JP2004178775A - 対物レンズ駆動装置、光ピックアップ装置、及び光ディスクドライブ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ラジアル方向及びトラッキング方向へ変位可能に構成された対物レンズホルダ側に、チルト用のコイル等の重い部品を搭載しないようにしたので、軽量化することができ、光記録媒体の高密度化した情報記録面に対する対物レンズ光軸のチルト補正を行う。
【解決手段】光記録媒体21の情報記録面21aと対面した位置に対物レンズ3を保持するレンズホルダ2と、レンズホルダに一端を固定されると共に情報記録面と略平行な方向へ延びたサスペンションワイヤ5a〜5dと、ワイヤの他端を支持することによりレンズホルダを片持ち支持するサスペンションホルダ6と、レンズホルダをフォーカス方向及びトラッキング方向に駆動する磁気回路と、を備えた対物レンズ駆動装置において、ワイヤのうち少なくとも情報記録面と略平行な一面内に位置する2本をその長手方向に進退駆動させることによりレンズホルダ及び対物レンズをチルトさせるチルト補正機構30を設けた。
【選択図】 図1
【解決手段】光記録媒体21の情報記録面21aと対面した位置に対物レンズ3を保持するレンズホルダ2と、レンズホルダに一端を固定されると共に情報記録面と略平行な方向へ延びたサスペンションワイヤ5a〜5dと、ワイヤの他端を支持することによりレンズホルダを片持ち支持するサスペンションホルダ6と、レンズホルダをフォーカス方向及びトラッキング方向に駆動する磁気回路と、を備えた対物レンズ駆動装置において、ワイヤのうち少なくとも情報記録面と略平行な一面内に位置する2本をその長手方向に進退駆動させることによりレンズホルダ及び対物レンズをチルトさせるチルト補正機構30を設けた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクドライブ装置の光ピックアップに搭載される対物レンズ駆動装置の改良に関し、特に対物レンズの光軸と記録媒体の情報記録面との傾きを補正するためのチルト補正機構の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
CD、DVD等の光記録媒体に対して記録再生を行う光ディスクドライブ装置は、記録再生手段として光ピックアップを備えている。光ディスクドライブ装置は、装着された光記録媒体の中心孔をスピンドルモータのディスク保持部により嵌合支持した状態で回転駆動する。一方、光ピックアップは、光記録媒体の情報記録面と対面する位置に対物レンズを備えたレンズホルダを有し、磁気回路によってこのレンズホルダをフォーカス方向及びトラッキング方向へ駆動することにより、光記録媒体の情報記録面に対する記録再生動作を行う。
ところで、スピンドルモータのディスク保持部により支持した光記録媒体の回転時の姿勢は常に一定の軌跡を描いている訳ではなく、種々の要因によって回転ぶれ等が生じた場合には、対物レンズの光軸と光記録媒体の情報記録面との間の角度を直交姿勢に維持できず、傾きが発生する。仮に、このような傾きが微細な量であったとしても、装置の小型化、薄型化、情報記録面の高密度化の進行に伴って、傾斜角度の許容範囲が狭まっており、その結果、僅かな傾きの発生が読取り精度、書込み精度を著しく低下させて装置の信頼性を低下させる原因となる。また、情報記録面の高密度化に対応するためにはレーザ光の波長を短くしたり、対物レンズの開口数(NA)を大きくすることが有効ではあるが、この場合にも情報記録面と対物レンズの光軸との間の傾きの許容範囲がせまくなるという結果をもたらす。
このため、従来から光ピックアップ側の対物レンズを、光記録媒体側の傾斜方向及び傾斜角度に対応させて逆方向へ角度修正させることにより、対物レンズの光軸と情報記録面との間の直交度を維持するためのチルト補正機構が種々提案されている。
【0003】
ところで、小型化、薄型化した光ディスクドライブ装置に適した光ピックアップとしては、対物レンズを保持したレンズホルダをサスペンションホルダから延びる複数本のサスペンションワイヤにより片持ち支持したワイヤサスペンションタイプが知られている。
このようなワイヤサスペンションタイプの光ピックアップ装置に適用するチルト補正機構に関する従来例として、特開2001−110076「光ピックアップ装置」(松下電器産業株式会社)には、対物レンズを保持するレンズホルダ上にチルトマグネットを搭載すると共に、レンズホルダを支持するキャリッジ側にチルトコイルを配置し、外部より入力される傾き制御信号に基づいてチルトコイルに流れる電流を制御することにより、チルトマグネットの位置制御を行い、光記録媒体の記録面と対物レンズの光軸との間の傾きをチルト補正するチルト補正機構を備えた対物レンズ駆動装置が開示されている。
しかし、上記従来の対物レンズ駆動装置は、対物レンズホルダにチルトマグネットを搭載し、チルトコイルを対物レンズキャリッジに設けている。又、対物レンズをフォーカス方向に駆動するフォーカスコイルと、対物レンズをトラック方向に駆動するトラックコイルもレンズホルダ内部に搭載されている。従って、チルト補正用の駆動部品と、フォーカスコイル及びトラックコイルがレンズホルダに搭載されているため、稼働部重量が重くなり、高速化対応が困難であり、且つ不要な共振モードも発生しやすく、フォーカス、トラック制御が困難化する。
【特許文献1】特開2001−110076
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこの課題を解決すべくなされたものであり、稼働部としての対物レンズホルダ側にフォーカスコイル、トラックコイルの他に、チルト用のコイル等の重い部品を搭載することによる重量の増大を招くことなく、光記録媒体の情報記録面に対する対物レンズ光軸のチルト補正を可能にした対物レンズ駆動装置、光ピックアップ装置、及び光ディスクドライブ装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、記録媒体支持手段により支持された光記録媒体の情報記録面と対面した位置に対物レンズを保持するレンズホルダと、該レンズホルダに一端を固定されると共に情報記録面と略平行な方向へ延びたサスペンションワイヤと、該サスペンションワイヤの他端を支持することによりレンズホルダを片持ち支持するサスペンションホルダと、前記レンズホルダをフォーカス方向及びトラッキング方向に駆動する磁気回路と、を備えた対物レンズ駆動装置において、複数の前記サスペンションワイヤのうち少なくとも前記情報記録面と略平行な一面内に位置する2本をその長手方向に進退駆動させることによりレンズホルダ及び対物レンズをチルトさせるチルト補正機構を設けたことを特徴とする。
ワイヤサスペンションタイプの対物レンズ駆動装置において、チルト補正のために従来対物レンズホルダ側に搭載していた重量物としてのコイル類を、レンズホルダに搭載することなく、レンズホルダとは別体の部材であるサスペンションホルダ側にチルト補正機構を配置したので、対物レンズ稼動部としてのレンズホルダの重量を重くすること無く、チルト駆動が可能となり、高速化対応が可能で且つ不要な共振のない良好なフォーカシング、トラッキング制御が可能となる。情報記録面と略平行とは、正確な平行のみを意味する訳ではなく、概略平行を意味する。また、略平行な一面内に位置する2本のワイヤとは、上側のワイヤのみならず、下側のワイヤも含む。また、2本のワイヤ同士の位置関係は、同一平面内で必ずしも平行である必要はない。また、各ワイヤの一端部をレンズホルダに固定する位置も同一の前後方向位置である必要はない。2本、或いはそれ以上の本数のワイヤをその長手方向に進退させる際に、進退方向を種々組み合わせることにより、任意の方向に任意の角度だけチルト補正することが可能となる。
【0006】
請求項2の発明では、請求項1において、前記チルト補正機構は、少なくとも2本の前記サスペンションワイヤの他端部に夫々固定されたマグネットと、各マグネットを包囲するようにサスペンションホルダに設けられたコイルと、コイルに給電して磁界を発生させる電源と、を備えたことを特徴とする。
ワイヤをその長手方向(軸方向)へ進退させるためのチルト補正機構の構成としては、コイルとマグネットとから成るチルト補正用磁気回路を使用することにより、構成を簡略化することができる。特に、本発明のレンズホルダはコイル類が搭載されていない軽量であるため、小さな力によりワイヤを進退させることができ、コンパクト化した機器に適用するのに好適である。
請求項3の発明は、請求項1において、前記チルト補正機構は、少なくとも2本の前記サスペンションワイヤの他端部に夫々固定されたピエゾ素子と、該各ピエゾ素子に給電して変形させる電源と、を備えたことを特徴とする。
チルト補正機構におけるワイヤの駆動手段として圧電材料であるピエゾ素子を用い、ピエゾ素子に通電してこれを変形させてワイヤを長手方向へ進退させることにより、任意の方向への任意の角度だけチルト補正を行うことが可能となる。また、対物レンズ駆動装置全体を小型化できるため光ピックアップ自体も小型化が可能であり、ノートパソコン対応のドライブ装置を実現することも容易となる。ピエゾ素子を取り付けるワイヤは何れのワイヤであってもよい。
【0007】
請求項4の発明は、記録媒体支持手段により支持された光記録媒体の情報記録面と対面した位置に対物レンズを保持するレンズホルダと、該レンズホルダに一端を固定されると共に情報記録面と略平行な方向へ延びたサスペンションワイヤと、該サスペンションワイヤの他端を支持することによりレンズホルダを片持ち支持するサスペンションホルダと、前記レンズホルダをフォーカス方向及びトラッキング方向に駆動する磁気回路と、を備えた対物レンズ駆動装置において、複数の前記サスペンションワイヤのうちの少なくとも一本を対物レンズの光軸方向と略平行な方向に進退駆動させることによりレンズホルダ及び対物レンズをチルトさせるチルト補正機構を備えたことを特徴とする。
これによれば、対物レンズ稼動部(レンズホルダ)の重量を重くすること無くチルト駆動が可能となる。また請求項1の場合よりも、サスペンションワイヤをたわますための力は少なくてすむため、微弱な力でサスペンションワイヤをたわますことが可能であり、感度を高くしてチルト制御が可能となる。従って、高速化対応可能で且つ不要な共振のない良好なフォーカシング、トラッキング制御が可能となる。光軸方向と略平行な方向とは、厳密な意味での平行のみを意味しない。また、ワイヤの後端部を光軸方向と略平行な方向に移動させる場合、直線的な移動も含むし、円弧を描く曲線的な移動経路も含む。
請求項5の発明は、請求項4記載のチルト補正機構は、前記サスペンションホルダの背面に固定したマグネットと、該サスペンションホルダの背面により中心部を回動自在に支持されるとともに該マグネットと対向する位置にコイルを支持した回動部材と、コイルに給電する電源と、を備えると共に、前記回動部材の両端部に各サスペンションワイヤの他端部を固定した構成を備え、前記電源から前記コイルに通電することにより前記回動部材を回動することを特徴とする。
これによれば、簡易で小型な構成のチルト補正機構の実現が可能であり、稼働部重量も増加も無くトラッキング、フォーカシング制御も向上し、高速化対応が可能である。
請求項6の発明は、請求項5に記載のチルト機構を2個備え、一方のチルト機構を構成する回動部材は、前記情報記録面と略平行な一面内にある2本のサスペンションワイヤの各他端部を固定支持し、他方のチルト機構を構成する回動部材は、前記情報記録面と略平行な他の一面内にある2本のサスペンションワイヤの各他端部を固定支持することを特徴とする対物レンズ駆動装置。
これによれば、光軸ずれにより発生するトラッキング信号のオフセットが少なくなり、トラッキング制御精度が向上する。
【0008】
請求項7の発明は、請求項4において、前記チルト機構は、前記サスペンションホルダに固定されたリニアモータを備え、該リニアモータにより前記サスペンションワイヤの他端部を対物レンズの光軸方向へ進退可能に支持したことを特徴とする。
これによれば、リニアモータ2個の駆動方向を制御することにより、ラジアルチルト、タンジェンシャルチルトを同時に制御することが可能となり、且つ小型で制御することが可能となる。
請求項8の発明は、請求項7において、前記リニアモータは、前記記録媒体寄りの2本のサスペンションワイヤ、或いは全てのサスペンションワイヤの他端部に設けられていることを特徴とする。
これによれば請求項7の発明よりもラジアル、タンジェンシャル方向(対物レンズ光軸と直交する方向)への光軸ずれが低減できるため、オフセットが発生しにくくなり、トラッキング制御及びタンジェンシャル方向での光軸ずれが少なくなることでジッタの劣化が低減できる。
請求項9の発明に係る光ピックアップ装置は、請求項1〜8記載の対物レンズ駆動装置を搭載したことを特徴とする。
これによれば、小型で信頼性の高い光ピックアップを提供することが可能となる。
請求項10の発明に係る光ディスクドライブ装置によれば、請求項9記載の光ピックアップ装置を搭載したことを特徴とする。
これによれば、信頼性が高く高速化対応可能な光ディスクドライブ装置を提供可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
図1(a)(b)及び(c)は本発明の一実施形態に係る対物レンズ駆動装置の外観斜視図、本発明の原理を説明する概略構成説明図、及びその要部構成図である。
この対物レンズ駆動装置1は、光ピックアップ装置に搭載され、対物レンズ3を保持したレンズホルダ2と、対物レンズ3の光軸と光記録媒体面との間の傾きの度合いに応じてレンズホルダ2を任意の方向に任意の角度だけ傾斜させるチルト補正機構30と、を備えている。
光ピックアップ装置は、レーザダイオードから出射されたレーザ光を所定の光路上に配置された各種光学部品を経由して光記録媒体の情報記録面上に導くことにより、情報の記録、再生を行う手段であり、情報記録面と対面する対物レンズ3を備えたレンズホルダ2を磁気回路によってフォーカス方向及びトラック方向へ移動させるための構成を備えている。
図1(a)に示した対物レンズ駆動装置1は、光ディスクドライブ装置本体側に配置したスピンドルモータの回転軸20(記録媒体支持手段、図1(c)参照)により中心孔を嵌合支持された光記録媒体21の情報記録面21aと対面した位置(上面)に対物レンズ3を保持するレンズホルダ2と、レンズホルダ2の左右両側面に夫々一端(前端)を固定されると共に情報記録面21aと略平行な方向へ延びた複数本のサスペンションワイヤ5a〜5dと、各サスペンションワイヤ5a〜5dの他端(後端)を支持することによりレンズホルダ2を片持ち支持するためにベース8に固定されたサスペンションホルダ6と、レンズホルダ2をフォーカス方向及びトラック方向に駆動する磁気回路7と、後述するチルト補正機構30と、を備えている。
磁気回路7は、レンズホルダ2側に搭載されたフォーカスコイル10、トラックコイル11と、レンズホルダ2の前側及び後側のベース8上に固定されたマグネット12及びヨーク13と、を備えている。
ベース8は光学部品等を収容したピックアップハウジング16上に固定され、ピックアップハウジング16は、装置本体側に固定されたシークレール17に沿ってシーク方向へ進退可能に支持されている。
なお、図1(b)、及び以下の各図においては、レンズホルダ2の形状を単純化して図示し、フォーカスコイル10、トラックコイル11は省略する。
【0010】
この実施形態では、4本のサスペンションワイヤ5a〜5dのうち、上側に位置する2本、即ち情報記録面21aと略平行な一面内に位置する2本のサスペンションワイヤ5a、5bの他端部をサスペンションホルダ6によって固定せず、サスペンションホルダ6の貫通形成した穴6a、6b内に進退可能に挿通することにより、各ワイヤの長手方向へのみ進退自在に支持している。下側に位置する2本のサスペンションワイヤ5c、5dについては、各後端部をサスペンションホルダ6の穴6c、6dに挿通してハンダ等の固定手段34によって固定する。そして、サスペンションホルダ6及びサスペンションワイヤ5a、5bの他端部に後述するチルト補正機構30を配置して、各サスペンションワイヤ5a、5bを個別に前後方向(前方F、後方R)へ進退させるようにしている。なお、各穴6a〜6d内には、夫々共振防止手段としてのゲル状ダンピング材15を充填して発生した振動がワイヤを伝わってレンズホルダ側へ伝達されることを防止している。また、サスペンションホルダ6の後面側にはFPC、PCB等のプリント基板を配置する。
【0011】
以上の構成において、例えば、チルト補正機構30を用いて、ワイヤ5aを前方Fへ押し込んで同方向へ移動させると同時に、ワイヤ5bを後方Rへ引っ張って同方向へ移動させると、十分な剛性を有した各ワイヤ5a、5bからレンズホルダ2に対して力が伝達されて、レンズホルダ2は矢印51の方向に回動する。これとは逆に、ワイヤ5aを後方Rへ移動させると同時に、ワイヤ5bを前方Fへ移動させると、各ワイヤ5a、5bからレンズホルダ2に対して力が伝達されて、レンズホルダ2は矢印52の方向に回動する。この結果、対物レンズ3をラジアル方向へチルト駆動することが可能となる。
また、両ワイヤ5a、5bを同時に前方F、或いは後方Rへ移動させると、レンズホルダ2は夫々矢印53、54で示した前傾方向、後傾方向へ夫々回動する。このため、対物レンズ3をタンジェンシャル方向へチルト駆動することが可能となる。
チルト補正機構30の具体的な構成については後述するが、このようにチルト補正機構をレンズホルダ2とは別構成のサスペンションホルダ5側に配置したので、対物レンズ3を保持したレンズホルダ2側にチルト用のマグネットを配置する必要が無くなり、稼動部重量を軽くしてチルト駆動を円滑化することができ、その結果、高速化対応が可能で且つ不要な共振による悪影響のない良好なフォーカシング、トラッキング制御が可能となる。
なお、チルト補正機構30を制御する制御系は、対物レンズ3の光軸の傾きを検出するチルトセンサと、チルトセンサからのチルト角度検出信号に基づいてチルト角度制御信号を出力する制御部と、を備え、チルト角度制御信号に基づいて後述する直流電源33からの通電方向や、通電電流を制御することにより、レンズホルダ2をチルトさせる方向や、チルト角度を調整する。
【0012】
次に、図2は図1の構成を実現するための使用するチルト補正機構30の具体的な構成例を示す図である。
図2に示したチルト補正機構30は、キャリッジ8に固定されたサスペンションホルダ6の穴6a、6bにより抜け落ち不能且つ長手方向移動自在に夫々支持された2本のサスペンションワイヤ5a、5bの他端部に夫々固定されたマグネット31と、各マグネット31を包囲するようにサスペンションホルダ6に設けられたコイル32と、コイル32に直流を給電して磁界を発生させる直流電源33と、を備えている。直流電源33からの給電により、各コイル32が励磁されて所定方向の磁界を形成することにより、各マグネット31が後方或いは前方へ移動するため、各マグネット31と一体化されたワイヤ5a、5bが同方向へ進退し、レンズホルダ2に対するチルト駆動力を生成することができる。直流電源33からの電流の供給をオフすることにより、マグネット31は初期位置に復帰するため、ワイヤを介して接続されたレンズホルダ2も初期姿勢に復帰する。
【0013】
例えば、直流電源33からの通電によって各コイル32を励磁したときに各マグネット31が後方に吸引されて各ワイヤ5a、5bを後方Rへ移動させるように構成した場合、コイル32への通電方向を逆転させて磁界の方向を反転させることにより、各ワイヤ5a、5bを前方Fへ移動させることとなる。
従って、各コイル32における磁界の方向を任意に切り換えることにより、各ワイヤ5a、5bを任意の方向に移動させ、その結果、レンズホルダ2を任意の方向にチルトさせることが可能となる。また、コイル32に対する通電量を制御することにより、各ワイヤを移動させる距離を調整することが可能となる。
なお、このチルト補正機構30を下側の2本のサスペンションワイヤ5c、5dのみに設けても良いし、上下位置関係にある2本のサスペンションワイヤ5a、5c、又は5b、5dに設けても良いし、全てのサスペンションワイヤに設けても良い。
【0014】
次に、図3は本発明の他の実施形態に係るチルト補正機構を備えた対物レンズ駆動装置の概略構成図であり、この実施形態に係るチルト補正機構30は、サスペンションホルダ6により支持された2本のサスペンションワイヤ5a、5bの他端部に夫々固定されたピエゾ素子40を備えている。ピエゾ素子40として使用する圧電素子は、圧電素子上に設けた電極に通電したときに所定以上の変形量を確保できる圧電材料であれば、何を用いてもよい。
この例に示したピエゾ素子40は、電源33からの通電により前後方向へ所定量変形し、固定したサスペンションワイヤ5a、5bをその長さ方向に進退させることができる。この結果、図2の例と同様に、ワイヤ5a、5bを前方F、後方Rの任意の方向へ進退させることにより、レンズホルダ2を矢印53、54で夫々示した前傾方向、後傾方向、或いは図1中に示した左右への傾き方向51、52へ回動させて、対物レンズ3のチルト角度を補正することができる。
なお、この実施形態においても、ピエゾ素子40を配置するサスペンションワイヤは図示した例に限定される訳ではなく、他のサスペンションワイヤ5c、5dに対しても取り付けることが可能である。
このような構成にすることで、サスペンションホルダ部分のスペースを小型化しつつ、ラジアル方向とタンジェンシャル方向のチルト制御が可能となる。また、対物レンズ駆動装置全体を小型化できるため、光ピックアップ自体も小型化が可能となり、ノート型パソコン等の薄型機器に搭載することが可能となる。
【0015】
次に、図4(a)は本発明の他の実施形態に係るチルト補正機構の動作例を示す説明図、(b)は対物レンズ駆動装置の外観斜視図、図5(a)及び(b)はこのチルト補正機構の動作原理を説明する図である。
図4の実施形態は、前記各実施形態と異なり、サスペンションワイヤを上下方向、即ち、光記録媒体21の情報記録面21aと略直交する方向へ変位(撓み変形)させることによって対物レンズホルダを任意の方向に任意の角度だけチルトさせるチルト補正機構に関するものである。
まず、図4(a)に示すように、下側のワイヤ5d(5c)をサスペンションホルダ6に固定する一方で、上側のワイヤ5b(5a)の後端部を穴6b(6a)内に挿通して後方へ引き出して後述するチルト補正機構30に係止した状態で上下方向(矢印55、56、対物レンズの光軸に沿った方向)へ動作させる。各穴6b、6a内には突起が設けられていて、この突起との当接部を支点として変形することによりワイヤは小さい駆動力により図示のように撓み変形することが可能となる。
図4(a)において、可動側のサスペンションワイヤ5b(5a)の後端部を矢印55で示す上方へ変位させた場合には、ワイヤ5b(5a)は破線で示すように下方へ撓み、その結果対物レンズホルダは矢印57方向へ傾斜する。逆に、可動側のサスペンションワイヤ5b(5a)の後端部を矢印56で示す下方へ変位させた場合には、ワイヤ5b(5a)は一点鎖線で示すように上方へ撓み、その結果対物レンズホルダ(対物レンズ3)は矢印58方向へチルトする。
また、ワイヤ5aの後端部を矢印56側へ押し下げる一方で、ワイヤ5bの後端部を矢印55側へ押し上げた場合には、レンズホルダ2は矢印59方向へ回動(傾斜)し、逆にワイヤ5aの後端部を矢印55側へ押し上げる一方で、ワイヤ5bの後端部を矢印56側へ押し下げた場合には、レンズホルダ2は矢印60側へ回動(傾斜)する。
従って、このようなチルト補正機構を採用することで対物レンズ稼動部(レンズホルダ2)の重量を重くすること無く、チルト駆動が可能となる。また、レンズホルダ2が軽量であるため、サスペンションワイヤを撓ますための力は少なくてすむため、微弱な力でサスペンションワイヤを撓ますことが可能となり、感度を高くしながらのチルト制御が可能となる。このため、高速化対応可能で、且つ不要な共振のない良好なフォーカシング、トラッキング制御が可能となる。
【0016】
図4(b)は図4(a)のチルト動作を実現するためのチルト補正機構の具体的構成例を示す斜視図である。
このチルト機構30は、複数のサスペンションワイヤのうちの少なくとも一本を情報記録面21aと交差する方向(対物レンズ光軸方向と略平行な方向)に進退駆動させることにより、レンズホルダ2及び対物レンズ3をチルトさせるように構成されている。具体的には、このチルト補正機構30は、サスペンションホルダ5a、5bの背面に固定したマグネット41と、サスペンションホルダ6の背面により中心部を回動自在に支持されるとともにマグネット41と対向する位置にコイル43を支持した回動部材42と、を備え、回動部材42の長手方向両端部に各サスペンションワイヤ5a、5bの後端部(他端部)を固定し、図示しない電源からコイル43に通電することにより回動部材42を回動させるようにしている。
この例では、マグネット41は左右両側にN極とS極を備え、回動部材42は、サスペンションホルダ6の背面から突設した回動軸44を、回動部材42の中心部に設けた穴42a内に嵌合することにより回動自在に支持され、更にマグネット41との間に所定のギャップを隔てて対向するようにコイル43を回動部材42に固定配置する。回動部材42の両端部には、各可動側のワイヤ5a、5bの後端部が固定されている。コイル43は、図示しない電源と接続されており、制御部からの制御によってコイルに対する通電方向、電流値を種々制御することにより、コイル43に発生する磁界の方向、強弱を切り換え、回動部材42を任意の方向に任意の角度だけ回動させる。
【0017】
次に、図5に基づいて図4のチルト補正機構の動作原理を説明する。図5(a)に示すように回動部材42に固定されたコイル43は所定の位置関係にてマグネット41と対面している。この状態で矢印I方向に通電すると、フレミングの法則によって磁界は図5(b)の方向に発生するため、コイル43に対しては図5(a)に示した方向への力Pが発生する。即ち、マグネット41に発生する磁界に対して、コイルからの磁界が作用することにより可動側の部材であるコイル43及び回動部材42に対して矢印方向の力Pが発生し、この力Pが推力となって回動部材42は図5(a)の時計回り方向へ所定角度回動する。この結果、ワイヤ5aの後端部が押し下げられ、且つワイヤ5bの後端部が押し上げられるため、レンズホルダ2は矢印59方向へ回動する。
コイル43に流れる電流が図5(a)の場合と逆向きの場合には、回動部材42は逆方向に回動するため、レンズホルダ2は矢印60方向へ回動する。
このような構成とすることで、コイルに電流を流すことで、サスペンションワイヤ5a、5bをたわますことができ、対物レンズ3のラジアル方向のチルト補正が可能となり、稼働部の重量増加もなくなる。
【0018】
次に、図6は本発明の他の実施形態に係る対物レンズ駆動装置の外観斜視図であり、この実施形態が図4の例と異なる点は、上側のサスペンションワイヤ5a、5bのみならず、下側のサスペンションワイヤ5c、5dの後端部にも夫々チルト補正機構30Lを設けて、全てのワイヤを可動な状態とした点である。
その他の構成は図4と同一であるため、同一部分に同一符号を付して重複した説明は省略する。
従って、例えば上部回動部材32Uと下部回動部材32Lとが、矢印61で示す同一方向へ回動すると、各サスペンションワイヤ5a〜5dは図6の破線のように撓み、対物レンズ3は矢印62の方向へチルト駆動される。
このように上部サスペンションワイヤ2本5a、5bと、下部サスペンションワイヤ2本5c、5dが同時にたわむことで、レンズホルダ2は重心近傍で回転することとなり、図4の場合よりもラジアル方向の光軸ずれが少なくて済む。従って、光軸ずれにより発生するトラッキング信号のオフセットが少なくなり、トラッキング制御精度が向上する。
【0019】
次に、図7は本発明の対物レンズ駆動装置の他の構成例を示す斜視図であり、この実施形態はチルト補正機構30の駆動源としてリニアモータを利用した点が特徴的である。
即ち、この実施形態のチルト機構30は、サスペンションホルダ6に固定されたリニアモータ45、46を備え、該リニアモータ45、46により上部2本のサスペンションワイヤ5a、5bの他端部を対物レンズ3の光軸方向へ進退可能に支持した構成が特徴的である。
リニアモータ45、46は、図示しない制御部からの制御により作動して軸45a、46aを上下方向へ進退させることができ、この軸45a、46aに対して夫々ワイヤ5a、5bの後端部を固定する。
以上の構成において、サスペンションワイヤ5a、5bの各後端部を矢印63で示す下方へ移動すると、各ワイヤ5a、5bは上方に撓み変形するため、対物レンズ3は矢印57の方向へチルトする。
逆に、サスペンションワイヤ5a、5bの各後端部を矢印64で示す上方へ移動すると、対物レンズ3は矢印58の方向へチルトする。
ワイヤ5aの後端部を矢印63方向へ押し下げ、ワイヤ5bの後端部を矢印64の方向へ押し上げると、対物レンズ3は矢印59の方向へチルトする。
また、ワイヤ5aの後端部を矢印64方向へ押し上げ、ワイヤ5bの後端部を矢印63の方向へ押し下げると、対物レンズ3は矢印60の方向へチルトする。このように2個のリニアモータ45、46の駆動方向を制御することにより、ラジアルチルト、タンジェンシャルチルトを同時に制御することが可能となり、且つ小型で制御することが可能となる。
【0020】
なお、この例では、リニアモータの軸を上下方向へ進退させるようにしたが、横方向へ進退するように駆動してもよい。
次に、リニアモータを全てのサスペンションワイヤ5a〜5dの後端部に取り付けても良い。このような構成とすると、4本のサスペンションワイヤを同時にたわませることが可能となり、対物レンズホルダ中心でチルト回転することが可能となる。したがって図7の実施形態の場合よりも、ラジアル、タンジェンシャル方向(対物レンズ光軸と直交する方向)への光軸ずれが低減できるため、オフセットが発生しにくくなり、トラッキング制御及びタンジェンシャル方向光軸ずれが少なくなり、ジッタの劣化が低減できる。
次に、上記各実施形態に示したチルト補正機構を備えた対物レンズ駆動装置は、光ディスクドライブ装置の光ピックアップ装置に搭載することにより、光記録媒体に良好に信号を記録し、且つ再生することが可能となる。
なお、青色LDの高密度記録再生に際しては、スポット径が小さくなり、NAが大きくなるため、記録媒体と対物レンズの相対角度ずれが大きいと良好な信号の記録再生が困難となるため、上記チルト補正により小型で信頼性の高い光ピックアップを提供することが可能となる。
青色LDの高密度記録再生にはスポット径が小さくなりNAが大きくなるため、光記録媒体と対物レンズの光軸との相対角度ずれが大きいと良好な信号の記録再生が困難となるため、上記チルト補正機構を備えた小型で信頼性の高い光ピックアップ装置を、光ディスクドライブ装置に搭載することで信頼性が高く高速化対応可能な光ディスクドライブ装置を提供可能となる。
【0021】
図8は本発明の対物レンズ駆動装置を備えた光ディスクドライブ装置の一例の構成を示す図であり、この光ディスクドライブ装置70は、その筐体71の前面に設けた開口からトレイTを矢印方向に進退可能に支持しており、引き出されたトレイT上に光記録媒体21を載置した状態でトレイTを筐体71内に収納することにより、光記録媒体21の中心孔がスピンドルモータ72の回転軸20(記録媒体支持手段)に嵌合する。筐体71内にはスピンドルモータ72の他に光ピックアップ装置73が配置され、この光ピックアップ装置73は上記各実施形態に示した如きチルト補正機構30を備えた対物レンズ駆動装置1を備えている。従って、種々の原因により光記録媒体面と対物レンズの光軸とが傾斜したとしても、当該傾斜を直ちに解消することにより、信頼性が高く高速化対応可能な光ディスクドライブ装置となる。
【0022】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ラジアル方向及びトラッキング方向へ変位可能に構成された対物レンズホルダ側に、チルト用のコイル等の重い部品を搭載しないようにしたので、軽量化することができ、光記録媒体の高密度化した情報記録面に対する対物レンズ光軸のチルト補正を行うことが出来る。
即ち、請求項1の発明は、重量物としてのコイル類をレンズホルダに搭載することなく、レンズホルダ外部に設けたチルト補正機構により複数のサスペンションワイヤのうち少なくとも2本をその長手方向に進退駆動させることによりレンズホルダ及び対物レンズをチルトさせるようにしたので、レンズホルダとは別体の部材であるサスペンションホルダ側にチルト補正機構を配置でき、対物レンズ稼動部としてのレンズホルダの重量を重くすること無く、チルト駆動が可能となり、高速化対応が可能で且つ不要な共振のない良好なフォーカシング、トラッキング制御が可能となる。
請求項2の発明では、チルト補正機構は、少なくとも2本の前記サスペンションワイヤの他端部に夫々固定されたマグネットと、各マグネットを包囲するようにサスペンションホルダに設けられたコイルと、を備えているので、小さな力によりワイヤを進退させることができ、コンパクト化した機器に適用するのに好適である。
請求項3の発明は、チルト補正機構におけるワイヤの駆動手段として圧電材料であるピエゾ素子を用い、ピエゾ素子に通電してこれを変形させてワイヤを長手方向へ進退させることにより、任意の方向への任意の角度だけチルト補正を行うことが可能となる。
請求項4の発明によれば、対物レンズ稼動部(レンズホルダ)の重量を重くすること無くチルト駆動が可能となる。また、サスペンションワイヤをたわますための力は少なくてすむため、微弱な力でサスペンションワイヤをたわますことが可能であり、感度を高くしてチルト制御が可能となる。
請求項5の発明によれば、簡易で小型な構成のチルト補正機構の実現が可能であり、稼働部重量も増加も無くトラッキング、フォーカシング制御も向上し、高速化対応が可能である。
請求項6の発明によれば、光軸ずれにより発生するトラッキング信号のオフセットが少なくなり、トラッキング制御精度が向上する。
請求項7の発明によれば、リニアモータ2個の駆動方向を制御することにより、ラジアルチルト、タンジェンシャルチルトを同時に制御することが可能となり、且つ小型で制御することが可能となる。
請求項8の発明によればラジアル、タンジェンシャル方向への光軸ずれが低減できるため、オフセットが発生しにくくなり、トラッキング制御及びタンジェンシャル方向での光軸ずれが少なくなることでジッタの劣化が低減できる。
請求項9の発明に係る光ピックアップ装置によれば、小型で信頼性の高い光ピックアップを提供することが可能となる。
請求項10の発明に係る光ディスクドライブ装置によれば、信頼性が高く高速化対応可能な光ディスクドライブ装置を提供可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)(b)及び(c)は本発明の一実施形態に係る対物レンズ駆動装置の外観斜視図、本発明の原理を説明する概略構成説明図、及びその要部構成図。
【図2】(a)及び(b)は本発明の他の実施形態に係るチルト補正機構を備えた対物レンズ駆動装置の概略構成図。
【図3】本発明の他の実施形態に係るチルト補正機構を備えた対物レンズ駆動装置の概略構成図。
【図4】(a)は本発明の他の実施形態に係るチルト補正機構の動作例を示す説明図、(b)は対物レンズ駆動装置の外観斜視図。
【図5】(a)及び(b)はこのチルト補正機構の動作原理を説明する図。
【図6】本発明の他の実施形態に係る対物レンズ駆動装置の外観斜視図。
【図7】本発明の対物レンズ駆動装置の他の構成例を示す斜視図。
【図8】本発明の対物レンズ駆動装置を備えた光ディスクドライブ装置の一例の構成を示す図。
【符号の説明】
1 対物レンズ駆動装置、2 レンズホルダ、3 対物レンズ、5a〜5d サスペンションワイヤ、6 サスペンションホルダ、6a〜6d 穴、7 磁気回路、8 ベース、10 フォーカスコイル、11 トラックコイル、12 マグネット、13 ヨーク、15 ダンピング材、16 ピックアップハウジング、17 シークレール、30 チルト補正機構、31 マグネット、32 コイル、33 電源、40 ピエゾ素子、41 マグネット、42 回動部材、43コイル、45、46 リニアモータ、70 光ディスクドライブ装置、71 筐体、72 スピンドルモータ、73 光ピックアップ装置。
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクドライブ装置の光ピックアップに搭載される対物レンズ駆動装置の改良に関し、特に対物レンズの光軸と記録媒体の情報記録面との傾きを補正するためのチルト補正機構の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
CD、DVD等の光記録媒体に対して記録再生を行う光ディスクドライブ装置は、記録再生手段として光ピックアップを備えている。光ディスクドライブ装置は、装着された光記録媒体の中心孔をスピンドルモータのディスク保持部により嵌合支持した状態で回転駆動する。一方、光ピックアップは、光記録媒体の情報記録面と対面する位置に対物レンズを備えたレンズホルダを有し、磁気回路によってこのレンズホルダをフォーカス方向及びトラッキング方向へ駆動することにより、光記録媒体の情報記録面に対する記録再生動作を行う。
ところで、スピンドルモータのディスク保持部により支持した光記録媒体の回転時の姿勢は常に一定の軌跡を描いている訳ではなく、種々の要因によって回転ぶれ等が生じた場合には、対物レンズの光軸と光記録媒体の情報記録面との間の角度を直交姿勢に維持できず、傾きが発生する。仮に、このような傾きが微細な量であったとしても、装置の小型化、薄型化、情報記録面の高密度化の進行に伴って、傾斜角度の許容範囲が狭まっており、その結果、僅かな傾きの発生が読取り精度、書込み精度を著しく低下させて装置の信頼性を低下させる原因となる。また、情報記録面の高密度化に対応するためにはレーザ光の波長を短くしたり、対物レンズの開口数(NA)を大きくすることが有効ではあるが、この場合にも情報記録面と対物レンズの光軸との間の傾きの許容範囲がせまくなるという結果をもたらす。
このため、従来から光ピックアップ側の対物レンズを、光記録媒体側の傾斜方向及び傾斜角度に対応させて逆方向へ角度修正させることにより、対物レンズの光軸と情報記録面との間の直交度を維持するためのチルト補正機構が種々提案されている。
【0003】
ところで、小型化、薄型化した光ディスクドライブ装置に適した光ピックアップとしては、対物レンズを保持したレンズホルダをサスペンションホルダから延びる複数本のサスペンションワイヤにより片持ち支持したワイヤサスペンションタイプが知られている。
このようなワイヤサスペンションタイプの光ピックアップ装置に適用するチルト補正機構に関する従来例として、特開2001−110076「光ピックアップ装置」(松下電器産業株式会社)には、対物レンズを保持するレンズホルダ上にチルトマグネットを搭載すると共に、レンズホルダを支持するキャリッジ側にチルトコイルを配置し、外部より入力される傾き制御信号に基づいてチルトコイルに流れる電流を制御することにより、チルトマグネットの位置制御を行い、光記録媒体の記録面と対物レンズの光軸との間の傾きをチルト補正するチルト補正機構を備えた対物レンズ駆動装置が開示されている。
しかし、上記従来の対物レンズ駆動装置は、対物レンズホルダにチルトマグネットを搭載し、チルトコイルを対物レンズキャリッジに設けている。又、対物レンズをフォーカス方向に駆動するフォーカスコイルと、対物レンズをトラック方向に駆動するトラックコイルもレンズホルダ内部に搭載されている。従って、チルト補正用の駆動部品と、フォーカスコイル及びトラックコイルがレンズホルダに搭載されているため、稼働部重量が重くなり、高速化対応が困難であり、且つ不要な共振モードも発生しやすく、フォーカス、トラック制御が困難化する。
【特許文献1】特開2001−110076
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこの課題を解決すべくなされたものであり、稼働部としての対物レンズホルダ側にフォーカスコイル、トラックコイルの他に、チルト用のコイル等の重い部品を搭載することによる重量の増大を招くことなく、光記録媒体の情報記録面に対する対物レンズ光軸のチルト補正を可能にした対物レンズ駆動装置、光ピックアップ装置、及び光ディスクドライブ装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、記録媒体支持手段により支持された光記録媒体の情報記録面と対面した位置に対物レンズを保持するレンズホルダと、該レンズホルダに一端を固定されると共に情報記録面と略平行な方向へ延びたサスペンションワイヤと、該サスペンションワイヤの他端を支持することによりレンズホルダを片持ち支持するサスペンションホルダと、前記レンズホルダをフォーカス方向及びトラッキング方向に駆動する磁気回路と、を備えた対物レンズ駆動装置において、複数の前記サスペンションワイヤのうち少なくとも前記情報記録面と略平行な一面内に位置する2本をその長手方向に進退駆動させることによりレンズホルダ及び対物レンズをチルトさせるチルト補正機構を設けたことを特徴とする。
ワイヤサスペンションタイプの対物レンズ駆動装置において、チルト補正のために従来対物レンズホルダ側に搭載していた重量物としてのコイル類を、レンズホルダに搭載することなく、レンズホルダとは別体の部材であるサスペンションホルダ側にチルト補正機構を配置したので、対物レンズ稼動部としてのレンズホルダの重量を重くすること無く、チルト駆動が可能となり、高速化対応が可能で且つ不要な共振のない良好なフォーカシング、トラッキング制御が可能となる。情報記録面と略平行とは、正確な平行のみを意味する訳ではなく、概略平行を意味する。また、略平行な一面内に位置する2本のワイヤとは、上側のワイヤのみならず、下側のワイヤも含む。また、2本のワイヤ同士の位置関係は、同一平面内で必ずしも平行である必要はない。また、各ワイヤの一端部をレンズホルダに固定する位置も同一の前後方向位置である必要はない。2本、或いはそれ以上の本数のワイヤをその長手方向に進退させる際に、進退方向を種々組み合わせることにより、任意の方向に任意の角度だけチルト補正することが可能となる。
【0006】
請求項2の発明では、請求項1において、前記チルト補正機構は、少なくとも2本の前記サスペンションワイヤの他端部に夫々固定されたマグネットと、各マグネットを包囲するようにサスペンションホルダに設けられたコイルと、コイルに給電して磁界を発生させる電源と、を備えたことを特徴とする。
ワイヤをその長手方向(軸方向)へ進退させるためのチルト補正機構の構成としては、コイルとマグネットとから成るチルト補正用磁気回路を使用することにより、構成を簡略化することができる。特に、本発明のレンズホルダはコイル類が搭載されていない軽量であるため、小さな力によりワイヤを進退させることができ、コンパクト化した機器に適用するのに好適である。
請求項3の発明は、請求項1において、前記チルト補正機構は、少なくとも2本の前記サスペンションワイヤの他端部に夫々固定されたピエゾ素子と、該各ピエゾ素子に給電して変形させる電源と、を備えたことを特徴とする。
チルト補正機構におけるワイヤの駆動手段として圧電材料であるピエゾ素子を用い、ピエゾ素子に通電してこれを変形させてワイヤを長手方向へ進退させることにより、任意の方向への任意の角度だけチルト補正を行うことが可能となる。また、対物レンズ駆動装置全体を小型化できるため光ピックアップ自体も小型化が可能であり、ノートパソコン対応のドライブ装置を実現することも容易となる。ピエゾ素子を取り付けるワイヤは何れのワイヤであってもよい。
【0007】
請求項4の発明は、記録媒体支持手段により支持された光記録媒体の情報記録面と対面した位置に対物レンズを保持するレンズホルダと、該レンズホルダに一端を固定されると共に情報記録面と略平行な方向へ延びたサスペンションワイヤと、該サスペンションワイヤの他端を支持することによりレンズホルダを片持ち支持するサスペンションホルダと、前記レンズホルダをフォーカス方向及びトラッキング方向に駆動する磁気回路と、を備えた対物レンズ駆動装置において、複数の前記サスペンションワイヤのうちの少なくとも一本を対物レンズの光軸方向と略平行な方向に進退駆動させることによりレンズホルダ及び対物レンズをチルトさせるチルト補正機構を備えたことを特徴とする。
これによれば、対物レンズ稼動部(レンズホルダ)の重量を重くすること無くチルト駆動が可能となる。また請求項1の場合よりも、サスペンションワイヤをたわますための力は少なくてすむため、微弱な力でサスペンションワイヤをたわますことが可能であり、感度を高くしてチルト制御が可能となる。従って、高速化対応可能で且つ不要な共振のない良好なフォーカシング、トラッキング制御が可能となる。光軸方向と略平行な方向とは、厳密な意味での平行のみを意味しない。また、ワイヤの後端部を光軸方向と略平行な方向に移動させる場合、直線的な移動も含むし、円弧を描く曲線的な移動経路も含む。
請求項5の発明は、請求項4記載のチルト補正機構は、前記サスペンションホルダの背面に固定したマグネットと、該サスペンションホルダの背面により中心部を回動自在に支持されるとともに該マグネットと対向する位置にコイルを支持した回動部材と、コイルに給電する電源と、を備えると共に、前記回動部材の両端部に各サスペンションワイヤの他端部を固定した構成を備え、前記電源から前記コイルに通電することにより前記回動部材を回動することを特徴とする。
これによれば、簡易で小型な構成のチルト補正機構の実現が可能であり、稼働部重量も増加も無くトラッキング、フォーカシング制御も向上し、高速化対応が可能である。
請求項6の発明は、請求項5に記載のチルト機構を2個備え、一方のチルト機構を構成する回動部材は、前記情報記録面と略平行な一面内にある2本のサスペンションワイヤの各他端部を固定支持し、他方のチルト機構を構成する回動部材は、前記情報記録面と略平行な他の一面内にある2本のサスペンションワイヤの各他端部を固定支持することを特徴とする対物レンズ駆動装置。
これによれば、光軸ずれにより発生するトラッキング信号のオフセットが少なくなり、トラッキング制御精度が向上する。
【0008】
請求項7の発明は、請求項4において、前記チルト機構は、前記サスペンションホルダに固定されたリニアモータを備え、該リニアモータにより前記サスペンションワイヤの他端部を対物レンズの光軸方向へ進退可能に支持したことを特徴とする。
これによれば、リニアモータ2個の駆動方向を制御することにより、ラジアルチルト、タンジェンシャルチルトを同時に制御することが可能となり、且つ小型で制御することが可能となる。
請求項8の発明は、請求項7において、前記リニアモータは、前記記録媒体寄りの2本のサスペンションワイヤ、或いは全てのサスペンションワイヤの他端部に設けられていることを特徴とする。
これによれば請求項7の発明よりもラジアル、タンジェンシャル方向(対物レンズ光軸と直交する方向)への光軸ずれが低減できるため、オフセットが発生しにくくなり、トラッキング制御及びタンジェンシャル方向での光軸ずれが少なくなることでジッタの劣化が低減できる。
請求項9の発明に係る光ピックアップ装置は、請求項1〜8記載の対物レンズ駆動装置を搭載したことを特徴とする。
これによれば、小型で信頼性の高い光ピックアップを提供することが可能となる。
請求項10の発明に係る光ディスクドライブ装置によれば、請求項9記載の光ピックアップ装置を搭載したことを特徴とする。
これによれば、信頼性が高く高速化対応可能な光ディスクドライブ装置を提供可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
図1(a)(b)及び(c)は本発明の一実施形態に係る対物レンズ駆動装置の外観斜視図、本発明の原理を説明する概略構成説明図、及びその要部構成図である。
この対物レンズ駆動装置1は、光ピックアップ装置に搭載され、対物レンズ3を保持したレンズホルダ2と、対物レンズ3の光軸と光記録媒体面との間の傾きの度合いに応じてレンズホルダ2を任意の方向に任意の角度だけ傾斜させるチルト補正機構30と、を備えている。
光ピックアップ装置は、レーザダイオードから出射されたレーザ光を所定の光路上に配置された各種光学部品を経由して光記録媒体の情報記録面上に導くことにより、情報の記録、再生を行う手段であり、情報記録面と対面する対物レンズ3を備えたレンズホルダ2を磁気回路によってフォーカス方向及びトラック方向へ移動させるための構成を備えている。
図1(a)に示した対物レンズ駆動装置1は、光ディスクドライブ装置本体側に配置したスピンドルモータの回転軸20(記録媒体支持手段、図1(c)参照)により中心孔を嵌合支持された光記録媒体21の情報記録面21aと対面した位置(上面)に対物レンズ3を保持するレンズホルダ2と、レンズホルダ2の左右両側面に夫々一端(前端)を固定されると共に情報記録面21aと略平行な方向へ延びた複数本のサスペンションワイヤ5a〜5dと、各サスペンションワイヤ5a〜5dの他端(後端)を支持することによりレンズホルダ2を片持ち支持するためにベース8に固定されたサスペンションホルダ6と、レンズホルダ2をフォーカス方向及びトラック方向に駆動する磁気回路7と、後述するチルト補正機構30と、を備えている。
磁気回路7は、レンズホルダ2側に搭載されたフォーカスコイル10、トラックコイル11と、レンズホルダ2の前側及び後側のベース8上に固定されたマグネット12及びヨーク13と、を備えている。
ベース8は光学部品等を収容したピックアップハウジング16上に固定され、ピックアップハウジング16は、装置本体側に固定されたシークレール17に沿ってシーク方向へ進退可能に支持されている。
なお、図1(b)、及び以下の各図においては、レンズホルダ2の形状を単純化して図示し、フォーカスコイル10、トラックコイル11は省略する。
【0010】
この実施形態では、4本のサスペンションワイヤ5a〜5dのうち、上側に位置する2本、即ち情報記録面21aと略平行な一面内に位置する2本のサスペンションワイヤ5a、5bの他端部をサスペンションホルダ6によって固定せず、サスペンションホルダ6の貫通形成した穴6a、6b内に進退可能に挿通することにより、各ワイヤの長手方向へのみ進退自在に支持している。下側に位置する2本のサスペンションワイヤ5c、5dについては、各後端部をサスペンションホルダ6の穴6c、6dに挿通してハンダ等の固定手段34によって固定する。そして、サスペンションホルダ6及びサスペンションワイヤ5a、5bの他端部に後述するチルト補正機構30を配置して、各サスペンションワイヤ5a、5bを個別に前後方向(前方F、後方R)へ進退させるようにしている。なお、各穴6a〜6d内には、夫々共振防止手段としてのゲル状ダンピング材15を充填して発生した振動がワイヤを伝わってレンズホルダ側へ伝達されることを防止している。また、サスペンションホルダ6の後面側にはFPC、PCB等のプリント基板を配置する。
【0011】
以上の構成において、例えば、チルト補正機構30を用いて、ワイヤ5aを前方Fへ押し込んで同方向へ移動させると同時に、ワイヤ5bを後方Rへ引っ張って同方向へ移動させると、十分な剛性を有した各ワイヤ5a、5bからレンズホルダ2に対して力が伝達されて、レンズホルダ2は矢印51の方向に回動する。これとは逆に、ワイヤ5aを後方Rへ移動させると同時に、ワイヤ5bを前方Fへ移動させると、各ワイヤ5a、5bからレンズホルダ2に対して力が伝達されて、レンズホルダ2は矢印52の方向に回動する。この結果、対物レンズ3をラジアル方向へチルト駆動することが可能となる。
また、両ワイヤ5a、5bを同時に前方F、或いは後方Rへ移動させると、レンズホルダ2は夫々矢印53、54で示した前傾方向、後傾方向へ夫々回動する。このため、対物レンズ3をタンジェンシャル方向へチルト駆動することが可能となる。
チルト補正機構30の具体的な構成については後述するが、このようにチルト補正機構をレンズホルダ2とは別構成のサスペンションホルダ5側に配置したので、対物レンズ3を保持したレンズホルダ2側にチルト用のマグネットを配置する必要が無くなり、稼動部重量を軽くしてチルト駆動を円滑化することができ、その結果、高速化対応が可能で且つ不要な共振による悪影響のない良好なフォーカシング、トラッキング制御が可能となる。
なお、チルト補正機構30を制御する制御系は、対物レンズ3の光軸の傾きを検出するチルトセンサと、チルトセンサからのチルト角度検出信号に基づいてチルト角度制御信号を出力する制御部と、を備え、チルト角度制御信号に基づいて後述する直流電源33からの通電方向や、通電電流を制御することにより、レンズホルダ2をチルトさせる方向や、チルト角度を調整する。
【0012】
次に、図2は図1の構成を実現するための使用するチルト補正機構30の具体的な構成例を示す図である。
図2に示したチルト補正機構30は、キャリッジ8に固定されたサスペンションホルダ6の穴6a、6bにより抜け落ち不能且つ長手方向移動自在に夫々支持された2本のサスペンションワイヤ5a、5bの他端部に夫々固定されたマグネット31と、各マグネット31を包囲するようにサスペンションホルダ6に設けられたコイル32と、コイル32に直流を給電して磁界を発生させる直流電源33と、を備えている。直流電源33からの給電により、各コイル32が励磁されて所定方向の磁界を形成することにより、各マグネット31が後方或いは前方へ移動するため、各マグネット31と一体化されたワイヤ5a、5bが同方向へ進退し、レンズホルダ2に対するチルト駆動力を生成することができる。直流電源33からの電流の供給をオフすることにより、マグネット31は初期位置に復帰するため、ワイヤを介して接続されたレンズホルダ2も初期姿勢に復帰する。
【0013】
例えば、直流電源33からの通電によって各コイル32を励磁したときに各マグネット31が後方に吸引されて各ワイヤ5a、5bを後方Rへ移動させるように構成した場合、コイル32への通電方向を逆転させて磁界の方向を反転させることにより、各ワイヤ5a、5bを前方Fへ移動させることとなる。
従って、各コイル32における磁界の方向を任意に切り換えることにより、各ワイヤ5a、5bを任意の方向に移動させ、その結果、レンズホルダ2を任意の方向にチルトさせることが可能となる。また、コイル32に対する通電量を制御することにより、各ワイヤを移動させる距離を調整することが可能となる。
なお、このチルト補正機構30を下側の2本のサスペンションワイヤ5c、5dのみに設けても良いし、上下位置関係にある2本のサスペンションワイヤ5a、5c、又は5b、5dに設けても良いし、全てのサスペンションワイヤに設けても良い。
【0014】
次に、図3は本発明の他の実施形態に係るチルト補正機構を備えた対物レンズ駆動装置の概略構成図であり、この実施形態に係るチルト補正機構30は、サスペンションホルダ6により支持された2本のサスペンションワイヤ5a、5bの他端部に夫々固定されたピエゾ素子40を備えている。ピエゾ素子40として使用する圧電素子は、圧電素子上に設けた電極に通電したときに所定以上の変形量を確保できる圧電材料であれば、何を用いてもよい。
この例に示したピエゾ素子40は、電源33からの通電により前後方向へ所定量変形し、固定したサスペンションワイヤ5a、5bをその長さ方向に進退させることができる。この結果、図2の例と同様に、ワイヤ5a、5bを前方F、後方Rの任意の方向へ進退させることにより、レンズホルダ2を矢印53、54で夫々示した前傾方向、後傾方向、或いは図1中に示した左右への傾き方向51、52へ回動させて、対物レンズ3のチルト角度を補正することができる。
なお、この実施形態においても、ピエゾ素子40を配置するサスペンションワイヤは図示した例に限定される訳ではなく、他のサスペンションワイヤ5c、5dに対しても取り付けることが可能である。
このような構成にすることで、サスペンションホルダ部分のスペースを小型化しつつ、ラジアル方向とタンジェンシャル方向のチルト制御が可能となる。また、対物レンズ駆動装置全体を小型化できるため、光ピックアップ自体も小型化が可能となり、ノート型パソコン等の薄型機器に搭載することが可能となる。
【0015】
次に、図4(a)は本発明の他の実施形態に係るチルト補正機構の動作例を示す説明図、(b)は対物レンズ駆動装置の外観斜視図、図5(a)及び(b)はこのチルト補正機構の動作原理を説明する図である。
図4の実施形態は、前記各実施形態と異なり、サスペンションワイヤを上下方向、即ち、光記録媒体21の情報記録面21aと略直交する方向へ変位(撓み変形)させることによって対物レンズホルダを任意の方向に任意の角度だけチルトさせるチルト補正機構に関するものである。
まず、図4(a)に示すように、下側のワイヤ5d(5c)をサスペンションホルダ6に固定する一方で、上側のワイヤ5b(5a)の後端部を穴6b(6a)内に挿通して後方へ引き出して後述するチルト補正機構30に係止した状態で上下方向(矢印55、56、対物レンズの光軸に沿った方向)へ動作させる。各穴6b、6a内には突起が設けられていて、この突起との当接部を支点として変形することによりワイヤは小さい駆動力により図示のように撓み変形することが可能となる。
図4(a)において、可動側のサスペンションワイヤ5b(5a)の後端部を矢印55で示す上方へ変位させた場合には、ワイヤ5b(5a)は破線で示すように下方へ撓み、その結果対物レンズホルダは矢印57方向へ傾斜する。逆に、可動側のサスペンションワイヤ5b(5a)の後端部を矢印56で示す下方へ変位させた場合には、ワイヤ5b(5a)は一点鎖線で示すように上方へ撓み、その結果対物レンズホルダ(対物レンズ3)は矢印58方向へチルトする。
また、ワイヤ5aの後端部を矢印56側へ押し下げる一方で、ワイヤ5bの後端部を矢印55側へ押し上げた場合には、レンズホルダ2は矢印59方向へ回動(傾斜)し、逆にワイヤ5aの後端部を矢印55側へ押し上げる一方で、ワイヤ5bの後端部を矢印56側へ押し下げた場合には、レンズホルダ2は矢印60側へ回動(傾斜)する。
従って、このようなチルト補正機構を採用することで対物レンズ稼動部(レンズホルダ2)の重量を重くすること無く、チルト駆動が可能となる。また、レンズホルダ2が軽量であるため、サスペンションワイヤを撓ますための力は少なくてすむため、微弱な力でサスペンションワイヤを撓ますことが可能となり、感度を高くしながらのチルト制御が可能となる。このため、高速化対応可能で、且つ不要な共振のない良好なフォーカシング、トラッキング制御が可能となる。
【0016】
図4(b)は図4(a)のチルト動作を実現するためのチルト補正機構の具体的構成例を示す斜視図である。
このチルト機構30は、複数のサスペンションワイヤのうちの少なくとも一本を情報記録面21aと交差する方向(対物レンズ光軸方向と略平行な方向)に進退駆動させることにより、レンズホルダ2及び対物レンズ3をチルトさせるように構成されている。具体的には、このチルト補正機構30は、サスペンションホルダ5a、5bの背面に固定したマグネット41と、サスペンションホルダ6の背面により中心部を回動自在に支持されるとともにマグネット41と対向する位置にコイル43を支持した回動部材42と、を備え、回動部材42の長手方向両端部に各サスペンションワイヤ5a、5bの後端部(他端部)を固定し、図示しない電源からコイル43に通電することにより回動部材42を回動させるようにしている。
この例では、マグネット41は左右両側にN極とS極を備え、回動部材42は、サスペンションホルダ6の背面から突設した回動軸44を、回動部材42の中心部に設けた穴42a内に嵌合することにより回動自在に支持され、更にマグネット41との間に所定のギャップを隔てて対向するようにコイル43を回動部材42に固定配置する。回動部材42の両端部には、各可動側のワイヤ5a、5bの後端部が固定されている。コイル43は、図示しない電源と接続されており、制御部からの制御によってコイルに対する通電方向、電流値を種々制御することにより、コイル43に発生する磁界の方向、強弱を切り換え、回動部材42を任意の方向に任意の角度だけ回動させる。
【0017】
次に、図5に基づいて図4のチルト補正機構の動作原理を説明する。図5(a)に示すように回動部材42に固定されたコイル43は所定の位置関係にてマグネット41と対面している。この状態で矢印I方向に通電すると、フレミングの法則によって磁界は図5(b)の方向に発生するため、コイル43に対しては図5(a)に示した方向への力Pが発生する。即ち、マグネット41に発生する磁界に対して、コイルからの磁界が作用することにより可動側の部材であるコイル43及び回動部材42に対して矢印方向の力Pが発生し、この力Pが推力となって回動部材42は図5(a)の時計回り方向へ所定角度回動する。この結果、ワイヤ5aの後端部が押し下げられ、且つワイヤ5bの後端部が押し上げられるため、レンズホルダ2は矢印59方向へ回動する。
コイル43に流れる電流が図5(a)の場合と逆向きの場合には、回動部材42は逆方向に回動するため、レンズホルダ2は矢印60方向へ回動する。
このような構成とすることで、コイルに電流を流すことで、サスペンションワイヤ5a、5bをたわますことができ、対物レンズ3のラジアル方向のチルト補正が可能となり、稼働部の重量増加もなくなる。
【0018】
次に、図6は本発明の他の実施形態に係る対物レンズ駆動装置の外観斜視図であり、この実施形態が図4の例と異なる点は、上側のサスペンションワイヤ5a、5bのみならず、下側のサスペンションワイヤ5c、5dの後端部にも夫々チルト補正機構30Lを設けて、全てのワイヤを可動な状態とした点である。
その他の構成は図4と同一であるため、同一部分に同一符号を付して重複した説明は省略する。
従って、例えば上部回動部材32Uと下部回動部材32Lとが、矢印61で示す同一方向へ回動すると、各サスペンションワイヤ5a〜5dは図6の破線のように撓み、対物レンズ3は矢印62の方向へチルト駆動される。
このように上部サスペンションワイヤ2本5a、5bと、下部サスペンションワイヤ2本5c、5dが同時にたわむことで、レンズホルダ2は重心近傍で回転することとなり、図4の場合よりもラジアル方向の光軸ずれが少なくて済む。従って、光軸ずれにより発生するトラッキング信号のオフセットが少なくなり、トラッキング制御精度が向上する。
【0019】
次に、図7は本発明の対物レンズ駆動装置の他の構成例を示す斜視図であり、この実施形態はチルト補正機構30の駆動源としてリニアモータを利用した点が特徴的である。
即ち、この実施形態のチルト機構30は、サスペンションホルダ6に固定されたリニアモータ45、46を備え、該リニアモータ45、46により上部2本のサスペンションワイヤ5a、5bの他端部を対物レンズ3の光軸方向へ進退可能に支持した構成が特徴的である。
リニアモータ45、46は、図示しない制御部からの制御により作動して軸45a、46aを上下方向へ進退させることができ、この軸45a、46aに対して夫々ワイヤ5a、5bの後端部を固定する。
以上の構成において、サスペンションワイヤ5a、5bの各後端部を矢印63で示す下方へ移動すると、各ワイヤ5a、5bは上方に撓み変形するため、対物レンズ3は矢印57の方向へチルトする。
逆に、サスペンションワイヤ5a、5bの各後端部を矢印64で示す上方へ移動すると、対物レンズ3は矢印58の方向へチルトする。
ワイヤ5aの後端部を矢印63方向へ押し下げ、ワイヤ5bの後端部を矢印64の方向へ押し上げると、対物レンズ3は矢印59の方向へチルトする。
また、ワイヤ5aの後端部を矢印64方向へ押し上げ、ワイヤ5bの後端部を矢印63の方向へ押し下げると、対物レンズ3は矢印60の方向へチルトする。このように2個のリニアモータ45、46の駆動方向を制御することにより、ラジアルチルト、タンジェンシャルチルトを同時に制御することが可能となり、且つ小型で制御することが可能となる。
【0020】
なお、この例では、リニアモータの軸を上下方向へ進退させるようにしたが、横方向へ進退するように駆動してもよい。
次に、リニアモータを全てのサスペンションワイヤ5a〜5dの後端部に取り付けても良い。このような構成とすると、4本のサスペンションワイヤを同時にたわませることが可能となり、対物レンズホルダ中心でチルト回転することが可能となる。したがって図7の実施形態の場合よりも、ラジアル、タンジェンシャル方向(対物レンズ光軸と直交する方向)への光軸ずれが低減できるため、オフセットが発生しにくくなり、トラッキング制御及びタンジェンシャル方向光軸ずれが少なくなり、ジッタの劣化が低減できる。
次に、上記各実施形態に示したチルト補正機構を備えた対物レンズ駆動装置は、光ディスクドライブ装置の光ピックアップ装置に搭載することにより、光記録媒体に良好に信号を記録し、且つ再生することが可能となる。
なお、青色LDの高密度記録再生に際しては、スポット径が小さくなり、NAが大きくなるため、記録媒体と対物レンズの相対角度ずれが大きいと良好な信号の記録再生が困難となるため、上記チルト補正により小型で信頼性の高い光ピックアップを提供することが可能となる。
青色LDの高密度記録再生にはスポット径が小さくなりNAが大きくなるため、光記録媒体と対物レンズの光軸との相対角度ずれが大きいと良好な信号の記録再生が困難となるため、上記チルト補正機構を備えた小型で信頼性の高い光ピックアップ装置を、光ディスクドライブ装置に搭載することで信頼性が高く高速化対応可能な光ディスクドライブ装置を提供可能となる。
【0021】
図8は本発明の対物レンズ駆動装置を備えた光ディスクドライブ装置の一例の構成を示す図であり、この光ディスクドライブ装置70は、その筐体71の前面に設けた開口からトレイTを矢印方向に進退可能に支持しており、引き出されたトレイT上に光記録媒体21を載置した状態でトレイTを筐体71内に収納することにより、光記録媒体21の中心孔がスピンドルモータ72の回転軸20(記録媒体支持手段)に嵌合する。筐体71内にはスピンドルモータ72の他に光ピックアップ装置73が配置され、この光ピックアップ装置73は上記各実施形態に示した如きチルト補正機構30を備えた対物レンズ駆動装置1を備えている。従って、種々の原因により光記録媒体面と対物レンズの光軸とが傾斜したとしても、当該傾斜を直ちに解消することにより、信頼性が高く高速化対応可能な光ディスクドライブ装置となる。
【0022】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ラジアル方向及びトラッキング方向へ変位可能に構成された対物レンズホルダ側に、チルト用のコイル等の重い部品を搭載しないようにしたので、軽量化することができ、光記録媒体の高密度化した情報記録面に対する対物レンズ光軸のチルト補正を行うことが出来る。
即ち、請求項1の発明は、重量物としてのコイル類をレンズホルダに搭載することなく、レンズホルダ外部に設けたチルト補正機構により複数のサスペンションワイヤのうち少なくとも2本をその長手方向に進退駆動させることによりレンズホルダ及び対物レンズをチルトさせるようにしたので、レンズホルダとは別体の部材であるサスペンションホルダ側にチルト補正機構を配置でき、対物レンズ稼動部としてのレンズホルダの重量を重くすること無く、チルト駆動が可能となり、高速化対応が可能で且つ不要な共振のない良好なフォーカシング、トラッキング制御が可能となる。
請求項2の発明では、チルト補正機構は、少なくとも2本の前記サスペンションワイヤの他端部に夫々固定されたマグネットと、各マグネットを包囲するようにサスペンションホルダに設けられたコイルと、を備えているので、小さな力によりワイヤを進退させることができ、コンパクト化した機器に適用するのに好適である。
請求項3の発明は、チルト補正機構におけるワイヤの駆動手段として圧電材料であるピエゾ素子を用い、ピエゾ素子に通電してこれを変形させてワイヤを長手方向へ進退させることにより、任意の方向への任意の角度だけチルト補正を行うことが可能となる。
請求項4の発明によれば、対物レンズ稼動部(レンズホルダ)の重量を重くすること無くチルト駆動が可能となる。また、サスペンションワイヤをたわますための力は少なくてすむため、微弱な力でサスペンションワイヤをたわますことが可能であり、感度を高くしてチルト制御が可能となる。
請求項5の発明によれば、簡易で小型な構成のチルト補正機構の実現が可能であり、稼働部重量も増加も無くトラッキング、フォーカシング制御も向上し、高速化対応が可能である。
請求項6の発明によれば、光軸ずれにより発生するトラッキング信号のオフセットが少なくなり、トラッキング制御精度が向上する。
請求項7の発明によれば、リニアモータ2個の駆動方向を制御することにより、ラジアルチルト、タンジェンシャルチルトを同時に制御することが可能となり、且つ小型で制御することが可能となる。
請求項8の発明によればラジアル、タンジェンシャル方向への光軸ずれが低減できるため、オフセットが発生しにくくなり、トラッキング制御及びタンジェンシャル方向での光軸ずれが少なくなることでジッタの劣化が低減できる。
請求項9の発明に係る光ピックアップ装置によれば、小型で信頼性の高い光ピックアップを提供することが可能となる。
請求項10の発明に係る光ディスクドライブ装置によれば、信頼性が高く高速化対応可能な光ディスクドライブ装置を提供可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)(b)及び(c)は本発明の一実施形態に係る対物レンズ駆動装置の外観斜視図、本発明の原理を説明する概略構成説明図、及びその要部構成図。
【図2】(a)及び(b)は本発明の他の実施形態に係るチルト補正機構を備えた対物レンズ駆動装置の概略構成図。
【図3】本発明の他の実施形態に係るチルト補正機構を備えた対物レンズ駆動装置の概略構成図。
【図4】(a)は本発明の他の実施形態に係るチルト補正機構の動作例を示す説明図、(b)は対物レンズ駆動装置の外観斜視図。
【図5】(a)及び(b)はこのチルト補正機構の動作原理を説明する図。
【図6】本発明の他の実施形態に係る対物レンズ駆動装置の外観斜視図。
【図7】本発明の対物レンズ駆動装置の他の構成例を示す斜視図。
【図8】本発明の対物レンズ駆動装置を備えた光ディスクドライブ装置の一例の構成を示す図。
【符号の説明】
1 対物レンズ駆動装置、2 レンズホルダ、3 対物レンズ、5a〜5d サスペンションワイヤ、6 サスペンションホルダ、6a〜6d 穴、7 磁気回路、8 ベース、10 フォーカスコイル、11 トラックコイル、12 マグネット、13 ヨーク、15 ダンピング材、16 ピックアップハウジング、17 シークレール、30 チルト補正機構、31 マグネット、32 コイル、33 電源、40 ピエゾ素子、41 マグネット、42 回動部材、43コイル、45、46 リニアモータ、70 光ディスクドライブ装置、71 筐体、72 スピンドルモータ、73 光ピックアップ装置。
Claims (10)
- 記録媒体支持手段により支持された光記録媒体の情報記録面と対面した位置に対物レンズを保持するレンズホルダと、該レンズホルダに一端を固定されると共に情報記録面と略平行な方向へ延びたサスペンションワイヤと、該サスペンションワイヤの他端を支持することによりレンズホルダを片持ち支持するサスペンションホルダと、前記レンズホルダをフォーカス方向及びトラッキング方向に駆動する磁気回路と、を備えた対物レンズ駆動装置において、
複数の前記サスペンションワイヤのうち少なくとも前記情報記録面と略平行な一面内に位置する2本をその長手方向に進退駆動させることによりレンズホルダ及び対物レンズをチルトさせるチルト補正機構を設けたことを特徴とする対物レンズ駆動装置。 - 前記チルト補正機構は、少なくとも2本の前記サスペンションワイヤの他端部に夫々固定されたマグネットと、各マグネットを包囲するようにサスペンションホルダに設けられたコイルと、コイルに給電して磁界を発生させる電源と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の対物レンズ駆動装置。
- 前記チルト補正機構は、少なくとも2本の前記サスペンションワイヤの他端部に夫々固定されたピエゾ素子と、該各ピエゾ素子に給電して変形させる電源と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の対物レンズ駆動装置。
- 記録媒体支持手段により支持された光記録媒体の情報記録面と対面した位置に対物レンズを保持するレンズホルダと、該レンズホルダに一端を固定されると共に情報記録面と略平行な方向へ延びたサスペンションワイヤと、該サスペンションワイヤの他端を支持することによりレンズホルダを片持ち支持するサスペンションホルダと、前記レンズホルダをフォーカス方向及びトラッキング方向に駆動する磁気回路と、を備えた対物レンズ駆動装置において、
複数の前記サスペンションワイヤのうちの少なくとも一本をその前記対物レンズの光軸方向と略平行な方向に進退駆動させることによりレンズホルダ及び対物レンズをチルトさせるチルト補正機構を備えたことを特徴とする対物レンズ駆動装置。 - 請求項4記載のチルト補正機構は、前記サスペンションホルダの背面に固定したマグネットと、該サスペンションホルダの背面により中心部を回動自在に支持されるとともに該マグネットと対向する位置にコイルを支持した回動部材と、コイルに給電する電源と、を備えると共に、前記回動部材の両端部に各サスペンションワイヤの他端部を固定した構成を備え、
前記電源から前記コイルに通電することにより前記回動部材を回動することを特徴とする対物レンズ駆動装置。 - 請求項5に記載のチルト機構を2個備え、一方のチルト機構を構成する回動部材は、前記情報記録面と略平行な一面内にある2本のサスペンションワイヤの各他端部を固定支持し、他方のチルト機構を構成する回動部材は、前記情報記録面と略平行な他の一面内にある2本のサスペンションワイヤの各他端部を固定支持することを特徴とする対物レンズ駆動装置。
- 前記チルト機構は、前記サスペンションホルダに固定されたリニアモータを備え、該リニアモータにより前記サスペンションワイヤの他端部を対物レンズの光軸方向へ進退可能に支持したことを特徴とする請求項4に記載の対物レンズ駆動装置。
- 前記リニアモータは、前記記録媒体寄りの2本のサスペンションワイヤ、或いは全てのサスペンションワイヤの他端部に設けられていることを特徴とする請求項7に記載の対物レンズ駆動装置。
- 請求項1〜8記載の対物レンズ駆動装置を搭載したことを特徴とする光ピックアップ装置。
- 請求項9記載の光ピックアップ装置を搭載したことを特徴とする光ディスクドライブ装置。
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JP2002347416A JP2004178775A (ja) | 2002-11-29 | 2002-11-29 | 対物レンズ駆動装置、光ピックアップ装置、及び光ディスクドライブ装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009104707A (ja) * | 2007-10-23 | 2009-05-14 | Hitachi Media Electoronics Co Ltd | 対物レンズアクチュエータ、光ピックアップおよび光ディスク装置 |
-
2002
- 2002-11-29 JP JP2002347416A patent/JP2004178775A/ja active Pending
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