JP2004178958A - コネクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、確実にFPC50又はFFCを嵌合口18内に誘うことができ、ピッチの狭小化やコネクタ10の小型化が可能なコネクタ10を提供せんとするものである。
【解決手段】本目的はFPC40又はFFCと着脱自在に嵌合するコネクタ10であって、FPC40又はFFCと接触する接触部22を有する所要数のコンタクト14、141と、このコンタクト14、141が保持・固定されるとともにFPC40又はFFCが挿入される嵌合口18を有するハウジング12とを備えるコネクタ10において、ハウジング12には嵌合口18側にFPC40又はFFCを誘う凹部19を設け、コンタクト141の接続部24をハウジング12の凹部19内から突出しないように配置することにより達成できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話やノートパソコンやデジタルカメラ等に使用されるコネクタに関するもので、特にフレキシブルプリント基板(以下「FPC」という)やフレキシブルフラットケーブル(以下「FFC」という)をコネクタに誘い易くし、かつ、コネクタの狭小化を図ったものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話やCCDカメラ等に使用されるコネクタは、狭ピッチで極薄(所謂軽薄短小)であり、主にハウジングとコンタクトとを備え、ハウジングにFPC又はFFCを挿入し、コンタクトの接触部に接触させう構造のものや主にハウジングとコンタクトとスライダーとを備え、ハウジングとスライダーとでFPC又はFFCを挟持する構造である。ハウジングとスライダーとでFPC又はFFCを保持する方法には、色々考えられるが、中でもハウジングにFPC又はFFCを挿入した後にスライダーを挿入しFPC又はFFCをコンタクトに押しつける構造のものが多い。また、客先の仕様や狭ピッチを図るためには、前記コンタクトの接続部を前記ハウジングの嵌合口側に配置しなければならないこともある。
ハウジングには、コンタクトが挿入される所要数の挿入孔が設けられるとともにFPC又はFFCが挿入される嵌合口が設けられている。
コンタクトは主にFPC又はFFCと接触する接触部と基板等に接続する接続部とハウジングに固定される固定部とから構成されている。このコンタクトは、圧入等によってハウジングに固定されている。
【0003】
【特許文献1】
例えば、ゼロインサーションフォース構造としては、実開平6−60983号がある。実開平6−60983号の要約によると、その目的は、電子機器や通信機器内の狭いスペースに使用されるスライダー付プリント基板用コネクタに関するものであり、その構成は、コネクタのスライダーの両側端部にそのスライダーが挿入されるハウジングへの挿入ガイドとして手前側が固定されたU字形状のアーム部を形成し、そのU字形状のアーム部の開放端側に凸部を設けるとともに、U字形状のアーム部の開放端が挿入方向から目視できるように切欠部を設け、ハウジングの両側端部にはスライダーの凸部が係合する傾斜面を有する突出部を設け、スライダーをフレキシブル・プリント基板の接続端子部とともにハウジングに挿入されるとき、当該スライダーの凸部がハウジングの傾斜面を有する突出部を乗り越えることにより、そのU字形状のアーム部の開放端が一時的に外側に広げられ、かつ挿入完了時にその開放端が正常位置に復帰するようにしたコネクタが開示されている。
【0004】
【特許文献2】
所謂、ピアノタッチ構造としては、特開平13−257020号に、コネクタのコンタクトとFPC叉はFFCのパターンとの位置合わせを確実に行うことを目的とし、FPC叉はFFCが挿入される開口側の、コネクタの端子ブロックの各コンタクト間の稜線上に突起を列設して、端子ブロックにFPC叉はFFCを挿入した後に、スライダを移動させることによってFPC叉はFFCを前記コンタクトに押圧させ、前記スライダでFPC叉はFFCをコンタクトに押しつけ電気接続させる際に、この突起がFPC叉はFFCのパターン間の凹部に入ることにより、コネクタのコンタクトとFPC叉はFFCのパターンとの位置合わせを確実に行うものが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
近年、この種のコネクタでは、電気機器(電子機器)の小型化に伴い、より一層の小型化の要求が強くなってきているが、上述した構造のコネクタで前記コンタクトの接続部が前記ハウジングの嵌合口側に配置された場合には、FPC又はFFCの誘いとの兼ね合いから前記ハウジングから前記コンタクトの接続部が突出せざるおえなく、もうこれ以上小型化出来ないといった解決すべき課題があった。
また、コネクタのピッチの狭小化が要求された場合、従来の構造のようにコンタクトを一方向から挿入したのでは、コネクタの狭小化にも限界があった。
【0006】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、確実にFPC又はFFCを嵌合口内に誘うことができ、ピッチの狭小化やコネクタの小型化が可能なコネクタを提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、FPC40又はFFCと着脱自在に嵌合するコネクタ10であって、該FPC40又は前記FFCと接触する接触部22を有する所要数のコンタクト14、141と、このコンタクト14、141が保持・固定されるとともに前記FPC40又は前記FFCが挿入される嵌合口18を有するハウジング12とを備えるコネクタ10において、
前記ハウジング12には前記嵌合口18側に前記FPC40又は前記FFCを誘う凹部19を設け、前記コンタクト141の接続部24を前記ハウジング12の凹部19内から突出しないように配置することにより達成できる。
【0008】
ピッチの狭小化に対応するために、2種類のコンタクト14、141を千鳥に配置した場合は、一方のコンタクト14の接続部24を前記ハウジング12の嵌合口18と反対側に配置し、もう一方のコンタクト141の接続部24を前記ハウジング12の凹部19内から突出しないように配置する。
FPC40又はFFCの挿入時に挿入力が掛からないように、前記ハウジングの嵌合口からFPC40又はFFCを挿入した後にスライダーを挿入し、該スライダーにより前記FPC40又はFFCを前記コンタクトの接触部に押しつける構造にする。
FPC40又はFFCの挿入時に挿入力が掛からないように、または、一方のコンタクト14には接触部22と接続部24との間に弾性部34と支点部32とを設けるとともに前記接触部22と前記弾性部34と前記支点部32と前記接続部24とを略クランク形状に配置し、かつ、前記接続部24と対向する位置に前記弾性部34から延設された押受部20を設け、もう一方のコンタクト141には接触部22と接続部24との間に弾性部34と支点部32とを設けるとともに前記接触部22と前記弾性部34と前記支点部32と前記接続部24とを略コ字状に配置し、かつ、前記弾性部34から接触部22と反対方向に延設された押受部20を設け、前記接続部24が前記ハウジング12の凹部19内に入るように配置し、前記スライダー16に長手方向に連設した押圧部36を設け、該押圧部36が一方のコンタクト14の接続部24と押受部20との間及びもう一方のコンタクト141の押受部20と前記ハウジング12との間で回動自在に前記スライダー16を前記ハウジング12に装着する。
前記ハウジング12の凹部19内に配置された前記コンタクト141の接続部24とにより前記FPC40又は前記FFCをガイドできるようにする。
【0009】
【作用】
前記FPC40又はFFCが前記ハウジング12の嵌合口18内に挿入される際に、前記FPC40又はFFCの先端が前記ハウジング12の凹部19内に配置された前記コンタクト141の接続部24に当たり、前記FPC40又はFFCは前記ハウジング12の嵌合口18内に誘われる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の重要な特徴は、「前記ハウジング12の前記嵌合口18側に前記FPC40又は前記FFCを誘う凹部19を設け、前記コンタクト141の接続部24を前記ハウジング12の凹部19内から突出しないように配置した」点にある。この特徴を活かした形態には、3つタイプがある。3つのタイプとも、FPC40をコンタクトに接触させる構造である点では同じであるが、FPCをコンタクトに接触させる仕方に相違がある。
第一の構造のコネクタ10は、主にハウジング12とコンタクト14、141とスライダー16とを備えており、前記スライダー16が回動してFPC40をコンタクト14、141に押しつけるタイプのものであり、所謂ピアノタッチ方式と称するタイプのコネクタ10である。前記スライダー16を回動させる位置としては、嵌合側であったり、コンタクト接続側(テール側)であったりする。以下の実施例では、このタイプのものを詳細に説明する。
【0011】
第二の構造のコネクタは、第一と同様に主にハウジングとコンタクトとスライダーとを備えており、前記スライダーを前記ハウジングの嵌合口へ挿入して、前記FPCを前記コンタクトに押しつけるタイプのものであり、所謂ZIF構造(ゼロ インサーション フォース)タイプ)のコネクタと称するものである。即ち、前記ハウジングの嵌合口から前記FPCを挿入した後に、前記スライダーを前記嵌合口内に挿入して、前記FPCを前記コンタクトに押しつけるものである。
第三の構造のコネクタは、主にハウジングとコンタクトとを備えており、前記FPCを前記ハウジングの嵌合口へ挿入して、前記FPCを前記コンタクトに接触させる(押しつける)タイプのものであり、スライダーを使用しない所謂NON ZIFタイプのコネクタと称されるものである。即ち、前記FPCの厚さより狭い、前記コンタクト接触部間や前記コンタクトと前記ハウジングとの間に、前記FPCを無理に挿入して、前記コンタクトに接触させる(押しつける)ものである。
上述した3つの構造のもの全てに、嵌合側に凹部を設けていることは言うまでもない。
【0012】
【実施例】
図1から図5に基づいて、本発明のコネクタの一実施例について説明する。図1(A)はスライダーが開いた状態の嵌合口側からみた本発明のコネクタの斜視図であり、(B)はスライダーが開いた状態の接続部側からみた本発明のコネクタの斜視図である。図2(A)はスライダーが開いた状態のある一方のコンタクト部分で切断した本発明のコネクタの斜視図であり、(B)はFPCが挿入されスライダーが閉じた状態のある一方のコンタクト部分で切断した本発明のコネクタの斜視図である。図3(A)はスライダーが開いた状態のあるもう一方のコンタクト部分で切断した本発明のコネクタの斜視図であり、(B)はFPCが挿入されスライダーが閉じた状態のあるもう一方のコンタクト部分で切断した本発明のコネクタの斜視図である。図4はスライダーの斜視図である。図5は一方のコンタクトの変形例を示した図面である。
一実施例の本発明のコネクタ10は、主にハウジング12とスライダー16とコンタクト14、141とを備えている。該コネクタ10は、2種類のコンタクト14、141をハウジング12への挿入方向を変えて千鳥に配列しており、挿入方向を変えて千鳥に配列することによってピッチの狭小化と低背位化に対応させたものである。
【0013】
図に基づいて本発明のコネクタ10の構成部品について説明する。
まず、本発明のポイントであるハウジング12について説明する。このハウジング12は電気絶縁性のプラスチックであり、公知技術の射出成形によって製作され、この材質としては寸法安定性や加工性やコスト等を考慮して適宜選択するが、一般的にはポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリアミド(66PA、46PA)や液晶ポリマー(LCP)やポリカーボネート(PC)やこれらの合成材料を挙げることができる。
【0014】
前記ハウジング12には、所要数のコンタクト14、141が装着される挿入溝38が設けられており、圧入や引っ掛け(ランス)や溶着等によって固定されている。また、前記ハウジング12の前記嵌合口18側に前記FPC40又は前記FFCを誘う凹部19が設けられている。該凹部19の大きさは、前記ハウジング12の強度や前記コンタクト14、141の接続性(半田付け性)や前記FPC40の誘い易さを考慮し、前記コンタクト141の接続部24が前記ハウジング12の凹部19内から突出しないように適宜設計されている。前記ハウジング12の長手方向両側には、前記スライダー16の軸28が回動可能に装着される軸受部が設けられている。この軸受部の形状や大きさは、スライダー16の軸28が回動できるように装着されていれば如何なるものでもよく、この役割やハウジング12の強度や大きさ等を考慮して適宜設計する。さらにまた、長手方向両側には、前記スライダー16のロック部に対応した位置に係止部が設けられている。
【0015】
次に、2種類のコンタクト14、141について説明する。この2種類のコンタクト14、141は金属製であり、公知技術のプレス加工によって製作されている。前記コンタクト14、141の材質としては、バネ性や導電性などが要求されるので、黄銅やベリリウム銅やリン青銅等を挙げることができる。
【0016】
一方の前記コンタクト14は、図2のように倒略H形状をしており、主にFPC40又はFFCと接触する接触部22と基板に接続する接続部24とハウジング12に固定する固定部42と前記接触部22と前記接続部24との間に設けられた弾性部34及び支点部32と前記接続部24と対向する位置に前記弾性部34から延設された押受部20と支点部32から延設した方向にも前記FPC40又はFFCと接触するもう一つの接触部22とを備えている。上方側の前記接触部22(図2(A)の図面の上側)と前記弾性部34と前記支点部32と前記接続部24とは、略クランク形状に配置されている。前記接触部22は、FPC40又はFFCと接触し易いように凸部形状にしており、前記接続部24は本実施例では図1のように表面実装タイプ(SMT)にしているが、ディップタイプでも良い。即ち、2つの接触部22、22を設けて、前記FPC40又はFFCを挟持するようにする。前記FPC40又はFFCの挿入方向に対して、直角方向両側に接触部22、22を設けることで、前記FPC40又はFFCを2つの接触部22、22で挟持することになり、確実に前記FPC40又はFFCと接触できるようになる。
【0017】
前記支点部32と前記弾性部34と前記押受部20とは、前記FPC40又はFFCが挿入された際に、次のような作用を果たすための部分である。前記FPC40又はFFCが前記ハウジング12の嵌合口18内に挿入された後に、前記スライダー16の押圧部36が前記コンタクト14の接続部24と押受部20との間で回動すると、前記押受部20が押圧部36によって押し上げられることで前記コンタクト14の支点部32を支点にし、前記コンタクト14の弾性部34が前記接触部22側に傾くことによって、前記接触部22が前記FPC40又はFFC側に押圧される。前記支点部32と前記弾性部34と前記押受部20の大きさや形状は、このような作用を果たすために、適宜設計されている。また、前記コンタクト14の押受部20の先端に突出部26を設け、スライダー16の押圧部36をコンタクト14の押受部20と接続部24との間で回動させるとき、前記スライダー16の係止孔30に係合させることで、スライダー16の回動に対する強い反発力に対抗し、スライダー16の中央部が図1(B)の矢印「ロ」方向に膨れてしまうことを防ぐようにすることが望ましい。前記突出部26の大きさは、このような役割を果たすことが出来れば如何なる大きさでもよく、スライダー16の押圧部36が引っ掛かる程度に適宜設計する。
【0018】
もう一方のコンタクト141について説明する。ここでは、上述した一方のコンタクト14との相違部分についてのみ説明する。もう一方の前記コンタクト141も一方の前記コンタクト14と同様に倒略H字形状をしており、倒略H字形状のものは、主にFPC40又はFFCと接触する接触部22と基板に接続する接続部24とハウジング12に固定する固定部42と前記接触部22と前記接続部24との間に設けられた弾性部34及び支点部32と前記弾性部34から延設された押受部20と前記支点部32からも接続部24と反対方向に延設された延設部44とを備え、前記接触部22と前記弾性部34と前記支点部32と前記接続部24とは略コ字形状に配置されている。前記接続部24は、一方のコンタクトと同様に表面実装タイプ(SMT)にしているが、ディップタイプでも良い。
【0019】
前記支点部32と前記弾性部34と前記押受部20とは、一方のコンタクト14と同様に、前記FPC40又はFFCが挿入された際に、前記スライダー16の押圧部36が前記コンタクト141の押受部20と延設部44との間で回動すると、前記押受部20が押圧部36によって押し上げられることで前記コンタクト141の支点部32を支点にし、前記コンタクト141の弾性部34が前記接触部22側に傾くことによって、前記接触部22が前記FPC40又はFFC側に押圧される。前記支点部32と前記弾性部34と前記押受部20の大きさや形状は、このような作用を果たすために、適宜設計されている。また、前記コンタクト141の押受部20の先端に突出部26を設け、スライダー16の押圧部36を回動させるとき、前記スライダー16の係止孔30に係合させることで、スライダー16の回動に対する強い反発力に対抗し、スライダー16の中央部が図1(B)の矢印「ロ」方向に膨れてしまうことを防ぐようにすることが望ましいが、ピッチの狭小化による前記スライダー16の強度を考慮すると、2種類あるコンタクト14、141の内、一方のコンタクト14に設けておけば、十分である。前記突出部26の大きさは、このような役割を果たすことが出来れば如何なる大きさでもよく、スライダー16の押圧部36が引っ掛かる程度に適宜設計する。
【0020】
図5のように、一方のコンタクト14に代えて、一方のコンタクト14の支点部32から延設した方向に設けたFPC40又はFFCとの接触部22を削除したものであり、形状を略逆h字形状にしたコンタクト142を使用してもよい。もう一方の前記コンタクト141も、主にFPC40又はFFCと接触する接触部22と基板に接続する接続部24とハウジング12に固定する固定部42と前記接触部22と前記接続部24との間に設けられた弾性部34及び支点部32と前記弾性部34から延設された押受部20を備えた、略逆h字形状のものでもよく、前記接触部22と前記弾性部34と前記支点部32と前記接続部24とが略コ字形状に配置されている。
【0021】
最後に、スライダー16について説明する。このスライダー16は電気絶縁性のプラスチックであり、公知技術の射出成形によって製作され、この材質としては寸法安定性や加工性やコスト等を考慮して適宜選択するが、一般的にはポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリアミド(66PA、46PA)や液晶ポリマー(LCP)やポリカーボネート(PC)やこれらの合成材料を挙げることができる。該スライダー16は主にハウジング12に回動可能に装着される軸28部分と前記コンタクト14、141の押受部20を押圧する押圧部36と前記コンタクト14、141の突出部26が係合する係止孔30とを備えている。前記軸28は、スライダー16を回動するための支点であり、ハウジング12の長手方向両側にスライダー16が回動可能に適宜装着されている。また、長手方向両側には、前記コンタクト14、141の押受部20を押圧した際にスライダー16が高さ(図面の上)方向に持ち上がらないようにするためにハウジング12と係合するロック部が設けられている。ロック部の形状や大きさ等は、ハウジング12に係合できれば如何なるものでもよく、上述の役割やコネクタの大きさや強度等を考慮して適宜設計する。
【0022】
前記押圧部36は、コンタクト14、141の押受部20に押し付ける部分であり、その形状としては細長形状にすることが望ましく、本実施例では楕円形状をしている。このように楕円形状にすることによって、図2(A)のようにスライダー16を矢印「イ」方向に回動させ、コンタクト14の押受部20と接続部24との間で回転させることで、押圧部36の大きさの変化によりコンタクト14の押受部20が持ち上げられ、FPC40又はFFCをコンタクト14の接触部22側に押し付けている。押圧部36の形状としては、コンタクト14の押受部20と接続部24との間で回転でき、長軸と短軸といった大きさの違いによりコンタクト14の押受部20を押し上げられれば、如何なるものでもよい。
また、前記スライダー16を回動した際に、スライダー16の回動に対する反発力が強く、スライダー16の中央部が図1(B)の矢印「ロ」方向に膨れてしまうことを防ぐようにする為に、前記コンタクト14の突出部26が係合する係止孔30が別個独立に設けられている。前記係止孔30を別個独立に設けることで、スライダー16の強度アップや回動時の変形を防止している。
【0023】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のコネクタによると、次のような優れた顕著な効果が得られる。
(1)前記ハウジング12には前記嵌合口18側に前記FPC40又は前記FFCを誘う凹部19を設け、前記コンタクト141の接続部24を前記ハウジング12の凹部19内から突出しないように配置しているので、確実にFPC40又はFFCを嵌合口18内に誘うことができる。
(2)スライダー16をハウジング12のコンタクト接続部24側で回動させることで、コンタクト14、141の接触部22をFPC40又はFFCに接触させる構造にしているので、ハウジング12の嵌合口18にスライダー16を挿入することがなく、スライダー16の厚み分だけコネクタ10の低背位化が可能になった。
(3)2種類のコンタクト14、141を準備し、一方のコンタクト14を接続部24側から挿入し、もう一方のコンタクト141を嵌合口18側から挿入し、前記スライダー16を接続部24側で回動させることで、容易に狭小化と低背位化が可能になる。
(4)FPC40又はFFCを挿入する側はハウジング12の嵌合口16で、コンタクト14、141の接触部22をFPC40又はFFCに押しつける動作はコンタクト14の接続部24側で行っているので、コネクタ10が小型化しても作業性に影響がなく、容易に作業を行うことができる。
(5)前記FPC40又はFFCが前記ハウジング12の嵌合口18内に挿入された後に、前記スライダー16の押圧部36が一方の前記コンタクト14の接続部24と押受部20との間で回動すると、前記押受部20が押圧部36によって押し上げられることで前記コンタクト14の支点部32を支点にし、前記コンタクト14の弾性部34が前記接触部22側に傾くことによって、前記接触部22が前記FPC40又はFFC側に押圧されるので、確実にコンタクト14の接触部22とFPC40又はFFCとを接続することができる。
(6)前記FPC40又はFFCが前記ハウジング12の嵌合口18内に挿入された後に、前記スライダー16の押圧部20がもう一方の前記コンタクト141の押受部20と延設部44との間で回動すると、前記押受部20が押圧部36によって押し上げられることで前記コンタクト141の支点部32を支点にし、前記コンタクト141の弾性部34が前記接触部22側に傾くことによって、前記接触部22が前記FPC40又はFFC側に押圧されるので、確実にコンタクト141の接触部22とFPC40又はFFCとを接続することができる。
(7)一方の前記コンタクト14若しくは両方の押受部20の先端に突出部26を設けているので、スライダー16の押圧部36をコンタクト14の押受部20と接続部24との間で回動させるときスライダー16の回動に対する反発力が強くても、スライダー16の中央部が矢印「ロ」方向(図1(B))に膨れてしまうことを防ぐことが出来る。
(8)前記スライダー16の押圧部36の形状を細長形状(長軸と短軸がある)にしているので、前記スライダー16を回動した際に、確実に前記コンタクト14、141の押受部20を上方に押し上げ、接触部22をFPC40又はFFCに容易に接触させることができる。
(9)前記スライダー16には所要数の前記コンタクト14の突出部26と係合する係止孔30を設け、該係止孔30を別個独立にしているので、前記スライダー16を強固で、確実に回動することができ、かつ、変形を生じない。
(10)一方の前記コンタクト14の支点部32から延設した方向にも前記FPC40又はFFCと接触する接触部22を設けると、前記FPC40又はFFCの挿入方向に対して、直角方向両側に接触部22を設けることになり、前記FPC40又はFFCを接触部22で挟持することになるので、確実に前記FPC40又はFFCと接触できるようになる。
(11)もう一方の前記コンタクト141の支点部32と接続部24との間にもFPC40又はFFCと接触する接触部22を設けると、前記FPC40又はFFCの挿入方向に対して、直角方向両側に接触部22を設けることになり、前記FPC40又はFFCを接触部22で挟持することになるので、確実に前記FPC40又はFFCと接触できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)
スライダーが開いた状態の嵌合口側からみた本発明のコネクタの斜視図である。
(B)
スライダーが開いた状態の接続部側からみた本発明のコネクタの斜視図である。
【図2】(A)
スライダーが開いた状態のある一方のコンタクト部分で切断した本発明のコネクタの斜視図である。
(B)
FPCが挿入されスライダーが閉じた状態のある一方のコンタクト部分で切断した本発明のコネクタの斜視図である。
【図3】(A)
スライダーが開いた状態のあるもう一方のコンタクト部分で切断した本発明のコネクタの斜視図である。
(B)
FPCが挿入されスライダーが閉じた状態のあるもう一方のコンタクト部分で切断した本発明のコネクタの斜視図である。
【図4】スライダーの斜視図である。
【図5】一方のコンタクトの変形例を示した図面である。
【符号の説明】
10 コネクタ
12 ハウジング
14、141、142 コンタクト
16 スライダー
18 嵌合口
19 凹部
20 押受部
22 接触部
24 接続部
26 突出部
28 軸
30 係止孔
32 支点部
34 弾性部
36 押圧部
38 挿入溝
40 FPC
42 固定部
44 延設部

Claims (5)

  1. フレキシブルプリント基板(FPC)又はフレキシブルフラットケーブル(FFC)と着脱自在に嵌合するコネクタであって、該フレキシブルプリント基板又は前記フレキシブルフラットケーブルと接触する接触部を有する所要数のコンタクトと、このコンタクトが保持・固定されるとともに前記フレキシブルプリント基板又は前記フレキシブルフラットケーブルが挿入される嵌合口を有するハウジングとを備えるコネクタにおいて、
    前記ハウジングには前記嵌合口側に前記フレキシブルプリント基板(FPC)又は前記フレキシブルフラットケーブル(FFC)を誘う凹部を設け、前記コンタクトの接続部を前記ハウジングの凹部内から突出しないように配置したことを特徴とするコネクタ。
  2. 2種類のコンタクトを千鳥に配置し、一方のコンタクトの接続部を前記ハウジングの嵌合口と反対側に配置し、もう一方のコンタクトの接続部を前記ハウジングの凹部内から突出しないように配置したことを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
  3. 前記ハウジングの嵌合口から前記フレキシブルプリント基板(FPC)又は前記フレキシブルフラットケーブル(FFC)を挿入した後にスライダーを挿入し、該スライダーにより前記フレキシブルプリント基板(FPC)又は前記フレキシブルフラットケーブル(FFC)を前記コンタクトの接触部に押しつける構造にしたことを特徴とする請求項2記載のコネクタ。
  4. 一方のコンタクトには接触部と接続部との間に弾性部と支点部とを設けるとともに前記接触部と前記弾性部と前記支点部と前記接続部とを略クランク形状に配置し、かつ、前記接続部と対向する位置に前記弾性部から延設された押受部を設け、もう一方のコンタクトには接触部と接続部との間に弾性部と支点部とを設けるとともに前記接触部と前記弾性部と前記支点部と前記接続部とを略コ字状に配置し、かつ、前記弾性部から接触部と反対方向に延設された押受部を設け、前記接続部が前記ハウジングの凹部内に入るように配置し、前記スライダーに長手方向に連設した押圧部を設け、該押圧部が一方のコンタクトの接続部と押受部との間及びもう一方のコンタクトの押受部と前記ハウジングとの間で回動自在に前記スライダーを前記ハウジングに装着したことを特徴とする請求項2記載のコネクタ。
  5. 前記ハウジングの凹部内に配置された前記コンタクトの接続部とにより前記フレキシブルプリント基板(FPC)又は前記フレキシブルフラットケーブル(FFC)をガイドできるようにしたことを特徴とする請求項3乃至4記載のコネクタ。
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