JP2004184023A - 抗菌処理を施した空調設備機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】銅:亜鉛=90:10〜55:45の組成を有し、最大粒径が2μm以下の真鍮微粉末を、エポキシ樹脂中に分散させてなるコート層2を、熱交換器等の空調設備機器1の表面に形成する。コート層2中の真鍮粒子含有量は、18〜31重量%とするのが好ましい。コート層2の厚さは、真鍮粒子の最大粒径を超えるようにするのが好ましい。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、抗菌処理を施した空調設備機器、および空調設備機器用の抗菌処理材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
微生物の発生源は多岐に亘って存在する。真菌、細菌の場合、栄養源、温湿度の条件を満たしていれば、あらゆる空調設備機器に存在する。清浄な空気を作りだし、居住環境に送るはずの空調系統は、その各箇所の温湿度の特徴、(例えば、冷却コイル表面の高湿度)不適切な管理などによって真菌、細菌の温床となり、室内空気の汚染源となる。以下、空調系統において微生物の存在、増殖が可能な箇所について例示列挙する。
【0003】
フィルタ:フィルタは外気や還気中の粉塵を濾過するために設けられている。時間が経つにつれ、フィルタに付着する粉塵量(保持する粉塵量)が増える。このフィルタの付着塵中に、青かびなどの微生物の存在が確認されている。フィルタの粉塵捕集量が保持能力を超えた場合や、空調機起動時に空調系統内で急に圧力が変化することによって、フィルタに付着する微生物が粉塵と同時に再飛散し、その下流のコイル表面、加湿器内面、ダクト内面に堆積・付着するほか、そのまま室内へ放出される。また、フィルタに付着する微生物の存在、成長によって、フィルタの目詰まり、捕集率の低下、劣化、寿命の短縮がもたらされる。
【0004】
コイル表面:外気真菌濃度が高いことや、フィルタの捕集率が低いことなどによってフィルタ下流側に多くの微生物が透過して、コイルの表面に付着する。冷却コイル表面は、湿度が高く、微生物の栄養源となる粉塵が付着していることから、微生物が増殖する。
【0005】
加湿器:とくに水加湿器内は温湿度条件が微生物の生育に適しており、粉塵が堆積・付着していることから、微生物が存在していることが明らかになっている。
【0006】
ダクト内:ダクト内の微生物の存在も確認されている。ダクト内の堆積・付着塵は年数を重ねるに従って、その量が増える。また、冷房時にはダクト内の相対湿度が高いため、微生物にとって好環境となっている。
【0007】
吹出口表面:吹出し気流中の粒子が吹出口に衝突して付着するほか、吹出口の近傍では、一部の気流が誘引され、その中に含まれる粒子が吹出口に付着することなどから、吹出口の表面は時間が経つにつれて汚れていく。ここにもアスペルギルスなどの微生物の存在が確認されている。
【0008】
その他:上記のほかに、吸音材・断熱材、プレナム内、ドレンパン、冷却塔など多くの場所に微生物の存在が確認されている。空調機の内張り断熱材や、ダクト系の消音ための吸音材(消音チャンバ、エルボ、吹出口ボックス)は、省エネルギおよび消音に用いられるが、その材料は吸湿材で、表面が汚れていれば微生物の生育を助長させる環境となり、微生物が増殖する。また、天井プレナムには隙間があれば、外気が侵入し、また温湿度が制御されていないため、時期によって微生物が増殖する。さらに、ドレンパンはドレン水で濡れる状態であれば、空気に曝されることによって微生物が生える。さらに、冷却塔は、冷却水を冷やすために用いられるが、レジオネラ病とポンティアック熱を引き起こす微生物が確認されている。
【0009】
以上のような背景から、近年では、空調系統を構成する空調設備機器において抗菌を図ることが望まれている。このため、例えば、熱交換器のフィンを銅で形成する、フィンの表面に銅を含有する材料の膜を塗布する、あるいは紫外線ランプを設置して積極的に殺菌する等の技術(特許文献1参照)が提案されている。以下、これを先行技術という。
【特許文献1】
特開平12−97447号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記先行技術では、純銅を用いることを前提とするものであったため、抗菌効果は十分あるものの、その効果を長期間維持し難いという問題点があった。すなわち、銅の殺菌作用は、銅材から溶出した銅イオンが菌の細胞膜を破壊することによるものであるが、純銅を用いるとその表面に酸化皮膜が形成され、銅イオンの溶出量が経時的に低減するため、抗菌効果の長期維持が困難である。
【0011】
また上記先行技術のように、フィン自体を銅材としても、溶出に寄与する表面の面積が小さいために銅が溶出し難く、このことも抗菌効果の長期維持の観点からは好ましくない。
【0012】
さらに、上記先行技術のように、空調設備機器の表面に銅含有コート層を形成する場合、機器を構成する部材の製造段階で、予め機器材たるアルミ板等に銅含有材料のコートを施した後に、切断や曲げ等の機械加工を施し部材を形成するほうが、予め所定形状に形成された部材にコートを施すよりも、製造が容易であり好ましい。しかし、前者の場合、単にコートを行うだけでは、そのコートが後の機械加工工程で剥がれ落ちる又は付着力が低下する等の問題点があった。
【0013】
また、特に熱交換器のように部材自体の熱伝導を必要とする空調設備機器においては、銅含有コート層を形成すると、これが断熱作用を奏し、熱伝導性能が低下するという問題点もあった。
【0014】
他方、特に工業的に問題となるのは、純銅が高価なこと、ならびにフィン自体を銅材にするとしても銅を含有する材料をコートするにしても、その製造が容易とは言えないことである。
【0015】
そこで、本発明の主たる課題は、抗菌効果を長期にわたり維持できるようにすることにある。他の課題は、コート層の付着力を高めること、コート層による熱伝導性能の低下を抑制すること、安価かつ容易に製造できるようにすること等にある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明は、次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
樹脂基材中に真鍮粒子が分散されてなるコート層が表面に設けられている、ことを特徴とする抗菌処理を施した空調設備機器。
【0017】
(作用効果)
本発明のポイントは、真鍮粒子を用いる点、及びこれを樹脂基材に分散させたコート層として機器表面に設ける点にある。真鍮は、銅と亜鉛との合金であり、亜鉛は銅と同等の抗菌性を有する。しかも、真鍮は表面酸化を起こし難いため、純銅と異なり、酸化皮膜によるイオン溶出の妨害が起こり難い。さらに、真鍮粒子は表面積が大きいため、イオンが非常に溶出し易い。その結果、本発明による抗菌処理は効果が長期間維持される。
【0018】
また、真鍮は銅と比べて硬いため、粒子化し易くかつローコストである。よって、本発明に係る空調設備機器は安価かつ容易に製造できる利点もある。
【0019】
なお、本発明における「機器表面」とは、機器の内側か外側かを問うものでも、すなわち表に露出するか裏に隠れるかを問うものではなく、機器を構成する材料の内部でないことを意味するものであり、したがって例えば熱交換器のフィンの内表面および外表面の両者を含むものである。
【0020】
<請求項2記載の発明>
前記コート層中に含まれる真鍮粒子は、最大粒径が2.5μm以下の微粉末粒子であり、かつ13〜51%添加されている、請求項1記載の抗菌処理を施した空調設備機器。
【0021】
(作用効果)
かかる真鍮微粉末を上記割合で配合すると、真鍮粒子が樹脂基材内に良好に分散し、十分な抗菌特性が均一に発揮されるコート層となる。
【0022】
<請求項3記載の発明>
熱伝導を必要とする部材に、当該部材厚さに対して2%以下の厚さで前記コート層が形成されている、請求項2記載の抗菌処理を施した空調設備機器。
【0023】
(作用効果)
請求項2記載の真鍮微粉末及び割合を採用し、かつ本請求項3記載の厚さのコート層とすることにより、熱伝導性能を維持しつつも、十分な抗菌特性が均一に発揮されるコート層となる。
【0024】
<請求項4記載の発明>
前記コート層は、前記真鍮粒子の最大粒径を超える厚さを有するように形成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の抗菌処理を施した空調設備機器。
【0025】
(作用効果)
コート層の厚さを真鍮粒子の最大粒径を超えるようにすることで、真鍮粒子の大部分がコート層内に埋設され良好に保持される。よって、前述のようにコート層を設けた後に機械加工を行っても、真鍮粒子に起因してコート層が割れたり、剥離したりし難くなる。抗菌コートを施すにしても、コート層が剥れては何にもならないが、本請求項4記載の発明によれば、機械加工耐性の高いコート層となるため、機械加工に先立って部材材料にコートを施すという容易且つ効率の良い製造方法を採用できる。
【0026】
<請求項5記載の発明>
前記コート層と機器表面との間に、それらの付着強度を高める下地処理層が介在されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の抗菌処理を施した空調設備機器。
【0027】
(作用効果)
かかる下地処理層を設けることにより、コート層と機器表面との間の付着強度を高めることができ、機械加工に先立って部材材料にコートを施すという容易且つ効率の良い製造方法を採用できる。
【0028】
<請求項6記載の発明>
前記真鍮粒子は、銅:亜鉛=90:10〜55:45の組成を有するものとされている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の抗菌処理を施した空調設備機器。
【0029】
(作用効果)
本発明では、かかる真鍮が好適に用いられる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について詳説する。
図1は、本発明に係る抗菌コート層を設けた空調設備機器断面の模式図である。同図中符号1は、空調設備機器、例えば熱交換器のフィン等の要部断面図であり、その表面に真鍮粒子が樹脂基材に分散された抗菌コート層2が設けられている。コート層2は機器の一部に設けても良いが、可能限り広い範囲、例えば熱交換器のフィンであればその内表面および外表面の全体に設けるのが望ましいことはいうまでもない。
【0031】
本発明における真鍮粒子としては、最大粒径が5μm以下、特に2.5μm以下のものが、表面積増大による抗菌効果の向上、樹脂基材に対する分散性および製造容易性の観点から好適である。真鍮としては、銅:亜鉛=90:10〜55:45、特に銅:亜鉛=80:20〜65:35のものが好適である。本発明のコート層2では、真鍮粒子が13〜51重量%程度、特に18〜31重量%程度含有されているのが好ましい。真鍮粒子の含有量が13重量%を超えるあたりから効果の向上が少なくなり、18重量%では効果が飽和する。また真鍮含有量が51重量%以上になると、真鍮粒子の体積比が高くなり、樹脂の結合強度の低下及び真鍮粒子の分散性の悪化を招くおそれがある。
【0032】
本発明の樹脂基材としては、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂、公知の塗料基材を用いることができる。樹脂基材は、熱伝導度、吸水率、強度等の諸特性から、機器の用途に応じて適宜選択することができる。例えば熱伝導度が大きい(熱交換器等に好適)、吸水率が小さい(膨潤、剥離が起こり難い)、強度(剥離が起こり難い)およびローコストの観点からはエポキシ樹脂が好ましい。また、本発明のコート層2においては、例えば顔料等を、例えば6%未満添加することもできる。
【0033】
他方、抗菌コート層2の厚さは、熱伝導を良好ならしめるためには、部材厚さに対して5%以下、特に2.5%以下の厚さとするのが好ましい。さらに、その上限は、部材厚さに関係無く5.0μm、特に2.5μmとするのが好ましい。抗菌コート層2は熱伝導性の良好な真鍮粒子を含むため、かかる厚さ範囲内であればコート層2による熱伝導阻害が実質的に生じない。また、機械加工耐性を向上させるという別の観点から、コート層2の厚さは、真鍮粒子の最大粒径未満とするのが好ましい。
【0034】
よって、以上をまとめると、真鍮粒子を最大粒径2.5μm以下の微粉末とし、かつコート層厚さを2.5〜5.0μmとすることにより、樹脂基材に対する分散性、製造容易性、熱伝導性、および機械加工耐性を同時に満足するコート層2を得ることができる。
【0035】
また、本発明の空調設備機器においては、抗菌コート層2を機器表面に直接設けても良いが、抗菌コート層2が剥げてしまっては何の意味もないため、より好ましい形態として、抗菌コート層2の食い付きを良くするための下地処理層(プライマー層)3を設けた後に、その上に抗菌コート層2を設けることを推奨する。かかる下地処理層3は、例えば三酸化クロムを主体とするもの等、公知の下地処理塗料を用いて形成することができ、厚さは0.5μ以下が好ましい。
【0036】
他方、本発明の空調設備機器は、その製造後にコート層2をスプレーコート等により設けることもできるが、かかる手法は熱交換器のフィン等のように複雑に入り組んだ機器には不向きである。よって、好適には、機器を構成する部材の製造段階で、機械加工により部材成形を行う前に予め抗菌コート層2を設けるのが好ましい。図2は、この部材材料への抗菌コート層の付与を行うための設備例10を示している。
【0037】
より詳細には、材料コイルC1からアルミス材等のストリップSが順次繰り出され、第1塗工装置11に送り込まれる。第1塗工装置11では、ストリップS1の上下両面に順次下地処理液がコーティングされる。下地処理液が付与されたストリップSはベーキング炉12による焼き付け及び冷却炉13による冷却を経て、下地処理層が付与されたストリップS2となり、第2塗工装置14に送り込まれる。
【0038】
第2塗工装置14では、真鍮粒子及び樹脂基材液を適宜の溶剤(例えばキシレンやジアセトンアルコール等)に溶解し、更に必要に応じて顔料を添加した抗菌コート液が、ストリップS2の上下両面の下地処理層の上にコーティングされる。予め製造したコート液を用いる場合、真鍮粒子の沈降を防ぐために少なくともコーティングに先立って攪拌するのが望ましい。抗菌コート液が付与されたストリップはベーキング炉15による焼き付け及び冷却炉16による冷却を経て、抗菌コート層が強固に付着したストリップS3となり、再びコイルC2として巻き取られて回収される。なお、各塗工装置11,14の下流側において、膜厚測定装置(赤外線吸収量を利用するもの等)17,17により下地処理層および抗菌コート層の厚さを計測し、層厚管理を行うのが望ましい。
【0039】
かくして得られた抗菌コート済みストリップS2は、適宜切断・曲げ加工等の機械加工等を経て所定形状の部材とされ、されにこの部材を組み立てる等により本発明に係る空調設備機器が製造される。
【0040】
(その他)
本発明における「空調設備機器」には、空調設備を構成する機器、特に空気が流通する機器、例えばコイルやフィン等の熱交換器、ダクト、ドレンパン、冷却塔下部水槽等が含まれる。
【0041】
また、本発明の抗菌コート処理は、紫外線ランプ等の殺菌手段との併用も可能である。
【0042】
【実施例】
以下、実施例を示して本発明の効果を明らかにする。
(抗菌効果確認実験)
表1に示すように、アルミ板に本発明に係る真鍮粒子抗菌コートを各種施した試験片1〜5(実施例)、抗菌コートを施していないアルミ板からなる試験片6(比較例)、実施例1における真鍮粉末を純銅粉末に変えた試験片7(比較例)、純銅板からなる試験片8(比較例)を用意した。表1に示していない条件は各例共通とした。
【0043】
【表1】
【0044】
また、試験菌株を大腸菌、黄色ブドウ球菌の2種類を用意し、継代した供試菌を普通ブイヨン培地を用いて,35±1℃、24±2時間増菌培養し、滅菌リン酸緩衝液にて5〜10×105CFU/mlの濃度になるように調整したものを、供試菌液とした。
【0045】
試験片はエタノールを染み込ませたガーゼまたは脱脂綿にて軽く2〜3回拭いた後、風乾したものとした。
【0046】
試験片をそれぞれ滅菌シャーレに入れ、その試験面に供試菌液0.5mlを接種し蓋をした後、37±1℃、相対湿度90%以上の条件で8、18、24時間保存する。
【0047】
対照区として滅菌シャーレに供試菌液0.5mlを接種し蓋をした後、37±1℃、相対湿度90%以上の条件で0、8、18、24時問保存する。
【0048】
所定時間保存後の試験片および対照区をSCDLP培地9.5mlを用いてシャーレ中に十分洗い出し(20倍希釈)、洗い出した菌液について標準寒天培地を用いて混釈寒天平板にて、35±1℃、24±3時間培養を行い、各々の菌数を求めた。
【0049】
大腸菌を用いた場合の菌数の経時変化を図3に、ならびに黄色ブドウ球菌を用いた場合の菌数の経時変化を図4にそれぞれ示す。この結果から、本発明に係る試験片1〜5は、アルミ板と比べて著しい抗菌効果を示すとともに、純銅粉末を用いたものや銅板と同等またはそれ以上の抗菌効果を示すことが判明した。なお、図4のグラフにおいて、純銅粉末を用いたものや銅板は、18時間経過以降に若干ではあるが菌数の増加傾向が認められているのに対し、これと同程度の菌数減少度合いを示す本発明の試験片1〜3には菌数の増加傾向が全く認められず、抗菌効果の持続性に優れることが予想される。また、コート液中の真鍮粒子含有量が7%(コート層における含有量:18重量%)までは抗菌効果が向上するものの、それ以上では効果に差が見られないこと、および最大粒径が大きくなると殺菌作用が若干弱くなることも判明した。
【0050】
(付着強度確認実験)
上記抗菌効果確認実験と同じ抗菌コートを施したアルミ板を各種(試験片9〜12)用意し、JIS−K5400に規定される、付着性評価試験及び屈曲試験を行った。アルミ板の種類等および試験結果を合わせて表2に示す。なお、付着性評価試験は碁盤目法とし、切り傷の間隔を1mm、ます目の数を100として評価を行った。また、屈曲試験は、心棒の直径を2mmとし、補助板の厚さを4mmとして試験を行った。また、表2に示していない条件は各例共通とした。
【0051】
【表2】
【0052】
表2の結果から、コート層の厚さを真鍮粒子の最大粒径未満とすること、および下地処理層を設けることが、強固な抗菌コートを形成する上で非常に重要であることが判る。
【0053】
【発明の効果】
以上のとおり本発明によれば、抗菌効果を長期にわたり維持できるようになる。また、コート層の付着力を高めること、コート層による熱伝導性能の低下を抑制すること、安価かつ容易に製造できるようにすること等が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る抗菌コートの模式図である。
【図2】抗菌コート設備例を示すフロー図である。
【図3】試験結果のグラフである。
【図4】試験結果のグラフである。
【符号の説明】
1…空調設備機器、2…抗菌コート層、3…下地処理層、10…抗菌コート設備。
Claims (6)
- 樹脂基材中に真鍮粒子が分散されてなるコート層が、表面に形成されていることを特徴とする抗菌処理を施した空調設備機器。
- 前記コート層中に含まれる真鍮粒子は、最大粒径が2.5μm以下の微粉末粒子であり、かつ13〜51重量%添加されている、請求項1記載の抗菌処理を施した空調設備機器。
- 熱伝導を必要とする部材に、当該部材厚さに対して2%以下の厚さで前記コート層が形成されている、請求項2記載の抗菌処理を施した空調設備機器。
- 前記コート層は、前記真鍮粒子の最大粒径を超える厚さを有するように形成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の抗菌処理を施した空調設備機器。
- 前記コート層と機器表面との間に、それらの付着強度を高める下地処理層が介在されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の抗菌処理を施した空調設備機器。
- 前記真鍮粒子は、銅:亜鉛=90:10〜55:45の組成を有するものとされている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の抗菌処理を施した空調設備機器。
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