JP2004178952A - リチウム電池用包材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】リチウム電池の包材中で、層間のラミネート強度が低下せず、深絞り成形でも最外層とアルミ箔層の剥離せず、高速で効率良くラミネートするリチウム電池用包材の製造方法を提供する。
【解決手段】最外層/アンカーコート層1/サンド樹脂層/アンカーコート層2/アルミ箔層/アンカーコート層2/シーラント層を構成する製造方法で、両面にベーマイト処理を施し一方面にアンカーコート層2を設けたアルミ箔層と、最外層の片面にアンカーコート層1を設け、前記2層のアンカーコート層1、2、の間に押出ラミネート法によるサンド樹脂層を形成後、該ラミネート体の片面のベーマイト面にアンカーコート層2を設け、シーラント層を押出ラミネート法により積層する製造方法であり、アンカーコート層2がイソシアネート化合物またはシランカップリング剤で形成するリチウム電池用包材の製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】最外層/アンカーコート層1/サンド樹脂層/アンカーコート層2/アルミ箔層/アンカーコート層2/シーラント層を構成する製造方法で、両面にベーマイト処理を施し一方面にアンカーコート層2を設けたアルミ箔層と、最外層の片面にアンカーコート層1を設け、前記2層のアンカーコート層1、2、の間に押出ラミネート法によるサンド樹脂層を形成後、該ラミネート体の片面のベーマイト面にアンカーコート層2を設け、シーラント層を押出ラミネート法により積層する製造方法であり、アンカーコート層2がイソシアネート化合物またはシランカップリング剤で形成するリチウム電池用包材の製造方法。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウム電池に用いることが可能な包材の製造方法に関し、詳細には、リチウム電池の電解液を包材中に入れて保存してもアルミ箔層とシーラント層間のラミネート強度が低下せず、深絞り成形を行っても最外層とアルミ箔層の剥離がみられないリチウム電池用包材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パソコン、携帯電話などの携帯端末装置、ビデオカメラなどに用いられる電池として、超薄型化、小型化の可能なリチウム電池が盛んに開発されている。このリチウム電池用の包材としては、従来電池包材として用いられていた金属製缶とは異なり、軽量で電池の形状を自由に選択できるという利点から、多層フィルム(例えば、最外層/アルミ箔層/シーラント層のような構成)を袋状にしたものが用いられるようになってきた。
【0003】
リチウム電池は、電池内容物として正極材、負極材と共に、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチルなどの非プロトン性溶媒液にリチウム塩を溶解した電解液、若しくはその電解液を含浸させたポリマーゲルからなる電解質層を含んでいる。このような強浸透性の溶媒がシーラント層を浸透してアルミ箔層面まで通過すると、アルミ箔層とシーラント層間のラミネート強度を低下させ、最終的には電解液が漏れ出すといった問題があり、対応策としアルミ箔層とシーラント層間のラミネート強度を強め、電解溶液等の内容物耐性を持たせることは必須である。
【0004】
また、電池の電解質であるリチウム塩としてはLiPF6LiBF4などの物質が用いられているが、これらの塩は水分との加水分解反応によりフッ化水素酸を発生し、これはアルミ箔層の金属面の腐食、多層フィルムの各層間のラミネート強度低下を引き起こすことがある。前記多層フィルムはアルミ箔層を用いることにより最外層の表面からの水分の侵入は遮断されるが、最内層であるシーラント層のシール部端面からの水分の侵入を完全に遮断することはできず、アルミ箔層とシーラント層間のラミネート強度をさらに強くし、発生したフッ化水素酸によってそれらのラミネート強度が低下しないものにする必要がある。
【0005】
アルミ箔層とシーラント層を積層する方法として最も一般的なものはドライラミネート法である。しかし、このラミネート用接着剤にはポリエステルポリオール、ポリエーテルポリウレタンなどを用いており、これらは電解液耐性が低くアルミ箔層とシーラント層間のラミネート強度の低下を引き起こすという欠点がある。
【0006】
さらに最近では、アルミ箔上に溶液型の接着性樹脂を塗布し、その上からシーラント層を加熱圧着して貼合わせを行う、熱ラミネート法を用いることが多くなっている。しかし、この方式ではアルミ箔を加熱しながら、ゆっくりとした速度で圧力をかけながらラミネートを行うために作業効率が悪く、またコストもかかるものであった。
【0007】
リチウム電池用包材の多層フィルム(以下積層体と記す)を作製した後には、オス型、メス型により冷間成形を行う深絞り成形が行われるが、例えばリチウム電池用包材として、ナイロン/接着層/アルミ箔層/シーラント層からなる積層体が用いられ、前記接着層を作製するときにはドライラミネート法を用いるのが一般的であるが、この構成では深絞り成形を行ったとき、ナイロンとアルミ箔層の剥離が発生することがあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の課題点を解決するものであり、リチウム電池の電解液を包材中に入れて保存してもアルミ箔層とシーラント層間のラミネート強度が低下せず、深絞り成形を行っても最外層とアルミ箔層の剥離がみられず、高速で効率良くラミネートを行うことが可能なリチウム電池用包材の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題点を解決するために考え出されたものであり、請求項1に係る発明は、少なくとも、最外層/アンカーコート層(1)/サンド樹脂層/アンカーコート層(2)/アルミ箔層/アンカーコート層(2)/シーラント層の構成からなるリチウム電池用包材の製造方法において、両面に熱水変性処理を施しアルミ箔層のその一方の面にアンカーコート層(2)を設けたアルミ箔層と、最外層のその一方の面にアンカーコート層(1)を設けた最外層とを、アルミ箔層のアンカーコート層(2)面と最外層のアンカーコート層(1)面の間に押出ラミネート法によるサンド樹脂層を形成によりサンドイッチラミネートした後、該ラミネート体のその一方の熱水変性処理したアルミ箔層面にアンカーコート層(2)を設けた前記ラミネート体と、シーラント層とを押出ラミネート法により積層することを特徴とするリチウム電池用包材の製造方法である。
【0010】
本発明の請求項2に係る発明は、前記熱水変性処理の方法が、ベーマイト処理の方法であることを特徴とする請求項1に記載のリチウム電池用包材の製造方法である。
【0011】
本発明の請求項3に係る発明は、前記アンカーコート層(2)が、イソシアネート化合物またはシランカップリング剤で形成することを特徴とする請求項1又は2に記載のリチウム電池用包材の製造方法である。
【0012】
本発明の請求項4に係る発明は、前記サンド樹脂層およびシーラント層が、ポリエチレン系樹脂またはポリプロピレン系樹脂で形成することを特徴とする請求項1乃至3項のいずれか1項記載のリチウム電池用包材の製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0014】
図1は本発明のリチウム電池用包材の一実施例の構成を示す側断面図である。
最外層10より、アンカーコート層(1)41、サンド樹脂層51、アンカーコート層(2)42、アルミ箔層20、アンカーコート層(2)42、シーラント層30と順次積層する積層体1である。以下各層について説明する。
【0015】
最外層10は、リチウム電池用包材の基材となるフィルム層であり、その選定としては、延伸ポリエステルフィルム、延伸ポリアミドフィルム、延伸ポリエチレンフィルム、延伸ポリプロピレンフィルムなどを選択することが可能であるが、本発明のリチウム電池用包材1を用いて深絞りなどの後加工を行うことを考えると、延伸ポリアミドフィルムが好ましいが、特に制限を受けるものではない。
【0016】
本発明のリチウム電池用包材のアンカーコート層(1)41としては、通常汎用的に用いられている2液硬化型ウレタン系接着剤が使用でき、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオールなどのジオール成分に、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートなど各種ジイソシアネート系モノマー、あるいは、これらのジイソシアネートモノマーを、トリメチロールプロパンやグリセロールなどの3官能の活性水素含有化合物と反応させたアダクトタイプや、水と反応させたビューレットタイプや、イソシアネート基の自己重合を利用したトリマー(イソシアヌレート)タイプなど3官能性の誘導体やそれ以上の多官能性の誘導体を作用させて得られる接着剤が使用できる。
【0017】
本発明のリチウム電池用包材のアンカーコート層(2)42としては、イソシアネート化合物、またはシランカップリング剤が好ましく使用できる。このようなイソシアネート化合物としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートなど各種ジイソシアネート系モノマーを使用することが可能である。また、これらのジイソシアネートモノマーを、トリメチロールプロパンやグリセロールなどの3官能の活性水素含有化合物と反応させたアダクトタイプや、水と反応させたビューレットタイプや、イソシアネート基の自己重合を利用したトリマー(イソシアヌレート)タイプなど3官能性の誘導体やそれ以上の多官能性の誘導体を用いても構わない。また、シランカップリング剤としては、その分子中にアルミニウムなどの金属との結合をする部位、およびこの上に積層させる高温酸化によって生成したカルボキシル基、水酸基などを持つ押出樹脂と反応する官能基を有するものが使用できる。そのようなシランカップリング剤の例としては、イソシアネート基を有するγ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、エポキシ環を有するβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、もしくはアミノ基を有するγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシランなどが上げられる。
【0018】
これら積層体1は、アンカーコート層(1)41、アンカーコート層(2)42を非常に薄く形成させることで、リチウム電池の電解液を包材中に入れて保存してもアルミ箔層とシーラント層間のラミネート強度が低下することはなく、深絞り成形を行っても最外層とアルミ箔層の剥離がみられない。その時の最適固形分としては1〜7重量%、好ましくは3〜5重量%であり、乾燥時の層の厚みで1μm以下に設けた方が接着性、電解液耐性という点で好ましい。
【0019】
本発明のリチウム電池用包材のサンド樹脂層51およびシーラント層30としては、ポリエチレン系樹脂、またはポリプロピレン系樹脂であれば何でもよく、詳しくは、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体などのエチレン系樹脂や、ホモ・ブロック・ランダムの各ポリプロピレン樹脂や、プロピレン−αオレフィン共重合体などのプロピレン系樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体やエチレン−メタクリル酸共重合体などのエチレン−α、β不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチルやエチレン−アクリル酸エチルやエチレン−メタクリル酸メチルやエチレン−メタクリル酸エチルなどのエチレン−α、β不飽和カルボン酸共重合体のエステル化物、カルボン酸部位をナトリウムイオン、亜鉛イオンで架橋した、エチレン−α、β不飽和カルボン酸共重合体のイオン架橋物、エチレン−無水マレイン酸グラフト共重合体やエチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸のような三元共重合体に代表される酸無水物変性ポリオレフィン、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体などのエポキシ化合物変性ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体から選ばれる樹脂の単体あるいは2種以上のブレンド物から選択され、必要に応じては、これらの樹脂に対し、各種添加剤(酸化防止剤、粘着付与剤、充填剤、各種フィラーなど)を添加しても構わない。
【0020】
リチウム電池の電解液を包材中に入れて保存してもアルミ箔層とシーラント層間のラミネート強度の低下を引き起こさないために、また、深絞り成形を行っても最外層とアルミ箔層の剥離を引き起こさないために、アルミ箔としては熱水変性処理を施した方が好ましい。アルミ箔を処理する処理水としては水道水、脱イオン水、蒸留水、あるいは脱イオン後に蒸留した蒸留水などいずれも使用可能であるが、特に、脱イオン化された蒸留水が好ましく、その指標として電気伝導度1μS/cm以下の水を使用するのが好ましい。また、これらの処理水には、少量のアンモニアやトリエタノールアミンなどのアミン類のようなアルカリを0.1〜1重量%添加することが、熱水変性処理としてより好ましい。アルミ箔の熱水変性処理としては、その処理温度によって様々な水和酸化物層が形成される。本発明で特に好ましい処理温度としては、水和酸化物としてベーマイトが形成される条件が好ましく、常圧下では80〜100℃、さらに好ましくは90〜100℃の範囲で熱水変性処理を施した方がよい。以下本発明の熱水変性処理をベーマイト処理と記載する。
【0021】
以上のように、アルミ箔にベーマイト処理のような熱水変性処理を施したものを使用すると、リチウム電池の電解液を包材中に入れて保存してもアルミ箔層とシーラント層間のラミネート強度が低下せず、また、深絞り成形を行っても最外層とアルミ箔層の剥離がみられない、さらに強密着なリチウム電池用包材が作製可能である。
【0022】
次に、本発明のリチウム電池用包材の製造方法について説明する。第1工程は最外層10とアルミ箔層20を積層する。まず、アルミ箔層20の両面にベーマイト処理を施す。次にアルミ箔層20の一方の面に、アンカーコート層(2)42を設け、それと同時に最外層10にアンカーコート層(1)41を設け、これらを押出ラミネート法によるサンド樹脂層51を形成によりサンドイッチラミネートを行ってラミネート体を作製する。
【0023】
第2工程は、前記ラミネート体と、本発明のリチウム電池用包材のシーラント層30とを積層する。ます、前記ラミネート体の一方のアルミ箔層のベーマイト処理面にアンカーコート層(2)42を設けた後、押出ラミネート法によりシーラント層30を形成により前記ラミネート体と積層して本発明のリチウム電池用包材が完成する。なお、これらのアンカーコート層はロールコートなどの方法を用いて塗布形成する。
【0024】
また、シーラント層30は、単層だけではなく複層もあり、あらかじめ作製しておいたフィルムとアルミ箔層にアンカーコート層(2)42を設けた直後に押出樹脂によりサンドイッチラミネートする方法により複層シーラント層30を形成する押出ラミネート法を使用することも出来る。
【0025】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示すが、これらの実施例に限定されるものではない。
【0026】
〈実施例1〉
まず、pH7〜9に調整した沸騰状態(約95℃)の脱イオン化済み蒸留水を処理槽に溜めて、40μmのアルミ箔の両面にインラインベーマイト処理(浸漬時間3分)を施した。次に、そのアルミ箔層の一方のベーマイト処理面に、アンカーコート層(2)42として酢酸エチルで固形分5重量%に調製したトリレンジイソシアネートのアダクトタイプを塗工し、それと同時に2軸延伸ポリアミドフィルム(25μm)上にアンカーコート層(1)41として2液硬化型ポリウレタン系接着剤を塗工し、これらを押出ラミネート法により厚み15μmの線状低密度ポリエチレン(密度0.930g/cm3)を加工速度50m/minでサンドイッチラミネートさせ、2軸延伸ポリアミドフィルム/アンカーコート層/線状低密度ポリエチレン層/アンカーコート層/アルミ箔層、となる積層体を作製した。次に、上記積層体のもう一方のアルミ箔層のベーマイト処理面にアンカーコート層(2)42として酢酸エチルで固形分5重量%に調製したトリレンジイソシアネートのアダクトタイプを塗工した直後、押出ラミネート法により厚み40μmの線状低密度ポリエチレン(密度0.930g/cm3)を加工速度50m/minで積層させ、評価用サンプルとした。
【0027】
〈実施例2〉
実施例1のアンカーコート層(2)42として用いたトリレンジイソシアネートの代わりに、エポキシ型シランカップリング剤を使用した以外は実施例1と同様の方法で評価用サンプルを作製した。
【0028】
〈比較例1〉
アルミ箔にベーマイト処理を行わなかった以外は、実施例1と同じである。
【0029】
〈比較例2〉
ベーマイト処理面にエポキシ型シランカップリング剤を塗工しなかった以外は、実施例2と同じである。以上実施例1,実施例2、比較例1、比較例2の層構成は下記表1に記す。
【0030】
【表1】
【0031】
評価方法は、
(1)電解液耐性
エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートの混合溶液にLiPF6が1.5Nとなるように調製したリチウム電池用電解液中に、15mm幅にカットした上述の評価サンプルを浸漬して85℃で2週間保存後のアルミ箔層とシーラント層間のラミネート強度をクロスヘッドスピード300mm/min、T型剥離で測定した。
(2)深絞り成形適性
上述の評価サンプルを用いて、成形型の凹部の形状を60mm×40mm×深さ3.0mmとして深絞り成形を行った直後、2軸延伸ポリアミドフィルム層とアルミ箔層の剥離の有無を確認した。実施例、比較例の結果をまとめて表1に示す。
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】
上記実施例および比較例に示すように、アルミ箔層の両面に熱水変性処理を施し、その一方の面に、アンカーコート層(2)を設け、それと同時に最外層にアンカーコート層(1)を設け、これらを押出ラミネート法によるサンド樹脂層によりサンドイッチラミネートした後、もう一方のアルミ箔層の熱水変性処理面にアンカーコート層(2)を設けた後、シーラント層を押出ラミネート法により積層することによって、リチウム電池の電解液を包材中に入れて保存してもアルミ箔層とシーラント層間のラミネート強度が低下せず、深絞り成形を行っても最外層とアルミ箔層の剥離がみられず、高速で効率良くラミネートを行うことが可能なリチウム電池用包材が製造可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリチウム電池用包材の一実施例の層構成を示す側断面図である。
【符号の説明】
1…積層体
10…最外層
20…アルミ箔層
30…シーラント層
41…アンカーコート層(1)
42…アンカーコート層(2)
51…サンド樹脂層
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウム電池に用いることが可能な包材の製造方法に関し、詳細には、リチウム電池の電解液を包材中に入れて保存してもアルミ箔層とシーラント層間のラミネート強度が低下せず、深絞り成形を行っても最外層とアルミ箔層の剥離がみられないリチウム電池用包材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パソコン、携帯電話などの携帯端末装置、ビデオカメラなどに用いられる電池として、超薄型化、小型化の可能なリチウム電池が盛んに開発されている。このリチウム電池用の包材としては、従来電池包材として用いられていた金属製缶とは異なり、軽量で電池の形状を自由に選択できるという利点から、多層フィルム(例えば、最外層/アルミ箔層/シーラント層のような構成)を袋状にしたものが用いられるようになってきた。
【0003】
リチウム電池は、電池内容物として正極材、負極材と共に、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチルなどの非プロトン性溶媒液にリチウム塩を溶解した電解液、若しくはその電解液を含浸させたポリマーゲルからなる電解質層を含んでいる。このような強浸透性の溶媒がシーラント層を浸透してアルミ箔層面まで通過すると、アルミ箔層とシーラント層間のラミネート強度を低下させ、最終的には電解液が漏れ出すといった問題があり、対応策としアルミ箔層とシーラント層間のラミネート強度を強め、電解溶液等の内容物耐性を持たせることは必須である。
【0004】
また、電池の電解質であるリチウム塩としてはLiPF6LiBF4などの物質が用いられているが、これらの塩は水分との加水分解反応によりフッ化水素酸を発生し、これはアルミ箔層の金属面の腐食、多層フィルムの各層間のラミネート強度低下を引き起こすことがある。前記多層フィルムはアルミ箔層を用いることにより最外層の表面からの水分の侵入は遮断されるが、最内層であるシーラント層のシール部端面からの水分の侵入を完全に遮断することはできず、アルミ箔層とシーラント層間のラミネート強度をさらに強くし、発生したフッ化水素酸によってそれらのラミネート強度が低下しないものにする必要がある。
【0005】
アルミ箔層とシーラント層を積層する方法として最も一般的なものはドライラミネート法である。しかし、このラミネート用接着剤にはポリエステルポリオール、ポリエーテルポリウレタンなどを用いており、これらは電解液耐性が低くアルミ箔層とシーラント層間のラミネート強度の低下を引き起こすという欠点がある。
【0006】
さらに最近では、アルミ箔上に溶液型の接着性樹脂を塗布し、その上からシーラント層を加熱圧着して貼合わせを行う、熱ラミネート法を用いることが多くなっている。しかし、この方式ではアルミ箔を加熱しながら、ゆっくりとした速度で圧力をかけながらラミネートを行うために作業効率が悪く、またコストもかかるものであった。
【0007】
リチウム電池用包材の多層フィルム(以下積層体と記す)を作製した後には、オス型、メス型により冷間成形を行う深絞り成形が行われるが、例えばリチウム電池用包材として、ナイロン/接着層/アルミ箔層/シーラント層からなる積層体が用いられ、前記接着層を作製するときにはドライラミネート法を用いるのが一般的であるが、この構成では深絞り成形を行ったとき、ナイロンとアルミ箔層の剥離が発生することがあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の課題点を解決するものであり、リチウム電池の電解液を包材中に入れて保存してもアルミ箔層とシーラント層間のラミネート強度が低下せず、深絞り成形を行っても最外層とアルミ箔層の剥離がみられず、高速で効率良くラミネートを行うことが可能なリチウム電池用包材の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題点を解決するために考え出されたものであり、請求項1に係る発明は、少なくとも、最外層/アンカーコート層(1)/サンド樹脂層/アンカーコート層(2)/アルミ箔層/アンカーコート層(2)/シーラント層の構成からなるリチウム電池用包材の製造方法において、両面に熱水変性処理を施しアルミ箔層のその一方の面にアンカーコート層(2)を設けたアルミ箔層と、最外層のその一方の面にアンカーコート層(1)を設けた最外層とを、アルミ箔層のアンカーコート層(2)面と最外層のアンカーコート層(1)面の間に押出ラミネート法によるサンド樹脂層を形成によりサンドイッチラミネートした後、該ラミネート体のその一方の熱水変性処理したアルミ箔層面にアンカーコート層(2)を設けた前記ラミネート体と、シーラント層とを押出ラミネート法により積層することを特徴とするリチウム電池用包材の製造方法である。
【0010】
本発明の請求項2に係る発明は、前記熱水変性処理の方法が、ベーマイト処理の方法であることを特徴とする請求項1に記載のリチウム電池用包材の製造方法である。
【0011】
本発明の請求項3に係る発明は、前記アンカーコート層(2)が、イソシアネート化合物またはシランカップリング剤で形成することを特徴とする請求項1又は2に記載のリチウム電池用包材の製造方法である。
【0012】
本発明の請求項4に係る発明は、前記サンド樹脂層およびシーラント層が、ポリエチレン系樹脂またはポリプロピレン系樹脂で形成することを特徴とする請求項1乃至3項のいずれか1項記載のリチウム電池用包材の製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0014】
図1は本発明のリチウム電池用包材の一実施例の構成を示す側断面図である。
最外層10より、アンカーコート層(1)41、サンド樹脂層51、アンカーコート層(2)42、アルミ箔層20、アンカーコート層(2)42、シーラント層30と順次積層する積層体1である。以下各層について説明する。
【0015】
最外層10は、リチウム電池用包材の基材となるフィルム層であり、その選定としては、延伸ポリエステルフィルム、延伸ポリアミドフィルム、延伸ポリエチレンフィルム、延伸ポリプロピレンフィルムなどを選択することが可能であるが、本発明のリチウム電池用包材1を用いて深絞りなどの後加工を行うことを考えると、延伸ポリアミドフィルムが好ましいが、特に制限を受けるものではない。
【0016】
本発明のリチウム電池用包材のアンカーコート層(1)41としては、通常汎用的に用いられている2液硬化型ウレタン系接着剤が使用でき、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオールなどのジオール成分に、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートなど各種ジイソシアネート系モノマー、あるいは、これらのジイソシアネートモノマーを、トリメチロールプロパンやグリセロールなどの3官能の活性水素含有化合物と反応させたアダクトタイプや、水と反応させたビューレットタイプや、イソシアネート基の自己重合を利用したトリマー(イソシアヌレート)タイプなど3官能性の誘導体やそれ以上の多官能性の誘導体を作用させて得られる接着剤が使用できる。
【0017】
本発明のリチウム電池用包材のアンカーコート層(2)42としては、イソシアネート化合物、またはシランカップリング剤が好ましく使用できる。このようなイソシアネート化合物としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートなど各種ジイソシアネート系モノマーを使用することが可能である。また、これらのジイソシアネートモノマーを、トリメチロールプロパンやグリセロールなどの3官能の活性水素含有化合物と反応させたアダクトタイプや、水と反応させたビューレットタイプや、イソシアネート基の自己重合を利用したトリマー(イソシアヌレート)タイプなど3官能性の誘導体やそれ以上の多官能性の誘導体を用いても構わない。また、シランカップリング剤としては、その分子中にアルミニウムなどの金属との結合をする部位、およびこの上に積層させる高温酸化によって生成したカルボキシル基、水酸基などを持つ押出樹脂と反応する官能基を有するものが使用できる。そのようなシランカップリング剤の例としては、イソシアネート基を有するγ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、エポキシ環を有するβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、もしくはアミノ基を有するγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシランなどが上げられる。
【0018】
これら積層体1は、アンカーコート層(1)41、アンカーコート層(2)42を非常に薄く形成させることで、リチウム電池の電解液を包材中に入れて保存してもアルミ箔層とシーラント層間のラミネート強度が低下することはなく、深絞り成形を行っても最外層とアルミ箔層の剥離がみられない。その時の最適固形分としては1〜7重量%、好ましくは3〜5重量%であり、乾燥時の層の厚みで1μm以下に設けた方が接着性、電解液耐性という点で好ましい。
【0019】
本発明のリチウム電池用包材のサンド樹脂層51およびシーラント層30としては、ポリエチレン系樹脂、またはポリプロピレン系樹脂であれば何でもよく、詳しくは、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体などのエチレン系樹脂や、ホモ・ブロック・ランダムの各ポリプロピレン樹脂や、プロピレン−αオレフィン共重合体などのプロピレン系樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体やエチレン−メタクリル酸共重合体などのエチレン−α、β不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチルやエチレン−アクリル酸エチルやエチレン−メタクリル酸メチルやエチレン−メタクリル酸エチルなどのエチレン−α、β不飽和カルボン酸共重合体のエステル化物、カルボン酸部位をナトリウムイオン、亜鉛イオンで架橋した、エチレン−α、β不飽和カルボン酸共重合体のイオン架橋物、エチレン−無水マレイン酸グラフト共重合体やエチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸のような三元共重合体に代表される酸無水物変性ポリオレフィン、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体などのエポキシ化合物変性ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体から選ばれる樹脂の単体あるいは2種以上のブレンド物から選択され、必要に応じては、これらの樹脂に対し、各種添加剤(酸化防止剤、粘着付与剤、充填剤、各種フィラーなど)を添加しても構わない。
【0020】
リチウム電池の電解液を包材中に入れて保存してもアルミ箔層とシーラント層間のラミネート強度の低下を引き起こさないために、また、深絞り成形を行っても最外層とアルミ箔層の剥離を引き起こさないために、アルミ箔としては熱水変性処理を施した方が好ましい。アルミ箔を処理する処理水としては水道水、脱イオン水、蒸留水、あるいは脱イオン後に蒸留した蒸留水などいずれも使用可能であるが、特に、脱イオン化された蒸留水が好ましく、その指標として電気伝導度1μS/cm以下の水を使用するのが好ましい。また、これらの処理水には、少量のアンモニアやトリエタノールアミンなどのアミン類のようなアルカリを0.1〜1重量%添加することが、熱水変性処理としてより好ましい。アルミ箔の熱水変性処理としては、その処理温度によって様々な水和酸化物層が形成される。本発明で特に好ましい処理温度としては、水和酸化物としてベーマイトが形成される条件が好ましく、常圧下では80〜100℃、さらに好ましくは90〜100℃の範囲で熱水変性処理を施した方がよい。以下本発明の熱水変性処理をベーマイト処理と記載する。
【0021】
以上のように、アルミ箔にベーマイト処理のような熱水変性処理を施したものを使用すると、リチウム電池の電解液を包材中に入れて保存してもアルミ箔層とシーラント層間のラミネート強度が低下せず、また、深絞り成形を行っても最外層とアルミ箔層の剥離がみられない、さらに強密着なリチウム電池用包材が作製可能である。
【0022】
次に、本発明のリチウム電池用包材の製造方法について説明する。第1工程は最外層10とアルミ箔層20を積層する。まず、アルミ箔層20の両面にベーマイト処理を施す。次にアルミ箔層20の一方の面に、アンカーコート層(2)42を設け、それと同時に最外層10にアンカーコート層(1)41を設け、これらを押出ラミネート法によるサンド樹脂層51を形成によりサンドイッチラミネートを行ってラミネート体を作製する。
【0023】
第2工程は、前記ラミネート体と、本発明のリチウム電池用包材のシーラント層30とを積層する。ます、前記ラミネート体の一方のアルミ箔層のベーマイト処理面にアンカーコート層(2)42を設けた後、押出ラミネート法によりシーラント層30を形成により前記ラミネート体と積層して本発明のリチウム電池用包材が完成する。なお、これらのアンカーコート層はロールコートなどの方法を用いて塗布形成する。
【0024】
また、シーラント層30は、単層だけではなく複層もあり、あらかじめ作製しておいたフィルムとアルミ箔層にアンカーコート層(2)42を設けた直後に押出樹脂によりサンドイッチラミネートする方法により複層シーラント層30を形成する押出ラミネート法を使用することも出来る。
【0025】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示すが、これらの実施例に限定されるものではない。
【0026】
〈実施例1〉
まず、pH7〜9に調整した沸騰状態(約95℃)の脱イオン化済み蒸留水を処理槽に溜めて、40μmのアルミ箔の両面にインラインベーマイト処理(浸漬時間3分)を施した。次に、そのアルミ箔層の一方のベーマイト処理面に、アンカーコート層(2)42として酢酸エチルで固形分5重量%に調製したトリレンジイソシアネートのアダクトタイプを塗工し、それと同時に2軸延伸ポリアミドフィルム(25μm)上にアンカーコート層(1)41として2液硬化型ポリウレタン系接着剤を塗工し、これらを押出ラミネート法により厚み15μmの線状低密度ポリエチレン(密度0.930g/cm3)を加工速度50m/minでサンドイッチラミネートさせ、2軸延伸ポリアミドフィルム/アンカーコート層/線状低密度ポリエチレン層/アンカーコート層/アルミ箔層、となる積層体を作製した。次に、上記積層体のもう一方のアルミ箔層のベーマイト処理面にアンカーコート層(2)42として酢酸エチルで固形分5重量%に調製したトリレンジイソシアネートのアダクトタイプを塗工した直後、押出ラミネート法により厚み40μmの線状低密度ポリエチレン(密度0.930g/cm3)を加工速度50m/minで積層させ、評価用サンプルとした。
【0027】
〈実施例2〉
実施例1のアンカーコート層(2)42として用いたトリレンジイソシアネートの代わりに、エポキシ型シランカップリング剤を使用した以外は実施例1と同様の方法で評価用サンプルを作製した。
【0028】
〈比較例1〉
アルミ箔にベーマイト処理を行わなかった以外は、実施例1と同じである。
【0029】
〈比較例2〉
ベーマイト処理面にエポキシ型シランカップリング剤を塗工しなかった以外は、実施例2と同じである。以上実施例1,実施例2、比較例1、比較例2の層構成は下記表1に記す。
【0030】
【表1】
【0031】
評価方法は、
(1)電解液耐性
エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートの混合溶液にLiPF6が1.5Nとなるように調製したリチウム電池用電解液中に、15mm幅にカットした上述の評価サンプルを浸漬して85℃で2週間保存後のアルミ箔層とシーラント層間のラミネート強度をクロスヘッドスピード300mm/min、T型剥離で測定した。
(2)深絞り成形適性
上述の評価サンプルを用いて、成形型の凹部の形状を60mm×40mm×深さ3.0mmとして深絞り成形を行った直後、2軸延伸ポリアミドフィルム層とアルミ箔層の剥離の有無を確認した。実施例、比較例の結果をまとめて表1に示す。
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】
上記実施例および比較例に示すように、アルミ箔層の両面に熱水変性処理を施し、その一方の面に、アンカーコート層(2)を設け、それと同時に最外層にアンカーコート層(1)を設け、これらを押出ラミネート法によるサンド樹脂層によりサンドイッチラミネートした後、もう一方のアルミ箔層の熱水変性処理面にアンカーコート層(2)を設けた後、シーラント層を押出ラミネート法により積層することによって、リチウム電池の電解液を包材中に入れて保存してもアルミ箔層とシーラント層間のラミネート強度が低下せず、深絞り成形を行っても最外層とアルミ箔層の剥離がみられず、高速で効率良くラミネートを行うことが可能なリチウム電池用包材が製造可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリチウム電池用包材の一実施例の層構成を示す側断面図である。
【符号の説明】
1…積層体
10…最外層
20…アルミ箔層
30…シーラント層
41…アンカーコート層(1)
42…アンカーコート層(2)
51…サンド樹脂層
Claims (4)
- 少なくとも、最外層/アンカーコート層(1)/サンド樹脂層/アンカーコート層(2)/アルミ箔層/アンカーコート層(2)/シーラント層の構成からなるリチウム電池用包材の製造方法において、両面に熱水変性処理を施しアルミ箔層のその一方の面にアンカーコート層(2)を設けたアルミ箔層と、最外層のその一方の面にアンカーコート層(1)を設けた最外層とを、アルミ箔層のアンカーコート層(2)面と最外層のアンカーコート層(1)面の間に押出ラミネート法によるサンド樹脂層を形成によりサンドイッチラミネートした後、該ラミネート体のその一方の熱水変性処理したアルミ箔層面にアンカーコート層(2)を設けた前記ラミネート体と、シーラント層とを押出ラミネート法により積層することを特徴とするリチウム電池用包材の製造方法。
- 前記熱水変性処理の方法が、ベーマイト処理の方法であることを特徴とする請求項1に記載のリチウム電池用包材の製造方法。
- 前記アンカーコート層(2)が、イソシアネート化合物またはシランカップリング剤で形成することを特徴とする請求項1又は2に記載のリチウム電池用包材の製造方法。
- 前記サンド樹脂層およびシーラント層が、ポリエチレン系樹脂またはポリプロピレン系樹脂で形成することを特徴とする請求項1乃至3項のいずれか1項記載のリチウム電池用包材の製造方法。
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- 2002-11-27 JP JP2002343303A patent/JP2004178952A/ja active Pending
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