JP2004183305A - 屋根作業用安全装置及び屋根の解体方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この安全装置11は、棟木92に固定される支柱固定部材10と、この支柱固定部材10に立設される支柱5と、支柱5に回動自在に取り付けられる巻取式命綱6とを有する。支柱固定部材10は、支持基板2、一対の棟木保持部3a及び締結手段を備えている。各棟木保持部3aと、棟木92の天面を押圧する押圧部42とにより、棟木92を上下方向に締め付けて支柱固定部材10を固定する。そして、支柱5を支持基板2上に立設し、この支柱5に取り付けた巻取式命綱6を作業者が装着して屋根上での作業を行う。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、建物の屋根上での作業において、作業者の墜落事故を防止するための屋根作業用安全装置、及びこの安全装置を利用した屋根の解体方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、建物の解体工事は、その多くが重機等で建物全体を一度に壊してしまう、いわゆるミンチ解体によってなされ、作業者の安全対策はヘルメットの着用程度であった。重機を使用することのできない狭小地や住宅密集地等では、手作業による解体工事も行われるが、この場合は、高所作業時の墜落を防止すべく、ヘルメットに加えて命綱も着用しなければならない。
【0003】
また、最近では特に、一定規模以上の解体工事において木材やコンクリート等の特定の建設資材廃棄物をその種類ごとに分別し、再資源化を図ることが義務付けられるようになり、建物の解体工事は、従来のミンチ解体ではなく、手作業を中心とした分別解体によらなければならなくなっている。かかる分別解体では、まず解体する建物の建築設備や内装材を取り外し、次に屋根ふき材を材料別に取り外す作業が手作業で行われる。したがって、従来に比べ、作業者が屋根上で長時間作業するケースが必然的に増えることになる。しかし、解体工事という特性上、建物が老朽化していたり、躯体が腐食しているおそれもあって、屋根上での作業は非常に危険であり、その安全対策が急務となっている。
【0004】
そこで、現在、建物の新築工事で利用されている作業者の安全対策を、そのまま解体時に流用する方策が考えられる。建物の新築時には、足場を組み立てて墜落防止用の親綱を張設して命綱を取り付けたり、建物の妻面トラスに予め安全装置を設置したりすることにより、施工期間中の作業者の安全対策としている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
図18に示すように、この種の安全装置は、妻面トラスAに固定した支柱取付金具Bに支柱Cを嵌入し、屋根面より所定長さ突出した支柱Cの先端部に、巻取式命綱Dを取り付けるものである。そして、この巻取式命綱Dを作業者に連結して、作業者が安全に屋根上を移動できるようにしている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−248277号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、建物の解体工事では、養生を主目的として建物周囲に足場(シート架台)が組み立てられるだけであるので、足場と建物とが大きく隔たっている場合や、足場の設置高さが棟高さより低い場合がある。このため、足場を利用して命綱を取り付けるための親綱を張設するのが困難であったり、張設した親綱が作業の邪魔になったりして、解体作業の効率を低下させて好ましくない。
【0008】
また、前記の安全装置は、工場や施工現場において予め妻面トラス材に取り付けておくことを前提としている。すなわち、建物の妻面トラスが組み上がった段階では、前記支柱を支柱取付金具に差し込むだけの作業となるように設計されている。
【0009】
一方、解体工事において安全装置が必要となるのは、屋根ふき材を取り外す時であり、解体工事の工程上、壁面の外装材を取り壊して妻面トラス材を露出するのは、屋根ふき材を取り外した後の作業となる。したがって、屋根ふき材を取り外す前に安全装置を妻面トラスに取り付けるということができず、前記安全装置もそのまま流用することはできない。
【0010】
本発明は以上のような事情にかんがみてなされたものであり、特に建物の屋根解体工事において作業者の墜落事故を防止し、屋根上での安全を確保することのできる屋根作業用安全装置及びこの安全装置を利用した屋根の解体方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、本発明に係る屋根作業用安全装置は、棟木に固定される支柱固定部材と、この支柱固定部材に立設される支柱と、この支柱に回動自在に取り付けられる巻取式命綱とを有してなる。そして、この支柱固定部材には、支柱を支持する支持基板と、棟木の軸方向に所定間隔を隔てて配置される一対の棟木保持部と、各棟木保持部に対応して設けられて該棟木保持部を棟木に締結する締結手段とが備えられ、棟木保持部と締結手段とが棟木を上下方向に締め付けることにより、前記支柱固定部材が棟木に固定されることを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、かかる支柱固定部材は建物棟部の棟木に固定されるので、作業者は屋根ふき材と屋根下地材の一部分を取り外し、棟木の一部を露出するだけで、この支柱固定部材の取付作業を行うことができる。したがって、屋根の解体工事の手順に逆らうことなく巻取式命綱を備える支柱を立設することが可能であり、安全性の確保に加えて作業効率の向上も期待できる。
【0013】
前記支柱固定部材の各棟木保持部は、棟木の天面側に配置される上部枠と、この上部枠の両端に連結されて棟木の周囲に巻回される二節三連のアームとを有してなる。この発明によれば、アームを棟木周囲に巻回して棟木が保持されるとともに、上方からは締結手段によって、下方からはアームによって、それぞれ棟木を締付けて支柱固定部材が棟木に固定される。したがって、巻取式命綱を備えた支柱を支柱固定部材に立設すると、この支柱を棟木のほぼ軸芯上に容易に支持させることができる。
【0014】
また、前記アームは、棟木の底面に面する側辺に鋸歯部を有するよう構成されてもよい。これによれば、アームの鋸歯部が棟木に食い込み、より強固な取付状態が得られる。
【0015】
さらに、前記棟木保持部におけるアーム同士の連節部に引張りバネ部材が取り付けられて、一端を上部枠に連結したアームが棟木の周囲にまわり込むように付勢される構成としてもよい。これによると、バネ部材が、アームの端部を上部枠方向に常時引きつけている。したがって、一端を上部枠に連結したアームは、他端を上部枠から外して拡げても、アームから手を放すと自ずから棟木周囲にまわり込むので、支柱固定部材の取付作業が容易になる。
【0016】
また、前記棟木保持部におけるアーム同士の連節部には、連節用孔が複数個設けられて、棟木の断面寸法に合わせてアーム同士の連節位置が付け替え可能とされてもよい。さらに、上部枠とアームとの連結部に、連結用孔が複数個設けられて、棟木の断面寸法に合わせて上部枠とアームとの連結位置が付け替え可能とされてもよい。
【0017】
これらの発明によれば、解体される建物の棟木の断面寸法によって解体用安全装置を取り替える必要がなく、一つの装置で様々な断面寸法の棟木に対応することができる。
【0018】
本発明に係る屋根作業用安全装置の他の構成として、支柱固定部材の各棟木保持部が、棟木の天面側に配置される上部枠と、この上部枠の両端にそれぞれ連結される一対のフックとを有し、各フックの先端部には棟木に食い込む鉤爪が形成されてもよい。この発明によれば、フックは棟木をその両側方から挟み込んで、各フックの鉤爪が棟木に食い込むので、支柱固定部材の棟木への取付状態が強固になる。
【0019】
かかる屋根作業用安全装置における棟木保持部の構成として、前記上部枠とフックとの連結部に、連結用孔が複数個設けられて、棟木の断面寸法に合わせて上部枠とフックとの連結位置が付け替え可能とされてもよい。これによれば、解体される建物における棟木の断面寸法によって、そのつど安全装置を取り替える必要がなく、一つの装置で様々な断面寸法の棟木に対応することができる。
【0020】
また、本発明に係る屋根作業用安全装置の他の構成として、支柱固定部材の各棟木保持部は、棟木の天面側に配置される上部枠と、この上部枠の両端に連結されて棟木の周囲に巻回されるチェーンとを有するものであってもよい。この発明によれば、チェーンを棟木周囲に巻回するとともに、巻き付けたチェーンの一部を前記上部枠の他端に固定することよって棟木が保持される。そして、棟木を上方から締付ける締結手段と、棟木に巻き付けたチェーンとによって、支柱固定部材を棟木に固定することができる。この場合、チェーンが十分な長さを有していれば、支柱固定部材は、固定される棟木の断面寸法を選ばずに、一つの装置で様々な断面寸法の棟木に対応することができる。
【0021】
また、本発明に係る屋根作業用安全装置は、前記支柱固定部材の支持基板が、その両端部において各棟木保持部と一体に接合されてなる。この場合、前記締結手段の具体的な構成は、各棟木保持部の上部枠を貫通して設けられた締付けボルトと、この締付けボルトの下端部に設けられて棟木の天面を押圧する押圧部とを備えたものである。そして、締付ボルトを締め付けることにより押圧部と棟木保持部とが棟木を挟持するように構成されている。
【0022】
また、他の構成として、前記支柱固定部材の支持基板は、棟木保持部の内側において各締結手段を架け渡すものであってもよい。この場合、前記締結手段は、各棟木保持部の上部枠を貫通して前記支持基板の端部に当接する締付けボルトと、支持基板の端部に設けられて棟木の天面を押圧する押圧部とを備えてなる。そして、締付ボルトを締め付けることによって押圧部と棟木保持部とが棟木を挟持するように構成されてもよい。
【0023】
さらに、他の構成として、前記支柱固定部材の支持基板は、その両端部において棟木保持部と一体に接合されてなり、締結手段は、棟木保持部の上部枠の一端に、チェーンの一端に設けられた締付けボルトを挿通させうるように形成されたチェーン保持筒と、前記締付けボルトに螺合されるチェーン締付けハンドルとを備えるものであってもよい。そして、チェーン保持筒に下側から締付けボルトを挿通させ、チェーン保持筒の上側から締付けボルトにチェーン締付けハンドルを螺合させて締め付けることにより、チェーンが棟木に緊結されるように構成されることが好ましい。
【0024】
これらの発明によれば、締結手段によって棟木保持部を棟木に確実に締結し、支柱固定部材を安定的に固定することができる。支柱固定部材における支持基板と棟木保持部との接続形態や、締結手段の構成は、必要に応じて適宜選択される。
【0025】
また、本発明に係る屋根の解体方法は、以下の手順を含む構成とされる。すなわち、建物棟部の屋根ふき材の一部を取り外すとともに、当該箇所の屋根下地材を剥がし取ることによって棟木の一部を露出する。次いで、この露出部分に屋根作業用安全装置の支柱固定部材を固定する。次いで、この支柱固定部材に支柱を立設するとともに、支柱の上方に巻取式命綱を取り付ける。そして、この巻取式命綱を作業者が装着して屋根の解体作業を行う。
【0026】
この発明によれば、屋根の解体工事に伴う作業用安全装置の取付作業は、屋根ふき材と屋根下地材の一部を取り外すだけで実施できる。したがって、屋根の解体工事の手順に逆らうことなく安全に作業を進めることが可能となり、作業効率も向上する。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る屋根作業用安全装置及び屋根の解体方法について、複数の実施の形態をそれぞれ図面を参照しつつ説明する。
【0028】
本発明の安全装置は、支柱固定部材として、支持基板、棟木保持部及び締結手段を備えている。この支柱固定部材は、前記の棟木保持部と締結手段とによって棟木を上下方向に締付け、棟木を固定している。そして、この棟木保持部と締結手段との構成態様によって、本発明の安全装置は複数の実施の形態を有する。
【0029】
そこで、まず、棟木保持部と締結手段について、主要な構成を簡単に説明する。棟木保持部と締結手段の構成態様は、それぞれ下記の3通りに大別される。
【0030】
すなわち、棟木保持部の構成としては、上部枠と、
(1)二節三連のアームを有するもの、
(2)一対のフックを有するもの、
(3)チェーンを有するもの、
があげられる。
【0031】
また、締結手段の構成としては、
(4)各棟木保持部の上部枠を貫通して設けられた締付けボルトと、この締付けボルトの下端部に設けられて棟木の天面を押圧する押圧部とを備えるもの、
(5)棟木保持部の上部枠を貫通して支持基板の端部に当接する締付けボルトと、支持基板の端部に設けられて棟木の天面を押圧する押圧部とを備えるもの、
(6)棟木保持部の上部枠の一端に、チェーンの一端に設けられた締付けボルトを挿通させうるように形成されたチェーン保持筒と、前記締付けボルトに螺合されるチェーン締付けハンドルとを備えるもの、
があげられる。
【0032】
したがって、本発明に係る屋根作業用安全装置は、これらの棟木保持部と締結手段との各構成態様の組合せ方と、その各部の形態により、複数の実施の形態が考えられる。そこで、以下の説明においては、このうちの5つの実施の形態について説明する。
【0033】
<第1の実施の形態>
図1から図4は、本発明の第1の実施の形態を示し、図1は建物の棟木に取り付けられた安全装置を示す斜視図、図2は図1の安全装置の支柱固定部材を示す斜視図、図3及び図4は、それぞれ図1の安全装置の支柱固定部材の正面図である。
【0034】
この実施の形態の安全装置11は、前記した棟木保持部の構成態様(1)と、締結手段の構成態様(4)との組合せに係るものである。
【0035】
図示するように、安全装置11は、棟木92に固定される支柱固定部材10と、この支柱固定部材10に立設される支柱5と、この支柱5の先端部に回動自在に取り付けられる巻取式命綱6とを備えている。また、図2に示すように、支柱固定部材10は、支持基板2aと、この支持基板2aの両端に設けられた一対の棟木保持部3a、及び締結手段を備えている。
【0036】
支持基板2aは、下方に開口した溝形の断面を有する鋼板製の部材である。支持基板2aの中央部には支柱固定用穴21が設けられ、この支柱固定用穴21の下面に固定用ナット22が固着されている。支柱固定用穴21には、支柱5の下端部に形成されたボルト部511が挿入されて、固定用ナット22に螺着される。支持基板2aの両端部には、後述の締付けボルト41が挿通されるボルト用孔23がそれぞれ設けられている。
【0037】
棟木保持部3aは、支持基板2aの両端部にそれぞれ一体に接合され、棟木92の軸方向に適宜の間隔を隔てて配置されている。各棟木保持部3aは、棟木92の天面側に配置される上部枠31と、この上部枠31の両端に連結されて、棟木の周囲に巻回されるアーム32とを備えている。
【0038】
上部枠31は、中空又は溝形の断面を有する鋼材からなり、棟木92の軸方向に直交して配置される。上部枠31の両端には連結用孔311が棟木92の軸方向と平行に、各2個ずつ適宜の間隔をあけて並設されている。また、上部枠31の中央部には、後述の締付けボルト41が挿通されるボルト用孔312が設けられている。
【0039】
アーム32は2節3連で構成され、図3及び図4に示すようにアーム32(a),32(c)の端部には、連結用孔321が上下に適当な間隔で2個ずつ設けられている。そして、この連結用孔321のいずれか一方と、上部枠31の連結用孔311のいずれか一方が、ロックピン7を用いて互いに連結され、アーム32(a),32(c)が上部枠31に対し回動自在に支持される。アーム32と上部枠31とを連結する連結用孔321,311は、棟木92の断面寸法に合わせて適宜選択され、上部枠31とアーム32との連結位置を付け替え可能としている。
【0040】
ここで、上部枠31とアーム32との連結に用いられる例示のロックピン7は、先端部に、出没自在な係止爪71を備えている。そして、一旦、連結用孔311,321に嵌挿されると、容易には抜けないように構成されている。ロックピン7を抜き取る際には、この係止爪71を押さえて没入させる。
【0041】
また、三連の中央に位置するアーム32(b)の側辺には鋸歯部323が形成されている。このアーム32(b)は巻回されたとき棟木92の底面に面し、この棟木92の底面に強固に固定される。
【0042】
アーム32(b)におけるアーム32(c)側の端部には、連節用孔322が適当な間隔をあけて2個並設されている。この連節用孔322も、棟木92の断面寸法に合わせていずれかの孔が適宜選択され、アーム32(b)とアーム32(c)との連節位置を付け替え可能としている。
【0043】
また、締結手段は、例示の形態において、締付けボルト41と接続板43と押圧部42によって構成されている。
【0044】
締付けボルト41は、頭部につまみ411を備え、支持基板2aの両端部と上部枠31の中央部とにそれぞれ設けられたボルト用孔23,312を挿通して取り付けられる。上部枠31のボルト用孔312の下面にはナット313が固着されており、締付けボルト41はこのナット313と螺合しうるよう構成されている(図3参照)。
【0045】
また、締付けボルト41の先端は、リベット状に加工されている。接続板43は平板状に形成されて、中央に締付けボルト41の先端部が挿入されるボルト接続孔431を備えている。このような締結手段では、締付けボルト41の先端部が、接続板43のボルト接続孔431に挿入される。そして、リベット状に加工された締付けボルト41の先端部が、接続板43の下面側においてかしめられ、接続板43に対して回動自在に接続されている。
【0046】
押圧部42は、この接続板43の下面にそれぞれ2個ずつ配置され、接続板43に接合されている。つまり、この押圧部42は、棟木保持部3aの内側に位置することとなる。各押圧部42は、下方に開口した溝形の断面を有する鋼板製の部材であり、両縁部には鋸歯状の挟持部421が設けられている。これらの挟持部421が、棟木92の天面に当接して食い込むことによって、より強固な取付状態が得られるようになっている。
【0047】
かかる締結手段によって、締付けボルト41を締め付けると、押圧部42が棟木92の天面を押さえ付けて、棟木保持部3aのアーム32が棟木92の底面に食い込む。これにより、棟木92は上下方向に締め付けられて支柱固定部材10が棟木92に確実に固定される。
【0048】
図5は支柱固定部材に立設される支柱5と、これに取り付けられる巻取式命綱6を示す斜視図である。
【0049】
この支柱5は、人の腰程度の高さを有する鉄パイプ製の部材で、この支柱5の下端部には、前記支持基板2aの支柱固定用穴21に螺合しうるボルト部511が設けられている。
【0050】
支柱5の上部には、複数個の固定孔512が設けられている。下端の固定孔512には、固定環52がビス8等を用いて取り付けられる。
【0051】
この固定環52の上部には、巻取式命綱6を連結するための環状フレーム55が嵌装される。環状フレーム55は、内径が支柱5の外径よりもやや大きく形成されており、支柱5に嵌装されたとき支柱5を軸に回動自在となる。巻取式命綱6は、環状フレーム55の側方に突設された取付部551に連結固定されている。環状フレーム55は、スペーサ環53を挟んで上下に2個取り付けられ、互いに独立して回動する。さらに、上段の環状フレーム55の上方には、抜け止め環54が取り付けられる。スペーサ環53、抜け止め環54はロックピン7によって支柱5に固定される。
【0052】
これらの固定環52、スペーサ環53、抜け止め環54、及び環状フレーム55は、いずれも支柱5に対して嵌脱自在であり、必要に応じて巻取式命綱6の個数を増減することもできる。
【0053】
巻取式命綱6は、合成繊維製の細幅織りベルト61がボビン62内に巻き取られた構造を有する。ボビン62には巻取ばねが内蔵されて、常時ベルト61に巻取力を付勢している。さらに、ボビン62には図示されない爪が設けられて、急激にベルト61が引き出されると巻取ばねが急回転し、その遠心力によって爪が開く構造となっている。そして、巻取口63に設けられた図示されないストッパと当接してボビン62の回転を阻止し、ベルト61が一定長さ以上繰り出すのを防いでいる。したがって、巻取式命綱6を装着した作業者は、万一足を滑らせても、ベルト61が作業者の墜落を防ぎ、作業者の受ける衝撃荷重も最小限に抑えられる。
<屋根の解体方法>
次に、前記安全装置11を利用した、本発明に係る屋根の解体方法について説明する。図6は、安全装置の使用状態を示す概略図であり、図7は安全装置を棟木に固定した状態を示す斜視図である。
【0054】
屋根の解体工事においては、まず屋根の棟部に葺設されている棟瓦(がんぶり瓦)や棟カバー材などの棟ふき材93を、一部のみ(数十cm程度)取り外す。次に、棟ふき材93を取り除いた棟部に近接する数十cmの範囲で瓦などの屋根ふき材94とその下側にある屋根下地材95とを剥がし取って棟木92の一部を露出する。
【0055】
続いて、この露出部分に安全装置11の支柱固定部材10を固定する。この支柱固定部材10は、以下の手順により棟木92に固定される。
【0056】
まず、各棟木保持部3aにおいて、上部枠31の両端に取り付けられているロックピン7のいずれか一方を引き抜き、上部枠31の一端とアーム32との連結を解除する。そして、自由になったアーム32を棟木92の周囲にまわし込んで棟木92を包囲した後、再びアーム32の一端を上部枠31に差し込んでロックピン7によって連結する。
【0057】
このとき、図4に示したように、挟持する棟木92の断面寸法に合わせて、アーム32(b)の連節用孔322をずらして、アーム32(b)とアーム32(c)とを連節し直し、連節位置を付け替えてもよい。さらに、アーム32(a),32(c)と、上部枠31とを連結している連結用孔321,311を、それぞれ連結し直して連結位置を付け替えてもよい。
【0058】
続いて、締付けボルト41を締めて押圧部42を棟木92に圧接させる。これにより、棟木92は天面側からは押圧部42に、底面側からはアーム32(b)に締め付けられて強固に固定される。
【0059】
次に、棟木92に固定した支柱固定部材10に支柱5を立設する。このとき、支柱5の下端のボルト部511を支持基板2a中央の支柱固定用穴21に嵌め込み、内側に設けられた固定用ナット22に螺合させて固定していく。こうして支持基板2aに支柱5の下端面が当接し、支柱5は棟木92のほぼ軸芯上に支持される。
【0060】
次に、立設した支柱5の先端部に巻取式命綱6を取り付ける。巻取式命綱6は、例示の形態においては、支柱5に2個取り付けている。
【0061】
続いて、それぞれの巻取式命綱6のベルト61を、2人の作業者91の腰部の安全帯にそれぞれ装着し、解体作業を順次行っていく。
【0062】
このように、支柱5に取り付けられた巻取式命綱6は、支柱5を軸として回動自在になるので、作業者91は屋根上の広範囲での作業が可能となる。そのうえ、支柱5は屋根の棟部の中央付近に立設することができるので、1本の支柱5を中心に屋根全体を作業範囲として無駄なくカバーでき、より安全に解体作業を進めることができる。
【0063】
加えて、本例の場合には、巻取式命綱6が支柱5に2個取り付けられて、2人の作業者91に装着することができ、各作業者91が同時に解体作業を行ってもベルト61同士が絡むことはない。また、万一、作業者91が足を滑らせても、作業者91の墜落を防ぐとともに、作業者91が受ける衝撃荷重も最小限に抑えられる。
【0064】
また、巻取式命綱6は、ベルト61に巻取力を付勢しているので、ベルト61が支柱5と作業者91との間で撓むことがない。また、巻取式命綱6は屋根面から所定の高さ突出した支柱5の先端部に取り付けられているので、屋根上に載置された瓦や盛土等に引っ掛かることもない。したがって、屋根の解体工事を効率よくスムーズに行うことを可能にするとともに、作業者91の安全を確保することができる。
【0065】
<第2の実施の形態>
この実施の形態に係る屋根作業用安全装置12は、前記第1の実施の形態と基本構成においてほぼ同様であるが、アームの構成が異なっている。そこで、前記第1の実施の形態と共通する部分については同一の符号を付してその説明を省略し、アームについて説明する。
【0066】
図8は、本実施の形態の安全装置を示す正面図である。例示の形態に係るアーム32は、アーム32同士の連節部にバネ部材323が取り付けられている。アーム32は、このバネ部材323によって常時矢符S方向に引きつけられている。このため、一端を上部枠31に連結されたアーム32は、他端が上部枠31から外されて拡げられても、自ずから棟木92周囲にまわり込むよう付勢される。
【0067】
したがって、作業者が支柱固定部材10を棟木92に取り付ける際、手を棟木92周囲に差し入れて作業するに十分なスペースが確保できないような場合であっても、アーム32を容易に棟木92の周囲にまわし込むことができる。
【0068】
<第3の実施の形態>
図9から図11は、本発明の第3の実施の形態を示し、図9は安全装置を棟木に固定した使用状態を示す部分斜視図、図10は安全装置の支柱固定部材を示す正面図、図11は図10の側面図である。
【0069】
この実施の形態に係る屋根作業用安全装置13は、前記した棟木保持部の構成態様(2)と、締結手段の構成態様(5)との組合せに係るものである。すなわち、第1の実施の形態とは、支柱固定部材における各構成が若干異なる。そこで、前記第1の実施の形態と共通する構成要素については同一の符号を付してその説明を省略し、主に支柱固定部材について説明する。
【0070】
この支柱固定部材10の支持基板2bは、鋼板を下方に開口した溝形に折曲して形成された中央基部24と、この中央基部24の両端に接合された平板状の接続板25とからなる。そして、この支持基板2bによって、棟木92の軸方向に、締結手段を構成する一対の押圧部42同士が連結されている。
【0071】
すなわち、本実施の形態においては、支持基板2bに設けられた各接続板25の下面側に、押圧部42がそれぞれ2個ずつ接合されて一体に設けられた構成となっている。この押圧部42は、前記第1の実施の形態における押圧部42とほぼ同様の形状を有している。また、押圧部42を棟木92の天面に押圧する締付けボルト41は、棟木保持部3bの上部枠31を貫通して支持基板2bの接続板25に当接している。
【0072】
各棟木保持部3bは、棟木92を両側方から挟持するよう2本のフック33を備えてなる。フック33の先端には、棟木92の底面に食い込む鉤爪331が形成されている。棟木92は、2本のフック33によって両側から挟持されるとともに、鉤爪331によって底面が強固に支持される。
【0073】
また、各フック33の基端側には、上部枠31と連結するための連結用孔332が上下に適当な間隔で3個ずつ設けられている。これにより、フック33と上部枠31との連結位置を、棟木92の断面寸法に合わせて付け替えることが可能である。
【0074】
<第4の実施の形態>
図12及び図13は、本発明の第4の実施の形態を示し、図12は安全装置の支柱固定部材を示す正面図、図13は図12の側面図である。
【0075】
この実施の形態に係る屋根作業用安全装置14は、前記した棟木保持部の構成態様(3)と、締結手段の構成態様(5)との組合せに係るものである。すなわち、前記第3の実施の形態と、棟木保持部の構成が異なっている。そこで、以下において、前記第3の実施の形態と共通する構成要素については同一の符号を付してその説明を省略し、主に棟木保持部について説明する。
【0076】
この支柱固定部材10の各棟木保持部3cは、棟木92の天面側に配置される上部枠31と、この上部枠31の両端に連結されて棟木92の周囲に巻回されるチェーン35とを備えている。
【0077】
例示の形態においてチェーン35は、予め一端が、上部枠31の一端にボルト315を用いて固定されている。上部枠31の他端には、チェーン35を掛止自在に固定する掛止部316が設けられており、棟木92の周囲に巻回したチェーン35の適当な箇所を掛止部316に掛止するように構成されている。
【0078】
また、押圧部45は前記第3の実施の形態と同様に、支持基板2の両端部に一体に接合されている。ただし、押圧部45の形状は前記第3の実施の形態とは若干異なり、鋼板の四周を折曲して断面溝形に形成されている。この折曲された四周縁部には、棟木92天面との当接する鋸歯状の挟持部451が設けられている。これにより、押圧部45が棟木92の天面に食い込み、より強固な取付状態が得られる。
【0079】
この実施の形態では、締付けボルト41を締め付けると、押圧部45が棟木92の天面を押圧するとともに、チェーン35を引張して棟木92を上下方向に締め付ける。
【0080】
本実施の形態の場合、チェーン35が十分な長さを有していれば、棟木92の断面寸法を選ばずに、一つの装置で様々な断面寸法の棟木に支柱固定部材10を取り付けることができる。
【0081】
<第5の実施の形態>
図14から図17は、本発明の第5の実施の形態を示し、図14は安全装置を示す正面図、図15は支柱固定部材の側面図、図16は支柱固定部材の上面図、図17は支柱固定部材の正面図であり、チェーンを上部枠の一端に掛止する様子を示している。
【0082】
この実施の形態に係る屋根作業用安全装置15は、前記した棟木保持部の構成態様(3)と、締結手段の構成態様(6)との組合せに係るものである。すなわち、前記第4の実施の形態とは、締結手段の構成が異なっている。そこで、前記第4の実施の形態と共通する構成要素については同一の符号を付してその説明を省略し、主に締結手段について説明する。
【0083】
図示するように、この安全装置15においては、締結手段が、棟木保持部3cの上部枠31の一端に取り付けられたチェーン保持筒48と、チェーン35の一端に設けられた締付けボルト47と、この締付けボルト47に螺合されるチェーン締付けハンドル49によって構成される。
【0084】
チェーン保持筒48は、締付けボルト47を挿通させうる内径を有し、上部枠31の一端に回動自在に取り付けられている。
【0085】
また、チェーン締付けハンドル49は、締付けボルト47に螺合するナット部491と、このナット部491から斜め方向に延設されたハンドル部492とを備えている。
【0086】
かかる締結手段は、次のような手順によって、支柱固定部材10を棟木92に締結する。すなわち、チェーン保持筒48に下側から締付けボルト47を挿通させ、この締付けボルト47に、チェーン保持筒48の上側からチェーン締付けハンドル49を螺合させる。チェーン締付けハンドル49を螺合させた締付けボルト47は、チェーン保持筒48の上縁にナット部491が係止して上部枠31に連結される。
【0087】
一方、チェーン35の他端は、棟木92の周囲にチェーン35を巻回して、図17に示すように、適当な箇所を上部枠31の他端に設けられた掛止部316に掛止して固定させる。このとき、チェーン保持筒48が、上部枠31の一端に回動自在に取り付けられているので、チェーン35を棟木92の大きさに合わせて任意の角度でまわし込むことができる。
【0088】
そして、締付けボルト47に螺合させたチェーン締付けハンドル492を締め付けることによって、チェーン35が緊結されて、棟木92に支柱固定部材10が固定される。
【0089】
例示の形態においては、上部枠31の下辺中央部に鋸歯部318が円弧状に形成されている。これにより、支柱固定部材10が固定される棟木92が丸太材であっても、丸太材の上面が鋸歯部318に食い込むので、棟木92は安定して保持される。このように、本実施の形態の安全装置15では、チェーン35が十分な長さを有していれば棟木92の断面寸法や断面形状を選ばずに、一つの装置で様々な棟木92に支柱固定部材10を固定することができる。
【0090】
また、本実施の形態では、支柱固定部材10の支持基板2cに、掛止用リング28が2個設けられている。このリング28は、屋根作業時に必要なロープや工具等の作業道具を掛止して、それらの落下を防ぐのに利用することができる。
【0091】
以上のように、本発明に係る屋根作業用安全装置は、支柱固定部材に設けられる棟木保持部と締結手段の構成態様について、様々な組合せが可能である。そして、棟木を上下方向に締め付けて支柱固定部材を固定するものであれば、前記した実施の形態に限られず、他の組合せに係るものであっても同様の効果が得られる。
【0092】
また、本発明に係る安全装置は屋根の解体作業だけでなく、当然、建物の新築や改築における屋根上での作業時にも使用することができる。この場合には、妻面トラスに取り付ける従来の安全装置に比べて、命綱を装着した作業者の作業範囲が拡大され、作業性が高められる。
【0093】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る屋根作業用安全装置は、支柱固定部材の一対の棟木保持部と締結手段とが棟木を上下方向に締め付けて、支柱固定部材を棟木に確実に固定する。このとき、この支柱固定部材が固定されるのは建物棟部の棟木であるので、棟ふき材と、それに近接する屋根ふき材及び屋根下地材の一部分を取り外すだけで、その取付作業を行うことができる。したがって、屋根の解体工事の手順に逆らうことなく安全装置を取り付けることが可能となる。
【0094】
そして作業者は、支柱に回動自在に取り付けられた巻取式命綱を装着して、安全を確保しつつ屋根上での作業を行うことができる。さらに、この支柱は屋根の棟部の中央付近に立設することができるので、支柱を中心に屋根全体を作業範囲とすることができ、作業効率の向上も期待できる。
【0095】
また、本発明に係る屋根の解体方法によれば、前記安全装置を好適に利用して、作業者の墜落事故を防止しつつ屋根上での作業の安全性を高めるとともに、手作業による解体工事を効率良く進めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る屋根作業用安全装置の第1の実施の形態を示す斜視図である。
【図2】図1の安全装置の支柱固定部材を示した斜視図である。
【図3】図1の解体用安全装置の支柱固定部材の正面図である。
【図4】図1の解体用安全装置の支柱固定部材の正面図である。
【図5】本発明に係る屋根作業用安全装置の支柱と、これに取り付けられる巻取式命綱を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る屋根作業用安全装置の使用状態を示す概略図である。
【図7】本発明に係る屋根作業用安全装置を棟木に固定した状態を示す斜視図である。
【図8】本発明に係る屋根作業用安全装置の第2の実施の形態を示す正面図である。
【図9】本発明に係る屋根作業用安全装置の第3の実施の形態における使用状態を示す斜視図である。
【図10】本発明に係る屋根作業用安全装置の第3の実施の形態を示す正面図である。
【図11】図10の側面図である。
【図12】本発明に係る屋根作業用安全装置の第4の実施の形態を示す正面図である。
【図13】図12の側面図である。
【図14】本発明に係る屋根作業用安全装置の第5の実施の形態を示す正面図である。
【図15】前記安全装置における支柱固定部材の側面図である。
【図16】図15の上面図である。
【図17】前記安全装置の支柱固定部材を示す正面図である。
【図18】従来の安全装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
11 屋根作業用安全装置
10 支柱固定部材
2a 支持基板
3a 棟木保持部
31 上部枠
311 連結用孔
32 アーム
321 連結用孔
322 連節用孔
41 締付けボルト
42 押圧部
12 屋根作業用安全装置
323 バネ部材
13 屋根作業用安全装置
2b 支持基板
3b 棟木保持部
33 フック
331 鉤爪
332 連結用孔
14 屋根作業用安全装置
3c 棟木保持部
316 掛止部
35 チェーン
45 押圧部
15 屋根作業用安全装置
2c 支持基板
28 掛止用リング
316 掛止部
318 鋸歯部
47 締付けボルト
48 チェーン保持筒
49 チェーン締付けハンドル
5 支柱
6 巻取式命綱
7 ロックピン
91 作業者
92 棟木
94 屋根ふき材
95 屋根下地材
Claims (13)
- 棟木に固定される支柱固定部材と、この支柱固定部材に立設される支柱と、この支柱に回動自在に取り付けられる巻取式命綱とを有し、
前記支柱固定部材は、支柱を支持する支持基板と、棟木の軸方向に所定間隔を隔てて配置される一対の棟木保持部と、各棟木保持部に対応して設けられて該棟木保持部を棟木に締結する締結手段とを備え、
棟木保持部と締結手段とが棟木を上下方向に締め付けることにより、前記支柱固定部材が棟木に固定されることを特徴とする屋根作業用安全装置。 - 支柱固定部材の各棟木保持部は、棟木の天面側に配置される上部枠と、この上部枠の両端に連結されて棟木の周囲に巻回される二節三連のアームとを有することを特徴とする請求項1に記載の屋根作業用安全装置。
- アームは、棟木の底面に面する側の側辺に鋸歯部を有することを特徴とする請求項2に記載の屋根作業用安全装置。
- 棟木保持部におけるアーム同士の連節部にはバネ部材が取り付けられて、一端を上部枠に連結したアームが棟木の周囲にまわり込むように付勢されることを特徴とする請求項2又は3に記載の屋根作業用安全装置。
- 棟木保持部におけるアーム同士の連節部には、連節用孔が複数個設けられて、棟木の断面寸法に合わせてアーム同士の連節位置が付け替え可能とされたことを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の屋根作業用安全装置。
- 棟木保持部における上部枠とアームとの連結部には、連結用孔が複数個設けられて、棟木の断面寸法に合わせて上部枠とアームとの連結位置が付け替え可能とされたことを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載の屋根作業用安全装置。
- 支柱固定部材の各棟木保持部は、棟木の天面側に配置される上部枠と、この上部枠の両端にそれぞれ連結される一対のフックとを有し、
各フックの先端部には棟木に食い込む鉤爪が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の屋根作業用安全装置。 - 棟木保持部における上部枠とフックとの連結部には、連結用孔が複数個設けられて、棟木の断面寸法に合わせて上部枠とフックとの連結位置が付け替え可能とされたことを特徴とする請求項7に記載の屋根作業用安全装置。
- 支柱固定部材の各棟木保持部は、棟木の天面側に配置される上部枠と、この上部枠の両端に連結されて棟木の周囲に巻回されるチェーンとを有することを特徴とする請求項1に記載の屋根作業用安全装置。
- 支柱固定部材の支持基板はその両端部において各棟木保持部と一体に結合されてなり、
締結手段は、各棟木保持部の上部枠を貫通して設けられた締付けボルトと、この締付けボルトの下端部に設けられて棟木の天面を押圧する押圧部とを備え、
締付ボルトを締め付けることにより押圧部と棟木保持部とが棟木を挟持することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の屋根作業用安全装置。 - 支柱固定部材の支持基板は棟木保持部の上部枠の内側において各締結手段を架け渡してなり、
この締結手段は、各棟木保持部の上部枠を貫通して前記支持基板の端部に当接する締付けボルトと、支持基板の端部に設けられて棟木の天面を押圧する押圧部とを備え、
締付ボルトを締め付けることにより押圧部と棟木保持部とが棟木を挟持することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の屋根作業用安全装置。 - 支柱固定部材の支持基板はその両端部において棟木保持部と一体に結合されてなり、
締結手段は、棟木保持部の上部枠の一端に、チェーンの一端に設けられた締付けボルトを挿通させうるように形成されたチェーン保持筒と、前記締付けボルトに螺合されるチェーン締付けハンドルとを備え、
チェーン保持筒に下側から締付けボルトを挿通させ、チェーン保持筒の上側から締付けボルトにチェーン締付けハンドルを螺合させて締め付けることにより、チェーンが棟木に緊結されることを特徴とする請求項1又は9に記載の屋根作業用安全装置。 - 建物棟部の屋根ふき材の一部を取り外すとともに、当該箇所の屋根下地材を剥がし取ることによって棟木の一部を露出し、
次いで、この露出部分に屋根作業用安全装置の支柱固定部材を固定し、
次いで、この支柱固定部材に支柱を立設するとともに、支柱の上方に巻取式命綱を取り付け、
さらに前記巻取式命綱を作業者が装着して屋根の解体作業を行うことを特徴とする屋根の解体方法。
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