JP2004178079A - 自動改札装置及び改札システム - Google Patents
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Abstract
【課題】コストを低減できるとともに、改札効率を向上することが可能な自動改札装置及びこの自動改札装置を採用した改札システムを提供することを目的とする。
【解決手段】無線通信可能な無線式トークンTを返却可能な状態で受け取る受取部14と、受取部14により受け取られた無線式トークンTとの間で無線通信を行う通信部16aと、通信部16aにより無線式トークンTから読み取られた情報に基づいて改札処理を行う主制御部1と、受取部14に連通し通行許可であると判定されたのに基づいて無線式トークンTを回収する回収部60と、を備えている。
【選択図】 図2
【解決手段】無線通信可能な無線式トークンTを返却可能な状態で受け取る受取部14と、受取部14により受け取られた無線式トークンTとの間で無線通信を行う通信部16aと、通信部16aにより無線式トークンTから読み取られた情報に基づいて改札処理を行う主制御部1と、受取部14に連通し通行許可であると判定されたのに基づいて無線式トークンTを回収する回収部60と、を備えている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動改札装置及び改札システムに係り、特に、鉄道などの交通機関の駅に設置され、無線式記録媒体との間で無線による通信を行なって読み取った情報に基づき通行者の通行の可否を判定する自動改札装置及びこの自動改札装置を含む改札システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、鉄道などの交通機関の駅に設置される自動改札装置では、改札処理の高速化、及び、サービスの向上を実現するため、磁気式記録媒体からなる乗車券に代わって、無線式記録媒体としてICチップを内蔵したカード型無線式記録媒体からなる乗車券(以降、無線カードと呼称する)を処理するものが開発されている。
【0003】
このような無線カードを処理する自動改札装置は、通行者により提示される無線カードとの間で無線による通信を行なうことにより、無線カードに記録されている情報に基づいて、通行者の通行(駅構内への入場または駅構外への出場)の可否を判定する。
【0004】
定期券などの長期に亘って繰り返し利用される乗車券としては、高価でもセキュリティの高い無線カードを採用することが有益であるが、一回の入場及び出場のために利用される乗車券としては、より安価な磁気式乗車券が採用されている。このため、自動改札装置は、無線カードを処理するユニットの他に、磁気式乗車券を処理するためのユニットを搭載する必要がある。したがって、自動改札装置自体の大型化やコストアップといった問題が生ずるだけでなく、各ユニットのメンテナンスコストの省力化が達成できない問題もある。
【0005】
そこで、すべての乗車券を無線カード化し、使用済み無線カードを回収可能な自動改札装置が提案されている。すなわち、無線カードは、磁気式乗車券に比べて1枚あたりのコストが高いため、リサイクルすることを原則としてすべての乗車券に採用するものである(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
このような自動改札装置では、使用済み無線カードを筐体内部に取り込み、無線通信を行って無線カードから所定情報を読み出し、通行許可であると判定したのに基づいて取り込んだ無線カードを回収する一方で、通行不許可であると判定したのに基づいて返却口から無線カードを返却する。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−307157号公報
【発明が解決しようとする課題】
上述したような無線カード対応の自動改札装置では、すべての乗車券に高価なカード型無線式記憶媒体を採用している。また、通行不許可であると判定された無線カードについては、一旦筐体内部に取り込んでしまっているために、別途に返却する機構が必要となる。このため、自動改札装置の構造が複雑化し、コストアップを招くばかりでなく、このような自動改札装置を採用した改札システムにおいてもコストアップするといった問題を生ずる。
【0008】
また、返却口は、投入口より通行者の進行方向上流側に位置している。このため、返却された無線カードを発見しにくいばかりでなく、通行者の改札効率が低下するおそれがある。
【0009】
そこで、この発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、コストを低減できるとともに、改札効率を向上することが可能な自動改札装置及びこの自動改札装置を採用した改札システムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明の第1の様態による自動改札装置は、
無線通信可能な無線式トークンを返却可能な状態で受け取る受取手段と、
前記受取手段により受け取られた無線式トークンとの間で無線通信を行う通信手段と、
前記通信手段により無線式トークンから読み取られた情報に基づいて改札処理を行う改札手段と、
前記受取手段に連通し、前記改札手段により通行許可であると判定されたのに基づいて無線式トークンを回収する回収手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
この発明の第2の様態による改札システムは、
改札処理に必要な所定の情報を記録した無線式トークンを発行する発行装置と、無線式トークンとの間で無線による通信を行なって改札処理を行う自動改札装置と、を備えた改札システムにおいて、
前記自動改札装置は、
無線通信可能な無線式トークンを返却可能な状態で受け取る受取手段と、
前記受取手段により受け取られた無線式トークンとの間で無線通信を行う通信手段と、
前記通信手段により無線式トークンから読み取られた情報に基づいて改札処理を行う改札手段と、
前記受取手段に連通し、前記改札手段により通行許可であると判定されたのに基づいて無線式トークンを回収する回収手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態に係る自動改札装置及びこの自動改札装置を採用した改札システムについて図面を参照して説明する。なお、この実施の形態に係る自動改札装置は、駅などの施設内への入場の際の改札処理及び施設外への出場の際の集札処理を行うものである。
【0013】
まず、改集札処理の対象となる乗車券について説明する。
【0014】
この自動改札装置で処理対象となる乗車券には、たとえば、金額に応じた利用区間において1回のみの乗降が許可される普通乗車券、所定期間及び所定利用区間において乗降が許可される定期券、あるいは、あらかじめ記録された金額情報と引き換えに乗降が許可されるストア−ドフェアカード(以降、SFカードと略称する)などが挙げられる。
【0015】
定期券あるいはSFカードは、繰り返し利用可能である。すなわち、定期券は、記録されている有効期間まで使用可能であり、SFカードは、記録されている金額情報の残額がゼロとなるまで使用可能である。このように、降車時すなわち集札時に使用済みとなることなく繰り返し使用可能な乗車券としては、図3の(a)に示すように、高価格でかつセキュリティの高いICチップを内蔵したカード型の無線式記憶媒体すなわち無線カードCが採用される。これらの無線カードCは、降車時に回収しない非回収券に相当する。
【0016】
一方、普通乗車券は、通常、1回の利用に限り有効であり、降車時に使用済みとなる。このように、降車時に使用済みとなる乗車券としては、図3の(b)に示すように、低価格でかつ機構面から考慮して回収しやすいICチップを内蔵したコイン型の無線式記憶媒体すなわち無線式トークンTが採用される。このような無線式トークンTは、降車時に回収すべき回収券に相当する。
【0017】
なお、図3の(b)に示した例では、無線式トークンTを円形状に構成したが、この例に限定されるものではなく、多角形状に構成しても良いし、長円形状であっても良く、その形状に特に制限はない。無線式トークンTを形成する材質も、紙、金属、プラスティックなどで良く、特に制限はない。
【0018】
図1は、この実施の形態に係る自動改札装置の外観を概略的に示し、図2は、図1に示した自動改札装置の一部の内部構造を模式的に示すものである。図1及び図2に示すように、自動改札装置本体0は、集札処理を行う集札処理部10a、及び、改札処理を行う改札処理部10bを備えている。
【0019】
また、自動改札装置本体0は、これら集札処理部10a及び改札処理部10bに共通に、制御手段として機能する主制御部1、電源部2、ドア機構3、スピーカ4などを備えている。
【0020】
主制御部1は、装置全体の制御を司る。電源部2は、装置本体0における各部に電力を供給する。ドア機構3は、閉じることにより通行者の通路を閉鎖するドア部31を有している。スピーカ4は、通行者に対して各種案内を音声により出力する。
【0021】
集札処理部10aには、通路表示部12a、受取手段として機能する受取部14、シャッタ15、通信手段として機能する通信部16a、表示手段として機能する案内表示部18a、回収手段として機能する回収部60、検知手段として機能する各種券検知器21、22などが設けられている。
【0022】
通路表示部12aは、駅構内側から装置本体0に接近してきた通行者に対して各種案内を表示する。受取部14は、無線式トークンTを返却可能な状態で受け取る。
【0023】
通信部16aは、無線カードC及び無線式トークンとの間で無線通信を行なうためのループ状アンテナなどで構成されている。これにより、
主制御部1は、この通信部16aにより読み取られた所定情報に基づいて改札処理を行う改札手段として機能する。また、主制御部1は、通信部16aにより読み取られた所定情報に基づいて改札処理を行った無線式トークンTを回収すべきであるか否かを判定する機能を有する。
【0024】
さらに、主制御部1は、通信部16aにより読み取られた所定情報に基づいて、回収すべき無線式トークンTが再利用可能であるか否かを判別する判別手段として機能する。さらに、主制御部1は、通信部16aを伴って、回収すべき無線式トークンTに記録されている所定情報を無効化する無効化手段として機能する。
【0025】
回収部60は、受取部14に連通するとともに、無線式トークンTを回収するスタッカ61を備えている。すなわち、このスタッカ61は、シュータ20を介して受取部14に接続されている。このスタッカ61は、投入口141に投入された回収すべき無線式トークンTを整列して回収するもので、自動改札装置本体0に対して着脱自在に構成されている。
【0026】
また、スタッカ61は、たとえば、図4に示すように、縦長な筐体で構成されていて、その上部には無線式トークンTを受入れるための開口部6が設けられている。この開口部6は、スタッカ61が自動改札装置本体0に搭載された際にシュータ20に接続される。
【0027】
また、スタッカ61の内部には、無線式トークンTの収納枚数に応じて、載置板移動機構により上下動する載置板7が設けられている。開口部6を介して受け入れた無線式トークンTは、この載置板7上に順番に積み重ねて積載される。さらに、スタッカ61の前面には、スタッカ61を持ち運ぶための取手8が取着されている。そして、自動改札装置本体0から取り外したスタッカ61は、回収した無線式トークンTを再度使用するために、そのままの状態で発行装置に搭載が可能となっている。
【0028】
なお、図2に示した例では、スタッカ61は、1個のみ図示されているが、複数個用意しても良いし、図4を参照して説明したような整列して積載するための載置板を備えることなく、単に箱状のみの構造であっても良い。
【0029】
受取部14の投入口141は、通信部16aを構成するループ状アンテナの内側に設けられ、通行者により投入された無線式トークンTを受け取る。この投入口141は、シュータ20に接続されている。これら受取部14の投入口141とシュータ20との間には、開閉可能に構成されたシャッタ15が設けられている。
【0030】
また、この投入口141のシャッタ15までの深さは、受け取る無線式トークンTの長手方向長さより短くなるように設定される。例えば、図3の(b)に示したような円形状の無線式トークンTを採用した場合、投入口141からシャッタ15までの深さは、無線式トークンTの直径よりも短くなるように設定される。
【0031】
これにより、図2に示すように、投入口141に投入された無線式トークンTは、シャッタ15に支持された状態で、その一部を筐体0の主平面Pから突出した状態となる。このような状態が、返却可能な状態に相当する。
【0032】
また、投入口141は、筐体0の主平面Pから突出することのないように形成されている。つまり、投入口141は、筐体内部に向かって凹んだ形状を有している。このような投入口141の形状は、通信部16aにより回収の必要がない無線カードCとの間で無線通信を行う際に、通信エリアを制限する妨げとならない。
【0033】
また、投入口141の幅は、例えば無線式トークンTの約5枚分程度の厚さに形成されている。これにより、通行者による無線式トークンTの投入口141への投入が容易となる。
【0034】
シャッタ15は、通常は閉鎖しており、シュータ20を閉塞するとともに受取部14により受け取られた無線式トークンTを返却可能な状態で支持する。シャッタは、回収すべき無線式トークンによる改札処理の結果、通行許可であると判定されたのに基づいて開放し、無線式トークンTの支持を解放する。これにより、受取部14で受け取られた無線式トークンTは、受取部14の下方に位置するシュータ20に落下し、回収部60に案内される。
【0035】
案内表示部18aは、駅構内側から改札通路を通行する通行者に対して各種案内を表示する。この案内表示部18aには、無線式トークンTとの間で無線通信を行う前には、例えば「無線式トークンを投入してください」などの旨の案内が表示される。
【0036】
また、この案内表示部18aには、回収すべき無線式トークンTによる改札処理の結果、通行許可であると判定されたのに基づいて、例えば「どうぞお通り下さい」などの旨の案内が表示される。さらに、この案内表示部18aには、回収すべき無線式トークンTによる改札処理の結果、通行不許可であると判定されたのに基づいて、例えば「無線式トークンを投入口から取り除いてください」などの旨の案内が表示される。
【0037】
券検知器22は、投入口141の近傍に設けられ、投入口141に投入された無線式トークンTの有無を検知するのに必要な出力信号を出力する。券検知器21は、シャッタ15の下方に設けられ、シャッタ15を通過した無線式トークンTの有無を検知するのに必要な出力信号を出力する。これらの券検知器21及び22は、例えば反射型あるいは透過型の光学センサによって構成される。
【0038】
改札処理部10bには、通路表示部12b、通信部16b、案内表示部18bなどが設けられている。通路表示部12bは、駅構外側から装置本体0に接近してきた通行者に対して各種案内を表示する。案内表示部18bは、駅構外側から改札通路を通行する通行者に対して各種案内を表示する。
【0039】
通信部16bは、集札処理部10aの通信部16aと同様にループ状アンテナなどで構成され、無線カードC及び無線式トークンTとの間で無線通信を行なう。これにより、通信部16bは、無線カードC及び無線式トークンTから送信される所定情報を受信したり(すなわち、無線カードC及び無線式トークンTに記録された所定情報を読み取ったり)、無線カードC及び無線式トークンTに対して所定情報を送信したり(すなわち、無線カードC及び無線式トークンTに所定情報を記録したり)する。
【0040】
また、図1に示すように、集札処理部10aは、トップカバー26aにより覆われていて、このトップカバー26aは、自動改札装置本体0に対して開閉自在に設けられている。そして、トップカバー26aに投入口141、通信部16a、及び、案内表示部18aがそれぞれ設けられている。同様に、改札処理部10bは、トップカバー26bにより覆われていて、このトップカバー26bは、自動改札装置本体0に対して開閉自在に設けられている。そして、トップカバー26bに通信部16b、及び、案内表示部18bがそれぞれ設けられている。
【0041】
なお、トップカバー26aは、自動改札装置本体0により隔てられた一方の改札通路側に開くように構成されているとともに、トップカバー26bは、自動改札装置本体0により隔てられた他方の改札通路側に開くように構成されている。これにより、一方のトップカバーが開放され、一方の改札通路が使用不可となっても、他方の改札通路まで使用不可となることはない。
【0042】
図4は、上述したように構成された自動改札装置の制御系統を概略的に示すものである。図4に示すように、主制御部1には、ROM(リード・オンリ・メモリ)30、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)32、運賃メモリ34、シャッタ制御部35、券検知器監視部36、人検知器監視部37、ドア開閉制御部38、表示制御部39、トップカバー開閉監視部41、電源制御部42、無線通信制御部43、ネットワーク通信制御部44、監視盤インタフェイス(I/F)45、および、回収制御部54がそれぞれ接続されている。
【0043】
主制御部1は、先に説明したように、装置全体の制御を司る。この主制御部1は、タイマ1aを有し、種々の処理における時間監視を行なう。ROM30は、主制御部1の制御プログラムなどを記憶している。RAM32は、主制御部1により装置本体0における各部を制御する際に発生するデータを一時的に記憶する。運賃メモリ34は、運賃データを記憶している。
【0044】
シャッタ制御部35は、投入口141に設けられているシャッタ15の開閉駆動を制御する。券検知器監視部36は、券検知器21及び22からの出力信号を監視する。人検知器監視部37は、自動改札装置本体0の改札通路側に設けられる複数の人検知器37aからの検知信号をチェックし、自動改札装置本体0に沿って通行する通行者を監視する。
【0045】
ドア開閉制御部38は、ドア部31の開閉駆動を制御する。表示制御部39は、通路表示部12a、案内表示部18a、通路表示部12b、案内表示部18bなどの各種表示部の表示を制御する。
【0046】
トップカバー開閉監視部41は、トップカバー26aの開閉状態を検知するトップカバーセンサ41a、および、トップカバー26bの開閉状態を検知するトップカバーセンサ41bからの各検知信号をチェックし、トップカバー26a,26bの開閉状態を監視する。電源制御部42は、電源部2による電源供給などを制御する。
【0047】
無線通信制御部43は、通信部16a,16bの送受信パワーなどを制御したり、通信部16a,16bで受信されたデータを復調したり、通信部16a,18bから送信されるデータを変調したりする。ネットワーク通信制御部44は、外部ネットワークとの通信を制御する。
【0048】
監視盤インタフェイス45は、外部に設置される監視盤46と本装置とのインタフェイスとして機能する。分岐制御部53は、分岐機構52の駆動を制御する。回収制御部54は、回収部60におけるスタッカ61の載置板移動機構の駆動を制御する。
【0049】
上述した構成の自動改札装置では、改札時には、通行者の所持する無線カードC及び無線式トークンTが通信エリア、すなわち通信部16bによる通信可能なエリア内にかざされたのに基づいて、通信部16bを制御してこれらの媒体との間で無線通信が行われる。この無線通信により、無線カードC及び無線式トークンTから所定の記録情報が読み取られるとともに、所定情報(例えば入場記録情報など)が記録される。このような改札時には、当然のことながら無線カードCも無線式トークンTも通行者から手放される必要はなく、回収されることもない。
【0050】
これに対して、集札時には、通行者の所持する無線カードCが通信エリア内にかざされたのに基づいて、通信部16bを制御して無線カードCとの間で無線通信が行われる。この無線通信により、無線カードCから所定の記録情報が読み取られるとともに、所定情報(例えば出場記録情報など)が記録される。
【0051】
一方で、通行者の所持する無線式トークンTが受取部14の投入口141に投入されたのに基づいて、通信部16bを制御して無線式トークンTとの間で無線通信が行われる。この無線通信により、無線式トークンTから所定の記録情報が読み取られる。そして、通行者の通行許可判定に基づいて、シャッタが開放され、無線式トークンTが本体内部に回収される。そして、無線式トークンTが回収されたのに基づいて、改札通路が開放される。また、通行者の通行不許可判定に基づいて、シャッタの閉鎖状態が維持され、投入口141に投入された無線式トークンTの排除を促し、改札通路が閉鎖される。
【0052】
つまり、このような改札時には、無線カードCは通行者から手放される必要はなく、回収されることもないが、無線式トークンTは通行者から手放されることが必要となる。
【0053】
次に、上述した構成の自動改札装置による集札時の動作について図6に示したフローチャートを参照しつつ説明する。ここでは、無線式トークンTを用いた集札処理について説明する。
【0054】
まず、主制御部1は、人検知器37aによる検知結果に基づいて、通行者が駅構内側から装置本体0に接近したのを検知した場合に(ST1、Y)、表示制御部39を制御して、案内表示部18aに「無線式トークンを投入口に投入してください」「無線カードをかざして下さい」などの旨の案内を表示する(ST2)。
【0055】
続いて、主制御部1は、券検知器22による検知結果に基づいて、投入口141に投入された無線式トークンTを検知したのに基づいて(ST3、Y)、通信部16aによる無線式トークンTとの間での無線通信を行う(ST4)。
【0056】
すなわち、主制御部1は、無線通信制御部43を制御して、通信部16aによる無線式トークンTに記録された記録情報の読み取りを指示する。この指示に基づいて、無線通信制御部43は、通信部16aにより無線式トークンTとの間で無線通信を開始し、この無線通信により無線式トークンTの記録情報を読み取る。
【0057】
続いて、主制御部1は、通信部16aを介して読み取った記録情報に基づいて、通行者の通行の可否を判定する(ST5)。主制御部1は、判定の結果、通行が許可であると判定した場合には(ST6、Y)、投入された無線式トークンTを無効化する(ST7)。
【0058】
すなわち、主制御部1は、無線通信制御部43を制御して、通信部16aにより投入口141に投入されている無線式トークンTとの間で無線通信を行ない、無線式トークンTの記録内容を無効券に書換えることにより、無線式トークンTを無効化する。
【0059】
続いて、主制御部1は、シャッタ制御部35を制御して、シャッタ15を開放する(ST8)。そして、主制御部1は、券検知器21による検知結果に基づいて、投入口141の無線式トークンTがシャッタ15を通過してシュータ20に投入されたか否かを判定する(ST9)。
【0060】
そして、主制御部1は、無線式トークンTが通過したと判定した場合には(ST9、Y)、シャッタ制御部35を制御して、シャッタ15を閉鎖する(ST10)。シャッタ15を通過してシュータ20に投入された無線式トークンTは、回収部60に導かれる。
【0061】
そして、主制御部1は、回収制御部54を制御して、無線式トークンTをスタッカ61に回収する(ST11)。このとき、スタッカ61では、シュータ20を介して導かれた無線式トークンTが上方から順番に積み重ねて回収される。そして、回収制御部54の制御に基づいて、1枚の無線式トークンTを積み重ねるごとに載置板7が降下される。
【0062】
そして、主制御部1は、表示制御部39を制御して案内表示部18aに「どうぞお通り下さい」という旨の案内を表示する(ST12)。そして、主制御部1は、ドア開閉制御部38を制御してドア部31により、改札通路を開放して通行者の通行を許可し(ST13)、集札処理を終了する。
【0063】
上述したステップST9において、主制御部1は、券検知器21の検知結果に基づいて、投入口141の無線式トークンTがシャッタ15を通過しないと判定した場合には(ST9、N)、ドア開閉制御部38を制御してドア部31により、改札通路を閉鎖して通行者の通行を阻止する(ST14)。そして、主制御部1は、表示制御部39を制御して、案内表示部18aに「無線式トークンを投入してください」という旨の案内を表示する(ST15)。そして、ステップST9に再び戻る。
【0064】
また、上述したステップST3において、主制御部1は、通行判定の結果、通行が不許可であると判定した場合には(ST3、N)、通行が不許可となった要因が無線式トークンTの料金不足であるか否かを判定する(ST16)。そして、主制御部1は、この判定により、料金不足で不許可になったと判定した場合には(ST16、Y)、表示制御部39を制御して、案内表示部18aに「精算機にて精算して下さい」「無線式トークンを投入口から取り除いてください」という旨の案内を表示する(ST17)。
【0065】
また、主制御部1は、料金不足以外の要因で通行が不許可になったと判定した場合(ST16、N)、表示制御部39を制御して、案内表示部18aに「この券では通行できません」「無線式トークンを投入口から取り除いてください」という旨の案内を表示する(ST18)。
【0066】
そして、主制御部1は、ドア開閉制御部38を制御して、ドア部31により改札通路を閉鎖して通行者の通行を阻止する(S19)。続いて、主制御部1は、券検知器22による検知結果に基づいて、投入口141から無線式トークンTが排除されたか(返却されたか)否かを判定する(ST20)。
【0067】
そして、主制御部1は、投入口141から無線式トークンTが排除されていないと判定したのに基づいて(ST20、N)、ステップST16に戻り、要因別に対応した案内を案内表示部18aに再度表示する。また、主制御部1は、投入口141から無線式トークンTが排除されたと判定したのに基づいて(ST20、Y)、集札処理を終了する。
【0068】
上述したように、この実施の形態に係る自動改札装置及びこの自動改札装置を採用した改札システムによれば、乗車券のうちの回収券は、安価な無線式トークンを媒体として採用している。集札処理時には、投入口に返却可能な状態で投入された無線式トークンとの間で無線通信を行い、通行許可判定がなされた場合のみ、無線式トークンを筐体内部に取り込み、回収部に回収する。また、通行許可判定がなされたかった場合には、投入口に投入された無線式トークンを排除するよう促す。
【0069】
これにより、自動改札装置内部におけるメカ的構造が簡素化され、コストを低減できるとともに、装置の小型化が実現できる。また、安価な無線式トークンを採用したことにより、改札システム全体のコストも低減することができる。さらには、投入口に投入された無線式トークンは、返却可能な状態で保持されるため、通行許可判定がなされなかった場合には、投入された状態の無線式トークンを容易に発見でき、改札効率の低下を抑制することができる。
【0070】
また、上述した自動改札装置によれば、無線式トークンを回収する際に、無線トークンに記録された記録情報を無効化する。また、回収部に導かれた無線式トークンは、整列して回収される。さらに、これら無線式トークンを整列回収したスタッカは、自動改札装置に対して着脱自在であり、そのまま取り外して発行装置に搭載することが可能となる。
【0071】
これにより、回収効率を向上することができるとともに、回収した無線式トークンの不正使用を防止することができる。さらには、無線式トークンの入れ替えなどを効率的に運用できる。
【0072】
図2を参照して説明した実施の形態では、回収部60は、単一のスタッカ61のみを搭載していたが、図7に示すように、二つのスタッカ61A及び61Bを搭載しても良い。なお、図7に示した例では、上述した実施の形態の図2と同一の構成については同一の参照符号を付して詳細な説明は省略する。
【0073】
すなわち、図7に示した自動改札装置では、シュータ20は、その上端で投入口141と接続されており、その末端で2つの分岐路20A及び20Bに分岐している。第1分岐路20Aは、第1スタッカ61Aにおける上部開口部に接続している。また、第2分岐路20Bは、第2スタッカ61Bにおける上部開口部に接続している。シュータ20の中途部には、回動自在の切り換え部20Xが設けられ、シュータ20に投入された無線式トークンTの種別に応じて回収先が第1スタッカ61Aまたは第2スタッカ61Bに切り換えられる。
【0074】
回収部60は、カテゴリの異なる無線式トークンTを区分して回収するように構成されている。例えば、回収部60は、再利用可能な無線式トークンTAと再利用不可能な無線式トークンTBとを区分して回収するよう構成されている。すなわち、この回収部60は、再利用可能な無線式トークンTAを回収する第1スタッカ61Aと、再利用不可能な無線式トークンTBを回収する第2スタッカ61Bと、を備えて構成されている。
【0075】
これら第1スタッカ61A及び第2スタッカ61Bは、図4に示したスタッカ61と同一であり、自動改札装置本体0に対して着脱自在に構成されているとともに、少なくとも第1スタッカ61Aは発行装置に搭載可能である。
【0076】
このような構成の自動改札装置では、投入口141に無線式トークンTが投入されたのに基づいて、通信部16aにより無線式トークンTとの間で無線通信が行われる。この無線通信においては、無線式トークンTから所定情報が読み取られる。そして、通行許可判定がなされたのに基づいて、通信部16aによる無線通信において、無線式トークンTの無効化処理が行われ、さらには、無線式トークンTが再利用可能であるか否かが判別される。
【0077】
すなわち、図7に示した自動改札装置では、主制御部1は、通信部16aにより読み取られた所定情報に基づいて、通行許可判定がなされた回収すべき無線式トークンTの再利用が可能であるか否かを判別する判別手段として機能するものである。
【0078】
主制御部1では、例えば、無線式トークンTとの間での無線通信の際に通信不良を発生したか否かを判断し、通信不良を発生した場合には無線式トークンTが再利用不可能であると判別する。
【0079】
また、主制御部では、例えば、無線式トークンTから読み取った情報に基づいて、無線式トークンTの製造日と、自動改札装置本体0により集札処理が行われた処理日とを比較して、処理日が製造日から所定日数、例えば5年を経過しているか否かを判断し、経過していると判断した場合には無線式トークンTが再利用不可能であると判別する。
【0080】
主制御部1は、再利用可能と判別した無線式トークンTAを第1スタッカ61Aに回収すべく、切り換え部20Xを回動させて第2分岐路20Bを塞ぐ。これにより、シャッタ15が開放されたことによってシュータ20に投入された無線式トークンTAは、第1分岐路20Aに導かれ、第1スタッカ61Aに回収される。
【0081】
一方、主制御部1は、再利用不可能と判別した無線式トークンTBを第2スタッカ61Bに回収すべく、切り換え部20Xを回動させて第1分岐路20Aを塞ぐ。これにより、シャッタ15が開放されたことによってシュータ20に投入された無線式トークンTBは、第2分岐路20Bに導かれ、第2スタッカ61Bに回収される。
【0082】
なお、無線式トークンTを発行する発行装置200は、例えば図8に示すように構成されている。すなわち、この発行装置200は、種々の情報の入力を受け付ける入力部201、種々の情報を表示する表示部202、無線式トークンTを発行する発行部203などを有している。
【0083】
また、この発行装置200は、上述した各実施の形態の自動改札装置に搭載されるスタッカ61または61Aを搭載可能に構成されている。そして、発行装置200は、発行指示を受け付けたのに基づいて、無線式トークンTの発行動作を開始する。
【0084】
すなわち、スタッカ61(61A)にスタックされた無線式トークンTを1枚取り出し、発行部203における通信部を制御して、入力部201を介して入力された各種情報に基づいて無線式トークンTに所定情報を記録する。その後、無線式トークンTは、発行口から発行される。
【0085】
上述したように、この実施の形態に係る自動改札装置によれば、回収すべきと判定された無線式トークンの再利用可能か否かを判別し、再利用可能な無線式トークン及び再利用不可能な無線式トークンをそれぞれ個別にスタックして回収する。
【0086】
そして、無線式トークンを再利用する際には、発行装置のカードユニットに再利用可能な無線式トークンのみを回収したスタッカをセッティングすることにより、再利用不可能な無線式トークンが紛れて発行装置にセッティングされることがなくなる。
【0087】
このため、上述した実施の形態で説明した効果に加えて、発行装置において、無線式トークンに改札処理に必要な情報を記録して発行する際、再利用不可能な無線式トークンを発行処理して異常が発生することを未然に防止でき、信頼性を向上することが可能となる。また、異常を解除するために係員が対応することもなくなるため、煩わしい作業を省略することができ、係員の負担を軽減することが可能となる。
【0088】
したがって、このような自動改札装置と発行装置とを備えた改札システムによれば、効率的な運用が可能となる。
【0089】
なお、この発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々な変形・変更が可能である。また、各実施の形態は可能な限り適宜組み合わせて実施されてもよく、その場合組み合わせによる効果が得られる。
【0090】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、コストを低減できるとともに、改札効率を向上することが可能な自動改札装置及びこの自動改札装置を採用した改札システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の一実施の形態に係る自動改札装置の外観を概略的に示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示した自動改札装置の一部の内部構造を模式的に示す側面図である。
【図3】図3の(a)は、図1に示した自動改札装置に適用可能な無線カードの外観を示す図であり、図3の(b)は、図1に示した自動改札装置に適用可能な無線式トークンの外観を示す図である。
【図4】図4は、図1に示した自動改札装置に搭載可能なスタッカの構成を概略的に示す斜視図である。
【図5】図5は、図1に示した自動改札装置の制御系統を概略的に示すブロック図である。
【図6】図6は、図1に示した自動改札装置による集札処理時の動作について説明するフローチャートである。
【図7】図7は、図1に示した自動改札装置の他の内部構造を模式的に示す側面図である。
【図8】図8は、この発明の一実施の形態に係る発行装置の外観及び一部内部構造を概略的に示す側面図である。
【符号の説明】
T…無線式トークン
0…自動改札装置本体
1…主制御部
14…受取部
141…投入口
15…シャッタ
16a,16b…通信部
60…回収部
200…発行装置
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動改札装置及び改札システムに係り、特に、鉄道などの交通機関の駅に設置され、無線式記録媒体との間で無線による通信を行なって読み取った情報に基づき通行者の通行の可否を判定する自動改札装置及びこの自動改札装置を含む改札システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、鉄道などの交通機関の駅に設置される自動改札装置では、改札処理の高速化、及び、サービスの向上を実現するため、磁気式記録媒体からなる乗車券に代わって、無線式記録媒体としてICチップを内蔵したカード型無線式記録媒体からなる乗車券(以降、無線カードと呼称する)を処理するものが開発されている。
【0003】
このような無線カードを処理する自動改札装置は、通行者により提示される無線カードとの間で無線による通信を行なうことにより、無線カードに記録されている情報に基づいて、通行者の通行(駅構内への入場または駅構外への出場)の可否を判定する。
【0004】
定期券などの長期に亘って繰り返し利用される乗車券としては、高価でもセキュリティの高い無線カードを採用することが有益であるが、一回の入場及び出場のために利用される乗車券としては、より安価な磁気式乗車券が採用されている。このため、自動改札装置は、無線カードを処理するユニットの他に、磁気式乗車券を処理するためのユニットを搭載する必要がある。したがって、自動改札装置自体の大型化やコストアップといった問題が生ずるだけでなく、各ユニットのメンテナンスコストの省力化が達成できない問題もある。
【0005】
そこで、すべての乗車券を無線カード化し、使用済み無線カードを回収可能な自動改札装置が提案されている。すなわち、無線カードは、磁気式乗車券に比べて1枚あたりのコストが高いため、リサイクルすることを原則としてすべての乗車券に採用するものである(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
このような自動改札装置では、使用済み無線カードを筐体内部に取り込み、無線通信を行って無線カードから所定情報を読み出し、通行許可であると判定したのに基づいて取り込んだ無線カードを回収する一方で、通行不許可であると判定したのに基づいて返却口から無線カードを返却する。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−307157号公報
【発明が解決しようとする課題】
上述したような無線カード対応の自動改札装置では、すべての乗車券に高価なカード型無線式記憶媒体を採用している。また、通行不許可であると判定された無線カードについては、一旦筐体内部に取り込んでしまっているために、別途に返却する機構が必要となる。このため、自動改札装置の構造が複雑化し、コストアップを招くばかりでなく、このような自動改札装置を採用した改札システムにおいてもコストアップするといった問題を生ずる。
【0008】
また、返却口は、投入口より通行者の進行方向上流側に位置している。このため、返却された無線カードを発見しにくいばかりでなく、通行者の改札効率が低下するおそれがある。
【0009】
そこで、この発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、コストを低減できるとともに、改札効率を向上することが可能な自動改札装置及びこの自動改札装置を採用した改札システムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明の第1の様態による自動改札装置は、
無線通信可能な無線式トークンを返却可能な状態で受け取る受取手段と、
前記受取手段により受け取られた無線式トークンとの間で無線通信を行う通信手段と、
前記通信手段により無線式トークンから読み取られた情報に基づいて改札処理を行う改札手段と、
前記受取手段に連通し、前記改札手段により通行許可であると判定されたのに基づいて無線式トークンを回収する回収手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
この発明の第2の様態による改札システムは、
改札処理に必要な所定の情報を記録した無線式トークンを発行する発行装置と、無線式トークンとの間で無線による通信を行なって改札処理を行う自動改札装置と、を備えた改札システムにおいて、
前記自動改札装置は、
無線通信可能な無線式トークンを返却可能な状態で受け取る受取手段と、
前記受取手段により受け取られた無線式トークンとの間で無線通信を行う通信手段と、
前記通信手段により無線式トークンから読み取られた情報に基づいて改札処理を行う改札手段と、
前記受取手段に連通し、前記改札手段により通行許可であると判定されたのに基づいて無線式トークンを回収する回収手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態に係る自動改札装置及びこの自動改札装置を採用した改札システムについて図面を参照して説明する。なお、この実施の形態に係る自動改札装置は、駅などの施設内への入場の際の改札処理及び施設外への出場の際の集札処理を行うものである。
【0013】
まず、改集札処理の対象となる乗車券について説明する。
【0014】
この自動改札装置で処理対象となる乗車券には、たとえば、金額に応じた利用区間において1回のみの乗降が許可される普通乗車券、所定期間及び所定利用区間において乗降が許可される定期券、あるいは、あらかじめ記録された金額情報と引き換えに乗降が許可されるストア−ドフェアカード(以降、SFカードと略称する)などが挙げられる。
【0015】
定期券あるいはSFカードは、繰り返し利用可能である。すなわち、定期券は、記録されている有効期間まで使用可能であり、SFカードは、記録されている金額情報の残額がゼロとなるまで使用可能である。このように、降車時すなわち集札時に使用済みとなることなく繰り返し使用可能な乗車券としては、図3の(a)に示すように、高価格でかつセキュリティの高いICチップを内蔵したカード型の無線式記憶媒体すなわち無線カードCが採用される。これらの無線カードCは、降車時に回収しない非回収券に相当する。
【0016】
一方、普通乗車券は、通常、1回の利用に限り有効であり、降車時に使用済みとなる。このように、降車時に使用済みとなる乗車券としては、図3の(b)に示すように、低価格でかつ機構面から考慮して回収しやすいICチップを内蔵したコイン型の無線式記憶媒体すなわち無線式トークンTが採用される。このような無線式トークンTは、降車時に回収すべき回収券に相当する。
【0017】
なお、図3の(b)に示した例では、無線式トークンTを円形状に構成したが、この例に限定されるものではなく、多角形状に構成しても良いし、長円形状であっても良く、その形状に特に制限はない。無線式トークンTを形成する材質も、紙、金属、プラスティックなどで良く、特に制限はない。
【0018】
図1は、この実施の形態に係る自動改札装置の外観を概略的に示し、図2は、図1に示した自動改札装置の一部の内部構造を模式的に示すものである。図1及び図2に示すように、自動改札装置本体0は、集札処理を行う集札処理部10a、及び、改札処理を行う改札処理部10bを備えている。
【0019】
また、自動改札装置本体0は、これら集札処理部10a及び改札処理部10bに共通に、制御手段として機能する主制御部1、電源部2、ドア機構3、スピーカ4などを備えている。
【0020】
主制御部1は、装置全体の制御を司る。電源部2は、装置本体0における各部に電力を供給する。ドア機構3は、閉じることにより通行者の通路を閉鎖するドア部31を有している。スピーカ4は、通行者に対して各種案内を音声により出力する。
【0021】
集札処理部10aには、通路表示部12a、受取手段として機能する受取部14、シャッタ15、通信手段として機能する通信部16a、表示手段として機能する案内表示部18a、回収手段として機能する回収部60、検知手段として機能する各種券検知器21、22などが設けられている。
【0022】
通路表示部12aは、駅構内側から装置本体0に接近してきた通行者に対して各種案内を表示する。受取部14は、無線式トークンTを返却可能な状態で受け取る。
【0023】
通信部16aは、無線カードC及び無線式トークンとの間で無線通信を行なうためのループ状アンテナなどで構成されている。これにより、
主制御部1は、この通信部16aにより読み取られた所定情報に基づいて改札処理を行う改札手段として機能する。また、主制御部1は、通信部16aにより読み取られた所定情報に基づいて改札処理を行った無線式トークンTを回収すべきであるか否かを判定する機能を有する。
【0024】
さらに、主制御部1は、通信部16aにより読み取られた所定情報に基づいて、回収すべき無線式トークンTが再利用可能であるか否かを判別する判別手段として機能する。さらに、主制御部1は、通信部16aを伴って、回収すべき無線式トークンTに記録されている所定情報を無効化する無効化手段として機能する。
【0025】
回収部60は、受取部14に連通するとともに、無線式トークンTを回収するスタッカ61を備えている。すなわち、このスタッカ61は、シュータ20を介して受取部14に接続されている。このスタッカ61は、投入口141に投入された回収すべき無線式トークンTを整列して回収するもので、自動改札装置本体0に対して着脱自在に構成されている。
【0026】
また、スタッカ61は、たとえば、図4に示すように、縦長な筐体で構成されていて、その上部には無線式トークンTを受入れるための開口部6が設けられている。この開口部6は、スタッカ61が自動改札装置本体0に搭載された際にシュータ20に接続される。
【0027】
また、スタッカ61の内部には、無線式トークンTの収納枚数に応じて、載置板移動機構により上下動する載置板7が設けられている。開口部6を介して受け入れた無線式トークンTは、この載置板7上に順番に積み重ねて積載される。さらに、スタッカ61の前面には、スタッカ61を持ち運ぶための取手8が取着されている。そして、自動改札装置本体0から取り外したスタッカ61は、回収した無線式トークンTを再度使用するために、そのままの状態で発行装置に搭載が可能となっている。
【0028】
なお、図2に示した例では、スタッカ61は、1個のみ図示されているが、複数個用意しても良いし、図4を参照して説明したような整列して積載するための載置板を備えることなく、単に箱状のみの構造であっても良い。
【0029】
受取部14の投入口141は、通信部16aを構成するループ状アンテナの内側に設けられ、通行者により投入された無線式トークンTを受け取る。この投入口141は、シュータ20に接続されている。これら受取部14の投入口141とシュータ20との間には、開閉可能に構成されたシャッタ15が設けられている。
【0030】
また、この投入口141のシャッタ15までの深さは、受け取る無線式トークンTの長手方向長さより短くなるように設定される。例えば、図3の(b)に示したような円形状の無線式トークンTを採用した場合、投入口141からシャッタ15までの深さは、無線式トークンTの直径よりも短くなるように設定される。
【0031】
これにより、図2に示すように、投入口141に投入された無線式トークンTは、シャッタ15に支持された状態で、その一部を筐体0の主平面Pから突出した状態となる。このような状態が、返却可能な状態に相当する。
【0032】
また、投入口141は、筐体0の主平面Pから突出することのないように形成されている。つまり、投入口141は、筐体内部に向かって凹んだ形状を有している。このような投入口141の形状は、通信部16aにより回収の必要がない無線カードCとの間で無線通信を行う際に、通信エリアを制限する妨げとならない。
【0033】
また、投入口141の幅は、例えば無線式トークンTの約5枚分程度の厚さに形成されている。これにより、通行者による無線式トークンTの投入口141への投入が容易となる。
【0034】
シャッタ15は、通常は閉鎖しており、シュータ20を閉塞するとともに受取部14により受け取られた無線式トークンTを返却可能な状態で支持する。シャッタは、回収すべき無線式トークンによる改札処理の結果、通行許可であると判定されたのに基づいて開放し、無線式トークンTの支持を解放する。これにより、受取部14で受け取られた無線式トークンTは、受取部14の下方に位置するシュータ20に落下し、回収部60に案内される。
【0035】
案内表示部18aは、駅構内側から改札通路を通行する通行者に対して各種案内を表示する。この案内表示部18aには、無線式トークンTとの間で無線通信を行う前には、例えば「無線式トークンを投入してください」などの旨の案内が表示される。
【0036】
また、この案内表示部18aには、回収すべき無線式トークンTによる改札処理の結果、通行許可であると判定されたのに基づいて、例えば「どうぞお通り下さい」などの旨の案内が表示される。さらに、この案内表示部18aには、回収すべき無線式トークンTによる改札処理の結果、通行不許可であると判定されたのに基づいて、例えば「無線式トークンを投入口から取り除いてください」などの旨の案内が表示される。
【0037】
券検知器22は、投入口141の近傍に設けられ、投入口141に投入された無線式トークンTの有無を検知するのに必要な出力信号を出力する。券検知器21は、シャッタ15の下方に設けられ、シャッタ15を通過した無線式トークンTの有無を検知するのに必要な出力信号を出力する。これらの券検知器21及び22は、例えば反射型あるいは透過型の光学センサによって構成される。
【0038】
改札処理部10bには、通路表示部12b、通信部16b、案内表示部18bなどが設けられている。通路表示部12bは、駅構外側から装置本体0に接近してきた通行者に対して各種案内を表示する。案内表示部18bは、駅構外側から改札通路を通行する通行者に対して各種案内を表示する。
【0039】
通信部16bは、集札処理部10aの通信部16aと同様にループ状アンテナなどで構成され、無線カードC及び無線式トークンTとの間で無線通信を行なう。これにより、通信部16bは、無線カードC及び無線式トークンTから送信される所定情報を受信したり(すなわち、無線カードC及び無線式トークンTに記録された所定情報を読み取ったり)、無線カードC及び無線式トークンTに対して所定情報を送信したり(すなわち、無線カードC及び無線式トークンTに所定情報を記録したり)する。
【0040】
また、図1に示すように、集札処理部10aは、トップカバー26aにより覆われていて、このトップカバー26aは、自動改札装置本体0に対して開閉自在に設けられている。そして、トップカバー26aに投入口141、通信部16a、及び、案内表示部18aがそれぞれ設けられている。同様に、改札処理部10bは、トップカバー26bにより覆われていて、このトップカバー26bは、自動改札装置本体0に対して開閉自在に設けられている。そして、トップカバー26bに通信部16b、及び、案内表示部18bがそれぞれ設けられている。
【0041】
なお、トップカバー26aは、自動改札装置本体0により隔てられた一方の改札通路側に開くように構成されているとともに、トップカバー26bは、自動改札装置本体0により隔てられた他方の改札通路側に開くように構成されている。これにより、一方のトップカバーが開放され、一方の改札通路が使用不可となっても、他方の改札通路まで使用不可となることはない。
【0042】
図4は、上述したように構成された自動改札装置の制御系統を概略的に示すものである。図4に示すように、主制御部1には、ROM(リード・オンリ・メモリ)30、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)32、運賃メモリ34、シャッタ制御部35、券検知器監視部36、人検知器監視部37、ドア開閉制御部38、表示制御部39、トップカバー開閉監視部41、電源制御部42、無線通信制御部43、ネットワーク通信制御部44、監視盤インタフェイス(I/F)45、および、回収制御部54がそれぞれ接続されている。
【0043】
主制御部1は、先に説明したように、装置全体の制御を司る。この主制御部1は、タイマ1aを有し、種々の処理における時間監視を行なう。ROM30は、主制御部1の制御プログラムなどを記憶している。RAM32は、主制御部1により装置本体0における各部を制御する際に発生するデータを一時的に記憶する。運賃メモリ34は、運賃データを記憶している。
【0044】
シャッタ制御部35は、投入口141に設けられているシャッタ15の開閉駆動を制御する。券検知器監視部36は、券検知器21及び22からの出力信号を監視する。人検知器監視部37は、自動改札装置本体0の改札通路側に設けられる複数の人検知器37aからの検知信号をチェックし、自動改札装置本体0に沿って通行する通行者を監視する。
【0045】
ドア開閉制御部38は、ドア部31の開閉駆動を制御する。表示制御部39は、通路表示部12a、案内表示部18a、通路表示部12b、案内表示部18bなどの各種表示部の表示を制御する。
【0046】
トップカバー開閉監視部41は、トップカバー26aの開閉状態を検知するトップカバーセンサ41a、および、トップカバー26bの開閉状態を検知するトップカバーセンサ41bからの各検知信号をチェックし、トップカバー26a,26bの開閉状態を監視する。電源制御部42は、電源部2による電源供給などを制御する。
【0047】
無線通信制御部43は、通信部16a,16bの送受信パワーなどを制御したり、通信部16a,16bで受信されたデータを復調したり、通信部16a,18bから送信されるデータを変調したりする。ネットワーク通信制御部44は、外部ネットワークとの通信を制御する。
【0048】
監視盤インタフェイス45は、外部に設置される監視盤46と本装置とのインタフェイスとして機能する。分岐制御部53は、分岐機構52の駆動を制御する。回収制御部54は、回収部60におけるスタッカ61の載置板移動機構の駆動を制御する。
【0049】
上述した構成の自動改札装置では、改札時には、通行者の所持する無線カードC及び無線式トークンTが通信エリア、すなわち通信部16bによる通信可能なエリア内にかざされたのに基づいて、通信部16bを制御してこれらの媒体との間で無線通信が行われる。この無線通信により、無線カードC及び無線式トークンTから所定の記録情報が読み取られるとともに、所定情報(例えば入場記録情報など)が記録される。このような改札時には、当然のことながら無線カードCも無線式トークンTも通行者から手放される必要はなく、回収されることもない。
【0050】
これに対して、集札時には、通行者の所持する無線カードCが通信エリア内にかざされたのに基づいて、通信部16bを制御して無線カードCとの間で無線通信が行われる。この無線通信により、無線カードCから所定の記録情報が読み取られるとともに、所定情報(例えば出場記録情報など)が記録される。
【0051】
一方で、通行者の所持する無線式トークンTが受取部14の投入口141に投入されたのに基づいて、通信部16bを制御して無線式トークンTとの間で無線通信が行われる。この無線通信により、無線式トークンTから所定の記録情報が読み取られる。そして、通行者の通行許可判定に基づいて、シャッタが開放され、無線式トークンTが本体内部に回収される。そして、無線式トークンTが回収されたのに基づいて、改札通路が開放される。また、通行者の通行不許可判定に基づいて、シャッタの閉鎖状態が維持され、投入口141に投入された無線式トークンTの排除を促し、改札通路が閉鎖される。
【0052】
つまり、このような改札時には、無線カードCは通行者から手放される必要はなく、回収されることもないが、無線式トークンTは通行者から手放されることが必要となる。
【0053】
次に、上述した構成の自動改札装置による集札時の動作について図6に示したフローチャートを参照しつつ説明する。ここでは、無線式トークンTを用いた集札処理について説明する。
【0054】
まず、主制御部1は、人検知器37aによる検知結果に基づいて、通行者が駅構内側から装置本体0に接近したのを検知した場合に(ST1、Y)、表示制御部39を制御して、案内表示部18aに「無線式トークンを投入口に投入してください」「無線カードをかざして下さい」などの旨の案内を表示する(ST2)。
【0055】
続いて、主制御部1は、券検知器22による検知結果に基づいて、投入口141に投入された無線式トークンTを検知したのに基づいて(ST3、Y)、通信部16aによる無線式トークンTとの間での無線通信を行う(ST4)。
【0056】
すなわち、主制御部1は、無線通信制御部43を制御して、通信部16aによる無線式トークンTに記録された記録情報の読み取りを指示する。この指示に基づいて、無線通信制御部43は、通信部16aにより無線式トークンTとの間で無線通信を開始し、この無線通信により無線式トークンTの記録情報を読み取る。
【0057】
続いて、主制御部1は、通信部16aを介して読み取った記録情報に基づいて、通行者の通行の可否を判定する(ST5)。主制御部1は、判定の結果、通行が許可であると判定した場合には(ST6、Y)、投入された無線式トークンTを無効化する(ST7)。
【0058】
すなわち、主制御部1は、無線通信制御部43を制御して、通信部16aにより投入口141に投入されている無線式トークンTとの間で無線通信を行ない、無線式トークンTの記録内容を無効券に書換えることにより、無線式トークンTを無効化する。
【0059】
続いて、主制御部1は、シャッタ制御部35を制御して、シャッタ15を開放する(ST8)。そして、主制御部1は、券検知器21による検知結果に基づいて、投入口141の無線式トークンTがシャッタ15を通過してシュータ20に投入されたか否かを判定する(ST9)。
【0060】
そして、主制御部1は、無線式トークンTが通過したと判定した場合には(ST9、Y)、シャッタ制御部35を制御して、シャッタ15を閉鎖する(ST10)。シャッタ15を通過してシュータ20に投入された無線式トークンTは、回収部60に導かれる。
【0061】
そして、主制御部1は、回収制御部54を制御して、無線式トークンTをスタッカ61に回収する(ST11)。このとき、スタッカ61では、シュータ20を介して導かれた無線式トークンTが上方から順番に積み重ねて回収される。そして、回収制御部54の制御に基づいて、1枚の無線式トークンTを積み重ねるごとに載置板7が降下される。
【0062】
そして、主制御部1は、表示制御部39を制御して案内表示部18aに「どうぞお通り下さい」という旨の案内を表示する(ST12)。そして、主制御部1は、ドア開閉制御部38を制御してドア部31により、改札通路を開放して通行者の通行を許可し(ST13)、集札処理を終了する。
【0063】
上述したステップST9において、主制御部1は、券検知器21の検知結果に基づいて、投入口141の無線式トークンTがシャッタ15を通過しないと判定した場合には(ST9、N)、ドア開閉制御部38を制御してドア部31により、改札通路を閉鎖して通行者の通行を阻止する(ST14)。そして、主制御部1は、表示制御部39を制御して、案内表示部18aに「無線式トークンを投入してください」という旨の案内を表示する(ST15)。そして、ステップST9に再び戻る。
【0064】
また、上述したステップST3において、主制御部1は、通行判定の結果、通行が不許可であると判定した場合には(ST3、N)、通行が不許可となった要因が無線式トークンTの料金不足であるか否かを判定する(ST16)。そして、主制御部1は、この判定により、料金不足で不許可になったと判定した場合には(ST16、Y)、表示制御部39を制御して、案内表示部18aに「精算機にて精算して下さい」「無線式トークンを投入口から取り除いてください」という旨の案内を表示する(ST17)。
【0065】
また、主制御部1は、料金不足以外の要因で通行が不許可になったと判定した場合(ST16、N)、表示制御部39を制御して、案内表示部18aに「この券では通行できません」「無線式トークンを投入口から取り除いてください」という旨の案内を表示する(ST18)。
【0066】
そして、主制御部1は、ドア開閉制御部38を制御して、ドア部31により改札通路を閉鎖して通行者の通行を阻止する(S19)。続いて、主制御部1は、券検知器22による検知結果に基づいて、投入口141から無線式トークンTが排除されたか(返却されたか)否かを判定する(ST20)。
【0067】
そして、主制御部1は、投入口141から無線式トークンTが排除されていないと判定したのに基づいて(ST20、N)、ステップST16に戻り、要因別に対応した案内を案内表示部18aに再度表示する。また、主制御部1は、投入口141から無線式トークンTが排除されたと判定したのに基づいて(ST20、Y)、集札処理を終了する。
【0068】
上述したように、この実施の形態に係る自動改札装置及びこの自動改札装置を採用した改札システムによれば、乗車券のうちの回収券は、安価な無線式トークンを媒体として採用している。集札処理時には、投入口に返却可能な状態で投入された無線式トークンとの間で無線通信を行い、通行許可判定がなされた場合のみ、無線式トークンを筐体内部に取り込み、回収部に回収する。また、通行許可判定がなされたかった場合には、投入口に投入された無線式トークンを排除するよう促す。
【0069】
これにより、自動改札装置内部におけるメカ的構造が簡素化され、コストを低減できるとともに、装置の小型化が実現できる。また、安価な無線式トークンを採用したことにより、改札システム全体のコストも低減することができる。さらには、投入口に投入された無線式トークンは、返却可能な状態で保持されるため、通行許可判定がなされなかった場合には、投入された状態の無線式トークンを容易に発見でき、改札効率の低下を抑制することができる。
【0070】
また、上述した自動改札装置によれば、無線式トークンを回収する際に、無線トークンに記録された記録情報を無効化する。また、回収部に導かれた無線式トークンは、整列して回収される。さらに、これら無線式トークンを整列回収したスタッカは、自動改札装置に対して着脱自在であり、そのまま取り外して発行装置に搭載することが可能となる。
【0071】
これにより、回収効率を向上することができるとともに、回収した無線式トークンの不正使用を防止することができる。さらには、無線式トークンの入れ替えなどを効率的に運用できる。
【0072】
図2を参照して説明した実施の形態では、回収部60は、単一のスタッカ61のみを搭載していたが、図7に示すように、二つのスタッカ61A及び61Bを搭載しても良い。なお、図7に示した例では、上述した実施の形態の図2と同一の構成については同一の参照符号を付して詳細な説明は省略する。
【0073】
すなわち、図7に示した自動改札装置では、シュータ20は、その上端で投入口141と接続されており、その末端で2つの分岐路20A及び20Bに分岐している。第1分岐路20Aは、第1スタッカ61Aにおける上部開口部に接続している。また、第2分岐路20Bは、第2スタッカ61Bにおける上部開口部に接続している。シュータ20の中途部には、回動自在の切り換え部20Xが設けられ、シュータ20に投入された無線式トークンTの種別に応じて回収先が第1スタッカ61Aまたは第2スタッカ61Bに切り換えられる。
【0074】
回収部60は、カテゴリの異なる無線式トークンTを区分して回収するように構成されている。例えば、回収部60は、再利用可能な無線式トークンTAと再利用不可能な無線式トークンTBとを区分して回収するよう構成されている。すなわち、この回収部60は、再利用可能な無線式トークンTAを回収する第1スタッカ61Aと、再利用不可能な無線式トークンTBを回収する第2スタッカ61Bと、を備えて構成されている。
【0075】
これら第1スタッカ61A及び第2スタッカ61Bは、図4に示したスタッカ61と同一であり、自動改札装置本体0に対して着脱自在に構成されているとともに、少なくとも第1スタッカ61Aは発行装置に搭載可能である。
【0076】
このような構成の自動改札装置では、投入口141に無線式トークンTが投入されたのに基づいて、通信部16aにより無線式トークンTとの間で無線通信が行われる。この無線通信においては、無線式トークンTから所定情報が読み取られる。そして、通行許可判定がなされたのに基づいて、通信部16aによる無線通信において、無線式トークンTの無効化処理が行われ、さらには、無線式トークンTが再利用可能であるか否かが判別される。
【0077】
すなわち、図7に示した自動改札装置では、主制御部1は、通信部16aにより読み取られた所定情報に基づいて、通行許可判定がなされた回収すべき無線式トークンTの再利用が可能であるか否かを判別する判別手段として機能するものである。
【0078】
主制御部1では、例えば、無線式トークンTとの間での無線通信の際に通信不良を発生したか否かを判断し、通信不良を発生した場合には無線式トークンTが再利用不可能であると判別する。
【0079】
また、主制御部では、例えば、無線式トークンTから読み取った情報に基づいて、無線式トークンTの製造日と、自動改札装置本体0により集札処理が行われた処理日とを比較して、処理日が製造日から所定日数、例えば5年を経過しているか否かを判断し、経過していると判断した場合には無線式トークンTが再利用不可能であると判別する。
【0080】
主制御部1は、再利用可能と判別した無線式トークンTAを第1スタッカ61Aに回収すべく、切り換え部20Xを回動させて第2分岐路20Bを塞ぐ。これにより、シャッタ15が開放されたことによってシュータ20に投入された無線式トークンTAは、第1分岐路20Aに導かれ、第1スタッカ61Aに回収される。
【0081】
一方、主制御部1は、再利用不可能と判別した無線式トークンTBを第2スタッカ61Bに回収すべく、切り換え部20Xを回動させて第1分岐路20Aを塞ぐ。これにより、シャッタ15が開放されたことによってシュータ20に投入された無線式トークンTBは、第2分岐路20Bに導かれ、第2スタッカ61Bに回収される。
【0082】
なお、無線式トークンTを発行する発行装置200は、例えば図8に示すように構成されている。すなわち、この発行装置200は、種々の情報の入力を受け付ける入力部201、種々の情報を表示する表示部202、無線式トークンTを発行する発行部203などを有している。
【0083】
また、この発行装置200は、上述した各実施の形態の自動改札装置に搭載されるスタッカ61または61Aを搭載可能に構成されている。そして、発行装置200は、発行指示を受け付けたのに基づいて、無線式トークンTの発行動作を開始する。
【0084】
すなわち、スタッカ61(61A)にスタックされた無線式トークンTを1枚取り出し、発行部203における通信部を制御して、入力部201を介して入力された各種情報に基づいて無線式トークンTに所定情報を記録する。その後、無線式トークンTは、発行口から発行される。
【0085】
上述したように、この実施の形態に係る自動改札装置によれば、回収すべきと判定された無線式トークンの再利用可能か否かを判別し、再利用可能な無線式トークン及び再利用不可能な無線式トークンをそれぞれ個別にスタックして回収する。
【0086】
そして、無線式トークンを再利用する際には、発行装置のカードユニットに再利用可能な無線式トークンのみを回収したスタッカをセッティングすることにより、再利用不可能な無線式トークンが紛れて発行装置にセッティングされることがなくなる。
【0087】
このため、上述した実施の形態で説明した効果に加えて、発行装置において、無線式トークンに改札処理に必要な情報を記録して発行する際、再利用不可能な無線式トークンを発行処理して異常が発生することを未然に防止でき、信頼性を向上することが可能となる。また、異常を解除するために係員が対応することもなくなるため、煩わしい作業を省略することができ、係員の負担を軽減することが可能となる。
【0088】
したがって、このような自動改札装置と発行装置とを備えた改札システムによれば、効率的な運用が可能となる。
【0089】
なお、この発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々な変形・変更が可能である。また、各実施の形態は可能な限り適宜組み合わせて実施されてもよく、その場合組み合わせによる効果が得られる。
【0090】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、コストを低減できるとともに、改札効率を向上することが可能な自動改札装置及びこの自動改札装置を採用した改札システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の一実施の形態に係る自動改札装置の外観を概略的に示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示した自動改札装置の一部の内部構造を模式的に示す側面図である。
【図3】図3の(a)は、図1に示した自動改札装置に適用可能な無線カードの外観を示す図であり、図3の(b)は、図1に示した自動改札装置に適用可能な無線式トークンの外観を示す図である。
【図4】図4は、図1に示した自動改札装置に搭載可能なスタッカの構成を概略的に示す斜視図である。
【図5】図5は、図1に示した自動改札装置の制御系統を概略的に示すブロック図である。
【図6】図6は、図1に示した自動改札装置による集札処理時の動作について説明するフローチャートである。
【図7】図7は、図1に示した自動改札装置の他の内部構造を模式的に示す側面図である。
【図8】図8は、この発明の一実施の形態に係る発行装置の外観及び一部内部構造を概略的に示す側面図である。
【符号の説明】
T…無線式トークン
0…自動改札装置本体
1…主制御部
14…受取部
141…投入口
15…シャッタ
16a,16b…通信部
60…回収部
200…発行装置
Claims (12)
- 無線通信可能な無線式トークンを返却可能な状態で受け取る受取手段と、
前記受取手段により受け取られた無線式トークンとの間で無線通信を行う通信手段と、
前記通信手段により無線式トークンから読み取られた情報に基づいて改札処理を行う改札手段と、
前記受取手段に連通し、前記改札手段により通行許可であると判定されたのに基づいて無線式トークンを回収する回収手段と、
を備えたことを特徴とする自動改札装置。 - 無線通信可能な無線式トークンを受け取る受取手段と、
前記受取手段により受け取られた無線式トークンとの間で無線通信を行う通信手段と、
前記通信手段により無線式トークンから読み取られた情報に基づいて改札処理を行う改札手段と、
前記受取手段にシュータを介して連通し、無線式トークンを回収する回収手段と、
前記シュータを閉塞するとともに受取手段により受け取られた無線式トークンを返却可能な状態で支持するシャッタと、
前記改札手段により通行許可であると判定されたのに基づいて、無線式トークンの支持を解放するように前記シャッタを開放させる制御手段と、
を備えたことを特徴とする自動改札装置。 - 無線通信可能な無線式トークンを受け取る受取手段と、
前記受取手段により受け取られた無線式トークンとの間で無線通信を行う通信手段と、
前記通信手段により無線式トークンから読み取られた情報に基づいて改札処理を行う改札手段と、
前記受取手段にシュータを介して連通し、無線式トークンを回収する回収手段と、
前記シュータを閉塞するとともに受取手段により受け取られた無線式トークンを返却可能な状態で支持するシャッタと、
前記シャッタを通過した無線式トークンを検知する検知手段と、
前記改札手段による通行不許可であると判定されたのに基づいて通路を閉鎖するドア機構と、
前記改札手段により通行許可であると判定されたのに基づいて無線式トークンの支持を解放するように前記シャッタを開放させ、前記検知手段により前記シャッタを通過した無線式トークンを検知したのに基づいて通路を開放するよう前記ドア機構を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする自動改札装置。 - 前記受取手段は、無線式トークンが投入される投入口を有し、
前記投入口の前記シャッタまでの深さは、無線式トークンの長手方向長さより短いことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の自動改札装置。 - 前記投入口は、筐体から突出することなく形成されたことを特徴とする請求項4に記載の自動改札装置。
- 前記改札手段により通行許可であると判定されたのに基づいて前記受取手段により受け取られた無線式トークンが再利用可能か否かを判別する判別手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の自動改札装置。
- 前記回収手段は、再利用可能な無線式トークンを回収する第1スタッカと、再利用不可能な無線式トークンを回収する第2スタッカと、を備えたことを特徴とする請求項6に記載の自動改札装置。
- 前記受取手段により受け取られた無線式トークンに記録されている情報を無効化する無効化手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の自動改札装置。
- 前記改札手段による通行不許可であると判定されたのに基づいて、前記受取手段にて返却可能な状態の無線式トークンを排除する旨の案内を表示する表示手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の自動改札装置。
- 改札処理に必要な所定の情報を記録した無線式トークンを発行する発行装置と、無線式トークンとの間で無線による通信を行なって改札処理を行う自動改札装置と、を備えた改札システムにおいて、
前記自動改札装置は、
無線通信可能な無線式トークンを返却可能な状態で受け取る受取手段と、
前記受取手段により受け取られた無線式トークンとの間で無線通信を行う通信手段と、
前記通信手段により無線式トークンから読み取られた情報に基づいて改札処理を行う改札手段と、
前記受取手段に連通し、前記改札手段により通行許可であると判定されたのに基づいて無線式トークンを回収する回収手段と、
を備えたことを特徴とする改札システム。 - 前記回収手段は、再利用可能な無線式トークンを回収するとともに前記発行装置に搭載可能な第1スタッカと、再利用不可能な無線式トークンを回収する第2スタッカと、を備えたことを特徴とする請求項10に記載の改札システム。
- 前記発行装置は、前記第1スタッカに回収された無線式トークンに対して改札処理に必要な所定の情報を記録して発行する発行手段を備えたことを特徴とする請求項10に記載の改札システム。
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