JP2004180709A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】種々の情報を省スペースでしかも遊技者にとって見易くした遊技機を提供することを目的とする。
【解決手段】このパチンコ機Pは、所定の表示情報を表示する柔軟性のある電子ペーパ10を上受け皿2の内部に備え、電子ペーパ10を上受け皿2に対して出入させる出入装置14を備えているので、電子ペーパ10を見るときに上受け皿2から引き出すことができ、遊技者は引き出された電子ペーパ10を見て所望の情報を得ることができ、電子ペーパ10を見る必要がないときには上受け皿2内に収納することができるので、電子ペーパ10が邪魔になることもない。したがって、場所を取らずに電子ペーパ10を具備することができる。その結果、種々の情報を省スペースでしかも遊技者にとって見易くした遊技機を提供できる。
【選択図】 図5
【解決手段】このパチンコ機Pは、所定の表示情報を表示する柔軟性のある電子ペーパ10を上受け皿2の内部に備え、電子ペーパ10を上受け皿2に対して出入させる出入装置14を備えているので、電子ペーパ10を見るときに上受け皿2から引き出すことができ、遊技者は引き出された電子ペーパ10を見て所望の情報を得ることができ、電子ペーパ10を見る必要がないときには上受け皿2内に収納することができるので、電子ペーパ10が邪魔になることもない。したがって、場所を取らずに電子ペーパ10を具備することができる。その結果、種々の情報を省スペースでしかも遊技者にとって見易くした遊技機を提供できる。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機やスロットマシン等の遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、遊技機の代表例としてはパチンコ機がある。パチンコ機には、遊技者による操作によって球が打ち込まれ、各種の入賞口や図柄変動表示装置(可変表示装置)などが設けられた遊技領域を有する遊技盤を備えている。この遊技盤の遊技領域の一部には、例えば大当り確率、賞球数などのパチンコ機に関する情報が小さく表示されている。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−815号公報 (第3−4頁、第1,2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来のパチンコ機では、遊技盤の遊技領域の一部に、大当り確率、賞球数などのパチンコ機に関する情報が小さく表示されているので、目立たず、パチンコ機の仕様が遊技者にとってわかり難くなっており、遊技者の興味を引くものではないという問題がある。
【0005】
だからといって、パチンコ機に関する情報を遊技盤に大きく表示することは、以下の理由によりできない。つまり、遊技領域には、遊技者に好まれるように自己のパチンコ機の特徴を表す絵や機種名などの文字などが効果的にデザインされて表示されているので、上述のパチンコ機に関する情報を遊技盤に大きく表示するとパチンコ機のデザインを著しく損なってしまうことになり、遊技者にとって全く興味を引かないものとなる。したがって、本来的に、上述のパチンコ機に関する情報を表示するスペースを遊技盤上で大きく確保することができないのである。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、種々の情報を省スペースでしかも遊技者にとって見易くした遊技機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成を採る。
すなわち、請求項1に記載の発明は、遊技用媒体を用いて遊技を行う遊技機において、第1部材と第2部材との間に挟持された表示層中の帯電粒子を移動させて色を変化させることにより所定の表示情報を表示する柔軟性のある表示手段を機体の内部に備え、前記表示手段を前記機体に対して出入させる出入手段を備えていることを特徴とするものである。
【0008】
(作用・効果)請求項1に記載の発明によれば、遊技用媒体を用いて遊技を行う遊技機において、第1部材と第2部材との間に挟持された表示層中の帯電粒子を移動させて色を変化させることにより所定の表示情報を表示する柔軟性のある表示手段を機体の内部に備え、表示手段を機体に対して出入させる出入手段を備えているので、表示手段を見るときにこの表示手段を機体から引き出すことができ、遊技者は引き出された表示手段を見て所望の情報を得ることができる。また、表示手段を見る必要がなくなったときには、表示手段を機体内に収納することができるので、表示手段が邪魔になることもない。したがって、場所を取らずに表示手段を具備することができる。つまり、機体の正面視での面積を必要以上に占有することなく表示手段を具備することができる。また、遊技者に提供すべき情報を表示するための表示ラベル(シール)等を機体の所定箇所に遊技者からいつでも見えるように設けておくことを不要にできる。その結果、種々の情報を省スペースでしかも遊技者にとって見易くした遊技機を提供することができる。なお、本明細書中で言う「機体」とは、遊技機を構成する1つの部品をいい、例えば上皿、下皿、前面枠、筐体、枠体、箱体、遊技盤、遊技盤部品などである。
【0009】
なお、本明細書は、次のような遊技機に係る発明も開示している。
【0010】
(1) 請求項1に記載の遊技機において、
前記表示手段は電子ペーパであることを特徴とする遊技機。
【0011】
前記(1)に記載の発明によれば、表示手段は電子ペーパとしているので、視野角依存性がないので横からでも見やすく、所望の表示情報を表示するための表示用部材として好適に使用することができる。
【0012】
(2) 請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)に記載の遊技機において、
前記出入手段は、前記表示手段を巻き取った状態で前記機体の内部に収納する収納手段と、
前記表示手段を、前記機体内部に収納された巻き取り状態と、その先端側から前記機体の外部に引き出した状態とに変位する変位手段と
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0013】
前記(2)に記載の発明によれば、出入手段は、表示手段を巻き取った状態で機体の内部に収納する収納手段と、表示手段を機体内部に収納された巻き取り状態とその先端側から機体の外部に引き出した状態とに変位する変位手段とを備えている。つまり、出入手段は、表示手段を巻き取った状態で機体の内部に保持し、表示手段の巻き取りを解除していくようにしてこの表示手段をその先端側から機体の外部に出力可能とするものであるので、非使用時においては表示手段を機体内部にコンパクトに収納でき、使用時においては表示手段を機体から引き出した状態でこの表示手段の表示情報を見ることができる。
【0014】
(3) 前記(2)に記載の遊技機において、
前記出入手段は、遊技用媒体を貯留する上皿または下皿、あるいは前面側に位置する前枠のいずれかの内部に設けられていることを特徴とする遊技機。
【0015】
前記(3)に記載の発明によれば、出入手段は、遊技用媒体を貯留する上皿または下皿、あるいは前面側に位置する前枠のいずれかの内部に設けられているので、当該上皿,下皿,前枠の内部に表示手段をコンパクトに収納することができる。特に、上皿または下皿の内部に表示手段を設けた場合には、遊技者は、遊技機と対峙して席についた状態で表示手段を引き出して、この表示手段をおおよそ腹ないし胸の高さで見ることができるので、見易い姿勢で表示手段を見ることができる。
【0016】
(4) 請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(3)のいずれかに記載の遊技機において、
前記表示手段は、その先端部に、遊技者により把持される把持部を備えていることを特徴とする遊技機。
【0017】
前記(4)に記載の発明によれば、表示手段は、その先端部に、遊技者により把持される把持部を備えているので、遊技者は、必要に応じてその把持部を把持して表示手段を手前側に引き出すことができ、表示手段の引き出し操作を容易に行うことができる。
【0018】
(5) 請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(4)のいずれかに記載の遊技機において、
前記表示手段は、前記第1部材または第2部材のいずれか一方に、前記表示層に印加する電界を形成する複数個の画素電極と、前記画素電極ごとに設けられた、前記画素電極による前記電界の形成と消失とを切り替える切替素子とを備え、その他方に、前記画素電極とともに前記電界を形成するための共通電極を備え、
さらに、前記表示手段は、制御信号を受信する受信手段と、前記受信手段で受信した制御信号に応じて前記複数個の切替素子を駆動制御する駆動制御手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
【0019】
前記(5)に記載の発明によれば、表示手段は、第1部材または第2部材のいずれか一方に、表示層に印加する電界を形成する複数個の画素電極と、この画素電極ごとに設けられた、画素電極による電界の形成と消失とを切り替える切替素子とを備え、その他方に、画素電極とともに電界を形成するための共通電極を備え、さらに、この表示手段は、制御信号を受信する受信手段と、この受信手段で受信した制御信号に応じて複数個の切替素子を駆動制御する駆動制御手段とを備えている。したがって、表示手段に表示させていた表示情報を新たな表示情報に書き換えて表示させることができ、種々の表示情報を表示することができる。例えば、機種変更等する場合においても、表示手段の表示情報を新たな表示情報に書き換え変更することができ、表示手段を別の表示手段に交換するという部品交換を不要とすることができることから、この表示手段を新たな表示態様で継続使用することができ、機種変更に伴う廃棄部品の発生を低減することができる。また、表示手段の表示データを書き換えるだけでよいことから、機種変更を容易に行うことができる。その結果、機種変更に対して柔軟に対応できる遊技機を提供できる。
【0020】
(6) 請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(5)のいずれかに記載の遊技機において、
前記表示手段の表示情報を制御する表示制御手段を備えていることを特徴とする遊技機。
【0021】
前記(6)に記載の発明によれば、表示手段の表示情報を制御する表示制御手段を備えているので、表示手段の表示情報を変更するために、遊技機とは別体で外部の制御手段に接続するなどして表示手段を制御するというような必要がなく、表示制御手段からの指示によって表示手段の表示情報を迅速に容易に変更することができる。
【0022】
(7) 前記(6)に記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記遊技機の遊技を制御する主制御手段または前記遊技機の識別情報を変動表示する識別情報変動表示手段を表示制御する識別情報表示制御手段からの指示に基づいて、前記表示手段の表示情報を制御することを特徴とする遊技機。
【0023】
前記(7)に記載の発明によれば、表示制御手段は、遊技機の遊技を制御する主制御手段または遊技機の識別情報を変動表示する識別情報変動表示手段を表示制御する識別情報表示制御手段からの指示に基づいて、表示手段の表示情報を制御するので、主制御手段または識別情報表示制御手段からの指示に基づいて表示手段の表示情報を変更制御することができる。
【0024】
(8) 請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(7)のいずれかに記載の遊技機において、
前記表示手段は、遊技情報またはその他の情報である提供情報を遊技状態にかかわらず常時に表示するものであることを特徴とする遊技機。
【0025】
前記(8)に記載の発明によれば、表示手段は、遊技状態にかかわらず常時に遊技情報またはその他の情報である提供情報を表示するので、遊技者は、表示手段の所定領域に表示される提供情報(遊技情報または他の情報)を見ることができ、遊技機の遊技情報を取得することができる。
【0026】
(9)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(8)のいずれかに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機。
【0027】
前記(9)に記載の遊技機によれば、種々の情報を省スペースでしかも遊技者にとって見易くしたパチンコ機を提供できる。なお、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて遊技用媒体としての球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞手段(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0028】
(10)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(8)のいずれかに記載の遊技機において、
前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機。
【0029】
前記(10)に記載の遊技機によれば、種々の情報を省スペースでしかも遊技者にとって見易くしたスロットマシンを提供できる。なお、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技用媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0030】
(11)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(8)のいずれかに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機。
【0031】
前記(11)に記載の遊技機によれば、種々の情報を省スペースでしかも遊技者にとって見易くした、パチンコ機とスロットマシンとを融合させたものを提供できる。なお、この融合させたものの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する識別情報変動表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技用媒体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
本実施例では、遊技機の一例として弾球遊技機の一種であるパチンコ機、特に、第1種パチンコ遊技機を用いて説明する。なお、本発明を第3種パチンコ遊技機(権利物とも呼ばれる)や、コイン遊技機、スロットマシン等の他の遊技機に用いることは、当然に可能である。
【0033】
図1は、本実施例のパチンコ機の概略正面図であり、図2はパチンコ機の遊技盤の概略正面図であり、図3は本実施例のパチンコ機の電気的接続を例示するブロック図である。本実施例のパチンコ機Pは、図1に示すように、遊技盤1と、球を貯留する上受け皿2および下受け皿3と、球を遊技盤1へ発射するための発射ハンドル4と、パチンコ機P全体を制御するメイン制御装置70(図3参照)とを備えている。遊技盤1は、前面枠1aに嵌め込まれた例えばガラス製の透明板1bに覆われている。なお、上述した前面枠1aが本発明における機体に相当する。
【0034】
図2に示すように、遊技盤1は、この遊技盤1の略中央に配置された特別図柄表示装置40と、この特別図柄表示装置40の下側に配置されて球の入賞を検知する特別図柄始動口スイッチ44を有する始動口42と、この始動口42に取り付けられて開閉可能なチューリップ式の普通電動役物46と、始動口42の下側に配置されて開閉可能な大入賞口50と、遊技盤1の左右下部に計4個配置された普通入賞口60a〜60dと、いずれの入賞口にも入らなかった球を回収する回収口としてのアウトロ69とを備えている。
【0035】
始動口42に設けられたチューリップ式の普通電動役物46は、所定条件が成立した場合に当りとしてそのチューリップを図2の二点鎖線で示すように所定時間(例えば0.3秒間)開くものとして構成されている。
【0036】
特別図柄表示装置40は、液晶ディスプレイなどの表示装置として構成されており、図3に示す表示用制御装置90により表示内容が制御されている。特別図柄表示装置40は、図4に示すように、左列L、中列M、右列Rの3列で構成され、各列ごとに上から順に上図柄、中図柄、下図柄の3個の図柄を表示し、上から下へ垂直方向に変動表示を行う。表示用制御装置90は、球が始動口42に入賞するのを検知したときに左列L、中列M、右列Rのそれぞれに一連の図柄を変動表示させる。一連の図柄は、主図柄(例えば麻雀牌)と、副図柄(例えばサイコロ)とにより構成され、周期性を持って主図柄と副図柄が上から下へと変動表示される。この一連の図柄の表示順序は、中列Mおよび右列Rにおいては、麻雀牌の「一萬」〜「九萬」、「龍」、「發」、「中」の主図柄と、各主図柄間に設けられたサイコロからなる副図柄の順つまり昇順であり、この後再び麻雀牌の「一萬」の主図柄に戻る。一方、左列Lにおいては、同様の一連の図柄が表示されるが、表示順序は昇順ではなく降順である。そして、左列L、右列R、中列Mの順に変動表示を停止させ、横上行L1、横中央行L2、横下行L3、斜め右上列L4、斜め左上列L5のいずれかのラインで主図柄が揃ったときに大当たりとして特別遊技動画を表示させる。
【0037】
遊技盤1には、特別図柄表示装置40の上部に4個の特別図柄変動保留ランプ41a〜41dが設けられている。この特別図柄変動保留ランプ41a〜41dは、特別図柄表示装置40による左列L、中列M、右列Rの変動表示の最中や特別遊技動画を表示している最中に球が始動口42に入賞するごとに左側から順に一つずつ点灯され、特別図柄表示装置40による左列L、中列M、右列Rの変動表示が開始されるごとに点灯とは逆の順に消灯されることにより、変動表示の最中や特別遊技動画を表示している最中に始動口42に入賞した球数を最大4個まで保留球数として示す。
【0038】
大入賞口50は、通常は球を受け入れない閉状態とされており、大当りのときに、図3に示す大入賞口駆動装置52によって球を受け入れやすい開状態と通常の閉状態とが所定の条件に基づいて繰り返されるように駆動される。大入賞口50には、球の入賞をカウントする10カウントスイッチ54(図3参照)や、大入賞口50の右部に設けられたVゾーン56に球が入賞したのを検出するVカウントスイッチ58(図3参照)が取り付けられている。
【0039】
遊技盤1には、この他、発射された球を円弧上に導くレール62と、遊技盤1の中央部に導く左右の肩部に配置されたランプ風車64a,64bと、特別図柄表示装置40の両横に配置された風車66a,66bと、特別図柄表示装置40の両横等の近傍に取り付けられた複数個のインジケータ68a,68bなども取り付けられている。なお、図1,図2では、球をガイドしたり弾いたりしてその遊技性を高める複数個の釘についての図示を省略している。
【0040】
図3に示すように、メイン制御装置70は、ワンチップマイコン71と、このワンチップマイコン71に電源供給する電源回路73とを備えている。このワンチップマイコン71は、演算処理を行うCPU72と、各種の処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路78とが、1チップ内に収められたものである。CPU72とROM74とRAM76とクロック回路78とは、バス82によって入出力処理回路80と接続されている。メイン制御装置70には、普通図柄始動口スイッチ36a,36bからの通過信号と、特別図柄始動口スイッチ44からの始動信号と、10カウントスイッチ54からのカウント信号と、Vカウントスイッチ58からのV信号と、普通入賞スイッチや賞球カウントスイッチなどの他の入力装置88からの入力信号となどが入出力処理回路80を介して入力されている。また、メイン制御装置70からは、大入賞口駆動装置52への駆動信号と、特別図柄変動保留ランプ41a〜41dへの点灯信号と、普通電動役物46への駆動信号と、スピーカ86が接続された音声用制御装置84への制御信号と、特別図柄表示装置40の表示制御を司る表示用制御装置90への制御信号などが入出力処理回路80を介して出力されている。
【0041】
ここで、本発明の特徴部分の1つである構成について、図5〜図7を用いて以下に説明する。図5は本実施例のパチンコ機の上受け皿部分の外観斜視図である。図6は上受け皿の内部に電子ペーパが巻き取り収納されている状態を示す説明図である。図7は上受け皿の内部の電子ペーパが引き出された状態を示す正面図である。
【0042】
図5に示すように、パチンコ機Pの上受け皿2の正面外側面には、電子ペーパ10が出入自在な出入口12が備えられている。図6に示すように、電子ペーパ10は、上受け皿2の内部に巻き取られた状態で収納されており、使用状態時には2点鎖線で示すように上受け皿2から引き出された状態となる。つまり、パチンコ機Pは、電子ペーパ10を上受け皿2に対して出入させる出入装置14を、上受け皿2の内部に備えている。電子ペーパ10は、例えば、正面視で四角形状となっており、側面視で厚みの薄いものであり、柔軟性のある可変表示部材となっている。なお、電子ペーパ10の表示機能の構成については後述することとする。
【0043】
図6に示すように、出入装置14は、電子ペーパ10を巻き取った状態で上受け皿2の内部に収納する収納機構部20と、電子ペーパ10を、上受け皿2の内部に収納された巻き取り状態と、その先端側から上受け皿2の外部に引き出した状態とに変位する変位機構部30とを備えている。
【0044】
収納機構部20は、電子ペーパ10の一端側である基端部が固定された状態で、この電子ペーパ10が軸心周りに巻き取られた円柱部材22と、この円柱部材22の両端側にそれぞれ設けられて、この円柱部材22を軸支するための軸受24とを備えている。
【0045】
変位機構部30は、渦巻き中央側の端部32aが円柱部材22の一端側に固定され、渦巻きの外側の端部32bが例えば上受け皿2に固定された渦巻きバネ32と、円柱部材22の他端側に設けられ、保持状態では円柱部材22を逆戻り(逆回転)させない、つまり図6に2点鎖線で示す方向に回転させないように保持するとともに、解除状態では円柱部材22の逆回転を可能とするラチェット機構部34と、このラチェット機構部34による円柱部材22の保持を解除させるためのボタン部36とを備えている。
【0046】
また、図6に示すように、電子ペーパ10の基端部に対して反対側に位置する他端部10aには、上受け皿2の出入口12の上下方向の幅Dよりも大きい歯止め部材16が設けられている。つまり、電子ペーパ10が円柱部材22に巻き取られた状態でこの電子ペーパ10の他端部10aが上受け皿の出入口12付近に留めることができるようになっている。さらに、この歯止め部材16には、遊技者などによって把持される把持部18が設けられている。つまり、電子ペーパ10の把持部18を遊技者などが把持して引っ張ることで、電子ペーパ10の他端部10aを上受け皿2の出入口12から引き出し易くなっている。
【0047】
なおここで、上受け皿2の内部の電子ペーパ10を引き出す動作と、上受け皿2の内部に電子ペーパ10を収納する動作とについて説明する。図6に示すように、上受け皿2の内部に収納された電子ペーパ10の把持部18を遊技者などが把持して手前側に引いていくと、上受け皿2の出入口12から電子ペーパ10が引き出されていくとともに、渦巻きバネ32の中央の渦巻きがきつく巻かれていくことになる。なお、このときラチェット機構部34により、円柱部材22を逆戻り(逆回転)させないように保持される。つまり、図7に示すように、電子ペーパ10が引き出された状態で保持されるのである。遊技者は、図7に示すように引き出された状態の電子ペーパ10を見ることで、この電子ペーパ10に表示された各種の情報を得ることができる。
【0048】
電子ペーパ10を見終えた場合などこの電子ペーパ10を収納しようとするときには、遊技者はボタン部36を押下する。ボタン部36が押下されると、ラチェット機構部34による逆戻り(逆回転)防止が解除され、渦巻きバネ32はきつく巻かれた状態から通常状態(緩やかに巻かれた状態)に戻ろうとして円柱部材22を2点鎖線で示す方向に回転させ、この回転によって円柱部材22に電子ペーパ10が巻き取られていき、電子ペーパ10の他端部10aの歯止め部材16が上受け皿2の出入口12に当たった状態で、円柱部材22への電子ペーパ10の巻き取りが停止することになる。
【0049】
上述した上受け皿2が本発明における上皿に相当し、上述した出入装置14が本発明における出入手段に相当し、上述した収納機構部20が本発明における収納手段に相当し、上述した変位機構部30が本発明における変位手段に相当する。
【0050】
図3に示すように、本実施例のパチンコ機Pは、メイン制御装置70から指示を受けた表示用制御装置90による指示に基づいて、上受け皿2に設けられた電子ペーパ10の表示情報を制御する電子ペーパ制御装置207を備えている。
【0051】
この電子ペーパ制御装置207は、表示用制御装置90による指示に基づいて、電子ペーパ10の表示情報を変更表示するようにこの電子ペーパ10を表示制御するものである。例えば、図7に示すように、電子ペーパ10には、本実施例のパチンコ機Pの名称としての「○○パラダイス」文字表示や、大当り確率が1/315であること、確変割合が1/2であること、リミット回数が200回であること、賞球数が5&10&15であること、確変図柄が1,3,5,7,9であること、今日の大当り回数がN回(例えば5回)であることなど、遊技者に提供したい各種の遊技情報を表示するものである。なお、電子ペーパ10は、電子ペーパ制御装置207により所定の駆動電圧が一旦与えられると、例えば、図7に示すような表示情報が表示され、その後に電子ペーパ制御装置207からの駆動電圧が除去されても、その表示を保持できるという特性を備えている。
【0052】
なお、上述した電子ペーパ制御装置207が本発明における表示制御手段に相当し、上述したメイン制御装置70が本発明における主制御手段に相当し、上述した特別図柄表示装置40が本発明における識別情報変動表示手段に相当し、上述した表示用制御装置90が本発明における識別情報表示制御手段に相当する。
【0053】
次に、図8,図9を用いて電子ペーパ10の構成について詳細に説明する。図8は、電子ペーパ10の構成例を示す断面図、図9は、図8に示す電子ペーパ10のマイクロカプセルを示す断面図である。
【0054】
なお、図8に示す電子ペーパ10は、電気泳動(Electrophoresis )を利用した、表示パターンの書き換えや消去が可能な表示手段(表示媒体)である。
【0055】
この電子ペーパ10は、可撓性を有するシート状の第1基材221と、可撓性を有するシート状の第2基材220と、この第1基材221と第2基材220との間に形成された電子インク層222とで構成されている。電子インク層222の図6中上側の面が、表示パターンが表示される表示面222Aとなっている。
【0056】
電子インク層222は、光透過性を有する(透明な)バインダ223と、このバインダ223中に均一に分散した状態で固定されている複数のマイクロカプセル224とで構成されている。電子インク層222の厚さaは、マイクロカプセル224の外径(直径)bの1.5〜2倍程度が好ましい。また、バインダ223としては、例えば、ポリビニルアルコール等を用いることができる。
【0057】
図9に示すように、マイクロカプセル224は、中空の球状の光透過性を有するカプセル本体225を有している。このカプセル本体225内には、液体(溶媒)226が充填されており、この液体226中には、負に帯電した複数の帯電粒子227が分散している。帯電粒子227は、核228と、この核228を被覆する被覆層229とで構成されている帯電粒子227および液体226の色は、互いに異なるように設定される。例えば、帯電粒子227の色は、白色とされ、液体226の色は、青色、赤色、緑色またはは黒色とされる。こうすることでカラー表示することができる。
【0058】
マイクロカプセル224に外部電界(電場)を印加すると、帯電粒子227は、カプセル本体225内で、前記電界の方向と逆方向に移動する。
【0059】
例えば、マイクロカプセル224の図10中上側(表示面222A側)に正に帯電した電極が位置すると、図10中下側に向って電界が生じ、これにより、帯電粒子227は、カプセル本体225内の図10中上側に移動(浮上)する。この帯電粒子227により、マイクロカプセル224の図10中上側の色は、白色になる。
【0060】
逆に、マイクロカプセル224の図11中上側に負に帯電した電極が位置すると、図11中上側に向って電界が生じ、これにより、帯電粒子227は、カプセル本体225内の図11中下側に移動(沈下)する。この場合には、カプセル本体225内の図11中上側に液体226が位置するので、液体の色が青色ならば、マイクロカプセル224の図11中上側の色は、青色になる。
【0061】
また、マイクロカプセル224は、液体226の比重と帯電粒子227の比重とが等しくなるように構成されている。
【0062】
これにより、帯電粒子227は、図10中上側または図11中下側に移動後、電界が消失しても、一定の位置に長期間位置することができ、マイクロカプセル224の図10,図11中上側の色が白色、または液体の色、例えば青色に長期間保持される。すなわち、電子ペーパ10の表示が、長期間保持される。
【0063】
なお、液体226の比重と帯電粒子227の比重とを等しくするには、例えば、被覆層229の厚さd等を調節すればよい。マイクロカプセル224の外径bは、180μm以下が好ましく、10〜20μm程度がより好ましい。帯電粒子227の核228としては、例えば、TiO2 (ルチル構造)等を用いることができる。また、帯電粒子227の被覆層229としては、例えば、ポリエチレン等を用いることができる。また、液体226としては、例えば、四塩化エチレンとイソパラフィンとに、アントラキン系染料を溶解したもの等を用いることができる。
【0064】
なお、上述した第1基材221が本発明における第1部材に相当し、上述した第2基材220が本発明における第2部材に相当し、上述した電子インク層222が本発明における表示層に相当する。
【0065】
第1基材221には、共通電極(下部電極)323が形成されている。また、第2基材220には、複数の画素電極(上部電極)を備えた回路基板313が形成されている。図12は、回路基板313の回路構成を模式的に示す図である。図12に示すように、この回路基板313は、可撓性(柔軟性)を有する樹脂製の基板261を有している。
【0066】
この基板261上には、行列状に配置(配列)された複数の四角形の画素電極264と、各画素電極264の導通、非導通をそれぞれ切り替える複数の薄膜トランジスタ(TFT)265と、各薄膜トランジスタ265のゲートに電圧(信号)を印加するゲートドライバ262と、各薄膜トランジスタ265のソースに電圧(信号)を印加するソースドライバ263と、図12中横方向に延びる複数のゲートライン271と、図12中縦方向に延びる複数のソースライン281とが、それぞれ形成されている。
【0067】
1つの画素電極264が、1画素(ドット)に相当する。また、各画素電極264のピッチは、特に限定されないが、500〜5000dpi(ドット/インチ)程度が好ましい。なお、画素電極264の形状が四角形に限定されないことは言うまでもない。また、画素電極264の配列のパターンは、行列状に限定されず、例えば、画素電極264がデルタ状に並んでいても差し支えない。
【0068】
以下、図12中、最も上側の横方向の配列を「第1行(1行目)」、上側からN番目の横方向の配列を「第N行(N行目)」と言う。また、図12中、最も左側の縦方向の配列を「第1列(1列目)」、左側からN番目の縦方向の配列を「第N列(N列目)」と言う。
【0069】
ゲートドライバ262には、図12中横方向に延びる複数のゲートライン271が、それぞれ接続されている。また、ソースドライバ263には、図12中縦方向に延びる複数のソースライン281が、それぞれ接続されている。そして、各薄膜トランジスタ265のゲートは、それぞれ、対応するゲートライン271に接続されている。また、各薄膜トランジスタ265のソースは、それぞれ、対応するソースライン281に接続されており、各薄膜トランジスタ265のドレインは、それぞれ、対応する画素電極264に接続されている。
【0070】
ゲートドライバ262は、ゲートライン271を1行(ライン)ごとに順次走査する。例えば、「N行目のゲートライン271を走査する」とは、N行目のすべての薄膜トランジスタ265のゲートに走査時間(時間)tの間だけ電圧(走査電圧)を印加し、N行目のすべての薄膜トランジスタ265(薄膜トランジスタ65のゲート)を走査時間tの間だけオンにすることを言う。このようにゲートドライバ262の役割は、N行目の次はN+1行目、N+1行目の次はN+2行目と、順次走査すること、すなわち、順次、行単位で(1行ごとに)その行のすべての薄膜トランジスタ265を走査時間tの間だけオンさせることである。
【0071】
ソースドライバ263は、データライン駆動回路とも呼ばれ、所定のゲートライン271に走査電圧が印加されたとき、すなわち、所定の行の薄膜トランジスタ265がすべてオンしたとき、画素電極264に、ソースライン281および前記薄膜トランジスタ265を介して制御信号(表示パターンを示す信号)に応じた電圧を印加する回路である。
【0072】
所定のゲートライン271に走査電圧が印加されたときに、所定のソースライン281に前記電圧が印加されることにより、対応する画素電極264が導通する。これにより、例えば対応する画素電極264に所定の大きさ(例えばVボルト)の電圧(電位)が印加された場合には、図13に示すように、その画素電極264を正に帯電させることができる。なお、共通電極323の電位をV/2ボルトに設定しており、共通電極323に向って電界が形成される(生じる)。また、対応する画素電極264に所定の大きさ(例えば0ボルト)の電圧(電位)が印加された場合には、共通電極323の電位をV/2ボルトに設定しているので、図14に示すように、その画素電極264を負に帯電させることができ、画素電極264に向って電界が形成される(生じる)。これにより、各画素電極264と共通電極323との間に方向の異なる2つの電界を選択的に形成し、表示パターンを表示する。なお、各画素電極264と共通電極323との間に方向の異なる2つの電界を選択的に形成することができることから、表示パターンがオーバーライト可能である。
【0073】
画素電極264と共通電極323との間に印加される電圧(画素電極264と共通電極323の電位差)の大きさは、特に限定されないが、絶対値で、10ボルト以上が好ましく、20ボルト以上がより好ましい。
【0074】
図12に示すように、電子ペーパ10は、ゲートドライバ262およびソースドライバ263に接続され、電子ペーパ制御装置207から制御信号を受信するためのコネクタ部208と、コネクタ部208とゲートドライバ262およびソースドライバ263をそれぞれ接続する配線部209とを備えている。なお、コネクタ部208は、電子ペーパ10の端部側の所定位置に一体的に設けられている。また、コネクタ部208および配線部209は、出入装置14による電子ペーパ10の巻き取り動作に邪魔にならないようになっている。例えば、コネクタ部208を、電子ペーパ10の側端部(基端部、他端部以外の端部)に設け、配線部209を十分な長さのものとするなど、種々の方法が採用可能である。各薄膜トランジスタ265の駆動は、それぞれ、制御手段207により、ゲートドライバ262およびソースドライバ263を介して制御される。電子ペーパ制御装置207は、通常、ロジック回路とメモリ回路等からなる集積回路で構成され、表示用制御装置90からの指示に基づいて各薄膜トランジスタ265の制御を行う。
【0075】
なお、上述した薄膜トランジスタ265が本発明における切替素子に相当し、上述したコネクタ部208および配線部209が本発明における受信手段に相当し、上述したゲートドライバ262およびソースドライバ263が本発明における駆動制御手段に相当する。
【0076】
ここで、上述の第2基材220の画素電極264および第1基材221の共通電極323の電圧(電位)を制御する方法について、図15を用いて説明する。図15は、第2基材220の画素電極264および第1基材221の共通電極323の電圧(電位)と、それに対応する表示パターンとを示す図である。
【0077】
この方法で、電子ペーパ10に表示パターンを形成する場合には、共通電極323の電圧242を、画素電極264の電圧241の最高値と最低値との中間の値(中間値=一定値)に設定する。すなわち、画素電極264の電圧241が0からVボルトに変化する場合(最高値=Vボルト、最低値=0ボルトの場合)には、共通電極323の電圧242をV/2ボルトに設定する。
【0078】
例えば、図15に示す表示パターン243を電子ペーパ10の所定の行に描画する場合、その行に対応する行の薄膜トランジスタ265のゲートがオンしているとき、それらの薄膜トランジスタ265のソースに、電圧パターン241aで示す電圧、すなわち、0またはVボルトの電圧を印加する。その際、共通電極323の電圧242を、電圧パターン242aで示す電圧、すなわち、V/2ボルトに設定する。
【0079】
このようにすると、例えば、(N−2)列目では、画素電極264の電圧241はVボルトであり、共通電極323の電圧242はV/2ボルトであるので、電界は画素電極264から共通電極323に向って形成され、電子ペーパ10の各帯電粒子227は、それぞれ、カプセル本体225内の図10中上側に移動し、電子ペーパ10の表示面222Aの色は白色になる。
【0080】
逆に、(N−1)列目では、画素電極264の電圧241は0ボルトであり、共通電極323の電圧242はV/2ボルトであるので、電界は共通電極323から画素電極264に向って形成され、電子ペーパ10の各帯電粒子227は、それぞれ、カプセル本体225内の図11中下側に移動し、電子ペーパ10の表示面222Aの色は青色になる。
【0081】
以下、同様にして、N列目〜(N+3)列目についても画素電極264の電圧241に従って、画素電極264と共通電極323との間に形成される電界の方向、すなわち、電子ペーパ10の色が決まり、電子ペーパ10の所定の行に表示パターン243を描画することができる。
【0082】
このようにして、電子ペーパ10の表示面222Aの所定の部位(画素)の色は、画素電極264の電圧241のみによって一意的に決まるので、以前に電子ペーパ10の表示面222Aの色が何色になっていたかにかかわらず、電子ペーパ10の各画素電極264と共通電極323を制御することで、その電子ペーパ10に表示パターンを描画することができる(白と青のパターンが一意的に決まる)。すなわち、電子ペーパ10に表示パターンをオーバーライトすることができ、電子ペーパ10に、繰り返し、文字、数字、図形等の所定の表示情報(例えば、図7に示すような表示情報)を描画することができる。なお、上述した電子ペーパ10が本発明における表示手段に相当する。
【0083】
ここで、本発明の1つの特徴部分である、電子ペーパ10の表示情報を変更表示する処理について、図3,図7を用いて説明する。
【0084】
電子ペーパ10にパチンコPの遊技情報(図7参照)が表示されている場合に、これとは別の新たな情報を表示させる場合には、図3に示すように、メイン制御装置70のCPU72は、この新たな情報を表示させるように表示用制御装置90を制御する。つまり、表示用制御装置90はメイン制御装置70から新たな遊技情報についての表示指示を受けると、電子ペーパ10にパチンコPの新たな遊技情報(図7参照)を表示させるように、電子ペーパ制御装置207を制御する。電子ペーパ制御装置207により、新たな情報についての駆動電圧が電子ペーパ10に与えられると、電子ペーパ10はこの新たな情報を表示することになる。
【0085】
上述したように本実施例のパチンコ機Pによれば、第1基材221と第2基材220との間に挟持された電子インク層222中の帯電粒子227を移動させて色を変化させることにより所定の表示情報を表示する、柔軟性のある電子ペーパ10を上受け皿2の内部に備え、電子ペーパ10を上受け皿2に対して出入させる出入装置14を備えているので、電子ペーパ10を見るときにこの電子ペーパ10を上受け皿2から引き出すことができ、遊技者は引き出された電子ペーパ10を見て所望の情報を得ることができる。また、電子ペーパ10を見る必要がなくなったときには、電子ペーパ10を上受け皿2内に収納することができるので、電子ペーパ10が邪魔になることもない。したがって、場所を取らずに電子ペーパ10を具備することができる。つまり、上受け皿2の正面視での面積を必要以上に占有することなく表示手段(電子ペーパ10)を具備することができる。また、遊技者に提供すべき情報を表示するための表示ラベル(シール)等を機体(遊技盤1,上受け皿2,下受け皿3,前面枠1aなど)の所定箇所に遊技者からいつでも見えるように設けておくことを不要にできる。その結果、種々の情報を省スペースでしかも遊技者にとって見易くした遊技機を提供することができる。
【0086】
また、電子ペーパ10はカラー表示が可能なものとしているので、視野角依存性がないので横からでも見やすく、所望の表示情報を表示するための表示用部材として好適に使用することができる。
【0087】
また、出入装置14は、電子ペーパ10を巻き取った状態で上受け皿2の内部に収納する収納機構部20と、電子ペーパ10を上受け皿2内部に収納された巻き取り状態とその先端側から上受け皿2の外部に引き出した状態とに変位する変位機構部30とを備えている。つまり、出入装置14は、電子ペーパ10を巻き取った状態で上受け皿2の内部に保持し、電子ペーパ10の巻き取りを解除していくようにしてこの電子ペーパ10をその先端側から上受け皿2の外部に出力可能とするものであるので、非使用時においては電子ペーパ10を上受け皿2内部にコンパクトに収納でき、使用時においては電子ペーパ10を上受け皿2から引き出した状態でこの電子ペーパ10の表示情報を見ることができる。
【0088】
また、電子ペーパ10は、その先端部に、遊技者により把持される把持部18を備えているので、遊技者は、必要に応じてその把持部18を把持して電子ペーパ10を手前側に引き出すことができ、電子ペーパ10の引き出し操作を容易に行うことができる。
【0089】
また、電子ペーパ10は、第1基材221または第2基材220のいずれか一方に、電子インク層222に印加する電界を形成する複数個の画素電極264と、この画素電極264ごとに設けられた、画素電極264による電界の形成と消失とを切り替える薄膜トランジスタ265とを備え、その他方に、画素電極264とともに電界を形成するための共通電極323を備え、さらに、この電子ペーパ10は、制御信号を受信するコネクタ部208および配線部209と、このコネクタ部208および配線部209で受信した制御信号に応じて複数個の薄膜トランジスタ265を駆動制御するゲートドライバ262およびソースドライバ263とを備えている。したがって、電子ペーパ10に表示させていた表示情報を新たな表示情報に書き換えて表示させることができ、種々の表示情報を表示することができる。例えば、機種変更等する場合においても、電子ペーパ10の表示情報を新たな表示情報に書き換え変更することができ、電子ペーパ10を別の表示手段に交換するという部品交換を不要とすることができることから、この電子ペーパ10を新たな表示態様で継続使用することができ、機種変更に伴う廃棄部品の発生を低減することができる。また、電子ペーパ10の表示データを書き換えるだけでよいことから、機種変更を容易に行うことができる。その結果、機種変更に対して柔軟に対応できる遊技機を提供できる。
【0090】
また、電子ペーパ10の表示情報を制御する電子ペーパ制御装置207を備えているので、電子ペーパ10の表示情報を変更するために、パチンコ機Pとは別体で外部の制御手段に接続するなどして電子ペーパ10を制御するというような必要がなく、電子ペーパ制御装置207からの指示によって電子ペーパ10の表示情報を迅速に容易に変更することができる。
【0091】
また、電子ペーパ制御装置207は、パチンコ機Pの図柄を変動表示する特別図柄表示装置40を表示制御する表示用制御装置90からの指示に基づいて、電子ペーパ10の表示情報を制御するので、表示用制御装置90からの指示に基づいて電子ペーパ10の表示情報を変更制御することができる。
【0092】
電子ペーパ10は、遊技状態にかかわらず常時に遊技情報またはその他の情報である提供情報を表示するので、遊技者は、電子ペーパ10の所定領域に表示される提供情報(遊技情報または他の情報)を見ることができ、パチンコ機Pの遊技情報を取得することができる。
【0093】
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0094】
(1)上述の実施例では、電子ペーパ10を手動操作により機体(例えば上受け皿2)に対して出入させているが、電子ペーパ10の機体(例えば上受け皿2)からの引き出しまたは電子ペーパ10の機体(例えば上受け皿2)内部への収納の少なくとも一方を自動で行うようにしてもよい。
【0095】
(2)上述の実施例では、図10,図11に示すように、電気泳動を利用した電子ペーパ10に、複数の画素電極264と薄膜トランジスタ265とゲートドライバ262とソースドライバ263とを備えたマトリクス回路を設けているが、トナータイプの電子ペーパやその他のタイプの電子ペーパに上述のマトリクス回路を設けるようにしてもよい。
【0096】
(3)上述の実施例では、図5に示すように、パチンコ機Pの上受け皿2に電子ペーパ10を設けているが、パチンコ機Pの上受け皿2以外の部材であって遊技者から見える部材、例えば、下受け皿3や遊技盤1(例えば、前面枠1a)や遊技盤部品などの所定箇所に電子ペーパ10を設けるようにしてもよい。例えば、遊技盤部品としての、特別図柄表示装置40の表示画面の周囲の少なくとも一部を覆うようにした覆い部材(例えば、いわゆるセンターフレーム)の所定箇所(例えば上部)の内部に電子ペーパ10を設け、所定の出動条件が成立したときに、特別図柄表示装置40の表示画面の少なくとも一部が隠されるように電子ペーパ10が引き出され、所定の収納条件が成立したときに、覆い部材の内部に電子ペーパ10を収納するようにしてもよい。
【0097】
(4)上述の実施例では、図17に示すように、電子ペーパ10を、正面視で略四角形状のものとしているが、その形状に限定されるものではなく、帯状など種々の形状のものとしてもよい。
【0098】
(5)上述の実施例では、図12に示すように、コネクタ部208および配線部209で外部機器からの制御信号を有線にて受信するようにしているが、コネクタ部208に替えて受信部を備えるようにして、電子ペーパ制御装置207からの制御信号を無線にて受信するようにしてもよい。
【0099】
(6)上述の実施例では、電子ペーパ制御装置207は、パチンコ機Pの図柄を変動表示する特別図柄表示装置40を表示制御する表示用制御装置90からの指示に基づいて、電子ペーパ10の表示情報を制御しているが、パチンコ機Pの遊技を制御するメイン制御装置70から直接に指示を受けて電子ペーパ10の表示情報を制御してもよい。
【0100】
(7)上述の実施例では、出入口12を水平方向に設けているが、縦方向に設けてもよい。
【0101】
(8)上述の実施例では、電子ペーパ10を丸めた状態で機体(例えば上受け皿2)の内部に収納しているが、電子ペーパ10を丸めていない状態(例えば、平面形状のまま)で機体内部に収納するようにしてもよい。
【0102】
(9)上述の実施例では、電子ペーパ10に遊技情報を表示するようにしているが、遊技情報に限らず、遊技場からの情報(特典情報や案内情報など種々の情報)や、時事ニュースや天気予報など世間一般に共通する情報などを、電子ペーパ10に表示するようにしてもよい。
【0103】
(10)本発明を上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される。)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞されることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。また、球が所定の入賞口に入ることで特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機等の各種遊技機として実施するようにしてもよい。
【0104】
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定されるものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となり、この場合、遊技用媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0105】
なお、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受け皿に多量の球が払い出されるものである。
【0106】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、第1部材と第2部材との間に挟持された表示層中の帯電粒子を移動させて色を変化させることにより所定の表示情報を表示する柔軟性のある表示手段を機体の内部に備え、表示手段を機体に対して出入させる出入手段を備えているので、表示手段を見るときにこの表示手段を機体から引き出すことができ、遊技者は引き出された表示手段を見て所望の情報を得ることができる。また、表示手段を見る必要がなくなったときには、表示手段を機体内に収納することができるので、表示手段が邪魔になることもない。したがって、場所を取らずに表示手段を具備することができる。つまり、機体の正面視での面積を必要以上に占有することなく表示手段を具備することができる。また、遊技者に提供すべき情報を表示するための表示ラベル(シール)等を機体の所定箇所に遊技者からいつでも見えるように設けておくことを不要にできる。その結果、種々の情報を省スペースでしかも遊技者にとって見易くした遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のパチンコ機の概略正面図である。
【図2】パチンコ機の遊技盤の概略正面図である。
【図3】実施例のパチンコ機の電気的接続を例示するブロック図である。
【図4】特別図柄表示装置における主図柄と副図柄とから構成される左列、中列、右列の図柄を例示した説明図である。
【図5】本実施例のパチンコ機の上受け皿部分の外観斜視図である。
【図6】上受け皿の内部に電子ペーパが巻き取り収納されている状態を示す説明図である。
【図7】上受け皿の内部の電子ペーパが引き出された状態を示す正面図である。
【図8】実施例の電子ペーパの構成例を示す断面図である。
【図9】実施例の電子ペーパのマイクロカプセルを示す断面図である。
【図10】実施例の電子ペーパの表示面が白色に見える場合の断面図である。
【図11】実施例の電子ペーパの表示面が青色に見える場合の断面図である。
【図12】回路基板の回路構成を模式的に示す図である。
【図13】実施例の電子ペーパの1画素分を示す側面図である。
【図14】実施例の電子ペーパの1画素分を示す側面図である。
【図15】第2基材の画素電極および第1基材の共通電極の電圧とそれに対応する表示パターンとを示す図である。
【符号の説明】
1a… 前面枠(機体、前枠)
2 … 上受け皿(機体、上皿)
3 … 下受け皿(機体、下皿)
10 … 電子ペーパ(表示手段)
14 … 出入装置(出入手段)
18 … 把持部
20 … 収納機構部(収納手段)
30 … 変位機構部(変位手段)
40 … 特別図柄表示装置(識別情報変動表示手段)
70 … メイン制御装置(主制御手段)
90 … 表示用制御装置(識別情報表示制御手段)
207 … 電子ペーパ制御装置(表示制御手段)
208 … コネクタ部(受信手段)
209 … 配線部(受信手段)
220 … 第2基材(第2部材)
221 … 第1基材(第1部材)
222 … 電子インク層(表示層)
227 … 帯電粒子
262 … ゲートドライバ(駆動制御手段)
263 … ソースドライバ(駆動制御手段)
264 … 画素電極
265 … 薄膜トランジスタ(切替素子)
323 … 共通電極
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機やスロットマシン等の遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、遊技機の代表例としてはパチンコ機がある。パチンコ機には、遊技者による操作によって球が打ち込まれ、各種の入賞口や図柄変動表示装置(可変表示装置)などが設けられた遊技領域を有する遊技盤を備えている。この遊技盤の遊技領域の一部には、例えば大当り確率、賞球数などのパチンコ機に関する情報が小さく表示されている。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−815号公報 (第3−4頁、第1,2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来のパチンコ機では、遊技盤の遊技領域の一部に、大当り確率、賞球数などのパチンコ機に関する情報が小さく表示されているので、目立たず、パチンコ機の仕様が遊技者にとってわかり難くなっており、遊技者の興味を引くものではないという問題がある。
【0005】
だからといって、パチンコ機に関する情報を遊技盤に大きく表示することは、以下の理由によりできない。つまり、遊技領域には、遊技者に好まれるように自己のパチンコ機の特徴を表す絵や機種名などの文字などが効果的にデザインされて表示されているので、上述のパチンコ機に関する情報を遊技盤に大きく表示するとパチンコ機のデザインを著しく損なってしまうことになり、遊技者にとって全く興味を引かないものとなる。したがって、本来的に、上述のパチンコ機に関する情報を表示するスペースを遊技盤上で大きく確保することができないのである。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、種々の情報を省スペースでしかも遊技者にとって見易くした遊技機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成を採る。
すなわち、請求項1に記載の発明は、遊技用媒体を用いて遊技を行う遊技機において、第1部材と第2部材との間に挟持された表示層中の帯電粒子を移動させて色を変化させることにより所定の表示情報を表示する柔軟性のある表示手段を機体の内部に備え、前記表示手段を前記機体に対して出入させる出入手段を備えていることを特徴とするものである。
【0008】
(作用・効果)請求項1に記載の発明によれば、遊技用媒体を用いて遊技を行う遊技機において、第1部材と第2部材との間に挟持された表示層中の帯電粒子を移動させて色を変化させることにより所定の表示情報を表示する柔軟性のある表示手段を機体の内部に備え、表示手段を機体に対して出入させる出入手段を備えているので、表示手段を見るときにこの表示手段を機体から引き出すことができ、遊技者は引き出された表示手段を見て所望の情報を得ることができる。また、表示手段を見る必要がなくなったときには、表示手段を機体内に収納することができるので、表示手段が邪魔になることもない。したがって、場所を取らずに表示手段を具備することができる。つまり、機体の正面視での面積を必要以上に占有することなく表示手段を具備することができる。また、遊技者に提供すべき情報を表示するための表示ラベル(シール)等を機体の所定箇所に遊技者からいつでも見えるように設けておくことを不要にできる。その結果、種々の情報を省スペースでしかも遊技者にとって見易くした遊技機を提供することができる。なお、本明細書中で言う「機体」とは、遊技機を構成する1つの部品をいい、例えば上皿、下皿、前面枠、筐体、枠体、箱体、遊技盤、遊技盤部品などである。
【0009】
なお、本明細書は、次のような遊技機に係る発明も開示している。
【0010】
(1) 請求項1に記載の遊技機において、
前記表示手段は電子ペーパであることを特徴とする遊技機。
【0011】
前記(1)に記載の発明によれば、表示手段は電子ペーパとしているので、視野角依存性がないので横からでも見やすく、所望の表示情報を表示するための表示用部材として好適に使用することができる。
【0012】
(2) 請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)に記載の遊技機において、
前記出入手段は、前記表示手段を巻き取った状態で前記機体の内部に収納する収納手段と、
前記表示手段を、前記機体内部に収納された巻き取り状態と、その先端側から前記機体の外部に引き出した状態とに変位する変位手段と
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0013】
前記(2)に記載の発明によれば、出入手段は、表示手段を巻き取った状態で機体の内部に収納する収納手段と、表示手段を機体内部に収納された巻き取り状態とその先端側から機体の外部に引き出した状態とに変位する変位手段とを備えている。つまり、出入手段は、表示手段を巻き取った状態で機体の内部に保持し、表示手段の巻き取りを解除していくようにしてこの表示手段をその先端側から機体の外部に出力可能とするものであるので、非使用時においては表示手段を機体内部にコンパクトに収納でき、使用時においては表示手段を機体から引き出した状態でこの表示手段の表示情報を見ることができる。
【0014】
(3) 前記(2)に記載の遊技機において、
前記出入手段は、遊技用媒体を貯留する上皿または下皿、あるいは前面側に位置する前枠のいずれかの内部に設けられていることを特徴とする遊技機。
【0015】
前記(3)に記載の発明によれば、出入手段は、遊技用媒体を貯留する上皿または下皿、あるいは前面側に位置する前枠のいずれかの内部に設けられているので、当該上皿,下皿,前枠の内部に表示手段をコンパクトに収納することができる。特に、上皿または下皿の内部に表示手段を設けた場合には、遊技者は、遊技機と対峙して席についた状態で表示手段を引き出して、この表示手段をおおよそ腹ないし胸の高さで見ることができるので、見易い姿勢で表示手段を見ることができる。
【0016】
(4) 請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(3)のいずれかに記載の遊技機において、
前記表示手段は、その先端部に、遊技者により把持される把持部を備えていることを特徴とする遊技機。
【0017】
前記(4)に記載の発明によれば、表示手段は、その先端部に、遊技者により把持される把持部を備えているので、遊技者は、必要に応じてその把持部を把持して表示手段を手前側に引き出すことができ、表示手段の引き出し操作を容易に行うことができる。
【0018】
(5) 請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(4)のいずれかに記載の遊技機において、
前記表示手段は、前記第1部材または第2部材のいずれか一方に、前記表示層に印加する電界を形成する複数個の画素電極と、前記画素電極ごとに設けられた、前記画素電極による前記電界の形成と消失とを切り替える切替素子とを備え、その他方に、前記画素電極とともに前記電界を形成するための共通電極を備え、
さらに、前記表示手段は、制御信号を受信する受信手段と、前記受信手段で受信した制御信号に応じて前記複数個の切替素子を駆動制御する駆動制御手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
【0019】
前記(5)に記載の発明によれば、表示手段は、第1部材または第2部材のいずれか一方に、表示層に印加する電界を形成する複数個の画素電極と、この画素電極ごとに設けられた、画素電極による電界の形成と消失とを切り替える切替素子とを備え、その他方に、画素電極とともに電界を形成するための共通電極を備え、さらに、この表示手段は、制御信号を受信する受信手段と、この受信手段で受信した制御信号に応じて複数個の切替素子を駆動制御する駆動制御手段とを備えている。したがって、表示手段に表示させていた表示情報を新たな表示情報に書き換えて表示させることができ、種々の表示情報を表示することができる。例えば、機種変更等する場合においても、表示手段の表示情報を新たな表示情報に書き換え変更することができ、表示手段を別の表示手段に交換するという部品交換を不要とすることができることから、この表示手段を新たな表示態様で継続使用することができ、機種変更に伴う廃棄部品の発生を低減することができる。また、表示手段の表示データを書き換えるだけでよいことから、機種変更を容易に行うことができる。その結果、機種変更に対して柔軟に対応できる遊技機を提供できる。
【0020】
(6) 請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(5)のいずれかに記載の遊技機において、
前記表示手段の表示情報を制御する表示制御手段を備えていることを特徴とする遊技機。
【0021】
前記(6)に記載の発明によれば、表示手段の表示情報を制御する表示制御手段を備えているので、表示手段の表示情報を変更するために、遊技機とは別体で外部の制御手段に接続するなどして表示手段を制御するというような必要がなく、表示制御手段からの指示によって表示手段の表示情報を迅速に容易に変更することができる。
【0022】
(7) 前記(6)に記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記遊技機の遊技を制御する主制御手段または前記遊技機の識別情報を変動表示する識別情報変動表示手段を表示制御する識別情報表示制御手段からの指示に基づいて、前記表示手段の表示情報を制御することを特徴とする遊技機。
【0023】
前記(7)に記載の発明によれば、表示制御手段は、遊技機の遊技を制御する主制御手段または遊技機の識別情報を変動表示する識別情報変動表示手段を表示制御する識別情報表示制御手段からの指示に基づいて、表示手段の表示情報を制御するので、主制御手段または識別情報表示制御手段からの指示に基づいて表示手段の表示情報を変更制御することができる。
【0024】
(8) 請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(7)のいずれかに記載の遊技機において、
前記表示手段は、遊技情報またはその他の情報である提供情報を遊技状態にかかわらず常時に表示するものであることを特徴とする遊技機。
【0025】
前記(8)に記載の発明によれば、表示手段は、遊技状態にかかわらず常時に遊技情報またはその他の情報である提供情報を表示するので、遊技者は、表示手段の所定領域に表示される提供情報(遊技情報または他の情報)を見ることができ、遊技機の遊技情報を取得することができる。
【0026】
(9)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(8)のいずれかに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機。
【0027】
前記(9)に記載の遊技機によれば、種々の情報を省スペースでしかも遊技者にとって見易くしたパチンコ機を提供できる。なお、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて遊技用媒体としての球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞手段(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0028】
(10)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(8)のいずれかに記載の遊技機において、
前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機。
【0029】
前記(10)に記載の遊技機によれば、種々の情報を省スペースでしかも遊技者にとって見易くしたスロットマシンを提供できる。なお、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技用媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0030】
(11)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(8)のいずれかに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機。
【0031】
前記(11)に記載の遊技機によれば、種々の情報を省スペースでしかも遊技者にとって見易くした、パチンコ機とスロットマシンとを融合させたものを提供できる。なお、この融合させたものの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する識別情報変動表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技用媒体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
本実施例では、遊技機の一例として弾球遊技機の一種であるパチンコ機、特に、第1種パチンコ遊技機を用いて説明する。なお、本発明を第3種パチンコ遊技機(権利物とも呼ばれる)や、コイン遊技機、スロットマシン等の他の遊技機に用いることは、当然に可能である。
【0033】
図1は、本実施例のパチンコ機の概略正面図であり、図2はパチンコ機の遊技盤の概略正面図であり、図3は本実施例のパチンコ機の電気的接続を例示するブロック図である。本実施例のパチンコ機Pは、図1に示すように、遊技盤1と、球を貯留する上受け皿2および下受け皿3と、球を遊技盤1へ発射するための発射ハンドル4と、パチンコ機P全体を制御するメイン制御装置70(図3参照)とを備えている。遊技盤1は、前面枠1aに嵌め込まれた例えばガラス製の透明板1bに覆われている。なお、上述した前面枠1aが本発明における機体に相当する。
【0034】
図2に示すように、遊技盤1は、この遊技盤1の略中央に配置された特別図柄表示装置40と、この特別図柄表示装置40の下側に配置されて球の入賞を検知する特別図柄始動口スイッチ44を有する始動口42と、この始動口42に取り付けられて開閉可能なチューリップ式の普通電動役物46と、始動口42の下側に配置されて開閉可能な大入賞口50と、遊技盤1の左右下部に計4個配置された普通入賞口60a〜60dと、いずれの入賞口にも入らなかった球を回収する回収口としてのアウトロ69とを備えている。
【0035】
始動口42に設けられたチューリップ式の普通電動役物46は、所定条件が成立した場合に当りとしてそのチューリップを図2の二点鎖線で示すように所定時間(例えば0.3秒間)開くものとして構成されている。
【0036】
特別図柄表示装置40は、液晶ディスプレイなどの表示装置として構成されており、図3に示す表示用制御装置90により表示内容が制御されている。特別図柄表示装置40は、図4に示すように、左列L、中列M、右列Rの3列で構成され、各列ごとに上から順に上図柄、中図柄、下図柄の3個の図柄を表示し、上から下へ垂直方向に変動表示を行う。表示用制御装置90は、球が始動口42に入賞するのを検知したときに左列L、中列M、右列Rのそれぞれに一連の図柄を変動表示させる。一連の図柄は、主図柄(例えば麻雀牌)と、副図柄(例えばサイコロ)とにより構成され、周期性を持って主図柄と副図柄が上から下へと変動表示される。この一連の図柄の表示順序は、中列Mおよび右列Rにおいては、麻雀牌の「一萬」〜「九萬」、「龍」、「發」、「中」の主図柄と、各主図柄間に設けられたサイコロからなる副図柄の順つまり昇順であり、この後再び麻雀牌の「一萬」の主図柄に戻る。一方、左列Lにおいては、同様の一連の図柄が表示されるが、表示順序は昇順ではなく降順である。そして、左列L、右列R、中列Mの順に変動表示を停止させ、横上行L1、横中央行L2、横下行L3、斜め右上列L4、斜め左上列L5のいずれかのラインで主図柄が揃ったときに大当たりとして特別遊技動画を表示させる。
【0037】
遊技盤1には、特別図柄表示装置40の上部に4個の特別図柄変動保留ランプ41a〜41dが設けられている。この特別図柄変動保留ランプ41a〜41dは、特別図柄表示装置40による左列L、中列M、右列Rの変動表示の最中や特別遊技動画を表示している最中に球が始動口42に入賞するごとに左側から順に一つずつ点灯され、特別図柄表示装置40による左列L、中列M、右列Rの変動表示が開始されるごとに点灯とは逆の順に消灯されることにより、変動表示の最中や特別遊技動画を表示している最中に始動口42に入賞した球数を最大4個まで保留球数として示す。
【0038】
大入賞口50は、通常は球を受け入れない閉状態とされており、大当りのときに、図3に示す大入賞口駆動装置52によって球を受け入れやすい開状態と通常の閉状態とが所定の条件に基づいて繰り返されるように駆動される。大入賞口50には、球の入賞をカウントする10カウントスイッチ54(図3参照)や、大入賞口50の右部に設けられたVゾーン56に球が入賞したのを検出するVカウントスイッチ58(図3参照)が取り付けられている。
【0039】
遊技盤1には、この他、発射された球を円弧上に導くレール62と、遊技盤1の中央部に導く左右の肩部に配置されたランプ風車64a,64bと、特別図柄表示装置40の両横に配置された風車66a,66bと、特別図柄表示装置40の両横等の近傍に取り付けられた複数個のインジケータ68a,68bなども取り付けられている。なお、図1,図2では、球をガイドしたり弾いたりしてその遊技性を高める複数個の釘についての図示を省略している。
【0040】
図3に示すように、メイン制御装置70は、ワンチップマイコン71と、このワンチップマイコン71に電源供給する電源回路73とを備えている。このワンチップマイコン71は、演算処理を行うCPU72と、各種の処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路78とが、1チップ内に収められたものである。CPU72とROM74とRAM76とクロック回路78とは、バス82によって入出力処理回路80と接続されている。メイン制御装置70には、普通図柄始動口スイッチ36a,36bからの通過信号と、特別図柄始動口スイッチ44からの始動信号と、10カウントスイッチ54からのカウント信号と、Vカウントスイッチ58からのV信号と、普通入賞スイッチや賞球カウントスイッチなどの他の入力装置88からの入力信号となどが入出力処理回路80を介して入力されている。また、メイン制御装置70からは、大入賞口駆動装置52への駆動信号と、特別図柄変動保留ランプ41a〜41dへの点灯信号と、普通電動役物46への駆動信号と、スピーカ86が接続された音声用制御装置84への制御信号と、特別図柄表示装置40の表示制御を司る表示用制御装置90への制御信号などが入出力処理回路80を介して出力されている。
【0041】
ここで、本発明の特徴部分の1つである構成について、図5〜図7を用いて以下に説明する。図5は本実施例のパチンコ機の上受け皿部分の外観斜視図である。図6は上受け皿の内部に電子ペーパが巻き取り収納されている状態を示す説明図である。図7は上受け皿の内部の電子ペーパが引き出された状態を示す正面図である。
【0042】
図5に示すように、パチンコ機Pの上受け皿2の正面外側面には、電子ペーパ10が出入自在な出入口12が備えられている。図6に示すように、電子ペーパ10は、上受け皿2の内部に巻き取られた状態で収納されており、使用状態時には2点鎖線で示すように上受け皿2から引き出された状態となる。つまり、パチンコ機Pは、電子ペーパ10を上受け皿2に対して出入させる出入装置14を、上受け皿2の内部に備えている。電子ペーパ10は、例えば、正面視で四角形状となっており、側面視で厚みの薄いものであり、柔軟性のある可変表示部材となっている。なお、電子ペーパ10の表示機能の構成については後述することとする。
【0043】
図6に示すように、出入装置14は、電子ペーパ10を巻き取った状態で上受け皿2の内部に収納する収納機構部20と、電子ペーパ10を、上受け皿2の内部に収納された巻き取り状態と、その先端側から上受け皿2の外部に引き出した状態とに変位する変位機構部30とを備えている。
【0044】
収納機構部20は、電子ペーパ10の一端側である基端部が固定された状態で、この電子ペーパ10が軸心周りに巻き取られた円柱部材22と、この円柱部材22の両端側にそれぞれ設けられて、この円柱部材22を軸支するための軸受24とを備えている。
【0045】
変位機構部30は、渦巻き中央側の端部32aが円柱部材22の一端側に固定され、渦巻きの外側の端部32bが例えば上受け皿2に固定された渦巻きバネ32と、円柱部材22の他端側に設けられ、保持状態では円柱部材22を逆戻り(逆回転)させない、つまり図6に2点鎖線で示す方向に回転させないように保持するとともに、解除状態では円柱部材22の逆回転を可能とするラチェット機構部34と、このラチェット機構部34による円柱部材22の保持を解除させるためのボタン部36とを備えている。
【0046】
また、図6に示すように、電子ペーパ10の基端部に対して反対側に位置する他端部10aには、上受け皿2の出入口12の上下方向の幅Dよりも大きい歯止め部材16が設けられている。つまり、電子ペーパ10が円柱部材22に巻き取られた状態でこの電子ペーパ10の他端部10aが上受け皿の出入口12付近に留めることができるようになっている。さらに、この歯止め部材16には、遊技者などによって把持される把持部18が設けられている。つまり、電子ペーパ10の把持部18を遊技者などが把持して引っ張ることで、電子ペーパ10の他端部10aを上受け皿2の出入口12から引き出し易くなっている。
【0047】
なおここで、上受け皿2の内部の電子ペーパ10を引き出す動作と、上受け皿2の内部に電子ペーパ10を収納する動作とについて説明する。図6に示すように、上受け皿2の内部に収納された電子ペーパ10の把持部18を遊技者などが把持して手前側に引いていくと、上受け皿2の出入口12から電子ペーパ10が引き出されていくとともに、渦巻きバネ32の中央の渦巻きがきつく巻かれていくことになる。なお、このときラチェット機構部34により、円柱部材22を逆戻り(逆回転)させないように保持される。つまり、図7に示すように、電子ペーパ10が引き出された状態で保持されるのである。遊技者は、図7に示すように引き出された状態の電子ペーパ10を見ることで、この電子ペーパ10に表示された各種の情報を得ることができる。
【0048】
電子ペーパ10を見終えた場合などこの電子ペーパ10を収納しようとするときには、遊技者はボタン部36を押下する。ボタン部36が押下されると、ラチェット機構部34による逆戻り(逆回転)防止が解除され、渦巻きバネ32はきつく巻かれた状態から通常状態(緩やかに巻かれた状態)に戻ろうとして円柱部材22を2点鎖線で示す方向に回転させ、この回転によって円柱部材22に電子ペーパ10が巻き取られていき、電子ペーパ10の他端部10aの歯止め部材16が上受け皿2の出入口12に当たった状態で、円柱部材22への電子ペーパ10の巻き取りが停止することになる。
【0049】
上述した上受け皿2が本発明における上皿に相当し、上述した出入装置14が本発明における出入手段に相当し、上述した収納機構部20が本発明における収納手段に相当し、上述した変位機構部30が本発明における変位手段に相当する。
【0050】
図3に示すように、本実施例のパチンコ機Pは、メイン制御装置70から指示を受けた表示用制御装置90による指示に基づいて、上受け皿2に設けられた電子ペーパ10の表示情報を制御する電子ペーパ制御装置207を備えている。
【0051】
この電子ペーパ制御装置207は、表示用制御装置90による指示に基づいて、電子ペーパ10の表示情報を変更表示するようにこの電子ペーパ10を表示制御するものである。例えば、図7に示すように、電子ペーパ10には、本実施例のパチンコ機Pの名称としての「○○パラダイス」文字表示や、大当り確率が1/315であること、確変割合が1/2であること、リミット回数が200回であること、賞球数が5&10&15であること、確変図柄が1,3,5,7,9であること、今日の大当り回数がN回(例えば5回)であることなど、遊技者に提供したい各種の遊技情報を表示するものである。なお、電子ペーパ10は、電子ペーパ制御装置207により所定の駆動電圧が一旦与えられると、例えば、図7に示すような表示情報が表示され、その後に電子ペーパ制御装置207からの駆動電圧が除去されても、その表示を保持できるという特性を備えている。
【0052】
なお、上述した電子ペーパ制御装置207が本発明における表示制御手段に相当し、上述したメイン制御装置70が本発明における主制御手段に相当し、上述した特別図柄表示装置40が本発明における識別情報変動表示手段に相当し、上述した表示用制御装置90が本発明における識別情報表示制御手段に相当する。
【0053】
次に、図8,図9を用いて電子ペーパ10の構成について詳細に説明する。図8は、電子ペーパ10の構成例を示す断面図、図9は、図8に示す電子ペーパ10のマイクロカプセルを示す断面図である。
【0054】
なお、図8に示す電子ペーパ10は、電気泳動(Electrophoresis )を利用した、表示パターンの書き換えや消去が可能な表示手段(表示媒体)である。
【0055】
この電子ペーパ10は、可撓性を有するシート状の第1基材221と、可撓性を有するシート状の第2基材220と、この第1基材221と第2基材220との間に形成された電子インク層222とで構成されている。電子インク層222の図6中上側の面が、表示パターンが表示される表示面222Aとなっている。
【0056】
電子インク層222は、光透過性を有する(透明な)バインダ223と、このバインダ223中に均一に分散した状態で固定されている複数のマイクロカプセル224とで構成されている。電子インク層222の厚さaは、マイクロカプセル224の外径(直径)bの1.5〜2倍程度が好ましい。また、バインダ223としては、例えば、ポリビニルアルコール等を用いることができる。
【0057】
図9に示すように、マイクロカプセル224は、中空の球状の光透過性を有するカプセル本体225を有している。このカプセル本体225内には、液体(溶媒)226が充填されており、この液体226中には、負に帯電した複数の帯電粒子227が分散している。帯電粒子227は、核228と、この核228を被覆する被覆層229とで構成されている帯電粒子227および液体226の色は、互いに異なるように設定される。例えば、帯電粒子227の色は、白色とされ、液体226の色は、青色、赤色、緑色またはは黒色とされる。こうすることでカラー表示することができる。
【0058】
マイクロカプセル224に外部電界(電場)を印加すると、帯電粒子227は、カプセル本体225内で、前記電界の方向と逆方向に移動する。
【0059】
例えば、マイクロカプセル224の図10中上側(表示面222A側)に正に帯電した電極が位置すると、図10中下側に向って電界が生じ、これにより、帯電粒子227は、カプセル本体225内の図10中上側に移動(浮上)する。この帯電粒子227により、マイクロカプセル224の図10中上側の色は、白色になる。
【0060】
逆に、マイクロカプセル224の図11中上側に負に帯電した電極が位置すると、図11中上側に向って電界が生じ、これにより、帯電粒子227は、カプセル本体225内の図11中下側に移動(沈下)する。この場合には、カプセル本体225内の図11中上側に液体226が位置するので、液体の色が青色ならば、マイクロカプセル224の図11中上側の色は、青色になる。
【0061】
また、マイクロカプセル224は、液体226の比重と帯電粒子227の比重とが等しくなるように構成されている。
【0062】
これにより、帯電粒子227は、図10中上側または図11中下側に移動後、電界が消失しても、一定の位置に長期間位置することができ、マイクロカプセル224の図10,図11中上側の色が白色、または液体の色、例えば青色に長期間保持される。すなわち、電子ペーパ10の表示が、長期間保持される。
【0063】
なお、液体226の比重と帯電粒子227の比重とを等しくするには、例えば、被覆層229の厚さd等を調節すればよい。マイクロカプセル224の外径bは、180μm以下が好ましく、10〜20μm程度がより好ましい。帯電粒子227の核228としては、例えば、TiO2 (ルチル構造)等を用いることができる。また、帯電粒子227の被覆層229としては、例えば、ポリエチレン等を用いることができる。また、液体226としては、例えば、四塩化エチレンとイソパラフィンとに、アントラキン系染料を溶解したもの等を用いることができる。
【0064】
なお、上述した第1基材221が本発明における第1部材に相当し、上述した第2基材220が本発明における第2部材に相当し、上述した電子インク層222が本発明における表示層に相当する。
【0065】
第1基材221には、共通電極(下部電極)323が形成されている。また、第2基材220には、複数の画素電極(上部電極)を備えた回路基板313が形成されている。図12は、回路基板313の回路構成を模式的に示す図である。図12に示すように、この回路基板313は、可撓性(柔軟性)を有する樹脂製の基板261を有している。
【0066】
この基板261上には、行列状に配置(配列)された複数の四角形の画素電極264と、各画素電極264の導通、非導通をそれぞれ切り替える複数の薄膜トランジスタ(TFT)265と、各薄膜トランジスタ265のゲートに電圧(信号)を印加するゲートドライバ262と、各薄膜トランジスタ265のソースに電圧(信号)を印加するソースドライバ263と、図12中横方向に延びる複数のゲートライン271と、図12中縦方向に延びる複数のソースライン281とが、それぞれ形成されている。
【0067】
1つの画素電極264が、1画素(ドット)に相当する。また、各画素電極264のピッチは、特に限定されないが、500〜5000dpi(ドット/インチ)程度が好ましい。なお、画素電極264の形状が四角形に限定されないことは言うまでもない。また、画素電極264の配列のパターンは、行列状に限定されず、例えば、画素電極264がデルタ状に並んでいても差し支えない。
【0068】
以下、図12中、最も上側の横方向の配列を「第1行(1行目)」、上側からN番目の横方向の配列を「第N行(N行目)」と言う。また、図12中、最も左側の縦方向の配列を「第1列(1列目)」、左側からN番目の縦方向の配列を「第N列(N列目)」と言う。
【0069】
ゲートドライバ262には、図12中横方向に延びる複数のゲートライン271が、それぞれ接続されている。また、ソースドライバ263には、図12中縦方向に延びる複数のソースライン281が、それぞれ接続されている。そして、各薄膜トランジスタ265のゲートは、それぞれ、対応するゲートライン271に接続されている。また、各薄膜トランジスタ265のソースは、それぞれ、対応するソースライン281に接続されており、各薄膜トランジスタ265のドレインは、それぞれ、対応する画素電極264に接続されている。
【0070】
ゲートドライバ262は、ゲートライン271を1行(ライン)ごとに順次走査する。例えば、「N行目のゲートライン271を走査する」とは、N行目のすべての薄膜トランジスタ265のゲートに走査時間(時間)tの間だけ電圧(走査電圧)を印加し、N行目のすべての薄膜トランジスタ265(薄膜トランジスタ65のゲート)を走査時間tの間だけオンにすることを言う。このようにゲートドライバ262の役割は、N行目の次はN+1行目、N+1行目の次はN+2行目と、順次走査すること、すなわち、順次、行単位で(1行ごとに)その行のすべての薄膜トランジスタ265を走査時間tの間だけオンさせることである。
【0071】
ソースドライバ263は、データライン駆動回路とも呼ばれ、所定のゲートライン271に走査電圧が印加されたとき、すなわち、所定の行の薄膜トランジスタ265がすべてオンしたとき、画素電極264に、ソースライン281および前記薄膜トランジスタ265を介して制御信号(表示パターンを示す信号)に応じた電圧を印加する回路である。
【0072】
所定のゲートライン271に走査電圧が印加されたときに、所定のソースライン281に前記電圧が印加されることにより、対応する画素電極264が導通する。これにより、例えば対応する画素電極264に所定の大きさ(例えばVボルト)の電圧(電位)が印加された場合には、図13に示すように、その画素電極264を正に帯電させることができる。なお、共通電極323の電位をV/2ボルトに設定しており、共通電極323に向って電界が形成される(生じる)。また、対応する画素電極264に所定の大きさ(例えば0ボルト)の電圧(電位)が印加された場合には、共通電極323の電位をV/2ボルトに設定しているので、図14に示すように、その画素電極264を負に帯電させることができ、画素電極264に向って電界が形成される(生じる)。これにより、各画素電極264と共通電極323との間に方向の異なる2つの電界を選択的に形成し、表示パターンを表示する。なお、各画素電極264と共通電極323との間に方向の異なる2つの電界を選択的に形成することができることから、表示パターンがオーバーライト可能である。
【0073】
画素電極264と共通電極323との間に印加される電圧(画素電極264と共通電極323の電位差)の大きさは、特に限定されないが、絶対値で、10ボルト以上が好ましく、20ボルト以上がより好ましい。
【0074】
図12に示すように、電子ペーパ10は、ゲートドライバ262およびソースドライバ263に接続され、電子ペーパ制御装置207から制御信号を受信するためのコネクタ部208と、コネクタ部208とゲートドライバ262およびソースドライバ263をそれぞれ接続する配線部209とを備えている。なお、コネクタ部208は、電子ペーパ10の端部側の所定位置に一体的に設けられている。また、コネクタ部208および配線部209は、出入装置14による電子ペーパ10の巻き取り動作に邪魔にならないようになっている。例えば、コネクタ部208を、電子ペーパ10の側端部(基端部、他端部以外の端部)に設け、配線部209を十分な長さのものとするなど、種々の方法が採用可能である。各薄膜トランジスタ265の駆動は、それぞれ、制御手段207により、ゲートドライバ262およびソースドライバ263を介して制御される。電子ペーパ制御装置207は、通常、ロジック回路とメモリ回路等からなる集積回路で構成され、表示用制御装置90からの指示に基づいて各薄膜トランジスタ265の制御を行う。
【0075】
なお、上述した薄膜トランジスタ265が本発明における切替素子に相当し、上述したコネクタ部208および配線部209が本発明における受信手段に相当し、上述したゲートドライバ262およびソースドライバ263が本発明における駆動制御手段に相当する。
【0076】
ここで、上述の第2基材220の画素電極264および第1基材221の共通電極323の電圧(電位)を制御する方法について、図15を用いて説明する。図15は、第2基材220の画素電極264および第1基材221の共通電極323の電圧(電位)と、それに対応する表示パターンとを示す図である。
【0077】
この方法で、電子ペーパ10に表示パターンを形成する場合には、共通電極323の電圧242を、画素電極264の電圧241の最高値と最低値との中間の値(中間値=一定値)に設定する。すなわち、画素電極264の電圧241が0からVボルトに変化する場合(最高値=Vボルト、最低値=0ボルトの場合)には、共通電極323の電圧242をV/2ボルトに設定する。
【0078】
例えば、図15に示す表示パターン243を電子ペーパ10の所定の行に描画する場合、その行に対応する行の薄膜トランジスタ265のゲートがオンしているとき、それらの薄膜トランジスタ265のソースに、電圧パターン241aで示す電圧、すなわち、0またはVボルトの電圧を印加する。その際、共通電極323の電圧242を、電圧パターン242aで示す電圧、すなわち、V/2ボルトに設定する。
【0079】
このようにすると、例えば、(N−2)列目では、画素電極264の電圧241はVボルトであり、共通電極323の電圧242はV/2ボルトであるので、電界は画素電極264から共通電極323に向って形成され、電子ペーパ10の各帯電粒子227は、それぞれ、カプセル本体225内の図10中上側に移動し、電子ペーパ10の表示面222Aの色は白色になる。
【0080】
逆に、(N−1)列目では、画素電極264の電圧241は0ボルトであり、共通電極323の電圧242はV/2ボルトであるので、電界は共通電極323から画素電極264に向って形成され、電子ペーパ10の各帯電粒子227は、それぞれ、カプセル本体225内の図11中下側に移動し、電子ペーパ10の表示面222Aの色は青色になる。
【0081】
以下、同様にして、N列目〜(N+3)列目についても画素電極264の電圧241に従って、画素電極264と共通電極323との間に形成される電界の方向、すなわち、電子ペーパ10の色が決まり、電子ペーパ10の所定の行に表示パターン243を描画することができる。
【0082】
このようにして、電子ペーパ10の表示面222Aの所定の部位(画素)の色は、画素電極264の電圧241のみによって一意的に決まるので、以前に電子ペーパ10の表示面222Aの色が何色になっていたかにかかわらず、電子ペーパ10の各画素電極264と共通電極323を制御することで、その電子ペーパ10に表示パターンを描画することができる(白と青のパターンが一意的に決まる)。すなわち、電子ペーパ10に表示パターンをオーバーライトすることができ、電子ペーパ10に、繰り返し、文字、数字、図形等の所定の表示情報(例えば、図7に示すような表示情報)を描画することができる。なお、上述した電子ペーパ10が本発明における表示手段に相当する。
【0083】
ここで、本発明の1つの特徴部分である、電子ペーパ10の表示情報を変更表示する処理について、図3,図7を用いて説明する。
【0084】
電子ペーパ10にパチンコPの遊技情報(図7参照)が表示されている場合に、これとは別の新たな情報を表示させる場合には、図3に示すように、メイン制御装置70のCPU72は、この新たな情報を表示させるように表示用制御装置90を制御する。つまり、表示用制御装置90はメイン制御装置70から新たな遊技情報についての表示指示を受けると、電子ペーパ10にパチンコPの新たな遊技情報(図7参照)を表示させるように、電子ペーパ制御装置207を制御する。電子ペーパ制御装置207により、新たな情報についての駆動電圧が電子ペーパ10に与えられると、電子ペーパ10はこの新たな情報を表示することになる。
【0085】
上述したように本実施例のパチンコ機Pによれば、第1基材221と第2基材220との間に挟持された電子インク層222中の帯電粒子227を移動させて色を変化させることにより所定の表示情報を表示する、柔軟性のある電子ペーパ10を上受け皿2の内部に備え、電子ペーパ10を上受け皿2に対して出入させる出入装置14を備えているので、電子ペーパ10を見るときにこの電子ペーパ10を上受け皿2から引き出すことができ、遊技者は引き出された電子ペーパ10を見て所望の情報を得ることができる。また、電子ペーパ10を見る必要がなくなったときには、電子ペーパ10を上受け皿2内に収納することができるので、電子ペーパ10が邪魔になることもない。したがって、場所を取らずに電子ペーパ10を具備することができる。つまり、上受け皿2の正面視での面積を必要以上に占有することなく表示手段(電子ペーパ10)を具備することができる。また、遊技者に提供すべき情報を表示するための表示ラベル(シール)等を機体(遊技盤1,上受け皿2,下受け皿3,前面枠1aなど)の所定箇所に遊技者からいつでも見えるように設けておくことを不要にできる。その結果、種々の情報を省スペースでしかも遊技者にとって見易くした遊技機を提供することができる。
【0086】
また、電子ペーパ10はカラー表示が可能なものとしているので、視野角依存性がないので横からでも見やすく、所望の表示情報を表示するための表示用部材として好適に使用することができる。
【0087】
また、出入装置14は、電子ペーパ10を巻き取った状態で上受け皿2の内部に収納する収納機構部20と、電子ペーパ10を上受け皿2内部に収納された巻き取り状態とその先端側から上受け皿2の外部に引き出した状態とに変位する変位機構部30とを備えている。つまり、出入装置14は、電子ペーパ10を巻き取った状態で上受け皿2の内部に保持し、電子ペーパ10の巻き取りを解除していくようにしてこの電子ペーパ10をその先端側から上受け皿2の外部に出力可能とするものであるので、非使用時においては電子ペーパ10を上受け皿2内部にコンパクトに収納でき、使用時においては電子ペーパ10を上受け皿2から引き出した状態でこの電子ペーパ10の表示情報を見ることができる。
【0088】
また、電子ペーパ10は、その先端部に、遊技者により把持される把持部18を備えているので、遊技者は、必要に応じてその把持部18を把持して電子ペーパ10を手前側に引き出すことができ、電子ペーパ10の引き出し操作を容易に行うことができる。
【0089】
また、電子ペーパ10は、第1基材221または第2基材220のいずれか一方に、電子インク層222に印加する電界を形成する複数個の画素電極264と、この画素電極264ごとに設けられた、画素電極264による電界の形成と消失とを切り替える薄膜トランジスタ265とを備え、その他方に、画素電極264とともに電界を形成するための共通電極323を備え、さらに、この電子ペーパ10は、制御信号を受信するコネクタ部208および配線部209と、このコネクタ部208および配線部209で受信した制御信号に応じて複数個の薄膜トランジスタ265を駆動制御するゲートドライバ262およびソースドライバ263とを備えている。したがって、電子ペーパ10に表示させていた表示情報を新たな表示情報に書き換えて表示させることができ、種々の表示情報を表示することができる。例えば、機種変更等する場合においても、電子ペーパ10の表示情報を新たな表示情報に書き換え変更することができ、電子ペーパ10を別の表示手段に交換するという部品交換を不要とすることができることから、この電子ペーパ10を新たな表示態様で継続使用することができ、機種変更に伴う廃棄部品の発生を低減することができる。また、電子ペーパ10の表示データを書き換えるだけでよいことから、機種変更を容易に行うことができる。その結果、機種変更に対して柔軟に対応できる遊技機を提供できる。
【0090】
また、電子ペーパ10の表示情報を制御する電子ペーパ制御装置207を備えているので、電子ペーパ10の表示情報を変更するために、パチンコ機Pとは別体で外部の制御手段に接続するなどして電子ペーパ10を制御するというような必要がなく、電子ペーパ制御装置207からの指示によって電子ペーパ10の表示情報を迅速に容易に変更することができる。
【0091】
また、電子ペーパ制御装置207は、パチンコ機Pの図柄を変動表示する特別図柄表示装置40を表示制御する表示用制御装置90からの指示に基づいて、電子ペーパ10の表示情報を制御するので、表示用制御装置90からの指示に基づいて電子ペーパ10の表示情報を変更制御することができる。
【0092】
電子ペーパ10は、遊技状態にかかわらず常時に遊技情報またはその他の情報である提供情報を表示するので、遊技者は、電子ペーパ10の所定領域に表示される提供情報(遊技情報または他の情報)を見ることができ、パチンコ機Pの遊技情報を取得することができる。
【0093】
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0094】
(1)上述の実施例では、電子ペーパ10を手動操作により機体(例えば上受け皿2)に対して出入させているが、電子ペーパ10の機体(例えば上受け皿2)からの引き出しまたは電子ペーパ10の機体(例えば上受け皿2)内部への収納の少なくとも一方を自動で行うようにしてもよい。
【0095】
(2)上述の実施例では、図10,図11に示すように、電気泳動を利用した電子ペーパ10に、複数の画素電極264と薄膜トランジスタ265とゲートドライバ262とソースドライバ263とを備えたマトリクス回路を設けているが、トナータイプの電子ペーパやその他のタイプの電子ペーパに上述のマトリクス回路を設けるようにしてもよい。
【0096】
(3)上述の実施例では、図5に示すように、パチンコ機Pの上受け皿2に電子ペーパ10を設けているが、パチンコ機Pの上受け皿2以外の部材であって遊技者から見える部材、例えば、下受け皿3や遊技盤1(例えば、前面枠1a)や遊技盤部品などの所定箇所に電子ペーパ10を設けるようにしてもよい。例えば、遊技盤部品としての、特別図柄表示装置40の表示画面の周囲の少なくとも一部を覆うようにした覆い部材(例えば、いわゆるセンターフレーム)の所定箇所(例えば上部)の内部に電子ペーパ10を設け、所定の出動条件が成立したときに、特別図柄表示装置40の表示画面の少なくとも一部が隠されるように電子ペーパ10が引き出され、所定の収納条件が成立したときに、覆い部材の内部に電子ペーパ10を収納するようにしてもよい。
【0097】
(4)上述の実施例では、図17に示すように、電子ペーパ10を、正面視で略四角形状のものとしているが、その形状に限定されるものではなく、帯状など種々の形状のものとしてもよい。
【0098】
(5)上述の実施例では、図12に示すように、コネクタ部208および配線部209で外部機器からの制御信号を有線にて受信するようにしているが、コネクタ部208に替えて受信部を備えるようにして、電子ペーパ制御装置207からの制御信号を無線にて受信するようにしてもよい。
【0099】
(6)上述の実施例では、電子ペーパ制御装置207は、パチンコ機Pの図柄を変動表示する特別図柄表示装置40を表示制御する表示用制御装置90からの指示に基づいて、電子ペーパ10の表示情報を制御しているが、パチンコ機Pの遊技を制御するメイン制御装置70から直接に指示を受けて電子ペーパ10の表示情報を制御してもよい。
【0100】
(7)上述の実施例では、出入口12を水平方向に設けているが、縦方向に設けてもよい。
【0101】
(8)上述の実施例では、電子ペーパ10を丸めた状態で機体(例えば上受け皿2)の内部に収納しているが、電子ペーパ10を丸めていない状態(例えば、平面形状のまま)で機体内部に収納するようにしてもよい。
【0102】
(9)上述の実施例では、電子ペーパ10に遊技情報を表示するようにしているが、遊技情報に限らず、遊技場からの情報(特典情報や案内情報など種々の情報)や、時事ニュースや天気予報など世間一般に共通する情報などを、電子ペーパ10に表示するようにしてもよい。
【0103】
(10)本発明を上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される。)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞されることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。また、球が所定の入賞口に入ることで特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機等の各種遊技機として実施するようにしてもよい。
【0104】
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定されるものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となり、この場合、遊技用媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0105】
なお、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受け皿に多量の球が払い出されるものである。
【0106】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、第1部材と第2部材との間に挟持された表示層中の帯電粒子を移動させて色を変化させることにより所定の表示情報を表示する柔軟性のある表示手段を機体の内部に備え、表示手段を機体に対して出入させる出入手段を備えているので、表示手段を見るときにこの表示手段を機体から引き出すことができ、遊技者は引き出された表示手段を見て所望の情報を得ることができる。また、表示手段を見る必要がなくなったときには、表示手段を機体内に収納することができるので、表示手段が邪魔になることもない。したがって、場所を取らずに表示手段を具備することができる。つまり、機体の正面視での面積を必要以上に占有することなく表示手段を具備することができる。また、遊技者に提供すべき情報を表示するための表示ラベル(シール)等を機体の所定箇所に遊技者からいつでも見えるように設けておくことを不要にできる。その結果、種々の情報を省スペースでしかも遊技者にとって見易くした遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のパチンコ機の概略正面図である。
【図2】パチンコ機の遊技盤の概略正面図である。
【図3】実施例のパチンコ機の電気的接続を例示するブロック図である。
【図4】特別図柄表示装置における主図柄と副図柄とから構成される左列、中列、右列の図柄を例示した説明図である。
【図5】本実施例のパチンコ機の上受け皿部分の外観斜視図である。
【図6】上受け皿の内部に電子ペーパが巻き取り収納されている状態を示す説明図である。
【図7】上受け皿の内部の電子ペーパが引き出された状態を示す正面図である。
【図8】実施例の電子ペーパの構成例を示す断面図である。
【図9】実施例の電子ペーパのマイクロカプセルを示す断面図である。
【図10】実施例の電子ペーパの表示面が白色に見える場合の断面図である。
【図11】実施例の電子ペーパの表示面が青色に見える場合の断面図である。
【図12】回路基板の回路構成を模式的に示す図である。
【図13】実施例の電子ペーパの1画素分を示す側面図である。
【図14】実施例の電子ペーパの1画素分を示す側面図である。
【図15】第2基材の画素電極および第1基材の共通電極の電圧とそれに対応する表示パターンとを示す図である。
【符号の説明】
1a… 前面枠(機体、前枠)
2 … 上受け皿(機体、上皿)
3 … 下受け皿(機体、下皿)
10 … 電子ペーパ(表示手段)
14 … 出入装置(出入手段)
18 … 把持部
20 … 収納機構部(収納手段)
30 … 変位機構部(変位手段)
40 … 特別図柄表示装置(識別情報変動表示手段)
70 … メイン制御装置(主制御手段)
90 … 表示用制御装置(識別情報表示制御手段)
207 … 電子ペーパ制御装置(表示制御手段)
208 … コネクタ部(受信手段)
209 … 配線部(受信手段)
220 … 第2基材(第2部材)
221 … 第1基材(第1部材)
222 … 電子インク層(表示層)
227 … 帯電粒子
262 … ゲートドライバ(駆動制御手段)
263 … ソースドライバ(駆動制御手段)
264 … 画素電極
265 … 薄膜トランジスタ(切替素子)
323 … 共通電極
Claims (1)
- 遊技用媒体を用いて遊技を行う遊技機において、
第1部材と第2部材との間に挟持された表示層中の帯電粒子を移動させて色を変化させることにより所定の表示情報を表示する柔軟性のある表示手段を機体の内部に備え、
前記表示手段を前記機体に対して出入させる出入手段を備えていることを特徴とする遊技機。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008161320A (ja) * | 2006-12-27 | 2008-07-17 | Okumura Yu-Ki Co Ltd | 遊技機 |
JP2011036450A (ja) * | 2009-08-12 | 2011-02-24 | Kyoraku Sangyo Kk | 島設備の台間装置 |
JP2011036451A (ja) * | 2009-08-12 | 2011-02-24 | Kyoraku Sangyo Kk | 島設備の台間装置 |
JP2013208460A (ja) * | 2013-05-27 | 2013-10-10 | Universal Entertainment Corp | 遊技機 |
-
2002
- 2002-11-29 JP JP2002347619A patent/JP2004180709A/ja not_active Withdrawn
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