JPH05196246A - 抗菌塗料及びこれを塗布した空気調和機用ファン - Google Patents
抗菌塗料及びこれを塗布した空気調和機用ファンInfo
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- JPH05196246A JPH05196246A JP4007678A JP767892A JPH05196246A JP H05196246 A JPH05196246 A JP H05196246A JP 4007678 A JP4007678 A JP 4007678A JP 767892 A JP767892 A JP 767892A JP H05196246 A JPH05196246 A JP H05196246A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明は、塗膜が薄く、ファン性能を低下させ
ないと共に、防かび剤が効果的に分散できることを主要
な目的とする。 【構成】アクリル樹脂エマルジョン,ウレタン樹脂エマ
ルジョン,スチレンブタジエン樹脂エマルジョン,ポリ
エステル樹脂エマルジョン又はこれらの水溶性樹脂に微
粉化した防かび剤及び抗菌剤を添加してなる抗菌塗料、
及びこの塗料をファン本体に塗布した空調機用ファン。
ないと共に、防かび剤が効果的に分散できることを主要
な目的とする。 【構成】アクリル樹脂エマルジョン,ウレタン樹脂エマ
ルジョン,スチレンブタジエン樹脂エマルジョン,ポリ
エステル樹脂エマルジョン又はこれらの水溶性樹脂に微
粉化した防かび剤及び抗菌剤を添加してなる抗菌塗料、
及びこの塗料をファン本体に塗布した空調機用ファン。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗菌塗料及びこれを塗
布した空気調和機用ファンに関する。
布した空気調和機用ファンに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば空気調和機に使用される送風ファ
ンは、一般に熱交換器の風下側に配置されるため、冷房
運転時には相対湿度が90%以上になり、状況によって
は送風ファンが結露することがある。そして、この結露
した送風ファンには、吸込空気内に浮遊している埃やゴ
ミが付着しやすくなる。しかるに、埃やゴミの中には微
生物が含まれており、相対湿度が90%以上の環境下に
おいては、ファン上にカビが増殖することになる。
ンは、一般に熱交換器の風下側に配置されるため、冷房
運転時には相対湿度が90%以上になり、状況によって
は送風ファンが結露することがある。そして、この結露
した送風ファンには、吸込空気内に浮遊している埃やゴ
ミが付着しやすくなる。しかるに、埃やゴミの中には微
生物が含まれており、相対湿度が90%以上の環境下に
おいては、ファン上にカビが増殖することになる。
【0003】そこで、カビの発生,増殖を防ぐために、
防かび剤及び抗菌剤を塗装するか、材料に練り込むこと
が一般的に行われている。ここで、材料に練り込む防か
び剤としては、例えば2−(4−チアゾリル)ベンゾイ
ミダゾ−ル、2−ベンズイミダゾ−ルカルバミン酸メチ
ル、ビス[1−ハイドロオキシ−2(1H)ピリジンチ
オネイト]亜鉛が挙げられる。また、抗菌剤としては、
例えば2,4,4′トリクロロ2′−ハイドロオキシジ
フェニルエ−テル、2−スルファニルアミドピリミジ
ン、ビス−(P−クロロフェニルジグアニド)−ヘキサ
塩酸塩が挙げられる。いずれの材料も比較的耐熱性の高
い材料である。
防かび剤及び抗菌剤を塗装するか、材料に練り込むこと
が一般的に行われている。ここで、材料に練り込む防か
び剤としては、例えば2−(4−チアゾリル)ベンゾイ
ミダゾ−ル、2−ベンズイミダゾ−ルカルバミン酸メチ
ル、ビス[1−ハイドロオキシ−2(1H)ピリジンチ
オネイト]亜鉛が挙げられる。また、抗菌剤としては、
例えば2,4,4′トリクロロ2′−ハイドロオキシジ
フェニルエ−テル、2−スルファニルアミドピリミジ
ン、ビス−(P−クロロフェニルジグアニド)−ヘキサ
塩酸塩が挙げられる。いずれの材料も比較的耐熱性の高
い材料である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、単に、
防かび剤や抗菌剤を添加した塗料を塗布した場合には、
塗膜が厚くなるため、ファンの風量が低下したり,風切
音が発生する等ファンの性能が低下してしまうという問
題点がある。また、塗膜が厚い場合には、冷房時の高湿
度や結露により塗膜の密着性が悪化してしまう。更に、
防かび剤や抗菌剤が塗料中で分散しないで、偏ってしま
いファン全体に防かび効果が出ない場合もある。
防かび剤や抗菌剤を添加した塗料を塗布した場合には、
塗膜が厚くなるため、ファンの風量が低下したり,風切
音が発生する等ファンの性能が低下してしまうという問
題点がある。また、塗膜が厚い場合には、冷房時の高湿
度や結露により塗膜の密着性が悪化してしまう。更に、
防かび剤や抗菌剤が塗料中で分散しないで、偏ってしま
いファン全体に防かび効果が出ない場合もある。
【0005】一方、防かび剤や抗菌剤を練り込む場合に
は、成形した樹脂の表面に防かび剤や抗菌剤が出にく
く、防かび抗菌効果を高めることが困難であり、また成
形温度が230℃以上のため使用できる薬剤は極めて限
定されるという問題がある。
は、成形した樹脂の表面に防かび剤や抗菌剤が出にく
く、防かび抗菌効果を高めることが困難であり、また成
形温度が230℃以上のため使用できる薬剤は極めて限
定されるという問題がある。
【0006】本発明は上記事情を鑑みてなされたもの
で、塗膜が薄く、ファン性能を低下させないと共に、防
かび剤が効果的に分散する抗菌塗料及びこれを塗布した
空気調和機用ファンを提供することを目的とする。
で、塗膜が薄く、ファン性能を低下させないと共に、防
かび剤が効果的に分散する抗菌塗料及びこれを塗布した
空気調和機用ファンを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願第1の発明は、アク
リル樹脂エマルジョン,ウレタン樹脂エマルジョン,ス
チレンブタジエン樹脂エマルジョン,ポリエステル樹脂
エマルジョン又はこれらの水溶性樹脂に微粉化した防か
び剤及び抗菌剤を添加してなる抗菌塗料である。
リル樹脂エマルジョン,ウレタン樹脂エマルジョン,ス
チレンブタジエン樹脂エマルジョン,ポリエステル樹脂
エマルジョン又はこれらの水溶性樹脂に微粉化した防か
び剤及び抗菌剤を添加してなる抗菌塗料である。
【0008】本願第2の発明は、アクリル樹脂エマルジ
ョン,ウレタン樹脂エマルジョン,スチレンブタジエン
樹脂,ポリエステル樹脂エマルジョン又はこれらの水溶
性樹脂に微粉化した防かび剤及び抗菌剤を添加した抗菌
塗料を、ファン本体に塗布したことを特徴とする空気調
和機用ファンである。
ョン,ウレタン樹脂エマルジョン,スチレンブタジエン
樹脂,ポリエステル樹脂エマルジョン又はこれらの水溶
性樹脂に微粉化した防かび剤及び抗菌剤を添加した抗菌
塗料を、ファン本体に塗布したことを特徴とする空気調
和機用ファンである。
【0009】本発明において、防かび剤としては、例え
ばアクリル樹脂エマルジョン、ウレタン樹脂エマルジョ
ン、スチレンブタジエン樹脂エマルジョン、ポリエステ
ル樹脂エマルジョン、又はこれらの水溶性樹脂に微粉化
した2−(4−チアゾリル)−ベンゾイミダゾ−ル(化
合物A)、2−ベンズイミダゾ−ルカルバミン酸メチル
(化合物B)、2,4,5,6−テトラクロロイソフタ
ロニトリル(化合物C)、2,3,5,6−テトラクロ
ロ−4−(メチルスルホニル)ピリジン(化合物D)、
N−(フロロジクロロメチルチオ)フタロイミド(化合
物E)、N−ジメチル−N′−フェニル−(N′−フロ
ロジクロロメチルチオ)スルファミド(化合物F)、ビ
ス[1−ハイドロオキシ−2(1H)ピリジンチオネイ
ト]亜鉛(化合物G)、ジヨ−ドメチルP−トリスルホ
ン(化合物H)、P−クロロメタキシレ−ル(化合物
I)が挙げられる。
ばアクリル樹脂エマルジョン、ウレタン樹脂エマルジョ
ン、スチレンブタジエン樹脂エマルジョン、ポリエステ
ル樹脂エマルジョン、又はこれらの水溶性樹脂に微粉化
した2−(4−チアゾリル)−ベンゾイミダゾ−ル(化
合物A)、2−ベンズイミダゾ−ルカルバミン酸メチル
(化合物B)、2,4,5,6−テトラクロロイソフタ
ロニトリル(化合物C)、2,3,5,6−テトラクロ
ロ−4−(メチルスルホニル)ピリジン(化合物D)、
N−(フロロジクロロメチルチオ)フタロイミド(化合
物E)、N−ジメチル−N′−フェニル−(N′−フロ
ロジクロロメチルチオ)スルファミド(化合物F)、ビ
ス[1−ハイドロオキシ−2(1H)ピリジンチオネイ
ト]亜鉛(化合物G)、ジヨ−ドメチルP−トリスルホ
ン(化合物H)、P−クロロメタキシレ−ル(化合物
I)が挙げられる。
【0010】本発明において、抗菌剤としては、例えば
微粉化した2,4,4′トリクロロ2′ハイドロオキシ
ジフェニルエ−テル(化合物J)、2−スルファニルア
ミドピリミジン(化合物K)、ビス−(P−クロロフェ
ニルジグアニッド)ヘキサ塩酸塩(化合物L)が挙げら
れる。
微粉化した2,4,4′トリクロロ2′ハイドロオキシ
ジフェニルエ−テル(化合物J)、2−スルファニルア
ミドピリミジン(化合物K)、ビス−(P−クロロフェ
ニルジグアニッド)ヘキサ塩酸塩(化合物L)が挙げら
れる。
【0011】本発明において、空気調和機用ファンに塗
布する抗菌塗料中の抗菌剤の粒径は1μmとし、抗菌塗
料の粘度は10cps〜100cpsとすることが、フ
ァン特性、抗菌塗料の密着性の点で好ましい。以下に、
この理由について説明する。つまり、抗菌塗料の膜厚が
厚いと、ファンとしてのバンランスが悪化してファン特
性が低下するとともに、抗菌塗料の密着性が悪化する。
そのため、抗菌塗料の膜厚はできるだけ薄くすることが
望ましい。 (1)抗菌剤の粒径:1μm以下
布する抗菌塗料中の抗菌剤の粒径は1μmとし、抗菌塗
料の粘度は10cps〜100cpsとすることが、フ
ァン特性、抗菌塗料の密着性の点で好ましい。以下に、
この理由について説明する。つまり、抗菌塗料の膜厚が
厚いと、ファンとしてのバンランスが悪化してファン特
性が低下するとともに、抗菌塗料の密着性が悪化する。
そのため、抗菌塗料の膜厚はできるだけ薄くすることが
望ましい。 (1)抗菌剤の粒径:1μm以下
【0012】一般的な抗菌剤の粒径は50μm程度であ
り、抗菌剤を含む抗菌塗料を塗布中に分散しにくい。ま
た、抗菌塗料が塗布された場合、塗料の膜厚が例えば1
0μm以下であると、抗菌剤の粒子が塗膜から突出し、
時間が経過するとともに脱落してしまい、ファンの防か
び効果の寿命が短くなる。そこで、抗菌剤の粒子を1μ
m以下に微粒化して、ファン性能と共に防かび性を向上
させる。 (2)塗料の粘度:10cps〜100cps
り、抗菌剤を含む抗菌塗料を塗布中に分散しにくい。ま
た、抗菌塗料が塗布された場合、塗料の膜厚が例えば1
0μm以下であると、抗菌剤の粒子が塗膜から突出し、
時間が経過するとともに脱落してしまい、ファンの防か
び効果の寿命が短くなる。そこで、抗菌剤の粒子を1μ
m以下に微粒化して、ファン性能と共に防かび性を向上
させる。 (2)塗料の粘度:10cps〜100cps
【0013】前記抗菌塗料の膜厚が10μm以下であっ
ても、1μm未満では塗膜自体の寿命が短い。従って、
抗菌塗料の膜厚は1〜10μmが最も適している。本発
明者らは、この膜厚を得るためには抗菌塗料の粘度を1
0cps〜100cpsにすることが望ましいことを究
明した。上記防かび剤の2〜3種の併用と上記抗菌剤の
1〜2種の併用により、大部分の真菌及びグラム陽性、
陰性菌の発育を阻止することができる。
ても、1μm未満では塗膜自体の寿命が短い。従って、
抗菌塗料の膜厚は1〜10μmが最も適している。本発
明者らは、この膜厚を得るためには抗菌塗料の粘度を1
0cps〜100cpsにすることが望ましいことを究
明した。上記防かび剤の2〜3種の併用と上記抗菌剤の
1〜2種の併用により、大部分の真菌及びグラム陽性、
陰性菌の発育を阻止することができる。
【0014】
【作用】本発明においては、アクリル樹脂エマルジョ
ン,ウレタン樹脂エマルジョン,スチレンブタジエン樹
脂エマルジョン,ポリエステル樹脂エマルジョン又はこ
れらの水溶性樹脂に微粉化した防かび剤及び抗菌剤を添
加してなる抗菌塗料を、ファン本体に塗布することによ
り、塗膜が薄く、ファン性能を低下させないと共に、防
かび剤が効果的に分散する空気調和機用ファンが得られ
る。
ン,ウレタン樹脂エマルジョン,スチレンブタジエン樹
脂エマルジョン,ポリエステル樹脂エマルジョン又はこ
れらの水溶性樹脂に微粉化した防かび剤及び抗菌剤を添
加してなる抗菌塗料を、ファン本体に塗布することによ
り、塗膜が薄く、ファン性能を低下させないと共に、防
かび剤が効果的に分散する空気調和機用ファンが得られ
る。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 (実施例1)
【0016】図1はスプリットエアコンの室内機に組み
込まれる空気調和機用ファンとしての横流ファンを示す
斜視図であり、図2は図1の要部の拡大斜視図である。
図中の1は、長さ(L)に対する直径(D)の比(L/
D)が例えば10の横流ファンである。前記横流ファン
1は、図2に示すようにファン成形品2を軸方向に継ぎ
合わせて構成される。前記横流ファン1の成形品2は、
ASG又はABS製のファン本体(図示せず)に、メチ
ルアクリレ−ト,ブチルアクリレ−ト,アクリル酸,2
エチルヘキシルメタアクリレ−トの共重合物に下記の各
種の混合物よりなる水性エマルジョン塗料をディッピン
グ塗装し、60℃,5〜10分間乾燥して構成される。
なお、図2において、3はリング状のディスクプレ−ト
部、4はファンブレ−ド部を示す。 (混合物) 上記化合物A …0.25% 上記化合物D …0.125% 上記化合物F …0.6% 上記化合物I …0.2% (試験例1):阻止円法
込まれる空気調和機用ファンとしての横流ファンを示す
斜視図であり、図2は図1の要部の拡大斜視図である。
図中の1は、長さ(L)に対する直径(D)の比(L/
D)が例えば10の横流ファンである。前記横流ファン
1は、図2に示すようにファン成形品2を軸方向に継ぎ
合わせて構成される。前記横流ファン1の成形品2は、
ASG又はABS製のファン本体(図示せず)に、メチ
ルアクリレ−ト,ブチルアクリレ−ト,アクリル酸,2
エチルヘキシルメタアクリレ−トの共重合物に下記の各
種の混合物よりなる水性エマルジョン塗料をディッピン
グ塗装し、60℃,5〜10分間乾燥して構成される。
なお、図2において、3はリング状のディスクプレ−ト
部、4はファンブレ−ド部を示す。 (混合物) 上記化合物A …0.25% 上記化合物D …0.125% 上記化合物F …0.6% 上記化合物I …0.2% (試験例1):阻止円法
【0017】まず、馬鈴薯煎汁斜面培地で7日間、27
℃で培養したペニシリウム・シトリウム(Penicilium.
citrinum)アスペルギルス・ニゲル(Aspergillus.nig
er)リゾプス・ストロニファ(Rhizopus.stolonifer)
の斜面から一白金耳量を界面活性剤入りの無菌水5ml
に添加し、胞子浮遊液45℃〜47℃に冷却して馬鈴薯
寒天培地に0.5%植菌しよく混合した。つづいて、径
9cmの殺菌硝子シャ−レに20ml無菌的に分注し、
寒天が固化する直前に塗装したファンの一部(10mm
×60mm)を培地中に埋め込むように置き、平板をつ
くった。そして、この平板を27℃±1℃の恒温器中で
24時間培養した後、その阻止円の径を測定した。同時
に塗装を施さないものを対象として同時に培養した。図
3は阻止円法の説明図であり、図中の11は径9cmのシ
ャ−レ、12は阻止円(D:測定径)、13は試料を示す。 (試験例2):かび抵抗性試験 IEC(International Electrotechnical Commisi
on)68-2-10 第4巻1984に記載の合成培地。 しょ糖 30.00g 硝酸ナトリウム(NaNO3 ) 2.0g 燐酸一カリウム(KH2 PO4 ) 0.7g 燐酸二カリウム(K2 HPO4 ) 0.3g 塩化カリウム(KCI) 0.5g 硫酸第1鉄(FeSO4 ・7H2 O) 0.01g 硫酸マグネシウム(MgSO4 ・7H2 O) 0.5g 水 1000ml
℃で培養したペニシリウム・シトリウム(Penicilium.
citrinum)アスペルギルス・ニゲル(Aspergillus.nig
er)リゾプス・ストロニファ(Rhizopus.stolonifer)
の斜面から一白金耳量を界面活性剤入りの無菌水5ml
に添加し、胞子浮遊液45℃〜47℃に冷却して馬鈴薯
寒天培地に0.5%植菌しよく混合した。つづいて、径
9cmの殺菌硝子シャ−レに20ml無菌的に分注し、
寒天が固化する直前に塗装したファンの一部(10mm
×60mm)を培地中に埋め込むように置き、平板をつ
くった。そして、この平板を27℃±1℃の恒温器中で
24時間培養した後、その阻止円の径を測定した。同時
に塗装を施さないものを対象として同時に培養した。図
3は阻止円法の説明図であり、図中の11は径9cmのシ
ャ−レ、12は阻止円(D:測定径)、13は試料を示す。 (試験例2):かび抵抗性試験 IEC(International Electrotechnical Commisi
on)68-2-10 第4巻1984に記載の合成培地。 しょ糖 30.00g 硝酸ナトリウム(NaNO3 ) 2.0g 燐酸一カリウム(KH2 PO4 ) 0.7g 燐酸二カリウム(K2 HPO4 ) 0.3g 塩化カリウム(KCI) 0.5g 硫酸第1鉄(FeSO4 ・7H2 O) 0.01g 硫酸マグネシウム(MgSO4 ・7H2 O) 0.5g 水 1000ml
【0018】まず、以上に界面活性剤(Dioctyl Sod
ium.Sulfosaccinate 0.05%)を加えた培地を試験
管に5mlずつ分注殺菌後、試験例1と同じ菌株を各々
一白金耳量ずつ接種し胞子浮遊液をつくった。つづい
て、この浮遊液を混合し二重の殺菌ガ−ゼで瀘過して菌
糸を除去し混合胞子液をつくった。この後、この胞子浮
遊液をクロマト用ガラス製噴霧器に入れ、試料に噴霧し
室温で乾燥後湿度100%の27℃恒温器中で培養し、
7日目,14日目及び24日目に実体顕微鏡により菌糸
の発育を調べた。同時に塗装を施さないものを対象とし
て同様に処理した。なお、結果の判定を次のように設定
した。 0:50倍(実体顕微鏡)でのかびの発生を認めない場
合。 1:肉眼ではほとんど見えないが、実体顕微鏡下で認め
られる場合。 2:肉眼で明確に認められ、試料表面の25%以上場
合。 3:肉眼で明確に認められ、試料表面の25%以上場
合。 (試験例3):細菌に対する阻止円法
ium.Sulfosaccinate 0.05%)を加えた培地を試験
管に5mlずつ分注殺菌後、試験例1と同じ菌株を各々
一白金耳量ずつ接種し胞子浮遊液をつくった。つづい
て、この浮遊液を混合し二重の殺菌ガ−ゼで瀘過して菌
糸を除去し混合胞子液をつくった。この後、この胞子浮
遊液をクロマト用ガラス製噴霧器に入れ、試料に噴霧し
室温で乾燥後湿度100%の27℃恒温器中で培養し、
7日目,14日目及び24日目に実体顕微鏡により菌糸
の発育を調べた。同時に塗装を施さないものを対象とし
て同様に処理した。なお、結果の判定を次のように設定
した。 0:50倍(実体顕微鏡)でのかびの発生を認めない場
合。 1:肉眼ではほとんど見えないが、実体顕微鏡下で認め
られる場合。 2:肉眼で明確に認められ、試料表面の25%以上場
合。 3:肉眼で明確に認められ、試料表面の25%以上場
合。 (試験例3):細菌に対する阻止円法
【0019】普通寒天斜面培地上で37℃,24時間培
養した大腸菌(Escherichia coli)及び黄色ブドウ状球
菌(Staphylococcus aureus 209p )の各々−白金耳量
を殺菌普通ブイヨン液に接種し37℃,24時間で液培
養したものを菌液として用いた。45℃〜47℃に冷却
したミュ−ラ−ヒントン寒天培地に1.0%ずつ接種し
よく混合した後、殺菌した径9cmのガラスシャ−レに
20mlずつ分注し、寒天が固化する直前に試験例1と
同様の試料を培地中に埋め込むように置き、平板をつく
った。この平板を37℃±1℃で24時間培養後、試験
例1と同様にその阻止円を測定した。試験例1と同様に
対象を置いた。なお、1株について3連制で行った。そ
の結果は、「表1],「表2」に示す通りである。
養した大腸菌(Escherichia coli)及び黄色ブドウ状球
菌(Staphylococcus aureus 209p )の各々−白金耳量
を殺菌普通ブイヨン液に接種し37℃,24時間で液培
養したものを菌液として用いた。45℃〜47℃に冷却
したミュ−ラ−ヒントン寒天培地に1.0%ずつ接種し
よく混合した後、殺菌した径9cmのガラスシャ−レに
20mlずつ分注し、寒天が固化する直前に試験例1と
同様の試料を培地中に埋め込むように置き、平板をつく
った。この平板を37℃±1℃で24時間培養後、試験
例1と同様にその阻止円を測定した。試験例1と同様に
対象を置いた。なお、1株について3連制で行った。そ
の結果は、「表1],「表2」に示す通りである。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】 上記表1,2より、優れた防かび抗菌効果を認めた。 (実施例2)
【0022】この実施例に係る空気調和機用ファンは、
スチレン,メチルメタアクリレ−ト,ブチルメタアクリ
レ−ト、メタアクリル酸の共重合物に下記の各種の混合
物を加えた水性エマルジョン塗料を、実施例1と同様の
ASG又はABS製のファン本体にディッピング塗装
し、60℃,5〜10分間乾燥して構成される。 (混合物) 上記化合物A …0.5部 上記化合物C …0.5部 上記化合物F …1.0部 上記化合物H …0.2部 界面活性剤、着色剤…2.0部 実施例2に係る空気調和機用ファンについて、試験例
1,2及び3の方法で試験した結果は、「表3」,「表
4」に示す通りである。
スチレン,メチルメタアクリレ−ト,ブチルメタアクリ
レ−ト、メタアクリル酸の共重合物に下記の各種の混合
物を加えた水性エマルジョン塗料を、実施例1と同様の
ASG又はABS製のファン本体にディッピング塗装
し、60℃,5〜10分間乾燥して構成される。 (混合物) 上記化合物A …0.5部 上記化合物C …0.5部 上記化合物F …1.0部 上記化合物H …0.2部 界面活性剤、着色剤…2.0部 実施例2に係る空気調和機用ファンについて、試験例
1,2及び3の方法で試験した結果は、「表3」,「表
4」に示す通りである。
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】 上記表3,4により、優れた防かび、抗菌効果を認め
た。 (実施例3)
た。 (実施例3)
【0025】この実施例に係る空気調和機用ファンは、
エチルメタアクリレ−ト,2エチルヘキシルアクリレ−
ト,アクリル酸の共重合物30部に下記の各種の混合物
を加えた水性エマルジョン塗料を、実施例1と同様のA
SG又はABS製のファン本体にディッピング塗装し、
60℃,5〜10分間乾燥して構成される。 (混合物) 上記化合物A …0.5部 上記化合物G …0.5部 上記化合物I …1.0部 上記化合物J …0.2部 界面活性剤、着色剤…2.0部 実施例3に係る空気調和機用ファンについて、試験例
1,2及び3の方法で試験した結果は、「表5」,「表
6」に示す通りである。
エチルメタアクリレ−ト,2エチルヘキシルアクリレ−
ト,アクリル酸の共重合物30部に下記の各種の混合物
を加えた水性エマルジョン塗料を、実施例1と同様のA
SG又はABS製のファン本体にディッピング塗装し、
60℃,5〜10分間乾燥して構成される。 (混合物) 上記化合物A …0.5部 上記化合物G …0.5部 上記化合物I …1.0部 上記化合物J …0.2部 界面活性剤、着色剤…2.0部 実施例3に係る空気調和機用ファンについて、試験例
1,2及び3の方法で試験した結果は、「表5」,「表
6」に示す通りである。
【0026】
【表5】
【0027】
【表6】 上記表5,6により、優れた防かび、抗菌効果を認め
た。 (実施例4)
た。 (実施例4)
【0028】この実施例に係る空気調和機用ファンは、
ブチルアクリレ−ト、スチレン、アクリル酸の共重合物
30部に下記の各種の混合物を加えた水性エマルジョン
塗料を、実施例1と同様のASG又はABS製のファン
本体にディッピング塗装し、60℃,5〜10分間乾燥
して構成される。 (混合物) 上記化合物B …0.25部 上記化合物E …0.5部 上記化合物F …0.6部 上記化合物I …0.2部 界面活性剤、着色剤…2.0部 実施例4に係る空気調和機用ファンについて、試験例
1,2及び3の方法で試験した結果は、「表7」,「表
8」に示す通りである。
ブチルアクリレ−ト、スチレン、アクリル酸の共重合物
30部に下記の各種の混合物を加えた水性エマルジョン
塗料を、実施例1と同様のASG又はABS製のファン
本体にディッピング塗装し、60℃,5〜10分間乾燥
して構成される。 (混合物) 上記化合物B …0.25部 上記化合物E …0.5部 上記化合物F …0.6部 上記化合物I …0.2部 界面活性剤、着色剤…2.0部 実施例4に係る空気調和機用ファンについて、試験例
1,2及び3の方法で試験した結果は、「表7」,「表
8」に示す通りである。
【0029】
【表7】
【0030】
【表8】 上記表7,8により、優れた防かび、抗菌効果を認め
た。
た。
【0031】しかるに、上記実施例1〜4、従来品及び
一般塗装品について、塗膜の性状、つまり塗膜の均一
性,外観,密着,耐水性,耐寒性,防かび性を調べた結
果は、「表9」に示す通りである。
一般塗装品について、塗膜の性状、つまり塗膜の均一
性,外観,密着,耐水性,耐寒性,防かび性を調べた結
果は、「表9」に示す通りである。
【0032】
【表9】
【0033】但し、「表9」において、従来品はABS
に防かび剤を練り込んだ成形品、一般塗装品とはABS
成形品に防かび剤が入っていない塗料で塗装した物を示
す。また、試験条件はABSの平板を使い、ディピング
塗装をし60℃,10分乾燥後に各試験を行う。更に、
各性状の観察状況および観察は下記に述べる通りであ
る。 塗膜の均一性:塗膜の寄り、ハジキ、膜厚等を目視す
る。 外観:ブツ、光沢、クモリ等を目視する。 密着:ニチバンセロテ−プ15mmで塗膜の付着性を見
る。 耐水性:水道水72時間浸漬後、塗膜状態を目視する。 耐寒性:−2℃で72時間後、塗膜状態を目視する。 防かび性:JIS Z2911により防かび効果を目視
する。 評価:◎…最良 ○…良 ○△…普通 △…やや
不良 ×…不良
に防かび剤を練り込んだ成形品、一般塗装品とはABS
成形品に防かび剤が入っていない塗料で塗装した物を示
す。また、試験条件はABSの平板を使い、ディピング
塗装をし60℃,10分乾燥後に各試験を行う。更に、
各性状の観察状況および観察は下記に述べる通りであ
る。 塗膜の均一性:塗膜の寄り、ハジキ、膜厚等を目視す
る。 外観:ブツ、光沢、クモリ等を目視する。 密着:ニチバンセロテ−プ15mmで塗膜の付着性を見
る。 耐水性:水道水72時間浸漬後、塗膜状態を目視する。 耐寒性:−2℃で72時間後、塗膜状態を目視する。 防かび性:JIS Z2911により防かび効果を目視
する。 評価:◎…最良 ○…良 ○△…普通 △…やや
不良 ×…不良
【0034】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明によれば、塗膜
が薄く、ファン性能を低下させないと共に、防かび剤が
効果的に分散する空気調和機用ファン及びそれに用いら
れる抗菌塗料を提供できる。
が薄く、ファン性能を低下させないと共に、防かび剤が
効果的に分散する空気調和機用ファン及びそれに用いら
れる抗菌塗料を提供できる。
【図1】スプリットエアコンの室内機に組み込まれる横
流ファンを示す斜視図。
流ファンを示す斜視図。
【図2】図1の要部の拡大斜視図。
【図3】阻止円法の説明図。
1…横流ファン、2…ファン成形品、3…ディスクプレ
−ト、4…ファンプレ−ト部、11…シャ−レ、12…阻止
円、13…試料。
−ト、4…ファンプレ−ト部、11…シャ−レ、12…阻止
円、13…試料。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松岡 正幸 東京都中央区日本橋久松町12番8号 北興 産業株式会社内 (72)発明者 喜多村 淳一 神奈川県高座郡寒川町一之宮7−12−1 日本化工塗料株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 アクリル樹脂エマルジョン,ウレタン樹
脂エマルジョン,スチレンブタジエン樹脂エマルジョ
ン,ポリエステル樹脂エマルジョン又はこれらの水溶性
樹脂に、微粉化した防かび剤及び抗菌剤を添加したこと
を特徴とする抗菌塗料。 - 【請求項2】 アクリル樹脂エマルジョン,ウレタン樹
脂エマルジョン,スチレンブタジエン樹脂エマルジョ
ン,ポリエステル樹脂エマルジョン又はこれらの水溶性
樹脂に微粉化した防かび剤及び抗菌剤を添加した抗菌塗
料を、ファン本体に塗布したことを特徴とする空気調和
機用ファン。 - 【請求項3】 前記抗菌塗料中の抗菌剤の粒径が1μm
以下で、抗菌塗料の粘度が10cps〜100cpsで
ある請求項1記載の抗菌塗料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4007678A JPH05196246A (ja) | 1992-01-20 | 1992-01-20 | 抗菌塗料及びこれを塗布した空気調和機用ファン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4007678A JPH05196246A (ja) | 1992-01-20 | 1992-01-20 | 抗菌塗料及びこれを塗布した空気調和機用ファン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05196246A true JPH05196246A (ja) | 1993-08-06 |
Family
ID=11672453
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4007678A Pending JPH05196246A (ja) | 1992-01-20 | 1992-01-20 | 抗菌塗料及びこれを塗布した空気調和機用ファン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05196246A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002188897A (ja) * | 2000-12-20 | 2002-07-05 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 空調装置のカビ生長抑制方法 |
WO2008078378A1 (ja) * | 2006-12-25 | 2008-07-03 | Finetech Co., Ltd. | 空調設備のクリーン化方法およびクリーン化された空調設備 |
-
1992
- 1992-01-20 JP JP4007678A patent/JPH05196246A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002188897A (ja) * | 2000-12-20 | 2002-07-05 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 空調装置のカビ生長抑制方法 |
WO2008078378A1 (ja) * | 2006-12-25 | 2008-07-03 | Finetech Co., Ltd. | 空調設備のクリーン化方法およびクリーン化された空調設備 |
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