JP2004177789A - 変倍ファインダ装置を備えたカメラ - Google Patents
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Abstract
【課題】小型かつ簡易な構成であって容易にファインダ対物レンズ系の視度を調整することができる変倍ファインダ視度調整装置を提供する。
【解決手段】第3ファインダレンズ支持部6に偏心ピン支持部6cが設けられ、偏心ピン7が圧入状態で挿通されている。偏心ピン7の回動部の先端は偏心段差部を有し、偏心段差部が螺旋カム部8の側面に圧接されている。偏心ピン7の頭部を回転させることにより螺旋カム部8の側面から偏心ピン7の中心までの距離を調整することができ、ズーミングにおける第2ファインダレンズ2と第3ファインダレンズ3との規定された距離を変え視度調整を可能にするものである。
【選択図】 図1
【解決手段】第3ファインダレンズ支持部6に偏心ピン支持部6cが設けられ、偏心ピン7が圧入状態で挿通されている。偏心ピン7の回動部の先端は偏心段差部を有し、偏心段差部が螺旋カム部8の側面に圧接されている。偏心ピン7の頭部を回転させることにより螺旋カム部8の側面から偏心ピン7の中心までの距離を調整することができ、ズーミングにおける第2ファインダレンズ2と第3ファインダレンズ3との規定された距離を変え視度調整を可能にするものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は複数枚のファインダレンズの一部を移動させることにより撮影レンズに連動してズーミングを行う変倍ファインダ装置を備えたカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、特許文献1に示すように、変倍ファインダ装置を備えたカメラがある。例えば、図7は、ファインダ装置のズーム機構を説明するための図で、(a)は斜視図,(b)は螺旋カム部15の展開図である。
この図は、本件発明者が実施を予定しているファインダ装置のズーム機構を示すものである。対物側のファインダレンズは第1〜第4のファインダレンズ21,22,23および24で構成されている。第1および第4ファインダレンズ21,24は固定されており、第2および第3ファインダレンズ22,23はズームのために光軸方向に移動可能である。第2および第3ファインダレンズ22,23の支持枠29,30の案内部29a,30aは案内軸25で案内される。案内部29a,30aにはカム従動突起16,17が設けられている。
【0003】
ファインダカム18を構成する円筒18aの表面には螺旋カム部15が形成され、この螺旋カム部15を第2ファインダレンズ22および第3ファインダレンズ23のカム従動突起16,17が前後から挟み付けている。案内部29a,30aの間にスプリング26が掛け渡され、カム従動突起16,17は常に螺旋カム部15に押し当てられるように付勢力が与えられている。カムギヤ20はファインダカム18に固定され、図示しない減速ギヤ群に歯合されている。減速ギヤ群は図示しないモータに結合され、モータの回転駆動力がファインダカム18に伝達される。接眼部28は対物側のファインダレンズを通った被写体像を覗く窓である。
図7(a)はワイド位置に第2および第3ファインダレンズ22,23が位置付けられた場合で、カム従動突起16,17は螺旋カム部15の最も太い部分を挟み付けている。
【0004】
図7(b)は、カム従動突起の動きを説明するための螺旋カム部の展開図である。螺旋カム部15のワイド側は幅が広くノーマル側に移るに従って急激に細くなり、テレ側に向かってさらに徐々に細くなっている。したがって、ズーミング動作に際し、テレ側になる程、第2ファインダレンズ22と第3ファインダレンズ23の距離間隔は狭くなる構成になっている。
【特許文献1】
特開2002−62562号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記変倍ファインダ装置の組み立てに際し、視度を調整する方法として複数のファインダレンズの内、第1のファインダレンズ21によって行う場合がある。この方法は同時に視差調整するとき、第1ファインダレンズ21の構成あるいは調整方法が複雑になるという問題があった。
また、カム自体をファインダの光軸方向に移動させて視度調整する場合は、調整の感度が低いため、調整量を大きくしなければならず、そのためのスペースを確保する必要があった。
【0006】
本発明の目的は、小型かつ簡易な構成であって容易にファインダ対物レンズ系の視度を調整することができる変倍ファインダ装置を備えたカメラを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明による変倍ファインダ装置を備えたカメラは、カム部材と、該カム部材の回転により2枚のファインダレンズ支持枠が移動することにより前記2枚のファインダレンズが光軸方向に移動するとともに、前記2枚のファインダレンズの間隔が可変する変倍ファインダ装置を備えたカメラにおいて、前記カム部材に係合する少なくとも一方の支持枠の係合部を、偏心部材で構成し、前記偏心部材により2枚のファインダレンズ間の距離を可変させるように構成されている。
本発明における変倍ファインダ装置を備えたカメラは、回転により幅が連続的に変わるカム部材の側面を2枚のファインダレンズの支持枠で挟み付け、前記カム部材の回転により前記支持枠が移動することで前記2枚のファインダレンズが光軸方向に移動するとともに相互間の距離が可変する変倍ファインダ装置を備えたカメラにおいて、少なくとも一方の前記支持枠の前記カム部材の側面に挟み付ける部分を、偏心部材で構成し、前記偏心部材により前記2枚のファインダレンズ間の距離可変させるように構成されている。
本発明における前記偏心部材は、偏心中心から側面までの距離が偏心している偏心ピンで構成されている。
本発明における前記2枚のファインダレンズは入射側からの第2および第3のファインダレンズであり、入射側の第1のファインダレンズの配設位置の移動により視差調整を行い、前記偏心部材による第2および第3のファインダレンズ間の距離の可変により視度調整するように構成されている。
【0008】
【作用】
上記構成によれば、パララックス(視差)調整とは独立して容易に視度調整を行うことができる。また、調整感度が高いため調整量が少なく、加えて構成自体が簡易なため小形化が可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳しく説明する。
図1は、本発明による変倍ファインダ視度調整装置を適用したファインダ装置の外観斜視図である。
入射側から順に第1ファインダレンズ1,第2ファインダレンズ2,第3ファインダレンズ3および第4ファインダレンズによってファインダの対物レンズ系が構成される。第1ファインダレンズ1に入射した光は、図2に示すように対物レンズ系を通り、ミラー13a,13b,13cおよび13dで入反射を繰返し光路方向が90度ずつ変更されて接眼部14に導かれ、撮影者は接眼部14より被写体像を観察することができる。
第2ファインダレンズ2は第2ファインダレンズ支持部5に、第3ファインダレンズ3は第3ファインダレンズ支持部6にそれぞれ取り付けられている。
【0010】
第2ファインダレンズ支持部5は、第2ファインダレンズ支持枠5a,円筒ガイド5bおよび従動突起5cが一体成形されて構成され、前記円筒案内部5bは対物レンズ系に沿って掛け渡されている案内軸10に摺動可能に取り付けられている。また、第3ファインダレンズ支持部6は、第3ファインダレンズ支持枠6a,円筒ガイド6bおよび偏心ピン7を螺合する偏心ピン取付部6cが一体成形されて構成され、前記円筒案内部6bも円筒案内部5bと同様に案内軸10に摺動可能に取り付けられている。
従動突起5cおよび偏心ピン7の先端部はカム9の外周面に形成されている螺旋カム部8の両側面にそれぞれ圧接させられている。カム9はカムギヤ11を有し、カムギヤ11に減速ギヤ12の最終ギヤが噛み合わされている。
図示しないモータ軸のピニオンが上記噛減速ギヤ群12に噛合しており、モータの回転がカム9に伝達される。また、同様に第2ファインダレンズ支持部5と第3ファインダレンズ支持部6はスプリングが掛け渡されているが、本図では省略している。
【0011】
ズーミング時に、カム9の回転にしたがって螺旋カム部8が回転するため、第2および第3ファインダレンズ5,6が案内軸10に案内されて光軸上を進退するとともに螺旋カム部8の幅も連続的に変化するため、螺旋カム部8を挟み付けている従動突起5cと偏心ピン7の距離が変化し、第2および第3ファインダレンズ5,6の距離間隔が変化する。
本発明は、偏心部材であるピン7を回転させることにより、第2ファインダレンズ2と第3ファインダレンズ3との距離を可変可能とすることを特徴とする。この偏心ピン7を有することにより、カメラにファインダ装置を組み立てる時に、第1ファインダレンズ1を上下または左右に移動させて視差のみを補正し、偏心ピン7の回転により視度を調整することができるようになり、視差および視度調整を容易にかつ正確に行うことができるようになる。
以下、偏心ピン7による視度調整方法について説明する。
【0012】
図3は、本発明による変倍ファインダ視度調整装置の実施の形態を示す斜視図で、(a)は偏心ピン7付近の斜視図,(b)は(a)をさらに90度回転させて示した斜視図である。また、図4,図5は偏心ピン7付近の断面図である。
偏心ピン7の頭部7aにドライバーを嵌合するための長溝7dが設けられている。回動部7bの先端部は偏心段差部7cが形成され、この偏心段差部7cの長径寸法はm1 ,短径寸法はm2 になっている。
偏心支持部6cは貫通孔6dを有し,貫通孔6dに回動部7bは圧入で挿通される。偏心ピン7の回動部7bを挿通すると、偏心段差部7cの周面は螺旋カム部8の側面に対面する。
【0013】
図示しないコイルスプリングを第2ファインダレンズ支持部5と第3ファインダレンズ支持部6の間に掛け渡すと、偏心ピン7の偏心段差部7cと第2ファインダレンズ支持部5のカム従動突起5cが螺旋カム部8の側面を挟むように圧接される。
第3ファインダレンズ3と螺旋カム部8の側面までの距離は、偏心ピン7の中心から偏心段差部7cの周面が接する螺旋カム部8の側面までである。
視度調整する場合には、ドライバーなどの治具で偏心ピン7の頭7aを回転させることにより(m1 −m2 )の距離だけ調整することができる。調整した回転位置は圧着構造であるので、一旦、調整すれば動くことはなく、必要に応じ接着剤を用いて固定することも可能である。
図4(a)は偏心ピン7の調整量が最も小さく、第2ファインダレンズ2と第3ファインダレンズ3との距離調整量が最小になっている場合を示している。
図5は偏心ピン7の調整量が最も大きく第2ファインダレンズ2と第3ファインダレンズ3との距離調整量が最大になっている場合を示している。
図6に、この変倍ファインダ装置の平面図を示す。
ズーミング時に光軸方向に移動する第2および第3ファインダレンズ2,3の前後に第1および第4ファインダレンズ1,4が配置されている。
なお、本実施例は、偏心段差部7cを有する偏心ピン7について説明したが、段差部を形成しない偏心ピン7を用いてもよい。例えば、図4(c)に示すように、偏心ピンの中心位置をズラしただけで径がm1の部分と、m2の部分を形成することができる。さらに、図4(d)に示すように、図4(c)の状態から90°回転させた状態では、径がm3の部分と、m4の部分(例えば、m1<m3<m4<m2の関係)となるようにしたり、回転させることで徐々に径が変化するような偏心ピンを用いることにより、第2ファインダレンズ2と第3ファインダレンズ3との距離が複数設定できるようにすることが好ましい。
【0014】
以上の実施の形態は、第3ファインダレンズ支持部に偏心ピンを設けた例を示したが、偏心ピンを第2ファインダレンズ支持部に設けても良く、あるいは両方に設けても良い。また、偏心部材として偏心ピンの例を示しているが、操作することによりその部材を偏心させて螺旋カム部の接触面までの距離を変えられるものであれば、偏心ピン以外の偏心部材を用いても良い。
【0015】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、2枚のファインダレンズをその距離間隔をカム部材で変えながら光軸方向に移動してズーミングするファインダ装置においてファインダレンズ部に偏心部材を設け、この偏心部材を回転させることにより、2枚のファインダレンズ間の距離を可変とすることで視度調整を行うことができるため、視差調整とは独立して視度調整ができ、さらに調整感度が高いため調整量が少なく、加えて構成自体が簡易なためファインダ装置を備えるカメラの小形化に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるカメラ変倍ファインダ装置を示す外観斜視図である。
【図2】図1のファインダ装置の光路を説明するための図である。
【図3】本発明によるカメラの変倍ファインダ装置の実施の形態を示す斜視図で、(a)偏心ピン付近の斜視図,(b)は(a)をさらに90度回転させて示した斜視図である。
【図4】本発明によるカメラの変倍ファインダ視度調整装置を説明するための図、(a)は螺旋カムとの距離を最大にしたときの偏心ピン付近の断面図,(b)は偏心ピンの偏心度を説明するための図である。
【図5】本発明によるカメラの変倍ファインダ視度調整装置を説明するための図、(a)は螺旋カムとの距離を最小にしたときの偏心ピン付近の断面図である。
【図6】本発明によるカメラの変倍ファインダ視度調整装置の平面図である。
【図7】ファインダ装置のズーム機構を説明するための図で、(a)は斜視図,(b)は螺旋カム部15の展開図である。
【符号の説明】
1 第1ファインダレンズ
2 第2ファインダレンズ
3 第3ファインダレンズ
4 第4ファインダレンズ
5 第2ファインダレンズ支持部
6 第3ファインダレンズ支持部
7 偏心ピン
8 螺旋カム部
9 カム
10 案内軸
11 カムギヤ
12 減速ギヤ群
13 ミラー
14 接眼部
【発明の属する技術分野】
本発明は複数枚のファインダレンズの一部を移動させることにより撮影レンズに連動してズーミングを行う変倍ファインダ装置を備えたカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、特許文献1に示すように、変倍ファインダ装置を備えたカメラがある。例えば、図7は、ファインダ装置のズーム機構を説明するための図で、(a)は斜視図,(b)は螺旋カム部15の展開図である。
この図は、本件発明者が実施を予定しているファインダ装置のズーム機構を示すものである。対物側のファインダレンズは第1〜第4のファインダレンズ21,22,23および24で構成されている。第1および第4ファインダレンズ21,24は固定されており、第2および第3ファインダレンズ22,23はズームのために光軸方向に移動可能である。第2および第3ファインダレンズ22,23の支持枠29,30の案内部29a,30aは案内軸25で案内される。案内部29a,30aにはカム従動突起16,17が設けられている。
【0003】
ファインダカム18を構成する円筒18aの表面には螺旋カム部15が形成され、この螺旋カム部15を第2ファインダレンズ22および第3ファインダレンズ23のカム従動突起16,17が前後から挟み付けている。案内部29a,30aの間にスプリング26が掛け渡され、カム従動突起16,17は常に螺旋カム部15に押し当てられるように付勢力が与えられている。カムギヤ20はファインダカム18に固定され、図示しない減速ギヤ群に歯合されている。減速ギヤ群は図示しないモータに結合され、モータの回転駆動力がファインダカム18に伝達される。接眼部28は対物側のファインダレンズを通った被写体像を覗く窓である。
図7(a)はワイド位置に第2および第3ファインダレンズ22,23が位置付けられた場合で、カム従動突起16,17は螺旋カム部15の最も太い部分を挟み付けている。
【0004】
図7(b)は、カム従動突起の動きを説明するための螺旋カム部の展開図である。螺旋カム部15のワイド側は幅が広くノーマル側に移るに従って急激に細くなり、テレ側に向かってさらに徐々に細くなっている。したがって、ズーミング動作に際し、テレ側になる程、第2ファインダレンズ22と第3ファインダレンズ23の距離間隔は狭くなる構成になっている。
【特許文献1】
特開2002−62562号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記変倍ファインダ装置の組み立てに際し、視度を調整する方法として複数のファインダレンズの内、第1のファインダレンズ21によって行う場合がある。この方法は同時に視差調整するとき、第1ファインダレンズ21の構成あるいは調整方法が複雑になるという問題があった。
また、カム自体をファインダの光軸方向に移動させて視度調整する場合は、調整の感度が低いため、調整量を大きくしなければならず、そのためのスペースを確保する必要があった。
【0006】
本発明の目的は、小型かつ簡易な構成であって容易にファインダ対物レンズ系の視度を調整することができる変倍ファインダ装置を備えたカメラを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明による変倍ファインダ装置を備えたカメラは、カム部材と、該カム部材の回転により2枚のファインダレンズ支持枠が移動することにより前記2枚のファインダレンズが光軸方向に移動するとともに、前記2枚のファインダレンズの間隔が可変する変倍ファインダ装置を備えたカメラにおいて、前記カム部材に係合する少なくとも一方の支持枠の係合部を、偏心部材で構成し、前記偏心部材により2枚のファインダレンズ間の距離を可変させるように構成されている。
本発明における変倍ファインダ装置を備えたカメラは、回転により幅が連続的に変わるカム部材の側面を2枚のファインダレンズの支持枠で挟み付け、前記カム部材の回転により前記支持枠が移動することで前記2枚のファインダレンズが光軸方向に移動するとともに相互間の距離が可変する変倍ファインダ装置を備えたカメラにおいて、少なくとも一方の前記支持枠の前記カム部材の側面に挟み付ける部分を、偏心部材で構成し、前記偏心部材により前記2枚のファインダレンズ間の距離可変させるように構成されている。
本発明における前記偏心部材は、偏心中心から側面までの距離が偏心している偏心ピンで構成されている。
本発明における前記2枚のファインダレンズは入射側からの第2および第3のファインダレンズであり、入射側の第1のファインダレンズの配設位置の移動により視差調整を行い、前記偏心部材による第2および第3のファインダレンズ間の距離の可変により視度調整するように構成されている。
【0008】
【作用】
上記構成によれば、パララックス(視差)調整とは独立して容易に視度調整を行うことができる。また、調整感度が高いため調整量が少なく、加えて構成自体が簡易なため小形化が可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳しく説明する。
図1は、本発明による変倍ファインダ視度調整装置を適用したファインダ装置の外観斜視図である。
入射側から順に第1ファインダレンズ1,第2ファインダレンズ2,第3ファインダレンズ3および第4ファインダレンズによってファインダの対物レンズ系が構成される。第1ファインダレンズ1に入射した光は、図2に示すように対物レンズ系を通り、ミラー13a,13b,13cおよび13dで入反射を繰返し光路方向が90度ずつ変更されて接眼部14に導かれ、撮影者は接眼部14より被写体像を観察することができる。
第2ファインダレンズ2は第2ファインダレンズ支持部5に、第3ファインダレンズ3は第3ファインダレンズ支持部6にそれぞれ取り付けられている。
【0010】
第2ファインダレンズ支持部5は、第2ファインダレンズ支持枠5a,円筒ガイド5bおよび従動突起5cが一体成形されて構成され、前記円筒案内部5bは対物レンズ系に沿って掛け渡されている案内軸10に摺動可能に取り付けられている。また、第3ファインダレンズ支持部6は、第3ファインダレンズ支持枠6a,円筒ガイド6bおよび偏心ピン7を螺合する偏心ピン取付部6cが一体成形されて構成され、前記円筒案内部6bも円筒案内部5bと同様に案内軸10に摺動可能に取り付けられている。
従動突起5cおよび偏心ピン7の先端部はカム9の外周面に形成されている螺旋カム部8の両側面にそれぞれ圧接させられている。カム9はカムギヤ11を有し、カムギヤ11に減速ギヤ12の最終ギヤが噛み合わされている。
図示しないモータ軸のピニオンが上記噛減速ギヤ群12に噛合しており、モータの回転がカム9に伝達される。また、同様に第2ファインダレンズ支持部5と第3ファインダレンズ支持部6はスプリングが掛け渡されているが、本図では省略している。
【0011】
ズーミング時に、カム9の回転にしたがって螺旋カム部8が回転するため、第2および第3ファインダレンズ5,6が案内軸10に案内されて光軸上を進退するとともに螺旋カム部8の幅も連続的に変化するため、螺旋カム部8を挟み付けている従動突起5cと偏心ピン7の距離が変化し、第2および第3ファインダレンズ5,6の距離間隔が変化する。
本発明は、偏心部材であるピン7を回転させることにより、第2ファインダレンズ2と第3ファインダレンズ3との距離を可変可能とすることを特徴とする。この偏心ピン7を有することにより、カメラにファインダ装置を組み立てる時に、第1ファインダレンズ1を上下または左右に移動させて視差のみを補正し、偏心ピン7の回転により視度を調整することができるようになり、視差および視度調整を容易にかつ正確に行うことができるようになる。
以下、偏心ピン7による視度調整方法について説明する。
【0012】
図3は、本発明による変倍ファインダ視度調整装置の実施の形態を示す斜視図で、(a)は偏心ピン7付近の斜視図,(b)は(a)をさらに90度回転させて示した斜視図である。また、図4,図5は偏心ピン7付近の断面図である。
偏心ピン7の頭部7aにドライバーを嵌合するための長溝7dが設けられている。回動部7bの先端部は偏心段差部7cが形成され、この偏心段差部7cの長径寸法はm1 ,短径寸法はm2 になっている。
偏心支持部6cは貫通孔6dを有し,貫通孔6dに回動部7bは圧入で挿通される。偏心ピン7の回動部7bを挿通すると、偏心段差部7cの周面は螺旋カム部8の側面に対面する。
【0013】
図示しないコイルスプリングを第2ファインダレンズ支持部5と第3ファインダレンズ支持部6の間に掛け渡すと、偏心ピン7の偏心段差部7cと第2ファインダレンズ支持部5のカム従動突起5cが螺旋カム部8の側面を挟むように圧接される。
第3ファインダレンズ3と螺旋カム部8の側面までの距離は、偏心ピン7の中心から偏心段差部7cの周面が接する螺旋カム部8の側面までである。
視度調整する場合には、ドライバーなどの治具で偏心ピン7の頭7aを回転させることにより(m1 −m2 )の距離だけ調整することができる。調整した回転位置は圧着構造であるので、一旦、調整すれば動くことはなく、必要に応じ接着剤を用いて固定することも可能である。
図4(a)は偏心ピン7の調整量が最も小さく、第2ファインダレンズ2と第3ファインダレンズ3との距離調整量が最小になっている場合を示している。
図5は偏心ピン7の調整量が最も大きく第2ファインダレンズ2と第3ファインダレンズ3との距離調整量が最大になっている場合を示している。
図6に、この変倍ファインダ装置の平面図を示す。
ズーミング時に光軸方向に移動する第2および第3ファインダレンズ2,3の前後に第1および第4ファインダレンズ1,4が配置されている。
なお、本実施例は、偏心段差部7cを有する偏心ピン7について説明したが、段差部を形成しない偏心ピン7を用いてもよい。例えば、図4(c)に示すように、偏心ピンの中心位置をズラしただけで径がm1の部分と、m2の部分を形成することができる。さらに、図4(d)に示すように、図4(c)の状態から90°回転させた状態では、径がm3の部分と、m4の部分(例えば、m1<m3<m4<m2の関係)となるようにしたり、回転させることで徐々に径が変化するような偏心ピンを用いることにより、第2ファインダレンズ2と第3ファインダレンズ3との距離が複数設定できるようにすることが好ましい。
【0014】
以上の実施の形態は、第3ファインダレンズ支持部に偏心ピンを設けた例を示したが、偏心ピンを第2ファインダレンズ支持部に設けても良く、あるいは両方に設けても良い。また、偏心部材として偏心ピンの例を示しているが、操作することによりその部材を偏心させて螺旋カム部の接触面までの距離を変えられるものであれば、偏心ピン以外の偏心部材を用いても良い。
【0015】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、2枚のファインダレンズをその距離間隔をカム部材で変えながら光軸方向に移動してズーミングするファインダ装置においてファインダレンズ部に偏心部材を設け、この偏心部材を回転させることにより、2枚のファインダレンズ間の距離を可変とすることで視度調整を行うことができるため、視差調整とは独立して視度調整ができ、さらに調整感度が高いため調整量が少なく、加えて構成自体が簡易なためファインダ装置を備えるカメラの小形化に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるカメラ変倍ファインダ装置を示す外観斜視図である。
【図2】図1のファインダ装置の光路を説明するための図である。
【図3】本発明によるカメラの変倍ファインダ装置の実施の形態を示す斜視図で、(a)偏心ピン付近の斜視図,(b)は(a)をさらに90度回転させて示した斜視図である。
【図4】本発明によるカメラの変倍ファインダ視度調整装置を説明するための図、(a)は螺旋カムとの距離を最大にしたときの偏心ピン付近の断面図,(b)は偏心ピンの偏心度を説明するための図である。
【図5】本発明によるカメラの変倍ファインダ視度調整装置を説明するための図、(a)は螺旋カムとの距離を最小にしたときの偏心ピン付近の断面図である。
【図6】本発明によるカメラの変倍ファインダ視度調整装置の平面図である。
【図7】ファインダ装置のズーム機構を説明するための図で、(a)は斜視図,(b)は螺旋カム部15の展開図である。
【符号の説明】
1 第1ファインダレンズ
2 第2ファインダレンズ
3 第3ファインダレンズ
4 第4ファインダレンズ
5 第2ファインダレンズ支持部
6 第3ファインダレンズ支持部
7 偏心ピン
8 螺旋カム部
9 カム
10 案内軸
11 カムギヤ
12 減速ギヤ群
13 ミラー
14 接眼部
Claims (4)
- カム部材と、該カム部材の回転により2枚のファインダレンズ支持枠が移動することにより前記2枚のファインダレンズが光軸方向に移動するとともに、前記2枚のファインダレンズの間隔が可変する変倍ファインダ装置を備えたカメラにおいて、
前記カム部材に係合する少なくとも一方の支持枠の係合部を、偏心部材で構成し、前記偏心部材により2枚のファインダレンズ間の距離を可変させることを特徴とする変倍ファインダ装置を備えたカメラ。 - 回転により幅が連続的に変わるカム部材の側面を2枚のファインダレンズの支持枠で挟み付け、前記カム部材の回転により前記支持枠が移動することで前記2枚のファインダレンズが光軸方向に移動するとともに相互間の距離が可変する変倍ファインダ装置を備えたカメラにおいて、
少なくとも一方の前記支持枠の前記カム部材の側面に挟み付ける部分を、偏心部材で構成し、前記偏心部材により前記2枚のファインダレンズ間の距離可変させることを特徴とする変倍ファインダ装置を備えたカメラ。 - 前記偏心部材は、偏心中心から側面までの距離が偏心している偏心ピンで構成したことを特徴とする請求項1または2記載の変倍ファインダ装置を備えたカメラ。
- 前記2枚のファインダレンズは入射側からの第2および第3のファインダレンズであり、
入射側の第1のファインダレンズの配設位置の移動により視差調整を行い、
前記偏心部材による第2および第3のファインダレンズ間の距離の可変により視度調整を行うことを特徴とする請求項1乃至3記載の変倍ファインダ装置を備えたカメラ。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002345744A JP2004177789A (ja) | 2002-11-28 | 2002-11-28 | 変倍ファインダ装置を備えたカメラ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002345744A JP2004177789A (ja) | 2002-11-28 | 2002-11-28 | 変倍ファインダ装置を備えたカメラ |
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Family Applications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103842902A (zh) * | 2011-09-28 | 2014-06-04 | 富士胶片株式会社 | 成像装置 |
JP2015195547A (ja) * | 2014-03-27 | 2015-11-05 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | ビューファインダ及びそれを備えた撮像装置 |
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2002
- 2002-11-28 JP JP2002345744A patent/JP2004177789A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103842902A (zh) * | 2011-09-28 | 2014-06-04 | 富士胶片株式会社 | 成像装置 |
CN103842902B (zh) * | 2011-09-28 | 2016-08-17 | 富士胶片株式会社 | 成像装置 |
JP2015195547A (ja) * | 2014-03-27 | 2015-11-05 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | ビューファインダ及びそれを備えた撮像装置 |
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