JP2004182022A - 自動車用ホイール - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久性能を満足しつつ、軽量化と低コスト化を実現し得る自動車用ホイールを提案する。
【解決手段】ホイールディスク3が、円周方向に沿って間欠的に形成されたディスクフランジ部11と、隣り合うディスクフランジ部11間に、ディスク肩部に対して内側に傾斜してなる傾斜円弧状凹縁20とを備え、該傾斜円弧状凹縁20とディスクフランジ部11との境界線22,22が、ホイールリム2と嵌合状態を形成するようにしたから、自動車用ホイール1が十分な耐久性能を発揮すると共に、材料量の低減による低コスト化と軽量化とを行うことが可能である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホイールディスクとホイールリムとからなる自動車用ホイールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車用ホイールとして、ホイールリムに形成されたドロップ部の内周面に、ホイールディスクの外周縁に形成されたディスクフランジ部を嵌合して溶接されてなる、いわゆる2ピースタイプのものが種々提案されている。このような自動車用ホイールは、自動車走行性能の向上や、市場での競争力を高めるため、軽量化や製造コスト削減が強く求められている。そのため、ホイールディスクのディスクフランジ部に、円周方向に四箇所の円弧状凹縁を形成し、この部分の軽量化と材料量を低減させるようにしている構成が一般的となっている。但し、このホイールディスクにあっては、ホイールリムとの嵌合力を十分に発揮できるように、ディスクフランジ部の円弧状凹縁が該ホイールリムと嵌合状態を形成できる範囲で、その大きさを設定していた。このホイールディスクの成形方法としては、略正方形の板材から四角部を円弧状に切り落とした板状基材を、プレス加工することによって成形する方法が一般的である。
【0003】
ところが、このようなホイールディスクから形成した自動車用ホイールにあっては、その耐久性能が、必要とされる要求値を大幅に越えており、オーバースペックとなっていた。そのため、一層の軽量化と低コスト化を進めるため、ホイールディスクの円弧状凹縁の最凹部が、ホイールリムとの嵌合状態を形成しないようにした構成も提案されている(例えば、特許文献1)。かかる構成によれば、板状基材の、円弧状凹縁を形成することとなる四辺長を短縮することができるから、自動車用ホイールの軽量化と低コスト化への寄与も大きい。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−95101号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ホイール径が12インチや13インチ等の比較的小さい自動車用ホイールにあっては、ホイールディスクの板厚と抗張力とがその耐久性能に大きく影響することから、上述のように、円弧状凹縁がホイールリムと嵌合状態を形成しない構成とすることによって、所望の耐久性能を維持しつつ、軽量化や材料量の低減を行うことが可能である。しかし、ホイール径が14インチ以上の、比較的大きな自動車用ホイールにあっては、円弧状凹縁を大きくしたことによって、ホイールディスクの剛性低下、及び、該ホイールディスクとホイールリムとの嵌合力が低下することによる影響が顕著に表れることとなる。そのため、例え溶接強度の高いアーク溶接により接合しても、円弧状凹縁をホイールリムと嵌合させる従来構成に比して、自動車用ホイールの耐久性能が低下し、要求値を満足できないこととなり得た。而して、近年、大径化する傾向にある自動車用ホイールにあっては、円弧状凹縁を大きくする構成を用いることができなかった。
【0006】
本発明は、かかる問題点を解決し、耐久性能の要求を満足すると共に、軽量化と低コスト化とを可能とし得る、自動車用ホイールを提案することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した自動車用ディスクホイールにあって、ホイールディスクが、ディスクフランジ部を円周方向に沿って間欠的に複数備えると共に、隣り合うディスクフランジ部間に、該ディスクフランジ部からホイール中心方向に連成されてなるディスク肩部に対して内側に傾斜してなる傾斜円弧状凹縁を備え、該傾斜円弧状凹縁とディスクフランジ部との境界線が、ホイールリムのドロップ部の内周面と接触するように、ホイールディスクがホイールリムに嵌合されてなるものであることを特徴とする(請求項1)。ここで、傾斜円弧状凹縁とディスクフランジ部との境界線としては、ディスクフランジ部から連成されたディスク肩部と、傾斜円弧状凹縁とが異なる傾斜角で形成されることによって生じる境界線であり、ディスクフランジ部の両側にハ字状に形成される。
【0008】
かかる構成にあっては、隣り合うディスクフランジ部間に形成した傾斜円弧状凹縁が、ディスク肩部に対してホイール内側に傾斜面を形成することによって、ホイールディスク自体の捻り剛性や曲げ剛性等を向上させている。さらに、ディスクフランジ部と傾斜円弧状凹縁との境界線が、ホイールリムと嵌合状態を形成することにより、該傾斜円弧状凹縁をその両側端で把持することとなるため、傾斜円弧状凹縁の有する剛性によってホイールディスクとホイールリムとの嵌合力を高めることができる。これにより、傾斜円弧状凹縁による嵌合領域の減少によって生じた嵌合力の低下を防ぐことができるから、自動車用ホイールの耐久性能を十分に発揮させることが可能となる。また、このようなホイールディスクを成形するに用いる板状基材にあって、その四辺長を従来に比して短縮することが可能となるから、この自動車用ホイールは、その耐久性能を維持しつつ、材料量の低減による低コスト化と軽量化とを実行することができる。さらにまた、このような自動車用ホイールにあっては、この傾斜円弧状凹縁が外観上、四箇所に存在し、立体感を生じさせることとなり得るから、従来にない新たな意匠性を発揮できるという優れた利点も有する。
【0009】
尚、このような傾斜円弧状凹縁を形成した場合に、該傾斜円弧状凹縁とディスクフランジ部との境界線がホイールリムと嵌合しないようにした構成にあっては、傾斜円弧状凹縁によって向上した剛性を、ホイールディスクとホイールリムとの嵌合力に活かすことができないから、嵌合領域の減少によって低下した嵌合力では不十分であり、自動車用ホイールの耐久性能が大きく低下することとなる。すなわち、ホイールディスクの剛性を向上させるために、傾斜円弧状凹縁を形成しただけでは、自動車用ホイールの耐久性能の要求を満足することは困難である。そこで、発明者らがさらなる鋭意研鑽を重ねた結果、ホイールディスクの剛性を向上させる傾斜円弧状凹縁を形成すると共に、該傾斜円弧状凹縁とディスクフランジ部との境界線を嵌合状態とすることにより、耐久性能の要求を満足すると共に、軽量化と材料量を低減することが可能な、本発明の自動車用ホイールの発明に到達した。
【0010】
このような傾斜円弧状凹縁が、ディスク肩部に対して、内側に20度からホイール軸方向までの範囲で傾斜する傾斜面を形成してなるものである構成(請求項2)が提案される。かかる構成にあっては、ホイールリムとの嵌合領域の減少によって低下した嵌合力を、該傾斜円弧状凹縁の形成により向上した剛性によって十分に補うことができるようにしたものである。これにより、自動車用ホイールが、一層優れた耐久性を発揮できるものとなり得る。ここで、傾斜円弧状凹縁の傾斜角は、小さくなるに従って剛性が低くなることから、20度より小さくした場合の剛性向上幅では、傾斜円弧状凹縁の嵌合状態を形成しないことによって低下した嵌合力を補うには不十分である。逆に、この傾斜角をホイール軸方向よりも大きくすると、傾斜円弧状凹縁が半径方向内側に向かって傾斜する形状となるため、該傾斜円弧状凹縁の剛性を嵌合力の向上に十分作用させることができない。一方、このような傾斜円弧状凹縁を、約30度より大きい傾斜角の傾斜面とすることによって、ホイールディスクの剛性向上による嵌合力の向上作用をさらに適切に発揮させることができるため、一層好適に用い得る。尚、傾斜円弧状凹縁としては、自動車用ホイールを自動車に組み付けた場合に、ブレーキと干渉しないように、傾斜角を設定することが必要である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態例を添付図面に従って説明する。
図1はスチール製の自動車用ホイール1の縦断面図であり、図2はホイール外側(意匠面側)からの平面図である。この自動車用ホイール1は、ホイールリム2と、ハブ孔4をその中央に具備するホイールディスク3とからなる、いわゆる2ピースタイプである。かかる自動車用ホイール1は、ホイールリム2のドロップ部16の内周面に、ホイールディスク3のディスクフランジ部11を嵌め合わせた後、アーク溶接、スポット溶接、レーザー溶接等の様々な溶接方法によって、ディスクフランジ部11の先端領域をホイールリム2に接合されて一体化されてなる。
【0012】
このホイールリム2には、両側の開口縁にタイヤのサイドウォール部を支持するリムフランジ12、13が形成されており、自動車に取り付けた際に外側となるリムフランジ12の内側に、タイヤのビードを着座させる外ビードシート部14が連成され、内側のリムフランジ13の外側には内ビードシート部15が連成されている。さらに、外ビードシート部14と内ビードシート部15の間には、タイヤ装着時にタイヤのビードを落とすためのドロップ部16が設けられている。
【0013】
また、このホイールディスク3にあっては、図3のように、中心にハブ孔4を有し、その半径方向外側に位置し周方向に互いに均等間隔で五個のボルト孔6が形成されている。さらに、ボルト孔6の半径方向外側から、外方向に向かって隆起する形状の隆起部8が形成されており、該隆起部8の半径方向内側の裏面には、車軸のハブと連結するハブ取付面10(図1参照)が形成されている。この隆起部8は、意匠性の向上、剛性の向上等の役割を果たしている。そして、この隆起部8の半径方向外側には、ホイール軸方向内側に向かって傾斜するディスク肩部9が形成されている。さらに、その半径方向外側にディスク肩部9と連成されてなる、ホイール軸方向と略平行のディスクフランジ部11が円周方向に均等間隔で四箇所形成されている。また、互いに隣り合うディスクフランジ部11の間には、ディスク肩部9に対してホイール軸方向内側に傾斜してなる傾斜円弧状凹縁20が形成されている。すなわち、それぞれ四個のディスクフランジ部11と傾斜円弧状凹縁20とが、円周方向に亘って交互に連成された構成となっている。
【0014】
ここで、本発明の要部である傾斜円弧状凹縁20について説明する。この傾斜円弧状凹縁20は、隣り合うディスクフランジ部11間に形成されており、その凹縁端21の円弧形状に沿って略均等幅の傾斜面から成る。そして、傾斜円弧状凹縁20の両側端における該ディスクフランジ部11との境界線22、22は、ホイールリム2と嵌合状態を形成し、該傾斜円弧状凹縁20の他の領域では、ホイールリム2と接触していない(図9(イ)参照)。また、図4のように、この傾斜円弧状凹縁20は、ディスク肩部9に対してホイール軸方向内側に傾斜する傾斜角θを約30度としている。この傾斜角θによって傾斜円弧状凹縁20を形成することにより、ブレーキとホイールとの干渉を防いでいる。また、この傾斜円弧状凹縁20は、ホイールリム2と接触しないことから、この部分に孔が形成され、この孔がブレーキ等により発生する熱を放熱する熱放射孔としての作用を発揮することとなる。
【0015】
このようなホイールディスク3にあっては、図5(イ)のように、略正方形とした平板の合金鋼の四つの角部23を、夫々同じ形状となるように、この正方形の中心と同心円の円弧により切断することによって形成されてなる板状基材Aを用いて成形される。この板状基材Aの外周縁には、外側方向に凸となる四つの円弧状縁24と、線状縁25とが互いに連成されている。そして、この板状基材Aを、所定の加工工程に従ってプレス加工することによってホイールディスク3を成形する(図6参照)。このプレス加工としては、板状基材A(図6(イ))を予備絞り加工工程によって、その中央領域に円穴の凹部26を有する受け皿状中間材Bを形成する(図6(ロ))。その後、この受け皿状中間材Bを形状絞り加工工程によって、ナット座27、隆起部8、ハブ取り付け面10、ディスク肩部9等の形状が形作られたディスク状品Cを形成する(図6(ハ))。次にこのディスク状品Cを再度絞り加工することでホイールディスク3の寸法精度を整えると共に、ハブ孔4及びボルト孔6の孔開け加工を行い、ディスク状品Dを形成する(図6(ニ))。その後、リストライク工程により、ホイールディスク3の軸方向とほぼ平行となるディスクフランジ部11と、本発明にかかる傾斜円弧状凹縁20を形成し、所望のホイールディスク3を得る(図6(ホ))。このように、板状基材Aをプレス加工していくことによって、該板状基材Aの円弧状縁24によってディスクフランジ部11が成形され、線状縁25によって傾斜円弧状凹縁20が成形されることとなる。尚、この成形過程は、リストライク工程によって、傾斜円弧状凹縁20を形成するための金型を使用する以外は、従来のホイールディスク3の成形方法と同じである。
【0016】
次に、このような実施形態例の自動車用ホイール1を、さらに具体的な実施例によって説明すると共に、従来構成の比較例と比較する。以下の実施例及び比較例にあっては、14インチサイズのホイール形状を用いている。ここで、14インチは、リム径が14インチであることを示すものであり、このリム径は一般的にホイールの大きさを表すことに用いられている。また、実施例及び比較例では、ホイールディスクとホイールリムとを、アーク溶接による隅肉溶接により接合している。
(実施例)
本実施例の自動車用ホイール1にあっては、上述したように、図5(イ)の板状基材Aをプレス加工することにより、ホイールディスク3を成形し、ホイールリム2に嵌合してなるものである(図2参照)。ここで、傾斜円弧状凹縁20にあっては、上述のように、ディスク肩部9に対して内側に約30度傾斜してなる傾斜面を形成すると共に、ディスクフランジ部11との境界線22,22がホイールリム2と嵌合状態を形成するようにしている(図9(イ)参照)。また、この傾斜円弧状凹縁20の、境界線22,22以外の領域ではホイールリム2と接触していない。ここで、板状基材Aは、四辺長Lが335mmの正方形から、その四つの角部23を、該正方形の中心と同心の半径r=414mmの円弧によって切断されてなる。尚、この板状基材Aは、板厚が約3.2mmのものを使用した。
【0017】
(比較例1)
比較例1のホイールディスク31は、図7(イ)のように、ディスク肩部34とディスクフランジ部32とが円周方向に亘って形成され、該ディスクフランジ部32に四箇所の円弧状凹縁33が間欠的に設けられている。そして、このホイールディスク31には、ディスク肩部34に熱放射孔28が複数個設けられている。このホイールディスク31を成形するに要した板状基材A’は、図5(ロ)のように、四辺長Lが各385mmの正方形から、その四つの角部23を、正方形の中心と同心の半径r=414mmの円弧によって切断されてなる。尚、この板状基材A’は、上記の板状基材Aと同様に、板厚が約3.2mmのものを使用した。このホイールディスク31を、上記の実施例と同じホイールリム2に嵌合して自動車用ホイール30を得た(図7(ロ))。かかる自動車用ホイール30にあっては、ディスクフランジ部32が円周方向に亘って、ホイールリム2と嵌合状態を形成している。尚、この自動車用ホイール30が、最も一般的な構成である。
【0018】
(比較例2)
比較例2のホイールディスク36は、図8(イ)のように、円周方向に沿って、ディスクフランジ部11と円弧状凹縁37とが間欠的に設けられている。尚、この円弧状凹縁37と隆起部8との間には、ディスク肩部38も形成されている。このホイールディスク36の成形には、上述の実施例と同じ板状基材Aを使用した。そのため、このホイールディスク36の円弧状凹縁37は、上記した比較例1の円弧状凹縁33に比して、凹縁長が長く、かつ、凹形状も深くなっている。このホイールディスク36を、上記の実施例と同じホイールリム2に嵌合して自動車用ホイール35を得た(図8(ロ))。かかる自動車用ホイール35にあっては、ディスクフランジ部11がホイールリム2と嵌合状態を形成しており、円弧状凹縁37は、ホイールリム2に嵌合していない。
【0019】
(比較例3)
比較例3は、上述の実施例と同様に傾斜円弧状凹縁20が形成されたホイールディスク3を、ホイールリム2に嵌合してなる自動車用ホイール39(図2参照)である。ここで、ホイールディスク3は、図9(ロ)のように、傾斜円弧状凹縁20とディスクフランジ部11との境界線22,22が、ホイールリム2と嵌合状態を形成しないように、ホイールリム2に嵌合されている。すなわち、実施例(図9(イ)))と比して、境界線22,22がホイールリム2のドロップ部に対して上方となるように嵌合状態が形成されている。この自動車用ホイール39にあっては、前記嵌合状態が異なる他は、上述の実施例と同じ材料、同じ構成となっている。
【0020】
尚、上述した各比較例1,2,3は、各々で説明した以外は上記実施例と同じ構成であるため、各構成部位を示す記号は同じものを使用し、説明は省略する。
【0021】
上述した実施例の自動車用ホイール1と、比較例1,2,3の自動車用ホイール30,35,39とを、半径方向負荷耐久試験(JIS D 4103 5.2)によって耐久性能を評価した。この半径方向負荷耐久試験は、一定回転するタイヤを装着したホイールに半径方向負荷を加えながら回転させる試験である。実施例及び比較例1,2,3の各ホイールには、同じタイプのタイヤを装着した。そして、半径方向に負荷する荷重を12400Nに設定し、ホイールに亀裂や破損等の異常が発生するまで回転させ、該異常の生じた回転数を耐久性能の指標とした。ここで、自動車用ホイールは、自動車を構成する各種部品にあって、最も重要な保安部品の一つであることから、様々な規格が存在し、該規格を満足する要求性能が求められている。すなわち、前記の半径方向負荷耐久試験にあっても、要求性能が定量的な値で定められている。本実施例及び比較例に用いた14インチのホイールサイズにあっては、この耐久試験の要求値は、一般的に60万回転以上となっている。
【0022】
この半径方向負荷耐久試験の結果を、図10に示した。尚、図10には、各ホイールディスクの、比較例1(最も一般的なもの)に対する軽量化の割合と、使用した材料量の低減割合を並記している。ここで、軽量化の割合が、材料量の低減割合に比して小さくなっているのは、板状基材A,A’が一旦正方形からその四つの角部23を、同じ半径rの円弧によって削除するようにしているためである。
【0023】
図10のように、半径方向負荷耐久試験にあって、最も一般的に用いられている比較例1の自動車用ホイール30は83万回転で溶接部が破損した。従って、この比較例1の耐久性能は、要求値(60万回転)を満足している。また、比較例2の自動車用ホイール33にあっては、16万回転で溶接が破損し、要求値に達しなかった。同様に、比較例3の自動車用ホイール39にあっても、25万回転で溶接部が破損し、要求値に達しなかった。一方、本発明にかかる実施例の自動車用ホイール1にあっては、76万回転で溶接部が破損し、要求値を十分に満足する結果となった。ここで、実施例の耐久性能は、前記した比較例1の耐久性能よりも低くなった。しかし、この半径方向負荷耐久試験による耐久性能の要求値は60万回転であるので、最も一般的な比較例1の自動車用ホイール30は大幅なオーバースペックであったと言える。而して、実施例の自動車用ホイール1は、要求値に対して20%以上高い耐久性能を発揮していることから、安全率を考慮しても十分な性能を有するものである。
【0024】
また、各ホイールディスクの軽量化と材料量の低減割合を比較すると、比較例1のホイールディスク31に比して、実施例のホイールディスク3は約15%の軽量化と、約25%の材料量を低減することができる。このように本実施例の自動車用ホイール1は、半径方向負荷耐久試験による耐久性能の要求値を満足すると共に、軽量化と材料費の低減とが可能である。そして、この軽量化によって、自動車の走安性を向上させることができるという優れた利点も生ずる。さらに、本実施例の自動車用ホイール1は、比較例1の自動車用ホイール30に比して、傾斜円弧状凹縁20が立体感を有することにより、意匠性を向上できるという利点もある。
【0025】
一方、比較例2及び比較例3にあっては、実施例と同様、比較例1に比して軽量化と材料量の低減は可能であるが、耐久性能が要求値を満足することができない。そのため、自動車用ホイールとして使用することはできない。ここで、比較例3は、傾斜円弧状凹縁20とディスクフランジ部11との境界線22,22が嵌合状態を形成していない構成とした他は実施例を同じである。これにより、この境界線22を嵌合状態とする構成とした本発明の意義が証明されたこととなる。
【0026】
また、上述の実施例と比較例1,2,3とを、回転曲げ耐久試験(試験方法JIS D 4103 5.1)に供した結果、全ての自動車用ホイールが要求性能を満足することとなった(図示省略)。これからも、本実施例の自動車用ホイール1が、必要とされる要求性能を有していることが確認された。尚、比較例2,3にあっても要求性能を満足した原因としては、この回転曲げ耐久試験による耐久性能が、ホイールディスクとホイールリムとの嵌合力よりも、ホイールディスクの板厚から受ける影響が極めて高いためである。
【0027】
このような実施例1にあっては、アーク溶接を用いてホイールディスク3とホイールリム2とを接合するようにした構成であるが、比較的接合力の弱いスポット溶接を用いても、上述の半径方向負荷耐久試験による耐久性能は、十分に要求値を満足することが可能である。また、その他の様々な溶接方法を用いて接合した場合も同様である。尚、上述した比較例2,3にあって、スポット溶接を用いると、さらに耐久性能が低下することとなり得る。
【0028】
また、このような実施例は、14インチサイズのホイールに適用した構成であるが、これより大きいサイズ又は小さいサイズのホイールにあっても、半径方向負荷耐久試験における耐久性能が十分に要求値を満足すると共に、軽量化及び材料量の低減による低コスト化が可能である。一方、比較例2,3の構成にあっては、12インチサイズ等の比較的小さいホイールでは、ホイールディスクの厚みによる耐久性能への影響が大きくなることから、耐久性能が要求値を満足することも可能となり得る。しかし、上述の14インチサイズ等の比較的大きなサイズのホイールにあっては、所望の耐久性能を発揮できないことから、昨今の、大径化が進む自動車用ホイールに用いることはできず、この構成(比較例2,3)の有用性には限界がある。
【0029】
上述した実施形態例にあっては、傾斜円弧状凹縁20をディスク肩部9に対して内側に約30度傾斜させてなる構成であるが、その他の構成として、この傾斜角θを約20度としたり、傾斜円弧状凹縁20をホイール軸方向と略平行とする等しても良い。このような構成にあっても、境界線22,22を嵌合状態とすることにより、傾斜円弧状凹縁20による剛性向上を、嵌合力の向上に作用させることができるから、上述のように優れた耐久性能を発揮できる。ここで、傾斜円弧状凹縁20は、ホール軸方向に近い傾斜角θとなる程、すなわち、傾斜角を大きくするほど剛性が向上することなる。しかし、傾斜角θを大きくすると、ホイール内部領域に収まるブレーキと干渉することとなり得るから、自動車に装着されるブレーキに応じて、傾斜角θを設定する必要がある。
【0030】
また、上述の実施形態例にあって、傾斜円弧状凹縁20の傾斜幅は、比較的大きく設定すると剛性の向上率が大きくなり、小さく設定すると剛性の向上率は小さくなる傾向にある。さらに、傾斜幅を大きくしていくと、この傾斜円弧状凹縁20の半径方向最内凹部が、ホイールリム2と離れることとなるから、自動車用ホイール1の剛性や強度が低下することともなり得る。そのため、この傾斜幅は、ホイールサイズ、ホイール形状、板厚等に応じて適正に設定することが望ましい。一方、上述のように、傾斜円弧状凹縁20の剛性は、傾斜角θを大きくすることによって向上するから、該傾斜角θと傾斜幅とをバランス良く設定することにより、一層優れた耐久性能を発揮し得る自動車用ホイール1を得ることが可能である。
【0031】
本発明は上述の実施形態例に用いたスチール製の自動車用ホイール1だけでなく、アルミニウム製のディスクホイール、マグネシウム製のディスクホイール、FRM(繊維強化金属)製のディスクホイール等でも適用可能である。また、ホイールディスク3とホイールリム2を嵌合してなる2ピースタイプの自動車用ホイール1だけでなく、ディスクフランジ11をホイールリム2の内周面に嵌合する構成からなる3ピースタイプの自動車用ホイールにも適用することができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明は、上述したように、円周方向に沿って間欠的に形成されたディスクフランジ部間に、ディスク肩部に対して内側に傾斜してなる傾斜円弧状凹縁を備え、該傾斜円弧状凹縁とディスクフランジ部との境界線が、ホイールリムのドロップ部の内周面と接触するように、ホイールディスクがホイールリムに嵌合されてなるようにした自動車用ホイールであるから(請求項1)、該傾斜円弧状凹縁による嵌合領域の減少によって生じた嵌合力の低下を防ぐことができ、耐久性能を十分に発揮することが可能となる。また、このようなホイールディスクの成形に用いる板状基材を、その四辺長を従来に比して短縮することができ、材料量の低減による低コスト化と軽量化とを行うことが可能である。さらに、この傾斜円弧状凹縁が、外観上で立体感を生じさせるものとなり、従来にない新たな意匠性を発揮することともなり得る。
【0033】
このような傾斜円弧状凹縁が、ディスク肩部に対して、内側に20度からホイール軸方向までの範囲で傾斜する傾斜面を形成してなる構成(請求項2)にあっては、この傾斜円弧状凹縁によって向上した剛性により、嵌合領域の減少によって低下した嵌合力を十分に補うことができ、自動車用ホイールが、一層優れた耐久性能を発揮できるものとなり得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動車用ホイール1の縦断面図である。
【図2】本発明の自動車用ホイール1の平面図である。
【図3】本発明のホイールディスク3の斜視図である。
【図4】本発明のホイールディスク3の傾斜円弧状凹縁20を表す拡大断面図である。
【図5】本発明のホイールディスク3の成形に用いる板状基材Aと、従来技術にかかるホイールディスク31の板状基材A’とを表す説明図である。
【図6】ホイールディスク3の加工工程毎の形態を示す説明図である。
【図7】従来技術にかかる比較例1のホイールディスク31と、自動車用ホイール30とを表す説明図である。
【図8】従来技術にかかる比較例2のホイールディスク36と、自動車用ホイール35とを表す説明図である。
【図9】実施例及び比較例3における境界線22と、ドロップ部16との嵌合状態を表す説明図である。
【図10】実施例及び比較例1,2,3の耐久性能の評価結果と、軽量化及び材料量の低下割合とを表す図表である。
【符号の説明】
1 自動車用ホイール
2 ホイールリム
3 ホイールディスク
9 ディスク肩部
11 ディスクフランジ部
16 ドロップ部
20 傾斜円弧状凹縁
22 境界線

Claims (2)

  1. ホイールディスクの外周縁に形成されたディスクフランジ部を、ホイールリムに形成されたドロップ部の内周面に嵌合してなる自動車用ホイールにおいて、
    前記ホイールディスクが、ディスクフランジ部を円周方向に沿って間欠的に複数備えると共に、隣り合うディスクフランジ部間に、該ディスクフランジ部からホイール中心方向に連成されてなるディスク肩部に対して内側に傾斜してなる傾斜円弧状凹縁を備え、該傾斜円弧状凹縁とディスクフランジ部との境界線が、ホイールリムのドロップ部の内周面と接触するように、ホイールディスクがホイールリムに嵌合されてなるものであることを特徴とする自動車用ホイール。
  2. 傾斜円弧状凹縁が、ディスク肩部に対して、内側に20度からホイール軸方向までの範囲で傾斜する傾斜面を形成してなるものであることを特徴とする請求項1に記載の自動車用ホイール。
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