JP2004181293A - 触媒担体 - Google Patents
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Abstract
【課題】触媒浄化率の向上を図ることができると共に、触媒担体強度が高く、且つ、突起の位置を配慮する必要もない触媒担体を提供する。
【解決手段】波板3と平板2とを交互に積層配置してこれらの仕切りによって多数の担体セル4が形成され、この各担体セル4の内壁面に触媒がコーティングされた触媒担体であって、平板2間に配置される波板3の斜面部6a、6b、8a、8bにのみ突起9を設けた。
【選択図】 図2
【解決手段】波板3と平板2とを交互に積層配置してこれらの仕切りによって多数の担体セル4が形成され、この各担体セル4の内壁面に触媒がコーティングされた触媒担体であって、平板2間に配置される波板3の斜面部6a、6b、8a、8bにのみ突起9を設けた。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排気ガス中に含まれる有害成分を浄化する触媒コンバータなどに使用される触媒担体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の触媒担体としては、図7に示すように、全面に多数の突起51を有する平板52を使用し、この平板52を渦巻き状に巻き回して円筒状に形成されている。各突起51の先端とこれに対向する平板52の部分とが拡散接合されている。そして、隣接する平板52間には、多数の突起51によって間隙が形成され、この間隙が排気ガスの流通経路とされる。このように形成された触媒担体50のガス流通経路の内壁面に触媒を担持する処理が施されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
上記構成において、排気ガスが触媒担体50中のガス流通経路内を通過し、この通過の際に排気ガス内の有害成分が触媒に接触して浄化される。ここで、ガス流通経路の適所には突起51が配置され、この突起51によってガス流れが乱され、排気ガス内の有害成分が触媒と接触する頻度が高められる。以上より、触媒浄化率の向上が図られている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−128683号公報、第1頁、図1
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の触媒担体50では、隣接する平板52間の接合面積としては、各突起51の先端部分の面積しか取れないため、接合強度が低く触媒担体50が破損する恐れがあった。
【0006】
また、隣接する平板52の突起51同士が重なり、一方の突起51が他方の突起51の裏側に入り込むと、その部分のガス流通経路がその部分だけ狭くなったり、構造物として形状が不安定になり、触媒浄化が低下する等の不都合が発生する。そのため、隣接する平板52の突起51同士が重ならないように突起51の位置を配慮する必要がある。
【0007】
本発明の目的は、触媒浄化率の向上を図ることができると共に、触媒担体強度が高く、且つ、突起の位置を配慮する必要もない触媒担体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、波板と平板とを交互に積層配置してこれらの仕切りによって多数の担体セルが形成され、この各担体セルの内壁面に触媒がコーティングされた触媒担体であって、前記平板間に配置される前記波板の斜面部にのみ突起を設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の触媒担体であって、前記波板は、ガス流れ方向に沿って配置される前記担体セルがガス流れ方向の直交方向に対してオフセット状態に配置されるオフセット波板であることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の触媒担体であって、前記波板は、ガス流れ方向に沿って配置される前記担体セルがガス流れ方向の直交方向に対してオフセットされないストレートな波形状のコルゲート波板であることを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載された触媒担体であって、前記突起の高さは、斜面部から担体セルの中心までの距離の1/2以下に設定したことを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載された触媒担体であって、前記波板の板厚は、100μm以下に設定したことを特徴とする。
【0013】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、各担体セル内を流れる排気ガスは突起によってガス流れが乱され、排気ガス内の有害成分が触媒と接触する頻度が高められる。そして、平板と波板との接合部分には突起が設けられないため、接合面積を広く取ることができ、且つ接合部分で突起が重なるような事態が発生しない。したがって、触媒浄化率の向上を図ることができると共に、触媒担体強度を高くすることができ、且つ突起の位置を配慮する必要がない。
【0014】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加え、排気ガスが担体セルからこれに隣接する下流の担体セルに移動する際にガス流れが拡散され、排気ガス内の有害成分が触媒と接触する頻度が高められる。したがって、触媒浄化率の向上を図ることができる。
【0015】
請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様の効果が得られる。
【0016】
請求項4記載の発明によれば、請求項1〜請求項3に記載された発明の効果に加え、突起の先端が対向配置された突起や平板等に接触することがなく、効率的なガス拡散を確保できる。したがって、請求項4記載の発明によれば、触媒担体の品質向上ならびに生産性を向上することができる。
【0017】
請求項5記載の発明によれば、請求項1〜請求項4に記載された発明の効果に加え、波板に無理なく所定形状の突起を作製できる。したがって、請求項5記載の発明によれば、品質向上ならびに生産性を向上することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る触媒担体の詳細を図面に示す実施の形態に基づいて説明する。
【0019】
(第1の実施の形態)
図1〜図3は、本発明に係る触媒担体の第1の実施の形態を示している。なお、図1は本実施の形態に係る触媒担体1Aの斜視図、図2は触媒担体1Aの内部構造を示す、図1のA部の拡大分解斜視図、図3はオフセット波板3の一部拡大斜視図である。
【0020】
図1に示すように、触媒担体1Aは、平板2と波板であるオフセット波板3とを有し、この平板2及びオフセット波板3の一端側を重ね合わせた状態で巻き回して円筒形状に形成されている。図1に示すように、平板2とオフセット波板3とは交互に積層された状態で配置され、図2に示すように隣接する平板2とオフセット波板3との仕切りによって多数の所定容積の担体セル4がガス流れ方向Pの直交方向Sに配列されている。隣接する平板2とオフセット波板3との間の接触部分は、拡散接合などによって接合、固定されている。
【0021】
オフセット波板3は、図3に示すように、ガス流れ方向Pの直交方向Sに沿って底部5a、5b、斜面部6a、6b、頂上部7a、7b及び斜面部8a、8bが繰り返し形成され、且つ、この底部5a、5b、斜面部6a、6b、頂上部7a、7b及び斜面部8a、8bの連続パターンは、ガス流れ方向Pに沿って連続的で、且つ、1つ置きに交互に長さdだけオフセットした状態で形成されている。詳しくは、底部5a、斜面部6a、頂上部7a及び斜面部8aの連続パターンと底部5b、斜面部6b、頂上部7b及び斜面部8bの連続パターンとが長さdだけオフセットし、且つ、交互に連続して配置されている。したがって、ガス流れ方向Pに沿って配置される担体セル4は、ガス流れ方向Pの一定間隔置きに、ガス流れ方向Pの直交方向Sに長さdだけオフセットした状態で配置されている。
【0022】
また、隣接する平板2とオフセット波板3とは、オフセット波板3の底部5a、5b及び頂上部7a、7bとこれに接触する平板2の部分が接合されている。そして、オフセット波板3は、その板厚が100μm以下であり、各斜面部6a、6b、8a、8bのみに突起9がエンボス加工などによって多数形成されている。各突起9の高さは、斜面部6a、6b、8a、8bから担体セル4の中心までの距離の1/2以下に設定されている。
【0023】
このように形成された触媒担体1Aの各担体セル4の内壁面には、触媒が担持されている。
【0024】
上記構成において、排気ガスが触媒担体1A中の各担体セル4内を通過し、この通過の際に排気ガス内の有害成分が触媒に接触して浄化される。ここで、上記触媒担体1Aでは、各担体セル4内を流れる排気ガスは各突起9によってガス流れが乱され、排気ガス内の有害成分が触媒と接触する頻度が高められる。そして、平板2とオフセット波板3との接合部分には突起9が設けられないため、接合面積を広く取ることができる。また、平板2とオフセット波板3との接合部分では、突起9が重なるようなことがない。このため、本実施の形態では、触媒浄化率の向上を図ることができると共に、触媒担体強度を高くすることができ、且つ、突起9の位置を配慮する必要がない。
【0025】
上記した第1の実施の形態では、波板としてオフセット波板3が使用されているため、排気ガスが担体セル4からこれに隣接する下流の担体セル4に移動する際にもガス流れが拡散され、排気ガス内の有害成分が触媒と接触する頻度が高められる。したがって、本実施の形態では、触媒効率の向上を図ることができる。
【0026】
また、上記した第1の実施の形態では、突起9の高さを斜面部6a、6b、8a、8bから担体セル4の中心までの距離の1/2以下に設定したことにより、突起9の先端が対向配置された突起9や平板2等に接触することがなく、効率的なガス拡散が確保される。したがって、第1の実施の形態では、品質向上ならびに生産性を向上することができる。
【0027】
さらに、上記した第1の実施の形態では、オフセット波板3の板厚を100μm以下に設定したことにより、オフセット波板3に無理なく所定形状の突起9を形成でき、品質向上ならびに生産性を向上させることができる。なお、突起9の形状は、丸形状、U字形状、三角形状等であってもよく、ガス流れを著しく阻害しない形状であればよい。
【0028】
(第2の実施の形態)
図4〜図6は、本発明に係る触媒担体の第2の実施の形態を示している。なお、図4は触媒担体1Bの斜視図、図5は触媒担体1Bの内部構造を示す、図4のB部の拡大分解斜視図、図6はコルゲート波板10の一部拡大斜視図である。
【0029】
図4及び図5に示すように、触媒担体1Bは、平板2と波板であるコルゲート波板10とを使用し、上記した第1の実施の形態と同様にして形成されている。コルゲート波板10は、ガス流れ方向Pに沿って配置される担体セル4がガス流れ方向Pの直交方向Sに対してオフセットされないストレートな波形状を有する。
【0030】
図6に示すように、コルゲート波板10は、ガス流れ方向Pの直交方向Sに沿って円弧状の底部11、ストレートに延びる斜面部12、円弧状の頂上部13及びストレートに延びる斜面部14が繰り返し形成され、且つ、この底部11、斜面部12、頂上部13及び斜面部14の連続パターンがガス流れ方向Pに沿ってオフセットされることなく連続的に形成されている。したがって、ガス流れ方向Pに沿って配置される担体セル4は、ガス流れ方向Pにストレートに配置されている。また、隣接する平板2とコルゲート波板10とは、コルゲート波板10の底部11及び頂上部13とこれに接触する平板2の部分が接合されている。
【0031】
また、コルゲート波板10は、その板厚が100μm以下であり、各斜面部12、14のみに突起9がエンボス加工などによって多数形成されている。各突起9の高さは、斜面部12、14から担体セル4の中心までの距離の1/2以下に設定されている。
【0032】
この第2の実施の形態の触媒担体1Bにあっても、各担体セル4内を流れる排気ガスは突起9によってガス流れが乱され、排気ガス内の有害成分が触媒と接触する頻度が高められる。そして、平板2とコルゲート波板10との接合部分には突起9が設けられないため、接合面積を広く取ることができる。このため、第1の実施の形態と同様に、触媒浄化率の向上が図れると共に、触媒担体強度を高くすることができ、且つ突起9の位置を配慮する必要がない。
【0033】
なお、第1及び第2実施形態では、波板としてオフセット波板3やコルゲート波板10とを使用した場合を説明したが、これら以外の波板であっても本発明は適用可能である。また、本発明では、平板2には若干の波形状を有するものも含む。
【0034】
以上、本発明の第1及び第2の実施の形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、構成の要旨に付随する各種の設計変更が可能である。
【0035】
例えば、上記した第1及び第2の実施の形態では、触媒担体1A、1Bは、平板2及びオフセット波板3やコルゲート波板10の一端側を重ね合わせた状態で巻き回して円筒形状に形成されているが、平板2及びオフセット波板3やコルゲート波板10の一端側を重ね合わせた状態でS字状に交互に折曲することによって形成することもでき、種々の作製手順がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る触媒担体の第1の実施の形態を示す触媒担体の斜視図である。
【図2】第1の実施の形態に係る触媒担体の内部構造を示す、図1のA部の拡大分解斜視図である。
【図3】第1の実施の形態に係る触媒担体におけるオフセット波板の一部拡大斜視図である。
【図4】本発明に係る触媒担体の第2の実施の形態の触媒担体の斜視図である。
【図5】第2の実施の形態に係る触媒担体の内部構造を示す、図4のB部の拡大分解斜視図である。
【図6】第2の実施の形態に係る触媒担体におけるコルゲート波板の一部拡大斜視図である。
【図7】従来の触媒担体の作製途中の斜視図である。
【符号の説明】
1A、1B 触媒担体
2 平板
3 オフセット波板(波板)
4 担体セル
6a、6b、8a、8b 斜面部
9 突起
10 コルゲート波板(波板)
12、14 斜面部
P ガス流れ方向
S ガス流れ方向の直交方向
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排気ガス中に含まれる有害成分を浄化する触媒コンバータなどに使用される触媒担体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の触媒担体としては、図7に示すように、全面に多数の突起51を有する平板52を使用し、この平板52を渦巻き状に巻き回して円筒状に形成されている。各突起51の先端とこれに対向する平板52の部分とが拡散接合されている。そして、隣接する平板52間には、多数の突起51によって間隙が形成され、この間隙が排気ガスの流通経路とされる。このように形成された触媒担体50のガス流通経路の内壁面に触媒を担持する処理が施されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
上記構成において、排気ガスが触媒担体50中のガス流通経路内を通過し、この通過の際に排気ガス内の有害成分が触媒に接触して浄化される。ここで、ガス流通経路の適所には突起51が配置され、この突起51によってガス流れが乱され、排気ガス内の有害成分が触媒と接触する頻度が高められる。以上より、触媒浄化率の向上が図られている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−128683号公報、第1頁、図1
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の触媒担体50では、隣接する平板52間の接合面積としては、各突起51の先端部分の面積しか取れないため、接合強度が低く触媒担体50が破損する恐れがあった。
【0006】
また、隣接する平板52の突起51同士が重なり、一方の突起51が他方の突起51の裏側に入り込むと、その部分のガス流通経路がその部分だけ狭くなったり、構造物として形状が不安定になり、触媒浄化が低下する等の不都合が発生する。そのため、隣接する平板52の突起51同士が重ならないように突起51の位置を配慮する必要がある。
【0007】
本発明の目的は、触媒浄化率の向上を図ることができると共に、触媒担体強度が高く、且つ、突起の位置を配慮する必要もない触媒担体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、波板と平板とを交互に積層配置してこれらの仕切りによって多数の担体セルが形成され、この各担体セルの内壁面に触媒がコーティングされた触媒担体であって、前記平板間に配置される前記波板の斜面部にのみ突起を設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の触媒担体であって、前記波板は、ガス流れ方向に沿って配置される前記担体セルがガス流れ方向の直交方向に対してオフセット状態に配置されるオフセット波板であることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の触媒担体であって、前記波板は、ガス流れ方向に沿って配置される前記担体セルがガス流れ方向の直交方向に対してオフセットされないストレートな波形状のコルゲート波板であることを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載された触媒担体であって、前記突起の高さは、斜面部から担体セルの中心までの距離の1/2以下に設定したことを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載された触媒担体であって、前記波板の板厚は、100μm以下に設定したことを特徴とする。
【0013】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、各担体セル内を流れる排気ガスは突起によってガス流れが乱され、排気ガス内の有害成分が触媒と接触する頻度が高められる。そして、平板と波板との接合部分には突起が設けられないため、接合面積を広く取ることができ、且つ接合部分で突起が重なるような事態が発生しない。したがって、触媒浄化率の向上を図ることができると共に、触媒担体強度を高くすることができ、且つ突起の位置を配慮する必要がない。
【0014】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加え、排気ガスが担体セルからこれに隣接する下流の担体セルに移動する際にガス流れが拡散され、排気ガス内の有害成分が触媒と接触する頻度が高められる。したがって、触媒浄化率の向上を図ることができる。
【0015】
請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様の効果が得られる。
【0016】
請求項4記載の発明によれば、請求項1〜請求項3に記載された発明の効果に加え、突起の先端が対向配置された突起や平板等に接触することがなく、効率的なガス拡散を確保できる。したがって、請求項4記載の発明によれば、触媒担体の品質向上ならびに生産性を向上することができる。
【0017】
請求項5記載の発明によれば、請求項1〜請求項4に記載された発明の効果に加え、波板に無理なく所定形状の突起を作製できる。したがって、請求項5記載の発明によれば、品質向上ならびに生産性を向上することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る触媒担体の詳細を図面に示す実施の形態に基づいて説明する。
【0019】
(第1の実施の形態)
図1〜図3は、本発明に係る触媒担体の第1の実施の形態を示している。なお、図1は本実施の形態に係る触媒担体1Aの斜視図、図2は触媒担体1Aの内部構造を示す、図1のA部の拡大分解斜視図、図3はオフセット波板3の一部拡大斜視図である。
【0020】
図1に示すように、触媒担体1Aは、平板2と波板であるオフセット波板3とを有し、この平板2及びオフセット波板3の一端側を重ね合わせた状態で巻き回して円筒形状に形成されている。図1に示すように、平板2とオフセット波板3とは交互に積層された状態で配置され、図2に示すように隣接する平板2とオフセット波板3との仕切りによって多数の所定容積の担体セル4がガス流れ方向Pの直交方向Sに配列されている。隣接する平板2とオフセット波板3との間の接触部分は、拡散接合などによって接合、固定されている。
【0021】
オフセット波板3は、図3に示すように、ガス流れ方向Pの直交方向Sに沿って底部5a、5b、斜面部6a、6b、頂上部7a、7b及び斜面部8a、8bが繰り返し形成され、且つ、この底部5a、5b、斜面部6a、6b、頂上部7a、7b及び斜面部8a、8bの連続パターンは、ガス流れ方向Pに沿って連続的で、且つ、1つ置きに交互に長さdだけオフセットした状態で形成されている。詳しくは、底部5a、斜面部6a、頂上部7a及び斜面部8aの連続パターンと底部5b、斜面部6b、頂上部7b及び斜面部8bの連続パターンとが長さdだけオフセットし、且つ、交互に連続して配置されている。したがって、ガス流れ方向Pに沿って配置される担体セル4は、ガス流れ方向Pの一定間隔置きに、ガス流れ方向Pの直交方向Sに長さdだけオフセットした状態で配置されている。
【0022】
また、隣接する平板2とオフセット波板3とは、オフセット波板3の底部5a、5b及び頂上部7a、7bとこれに接触する平板2の部分が接合されている。そして、オフセット波板3は、その板厚が100μm以下であり、各斜面部6a、6b、8a、8bのみに突起9がエンボス加工などによって多数形成されている。各突起9の高さは、斜面部6a、6b、8a、8bから担体セル4の中心までの距離の1/2以下に設定されている。
【0023】
このように形成された触媒担体1Aの各担体セル4の内壁面には、触媒が担持されている。
【0024】
上記構成において、排気ガスが触媒担体1A中の各担体セル4内を通過し、この通過の際に排気ガス内の有害成分が触媒に接触して浄化される。ここで、上記触媒担体1Aでは、各担体セル4内を流れる排気ガスは各突起9によってガス流れが乱され、排気ガス内の有害成分が触媒と接触する頻度が高められる。そして、平板2とオフセット波板3との接合部分には突起9が設けられないため、接合面積を広く取ることができる。また、平板2とオフセット波板3との接合部分では、突起9が重なるようなことがない。このため、本実施の形態では、触媒浄化率の向上を図ることができると共に、触媒担体強度を高くすることができ、且つ、突起9の位置を配慮する必要がない。
【0025】
上記した第1の実施の形態では、波板としてオフセット波板3が使用されているため、排気ガスが担体セル4からこれに隣接する下流の担体セル4に移動する際にもガス流れが拡散され、排気ガス内の有害成分が触媒と接触する頻度が高められる。したがって、本実施の形態では、触媒効率の向上を図ることができる。
【0026】
また、上記した第1の実施の形態では、突起9の高さを斜面部6a、6b、8a、8bから担体セル4の中心までの距離の1/2以下に設定したことにより、突起9の先端が対向配置された突起9や平板2等に接触することがなく、効率的なガス拡散が確保される。したがって、第1の実施の形態では、品質向上ならびに生産性を向上することができる。
【0027】
さらに、上記した第1の実施の形態では、オフセット波板3の板厚を100μm以下に設定したことにより、オフセット波板3に無理なく所定形状の突起9を形成でき、品質向上ならびに生産性を向上させることができる。なお、突起9の形状は、丸形状、U字形状、三角形状等であってもよく、ガス流れを著しく阻害しない形状であればよい。
【0028】
(第2の実施の形態)
図4〜図6は、本発明に係る触媒担体の第2の実施の形態を示している。なお、図4は触媒担体1Bの斜視図、図5は触媒担体1Bの内部構造を示す、図4のB部の拡大分解斜視図、図6はコルゲート波板10の一部拡大斜視図である。
【0029】
図4及び図5に示すように、触媒担体1Bは、平板2と波板であるコルゲート波板10とを使用し、上記した第1の実施の形態と同様にして形成されている。コルゲート波板10は、ガス流れ方向Pに沿って配置される担体セル4がガス流れ方向Pの直交方向Sに対してオフセットされないストレートな波形状を有する。
【0030】
図6に示すように、コルゲート波板10は、ガス流れ方向Pの直交方向Sに沿って円弧状の底部11、ストレートに延びる斜面部12、円弧状の頂上部13及びストレートに延びる斜面部14が繰り返し形成され、且つ、この底部11、斜面部12、頂上部13及び斜面部14の連続パターンがガス流れ方向Pに沿ってオフセットされることなく連続的に形成されている。したがって、ガス流れ方向Pに沿って配置される担体セル4は、ガス流れ方向Pにストレートに配置されている。また、隣接する平板2とコルゲート波板10とは、コルゲート波板10の底部11及び頂上部13とこれに接触する平板2の部分が接合されている。
【0031】
また、コルゲート波板10は、その板厚が100μm以下であり、各斜面部12、14のみに突起9がエンボス加工などによって多数形成されている。各突起9の高さは、斜面部12、14から担体セル4の中心までの距離の1/2以下に設定されている。
【0032】
この第2の実施の形態の触媒担体1Bにあっても、各担体セル4内を流れる排気ガスは突起9によってガス流れが乱され、排気ガス内の有害成分が触媒と接触する頻度が高められる。そして、平板2とコルゲート波板10との接合部分には突起9が設けられないため、接合面積を広く取ることができる。このため、第1の実施の形態と同様に、触媒浄化率の向上が図れると共に、触媒担体強度を高くすることができ、且つ突起9の位置を配慮する必要がない。
【0033】
なお、第1及び第2実施形態では、波板としてオフセット波板3やコルゲート波板10とを使用した場合を説明したが、これら以外の波板であっても本発明は適用可能である。また、本発明では、平板2には若干の波形状を有するものも含む。
【0034】
以上、本発明の第1及び第2の実施の形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、構成の要旨に付随する各種の設計変更が可能である。
【0035】
例えば、上記した第1及び第2の実施の形態では、触媒担体1A、1Bは、平板2及びオフセット波板3やコルゲート波板10の一端側を重ね合わせた状態で巻き回して円筒形状に形成されているが、平板2及びオフセット波板3やコルゲート波板10の一端側を重ね合わせた状態でS字状に交互に折曲することによって形成することもでき、種々の作製手順がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る触媒担体の第1の実施の形態を示す触媒担体の斜視図である。
【図2】第1の実施の形態に係る触媒担体の内部構造を示す、図1のA部の拡大分解斜視図である。
【図3】第1の実施の形態に係る触媒担体におけるオフセット波板の一部拡大斜視図である。
【図4】本発明に係る触媒担体の第2の実施の形態の触媒担体の斜視図である。
【図5】第2の実施の形態に係る触媒担体の内部構造を示す、図4のB部の拡大分解斜視図である。
【図6】第2の実施の形態に係る触媒担体におけるコルゲート波板の一部拡大斜視図である。
【図7】従来の触媒担体の作製途中の斜視図である。
【符号の説明】
1A、1B 触媒担体
2 平板
3 オフセット波板(波板)
4 担体セル
6a、6b、8a、8b 斜面部
9 突起
10 コルゲート波板(波板)
12、14 斜面部
P ガス流れ方向
S ガス流れ方向の直交方向
Claims (5)
- 波板(3)、(10)と平板(2)とを交互に積層配置してこれらの仕切りによって多数の担体セル(4)が形成され、この各担体セル(4)の内壁面に触媒がコーティングされた触媒担体(1A)、(1B)であって、
前記平板(2)間に配置される前記波板(3)、(10)の斜面部(6a)、(6b)、(8a)、(8b)、(12)、(14)にのみ突起(9)を設けたことを特徴とする触媒担体(1A)、(1B)。 - 請求項1記載の触媒担体(1A)であって、
前記波板(3)は、ガス流れ方向(P)に沿って配置される前記担体セル(4)がガス流れ方向(P)の直交方向(S)に対してオフセット状態に配置されるオフセット波板(3)であることを特徴とする触媒担体(1A)。 - 請求項1記載の触媒担体(1B)であって、
前記波板(10)は、ガス流れ方向(P)に沿って配置される前記担体セル(4)がガス流れ方向(P)の直交方向(S)に対してオフセットされないストレートな波形状のコルゲート波板(10)であることを特徴とする触媒担体(1B)。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載された触媒担体(1A)、(1B)であって、
前記突起(9)の高さは、斜面部(6a)、(6b)、(8a)、(8b)、(12)、(14)から担体セル(4)の中心までの距離の1/2以下に設定したことを特徴とする触媒担体(1A)、(1B)。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載された触媒担体(1A)、(1B)であって、
前記波板(3)、(10)の板厚は、100μm以下に設定したことを特徴とする触媒担体(1A)、(1B)。
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JP2006110431A (ja) * | 2004-10-13 | 2006-04-27 | Nippon Steel Corp | 浄化性能に優れた触媒担持用メタル担体 |
JP2022541790A (ja) * | 2019-07-16 | 2022-09-27 | 株式会社 ククイルイントート | 触媒用コーティング組成物を含む触媒反応装置およびコーティング方法 |
-
2002
- 2002-11-29 JP JP2002348465A patent/JP2004181293A/ja active Pending
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