態計測手段による単なる計測ミスによる誤判定を防止して異常判定の信頼性を向上することができる。
【0085】
請求項9の発明の放射性物質容器の状態検出装置によれば、状態計測手段は放射性物質容器の複数個所の状態情報を計測し、複数個所の計測値ごとに状態情報の状態変化率の平均値、標準偏差、正常状態領域を求め、異常判定手段は複数個所ごとに異常判定を行うと共に、異常判定結果に基づいて状態計測手段の異常判定を行うので、放射性物質容器の異常判定の信頼性を向上することができると共に、放射性物質容器の異常判定の原因を特定することができる。
【0086】
請求項10の発明の放射性物質容器の状態検出装置によれば、状態計測手段としての状態情報計測手段は放射性物質容器における異なる複数個所の表面温度を計測するので、異常の特徴的な現象を早期に且つ確実に検出することができ、モニタリング精度を向上することができると共に、放射性物質容器の異常及び計測系の異常を確実に判定することができる。
【0087】
請求項11の発明の状態検出方法によれば、上記各請求項の状態検出装置の方法を実現できるので、放射性物質容器の状態の異常を早期に、且つ、確実に検出することができ、容器の保管時や容器の輸送時等のモニタリング精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る放射性物質容器の状態検出装置の概略構成図である。
【図2】本実施形態の放射性物質容器の状態検出装置による状態検出制御のフローチャートである。
【図3】放射性物質容器の表面温度の変化による異常判定結果を表すグラフである。
【図4】放射性物質容器の温度変化率の変化による異常判定結果を表すグラフである。
【図5】本発明の第2実施形態に係る放射性物質容器の状態検出装置の概略構成図である。
【図6】図6に第2実施形態の放射性物質容器の状態検出装置による状態検出制御のフローチャートである。
【符号の説明】
11…キャニスタ(放射性物質容器)
12…キャビティ
13…使用済燃料集合体
15…一次蓋
16…二次蓋
21…キャスク
28,29…温度センサ(表面温度計測手段)
32…気温センサ
40…制御装置
41…第1制御ブロック
42…温度絶対値算出手段
43…温度平均値算出手段(状態平均値算出手段)
44…温度標準偏差算出手段(状態標準偏差算出手段)
45…正常温度領域設定手段(正常状態領域設定手段)
46…異常判定手段
51…第2制御ブロック
52…温度変化率算出手段
53…温度変化率平均値算出手段(状態平均値算出手段)
54…温度変化率標準偏差算出手段(状態標準偏差算出手段)
55…正常温度変化率領域設定手段(正常状態領域設定手段)
56…異常判定手段
60…表示手段
61…キャスク(放射性物質容器)
62…キャビティ
63…使用済燃料集合体
65…一次蓋
66…二次蓋
67…圧力障壁(空間部)
68,69…圧力センサ(状態計測手段、圧力計測手段)
70…制御装置
71…第1制御ブロック
72…圧力絶対値算出手段
73…圧力平均値算出手段(状態平均値算出手段)
74…圧力標準偏差算出手段(状態標準偏差算出手段)
75…正常圧力領域設定手段(正常状態領域設定手段)
76…異常判定手段
81…第2制御ブロック
82…圧力変化率算出手段
83…圧力変化率平均値算出手段(状態平均値算出手段)
84…圧力変化率標準偏差算出手段(状態標準偏差算出手段)
85…正常圧力変化率領域設定手段(正常状態領域設定手段)
86…異常判定手段
90…表示手段

Claims (11)

  1. 放射性物質を収容する容器の状態を検出する放射性物質容器の状態検出装置において、前記放射性物質容器の状態情報を計測する状態計測手段と、該状態計測手段が計測した一定期間における状態情報の平均値を算出する状態平均値算出手段と、前記状態計測手段が計測した一定期間における状態情報の標準偏差を算出する状態標準偏差算出手段と、前記状態平均値算出手段及び前記状態標準偏差算出手段の算出結果に基づいて正常状態領域を設定する正常状態領域設定手段と、前記状態計測手段が計測した状態情報と前記正常状態領域設定手段が設定した正常状態領域とを比較して前記放射性物質容器における状態の異常を判定する異常判定手段とを具えたことを特徴とする放射性物質容器の状態検出装置。
  2. 放射性物質を収容する容器の状態を検出する放射性物質容器の状態検出装置において、近接配置された複数の放射性物質容器の状態情報を計測する状態計測手段と、該状態計測手段が計測した前記複数の放射性物質容器の状態情報の平均値を算出する状態平均値算出手段と、前記状態計測手段が計測した前記複数の放射性物質容器の状態情報の標準偏差を算出する状態標準偏差算出手段と、前記状態平均値算出手段及び前記状態標準偏差算出手段の算出結果に基づいて正常状態領域を設定する正常状態領域設定手段と、前記状態計測手段が計測した状態情報と前記正常状態領域設定手段が設定した正常状態領域とを比較して前記放射性物質容器における状態の異常を判定する異常判定手段とを具えたことを特徴とする放射性物質容器の状態検出装置。
  3. 請求項1または2記載の放射性物質容器の状態検出装置において、前記異常判定手段は、前記状態情報が前記正常状態領域から所定回数連続して外れたときに前記異常を判定することを特徴とする放射性物質容器の状態検出装置。
  4. 請求項1、2または3記載の放射性物質容器の状態検出装置において、前記状態計測手段は、前記放射性物質容器の複数個所の状態情報を計測し、該複数個所の計測値ごとに前記状態情報の平均値、前記標準偏差、前記正常状態領域を求め、前記異常判定手段は、前記複数個所ごとに異常判定を行うと共に、該異常判定結果に基づいて前記状態計測手段の異常判定を行うことを特徴とする放射性物質容器の状態検出装置。
  5. 請求項4記載の放射性物質容器の状態検出装置において、前記状態計測手段としての状態情報計測手段は、前記放射性物質容器における異なる複数個所の状態情報を計測することを特徴とする放射性物質容器の状態検出装置。
  6. 放射性物質を収容する容器の状態を検出する放射性物質容器の状態検出装置において、前記放射性物質容器の状態情報を計測する状態計測手段と、該状態計測手段が計測した一定期間における状態情報の状態変化率の平均値を算出する状態変化率平均値算出手段と、前記状態計測手段が計測した一定期間における状態情報の状態変化率の標準偏差を算出する状態変化率標準偏差算出手段と、前記状態変化率平均値算出手段及び前記状態変化率標準偏差算出手段の算出結果に基づいて正常状態変化率領域を設定する正常状態変化率領域設定手段と、前記状態計測手段が計測した状態情報の状態変化率と前記正常状態変化率領域設定手段が設定した正常状態変化率領域とを比較して前記放射性物質容器における状態の異常を判定する異常判定手段とを具えたことを特徴とする放射性物質容器の状態検出装置。
  7. 放射性物質を収容する容器の状態を検出する放射性物質容器の状態検出装置において、近接配置された複数の放射性物質容器の状態情報を計測する状態計測手段と、該状態計測手段が計測した前記複数の放射性物質容器の状態情報の状態変化率の平均値を算出する状態変化率平均値算出手段と、前記状態計測手段が計測した前記複数の放射性物質容器の状態情報の状態変化率の標準偏差を算出する状態変化率標準偏差算出手段と、前記状態変化率平均値算出手段及び前記状態変化率標準偏差算出手段の算出結果に基づいて正常状態変化率領域を設定する正常状態変化率領域設定手段と、前記状態計測手段が計測した状態情報の状態変化率と前記正常状態変化率領域設定手段が設定した正常状態変化率領域とを比較して前記放射性物質容器における状態の異常を判定する異常判定手段とを具えたことを特徴とする放射性物質容器の状態検出装置。
  8. 請求項6または7記載の放射性物質容器の状態検出装置において、前記異常判定手段は、前記状態変化率が前記正常状態変化率領域から所定回数連続して外れたときに前記異常を判定することを特徴とする放射性物質容器の状態検出装置。
  9. 請求項6、7または8記載の放射性物質容器の状態検出装置において、前記状態計測手段は、前記放射性物質容器の複数個所の状態情報を計測し、該複数個所の計測値ごとに前記状態情報の状態変化率の平均値、前記標準偏差、前記正常状態領域を求め、前記異常判定手段は、前記複数個所ごとに異常判定を行うと共に、該異常判定結果に基づいて前記状態計測手段の異常判定を行うことを特徴とする放射性物質容器の状態検出装置。
  10. 請求項9記載の放射性物質容器の状態検出装置において、前記状態計測手段としての状態情報計測手段は、前記放射性物質容器における異なる複数個所の状態情報を計測することを特徴とする放射性物質容器の状態検出装置。
  11. 放射性物質を収容する容器の状態を検出する放射性物質容器の状態検出方法において、前記放射性物質容器の状態情報を、時間的若しくは空間的な領域内の異なる複数点で計測する状態計測工程と、該状態計測工程にて計測した複数点の状態情報の平均値もしくは該状態情報の状態変化率の平均値を算出する状態平均値算出工程と、前記状態計測工程にて計測した複数点の状態情報もしくは前記状態変化率の標準偏差を算出する状態標準偏差算出工程と、前記状態平均値算出工程及び前記状態標準偏差算出工程の算出結果に基づいて正常状態領域を設定する正常状態領域設定工程と、前記状態計測工程にて計測した状態情報もしくは前記状態変化率と前記正常状態領域設定工程にて設定した正常状態領域とを比較して前記放射性物質容器における状態の異常を判定する異常判定工程とを具えたことを特徴とする放射性物質容器の状態検出方法。
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