JP2004184373A - 加速度センサー - Google Patents

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眞治 古市
Takashi Sato
孝 佐藤
Masakatsu Saito
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Abstract

【課題】ピエゾ素子面側の加速度センサー素子の汚れ等の異物により、錘部や可撓部の動きが制約され、出力、ノイズ、耐衝撃性の面で不具合が生じ、加速度センサーの性能と歩留りを低下させていた。
【解決手段】錘部と規制板の間隔に比べ可撓部と規制板との間隔を大きくすることで、加速度センサー素子の可撓部等にある異物による出力、ノイズレベル、耐衝撃性への影響をなくし、加速度センサー素子の異物発生の許容部位を規定することと、段差を設けることでワイヤーの接続が容易な構造の規制板を用い、加速度センサーの組立を容易にする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車、航空機、携帯端末機器、玩具等に用いられる加速度検出用の半導体加速度センサーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
加速度センサーは、エアーバッグ作動用に多く用いられ自動車衝突した衝撃を加速度としてとらえていた。自動車ではX軸,Y軸の加速度を測定するため1軸もしくは2軸機能で充分であった。また、測定する加速度が非常に大きいため、加速度を検知する加速度センサー素子も頑丈に製作されている。最近は、携帯端末機器やロボット等にも使用されることが多くなり、空間の動きを検出するためX,Y,Z軸の加速度を測定する3軸加速度センサーが要求されてきている。また、微小な加速度を検出するために高分解能で、小型であることが要求されている。
【0003】
加速度は可撓部の動きを電気信号に変換する方法で、ピエゾ抵抗型、静電容量型、圧電型に大別され、センサーの出力の大きさや応答周波数特性、耐電磁ノイズ、出力の直線性、静止加速度の検出、温度特性等を考慮し選ばれている。小型で高感度の要求から微細加工が必要なため、シリコン基板をフォトリソ技術を用い形状を形成し、半導体技術でシリコンに不純物を打ち込みピエゾ抵抗を形成するピエゾ抵抗型3軸加速度センサーが実用化されてきている。
【0004】
従来の加速度センサーの展開図を図3に示す。図3において加速度センサー素子1はワイヤー4で保護ケース2の端子5に接続され外部端子6に接続される。保護ケース蓋3が保護ケース2に固着密封され加速度センサー10が構成されている。加速度センサー素子のピエゾ抵抗素子の図示は省略している。図4に図3のj−j’断面を示す。加速度センサー素子1は、錘部11と支持枠12、可撓部13から成っている。可撓部13のワイヤー4接続面にはピエゾ抵抗素子9が形成されている。保護ケース2に支持枠12および保護ケース蓋3が接着剤7により固着されている。加速度センサー素子に外力が加わると、可撓部13に吊り下げられた錘部11が動き可撓部13を撓ませ、その撓み量をピエゾ抵抗素子で感知し電圧として出力するものである。
【0005】
加速度センサー素子の拡大図を図5a)に示す。加速度センサー素子1は、錘部11を支える可撓部13、可撓部13を支える支持枠12から構成され、可撓部13にはピエゾ抵抗素子9が設けられている。ピエゾ抵抗素子は端子14にパターニングされた配線(図示せず)で接続されている。外力を加速度センサー素子が受けた時の錘部と可撓部の動きを、図5のk−k’断面を使って図5b)からd)に示す。図5b)は外力が加わっていない状態で可撓部13はほぼ水平の状態である。このときの錘部の角部位置をA0とする。図5c)は加速度センサー素子の横方向から外力が加わったときの、錘部と可撓部の形状を模式的に表している。錘部が左右に動かされ一方の可撓部が下に、他方が上に撓みピエゾ抵抗素子の抵抗が変化してX軸方向、Y軸方向の加速度に応じた電圧として検出される。このときの錘部の角部位置をA1とする。図5d)は、加速度センサー素子の上下方向から外力が加わったときの、錘部と可撓部の形状を模式的に表している。このときの錘部の角部位置をA2とする。左右の可撓部は同一方向に撓みZ軸方向の加速度を検知することができる。可撓部の寸法や印加された加速度によって決まるが、加速度センサー素子に1000GかかるとA0とA1の位置は約40μm、A0とA2の位置は約25μmと大きく変動することとなる。
【0006】
加速度センサー素子の感度は、可撓部の撓み易さで決まるため、可撓部の長さが長く、幅が狭く、厚みが薄いほど向上するものである。そのため、高感度品では可撓部の長さは500〜700μm、幅は80〜120μm、厚みは5〜10μmと非常に薄っぺらくなっている。このため、シリコンで形成された可撓部は20μm程度変形すると折れてしまい、加速度センサー素子としての機能が失われてしまう。加速度センサーの感度を上げることと、測定できる加速度の上限は相反することとなる。加速度センサーが携帯機器等に用いられ落下衝撃に耐えられる様にするには、加速度センサーの感度を下げざるを得なかった。
【0007】
【発明の解決しようとする課題】
高感度で落下衝撃に耐えられる加速度センサーを得るため、錘部の動く量を強制的に抑えるための規制板を設ける構造が、特開平5−41148号、特開平4−274005号、特開平8−233851号公報に記載されている。図6a)、b)に錘部の動きを規制した加速度センサーの断面構造を示す。図6a)は、加速度センサー素子1の上下に規制板21が設けられ、規制板21と錘部11の間隔g1,g2は、接着材7の厚みで規制されている。接着剤7は厚みを制御するため間隔g1,g2に相当する硬質プラスチック球が含有されている。図6b)の構成は図6a)と同じであり切り込みを有する規制板22を用いている。錘部11と可撓部13のいずれの部位においても規制板21、22との間隔g1は同じ値となっている。開示されている構造はいずれも加速度センサー素子部近傍の断面図であり、ピエゾ抵抗素子と保護ケースとの電気的接続を行うワイヤーの記載は省略されている。図6の加速度センサー素子を組立てた時の加速度センサー構造の断面を図7a)に示す。図7a)では。素子の下側の規制板は保護ケースの内底を利用するとして記載している。ワイヤー接続部の盛り上がりやワイヤーの取り回しのため、規制板とワイヤーが接触してしまう。そのため規制板21は単なる方形の板を用いることはできす、図7b)に示すように規制板21の一部に切り欠き部23を設ける必要があった。ワイヤーと規制板が接触すると検出精度、感度に悪影響を及ぼすことは容易に理解できるものである。図7b)に示すような規制板は単なる方形の規制板に比べ価格的に高いものとなっていた。
【0008】
図7a)に示す加速度センサーの製造は、φ6インチ程度のシリコンウェファー上に加速度センサー素子をフォトリソ技術を用い多数形成した後、個別に切り離して加速度センサー素子を得る工程。加速度センサー素子を保護ケースに固着し、電極とワイヤーを接続する工程。規制板を付加する工程、保護ケース蓋を保護ケースに固着する工程からなっている。
【0009】
シリコンウェファーから加速度センサー素子を得るには、フォトレジストの塗布、現像、洗浄だけでなく、電極を作るにはスパッタ−装置、ピエゾ素子にはイオン打ち込み装置、シリコンをエッチングするドライエッチング装置等等を用いる。特にドライエッチング装置では、シリコンウェファーを冷却するためダミー基板上に接着する必要がある。加工終了後接着剤除去作業では、可撓部の長さは500〜700μm、幅は80〜120μm、厚みは5〜10μmと非常に薄っぺらく容易に壊れてしまうため、可撓部に機械的な力を加えての接着剤除去はできず、溶剤で溶かすことしかできない。そのため、極僅かな接着剤の残りが発生した。電極等のスパッタ−作業でもごみの飛散等から凸部分が発生することがある。接着剤残りやスパッタ−で発生する凸部(以下、異物という)の高さは、7μm以下であり可撓部の撓みに影響を及ぼすことはなく、出力電圧や感度を悪くすることはなかった。しかし、加速度センサー素子に付加された規制板との間隔g1が15μm程度と小さいため、間隔に対しては無視することができなかった。そのため、規制板を設ける面には異物があるものは使用できず、不良素子として廃棄せざるを得なかった。そのため、加速度センサーの歩留り低下を招き、価格を押し上げることとなっていた。加速度センサーの測定する加速度範囲によって、錘部と可撓部の動く量が変わるため、測定する加速度範囲で前記g1を変えて製作することが必要である。
【0010】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、加速度センサー素子の可撓部等にある異物に対しても歩留りを低下させず、ワイヤーの接続が容易な規制板を有した、耐衝撃性の高い加速度センサーを安価に提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の加速度センサーは、可撓部と錘部、支持枠よりなる加速度センサー素子の錘部の動きを規制する規制板と保護ケース等で構成された加速度センサーであって、加速度センサー素子上面の錘部と規制板の間隔に比べ可撓部と規制板との間隔が大きいことを特徴とする。
【0012】
錘部の動きを規制する規制板はピエゾ抵抗素子側(以下、素子上面という)に設けられることが必要で、素子上面から錘部を見たときの錘部中心位置近傍においては、規制板は逆凸形状をしており凸頂点部と錘部の距離が所定の間隔gとなっているものである。凸頂点部の寸法、面積は錘部の寸法、面積と同じか以下で、凸頂点部面積の30%以上あれば規制板の効果は得られる。
【0013】
錘部と規制板の間隔g3と可撓部と規制板の間隔g4の差は、7μm以上あることが好ましい。可撓部に残った異物の高さは7μm程度であるので、g3とg4の差を7μm以上とすることで、可撓部に残った異物の影響を受けることを避けられるものである。
【0014】
規制板を間隔g3と同じ径のプラスチック球を樹脂に混練して素子上面の支持枠に接着することで間隔g3が得られる。素子上面の錘部および規制板を接着する支持枠部分にのみ素子上面に異物が無ければ、錘部と規制板の間隔g3は容易に得られるものである。錘部と接着部の対向面を同一面に形成した規制板を用いることで、接着厚みをg3とすることができる。g3とg4の差は7μm以上とすることで、可撓部上と支持枠の非接着部の異物の影響は除くことできるが、ワイヤーの逃げを考えると50μm以上あることが好ましい。ワイヤーを用いず電極を接続する構造であればg3とg4の差は7μm以上とすることで良いものである。
【0015】
規制板の材質は、ガラスやセラミック、金属を使いることができる。外力が加わったときに規制板が容易に変形しない限り、特に材質選定に制約はない。加速度センサー全体の軽量化を図るには、比重の小さな材料を選択することが好ましい。規制板は複数の材料を用いても良いが、製造コストの点から複数の材料を用いることはあまり好ましいものではない。
【0016】
規制板は、機械加工や化学エッチング、真空装置を使ったエッチング等で製造することができる。例えば、ガラス板にフォトレジストを塗布し、弗酸を使って化学エッチングすることで、容易に凸形状の規制板を製作することができる。ガラスやセラミック板をダイアモンド砥石で研削することでも容易に得られるものである。
【0017】
本発明の加速度センサーは、錘部と規制板の間隔に略等しい間隔を有するスペーサーを介し、規制板が加速度センサー素子上面の支持枠上に固着されていることが望ましい。
【0018】
規制板を間隔g3と同じ径のプラスチック球を樹脂に混練して素子上面の支持枠に接着することで間隔g3が得られる。規制材は保護ケースや保護ケース蓋に固着することも可能であるが、間隔gを安定に組立てることが難しい。規制材を支持枠に接着する接着剤の塗布位置は、支持枠全周である必要はない。電極端子部領域を除いた素子上面に異物のない領域であれば良いものである。接着面積を小さくすればするほど、異物の存在が許容される領域が増えるため、異物付着で廃棄していた加速度センサー素子の数が減ることになり、歩留りの向上につながるものである。
【0019】
錘部と規制板の間隔g3に略等しい間隔を有するスペーサーは、接着樹脂に球形の硬質プラスチック等を混練することで、間隔を容易に実現できる。硬質プラスチック球が錘部と規制板の間隔を規制するため、接着部には異物が無いことが重要である。硬質プラスチック球と樹脂の混練比率は接着強度および間隔g3の制御のやり易さから選定できる。数重量%程度の硬質プラスチック球を混入することで、間隔g3と接着強度は得られる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の加速度センサーの実施例について図1、2を用いて説明する。説明を判りやすくするため、従来例と同一の部品には同じ符号を用いている。図1は、本発明の加速度センサーの展開図、図2a)はh−h’断面図であり、図2b)は用いた規制板の斜視図である。図1において加速度センサー素子1はワイヤー4で保護ケース2の端子5に接続され外部端子6に接続される。規制板24を加速度センサー素子上面にプラスチック球が混練された接着剤7を用いて固着、保護ケース蓋3を保護ケース2に固着密封して加速度センサーを形成した。錘部の素子下面方向の動きの規制は、保護ケース2の内底を利用し、プラスチック球が混練された接着剤7’を用いて保護ケース内底と支持枠下面が固着された、図6に示した構造とした。また、ピエゾ抵抗素子の図示は省略している。
【0021】
ピエゾ抵抗素子の製造方法と寸法関係を簡単に説明する。約600μm厚のシリコン板に数μmのシリコン酸化層と10μm程度のシリコン層を有するSOIウェファーを使用した。フォトレジストでパターニングを行いシリコン層にボロンを1〜3x1018原子/cm打ち込みピエゾ抵抗素子を作製、ピエゾ抵抗素子に接続する配線を、金属スパッタ−、ドライエッチング装置を用いて形成した。シリコン層に可撓部と錘部、支持枠をフォトリソとドライエッチング装置を用いて形成した。シリコン酸化層がエッチングストッパーとなるため、エッチングされるのはシリコン層のみである。ピエゾ素子面を下にしてSOIウェファーをダミー基板に、熱伝導の高い金属粉末を樹脂に混練したもの等を用いて接着した。SOIウェファーのシリコン板の約600μmをドライエッチングするには、SFと酸素を導入したプラズマ内で行うため、被加工物の冷却が重要である。そのため、被加工物のSOIウェファーとダミー基板の接着は重要である。可撓部と錘部、支持枠が形成されたウェファーがダミー基板に接着された状態で、ウェファーを切断機でチップに分離したのち、溶剤を用い接着樹脂を溶かし加速度センサー素子をダミー基板から取り外した。高感度な加速度センサーを得るため、可撓部の寸法は長さ700μm、幅110μm、厚み6μmと非常に薄く平板なものとなっている。そのため、可撓部が壊れやすく化学エッチングやその後の水洗、溶剤等では、加速度センサー素子に超音波や遠心力の様な機械的な力を加えることができないため、接着剤の汚れや水洗時の水しみ、ごみ等の異物を完全に除去することが難しかった。錘部は、一辺の長さを1000μm、支持枠の幅は450μmとし、加速度センサー素子外観形状は3.3mm角厚み約0.6mmとしている。
【0022】
製作した2800個の加速度センサー素子の素子上面に発生した異物が一つでもある素子は、824個であり素子全体の約30%にも達していた。この異物を調べたところ、異物の幅や長さは2〜100μm、形状も千差万別であったが高さは最大でも5μmであった。異物の発生場所を調査したところ、配線パターンや電極の様に凹凸のある部分が多く、可撓部と支持枠が全体の約80%を占めた。錘部や支持枠の配線パターンの無い領域に発生した異物付着品は、824個中22個で約2.7%に止まっていた。素子下面は接着剤に直接接していないためか、異物の付着は認められていないので異物は素子上面のみを対象としている。
【0023】
可撓部と支持枠に発生した802個の中から200個と錘部や支持枠の配線パターンの無い領域に発生した22個の異物発生品と、100個の全く異物の発生していない加速度センサー素子を2つのグループに別けて加速度センサーを組立てた。組立に用いた規制板は、図2b)に示した形状で図2a)のg3は18μm、g4はワイヤーの取り回しを考慮して55μmとした。比較のため図7に示した平板状の規制板を用いg1を18μmにした加速度センサーも製作した。錘部底面と保護ケースの間隔図2a)のg5および図7a)のg2は18μmと同じにした。規制板は、厚み150μmの青板ガラスを弗酸を用いてエッチングを行い製作した。
【0024】
異物発生部位3種と規制板形状2種の組合せの加速度センサーに5G、10G、20Gの加速度を加えた時の出力、ノイズレベルを測定した後、厚さ100mmの板に高さ1mから加速度センサーを自然落下させ耐衝撃性を測定した。この高さから落下させると約1500から2000Gの衝撃が加速度センサーに加わる。加速度印加時の出力、ノイズレベルは仕様値に入っていれば良品とした。耐衝撃性は落下後の出力が有るか否かで判断し、出力が無い加速度センサーは破壊したと判定し、出力のあるものを良品と判断した。加速度センサー組立時に、取扱等で壊してしまったりした物もあるため、前項で製作した個数と供試した加速度センサー個数は異なっている。
【0025】
図8に結果を示す。試料番号a〜fに付いて結果の検討を行う。試料番号cとfは異物の発生がないため、加速度を印加した時の出力、ノイズレベル、落下試験いずれも不良は発生していない。試料番号aとdを比較すると、加速度センサー素子の可撓部と支持枠の規制板接着領域外に異物の発生があっても、本発明品の加速度センサーの構造を用いることで、歩留りを大幅に上げられることが確かめられた。10G以上加速度を加えると試料番号dは、出力電圧の飽和およびノイズが増加し不良と判断される加速度センサーが増加している。これは、可撓部の異物が規制板に接触してしまっているためと考えられる。試料番号dは落下試験では、不良は発生していない。これも、異物が規制板に接触し錘部や可撓部の大きな動きを規制したためと見られる。試料番号aは、最も大きな動きをする錘部が規制板で規制されるため、可撓部と規制板の間隔が大きくても耐衝撃性の低下を招くことが無かったと考えられる。つまり、本発明の可撓部と錘部で規制板との間隔を変えることで、耐衝撃性は維持しながら、可撓部や支持枠の接着領域外に発生した異物が加速度センサー特性に与えるの影響を排除でき、大幅に歩留りを上げることができるものである。
【0026】
試料番号bとeを比較すると、いずれの試料とも10G以上の加速度を印加すると、出力電圧の飽和およびノイズが増加し不良となるものや落下試験で出力が出なくなる加速度センサーが増加した。これは、錘部に発生した異物によって錘部と規制板の間隔が狭まったこと、規制板を接着する支持枠領域に発生した異物によって、錘部と規制板の間隔が広がったためと考えられる。この結果と試料番号c、fの結果から、錘部と規制板を接着する支持枠領域には異物がある加速度センサー素子は、使用しない方が歩留り向上には有効であることがわかった。
【0027】
従来の加速度センサーでは使用出来ないとして廃棄していた加速度センサー素子は824/2800個(約29.4%)、本発明の加速度センサーでは22/2800個(約0.8%)と大幅に改善されるため、加速度センサーを安価に提供できることとなる。また、異物の検査を行う部位も錘部の規制板と接触する領域と支持枠の規制板と接着する領域と限定できるため、加速度センサー素子の検査費用も下げることができた。
【0028】
本発明の他の実施例として、規制板の材質に600μm厚のシリコンを使用し、加速度センサー素子の端子接続にワイヤーを使用しない構造のものを用いた。可撓部と錘部、支持枠の寸法は先の実施例と同じとしている。端子接続にワイヤーを使用しない構造であるので、組立に用いた規制板は、図2b)に示した形状で図2a)のg5は18μm、g6は26μmとした。加速度センサー素子のピエゾ素子側に発生した異物の位置と、加速度を印加したときの出力、ノイズレベル、耐衝撃性を調査した。結果の詳細の説明は省略するが、表1に示した先の実施例とほぼ同じであった。
【0029】
【発明の効果】
錘部と規制板の間隔に比べ可撓部と規制板との間隔を大きくすることで、加速度センサー素子の可撓部等にある異物に対しても歩留りを低下させず、ワイヤーの接続が容易な規制板を有した、耐衝撃性の高い加速度センサーを安価に提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加速度センサーの展開図である。
【図2】本発明の加速度センサーの断面図である。
【図3】従来の加速度センサーの展開図である。
【図4】従来の加速度センサーの断面図である。
【図5】加速度センサー素子と錘部と可撓部の動きを説明する図である。
【図6】従来の規制板付き加速度センサー素子部の断面図である。
【図7】従来の規制板付き加速度センサーの断面図である。
【図8】試験結果を示す図である。
【符号の説明】
1 加速度センサー素子、2 保護ケース、3 保護ケース蓋、
4 ワイヤー、5 端子、6 外部端子、7,7’接着剤、
9 ピエゾ抵抗素子、10 加速度センサー、11 錘部、 12支持枠、
13 可撓部、21 規制板、23 切り欠き部、24 規制板。

Claims (2)

  1. 可撓部と錘部、支持枠よりなる加速度センサー素子の錘部の動きを規制する規制板と保護ケース等で構成された加速度センサーであって、加速度センサー素子上面の錘部と規制板の間隔に比べ可撓部と規制板との間隔が大きいことを特徴とする加速度センサー。
  2. 錘部と規制板の間隔に略等しい間隔を有するスペーサーを介し、規制板が加速度センサー素子上面の支持枠上に固着されていることを特徴とする請求項1記載の加速度センサー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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