JP2004179190A - 結晶性膜の検査装置および検査方法 - Google Patents

結晶性膜の検査装置および検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】装置の構造を簡単化するとともに、非晶質膜領域と結晶膜領域と異物欠陥領域とを確実にかつ簡単に検出することができる結晶性膜の検査装置および検査方法を提供する。
【解決手段】短波長での撮像画像32の濃度値に基づいて、撮像画像32Aを、その濃度値で結晶膜領域30と第1領域34とに分離し、長波長での撮像画像33の濃度値に基づいて、撮像画像33Aを、その濃度値で異物欠陥領域31と第2領域35とに分離する。画像32Aと画像33Aとの論理積をとることで、異物欠陥領域31を検出する。異物欠陥領域31の検出画像36と、画像32Aとの差分をとることで、非晶質膜領域29だけを検出する。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、結晶性膜の検査装置および検査方法に関し、特に非晶質シリコンおよび多結晶シリコンが混在する基板において、基板に含まれる異物および異物欠陥を検出する場合に用いられる結晶性膜の検査装置および検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
高解像度の要望が強い液晶表示素子およびイメージセンサーなどにおいては、駆動方式として、たとえばガラスなどの絶縁基板の一表面部に高性能な半導体素子を形成したアクティブマトリックス形の薄膜トランジスタ(TFT:Thin
Film Transistor)が用いられている。前記TFTには、薄膜状のシリコン半導体を用いるのが一般的である。薄膜状のシリコン半導体は、非晶質シリコンつまりアモルファスシリコンから成る非晶質シリコン半導体と、結晶性を有するシリコンから成る結晶性シリコン半導体との2つに大別される。
【0003】
非晶質シリコン半導体は、成膜温度が比較的低く、気相成長法によって比較的容易に製造することが可能であり、量産性に富むといった特徴を有するので、最も一般的に用いられている。しかし非晶質シリコン半導体は、結晶性シリコン半導体に比べて導電性などの物性が劣るので、高速特性を得るために結晶性シリコン半導体から成るTFTの製造技術の確立が強く求められている。
【0004】
結晶性を有するシリコンを作製する技術として、基板の一表面部に、プラズマCVD(プラズマCVD:Chemical Vapor Deposition)法または減圧熱化学気相成長法などによって、アモルファスシリコン薄膜が形成され、このアモルファスシリコン薄膜に金属触媒を塗布し、固相成長結晶化工程を施した後、レーザアニール結晶化工程を経て、連続結晶粒界を有する結晶性シリコン半導体膜(以後、単に結晶膜と呼ぶ場合もある)が形成される技術(たとえば、特許文献1参照)が提案されている。
【0005】
固相成長結晶化工程後、基板の一表面部の結晶化状態を管理する技術も実用化されている。たとえば多結晶膜すなわち多結晶シリコンと非晶質シリコンとの光の透過強度の違いに基づいて、これら多結晶シリコンと非晶質シリコンとを分離および検出する技術が公知である。
【0006】
透明な物体中の微小異物または物体表面部に付着した微小異物を検査する技術(たとえば、特許文献2参照)も提案されている。前記技術においては、ハロゲンランプなどの光源で、透明な物体に光を照射し、その反射光をカラーCCDカメラ(CCD:Charge Coupled Device)で撮像する。得られたカラー画像を画像処理するとともに、異物の赤成分強度、緑成分強度、青成分強度を求める。これらのデータを、対象となる異物の分光反射特性を強調するように決定した各強度の係数を用いて組み合わせる。この組み合わせ値の値を、予め実験によって求めた基準値と比較し、微小異物の材質を検出するようになっている。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−69968号公報
【特許文献2】
特開平9−257717号公報(第5−6頁、第5図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献1に記載の従来技術では、固相成長結晶化工程における結晶化が不十分な場合、基板の一表面部のうち、非晶質シリコンのまま残留する領域は大きくなる。反対に、固相成長結晶化工程における結晶化が行過ぎた場合、基板の一表面部のうち、非晶質シリコンのまま残留する領域が小さくなる。固相成長結晶化工程では、結晶化されたいわゆるポリシリコンに対して、ある程度の面積比の非晶質シリコンを残しておくことが望ましい。これは、固相成長結晶化工程で、ある程度の面積比の非晶質シリコンを残しておき、その後のレーザアニール結晶化工程によって得られる結晶膜を用いて作製された薄膜トランジスタの方が電子移動度が高く、トランジスタがオンするときの電圧であるしきい電圧が小さいためである。したがって前述のように固相成長結晶化工程における結晶化が不十分な場合および結晶化が進行し過ぎた場合には、不良基板として扱わねばならない。
【0009】
透過強度の違いに基づいて、多結晶シリコンと非晶質シリコンとを分離および検出する従来技術では、基板の一表面部に異物がある場合、または異物欠陥がある場合、異物の大部分は、可視光の全波長域において透過強度が低いので、異物および異物欠陥も非晶質シリコンとして誤検出されてしまう。
【0010】
前記特許文献2に記載の従来技術では、物体の光反射特性を利用しているので、反射率の小さな検出物には適さない。仮に反射光を透過光に代用したとしても、異物の種類を分別すること自体不可能となる。非晶質シリコンおよび多結晶シリコンが混在する基板において、基板の一表面部の多結晶シリコンと非晶質シリコンとの面積比および分布状況を検出する場合、反射光よりも透過光を用いた撮像結果の方がコントラスト比が高いので、少なくとも多結晶シリコンと非晶質シリコンとの面積比および分布状況を検出する場合には、透過光を用いる必要がある。
【0011】
透過光を用いた撮像結果に基づいて多結晶シリコンと非晶質シリコンとを分離および検出し、その後、反射光を用いた別の撮像手段および別の照射手段によって、非晶質シリコンと、異物または異物欠陥とを分別する必要がある。このように、多結晶シリコンと非晶質シリコンと異物とを分離および検出するために、複数の撮像手段と複数の照射手段が必要になる。それ故、検査装置が大形化し、前記分離および検出するための制御系が複雑化する。
【0012】
したがって本発明の目的は、装置の構造を簡単化するとともに、非晶質膜領域と結晶膜領域と異物欠陥領域とを確実にかつ簡単に検出することができる結晶性膜の検査装置および検査方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、非晶質膜領域と結晶膜領域と異物欠陥領域とが混在した結晶性膜に、少なくとも短波長および長波長の光を含む照射光を照射する照射手段と、
結晶性膜を、照射手段の反対方向から撮像する撮像手段と、
撮像手段を用いて撮像された撮像画像のうち、短波長および長波長の両方の光を用いてそれぞれ撮像した撮像画像の濃度値に基づいて、撮像画像における非晶質膜領域と結晶膜領域と異物欠陥領域とを検出する検出手段とを有することを特徴とする結晶性膜の検査装置である。
【0014】
本発明に従えば、照射手段によって、結晶性膜に、少なくとも短波長および長波長の光を含む照射光を照射したうえで、この結晶性膜を、照射手段の反対方向から撮像手段を用いて撮像する。検出手段は、撮像された撮像画像のうち、短波長および長波長の両方の光を用いてそれぞれ撮像した撮像画像の濃度値に基づいて、撮像画像における非晶質膜領域と結晶膜領域と異物欠陥領域とを検出する。このように、同一の照射手段および同一の撮像手段を用いて撮像された画像の濃度値に基づいて、撮像画像における非晶質膜領域と結晶膜領域と異物欠陥領域とを検出することができる。換言すれば、たとえば複数の撮像手段および複数の照射手段を用いることなく、前記3つの領域を確実にかつ簡単に検出することができる。したがって、検査装置の構造を簡単化することができるとともに、前記結晶性膜のうちの非晶質膜領域と結晶膜領域と異物欠陥領域とを確実にかつ簡単に検出することができる。
【0015】
また本発明は、非晶質膜領域と結晶膜領域と異物欠陥領域とが混在した結晶性膜に、少なくとも短波長および長波長の光を含む照射光を照射する照射手段と、
結晶性膜を、照射手段の反対方向から撮像する撮像手段と、
撮像手段を用いて撮像された短波長の光での短波長画像の濃度値に基づいて、短波長画像を、その画像領域において結晶膜領域と前記結晶膜領域以外の第1領域とに分離し、撮像手段を用いて撮像された長波長の光での長波長画像の濃度値に基づいて、長波長画像を、その画像領域において異物欠陥領域と前記異物欠陥領域以外の第2領域とに分離する領域分離手段と、
領域分離手段によって分離された結晶膜領域と第1および第2領域と異物欠陥領域とを用いて、撮像画像における非晶質膜領域と結晶膜領域と異物欠陥領域とを検出する検出手段とを有することを特徴とする結晶性膜の検査装置である。
【0016】
本発明に従えば、照射手段によって、結晶性膜に、少なくとも短波長および長波長の光を含む照射光を照射したうえで、この結晶性膜を撮像手段を用いて撮像する。領域分離手段は、撮像手段を用いて撮像された短波長での短波長画像の濃度値に基づいて、短波長画像を、その画像領域において結晶膜領域と前記結晶膜領域以外の第1領域とに分離する。また領域分離手段は、撮像された長波長での長波長画像の濃度値に基づいて、長波長画像を、その画像領域において異物欠陥領域と前記異物欠陥領域以外の第2領域とに分離する。検出手段は、領域分離手段によって分離されたこれら結晶膜領域と第1および第2領域と異物欠陥領域とを用いて、撮像画像における非晶質膜領域と結晶膜領域と異物欠陥領域とを検出する。
【0017】
このように、同一の照射手段および同一の撮像手段を用いて撮像された画像の濃度値に基づいて、撮像画像における非晶質膜領域と結晶膜領域と異物欠陥領域とを検出することができる。換言すれば、たとえば複数の撮像手段および複数の照射手段を用いることなく、前記3つの領域を確実にかつ簡単に検出することができる。したがって、検査装置の構造を簡単化することができるとともに、前記結晶性膜のうちの非晶質膜領域と結晶膜領域と異物欠陥領域とを確実にかつ簡単に検出することができる。
【0018】
また本発明は、照射手段は、白色照明であることを特徴とする。
本発明に従えば、少なくとも短波長および長波長の光を照射することができる照射手段を、白色照明によって簡単に実現することができる。
【0019】
また本発明は、撮像手段は、光学顕微鏡を有することを特徴とする。
本発明に従えば、撮像手段は光学顕微鏡を有するので、光学顕微鏡によって高い空間分解能を実現することができ、結晶性膜を所望の拡大倍率で詳細に検査することが可能となる。
【0020】
また本発明は、非晶質膜領域と結晶膜領域と異物欠陥領域とが混在した結晶性膜に、少なくとも短波長および長波長の光を含む照射光を照射しつつ前記結晶性膜を撮像する第1の工程と、
撮像された撮像画像のうち、短波長および長波長の両方の光を用いてそれぞれ撮像した撮像画像の濃度値に基づいて、撮像画像における非晶質膜領域と結晶膜領域と異物欠陥領域とを検出する第2の工程とを有することを特徴とする結晶性膜の検査方法である。
【0021】
本発明に従えば、第1の工程において、非晶質膜領域と結晶膜領域と異物欠陥領域とが混在された結晶性膜に、少なくとも短波長および長波長の光を含む照射光を照射しつつ前記結晶性膜を撮像する。第2の工程において、撮像された撮像画像のうち、短波長および長波長の両方の光を用いてそれぞれ撮像した撮像画像の濃度値に基づいて、撮像画像における非晶質膜領域と結晶膜領域と異物欠陥領域とを検出する。このように上述した第1の工程以外に、結晶性膜に光を照射して撮像する工程を用いることなく、撮像画像における非晶質膜領域と結晶膜領域と異物欠陥領域とを検出することができる。したがって結晶性膜の検査方法を簡単化したうえで、非晶質膜領域と結晶膜領域と異物欠陥領域とを確実に検出することができる。さらに非晶質膜領域と結晶膜領域と異物欠陥領域とを分離および検出するための制御系を簡単化することができる。
【0022】
また本発明は、前記第2の工程は、
撮像された短波長の光での短波長画像の濃度値に基づいて、短波長画像を、その画像領域において結晶膜領域と前記結晶膜領域以外の第1領域とに分離する短波長画像分離段階と、
撮像された長波長の光での長波長画像の濃度値に基づいて、長波長画像を、その画像領域において異物欠陥領域と前記異物欠陥領域以外の第2領域とに分離する長波長画像分離段階と、
短波長画像分離段階で分離された短波長画像と、長波長画像分離段階で分離された長波長画像との論理積をとることで異物欠陥領域だけを検出する段階と、
前記段階で検出された異物欠陥領域の検出画像と、短波長画像分離段階で分離された短波長画像との差分をとることで非晶質膜領域だけを検出する段階と、
を有することを特徴とする。
【0023】
本発明に従えば、短波長画像分離段階において、撮像された短波長の光での短波長画像の濃度値に基づいて、短波長画像を、その画像領域において結晶膜領域と前記結晶膜領域以外の第1領域とに分離する。長波長画像分離段階において、撮像された長波長の光での長波長画像の濃度値に基づいて、長波長画像を、その画像領域において異物欠陥領域と前記異物欠陥領域以外の第2領域とに分離する。その後、短波長画像分離段階で分離された短波長画像と、長波長画像分離段階で分離された長波長画像との論理積をとることで、異物欠陥領域だけを検出する。検出された前記異物欠陥領域の検出画像と、短波長画像分離段階で分離された画像との差分をとることで、非晶質膜領域だけを検出する。
【0024】
このように、特に、短波長画像分離段階で分離された短波長画像と、長波長画像分離段階で分離された長波長画像との論理積をとることで、異物欠陥領域だけを検出することが可能となる。しかも検出された前記異物欠陥領域の検出画像と、短波長画像分離段階で分離された画像との差分をとることで、非晶質膜領域だけを検出することが可能となる。すなわち、非晶質膜領域と結晶膜領域と異物欠陥領域とを分離および検出する結晶性膜の検査方法を実現することができる。
【0025】
また本発明は、短波長の光での短波長画像として、原画像のうちの青色成分画像を用い、長波長での光での長波長画像として、原画像のうちの赤色成分画像を用いることを特徴とする。
【0026】
本発明に従えば、短波長の光での短波長画像として、原画像のうちの青色成分画像を用いることで、結晶膜領域と前記結晶膜領域以外の第1領域とに分離することを実現することができる。長波長の透過光での長波長画像として、原画像のうちの赤色成分画像を用いることで、異物欠陥領域と前記異物欠陥領域以外の第2領域とに分離することを実現することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態に係る結晶性膜1の検査装置2の構成を示す模式図であり、図2は、基板4に形成された結晶性膜1と検査装置2との関係を部分的に示す斜視図である。本実施形態は、たとえばアクティブマトリックス形の薄膜トランジスタなどを製造する場合に、固相成長結晶化工程後に得られる結晶性膜を検査する検査装置に適用される。以下の説明は、結晶性膜1の検査方法および結晶性膜1の作製方法についての説明をも含む。非晶質シリコン半導体膜(以後、単に非晶質膜と呼ぶ場合がある)を作製した後、この非晶質膜を、固相成長結晶化工程によって部分的に結晶化させて結晶性膜1を作製するものとする。
【0028】
図3は、基板4を厚み方向に拡大して示す断面図であって、基板4の一表面部に、結晶性膜を形成した後、結晶膜を形成する工程を段階的に示す断面図である。図3(a)に示される基板4は、電気絶縁材料であるたとえばガラスなどから成る厚み方向から見てたとえば長方形の平板状基材5の一表面部5aに、非晶質膜である非晶質シリコン層6が形成されて構成される。平板状基材5の板厚は、たとえば約0.7mmに形成されている。非晶質シリコン層6は、たとえばプラズマCVD(CVD:Chemical Vapor Deposition)法またはLPCVD(LPCVD:Low Pressure Chemical Vapor Deposition)法によって形成され、たとえば約1000オングストローム(Å)以上1500Å以下程度の膜厚を有する。
【0029】
次に図3(b)に示すように、非晶質シリコン層6の一表面部6aに、たとえば酸化液が塗布され、この酸化液の働きによって酸化膜7が形成される。酸化膜7の一表面部7aに図示外の結晶化促進液が塗布され、その後図3(c)に示すように、酸化膜7の一表面部7aに、金属触媒を塗布するためのたとえば回転塗布装置によって触媒堆積層8が形成される。触媒堆積層8が形成された図3(c)に示される基板4は、固相成長結晶化工程において、非晶質シリコン層6の結晶化が始まる温度、たとえば約550℃以上で加熱されて非晶質シリコン層6の結晶化が進行する。非晶質シリコン層6の結晶化がある程度進行した固相成長結晶化工程後に、結晶性膜1を、後述する検査装置2によって検査する。その後、エキシマレーザアニール結晶化工程において、エキシマレーザアニール装置を用いて、非晶質シリコン層6に対しレーザ光Raを照射する。その結果、非晶質シリコン層6は一度溶融し、冷却固化過程を経て多結晶化する。つまり基板4の一表面部に結晶膜が形成される。
【0030】
固相成長結晶化工程直後に結晶性膜1を検査する検査装置2は、xyステージ3と、xyステージ駆動機構9(図4参照)と、z軸駆動用モータ10と、撮像手段としてのカラーCCDカメラ11(CCD:Charge Coupled Device)および光学顕微鏡12と、照射手段としての白色照明13と、領域分離手段および検出手段としての制御装置14と、ディスプレイ15と、キーボード16およびマウス17(図4参照)とを有する。xyステージ3は、基板4を吸着支持するステージであって、略長方形状のステージ3の長手方向に沿ったx方向と、吸着支持された基板4の厚み方向およびx方向に直交するy方向とに移動可能に構成されている。このxyステージ3は、ベースフレーム18に対しxおよびy方向に移動可能に支持されている。
【0031】
xyステージ駆動機構9は、カラーCCDカメラ11および光学顕微鏡12と、白色照明13とに対し、結晶性膜1の任意の一部分を検査対象位置に選択的に移動する機構である。このxyステージ駆動機構9は、xyステージ3をx方向に移動駆動可能な駆動源を有する図示外のx方向駆動機構と、xyステージ3をy方向に移動駆動可能な駆動源を有する図示外のy方向駆動機構とを有する。z軸駆動用モータ10は、xyステージ3を、カラーCCDカメラ11に対し矢符zにて示す基板4の厚み方向に移動するつまりフォーカシング調整する機能を有する。
【0032】
カラーCCDカメラ11は、赤(R)、緑(G)、青(B)色から成るRGB画像つまりカラー画像で撮像対象を撮像可能に構成されている。前記カラー画像は、カラー原画像とも呼ばれる。このカラーCCDカメラ11は、基板4の厚み方向一方に支持され、このカラーCCDカメラ11の撮像部に光学顕微鏡12が取付けられている。したがってカラーCCDカメラ11は、基板4に形成された結晶性膜1を光学顕微鏡12を介して撮像可能に配置して設けられている。光学顕微鏡12は対物レンズ12aを有し、このカラーCCDカメラ11は、光学顕微鏡12を介してたとえば約128μm×128μmの矩形状の領域を撮像可能に構成されている。このように撮像手段は、カラーCCDカメラ11と、空間分解能の高い光学顕微鏡12とを有するので、結晶性膜1を所望の拡大倍率でもって詳細に検査することが可能となる。
【0033】
白色照明13はたとえばハロゲンランプから成る。この白色照明13は、ベースフレーム18に一体に設けられ、かつ、カラーCCDカメラ11および光学顕微鏡12の略光軸方向に沿って、基板4の厚み方向他方に配設つまり配置して設けられている。この白色照明13は、たとえば約400nm以上約700nm以下の波長成分を有する白色光を、照射対象に照射可能に構成されている。照射対象である基板4の結晶性膜1に、基板4の厚み方向一方に向けて前記白色光を照射して透過させたうえで、この透過光をカラーCCDカメラ11および光学顕微鏡12を用いて撮像するように構成されている。また白色照明13には、照射状態と非照射状態とを手動切換えするための切替スイッチ13aと、照度を設定するための図示外のボリュームが付設されている。
【0034】
図4は、検査装置2の制御系のブロック図である。制御装置14は、中央演算処理装置20(CPU:Central Processing Unit)とロム21(ROM:ReadOnly Memory)とラム22(RAM:Random Access Memory)とから成るマイクロコンピュータと、バス23と、入出力インタフェース24と、駆動回路25,26,27とを有する。中央演算処理装置20とロム21とラム22とは、バス23を介して入出力インタフェース24に電気的に接続されている。入出力インタフェース24には、入力手段であるキーボード16およびマウス17がそれぞれ電気的に接続されている。
【0035】
入出力インタフェース24には、駆動回路25,26,27を介してxyステージ駆動機構9、Z軸駆動用モータ10、ディスプレイ15がそれぞれ電気的に接続されている。ロム21には、撮像された前記RGB画像から、非晶質膜領域と結晶膜領域と異物欠陥領域とを検出する後述の検出プログラムが格納されている。前記検出プログラムは中央演算処理装置20にて実行される。ラム22には、非晶質膜領域の面積の基準値が予め設定されて記録されている。ラム22には、後述する非晶質塊の大きさの基準値が予め定められて記録されている。画像ボード28は図示外のビデオラムを備え、このビデオラムは、カラーCCDカメラ11で撮像されたRGB画像をRGB信号として書換え可能に記録する。撮像画像は、画像ボード28、入出力インタフェース24、駆動回路27を介してディスプレイ15に常時出力される。
【0036】
図5は、非晶質膜領域29と結晶膜領域30と異物欠陥領域31とを検出する工程を模式的に示す図である。図6は、非晶質膜および結晶膜の波長に対する透過特性を示す図表である。前記検出プログラムは、撮像された短波長の透過光での撮像画像32の濃度値に基づいて、二値化された撮像画像32Aを、その濃度値で結晶膜領域30と前記結晶膜領域30以外の第1領域34とに分離する。また前記検出プログラムは、撮像された長波長の透過光での撮像画像33の濃度値に基づいて、二値化された撮像画像33Aを、その濃度値で異物欠陥領域31と前記異物欠陥領域31以外の第2領域35とに分離する。これら分離された結晶膜領域30と第1および第2領域34,35と異物欠陥領域31とを用いて、非晶質膜領域29と結晶膜領域30と異物欠陥領域31とを検出する。
【0037】
撮像された短波長の透過光での撮像画像32として、カラー原画像のうちの青色成分画像を用いている。ここで青色成分画像とは、青色の波長成分の光学像を光電変換して得られた画像である。青色成分画像は単に青色画像とも呼ばれる。撮像された長波長の透過光での撮像画像33として、カラー原画像のうちの赤色成分画像を用いている。ここで赤色成分画像とは、赤色の波長成分の光学像を光電変換して得られた画像である。赤色成分画像は単に赤色画像とも呼ばれる。本実施形態において、前記短波長とは、たとえば約400nm以上500nm以下の波長と同義であり、前記長波長とは、たとえば約600nm以上700nm以下の波長と同義である。
【0038】
非晶質膜と結晶膜とは、波長に対する透過特性が異なる。上述したように、たとえば約400nm以上700nm以下の波長成分を有する白色光を、基板4全体に向けて照射して透過させ、透過光をカラーCCDカメラ11を用いて撮像すると、カラーCCDカメラ11が受光する透過光の光量は、基板4における結晶化状態によって異なる。カラーCCDカメラ11の撮像領域内に、非晶質膜領域29と結晶膜領域30とが混在している場合には、撮像画像には透過率すなわち濃度値の違いで反映される。白色光のうち、約400nm以上500nm以下付近部において、結晶膜の光の透過率と非晶質膜の光の透過率との間に大きな差がある。したがって赤,緑,青色画像のうち、青色画像において、非晶質膜領域29の濃度値は低く、結晶膜領域30の濃度値は高い。このような特性を用いて、非晶質膜領域29と結晶膜領域30とを分離して検出する。
【0039】
図6に示すように、波長約400nm以上500nm以下付近部における非晶質膜の透過率は、波長約600nm以上700nm以下付近部における非晶質膜の透過率よりも低く、波長約400nm以上500nm以下付近部における結晶膜の透過率は、波長約600nm以上700nm以下付近部における結晶膜の透過率より高い。したがって約400nm以上500nm以下付近部における波長構成と、約600nm以上700nm以下付近部における波長構成とが、同じ程度であり、かつ、カラーCCDカメラ11の受光感度がこれらの波長領域において同じ程度の場合、赤色画像における平均濃度値は、青色画像における結晶膜の濃度値と、非晶質膜の濃度値との中間値に略等しくなる。
【0040】
また約600nm以上700nm以下付近部において、結晶膜の透過率と非晶質膜の透過率との差は小さい。つまり赤色画像においては、非晶質膜領域29と結晶膜領域30とのコントラスト差は小さくなる。また前記異物欠陥領域31は、可視光域の全波長域において透過率が低く、短波長の透過光での撮像画像32および長波長の透過光での撮像画像33の濃度値はそれぞれ低くなる。
【0041】
以上のことから、図5に示すように、短波長の透過光での撮像画像32においては、非晶質膜領域29および異物欠陥領域31の濃度値よりも高く、結晶膜領域30の濃度値よりも低い濃度値を、二値化しきい値として二値画像32Aを得る。前記二値画像32Aを、撮像画像32Aまたは短波長画像32Aと呼ぶ場合もある。これによって短波長の透過光での撮像画像32Aを、その画像領域において結晶膜領域30と、前記結晶膜領域30以外の第1領域34とに分離することが可能である。長波長の透過光での撮像画像33においては、異物欠陥領域31の濃度値よりも高く、非晶質膜領域29の濃度値よりも低い濃度値を、二値化しきい値として二値画像33Aを得る。前記二値画像33Aを、撮像画像33Aまたは長波長画像33Aと呼ぶ場合もある。長波長の透過光での撮像画像33における非晶質膜領域29の濃度値は、結晶膜領域30の濃度値と略同等になる(図6の長波長での透過率が略同等なため)。これによって長波長の透過光での撮像画像33Aを、その画像領域において異物欠陥領域31と、前記異物欠陥領域31以外の第2領域35とに分離することが可能である。
【0042】
前記短波長の透過光での撮像画像32における二値画像32Aと、長波長の透過光での撮像画像33における二値画像33Aとの論理積をとることで、異物欠陥領域31だけを二値画像36として検出することができる。前記二値画像36を、異物検出二値画像36と呼ぶ場合もある。さらに短波長の透過光での撮像画像32における二値画像32Aと、前記異物検出二値画像36との差分をとることで、非晶質膜領域29だけを二値画像37として検出することができる。前記二値画像37を、非晶質膜検出二値画像37と呼ぶ場合もある。
【0043】
図7は、固相成長結晶化工程によって得られる結晶性膜を検査する工程を示すフローチャートである。図7において、ai(i=1,2,3…)はステップを示す。評価基板4をxyステージ3に吸着支持し、白色照明13の切替スイッチ13aを、非照射状態から照射状態に手動切替えしたうえで、ステップ0においてこの検査装置2の図示外の主電源を投入し、ステップ1で検査装置2の初期設定を行う。具体的に初期設定項目としては、白色照明13の照明照度と、評価基板4のxyステージ駆動機構9による検査位置などがある。
【0044】
カラーCCDカメラ11および光学顕微鏡12によって、たとえば約100msec毎に撮像されたRGB画像は、カラーCCDカメラ11からRGB信号として画像ボード28に送られ、さらに入出力インタフェース24および駆動回路27を介してディスプレイ15に常時出力される。ディスプレイ15に出力された透過画像を目視確認しつつ、前記初期設定項目である白色照明13の照度を設定し、xyステージ3を、xyステージ駆動機構9によってx方向およびy方向に移動して初期設定項目である検査位置を設定する。
【0045】
その後ステップ2に移行して、結晶膜領域30と非晶質膜領域29とのコントラスト差が大きくなるように最終的な評価基板4として用いる青色画像でフォーカシング調整する。ところで、RGB画像をカラーCCDカメラ11および光学顕微鏡12によって撮像する場合、赤、青、緑成分の光に関してそれぞれ合焦させることが望ましいが、光学顕微鏡12の拡大倍率などによって3つの赤、青、緑色成分の光に関して合焦することは、各色成分の収差に起因して被写界深度が一致しないことから技術的に難しい。本検査装置2および結晶性膜1の検査方法によれば、非晶質膜領域29および結晶膜領域30を分離する濃度値情報は、青色成分で行うため、少なくとも青色成分の光に関して合焦させればよい。ここで合焦とは、光学顕微鏡12の焦点が、撮像対象の結晶性膜1の表面に一致する状態をいう。さらに焦点は、青色成分の光が焦点位置にある状態をいう。
【0046】
ステップ3においては、中央演算処理装置20からバス23、入出力インタフェース24、駆動回路26を介してZ軸駆動用モータ10へ送られる命令によって、xyステージ3を矢符Zにて示す基板4の厚み方向に移動駆動させつつ、結晶性膜1の画像を複数枚撮像する。この複数枚撮像されたカラー原画像は、前記ビデオラム28に書換え可能に記録される。すると前記検出プログラムは、複数枚の撮像画像のうちから、青色成分において濃度値の分散値の高い画像を選出する。
【0047】
フォーカスがずれる程、画像のコントラストは小さくなり、フォーカスがあっているとき、画像のコントラストは高くなる。換言すれば、画像のコントラストが高い、すなわち画像内の濃度値のばらつきが最も顕著な画像を、合焦画像とすることができる。したがって画像内の濃度値の分散値を算出、比較し、最も分散値の大きい画像すなわち最もコントラストの高い画像を合焦画像とする。その後、ステップ4において、前記カラー原画像から青色画像と赤色画像とを分離する。
【0048】
次にステップ5に移行し、非晶質膜領域29および異物欠陥領域31の濃度値よりも高く結晶膜領域30の濃度値よりも低い濃度値を、二値化しきい値として、青色画像を二値化する。これによって短波長の透過光での撮像画像32Aすなわち短波長画像32Aを、その画像領域において結晶膜領域30とその他の第1領域34とに分離する。このとき前記二値化しきい値より小さい濃度値の領域を、たとえば非晶質膜領域29および異物欠陥領域31として検出することができる。前記二値化しきい値より大きい濃度値の領域を、結晶膜領域30として検出することができる。
【0049】
次にステップ6に移行し、異物欠陥領域31の濃度値よりも高く非晶質膜領域29の濃度値よりも低い濃度値を、二値化しきい値として、赤色画像を二値化する。これによって長波長の透過光での撮像画像33Aすなわち長波長画像を、その画像領域において異物欠陥領域31とその他の第2領域35とに分離する。このとき前記二値化しきい値より小さい濃度値の領域を、異物欠陥領域31として検出することができる。前記二値化しきい値より大きい濃度値の領域を、たとえば結晶膜領域30として検出することができる。
【0050】
次にステップ7において、青色成分の二値画像32Aと赤色成分の二値画像33Aとの論理積をとり、異物検出二値画像36を得る。次にステップ8において、青色成分の二値画像32Aと前記異物検出二値画像36との差分をとることで、非晶質膜領域29を二値画像37として検出する。その後ステップ9において、非晶質塊の大きさを算出するとともに、非晶質膜領域29の面積を算出し、ステップ10において終了する。前記非晶質塊とは、非晶質膜領域29における膜材の塊と同義である。このとき非晶質塊を二値画像の8近傍連結成分として検出する。非晶質塊の大きさは、非晶質塊連結成分の外接長方形の辺の長さとする。非晶質膜領域29の面積は、非晶質膜の連結成分の画素数とする。
【0051】
図8は、固相成長結晶化工程と、結晶性膜1の検査工程との関係を示すブロック図である。固相成長結晶化工程後に、結晶膜領域30に対する前記非晶質膜領域29の面積比と、予めラム22に記録しておいた非晶質膜領域の面積比とを比較する。しかも前記非晶質塊の大きさと、予めラム22に記憶しておいた非晶質塊の基準となる大きさとを比較する。このように固相成長結晶化工程直後に、検査装置2によって検査対象の結晶性膜1が正常か否かを判定することができる。
【0052】
上述したように実際の非晶質膜領域29の面積比と、記録しておいた非晶質膜領域の面積比とを比較し、非晶質塊の大きさと、記録しておいた非晶質塊の大きさとを比較し、これら比較結果の情報を固相成長結晶化工程にフィードバックすることによって、固相成長結晶化工程における、非晶質膜を部分的に結晶化するための条件を調整することができる。これによって、非晶質膜領域29および結晶膜領域30の混在比率を所望の比率にした結晶性膜1を作製することが可能になる。また、膜材の非晶質塊を基準となる大きさ未満にした結晶性膜1を作製することが可能となる。したがって前記情報を前工程にフィードバックすることで、歩留まりの向上に寄与することができる。前記非晶質膜を部分的に結晶化するための条件とは、たとえば加熱炉の焼成温度およびその焼成時間などである。
【0053】
以上説明した結晶性膜1の検査装置2によれば、結晶性膜1に、少なくとも短波長および長波長の透過光を照射したうえで、この結晶性膜1をカラーCCDカメラ11および光学顕微鏡12を用いて撮像する。領域分離手段としての制御装置14は、前記撮像された短波長での撮像画像32の濃度値に基づいて、撮像画像32Aを、その画像領域において結晶膜領域30と前記結晶膜領域30以外の第1領域34とに分離する。また前記制御装置14は、撮像された長波長での撮像画像33の濃度値に基づいて、撮像画像33Aを、その画像領域において異物欠陥領域31と前記異物欠陥領域31以外の第2領域35とに分離する。分離された結晶膜領域30と第1および第2領域34,35と異物欠陥領域31とを用いて、撮像画像における非晶質膜領域29と結晶膜領域30と異物欠陥領域31とを検出することができる。
【0054】
このように、同一の白色照明13および同一のカラーCCDカメラ11および光学顕微鏡12を用いて撮像された画像の濃度値に基づいて、非晶質膜領域29と結晶膜領域30と異物欠陥領域31とを検出することができる。換言すれば、たとえば複数の撮像手段および複数の照射手段を用いることなく、前記3つの領域を確実にかつ簡単に検出することができる。したがって、検査装置2の構造を簡単化することができるとともに、前記結晶性膜1のうちの非晶質膜領域29と結晶膜領域30と異物欠陥領域31とを確実にかつ簡単に検出することができる。さらに非晶質膜領域29と結晶膜領域30と異物欠陥領域31とを分離および検出するための制御系を簡単化することができる。
【0055】
また少なくとも短波長および長波長の透過光を照射することができる照射手段を、白色照明13によって簡単に実現することができる。撮像手段は光学顕微鏡12を有するので、光学顕微鏡12によって高い空間分解能を実現することができ、結晶性膜1を所望の拡大倍率で詳細に検査することが可能となる。
【0056】
短波長画像分離段階において、撮像された短波長の透過光での撮像画像32の濃度値に基づいて、撮像画像32Aを、その画像領域において結晶膜領域30と前記第1領域34とに分離する。長波長画像分離段階において、撮像された長波長の透過光での撮像画像33の濃度値に基づいて、撮像画像33Aを、その画像領域において異物欠陥領域31と第2領域35とに分離する。その後、短波長画像分離段階で分離された画像32Aと、長波長画像分離段階で分離された画像33Aとの論理積をとることで、異物欠陥領域31だけを検出する。検出された前記異物欠陥領域31の検出画像36と、短波長画像分離段階で分離された画像32Aとの差分をとることで、非晶質膜領域29だけを検出する。
【0057】
このように、特に、短波長画像分離段階で分離された画像32Aと、長波長画像分離段階で分離された画像33Aとの論理積をとることで、異物欠陥領域31だけを検出することが可能となる。しかも検出された前記異物欠陥領域31の検出画像36と、短波長画像分離段階で分離された画像32Aとの差分をとることで、非晶質膜領域29だけを検出することが可能となる。すなわち、非晶質膜領域29と結晶膜領域30と異物欠陥領域31とを分離および検出する結晶性膜1の検査方法を実現することができる。
【0058】
短波長の透過光での撮像画像32として、カラー原画像のうちの青色成分画像を用いることで、結晶膜領域30と前記結晶膜領域30以外の第1領域34とに分離することを実現することができる。長波長の透過光での撮像画像33として、カラー原画像のうちの赤色成分画像を用いることで、異物欠陥領域31と前記異物欠陥領域31以外の第2領域35とに分離することを実現することができる。
【0059】
本発明の実施の他の形態として、検査対象の結晶性膜を撮像する際、xyステージをz方向に移動駆動させずに、光学顕微鏡およびカラーCCDカメラを移動駆動させる構造にしてもよい。さらにxyステージを移動駆動させるとともに光学顕微鏡およびカラーCCDカメラを移動駆動させるようにすることも可能である。本発明の検査方法は、生産される全ての基板の結晶性膜の検査つまり全数検査であってもよく、生産ロット単位内での抜取り検査であってもよい。記録手段として、ハードディスクなど他の記録手段を適用することも可能である。白色照明は、ハロゲンランプから成るものに限定されるものではない。その他、前記実施形態に、特許請求の範囲を逸脱しない範囲において種々の部分的変更を行う場合もある。
【0060】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、照射手段によって、結晶性膜に、少なくとも短波長および長波長の光を含む照射光を照射したうえで、この結晶性膜を、照射手段の反対方向から撮像手段を用いて撮像する。検出手段は、撮像された撮像画像のうち、短波長および長波長の両方の光を用いてそれぞれ撮像した撮像画像の濃度値に基づいて、撮像画像における非晶質膜領域と結晶膜領域と異物欠陥領域とを検出する。このように、同一の照射手段および同一の撮像手段を用いて撮像された画像の濃度値に基づいて、撮像画像における非晶質膜領域と結晶膜領域と異物欠陥領域とを検出することができる。換言すれば、たとえば複数の撮像手段および複数の照射手段を用いることなく、前記3つの領域を確実にかつ簡単に検出することができる。したがって、検査装置の構造を簡単化することができるとともに、前記結晶性膜のうちの非晶質膜領域と結晶膜領域と異物欠陥領域とを確実にかつ簡単に検出することができる。
【0061】
また本発明によれば、照射手段によって、結晶性膜に、少なくとも短波長および長波長の光を含む照射光を照射したうえで、この結晶性膜を撮像手段を用いて撮像する。領域分離手段は、撮像手段を用いて撮像された短波長での短波長画像の濃度値に基づいて、短波長画像を、その画像領域において結晶膜領域と前記結晶膜領域以外の第1領域とに分離する。また領域分離手段は、撮像された長波長での長波長画像の濃度値に基づいて、長波長画像を、その画像領域において異物欠陥領域と前記異物欠陥領域以外の第2領域とに分離する。検出手段は、領域分離手段によって分離されたこれら結晶膜領域と第1および第2領域と異物欠陥領域とを用いて、撮像画像における非晶質膜領域と結晶膜領域と異物欠陥領域とを検出する。
【0062】
このように、同一の照射手段および同一の撮像手段を用いて撮像された画像の濃度値に基づいて、撮像画像における非晶質膜領域と結晶膜領域と異物欠陥領域とを検出することができる。換言すれば、たとえば複数の撮像手段および複数の照射手段を用いることなく、前記3つの領域を確実にかつ簡単に検出することができる。したがって、検査装置の構造を簡単化することができるとともに、前記結晶性膜のうちの非晶質膜領域と結晶膜領域と異物欠陥領域とを確実にかつ簡単に検出することができる。
【0063】
また本発明によれば、少なくとも短波長および長波長の光を照射することができる照射手段を、白色照明によって簡単に実現することができる。
【0064】
また本発明によれば、撮像手段は光学顕微鏡を有するので、光学顕微鏡によって高い空間分解能を実現することができ、結晶性膜を所望の拡大倍率で詳細に検査することが可能となる。
【0065】
また本発明によれば、第1の工程において、非晶質膜領域と結晶膜領域と異物欠陥領域とが混在された結晶性膜に、少なくとも短波長および長波長の光を含む照射光を照射しつつ前記結晶性膜を撮像する。第2の工程において、撮像された撮像画像のうち、短波長および長波長の両方の光を用いてそれぞれ撮像した撮像画像の濃度値に基づいて、撮像画像における非晶質膜領域と結晶膜領域と異物欠陥領域とを検出する。このように上述した第1の工程以外に、結晶性膜に光を照射して撮像する工程を用いることなく、撮像画像における非晶質膜領域と結晶膜領域と異物欠陥領域とを検出することができる。したがって結晶性膜の検査方法を簡単化したうえで、非晶質膜領域と結晶膜領域と異物欠陥領域とを確実に検出することができる。さらに非晶質膜領域と結晶膜領域と異物欠陥領域とを分離および検出するための制御系を簡単化することができる。
【0066】
また本発明によれば、特に、短波長画像分離段階で分離された短波長画像と、長波長画像分離段階で分離された長波長画像との論理積をとることで、異物欠陥領域だけを検出することが可能となる。しかも検出された前記異物欠陥領域の検出画像と、短波長画像分離段階で分離された画像との差分をとることで、非晶質膜領域だけを検出することが可能となる。すなわち、非晶質膜領域と結晶膜領域と異物欠陥領域とを分離および検出する結晶性膜の検査方法を実現することができる。
【0067】
また本発明によれば、短波長の光での短波長画像として、原画像のうちの青色成分画像を用いることで、結晶膜領域と前記結晶膜領域以外の第1領域とに分離することを実現することができる。長波長の透過光での長波長画像として、原画像のうちの赤色成分画像を用いることで、異物欠陥領域と前記異物欠陥領域以外の第2領域とに分離することを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る結晶性膜1の検査装置2の構成を示す模式図である。
【図2】基板4に形成された結晶性膜1と検査装置2との関係を部分的に示す斜視図である。
【図3】基板4を厚み方向に拡大して示す断面図であって、基板4の一表面部に、結晶性膜を形成した後、結晶膜を形成する工程を段階的に示す断面図である。
【図4】検査装置2の制御系のブロック図である。
【図5】非晶質膜領域29と結晶膜領域30と異物欠陥領域31とを検出する工程を模式的に示す図である。
【図6】非晶質膜および結晶膜の波長に対する透過特性を示す図表である。
【図7】固相成長結晶化工程によって得られる結晶性膜を検査する工程を示すフローチャートである。
【図8】固相成長結晶化工程と、結晶性膜1の検査工程との関係を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 結晶性膜
2 検査装置
11 カラーCCDカメラ
12 光学顕微鏡
13 白色照明
29 非晶質膜領域
30 結晶膜領域
31 異物欠陥領域
32A 短波長画像
33A 長波長画像
34 第1領域
35 第2領域

Claims (7)

  1. 非晶質膜領域と結晶膜領域と異物欠陥領域とが混在した結晶性膜に、少なくとも短波長および長波長の光を含む照射光を照射する照射手段と、
    結晶性膜を、照射手段の反対方向から撮像する撮像手段と、
    撮像手段を用いて撮像された撮像画像のうち、短波長および長波長の両方の光を用いてそれぞれ撮像した撮像画像の濃度値に基づいて、撮像画像における非晶質膜領域と結晶膜領域と異物欠陥領域とを検出する検出手段とを有することを特徴とする結晶性膜の検査装置。
  2. 非晶質膜領域と結晶膜領域と異物欠陥領域とが混在した結晶性膜に、少なくとも短波長および長波長の光を含む照射光を照射する照射手段と、
    結晶性膜を、照射手段の反対方向から撮像する撮像手段と、
    撮像手段を用いて撮像された短波長の光での短波長画像の濃度値に基づいて、短波長画像を、その画像領域において結晶膜領域と前記結晶膜領域以外の第1領域とに分離し、撮像手段を用いて撮像された長波長の光での長波長画像の濃度値に基づいて、長波長画像を、その画像領域において異物欠陥領域と前記異物欠陥領域以外の第2領域とに分離する領域分離手段と、
    領域分離手段によって分離された結晶膜領域と第1および第2領域と異物欠陥領域とを用いて、撮像画像における非晶質膜領域と結晶膜領域と異物欠陥領域とを検出する検出手段とを有することを特徴とする結晶性膜の検査装置。
  3. 照射手段は、白色照明であることを特徴とする請求項1または2に記載の結晶性膜の検査装置。
  4. 撮像手段は、光学顕微鏡を有することを特徴とする請求項1または2に記載の結晶性膜の検査装置。
  5. 非晶質膜領域と結晶膜領域と異物欠陥領域とが混在した結晶性膜に、少なくとも短波長および長波長の光を含む照射光を照射しつつ前記結晶性膜を撮像する第1の工程と、
    撮像された撮像画像のうち、短波長および長波長の両方の光を用いてそれぞれ撮像した撮像画像の濃度値に基づいて、撮像画像における非晶質膜領域と結晶膜領域と異物欠陥領域とを検出する第2の工程とを有することを特徴とする結晶性膜の検査方法。
  6. 前記第2の工程は、
    撮像された短波長の光での短波長画像の濃度値に基づいて、短波長画像を、その画像領域において結晶膜領域と前記結晶膜領域以外の第1領域とに分離する短波長画像分離段階と、
    撮像された長波長の光での長波長画像の濃度値に基づいて、長波長画像を、その画像領域において異物欠陥領域と前記異物欠陥領域以外の第2領域とに分離する長波長画像分離段階と、
    短波長画像分離段階で分離された短波長画像と、長波長画像分離段階で分離された長波長画像との論理積をとることで異物欠陥領域だけを検出する段階と、
    前記段階で検出された異物欠陥領域の検出画像と、短波長画像分離段階で分離された短波長画像との差分をとることで非晶質膜領域だけを検出する段階と、
    を有することを特徴とする請求項5に記載の結晶性膜の検査方法。
  7. 短波長の光での短波長画像として、原画像のうちの青色成分画像を用い、長波長での光での長波長画像として、原画像のうちの赤色成分画像を用いることを特徴とする請求項6に記載の結晶性膜の検査方法。
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