JP2004181847A - 記録装置および記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】プリントアウトした用紙を汚すことなく巻き取り可能なようにプリンタ側で適応的な用紙搬送制御を行う。
【解決手段】余白フィード時やプレフィードなどを実行する用紙搬送方式を複数備えて本体で設定してある「用紙種別」に基づいて用紙搬送方式を選択実行する。
【選択図】 図1
【解決手段】余白フィード時やプレフィードなどを実行する用紙搬送方式を複数備えて本体で設定してある「用紙種別」に基づいて用紙搬送方式を選択実行する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被記録材にインク滴を吐出して画像を記録するインクジェット方式の画像記録装置の用紙搬送方式に係り、特に、大型サイズの用紙を記録用紙として使用する巻取り機構を備えたプリンタの用紙搬送方式に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、オフィスオートメーション化が進みパーソナルコンピュータが普及するのに伴い、パーソナルコンピュータ上で扱われるディジタル画像を被記録材上に記録として、インクジェット方式の記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置が急速に普及している。インクジェット方式の記録ヘッドには、一般的に、液体を吐出するための液体吐出口とそれに連通する液体流路が複数設けられ、各液体流路内には各液体吐出口から液体を吐出するためのエネルギーを液体に与える記録素子が備えられている。
【0003】
このインクジェット記録装置では、ディジタル画像の記録時間の短縮化や出力画像の高画質化が進められている。そのために、インクジェット記録装置に搭載される記録ヘッドとしては、複数の記録素子を集積配列し、液体吐出口や液体流路を高密度に集積した記録ヘッド(以下、マルチヘッドと称する)が主流となっている。
【0004】
一般にインクジェット記録装置は、記録ヘッドおよびそれに供給する液体を貯溜する液体タンクを搭載するキャリッジを有する記録手段と、被記録材を搬送する搬送手段と、これらを制御する制御手段とを具備する。そして、複数の液体吐出口から液滴を吐出させる記録ヘッドを被記録材の搬送方向(以下、副走査方向と称する)と交差(例えば直交)する方向(以下、主走査方向と称する)にシリアル走査させ、一方で非記録時に記録幅に等しい量だけ被記録材を間欠的に搬送する。また、記録装置で用いられる最大サイズの被記録材の幅にほぼ等しい幅にわたって配列された液体吐出口を有するいわゆるフルラインヘッドが記録手段として搭載される場合もあり、この場合には、被記録材の搬送に合わせてフルラインヘッドを駆動することによって記録が行われる。
【0005】
また、カラー画像を記録可能なカラー・インクジェット記録装置も普及しており、この装置では、複数色のインクの各々に対応した複数の記録ヘッドから吐出されるインク液滴を被記録材上で重ねあわせることによってカラー画像が形成される。
【0006】
インクジェット記録装置において液体を吐出する方法としては、吐出口近傍に記録素子として発熱素子(電気/熱エネルギー変換体)を設け、この発熱素子に電気信号を印加することにより液体を局所的に加熱して圧力変化を起こさせ、液体を吐出口から吐出させる電気/熱エネルギー変換体を用いる方法や、記録素子として、ピエゾ素子等の電気圧力変換手段を用い、液体に機械的に圧力を付与して液体を吐出する構成も従来から知られている。
【0007】
インクジェット記録方法では、記録データに応じて選択的に液体を微少な液滴として液体吐出口から被記録材上に吐出することにより文字や図形などの記録が行われる。そして、インクジェット記録装置は、ノンインパクトであるため騒音が少ないこと、ランニング・コストが低いこと、装置を小型化しやすいこと、およびカラー化が比較的容易であること等の利点を有している。このため、コンピュータやワードプロセッサー等と併用される記録装置として、また単独で使用される複写機、プリンタ、ファクシミリ等に搭載する記録装置としてもインクジェット記録装置は広く用いられている。
【0008】
このように、インクジェット記録装置は、優れた記録手段として幅広い産業分野で需要が高まっており、より一層高品位な画像を記録可能にすることが求められ、また、さらなる高速化への要求も一段と高まっている。
【0009】
従来のインクジェット記録装置の記録方法においては、被記録材上でインクのにじみのない高発色のカラー画像を得るためには、インク吸収層を有する専用コート紙を使用する必要があった。しかし、近年ではインクの改良などによって一般的なプリンタや複写機などで大量に使用される普通紙への記録適性を持たせた方法も実用化されている。また、OHPシートや布、プラスチック・シート等のインクの吸収特性が異なる様々な被記録材への対応が望まれている。こうした要求に応えるため、被記録材の種類に係わりなく最良の記録が可能な記録装置の開発および製品化が進められている。
【0010】
さらに、記録媒体の大きさについても、イベント展示用、宣伝広告用などのポスタや衣類等の織布への記録に求められるような、大サイズの被記録材への記録を可能とすることも要求されてきている。そこで最近では、例えば業務用などにおいて構成されるプリントシステムとして、A0あるいはB0サイズといった大型の被記録材に対して記録を行うことができるようなプリントシステムが構成され、大型のインクジェットプリンタが使用されるようになって来ている。
【0011】
A0あるいはB0サイズ、またはさらに大型の被記録材に対して記録を行う、このような業務用のプリントシステムにおいては、用紙受けトレイを用意してプリント出力された被記録材をトレイに排出させる構成とする方法に加えて、プリント出力された大型の被記録材を巻き取る機構を備える構成とする方法もすでに普及しはじめている。
【0012】
これは、近年、数mから数十m程度の長さ寸法を有する極めて大きな被記録材に対しても記録を行うことが要求されるようになってきているためである。すなわち、このような極めて大きな被記録材に対して記録を行った場合には、その出力を用紙受けトレイなどに排出させた場合、被記録材が折り重なり、自重によって被記録材にシワや折目等が生じてしまうという新たな問題が生じていた。そこで、インクジェットプリンタに被記録材の巻取り機構を設ける、または接続することによって、このような問題が回避されるようになってきたのである。
【0013】
この巻取り機構は、例えば、インクジェットプリンタのフレームの両端部分に一対の支持体を設け、これら各支持体によってプリンタの最大記録幅に対応した長さ寸法を有する巻き取り軸の両端部を着脱自在に、かつ、回転自在に軸支した構成を有している。そして、巻き取り軸は、被記録材の搬送動作に同期して回転駆動され、記録後の被記録材を巻取るようになっている。この構成では、記録後の被記録材が折り重ねられることはなく、しわや折目などが生じるのを防止することができる。さらに、一般的には、この巻き取り機構では、被記録材の巻き取りが終了したら被記録材が巻き取られた巻き取り軸を支持体から取り外し、出力された被記録材のロールのみを所定の場所に運搬することが可能になっている。
【0014】
このような巻き取り機構に関しては、プリンタ本体側の搬送ローラと巻き取り機構側の回転軸とを直接連動させようとすると装置が大型化してしまうという問題があった。そこで、プリントシステムの構成を簡素化するために、プリンタ本体から排出された被記録材の弛みを被記録材の重さから検知して、プリンタ本体側の搬送機構とは独立して自動で巻き取りを行うタイプの巻き取り機構が一般的になってきている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したような、プリンタ本体側の搬送機構と独立して巻き取りを行う巻き取り機構を有する従来のプリントシステムにおいては、プリンタ本体側の排出ローラと巻き取り機構側の回転軸との同期をとることが必ずしも良好には行えない場合があった。すなわち、巻き取り機構側では被記録材の弛み検知結果に基づいて記録が行われた被記録材が出力されたことを検知して巻き取り動作を行うように構成されているため、被記録材が一度に大量にフィードされる場合に、排出された出力を巻き取る動作が遅れて巻き取りが間に合わない場合があった。これは、例えば、記録に際して被記録材がプレフィードされる時や先端・末端で余白フィードされる時、形成する画像に非画像形成部が非記録材の搬送方向に見て一定の幅だけあり、その幅だけ被記録材が搬送される場合などに生じる。このように、巻き取り動作が遅れると、プリントアウトした被記録材が床などに接触してしまい、ごみ付着などのためにせっかくの画像が無駄になってしまう場合があった。
【0016】
また逆に、巻き取り動作が速すぎ、そのためにまさに画像が記録されている最中の被記録材の端にテンションが加わってしまう場合があった。この場合には、形成画像に白い筋が入ってしまうなどの悪影響が生じてしまう場合があった。
【0017】
プリンタ本体側の排紙ローラと巻き取り機構側の巻き取り軸とを正確に連動させるためには、2つの駆動系を直接連動させる構成とすることが考えられるが、この構成は、コストがかかり、前述のように装置も大型化してしまうという欠点がある。
【0018】
そこで、良好な巻き取り動作をおこなわせるために、巻き取り機構の、被記録材の弛みを検知するセンサの感度を調整する機構を設け、感度を適宜調整することが考えられる。しかし、巻き取り機構側のセンサの感度を鈍くし過ぎた場合には、前述のように巻き取り動作が間に合わなくなってしまい、また一方で、センサの感度を敏感にし過ぎると被記録材にテンションが加わってしまう。また、センサの感度を中庸の状態に設定した場合であっても、巻き取り動作が間に合わなかったり、速すぎたりすることを必ずしも回避できない場合があった。これは、被記録材の一度に出力される量が必ずしも一定でなく、また、巻き取り機構側においてもそのロール径がそれまでに巻き取った被記録材の量に応じて変化していくため、巻き取り軸を一定お速度で回転させると一定時間の間に巻き取られる被記録材の量はかならずしも一定にはならないということに起因していることがわかっている。
【0019】
本発明はこれらの従来技術における課題に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、記録され排紙された被記録材を、記録時に被記録材を搬送する搬送機構とは独立して巻き取る機構によって良好に巻き取らせることができるように記録動作を行う記録装置および記録方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を備える。すなわち、複数のインク吐出口を備えるヘッドを有し、被記録材の記録領域に対して該ヘッドを複数回走査させることにより画像を記録するマルチパス記録方式の画像記録装置において、記録装置から出力された前記被記録媒体の弛みを検知してこれを巻き取る巻取り機構と、記録しようとする画像データ中の白ではない有意な画像データの有無を判定する判定手段と、被記録材の種別をその重さについて区別できるように登録可能な動作パラメータテーブルと、第1の用紙搬送方式と第2の用紙搬送方式と、を備えることを特徴とする記録装置であって、前記白ではない有意な画像データの有無を判定する判定手段によって有意な画像データが存在しないと判定された領域の記録動作を実行する際には、前記動作パラメータが印字後のカッター動作を実行しない設定である場合に用紙搬送方式を第1の用紙搬送方式から第2の用紙搬送方式に変更して用紙搬送を実行することを特徴とする。
【0021】
さらに、好ましくは、本発明は、以下の構成を備える。すなわち、前記第1の用紙搬送方式は、記録紙面上において前記ヘッドを複数回走査させることにより画像を記録するマルチパス記録方式において実施され、ページ記録動作の各印字のためのヘッド走査において記録ヘッドが記録紙面上を走査完了するタイミングに同期させて記録紙の搬送動作を開始させる用紙搬送方式である。
【0022】
さらに、好ましくは、本発明は以下の構成を備える。すなわち、前記第2の用紙搬送方式は、記録紙面上において前記ヘッドを複数回走査させることにより画像を記録するマルチパス記録方式において実施され、ページ記録動作の各印字のためのヘッド走査において、前記判定方手段で白データではない有意な画像データが存在しないと判定された際には記録ヘッドを走査させる必要がないので記録紙の搬送動作のみを実行する用紙搬送方式である。
【0023】
また、上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を備える。すなわち、複数のインク吐出口を備えるヘッドを有し、被記録材の記録領域に対して該ヘッドを複数回走査させることにより画像を記録するマルチパス記録方式の画像記録装置において、記録装置から出力された前記被記録媒体の弛みを検知してこれを巻き取る巻取り機構と、記録しようとする画像データ中の白ではない有意な画像データの有無を判定する判定手段と、被記録材の種別をその重さについて区別できるように登録可能な動作パラメータテーブルと、第1の用紙搬送方式と第2の用紙搬送方式と第3の用紙搬送方式と、画像データ中の白ではない有意な画像データの無判定が連続した回数を計数するカウンタと、前記カウンタ計数値の上限を規定するユーザ設定値と、を備えることを特徴とする記録装置であって、前記白ではない有意な画像データの有無を判定する判定手段によって有意な画像データが存在しないと判定された領域の記録動作を実行する際には、前記動作パラメータが自重の軽い被記録材として設定されていない場合に用紙搬送方式を第1の用紙搬送方式から第3の用紙搬送方式に変更して用紙搬送を実行することを特徴とする。
【0024】
さらに、好ましくは、本発明は以下の構成を備える。すなわち、前記第3の用紙搬送方式は、記録紙面上において前記ヘッドを複数回走査させることにより画像を記録するマルチパス記録方式において実施され、ページ記録動作の各印字のためのヘッド走査において、前記判定手段で白データではない有意な画像データが存在しないと判定された際に前記カウンタを加算し、前記カウンタの加算回数とユーザ設定値とを比較して加算回数が小さい場合には、後に第1の用紙搬送方式が実行される直前にカウンタの加算回数分の搬送量を1回の動作で送り出すという用紙搬送方式である。
【0025】
さらに、好ましくは、本発明は以下の構成を備える。すなわち、前記第3の用紙搬送方式は、記録紙面上において前記ヘッドを複数回走査させることにより画像を記録するマルチパス記録方式において実施され、ページ記録動作の各印字のためのヘッド走査において、前記判定方手段で白データではない有意な画像データが存在しないと判定された際に前記カウンタを加算し、前記カウンタの加算回数とユーザ設定値とを比較して加算回数が大きくなる場合には、直ちにカウンタの加算回数分の搬送量を1回の動作で送り出してカウンタ値をゼロクリアするという用紙搬送方式である。
【0026】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。
【0027】
まず、図2〜4を参照して本実施形態の記録装置の概略構成について説明する。
【0028】
図2は、本実施形態のインクジェット方式の画像記録装置の概略構成を示す斜視図である。
【0029】
図3は、排紙部に設けられる巻き取り機構の概略構成を示す斜視図である。図4は、本実施形態の記録装置の制御部の構成を示すブロック図である。
【0030】
図2に示すように、この記録装置は、液体を吐出させるための複数の液体吐出口、各液体吐出口に連通する液体流路、各液体流路内に配置された記録素子を備え、これらが高密度に集積されたマルチヘッド206が搭載されるキャリッジ202を有している。
【0031】
キャリッジ202は、主走査方向(X軸方向)に往復運動可能に支持されており、CRモータ407(図4参照)の駆動力によって往復運動する。また、この記録装置は、主走査方向に交差する副走査方向、ここでは特に主走査方向に直交するY軸方向に被記録材204の搬送方向に見て、マルチヘッド206が主走査される記録領域より上流側に配置された搬送ローラ203と、下流側に配置された排出ローラ205を有している。搬送ローラ203と排出ローラ205はLFモータ409(図4参照)によって回転駆動される。
【0032】
この記録装置による記録動作は概略的には以下のように行われる。キャリッジ202は記録動作開始前にはホームポジション201の位置にある。そして、記録装置が記録開始命令を受けると、CRモータ407が駆動されてキャリッジ202を往復運動させる。この際、往運動時にマルチヘッド206が駆動され液体が吐出され、すなわち記録スキャンが行われる。マルチヘッド206から液体吐出が終了した後、キャリッジ202はホームポジション201へ向かって復運動を開始する。キャリッジ202がホームポジション側のキャリッジ反転位置に達すると、キャリッジ202は再び往運動を開始し、同様の動作が繰り返される。
【0033】
そして、このキャリッジ202の往復運動時の1回目の記録スキャンが終了してから2回目の記録スキャンが始まる前までに、被記録材搬送ローラ203と被記録材排出ローラ205がLFモータ409によって回転駆動され、被記録材204が所定の送り量(通常搬送量)だけ搬送される。このようにして、キャリッジ202の往復運動毎にマルチヘッド206による画像形成と被記録材の搬送を繰り返し行うことで画像形成が完了する。
【0034】
ここで、本実施形態の記録装置では、ある領域への画像記録を複数回の記録スキャンで完成させるマルチパス記録が行われる。このマルチパス記録では、1回の記録スキャンで形成される画像としては、ある領域に最終的に記録される画像の幅よりも短い量に設定される。これによって、ある記録スキャンでの画像形成領域に、被記録材の搬送方向に見て所定の幅だけ重なった領域に次ぎの記録スキャンで画像を形成し、それぞれの記録スキャンで形成される間引かれた画像を重ねて最終的な画像を形成する。
【0035】
本実施形態の記録装置はA0あるいはB0サイズ、またはさらに大型の被記録材を含む様々なサイズの被記録材に記録を行うことが可能な構成になっている。
【0036】
そこで、被記録材204を搬送ローラ203まで給紙する、不図示の給紙部には、被記録材204としてそれぞれ異なるサイズのロール紙を給紙可能な複数の給紙段が設けられている。
【0037】
また、排出ローラ205によって排出された被記録材204が一時的に保持される不図示の排紙部には、被記録材204として供給されるロール紙を、記録動作終了後に、所定の位置で切断するカッター機構が設けられている。また排紙部には、カットされた被記録材204を受けるトレイに加えて、被記録材204を巻き取って保持する、図3に示すような、巻き取り軸207を有する巻き取り機構が設けられている。この巻き取り軸207は、記録装置の不図示のフレームに設けられた一対の支持対によって着脱自在に、かつ、回転自在に軸支されており、不図示の駆動機構によって回転駆動される。巻き取り軸207の回転駆動は、被記録材204が排出されたことを、例えば被記録材204の排出され弛んだ部分の重さを計ることによって検知し、それが検知された場合に被記録材204を適宜巻き取るように制御される。この巻き取り装置は、記録装置とは独立した装置として構成してもよい。
【0038】
次に、図4を参照して本実施形態の記録装置の動作を制御する制御部の構成について説明する。
【0039】
この制御部は、内部バスにROM402とRAM403が接続されたCPU401を中心として構成されている。
【0040】
CPU401はROM402からプログラムを読み出し、必要に応じてRAM403に対してリード/ライトを繰り返しつつプログラムに従って所定の演算処理を実行する。
【0041】
RAM403は、このように処理バッファとして使用されるほか、記録装置の動作設定を指定するパラメータや、後述する記録パラメータなどが所定のアドレスに記憶されている。
【0042】
CPU401には、インタフェース(I/F)404、操作・表示部405、CRモータドライバ406、LFモータドライバ408、そして、外部ポートを経由して巻き取り装置の識別スイッチ414が接続されている。
【0043】
インタフェース(I/F)404は、記録指令や記録装置に記録させる画像データなどの信号を記録装置に出力する不図示の外部ホスト装置と接続されている。また、記録装置は、外部ホスト装置から、前述のRAM403に記憶されて記録装置本体の動作設定を変更する信号を送ることができるように構成してもよい。この場合、動作設定を変更する信号はインタフェース404を経由してCPU401に入力され、これによってCPU401はRAM403内の所定のアドレスのメモリ内容を変更する。操作・表示部405には、ユーザが動作指令や選択指令を記録装置に対して直接入力するための各種キーと、記録装置の動作状態などを表示する表示部が設けられている。
【0044】
CRモータドライバ406、LFモータドライバ408は、それぞれCRモータ407、LFモータ409に接続されており、CPU401からの指令信号に応じて各モータに駆動信号を出力する。
【0045】
また、インタフェース404には、外部ホスト装置から出力される画像データを一時的に蓄積するバンドメモリ410が接続されている。バンドメモリ410には、1回の記録スキャンで形成される幅に相当する所定幅(バンド幅)分の画像データが、インタフェース404を介して適宜転送されストアされる。バンドメモリ410にストアされたバンド幅単位の画像データは、キャリッジ202の駆動タイミングに合わせてマルチパスデータ処理部411に適宜出力される。マルチパスデータ処理部411は、バンドメモリ410から入力された画像データに対して、前述のようにマルチパス記録において1回の記録スキャンで形成する画像のデータ(形成画像データ)を作成するために所定の間引き処理を実行する。そして、マルチパスデータ処理部411で作成された、1回の記録スキャンでの形成画像データは、ヘッドコントローラ412に出力される。ヘッドコントローラ412は、入力された形成画像データに応じて、マルチヘッド206に所定のタイミングで複数の液体吐出口から選択的に液体を吐出させる駆動信号を出力する。
【0046】
これらバンドメモリ410、マルチパスデータ処理部411、ヘッドコントローラ412は、それぞれCPU401に接続されており、適宜所定の処理を行うようにCPU401によって制御される。これによって、マルチヘッド206は、キャリッジ202の往復運動に合わせて駆動され、各記録スキャンの画像形成が行われる。
【0047】
次に、図1参照して、本実施形態の記録装置による記録動作の流れについてより詳細に説明する。ここで、図1は本実施形態の記録装置の記録動作の開始時に実行されるプレフィードの動作を示す動作フロー図である。
【0048】
まず、外部ホスト装置側から、記録開始コマンドが入力されて記録シーケンスが開始される。外部ホスト装置からは、記録開始コマンドと共に、画像サイズや先端・末端の余白量、記録に使用する給紙段や紙種を指定するパラメータなど、記録動作に関係する記録パラメータが入力され、これらの記録パラメータはステップ101において、RAM403内の所定のアドレスに格納される。
【0049】
ここで、ステップ101において、外部ホスト装置からインタフェース404を経由して入力される、これからの記録動作について設定する記録パラメータについて図7を参照して説明する。図7は、RAM403内に格納された記録パラメータ部分の一例のメモリマップ図である。これらの記録パラメータは、例えばそれぞれ4バイトの大きさを持つデータとして、RAM403内に順に配列される。
【0050】
印刷トップマージン701は、記録画像を形成する記録ページの先端の余白量が600dpi(42.3μm間隔)換算のドット単位で指定するパラメータである。印刷ボトムマージン702は、記録ページの末端の余白量を600dpi換算のドット単位で指定するパラメータである。印刷レフトマージン703は、記録ページの左端の余白量を600dpi換算のドット単位で指定するパラメータである。画像先端オフセット704は、受信した記録画像データの内から実際の記録には使用しないで読み飛ばすべき先端からの画像の量を600dpi換算のライン単位で指定するパラメータである。画像左端オフセット705は、受信した記録画像データの内から実際の記録には使用しないで読み飛ばすべき、左端からの画像の量を600dpi換算のドット単位で指定するパラメータである。印刷横サイズ706は、画像左端オフセット705で指定された、形成画像の左端位置からの、画像記録に使用する画像の横サイズを600dpi換算のドット単位で指定するパラメータである。印刷縦サイズ707は、画像先端オフセット704で指定された、形成画像の先端位置からの、画像記録に使用する画像の縦サイズを600dpi換算のドット単位で指定するパラメータである。画像横サイズ708は、外部ホスト装置から転送される1ライン画像データの大きさを600dpi換算のドット単位で指定するパラメータである。画像縦サイズ709は、外部ホスト装置から転送される画像データの全ライン数を600dpi換算のライン単位で指定するパラメータである。印刷品位710は、ドラフト印刷や高精細印刷などユーザの所望する印刷モードを指定するパラメータである。搬送設定711は、これから印刷しようとしている被記録材204の用紙種別について指定するパラメータである。この搬送設定711の設定値は、画像処理パラメータやマルチパス記録での用紙搬送量、すなわちマルチパス記録モードなどを、用紙種別毎に最適化されている値に設定するのに用いられる。さらに、本実施形態においては、これを用紙搬送動作の方法を決定づけるパラメータの1つとして作用させる。すなわち、記録動作前の用紙プレフィード、記録動作中の余白フィード、さらに、ページ記録動作後の排紙フィードの実行のフィード方法の選択にこれを作用させるものとする。カッター動作指定値712は、1ページの印刷動作終了時に、印刷された領域を、被記録材204として給紙されているロール紙からカッターで切断する動作を行うか否かをユーザが指定するパラメータである。
【0051】
次に、ステップ102において、CPU401は、ステップ101で受信したパラメータを読み出して、記録装置本体側で画像をメモリに格納するための領域設定や、後述するスキップカウンタのクリア、および、記録スキャン回数の算出など、1ページの記録に関わる動作パラメータを設定する記録設定動作を実行する。
【0052】
次に、ステップ103において、CPU401は、ステップ101で受信した記録パラメータに基づいて算出した駆動ステップ数をLFモータドライバ408に指示する。すると、LFモータドライバ408は、指定された駆動ステップ数に応じて所定量だけLFモータ409を駆動し、これによって、被記録材204は記録開始位置まで搬送される。なお、巻き取り機構が記録装置本体に装着されてページ記録が連続して行われる場合には、このステップ103はその動作シーケンスは省略されて実行されない。
【0053】
次に、ステップ104において、もしも、ステップ101で受信した記録パラメータの内で搬送設定711の内容が自重の軽い被記録材として指定されている場合には、ステップ106におけるプレフィード動作を行う。このプレフィード動作は、ステップ101で受信したパラメータの内、印刷トップマージン701と印刷ボトムマージン702と印刷縦サイズ707との合計された長さを処理をCPU401が算出し、ページ記録動作を行うために要する被記録材の残量を確認するために実行するものである。さらに、ステップ106においては、CPU401は、ステップ101で受信した印刷品位710のパラメータに基づいて、被記録材を間欠送りさせるためにLFモータ409を短く繰り返して動作させるための駆動ステップ数を設定し、LFモータドライバ408に繰り返して指示する。
【0054】
すると、LFモータドライバ408は、指定された駆動ステップ数に応じて所定量だけLFモータ409を駆動し、これによって、被記録材204はプレフィード完了位置まで間欠送りで搬送される。
【0055】
また、ステップ104において、もしも、搬送設定711の内容が自重の軽い被記録材のグループとして指定されていない場合には、ステップ105において、被記録材204のプレフィード動作を通常動作で実行する。すなわち、印刷トップマージン701と印刷ボトムマージン702と印刷縦サイズ707との合計された長さの処理をCPU401が算出し、1回の動作でプレフィード動作を完了できる駆動ステップ数をLFモータドライバ408に指示する。すると、LFモータドライバ408は、指定された駆動ステップ数に応じて所定量だけLFモータ409を駆動し、これによって、被記録材204はプレフィード完了位置まで1回の動作で搬送される。
【0056】
そして、ステップ107において、CPU401は、プレフィード動作で出力された被記録材204を所定の記録開始位置まで巻き戻すためのLFモータを逆転させるための駆動ステップ数を算出してLFモータドライバ408にこれを指示し、LFモータドライバ408は指定された駆動ステップ数に応じて所定量だけLFモータ409を駆動する。これによって、被記録材204は、記録開始位置まで所定量だけ搬送される。
【0057】
次に、図5を参照して、本実施形態の記録装置による記録動作の流れについてより詳細に説明する。ここで、図5は本実施形態の記録装置の記録動作が完了するまでに繰り返して実行される記録スキャンの動作について示す動作フロー図である。
【0058】
まず、ステップ601において、CPU401は、インタフェース404に対して画像データ受信の開始を指示する。これによって、外部ホスト装置からインタフェース404を経由しての、バンドメモリ410への画像データ転送が開始される。
【0059】
バンドメモリ410への、1回の記録スキャンで形成する画像幅に相当する所定量の画像データ転送が完了すると、次にステップ602において、CPU401は、バンドメモリ410に格納されている画像データの中から、ゼロではない有意な画像データが格納されているメモリアドレスの最大値と最小値を読み出してこれをRAM403に格納する。
【0060】
続いて、ステップ603において、CPU401は、RAM403に格納されている、有意な画像データのメモリアドレスの最大値と最小値を読み出すことによって、これから実行する記録スキャンの開始位置と終了位置を算出する。そして、ステップ604において、CPU401は、算出されたスキャン長がゼロであるかどうかの判定を行う。
【0061】
ステップ604において、もしも、算出されたスキャン長がゼロであることが判定された場合には、次にステップ609において、CPU401は、記録設定の搬送設定711を参照して自重が軽い被記録材の搬送材グループとして設定されているかどうかの判定を行う。そして、ステップ609において、記録設定に自重が軽い被記録材のグループとして設定されていることが判定された場合には、記録スキャンの実行を伴わずにマルチパス記録時の所定幅の用紙送り動作のみを実行させるために、CPU401は、ステップ408に処理を進める。一方、ステップ409において、もしも、搬送設定711に自重が軽い被記録材の搬送材グループとして設定されていないことが判定された場合には、ステップ610においてCPU401は、RAM403に格納されているスキップカウンタに1を加算することで次の記録スキャン動作へと処理を進める。
【0062】
また一方、ステップ604において、算出されたスキャン長がゼロではないことが判定された場合には、次に、ステップ605において、CPU401は、RAM403に格納されているスキップカウンタがゼロかどうかを判定する。そして、ステップ605において、スキップカウンタがゼロではないことが判定された場合には、次にCPU401はステップ606へと処理を進める。ステップ606においては、CPU401は、LFモータドライバ408に、ステップ610において順次カウントされたスキップカウンタの値に応じた量だけの、LFモータ409の駆動を指示する。すると、LFモータドライバ408はLFモータ409の駆動し、これによって、マルチパス記録時の1回の記録スキャンにおける所定幅の搬送をスキップカウンタにカウントされた回数分だけ行った場合の全搬送幅に相当する幅だけ被記録材204が搬送される。すなわち、ステップ606では、形成する画像に、被記録材の搬送方向に見て一定の幅だけある非画像形成部の幅分だけ被記録材を搬送する用紙まとめ送り動作が行われる。一方ステップ605において、スキップカウンタがゼロであると判定された場合には、CPU401はステップ606の動作をスキップしてステップ607に処理を進める。
【0063】
次にステップ607において、CPU401は、CRモータドライバ406、バンドメモリ410、マルチパスデータ処理部411、ヘッドコントローラ412に記録スキャン時の動作を実行させる信号を出力する。これによって、CRモータドライバ406はCRモータ407を駆動させる。この際、キャリッジ202の駆動に合わせて不図示のエンコーダの出力信号が変化する。このエンコーダ出力信号の変化に合わせて、画像データが入力されると、マルチパスデータ処理部411では、マルチパス記録のための画像データの間引き処理が実行され、間引き処理された画像データがヘッドコントローラ412に出力される。そして、ヘッドコントローラ412は、入力された画像データに応じてマルチヘッド206を駆動させる駆動信号を出力する。マルチヘッド206は、このように、キャリッジが駆動されることによって変化するエンコーダ出力値に応じて、バンドメモリ410の内部に格納されていた画像データが所定の処理をされてヘッドコントローラ412に入力され、それによってヘッドコントローラ412から出力される駆動信号によって、適宜選択的に駆動される。これによって、マルチヘッド206から適宜選択的に液体が吐出され、被記録材204上に1回の記録スキャンによる画像が形成さえる。
【0064】
ステップ607において記録スキャンが終了すると、次にステップ608において、CPU401は、LFモータドライバ408に、設定されているマルチパス記録モードに応じた、モータの駆動ステップ数を指示する。すると、LFモータドライバ408はLFモータ409を駆動させ、マルチパス記録における所定量だけ被記録材204を搬送する。
【0065】
このようにして、CPU401はマルチパス記録の1回の記録スキャンを実行する。
【0066】
さらに、図6を参照して、本実施形態の記録装置による記録動作の流れについてより詳細に説明する。ここで、図6は本実施形態の記録装置のページ記録動作の終了時に実行される排紙の動作を示す動作フロー図である。
【0067】
まず、ステップ601において、CPU401は、ステップ610において順次カウントされてRAM403に格納されているスキップカウンタがゼロかどうかを判定する。そして、もしも、スキップカウンタがゼロでなかった場合には、次にステップ602において、これから行おうとする排紙動作でのLFモータ駆動ステップ数にスキップカウンタの値に応じた量だけのLFモータ駆動ステップ数を加算し、次のステップ603へ処理を進める。一方、ステップ601において、もしも、スキップカウンタがゼロであった場合には、そのままステップ603へ処理を進める。
【0068】
次に、ステップ603において、CPU401は、搬送設定711の内容が自重の軽い被記録材のグループとして設定されているかどうかの判定を行う。そして、もしも、搬送設定711の内容が自重の軽い被記録材のグループとして設定されている場合には、ステップ605に処理を進める。そして、ステップ605において、CPU401は、ステップ101で受信した印刷品位710のパラメータに基づいて、印刷ボトムマージン702と排紙動作のために設定している所定の送り量だけ被記録材を間欠送りさせるためにLFモータ409を短く繰り返して動作させるための駆動ステップ数を設定し、LFモータドライバ408に繰り返して指示する。すると、LFモータドライバ408は、指定された駆動ステップ数に応じて所定量だけLFモータ409を駆動し、これによって、被記録材204は排紙完了位置まで間欠送りで搬送される。一方で、ステップ603において、もしも、搬送設定711の内容が自重の軽い被記録材のグループとして指定されていない場合には、ステップ604において、被記録材204の排紙動作を通常の搬送動作で実行する。すなわち、印刷ボトムマージン702と排紙動作のために設定している所定の送り量との合計された長さを処理をCPU401が算出し、1回の動作で排紙動作を完了できる駆動ステップ数をLFモータドライバ408に指示する。すると、LFモータドライバ408は、指定された駆動ステップ数に応じて所定量だけLFモータ409を駆動し、これによって、被記録材204は排紙完了位置まで1回の動作で搬送される。
【0069】
以上説明したように、本実施形態の記録動作では、記録する画像に非画像形成部が、被記録材の搬送方向に見て一定の幅以上ある場合、この幅分の被記録材204の搬送が、2つの搬送方式のうち1つが選択されて行われる。この第1の搬送方法は、非画像形成部の全幅分の搬送を、記録スキャン動作を行う時に行われる所定幅の搬送での搬送幅分ずつに分けて、間欠的に行う方法である。第2の搬送方法は、非画像形成部の全幅分の搬送を、記録スキャン動作を行う時に行われる所定幅の搬送を設定値Aの回数分だけ行った場合の全搬送幅に相当する幅ずつに分けて、間欠的に行う方法である。
【0070】
第1の搬送方法は、非記録材204が、第1の巻き取り機構によって良好に巻き取り動作を行うことができる幅ずつ排紙される、第1の巻き取り機構を用いている場合のための搬送方法である。一方、第2の搬送方法は、第1の搬送機構よりも大量に被記録材204が排紙されても良好に巻き取り動作を行うことができる第2の巻き取り機構によって良好に巻き取り動作を行うことができる幅ずつ被記録材204が排紙される、第2の巻き取り機構を用いている場合のための搬送方法である。
【0071】
この第1の搬送方法と第2の搬送方法の選択は、本実施形態では、メモリマップ内の搬送設定711の設定内容よって決定されており、自重の軽い被記録材のグループに属する用紙が設定されている場合には第1の搬送方法が選択され、自重の軽い被記録材のグループに属さない用紙が設定されている場合には第2の搬送方法が選択される。すなわち、本実施形態の記録装置は、この搬送設定711に基づいて、第1の巻き取り機構と第2の巻き取り機構のどちらを用いているかを判定し、それぞれの場合に適した搬送方法を選択するインテリジェントな記録動作制御を行う。
【0072】
このように、本実施形態によれば、用途、性能の異なる第1の巻き取り機構と第2の巻き取り機構のどちらが用いられているかを記録設定から判定し、それに応じて各巻き取り性能に合った搬送方法を選択して記録動作を行うインテリジェントな記録装置を提供できる。この記録装置によれば、各巻き取り機構の性能に応じて決まる、巻き取り動作に支障を与えない範囲で最大の幅ずつ被記録材204を排紙し、排紙される被記録材204を各巻き取り機構によって良好に、かつ、効率的に巻き取らせることができる。
【0073】
なお、本実施形態では、第1の巻き取り機構と第2の巻き取り機構のどちらが用いられているかの判定を、搬送設定を参照して行う構成を示したが、この判定は、本記録装置を含むプリントシステムの構成に応じて、他の記録設定を参照して行うようにしても良い。
【0074】
また、本実施形態においては、大サイズの被記録材に対して好適に記録を行うことができるインクジェット記録方式の記録装置に対して特に適用可能であるが、これに限られるものではない。
【0075】
(他の実施形態)
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェース機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
また、本発明は、前述した各実施形態の記録動作工程を実現するプログラムのプログラムコードを記録した記憶媒体を、種々の構成の一般的な記録システムまたは記録装置に供給し、その記録システムあるいは記録装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が、供給された記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、実現されることは言うまでもない。
【0076】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が本発明を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体、およびプログラムそのものも本発明を構成することになる。
【0077】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
【0078】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0079】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0080】
本発明を記憶媒体によって実現する場合、その記憶媒体には、先に説明したフロー図に対応するプログラムコードを格納することになる。これは、例えば、本実施形態における各記録動作工程を実現するための各モジュールを記憶媒体に格納することによって実現しても良い。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、記録装置または記録システムを比較的簡素で低コストな構成にできる、排紙を自身で検知して巻き取り動作を行う巻き取り機構によって、巻き取り動作が間に合わないような事態を招くことなく良好に巻き取り動作を行わせることができるように記録動作を行う記録装置を提供できる。
【0082】
本発明による記録装置は、一度に排紙される被記録材の量が、巻き取り機構の性能に合わせて調整されるインテリジェントな記録装置である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の実施形態の記録装置のプレフィード動作を示す動作フロー図である。
【図2】本発明を適用可能な記録装置の概略的な構成を示す斜視図である。
【図3】図2の記録装置に備えられる、または接続される巻き取り機構の概略構成を示す斜視図である。
【図4】図2の記録装置の制御部の概略的な構成をしますブロック図である。
【図5】本発明による第1の実施形態の記録装置の記録動作を示す動作フロー図である。
【図6】本発明による第1の実施形態の記録装置の排紙動作を示す動作フロー図である。
【図7】図2の記録装置のRAM内に格納される記録パラメータの一例のメモリマップ図である。
【符号の説明】
201 ホームポジション
202 キャリッジ
203 搬送ローラ
204 被記録材
205 排出ローラ
206 マルチヘッド
207 巻き取り軸
401 CPU
402 ROM
403 RAM
404 インタフェース
405 操作・表示部
406 CRモータドライバ
407 CRモータ
408 LFモータドライバ
409 LFモータ
410 バンドメモリ
411 マルチパスデータ処理部
412 ヘッドコントローラ
701 印刷トップマージン
702 印刷ボトムマージン
703 印刷レフトマージン
704 画像先端オフセット
705 画像左端オフセット
706 印刷横サイズ
707 印刷縦サイズ
708 画像横サイズ
709 画像縦サイズ
710 印刷品位
711 搬送設定
712 カッター動作設定
713 リザーブ
【発明の属する技術分野】
本発明は、被記録材にインク滴を吐出して画像を記録するインクジェット方式の画像記録装置の用紙搬送方式に係り、特に、大型サイズの用紙を記録用紙として使用する巻取り機構を備えたプリンタの用紙搬送方式に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、オフィスオートメーション化が進みパーソナルコンピュータが普及するのに伴い、パーソナルコンピュータ上で扱われるディジタル画像を被記録材上に記録として、インクジェット方式の記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置が急速に普及している。インクジェット方式の記録ヘッドには、一般的に、液体を吐出するための液体吐出口とそれに連通する液体流路が複数設けられ、各液体流路内には各液体吐出口から液体を吐出するためのエネルギーを液体に与える記録素子が備えられている。
【0003】
このインクジェット記録装置では、ディジタル画像の記録時間の短縮化や出力画像の高画質化が進められている。そのために、インクジェット記録装置に搭載される記録ヘッドとしては、複数の記録素子を集積配列し、液体吐出口や液体流路を高密度に集積した記録ヘッド(以下、マルチヘッドと称する)が主流となっている。
【0004】
一般にインクジェット記録装置は、記録ヘッドおよびそれに供給する液体を貯溜する液体タンクを搭載するキャリッジを有する記録手段と、被記録材を搬送する搬送手段と、これらを制御する制御手段とを具備する。そして、複数の液体吐出口から液滴を吐出させる記録ヘッドを被記録材の搬送方向(以下、副走査方向と称する)と交差(例えば直交)する方向(以下、主走査方向と称する)にシリアル走査させ、一方で非記録時に記録幅に等しい量だけ被記録材を間欠的に搬送する。また、記録装置で用いられる最大サイズの被記録材の幅にほぼ等しい幅にわたって配列された液体吐出口を有するいわゆるフルラインヘッドが記録手段として搭載される場合もあり、この場合には、被記録材の搬送に合わせてフルラインヘッドを駆動することによって記録が行われる。
【0005】
また、カラー画像を記録可能なカラー・インクジェット記録装置も普及しており、この装置では、複数色のインクの各々に対応した複数の記録ヘッドから吐出されるインク液滴を被記録材上で重ねあわせることによってカラー画像が形成される。
【0006】
インクジェット記録装置において液体を吐出する方法としては、吐出口近傍に記録素子として発熱素子(電気/熱エネルギー変換体)を設け、この発熱素子に電気信号を印加することにより液体を局所的に加熱して圧力変化を起こさせ、液体を吐出口から吐出させる電気/熱エネルギー変換体を用いる方法や、記録素子として、ピエゾ素子等の電気圧力変換手段を用い、液体に機械的に圧力を付与して液体を吐出する構成も従来から知られている。
【0007】
インクジェット記録方法では、記録データに応じて選択的に液体を微少な液滴として液体吐出口から被記録材上に吐出することにより文字や図形などの記録が行われる。そして、インクジェット記録装置は、ノンインパクトであるため騒音が少ないこと、ランニング・コストが低いこと、装置を小型化しやすいこと、およびカラー化が比較的容易であること等の利点を有している。このため、コンピュータやワードプロセッサー等と併用される記録装置として、また単独で使用される複写機、プリンタ、ファクシミリ等に搭載する記録装置としてもインクジェット記録装置は広く用いられている。
【0008】
このように、インクジェット記録装置は、優れた記録手段として幅広い産業分野で需要が高まっており、より一層高品位な画像を記録可能にすることが求められ、また、さらなる高速化への要求も一段と高まっている。
【0009】
従来のインクジェット記録装置の記録方法においては、被記録材上でインクのにじみのない高発色のカラー画像を得るためには、インク吸収層を有する専用コート紙を使用する必要があった。しかし、近年ではインクの改良などによって一般的なプリンタや複写機などで大量に使用される普通紙への記録適性を持たせた方法も実用化されている。また、OHPシートや布、プラスチック・シート等のインクの吸収特性が異なる様々な被記録材への対応が望まれている。こうした要求に応えるため、被記録材の種類に係わりなく最良の記録が可能な記録装置の開発および製品化が進められている。
【0010】
さらに、記録媒体の大きさについても、イベント展示用、宣伝広告用などのポスタや衣類等の織布への記録に求められるような、大サイズの被記録材への記録を可能とすることも要求されてきている。そこで最近では、例えば業務用などにおいて構成されるプリントシステムとして、A0あるいはB0サイズといった大型の被記録材に対して記録を行うことができるようなプリントシステムが構成され、大型のインクジェットプリンタが使用されるようになって来ている。
【0011】
A0あるいはB0サイズ、またはさらに大型の被記録材に対して記録を行う、このような業務用のプリントシステムにおいては、用紙受けトレイを用意してプリント出力された被記録材をトレイに排出させる構成とする方法に加えて、プリント出力された大型の被記録材を巻き取る機構を備える構成とする方法もすでに普及しはじめている。
【0012】
これは、近年、数mから数十m程度の長さ寸法を有する極めて大きな被記録材に対しても記録を行うことが要求されるようになってきているためである。すなわち、このような極めて大きな被記録材に対して記録を行った場合には、その出力を用紙受けトレイなどに排出させた場合、被記録材が折り重なり、自重によって被記録材にシワや折目等が生じてしまうという新たな問題が生じていた。そこで、インクジェットプリンタに被記録材の巻取り機構を設ける、または接続することによって、このような問題が回避されるようになってきたのである。
【0013】
この巻取り機構は、例えば、インクジェットプリンタのフレームの両端部分に一対の支持体を設け、これら各支持体によってプリンタの最大記録幅に対応した長さ寸法を有する巻き取り軸の両端部を着脱自在に、かつ、回転自在に軸支した構成を有している。そして、巻き取り軸は、被記録材の搬送動作に同期して回転駆動され、記録後の被記録材を巻取るようになっている。この構成では、記録後の被記録材が折り重ねられることはなく、しわや折目などが生じるのを防止することができる。さらに、一般的には、この巻き取り機構では、被記録材の巻き取りが終了したら被記録材が巻き取られた巻き取り軸を支持体から取り外し、出力された被記録材のロールのみを所定の場所に運搬することが可能になっている。
【0014】
このような巻き取り機構に関しては、プリンタ本体側の搬送ローラと巻き取り機構側の回転軸とを直接連動させようとすると装置が大型化してしまうという問題があった。そこで、プリントシステムの構成を簡素化するために、プリンタ本体から排出された被記録材の弛みを被記録材の重さから検知して、プリンタ本体側の搬送機構とは独立して自動で巻き取りを行うタイプの巻き取り機構が一般的になってきている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したような、プリンタ本体側の搬送機構と独立して巻き取りを行う巻き取り機構を有する従来のプリントシステムにおいては、プリンタ本体側の排出ローラと巻き取り機構側の回転軸との同期をとることが必ずしも良好には行えない場合があった。すなわち、巻き取り機構側では被記録材の弛み検知結果に基づいて記録が行われた被記録材が出力されたことを検知して巻き取り動作を行うように構成されているため、被記録材が一度に大量にフィードされる場合に、排出された出力を巻き取る動作が遅れて巻き取りが間に合わない場合があった。これは、例えば、記録に際して被記録材がプレフィードされる時や先端・末端で余白フィードされる時、形成する画像に非画像形成部が非記録材の搬送方向に見て一定の幅だけあり、その幅だけ被記録材が搬送される場合などに生じる。このように、巻き取り動作が遅れると、プリントアウトした被記録材が床などに接触してしまい、ごみ付着などのためにせっかくの画像が無駄になってしまう場合があった。
【0016】
また逆に、巻き取り動作が速すぎ、そのためにまさに画像が記録されている最中の被記録材の端にテンションが加わってしまう場合があった。この場合には、形成画像に白い筋が入ってしまうなどの悪影響が生じてしまう場合があった。
【0017】
プリンタ本体側の排紙ローラと巻き取り機構側の巻き取り軸とを正確に連動させるためには、2つの駆動系を直接連動させる構成とすることが考えられるが、この構成は、コストがかかり、前述のように装置も大型化してしまうという欠点がある。
【0018】
そこで、良好な巻き取り動作をおこなわせるために、巻き取り機構の、被記録材の弛みを検知するセンサの感度を調整する機構を設け、感度を適宜調整することが考えられる。しかし、巻き取り機構側のセンサの感度を鈍くし過ぎた場合には、前述のように巻き取り動作が間に合わなくなってしまい、また一方で、センサの感度を敏感にし過ぎると被記録材にテンションが加わってしまう。また、センサの感度を中庸の状態に設定した場合であっても、巻き取り動作が間に合わなかったり、速すぎたりすることを必ずしも回避できない場合があった。これは、被記録材の一度に出力される量が必ずしも一定でなく、また、巻き取り機構側においてもそのロール径がそれまでに巻き取った被記録材の量に応じて変化していくため、巻き取り軸を一定お速度で回転させると一定時間の間に巻き取られる被記録材の量はかならずしも一定にはならないということに起因していることがわかっている。
【0019】
本発明はこれらの従来技術における課題に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、記録され排紙された被記録材を、記録時に被記録材を搬送する搬送機構とは独立して巻き取る機構によって良好に巻き取らせることができるように記録動作を行う記録装置および記録方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を備える。すなわち、複数のインク吐出口を備えるヘッドを有し、被記録材の記録領域に対して該ヘッドを複数回走査させることにより画像を記録するマルチパス記録方式の画像記録装置において、記録装置から出力された前記被記録媒体の弛みを検知してこれを巻き取る巻取り機構と、記録しようとする画像データ中の白ではない有意な画像データの有無を判定する判定手段と、被記録材の種別をその重さについて区別できるように登録可能な動作パラメータテーブルと、第1の用紙搬送方式と第2の用紙搬送方式と、を備えることを特徴とする記録装置であって、前記白ではない有意な画像データの有無を判定する判定手段によって有意な画像データが存在しないと判定された領域の記録動作を実行する際には、前記動作パラメータが印字後のカッター動作を実行しない設定である場合に用紙搬送方式を第1の用紙搬送方式から第2の用紙搬送方式に変更して用紙搬送を実行することを特徴とする。
【0021】
さらに、好ましくは、本発明は、以下の構成を備える。すなわち、前記第1の用紙搬送方式は、記録紙面上において前記ヘッドを複数回走査させることにより画像を記録するマルチパス記録方式において実施され、ページ記録動作の各印字のためのヘッド走査において記録ヘッドが記録紙面上を走査完了するタイミングに同期させて記録紙の搬送動作を開始させる用紙搬送方式である。
【0022】
さらに、好ましくは、本発明は以下の構成を備える。すなわち、前記第2の用紙搬送方式は、記録紙面上において前記ヘッドを複数回走査させることにより画像を記録するマルチパス記録方式において実施され、ページ記録動作の各印字のためのヘッド走査において、前記判定方手段で白データではない有意な画像データが存在しないと判定された際には記録ヘッドを走査させる必要がないので記録紙の搬送動作のみを実行する用紙搬送方式である。
【0023】
また、上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を備える。すなわち、複数のインク吐出口を備えるヘッドを有し、被記録材の記録領域に対して該ヘッドを複数回走査させることにより画像を記録するマルチパス記録方式の画像記録装置において、記録装置から出力された前記被記録媒体の弛みを検知してこれを巻き取る巻取り機構と、記録しようとする画像データ中の白ではない有意な画像データの有無を判定する判定手段と、被記録材の種別をその重さについて区別できるように登録可能な動作パラメータテーブルと、第1の用紙搬送方式と第2の用紙搬送方式と第3の用紙搬送方式と、画像データ中の白ではない有意な画像データの無判定が連続した回数を計数するカウンタと、前記カウンタ計数値の上限を規定するユーザ設定値と、を備えることを特徴とする記録装置であって、前記白ではない有意な画像データの有無を判定する判定手段によって有意な画像データが存在しないと判定された領域の記録動作を実行する際には、前記動作パラメータが自重の軽い被記録材として設定されていない場合に用紙搬送方式を第1の用紙搬送方式から第3の用紙搬送方式に変更して用紙搬送を実行することを特徴とする。
【0024】
さらに、好ましくは、本発明は以下の構成を備える。すなわち、前記第3の用紙搬送方式は、記録紙面上において前記ヘッドを複数回走査させることにより画像を記録するマルチパス記録方式において実施され、ページ記録動作の各印字のためのヘッド走査において、前記判定手段で白データではない有意な画像データが存在しないと判定された際に前記カウンタを加算し、前記カウンタの加算回数とユーザ設定値とを比較して加算回数が小さい場合には、後に第1の用紙搬送方式が実行される直前にカウンタの加算回数分の搬送量を1回の動作で送り出すという用紙搬送方式である。
【0025】
さらに、好ましくは、本発明は以下の構成を備える。すなわち、前記第3の用紙搬送方式は、記録紙面上において前記ヘッドを複数回走査させることにより画像を記録するマルチパス記録方式において実施され、ページ記録動作の各印字のためのヘッド走査において、前記判定方手段で白データではない有意な画像データが存在しないと判定された際に前記カウンタを加算し、前記カウンタの加算回数とユーザ設定値とを比較して加算回数が大きくなる場合には、直ちにカウンタの加算回数分の搬送量を1回の動作で送り出してカウンタ値をゼロクリアするという用紙搬送方式である。
【0026】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。
【0027】
まず、図2〜4を参照して本実施形態の記録装置の概略構成について説明する。
【0028】
図2は、本実施形態のインクジェット方式の画像記録装置の概略構成を示す斜視図である。
【0029】
図3は、排紙部に設けられる巻き取り機構の概略構成を示す斜視図である。図4は、本実施形態の記録装置の制御部の構成を示すブロック図である。
【0030】
図2に示すように、この記録装置は、液体を吐出させるための複数の液体吐出口、各液体吐出口に連通する液体流路、各液体流路内に配置された記録素子を備え、これらが高密度に集積されたマルチヘッド206が搭載されるキャリッジ202を有している。
【0031】
キャリッジ202は、主走査方向(X軸方向)に往復運動可能に支持されており、CRモータ407(図4参照)の駆動力によって往復運動する。また、この記録装置は、主走査方向に交差する副走査方向、ここでは特に主走査方向に直交するY軸方向に被記録材204の搬送方向に見て、マルチヘッド206が主走査される記録領域より上流側に配置された搬送ローラ203と、下流側に配置された排出ローラ205を有している。搬送ローラ203と排出ローラ205はLFモータ409(図4参照)によって回転駆動される。
【0032】
この記録装置による記録動作は概略的には以下のように行われる。キャリッジ202は記録動作開始前にはホームポジション201の位置にある。そして、記録装置が記録開始命令を受けると、CRモータ407が駆動されてキャリッジ202を往復運動させる。この際、往運動時にマルチヘッド206が駆動され液体が吐出され、すなわち記録スキャンが行われる。マルチヘッド206から液体吐出が終了した後、キャリッジ202はホームポジション201へ向かって復運動を開始する。キャリッジ202がホームポジション側のキャリッジ反転位置に達すると、キャリッジ202は再び往運動を開始し、同様の動作が繰り返される。
【0033】
そして、このキャリッジ202の往復運動時の1回目の記録スキャンが終了してから2回目の記録スキャンが始まる前までに、被記録材搬送ローラ203と被記録材排出ローラ205がLFモータ409によって回転駆動され、被記録材204が所定の送り量(通常搬送量)だけ搬送される。このようにして、キャリッジ202の往復運動毎にマルチヘッド206による画像形成と被記録材の搬送を繰り返し行うことで画像形成が完了する。
【0034】
ここで、本実施形態の記録装置では、ある領域への画像記録を複数回の記録スキャンで完成させるマルチパス記録が行われる。このマルチパス記録では、1回の記録スキャンで形成される画像としては、ある領域に最終的に記録される画像の幅よりも短い量に設定される。これによって、ある記録スキャンでの画像形成領域に、被記録材の搬送方向に見て所定の幅だけ重なった領域に次ぎの記録スキャンで画像を形成し、それぞれの記録スキャンで形成される間引かれた画像を重ねて最終的な画像を形成する。
【0035】
本実施形態の記録装置はA0あるいはB0サイズ、またはさらに大型の被記録材を含む様々なサイズの被記録材に記録を行うことが可能な構成になっている。
【0036】
そこで、被記録材204を搬送ローラ203まで給紙する、不図示の給紙部には、被記録材204としてそれぞれ異なるサイズのロール紙を給紙可能な複数の給紙段が設けられている。
【0037】
また、排出ローラ205によって排出された被記録材204が一時的に保持される不図示の排紙部には、被記録材204として供給されるロール紙を、記録動作終了後に、所定の位置で切断するカッター機構が設けられている。また排紙部には、カットされた被記録材204を受けるトレイに加えて、被記録材204を巻き取って保持する、図3に示すような、巻き取り軸207を有する巻き取り機構が設けられている。この巻き取り軸207は、記録装置の不図示のフレームに設けられた一対の支持対によって着脱自在に、かつ、回転自在に軸支されており、不図示の駆動機構によって回転駆動される。巻き取り軸207の回転駆動は、被記録材204が排出されたことを、例えば被記録材204の排出され弛んだ部分の重さを計ることによって検知し、それが検知された場合に被記録材204を適宜巻き取るように制御される。この巻き取り装置は、記録装置とは独立した装置として構成してもよい。
【0038】
次に、図4を参照して本実施形態の記録装置の動作を制御する制御部の構成について説明する。
【0039】
この制御部は、内部バスにROM402とRAM403が接続されたCPU401を中心として構成されている。
【0040】
CPU401はROM402からプログラムを読み出し、必要に応じてRAM403に対してリード/ライトを繰り返しつつプログラムに従って所定の演算処理を実行する。
【0041】
RAM403は、このように処理バッファとして使用されるほか、記録装置の動作設定を指定するパラメータや、後述する記録パラメータなどが所定のアドレスに記憶されている。
【0042】
CPU401には、インタフェース(I/F)404、操作・表示部405、CRモータドライバ406、LFモータドライバ408、そして、外部ポートを経由して巻き取り装置の識別スイッチ414が接続されている。
【0043】
インタフェース(I/F)404は、記録指令や記録装置に記録させる画像データなどの信号を記録装置に出力する不図示の外部ホスト装置と接続されている。また、記録装置は、外部ホスト装置から、前述のRAM403に記憶されて記録装置本体の動作設定を変更する信号を送ることができるように構成してもよい。この場合、動作設定を変更する信号はインタフェース404を経由してCPU401に入力され、これによってCPU401はRAM403内の所定のアドレスのメモリ内容を変更する。操作・表示部405には、ユーザが動作指令や選択指令を記録装置に対して直接入力するための各種キーと、記録装置の動作状態などを表示する表示部が設けられている。
【0044】
CRモータドライバ406、LFモータドライバ408は、それぞれCRモータ407、LFモータ409に接続されており、CPU401からの指令信号に応じて各モータに駆動信号を出力する。
【0045】
また、インタフェース404には、外部ホスト装置から出力される画像データを一時的に蓄積するバンドメモリ410が接続されている。バンドメモリ410には、1回の記録スキャンで形成される幅に相当する所定幅(バンド幅)分の画像データが、インタフェース404を介して適宜転送されストアされる。バンドメモリ410にストアされたバンド幅単位の画像データは、キャリッジ202の駆動タイミングに合わせてマルチパスデータ処理部411に適宜出力される。マルチパスデータ処理部411は、バンドメモリ410から入力された画像データに対して、前述のようにマルチパス記録において1回の記録スキャンで形成する画像のデータ(形成画像データ)を作成するために所定の間引き処理を実行する。そして、マルチパスデータ処理部411で作成された、1回の記録スキャンでの形成画像データは、ヘッドコントローラ412に出力される。ヘッドコントローラ412は、入力された形成画像データに応じて、マルチヘッド206に所定のタイミングで複数の液体吐出口から選択的に液体を吐出させる駆動信号を出力する。
【0046】
これらバンドメモリ410、マルチパスデータ処理部411、ヘッドコントローラ412は、それぞれCPU401に接続されており、適宜所定の処理を行うようにCPU401によって制御される。これによって、マルチヘッド206は、キャリッジ202の往復運動に合わせて駆動され、各記録スキャンの画像形成が行われる。
【0047】
次に、図1参照して、本実施形態の記録装置による記録動作の流れについてより詳細に説明する。ここで、図1は本実施形態の記録装置の記録動作の開始時に実行されるプレフィードの動作を示す動作フロー図である。
【0048】
まず、外部ホスト装置側から、記録開始コマンドが入力されて記録シーケンスが開始される。外部ホスト装置からは、記録開始コマンドと共に、画像サイズや先端・末端の余白量、記録に使用する給紙段や紙種を指定するパラメータなど、記録動作に関係する記録パラメータが入力され、これらの記録パラメータはステップ101において、RAM403内の所定のアドレスに格納される。
【0049】
ここで、ステップ101において、外部ホスト装置からインタフェース404を経由して入力される、これからの記録動作について設定する記録パラメータについて図7を参照して説明する。図7は、RAM403内に格納された記録パラメータ部分の一例のメモリマップ図である。これらの記録パラメータは、例えばそれぞれ4バイトの大きさを持つデータとして、RAM403内に順に配列される。
【0050】
印刷トップマージン701は、記録画像を形成する記録ページの先端の余白量が600dpi(42.3μm間隔)換算のドット単位で指定するパラメータである。印刷ボトムマージン702は、記録ページの末端の余白量を600dpi換算のドット単位で指定するパラメータである。印刷レフトマージン703は、記録ページの左端の余白量を600dpi換算のドット単位で指定するパラメータである。画像先端オフセット704は、受信した記録画像データの内から実際の記録には使用しないで読み飛ばすべき先端からの画像の量を600dpi換算のライン単位で指定するパラメータである。画像左端オフセット705は、受信した記録画像データの内から実際の記録には使用しないで読み飛ばすべき、左端からの画像の量を600dpi換算のドット単位で指定するパラメータである。印刷横サイズ706は、画像左端オフセット705で指定された、形成画像の左端位置からの、画像記録に使用する画像の横サイズを600dpi換算のドット単位で指定するパラメータである。印刷縦サイズ707は、画像先端オフセット704で指定された、形成画像の先端位置からの、画像記録に使用する画像の縦サイズを600dpi換算のドット単位で指定するパラメータである。画像横サイズ708は、外部ホスト装置から転送される1ライン画像データの大きさを600dpi換算のドット単位で指定するパラメータである。画像縦サイズ709は、外部ホスト装置から転送される画像データの全ライン数を600dpi換算のライン単位で指定するパラメータである。印刷品位710は、ドラフト印刷や高精細印刷などユーザの所望する印刷モードを指定するパラメータである。搬送設定711は、これから印刷しようとしている被記録材204の用紙種別について指定するパラメータである。この搬送設定711の設定値は、画像処理パラメータやマルチパス記録での用紙搬送量、すなわちマルチパス記録モードなどを、用紙種別毎に最適化されている値に設定するのに用いられる。さらに、本実施形態においては、これを用紙搬送動作の方法を決定づけるパラメータの1つとして作用させる。すなわち、記録動作前の用紙プレフィード、記録動作中の余白フィード、さらに、ページ記録動作後の排紙フィードの実行のフィード方法の選択にこれを作用させるものとする。カッター動作指定値712は、1ページの印刷動作終了時に、印刷された領域を、被記録材204として給紙されているロール紙からカッターで切断する動作を行うか否かをユーザが指定するパラメータである。
【0051】
次に、ステップ102において、CPU401は、ステップ101で受信したパラメータを読み出して、記録装置本体側で画像をメモリに格納するための領域設定や、後述するスキップカウンタのクリア、および、記録スキャン回数の算出など、1ページの記録に関わる動作パラメータを設定する記録設定動作を実行する。
【0052】
次に、ステップ103において、CPU401は、ステップ101で受信した記録パラメータに基づいて算出した駆動ステップ数をLFモータドライバ408に指示する。すると、LFモータドライバ408は、指定された駆動ステップ数に応じて所定量だけLFモータ409を駆動し、これによって、被記録材204は記録開始位置まで搬送される。なお、巻き取り機構が記録装置本体に装着されてページ記録が連続して行われる場合には、このステップ103はその動作シーケンスは省略されて実行されない。
【0053】
次に、ステップ104において、もしも、ステップ101で受信した記録パラメータの内で搬送設定711の内容が自重の軽い被記録材として指定されている場合には、ステップ106におけるプレフィード動作を行う。このプレフィード動作は、ステップ101で受信したパラメータの内、印刷トップマージン701と印刷ボトムマージン702と印刷縦サイズ707との合計された長さを処理をCPU401が算出し、ページ記録動作を行うために要する被記録材の残量を確認するために実行するものである。さらに、ステップ106においては、CPU401は、ステップ101で受信した印刷品位710のパラメータに基づいて、被記録材を間欠送りさせるためにLFモータ409を短く繰り返して動作させるための駆動ステップ数を設定し、LFモータドライバ408に繰り返して指示する。
【0054】
すると、LFモータドライバ408は、指定された駆動ステップ数に応じて所定量だけLFモータ409を駆動し、これによって、被記録材204はプレフィード完了位置まで間欠送りで搬送される。
【0055】
また、ステップ104において、もしも、搬送設定711の内容が自重の軽い被記録材のグループとして指定されていない場合には、ステップ105において、被記録材204のプレフィード動作を通常動作で実行する。すなわち、印刷トップマージン701と印刷ボトムマージン702と印刷縦サイズ707との合計された長さの処理をCPU401が算出し、1回の動作でプレフィード動作を完了できる駆動ステップ数をLFモータドライバ408に指示する。すると、LFモータドライバ408は、指定された駆動ステップ数に応じて所定量だけLFモータ409を駆動し、これによって、被記録材204はプレフィード完了位置まで1回の動作で搬送される。
【0056】
そして、ステップ107において、CPU401は、プレフィード動作で出力された被記録材204を所定の記録開始位置まで巻き戻すためのLFモータを逆転させるための駆動ステップ数を算出してLFモータドライバ408にこれを指示し、LFモータドライバ408は指定された駆動ステップ数に応じて所定量だけLFモータ409を駆動する。これによって、被記録材204は、記録開始位置まで所定量だけ搬送される。
【0057】
次に、図5を参照して、本実施形態の記録装置による記録動作の流れについてより詳細に説明する。ここで、図5は本実施形態の記録装置の記録動作が完了するまでに繰り返して実行される記録スキャンの動作について示す動作フロー図である。
【0058】
まず、ステップ601において、CPU401は、インタフェース404に対して画像データ受信の開始を指示する。これによって、外部ホスト装置からインタフェース404を経由しての、バンドメモリ410への画像データ転送が開始される。
【0059】
バンドメモリ410への、1回の記録スキャンで形成する画像幅に相当する所定量の画像データ転送が完了すると、次にステップ602において、CPU401は、バンドメモリ410に格納されている画像データの中から、ゼロではない有意な画像データが格納されているメモリアドレスの最大値と最小値を読み出してこれをRAM403に格納する。
【0060】
続いて、ステップ603において、CPU401は、RAM403に格納されている、有意な画像データのメモリアドレスの最大値と最小値を読み出すことによって、これから実行する記録スキャンの開始位置と終了位置を算出する。そして、ステップ604において、CPU401は、算出されたスキャン長がゼロであるかどうかの判定を行う。
【0061】
ステップ604において、もしも、算出されたスキャン長がゼロであることが判定された場合には、次にステップ609において、CPU401は、記録設定の搬送設定711を参照して自重が軽い被記録材の搬送材グループとして設定されているかどうかの判定を行う。そして、ステップ609において、記録設定に自重が軽い被記録材のグループとして設定されていることが判定された場合には、記録スキャンの実行を伴わずにマルチパス記録時の所定幅の用紙送り動作のみを実行させるために、CPU401は、ステップ408に処理を進める。一方、ステップ409において、もしも、搬送設定711に自重が軽い被記録材の搬送材グループとして設定されていないことが判定された場合には、ステップ610においてCPU401は、RAM403に格納されているスキップカウンタに1を加算することで次の記録スキャン動作へと処理を進める。
【0062】
また一方、ステップ604において、算出されたスキャン長がゼロではないことが判定された場合には、次に、ステップ605において、CPU401は、RAM403に格納されているスキップカウンタがゼロかどうかを判定する。そして、ステップ605において、スキップカウンタがゼロではないことが判定された場合には、次にCPU401はステップ606へと処理を進める。ステップ606においては、CPU401は、LFモータドライバ408に、ステップ610において順次カウントされたスキップカウンタの値に応じた量だけの、LFモータ409の駆動を指示する。すると、LFモータドライバ408はLFモータ409の駆動し、これによって、マルチパス記録時の1回の記録スキャンにおける所定幅の搬送をスキップカウンタにカウントされた回数分だけ行った場合の全搬送幅に相当する幅だけ被記録材204が搬送される。すなわち、ステップ606では、形成する画像に、被記録材の搬送方向に見て一定の幅だけある非画像形成部の幅分だけ被記録材を搬送する用紙まとめ送り動作が行われる。一方ステップ605において、スキップカウンタがゼロであると判定された場合には、CPU401はステップ606の動作をスキップしてステップ607に処理を進める。
【0063】
次にステップ607において、CPU401は、CRモータドライバ406、バンドメモリ410、マルチパスデータ処理部411、ヘッドコントローラ412に記録スキャン時の動作を実行させる信号を出力する。これによって、CRモータドライバ406はCRモータ407を駆動させる。この際、キャリッジ202の駆動に合わせて不図示のエンコーダの出力信号が変化する。このエンコーダ出力信号の変化に合わせて、画像データが入力されると、マルチパスデータ処理部411では、マルチパス記録のための画像データの間引き処理が実行され、間引き処理された画像データがヘッドコントローラ412に出力される。そして、ヘッドコントローラ412は、入力された画像データに応じてマルチヘッド206を駆動させる駆動信号を出力する。マルチヘッド206は、このように、キャリッジが駆動されることによって変化するエンコーダ出力値に応じて、バンドメモリ410の内部に格納されていた画像データが所定の処理をされてヘッドコントローラ412に入力され、それによってヘッドコントローラ412から出力される駆動信号によって、適宜選択的に駆動される。これによって、マルチヘッド206から適宜選択的に液体が吐出され、被記録材204上に1回の記録スキャンによる画像が形成さえる。
【0064】
ステップ607において記録スキャンが終了すると、次にステップ608において、CPU401は、LFモータドライバ408に、設定されているマルチパス記録モードに応じた、モータの駆動ステップ数を指示する。すると、LFモータドライバ408はLFモータ409を駆動させ、マルチパス記録における所定量だけ被記録材204を搬送する。
【0065】
このようにして、CPU401はマルチパス記録の1回の記録スキャンを実行する。
【0066】
さらに、図6を参照して、本実施形態の記録装置による記録動作の流れについてより詳細に説明する。ここで、図6は本実施形態の記録装置のページ記録動作の終了時に実行される排紙の動作を示す動作フロー図である。
【0067】
まず、ステップ601において、CPU401は、ステップ610において順次カウントされてRAM403に格納されているスキップカウンタがゼロかどうかを判定する。そして、もしも、スキップカウンタがゼロでなかった場合には、次にステップ602において、これから行おうとする排紙動作でのLFモータ駆動ステップ数にスキップカウンタの値に応じた量だけのLFモータ駆動ステップ数を加算し、次のステップ603へ処理を進める。一方、ステップ601において、もしも、スキップカウンタがゼロであった場合には、そのままステップ603へ処理を進める。
【0068】
次に、ステップ603において、CPU401は、搬送設定711の内容が自重の軽い被記録材のグループとして設定されているかどうかの判定を行う。そして、もしも、搬送設定711の内容が自重の軽い被記録材のグループとして設定されている場合には、ステップ605に処理を進める。そして、ステップ605において、CPU401は、ステップ101で受信した印刷品位710のパラメータに基づいて、印刷ボトムマージン702と排紙動作のために設定している所定の送り量だけ被記録材を間欠送りさせるためにLFモータ409を短く繰り返して動作させるための駆動ステップ数を設定し、LFモータドライバ408に繰り返して指示する。すると、LFモータドライバ408は、指定された駆動ステップ数に応じて所定量だけLFモータ409を駆動し、これによって、被記録材204は排紙完了位置まで間欠送りで搬送される。一方で、ステップ603において、もしも、搬送設定711の内容が自重の軽い被記録材のグループとして指定されていない場合には、ステップ604において、被記録材204の排紙動作を通常の搬送動作で実行する。すなわち、印刷ボトムマージン702と排紙動作のために設定している所定の送り量との合計された長さを処理をCPU401が算出し、1回の動作で排紙動作を完了できる駆動ステップ数をLFモータドライバ408に指示する。すると、LFモータドライバ408は、指定された駆動ステップ数に応じて所定量だけLFモータ409を駆動し、これによって、被記録材204は排紙完了位置まで1回の動作で搬送される。
【0069】
以上説明したように、本実施形態の記録動作では、記録する画像に非画像形成部が、被記録材の搬送方向に見て一定の幅以上ある場合、この幅分の被記録材204の搬送が、2つの搬送方式のうち1つが選択されて行われる。この第1の搬送方法は、非画像形成部の全幅分の搬送を、記録スキャン動作を行う時に行われる所定幅の搬送での搬送幅分ずつに分けて、間欠的に行う方法である。第2の搬送方法は、非画像形成部の全幅分の搬送を、記録スキャン動作を行う時に行われる所定幅の搬送を設定値Aの回数分だけ行った場合の全搬送幅に相当する幅ずつに分けて、間欠的に行う方法である。
【0070】
第1の搬送方法は、非記録材204が、第1の巻き取り機構によって良好に巻き取り動作を行うことができる幅ずつ排紙される、第1の巻き取り機構を用いている場合のための搬送方法である。一方、第2の搬送方法は、第1の搬送機構よりも大量に被記録材204が排紙されても良好に巻き取り動作を行うことができる第2の巻き取り機構によって良好に巻き取り動作を行うことができる幅ずつ被記録材204が排紙される、第2の巻き取り機構を用いている場合のための搬送方法である。
【0071】
この第1の搬送方法と第2の搬送方法の選択は、本実施形態では、メモリマップ内の搬送設定711の設定内容よって決定されており、自重の軽い被記録材のグループに属する用紙が設定されている場合には第1の搬送方法が選択され、自重の軽い被記録材のグループに属さない用紙が設定されている場合には第2の搬送方法が選択される。すなわち、本実施形態の記録装置は、この搬送設定711に基づいて、第1の巻き取り機構と第2の巻き取り機構のどちらを用いているかを判定し、それぞれの場合に適した搬送方法を選択するインテリジェントな記録動作制御を行う。
【0072】
このように、本実施形態によれば、用途、性能の異なる第1の巻き取り機構と第2の巻き取り機構のどちらが用いられているかを記録設定から判定し、それに応じて各巻き取り性能に合った搬送方法を選択して記録動作を行うインテリジェントな記録装置を提供できる。この記録装置によれば、各巻き取り機構の性能に応じて決まる、巻き取り動作に支障を与えない範囲で最大の幅ずつ被記録材204を排紙し、排紙される被記録材204を各巻き取り機構によって良好に、かつ、効率的に巻き取らせることができる。
【0073】
なお、本実施形態では、第1の巻き取り機構と第2の巻き取り機構のどちらが用いられているかの判定を、搬送設定を参照して行う構成を示したが、この判定は、本記録装置を含むプリントシステムの構成に応じて、他の記録設定を参照して行うようにしても良い。
【0074】
また、本実施形態においては、大サイズの被記録材に対して好適に記録を行うことができるインクジェット記録方式の記録装置に対して特に適用可能であるが、これに限られるものではない。
【0075】
(他の実施形態)
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェース機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
また、本発明は、前述した各実施形態の記録動作工程を実現するプログラムのプログラムコードを記録した記憶媒体を、種々の構成の一般的な記録システムまたは記録装置に供給し、その記録システムあるいは記録装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が、供給された記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、実現されることは言うまでもない。
【0076】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が本発明を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体、およびプログラムそのものも本発明を構成することになる。
【0077】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
【0078】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0079】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0080】
本発明を記憶媒体によって実現する場合、その記憶媒体には、先に説明したフロー図に対応するプログラムコードを格納することになる。これは、例えば、本実施形態における各記録動作工程を実現するための各モジュールを記憶媒体に格納することによって実現しても良い。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、記録装置または記録システムを比較的簡素で低コストな構成にできる、排紙を自身で検知して巻き取り動作を行う巻き取り機構によって、巻き取り動作が間に合わないような事態を招くことなく良好に巻き取り動作を行わせることができるように記録動作を行う記録装置を提供できる。
【0082】
本発明による記録装置は、一度に排紙される被記録材の量が、巻き取り機構の性能に合わせて調整されるインテリジェントな記録装置である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の実施形態の記録装置のプレフィード動作を示す動作フロー図である。
【図2】本発明を適用可能な記録装置の概略的な構成を示す斜視図である。
【図3】図2の記録装置に備えられる、または接続される巻き取り機構の概略構成を示す斜視図である。
【図4】図2の記録装置の制御部の概略的な構成をしますブロック図である。
【図5】本発明による第1の実施形態の記録装置の記録動作を示す動作フロー図である。
【図6】本発明による第1の実施形態の記録装置の排紙動作を示す動作フロー図である。
【図7】図2の記録装置のRAM内に格納される記録パラメータの一例のメモリマップ図である。
【符号の説明】
201 ホームポジション
202 キャリッジ
203 搬送ローラ
204 被記録材
205 排出ローラ
206 マルチヘッド
207 巻き取り軸
401 CPU
402 ROM
403 RAM
404 インタフェース
405 操作・表示部
406 CRモータドライバ
407 CRモータ
408 LFモータドライバ
409 LFモータ
410 バンドメモリ
411 マルチパスデータ処理部
412 ヘッドコントローラ
701 印刷トップマージン
702 印刷ボトムマージン
703 印刷レフトマージン
704 画像先端オフセット
705 画像左端オフセット
706 印刷横サイズ
707 印刷縦サイズ
708 画像横サイズ
709 画像縦サイズ
710 印刷品位
711 搬送設定
712 カッター動作設定
713 リザーブ
Claims (7)
- 複数のインク吐出口を備えるヘッドを有し、被記録材の記録領域に対して該ヘッドを複数回走査させることにより画像を記録するマルチパス記録方式の画像記録装置において、記録装置から出力された前記被記録材の弛みを検知してこれを巻き取る巻取り機構と、記録しようとする画像データ中の白ではない有意な画像データの有無を判定する判定手段と、被記録材の種別をその重さについて区別できるように登録可能な動作パラメータテーブルと、第1の用紙搬送方式と第2の用紙搬送方式と、を備えることを特徴とする記録装置であって、前記白ではない有意な画像データの有無を判定する判定手段によって有意な画像データが存在しないと判定された領域の記録動作を実行する際には、前記動作パラメータが自重の軽い紙として定義されていない場合に用紙搬送方式を第1の用紙搬送方式から第2の用紙搬送方式に変更して用紙搬送を実行することを特徴とする記録装置。
- 請求項1に記載の第1の用紙搬送方式は、記録紙面上において前記ヘッドを複数回走査させることにより画像を記録するマルチパス記録方式において実施され、ページ記録動作の各印字のためのヘッド走査において記録ヘッドが記録紙面上を走査完了するタイミングに同期させて記録紙の搬送動作を開始させる用紙搬送方式である。
- 請求項1に記載の第2の用紙搬送方式は、記録紙面上において前記ヘッドを複数回走査させることにより画像を記録するマルチパス記録方式において実施され、ページ記録動作の各印字のためのヘッド走査において、前記判定手段で白データではない有意な画像データが存在しないと判定された際には記録ヘッドを走査させる必要がないので記録紙の搬送動作のみを実行する用紙搬送方式である。
- 複数のインク吐出口を備えるヘッドを有し、被記録材の記録領域に対して該ヘッドを複数回走査させることにより画像を記録するマルチパス記録方式の画像記録装置において、記録装置から出力された前記被記録媒体の弛みを検知してこれを巻き取る巻取り機構と、記録しようとする画像データ中の白ではない有意な画像データの有無を判定する判定手段と、被記録材の種別をその重さについて区別できるように登録可能な動作パラメータテーブルと、第1の用紙搬送方式と第2の用紙搬送方式と第3の用紙搬送方式と、画像データ中の白ではない有意な画像データの無判定が連続した回数を計数するカウンタと、前記カウンタの計数値の上限を規定するユーザ設定値と、を備えることを特徴とする記録装置であって、前記白ではない有意な画像データの有無を判定する判定手段によって有意な画像データが存在しないと判定された領域の記録動作を実行する際には、前記動作パラメータが自重の軽い紙として設定されていない場合に用紙搬送方式を第1の用紙搬送方式から第3の用紙搬送方式に変更して用紙搬送を実行することを特徴とする記録装置。
- 請求項4に記載の第1の用紙搬送方式は、記録紙面上において前記ヘッドを複数回走査させることにより画像を記録するマルチパス記録方式において実施され、ページ記録動作の各印字のためのヘッド走査において記録ヘッドが記録紙面上を走査完了するタイミングに同期させて記録紙の搬送動作を開始させる用紙搬送方式である。
- 請求項4に記載の第3の用紙搬送方式は、記録紙面上において前記ヘッドを複数回走査させることにより画像を記録するマルチパス記録方式において実施され、ページ記録動作の各印字のためのヘッド走査において、前記判定手段で白データではない有意な画像データが存在しないと判定された際に前記カウンタを加算し、前記カウンタの加算回数とユーザ設定値とを比較して加算回数が小さい場合には、後に第1の用紙搬送方式が実行される直前にカウンタの加算回数分の搬送量を1回の動作で送り出すという用紙搬送方式である。
- 請求項4に記載の第3の用紙搬送方式は、記録紙面上において前記ヘッドを複数回走査させることにより画像を記録するマルチパス記録方式において実施され、ページ記録動作の各印字のためのヘッド走査において、前記判定手段で白データではない有意な画像データが存在しないと判定された際に前記カウンタを加算し、前記カウンタの加算回数とユーザ設定値とを比較して加算回数が大きくなる場合には、直ちにカウンタの加算回数分の搬送量を1回の動作で送り出してカウンタ値をゼロクリアするという用紙搬送方式である。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002353369A JP2004181847A (ja) | 2002-12-05 | 2002-12-05 | 記録装置および記録方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7457570B2 (ja) | 2020-05-14 | 2024-03-28 | キヤノン株式会社 | 記録装置及びその搬送制御方法 |
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2002
- 2002-12-05 JP JP2002353369A patent/JP2004181847A/ja not_active Withdrawn
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