JP2004177569A - 電子写真装置のクリーニング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】この発明の課題は、液体現像剤を用いた電子写真装置の各印刷部材の表面に、印刷処理に使用されずに残った残存現像剤を、簡単な構造で、液漏れを起こさず、確実に除去することができる、電子写真装置のクリーニング装置を実現することにある。
【解決手段】両端が凸型のブレード土手部1aを設けた形状のゴムなどの弾性体により形成した残存現像剤除去ブレード1を備え、印刷部材3の表面の残存現像剤の除去時に、このブレード土手部1aにより残存現像剤除去ブレード1のエッジに集められた残存現像剤をせき止め、両端から液漏れを起こさないようにして除去を行う。この残存現像剤除去ブレード1を背後からクリーニング対象の印刷部材3に押圧するための支持部材2を備えている。また、このような形状とした残存現像剤除去ブレード1を印刷部材3の表面に密着させるための手段を備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】両端が凸型のブレード土手部1aを設けた形状のゴムなどの弾性体により形成した残存現像剤除去ブレード1を備え、印刷部材3の表面の残存現像剤の除去時に、このブレード土手部1aにより残存現像剤除去ブレード1のエッジに集められた残存現像剤をせき止め、両端から液漏れを起こさないようにして除去を行う。この残存現像剤除去ブレード1を背後からクリーニング対象の印刷部材3に押圧するための支持部材2を備えている。また、このような形状とした残存現像剤除去ブレード1を印刷部材3の表面に密着させるための手段を備えている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、液体現像剤を用いた電子写真装置において、高画質の画像を得るために、現像工程に使用される感光体や中間転写体などの各種印刷部材の表面に残存した不要な現像剤、クリーニング液等を簡単な構造で、液漏れ等を起こさずに、確実に回収することができる電子写真装置のクリーニング装置を実現するものである。
【0002】
【従来の技術】
液体現像剤を用いた、電子写真装置の印刷では、印刷工程において、図12に示すように、現像ローラー50により、静電潜像の形成された感光体51に液体現像剤を塗布し、液体現像剤中の固形成分(トナー粒子)の持つ電荷と静電潜像との電界力によりトナー画像を形成し、これを中間転写体52、最終的には印刷媒体に転写することで、印刷を行っている。
【0003】
ここで、現像ローラー50、感光体51、中間転写体52といった印刷部材に塗布、転写される液体現像剤は、そのすべてが印刷処理に使用されるわけではなく、一部は印刷処理に使用されずに印刷部材の表面に残存することになる。
【0004】
これらの残存した液体現像剤を、次の印刷処理の準備として各印刷部材の表面から除去するため、従来から、残存現像剤除去ブレード53が使用されている。
【0005】
この残存現像剤除去ブレード53は、各印刷部材の表面にブレードのエッジを接触させ、印刷部材上の残存現像剤を掻き取るようにして除去するものである。
【0006】
従来のブレードはエッジが直線となっているため、このような残存現像剤の除去に際して、図13に示すように、残存現像剤除去ブレード53の両端から残存現像剤が漏れ、完全に除去できなかったり、装置内部を汚す原因となったりしていた。
【0007】
これを防ぐため、図14に示すように、残存現像剤除去ブレード53の両端に別部材であるシール材54を備えるよう構成したブレードが考案されている。(例えば、特許文献1参照。)
【0008】
しかし、このような構成とする場合、ブレードとシール材との接合部を高精度でつなぎ合わせる必要があり、製造が困難で、製造上の精度の問題から接合部の隙間が大きくなり、この接合部から残存現像剤が漏れる場合もあった。
【0009】
【特許文献1】
特開平5−333756
【発明が解決しようとする課題】
前記のごとく、従来の技術では次のような問題点がある。
【0010】
液体現像剤を使用した電子写真装置では、印刷処理において感光体や、中間転写体などの印刷部材に液体現像剤が塗布、転写等されるが、これらすべてが印刷処理に使用されるわけではなく、一部が印刷処理に使用されずに各印刷部材の表面に残存する。
【0011】
この残存現像剤を、次の印刷処理の準備として各印刷部材の表面から除去する必要があり、従来からブレードを各印刷部材の表面に接触させ、掻き取るようにして残存現像剤を除去する装置が使用されている。
【0012】
しかし、従来のブレードはエッジが直線のため、残存現像剤を除去するに際して、ブレードのエッジに集められた現像剤が、ブレードの両端から流れ出すようにして、その両端から残存現像剤が漏れ、完全に除去できないことや、装置内部を汚してしまうことがあった。
【0013】
これを防ぐため、ブレードの両端に別部材のシール材を接合したブレードが考案されているが、ブレードとシール材との接合部の製造が困難で、隙間が大きくなりすぎ、ここから残存現像剤が漏れてしまうことがあった。
【0014】
この発明の課題は、液体現像剤を使用した電子写真装置の各印刷部材の表面に、印刷処理に使用されずに残った残存現像剤を、簡単な構造で、液漏れを起こさず、確実に除去することができる、電子写真装置のクリーニング装置を実現することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記の問題点を解決するために、この発明では次に示す手段を取った。
【0016】
両端が凸型の土手を設けた形状のブレードを備え、印刷部材の表面の残存現像剤の除去時に、この土手部によりブレードのエッジに集められた残存現像剤をせき止め、両端から液漏れを起こさないようにしている。
【0017】
前記のブレードを背後から支持し、印刷部材の表面に押圧するための支持部材を備えている。
【0018】
前記のブレードをクリーニング対象の印刷部材に直接接触する層とその下層とで弾性係数の違う材質を用いた複数の層で構成するようにしても良い。
【0019】
印刷部材を回転体として構成した場合には、前記のブレードの土手部が、クリーニング対象の印刷部材の表面に密着するように、予め支持部材側からブレードの土手部を、印刷部材側に押圧して屈曲するようにしておく押圧部材を設けるように構成しても良い。
【0020】
印刷部材を回転体として構成した場合には、前記のブレードのクリーニング対象の印刷部材に接触する面を、印刷部材の表面の曲率と同様な曲率の曲面として構成するようにしても良い。
【0021】
印刷部材を回転体として構成した場合には、前記のブレードのクリーニング対象の印刷部材に接触する面を、印刷部材の表面の曲率と同様な曲率の曲面とし、この接触層とその下層とで弾性係数の違う材質を用いた複数の層で構成するようにしても良い。
【0022】
印刷部材を回転体として構成した場合には、前記の支持部材のブレードを取り付ける面を、クリーニング対象の印刷部材の表面の曲率と同様な曲率の曲面として構成するようにしても良い。
【0023】
印刷部材を回転体として構成した場合には、前記の支持部材のブレードを取り付ける面を、クリーニング対象の印刷部材の表面の曲率と同様な曲率の曲面として構成し、取り付けられるブレードを、印刷部材との接触層とその下層とで弾性係数の違う材質を用いた複数の層で構成しても良い。
【0024】
前記の支持部材として、真っ直ぐなブレードの両端を凸型の土手を設けた形状に変形させて取り付けられるよう構成しても良い。
【0025】
【発明の実施の形態】
この発明は、次に示す実施の形態を取った。
【0026】
図1の(a)に示すように、クリーニング対象の印刷部材表面に残存した現像剤を除去する、両端にブレード土手部1aを設けた残存現像剤除去ブレード1と、これを図1の(b)に示すように、背後から支持し、印刷部材3の表面に押圧する支持部材2を備える。
【0027】
これにより、印刷処理に使用されずにクリーニング対象の印刷部材3の表面に残存している現像剤を、印刷部材表面に残存現像剤除去ブレード1を支持部材2により押し付けるように接触させ、表面をブレードで掻き取るようにして残存現像剤を除去でき、また、除去時にブレードのエッジに集められた残存現像剤が、ブレード両端から流れ出ようとするのをブレード土手部1aによりせき止めることで、ブレードの端から液漏れすることを防ぐことができる。
【0028】
印刷部材を回転体として構成した場合には、図2に示すように、残存現像剤除去ブレード1の両端のブレード土手部1aを支持部材2側から印刷部材表面側に押圧して、クリーニング対象の印刷部材表面に密着するよう屈曲させる土手部押圧部材4を備えるように構成しても良い。
【0029】
これにより、印刷部材表面に残存している現像剤を残存現像剤除去ブレード1により除去するとき、ブレード土手部1aを印刷部材表面により密着させることができ、液漏れの発生を防ぐことができるようになる。
【0030】
図3に示すように、ブレード土手部1aを有する残存現像剤除去ブレード1を弾性係数の異なる複数の層で形成し、印刷部材3に直接接触する層の材料を弾性係数の大きな弾性体を使用するように構成しても良い。
【0031】
これにより、印刷部材3上に固着した残存現像剤の除去時に、残存現像剤除去ブレード1の印刷部材への接触層のエッジが、その固着した残存現像剤に接触するとき、変形することがなく、その固着した残存現像剤を印刷部材表面から確実に剥離することができ、また、接触層の下層の弾性係数の小さな緩衝層が、印刷部材の表面の形状に合わせて柔軟に変形することにより、接触層が印刷部材表面の形状に沿って密着しやすくすることができる。
【0032】
印刷部材3を回転体として構成した場合には、図4に示すように、ブレード土手部1aを有する残存現像剤除去ブレード1の印刷部材3に接触する面の形状を、印刷部材表面と同様な曲率の曲面として構成するようにしても良い。
【0033】
これにより、印刷部材3上の残存現像剤を除去するため、残存現像剤除去ブレード1を印刷部材表面に接触させるとき、ブレードの接触面が印刷部材の表面と同形状の曲面であるため、ブレード土手部1aを含めたブレードの接触部を容易に印刷部材表面に密着させることができ、残存現像剤除去時の液漏れを効果的に防ぐことができるようになる。
【0034】
印刷部材3を回転体として構成した場合には、図5に示すように、ブレード土手部1aを有する残存現像剤除去ブレード1の印刷部材3に接触する面の形状を、印刷部材表面と同様な曲率の曲面として構成し、さらに、ブレードを印刷部材の接触層とその下層の緩衝層とで弾性係数の異なる複数の層で構成するようにしても良い。
【0035】
これにより、ブレードの印刷部材との接触面が印刷部材と同形状であるため、より印刷部材表面に密着させやすく、しかも、固着した残存現像剤を印刷部材の表面から剥離させるときに、固着した残存現像剤と直接接触する部分が変形しにくく、確実に固着した現像剤を除去できるとともに、その下層の緩衝層が柔軟に印刷部材の表面形状にそって変形することで、過剰な接触圧力を加えることなく、ブレード土手部1aを含めた接触層が印刷部材表面に密着して、液漏れを起こすのを防ぐことができるようになる。
【0036】
印刷部材3を回転体として構成した場合には、図6に示すように、ブレード土手部1aを有する残存現像剤除去ブレード1を印刷部材表面に押圧するための支持部材を、支持部材のブレード装着面の形状を印刷部材表面と同様な曲率の曲面として構成するようにしても良い。
【0037】
これにより、支持部材に装着した残存現像剤除去ブレード1は、支持部材のブレード装着面の形状に沿って変形することで、残存現像剤除去ブレード1自体の印刷部材との接触面が印刷部材表面と同様な曲率の曲面となり、より容易に印刷部材表面にブレード土手部1aを含めて密着させることができ、残存現像剤除去時の液漏れを防ぐことができるようになる。
【0038】
また、図7に示すように、このときに使用する残存現像剤除去ブレード1を接触層と、その下層の緩衝層で弾性係数の異なる複数の層から構成するブレードを使用するようにしても良い。
【0039】
図8に示すように、残存現像剤除去ブレード1として、真っ直ぐなブレードを使用し、両端が凸型の土手部となるよう変形して支持部材2に装着するように構成しても良い。
【0040】
これにより、加工が容易で精度の高いエッジを作り出せる直線ブレードを使用でき、しかも、両端の土手部により、残存現像剤除去時の液漏れを防ぐことができる。
【0041】
【実施例】
この発明による代表的な実施例を説明する。なお、以下において、同じ箇所は同一の符号を付してあり、詳細な説明を省略することがある。
【0042】
本装置は、液体現像剤を使用した電子写真装置の、印刷処理に使用されずに感光体や中間転写体といった印刷部材の表面に残存している現像剤を、次の印刷処理に備えて除去するためのクリーニング装置である。
【0043】
図1の(a)に示すように、両端にブレード土手部1aを有する残存現像剤除去ブレード1と、図1の(b)に示すように、この残存現像剤除去ブレード1をクリーニング対象である印刷部材3の表面に押圧する支持部材2を備えている。
【0044】
残存現像剤除去ブレード1は、ゴムなどの弾性体で形成されており、このブレードを印刷部材表面に支持部材2により押し付けるようにすることで、ブレードのエッジで印刷部材表面を掻き取るようにして、残存現像剤を除去する。
【0045】
従来の残存現像剤除去ブレードは、図13に示すように、エッジが直線となったブレードを使用しているため、残存現像剤の除去時に、両端から液漏れを起こすことがあり、これを防ぐために、図14に示すような、両端に別部材であるシール材を接合したものが使用されていた。
【0046】
しかし、このような別部材であるシール材のブレードへの接合は、接合部分の隙間を小さくする必要があるが、高精度な接合加工は困難で、製造上の問題からこの接合部の隙間が大きくなる場合があり、ここから液漏れを起こすことがあった。
【0047】
このような問題を解決するため、本装置では、残存現像剤除去ブレード1の両端にブレード土手部1aを備えており、これにより、図11に示すように、残存現像剤の除去時に、ブレードのエッジに集められた現像剤が、ブレードの両端から流れ出ようとするのを、ブレード土手部1aによりせき止め、両端から漏れずに中央部側に集めることで、液漏れの発生を防ぐようにしている。
【0048】
印刷部材3を回転体として構成した場合には、図2に示すように、残存現像剤除去ブレード1の両端のブレード土手部1aを支持部材2側から印刷部材側に押圧し、予めブレード土手部1aを印刷部材側に屈曲するよう変形させる土手部押圧部材4を備えるように構成しても良い。
【0049】
ブレードはゴムなどの弾性体で形成されているので、支持部材に備えられた土手部押圧部材4によりブレード土手部1aを印刷部材側に押圧することで、クリーニング対象となる印刷部材の表面に沿うようにブレード土手部1aを屈曲させておくことができ、これにより、印刷部材表面にブレード土手部1aを密着させることで、ブレードと印刷部材表面との隙間から液漏れが発生することを防止することができるようになる。
【0050】
図3に示すように、ブレード土手部1aを有する残存現像剤除去ブレード1として、印刷部材表面に直接接触する接触層の弾性係数を大きくし、その下層に弾性係数の小さい緩衝層を備えた複数層からなるブレードとしても良い。
【0051】
印刷部材の表面に残存している現像剤の中には、現像剤中の固形成分が物理的な圧力などにより印刷部材表面に固着している場合があり、これを印刷部材表面から剥離させるためには、ブレードの接触部分が変形しにくく、固着した固形成分に強い力を加えられる方が良い。
【0052】
しかし、ブレード全体を変形しにくい材質のもので形成すると、ブレードを印刷部材表面に密着させるために、過剰な接触圧力を加える必要があり、印刷部材やブレード自体の劣化を招くことになる。
【0053】
図3に示すような、弾性係数の異なる複数層からなるブレードとすることで、印刷部材に直接接触する接触層は弾性係数が大きく変形しにくいため、表面に固着した現像剤の固形成分などを確実に剥離させることができ、また、接触層の下層に備えられた弾性係数の小さい変形しやすい緩衝層が、印刷部材表面の形状に合わせて柔軟に変形することで、小さな接触圧力でブレードを密着させることができるようになる。
【0054】
なお、図には複数層として構成した場合として2層の場合を示しているが、接触層、緩衝層をそれぞれ多数の層にすることもでき、2層に限定するものではない。
【0055】
図4に示すように、クリーニング対象の印刷部材が回転体の場合、ブレード土手部1aを有する残存現像剤除去ブレード1の印刷部材との接触面を、印刷部材の表面の形状と同様な曲率の曲面として形成するようにしても良い。
【0056】
残存現像剤除去ブレード1の接触面を、このように印刷部材と同形状の曲面にすることで、ブレード土手部1aを容易に印刷部材の表面に密着させることができ、印刷部材の表面に残存している現像剤を除去するとき、ブレード土手部1aと印刷部材表面との隙間から液漏れすることを防ぐことができる。
【0057】
図5に示すように、クリーニング対象の印刷部材が回転体の場合、ブレード土手部1aを有する残存現像剤除去ブレード1の印刷部材との接触面を、印刷部材の表面の形状と同様な曲率の曲面として形成し、かつ、接触層を弾性係数の大きい変形しにくい材質とし、その下層に弾性係数の小さい変形しやすい緩衝層を備える複数層として構成するようにしても良い。
【0058】
これにより、ブレードの印刷部材への密着容易性がさらに向上し、過剰な接触圧力を加えることなく、ブレード接触面と印刷部材の表面との隙間から液漏れが発生するのを防止でき、確実に残存現像剤を除去することができるようになる。
【0059】
図6に示すように、クリーニング対象の印刷部材が回転体の場合、支持部材2のブレード装着面の形状を、クリーニング対象の印刷部材表面と同様な曲率の曲面として構成するようにしても良い。
【0060】
これにより、残存現像剤除去ブレード1を特別加工することなく、支持部材2に装着するだけで、残存現像剤除去ブレード1自体も、ブレード装着面の形状に沿って変形することとなり、残存現像剤除去ブレード1の印刷部材との接触面も印刷部材表面と同様な曲率の曲面となり、より密着しやすくすることができる。
【0061】
図7に示すように、クリーニング対象の印刷部材が回転体の場合、支持部材2のブレード装着面の形状を、クリーニング対象の印刷部材表面と同様な曲率の曲面として構成し、これに装着する残存現像剤除去ブレード1として、印刷部材と直接接触する接触層に弾性係数の大きい変形しにくい材質とし、その下層の緩衝層に弾性係数の小さい変形しやすい材質を使用した複数層のブレードを装着するよう構成しても良い。
【0062】
これにより印刷部材との密着容易性を高めることができ、過剰な接触圧力を加えることなく、残存現像剤除去ブレード1を印刷部材に密着させることができ、また、印刷部材表面に固着した液体現像剤中の固形成分を、変形しにくい接触層のエッジで掻き取ることで、確実に表面から剥離させられ、液漏れを起こさずに完全に残存現像剤を除去することができるようになる。
【0063】
図8に示すように、残存現像剤除去ブレード1として、直線ブレードの両端が凸型の土手形状に変形するように装着することができる、支持部材2を備えるよう構成しても良い。
【0064】
直線ブレードは加工が容易で、ブレードとして要求される最高級のエッジ精度を出すことができる。このような高精度の直線ブレードを、支持部材2に装着することで、両端に土手部を設けることができ、残存現像剤除去時にエッジ部に集められた現像剤が、両端から流れ出そうとするのを土手部でせき止め、液漏れの発生を防止することができる。
【0065】
この直線ブレードの支持部材2への装着には、図9に示すように、ブレードのみを簡単に交換できるように、ブレード固定ネジ5で支持部材2にねじ止めで留めるようにしても良いし、より安定した状態でブレードを使用できるように、図10に示すように、支持部材2に溶着、接着等により固定するようにしても良い。
【0066】
以上のような、両端に凸型の土手部を設けたブレードを使用した電子写真装置のクリーニング装置を使用することで、印刷部材に使用されずに残存した残存現像剤を、液漏れを起こさずに完全に除去し、残存現像剤による汚れなどが発生しない、高画質な電子写真装置とすることができる。
【0067】
【発明の効果】
この発明により、以下に示すような効果が期待できる。
【0068】
液体現像剤を用いる電子写真装置の現像工程で使用される、感光体や中間転写体などの印刷部材の表面には、現像工程で使用されず現像剤の一部が残存するが、これを、次の印刷の準備として除去する必要がある。
【0069】
これを除去するため、ゴムなどの弾性体で形成したブレードを使用して、このブレードのエッジを印刷部材の表面に接触させ、表面を掻き取るようにして残存している現像剤を除去していたが、このとき、エッジに集められた残存現像剤がブレードの両端から流れ出すことがあり、これを防ぐため、ブレードの両端に別部材のシール材を接合したものが考案されていたが、その加工が困難であり、接合部から液漏れを起こすこともあった。
【0070】
本発明を利用することで、液体現像剤を用いる電子写真装置の印刷工程で使用されずに印刷部材の表面に残存している現像剤を、液漏れを起こすことなく、確実に除去することが可能な電子写真装置のクリーニング装置を実現することができるようになる。
【0071】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全体構成図である。
【図2】土手部を押圧する部材を備えた場合の構成図である。
【図3】ブレードを弾性係数の異なる複数の層で構成した場合の構成図である。
【図4】ブレードの接触面を印刷部材の表面形状に合わせた曲面とした場合の構成図である。
【図5】ブレードの接触面を印刷部材の表面形状に合わせた曲面とし、ブレードを複数層で構成した場合の構成図である。
【図6】支持部材のブレード装着面を印刷部材表面と同様な曲率の曲面とした場合の構成図である。
【図7】支持部材のブレード装着面を印刷部材表面と同様な曲率の曲面とし、ブレードを複数層で構成した場合の構成図である。
【図8】直線ブレードの両端を土手形状に変形して使用する場合の構成図である。
【図9】直線ブレードの支持部材へのネジ止めによる実装例説明図である。
【図10】直線ブレードの支持部材への溶着又は接着による実装例説明図である。
【図11】ブレード土手部の効果説明図である。
【図12】電子写真装置の印刷工程における残存現像剤除去についての説明図である。
【図13】従来のブレードによる残存現像剤の除去説明図である。
【図14】ブレードの両端にシール材を設けた場合の構成図である。
【符号の説明】
1:残存現像剤除去ブレード
1a:ブレード土手部
2:支持部材
3:印刷部材
4:土手部押圧部材
5:ブレード固定ネジ
【発明の属する技術分野】
この発明は、液体現像剤を用いた電子写真装置において、高画質の画像を得るために、現像工程に使用される感光体や中間転写体などの各種印刷部材の表面に残存した不要な現像剤、クリーニング液等を簡単な構造で、液漏れ等を起こさずに、確実に回収することができる電子写真装置のクリーニング装置を実現するものである。
【0002】
【従来の技術】
液体現像剤を用いた、電子写真装置の印刷では、印刷工程において、図12に示すように、現像ローラー50により、静電潜像の形成された感光体51に液体現像剤を塗布し、液体現像剤中の固形成分(トナー粒子)の持つ電荷と静電潜像との電界力によりトナー画像を形成し、これを中間転写体52、最終的には印刷媒体に転写することで、印刷を行っている。
【0003】
ここで、現像ローラー50、感光体51、中間転写体52といった印刷部材に塗布、転写される液体現像剤は、そのすべてが印刷処理に使用されるわけではなく、一部は印刷処理に使用されずに印刷部材の表面に残存することになる。
【0004】
これらの残存した液体現像剤を、次の印刷処理の準備として各印刷部材の表面から除去するため、従来から、残存現像剤除去ブレード53が使用されている。
【0005】
この残存現像剤除去ブレード53は、各印刷部材の表面にブレードのエッジを接触させ、印刷部材上の残存現像剤を掻き取るようにして除去するものである。
【0006】
従来のブレードはエッジが直線となっているため、このような残存現像剤の除去に際して、図13に示すように、残存現像剤除去ブレード53の両端から残存現像剤が漏れ、完全に除去できなかったり、装置内部を汚す原因となったりしていた。
【0007】
これを防ぐため、図14に示すように、残存現像剤除去ブレード53の両端に別部材であるシール材54を備えるよう構成したブレードが考案されている。(例えば、特許文献1参照。)
【0008】
しかし、このような構成とする場合、ブレードとシール材との接合部を高精度でつなぎ合わせる必要があり、製造が困難で、製造上の精度の問題から接合部の隙間が大きくなり、この接合部から残存現像剤が漏れる場合もあった。
【0009】
【特許文献1】
特開平5−333756
【発明が解決しようとする課題】
前記のごとく、従来の技術では次のような問題点がある。
【0010】
液体現像剤を使用した電子写真装置では、印刷処理において感光体や、中間転写体などの印刷部材に液体現像剤が塗布、転写等されるが、これらすべてが印刷処理に使用されるわけではなく、一部が印刷処理に使用されずに各印刷部材の表面に残存する。
【0011】
この残存現像剤を、次の印刷処理の準備として各印刷部材の表面から除去する必要があり、従来からブレードを各印刷部材の表面に接触させ、掻き取るようにして残存現像剤を除去する装置が使用されている。
【0012】
しかし、従来のブレードはエッジが直線のため、残存現像剤を除去するに際して、ブレードのエッジに集められた現像剤が、ブレードの両端から流れ出すようにして、その両端から残存現像剤が漏れ、完全に除去できないことや、装置内部を汚してしまうことがあった。
【0013】
これを防ぐため、ブレードの両端に別部材のシール材を接合したブレードが考案されているが、ブレードとシール材との接合部の製造が困難で、隙間が大きくなりすぎ、ここから残存現像剤が漏れてしまうことがあった。
【0014】
この発明の課題は、液体現像剤を使用した電子写真装置の各印刷部材の表面に、印刷処理に使用されずに残った残存現像剤を、簡単な構造で、液漏れを起こさず、確実に除去することができる、電子写真装置のクリーニング装置を実現することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記の問題点を解決するために、この発明では次に示す手段を取った。
【0016】
両端が凸型の土手を設けた形状のブレードを備え、印刷部材の表面の残存現像剤の除去時に、この土手部によりブレードのエッジに集められた残存現像剤をせき止め、両端から液漏れを起こさないようにしている。
【0017】
前記のブレードを背後から支持し、印刷部材の表面に押圧するための支持部材を備えている。
【0018】
前記のブレードをクリーニング対象の印刷部材に直接接触する層とその下層とで弾性係数の違う材質を用いた複数の層で構成するようにしても良い。
【0019】
印刷部材を回転体として構成した場合には、前記のブレードの土手部が、クリーニング対象の印刷部材の表面に密着するように、予め支持部材側からブレードの土手部を、印刷部材側に押圧して屈曲するようにしておく押圧部材を設けるように構成しても良い。
【0020】
印刷部材を回転体として構成した場合には、前記のブレードのクリーニング対象の印刷部材に接触する面を、印刷部材の表面の曲率と同様な曲率の曲面として構成するようにしても良い。
【0021】
印刷部材を回転体として構成した場合には、前記のブレードのクリーニング対象の印刷部材に接触する面を、印刷部材の表面の曲率と同様な曲率の曲面とし、この接触層とその下層とで弾性係数の違う材質を用いた複数の層で構成するようにしても良い。
【0022】
印刷部材を回転体として構成した場合には、前記の支持部材のブレードを取り付ける面を、クリーニング対象の印刷部材の表面の曲率と同様な曲率の曲面として構成するようにしても良い。
【0023】
印刷部材を回転体として構成した場合には、前記の支持部材のブレードを取り付ける面を、クリーニング対象の印刷部材の表面の曲率と同様な曲率の曲面として構成し、取り付けられるブレードを、印刷部材との接触層とその下層とで弾性係数の違う材質を用いた複数の層で構成しても良い。
【0024】
前記の支持部材として、真っ直ぐなブレードの両端を凸型の土手を設けた形状に変形させて取り付けられるよう構成しても良い。
【0025】
【発明の実施の形態】
この発明は、次に示す実施の形態を取った。
【0026】
図1の(a)に示すように、クリーニング対象の印刷部材表面に残存した現像剤を除去する、両端にブレード土手部1aを設けた残存現像剤除去ブレード1と、これを図1の(b)に示すように、背後から支持し、印刷部材3の表面に押圧する支持部材2を備える。
【0027】
これにより、印刷処理に使用されずにクリーニング対象の印刷部材3の表面に残存している現像剤を、印刷部材表面に残存現像剤除去ブレード1を支持部材2により押し付けるように接触させ、表面をブレードで掻き取るようにして残存現像剤を除去でき、また、除去時にブレードのエッジに集められた残存現像剤が、ブレード両端から流れ出ようとするのをブレード土手部1aによりせき止めることで、ブレードの端から液漏れすることを防ぐことができる。
【0028】
印刷部材を回転体として構成した場合には、図2に示すように、残存現像剤除去ブレード1の両端のブレード土手部1aを支持部材2側から印刷部材表面側に押圧して、クリーニング対象の印刷部材表面に密着するよう屈曲させる土手部押圧部材4を備えるように構成しても良い。
【0029】
これにより、印刷部材表面に残存している現像剤を残存現像剤除去ブレード1により除去するとき、ブレード土手部1aを印刷部材表面により密着させることができ、液漏れの発生を防ぐことができるようになる。
【0030】
図3に示すように、ブレード土手部1aを有する残存現像剤除去ブレード1を弾性係数の異なる複数の層で形成し、印刷部材3に直接接触する層の材料を弾性係数の大きな弾性体を使用するように構成しても良い。
【0031】
これにより、印刷部材3上に固着した残存現像剤の除去時に、残存現像剤除去ブレード1の印刷部材への接触層のエッジが、その固着した残存現像剤に接触するとき、変形することがなく、その固着した残存現像剤を印刷部材表面から確実に剥離することができ、また、接触層の下層の弾性係数の小さな緩衝層が、印刷部材の表面の形状に合わせて柔軟に変形することにより、接触層が印刷部材表面の形状に沿って密着しやすくすることができる。
【0032】
印刷部材3を回転体として構成した場合には、図4に示すように、ブレード土手部1aを有する残存現像剤除去ブレード1の印刷部材3に接触する面の形状を、印刷部材表面と同様な曲率の曲面として構成するようにしても良い。
【0033】
これにより、印刷部材3上の残存現像剤を除去するため、残存現像剤除去ブレード1を印刷部材表面に接触させるとき、ブレードの接触面が印刷部材の表面と同形状の曲面であるため、ブレード土手部1aを含めたブレードの接触部を容易に印刷部材表面に密着させることができ、残存現像剤除去時の液漏れを効果的に防ぐことができるようになる。
【0034】
印刷部材3を回転体として構成した場合には、図5に示すように、ブレード土手部1aを有する残存現像剤除去ブレード1の印刷部材3に接触する面の形状を、印刷部材表面と同様な曲率の曲面として構成し、さらに、ブレードを印刷部材の接触層とその下層の緩衝層とで弾性係数の異なる複数の層で構成するようにしても良い。
【0035】
これにより、ブレードの印刷部材との接触面が印刷部材と同形状であるため、より印刷部材表面に密着させやすく、しかも、固着した残存現像剤を印刷部材の表面から剥離させるときに、固着した残存現像剤と直接接触する部分が変形しにくく、確実に固着した現像剤を除去できるとともに、その下層の緩衝層が柔軟に印刷部材の表面形状にそって変形することで、過剰な接触圧力を加えることなく、ブレード土手部1aを含めた接触層が印刷部材表面に密着して、液漏れを起こすのを防ぐことができるようになる。
【0036】
印刷部材3を回転体として構成した場合には、図6に示すように、ブレード土手部1aを有する残存現像剤除去ブレード1を印刷部材表面に押圧するための支持部材を、支持部材のブレード装着面の形状を印刷部材表面と同様な曲率の曲面として構成するようにしても良い。
【0037】
これにより、支持部材に装着した残存現像剤除去ブレード1は、支持部材のブレード装着面の形状に沿って変形することで、残存現像剤除去ブレード1自体の印刷部材との接触面が印刷部材表面と同様な曲率の曲面となり、より容易に印刷部材表面にブレード土手部1aを含めて密着させることができ、残存現像剤除去時の液漏れを防ぐことができるようになる。
【0038】
また、図7に示すように、このときに使用する残存現像剤除去ブレード1を接触層と、その下層の緩衝層で弾性係数の異なる複数の層から構成するブレードを使用するようにしても良い。
【0039】
図8に示すように、残存現像剤除去ブレード1として、真っ直ぐなブレードを使用し、両端が凸型の土手部となるよう変形して支持部材2に装着するように構成しても良い。
【0040】
これにより、加工が容易で精度の高いエッジを作り出せる直線ブレードを使用でき、しかも、両端の土手部により、残存現像剤除去時の液漏れを防ぐことができる。
【0041】
【実施例】
この発明による代表的な実施例を説明する。なお、以下において、同じ箇所は同一の符号を付してあり、詳細な説明を省略することがある。
【0042】
本装置は、液体現像剤を使用した電子写真装置の、印刷処理に使用されずに感光体や中間転写体といった印刷部材の表面に残存している現像剤を、次の印刷処理に備えて除去するためのクリーニング装置である。
【0043】
図1の(a)に示すように、両端にブレード土手部1aを有する残存現像剤除去ブレード1と、図1の(b)に示すように、この残存現像剤除去ブレード1をクリーニング対象である印刷部材3の表面に押圧する支持部材2を備えている。
【0044】
残存現像剤除去ブレード1は、ゴムなどの弾性体で形成されており、このブレードを印刷部材表面に支持部材2により押し付けるようにすることで、ブレードのエッジで印刷部材表面を掻き取るようにして、残存現像剤を除去する。
【0045】
従来の残存現像剤除去ブレードは、図13に示すように、エッジが直線となったブレードを使用しているため、残存現像剤の除去時に、両端から液漏れを起こすことがあり、これを防ぐために、図14に示すような、両端に別部材であるシール材を接合したものが使用されていた。
【0046】
しかし、このような別部材であるシール材のブレードへの接合は、接合部分の隙間を小さくする必要があるが、高精度な接合加工は困難で、製造上の問題からこの接合部の隙間が大きくなる場合があり、ここから液漏れを起こすことがあった。
【0047】
このような問題を解決するため、本装置では、残存現像剤除去ブレード1の両端にブレード土手部1aを備えており、これにより、図11に示すように、残存現像剤の除去時に、ブレードのエッジに集められた現像剤が、ブレードの両端から流れ出ようとするのを、ブレード土手部1aによりせき止め、両端から漏れずに中央部側に集めることで、液漏れの発生を防ぐようにしている。
【0048】
印刷部材3を回転体として構成した場合には、図2に示すように、残存現像剤除去ブレード1の両端のブレード土手部1aを支持部材2側から印刷部材側に押圧し、予めブレード土手部1aを印刷部材側に屈曲するよう変形させる土手部押圧部材4を備えるように構成しても良い。
【0049】
ブレードはゴムなどの弾性体で形成されているので、支持部材に備えられた土手部押圧部材4によりブレード土手部1aを印刷部材側に押圧することで、クリーニング対象となる印刷部材の表面に沿うようにブレード土手部1aを屈曲させておくことができ、これにより、印刷部材表面にブレード土手部1aを密着させることで、ブレードと印刷部材表面との隙間から液漏れが発生することを防止することができるようになる。
【0050】
図3に示すように、ブレード土手部1aを有する残存現像剤除去ブレード1として、印刷部材表面に直接接触する接触層の弾性係数を大きくし、その下層に弾性係数の小さい緩衝層を備えた複数層からなるブレードとしても良い。
【0051】
印刷部材の表面に残存している現像剤の中には、現像剤中の固形成分が物理的な圧力などにより印刷部材表面に固着している場合があり、これを印刷部材表面から剥離させるためには、ブレードの接触部分が変形しにくく、固着した固形成分に強い力を加えられる方が良い。
【0052】
しかし、ブレード全体を変形しにくい材質のもので形成すると、ブレードを印刷部材表面に密着させるために、過剰な接触圧力を加える必要があり、印刷部材やブレード自体の劣化を招くことになる。
【0053】
図3に示すような、弾性係数の異なる複数層からなるブレードとすることで、印刷部材に直接接触する接触層は弾性係数が大きく変形しにくいため、表面に固着した現像剤の固形成分などを確実に剥離させることができ、また、接触層の下層に備えられた弾性係数の小さい変形しやすい緩衝層が、印刷部材表面の形状に合わせて柔軟に変形することで、小さな接触圧力でブレードを密着させることができるようになる。
【0054】
なお、図には複数層として構成した場合として2層の場合を示しているが、接触層、緩衝層をそれぞれ多数の層にすることもでき、2層に限定するものではない。
【0055】
図4に示すように、クリーニング対象の印刷部材が回転体の場合、ブレード土手部1aを有する残存現像剤除去ブレード1の印刷部材との接触面を、印刷部材の表面の形状と同様な曲率の曲面として形成するようにしても良い。
【0056】
残存現像剤除去ブレード1の接触面を、このように印刷部材と同形状の曲面にすることで、ブレード土手部1aを容易に印刷部材の表面に密着させることができ、印刷部材の表面に残存している現像剤を除去するとき、ブレード土手部1aと印刷部材表面との隙間から液漏れすることを防ぐことができる。
【0057】
図5に示すように、クリーニング対象の印刷部材が回転体の場合、ブレード土手部1aを有する残存現像剤除去ブレード1の印刷部材との接触面を、印刷部材の表面の形状と同様な曲率の曲面として形成し、かつ、接触層を弾性係数の大きい変形しにくい材質とし、その下層に弾性係数の小さい変形しやすい緩衝層を備える複数層として構成するようにしても良い。
【0058】
これにより、ブレードの印刷部材への密着容易性がさらに向上し、過剰な接触圧力を加えることなく、ブレード接触面と印刷部材の表面との隙間から液漏れが発生するのを防止でき、確実に残存現像剤を除去することができるようになる。
【0059】
図6に示すように、クリーニング対象の印刷部材が回転体の場合、支持部材2のブレード装着面の形状を、クリーニング対象の印刷部材表面と同様な曲率の曲面として構成するようにしても良い。
【0060】
これにより、残存現像剤除去ブレード1を特別加工することなく、支持部材2に装着するだけで、残存現像剤除去ブレード1自体も、ブレード装着面の形状に沿って変形することとなり、残存現像剤除去ブレード1の印刷部材との接触面も印刷部材表面と同様な曲率の曲面となり、より密着しやすくすることができる。
【0061】
図7に示すように、クリーニング対象の印刷部材が回転体の場合、支持部材2のブレード装着面の形状を、クリーニング対象の印刷部材表面と同様な曲率の曲面として構成し、これに装着する残存現像剤除去ブレード1として、印刷部材と直接接触する接触層に弾性係数の大きい変形しにくい材質とし、その下層の緩衝層に弾性係数の小さい変形しやすい材質を使用した複数層のブレードを装着するよう構成しても良い。
【0062】
これにより印刷部材との密着容易性を高めることができ、過剰な接触圧力を加えることなく、残存現像剤除去ブレード1を印刷部材に密着させることができ、また、印刷部材表面に固着した液体現像剤中の固形成分を、変形しにくい接触層のエッジで掻き取ることで、確実に表面から剥離させられ、液漏れを起こさずに完全に残存現像剤を除去することができるようになる。
【0063】
図8に示すように、残存現像剤除去ブレード1として、直線ブレードの両端が凸型の土手形状に変形するように装着することができる、支持部材2を備えるよう構成しても良い。
【0064】
直線ブレードは加工が容易で、ブレードとして要求される最高級のエッジ精度を出すことができる。このような高精度の直線ブレードを、支持部材2に装着することで、両端に土手部を設けることができ、残存現像剤除去時にエッジ部に集められた現像剤が、両端から流れ出そうとするのを土手部でせき止め、液漏れの発生を防止することができる。
【0065】
この直線ブレードの支持部材2への装着には、図9に示すように、ブレードのみを簡単に交換できるように、ブレード固定ネジ5で支持部材2にねじ止めで留めるようにしても良いし、より安定した状態でブレードを使用できるように、図10に示すように、支持部材2に溶着、接着等により固定するようにしても良い。
【0066】
以上のような、両端に凸型の土手部を設けたブレードを使用した電子写真装置のクリーニング装置を使用することで、印刷部材に使用されずに残存した残存現像剤を、液漏れを起こさずに完全に除去し、残存現像剤による汚れなどが発生しない、高画質な電子写真装置とすることができる。
【0067】
【発明の効果】
この発明により、以下に示すような効果が期待できる。
【0068】
液体現像剤を用いる電子写真装置の現像工程で使用される、感光体や中間転写体などの印刷部材の表面には、現像工程で使用されず現像剤の一部が残存するが、これを、次の印刷の準備として除去する必要がある。
【0069】
これを除去するため、ゴムなどの弾性体で形成したブレードを使用して、このブレードのエッジを印刷部材の表面に接触させ、表面を掻き取るようにして残存している現像剤を除去していたが、このとき、エッジに集められた残存現像剤がブレードの両端から流れ出すことがあり、これを防ぐため、ブレードの両端に別部材のシール材を接合したものが考案されていたが、その加工が困難であり、接合部から液漏れを起こすこともあった。
【0070】
本発明を利用することで、液体現像剤を用いる電子写真装置の印刷工程で使用されずに印刷部材の表面に残存している現像剤を、液漏れを起こすことなく、確実に除去することが可能な電子写真装置のクリーニング装置を実現することができるようになる。
【0071】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全体構成図である。
【図2】土手部を押圧する部材を備えた場合の構成図である。
【図3】ブレードを弾性係数の異なる複数の層で構成した場合の構成図である。
【図4】ブレードの接触面を印刷部材の表面形状に合わせた曲面とした場合の構成図である。
【図5】ブレードの接触面を印刷部材の表面形状に合わせた曲面とし、ブレードを複数層で構成した場合の構成図である。
【図6】支持部材のブレード装着面を印刷部材表面と同様な曲率の曲面とした場合の構成図である。
【図7】支持部材のブレード装着面を印刷部材表面と同様な曲率の曲面とし、ブレードを複数層で構成した場合の構成図である。
【図8】直線ブレードの両端を土手形状に変形して使用する場合の構成図である。
【図9】直線ブレードの支持部材へのネジ止めによる実装例説明図である。
【図10】直線ブレードの支持部材への溶着又は接着による実装例説明図である。
【図11】ブレード土手部の効果説明図である。
【図12】電子写真装置の印刷工程における残存現像剤除去についての説明図である。
【図13】従来のブレードによる残存現像剤の除去説明図である。
【図14】ブレードの両端にシール材を設けた場合の構成図である。
【符号の説明】
1:残存現像剤除去ブレード
1a:ブレード土手部
2:支持部材
3:印刷部材
4:土手部押圧部材
5:ブレード固定ネジ
Claims (8)
- 液体現像剤を用いた電子写真装置の、現像工程に使用される感光体や中間転写体などの印刷部材に付着した不要な現像剤を取り除く電子写真装置のクリーニング装置において、
両端が凸型の土手を設けた形状のブレードと、
当該ブレードを支持する支持部材と、
を備えることを特徴とする電子写真装置のクリーニング装置。 - 液体現像剤を用いた電子写真装置の、現像工程に使用される印刷部材に付着した不要な現像剤を取り除く電子写真装置のクリーニング装置において、
前記ブレードを支持する支持部材として、ブレードの両端土手部を押圧する手段を備える、
ことを特徴とする請求項1記載の電子写真装置のクリーニング装置。 - 液体現像剤を用いた電子写真装置の、現像工程に使用される印刷部材に付着した不要な現像剤を取り除く電子写真装置のクリーニング装置において、
前記両端が凸型の土手を設けた形状のブレードとして、弾性係数の異なる複数の層で構成し、回転体接触層の弾性係数をその他の層の弾性係数よりも大きくした、
ことを特徴とする請求項1記載の電子写真装置のクリーニング装置。 - 液体現像剤を用いた電子写真装置の、現像工程に使用される印刷部材に付着した不要な現像剤を取り除く電子写真装置のクリーニング装置において、
印刷部材を回転体として構成した場合には、前記両端が凸型の土手を設けた形状のブレードとして、ブレードの回転体との接触面を回転体の表面の曲率と同様な曲率の曲面とした、
ことを特徴とする請求項1記載の電子写真装置のクリーニング装置。 - 液体現像剤を用いた電子写真装置の、現像工程に使用される印刷部材に付着した不要な現像剤を取り除く電子写真装置のクリーニング装置において、
印刷部材を回転体として構成した場合には、前記弾性係数の異なる複数の層で構成したブレードとして、ブレードの回転体との接触面を回転体の表面の曲率と同様な曲率の曲面とした、
ことを特徴とする請求項3記載の電子写真装置のクリーニング装置。 - 液体現像剤を用いた電子写真装置の、現像工程に使用される印刷部材に付着した不要な現像剤を取り除く電子写真装置のクリーニング装置において、
印刷部材を回転体として構成した場合には、前記ブレードを支持する支持部材として、回転体の表面の曲率と同様な曲率の曲面によりブレードを支持する、
ことを特徴とする請求項1記載の電子写真装置のクリーニング装置。 - 液体現像剤を用いた電子写真装置の、現像工程に使用される印刷部材に付着した不要な現像剤を取り除く電子写真装置のクリーニング装置において、
印刷部材を回転体として構成した場合には、前記ブレードを支持する支持部材として、回転体の表面の曲率と同様な曲率の曲面によりブレードを支持する、
ことを特徴とする請求項3記載の電子写真装置のクリーニング装置。 - 液体現像剤を用いた電子写真装置の、現像工程に使用される印刷部材に付着した不要な現像剤を取り除く電子写真装置のクリーニング装置において、
真っ直ぐなブレードを、両端が凸型の土手を設けた形状に変形させて使用する、
ことを特徴とする電子写真装置のクリーニング装置。
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006337588A (ja) * | 2005-05-31 | 2006-12-14 | Ricoh Co Ltd | クリーニング装置および画像形成装置 |
JP2007225677A (ja) * | 2006-02-21 | 2007-09-06 | Konica Minolta Business Technologies Inc | クリーニング装置及び画像形成装置 |
JP2007225676A (ja) * | 2006-02-21 | 2007-09-06 | Konica Minolta Business Technologies Inc | クリーニング装置及び画像形成装置 |
JP2009116304A (ja) * | 2007-10-17 | 2009-05-28 | Seiko Epson Corp | キャリア液除去装置及び画像形成装置 |
US10209665B2 (en) | 2017-01-30 | 2019-02-19 | Canon Kabushiki Kaisha | Cleaning device and image forming apparatus |
-
2002
- 2002-11-26 JP JP2002342285A patent/JP2004177569A/ja active Pending
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