JP2004177540A - Ovd媒体の偽造防止方法及び偽造防止を施したovd媒体及びovd媒体を用いたステッカー - Google Patents

Ovd媒体の偽造防止方法及び偽造防止を施したovd媒体及びovd媒体を用いたステッカー Download PDF

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Abstract

【課題】潜像をOVD媒体に付加して偽造防止効果を更に高める際に、真偽判定が多回数可能であり、耐性及び画像の精細さの点で制約されず、紫外線や赤外線等の外部刺激を与えることで、潜像画像の目視確認が可能であると供に、非常な簡単な道具を用いることで、偽造か否かの真偽判定を容易に行うことができる。
【解決手段】基材14に、潜像形成層15と、OVD層16とを設け、
該潜像形成層15に、偏光フィルムを介した目視によって視認可能で、且つ、偏光フィルムを介さない目視によっては視認不能又は視認困難な配向を利用して形成された潜像部分を設けてOVD媒体の偽造を防止する。
【選択図】図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は隠し文字やパターンを表示させることを目的とした潜像を用いた偽造防止方法及び媒体に関するものであり、特に、偽造か否かの真偽判定を容易に行う際に、紫外線等の外部刺激により潜像画像を発光させ、目視確認が可能であると供に、専用の検証媒体を用いて潜像画像を目視確認することが可能であるOVD媒体の偽造防止方法及び偽造防止を施したOVD媒体及びそのOVD媒体を用いたOVDステッカーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から潜像を偽造防止に用いた方法は種々ある。
例えば万線のピッチの隙間を利用して隠し文字等を入れ、万線部分を隠蔽することで隠し文字が現れる万線画や、透明インキメジウム中にフィラーを入れたものを印刷し鉛筆でその部分を擦ると鉛筆の粉が印刷部分に付着して隠し文字が現れる鉛筆出し印刷(デコマット)がある。これらの潜像画像はよく見るとわかってしまうため、本格的な潜像というよりは、遊び用として使用されている。
次に、網点や万線のモアレ(干渉縞)を利用して潜像画像を形成する方法がある。この方法は、網点や万線のピッチもしくは角度を部分的に変えることにより、整然と並んだ網点もしくは万線の透明フィルムを潜像画像に重ねることでモアレが発生し、画像が出現する。この場合、簡単な表示用媒体のため、繰り返し使用が可能であるが、その反面、複雑な画像を形成できないという問題がある。
また、可視光下では目視し難いが、一定条件下でのみ、印刷画像を確認できる機能性インキに、蛍光インキや赤外線吸収インキがある。蛍光インキは紫外線を照射することにより発行するインキで、白色または無色透明のインキがあることより潜像画像として用いられている。蛍光インキには有機タイプと無機タイプがあり、有機タイプは印刷インキ中にごく少量含有するだけで発光が確認されるが、耐光性が弱いため用途が限定される。また、無機タイプは印刷インキ中に多く入れる必要があり(10〜20%程度)、潜像画像としては目視でわかってしまうため、デザイン等に工夫が必要である。
赤外線域を利用し赤外光を吸収するインキにて画像を形成し、この上に前記画像を隠蔽し目視できないようにするとともに赤外線領域で光を透過する層を設けた潜像画像があるが、この潜像画像を表示させるためには赤外線カメラ等が必要であり、装置的に大がかりとなる。また、可視光域では白色もしくは無色であるが赤外線域に吸収のあるインキ(IVインキ)があるが、これも前記同様赤外線カメラ等が必要である。
このように、上記の方法では、繰り返し表示が可能な反面、潜像の表示に特定の検出装置が必要である。
近年では、材料の持つ光機能を利用した潜像形成方法がある。これは、位相差フィルムの一部分に加熱処理又は溶剤処理などを施すことで、位相差を生じさせ、偏光板を介して、その位相差の部分的相違を視覚化して視認する方法である。しかし、上記の方法では、位相差の部分的相違が目視によって視認することができてしまうため、デザイン等に一工夫必要である(例えば、特許文献1参照。)。
また、液晶材料の持つ複屈折性を利用した潜像形成方法もある。これは、サーモトロピック性を示す液晶材料を部分的に配向させ、潜像画像を形成し、その上に偏光板を介することで、配向させた部分を潜像画像として目視視認することができる(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
一方、従来から、ホログラムや回折格子、或いは見る角度により色の変化(カラーシフト)を生じる多層薄膜のようなOVD(Optical Variable Device)は、光の干渉を用いて立体画像や特殊な装飾画像を表現し得る。これらのOVDは立体画像やカラーシフトと言った特殊な印象を与えるため、優れた装飾効果を有しており、各種包飾材、絵本、カタログ等の一般的な印刷物に利用されている。更に、これらのOVDの製造方法は高度な製造技術を要するため、偽造防止手段として、クレジットカード、有価証券、証明書類等の一部或いは全面に形成され、偽造防止が施された媒体として使用されている。
ホログラムや回折格子のようなOVDは、微細な凹凸パターンや屈折率の異なる縞状パターン等の回折構造からなっており、光の干渉と回折により見る角度(すなわち、ホログラムを支持している角度)に応じて、固有の像や色の変化(カラーシフト)が生じるものである。また、多層薄膜のようなOVDは、光学特性の異なるセラミックや金属を幾重にも積層した構造である。この多層薄膜は構成する材料の光学特性と膜厚により得られる光の干渉作用を利用したものであり、特定の波長域に反射・透過特性を有しているため、観察する角度によりカラーシフトが生じるものである。以下では、これらの光の干渉を利用したホログラム、回折格子、多層薄膜等を総称してOVDと証することとする。
ホログラムは製造方法により、レリーフ型ホログラム及び体積型ホログラムに分けられる。まず、レリーフ型ホログラムは、光学的撮影方法により微細な凹凸パターンからなるレリーフ型のマスターホログラムを作製し、これから電気メッキ法により凹凸パターンを複製したニッケル製のプレス版を複製し、このプレス版をホログラム形成層上に加熱押圧すると言う周知の方法により製造するホログラムである。次に、感光性樹脂等の記録材を用いて、体積方向に干渉縞を記録する体積型ホログラムがある。この型のホログラムでは、リップマンホログラムと呼ばれるものが一般に使用されており、感光性樹脂の屈折率を体積方向に変化させ、反射型ホログラムとしたものである。
更に、回折格子を用いたものは、このような立体画像を再生し得るホログラムと異なり、微少なエリアに複数種類の単純な回折格子を配置して画素とし、グレーティングイメージ、ピクセルグラムと呼ばれる画像を表現するものである。このような回折格子を用いた画像は、レリーフ型ホログラムと同様な方法で大量複製が行われている。
【0004】
近年、液晶材料の持つ複屈折性を利用した潜像技術とホログラム等の光の干渉画像を複合した偽造防止技術として、目視では単なるホログラム画像のみが視認できず、偏光板を介することで潜像画像を確認することができるOVD層を有する潜像画像媒体が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−81062号公報
【特許文献2】
特開2001−39100号公報
【特許文献3】
特開2001−63300号公報(第1−2頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上、説明してきたように、これらのOVDの製造には高度な技術を要することから偽造防止の有効な手段としてクレジットカード、有価証券、証明書類等の一部に貼着し、或いは、全面に形成し偽造防止が施された媒体として使用されているが、本発明は、これらのOVD媒体の偽造防止効果を更に高めるものであり、前記潜像を偽造防止に用いた際の問題点を解決し、前記潜像をOVD媒体に付加したものである。
すなわち、本発明は、前記潜像をOVD媒体に付加して偽造防止効果を更に高める際に、真偽判定が多回数可能であり、耐性及び画像の精細さの点で制約されず、紫外線や赤外線等の外部刺激を与えることで、潜像画像の目視確認が可能であると供に、非常な簡単な道具を用いることで、偽造か否かの真偽判定を容易に行うことができるOVD媒体の偽造防止方法を提供することを課題とする。また、このような偽造防止を施したOVD媒体およびそのOVD媒体を用いたステッカーを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた本発明は、
請求項1記載の発明は、基材に、潜像形成層と、OVD層とを設け、
該潜像形成層に、偏光フィルムを介した目視によって視認可能で、且つ、偏光フィルムを介さない目視によっては視認不能又は視認困難な配向を利用して形成された潜像部分を設けてOVD媒体の偽造を防止することを特徴とするOVD媒体の偽造防止方法である。
【0008】
請求項2記載の発明は、基材に、潜像形成層と、OVD層とを設け、
該潜像形成層に、偏光フィルムを介した目視によって視認可能で、且つ、偏光フィルムを介さない目視によっては視認不能又は視認困難な配向を利用して形成された潜像部分を設けたことを特徴とする偽造防止を施したOVD媒体である。
【0009】
請求項3記載の発明は、前記潜像形成層の材料が、外力によって配向されることにより形成可能な潜像部分を設けることが可能な高分子材料であることを特徴とする請求項2に記載の偽造防止を施したOVD媒体である。
【0010】
請求項4記載の発明は、前記潜像形成層の材料が、高分子液晶材料及び色材からなることを特徴とする請求項2又は3に記載の偽造防止を施したOVD媒体である。
【0011】
請求項5記載の発明は、前記高分子液晶材料が、サーモトロピック性を示す高分子液晶材料であり、前記潜像部分は加熱・加圧により配向させて設けたことを特徴とする請求項4記載の偽造防止を施したOVD媒体である。
【0012】
請求項6記載の発明は、前記色材が、紫外線・赤外線・電子線・X線・放射線・電界・化学反応等の外部刺激により発光する平均粒径が1〜6000nmの範囲内である蛍光体・燐光体・蓄光体の少なくとも1種若しくは2種以上の発光材料を、80%未満で含有して構成されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の偽造防止を施したOVD媒体である。
【0013】
請求項7記載の発明は、前記潜像部分が、文字・絵柄等の情報を有するパターン形状の潜像画像であることを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載の偽造防止を施したOVD媒体である。
【0014】
請求項8記載の発明は、前記潜像形成層に保護層を設けたことを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1項に記載の偽造防止を施したOVD媒体である。
【0015】
請求項9記載の発明は、前記OVD層に金属材料からなる光反射層を設けたことを特徴とする請求項2乃至8のいずれか1項に記載の偽造防止を施したOVD媒体である。
【0016】
請求項10記載の発明は、前記偏光フィルムが円偏光フィルムであることを特徴とする請求項2乃至9のいずれか1項に記載の偽造防止を施したOVD媒体である。
【0017】
請求項11記載の発明は、請求項2乃至10記載の偽造防止を施したOVD媒体を用いたステッカーであることを特徴とするOVD媒体を用いたステッカーである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
図1は本発明の媒体の一実施例を示す平面図であり、図2は図1の媒体に紫外線を照射させたときに出現する潜像画像を示す平面図であり、図3は図1の媒体に偏光板を重ねたときに出現する潜像画像を示す平面図である。また、図4は、図3に示すX−X線における、図1に示す本発明の媒体の断面図である。図5は本発明の媒体を段ボールに貼り付けた画像形成体の一実施例を示す図であり、図6は図5の画像形成体のY−Y線における断面図である。図7は本発明の媒体の一実施例を示す断面図である。図8は本発明の媒体の一実施例を示す断面図である。図9は本発明の媒体の一実施例を示す断面図である。図10は本発明の媒体の層間における光路の状態を概念的に説明した図である。
【0020】
図1の潜像を有する媒体1の平面図において、目視では潜像画像が確認できず単なるホログラム画像媒体にしか見えない。しかしながら図2のように潜像を有する媒体1に紫外線11を照射すると、潜像画像12が出現する。また図3のように潜像を有する媒体1の上に偏光フィルム13を重ねることで潜像画像12が出現する。潜像画像12は高分子液晶材料と色材からなる潜像形成層15(図4参照)で熱、電気、磁気エネルギー等で配向された部分である。
以下、図4を参照しながら、本発明の媒体を説明する。
【0021】
基材14は、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸、ポリスチレン等の合成樹脂、天然樹脂のフィルム、合成紙、紙、ガラスなどから単独で選択されたもの、または上記より選択されて組み合わされた複合体等が使用可能である。
【0022】
潜像形成層15は、高分子液晶材料と色材からなる。
高分子液晶材料は、80〜200℃程度の融点を有し、サーモトロピック性を示すものが好ましく、例えばポリエステル共重合体、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリイソシアネート、ポリグルタミン酸エステル等のサーモトロピック性高分子液晶材料がある。
【0023】
色材は外部刺激により可視域の光を発するものであり、紫外線・赤外線・電子線・X線・放射線・電界・化学反応等の外部刺激により発光する蛍光体・燐光体・蓄光体をバインダー樹脂と有機溶剤からなるインキに分散させたものを塗布乾燥して設けられる。上記蛍光体・燐光体・蓄光体は潜像形成層15内に0.1〜80%の範囲内で含有させるのが望ましい。0.1%未満の添加量では十分な発光が得られず、80%以上の添加量になるとバインダー樹脂との結着力が弱くなり、最終製品としての耐性が弱くなる。また、感熱転写媒体としての転移性(切れ性)を考慮すると粒径の大きなものは使用できないため(潜像形成層15の膜厚増加につながるため熱伝導性が悪くなることと、層が強靱になるため切れにくくなる)、平均粒子径は1nm〜6000nmの範囲内であることが望ましい。
蛍光体は、外部からの刺激(励起)により可視域付近の光を発するものであるが、励起の停止後に目に感じられる程度の時間(0.1sec程度)以上の残光が続くものを燐光体という。また、長残光のものを蓄光体と呼ぶ。
【0024】
蛍光性物質としては、次のものが挙げられる。
紫外線発光蛍光剤は、紫外線により励起され、これよりも低いエネルギー準位に戻るときに発するスペクトルのピークが青、緑、赤等の波長域にあるものであり、硫化亜鉛やアルカリ土類金属の硫化物の高純度蛍光体に、発光をより強くするために微量の金属(銅、銀、マンガン、ビスマス、鉛など)を付活剤として加えた後、高温焼成にて得られる。母体結晶と付活剤の組み合わせにより、色相、明るさ、色の減衰の度合いを調整できる。
また、赤外線発光蛍光剤は、赤外光で励起し、可視光に発光する赤外可視変換蛍光剤と、赤外光で励起し、より長波長に発光するものがある。前者の赤外可視変換蛍光剤は、非常に特殊な励起機構を持つ蛍光体であり、エネルギーの小さな赤外線の光子を複数個用いることによって可視発光の励起を行う。二つのタイプの機構があり、一方は付活剤イオン中の多段階励起によって、他方は増感剤からの複数回の共鳴エネルギー伝達によって、それぞれ高い励起が可能になる。始めのタイプは、Er3+やHo3+を付活剤とする多くの母体結晶で観測され、後のタイプは増感剤Yb3+が赤外線を吸収し、多段階のエネルギー伝達によって発光中心のEr3+、Tm3+、Ho3+等を高い準位に励起する。
また、母体結晶として硫化物(ZnS、CdS)や酸硫化物(YS)のように電子の移動度が大きく、光導電性を持った半導体的物質は、電子線励起蛍光体として使用することが可能である。
また、X線や粒子線などの放射線に対して効率の高い蛍光体(Zn、Cd)S:Agや、電気エネルギーを直接ルミネッセンスに変える電界発光蛍光体も使用可能な例として挙げておく。
また、上記の蛍光材料以外にも、ジアミノスチルベンジルスルホン酸などのスチルベン系、ジアミノジフェニル系、イミダゾール系、チアゾール系、クマリン系、ナフタールイミド系、チオフェン系などの有機系の顔料や染料を使用しても良い。
【0025】
サーモトロピック性高分子液晶材料および色材からなるこの潜像形成層15は、例えばグラビア印刷法、スクリーン印刷法、ノズルコーター法等の既知の塗布手段により塗布する。
この潜像形成層15は通常に塗布した状態では、特定の結晶構造を有してないランダムな分子状態に形成されている。しかし、熱、電気、磁気エネルギー等の外部エネルギーを加えることにより、液晶性基の一定方向への配向が生じる。熱、電気、磁気エネルギー等の外部エネルギーを加える手段としては、ホットスタンプ、サーマルヘッド、熱ロール、レーザーなどによる加熱等が可能である。
【0026】
OVD形成層16は、光の干渉を利用したホログラム、回折格子、多層薄膜等が形成された層であり、OVD層と呼ばれることもある。ホログラムや回折格子のようなOVDとしては、光の干渉縞を微細な凹凸パターンとして平面に記録するレリーフ型や体積方向に干渉縞を記録する体積型がある。また、見る角度により色の変化(カラーシフト)を生じる多層薄膜のようなOVDとしては、光学特性の異なるセラミックスや金属薄膜を積層したものがある。この他に、光の干渉を利用した固有の像や色の変化を生じるものであればこれらに限られるわけではない。これらのOVDの中では、量産性やコストを考慮した場合には、レリーフ型ホログラム(回折格子)や多層薄膜が好ましいものである。
【0027】
レリーフ型ホログラム(回折格子)は光学的な撮影方法により、微細な凹凸パターンからなるレリーフ型のマスターホログラムを作製し、次に、このマスターホログラムから電気メッキ法により凹凸パターンを複製したニッケル製のプレス版を作製し量産を行う。すなわち、このプレス版を加熱し、OVD形成層に押し当て、凹凸パターンを複製する。それ故、OVD形成層は熱による成形性が良好で、プレスムラが生じ難く、明るい再生像が得られる材料であることが必要であり、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、或いはラジカル重合性不飽和基を有する紫外線や電子線硬化性樹脂を単独或いは複合して用いることができる。また、上記以外のものでも、OVD形成層として凹凸パターンが形成可能である安定性を有する材料であれば使用可能である。
【0028】
図4に示すように、OVD形成層16にレリーフ型のホログラム(回折格子)を用いた場合、その回折効率を高めるためレリーフ面を構成する高分子材料と屈折率の異なる光反射層(OVD効果層)17を設けることが好ましい。
この光反射層(OVD効果層)17を設けることにより、回折効率が向上し、より鮮明な画像や色の変化をもたらす。用いる材料としては、屈折率の異なるTiO、Si、SiO、Fe、ZnS、などの高屈折率材料やより反射効果の高いAl、Sn、Cr、Ni、Cu、Au等の金属材料が挙げられ、これら材料を単独あるいは積層して使用できる。これらの材料は真空蒸着法、スパッタリング等の公知の薄膜形成技術にて形成され、その膜厚は用途によって異なるが、5〜1000nm程度で形成される。
上記以外でも、光反射層(OVD効果層)17を構成する材料としては、その屈折率が、OVD形成層16で使用する高分子材料(屈折率n=1.3〜1.5)よりも高い材料であれば、上記の無機材料以外の有機系、有機無機複合体、有機系材料に無機系フィラーを分散したものであっても使用可能である。これらの材料はグラビアコート、ダイコート、スクリーン印刷等の公知のコーティング法や、印刷法にて0.1μm〜10μm程度形成される。さらには、上記以外の材料であっても反射性を有した材料であれば、適宜使用することが可能である。
【0029】
一方、図8に示すように、多層薄膜のOVDが形成されるOVD層40は、異なる光学適性を有する多層薄膜層45、46、47からなり、金属薄膜、セラミックス薄膜またはそれらを併設してなる複合薄膜として積層形成される。例えば、屈折率の異なる薄膜を積層する場合、高屈折率の薄膜と低屈折率の薄膜を組み合わせても良く、また特定の組み合わせにより、所望の多層薄膜を得ることができる。
この多層薄膜には、セラミックスや金属などの材料が用いられ、おおよそ屈折率が2.0以上の高屈折率材料と屈折率が1.5程度の低屈折率材料を所定の膜厚保で積層したものである。以下に用いられる材料の一例を挙げる。まず、セラミックスとしては、例えば、Sb(3.0=屈折率:以下同じ)、Fe(2.7)、TiO(2.6)、CdS(2.6)、CeO(2.3)、ZnS(2.3)、PbCl(2.3)、CdO(2.2)、Sb(2.0)、WO(2.0)、SiO(2.0)、Si(2.5)、In(2.0)、PbO(2.6)、Ta(2.4)、ZnO(2.1)、ZrO(2.0)、MgO(1.6)、SiO(1.5)、MgF(1.4)、CeF(1.6)、CaF(1.3〜1.4)、AlF(1.6)、Al(1.6)、GaO(1.7)等が挙げられる。
金属単体もしくは合金の薄膜としては、例えば、Al、Fe、Mg、Zn、Au、Ag、Cr、Ni、Cu、Si等が挙げられる。また、低屈折率の有機ポリマーとしては、例えば、ポリエチレン(1.5)、ポリプロピレン(1.49)、ポリテトラフロロエチレン(1.35)、ポリメチルメタアクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.60)等が挙げられる。これらの高屈折率材料、もしくは透過率30〜60%の金属薄膜より少なくとも一種、低屈折率材料より少なくとも一種選択し、所定の厚さで交互に積層させることにより、特定の波長の可視光に対する吸収あるいは反射を示す多層薄膜となる。
上記の各材料の中から、屈折率、反射率、透過率等の光学特性や耐候性、耐薬品性、層間密着性などに基づき、材料を適宜選択し、薄膜として積層し多層薄膜を形成する。形成方法は公知の手法を用いることができ、膜厚、成膜速度、積層数、あるいは光学膜厚(=n*d、n:屈折率、d=膜厚)等の制御が可能な、通常の真空蒸着法、スパッタリング法等の物理的気相析出法やCVD法等の化学的気相析出法を用いることができる。また、低屈折率の有機ポリマーの成膜方法としては、公知のグラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法等の印刷方法やバーコート法、グラビア法、ロールコート法等の塗布方法を用いることができる。なお、本発明ではセラミックス及び金属と同等、あるいは類似する屈折率と反射率を有するものであれば、用いること可能である。
この多層薄膜層の層厚は、具体的には5〜2000nmの範囲であり、また、薄膜の層構成は上記高屈折率の材料もしくは金属材料からなる薄膜、例えば、ZnS、TiO、In、SnO、ITO、CeO、ZnO、Ta、Al、Fe、Mg、Zn、Au、Ag、Cr、Ni、Cu、Si、等と、上記低屈折率の材料から成る薄膜、例えば、MgF、SiO、CaF、MgO、Al等との組み合わせであり、それらを交互に積層し、その積層数が2層以上、好ましくは2層から9層である。分光特性は層数に応じて変化する。尚、用いる材料、組み合わせにより多層膜の光学特性が異なるため、これらに限定されるものではない。
本発明におけるOVD媒体においては、潜像形成層またはOVD層上に位置するように有色透明インキ等による着色層を設けることにより、観察されるOVDの色変化がより多彩になり、且つ見易くなり、その確認が容易となり、偽造防止効果を更に向上させることができる。
【0030】
図6に示すように、保護層21は、潜像形成層22を外傷から保護し、また画像形成時の熱圧から画像形成痕による潜像画像の視認を防ぐ役割を持つもので、使用される樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩化ビニル樹脂−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリイミド樹脂等の従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線または電子線硬化樹脂を単独或いは、混合物して用いられる。更に、サーマルヘッド等による画像形成時の印字痕防止のために、樹脂を架橋する硬化剤、ポリエチレンワッス、カルナバワックス、シリコンワックス等のワックス類、或いは炭酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、シリカ、アルミナ、タルク等の体質顔料、シリコ−ン油脂等の油脂類の透明性を損なわない範囲で添加することができる。この保護層21に用いる樹脂は、例えばグラビア印刷法、スクリーン印刷法、ノズルコーター法等の既知の塗布手段およびオフセット印刷法、フレキソ印刷法等の印刷手段により塗工する。
【0031】
図7に示すように、接着層34、35は、OVD効果層33と潜像形成層36とを接着させるという性能が要求される。その材質としては、熱可塑性樹脂が好ましく、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ビニル系樹脂等の単体或いは共重合体を、単独もしくは複合して使用可能であるが、これに限定されるものではない。これらの接着層材料は、例えばグラビア印刷法、スクリーン印刷法、ノズルコーター法等の既知の塗布手段により塗布する。
【0032】
偏光フィルムとしては、PVA延伸フィルムにヨードを吸収させたPVA−ヨウ素型、二色性染料型、金属または金属化合物含有型、ポリエン型などの高分子多結晶型が考えられ、特にPVA−ヨウ素型、二色性染料型フィルムが用いられる。
【0033】
更に、図3の偏光フィルム13を、前記偏光フィルムに1/4波長フィルムを重ねた円偏光フィルムとしても良い。円偏光フィルムを用いることで潜像を表示する際に観察角度に依存することなく、容易に表示可能となる。
【0034】
図10は本発明の潜像を有するOVD媒体を用いた画像形成体における層間、つまり、偏光フィルム63、潜像形成層61及び光反射層62の3層間の光路状態を概念的に説明した図である。このように光源66より偏光フィルム63を通った直線偏光64が全体的あるいは部分的に分子配向によって異方性をもたせた潜像形成層61を透過することで、楕円偏光に変化し、光反射層62により反射され、再度偏光フィルム63を通して透過反射光65が得られる。この透過反射光65は波長によって光の強さが異なるため、多彩な色相を有する画像が得られる。また、偏光フィルム63の配向方向と分子配向された潜像形成層61との角度によっても見える色相が異なってくる。
【0035】
【実施例】
本発明を、具体的な実施例を挙げて詳細に説明する。
<実施例1>
厚さ50μmのアクリル基材上に下記[潜像形成層の組成]からなる潜像形成層材料インキをグラビア印刷法にて、乾燥温度60℃、塗布厚0.7μmでパターン印刷を行った。その上に、下記[OVD形成層の組成]からなるOVD形成層材料インキをグラビア印刷法にて、乾燥温度80℃、厚み1.0μmで塗布した。
次に、OVDレリーフパターンを有するニッケル製のOVD画像金型を100℃に加熱し、公知のロールエンボス法によりOVD形成層上に押圧することで、OVD形成層上にOVDレリーフパターンを形成した。本実施例では、2ステップ法により撮影したレインボーホログラムをOVD画像に用いた。
次いで、上記方法でOVDレリーフパターンを形成したOVD形成層上に、真空蒸着法を用いて、膜圧0.05μmのAl蒸着薄膜層を形成して光反射層(OVD効果層)を設け、図4に示すような積層構造を有するOVD媒体を得た。
[潜像形成層の組成]
高分子液晶(キラコールPLC−7003:旭電化工業製)19.8重量部
蛍光染料 0.2重量部
メチルエチルケトン 80.0重量部
[OVD形成層の組成]
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 15重量部
ウレタン樹脂 10重量部
メチルエチルケトン 50重量部
トルエン 25重量部
【0036】
得られた偽造防止を施したOVD媒体は目視では潜像画像が全く視認できず、単なるホログラムフィルムに見える。しかし、紫外線を照射することで良好な潜像画像が出現し、また、偏光フィルムを重ねることで潜像画像が鮮明に出現することより、良好な偽造防止を施したOVD媒体を得た。
【0037】
<実施例2>
実施例1で得た偽造防止を施したOVD媒体の裏面に粘着加工を施し、離型紙を付けてステッカーを得た。
【0038】
<実施例3>
厚さ50μmのPET基材上にAlを真空蒸着法にて約60nmの金属膜を成膜して光反射層を得た。その上に下記[OVD形成層の組成]からなるOVD形成層材料インキをグラビア印刷法にて、乾燥温度80℃、厚み1.2μmで塗布した。次に、OVDレリーフパターンを有するニッケル製のOVD画像金型を100℃に加熱し、公知のロールエンボス法によりOVD形成層上に押圧することで、OVD形成層上にOVDレリーフパターンを形成した。本実施例では、2ステップ法により撮影したレインボーホログラムをOVD画像に用いた。
次に、上記方法でOVDレリーフパターンを形成したOVD形成層上に、下記[潜像形成層の組成]からなる潜像形成層材料インキをグラビア印刷法にて、乾燥温度80℃、塗布厚0.5μm塗布した。更に、下記[保護層の組成]からなる保護層材料インキをグラビア法にて、乾燥温度80℃、塗布厚1.0μm塗布した。次に、裏面に粘着加工を施し、離型紙を付けてステッカーを得た。
次いで、潜像画像を設けるために、サーマルヘッド印字を行い、任意のパターンを形成することができ、図6に示すような積層構造を有するOVD媒体を得た。
[OVD形成層の組成]
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 15重量部
ウレタン樹脂 10重量部
メチルエチルケトン 50重量部
トルエン 25重量部
[潜像形成層の組成]
高分子液晶(キラコールPLC−7003:旭電化工業製)20.0重量部
赤外線発光蛍光剤 0.5重量部
メチルイソブチルケトン 79.5重量部
[保護層の組成]
アクリル樹脂 10重量部
メチルエチルケトン 45重量部
トルエン 45重量部
【0039】
得られた偽造防止を施したOVD媒体は目視では潜像画像が全く視認できず、単なるホログラムフィルムに見える。しかし、赤外線を照射することで良好な潜像画像が出現し、また、偏光フィルムを重ねることで潜像画像が鮮明に出現することより、良好な偽造防止を施したOVD媒体のステッカーを得た。
【0040】
<実施例4>
厚さ25μmのPET基材上にAlを真空蒸着法にて約60nm金属膜を成膜して光反射層を得た。その上に下記[潜像形成層の組成]からなる潜像形成層材料インキをグラビア法にて、乾燥温度70℃、塗布厚0.5μm塗布した。更に、その上に下記[接着層1の組成]からなる接着材料インキをグラビア印刷法にて、乾燥温度80℃、膜厚2.0μm塗布し、潜像形成媒体を得た。
次に、厚み25μmの透明ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムからなる支持体上に、下記[剥離保護層の組成]からなる保護層材料インキをグラビア法で乾燥温度80℃、厚み1.0μmで塗布した。次に、下記[OVD形成層の組成]からなるOVD形成層材料インキをグラビア印刷法にて、乾燥温度80℃、厚み2.0μmで塗布した。
次に、OVDレリーフパターンを有するニッケル製のOVD画像金型を100℃に加熱し、公知のロールエンボス法によりOVD形成層上に押圧することで、OVD形成層上にOVDレリーフパターンを形成した。本実施例では、2ステップ法により撮影したレインボーホログラムをOVD画像に用いた。
次いで、上記方法でOVDレリーフパターンを形成したOVD形成層上に、真空蒸着法を用いて、膜厚50nmのZnS蒸着薄膜層を形成してOVD効果層を設けた。次に、下記[接着層2の組成]からなる接着層材料インキをグラビア印刷法にて、乾燥温度80℃、塗布厚2.0μm塗布し、OVD形成媒体を得た。
潜像形成媒体とOVD形成媒体を重ね、120℃に加熱したロール転写法にて両者を融着させ、OVD形成媒体の支持体を剥がすことで、図7に示すような積層構造を有するOVD媒体を得た。
[潜像形成層の組成]
高分子液晶(キラコールPLC−7003:旭電化工業製)19.2重量部
紫外線発光蛍光染料 0.8重量部
メチルエチルケトン 80.0重量部
[接着層1の組成]
ポリエステル樹脂 5重量部
アクリル樹脂 15重量部
メチルエチルケトン 40重量部
トルエン 40重量部
[剥離保護層の組成]
アクリル樹脂 10重量部
メチルエチルケトン 45重量部
トルエン 45重量部
[OVD形成層の組成]
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 15重量部
ウレタン樹脂 10重量部
メチルエチルケトン 50重量部
トルエン 25重量部
[接着層2の組成]
アクリル樹脂 10重量部
ポリエステル樹脂 10重量部
メチルエチルケトン 30重量部
トルエン 50重量部
【0041】
得られた偽造防止を施したOVD媒体は目視では潜像画像が全く視認できず、単なるホログラムフィルムに見える。しかし、紫外線を照射することで良好な潜像画像が出現し、また、偏光フィルムを重ねることで潜像画像が鮮明に出現することより、良好な偽造防止を施したOVD媒体を得た。
【0042】
<実施例5>
厚さ100μmのポリカーボネート基材上に下記[潜像形成層の組成]からなる潜像形成層材料インキをグラビア法にて、乾燥温度60℃、塗布厚0.7μm塗布した。その上に、下記[OVD形成層の組成]からなるOVD形成層材料インキをグラビア印刷法にて、乾燥温度80℃、厚み1.0μmで塗布した。
次に、OVDレリーフパターンを有するニッケル製のOVD画像金型を100℃に加熱し、公知のロールエンボス法によりOVD形成層上に押圧することで、OVD形成層上にOVDレリーフパターンを形成した。本実施例では、2ステップ法により撮影したレインボーホログラムをOVD画像に用いた。
次いで、上記方法でOVDレリーフパターンを形成したOVD形成層上に、光反射層(OVD効果層)として多層薄膜層をAl:70nm、SiO2:580nm、Al:20nmの厚みで真空蒸着法を用いて設け、図4に示すような積層構造を有するOVD媒体を得た。
[潜像形成層の組成]
高分子液晶(キラコールPLC−7003:旭電化工業製)19.8重量部
紫外線発光蛍光染料 0.2重量部
メチルエチルケトン 80.0重量部
[OVD形成層の組成]
アクリルポリオール樹脂 20重量部
ヘキサメチレンジイソシアネート 3重量部
メチルエチルケトン 50重量部
トルエン 27重量部
【0043】
得られた偽造防止を施したOVD媒体は目視では潜像画像が全く視認できず、単なるホログラムフィルムに見える。しかし、紫外線を照射することで良好な潜像画像が出現し、また、偏光フィルムを重ねることで潜像画像が鮮明に出現することより、良好な偽造防止を施したOVD媒体を得た。
【0044】
<実施例6>
実施例5で得た偽造防止を施したOVD媒体の裏面に粘着加工を施し、離型紙を付けてステッカーを得た。
【0045】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明は高分子液晶材料の配向特性と紫外線や赤外線などの外部刺激により発光する色材の光学特性を偽造防止に利用することにより、基材に、潜像形成層と、OVD層とを設けたOVD媒体は目視では画像パターンが全く分からない潜像画像が得られ、この潜像画像は偏光フィルムを介することで確認することができ、更に、紫外線や赤外線などの外部刺激を与えることで発光し、潜像画像を確認することができ、二つの簡単な検証方法にて潜像画像が確認できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の媒体の一実施例を示す平面図。
【図2】図1の媒体に紫外線を照射させたときに出現する潜像画像を示す平面図。
【図3】図1の媒体に偏光板を重ねたときに出現する潜像画像を示す平面図。
【図4】図3に示すX−X線における、図1に示す本発明の媒体の断面図。
【図5】本発明の媒体を段ボールに貼り付けた画像形成体の一実施例を示す図。
【図6】図5の画像形成体のY−Y線における断面図。
【図7】本発明の媒体の一実施例を示す断面図
【図8】本発明の媒体の一実施例を示す断面図
【図9】本発明の媒体の一実施例を示す断面図
【図10】本発明の媒体の層間における光路の状態を概念的に説明した図。
【符号の説明】
1…偽造防止を施したOVD媒体
2…偽造防止を施したOVD媒体
3…偽造防止を施したOVD媒体
4…偽造防止を施したOVD媒体
5…偽造防止を施したOVD媒体
11…紫外線
12…潜像画像
13…偏光フィルム
14…基材
15…潜像形成層
16…OVD形成層
17…光反射層(OVD効果層)
20…偽造防止を施したOVD媒体の画像形成体
21…保護層
22…潜像形成層
23…印字部
24…非印字部
25…OVD形成層
26…光反射層(OVD効果層)
27…基材
28…粘着層
29…被着体(段ボール)
31…剥離保護層
32…OVD形成層
33…光反射層(OVD効果層)
34…接着層
35…接着層
36…潜像形成層
37…光反射層
38…基材
40…OVD層
41…基材
42…潜像形成層
43…第1OVD形成層
44…第2OVD形成層
45…多層薄膜層
46…多層薄膜層
47…多層薄膜層
48…粘着層
49…剥離紙
50…OVD層
51…保護層
52…潜像形成層
53…基材
54…多層薄膜層
55…多層薄膜層
56…多層薄膜層
57…粘着層
58…剥離紙
61…潜像形成層
62…光反射層(OVD効果層)
63…偏光フィルム
64…直線偏光
65…透過反射光
66…光源

Claims (11)

  1. 基材に、潜像形成層と、OVD層とを設け、
    該潜像形成層に、偏光フィルムを介した目視によって視認可能で、且つ、偏光フィルムを介さない目視によっては視認不能又は視認困難な配向を利用して形成された潜像部分を設けてOVD媒体の偽造を防止することを特徴とするOVD媒体の偽造防止方法。
  2. 基材に、潜像形成層と、OVD層とを設け、
    該潜像形成層に、偏光フィルムを介した目視によって視認可能で、且つ、偏光フィルムを介さない目視によっては視認不能又は視認困難な配向を利用して形成された潜像部分を設けたことを特徴とする偽造防止を施したOVD媒体。
  3. 前記潜像形成層の材料が、外力によって配向されることにより形成可能な潜像部分を設けることが可能な高分子材料であることを特徴とする請求項2に記載の偽造防止を施したOVD媒体。
  4. 前記潜像形成層の材料が、高分子液晶材料及び色材からなることを特徴とする請求項2又は3に記載の偽造防止を施したOVD媒体。
  5. 前記高分子液晶材料が、サーモトロピック性を示す高分子液晶材料であり、前記潜像部分は加熱・加圧により配向させて設けたことを特徴とする請求項4記載の偽造防止を施したOVD媒体。
  6. 前記色材が、紫外線・赤外線・電子線・X線・放射線・電界・化学反応等の外部刺激により発光する平均粒径が1〜6000nmの範囲内である蛍光体・燐光体・蓄光体の少なくとも1種若しくは2種以上の発光材料を、80%未満で含有して構成されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の偽造防止を施したOVD媒体。
  7. 前記潜像部分が、文字・絵柄等の情報を有するパターン形状の潜像画像であることを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載の偽造防止を施したOVD媒体。
  8. 前記潜像形成層に保護層を設けたことを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1項に記載の偽造防止を施したOVD媒体。
  9. 前記OVD層に金属材料からなる光反射層を設けたことを特徴とする請求項2乃至8のいずれか1項に記載の偽造防止を施したOVD媒体。
  10. 前記偏光フィルムが円偏光フィルムであることを特徴とする請求項2乃至9のいずれか1項に記載の偽造防止を施したOVD媒体。
  11. 請求項2乃至10記載の偽造防止を施したOVD媒体を用いたステッカーであることを特徴とするOVD媒体を用いたステッカー。
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